説明

リチウム二次電池用複合材料テープおよびこれを用いたリチウム二次電池

【課題】有機材料と無機材料とが混合した複合材料で形成されて絶縁性,または,耐熱性を向上させることができるリチウム二次電池用複合材料テープおよびこれを用いたリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】第1極集電体142と,第1極活物質層144と,第1極無地部143が形成された第1極板140bと,第2極集電体132と,第2極活物質層134と,第2極無地部133が形成された第2極板130bと,第1極板と第2極板を絶縁させるセパレータ150と,前記第1極無地部に第1極タブ146,第2極無地部に第2極タブ136が固定される電極組立体100bとを備え,前記第1極板に前記第1極無地部の前記第1極タブが固定した面の反対面に接着する第1極断熱板20とを備えるリチウム二次電池であって、該断熱板は下地をなす有機材料と,前記有機材料に分散する無機材料とを含んで形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリチウム二次電池用複合材料テープおよびこれを用いたリチウム二次電池にかかり,特に有機材料と無機材料とが混合した複合材料で形成され,絶縁性,または,耐熱性が向上したリチウム二次電池用複合材料テープおよびこれを用いたリチウム二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
通常的に,二次電池(secondary battery)は,充電が不可能な一次電池とは異なり,充電および放電が可能な電池を言うものであって,セルラーホーン,ノートブックコンピュータ,キャムコーダ等先端電子機器分野で広く使われている。
【0003】
このような二次電池としては,リチウム二次電池,ニッケル−カドミウム電池,ニッケル−水素電池などがある。特に,前記リチウム二次電池は作動電圧が3.7Vであって,携帯用電子装備電源に大いに使われているニッケル−カドミウム電池やニッケル−水素電池より3倍も高くて,単位重量当たりエネルギー密度が高いという面において急速に伸張している。
【0004】
前記リチウム二次電池は,電解液の種類によって,液体電解質を使用するリチウムイオン電池と高分子電解質を使用するリチウムポリマー電池とに分けられる。また,前記リチウム二次電池は色々な形状で製造されているが,代表的な形状としては,円筒形,缶形およびパウチ形を挙げることができる。
【0005】
前記リチウム二次電池は,他の二次電池に比べてエネルギー密度が高いので,電気が発生する正極板と正極タブなどの正極を構成する正極部分と,負極板および負極タブなどの負極を構成する負極部分との間の電気絶縁および断熱が非常に重要になる。まず,リチウム二次電池に使われる電極組立体は正極板と負極板との間にセパレータが介されてゼリーロール形態で巻き取られて形成されて,正極板と負極板とがセパレータにより絶縁する。また,前記電極組立体に連結される電極タブは外面に絶縁テープが接着し,電極タブと電極組立体,または,電極タブと缶,または,電極タブとキャップ組立体との間の電気絶縁性を確保することになる。
【0006】
一方,前記リチウム二次電池は,エネルギー密度が高いので,二次電池の充放電の際,熱が相対的に大いに発生して,特に,二次電池の過充放電,または,電極のショット時にリチウム二次電池の内部に発熱が発生することになる。一般的に,前記電極組立体は,負極板,正極板およびセパレータ間で互いに絶縁し,かつ,セパレータを通じて電気化学反応が進行するので,電極組立体で発熱が大いに発生する。特に,電極組立体において電極板と電極タブが溶接される部位は異種金属が接合する部位であるので,内部抵抗(internal resistance,IR)が増加し,発熱が集中する。従って,電極タブとセパレータとが接触する部分にはセパレータが発熱により損傷することを防ぐために,樹脂で形成される断熱テープを接着させることになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで,リチウム二次電池の高容量化が進行することにつれて,リチウム二次電池のエネルギー密度が増加している。従って,リチウム二次電池は内部での発熱可能性が増大して,これによって,電池の内部での短絡など,異常作動の可能性が増加している。しかし,リチウム二次電池において電気絶縁に使われる絶縁テープや断熱に使われる断熱テープは,大部分PI(polyimide),PET(polyethyleneterephthalate),PP(polypropylene)のような有機材料で形成されるので,リチウム二次電池の発熱の増加により,テープの耐熱性および耐絶縁性が低下する問題がある。
【0008】
本発明は,従来のリチウム二次電池用複合材料テープおよびこれを用いたリチウム二次電池が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,有機材料と無機材料とが混合した複合材料で形成され,絶縁性,または,耐熱性が向上したの可能な,新規かつ改良されたリチウム二次電池用複合材料テープおよびこれを用いたリチウム二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため,本発明の第1の観点によれば,リチウム二次電池用複合材料テープは,下地をなす有機材料と前記有機材料に分散する無機材料とを含んで形成されることを特徴とする。また,前記複合材料テープは,少なくとも一面に接着剤層が形成されることができる。この際,前記有機材料は,PI,PET,PP,PPS,PE,PPEのうち少なくとも1つの材質を含んで形成されることができる。また,前記無機材料は,非伝導性で溶融点の高い材料が適切である。例えば,酸化物,または,窒化物で形成されることができ,前記酸化物は,Al,TiO,ZrO,SiO,MnO,MgOのうち少なくとも1つの材質を含み,前記窒化物は,Si,BNのうち少なくとも1つの材質を含んで形成されることができる。このとき,前記無機材料は,球形,または,ウィスカー,または,板形の粒子で形成されることができ,球形,または,ウィスカーの直径,または,板形の厚さが複合材料テープの厚さの50%より小さく形成されることができる。そして,前記無機材料は,最適なテープ形状を保つため,前記複合材料テープの全体重量対比20%〜80%の含有率で形成されることができる。また,前記複合材料テープの全体体積対比20%〜80%で形成されることができ,特に,20%〜50%の含有率で,形成されることがよい。また,前記複合材料テープは,熱遮蔽や絶縁機能を保つため,5μm〜200μmの厚さで形成されることがよい。
【0010】
また,本発明の他の観点によれば,リチウム二次電池は,少なくとも一面に電極活物質層が形成された第1極板および第2極板と,前記第1極板および第2極板とを絶縁させるセパレータが巻取られて形成された電極組立体と,前記第1極板および第2極板のうち少なくとも1つの電極活物質層の終端部に形成される突出部の少なくとも1つを覆いかぶせるように形成される絶縁テープとを含むリチウム二次電池において,前記絶縁テープは,有機材料と無機材料との複合材料テープで形成されることができる。言い換えれば,少なくとも一面に電極活物質層が形成された第1極板および第2極板と,前記第1極板および第2極板を絶縁させるセパレータが巻取られて形成された電極組立体と,前記第1極板および第2極板のうち少なくとも1つの電極活物質層の終端部に形成される突出部の少なくとも1つを覆いかぶせるように形成される絶縁テープとを含み,前記絶縁テープは,有機材料と無機材料との複合材料テープで形成されることができる,リチウム二次電池が提供される。この際,前記複合材料テープは,前述の複合材料テープで形成されることができる。
【0011】
また,本発明の他の観点によれば,第1極集電体と第2極活物質層とを備えて少なくとも一側に第1極無地部が形成された第1極板,第2極集電体と第2極活物質層とを備えて少なくとも一側に第2極無地部が形成された第2極板および前記第1極板と第2極板とを絶縁させるセパレータが共に巻取られて形成されて,前記第1極板と第1極板の一側の第1極無地部と第2極無地部に,各々,第1極タブと第2極タブが固定する電極組立体を備えるリチウム二次電池において,前記第1極板,第2極板およびセパレータが巻取られる際,前記電極組立体の内周部に位置する前記第2極板の第2極活物質層の末端を含む第2極無地部領域に対応する位置の少なくとも1つのセパレータの一面に接着する絶縁テープを含み,前記絶縁テープは,有機材料と無機材料との複合材料テープで形成されることができる。言い換えれば,第1極集電体と第1極活物質層とを備え,少なくとも一側に第1極無地部が形成された第1極板と,第2極集電体と第2極活物質層とを備え,少なくとも一側に第2極無地部が形成された第2極板と,前記第1極板と第2極板とを絶縁させるセパレータと,前記第1極板と第2極板との一側の第1極無地部に第1極タブ,第2極無地部に第2極タブが固定される電極組立体とを備え,前記第2無地部の前記第2極板の第2極活物質層の末端と,少なくとも1つのセパレータの一面とを接着する絶縁テープとを含み,前記絶縁テープは,有機材料と無機材料との複合材料テープで形成されることができる,リチウム二次電池が提供される。この際,前記絶縁テープは,前述の複合材料テープで形成されることができる。また,前記リチウム二次電池は,前記電極組立体の外周部に位置する前記第1極板の第1極活物質層の末端を含む第1極無地部領域に対応する位置のセパレータの一面に接着する絶縁テープをさらに含んで形成されることができる。また,前記絶縁テープは,前記第2極集電体の第2極無地部と接触しないセパレータ面に接着することができる。
【0012】
また,本発明の他の観点によれば,パウチ形リチウム二次電池は,パウチと前記パウチの内部に受容される電極組立体と,前記電極組立体からパウチの外部に引出される第1極タブと第2極タブとを備えるベアセルと,前記ベアセルに電気的に連結されて第1極タブと第2極タブとが引出されるベアセル領域の外側に固定する保護回路基板とを含むパウチ形リチウム二次電池において,所定の大きさと厚さの板形状テープで形成されて,前記ベアセルと前記保護回路基板との間に付着し,保護回路基板をベアセルに固定する断熱テープを含み,前記断熱テープは有機材料と無機材料とが混合して形成される複合材料テープで形成されることができる。言い換えれば,パウチと前記パウチの内部に受容される電極組立体および前記電極組立体からパウチの外部に引出される第1極タブと第2極タブとを備えるベアセルと,前記ベアセルに電気的に連結され,第1極タブと第2極タブが引出されるベアセル領域の外側に固定する保護回路基板と,所定の大きさと厚さの板形状テープで形成されて,前記ベアセルと前記保護回路基板との間に付着して保護回路基板をベアセルに固定する断熱テープとを含み,前記断熱テープは,有機材料と無機材料との複合材料テープで形成されることができる,パウチ形リチウム二次電池が提供される。この際,前記断熱テープは,前述の複合材料テープで形成されることができる。
【0013】
また,本発明の他の観点によれば,パック型リチウム二次電池は,缶と,前記缶の内部に正極板,負極板およびセパレータからなる電極組立体と電解液が受容されるベアセルと,前記ベアセルと電気的に連結される保護回路基板と,前記ベアセルと,保護回路基板が受容されて上部ケースと下部ケースを備える外装ケースとを含むパック型リチウム二次電池において,前記ベアセルと下部ケース,または,上部ケースの内面間に接着してベアセルをケースの内部に固定する接着テープを含み,前記接着テープは有機材料と無機材料との複合材料テープで形成されることができる。言い換えれば,缶の内部に収容され,正極板,負極板およびセパレータからなる電極組立体と,電解液が受容されるベアセルと,前記ベアセルと電気的に連結される保護回路基板と,前記ベアセルと保護回路基板が受容されて上部ケースと下部ケースを備える外装ケースと,前記ベアセルと下部ケース,または,上部ケースの内面間に接着し,ベアセルをケースの内部に固定する接着テープとを含み,前記接着テープは,複合材料テープで形成されることができる,パック型リチウム二次電池が提供される。この際,前記接着テープは前述の複合材料テープで形成されることができる。また,前記接着テープは無機材料としてAlを含んで形成されることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように,本発明によれば,リチウム二次電池の内部で発生する熱によりリチウム二次電池の内部に形成された絶縁テープ,または,断熱テープが機能を失うことが防止できるので,リチウム二次電池の安全性を向上させることができる効果がある。特に,リチウム二次電池の過充放電時に発生する充放電,または,電極の短絡により内部温度が急激に上昇し,複合材料テープの有機材料が溶融しても無機材料により絶縁機能,または,断熱機能が維持されるので,電極間の追加的な短絡が防止できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら,本発明にかかるリチウム二次電池用複合材料テープおよびこれを用いたリチウム二次電池の好適な実施形態について詳細に説明する。なお,本明細書および図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0016】
(第1実施形態)
図1は,本発明の実施の形態にかかる複合材料テープの部分断面図を示す。
【0017】
図1を参照すると,複合材料テープ10は,略平板形状で下地をなす有機材料12と,前記有機材料12に分散する無機材料14を含む複合材料で形成される。即ち,前記複合材料テープ10は,溶融点が相対的に低い有機材料12と溶融点が相対的に高い無機材料14とが所定の割合で混合して形成される。前記複合材料テープ10は,温度が高まり,有機材料12が溶融しても,無機材料14によって断熱および絶縁が維持される。従って,前記複合材料テープ10は,既存の有機材料によるテープより高い温度でも,断熱機能と絶縁機能とが維持できる。
【0018】
また,前記複合材料テープ10は,使われる目的によって,一面,または,両面に別途の接着剤が塗布されて接着剤層16が形成されることができ,接着剤層16により必要な部位に接着する。前記複合材料テープ10は,加熱加圧,または,熱融着により必要な位置に接着する。しかし,適用される位置によっては,加熱加圧,または,熱融着することができない。このような場合には,少なくとも一面に接着体層が形成されて付着する。
【0019】
前記複合材料テープ10は,略板状の一般的なテープ形状で形成され,使われる位置と機能によって,多様な厚さと大きさで形成できる。例えば,前記複合材料テープ10が,電極板の電極無地部に溶接された電極タブの表面に接着してセパレータに伝えられる熱を遮断する断熱テープとして使われる場合,複合材料テープ10は板状で形成されて,その厚さが5μm〜200μmで形成される。前記複合材料テープ10の厚さが5μmより薄いと,熱遮蔽,または,絶縁機能が落ちることになり,厚さが200μmより厚くなると,電極組立体の厚さが,複合材料テープ10の付着した部分で,部分的に厚くなる。
【0020】
有機材料12と無機材料14との複合材料で形成される際,無機材料14は,複合材料テープ10の全体重量対比20%〜80%の含有率で形成されることが好ましい。その理由としては,前記無機材料14の含量が20%より小さくなると,有機材料14の溶融の際,無機材料14粒子が複合材料テープ10の形状を維持することが困難であるので,複合材料として使う効果がなくなるからである。また,前記無機材料14の含量が80%を超過することになると,無機材料14の粒子が複合材料テープ10の表面に突出して表面が均一なテープ形状で形成することが困難であり,形成された複合材料テープ10の強度も弱くなり,使用に問題が生じるからである。
【0021】
また,有機材料12と無機材料14との複合材料で形成される際,無機材料14は複合材料テープ10の全体体積対比20%〜80%の含有率で,好ましくは,複合材料テープ10の全体体積対比20〜50%の含有率で,形成されることができる。その理由としては,前記無機材料14の体積が20%より小さくなると,高温で有機材料14の溶融の際,無機材料14粒子が複合材料テープ10の形状を維持することが困難であり,複合材料で形成される効果がなくなるからである。また,前記無機材料14の体積が80%を超過することになると,複合材料テープ10は表面が均一なテープ形状で形成され難くなるなど,使用に問題が生じるからである。
【0022】
前記複合材料テープ10は,適用される位置により,必要とされる物性を有することができるように,有機材料と無機材料が所定の割合で混合して形成される。
【0023】
前記有機材料12は,複合材料テープ10の下地,または,マトリックスをなす材料であって,複合材料テープ10の引張強度,延伸率のような機械的物性を決定することになる。また,前記有機材料12は有機材料が溶融しない,比較的低温での断熱性および耐熱性などを決定することになる。従って,前記有機材料12は,前記複合材料テープ10が使われる目的と位置によって要求される基本的な物性を有する材質で形成される。また,前記有機材料12は,大部分二次電池に使われる電解液と接触することになるので,電解液に対する耐性の優れる材質が使われることが好ましい。従って,前記有機材料12は,好ましくは,PI(polyimide),PET(polyethyleneterephthalate),PP(polypropylene),PE(polyethylene),PPS(polyphenylene sulfide),PPE(polyphenyleneether)のうち少なくとも1つの材質を含んで使われる。
【0024】
前記無機材料14は,複合材料テープ10の下地をなす有機材料12の内部に所定の形態を有する粉末形状で分散して含まれて,有機材料12の高温での断熱性,または,絶縁性を強化することになる。
【0025】
前記無機材料14は,非伝導性で,かつ,溶融点の高い材料であって,非金属材質からなることができる。従って,前記無機材料14は,Al,TiO,ZrO,SiO,MnO,MgOを含む酸化物と,Si,BN窒化物を含む多様な材料のうち少なくとも1つの材質を含むの材質を含んで使われることができる。この際,前記無機材料14は,複合材料テープ10の使用目的と使用位置によって適正な特性を有する材質が使用できることは勿論である。例えば,前記複合材料テープ10が,パウチ形二次電池において,パウチパックから引出される電極タブの外面に付着してパウチパックと電極タブとを絶縁させる絶縁テープとして使われる場合に,前記無機材料14は絶縁機能の他に熱伝導性の良いことが必要とされる。このため,熱伝導性の良いアルミナ(Al)材質が使われることが好ましい。
【0026】
前記無機材料14は,有機材料12内に所定の粉末形状で分散して含まれて,微細な球形粒子,ウィスカー(whisker)および板状粒子を含む多様な形状で形成されることができる。この際,前記無機材料14は,複合材料テープ10の厚さによって所定の大きさの粉末形態で使われる。例えば,前記無機材料14の粒子が球形の場合には,粒子の大きさは複合材料テープ10の厚さの50%より小さな直径を有するように形成されて,好ましくは,複合材料テープ10の厚さの10%より小さな直径を有するように形成される。また,前記無機材料14粒子が板状,または,ウィスカー形状の場合には,板状粒子は複合材料テープ10の厚さの50%より小さな厚さを有するように形成されて,好ましくは,複合材料テープ10の厚さの10%より小さな厚さで形成される。その理由としては,前記無機材料14の粒子の直径,または,厚さが50%より大きくなると,複合材料テープ10の表面が滑らかでなくて接着力が落ちるからである。また,前記無機材料14の厚さが50%より大きくなると,無機材料14が有機材料12内に均一に分散しにくくなり,複合材料テープ10の表面に突出することがあり,その表面が滑らかでなくて接着力が落ちると,リチウム二次電池の充放電過程で部分的な膨脹と収縮が繰り返され,接着位置から離脱する問題が発生するからである。また,前記複合材料テープ10が,パウチ形リチウム二次電池のパウチパックと電極タブとの間に使われる場合には,封入力が弱くなる問題が発生するからである。
【0027】
複合材料テープ10の適用される事例を,リチウム二次電池の種類と位置によって説明する。前記複合材料テープ10が適用される位置は,缶形リチウム二次電池においては,電極組立体に結合する電極タブの前後面,電極組立体を構成する電極板に形成される電極活物質層の終端部,電極組立体を構成するセパレータの両終端部などがある。また,パウチ形リチウム二次電池においては,電極タブがパウチから引出される部分,パウチと保護回路基板が接触する部分などがある。以下では,リチウム二次電池のこのような部分に適用される複合材料テープ10に関して説明する。
【0028】
(第2実施形態)
図2は,缶形リチウム二次電池を分解したときの斜視図である。図3Aは,第1実施形態にかかる複合材料テープで形成された断熱テープが適用された電極組立体の巻取前の斜視図である。図3Bは,図3Aの第1極板の後面図である。図4は,図3Aの電極組立体の巻取後の平面図である。
【0029】
図2を参照すると,電極組立体100,前記電極組立体100を内部に受け入れる缶160および前記缶160の上段開口部160aを封入するキャップ組立体170を含んで形成される。前記缶160は,直六面体,または,角形の形状を有する金属材で形成されることができて,好ましくは,アルミニウムのように,軽く,かつ,腐食に強い金属材で形成される。前記缶160は,その一面が開口した上段開口部160aを含み,上段開口部160aを通じて電極組立体100が受容される。また,前記缶160は,上段開口部160aにキャップ組立体170が結合して,内部に電解液が注入された後に封入する。前記缶160は,キャップ組立体170を通じて電極組立体100の正極タブ,または,負極タブと電気的に連結され,端子としての役割を遂行する。
【0030】
前記キャップ組立体170は,キャッププレート171,絶縁プレート172,ターミナルプレート173および電極端子174を含んで構成される。前記キャップ組立体170は別途の絶縁ケース179と結合し,缶160の上段開口部160aに結合し,缶160を封入することになる。前記電極端子174は,電極組立体100の第1極タブ146と連結されて,二次電池の構造によっては第2極タブ136に連結されることができる。
【0031】
前記電極組立体100は,図3A,図3Bおよび図4を参照すると,第1極板140,第2極板130およびセパレータ150を含み,第1極板140と第2極板130との間にセパレータ150が介されて積層された後,ゼリーロール(lelly−roll)形態で巻取られる。ここで,前記第1極板140は,負極板で形成されて,第2極板130は正極板で形成されることができて,第1極板と第2極板が反対に形成できることは勿論である。
【0032】
また,前記電極組立体100の内周部には第1極板140に溶接され,上部に突出する第1極タブ146が形成されており,外周部には前記第2極板130に溶接され,上部に突出する第2極タブ136が形成されている。ここで,内周部は前記電極組立体100の巻取時の中心部を意味して,外周部は前記電極組立体100の外部側を意味している。
【0033】
前記第1極板140は,第1極集電体142,第1極活物質層144および第1極タブ146を含んで構成される。また,前記第1電極板は,第1実施形態にかかる複合材料テープ10で形成される第1極断熱板20を含んで形成される。
【0034】
前記第1極集電体142は薄板の銅ホイルで形成されて,第1極集電体142の両面には炭素材を主成分とする第1極活物質層144が塗布される。また,前記第1極集電体142の両端には第1極活物質層144がコーティングされていない領域である第1極無地部143が形成される。
【0035】
前記第1極タブ146は,ニッケル金属,または,ニッケル合金で形成されることができるが,その材質を限定するものではない。前記第1極タブ146は,第1極集電体142の両端の第1極無地部143のうち,巻取時に内周部に位置する端の第1極無地部143に超音波溶接されて固定する。前記第1極タブ146は,その上段部が第1極集電体140の上部の上に突出するように固定し,電極組立体100の巻取の際,電極組立体100の上部に突出する。
【0036】
前記第1極断熱板20は,前記第1極タブ146が溶接された前記第1極無地部143の反対側に接着して,好ましくは,前記第1極タブ146が溶接された前記第1極無地部143の反対側に第1極タブ146の接着面積より広い面積で形成されて接着する。
【0037】
前記第1極断熱板20は断熱材であって,第1実施形態にかかる熱遮断性能と耐熱耐久性の優れる複合材料テープ10で形成される。前記複合材料テープ10は,その材質および一般的な形状に対しては前述したところがあるので,ここでは詳細な説明を省略する。
【0038】
前記第1極断熱板20は,第1極タブ146が溶接された第1極無地部143の反対側に形成されて,前記第1極断熱板20は,第1極タブ146で発生する熱を遮断し,第1極タブ146で発生する熱を隣接のセパレータ150と第2極板130とに伝えられないようにする。一般的に,リチウム二次電池は,電極組立体の電極板と電極タブが溶接された部分で発熱量が多くなって,特に,負極板で形成される前記第1極板140に第1極タブ146が溶接された部分は,電極組立体100内で発熱量が最も多くなる。従って,前記第1極断熱板20は,電極組立体100の内周部に形成され,他の位置よりも熱を大いに受けるので,相対的に高温特性の良い無機材料の含有量が多くなるように形成されることが好ましい。
【0039】
前記第1極断熱板20は,第1実施形態にかかる複合材料テープ10で形成されるので,第1極タブ14から発生する熱により温度が高まり,有機材料12の部分が溶融しても,無機材料14部分により形態が維持する。従って,前記第1極断熱板20は,熱がセパレータ150に伝えられることを最大限遮断し,かつ,断熱機能を遂行することになる。また,前記第1極断熱板20は,有機材料と無機材料との複合材料で形成されるので,絶縁機能も共に有する。
【0040】
前記第2極板130は,第2極集電体132と第2極活物質層134と第2極タブ136とを含んで構成される。
【0041】
前記第2極集電体132は,薄板のアルミニウムホイルで形成されて,第2極集電体132の両面にはリチウム酸化物を主成分とする第2極活物質層134が塗布される。また,前記第2極集電体132は,一端,または,両端に第2極活物質層134がコーティングされていない第2極無地部133が形成される。
【0042】
前記第2極タブ136は,前記第2極集電体132の一端に位置する第2極無地部133に,上段部が第2極集電体132の上段部の上に突出するように,超音波溶接,または,レーザ溶接で固定する。前記第2極タブ136はニッケル金属,または,ニッケル合金で形成されることができるが,その材質に限定されない。
【0043】
(第3実施形態)
図5は,第1実施形態にかかる複合材料テープで形成された断熱テープが適用された電極組立体の巻取後の平面図である。
【0044】
図5を参照すると,前記電極組立体100aは,第1極板140と第2極板130aおよび第1極板140と第2極板130aとの間に介されるセパレータ150が巻取られて形成される。前記第1極板140と第2極板130aは,各々,第1極タブ146の外面に付着した第1極断熱板20と第2極タブ136の外面に付着した第2極断熱板22とを含んで形成される。即ち,前記第2極断熱板22は,前記第2極タブ136が溶接された第2極無地部133の反対側に前記第1極断熱板20と同様な方式で付着して形成される。
【0045】
前記第2極タブ136は,一般的に,電極組立体100の外周部に設けられるので,発生する熱が缶160方向に広がるが,熱が急激に発生する場合には,熱の拡散が円滑でなくなり,セパレータ150,または,第1極板140方向に伝えられ,セパレータ150の損傷を誘発する可能性がある。このような場合に,前記第2極断熱板22は,セパレータ150の損傷を防止することができる。但し,前記第2極タブ136が外周部に設けられる場合には,第1極タブ146部位より発熱量が少なく,発生する熱が外部に広がることが容易であるので,第2極断熱板22は,第1極断熱板20より薄く形成されても可能になる。
【0046】
(第4実施形態)
図6は,複合材料テープで形成された絶縁テープが適用された電極組立体の巻取前の平面図である。
【0047】
図6を参照すると,電極組立体100bは,第1極板140bと第2極板130bおよび第1極板140bと第2極板130bとの間に介されるセパレータ150を含んで形成される。前記第1極板140bと第2極板130bは,前記第1極タブ146と第2極タブ136の外面に接着する第1極絶縁板25と第2極絶縁板27をさらに含んで形成される。前記第1極絶縁板25と第2極絶縁板27は,第1実施形態にかかる複合材料テープ10で形成されて,その材質と形状は前述したところがあるので,ここでは詳細な説明を省略する。前記第1極絶縁板25は,第1極集電体142の第1極無地部143において,第1極タブ146と第1極断熱板20が形成された面の反対面に付着して形成される。また,前記第2極絶縁板27は,第2極集電体132の第2極無地部133において,第2極タブ136と第2極断熱板22が形成された面の反対面に付着して形成される。
【0048】
前記第1極タブ146と第2極タブ136は,一般的に,金属板をプレス金型により切断して形成するので,切断過程において,切断面に部分的または全体的にバー(burr)を形成することができる。前記電極組立体100bの巻取過程および圧延過程において,第1極タブ146と第2極タブ136のバーは,第1極板140bと第2極板130bを電気的に絶縁するセパレータ150に損傷を与え,延いては,セパレータ150を貫通し,第1極板140bと第2極板130bを電気的に短絡させる問題を誘発する。従って,前記第1極絶縁板25と第2極絶縁板27は,前記第1極タブ146と第2極タブ136の外面に付着し,バーが露出しないようにすることにより,セパレータが損傷することを防止することになる。また,前記第1極絶縁板25と第2極絶縁板27は,電極組立体が巻取られる際,第1極板140bと第2極板130bに接触する他の方向のセパレータ150aに伝えられる熱を遮断することになり,セパレータ150aの溶融と収縮が防止できる。
【0049】
(第4実施形態)
図7Aは,複合材料テープで形成された第1極集電体の一面にコーティングされた第1極活物質層の突出部に付着する絶縁テープを含む第1極板の側面図である。図7Bは,図7Aの平面図である。図7Aと図7Bは,第1極板,または,第2極板の中,1つの電極板を図示しており,第1極板と第2極板の両方共に絶縁層が形成できることは勿論である。図7Aと図7Bの前記第1極板は,図3の第1極板と同じ構造の部分があり,以下の説明を省略する。
【0050】
前記第1極板140cは,第1極集電体142と,前記第1極集電体142の少なくとも一面に形成される第1極活物質層144と,前記第1極集電体142において第1極活物質層144が形成されない第1極無地部143と,前記第1極活物質層144の終端部145に付着する絶縁テープ30とを含んで形成される。また,前記第1極無地部143の一側には第1電極タブ146が形成される。図7Aと図7Bにおいて,前記第1極活物質層144は,第1極集電体142の一面に形成されることと図示されたが,両面に全て形成できることは勿論である。
【0051】
前記絶縁テープ30は,第1実施形態にかかる複合材料テープ10で形成される。従って,前記絶縁テープ30の材質と形状に対して,ここでは詳細な説明を省略する。但し,前記絶縁テープ30は,高温で絶縁機能を維持することが必要であるので,複合材料テープ10で形成される際,無機材料の重量を有機材料の量より増加させることが好ましい。前記絶縁テープ30は突出部の大きさによって所定の大きさで形成されて,好ましくは,突出部145を全体的に覆うことができる大きさで形成される。前記絶縁テープ30は,第1極活物質層144の突出部145に付着し,突出部145が電極組立体の巻取の際,第1極活物質層144に接触するセパレータ(図示してはいない,図3A参照)を損傷させることを防止することになる。より詳細に説明すると,前記第1極活物質層144は第1極集電体142にコーティングされる際,コーティングが始まる部分とコーティングが終了する部分は活物質層が連続する部分に比べてコーティングされたスラリーが固まり,多少突出する突出部145が形成される。前記電極組立体の巻取工程等において,電極組立体に圧力が加えられると,前記突出部145は部分的に圧力が集中し,第1極板140cと第2極板(図示してはいない,図3A参照)を電気的に絶縁させるセパレータ(図3A参照)に損傷を加えることができる。従って,前記絶縁テープ30は突出部145の表面に付着し,突出部145が直接的にセパレータに接触することを防止することになる。
【0052】
(第6実施形態)
図8は,第1実施形態にかかる複合材料テープで形成された絶縁テープを含む電極組立体の巻取前の斜視図を示す。
【0053】
図8を参照すると,前記電極組立体100cは,第1極板140,第2極板130,セパレータ150および前記セパレータ150の所定位置に接着する絶縁テープ40をさらに含んで形成される。前記第1極板140,第2極板130およびセパレータ150に対しては前述したところがあるので,ここでは詳細な説明を省略する。
【0054】
前記絶縁テープ40は,少なくとも第1極板140の高さで形成されて,第1極集電体142の第1極無地部143の所定の面積を塗布するように所定の幅で形成される。前記絶縁テープ40は,第1実施形態にかかる複合材料テープ10で形成されて,その材質と形状に対する詳細な説明は省略する。但し,前記絶縁テープ40は高温で絶縁機能と共に形状を維持し,セパレータ150の収縮を防止しなければならない。そこで,絶縁テープ40を複合材料テープ10で形成する際は,有機材料の重量を無機材料の重量より大きくすることが好ましい。前記絶縁テープ40は,前記第1極板140,第2極板130およびセパレータ150が巻取られて電極組立体100Cを形成する際,第1極集電体142の第1極無地部143の終端が絶縁テープ40と接触するようにセパレータ150の所定の位置に付着する。前記セパレータ150は,前記第1極板140と第2極板130との両側に各々介されて巻取られるので,前記セパレータ150の一面に接着する。前記絶縁テープ40はセパレータ150の一定の面積と接着しながらセパレータ150を支えることになるので,セパレータ150が熱を受ける場合にセパレータの収縮が防止できる。従って,前記第1極板140と第2極板130は絶縁テープ40により収縮が防止されるセパレータ150により,絶縁状態が維持できる。前記第1極板140が負極板で形成されると,第1極タブ146は負極タブで形成される。一般的に,リチウム二次電池において,負極タブは電極組立体の内周部に位置することが多く,負極タブ146が溶接された部分は,電極組立体100C内で発熱量が最も多くなる。従って,前記絶縁テープ40は,特に熱によって収縮が激しいセパレータ150の終端部,即ち,第1極集電体142の第1極無地部143に対応する位置でセパレータ150の収縮が效果的に防止できることになる。
【0055】
また,前記絶縁テープ40は,第2極集電体132の第2極無地部133と接触しない面のセパレータ150に接着するようにすることが好ましい。前記セパレータ150は,負極タブが形成された部分で収縮が最も激しくなるため,前記絶縁テープ40を第1極集電体142の第1極無地部143と接触するセパレータ150の面に付着すると,第1電極タブ146が付着した第1極無地部143が,セパレータ150に直接的に接触することを防止できる。従って,前記絶縁テープ40は,セパレータ150に伝わる熱を効果的に遮断し,セパレータ150が収縮することを防止できる。
【0056】
(第7実施形態)
図9Aは,第1実施形態にかかる複合材料テープで形成された絶縁テープが適用されたパウチ形リチウム二次電池の封入前の斜視図である。図9Bは,図9Aのパウチ形リチウム二次電池の封入後のA−A断面図を示す。
【0057】
図9Aと図9Bを参照すると,前記パウチ形リチウム二次電池200は,パウチ210と前記パウチ210の内部に受容される電極組立体230と含んで形成される。
【0058】
前記パウチ210は,直方形板状のパウチ膜の中間が折りたたまれ,パウチは,上部パウチ212と下部パウチ213とで構成される。また,前記下部パウチ213は,プレス(press)加工などを通じて,電極組立体230が受容される下部溝216が形成される。前記パウチ210は,通常,金属ホイル214と前記金属ホイル214の内外側にラミネーティングされるポリマー膜215を含んで形成される。従って,前記パウチ210は上部パウチ212と下部パウチ213とが接触した状態で加熱加圧されると,ポリマー膜215が溶融し,接着しながら上部パウチ212と下部パウチ213とが結合して封入される。
【0059】
前記電極組立体230は,正極板231,セパレータ233,負極板235の順序で積層した多層膜が渦形で巻取られてゼリーロール(jelly roll)形状で形成される。前記電極組立体230はパウチ210の下部溝216に受容されて,パウチ210は縁部が密着した状態で加熱加圧されて封入される。
【0060】
前記正極板231と負極板235は,一側に,各々,正極タブ237と負極タブ238が形成されて,パウチ210の外部と電気的に連結される。前記正極タブ237と負極タブ238は電極組立体230が巻取られる方向と垂直方向に突出するように形成されて,パウチ210の封入される一辺218を通じてパウチ210の外部に引出される。
【0061】
前記正極タブ237と負極タブ238はパウチ210外部に引出される際,パウチ210と接触する絶縁テープ50が付着する。
【0062】
前記絶縁テープ50は,所定の長さで形成され,正極タブ237と負極タブ238の外面に各々付着する。前記絶縁テープ50はパウチが加熱加圧される際,共に加熱加圧されて溶融されながら正極タブ237および負極タブ238とパウチ210と接着する。従って,前記絶縁テープ50は,正極タブ237と負極タブ238がパウチ210を通じて外部に引出される際,正極タブ237および負極タブ238とパウチ210を絶縁させることになる。前記絶縁テープ50は,第1実施形態にかかる複合材料テープ10で形成されて,その材質と形状に対する詳細な説明は省略する。但し,前記絶縁テープ50は,パウチ210の縁部が比較的高温で加熱加圧されながら封入されるので,高温で絶縁機能を維持することが必要である。即ち,前記複合材料テープ10で形成される際,無機材料の重量が有機材料の重量より大きくなることが望ましい。これにより,前記絶縁テープ50は,パウチの内部の温度が上昇したり,正極タブ237と負極タブ238の温度が局部的に上昇したりして,有機材料が溶融しても,無機材料により絶縁機能を維持することができる。即ち,前記パウチ210は,正極タブ237および負極タブ238が外部に引出された状態で加熱加圧され,正極タブ237および負極タブ238が引出される部分では,相対的に高い圧力を受けることになる。これにより,パウチ210のポリマー膜215が変形されながら内部の金属ホイル214を露出することができる。従って,前記絶縁テープ50は,正極タブ237および負極タブ238と金属ホイル214を絶縁させることになる。
【0063】
(第8実施形態)
図10Aは,第1実施形態にかかる断熱テープが適用されたパウチ形リチウム二次電池の斜視図である。図10Bは,図10AのB−B断面図である。
【0064】
図10Aと図10Bを参照すると,前記パウチ形リチウム二次電池200aは,ベアセル210a,前記ベアセル210aに電気的に連結される保護回路基板250および前記ベアセル210aと保護回路基板250との間に付着する断熱テープ60を含んで形成される。前記ベアセル210aは,図9Aと図9Bで説明したように,パウチ210,パウチ210の内部に受容される電極組立体および前記電極組立体からパウチ210の外部に引出される第1極タブ237と第2極タブ238を含んで形成される。
【0065】
前記保護回路基板250は,第1極タブ237と第2極タブ238に電気的に連結されて,ベアセル200の所定の位置に安着して固定する。
【0066】
前記断熱テープ60は所定大きさと厚さの板形状テープで形成されて,ベアセル210aと保護回路基板250との間に付着し,保護回路基板250をベアセル210aに固定することになる。また,前記断熱テープ60は,ベアセル210aの内部,または,第1極タブ237と第2極タブ238から発生する熱が保護回路基板250に伝えられることを防止することになる。前記断熱テープ60は,少なくとも保護回路基板250の大きさで形成されることが好ましい。従って,前記保護回路基板250は,ベアセル210aから熱が伝えられないので,比較的低い温度状態を維持し,正常に作動することになる。前記断熱テープ60は,第1実施形態にかかる複合材料テープ10で形成されて,ここで,その材質とその形状に対する詳細な説明は省略する。但し,前記断熱テープ60は,接着力により保護回路基板をベアセル210aに固定する機能を遂行することになるので,両面に別途の接着体層が形成されることが必要となる。また,前記断熱テープ60は,ベアセル210aにおいて,他の位置に比べて比較的低温の位置に付着するので,複合材料テープ10で形成される際は,有機材料の重量を無機材料の重量より大きくすることが好ましい。
【0067】
(第9実施形態)
図11は,第1実施形態にかかる複合材料テープで形成された接着テープが適用されたパック型リチウム二次電池を分解したときの斜視図を示す。
【0068】
図11を参照すると,前記パック形リチウム二次電池300は,ベアセル310,保護回路基板320,外装ケース330および接着テープ70を含んで形成される。
【0069】
前記ベアセル310は,外観を形成する缶と缶の内部に正極板,負極板およびセパレータからなる電極組立体と,電解液が受容されて上部はキャップ組立体で封入されて形成される。前記ベアセル310は別途のリードプレート312,314により正極板と負極板が各々保護回路基板320と電気的に連結される。前記保護回路基板320の所定の位置には外部機器と連結される連結端子322が形成される。
【0070】
前記外装ケース330は上部ケース332と下部ケース334とを含み,内部に所定の空間を形成することになる。また,前記上部ケース332,または,下部ケース334には連結端子322が露出する連結端子溝336が形成される。前記外装ケース330は内部にベアセル310と保護回路基板320が受容されて安着して,上部ケース332と下部ケース334が溶着して内部を封入することになる。
【0071】
前記接着テープ70は,ベアセル310と下部ケース334の内面,または,上部ケース332の内面間に接着し,ベアセル310をケース330の内部に固定することになる。前記接着テープ70は,第1実施形態にかかる複合材料テープ10で形成されて,ここで,その材質とその形状に対する詳細な説明は省略する。但し,前記接着テープ70は,接着力によりベアセル310をケース330に固定する機能を遂行することになるので,両面に別途の接着体層が形成されることが必要となる。また,前記接着テープ70は,ベアセル310から発生する熱をケース330に速く伝達し,リチウム二次電池の温度が上昇することを防止することになる。従って,前記接着テープ70は,複合材料で形成される際,無機材料としては熱伝導特性の優れるAlを使用する。また,前記接着テープ70は,別途の接着体層が形成されるので,有機材料は接着剤の機能よりは,形状維持機能が必要であり,無機材料の含量が有機材料の含量より多いことが好ましい。
【0072】
以上,第1実施形態にかかる複合材料テープ10の実施の形態に対して説明したが,ここで,複合材料テープ10の使用位置を限るのではなくて,絶縁,または,断熱機能を必要とする多様なテープに適用できることは勿論である。また,本発明の実施の形態にかかる複合材料テープは角形およびパウチ形リチウム二次電池だけでなく,円筒形リチウム二次電池とボタン形リチウム二次電池及び一次電池などにも多様に適用できることは勿論である。
【0073】
以上,添付図面を参照しながら本発明にかかるリチウム二次電池用複合材料テープおよびこれを用いたリチウム二次電池の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明のリチウム二次電池用複合材料テープおよびこれを用いたリチウム二次電池は,複合材料テープの使用位置を限るのではなくて,絶縁,または,断熱機能を必要とする多様なテープに適用できる。また,本発明の複合材料テープは,角形およびパウチ形リチウム二次電池だけでなく,円筒形リチウム二次電池とボタン形リチウム二次電池及び一次電池などにも多様に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】第1実施形態にかかる複合材料テープの断面図である。
【図2】缶形リチウム二次電池を分解したときの斜視図である。
【図3A】第2実施形態にかかる複合材料テープで形成された断熱テープが適用された電極組立体の巻取前の斜視図である。
【図3B】図3Aの第1極板の後面図である。
【図4】図3Aの電極組立体の巻取後の平面図である。
【図5】第3実施形態にかかる複合材料テープで形成された断熱テープが適用された電極組立体の巻取後の平面図である。
【図6】第4実施形態にかかる複合材料テープで形成された絶縁テープが適用された電極組立体の巻取前の側面図である。
【図7A】第5実施形態にかかる複合材料テープで形成された第1極集電体の一面にコーティングされた第1極活物質層の突出部に付着する絶縁テープを含む第1極板の側面図である。
【図7B】図7Aの平面図である。
【図8】第6実施形態にかかる複合材料テープで形成された絶縁テープを含む電極組立体の巻取前の斜視図である。
【図9A】第7実施形態にかかる複合材料テープで形成された絶縁テープが適用されたパウチ形リチウム二次電池の封入前の斜視図である。
【図9B】図9Aのパウチ形リチウム二次電池の封入後のA−A断面図である。
【図10A】第8実施形態にかかる複合材料テープで形成された断熱テープが適用されたパウチ形リチウム二次電池の斜視図である。
【図10B】図10AのB−B断面図である。
【図11】第9実施形態にかかる複合材料テープで形成された接着テープが適用されるパック型リチウム二次電池を分解したときの斜視図である。
【符号の説明】
【0076】
10 複合材料テープ
12 有機材料
14 無機材料
16 接着剤層
20 第1極絶縁板
22 第2極断熱板
25 第1極絶縁板
27 第2極絶縁板
30 絶縁テープ
40 絶縁テープ
50 絶縁テープ
60 断熱テープ
70 接着テープ
100 電極組立体
100a 電極組立体
100b 電極組立体
100c 電極組立体
130 第2極板
130a 第2極板
130b 第2極板
132 第2極集電体
133 第2極無地部
134 第2極活物質層
136 第2極タブ
140 第1極板
140b 第1極板
140c 第1極板
142 第1極集電体
143 第1極無地部
144 第1極活物質層
145 第1極活物質層突起部
146 第1極タブ
150 セパレータ
150a セパレータ
160 缶
160a 上段開口部
170 キャップ組立体
171 キャッププレート
172 絶縁プレート
173 ターミナルプレート
174 電極端子
179 絶縁ケース
200 パウチ形リチウム二次電池
200a パウチ形リチウム二次電子
210 パウチ
210a ベアセル
212 上部パウチ
213 下部パウチ
214 金属ホイル
215 ポリマー膜
216 下部溝
218 封入される一辺
230 電極組立体
231 正極板
233 セパレータ
235 負極板
237 正極タブ
238 負極タブ
250 保護回路基板
300 パック形リチウム二次電池
310 ベアセル
312 リードプレート
314 リードプレート
320 保護回路基板
322 連結端子
330 外装ケース
332 上部ケース
334 下部ケース
336 連結端子溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下地をなす有機材料と,
前記有機材料に分散する無機材料と,
を含んで形成されることを特徴とする,リチウム二次電池用複合材料テープ。
【請求項2】
前記複合材料テープは,少なくとも一面に接着剤層が形成されることを特徴とする,請求項1に記載のリチウム二次電池用複合材料テープ。
【請求項3】
前記有機材料は,PI,PET,PP,PPS,PE,PPEのうち少なくとも1つの材質を含み形成されることを特徴とする,請求項1に記載のリチウム二次電池用複合材料テープ。
【請求項4】
前記無機材料は,酸化物,または,窒化物で形成されることを特徴とする,請求項1に記載のリチウム二次電池用複合材料テープ。
【請求項5】
前記酸化物は,Al,TiO,ZrO,SiO,MnO,MgOのうち少なくとも1つの材質を含むことを特徴とする,請求項4に記載のリチウム二次電池用複合材料テープ。
【請求項6】
前記窒化物は,Si,BNのうち少なくとも1つの材質を含むことを特徴とする,請求項4に記載のリチウム二次電池用複合材料テープ。
【請求項7】
前記無機材料は,球形,または,ウィスカー,または,板形の粒子で形成されることを特徴とする,請求項1に記載のリチウム二次電池用複合材料テープ。
【請求項8】
前記無機材料は,球形,または,ウィスカーの直径,または,板形の厚さが複合材料テープの厚さの50%より小さく形成されることを特徴とする,請求項7に記載のリチウム二次電池用複合材料テープ。
【請求項9】
前記無機材料は,前記複合材料テープの全体重量対比20%〜80%の含有率で,形成されることを特徴とする,請求項1に記載のリチウム二次電池用複合材料テープ。
【請求項10】
前記無機材料は,前記複合材料テープの全体体積対比20%〜80%の含有率で含まれることを特徴とする,請求項1に記載のリチウム二次電池用複合材料テープ。
【請求項11】
前記無機材料は,前記複合材料テープの全体体積対比20%〜50%の含有率で含まれることを特徴とする,請求項10に記載のリチウム二次電池用複合材料テープ。
【請求項12】
前記複合材料テープは,5μm〜200μmの厚さで形成されることを特徴とする,請求項1に記載のリチウム二次電池用複合材料テープ。
【請求項13】
第1極集電体と,
第1極活物質層と,
第1極無地部が形成された第1極板と,
第2極集電体と,
第2極活物質層と,
第2極無地部が形成された第2極板と,
第1極板と第2極板を絶縁させるセパレータと,
前記第1極無地部に第1極タブ,第2極無地部に第2極タブが固定される電極組立体と,
を備え,
前記第1極板に前記第1極無地部の前記第1極タブが固定した面の反対面に接着する第1極断熱板と,
前記第1極断熱板に下地をなす有機材料と,
前記有機材料に分散する無機材料と,
を含んで形成されることを特徴とする,リチウム二次電池。
【請求項14】
前記第1極断熱板は,請求項1〜12のうちいずれかに記載の複合材料テープで形成されることを特徴とする,請求項13に記載のリチウム二次電池。
【請求項15】
前記第2極板は,前記第2極無地部に前記第2極タブが固定した面の反対面に接着し,複合材料テープで形成される第2極断熱板をさらに含むことを特徴とする,請求項13に記載のリチウム二次電池。
【請求項16】
前記第2極断熱板の厚さは前記第1極断熱板の厚さより小さく形成されることを特徴とする,請求項15に記載のリチウム二次電池。
【請求項17】
少なくとも一面に電極活物質層が形成された第1極板および第2極板と,
前記第1極板および第2極板を絶縁させるセパレータが巻取られて形成された電極組立体と,
前記第1極板および第2極板のうち少なくとも1つの電極活物質層の終端部に形成される突出部の少なくとも1つを覆いかぶせるように形成される絶縁テープと,
を含み,
前記絶縁テープは,有機材料と無機材料との複合材料テープで形成されることを特徴とする,リチウム二次電池。
【請求項18】
前記複合材料テープは,請求項1〜12のうちいずれかに記載の複合材料テープで形成されることを特徴とする,請求項17に記載のリチウム二次電池。
【請求項19】
第1極集電体と第1極活物質層とを備え,少なくとも一側に第1極無地部が形成された第1極板と,
第2極集電体と第2極活物質層とを備え,少なくとも一側に第2極無地部が形成された第2極板と,
前記第1極板と第2極板とを絶縁させるセパレータと,
前記第1極板と第2極板との一側の第1極無地部に第1極タブ,第2極無地部に第2極タブが固定される電極組立体と,
を備え,
前記第2無地部の前記第2極板の第2極活物質層の末端と,少なくとも1つのセパレータの一面とを接着する絶縁テープとを含み,前記絶縁テープは,有機材料と無機材料との複合材料テープで形成されることを特徴とする,リチウム二次電池。
【請求項20】
前記絶縁テープは,請求項1〜12のうちいずれかに記載の複合材料テープで形成されることを特徴とする,請求項19に記載のリチウム二次電池。
【請求項21】
前記絶縁テープは,前記第2極集電体の第2極無地部と接触しないセパレータ面に接着することを特徴とする,請求項19に記載のリチウム二次電池。
【請求項22】
前記第1無地部の前記第1極板の第1極活物質層の末端と,セパレータの一面とを接着する絶縁テープをさらに含むことを特徴とする,請求項19に記載のリチウム二次電池。
【請求項23】
第1極集電体に第1極活物質層と第1極無地部とが形成された第1極板と,
第2極集電体に第2極活物質層と第2極無地部とが形成された第2極板と,
第1極板と第2極板とを絶縁させるセパレータと,
前記第1極無地部に第1極タブ,第2極無地部に第2極タブが固定される電極組立体と,
前記第1極タブと第2極タブとの一部が外部に露出するように,前記電極組立体が収納されるパウチと,
を備え,
前記第1極タブが前記パウチと接触する部位は,前記第1極タブを覆いかぶせる絶縁テープを含み,前記絶縁テープは,有機材料と無機材料との複合材料テープで形成されることを特徴とする,パウチ形リチウム二次電池。
【請求項24】
前記絶縁テープは,請求項1〜12のうちいずれかに記載の複合材料テープで形成されることを特徴とする,請求項23に記載のパウチ形リチウム二次電池。
【請求項25】
前記第2極タブが前記パウチと接触する部位は,前記第2極タブを覆いかぶせる絶縁テープを含み,前記絶縁テープは,請求項1〜12のうちいずれかに記載の複合材料テープで形成されることを特徴とする請求項23記載のパウチ形リチウム二次電池。
【請求項26】
パウチと前記パウチの内部に受容される電極組立体および前記電極組立体からパウチの外部に引出される第1極タブと第2極タブとを備えるベアセルと,
前記ベアセルに電気的に連結され,第1極タブと第2極タブが引出されるベアセル領域の外側に固定する保護回路基板と,
所定の大きさと厚さの板形状テープで形成されて,前記ベアセルと前記保護回路基板との間に付着して保護回路基板をベアセルに固定する断熱テープと,
を含み,
前記断熱テープは,有機材料と無機材料との複合材料テープで形成されることを特徴とする,パウチ形リチウム二次電池。
【請求項27】
前記断熱テープは,請求項1〜12のうちいずれかに記載の複合材料テープで形成されることを特徴とする,請求項26に記載のパウチ形リチウム二次電池。
【請求項28】
缶の内部に収容され,正極板,負極板およびセパレータからなる電極組立体と,
電解液が受容されるベアセルと,
前記ベアセルと電気的に連結される保護回路基板と,
前記ベアセルおよび保護回路基板を収納し,上部ケースおよび下部ケースを備える外装ケースと,
前記ベアセルと下部ケースまたは上部ケースの内面との間に接着し,前記ベアセルをケースの内部に固定する接着テープと
を含み,
前記接着テープは,請求項1〜12のうちいずれかに記載の複合材料テープで形成されることを特徴とする,パック型リチウム二次電池。
【請求項29】
前記接着テープは,無機材料でAlを含むことを特徴とする請求項28に記載のパック型リチウム二次電池。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−93147(P2006−93147A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−275851(P2005−275851)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】