説明

リニアブレーキ

【課題】 バネ力によりクランプを行い、バネ力に抗した外力を付加することによりクランプ状態を解除するノーマルクローズタイプのリニアブレーキでありながら、部品点数の増加を可及的に抑制でき、なおかつ必要最小限の外力にてクランプ状態を解除できる小型で経済性に優れたリニアブレーキを提供する。
【解決手段】 リニアガイド10を跨ぐハウジング20の両側壁部21,21に、リニアガイド10を両側から挟むガイド拘束部材30,30を回動可能に取り付ける。両側のガイド拘束部材30,30を板バネ40にて連結すると共に、その板バネ40によりガイド拘束方向へ回動付勢する。ハウジング20の天板部21と板バネ40の間に、板バネ40による付勢力に抗して両側のガイド拘束部材30,30をガイド解放方向へ強制回動させるべく板バネ40を変形させるアクチュエータ50を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直線運動機器におけるリニアガイドのガイドクランプに使用されるリニアブレーキに関し、より詳しくはバネ力によりクランプを行い、バネ力に抗した外力を付加することによりクランプ状態を解除するノーマルクローズタイプのリニアブレーキに関する。
【背景技術】
【0002】
各種工作機器、物流機器等には多種多様な直線運動機器が多用されている。そのような直線運動機器に併用されるのがリニアブレーキであり、直線運動機器の制動や位置決め、ストッパなどに広く使用されている。リニアブレーキの構造としては、リニアガイドに沿って移動自在なハウジング内に、ガイド拘束部材としての例えばブレーキシューを組み込み、これを油圧、空気圧などの流体圧にてリニアガイドに押し付けることにより、ハウジングをリニアガイド上の定位置に固定するのが一般的であり(特許文献1,2及び3参照)、これはノーマルオープンタイプと呼ばれている。
【0003】
ノーマルオープンタイプのリニアブレーキは、外力を付加しない状態でブレーキシューによる拘束から解放されたアンクランプの状態となるため、アンクランプ時間がクランプ時間に比して相対的に長い制動機器などとしては適するが、直線運動機器の位置決め部材やストッパなど、クランプ時間に比してアンクランプ時間が相対的に短い機器には、ノーマルクローズタイプのリニアブレーキの方が適する。ノーマルクローズタイプは、ノーマルオープンタイプが正作動タイプと呼ばれることに対応して、逆作動タイプと呼ばれることもある。
【0004】
ノーマルクローズタイプのリニアブレーキとは、リニアガイドに沿って移動自在なハウジング内にブレーキシューと共にシュー付勢部材としてのバネを組み込み、外力を付加しない状態でブレーキシューをそのバネにてリニアガイドに押し付けることによりハウジングをリニアガイド上の定位置に固定するものであり、ハウジングを移動させるときには外力を付加してブレーキシューをバネ付勢力に抗して逆方向へ作動させることにより、ブレーキシューによるクランプ状態を解除される。
【0005】
このようなノーマルクローズタイプのリニアブレーキの欠点の一つは、ブレーキシューを常時クランプ状態に保持するためのバネが必要であるため、ノーマルオープンタイプのものに比して部品点数が増加することである。部品点数の増加を回避するために、ハウジングをバネ付勢部材として利用することも考えられるが、その場合はハウジングの剛性に付勢力が支配されてしまうために、アンクランプ状態へ移行させるための外力も必要以上に大きくなり、その結果としてアクチュエータの大型化を招くなど、設計の自由度が著しく制限され、問題が大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−329141号公報
【特許文献2】特許平9−217743号公報
【特許文献3】特開2001−9655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ノーマルクローズタイプでありながら、部品点数の増加を可及的に抑制でき、なおかつ必要最小限の外力にてクランプ状態を解除できる小型で経済性に優れたリニアブレーキを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のリニアブレーキは、リニアガイドを跨ぐハウジングと、リニアガイドを両側から挟むべくハウジングの両側に回動可能に取り付けられた両側のガイド拘束部材と、ハウジングの裏側に配置されて両側のガイド拘束部材を連結すると共に両側のガイド拘束部材をガイド拘束方向へ回動付勢する板バネと、ハウジングと板バネとの間に配置され両側のガイド拘束部材を板バネによる付勢力に抗してガイド解放方向へ強制回動させるべく板バネを変形させるアクチュエータとを備えている。
【0009】
本発明のリニアブレーキにおいては、ハウジングとその裏側の板バネとの間に配置されたアクチュエータが作動しない状態では、その板バネにより両側のガイド拘束部材がリニアガイドに圧接し、ハウジングを固定する。すなわち、板バネに外力が付加されていない状態でクランプ状態となる。そして、この状態からアクチュエータが作動し、板バネに外力が付加されることにより、両側のガイド拘束部材が開き、クランプ状態が解除されてアンクランプ状態へ移行する。これは、ノーマルクローズタイプに他ならない。
【0010】
このようなノーマルクローズタイプのリニアブレーキにおいては、第1に、両側のガイド拘束部材がハウジングから分離して回動可能に設けられ、板バネによりクランプ方向へ付勢されているので、その板バネによって必要なクランプ力を過不足なく付与することができる。その結果としてアクチュエータの動作力も必要最小限に抑制することができ、その小型化を図ることができる。第2に、両側のガイド拘束部材にクランプ力を付与する板バネは、両側のガイド拘束部材の連結体を兼ねており、しかも、その結果として単一のアクチュエータにて両側のガイド拘束部材を動作させることができるので、部品点数の増加を最小限に抑制することができる。
【0011】
両側のガイド拘束部材にクランプ力を付与する板バネは、両側のガイド拘束部材に対して脱着可能とするのが好ましい。これにより板バネの変更が可能となり、その変更によりクランプ力の調整が可能となる。板バネの変更によるクランプ力調整法としては、板バネの厚み変更、板バネの枚数変更、板バネの形状変更、板バネの材質変更、これらの組合せなどがある。
【0012】
ガイド拘束部材についても、ハウジングから独立しているためにその変更が可能であり、その変更によるクランプ力の調整が可能である。ガイド拘束部材の変更によるクランプ力調整法としては、ガイド拘束部材の材質変更、ガイド拘束部材のリニアガイド当接面への摩擦材の取付け又は交換、リニアガイドに対する当接角度の変更などがある。リニアガイドに対する当接角度の変更は、ガイド拘束部材の形状変更だけでなく、板バネとの取付け位置の変更によっても可能である。
【0013】
板バネを変形させるアクチュエータの種類は問わないが、ハウジングの板バネ対向面に形成されたシリンダー穴にピストン部材が進退可能に嵌合し、当該ピストン部材が流体圧により進退駆動されるシリンダー形式のものが、構造が簡単な上にリニアブレーキの大型化を回避できるので好ましい。ここにおける流体圧としては空圧、油圧などの何れでもよく、特に種類を問わない。また、流体圧に代えて電磁力をピストン部材の進退駆動に用いることもできる。更にはネジの回転によりピストン部材を進退駆動する形式でもよい。
【0014】
アクチュエータの種類を問わず、その動作力を板バネに集中して付加する凸状の応力集中部を、アクチュエータと板バネとの間に設けるのがよい。このような応力集中部は、板バネの変形に要する外力の軽減、すなわちアクチュエータの動作力軽減に寄与し、これによるアクチュエータの小型化、ひいてはリニアブレーキの小型化に寄与する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のリニアブレーキは、リニアガイドをクランプする両側のガイド拘束部材をハウジングから分離すると共に、両側のガイド拘束部材にクランプ方向の付勢力を付与する板バネにて両者を連結する構成を採用したので、部品点数の増加を余儀なくされるノーマルクローズタイプであるにもかかわらず、その部品点数の増加を抑制することができる。しかも、必要最小限の外力にてクランプ状態を解除できるので、アクチュエータを小型化でき、部品点数の抑制とあいまって装置規模の小型化、装置コストの節減を図ることができる。また、板バネを両側のガイド拘束部材に対して脱着可能とでき、これにより板バネの変更、その変更によるクランプ力の簡単な調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態を示すリニアブレーキの斜視図である。
【図2】同リニアブレーキの平面図である。
【図3】同リニアブレーキの半断面図で図2中のA−A線矢示図である。
【図4】同リニアブレーキの正面図である。
【図5】同リニアブレーキの縦断側面で図4中のB−B線矢示図である。
【図6】同リニアブレーキの縦断側面で図4中のC−C線矢示図である。
【図7】同リニアブレーキの側面図である。
【図8】同リニアブレーキの動作を示す縦断正面図で図7中のD−D線矢示図相当図面であり、(a)はクランプ状態、(b)はアンクランプ状態を示す。
【図9】本発明の別の実施形態を示すリニアブレーキの縦断正面図であり、図7中のD−D線矢示図相当図面である。
【図10】本発明の更に別の実施形態を示すリニアブレーキの縦断正面図であり、図7中のD−D線矢示図相当図面である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の一実施形態を説明する。本実施形態のリニアブレーキは、図1〜図7に示すように、断面が矩形のレール状のリニアガイド10に沿って移動する直線運動機器(図示せず)をリニアガイド10上の定位置に停止、位置決めさせるために、当該直線運動機器に取付けられて、リニアガイド10に対する拘束(クランプ)、解放(アンクランプ)を行う装置である。
【0018】
このリニアブレーキは、外力が付加されない常態でリニアガイド10をクランプするノーマルクローズタイプであり、図1〜図7は外力が付加されない常態、すなわちクランプ状態を示している。これらの図面に示されるように、このリニアブレーキは、リニアガイド10を跨ぐハウジング20と、ハウジング20の両側部に回動可能に取付けられた両側一対のガイド拘束部材30,30と、両側のガイド拘束部材30,30を連結し且つこれらのガイド拘束部材30,30をクランプ状態に付勢する板バネ40と、両側のガイド拘束部材30,30をアンクランプ状態とするために板バネ40に外力を付加するアクチュエータ50とを備えている。
【0019】
ハウジング20は、正面から見て門形のブロックであり、天板部21の両側端部から下方へ垂下した側壁部22,22を有している。各側壁部22には、ガイド拘束部材30を収容するために下方に開放した矩形の切欠き部23が設けられている。一方、天板部21の裏面には、アクチュエータ50を構成する円盤状のピストン部材51を収容する円形のシリンダー穴24が設けられており、そのシリンダー穴24に動作流体を供給、排出するための流体圧配管60が天板部21の側面に取付けられ、天板部21の一側部に設けた貫通孔25を介してシリンダー穴24に連通している(図8参照)。
【0020】
両側のガイド拘束部材30,30は、リニアガイド10に沿ったブレーキ移動方向に長く断面が四角形の金属部材である。各ガイド拘束部材30は、ハウジング20の側壁部22に設けられた切欠き部23内に遊嵌しており、側壁部22の切欠き部前後に貫通して取付けられたブレーキ移動方向に平行な前後の連結ピン31,31により回動自在に支持されている。前後の連結ピン31,31の挿入のために、各ガイド拘束部材30には長手方向、すなわちブレーキ移動方向に平行な貫通孔32が設けられている。
【0021】
両側のガイド拘束部材30,30を連結する板バネ40は、ハウジング20の天板部21の下側にその下面に沿って配置されている。板バネ40の両側端部は、ハウジング20の側壁部22,22に設けられた切欠き部23,23内に挿入され、これによりハウジング20の天板部21と両側のガイド拘束部材30,30との間に配置されている。そして、板バネ40の各側端部は、ガイド拘束部材30の長手方向中央部に下から差し込まれた連結ネジ41により板バネ40の側端部下面に脱着可能に固定されている。
【0022】
これにより、両側のガイド拘束部材30,30は、リニアガイド10の両側面に対する対向摩擦面を内側に向けて固定され、当該リニアブレーキをリニアガイド10から取り外した状態では、板バネ40はフラットな状態となることにより、両側の対向摩擦面が逆「ハ」の字となるように内側へ回動傾斜する。当該リニアブレーキをリニアガイド10に装着した状態では、板バネ40がガイド拘束部材30,30の側へ若干凸の状態に反ることにより、両側の対向摩擦面がリニアガイド10の両側面に圧接し平行状態となる。このときの板バネ40の反りに伴う反力(復元力)が、リニアガイド10の両側面に対する両側のガイド拘束部材30,30のクランプ力となる。
【0023】
アクチュエータ50は、ハウジング20の天板部21とその裏面側の板バネ40との間に配置された円盤状のピストン部材51を有している。ピストン部材51は、天板部21の裏面に設けられた円形のシリンダー穴24に気密に且つ進退可能に挿入されている。ピストン部材51の裏面(板バネ側の表面)の中央部には、裏面側へ凸のドーム状の凸部からなる応力集中部52が設けられている。ピストン部材51の外径は、板バネ40の横幅、奥行きのいずれよりも小さい。そして、ハウジング20の天板部21の一方の側面に連結された流体圧配管60を通してシリンダー穴24内へ高圧流体を供給することにより、ピストン部材51が進出方向(板バネ40の側)へ駆動され、その凸部52で板バネ40の中央部を押圧することにより、板バネ40はガイド拘束部材30,30の側へ凸の状態に大きく反る。その結果、ガイド拘束部材30,30の対向摩擦面は、リニアガイド10の両側面に圧接する平行状態から外側へ回動傾斜して「ハ」の字となり、リニアガイド10の両側面から離れることによりアンクランプ状態となる〔図8(b)参照)〕。
【0024】
クランプ状態からアンクランプ状態へ移行させるための両側のガイド拘束部材30,30の回動角度、そのための板バネ40の変形量及びピストン部材51の移動ストロークを小さく抑制するために、当該リニアブレーキは直線運動機器に対してリニアガイド10の上部を拘束するレベルに支持されている。その結果、リニアガイド10の上面と板バネ40の下面との間に比較的大きなギャップが形成されている。
【0025】
次に、本実施形態のリニアブレーキの使用法及び機能について、主に図8(a)(b)を参照して説明する。
【0026】
ハウジング20の天板部21に形成されたシリンダー穴24に高圧空気等の高圧流体が供給されていない常態(外力無付加)の場合は、図8(a)に示すように、ピストン部材41による板バネ40の押圧がないため、板バネ40の反りの反力(復元力)により両側のガイド拘束部材30,30が、リニアガイド10の上部両側面を両側からクランプする。ここにおける板バネ40は、両側のガイド拘束部材30,30にネジ止めされており、着脱可能であるので、寸法、材質などが相違する別の板バネ40に交換したり、板バネ40の枚数を変更することにより、クランプ力の広範囲の調整が可能であり、その調整操作も簡単である。
【0027】
ハウジング20の天板部21に形成されたシリンダー穴24に流体圧配管60を通して高圧空気等の高圧流体を供給すると、図8(b)に示すように、シリンダー穴24に嵌合するピストン部材51が進出方向へ駆動され、裏面中央部の凸部からなる応力集中部52で板バネ40の中央部を両側のガイド拘束部材30,30の側へ押圧する。両側のガイド拘束部材30,30がハウジング20に連結ピン31,31にて軸支されているので、ピストン部材41による押圧により、板バネ40はガイド拘束部材30,30の側へ凸の状態に反る。その結果、板バネ40の両側端部に取付けられている両側のガイド拘束部材30,30は、連結ピン31,31を中心にして外側へ回動し、対向摩擦面が「ハ」の字状に開く。
【0028】
かくして、当該リニアブレーキはクランプ状態からアンクランプ状態へ移行する。
【0029】
このように、本実施形態のリニアブレーキは、外力を付加されていない状態でリニアガイド10をクランプするノーマルクローズタイプであるが、リニアガイド10を両側からクランプする両側のガイド拘束部材30,30がハウジング20から分離し、部材長手方向に平行な連結ピン31,31にて回動可能に軸支され、専用の板バネ40によりクランプ力を決定できるので、過不足のないクランプ力を付与することができる。その結果としてアクチュエータ50の動作力も必要最小限に抑制することができ、その小型化を図ることができる。
【0030】
その上、ピストン部材51の裏面中央部に凸部からなる応力集中部52が設けられ、これで板バネ40の中央部を両側のガイド拘束部材30,30の側へ集中的に押圧して、板バネ40を湾曲変形させるので、これも、板バネ40の変形に要する外力の軽減、すなわちアクチュエータ50の動作力軽減、これによる小型化に寄与する。
【0031】
しかも、両側のガイド拘束部材30,30にクランプ力を付与する板バネ40は、両側のガイド拘束部材30,30の連結体を兼ねており、しかも、その結果として単一のアクチュエータ50にて両側のガイド拘束部材30,30を動作させることができるので、部品点数の増加を最小限に抑制することができる。
【0032】
更にまた、ガイド拘束部材30,30にクランプ力を付与する板バネ40の変更、交換が可能であるので、その変更、交換によりクランプ力の調整が可能である。板バネ40の変更、交換によるクランプ力調整法としては、板バネ40の厚み変更、板バネ40の枚数変更、板バネ40の形状変更、板バネ40の材質変更、これらの組合せなどがあることは前述したとおりである。
【0033】
また、アクチュエータ50の動作力を板バネ40へ集中的に伝達するために、上記実施形態では、アクチュエータ50のピストン部材51の裏面中央部に設けられた裏面側へ凸のドーム状の応力集中部52が用いられているが、図9に示すように板バネ40の側へこれを設けてもよいし、図10に示すようにアクチュエータ50と板バネ40の間にこれを設けてもよい。要は、アクチュエータ50と板バネ40の間にあって、アクチュエータ50の動作力を板バネ40に集中的に伝達できる凸部を形成できるものであればよく、特にその形状を限定するものではない。
【0034】
すなわち、図9の実施形態では、板バネ40の中央部にピストン部材51の側へ凸のドーム状の凸部からなる応力集中部42が設けられている。また、図10の実施形態では、ピストン部材51の裏面中央部と板バネ40の表面中央部との間に、球体からなる応力集中部70が介装されている。球体からなる応力集中部70の位置決めのために、板バネ40の表面中央部には、球体からなる応力集中部70の一部が嵌合する半球状の凹部43が設けられている。ピストン部材51の裏面中央部に設けられた角形の凹部53は、ピストン部材51と板バネ40との間に球体からなる応力集中部70を収容するための逃げである。
【0035】
いずれの実施形態においても、アクチュエータ50の動作力が、これらの応力集中部を介して板バネ40に集中的に伝達される。図10の実施形態で採用された球体からなる応力集中部70は、ピストン部材51の裏面中央部と板バネ40の表面中央部の両方に凸部を形成したのと同じ構成で、同じ効果を奏する。
【符号の説明】
【0036】
10 リニアガイド
20 ハウジング
21 天板部
22 側壁部
23 切欠き部
24 シリンダー穴
25 貫通孔
30 ガイド拘束部材
31 連結ピン
32 貫通孔
40 板バネ
41 連結ネジ
42 応力集中部(ドーム状の凸部)
43 凹部
50 アクチュエータ
51 ピストン部材
52 応力集中部(ドーム状の凸部)
53 凹部
60 流体圧配管
70 応力集中部(球体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リニアガイドを跨ぐハウジングと、リニアガイドを両側から挟むべくハウジングの両側に回動可能に取り付けられた両側のガイド拘束部材と、ハウジングの裏側に配置されて両側のガイド拘束部材を連結すると共に両側のガイド拘束部材をガイド拘束方向へ回動付勢する板バネと、ハウジングと板バネとの間に配置され両側のガイド拘束部材を板バネによる付勢力に抗してガイド解放方向へ強制回動させるべく板バネを変形させるアクチュエータとを備えたリニアブレーキ。
【請求項2】
請求項1に記載のリニアブレーキにおいて、両側のガイド拘束部材にクランプ力を付与する板バネは、両側のガイド拘束部材に対して脱着可能であるリニアブレーキ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のリニアブレーキにおいて、アクチュエータの動作力を板バネに集中して付加する凸状の応力集中部を、前記アクチュエータと板バネとの間に設けたリニアブレーキ。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載のリニアブレーキにおいて、アクチュエータは、ハウジングの板バネ対向面に形成されたシリンダー穴にピストン部材が進退可能に嵌合し、当該ピストン部材が流体圧により進退駆動されるシリンダー形式であるリニアブレーキ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−87943(P2013−87943A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232526(P2011−232526)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(591069824)旭精工株式会社 (2)
【Fターム(参考)】