説明

リニアモータのドライブシステム

【課題】 コントローラ及びドライバに特別な機能を付加せずにサーボゲインの切り替えを行うことができるリニアモータのドライブシステムを提供する。
【解決手段】 3相コイルを有する可動子を備えたリニアモータ2に正弦波状の駆動電流を供給する駆動部4とこの駆動部にフィードバック制御系を構成する制御信号を出力する制御部5を含むドライバ3に、位置指令を出力するコントローラ10を接続し、第1サーボゲインで可動子を目標位置に向って移動させ、可動子が目標位置に近づいたときに第2サーボゲイン(<第1サーボゲイン)に切り替えることにより可動子を停止させるリニアモータのドライブシステムにおいて、ドライバ3に内蔵したメモリに可動子が停止する直前に第2サーボゲインに切り替えるプログラムを格納し、可動子の停止直前にこのプログラムを実行することにより、可動子を停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライバに格納したプログラムを実行することによりサーボゲインの切り替えを行うリニアモータのドライブシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置(例えば投影露光装置や検査装置)においては、コアレスタイプのリニア同期モータ(以下単にリニアモータという)によりガラス基板などを搭載したステージを所定位置に移動させることにより露光工程あるいは検査工程が行われる。このリニアモータを駆動するためのドライバは、巻線(多相コイル)に正弦波状の駆動電流を供給するパワー部(電流アンプ)と、高精度の位置決め精度及び停止精度を達成するために、外部コントローラから出力された目標値とリニアモータの現在位置及び現在速度とを比較して、その誤差が少なくなるようにフィードバック制御を行う制御部を有する。
【0003】
この半導体製造装置では、多相コイルに所定振幅の正弦波電流を流して可動子を加速した後、可動子が一定の速度で移動する間に所定の工程が実行され、その工程が終了すると、可動子を減速して目標位置で停止させることが行われている。加速〜定速走行までは、制御系のゲイン(周波数応答における出力と入力の振幅の比)を大きな値に設定して、可動子を所定位置まで移動させることが行われる。一方、停止時においては、大きなゲインであると、共振により、異音や振動が発生し、所定の位置決め精度が得られないので、ステージを高精度(サブミクロンあるいはナノメータオーダ)で位置決めするために、制御系のゲインを小さくしている。
【0004】
リニアモータのサーボチューニングゲインの調整については、種々の構成が提案されている。特許文献1には、ブラシレスリニアDCサーボモータ(但しリニアパルスモータ)の可動子が停止中又は所定の速度以下の場合と、可動子が加減速又は移動中の場合とで速度偏差出力部の出力を増幅する誤差増幅部のサーボゲインを2段階に切り替えることが記載されている。
【0005】
特許文献2には、ソフト処理部からの位置移動のタイミング目標値と、モータの回転を検出するエンコーダからの信号によるカウンタの現在位置との差を位置ループアンプで増幅して出力し、速度作成回路からの速度信号をゲイン可変速度フィードバックアンプが増幅して出力し、両出力差を速度ループアンプが増幅してドライバに送り、モータを駆動する構成でソフト処理部が現在位置と位置移動のタイミング目標値との偏差の大きさを求め、ゲイン可変速度フィードバックアンプのゲインを、この偏差が一定値よりも大きいときは大きなゲインに、小さいときは小さなゲインに切り替えることが記載されている。
【0006】
特許文献3には、指令値と出力により決定されるゲインを収納するゲイン記憶部とこのゲインを読み出しコントローラのゲインを変更するゲイン読み出し部を有することにより、初期的にチューニング作業をしておくことで、実用時に負荷の変動に応じてリアルタイムなゲイン変更を安価に実現できることが記載されている。
【0007】
特許文献4には、第1ゲインテーブルと第2ゲインテーブルを切り替えスイッチによって切り替えられる構成とし、第1ゲインテーブルおよび第2ゲインテーブルは位置比例ゲイン、位置積分ゲイン、速度比例ゲイン、速度積分ゲイン等で構成される複数の制御ゲインセットを記憶し、パラメータに応じて制御ゲインセットが段階的に対応付けされており、パラメータの値を大きくすると、位置比例ゲイン、速度比例ゲインも大きくなるように制御ゲインセットが設定されており、サーボモータの動作状況に応じて制御ゲインを切り替えることにより、オートチューニング時でも位置決め時間を短くできることが記載されている。
【0008】
特許文献5には、ステージを移動させるモータと、モータを駆動する駆動回路を有するドライブ装置と、ドライブ装置を制御するコントロール装置を備えたステージ駆動装置において、ドライブ装置が駆動回路に送出する電流指令PIのゲインを、コントロール装置が送出する切替信号CCにより検査区間以外は電流指令PIを高ゲインで増幅してステージの移動を高速度にし、検査区間は低ゲインで増幅してステージの移動を低速度に切替えることが記載されている。
【0009】
【特許文献1】特開昭60−134793号公報(第3頁、図4)
【特許文献2】特開平5−6223号公報(第3頁、図2)
【特許文献3】特開平9−9662号公報(第2−3頁、図1)
【特許文献4】特許第3969093号公報(第3−6頁、図3−図5)
【特許文献5】特開2006−85566号公報(第3−4頁、図1−図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1の制御装置は、可動子の移動速度に基づいてサーボゲインを切替えるので、可動子が停止する直前の時間帯では可動子の移動が不安定になる(非線形摩擦などにより)ので、停止精度が低下すると考えられる。また特許文献2に記載された位置決め装置は、ステージを高精度(サブミクロンあるいはナノメータオーダ)で位置決めするためにソフト処理部をどのように構成するのかについて記載がない。特許文献3に記載されたモータ制御装置は、一定時間ごとにゲインを切替えるので、制御回路が複雑になり、実用性に欠ける。特許文献4の制御回路は複雑であり、実用性に欠ける。特許文献5のステージ駆動装置は、検査区間とそれ以外の区間とで電流指令のゲインを変えることを記載しているにとどまり、停止位置近傍でのゲインを切替えることを記載していない。
【0011】
従って本発明の目的は、コントローラ及びドライバに特別な機能を付加せずにサーボゲインの切り替えを行うことができるリニアモータのドライブシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明のリニアモータのドライブシステムは、3相コイルを有する可動子を備えたリニア同期モータに正弦波状の駆動電流を供給する駆動部と前記駆動部にフィードバック制御系を構成する制御信号を出力する制御部を含むドライバに、位置指令を出力するコントローラを接続し、第1サーボゲインで前記可動子を目標位置に向って移動させ、前記可動子が目標位置に近づいたときに第2サーボゲイン(<第1サーボゲイン)に切り替えることにより前記可動子を停止させるリニアモータの制御方法において、前記ドライバに内蔵した記憶部に前記可動子が停止する直前に第2サーボゲインに切り替えるプログラムを格納し、前記可動子の停止直前に前記プログラムを自動的に実行することにより、前記可動子を前記第2サーボゲインで停止させることを特徴とするものである。
【0013】
本発明において、ステージの高速移動と位置決め精度の向上を図るために、前記第1サーボゲイン及び前記第2サーボゲインは、位置ゲイン、速度ゲイン及び加速度ゲインを含み、前記制御回路はPID型又はP−PI型の制御系を構成することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、振動を伴わずにリニアモータを目標位置と実質的に一致した位置で停止させることが可能となり、しかもドライバの制御部に格納したプログラムを実行する(ソフトウエア処理する)ことにより自動的にサーボゲインの切り替えを行うことができ、極めて高い実用性を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の詳細を添付図面を参照して説明する。
【0016】
図1は本発明の実施の形態に係る可変速ドライブシステムを実施するための制御系の構成を示すブロック図、図2はリニアモータの速度線図、図3は図2の一部(停止直前の状態)を拡大した図、図4はゲイン切り替え手段の構成を示すブロック図、図5はゲイン切り替え動作を示すフロー図、図6はリニアモータの概略断面図、図7は図6をA方向からみた矢視図である。
【0017】
[制御系の機器構成]
図1に示すように、ステージ100を目標位置までに移動させるリニアモータ2には、可動子(不図示)に駆動電流を供給するドライバ3が接続されている。ドライバ3はラインレシーバとコントローラ4が接続されて、パレス列の指令信号(最大入力周波数は例えば4MHz)が入力される。ドライバ3とリニアモータ2との給電ライン(電流母線)11には、駆動電流を検出する電流センサ7が設けられている。リニアモータ2には、リニアスケール(不図示)から現在位置を読み取る位置センサ(例えば磁気式又は光学式リニアエンコーダ)8が設けられている。
【0018】
[ドライバの構成]
ドライバ3は、リニアモータ2の負荷(3相コイル)に駆動電流を供給する駆動部4と、指令信号(例えば目標位置や目標速度)と、電流センサ7で検出された駆動電流(実電流)やリニアエンコーダからの位置信号を用いて駆動電流を制御してリニアモータ2の可変速ドライブを実現するために、フルクローズドループの多重サーボループを形成する制御部5と、制御系のサーボゲインをソフト的に2段階に切り替えるゲイン切り替え手段6を有する。目標位置(指令パルス数)と現在位置(位置センサ8から出力されたパルス数)との偏差を演算し、その位置偏差に対応したサーボゲイン(位置ゲイン、速度ゲイン及び積分ゲイン)をサーボループに与える駆動部4は、図示を省略するが、交流電源(3相200V)を所定の直流電圧に変換する全波整流回路及びチョッパ回路(DC−DCコンバータ)を有するスイッチング電源部(電流アンプ)と、直流を交流に変換して駆動電流を出力するために、複数の半導体素子を有するインバータ部を備えている。
【0019】
[制御部]
制御部5は、目標位置(指令パルス数)と現在位置(位置センサ8から出力されたパルス数)との偏差を演算する偏差演算部50と、この位置偏差信号に基づいて現在速度(位置の変位量)を算出する速度検出部51と、目標位置から現在位置を減算することにより、速度指令を算出する位置制御部52と、この速度指令を現在速度から減算して、速度誤差量を求めることにより、電流指令を算出する速度制御部53と、この電流指令から電流センサ7で読み取られた実電流を減算することにより、電流誤差量を求めて駆動部4に制御信号を出力する電流制御部54(例えばPWMアンプ)を有する。PWMアンプは、半導体スイッチ素子のスイッチング動作により、例えば、振幅が時間に対して直線的に変化するキャリア波(三角波やのこぎり波など)と120°の位相差をもつ変調信号波とを比較することにより、パルス幅変調出力(振幅に比例したパルス幅)に変換し、平均化することにより、リニアモータの巻線に正弦波電流を供給するように構成される。
【0020】
本発明では、高精度の位置決めを実現するために、制御ループの伝達関数が式(1)で与えられるPID型の制御系とすることができる。この伝達関数は、入力と出力の関係を表す微分方程式を求め、これをラプラス変換して、初期条件を全て0とし、出力と入力とのラプラス変換の比をとることにより求めることができる。式(1)において、第1項(Kp:比例感度)は比例動作(目標値変化に追従させる)を示す。比例動作のみでは定常位置偏差(オフセット)が残るので、第2項の積分動作(TIS:積分時間)を導入すると、定常偏差は減少するが、立ち上がり時間の遅れが生じるので、第3項の微分動作(TDS:微分時間)を導入してその遅れを改善し、静定時間を短くする(速応性を改善する)ことができる。
【0021】
【数1】

【0022】
また本発明では、立ち上がり時間の遅れがわずかである場合は、制御ループの伝達関数が式(2)で与えられるP−PI型の制御系とすることができる。
【0023】
【数2】

【0024】
[ゲイン切り替え手段]
前記のサーボゲインの切り替えを実現するために、ゲイン切り替え手段6は、図4に示すように、偏差演算部50(IC)で算出された位置偏差を基準パルスと比較する位置偏差比較手段61と、第1サーボゲイン(高ゲイン)を格納する第1ゲインテーブル62と、第2サーボゲイン(低ゲイン)を格納する第2ゲインテーブル63と、位置偏差に基づいて第1サーボゲイン又は第2サーボゲインを読み出して位置制御部52、速度制御部53及び電流制御部54に出力するゲイン切り替えプログラム64を有する。位置偏差比較手段61、第1ゲインテーブル62、第2ゲインテーブル63及びゲイン切り替えプログラム64は、制御部5をシングルチップマイコン(例えば32bit)で構成し、そこに内蔵された記憶部[メモリ(例えばEEPROM)]に格納される。
【0025】
第1サーボゲインは、例えば位置ゲインKp1、速度ゲインKv1、加速度ゲインKI1を含み、第2サーボゲインは、例えば位置ゲインKp2(<Kp1)、速度ゲインKv2(<Kv1)、加速度ゲインKI2(<KI1)を含む。これらのサーボゲインは、式(1)の伝達関数から周波数応答を求め、複素数を極座標の形に変形し、絶対値を求めその対数をとる(ボード線図を得る)ことにより、式(3)で表される。式(3)において、τeは電気時定数、ωは周波数を示す。
【0026】
【数3】

【0027】
[リニアモータ]
上記のリニアモータ2は、正弦波状の速度起電力波形をもち、トルク(推力)を所定値に制御するための電流制御ループをもつことにより、高速な速度応答(高精度と大加速度)を実現することができるように構成される。図6及び図7に示すようにリニアモータ2は、例えば、X軸方向に移動するX軸ステージ(図示を省略)を搭載し、Y軸方向に移動するY軸ステージ102を有するXYステージ100のX軸方向の両端部(但し図5では一方のリニアモータのみ示す)に配置される。このXYステージ100において、Y軸ステージ102はベース101上に設置されたレール部103にリニアガイド104を介して支持されている。リニアモータ2は、強磁性体からなるコ字形のヨーク211とそこに固着された複数の永久磁石212を有し、ベース100上に設置された磁石ユニット部21(固定子)と、3相結線(例えばY形結線)した偏平な複数の空心コイル221を樹脂220でモールドしたコイル部22(可動子)を有する。永久磁石212は、磁気空隙にY軸方向に沿って正弦波状の磁束密度分布が現出するような磁気回路を形成するために、Z軸方向において異なる極性の磁極が対向し(図6参照)かつY軸方向に沿って異極性の磁極が交互に並ぶように所定間隔をおいて配列されている。コイル部22は、Y軸ステージ102の裏面に連結部222を介して接続されている。このコイル部22にドライバから駆動電流[例えば6〜10A程度の正弦波電流(最大定格電流)]が供給されて、コイル部22がY軸方向(図6参照)に駆動される。このように、コイル部の各巻線(空心コイル)に供給する電流を正弦波にすることにより、トルク変動を少なくすることができる。
【0028】
[制御系の動作]
このフィードバック制御系の動作を説明する。ドライバ3の電源がオンされてリニアモータ2の運転が開始され、コントローラ4から制御部5に目標位置が出力されると、位置制御部52で速度指令を算出する。速度検出部55では、速度指令と現在速度から電流指令(目標電流)を算出し、電流制御部53では、この電流指令から現在電流を減算することにより、電流誤差量を求めて電圧指令を算出する。この指令を駆動部4に出力することにより、ステージを目標位置まで移動させることができる。
【0029】
上記のステージでは、図2に示すように、コイルに所定方向の電流を流して可動子を加速した後、可動子が一定の速度で移動する間に所定の工程が実行され、その工程が終了すると、可動子を減速して目標位置で停止するようにその駆動が制御される。ここで、加速領域(0−t1)、定速領域(t1−t2)、減速領域(t2−t3)では、制御ループに大きなゲイン(第1サーボゲイン)を投入して、可動子を所定位置まで移動させる。また停止位置近傍の領域(t3―t4)になると、大きなゲインでは共振により、異音や振動が発生し、所定の位置決め精度が得られない。そこで図3に示すように、停止位置(t3)の直前(tc:位置偏差が基準パルスよりも小さくなった時点)で、制御ループに小さなゲインを投入する(第2サーボゲインに切り替える)ことにより、ステージを高精度(サブミクロンあるいはナノメータオーダ)で位置決めすることができる。
【0030】
[ゲインの切り替え手順]
上記のようにドライバに2種類のサーボゲインを設定し、図5に示す処理手順を実行することにより、ソフト的にサーボゲインの切り替えを自動的に行うことができる。すなわち、加速、定速走行及び減速(但し停止位置の直前まで)の区間[図2のta]では、第1サーボゲインでリニアモータを駆動しながら(S1)、位置偏差を演算し(S2)、その位置偏差(Sp)を基準パルス(例えば、位置指令が1000パルスの場合では、30パルス)と比較し(S3)、位置偏差が基準パルスよりも小さくなった場合は、第2サーボゲインに変更し(S4)、リニアモータを目標位置で停止させる(S5)。すなわち停止直前(目標位置の直前)[図2のtb]になると、リニアモータは低ゲインで駆動されるので、リニアモータの振動や異音を防止することができる。またリニアモータの駆動を再開した場合は、S1のステップに戻り、前記と同じステップ(S2〜S5)を繰り替えすことにより、ステージを次の目標位置まで移動することができる。なお、最適な基準パルスは、リニアモータの動作仕様などによって異なるので、実験により予め求めておく。
【0031】
上記の実施の形態によれば、XYステージを駆動するリニアモータの駆動電流を制御するために、リニアモータが停止する直前で高ゲインから低ゲインに外部信号によらず、位置検出信号を受けて自動的に切り替わるので、異音や振動を伴わずにリニアモータの駆動を停止することができる。
【0032】
本発明において、第1ゲインと第2ゲインのパラメータ値の変更は、一般的に汎用のパーソナルコンピュータからシリアル通信などの手段で、ドライバのメモリ(例えばEEPROM)を書き換えることができ、極めて実用性が高いものである。
【0033】
本発明は、上記の実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能であり、例えば、可動磁石型リニアモータを備えたステージに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態に係るドライブシステムの制御ブロック図である。
【図2】ステージの速度線図である。
【図3】図2の一部を拡大した図である。
【図4】ゲイン切り替え手段の構成を示すブロック図である。
【図5】ゲイン切替え動作を示すフロー図である。
【図6】本発明に適用されるリニアモータの一例を示す断面図である。
【図7】図6をA方向からみた矢視図である。
【符号の説明】
【0035】
100:ステージ、2:リニアモータ、3:ドライバ、4:駆動部、5:制御部、6:ゲイン切り替え手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3相コイルを有する可動子を備えたリニア同期モータに正弦波状の駆動電流を供給する駆動部と前記駆動部にフィードバック制御系を構成する制御信号を出力する制御回路部を含むドライバに、位置指令を出力するコントローラを接続し、第1サーボゲインで前記可動子を目標位置に向って移動させ、前記可動子が目標位置に近づいたときに第2サーボゲイン(<第1サーボゲイン)に切り替えることにより前記可動子を停止させるリニアモータのドライブシステムにおいて、前記ドライバに内蔵した記憶部に前記可動子が停止する直前に第2サーボゲインに切り替えるプログラムを格納し、前記可動子の停止直前に前記プログラムを自動的に実行することにより、前記可動子を前記第2サーボゲインで停止させることを特徴とするリニアモータのドライブシステム。
【請求項2】
前記第1サーボゲイン及び前記第2サーボゲインは位置ゲイン、速度ゲイン及び加速度ゲインを含み、前記フィードバック制御系はPID型又はP−PI型の制御系であることを特徴とする請求項1に記載のリニアモータのドライブシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−98894(P2010−98894A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−269197(P2008−269197)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(000005083)日立金属株式会社 (2,051)
【出願人】(393027383)NEOMAXエンジニアリング株式会社 (46)
【Fターム(参考)】