説明

レイアウトパターン補正装置、レイアウトパターン補正方法、プログラム、記録媒体、レチクル、及び半導体装置

【課題】 的確かつ高速に光近接効果を補正することができるようにする。
【解決手段】 設計パターンデータに基づいて、レイアウトパターンのうち光近接効果を補正するために形状を変えるべき補正部分を特定する補正部分データを生成する(S4及びS6)。これと並行して、設計パターンデータが示すレイアウトパターンの外郭線を平行にスライドさせることにより、幅に関する光近接効果を補正した後のデータである幅補正後パターンデータを生成する(S8及びS10)。次いで、光近接効果を補正するために補正部分の形状を変形させるための補正用形状データを、設計パターンデータに基づいて生成し、この補正用形状データを、補正部分データを用いて、幅補正後パターンデータに合成する(S12及びS14)。これにより、光近接効果を補正した後のレイアウトパターンを示す全補正後パターンデータが生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光近接効果を補正したレイアウトパターンデータを生成するレイアウトパターン補正装置、レイアウトパターン補正方法、プログラム、記録媒体、レチクル、及び半導体装置に関する。特に本発明は、精度よく光近接効果を補正することができるレイアウトパターン補正装置、レイアウトパターン補正方法、プログラム、記録媒体、レチクル、及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置内部のレイアウトパターン(例えば配線パターン)が、レチクルのパターンをフォトレジスト膜に転写する時に用いられる光源の波長より細かくなってきている。このため、転写の解像度が低下することを防ぐために、変形照明技術のような特殊な転写技術が必要となる。しかし、このような特殊な転写技術を用いると、転写されたパターンに寸法変動等が生じる。
【0003】
寸法変動等を防ぐための技術として、光近接効果補正(Optical Proximity Effect Correction:以下、OPCと記載)がある。OPCは、転写の際の寸法変動等を予め考慮して、設計レイアウトパターンを予め変形させておくことにより、転写後に所望のレイアウトパターンが得られるようにするものである。
【0004】
図14の各図は、従来のOPCの一例を示す図である。図14(A)に示すOPCは、転写時にレイアウトパターン200の幅が変わることを補正するために、レイアウトパターン200の外郭線を平行にスライドさせるものである。これにより、幅に関する光近接効果が補正された補正後レイアウトパターン200aが形成される。
【0005】
図14(B)に示すOPCは、レイアウトパターン210の端部212が転写時に後退することを補正するために、略長方形の端部212に、端部212より大きな略長方形のパターンであるハンマーヘッド212aを付加するものである。これにより、端部に関する光近接効果が補正された補正後レイアウトパターンが形成される。
これに類似する技術が、下記特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2002−250999号公報(第2段落乃至第5段落)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、OPCは、予め定められたルールに基づいて行われる。このルールは、例えばパターン端の幅が基準値以下の場合にはハンマーヘッドを付加する、というものである。しかし、例えば幅に関する光近接効果を補正した後では、本来はハンマーヘッドを付加すべき幅のレイアウトパターンがハンマーヘッドを付加しなくてもよい幅に変わっている可能性がある。このため、幅に関する光近接効果を補正した後にハンマーヘッドを付加するためのルールを適用すると、精度が高いOPCを行えない場合がある。また、OPCに必要な時間も長くなる。
【0007】
このように、高精度かつ高速にOPCを行うためには工夫が必要である。本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、精度よく光近接効果を補正することができるレイアウトパターン補正装置、レイアウトパターン補正方法、プログラム、記録媒体、レチクル、及び半導体装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、高速に光近接効果を補正することができるレイアウトパターン補正装置、レイアウトパターン補正方法、プログラム、記録媒体、レチクル、及び半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係るレイアウトパターン補正装置は、
設計段階の半導体装置内部のレイアウトパターンを示す設計パターンデータに基づいて、前記レイアウトパターンのうち光近接効果を補正するために形状を変えるべき補正部分を特定する補正部分データを生成する補正部分データ生成部と、
前記設計パターンデータが示す前記レイアウトパターンの外郭線を平行にスライドさせることにより、幅に関する光近接効果を補正した後のデータである幅補正後パターンデータを生成するパターン幅補正部と、
光近接効果を補正するために前記補正部分の形状を変形させるための補正用形状データを、前記設計パターンデータに基づいて生成する部分形状補正部と、
前記補正部分データを用いて、前記幅補正後パターンデータに対し、前記補正用形状データを合成することにより、光近接効果を補正した後のレイアウトパターンを示す全補正後パターンデータを生成する補正後パターン生成部と、
を具備する。
【0009】
このレイアウトパターン補正装置によれば、設計レイアウトパターンに基づいて、補正用形状データを付加すべき補正部分を抽出している。このため、意図しない部分を補正部分として抽出することを抑制できる。また、幅補正後のレイアウトパターンに付加される補正用形状データは、設計レイアウトパターンに基づいて生成されている。このため、レイアウトパターン補正装置は、的確に光近接効果を補正することができる。
【0010】
パターン幅補正部は、補正部分データ生成部と並列に動作してもよい。このようにすると、補正に必要な処理時間を短くすることができる。
【0011】
本発明に係る他のレイアウトパターン補正装置は、
設計段階における半導体装置内部のレイアウトパターンの外郭線を平行にスライドさせることにより、前記レイアウトパターンの幅に関する光近接効果を補正した後のパターンを示す幅補正後パターンデータを生成するパターン幅補正部と、
前記設計段階のレイアウトパターンの一部である補正部分における光近接効果を補正するために、該補正部分の形状を変形させる補正用形状データを、前記設計パターンデータに基づいて生成する部分形状補正部と、
前記幅補正後パターンデータに前記補正用形状データを合成することにより、光近接効果を補正した後のレイアウトパターンを示す全補正後パターンデータを生成する補正後パターン生成部と、
を具備する。
【0012】
上記したレイアウトパターン補正装置において、補正部分は、レイアウトパターンの外郭線が屈曲している部分であり、部分形状補正部は、屈曲している部分において外郭線を外側に膨らませるために、補正用形状データを生成してもよい。
例えば、外郭線が屈曲している部分において、レイアウトパターンを区切る方向に略90°曲がっている場合、部分形状補正部は、屈曲している部分の角部に加えられる略長方形を、補正用形状データとして生成してもよい。
【0013】
補正部分は、レイアウトパターンの外郭線が屈曲している部分であり、部分形状補正部は、屈曲している部分において外郭線を内側に凹ませるために、補正用形状データを生成してもよい。
例えば、外郭線が、屈曲している部分において、レイアウトパターンを広げる方向に略90°曲がっている場合、部分形状補正部は、屈曲している部分の角部から除去される略長方形を、補正用形状データとして生成してもよい。
【0014】
補正部分が、レイアウトパターンが有する略長方形の端部である場合、部分形状補正部は、補正用形状データとして、端部に加えられる、該端部より大きな略長方形を生成してもよい。
特に、レイアウトパターンが、端部から一定距離ほど内側までの領域が他の部分より細くなっている場合、略長方形が付加された後において、細くなった部分には、先端部分が補正用形状データによって太くなることにより凹部が形成される。補正後パターン生成部は、凹部の幅が基準値以下の場合に、該凹部を埋める処理を行ってもよい。
【0015】
本発明に係るレイアウトパターン補正方法は、
設計段階の半導体装置内部のレイアウトパターンを示す設計パターンデータに基づいて、前記レイアウトパターンのうち光近接効果を補正するために形状を変えるべき補正部分を特定する補正部分データを生成し、
前記設計パターンデータが示す前記レイアウトパターンの外郭線を平行にスライドさせることにより、幅に関する光近接効果を補正した後のデータである幅補正後パターンデータを生成し、
前記補正部分において光近接効果を補正するために、前記設計パターンデータにおける前記補正部分の形状を変形させるための補正用形状データを生成し、
前記補正部分データを用いて、前記幅補正後パターンデータに対し、前記補正用形状データを合成することにより、前記設計パターンデータに光近接効果用の補正を加えた全補正後パターンデータを生成する。
【0016】
本発明に係るプログラムは、コンピュータにより実行され、設計段階の半導体装置内部のレイアウトパターンを示す設計パターンデータに対して光近接効果の補正を加えた全補正後パターンデータを生成するためのプログラムであり、
前記設計パターンデータに基づいて、前記レイアウトパターンのうち光近接効果を補正するために形状を変えるべき補正部分を特定する補正部分データを生成する機能と、
前記設計パターンデータが示す前記レイアウトパターンの外郭線を平行にスライドさせることにより、幅に関する光近接効果を補正した後のデータである幅補正後パターンデータを生成する機能と、
前記補正部分において光近接効果を補正するために、前記設計パターンデータにおける前記補正部分の形状を変形させるための補正用形状データを生成する機能と、
前記補正部分データを用いて、前記幅補正後パターンデータに対し、前記補正用形状データを合成することにより、前記全補正後パターンデータを生成する機能と、
を具備する。
【0017】
本発明に係る記録媒体は、コンピュータにより実行され、設計段階の半導体装置内部のレイアウトパターンを示す設計パターンデータに対して光近接効果の補正を加えた全補正後パターンデータを生成するためのプログラムを格納しており、
前記プログラムは、
前記設計パターンデータに基づいて、前記レイアウトパターンのうち光近接効果を補正するために形状を変えるべき補正部分を特定する補正部分データを生成する機能と、
前記設計パターンデータが示す前記レイアウトパターンの外郭線を平行にスライドさせることにより、幅に関する光近接効果を補正した後のデータである幅補正後パターンデータを生成する機能と、
前記補正部分において光近接効果を補正するために、前記設計パターンデータにおける前記補正部分の形状を変形させるための補正用形状データを生成する機能と、
前記補正部分データを用いて、前記幅補正後パターンデータに対し、前記補正用形状データを合成することにより、前記全補正後パターンデータを生成する機能と、
を具備する。
【0018】
本発明に係るレチクルは、設計段階の半導体装置内部のレイアウトパターンを示す設計パターンデータに光近接効果用の補正を加えた全補正後パターンデータに基づいて形成され、
前記全補正後パターンデータは、
前記設計パターンデータに基づいて、前記レイアウトパターンのうち光近接効果を補正するために形状を変えるべき補正部分を特定する補正部分データを生成し
前記設計パターンデータが示す前記レイアウトパターンの外郭線を平行にスライドさせることにより、幅に関する光近接効果を補正した後のデータである幅補正後パターンデータを生成し、
前記補正部分において光近接効果を補正するために、前記設計パターンデータにおける前記補正部分の形状を変形させるための補正用形状データを生成し、
前記補正部分データを用いて、前記幅補正後パターンデータに対し、前記補正用形状データを合成すること
により生成されている。
【0019】
本発明に係る半導体装置は、レチクルが有するレイアウトパターンが転写された部分を有しており、
前記レチクルが有するレイアウトパターンは、
設計段階の半導体装置内部のレイアウトパターンを示す設計パターンデータに基づいて、前記レイアウトパターンのうち光近接効果を補正するために形状を変えるべき補正部分を特定する補正部分データを生成し
前記設計パターンデータが示す前記レイアウトパターンの外郭線を平行にスライドさせることにより、幅に関する光近接効果を補正した後のデータである幅補正後パターンデータを生成し、
前記補正部分において光近接効果を補正するために、前記設計パターンデータにおける前記補正部分の形状を変形させるための補正用形状データを生成し、
前記補正部分データを用いて、前記幅補正後パターンデータに対し、前記補正用形状データを合成すること
により形成されている。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るレイアウトパターン補正装置の機能を示すブロック図である。本レイアウトパターン補正装置は、OPCルールデータベース(以下、OPCルールDBと記載)20、設計パターンデータ取得部40、パターン幅補正部50、補正部分データ生成部60、部分形状補正部70、及び補正後パターン生成部80を備える。
【0021】
OPCルールDB20は、OPCを適用するためのレイアウトパターンの条件、及びレイアウトパターンに対して行う補正を示す情報(補正量表)を、互いに対応して格納している。具体的には、OPCルールDB20は、レイアウトパターンの幅を補正するためのOPCルールとして、OPCを適用するためのレイアウトパターンの幅と、レイアウトパターンの外郭線をどの程度平行にスライドさせるかを示す情報とを対応付けて格納している。また、OPCルールDB20は、レイアウトパターンの端部の形状を補正するためのOPCルールとして、レイアウトパターンの端部の幅と、この端部に付加すべき略長方形のパターンであるハンマーヘッドの形状及び大きさを示す情報とを対応付けて格納している。また、OPCルールDB20は、レイアウトパターンの外郭線が屈曲している部分を補正するためのOPCルールとして、屈曲部分近傍のレイアウトパターンの形状と、この屈曲部分に付加すべきパターンであるポジセリフの形状、又はこの屈曲部分から除去すべきパターンであるネガセリフの形状を対応付けて格納している。なお、OPCルールDB20は、例示した以外の条件(例えばレイアウトパターンの一部分の形状)及び情報(例えばレイアウトパターンの一部部分の形状をどのように変形するか)も格納している。
【0022】
設計パターンデータ取得部40は、設計段階のレイアウトパターンを示す設計パターンデータを取得する。ここでのレイアウトパターンは、例えば半導体装置内部のポリシリコンパターン、又は配線パターン等である。なお、設計パターンデータ取得部40は、設計パターンデータを、レイアウトパターン補正装置が有する記録媒体(例えばハードディスク)から取得してもよいし、外部の記録媒体から取得してもよい。
【0023】
パターン幅補正部50は、OPCルールDB20が格納しているOPCルールに基づいて、設計パターンデータ取得部40が取得した設計パターンデータに対し、幅に関するOPCを行い、幅補正後パターンデータを生成する。
【0024】
補正部分データ生成部60は、OPCルールDB20が格納しているOPCルールに基づいて、設計パターンデータ取得部40が取得した設計パターンデータから、形状を補正すべき部分である補正部分(例えばレイアウトパターンの端部)を抽出し、この補正部分を示すマークを設計パターンデータに付加する。
【0025】
部分形状補正部70は、補正部分データ生成部60が抽出した補正部分における光近接効果を補正するために、この補正部分を変形させるための補正用形状データを、OPCルールDB20が格納しているOPCルールに基づいて生成する。
【0026】
補正後パターン生成部80は、パターン幅補正部50が補正した幅補正後パターンデータに対し、部分形状補正部70が生成した補正用形状データを合成することにより、光近接効果が補正されたレイアウトパターンを示す全補正後パターンデータを生成する。このとき、補正後パターン生成部80は、補正部分データ生成部60が生成した補正部分データを用いる。
【0027】
全補正後パターンデータが示すレイアウトパターンは、例えばフォトレジスト膜を露光するためのレチクルのパターンとして用いられる。このレチクルによって露光されたフォトレジスト膜は、現像されることにより、レチクルのパターンが転写されたレジストパターンとなる。このレジストパターンは、例えばポリシリコン膜、又はAl合金膜をエッチングによりパターニングするときのマスクとして用いられる。パターニングされたポリシリコン膜には、レチクルのパターンが転写され、これにより半導体装置が有するMOSトランジスタのゲート電極及びポリシリコン配線が形成される。また、パターニングされたAl合金膜にも、レチクルのパターンが転写され、これにより半導体装置の配線が形成される。
このようにして、レイアウトパターン補正装置が生成したレイアウトパターンを用いて、半導体装置が製造される。
【0028】
なお、本レイアウトパターン補正装置は、上記した機能を有するプログラムをコンピュータシステムにインストールすることにより、実現される。このプログラムは、例えば記録媒体を介してコンピュータシステムにインストールされる。プログラムを格納する記録媒体は、例えばフロッピーディスク(登録商標)、CD−ROM、CD−R、CD−R/W、DVD−RAM、MO、及び半導体メモリー等のリムーバブルディスク、若しくはハードディスクであるが、これら以外であってもよい。また、このプログラムは、インターネット等の通信回線を介してダウンロードされることにより、コンピュータシステムにインストールされてもよい。
【0029】
次に、図2、図3及び図4を参照して、レイアウトパターン補正装置の第1の動作について説明する。図2は本動作の対象となる設計パターンデータを模式的に示す図である。図3は本動作のフローチャートであり、図4の各図は、図3に示す処理を模式的に説明するための図である。
【0030】
図2に示すように、本動作の対象となる設計段階のレイアウトパターン100は、略長方形であり、角部102を示す外郭線がレイアウトパターンを区切る方向に略90°湾曲している。このようなレイアウトパターン100は、転写する際に、光近接効果により角部102が内側に凹む。これを補正するため、レイアウトパターン補正装置は、以下に説明するように、角部102に、略長方形のポジセリフ(補正用形状データ)を付加する補正を行う。
【0031】
パターン幅補正部50、補正部分データ生成部60それぞれは、設計パターンデータ取得部40を介して設計段階のレイアウトパターンを示す設計パターンデータを取得するとともに、OPCルールDB20からOPCルールを取得する(図3のS2)。次いで、補正部分データ生成部60は、設計パターンデータにOPCルールを適用することにより、セリフを付加すべき補正部分として、角部102を抽出する(図3のS4)。次いで、抽出した角部102に、補正部分である旨を示すマーク104a(補正部分データ)を付加する(図3のS6及び図4(A))。
【0032】
図4(A)に示すように、マーク104aは略長方形であり、後述するパターン幅補正部50が生成する幅補正後パターンデータにおいても、角部102を内側に含む程度の大きさを有する。
【0033】
一方、パターン幅補正部50は、補正部分データ生成部60がS4及びS6で示した処理を行っている間に、図3のS8及びS10に示す処理を行う。まず、設計パターンデータにOPCルールを適用することにより、幅を変更すべき部分すなわち平行移動すべき外郭線を抽出する(図3のS8)。次いで、OPCルールに基づいて、抽出した外郭線を平行移動してレイアウトパターンの幅を変更し、幅補正後のレイアウトパターンデータである幅補正後パターンデータを生成する(図3のS10及び図4(B))。
【0034】
図4(B)に示すように、幅補正後パターンデータが示すレイアウトパターン100aは、設計パターンデータが示すレイアウトパターン100の外郭線を内側に平行移動させたものである。これにより、角部102も内側にスライドし、角部102aとなる。
【0035】
次いで、補正後パターン生成部80は、補正部分データ生成部60が生成したマーク104aを、パターン幅補正部50が生成した幅補正後パターンデータに重ねる(図3のS12及び図4(C))。上述したように、補正後の角部102aは補正前の角部102よりも内側に位置するが、マーク104aは予め大きめに設定されているため、図4(C)に示すように、角部102aは、マーク104aによって囲まれる。
【0036】
なお、図3のS10で説明したように、幅補正後パターンデータが示すレイアウトパターン100aは、設計パターンデータが示すレイアウトパターン100に対して幅が変わっている。このため、補正後のレイアウトパターン100aをOPCルールに適用した場合、角部102aは、補正部分として補正部分データ生成部60に抽出されないことがある。逆に、本来補正すべきでない部分が、補正部分として抽出されることもある。しかし本実施形態では、設計パターンデータが示すレイアウトパターン100に対してOPCルールを適用しているため、補正すべき部分のみを、補正部分として抽出することができる。
【0037】
次いで、部分形状補正部70は、補正部分データ生成部60が抽出した補正部分を補正するために、ポジセリフを生成する。このとき、部分形状補正部70は、設計パターンデータにOPCルールを適用することにより、ポジセリフを生成する。次いで、補正後パターン生成部80は、マーク104aで囲まれている角部102aに、部分形状補正部70が生成したポジセリフ104を付加する(S14及び図4(D))。付加されるポジセリフ104は、設計パターンデータにOPCルールを適用することにより生成されているため、的確に光近接効果を補正することができる。
このようにして、光近接効果が補正されたレイアウトパターンを示す全補正後パターンデータが生成される。
【0038】
このように、レイアウトパターン補正装置の第1の動作によれば、幅補正後のレイアウトパターンに付加されるポジセリフ104は、幅補正後のレイアウトパターンではなく、設計レイアウトパターンにOPCルールを適用することにより生成されている。このため、レイアウトパターン補正装置は、的確に光近接効果を補正することができる。
【0039】
また、幅補正前のレイアウトパターン100にOPCルールを適用することにより、ポジセリフ104を付加すべき補正部分(本実施形態では角部102)を抽出している。このため、的確に補正部分のみを抽出することができる。
また、幅補正後パターンデータを生成する処理を、ポジセリフを付加すべき補正部分を抽出する処理と並列で行っているため、処理時間を短くすることができる。
【0040】
次に、図5、図6及び図7を参照して、レイアウトパターン補正装置の第2の動作について説明する。図5は、本動作の対象となる設計パターンデータを模式的に示す図である。図6は本動作のフローチャートであり、図7の各図は、図6に示す処理を模式的に説明するための図である。
【0041】
図5に示すように、本動作の対象となる設計パターンデータが示すレイアウトパターン110は、角部112を示す外郭線が、レイアウトパターンを広げる方向に略90°湾曲している。このようなレイアウトパターン110は、転写する際に、光近接効果により角部102が外側に凸になる。これを補正するため、レイアウトパターン補正装置は、以下に説明するように、角部112から、略長方形のネガセリフ(補正用形状データ)を除去する補正を行う。
【0042】
パターン幅補正部50、補正部分データ生成部60それぞれは、設計パターンデータ取得部40を介して設計パターンデータを取得するとともに、OPCルールDB20からOPCルールを取得する(図6のS22)。次いで、補正部分データ生成部60は、設計パターンデータにOPCルールを適用することにより、ネガセリフを除去すべき補正部分として、角部112を抽出する(図6のS24)。次いで、抽出した角部112に、補正部分である旨を示すマーク114a(補正部分データ)を付加する(図6のS26及び図7(A))。
【0043】
図7(A)に示すように、マーク114aは略長方形であり、後述するパターン幅補正部50が生成する幅補正後パターンデータにおいても、角部112を内側に含む程度の大きさを有する。
【0044】
一方、パターン幅補正部50は、補正部分データ生成部60がS24及びS26で示した処理を行っている間に、図6のS28及びS30に示す処理を行う。まず、設計パターンデータにOPCルールを適用することにより、幅を変更すべき部分すなわち平行移動すべき外郭線を抽出する(図6のS28)。次いで、OPCルールに基づいて、抽出した外郭線を平行移動してレイアウトパターンの幅を変更し、幅補正後パターンデータを生成する(図6のS30及び図7(B))。
【0045】
図7(B)に示すように、幅補正後パターンデータが示すレイアウトパターン110aは、補正前のレイアウトパターン110の外郭線を内側に平行移動させたものである。これにより、角部112も内側にスライドし、角部112aとなる。
【0046】
次いで、補正後パターン生成部80は、補正部分データ生成部60が生成したマーク114aを、パターン幅補正部50が生成した幅補正後パターンデータに重ねる(図6のS32及び図7(C))。上述したように、補正後の角部112aは補正前の角部112よりも内側に位置するが、マーク114aは予め大きめに設定されているため、図7(C)に示すように、角部112aは、マーク114aによって囲まれる。
【0047】
なお、図6のS30で説明したように、幅補正後パターンデータが示すレイアウトパターン110aは、設計パターンデータが示すレイアウトパターン110に対して幅が変わっている。このため、幅補正後のレイアウトパターン110aをOPCルールに適用した場合、角部112aは、補正部分として補正部分データ生成部60に抽出されないことがある。逆に、本来補正すべきでない部分が補正部分として抽出されることもある。しかし、本実施形態では、補正前のレイアウトパターン110に対してOPCルールを適用しているため、補正すべき部分のみを、補正部分として抽出することができる。
【0048】
次いで、部分形状補正部70は、補正部分データ生成部60が抽出した補正部分を補正するために、ネガセリフを生成する。このとき、部分形状補正部70は、設計パターンデータにOPCルールを適用することにより、ネガセリフを生成する。次いで、補正後パターン生成部80は、マーク114aで囲まれている角部112aから、部分形状補正部70が生成したネガセリフ114を除去する(S34及び図7(D))。ネガセリフ114は、設計パターンデータにOPCルールを適用することにより生成されているため、的確に光近接効果を補正することができる。
このようにして、光近接効果が補正されたレイアウトパターンを示す全補正後パターンデータが生成される。
【0049】
このように、レイアウトパターン補正装置の第2の動作によれば、幅補正後のレイアウトパターンから除去されるネガセリフ114は、幅補正前のレイアウトパターン110にOPCルールを適用することにより生成されている。このため、レイアウトパターン補正装置は、的確に光近接効果を補正することができる。
【0050】
また、幅補正前のレイアウトパターン110にOPCルールを適用することにより、ネガセリフを除去すべき補正部分(本実施形態では角部112)を抽出している。このため、的確に補正部分を抽出することができる。
また、幅補正後パターンデータを生成する処理を、ネガセリフを付加すべき補正部分を抽出する処理と並列で行っているため、処理時間を短くすることができる。
【0051】
次に、図8、図9及び図10を参照して、レイアウトパターン補正装置の第3の動作について説明する。図8は、本動作の対象となる設計パターンデータを模式的に示す図である。図9は本動作のフローチャートであり、図10の各図は、図9に示す処理を模式的に説明するための図である。
【0052】
図8に示すように、本動作の対象となる設計段階のレイアウトパターン120は、長手方向の端部122が、転写の際に、光近接効果により内側に凹になる。これを補正するため、レイアウトパターン補正装置は、以下に説明するように、端部122に、端部122より大きい略長方形のハンマーヘッド(補正用形状データ)を付加する補正を行う。
【0053】
パターン幅補正部50、補正部分データ生成部60それぞれは、設計パターンデータ取得部40を介して設計パターンデータを取得するとともに、OPCルールDB20からOPCルールを取得する(図9のS42)。次いで、補正部分データ生成部60は、設計パターンデータにOPCルールを適用することにより、ハンマーヘッドを付加すべき補正部分として、端部122を抽出する(図9のS44)。次いで、抽出した端部122に、補正部分である旨を示すマーク124a(補正部分データ)を付加する(図9のS46及び図10(A))。
【0054】
図10(A)に示すように、マーク124aは略長方形であり、後述するパターン幅補正部50が生成する補正後パターンデータにおいても、端部122を内側に含む程度の大きさを有する。
【0055】
一方、パターン幅補正部50は、補正部分データ生成部60がS44及びS46で示した処理を行っている間に、図9のS48及びS50に示す処理を行う。まず、設計パターンデータにOPCルールを適用することにより、幅を変更すべき部分すなわち平行移動すべき外郭線を抽出する(図9のS48)。次いで、OPCルールに基づいて、抽出した外郭線を平行移動してレイアウトパターンの幅を変更し、幅補正後パターンデータを生成する(図9のS50及び図10(B))。
【0056】
図10(B)に示すように、幅補正後のレイアウトパターン110aは、補正前のレイアウトパターン110の外郭線を外側に平行移動させたものである。これにより、端部122の幅も広がり、端部122aとなる。
【0057】
次いで、補正後パターン生成部80は、補正部分データ生成部60が生成したマーク124aを、パターン幅補正部50が生成した幅補正後のレイアウトパターンデータに重ねる(図9のS52及び図10(C))。上述したように、補正後の端部122aは補正前の端部122よりも幅広であるが、マーク124aは予め大きめに設定されているため、図10(C)に示すように、端部122aは、マーク124aによって囲まれる。
【0058】
なお、端部122aの幅が広がっているため、補正後のレイアウトパターン110aをOPCルールに適用した場合、端部122aは、補正部分として補正部分データ生成部60に抽出されないことがある。しかし本実施形態では、補正前のレイアウトパターン110に対してOPCルールを適用しているため、確実に端部122を補正部分として抽出することができる。
【0059】
次いで、部分形状補正部70は、補正部分データ生成部60が抽出した補正部分を補正するためのハンマーヘッドを生成する。このとき、部分形状補正部70は、設計パターンデータにOPCルールを適用することにより、ハンマーヘッドを生成する。次いで、補正後パターン生成部80は、マーク124aで囲まれている端部122aに対し、部分形状補正部70が生成したハンマーヘッド124を付加する(S54及び図10(D))。ハンマーヘッド124は、設計パターンデータにOPCルールを適用することにより生成されているため、的確に光近接効果を補正することができる。
このようにして、光近接効果が補正されたレイアウトパターンを示す全補正後パターンデータが生成される。
【0060】
このように、レイアウトパターン補正装置の第3の動作によれば、幅補正後のレイアウトパターンに付加されるハンマーヘッド124は、設計パターンデータにOPCルールを適用することにより生成されている。このため、レイアウトパターン補正装置は、的確に、レイアウトパターン端部の光近接効果を補正することができる。
【0061】
また、設計パターンデータにOPCルールを適用することにより、ハンマーヘッド124を付加すべき補正部分(本実施形態では端部122)を抽出している。このため、的確に補正部分を抽出することができる。
また、幅補正後パターンデータを生成する処理を、ハンマーヘッドを付加すべき補正部分を抽出する処理と並列で行っているため、処理時間を短くすることができる。
【0062】
次に、図11、図12及び図13を参照して、レイアウトパターン補正装置の第4の動作について説明する。本動作は、第3の動作によって光近接効果が補正されたレイアウトパターンに対して処理を行うことにより、さらに的確に光近接効果が補正されたレイアウトパターンを生成するものである。
【0063】
図11は、本動作の対象となる設計段階のレイアウトパターンを示す図である。図12は本動作のフローチャートであり、図13の各図は、図12に示す処理を模式的に説明するための図である。
【0064】
図11に示すように、本動作の対象となる設計段階のレイアウトパターン120は、端部122から一定距離ほど内側が他の部分より細くなった、先細部分126を有する。このため、第3の動作により、端部にハンマーヘッドを付加するのみでは、端部の形状が不必要に複雑になってしまう。これに対し、レイアウトパターン補正装置は、以下に説明する補正を行う。
【0065】
図12及び図13に示すように、パターン幅補正部50、補正部分データ生成部60、部分形状補正部70、及び補正後パターン生成部80は、上述した第3の動作を行う(図12のS42〜S54)ことにより、幅補正後のレイアウトパターン120aの端部122aに、ハンマーヘッド124を付加する(図12のS56及び図13(A))。これにより、ハンマーヘッド124によって先細部分126の先端部が埋められ、凹部126aが形成される。
【0066】
次いで、凹部126aの幅Lが基準値以下の場合(S56:Yes)、凹部126aを埋める処理を行う(S58及び図13(B))。凹部126aの幅Lが基準値より大きい場合(S56:No)、処理を行わない。
このようにして、光近接効果を補正したレイアウトパターンが生成される。
【0067】
この第4の動作によれば、第3の動作と同一の効果を得ることができる。また、端部122にハンマーヘッド124を付加することによって微小な凹部126aが形成され、端部122近傍の形状が不必要に複雑になってしまう場合には、該凹部126aを埋める処理を行う。このため、さらに的確に光近接効果を補正することができる。
【0068】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。
例えば、部分形状補正部70の機能を補正部分データ生成部60の機能が兼ねてもよい。この場合、補正部分を示すマークを生成する(S6、S26、及びS46)段階で、マークとともに、ポジセリフ、ネガセリフ又はハンマーヘッドを生成する。そして、ここで生成したポジセリフ、ネガセリフ又はハンマーヘッドを幅補正後パターンデータに付加することにより、全補正後パターンデータを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施形態に係るレイアウトパターン補正装置の機能を示すブロック図。
【図2】レイアウトパターン補正装置の第1の動作の対象となる設計パターンデータを模式的に示す図。
【図3】第1の動作のフローチャート。
【図4】(A)乃至(D)の各図は、図3に示す処理を模式的に説明するための図。
【図5】レイアウトパターン補正装置の第2の動作の対象となる設計パターンデータを模式的に示す図。
【図6】第2の動作のフローチャート。
【図7】(A)乃至(D)の各図は、図6に示す処理を模式的に説明するための図。
【図8】レイアウトパターン補正装置の第3の動作の対象となる設計パターンデータを模式的に示す図。
【図9】第3の動作のフローチャート。
【図10】(A)乃至(D)の各図は、図9に示す処理を模式的に説明するための図。
【図11】レイアウトパターン補正装置の第4の動作の対象となる設計パターンデータを模式的に示す図。
【図12】第4の動作のフローチャート。
【図13】(A)及び(B)は、図12に示す処理を模式的に説明するための図。
【図14】(A)、(B)それぞれは、従来のOPCの一例を示す図。
【符号の説明】
【0070】
20…OPCルールデータベース、40…設計パターンデータ取得部、60…補正部分データ生成部、70…部分形状補正部、80…補正後パターン生成部、100,110,120,200,210…レイアウトパターン、100a,110a,120a…幅補正後のレイアウトパターン、102,102a,112,112a…角部、104…ポジセリフ、104a,114a,124a…マーク、114…ネガセリフ、122,122a,212…端部、124,212a…ハンマーヘッド、126…先細部分、126a…凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設計段階の半導体装置内部のレイアウトパターンを示す設計パターンデータに基づいて、前記レイアウトパターンのうち光近接効果を補正するために形状を変えるべき補正部分を特定する補正部分データを生成する補正部分データ生成部と、
前記設計パターンデータが示す前記レイアウトパターンの外郭線を平行にスライドさせることにより、幅に関する光近接効果を補正した後のデータである幅補正後パターンデータを生成するパターン幅補正部と、
光近接効果を補正するために前記補正部分の形状を変形させるための補正用形状データを、前記設計パターンデータに基づいて生成する部分形状補正部と、
前記補正部分データを用いて、前記幅補正後パターンデータに対し、前記補正用形状データを合成することにより、光近接効果を補正した後のレイアウトパターンを示す全補正後パターンデータを生成する補正後パターン生成部と、
を具備するレイアウトパターン補正装置。
【請求項2】
前記パターン幅補正部は、前記補正部分データ生成部と並列に動作する請求項1に記載のレイアウトパターン補正装置。
【請求項3】
設計段階における半導体装置内部のレイアウトパターンの外郭線を平行にスライドさせることにより、前記レイアウトパターンの幅に関する光近接効果を補正した後のパターンを示す幅補正後パターンデータを生成するパターン幅補正部と、
前記設計段階のレイアウトパターンの一部である補正部分における光近接効果を補正するために、該補正部分の形状を変形させる補正用形状データを、前記設計パターンデータに基づいて生成する部分形状補正部と、
前記幅補正後パターンデータに前記補正用形状データを合成することにより、光近接効果を補正した後のレイアウトパターンを示す全補正後パターンデータを生成する補正後パターン生成部と、
を具備するレイアウトパターン補正装置。
【請求項4】
前記補正部分は、前記レイアウトパターンの外郭線が屈曲している部分であり、
前記部分形状補正部は、前記屈曲している部分において前記外郭線を外側に膨らませるために、前記補正用形状データを生成する請求項1〜3のいずれか一項に記載のレイアウトパターン補正装置。
【請求項5】
前記外郭線は、前記屈曲している部分において、前記レイアウトパターンを区切る方向に略90°曲がっており、
前記部分形状補正部は、前記屈曲している部分の角部に加えられる略長方形を、前記補正用形状データとして生成する請求項4に記載のレイアウトパターン補正装置。
【請求項6】
前記補正部分は、前記レイアウトパターンの外郭線が屈曲している部分であり、
前記部分形状補正部は、前記屈曲している部分において前記外郭線を内側に凹ませるために、前記補正用形状データを生成する請求項1〜3のいずれか一項に記載のレイアウトパターン補正装置。
【請求項7】
前記外郭線は、前記屈曲している部分において、前記レイアウトパターンを広げる方向に略90°曲がっており、
前記部分形状補正部は、前記屈曲している部分の角部から除去される略長方形を、前記補正用形状データとして生成する請求項6に記載のレイアウトパターン補正装置。
【請求項8】
前記補正部分は、前記レイアウトパターンが有する略長方形の端部であり、
前記部分形状補正部は、前記補正用形状データとして、前記端部に加えられる、該端部より大きな略長方形を生成する請求項1〜3のいずれか一項に記載のレイアウトパターン補正装置。
【請求項9】
前記レイアウトパターンは、前記端部から一定距離ほど内側までの領域が他の部分より細くなっており、
前記略長方形が付加された後において、前記細くなった部分は、先端部分が前記補正用形状データによって太くなることにより凹部を形成し、
前記補正後パターン生成部は、前記凹部の幅が基準値以下の場合には、該凹部を埋める処理を行う請求項8に記載のレイアウトパターン補正装置。
【請求項10】
設計段階の半導体装置内部のレイアウトパターンを示す設計パターンデータに基づいて、前記レイアウトパターンのうち光近接効果を補正するために形状を変えるべき補正部分を特定する補正部分データを生成し、
前記設計パターンデータが示す前記レイアウトパターンの外郭線を平行にスライドさせることにより、幅に関する光近接効果を補正した後のデータである幅補正後パターンデータを生成し、
前記補正部分において光近接効果を補正するために、前記設計パターンデータにおける前記補正部分の形状を変形させるための補正用形状データを生成し、
前記補正部分データを用いて、前記幅補正後パターンデータに対し、前記補正用形状データを合成することにより、前記設計パターンデータに光近接効果用の補正を加えた全補正後パターンデータを生成する、レイアウトパターン補正方法。
【請求項11】
コンピュータにより実行され、設計段階の半導体装置内部のレイアウトパターンを示す設計パターンデータに対して光近接効果の補正を加えた全補正後パターンデータを生成するためのプログラムであって、
前記設計パターンデータに基づいて、前記レイアウトパターンのうち光近接効果を補正するために形状を変えるべき補正部分を特定する補正部分データを生成する機能と、
前記設計パターンデータが示す前記レイアウトパターンの外郭線を平行にスライドさせることにより、幅に関する光近接効果を補正した後のデータである幅補正後パターンデータを生成する機能と、
前記補正部分において光近接効果を補正するために、前記設計パターンデータにおける前記補正部分の形状を変形させるための補正用形状データを生成する機能と、
前記補正部分データを用いて、前記幅補正後パターンデータに対し、前記補正用形状データを合成することにより、前記全補正後パターンデータを生成する機能と、
を具備するプログラム。
【請求項12】
コンピュータにより実行され、設計段階の半導体装置内部のレイアウトパターンを示す設計パターンデータに対して光近接効果の補正を加えた全補正後パターンデータを生成するためのプログラムを格納した記録媒体であって、
前記プログラムは、
前記設計パターンデータに基づいて、前記レイアウトパターンのうち光近接効果を補正するために形状を変えるべき補正部分を特定する補正部分データを生成する機能と、
前記設計パターンデータが示す前記レイアウトパターンの外郭線を平行にスライドさせることにより、幅に関する光近接効果を補正した後のデータである幅補正後パターンデータを生成する機能と、
前記補正部分において光近接効果を補正するために、前記設計パターンデータにおける前記補正部分の形状を変形させるための補正用形状データを生成する機能と、
前記補正部分データを用いて、前記幅補正後パターンデータに対し、前記補正用形状データを合成することにより、前記全補正後パターンデータを生成する機能と、
を具備する記録媒体。
【請求項13】
設計段階の半導体装置内部のレイアウトパターンを示す設計パターンデータに光近接効果用の補正を加えた全補正後パターンデータに基づいて形成されたレチクルであって、
前記全補正後パターンデータは、
前記設計パターンデータに基づいて、前記レイアウトパターンのうち光近接効果を補正するために形状を変えるべき補正部分を特定する補正部分データを生成し
前記設計パターンデータが示す前記レイアウトパターンの外郭線を平行にスライドさせることにより、幅に関する光近接効果を補正した後のデータである幅補正後パターンデータを生成し、
前記補正部分において光近接効果を補正するために、前記設計パターンデータにおける前記補正部分の形状を変形させるための補正用形状データを生成し、
前記補正部分データを用いて、前記幅補正後パターンデータに対し、前記補正用形状データを合成すること
により生成されているレチクル。
【請求項14】
レチクルが有するレイアウトパターンが転写された部分を有する半導体装置であって、
前記レチクルが有するレイアウトパターンは、
設計段階の半導体装置内部のレイアウトパターンを示す設計パターンデータに基づいて、前記レイアウトパターンのうち光近接効果を補正するために形状を変えるべき補正部分を特定する補正部分データを生成し
前記設計パターンデータが示す前記レイアウトパターンの外郭線を平行にスライドさせることにより、幅に関する光近接効果を補正した後のデータである幅補正後パターンデータを生成し、
前記補正部分において光近接効果を補正するために、前記設計パターンデータにおける前記補正部分の形状を変形させるための補正用形状データを生成し、
前記補正部分データを用いて、前記幅補正後パターンデータに対し、前記補正用形状データを合成すること
により形成されている、半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−39258(P2006−39258A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−219894(P2004−219894)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】