説明

レジスト用化合物およびレジスト組成物

【課題】高感度で、高解像度のレジストパターンを作製することができ、集積度の高い半導体素子を高い生産性で作製することが可能となるレジスト組成物およびそれに用いることができる化合物を提供する。
【解決手段】本発明は、(a)炭素数5〜45の芳香族ケトンまたは芳香族アルデヒド、および炭素数6〜15であり1〜3個のフェノール性水酸基を含有する化合物の縮合反応により製造されたポリフェノール化合物に、可視光線、紫外線、エキシマレーザー、極端紫外線(EUV)、電子線、X線、およびイオンビームからなる群から選ばれるいずれかの放射線の照射により直接的又は間接的に架橋反応を起こす架橋反応性基を導入する試剤を反応させることにより製造され、(b)分子量が300〜5000であり、かつ(c)該架橋反応性基を分子中に少なくとも1個有するレジスト化合物(A)を一種以上含むレジスト組成物およびそれに用いる化合物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非高分子系レジスト材料として有用な、特定の条件を満たし、架橋反応性基を有するレジスト化合物を含むレジスト組成物に関する。本発明のレジスト組成物は、紫外線、遠紫外線、電子線、極端紫外線(EUV)、X線等の放射線に感応する感放射線性材料として、エレクトロニクス分野におけるLSI、VLSI製造時のマスクなどに利用され、高解像度のレジストパターンを作製することができ、集積度の高い半導体素子を高い生産性で作製することが可能となるレジスト組成物およびそれに適したレジスト化合物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまでの一般的なレジスト材料は、アモルファス薄膜を形成可能な高分子系材料である。例えば、ポリメチルメタクリレートの溶液を基板上に塗布することにより作製したレジスト薄膜に紫外線、遠紫外線、電子線、極端紫外線(EUV)、X線などを照射することにより、0.1μm程度のラインパターンを形成している。
しかしながら、高分子系レジストは分子量が1万〜10万程度と大きく、分子量分布も広いため、高分子系レジストを用いるリソグラフィでは、微細パターン表面にラフネスが生じ、パターン寸法を制御することが困難となり、歩留まりが低下する。従って、従来の高分子系レジスト材料を用いるリソグラフィでは微細化に限界がある。より微細なパターンを作製するために、種々の低分子量レジスト材料が開示されている。
【0003】
非高分子系のレジスト材料の例として、(1)フラーレンから誘導されるポジ及びネガ型レジスト、(2)カリックスアレーンから誘導されるポジ及びネガ型レジスト、(3)スターバースト型化合物から誘導されるポジ型レジスト、(4)デンドリマーから誘導されるポジ型レジスト、(5)デンドリマー/カリックスアレーンから誘導されるポジ型レジスト、(6)高分岐度のスターバースト型化合物から誘導されるポジ型レジスト、(7)トリメシン酸を中心骨格とし、エステル結合を有するスターバースト型化合物から誘導されるポジ型レジスト、(8)環状ポリフェノール化合物から誘導されるネガ型レジスト、(9)ポリフェノール化合物から誘導されるネガ型レジストおよび(10)カリックスレゾルシナレーンから誘導されるネガ型レジストが挙げられる。
【0004】
(1)については、エッチング耐性は良いが、塗布性及び感度が実用レベルに至っていない(特許文献1〜5参照)。(2)については、エッチング耐性に優れるが、現像液に対する溶解性が悪いために満足なパターンが得られない(特許文献6〜8参照)。(3)については、耐熱性が低いために露光後の熱処理中にイメージがひずむことがある(特許文献9〜11参照)。(4)については、製造工程が複雑であり、また耐熱性が低いために露光後の熱処理中にイメージがひずむことがあり、実用性のあるものとはいえない(非特許文献1参照。)。(5)についても、製造工程が複雑であり、原料が高価であることから実用性のあるものとはいえない(特許文献12、13参照)。(6)については、製造工程が複雑であり、原料が高価であることから実用性のあるものとはいえない。(7)については耐熱性が低いために露光後の熱処理中にイメージがひずむことがあり、また基板密着性が不十分であり、実用性のあるものとはいえない(特許文献14参照)。(8)、(9)については、アモルファス性、エッチング耐性が十分ではなく、改善が望まれる(特許文献15〜17参照)。(10)については、アモルファス性、安全溶媒溶解性が十分でなく、改善が望まれる(特許文献18〜19参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−134413号公報
【特許文献2】特開平9−211862号公報
【特許文献3】特開平10−282649号公報
【特許文献4】特開平11−143074号公報
【特許文献5】特開平11−258796号公報
【特許文献6】特開平11−72916号公報
【特許文献7】特開平11−322656号公報
【特許文献8】特開平9−236919号公報
【特許文献9】特開2000−305270号公報
【特許文献10】特開2002−99088号公報
【特許文献11】特開2002−99089号公報
【特許文献12】特開2002−49152号公報
【特許文献13】特開2003−183227号公報
【特許文献14】特開2002−328466号公報
【特許文献15】特開平11−153863号公報
【特許文献16】特開2003−207893号公報
【特許文献17】特開2004−334106号公報
【特許文献18】特開平9−236919号公報
【特許文献19】特開2004−18421号公報
【非特許文献1】Proceedings of SPIE vol.3999(2000)P1202〜1206
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、i線、g線等の紫外線のみならず、可視光線、KrF等のエキシマレーザー光、電子線、極端紫外線(EUV)、X線、イオンビーム等の放射線にも感応するレジスト組成物を提供することにある。本発明の更に他の目的は、簡単な製造工程で、高感度、高解像度、高耐熱性かつ溶剤可溶性の非高分子系感放射線性レジスト組成物およびそれに適したレジスト化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定の条件を満たす化合物を含む組成物が上記課題の解決に有用であることを見出した。
すなわち、本発明は、(a)炭素数5〜45の芳香族ケトンまたは芳香族アルデヒド、および炭素数6〜15であり1〜3個のフェノール性水酸基を含有する化合物の縮合反応により製造されたポリフェノール化合物に、可視光線、紫外線、エキシマレーザー、極端紫外線(EUV)、電子線、X線、およびイオンビームからなる群から選ばれるいずれかの放射線の照射により直接的又は間接的に架橋反応を起こす架橋反応性基を導入する試剤を反応させることにより製造され、
(b)分子量が300〜5000であり、かつ
(c)該架橋反応性基を分子中に少なくとも1個有するレジスト化合物(A)を一種以上含むレジスト組成物に関するものである。
また、本発明は、このレジスト組成物に用いることができる化合物を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の化合物およびそれを含むレジスト組成物は高感度、高耐熱性かつ溶剤可溶性で、高解像度のレジストパターンを作製することができ、集積度の高い半導体素子を高い生産性で作製することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の感放射線性レジスト組成物は、レジスト化合物(A)を含む。本発明におけるレジスト化合物(A)は、以下の条件(a)、(b)及び(c)を同時に満たす。
【0010】
条件(a):レジスト化合物(A)が、炭素数5〜45の芳香族ケトンまたは芳香族アルデヒド(以下、芳香族カルボニル化合物(A1)という)、および炭素数6〜15であり1〜3個のフェノール性水酸基を含有する化合物(以下、フェノール性化合物(A2)という)の縮合反応により製造されたポリフェノール化合物に、可視光線、紫外線、エキシマレーザー、極端紫外線(EUV)、電子線、X線、およびイオンビームからなる群から選ばれるいずれかの放射線の照射により直接的又は間接的に架橋反応を起こす架橋反応性基を導入する試剤(以下、架橋反応性基導入試剤(A3)という)を反応させることにより製造される。
前記レジスト化合物(A)は、分子内に3級または4級炭素原子を有し、その3級または4級炭素原子に2個のフェノール類および1個以上の芳香環が結合している化学構造を有する。この化学構造により、長期間に渡って安定なアモルファス性(非晶性であり、結晶構造を取らない(取りにくい)性質)を付与することができ、レジスト材料としての、パターン形成に必要な成膜性、光透過性、溶剤可溶性、エッチング耐性に優れる等の特長を有する。
【0011】
条件(b):レジスト化合物(A)の分子量が300〜5000である。
分子量は300〜5000であり、好ましくは300〜2000、さらに好ましくは300〜1000、特に好ましくは300〜699である。上記の範囲にすることにより良好な成膜性を付与することが可能となり、解像性、アルカリ現像性能を向上させることが出来る。
【0012】
条件(c):可視光線、紫外線、エキシマレーザー、極端紫外線(EUV)、電子線、X線、およびイオンビームからなる群から選ばれるいずれかの放射線の照射により直接的又は間接的に架橋反応を起こす架橋反応性基を分子中に少なくとも1個有する。
前記架橋反応性基を有することにより、本発明のレジスト化合物は、かかる架橋反応により、露光部分を選択的に溶剤不溶化させることが可能であり、ネガ型レジスト組成物に利用される。なお、ここで架橋反応とは、レジスト化合物中の複数の反応点を共有結合で連結する化学反応を意味する。また、前記架橋反応性基は、分子中に、好ましくは2個、更に好ましくは2〜15個、特に好ましくは3〜15個有する。このような範囲にすることで、更に解像度、現像性能を向上することが可能となる。
【0013】
前記架橋反応性基として、炭素−炭素多重結合基、シクロプロピル基、エポキシ基、アジド基、ハロゲン化フェニル基、およびハロゲン化メチル基等が挙げられる。
この中で、炭素−炭素多重結合基、エポキシ基、およびハロゲン化メチル基が好ましく、炭素−炭素多重結合基およびハロゲン化メチル基がさらに好ましい。
炭素−炭素多重結合基としては、例えば、ビニル基(CH2=CH−)、アリル基(CH2=CH−CH2−)、ビニレン基含有基(R7−CH=CH−)、アクリロイル基(CH2=CH−CO−)、メタクリロイル基(CH2=C(CH3)−CO−)、クロトノイル基(CH3−CH2=CH−CO−)、フマロイル基(trans型R7−OC−CH=CH−CO−)、マレイノイル基(cis型R7−OC−CH=CH−CO−)等の炭素−炭素二重結合や、プロパルギル基(CH≡C−)、アセチレン基(R7−C≡C−)等の炭素−炭素三重結合等が挙げられる。このうち、ビニル基、アリル基、ビニレン基、アクリロイル基、メタクリロイル基等の炭素−炭素二重結合や、プロパルギル基、アセチレン基等の炭素−炭素三重結合がさらに好適であり、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びプロパルギル基が最も好適である。エポキシ基としては、例えば、グリシジル基(CH2(−O−)CHCH2−)が挙げられる。長期安定性を必要とする場合は、エポキシ基は好ましくない。ハロゲン化メチル基としては、例えば、クロロメチル基(ClCH2−)、ブロモメチル基(BrCH2−)、ヨウ化メチル基(ICH2−)が挙げられる。
なお、前記R7は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、および炭素数6〜10のアリール基から選ばれる基である。
【0014】
上記条件(a)、(b)および(c)を満たすレジスト化合物(A)は、5〜28の共役二重結合および/または1〜2のヘテロ原子の非結合電子対が関与する共役構造を含むことが好ましく、共役二重結合は5〜12であることがより好ましい。
上記共役構造を有することにより、低分子化合物でありながら成膜性、高エッチング耐性、露光時の低アウトガス量、更に増感効果のため高感度等の性能が付与出来る。この増感効果は電子線、極端紫外線(EUV)などの放射線のエネルギーの一部を吸収し、次いで吸収されたエネルギーが架橋反応に寄与することによるものと考えられる。
【0015】
前記共役構造としては、ビフェニル構造、ナフタレン構造、フルオレン構造、フェニルフルオレン構造、ジフェニルフルオレン構造、アントラセン構造、フェナントレン構造、ピレン構造、ベンゾピレン構造、アセナフテン構造、アセナフチレン構造、1−ケトアセナフテン構造、9−ケト−9,10−ジヒドロフェナントレン構造、ベンゾフェノン構造、キサンテン構造、チオキサンテン構造、フラボン構造、イソフラボン構造、インダン構造、インデン構造、インダセン構造、フェナレン構造、ビフェニレン構造、コロネン構造、クリセン構造、トリナフチレン構造、ヘキサフェン構造、ヘキサセン構造、ルビセン構造、フルオラセン構造、アセフェナントリレン構造、ペリレン構造、ピセン構造、ペンタフェン構造、ヘプタフェン構造、ヘプタセン構造、ピラントレン構造、フェナセン構造、ナフタセン構造、ペンタセン構造、アセアントレン構造、アセフェナントレン構造、アズレン構造、トリフェニレン構造、p−ターフェニル構造、m−ターフェニル構造、1,3,5−トリフェニルベンゼン構造、1,2,3−トリフェニルベンゼン構造、1,2,4−トリフェニルベンゼン構造、フェニルナフタレン構造、ビナフタレン構造、オバレン構造等が挙げられ、特に、ビフェニル構造、ナフタレン構造、アントラセン構造、フェナントレン構造、フルオレン構造、フェニルフルオレン構造、ジフェニルフルオレン構造、ピレン構造、アセナフテン構造、1−ケトアセナフテン構造、ベンゾフェノン構造、キサンテン構造、チオキサンテン構造、p−ターフェニル構造およびm−ターフェニル構造から選ばれる少なくとも1つの構造であることが比較的安価な原料から導入出来ることなどの理由から好ましい。
【0016】
これらの中でも、縮合多環構造がさらに好ましい。縮合多環構造である共役構造を有することにより、レジスト組成物に、良好な成膜性、高エッチング耐性、露光時の低アウトガス量、更に増感効果のため高感度等の性能が付与出来る。縮合多環構造として、ナフタレン構造、ピレン構造、アセナフテン構造、および1−ケトアセナフテン構造から選ばれる少なくとも1つの構造が好ましく挙げられる。
縮合多環構造は、KrFエキシマレーザーの248nmおよびArFエキシマレーザーの193nmの光に対する吸収性が高いため、リソグラフィ行程における定在波の除去や反射防止膜用の材料として利用できる。
【0017】
レジスト化合物(A)は、(a)共役構造を有する芳香族カルボニル化合物(A1)と共役構造を有さないフェノール性化合物(A2)との縮合反応から得られたポリフェノール化合物であることが、製造面から好ましい。
【0018】
レジスト化合物(A)は、F≦3.0(Fは、全原子数/(全炭素原子数−全酸素原子数)を表す)を満たすと好ましく、より好ましくはF≦2.5、さらに好ましくはF≦2.3、特に好ましくは1.8≦F≦2.2を満たすことである。上記条件を満たしていることにより、耐ドライエッチング性が優れる。
【0019】
レジスト化合物(A)は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、2−ヘプタノン、アニソール、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、および乳酸エチルから選ばれ、かつ、レジスト化合物(A)に対して最も高い溶解能を示す溶媒に、23℃で、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上、さらに好ましくは5重量%以上、特に好ましくは10重量%以上溶解する。上記条件を満たしていることにより、半導体製造工程で安全溶媒の使用が可能となる。
【0020】
本発明で使用するレジスト化合物(A)は、例えば、芳香族カルボニル化合物(A1)およびフェノール性化合物(A2)の縮合反応により製造されたポリフェノール化合物に、可視光線、紫外線、エキシマレーザー、極端紫外線(EUV)、電子線、X線、およびイオンビームからなる群から選ばれるいずれかの放射線の照射により直接的又は間接的に架橋反応を起こす架橋反応性基を導入する試剤(架橋反応性基導入試剤(A3))を反応させる酸触媒縮合反応により製造される。
酸触媒縮合反応は公知であり、例えば、芳香族カルボニル化合物(A1)とフェノール性化合物(A2)をチオ酢酸またはβ−メルカプトプロピオン酸、および酸触媒(塩酸または硫酸)の存在下で反応させる(特開2001−206862号公報参照)。例えば、芳香族カルボニル化合物(A1)1モルに対しフェノール性化合物(A2)を1〜16モル、チオ酢酸またはβ−メルカプトプロピオン酸、および酸触媒を適量使用し、70〜120℃で20分〜20時間程度維持することにより、反応は有利に進行する。
次いで、アクリロイル基などの架橋反応性基を導入するために、アクリロイルクロライドなどの架橋反応性基導入試剤(A3)をトリエチルアミン等の塩基触媒存在下で常圧、室温で2〜4時間反応させる。反応溶液に蒸留水を加え結晶を析出させた後、蒸留水で洗浄および/またはカラムクロマトグラフ、高速液体クロマトグラフ等で精製し、乾燥することでレジスト化合物(A)が得られる。
【0021】
前記架橋反応性基導入試剤(A3)としては、例えば、架橋反応性基を有する酸、酸塩化物、酸無水物、ジカーボネートなどのカルボン酸誘導体化合物やアルキルハライド等が挙げられる。この架橋反応性基の具体例としては、前記架橋反応性基の具体例としては、前述したとおり、炭素−炭素多重結合基、シクロプロピル基、エポキシ基、アジド基、ハロゲン化フェニル基、およびクロロメチル基等が挙げられる。
上記反応に用いる溶媒としては、芳香族カルボニル化合物(A1)とフェノール性化合物(A2)との酸触媒縮合反応により得られたポリフェノール化合物を溶解すれば、とくに制限は無く、従来公知の非プロトン性極性溶媒等を用いることができる。例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等をあげることができる。これらは単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。
【0022】
上記反応に用いる塩基触媒としては、アルカリ性化合物であれば良く、例えば、モノ−、ジ−あるいはトリアルキルアミン類、モノ−、ジ−あるいはトリアルカノールアミン類、複素環式アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等のアルカリ性化合物、アルキルアンモニウム塩、アルコラート等の金属化合物の1種以上使用することが好ましい。中でも、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミンなどのトリアルキルアミン類が好ましく、特にトリエチルアミンが好ましい。
【0023】
芳香族カルボニル化合物(A1)の例としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−アセトナフトン、β−アセトナフトン、9−フルオレノン、3−フェニル−9−フルオレノン、1,3−ジフェニル−9−フルオレノン、アセナフテノン、ナフトキノン、アントラキノン、アセナフテンキノン、フェナントレンキノン、ベンゾイルビフェニル、ベンゾイルナフタレン、アシルビフェニル、アシルアントラセン、アシルフェナントレン、アシルピレン、アシルベンゾピレン、アシルアセナフチレン、アシルナフタセン、アシルペンタセン、アシルトリフェニレン、アシルフラン、アシルピロール、アシルオバレン、インダノン、テトラロン、アクリドン、フラボン、イソフラボン、ジアセチルベンゼン、ジアセチルナフタレン、ジアセチルビフェニル、ジベンゾイルベンゼン、ジベンゾイルナフタレン、ジベンゾイルビフェニル、ジフルオレノン、ジベンゾイルビフェニル、ジアシルビフェニル、ジアシルアントラセン、ジアシルフェナントレン、ジアシルピレン、ジアシルベンゾピレン、ジアシルアセナフチレン、ジアシルナフタセン、ジアシルペンタセン、ジアシルトリフェニレン、ジアシルフラン、ジアシルピロール、ジアシルオバレン、フラバノン、トリアシルベンゼン、トリベンゾイルベンゼン、トリアシルトルエン、トリベンゾイルトルエン、トリアシルビフェニル、トリアシルナフタレン、トリアシルターフェニル、トリアシルトリフェニレン、トリアシルキシレン、トリベンゾイルキシレン、トリアシルベンゼン、トリアシルビフェニル、トリベンゾイルビフェニル、トリベンゾイルナフタレン、トリベンゾイルターフェニル、トリアシルアントラセン、トリベンゾイルアントラセン、トリアシルピレン、トリベンゾイルピレン、トリアシルフェナレン、トリベンゾイルフェナレン、トリアシルフェナントレン、トリベンゾイルフェナントレン、トリアシルアセナフチレン、トリベンゾイルアセナフチレン、トリアシルピリトリン、トリベンゾイルピリトリン、トリアセチルイミダゾール、トリベンゾイルイミダゾール、トリホルミルフラン、トリアシルフラン、トリベンゾイルフラン、トリアシルフラボン、トリベンゾイルフラボン、トリアシルインダセン、トリベンゾイルインダセン、トリアシルイソフラボン、トリベンゾイルイソフラボン、トリアシルペンタセン、トリベンゾイルペンタセン、トリベンゾイルトリフェニレン、トリアシルチアゾール、トリベンゾイルチアゾール、テトラアシルベンゼン、テトラアシルビフェニル、テトラアシルナフタレン、テトラアシルターフェニル、テトラアシルトリフェニレン等の芳香族ケトン;及び、ベンズアルデヒド、トルイルアルデヒド、アニスアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、2−ナフトアルデヒド、アントラアルデヒド、ビフェニルアルデヒド、ホルミルフルオレン、ホルミルフェナントレン、ホルミルピレン、ホルミルベンゾピレン、ホルミルアセナフチレン、ホルミルナフタセン、ホルミルペンタセン、ホルミルトリフェニレン、ホルミルオバレン、ジホルミルベンゼン、ジホルミルビフェニル、ジホルミルナフタレン、ジホルミルターフェニル、ジホルミルトリフェニレン、トルイルジアルデヒド、アニスジアルデヒド、アントラジアルデヒド、ジホルミルフルオレン、ジホルミルフェナントレン、ジホルミルピレン、ジホルミルベンゾピレン、ジホルミルアセナフチレン、ジホルミルナフタセン、ジホルミルペンタセン、ジホルミルオバレン、トリホルミルベンゼン、トリホルミルビフェニル、トリホルミルナフタレン、トリホルミルターフェニル、トリホルミルトリフェニレン、テトラホルミルベンゼン、テトラホルミルビフェニル、テトラホルミルナフタレン、テトラホルミルターフェニル、テトラホルミルトリフェニレン、トリホルミルトルエン、トリホルミルキシレン、トリホルミルビフェニル、トリホルミルターフェニル、トリアシルターフェニル、トリホルミルアントラセン、トリホルミルフェナントレン、トリホルミルピレン、トリホルミルインダセン、トリホルミルフェナレン、トリホルミルアセナフチレン、トリホルミルフェナレン、トリアシルフェナレン、トリベンゾイルフェナレン、トリホルミルナフタセン、トリアシルナフタセン、トリベンゾイルナフタセン、トリホルミルペンタセン、トリホルミルトリフェニレン、トリアシルトリフェニレン、トリホルミルチアゾール、トリホルミルピリトリン、トリホルミルイミダゾール、トリホルミルフラボン、トリホルミルイソフラボン、テトラホルミルベンゼン、テトラホルミルビフェニル、テトラホルミルナフタレン、テトラホルミルターフェニル、テトラホルミルトリフェニレン等の芳香族アルデヒドが挙げられる。
【0024】
上記芳香族ケトンのうち、α−アセトナフトン、β-アセトナフトン、9−フルオレノン、アセチルアントラセン、アセチルピレン、アセナフテノン、アセナフテンキノン、アントラキノンが、また芳香族アルデヒドのうち、1−ナフトアルデヒド、4−ビフェニルアルデヒドが安価に入手可能であり、反応性が比較的高く、また、製造が容易であることから好ましい。また、上記芳香族アルデヒドのうち、ホルミルビフェニル、ホルミルフェナントレン、ホルミルピレン、ホルミルトリフェニレン、3−フェニル−9−フルオレノン、1,3−ジフェニル−9−フルオレノン、フェナントレンキノン、ジフルオレノン、ジホルミルビフェニル、ジホルミルナフタレン、ジホルミルターフェニル、トリホルミルベンゼン、トリホルミルビフェニル、トリホルミルナフタレン、トリホルミルターフェニル、トリホルミルトリフェニレン、テトラホルミルベンゼン、テトラホルミルナフタレンが良好な感度、解像性を付与できることから好ましい。
【0025】
フェノール性化合物(A2)の例としては、フェノール、C1-6アルキルフェノール(例えば、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾールなどのクレゾール類)、ジアルキルフェノール(例えば、2,3−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、トリアルキルフェノール(例えば、2,3,6−トリメチルフェノール)、アルコキシフェノール(例えば、o−メトキシフェノールなどのアニソール類)、アリールフェノール(例えば、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノールなどのフェニルフェノール)、シクロアルキルフェノール(例えば、2−シクロヘキシルフェノール)、ハロゲン化フェノール類(例えば、クロロフェノール、ジクロロフェノール、クロロクレゾール、ブロモフェノール、ジブロモフェノール)、多価(チオ)フェノール類(例えば、カテコール、アルキルカテコール、クロロカテコール、レゾルシノール、アルキルレゾルシノール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、クロロレゾルシノール、クロロハイドロキノン、ピロガロール、アルキルピロガロール、フロログリシノール、1,2,4−トリヒドロキシフェノール、これら化合物のOH基をSH基に置換した化合物)などが挙げられる。上記化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。純度は特に限定されないが、通常、95重量%以上、好ましくは99重量%以上である。
【0026】
上記フェノール性化合物(A2)のうち、フェノール、C1-6アルキルフェノール、特に好ましくは2−C1-6アルキルフェノール(o−クレゾールなど)、アリールフェノール(o−フェニルフェノールなど)、シクロアルキルフェノール(2−シクロヘキシルフェノールなど)、カテコール、レゾルシノール、ピロガロールが入手の容易さから好ましい。また、フェノール性水酸基のo位に嵩高い置換基および/または電子供与性官能基を持つフェノール性化合物(A2)はレジスト化合物(A)の結晶性を低下させ、成膜性を向上させる。このような嵩高い置換基および/または電子供与性官能基としては、例えば、メチル、tert−ブチル、シクロへキシル、フェニル、メトキシ、イソプロポキシ、フェノキシなどが挙げられる。また、2,3,6−トリメチルフェノールが、レジスト化合物(A)の結晶化を低下させながら、高い感度、解像性、残膜率のレジストパターンを与えるので特に好ましい。
【0027】
レジスト化合物(A)はいわゆるジェミナル(geminal)ビスフェノール、即ち、2個のフェノール類が結合した炭素原子(ジェミナル置換炭素原子)を1個以上有する化合物である。ジェミナル置換炭素原子は芳香族カルボニル化合物(A1)のカルボニル炭素に相当する。芳香族カルボニル化合物(A1)が2以上のカルボニル基を有する場合、レジスト化合物(A)は2個以上のジェミナル置換炭素原子をもつ。
【0028】
本発明におけるレジスト化合物(A)は、下記式(1−1)で示されるものが好ましい。
【化1】

(式(1−1)中、
2は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アシル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、シアノ基、およびニトロ基からなる群から選ばれる基であり;
4は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり;
5は、ビフェニル構造、ターフェニル構造、ナフタレン構造、フェナントレン構造、またはピレン構造を有する炭素数10〜30の一価の基であり;
または、R4およびR5が結合し、フルオレン構造、フェニルフルオレン構造、ジフェニルフルオレン構造、アセナフテン構造、1−ケトアセナフテン構造、9−ケト−9,10−ジヒドロフェナントレン構造、またはベンゾフェノン構造を有する炭素数10〜30の二価の基であり;
Aは、アリールオキシ基、アクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、およびハロゲン化メチルオキシ基から選ばれる基であり、Aのうち少なくとも一つはアリールオキシ基、アクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、およびハロゲン化メチルオキシ基から選ばれる基であり;
p1、q1は0〜3の整数であり;
p2、q2は0〜4の整数であり;
1≦p1+p2≦5、1≦q1+q2≦5、1≦p1+q1≦6であり、複数個のR2およびAは、同一でも異なっていても良い。
なお、式(1−1)において、2つのベンゼン環の、−CR45−に対してオルト位にある炭素は酸素原子または硫黄原子を介して結合していてもよい。)
【0029】
前記R2において、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素原子数1〜4のアルキル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基が挙げられる。アリール基としてはフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基等が挙げられる。アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素原子数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。アルケニル基としてはビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基等の炭素原子数2〜4のアルケニル基が挙げられる。アシル基としてはホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基等の炭素原子数1〜5の脂肪族アシル基、および、ベンゾイル基、トルオイル基等の芳香族アシル基が挙げられる。アルコキシカルボニルオキシ基としてはメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、プロポキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、イソブトキシカルボニルオキシ基、sec−ブトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基等の炭素原子数2〜5のアルコキシカルボニルオキシ基が挙げられる。アルキルカルボニルオキシ基としてはアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基等が挙げられる。アリールカルボニルオキシ基としてはベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
【0030】
また、R2はAの隣接位に置換していることが好ましい。隣接位のR2は、レジスト化合物の結晶性を低下させ、成膜性を向上させる。R2は嵩高い基および/または電子供与基であると好ましい。このような基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基などのアルキル基;シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などのシクロアルキル基;フェニル基などのアリール基;ベンジル基などのアラルキル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、フェノキシ基などのアルコキシ基が挙げられる。R2は、好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、フェニル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基であり、更に好ましくはメチル基である。
【0031】
上記式(1−1)において、2つのベンゼン環の、−CR45−に対してオルト位にある炭素は酸素原子または硫黄原子を介して結合して下記式(1−2)で表されるキサンテン構造またはチオキサンテン構造を形成してもよい。このような構造を有することにより、感度が向上する場合がある。
【0032】
【化2】

(式(1−2)中、R2、R4、R5、Aは前記と同様であり;
e1、f1は0〜2の整数であり;
e2、f2は0〜3の整数であり;
1≦e1+e2≦4、1≦f1+f2≦4、1≦e1+f1≦2を満たし;
Xは酸素原子または硫黄原子である。但し、複数個のR2およびAは、同一でも異なっていても良い)。
【0033】
式(1−2)のキサンテン構造またはチオキサンテン構造は、前記したフェノール性化合物(A2)のうち、フェノール性水酸基又はチオフェノール性メルカプト基を2又は3個有する化合物、好ましくは多価(チオ)フェノール類を用いることにより導入することができる。多価(チオ)フェノール類としては、(チオ)カテコール、(チオ)レゾルシノール、(チオ)ピロガロールが原料入手の容易さから好ましい。
式(1−2)の化合物は、低分子化合物でありながら、成膜性、耐熱性、ドライエッチング耐性が良好で、アウトガスが少ないので、主たるレジスト成分として使用でき、高解像性、高感度、低ラインエッジラフネスのレジスト組成物を得ることができる。
【0034】
前記式(1−1)および(1−2)において、R5は下記式:
【化3】

【0035】
のいずれかで表される基であると好ましい。
上記式中、R3は、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐アルキル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が;シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が挙げられる。
p3は0〜4の整数であり、q3は0〜3の整数であり、0≦p3+q3≦7を満たす。r3は0〜2の整数である。複数個のR3、p3、q3、r3は、各々同一でも異なっていても良い。
【0036】
上記構造を有するR5は、芳香族カルボニル化合物(A1)として、α−アセトナフトン、β−アセトナフトン、1−ナフトアルデヒド、2−ナフトアルデヒド、ビフェニルアルデヒド、ホルミルフェナントレン、ホルミルピレンなどを使用することにより導入することができる。
【0037】
前記式(1−1)及び(1−2)において、R4およびR5が結合して形成する二価の基は、下記式:
【化4】

【0038】
のいずれかで表される基が好ましい。
上記式中、R3、p3、q3、及びr3は前記と同様であり、Yは、単結合またはカルボニル基であり、Zは、メチレン基またはカルボニル基である。複数個のR3、p3、q3は、各々同一でも異なっていても良い。
上記二価の基は、芳香族カルボニル化合物(A1)として、9−フルオレノン、3−フェニル−9−フルオレノン、1,3−ジフェニル−9−フルオレノン、アセナフテノン、アセナフテンキノン、フェナントレンキノン等を使用することにより導入することができる。
【0039】
また、本発明におけるレジスト化合物(A)は、芳香族カルボニル化合物(A1)として芳香族ジケトンまたは芳香族ジアルデヒドを使用して得られた下記式(2−1)で示される化合物が好ましい。式(2−1)の化合物は、耐熱性、感度、解像度をさらに向上させるので、特に好ましい。
前記芳香族ジケトン及び芳香族ジアルデヒドの例としては、ジフルオレノン、ジホルミルビフェニル、ジホルミルナフタレン、ジホルミルターフェニル、ジホルミルトリフェニレン等が挙げられる。
【0040】
【化5】

【0041】
(式(2−1)中、
2は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アシル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、シアノ基、およびニトロ基からなる群から選ばれる基であり;
4は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり;
6は、ビフェニル構造、ターフェニル構造、ナフタレン構造、フェナントレン構造、またはピレン構造を有する炭素数10〜30の二価の基であり;
または、2個のR4およびR6が結合し、フルオレン構造、フェニルフルオレン構造、ジフェニルフルオレン構造、アセナフテン構造、1−ケトアセナフテン構造、9−ケト−9,10−ジヒドロフェナントレン、またはベンゾフェノン構造を有する炭素数10〜30の四価の基であり;
Aは、アリールオキシ基、アクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、およびハロゲン化メチルオキシ基から選ばれる基であり、Aのうち少なくとも一つはアリールオキシ基、アクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、およびハロゲン化メチルオキシ基から選ばれる基であり;
m1、n1、t1、s1は0〜3の整数であり;
m2、n2、t2、s2は0〜4の整数であり;
1≦m1+m2≦5、1≦n1+n2≦5、1≦t1+t2≦5、1≦s1+s2≦5、1≦m1+n1+t1+s1≦6を満たし、複数個のR2は同一でも異なっていても良い。
なお、式(2−1)において、−CR46−を介して結合する2つのベンゼン環の、−CR46−に対してオルト位にある炭素は酸素原子または硫黄原子を介して結合していてもよい。)
【0042】
上記式(2−1)において、2つのベンゼン環の、−CR46−に対してオルト位にある炭素は酸素原子または硫黄原子を介して結合して下記式(2−2)で表されるキサンテン構造またはチオキサンテン構造を形成してもよい。このような構造を有することにより、感度が向上する場合がある。
【0043】
【化6】

(式(2−2)中、R2、R4、R6、Xは前記と同様であり;
a1、b1、c1、d1は0〜2の整数であり;
a2、b2、c2、d2は0〜3の整数であり;
1≦a1+a2≦4、1≦b1+b2≦4、1≦c1+c2≦4、1≦d1+d2≦4、1≦a1+b1+c1+d1≦4を満たし、複数個のR2、R4は、各々同一でも異なっていても良い)。
式(2−2)において、感度、解像度が向上することから、a1、b1、c1、d1はそれぞれ1であることが好ましい。
【0044】
前記式(2−1)および(2−2)において、R6は下記式:
【化7】

(上記式中、R3及びq3は前記と同様であり、複数個のR3及びq3は、各々同一でも異なっていても良い。)
のいずれかで表されるのが好ましい。
【0045】
上記構造を有するR6は、芳香族カルボニル化合物(A1)としてジホルミルビフェニル、ジホルミルナフタレン、ジホルミルターフェニル、ジホルミルトリフェニレン等を使用することにより導入することができる。
【0046】
前記式(2−1)及び(2−2)において、R6と2個のR4が結合して表す四価の基は、下記式:
【化8】

(上記式中、R3、Y、q3及びr3は前記と同様であり、複数個のR3及びq3は、各々同一でも異なっていても良い)
で表される基が好ましい。
上記構造は、芳香族カルボニル化合物(A1)としてジフルオレノン等を使用することにより導入することができる。
【0047】
また、本発明におけるレジスト化合物(A)は、芳香族カルボニル化合物(A1)として芳香族トリケトンまたは芳香族トリアルデヒドを使用して得られた下記式(3)で示される化合物が好ましい。式(3)の化合物は、耐熱性、感度、解像度をさらに向上させるので、特に好ましい。
前記芳香族トリケトンまたは芳香族トリアルデヒドの例としては、トリホルミルベンゼン、トリホルミルビフェニル、トリホルミルナフタレン、トリホルミルターフェニル、トリホルミルトリフェニレン、トリアセチルベンゼン、トリアセチルビフェニル、トリアセチルナフタレン、トリアセチルターフェニル、トリアセチルトリフェニレン等が挙げられる。
【0048】
【化9】

【0049】
(式(3)中、
2は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アシル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、シアノ基、およびニトロ基からなる群から選ばれる基であり;
4は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり;
8は、ビフェニル構造、ターフェニル構造、ナフタレン構造、フェナントレン構造、またはピレン構造を有する炭素数10〜30の三価の基であり;
または、2個のR4およびR8が結合し、フルオレン構造、フェニルフルオレン構造、ジフェニルフルオレン構造、アセナフテン構造、1−ケトアセナフテン構造、9−ケト−9,10−ジヒドロフェナントレン、またはベンゾフェノン構造を有する炭素数10〜30の6価の基であり;
Aは、アリールオキシ基、アクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、およびハロゲン化メチルオキシ基から選ばれる基であり、Aのうち少なくとも一つはアリールオキシ基、アクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、およびハロゲン化メチルオキシ基から選ばれる基であり;
m4、n4、j4、k4、x4、y4は0〜3の整数であり;
m5、n5、j5、k5、x5、y5は0〜4の整数であり;
1≦m4+m5≦5、1≦n4+n5≦5、1≦j4+j5≦5、1≦k4+k5≦5、1≦x4+x5≦5、1≦y4+y5≦5、1≦m4+n4+j4+k4+x4+y4≦18を満たし、複数個のR2は同一でも異なっていても良い)
【0050】
前記式(3)において、R8は下記式:
【化10】

(上記式中、R3及びq3は前記と同様であり、複数個のR3及びq3は、各々同一でも異なっていても良い。)
のいずれかで表されるのが好ましい。
【0051】
上記R8は、芳香族カルボニル化合物(A1)としてトリホルミルベンゼン、トリホルミルビフェニル、トリホルミルナフタレン、トリホルミルターフェニル、トリホルミルトリフェニレン、トリアセチルベンゼン、トリアセチルビフェニル、トリアセチルナフタレン、トリアセチルターフェニル、トリアセチルトリフェニレン等を使用することにより導入することができる。
【0052】
レジスト化合物(A)は、前述した化合物の中でも、下記式(1−3)〜(1−12)、(2−3)〜(2−6)、及び(3−1)〜(3−2)で示される化合物から選択された少なくとも1つの化合物であることが好ましい。
【0053】
【化11】

【0054】
【化12】

【0055】
【化13】

【0056】
【化14】

【0057】
【化15】

【0058】
【化16】

【0059】
上記式(1−3)〜(1−12)、(2−3)〜(2−6)、及び(3−1)〜(3−2)で示される化合物において、R2〜R4、X、Y、Z、A、p1〜p3、q1〜q3、p1+p2、q1+q2、p1+q1、e1〜e2、f1〜f2、e1+e2、f1+f2、e1+f1、p3、q3、p3+q3、m1、n1、t1、s1、m2、n2、t2、s2、m1+m2、n1+n2、t1+t2、s1+s2、m1+n1+t1+s1、a1、b1、c1、d1、a2、b2、c2、d2、a1+a2、b1+b2、c1+c2、d1+d2、a1+b1+c1+d1、r3、m4、n4、j4、k4、x4、y4、m5、n5、j5、k5、x5、y5、m4+m5、n4+n5、j4+j5、k4+k5、x4+x5、y4+y5、m4+n4+j4+k4+x4+y4は前記と同様である。
【0060】
前記レジスト化合物(A)中でも、式(1−3)、(1−6)、(1−7)、(1−9)、(1−10)、(1−11)、(2−3)および(3−2)で示される化合物が特に好ましい。化合物中に縮合環を有すると、感度、解像度が向上する。
前記レジスト化合物(A)の架橋反応性基Aが、アクリロイルオキシ基、アリールオキシ基、グリシジルオキシ基、およびクロロメチルオキシ基から選ばれる基であることがより好ましく、アクリロイルオキシ基、アリールオキシ基およびクロロメチルオキシ基から選ばれる基であることがさらに好ましい。このような架橋反応性基Aを用いると、高感度、高解像度が得られ、かつレジスト化合物(A)の保存安定性が向上する。
【0061】
本発明のレジスト組成物は、上記記載のレジスト化合物(A)を1種以上含む。このようなレジスト化合物を1種用いると高感度、高解像度が得られ、2種以上用いるとさらに成膜性、基板密着性が向上する。
【0062】
本発明のレジスト組成物において、好ましくは固形成分1〜80重量%および溶媒20〜99重量%であり、より好ましくは固形成分1〜50重量%および溶媒50〜99重量%、さらに好ましくは固形成分2〜40重量%および溶媒60〜98重量%であり、特に好ましくは固形成分2〜10重量%および溶媒90〜98重量%である。
また、レジスト化合物(A)の量は、好ましくは固形成分全重量の3〜96.9重量%であり、より好ましくは50〜96.9重量%、さらに好ましくは65〜96.9重量%、特に好ましくは81〜96.9重量%である。上記配合割合であると、高解像度が得られ、ラインエッジラフネスが小さくなる。
【0063】
本発明のレジスト組成物は、可視光線、紫外線、エキシマレーザー、極端紫外線(EUV)、電子線、X線、およびイオンビームからなる群から選ばれるいずれかの放射線の照射により直接的又は間接的にラジカルまたはカチオンを発生する化合物(B)を添加するのが望ましい。
【0064】
前記化合物(B)の内、ラジカルを発生する化合物(B−1)として、ラジカル開始剤、光励起された増感剤と何らかの作用を及ぼしあうことによりラジカルを発生する化合物、主に紫外光による増感作用とこれによるラジカル発生能を兼備する化合物が挙げられる。前記ラジカル開始剤として、過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−tert−ブチル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンニトリル、フェニルアゾトリフェニルメタン等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;トリエチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、エチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド等の有機アルミニウム化合物;四エチル鉛、ジエチル亜鉛、ジエチルカドミウム、テトラエチル錫等のその他の有機金属化合物;四塩化チタン、三塩化チタン、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化第2錫、塩化亜鉛、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、五フッ化リン等の塩化物等が挙げられる。前記、光励起された増感剤と何らかの作用を及ぼしあうことによりラジカルを発生する化合物として、例えば特開昭59−152396号、特開昭61−151197号各公報に記載されている各種チタノセン類(具体的には、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)−フェニ−1−イル等)、Bull.Chem.Soc.Japan.33,565(1960)及びJ.Org.Chem.36〔16〕2262 (1971)に開示されている方法により容易に合成可能なヘキサアリールビイミダゾール類(具体的には、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(p−フルオロフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(p−ヨードフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(p−クロロナフチル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(p−クロロフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(p−クロロ−p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(o,p−ジブロモフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール類等のベンゼン環上にハロゲン置換基を有するヘキサアリールビイミダゾール類等)、ハロゲン化炭化水素誘導体、ジアリールヨードニウム塩、有機過酸化物等が挙げられる。前記、主に紫外光による増感作用とこれによるラジカル発生能を兼備する化合物として、例えば2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−イソプロポキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、(1'−ヒドロキシシクロヘキシル)フェニルケトン、2−メチル−1−(4'−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−(4'−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、1−[4'−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のフェニルケトン誘導体、4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸イソアミルエステル、4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸エチルエステル等の安息香酸エステル類、(η5 −2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1,2,3,4,5,6−η)−(1−イソプロピルベンゼン)−アイアンヘキサフルオロフォスフェイト等の有機金属化合物、2,4−ジエチルチオキサントン等の複素芳香環式化合物等が例示できる。
【0065】
前記化合物(B)の内、カチオンを発生する化合物(B−2)として、下記式(51)〜(58)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも一種類が挙げられる。
【化17】

式(51)中、R23は、同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、炭素数3〜12の分枝状アルキル基、炭素数3〜12の環状アルキル基、炭素数1〜12の直鎖状アルコキシ基、炭素数3〜12の分枝状アルコキシ基、炭素数3〜12の環状アルコキシ基、ヒドロキシル基、またはハロゲン原子であり、X-は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のハロゲン置換アルキル基、もしくは炭素数6〜12のハロゲン置換アリール基を有するスルホン酸イオン、またはハロゲン化物イオンである。
【0066】
前記式(51)で示される化合物は、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−t−ブトキシフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−t−ブトキシフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス(4−フルオロフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニル−p−トルエンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニルナフチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウム−10−カンファースルホネート、およびジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム−10−カンファースルホネートからなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
【0067】
【化18】

式(52)中、X-およびR24は、式(51)のX-およびR23と同様である。
【0068】
前記式(52)で示される化合物は、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム−10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウム−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム−2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムへキサフルオロベンゼンスルホネート、ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムベンゼンスルホネート、およびビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウム−10−カンファースルホネートからなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
【0069】
【化19】

【0070】
式(53)中、Qは炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、または炭素数1〜12のアルキレンオキシ基(−R’−O−、ただし、R’は炭素数1〜12のアルキレン基)であり、R25は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のハロゲン置換アルキル基、または炭素数6〜12のハロゲン置換アリール基である。
【0071】
前記式(53)で示される化合物は、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)フタルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(n−オクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルポキシイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(パーフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(1−ナフタレンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−ナフタレンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、およびN−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミドからなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
【0072】
【化20】

【0073】
式(54)中、R26は、同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に、炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分枝アルキル基、炭素数3〜12の環状アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数3〜12のヘテロアリール基、または炭素数7〜12のアラルキル基である。前記各基は炭素数1〜12のアルキル基、水酸基、ハロゲン、炭素数1〜12のハロアルキル基で置換されていてもよい。
【0074】
前記式(54)で示される化合物は、ジフェニルジスルフォン、ジ(4−メチルフェニル)ジスルフォン、ジナフチルジスルフォン、ジ(4−tert−ブチルフェニル)ジスルフォン、ジ(4−ヒドロキシフェニル)ジスルフォン、ジ(3−ヒドロキシナフチル)ジスルフォン、ジ(4−フルオロフェニル)ジスルフォン、ジ(2−フルオロフェニル)ジスルフォン、およびジ(4−トルフルオロメチルフェニル)ジスルフォンからなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
【0075】
【化21】

【0076】
式(55)中、R27は、同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に、炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分枝アルキル基、炭素数3〜12の環状アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数3〜12のヘテロアリール基、または炭素数7〜12のアラルキル基である。前記各基は炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン、炭素数1〜12のアルコキシル基で置換されていてもよい。
【0077】
前記式(55)で示される化合物は、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−4−メチルフェニルアセトニトリル、およびα−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−ブロモフェニルアセトニトリルからなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
【0078】
【化22】

【0079】
式(56)中、R28は、同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に、1以上の塩素原子および1以上の臭素原子を有するハロゲン化アルキル基である。ハロゲン化アルキル基の炭素原子数は1〜5が好ましい。
前記式(56)で示される化合物は、モノクロロイソシアヌール酸、モノブロモイソシアヌール酸、ジクロロイソシアヌール酸、ジブロモイソシアヌール酸、トリクロロイソシアヌール酸、およびトリブロモイソシアヌール酸からなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
【0080】
【化23】

【0081】
式(57)および(58)中、R29およびR30はそれぞれ独立に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等の炭素原子数1〜3のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素原子数3〜12のシクロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素原子数1〜3のアルコキシル基;フェニル基、トルイル基、ナフチル基等のアリール基であり、好ましくは、炭素原子数6〜10のアリール基である。L29およびL30はそれぞれ独立に1,2−ナフトキノンジアジド基を有する有機基である。1,2−ナフトキノンジアジド基を有する有機基としては、具体的には、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基、1、2−ナフトキノンジアジド−6−スルホニル基等の1,2−キノンジアジドスルホニル基を好ましいものとして挙げることができる。特に、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基および1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基が好ましい。pは1〜3の整数、qは0〜4の整数、かつ1≦p+q≦5である。J29は単結合、炭素原子数2〜4のポリメチレン基、炭素原子数3〜10のシクロアルキレン基、炭素原子数6〜10のフェニレン基、下記式(59):
【0082】
【化24】

で表わされる置換基、−Ra−C(=O)−Rb−、−Ra−C(=O)−O−Rb−、−Ra−C(=O)−NH−Rb−、又は−Rc−O−Rd−(但し、RaとRbは同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して単結合又は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、RaとRbの炭素数の合計は0〜3であり;RcとRdは同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して単結合又は炭素数1〜4のアルキレン基を表し、RcとRdの炭素数の合計は0〜4である)であり、Y29は水素原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、または炭素原子数6〜10のアリール基であり、X29およびX30は、それぞれ下記式(60):
【0083】
【化25】

式(60)中、Z32はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基、または炭素原子数6〜10のアリール基であり、R32は炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基、または炭素原子数1〜3のアルコキシル基であり、rは0〜3の整数である。
で示される基である。
【0084】
その他の化合物(B)として、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタンなどのビススルホニルジアゾメタン類、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−(ビストリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−(ビストリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)−1,3,5−トリアジン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートなどのハロゲン含有トリアジン誘導体等が挙げられる。
【0085】
また、上記化合物(B)は、単独で、または2種以上を使用することができる。
本発明のレジスト組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、その他の成分(C)として、架橋剤、溶解促進剤、溶解制御剤、増感剤、及び界面活性剤等の各種添加剤を1種又は2種以上添加することができる。
【0086】
[1]架橋剤
本発明においては、感度を上げるため、ビニル基、アリル基、シンナモイル基、ビニルシリル基、エポキシ基、ハロゲン化メチル基、ハロゲン化フェニル基を有する化合物、または樹脂を添加することもできる。
これらの架橋剤は、単独でまたは2種以上を使用することができる。架橋剤の配合量は、レジスト化合物100重量部当たり、50重量部以下が好ましく、より好ましくは25重量部以下、特に好ましくは5重量部以下である。
【0087】
[2]増感剤
増感剤は、照射された放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを前記化合物(B)に伝達し、それによりラジカルまたはカチオンの生成量を増加する作用を有し、レジストの見掛けの感度を向上させる成分である。このような増感剤としては、例えば、米国特許第3,479,185号明細書に開示されているロイコクリスタルバイオレットやロイコマラカイトグリーンの様なトリフェニルメタン系ロイコ色素、エリスロシンやエオシンYのような光還元性染料、米国特許第3,549,367号明細書、米国特許第3,652,275号明細書等に開示されているミヒラーズケトンやアミノスチリルケトン、あるいはベンゾフェノン、ビアセチルの様な芳香族ケトン類、米国特許第3,844,790号明細書に示されるβ−ジケトン類、米国特許第4,162,162号明細書に見られるインダノン類、特開昭52−112681号公報に示されるケトクマリン類、特開昭59−56403号公報で開示されているアミノスチレン誘導体やアミノフェニルブタジエン誘導体、米国特許第4,594,310号明細書に見られるアミノフェニル複素環類、米国特許第4,966,830号明細書に示されるジュロリジン複素環類、特開平5−241338号公報に示されるピロメテン系色素、ピレン類、フェノチアジン類、フルオレン類等を挙げることができるが、特に限定はされない。
これらの増感剤は、単独でまたは2種以上を使用することができる。増感剤の配合量は、レジスト化合物100重量部当たり、30重量部以下が好ましく、より好ましくは10重量部以下である。
【0088】
[3]界面活性剤
界面活性剤は、本発明のレジスト組成物の塗布性やストリエーション、レジストとしての現像性等を改良する作用を有する成分である。このような界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系あるいは両性のいずれでも使用することができる。これらのうち、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。ノニオン系界面活性剤は、レジスト組成物に用いる溶剤との親和性がよく、より効果がある。ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類等の他、以下商品名で、エフトップ(ジェムコ社製)、メガファック(大日本インキ化学工業社製)、フロラード(住友スリーエム社製)、アサヒガード、サーフロン(以上、旭硝子社製)、ペポール(東邦化学工業社製)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社油脂化学工業社製)等の各シリーズを挙げることができるが、特に限定はされない。
界面活性剤の配合量は、レジスト化合物100重量部当たり、界面活性剤の有効成分として、2重量部以下が好ましい。
【0089】
[4]上記架橋剤、増感剤、及び界面活性剤以外のその他の添加剤
更に、本発明のレジスト組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、上記架橋剤、増感剤、及び界面活性剤以外のその他の添加剤を1種又は2種以上配合することができる。その他の添加剤としては、例えば、溶解促進剤、溶解制御剤、染料、顔料、及び接着助剤等が挙げられる。例えば、染料又は顔料を配合すると、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和できるので好ましい。また、接着助剤を配合すると、基板との接着性を改善することができるので好ましい。更に、他の添加剤としては、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、形状改良剤等、具体的には4−ヒドロキシ−4'−メチルカルコン等を挙げることができる。
【0090】
本発明のレジスト組成物は、通常は、使用時に各成分を溶剤に溶解して均一溶液とし、その後、必要に応じて、例えば孔径0.2μm程度のフィルター等でろ過することにより調製される。この場合、上記均一溶液中の全固形分濃度は、通常50重量%以下、好ましくは1〜50重量%、更に好ましくは1〜30重量%、より好ましくは1〜10重量%である。
【0091】
本発明のレジスト組成物の調製に使用される前記溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル等の乳酸エステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸n−ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチルプロピオン酸ブチル、3−メトキシ−3−メチル酪酸ブチル、アセト酢酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ラクトン等のラクトン類等を挙げることができるが、特に限定はされない。これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を使用することができる。
【0092】
本発明のレジスト組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で、可視光線、紫外線、エキシマレーザー、極端紫外線(EUV)、電子線、X線およびイオンビーム照射あるいはこれにより誘起される化学反応により架橋反応を起こす架橋反応性基を有する化合物および/または樹脂を併用することができる。架橋反応性基を有する化合物および/または樹脂としては、特に限定されないが、前記アルカリ水溶液に可溶である化合物および/または樹脂と、可視光線、紫外線、エキシマレーザー、極端紫外線(EUV)、電子線、X線およびイオンビーム照射あるいはこれにより誘起される化学反応により架橋反応を起こす架橋反応性基導入試剤を塩基触媒下で反応させ、製造される化合物および/または重合体、あるいはこれらの誘導体などが挙げられる。ここで云う架橋反応性基導入試剤とは、架橋反応性基を有する酸、酸塩化物、酸無水物、ジカーボネートなどのカルボン酸誘導体化合物やアルキルハライド等を云う。これらの中で、酸塩化物が特に好ましい。
前記架橋反応性基としては、炭素−炭素多重結合基、シクロプロピル基、エポキシ基、アジド基、ハロゲン化フェニル基、およびハロゲン化メチル基等が挙げられ、ビニル基、アリル基、シンナモイル基、ビニルシリル基、エポキシ基、ハロゲン化メチル基、ハロゲン化フェニル基が好ましい。これらは一種以上を混合して用いても良い。
【0093】
本発明のレジスト組成物の配合は、全固形分中、通常、前記レジスト化合物(A)40〜99.998重量%、前記化合物(B)0.001〜10重量、その他の成分(C)0.001〜50重量が好ましく、全固形分中、レジスト化合物(A)90〜99.999重量%、前記化合物(B)0.001〜10重量がさらに好ましい。上記範囲内にすることで、解像度等の性能に優れる。全固形分中、前記化合物(B)化合物が無くともネガ型レジストとして機能する場合には、レジスト化合物(A)100重量%が特に好ましい。
【0094】
本発明においてレジスト基板とは、基板上に前記組成物からなるレジスト膜が形成されているレジスト基板であり、パターン形成基板とは、前記レジスト基板上のレジスト膜を露光、現像して得られるパターン化したレジスト膜を有する基板である。また、「パターン形成材料」とは、レジスト基板上に形成され、光、極端紫外線(EUV)、電子線または放射線の照射等によりパターン形成可能な組成物をいい、「レジスト膜」と同義である。「パターン配線基板」とはパターン形成基板をエッチングして得られたパターン化された配線を有する基板である。
【0095】
レジストパターンを形成するには、まず、シリコンウエハー、アルミニウムで被覆されたウエハー等の基板上に本発明のレジスト組成物を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布手段によって塗布することによりレジスト被膜を形成する。必要に応じて、基板上にヘキサメチレンジシラザン等の表面処理剤を予め塗布してもよい。
次いで、必要に応じ、塗布した基板を加熱する。その加熱条件は、レジスト組成物の配合組成等により変わるが、20〜250℃が好ましく、より好ましくは20〜150℃である。加熱することによって、レジストの基板に対する密着性が向上する場合があり好ましい。次いで、可視光線、紫外線、エキシマレーザー、極端紫外線(EUV)、電子線、X線、およびイオンビームからなる群から選ばれるいずれかの放射線により、レジスト膜を所望のパターンに露光する。露光条件等は、レジスト組成物の配合組成等に応じて適宜選定される。本発明においては、露光における高精度の微細パターンを安定して形成するために、放射線照射後に加熱するのが好ましい。その加熱条件は、レジスト組成物の配合組成等により変わるが、20〜250℃が好ましく、より好ましくは20〜150℃である。
【0096】
次いで、露光されたレジスト膜をレジスト可溶現像液で現像することにより、所定のレジストパターンを形成する。前記レジスト可溶現像液としては、レジスト溶液を調整した溶剤と同じ物が使用でき、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、乳酸n−プロピル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル等の乳酸エステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸n−ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチルプロピオン酸ブチル、3−メトキシ−3−メチル酪酸ブチル、アセト酢酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ラクトン等のラクトン類等を挙げることができるが、特に限定はされない。これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を使用することができる。
【0097】
また、前記レジスト可溶現像液には、前記界面活性剤を適量添加することもできる。これにより、レジストに対する現像液の濡れ性を高めることが出来るので好ましい。
レジストパターンを形成した後、エッチングすることによりパターン配線基板が得られる。エッチングの方法はプラズマガスを使用するドライエッチングなど公知の方法で行うことが出来る。
レジストパターンを形成した後、めっきを行うことも出来る。上記めっき法としては、例えば、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき、金めっきなどがある。
【0098】
また、レジストパターンはレジスト可溶現像液より溶解性の高い有機溶剤で剥離することが出来る。上記有機溶剤として、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート),PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル),EL(乳酸エチル)等が挙げられる。上記剥離方法としては、例えば、浸漬方法、スプレイ方式等が挙げられる。またレジストパターンが形成された配線基板は、多層配線基板でも良く、小径スルーホールを有していても良い。
本発明で得られる配線基板は、レジストパターン形成後、金属を真空中で蒸着し、その後レジストパターンを溶液で溶かす方法、すなわちリフトオフ法により形成することもできる。
【0099】
本発明の一般式(1−1)、(2−1)および(3)で表される化合物は、本発明のレジスト組成物に含まれるレジスト化合物(A)に適するものであるが、レジスト用の化合物以外に、反射防止膜や下地材料などの他の半導体素子材料、成形材料、注型材料、封止材料、積層材料、複合材料、塗料、接着剤等に用いることができる。
【実施例】
【0100】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に限定はされない。
<合成例1>〜<合成例54>
化合物の構造は元素分析および1H−NMR測定で確認した。それらの分析結果を第2表および第3表に示す。なお、第2表中、各化合物の原子数を示性式の値として示し、元素の重量百分率の値を計算値、実測値として示す。1H−NMR測定結果を第3表に示す。
【0101】
合成例1:化合物1の合成
以下のようにして、下記化合物1を合成した。
【化26】

【0102】
フェノール37.6g/0.4molおよびフルオレノン18.0g/0.1molを混合し、約60℃に加熱して溶解した後、硫酸0.1ml、3−メルカプトプロピオン酸0.8ml、トルエン10mlを加え、撹拌しながら反応した。フルオレノン転化率100%を確認後、トルエン100mlを加え、冷却し析出した固体を減圧濾過、その後60℃温水で撹拌洗浄し、再結晶を行い、中間体化合物を得た。次に中間体化合物をジメチメアセトアミド(DMAc)に溶解し、アクリロイルクロライド(ACROS社製試薬)2.12g/22.5mmol、トリエチルアミン(関東化学(株)製試薬)2.29gをゆっくり滴下し、23℃で3時間攪拌した。反応液を多量の水に加え晶析を繰り返し、その後ヘキサン/酢酸エチル/DMAc=3/4/100の混合溶媒を用い、カラムクロマトグラフで精製し、最後に減圧乾燥を行い、目的生成物を得た。
【0103】
合成例2:化合物2の合成
以下のようにして、下記化合物2を合成した。
【化27】

【0104】
フェノール37.6g/0.4molおよびフルオレノン18.0g/0.1molを混合し、約60℃に加熱して溶解した後、硫酸0.1ml、3−メルカプトプロピオン酸0.8ml、トルエン10mlを加え、撹拌しながら反応した。フルオレノン転化率100%を確認後、トルエン100mlを加え、冷却し析出した固体を減圧濾過、その後60℃温水で撹拌洗浄し、再結晶を行い、中間体化合物を得た。次に中間体化合物0.5g、3−ブロモプロペン(ACROS社製試薬)3.02g(25mmol)、炭酸カリウム(関東化学(株)製試薬)3.5g(25mmol)、ヨウ化ナトリウム(関東化学(株)製試薬)0.036g(0.25mmol)、アセトン30mlを加え、窒素気流下中、55℃で24時間撹拌した。反応終了後、塩をろ過し、溶媒を濃縮した後、ヘキサン/酢酸エチル/DMAc=3/4/100の混合溶媒を用い、カラムクロマトグラフで精製し、最後に減圧乾燥を行い、目的生成物を得た。
【0105】
合成例3:化合物3の合成
以下のようにして、下記化合物3を合成した。
【化28】

【0106】
フェノール37.6g/0.4molおよびフルオレノン18.0g/0.1molを混合し、約60℃に加熱して溶解した後、硫酸0.1ml、3−メルカプトプロピオン酸0.8ml、トルエン10mlを加え、撹拌しながら反応した。フルオレノン転化率100%を確認後、トルエン100mlを加え、冷却し析出した固体を減圧濾過、その後60℃温水で撹拌洗浄し、再結晶を行い、中間体化合物を得た。次に中間体化合物0.5g、エピクロルヒドリン1.8g(92.5mmol)、2−プロパノール0.73gを仕込み、40℃に昇温して均一に溶解した後、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液0.32gを90分かけて滴下した。その間に徐々に昇温し、滴下終了後には系内が65℃になるようにし、30分攪拌した。次いで、生成物から過剰のエピクロルヒドリンと2−プロパノールを減圧下で留去し、メチルイソブチルケトン2gに溶解させ、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液0.02gを加え、65℃で1時間撹拌した。その後、反応液に第一リン酸ナトリウム水溶液を加えて、過剰の水酸化ナトリウムを中和し、水洗して副生塩を除去した。次いで完全にメチルイソブチルケトンを除去し、最後に減圧乾燥を行い、目的生成物を得た。
【0107】
合成例4:化合物4の合成
以下のようにして、下記化合物4を合成した。
【化29】

【0108】
フェノール37.6g/0.4molおよびフルオレノン18.0g/0.1molを混合し、約60℃に加熱して溶解した後、硫酸0.1ml、3−メルカプトプロピオン酸0.8ml、トルエン10mlを加え、撹拌しながら反応した。フルオレノン転化率100%を確認後、更にブロモクロロメタン3.24g(25mmol)、トリエチルアミン(関東化学(株)製試薬)2.29gをゆっくり滴下し、23℃で3時間攪拌した。反応液を多量の水に加え再沈殿を繰り返したところ、白色粉末が得られた。得られた白色粉末をヘキサン/酢酸エチル/DMAc=3/4/100の混合溶媒を用い、カラムクロマトグラフで精製し、最後に減圧乾燥を行い、目的生成物を得た。
【0109】
合成例5〜54:化合物5〜54の合成
レジスト化合物(A)である化合物5〜54を第1表記載の原料を用い、架橋反応性基導入試剤に応じて、合成例1〜4と同様に反応させ、目的生成物を得た。
化合物13、19、23、33および51の化学構造式を以下に示す。
【0110】
【化30】

【0111】
【化31】

【0112】
【表1】

【0113】
【表2】

Fは、全原子数/(全炭素原子数−全酸素原子数)
【0114】
【表3】

【0115】
実施例1〜64及び比較例1
第4表記載のレジスト化合物(A)、化合物(B)、架橋剤(C)、溶媒を均一溶液としたのち、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)製メンブランフィルターで濾過して、レジスト組成物を調製した。得られたレジスト組成物をシリコンウエハーに回転塗布し、レジスト膜を形成した。得られた各レジスト膜の成膜性を第6表に示す。
【0116】
レジストを清浄なシリコンウエハー上に回転塗布した後、オーブン中で露光前ベーク(PB)して、厚さ0.2μmのレジスト膜を形成した。該レジスト被膜を、実施例1〜50は、波長365nmのi線で露光し、実施例51〜64、および比較例1は、電子線で露光し、その後、オーブン中で露光後ベークした(第5表)。静置法により、23℃で、DMAcで5秒間現像を行った。その後、乾燥して、ネガ型のレジストパターンを形成した。得られた各レジストパターンを下記の方法により評価した。評価結果を第6表に示す。
【0117】
(1)化合物の安全溶媒溶解度試験
レジスト化合物(A)の安全溶媒への溶解度試験を23℃で行った。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよび乳酸エチルから選択され、かつ、一番溶解する溶媒への溶解量を、下記基準で評価した。
A:5重量%以上溶解した
B:0.1重量%以上〜5重量%未満溶解した
C:溶解しなかった
(2)レジスト膜の成膜性評価
レジスト組成物をシリコンウエハー上にスピンコーターで回転塗布し、レジスト膜を形成し、その後110℃のホットプレートで60分間加熱し、6インチシリコンウエハーのレジスト被膜を、下記基準で評価した。
A:表面性良好
C:一部、白化もしくは表面に凹凸が生じた
(3)レジストパターン評価
(3−1)5μmL&S
現像後のレジストパターンを光学顕微鏡で観察し、5μmのラインアンドスペースの形成の有無を確認し、下記基準で評価した。
A:確認
C:確認できず
(3−2)100nmL&S
現像後のレジストパターンを電子顕微鏡で観察し、100nmL&Sのラインアンドスペースの形成の有無を確認し、下記基準で評価した。
A:確認
C:確認できず
【0118】
【表4】

【0119】
【表5】

【0120】
化合物(A)
C-1:カリックスレゾルシナレーン誘導体B(製造法:特開平9-236919号公報参照)
【化32】

【0121】
化合物(B)
R-1:Irgacure 907(2−メチル−1−[(4−メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
架橋剤(C)
L-1:1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(阪本薬品工業(株))
溶媒
S-1:プロピレングリコールモノメチルモノアセテート(東京化成工業(株))
S-2:塩化メチレン(関東化学(株))
【表6】

【0122】
【表7】

【0123】
【表8】

【0124】
【表9】

【0125】
【表10】

【0126】
【表11】

【産業上の利用可能性】
【0127】
以上詳細に説明したように、本発明の化合物およびそれを含むレジスト組成物は高感度、高耐熱性かつ溶剤可溶性で、高解像度のレジストパターンを作製することができ、集積度の高い半導体素子を高い生産性で作製することが可能となる。本発明のレジスト組成物は、紫外線、遠紫外線、電子線、極端紫外線(EUV)、X線等の放射線に感応する感放射線性材料として、エレクトロニクス分野におけるLSI、VLSI製造時のマスクなどに有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1−1)で表される化合物から選ばれるレジスト化合物(A)を一種以上含むレジスト組成物。
【化1】

(式(1−1)中、
2は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アシル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、シアノ基、およびニトロ基からなる群から選ばれる基であり;
4およびR5は結合し、フルオレン構造を有する炭素数10〜30の二価の基であり;
Aは、アリールオキシ基、アリルオキシ基、アクリロイルオキシ基、およびハロゲン化メチルオキシ基から選ばれる基であり、Aのうち少なくとも一つはアリールオキシ基、アリルオキシ基、アクリロイルオキシ基、およびハロゲン化メチルオキシ基から選ばれる基であり;
p1、q1は0〜3の整数であり;
p2、q2は0〜4の整数であり;
1≦p1+p2≦5、1≦q1+q2≦5、1≦p1+q1≦6を満たし、複数個のR2およびAは、同一でも異なっていても良い。
なお、式(1−1)において、2つのベンゼン環の、−CR45−に対してオルト位にある炭素は酸素原子または硫黄原子を介して結合していてもよい。)
【請求項2】
前記式(1−1)のR4およびR5が結合して形成する二価の基が、下記式:
【化2】

(式中、
3は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基であり;
Yは、単結合またはカルボニル基であり;
p3は0〜4の整数であり;
複数個のR3、p3は、各々同一でも異なっていても良い)
で表される請求項1に記載のレジスト組成物。
【請求項3】
前記レジスト化合物(A)が、下記式(1−8):
【化3】

(式(1−8)中、R2、R3、A、Y、p1〜p3、q1〜q2、p1+p2、q1+q2、p1+q1は前記と同様)
で表される化合物である請求項1に記載のレジスト組成物。
【請求項4】
前記式(1−1)におけるAが、アクリロイルオキシ基、アリールオキシ基およびクロロメチルオキシ基である請求項1に記載のレジスト組成物。
【請求項5】
前記レジスト化合物(A)を2種以上含む請求項1に記載のレジスト組成物。
【請求項6】
可視光線、紫外線、エキシマレーザー、極端紫外線(EUV)、電子線、X線、およびイオンビームからなる群から選ばれるいずれかの放射線の照射により直接的又は間接的にラジカルまたはカチオンを発生する化合物(B)をさらに含む請求項1に記載のレジスト組成物。
【請求項7】
さらに炭素−炭素多重結合基、シクロプロピル基、エポキシ基、アジド基、ハロゲン化フェニル基、およびハロゲン化メチル基からなる群から選ばれる1種以上を有する化合物、または樹脂を含む請求項1に記載のレジスト組成物。
【請求項8】
全固形分中、前記レジスト化合物(A)40〜99.998重量%、前記化合物(B)0.001〜10重量%、その他の成分(C)0.001〜50重量%である請求項6に記載のレジスト組成物。
【請求項9】
全固形分中、前記レジスト化合物(A)90〜99.999重量%、前記化合物(B)0.001〜10重量%である請求項6に記載のレジスト組成物。
【請求項10】
全固形分中、レジスト化合物(A)100重量%である請求項1に記載のレジスト組成物。
【請求項11】
固形成分1〜80重量%および溶媒成分20〜99重量%からなる請求項1に記載のレジスト組成物。
【請求項12】
下記式(1−1)で示される化合物。
【化4】

(式(1−1)中、
2は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アシル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、シアノ基、およびニトロ基からなる群から選ばれる基であり;
4およびR5は結合し、フルオレン構造を有する炭素数10〜30の二価の基であり;
Aは、アリールオキシ基、アリルオキシ基、アクリロイルオキシ基、およびハロゲン化メチルオキシ基から選ばれる基であり、Aのうち少なくとも一つはアリールオキシ基、アリルオキシ基、アクリロイルオキシ基、およびハロゲン化メチルオキシ基から選ばれる基であり;
p1、q1は0〜3の整数であり;
p2、q2は0〜4の整数であり;
1≦p1+p2≦5、1≦q1+q2≦5、1≦p1+q1≦6を満たし、複数個のR2およびAは、同一でも異なっていても良い。
なお、式(1−1)において、2つのベンゼン環の、−CR45−に対してオルト位にある炭素は酸素原子または硫黄原子を介して結合していてもよい。)
【請求項13】
前記式(1−1)のR4およびR5が結合して形成する二価の基が、下記式:
【化5】

(式中、
3は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基であり;
Yは、単結合またはカルボニル基であり;
p3は0〜4の整数であり;
複数個のR3、p3は、各々同一でも異なっていても良い)
のいずれかで表される請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
Aが、アクリロイルオキシ基、アリールオキシ基およびクロロメチルオキシ基から選ばれる基である請求項12に記載の化合物。

【公開番号】特開2012−68652(P2012−68652A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234138(P2011−234138)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【分割の表示】特願2007−520072(P2007−520072)の分割
【原出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【出願人】(000004466)三菱瓦斯化学株式会社 (1,281)
【Fターム(参考)】