説明

レジ精算システム

【課題】釣銭に用いる貨幣や両替した貨幣を出納室から持ってくる手間を無くすとともに、両替機を購入するコストと当該両替機を設置するスペースを削減すること。
【解決手段】レジ精算システムは、購入商品の登録を行う商品登録装置10と、商品登録装置10と離れた場所に設けられ、当該商品登録装置10で登録された購入商品の決済金の支払いを購入顧客が行うための代金決済モードと、店舗係員が売上金処理装置25へ補充する貨幣を出金するための釣銭準備金出金モードとを有する現金処理装置15と、を備えている。現金処理装置15は、貨幣が補充される補充先を含む売上金処理装置25に関する補充情報を、入力する入力手段37と、補充先である売上金処理装置25毎の補充金額を管理する管理手段51と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、購入商品の登録を行う商品登録装置と、商品登録装置で登録された購入商品の決済金の支払いを購入顧客が行う現金処理装置と、を備えたレジ精算システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、レジスタ番号別に各レジスタ(売上金処理装置)の売り上げを入金精算する複数の売上入金精算機と、これら複数の売上入金精算機からの入金精算データを受信して集計する管理ターミナルと、レジスタへ入金する釣銭を準備したり、レジスタで用いる釣銭を両替したりする両替機と、を備えた売上金精算システムが知られている。そして、上述した両替機は、通常は、出納室に配置されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、入力される商品情報から購入商品の代金を算出し、購入明細票を印字発行すると共に、少なくとも算出された代金及び取引の整理番号をローカルエリアネットワークに送出するレジスタ(売上金処理装置)と、カードを受入れて整理番号を読取るカード処理部と、現金の受入れと釣銭の払出しを行う入出金部と、案内表示を行う表示部と、カード処理部が読取った整理番号に対応する代金をローカルエリアネットワークを介してデータ記憶手段から読み出し、この金額を表示部に表示すると共に入出金部を介する代金の受払を制御する制御部と、を有する代金支払機と、を備えた代金支払システムも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特許登録第3582622号
【特許文献2】実用新案登録第2603807号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、従来の売上金精算システムでは、出納室に配置された両替機で釣銭を準備したり両替したりする必要があり、釣銭に用いる貨幣や両替した貨幣を出納室から持ってこなければならず、手間がかかってしまっている。また、そもそも両替機を購入するコストがかかってしまっており、両替機を設けるためのスペースも必要となってしまっている。
【0005】
他方、上述した売上金精算システムを、特許文献2で示されたような代金支払システムの近くに配置することも考えられるが、代金支払システムの他に、売上金精算システムを配置することは、代金決済処理を行うフロアに余分なスペースを確保する必要があり現実的ではない。
【0006】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、釣銭に用いる貨幣や両替した貨幣を出納室から持ってくる手間が無くなり、両替機を購入するコストと当該両替機を設置するスペースを削減することができるレジ精算システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様によるレジ精算システムは、
購入商品の登録を行う商品登録装置と、
前記商品登録装置と離れた場所に設けられ、該商品登録装置で登録された購入商品の決済金の支払いを購入顧客が行うための代金決済モードと、店舗係員が売上金処理装置へ補充する貨幣を出金するための釣銭準備金出金モードとを有する現金処理装置と、を備え、
前記現金処理装置が、
貨幣が補充される補充先を含む前記売上金処理装置に関する補充情報を、入力する入力手段と、
補充先である売上金処理装置毎の補充金額を管理する管理手段と、
を有する。
【0008】
本発明の第一の態様によるレジ精算システムにおいて、
前記現金処理装置は、
貨幣が補充された前記売上金処理装置から、補充された金額に関する補充情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した補充情報と、前記管理手段で管理されている該補充情報を送信した売上金処理装置に関する補充金額とが合致しているかを確認する確認手段と、
を有することが好ましい。
【0009】
本発明の第一の態様によるレジ精算システムにおいて、
前記現金処理装置は、
売上金処理装置から該売上金処理装置を識別する売上金処理装置識別情報と、該売上金処理装置に補充すべき貨幣の金種と枚数に関する補充要求情報とを受信する受信手段と、
前記入力手段で入力された補充先と、前記受信手段で受信した売上金処理装置識別情報とから、前記補充要求情報に対応する貨幣の金種と枚数を出金させる出金指示部と、
を有することが好ましい。
【0010】
本発明の第一の態様によるレジ精算システムにおいて、
前記現金処理装置は、購入顧客が所持する会員カードおよび店舗係員が所持する係員カードを読み取り可能なカード読取部を有し、該カード読取部に会員カードが読み取られると代金決済モードになり、該カード読取部に係員カードが読み取られると釣銭準備金出金モードが選択可能となることが好ましい。
【0011】
本発明の第一の態様によるレジ精算システムにおいて、
前記商品登録装置は、購入商品の代金を特定するための代金特定情報または購入顧客が所持する会員カードの会員情報を有する取引特定媒体を発行し、
前記現金処理装置は、前記取引特定媒体を認識すると代金決済モードになり、該取引特定媒体の前記代金特定情報または前記会員情報に基づいて、前記商品登録装置で登録された購入商品の代金決済処理を行うことが好ましい。
【0012】
本発明の第一の態様によるレジ精算システムにおいて、
補充されるべき釣銭準備金に関する釣銭準備情報を有する釣銭準備情報特定媒体を発行する売上金処理装置をさらに備え、
前記現金処理装置は、前記釣銭準備情報特定媒体を認識すると釣銭準備金出金モードになり、該釣銭準備情報特定媒体の前記釣銭準備情報に基づいて、前記売上金処理装置に補充するための釣銭準備金を出金することが好ましい。
【0013】
本発明の第一の態様によるレジ精算システムにおいて、
前記現金処理装置は、通常の作動状態では代金決済モードになっており、IDとパスワードが入力されたり、係員カードが認識されたりするなど所定の要件が満たされると釣銭準備金出金モードに切り替わることが好ましい。
【0014】
本発明の第一の態様によるレジ精算システムにおいて、
前記現金処理装置は、前記売上金処理装置と通信可能となっており、
前記管理手段は、出金された釣銭準備金が、補充先として入力された売上金処理装置に所定の時間内に補充されたかも管理することが好ましい。
【0015】
本発明の第二の態様によるレジ精算システムは、
購入商品の登録を行う商品登録装置と、
前記商品登録装置と離れた場所に設けられ、該商品登録装置で登録された購入商品の決済金の支払いを購入顧客が行うための代金決済モードと、貨幣を両替するための両替モードとを有する現金処理装置と、を備え、
前記現金処理装置が、前記両替モードで貨幣が入金されると、入金された貨幣の総額と同額であり、かつ、入金された貨幣の金種および枚数の組合せと異なる金種および枚数の組合せからなる貨幣を出金する。
【0016】
本発明の第二の態様によるレジ精算システムにおいて、
前記現金処理装置は、
売上金処理装置を特定する情報を入力する入力手段と、
前記売上金処理装置から該売上金処理装置を識別する売上金処理装置識別情報と、該売上金処理装置で両替されるべき貨幣の金種と枚数に関する両替情報とを受信する受信手段と、
前記入力手段で入力された売上金処理装置を特定する情報と、前記受信手段で受信した売上金処理装置識別情報とから、前記両替情報に対応する貨幣の金種と枚数を出金させる出金指示部と、
を有することが好ましい。
【0017】
本発明の第二の態様によるレジ精算システムにおいて、
前記現金処理装置は、
出金金種と枚数を入力する入力手段と、
前記入力手段で入力された出金金種と枚数の貨幣を出金させる出金指示部と、
を有することが好ましい。
【0018】
本発明の第二の態様によるレジ精算システムにおいて、
前記現金処理装置は、購入顧客が所持する会員カードおよび店舗係員が所持する係員カードを読み取り可能なカード読取部を有し、該カード読取部に会員カードが読み取られると代金決済モードになり、該カード読取部に係員カードが読み取られると両替モードが選択可能となることが好ましい。
【0019】
本発明の第二の態様によるレジ精算システムにおいて、
前記商品登録装置は、購入商品の代金を特定するための代金特定情報または購入顧客が所持する会員カードの会員情報を有する取引特定媒体を発行し、
前記現金処理装置は、前記取引特定媒体を認識すると代金決済モードになり、該取引特定媒体の前記代金特定情報または前記会員情報に基づいて、前記商品登録装置で登録された購入商品の代金決済処理を行うことが好ましい。
【0020】
本発明の第二の態様によるレジ精算システムにおいて、
両替されるべき貨幣に関する両替情報を有する両替情報特定媒体を発行する売上金処理装置をさらに備え、
前記現金処理装置は、前記両替情報特定媒体を認識すると両替モードになり、該両替情報特定媒体の前記両替情報に基づいて、前記売上金処理装置に入金するための貨幣を両替して出金することが好ましい。
【0021】
本発明の第二の態様によるレジ精算システムにおいて、
前記現金処理装置は、通常の作動状態では代金決済モードになっており、IDとパスワードが入力されたり、係員カードが認識されたりするなど所定の要件が満たされると両替モードに切り替わることが好ましい。
【0022】
本発明の第二の態様によるレジ精算システムにおいて、
前記現金処理装置は、前記売上金処理装置と通信可能となっており、
前記管理手段は、出金された貨幣が、両替先として入力された売上金処理装置に所定の時間内に入金されたかも管理することが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、購入顧客が代金決済処理を行う代金決済モードを有する現金処理装置が、店舗係員が売上金処理装置へ補充する貨幣を出金するための釣銭準備金出金モード、または、貨幣を両替するための両替モードを有している。このため、釣銭に用いる貨幣や両替した貨幣を出納室から持ってくる手間が無くすことができ、かつ、両替機を購入するコストと当該両替機を設置するスペースを削減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
第1の実施の形態
以下、本発明に係るレジ精算システムの第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図6は本発明の第1の実施の形態を示す図である。なお、本願において、貨幣とは硬貨と紙幣の両方を意味している。
【0025】
図1に示すように、レジ精算システムは、購入商品の登録を行う複数(本実施の形態では2つ)の会員用の第一商品登録装置(商品登録装置)10と、第一商品登録装置10と離れた場所に設けられ、第一商品登録装置10で登録された購入商品の代金決済処理を購入顧客自身が行う顧客操作型現金決済装置(現金処理装置)15と、購入商品の登録を行う複数の一般用(会員以外も利用可能)の第二商品登録装置20と、第二商品登録装置20の近傍に設けられ、第二商品登録装置20で登録された購入商品の代金決済処理を登録オペレータが行う売上金処理装置25と、を備えている。
【0026】
このうち、顧客操作型現金決済装置15は、第一商品登録装置10で登録された購入商品の決済金の支払いを購入顧客が行うための代金決済モードと、店舗係員が決済完了済みの売上金を売上金処理装置25から回収して入金するための売上金入金モードと、店舗係員がレジスタ(釣銭機を含む)などの売上金処理装置25へ補充する貨幣を出金するための釣銭準備金出金モードと、を有している。
【0027】
また、第一商品登録装置10は、購入商品の代金を特定するための代金特定情報を会員カードに記憶させるように構成されている。また、顧客操作型現金決済装置15は、会員カードに記憶された代金特定情報に基づいて、第一商品登録装置10で登録された購入商品の代金決済処理を行うように構成されている。
【0028】
また、図2および図3に示すように、顧客操作型現金決済装置15は、売上金入金モードにおいて、売上金の出所に関する出所情報を入力するテンキー(入力手段)37と、決済金と売上金とを区別して管理する管理手段51と、を有している。なお、この管理手段51は、テンキー37、後述する紙幣処理ユニット60および硬貨処理ユニット70と通信可能となっている。
【0029】
また、顧客操作型現金決済装置15の管理手段51は、釣銭準備金出金モードにおいて、補充先である売上金処理装置25毎の補充金額を管理するとともに、売上金処理装置25から受け取った信号に基づいて、出金された釣銭準備金が、補充先として入力された売上金処理装置25に所定の時間内に補充されたかも管理する。なお、釣銭準備金出金モードでは、テンキー37によって、例えば貨幣が補充される補充先といった売上金処理装置25に関する補充情報を入力することができる。
【0030】
また、図2に示すように、顧客操作型現金決済装置15は、購入顧客が所持する会員カードおよび店舗係員が所持する係員カードを読み取り可能な磁気カードリーダ38およびICカードリーダ36からなるカード読取部を有している。
【0031】
そして、顧客操作型現金決済装置15は、磁気カードリーダ38に会員カードが通されたり、ICカードリーダ36に会員カードがかざされたりして、会員カードが読み取られると代金決済モードになる。
【0032】
他方、顧客操作型現金決済装置15は、磁気カードリーダ38に係員カードが通されたり、ICカードリーダ36に係員カードがかざされたりして、係員カードが読み取られると売上金入金モードや釣銭準備金出金モードになる。例えば、顧客操作型現金決済装置15によって係員カードが読み取られると、売上金入金モードと釣銭準備金出金モードを選択する選択ボタンが画面31に表示される。そして、店舗係員が適宜選択することによって、売上金入金モードと釣銭準備金出金モードを選択できるようになっている。
【0033】
また、図1に示す売上金処理装置25は、売上金の収納保管を行うとともに、売上金の出所情報と売上金に関する売上金特定情報を送信可能となっている。そして、図3に示すように、顧客操作型現金決済装置15は、売上金処理装置25から出所情報と売上金特定情報を受信する受信手段54と、当該売上金特定情報と、管理手段51で管理されている売上金とが合致しているかを確認する確認手段52とを有している。
【0034】
また、売上金処理装置25は、売上金処理装置25を識別する売上金処理装置識別情報と、当該売上金処理装置25に補充すべき貨幣の金種と枚数に関する補充要求情報も送信可能となっている。そして、顧客操作型現金決済装置15の受信手段54は、売上金処理装置25から売上金処理装置識別情報と補充要求情報を受信する。
【0035】
また、図3に示すように、顧客操作型現金決済装置15は、テンキー37で入力された補充先と、受信手段54で受信した売上金処理装置識別情報とから、補充要求情報に対応する貨幣の金種と枚数を出金させる出金指示部56を有している。
【0036】
また、顧客操作型現金決済装置15の受信手段54は、貨幣が補充された売上金処理装置25から、補充された金額に関する補充情報を受信することもできる。また、確認手段52は、受信手段54で受信した補充情報と、管理手段51で管理されている当該補充情報を送信した売上金処理装置25に関する補充金額とが合致しているかを確認することもできる。
【0037】
なお、図1では、顧客操作型現金決済装置15と同じ店舗内にある売上金処理装置25しか示していないが、これに限られることなく、顧客操作型現金決済装置15は、顧客操作型現金決済装置15と異なる店舗にある売上金処理装置について売上金の入金処理を行ってもよい。
【0038】
また、購入商品の登録を行ってもらう際の顧客の待ち時間を短くするために、第一商品登録装置10の総数(本実施の形態では2つ)は、顧客操作型現金決済装置15の総数(本実施の形態では1つ)よりも多くなっていることが好ましい(図1参照)。
【0039】
また、図4(a)(b)に示すように、顧客操作型現金決済装置15は、紙幣の処理を行う紙幣処理ユニット60と、硬貨の処理を行う硬貨処理ユニット70とを有している。なお、図4(a)は、紙幣処理ユニット60の縦断面を正面に対して左側から見た側方断面図であり、図4(b)は、硬貨処理ユニット70の縦断面を正面に対して右側から見た側方断面図である。
【0040】
このうち、紙幣処理ユニット60は、図4(a)に示すように、紙幣を受け入れる紙幣受入部61と、紙幣を搬送する紙幣搬送機構62と、紙幣搬送機構62に設けられ、当該紙幣搬送機構62によって搬送される紙幣を識別する紙幣識別部65と、紙幣搬送機構62の端部に設けられ、紙幣を金種別に収納する金種別収納庫64と、を有している。このうち、紙幣搬送機構62は、紙幣搬送路62aと、紙幣搬送路62a内の紙幣に駆動力を付与する駆動部(図示せず)と、を有している。
【0041】
また、図4(a)に示すように、紙幣搬送機構62の端部には、紙幣を一時保留する紙幣一時保留部63が設けられ、紙幣搬送機構62の別の端部には、出金紙幣を払い出したり、入金紙幣をリジェクトしたりする紙幣払出部66が設けられ、紙幣搬送機構62のさらに別の端部には、リジェクトされた出金紙幣が搬送される出金紙幣リジェクト部67が設けられている。また、紙幣搬送機構62の前述の端部とは別の端部には、紙幣カセット69が着脱自在となっている。
【0042】
また、硬貨処理ユニット70は、図4(b)に示すように、硬貨を受け入れる硬貨受入部71と、硬貨を搬送する硬貨搬送機構72と、硬貨搬送機構72に設けられ、当該硬貨搬送機構72によって搬送される硬貨を識別する硬貨識別部75と、硬貨搬送機構72の端部に設けられ、硬貨を金種別に収納する金種別収納庫74と、を備えている。このうち、硬貨搬送機構72は、硬貨搬送路72aと、硬貨搬送路72a内の硬貨に駆動力を付与する駆動部(図示せず)と、を有している。
【0043】
また、図4(b)に示すように、硬貨搬送機構72には、硬貨を一時保留する硬貨一時保留部73が設けられ、硬貨搬送機構72の端部には、出金硬貨を払い出したり、入金硬貨をリジェクトしたりする硬貨払出部76が設けられている。また、硬貨搬送機構72の別の端部には、硬貨カセット79が着脱自在となっている。なお、一時保留された入金硬貨がリジェクトされる際には、当該硬貨は、金種別収納庫74の裏側(紙面に対して裏側)を通過することとなる(図4(b)の点線参照)。
【0044】
また、顧客操作型現金決済装置15は、クレジットカード、デビットカード、電子マネーなどの非現金によって決済する非現金決済機能も有している。より具体的には、図2において、磁気カードリーダ38がクレジットカードの磁気情報などを読み取ることができ、ICカードリーダ36が電子マネーで支払うときなどにICチップの情報を読み取ることができる。なお、テンキー37はデビットカードで支払うときに暗証番号を入力するために用いられる。
【0045】
また、図2に示すように、顧客操作型現金決済装置15は、様々な操作を行うためのタッチパネル機能を有する画面31と、様々な音声を発する(購入顧客へ操作方法を指示したりする)スピーカ32も有している。さらに、顧客操作型現金決済装置15は、決済が完了したことを示す決済完了媒体(レシートや領収書など)を発行するジャーナルプリンタ33と、印字されたバーコード情報を読み取るためのバーコードリーダ34も有している。
【0046】
また、第一商品登録装置10と顧客操作型現金決済装置15とは電気的に接続され、通信可能となっている。また、顧客操作型現金決済装置15は、画面31で第一商品登録装置10で登録された購入商品のリスト(購入商品リスト)を購入顧客に対して表示するように構成されている。
【0047】
なお、図1では、第一商品登録装置10近傍に売上金処理装置25を示しているが、当該売上金処理装置25は設けられていなくてもよい。
【0048】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
【0049】
(代金決済処理)
最初に、購入顧客が顧客操作型現金決済装置15で代金決済するときの態様について説明する。
【0050】
まず、購入したい商品を選んだ顧客は、登録オペレータによって購入商品の登録を行ってもらうために、第一商品登録装置10または第二商品登録装置20にならぶ(図1参照)。
【0051】
このとき、会員カードを持った会員は、第二商品登録装置20だけでなく第一商品登録装置10も利用することができ、第一商品登録装置10と第二商品登録装置20とを選択することができる。このため、会員である顧客は、空いている商品登録装置を利用することができ、会員である顧客の利便性を向上させることができる。なお、第一商品登録装置10を利用する場合には、会員カードに貯められるポイント率を高くして、顧客に第一商品登録装置10を積極的に利用するように促すようにしてもよい。
【0052】
次に、第二商品登録装置20で購入商品の登録をしてもらった購入顧客は、登録オペレータに、売上金処理装置25を用いて代金決済処理をしてもらう。
【0053】
他方、第一商品登録装置10で購入商品の登録をしてもらった購入顧客(会員)は、第一商品登録装置10と離れた場所に設けられた顧客操作型現金決済装置15によって、自分自身で代金決済処理を行う。より具体的には、まず、第一商品登録装置10によって、購入商品の代金を特定するための代金特定情報が会員カードに記憶される。次に、購入顧客が、顧客操作型現金決済装置15の磁気カードリーダ38に会員カードを通したり、ICカードリーダ36に会員カードをかざしたりすることによって、会員カードに記憶された代金特定情報に基づいて、第一商品登録装置10で登録された購入商品の代金決済処理を行う(図2参照)。なお、購入顧客は、紙幣や硬貨などの現金によって代金決済処理を行ってもよいし、クレジットカード、デビットカード、電子マネーなどの非現金によって代金決済処理を行ってもよい。
【0054】
また、上述のように磁気カードリーダ38に会員カードが通されたり、ICカードリーダ36に会員カードがかざされたりすることによって、会員カードが読み取られると、顧客操作型現金決済装置15は、第一商品登録装置10で登録された購入商品の決済金の支払いを購入顧客が行うための代金決済モードになる。
【0055】
そして、顧客操作型現金決済装置15での代金決済処理が完了すると、顧客操作型現金決済装置15は、ジャーナルプリンタ33で、代金決済が完了したことを示す決済完了媒体(レシートや領収書など)を発行する(図2参照)。
【0056】
(売上金入金処理)
次に、店舗係員が顧客操作型現金決済装置15に売上金を入金するときの態様について説明する。
【0057】
まず、売上金処理装置25で、当該売上金処理装置25内に収納保管された貨幣の回収処理が行われる(回収工程)(図5(a)参照)。次に、売上金処理装置25は、売上金の出所情報(売上金処理装置25の番号など)と売上金に関する売上金特定情報(売上金の総額など)を顧客操作型現金決済装置15に送信し(売上金特定情報送信工程)(図5(a)参照)、顧客操作型現金決済装置15の受信手段54が当該情報を受信する(売上金特定情報受信工程)(図3参照)。
【0058】
次に、店舗係員によって、売上金処理装置25から回収された貨幣が、顧客操作型現金決済装置15まで運ばれる(図1参照)。このとき、顧客操作型現金決済装置15が売上金処理装置25の近くに配置されているので、手間がかからない。
【0059】
すなわち、従来であれば、売上金処理装置25の売上金を出納室に配置された売上入金精算機で入金し精算する必要があり、売上金を出納室まで持って行かなければならず、手間がかかってしまうのであるが、本実施の形態によれば、そのような手間がかからなくなる。
【0060】
次に、店舗係員が、磁気カードリーダ38に係員カードに通したり、ICカードリーダ36に係員カードをかざしたりする(図2参照)。このことによって、係員カードが読み取られ、顧客操作型現金決済装置15が売上金入金モードに切り替わる(売上金入金モード切替工程)(図5(b)参照)。このとき、例えば、顧客操作型現金決済装置15によって係員カードが読み取られると、売上金入金モードと釣銭準備金出金モードを選択する選択ボタンが画面31に表示され、店舗係員が売上金入金モードを選択できるようになっている(図2参照)。
【0061】
次に、テンキー37で、売上金の出所に関する出所情報(売上金処理装置25の番号など)が入力される(出所情報入力工程)(図2および図5(b)参照)。その後、紙幣処理ユニット60によって紙幣が収納され、硬貨処理ユニット70によって硬貨が収納される(入金工程)(図4(a)(b)および図5(b)参照)。このとき、紙幣処理ユニット60と硬貨処理ユニット70で紙幣と硬貨の枚数が集計されて、管理手段51によって決済金と区別されて管理される。このように決済金と売上金が区別して管理されるので、売上金を正確に把握して管理することができる。
【0062】
次に、確認手段52によって、売上金処理装置25から受信した売上金特定情報(売上金の金種別枚数)と、管理手段51で管理されている売上金(集計された金種別枚数)とが合致しているかが確認される(売上確認工程)(図3および図5(b)参照)。そして、売上金特定情報と売上金とが合致している場合には合致している旨が画面31に表示され、他方、売上金特定情報と売上金とが合致していない場合には合致していない旨が画面31に表示される(図2参照)。このため、店舗係員は、正常に売上金が集計されているかを容易に確認することができる。
【0063】
また、売上金特定情報と管理手段51で管理されている売上金とが合致しているかいないかの確認結果は、店舗内の管理コンピュータ(図示せず)に送信される。このため、店舗の管理者は、顧客操作型現金決済装置15に売上金が漏れなく確実に入金されたかを確認することができる。
【0064】
ところで、本実施の形態によれば、上述のように代金決済モードを有する顧客操作型現金決済装置15によって売上金の入金処理を行うことができる。このため、従来のように、顧客操作型現金決済装置15の他に売上入金精算機を購入する必要が無くなり、コストを削減することができ、かつ、売上入金精算機を設けるためのスペースも削減することができる。
【0065】
(釣銭準備金出金処理)
次に、店舗係員が顧客操作型現金決済装置15で釣銭準備金を出金するときの態様について説明する。
【0066】
まず、売上金処理装置25内の釣銭準備金の在高が少なくなると、売上金処理装置25が、売上金処理装置25を識別する売上金処理装置識別情報と、当該売上金処理装置25に補充すべき貨幣の金種と枚数に関する補充要求情報を顧客操作型現金決済装置15に送信し(補充要求情報送信工程)(図6(a)参照)、顧客操作型現金決済装置15の受信手段54が当該情報を受信する(補充要求情報受信工程)(図3参照)。
【0067】
次に、店舗係員が、磁気カードリーダ38に係員カードに通したり、ICカードリーダ36に係員カードをかざしたりする(図2参照)。このことによって、係員カードが読み取られ、顧客操作型現金決済装置15を釣銭準備金出金モードにすることができる(釣銭準備金出金モード切替工程)(図6(b)参照)。このとき、例えば、顧客操作型現金決済装置15によって係員カードが読み取られると、売上金入金モードと釣銭準備金出金モードを選択する選択ボタンが画面31に表示され、店舗係員が釣銭準備金出金モードを選択できるようになっている(図2参照)。
【0068】
次に、テンキー37で、売上金処理装置25に関する補充情報(例えば、釣銭準備金の補充先)が入力される(補充情報入力工程)(図2および図6(b)参照)。このとき、顧客操作型現金決済装置15の出金指示部56によって、テンキー37で入力された補充先と受信手段54で受信した売上金処理装置識別情報に基づいて、補充要求情報に対応する貨幣の金種と枚数を出金する指示が出され、紙幣処理ユニット60および硬貨処理ユニット70から当該指示に基づいた貨幣が出金される(出金工程)(図4(a)(b)および図6(b)参照)。
【0069】
このように、本実施の形態によれば、テンキー37で補充先を入力するだけで、補充要求情報に対応した貨幣の金種と枚数を出金することができるので、正確な釣銭準備金を容易に準備することができる。
【0070】
次に、店舗係員によって、顧客操作型現金決済装置15から出金された貨幣が、補充先である売上金処理装置25まで運ばれて入金される(入金工程)(図1および図6(c)参照)。このとき、売上金処理装置25と顧客操作型現金決済装置15が近くに配置されているので、釣銭準備金を搬送する手間がかからない。
【0071】
すなわち、従来であれば、出納室に配置された両替機から釣銭準備金を出金して、当該釣銭準備金を売上金処理装置25まで持ち運ばなければならず、手間がかかってしまうのであるが、本実施の形態によれば、そのような手間がかからなくなる。
【0072】
次に、貨幣が補充された売上金処理装置25が補充された金額に関する補充情報を顧客操作型現金決済装置15に送信し、当該顧客操作型現金決済装置15の受信手段54が受信する(補充情報送信工程)(図3および図6(c)参照)。そして、確認手段52が、受信手段54で受信した補充情報と、管理手段51で管理されている当該補充情報を送信した売上金処理装置25に関する補充金額とが合致しているかを確認する(補充確認工程)(図3参照)。このため、店舗の管理者などは、顧客操作型現金決済装置15に釣銭準備金が漏れなく確実に補充されたかを確認することができる。なおこのとき、補充情報と補充するための出金金額とが合致しているかいないかの確認結果は、店舗内の管理コンピュータ(図示せず)に送信されてもよい。
【0073】
上述のように、本実施の形態によれば、代金決済モードを有する顧客操作型現金決済装置15によって釣銭準備金を準備することができる。このため、従来のように、顧客操作型現金決済装置15の他に両替機を購入する必要が無くなり、コストを削減することができ、かつ、両替機を設けるためのスペースも削減することができる。
【0074】
また、管理手段51は、売上金処理装置25から受け取った信号に基づいて、出金された釣銭準備金が、補充先として入力された売上金処理装置25に所定の時間内に補充されたかも管理する(図3参照)。より具体的には、売上金処理装置25に貨幣が補充されると、その旨が売上金処理装置25から顧客操作型現金決済装置15の受信手段54へ送信されて、管理手段51によって釣銭準備金が補充されたことが把握されるのであるが、出金されてから所定の時間内に、対象となっている売上金処理装置25から貨幣が補充された旨を伝える情報が送信されないと、管理手段51の指示に従って、画面31にその旨が表示されたり、管理コンピュータにその旨が送信されたりする。このため、店舗の管理者などは、顧客操作型現金決済装置15に釣銭準備金が遅滞なく補充されたかを確認することができる。
【0075】
ところで、上記では、第一商品登録装置10が購入商品の代金を特定するための代金特定情報を会員カードに記憶させ、顧客操作型現金決済装置15が、会員カードに記憶された代金特定情報に基づいて、第一商品登録装置10で登録された購入商品の代金決済処理を行う態様を用いて説明した。しかしながら、これに限られることなく、以下に示すような態様も用いることができる。
【0076】
例えば、第一商品登録装置10が会員カードの会員番号(会員カードに関する会員情報)に紐付けられた購入商品の代金を特定するための代金特定情報を顧客操作型現金決済装置15に送信し、当該顧客操作型現金決済装置15が磁気カードリーダ38やICカードリーダ36で取得される会員カードの会員番号と、第一商品登録装置10から送信された会員番号に紐付けられた購入商品の代金特定情報とに基づいて、第一商品登録装置10で登録された購入商品の代金決済処理を行うようにしてもよい(図2参照)。
【0077】
また、第一商品登録装置10が購入商品の代金を特定するための代金特定情報がバーコードで印字されたレシート(取引特定媒体)を発行し、顧客操作型現金決済装置15が、バーコードリーダ34でレシートのバーコードを読み取って、第一商品登録装置10で登録された購入商品の代金決済処理を行うようにしてもよい(図2参照)。
【0078】
さらに、同じようにレシート(取引特定媒体)を用いる態様としては、まず、第一商品登録装置10が、取引ID(取引情報)がバーコードで印字されたレシート(取引特定媒体)を発行するとともに、当該取引IDに紐付けられた購入商品の代金を特定するための代金特定情報を顧客操作型現金決済装置15に送信する。そして、顧客操作型現金決済装置15が、バーコードリーダ34で読み取った取引IDと、第一商品登録装置10から送信された取引IDに紐付けられた購入商品の代金特定情報とに基づいて、第一商品登録装置10で登録された購入商品の代金決済処理を行うようにしてもよい(図2参照)。
【0079】
なお、このようにレシート(取引特定媒体)を用いる場合には、顧客操作型現金決済装置15は、カード読取部に会員カードが読み取られて代金決済モードになる代わりに、バーコードリーダ34によってレシートに印字されたバーコード情報が認識されて代金決済モードになってもよい(図2参照)。
【0080】
また、上記のように、カード読取部に会員カードが読み取られて代金決済モードになったり、バーコードリーダ34によってレシートに印字されたバーコード情報が認識されて代金決済モードになったりする代わりに、通常の作動状態では代金決済モードになっており、IDとパスワードが入力されたり、係員カードが認識されたりするなど所定の要件が満たされると売上金入金モードや釣銭準備金出金モードに切り替わるようになっていてもよい(図2参照)。
【0081】
ところで、上記では、売上金処理装置25が、売上金の出所情報(売上金処理装置25の番号など)と、売上金に関する売上金特定情報(売上金の総額など)を顧客操作型現金決済装置15に送信する態様を用いて説明したが、これに限られることはない。例えば、売上金処理装置25が、売上金の回収時に、売上金の出所情報(売上金処理装置25の番号など)と売上金に関する売上金特定情報(売上金の総額など)を有する売上金特定媒体を発行し、顧客操作型現金決済装置15が、売上金特定媒体の出所情報と売上金特定情報に基づいて、売上金処理装置25から回収された売上金の入金処理を行うように構成されていてもよい(図1参照)。なおこのとき、顧客操作型現金決済装置15は、売上金特定媒体を認識すると売上金入金モードに切り替わることとなる。
【0082】
また、上記では、売上金処理装置25が、売上金処理装置識別情報と、当該売上金処理装置25に補充すべき貨幣の金種と枚数に関する補充要求情報を送信し、顧客操作型現金決済装置15の出金指示部56が、テンキー37で入力された補充先と、受信手段54で受信した売上金処理装置識別情報とから、補充要求情報に対応する貨幣の金種と枚数を出金させる態様を用いて説明したが、これに限られることはない。例えば、売上金処理装置25が、補充されるべき釣銭準備金に関する釣銭準備情報を有するレシートなどの釣銭準備情報特定媒体を発行し、顧客操作型現金決済装置15が、釣銭準備情報特定媒体の釣銭準備情報に基づいて、売上金処理装置25に補充するための釣銭準備金を出金するように構成されていてもよい(図1参照)。なおこのとき、顧客操作型現金決済装置15は、釣銭準備情報特定媒体を認識すると釣銭準備金出金モードに切り替わることとなる。
【0083】
第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、顧客操作型現金決済装置15が、貨幣を両替するための両替モードをさらに有しており、両替モードで貨幣が入金されると、入金された貨幣の総額と同額であり、かつ、入金された貨幣の金種および枚数の組合せと異なる金種および枚数の組合せからなる貨幣を出金するように構成されているものであり、その他の構成は図1乃至図6に示す第1の実施の形態と略同一である。
【0084】
まず、店舗係員によって、売上金処理装置25から貨幣が出金される(出金工程)(図7(a)参照)。このとき、売上金処理装置25が、売上金処理装置25を識別する売上金処理装置識別情報と、当該売上金処理装置25で両替されるべき貨幣の金種と枚数に関する両替情報とを送信し(両替要求情報送信工程)(図7(a)参照)、顧客操作型現金決済装置15の受信手段54が当該情報を受信する(両替要求情報受信工程)(図3参照)。
【0085】
次に、店舗係員が、磁気カードリーダ38に係員カードに通したり、ICカードリーダ36に係員カードをかざしたりする(図2参照)。このことによって、係員カードが読み取られ、顧客操作型現金決済装置15が両替モードに切り替わる(両替モード切替工程)(図7(b)参照)。このとき、例えば、顧客操作型現金決済装置15によって係員カードが読み取られると、売上金入金モードと釣銭準備金出金モードと両替モードを選択する選択ボタンが画面31に表示され、店舗係員が両替モードを選択できるようになっている(図2参照)。
【0086】
次に、テンキー37で、例えば両替金の補充先といった売上金処理装置25に関する補充情報が入力される(両替情報入力工程)(図7(b)参照)。
【0087】
次に、店舗係員によって、顧客操作型現金決済装置15内に、売上金処理装置25から出金された貨幣が入金される(入金工程)(図7(b)参照)。
【0088】
次に、顧客操作型現金決済装置15の出金指示部56によって、テンキー37で入力された補充先と受信手段54で受信した売上金処理装置識別情報に基づいて貨幣を出金する指示が出され、当該指示に基づいて両替情報に対応する貨幣の金種と枚数が紙幣処理ユニット60および硬貨処理ユニット70から出金される(出金工程)(図3および図7(b)参照)。
【0089】
このように、本実施の形態によれば、テンキー37で補充先を入力するだけで、両替情報に対応した貨幣の金種と枚数を出金することができるので、両替に必要な正確な貨幣を容易に準備することができる。
【0090】
次に、店舗係員によって、顧客操作型現金決済装置15から出金された貨幣が、補充先である売上金処理装置25まで運ばれて入金される(入金工程)(図1および図7(c)参照)。このとき、売上金処理装置25と顧客操作型現金決済装置15が近くに配置されているので、両替用の貨幣を搬送する手間がかからない。
【0091】
すなわち、従来であれば、出納室に配置された両替機から両替用の貨幣を出金して、当該貨幣を売上金処理装置25まで持ち運ばなければならず、手間がかかってしまうのであるが、本実施の形態によれば、そのような手間がかからなくなる。
【0092】
次に、両替された貨幣が補充された売上金処理装置25が、補充された貨幣の金種と枚数に関する補充情報を顧客操作型現金決済装置15に送信し(両替情報送信工程)(図7(c)参照)、当該顧客操作型現金決済装置15の受信手段54が受信する(両替情報受信工程)(図3参照)。そして、確認手段52が、受信手段54で受信した補充情報と、管理手段51で管理されている当該補充情報を送信した売上金処理装置25に関する両替情報とが合致しているかを確認する(両替確認工程)(図3参照)。このため、店舗の管理者などは、顧客操作型現金決済装置15に両替貨幣が漏れなく確実に補充されたかを確認することができる。なおこのとき、補充情報と両替情報とが合致しているかいないかの確認結果は、店舗内の管理コンピュータ(図示せず)に送信されてもよい。
【0093】
また、管理手段51は、出金された貨幣が、両替先として入力された売上金処理装置25に所定の時間内に補充されたかも管理する(図3参照)。このため、店舗の管理者などは、両替先である顧客操作型現金決済装置15に、両替金が遅滞なく補充されたかを確認することができる。
【0094】
上述のように、本実施の形態によれば、代金決済モードを有する顧客操作型現金決済装置15によって両替処理を行うことができる。このため、従来のように、顧客操作型現金決済装置15の他に両替機を購入する必要が無くなり、コストを削減することができ、かつ、両替機を設けるためのスペースも削減することができる。
【0095】
なお、上記では、顧客操作型現金決済装置15の受信手段54が、売上金処理装置識別情報と両替情報を受信し、出金指示部56が、テンキー37で入力された売上金処理装置25を特定する情報と売上金処理装置識別情報とから、両替情報に対応する貨幣の金種と枚数を出金させる態様を用いて説明した。
【0096】
しかしながら、これに限られることなく、例えば、売上金処理装置25が、両替されるべき貨幣の金種と枚数に関する両替情報を有する両替情報特定媒体を発行し、顧客操作型現金決済装置15が、両替情報特定媒体の両替情報に基づいて、売上金処理装置25に入金するための貨幣を両替して出金する態様を用いてもよい。なおこのとき、顧客操作型現金決済装置15は、両替情報特定媒体を認識すると両替モードに切り替わることとなる。
【0097】
また、上述のような両替情報を用いることなく、テンキー37で出金金種と枚数が入力されて、出金指示部56がテンキー37で入力された出金金種と枚数の貨幣を出金させるよう指示を出し、当該指示によって紙幣処理ユニット60および硬貨処理ユニット70から貨幣が出金されるようにしてもよい(図3参照)。
【0098】
また、カード読取部に会員カードが読み取られて代金決済モードになったり、バーコードリーダ34によってレシートに印字されたバーコード情報が認識されて代金決済モードになったりする代わりに、通常の作動状態では代金決済モードになっており、IDとパスワードが入力されたり、係員カードが認識されたりするなど所定の要件が満たされると、売上金入金モードや釣銭準備金出金モードや両替モードに切り替わるようになっていてもよい。
【0099】
ところで、第1の実施の形態では、顧客操作型現金決済装置15が、代金決済モード、売上金入金モードおよび釣銭準備金出金モードを有し、第2の実施の形態では、顧客操作型現金決済装置15が、代金決済モード、売上金入金モード、釣銭準備金出金モードおよび両替モードを有する態様を用いて説明したが、これに限られることはなく、代金決済モードと、売上金入金モード、釣銭準備金出金モードおよび両替モードとを適宜組み合わせることができる。例えば、顧客操作型現金決済装置15が、代金決済モードと売上金入金モードだけを有したり、代金決済モードと釣銭準備金出金モードだけを有したり、代金決済モードと両替モードだけを有したり、代金決済モード、釣銭準備金出金モードおよび両替モードを有したりしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるレジ精算システムの構成を示す斜視図。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるレジ精算システムの顧客操作型現金決済装置を示した正面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態によるレジ精算システムの管理手段、確認手段、受信手段および出金指示部の電気的接続状態を示したブロック図。
【図4】本発明の第1の実施の形態によるレジ精算システムの紙幣処理ユニットおよび硬貨処理ユニットを示す側方断面図。
【図5】本発明の第1の実施の形態によるレジ精算システムで売上金を処理する工程を示すフロー図。
【図6】本発明の第1の実施の形態によるレジ精算システムでの釣銭準備金を処理する工程を示すフロー図。
【図7】本発明の第2の実施の形態によるレジ精算システムでの両替貨幣を処理する工程を示すフロー図。
【符号の説明】
【0101】
10 第一商品登録装置(商品登録装置)
15 顧客操作型現金決済装置(現金処理装置)
20 第二商品登録装置
25 売上金処理装置
37 テンキー(入力手段)
51 管理手段
52 確認手段
54 受信手段
56 出金指示部
60 紙幣処理ユニット
70 硬貨処理ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入商品の登録を行う商品登録装置と、
前記商品登録装置と離れた場所に設けられ、該商品登録装置で登録された購入商品の決済金の支払いを購入顧客が行うための代金決済モードと、店舗係員が売上金処理装置へ補充する貨幣を出金するための釣銭準備金出金モードとを有する現金処理装置と、を備え、
前記現金処理装置は、
貨幣が補充される補充先を含む前記売上金処理装置に関する補充情報を、入力する入力手段と、
補充先である売上金処理装置毎の補充金額を管理する管理手段と、
を有することを特徴とするレジ精算システム。
【請求項2】
前記現金処理装置は、
貨幣が補充された前記売上金処理装置から、補充された金額に関する補充情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した補充情報と、前記管理手段で管理されている該補充情報を送信した売上金処理装置に関する補充金額とが合致しているかを確認する確認手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のレジ精算システム。
【請求項3】
前記現金処理装置は、
売上金処理装置から該売上金処理装置を識別する売上金処理装置識別情報と、該売上金処理装置に補充すべき貨幣の金種と枚数に関する補充要求情報とを受信する受信手段と、
前記入力手段で入力された補充先と、前記受信手段で受信した売上金処理装置識別情報とから、前記補充要求情報に対応する貨幣の金種と枚数を出金させる出金指示部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のレジ精算システム。
【請求項4】
前記現金処理装置は、購入顧客が所持する会員カードおよび店舗係員が所持する係員カードを読み取り可能なカード読取部を有し、該カード読取部に会員カードが読み取られると代金決済モードになり、該カード読取部に係員カードが読み取られると釣銭準備金出金モードが選択可能となることを特徴とする請求項1に記載のレジ精算システム。
【請求項5】
前記商品登録装置は、購入商品の代金を特定するための代金特定情報または購入顧客が所持する会員カードの会員情報を有する取引特定媒体を発行し、
前記現金処理装置は、前記取引特定媒体を認識すると代金決済モードになり、該取引特定媒体の前記代金特定情報または前記会員情報に基づいて、前記商品登録装置で登録された購入商品の代金決済処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のレジ精算システム。
【請求項6】
補充されるべき釣銭準備金に関する釣銭準備情報を有する釣銭準備情報特定媒体を発行する売上金処理装置をさらに備え、
前記現金処理装置は、前記釣銭準備情報特定媒体を認識すると釣銭準備金出金モードになり、該釣銭準備情報特定媒体の前記釣銭準備情報に基づいて、前記売上金処理装置に補充するための釣銭準備金を出金することを特徴とする請求項1に記載のレジ精算システム。
【請求項7】
前記現金処理装置は、通常の作動状態では代金決済モードになっており、IDとパスワードが入力されたり、係員カードが認識されたりするなど所定の要件が満たされると釣銭準備金出金モードに切り替わることを特徴とする請求項1に記載のレジ精算システム。
【請求項8】
前記現金処理装置は、前記売上金処理装置と通信可能となっており、
前記管理手段は、出金された釣銭準備金が、補充先として入力された売上金処理装置に所定の時間内に補充されたかも管理することを特徴とする請求項1に記載のレジ精算システム。
【請求項9】
購入商品の登録を行う商品登録装置と、
前記商品登録装置と離れた場所に設けられ、該商品登録装置で登録された購入商品の決済金の支払いを購入顧客が行うための代金決済モードと、貨幣を両替するための両替モードとを有する現金処理装置と、を備え、
前記現金処理装置は、前記両替モードで貨幣が入金されると、入金された貨幣の総額と同額であり、かつ、入金された貨幣の金種および枚数の組合せと異なる金種および枚数の組合せからなる貨幣を出金することを特徴とするレジ精算システム。
【請求項10】
前記現金処理装置は、
売上金処理装置を特定する情報を入力する入力手段と、
前記売上金処理装置から該売上金処理装置を識別する売上金処理装置識別情報と、該売上金処理装置で両替されるべき貨幣の金種と枚数に関する両替情報とを受信する受信手段と、
前記入力手段で入力された売上金処理装置を特定する情報と、前記受信手段で受信した売上金処理装置識別情報とから、前記両替情報に対応する貨幣の金種と枚数を出金させる出金指示部と、
を有することを特徴とする請求項9に記載のレジ精算システム。
【請求項11】
前記現金処理装置は、
出金金種と枚数を入力する入力手段と、
前記入力手段で入力された出金金種と枚数の貨幣を出金させる出金指示部と、
を有することを特徴とする請求項9に記載のレジ精算システム。
【請求項12】
前記現金処理装置は、購入顧客が所持する会員カードおよび店舗係員が所持する係員カードを読み取り可能なカード読取部を有し、該カード読取部に会員カードが読み取られると代金決済モードになり、該カード読取部に係員カードが読み取られると両替モードが選択可能となることを特徴とする請求項9に記載のレジ精算システム。
【請求項13】
前記商品登録装置は、購入商品の代金を特定するための代金特定情報または購入顧客が所持する会員カードの会員情報を有する取引特定媒体を発行し、
前記現金処理装置は、前記取引特定媒体を認識すると代金決済モードになり、該取引特定媒体の前記代金特定情報または前記会員情報に基づいて、前記商品登録装置で登録された購入商品の代金決済処理を行うことを特徴とする請求項9に記載のレジ精算システム。
【請求項14】
両替されるべき貨幣に関する両替情報を有する両替情報特定媒体を発行する売上金処理装置をさらに備え、
前記現金処理装置は、前記両替情報特定媒体を認識すると両替モードになり、該両替情報特定媒体の前記両替情報に基づいて、前記売上金処理装置に入金するための貨幣を両替して出金することを特徴とする請求項9に記載のレジ精算システム。
【請求項15】
前記現金処理装置は、通常の作動状態では代金決済モードになっており、IDとパスワードが入力されたり、係員カードが認識されたりするなど所定の要件が満たされると両替モードに切り替わることを特徴とする請求項9に記載のレジ精算システム。
【請求項16】
前記現金処理装置は、前記売上金処理装置と通信可能となっており、
前記管理手段は、出金された貨幣が、両替先として入力された売上金処理装置に所定の時間内に入金されたかも管理することを特徴とする請求項9に記載のレジ精算システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−86162(P2010−86162A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−252566(P2008−252566)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】