レンズ移送装置
【課題】構造が簡単で小型化が可能で電力消費が少ないレンズ移送装置を提供する。
【解決手段】レンズ移送装置は、第1レンズ、第1レンズと独立的に移送される第2レンズ、第1レンズが変倍の場合には移送され自動焦点調節の場合には変倍位置において第2レンズに対して微細移送されるよう第1レンズの移送を案内する第1案内部と、第2レンズが変倍の場合には移送され自動焦点調節の場合には光軸上で固定された位置を維持するよう第2レンズの移送を案内する第2案内部を具備し、その回転に伴い第1レンズ及び第2レンズを移送させる移送案内部材、及び移送案内部材を回転させるアクチュエータ、を含み、変倍の場合には第1レンズ及び第2レンズが移送され変倍後に遂行される自動焦点調節の場合には第1レンズのみ微細移送されるようにし、一つのアクチュエータの駆動により変倍及び自動焦点調節が成されることを特徴とする。
【解決手段】レンズ移送装置は、第1レンズ、第1レンズと独立的に移送される第2レンズ、第1レンズが変倍の場合には移送され自動焦点調節の場合には変倍位置において第2レンズに対して微細移送されるよう第1レンズの移送を案内する第1案内部と、第2レンズが変倍の場合には移送され自動焦点調節の場合には光軸上で固定された位置を維持するよう第2レンズの移送を案内する第2案内部を具備し、その回転に伴い第1レンズ及び第2レンズを移送させる移送案内部材、及び移送案内部材を回転させるアクチュエータ、を含み、変倍の場合には第1レンズ及び第2レンズが移送され変倍後に遂行される自動焦点調節の場合には第1レンズのみ微細移送されるようにし、一つのアクチュエータの駆動により変倍及び自動焦点調節が成されることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカメラモジュールのレンズ移送装置に関することとして、より詳細には一つのアクチュエータを利用し変倍と自動焦点調節を遂行することが可能なレンズ移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ、キャムコーダー、コンパクトズームカメラ、監視カメラ、マイクロ飛行体など様々な光学機器には光学的ズーム(zoom)(以下、'変倍'とする)機能を遂行するためレンズが移送される構造を有する。
【0003】
このような変倍機能を遂行するためレンズを移送させる多様な構造が開発されつつあり、主としてカム構造駆動方式が利用されている。このような、カム構造駆動方式は電子機モータ等のアクチュエータにより回動するレンズバーレルを具備し、上記レンズバーレルの外周面に位置するカム形状の溝を沿って各レンズが移送されレンズの相対距離が変化されるに連れ変倍が遂行される方式である。
【0004】
また、移動通信端末機やPDA等のように小型のカメラモジュールに適用するため予め定められた変倍比率に対してのみ変倍が成されるようにする方式が使用されることもある。
【0005】
図1と図2はレンズが予め定められた位置に位置するようにし変倍を遂行する方式を図示する。
【0006】
図1a及び図2aに図示された通り変倍を遂行するためには一般的に2つのレンズML1、ML2の相対位置を変化させ、光学的性能を高めるため追加で固定されたレンズFL1、FL2を具備することもある。
【0007】
この際、変倍を遂行するためには移送レンズML1、ML2は最初位置P1、P4から一定な変倍比率における変倍位置に移送される。例えば、図1bのように2倍の変倍比率を有する変倍位置P3、P6に移送されるか、図2bのように2倍の変倍比率を有する変倍位置P2、P5、3倍の変倍比率を有する変倍位置P3、P6に移送される。このようなレンズの移送のため一般的にレンズバーレルの周囲面に図1b及び図2bに図示された形状のカム溝を設置することになり、上記レンズバーレルの回転に伴いレンズが上記カム溝を沿って移送される。
【0008】
このように、定められた変倍比率に該当する変倍位置に移送レンズML1、ML2を移送することにより、移送レンズML1、ML2の相対距離が変化され変倍が成されるようになる。
【0009】
しかし、このように変倍のみを遂行する場合には物体の焦点距離を調節することが不可能なため光学的特性が低下され、高解像度、高画質などを具現することが不可能になる問題がある。
【0010】
このような問題を解決するため、変倍と自動焦点調節(auto focusing)の機能が全て要求されるが、変倍と自動焦点調節の機能を全て遂行するためには必然的に多くの機械装置と制御回路を随伴するようになりその構造が複雑になる。
【0011】
特に、光学的変倍と自動焦点調節機能を実現するためには2つの駆動機を使用すべきであるため、体積及び重量が大きくなり消費電力が多くなるため移動通信端末機やPDA等のようなカメラモジュールには適用し難い問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上記のような問題を解決するためのこととして、一つのアクチュエータを通じ変倍と自動焦点調節を遂行することが可能なレンズ移送装置を提供することを目的とする。
【0013】
また、小型化、軽量化が可能で構造が単純であり、製造費用と電力消費が少ないレンズ移送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記のような目的を達成するための一側面として本発明は、レンズを移送させ変倍と自動焦点調節を遂行するレンズ移送装置において、変倍及び自動焦点調節の場合に移送される第1レンズ、変倍の場合に上記第1レンズと独立的に移送される第2レンズ、上記第1レンズが変倍の場合には移送され自動焦点調節の場合には変倍位置から上記第2レンズに対して微細移送されるよう上記第1レンズの移送を案内する第1案内部と、上記第2レンズが変倍の場合には移送され自動焦点調節の場合には光軸上において固定された位置を維持するよう上記第2レンズの移送を案内する第2案内部を具備し、その回転に伴い上記第1レンズ及び第2レンズを移送させる移送案内部材、及び上記移送案内部材を回転させ、変倍及び自動焦点調節の場合に上記第1レンズと第2レンズの移送に必要な駆動力を提供するアクチュエータ、を含み、変倍の場合には上記第1レンズ及び第2レンズが移送され変倍後に遂行される自動焦点調節の場合には上記第1レンズのみ微細移送されるようにし、一つの上記アクチュエータの駆動により変倍及び自動焦点調節が成されることを特徴とするレンズ移送装置を提供する。
【0015】
好ましくは、上記第1案内部は上記第1レンズが変倍の場合に2以上の予め設定された変倍比率に対応する各々の変倍位置に移送され自動焦点調節の場合上記各々の変倍位置から微細に移送されるよう上記第1レンズを案内し、上記第2案内部は上記第2レンズが変倍の場合に予め設定された各々の変倍位置に移送され自動焦点調節の場合に上記各々の変倍位置において固定された状態を維持するよう上記第2レンズを案内する。
【0016】
この際、上記第2案内部は変倍の場合各々の変倍位置に上記第2レンズの移送を案内する傾斜案内部と、自動焦点調節の場合に各々の変倍位置から上記第2レンズの移送を制限するよう上記移送案内部材の回転軸に垂直な面上に形成された移送制限案内部を具備することが可能である。
【0017】
本発明によるレンズ移送装置は上記第1レンズ及び第2レンズが光軸方向に移送されるよう上記第1レンズ及び第2レンズの移送を案内する光軸ガイド部、をさらに含むことが可能である。
【0018】
また、本発明によるレンズ移送装置は上記第1レンズが装着される第1レンズホルダー、及び上記第2レンズが装着される第2レンズホルダー、をさらに含むことが可能で、この際上記移送案内部材は上記第1レンズホルダー及び第2レンズホルダーの移送を案内する。
【0019】
他の側面として本発明は、レンズを移送させ変倍と自動焦点調節を遂行するレンズ移送装置において、変倍及び自動焦点調節の場合に移送される第1レンズ、変倍の場合に上記第1レンズと独立的に移送される第2レンズ、上記第1レンズが変倍の場合には予め設定された各々の変倍位置に移送され自動焦点調節の場合には各々の変倍位置から上記第2レンズに対して微細移送されるよう上記第1レンズの移送を案内する第1案内部と、上記第2レンズが変倍の場合には各々の変倍位置に移送され自動焦点調節の場合には各々の変倍位置において固定された位置を維持するよう上記第2レンズの移送を案内する第2案内部を具備し、その回転に伴い上記第1レンズ及び第2レンズを移送させる移送案内部材、及び上記移送案内部材を回転させ、変倍及び自動焦点調節の場合に上記第1レンズと第2レンズの移送に必要な駆動力を提供するアクチュエータ、を含み、変倍の場合には上記第1レンズ及び第2レンズが移送され変倍後に遂行される自動焦点調節の場合には上記第1レンズのみ微細移送されるようにし、一つの上記アクチュエータの駆動により変倍及び自動焦点調節が成されることを特徴とするレンズ移送装置を提供する。
【0020】
好ましくは、上記移送案内部材は上記アクチュエータの駆動により回転するレンズバーレルからなり、上記第1案内部及び第2案内部は上記レンズバーレルの外周面に貫通形成されたカム溝からなり、上記第1レンズ及び第2レンズは上記カム溝を沿って移送される。
【0021】
より好ましくは、上記第2案内部は変倍の場合に各々の変倍位置に上記第2レンズの移送を案内する傾斜案内部と、自動焦点調節の場合に各々の変倍位置において上記第2レンズの移送を制限するよう上記移送案内部材の回転軸に垂直な面上に形成された移送制限案内部を具備する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、一つのアクチュエータを通じ変倍と自動焦点調節が遂行可能になり各変倍比率において光学的特性が優秀になるという効果がある。また、一つのアクチュエータのみ具備するためレンズ移送装置の小型化、軽量化が可能で、その構造が単純で製造費用と電力消費が少ないという有利な効果を得ることが可能である。
【0023】
さらに、一つのレンズのみ相対運動させ焦点調節が成されるため自動焦点調節のための制御が簡単という効果を得ることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照し本発明の実施例をより詳細に説明する。
図3及び図4は本発明に伴うレンズ移送装置による変倍時レンズの位置を図示したグラフとして各々変倍比率が2倍、3倍の場合を図示する。
【0025】
図5a、図5b、図5c、図5d及び図5eは本発明によるレンズバーレルを具備するレンズ移送装置を図示した斜視図で、図6a、図6b、図6c及び図6dは本発明によるリードスクリューを具備するレンズ移送装置を図示する。
【0026】
図5aないし図5e及び図6aないし図6dに図示された通り、本発明によるレンズ移送装置500は変倍及び自動焦点調節の場合に移送される第1レンズML1と、変倍の場合に上記第1レンズML1と独立的に移送される第2レンズML2と、回転に伴い上記第1レンズML1と第2レンズML2を移送させる移送案内部材100、400と、上記移送案内部材100、400を回転させ、変倍及び自動焦点調節の場合に上記第1レンズML1と第2レンズML2の移送に必要な駆動力を提供するアクチュエータ200を含み、一つのアクチュエータ200の駆動により変倍及び自動焦点調節が成されることを特徴とする。すなわち、変倍の場合には上記第1レンズML1及び第2レンズML2が移送され、変倍後に遂行される自動焦点調節の場合には上記第2レンズML2は光軸上において固定された位置を維持し上記第1レンズML1のみ微細移送されるよう案内する移送案内部材100、400を具備することにより、一つのアクチュエータ200により変倍と自動焦点調節が全て遂行されることを特徴とする。
【0027】
ここで、上記第1レンズML1と第2レンズML2はズームレンズシステムに具備されるレンズ中変倍時移送されるレンズを意味し、アクチュエータ200の駆動及び移送案内部材100、400の回転に伴い相違な経路に移送される。すなわち、上記第2レンズML2は第1レンズML1の移送とは独立的に移送される。一方、本発明によるレンズ移送装置500が使用されるズームレンズシステムにおいては光学的特性を改善するため上記第1レンズML1及び/または第2レンズML2を複数枚数のレンズで構成することが可能で、変倍または自動焦点調節が遂行される間に固定された位置を維持する多数のレンズが具備されることもあり得る。
【0028】
上記移送案内部材100、400は図5aないし図5e及び図6aないし図6dに図示された通り、上記第1レンズML1と第2レンズML2の移送を各々案内するよう第1案内部110、410と第2案内部120、420を具備し、アクチュエータ200から伝達された駆動力により回転し第1レンズML1と第2レンズML2を移送させる。
【0029】
この際、上記第1案内部110、410は上記移送案内部材100、400の回転に伴い上記第1レンズML1が変倍の場合には定められた経路を沿って移送され自動焦点調節の場合には上記第2レンズML2に対し微細移送されるよう上記第1レンズML1の移送を案内する。
【0030】
また、上記第2案内部120、420は上記移送案内部材100、400の回転に伴い上記第2レンズML2が変倍の場合には定められた経路を沿って移送され自動焦点調節の場合には光軸上において固定された位置を維持するよう上記第2レンズML2の移送を案内する。
【0031】
このように第1レンズML1と第2レンズML2を案内するため、上記案内部110、120、410、420は図3または図4に図示された経路を沿って第1レンズML1と第2レンズML2を案内するよう形成される。
【0032】
すなわち、図3のように、上記第1レンズML1が変倍の場合P1位置かたP3位置に(またはその反対方向に)移送されるよう案内する第1案内部110、410が形成され、上記第2レンズML2がP4位置からP6位置に(またはその反対方向に)移送されるよう案内する第2案内部120、420が形成される。また、上記案内部は変倍のための移送が成された後に自動焦点調節のため、上記第2レンズML2が光軸上において固定された位置を維持するようP6aとP6bの間に位置し、上記第1レンズML1がP3aとP3bの間で微細に移送されながら自動焦点調節を遂行するよう案内する。
【0033】
すなわち、上記第2レンズML2は光軸上において一定な位置を維持するようにし、上記第1レンズML1は固定された第2レンズML2に対し微細に移送されながら自動焦点調節が遂行される。このように、一例として図3の経路を有するよう第1案内部110、410と第2案内部120、420を形成することにより、一つのアクチュエータだけで上記移送案内部材100、400を回転させ変倍と自動焦点調節の機能を全て遂行することが可能となる。
【0034】
このように上記第1レンズML1と第2レンズML2を図3または図4の経路に案内するためには、後述する通り、図5eの展開図のようにレンズバーレルの回転に伴い図3または図4の経路に対応する直線移送が成されるようレンズバーレルの周囲面にカム溝を形成することが可能で、図6cのようにリードスクリューの回転に伴い図3または図4の経路に対応する直線移送が成されるようねじ山を形成することも可能である。
【0035】
一方、第1レンズML1の微細移送はアクチュエータ200に駆動による移送案内部材100、400の回転量を減らすことにより具現されることが可能で、P1aとP1bの間またはP3aとP3bの間の傾斜を緩慢にすることにより具現されることが可能である。
【0036】
このような、レンズの移送経路は設計仕様により多様な方式に具現することが可能である。例えば、図3及び図4のレンズの移送経路はインナーズーム方式、リアズーム方式、フロントズーム方式など変倍のため移送されるレンズの位置により変更されることが可能で、予め設定された変倍比率及び変倍位置により変更可能である。また、レンズの屈折力によりレンズの移送経路は異なることが可能で、例えば、変倍時上記第1レンズと第2レンズの相対位置が減少する方向にレンズの移送が成されることも可能である。
【0037】
好ましくは、図3、図4、図5eのように上記第1案内部110、410と第2案内部120、420は上記第1レンズML1と第2レンズML2を2以上の予め設定された変倍比率に対応する変倍位置に移送されるようにすることが可能である。例えば、図3のように上記第1レンズML1と第2レンズML2を1倍と2倍の変倍比率を有する位置に移送させることも可能で、図4のように、1倍、2倍、3倍の変倍比率に対応する変倍位置に移送させることも可能である。予め設定された変倍比率はこれに限定されることではなく設計仕様によって変化され得る。例えば、変倍比率の間隔を稠密に構成すると、連続的な変倍とほぼ同一に変倍機能の遂行が可能である。
【0038】
この際、第1案内部110、410は上記第1レンズML1が変倍の場合には予め設定された変倍比率に対応する各々の変倍位置に移送され変倍が成された後遂行される自動焦点調節の場合には上記各々の変倍位置から微細に移送されるよう案内し、第2案内部120、420は上記第2レンズML2が変倍の場合には予め設定された各々の変倍位置に移送され自動焦点調節の場合に上記各々の変倍位置において固定された状態を維持するよう案内する。
【0039】
すなわち、図3のように、変倍の場合に第1案内部110、410は上記第1レンズML1を1倍の変倍位置P1から2倍の変倍位置P3に移送させ、第2案内部120、420は上記第2レンズML2を1倍の変倍位置P4から2倍の変倍位置P6に移送させる。また、自動焦点調節の場合には第1案内部110、410は上記第1レンズML1がP1aとP1bとの間及びP3aとP3bとの間で微細に移送されるようにし、この際第2案内部120、420は上記第2レンズML2が同一な光軸上の位置であるP4aとP4bとの間及びP6aとP6bとの間で固定された位置を維持するようにすることが可能である。
【0040】
また、図4のように、3種類の変倍比率に該当する位置において、第1レンズML1と第2レンズML2が移送されるよう構成することも可能である。すなわち、変倍の場合第1案内部110、410は上記第1レンズML1を1倍の変倍位置P1から2倍の変倍位置P2(またはその反対方向に)または2倍の変倍位置P2から3倍の変倍位置P3に(またはその反対方向に)移送させ、第2案内部120、420は上記第2レンズML2を1倍の変倍位置P4から2倍の変倍位置P5(またはその反対方向に)、2倍の変倍位置P5から3倍の変倍位置P6に(またはその反対方向に)または、1倍の変倍位置P4から3倍の変倍位置P6に(またはその反対方向に)移送させる。また、変倍が成された後遂行される自動焦点調節の場合には第1案内部110、410は上記第1レンズML1がP1aとP1bとの間、P2aとP2bとの間またはP3aとP3bとの間で微細に移送されるようにし、この際第2案内部120、420は上記第2レンズML2が同一な光軸上の位置であるP4aとP4bとの間、P5aとP5bとの間またはP6aとP6bとの間で固定された位置を維持するようにすることが可能である。
【0041】
このように、上記第1レンズML1と第2レンズML2を図3または図4の経路に案内するためには、上記案内部110、120、410、420を移送案内部材100、400の回転に伴い図3または図4の経路に対応するよう光軸上の直線移送が成されるようにすれば良い。
【0042】
このように、一つのアクチュエータ200による回動する移送案内部材100、400の回転に伴い、変倍と自動焦点調節の場合に第1レンズML1と第2レンズML2が相違な経路で移送されるようにすることにより一つのアクチュエータだけで変倍と自動焦点調節を全て遂行することが可能となる。
【0043】
これは移送案内部材100、400の第1案内部110、410と第2案内部120、420が第1レンズML1と第2レンズML2を図3及び図4と同じ経路で移送されるよう案内することにより具現することが可能である。
【0044】
特に、自動焦点調節の場合、上記移送案内部材100、400の回転にもかかわらず上記第2レンズML2が光軸上において固定された位置を維持するよう第2案内部120、420を形成することにより一つのアクチュエータによる変倍と自動焦点調節が可能となる。
【0045】
好ましくは、上記移送案内部材は図5aないし図5eのように上記アクチュエータ200の駆動により回転するレンズバーレル100からなることが可能である。
【0046】
この際、上記第1案内部110及び第2案内部120は上記レンズバーレルの外周面に貫通形成されたカム溝からなり、上記第1及び第2レンズML1、ML2は上記カム溝を沿って移送される。
【0047】
図5eは図5dに図示されたレンズバーレル100の展開図として、図3のレンズ経路と同じ形状のカム溝が形成されている。このように、第1案内部110と第2案内部120を図3及び図4のような形式で形成することにより一つのアクチュエータだけで変倍と自動焦点調節を同時に遂行することが可能となる。
【0048】
好ましくは、上記第2案内部120は図5eのように変倍の場合に各々の変倍位置に上記第2レンズML2の移送を案内する傾斜案内部122と、自動焦点調節が成される場合に上記第2レンズML2の移送を制限するよう各々の変倍位置において上記レンズバーレル100の回転軸に垂直な面上に形成された移送制限案内部121、123を具備することが可能である。このような傾斜案内部122は図3のP4bとP6aとの間の経路に該当し、移送制限案内部121、123は図3のP4aとP4bとの間またはP6aとP6bとの間の経路に該当し、前記の通りこのような案内部の形状は設計仕様によって多様に変更されることが可能である。
【0049】
また、上記第1案内部110は変倍の場合、各々の変倍位置に上記第1レンズML1の移送を案内する傾斜案内部112と、自動焦点調節が成される場合に上記第1レンズML1が微細に移送されるよう案内する微細案内部111、113を具備することが可能である。ここで、上記傾斜案内部112は図3のP1bとP3aの間の経路に該当し、微細案内部111、113は図3のP1aとP1bとの間またはP3aとP3bとの間の経路に該当し、前記の通りこのような案内部の形状は設計仕様によって多様に変更され得る。
【0050】
上記微細案内部111、113は自動焦点調節の場合に上記第2レンズML2が固定された状態で第1レンズML1の微細な移動を案内することとして、自動焦点調節の遂行は公知の自動焦点調節装置のような原理からなる。特に、このような微細移送のためには前記の通り、アクチュエータ200の駆動を微細に調節することも可能で、上記微細案内部111、113の傾斜を緩慢にすることも可能である。
【0051】
また、上記移送案内部材は図6aないし図6dのように上記アクチュエータ200の駆動により回転するリードスクリュー400からなることが可能で、この際、上記第1レンズML1及び第2レンズML2の移送を案内するよう2つのリードスクリュー400が具備される。この際、上記第1レンズML1及び第2レンズML2は上記リードスクリュー400の回転に伴いそのねじ山により案内され、第1案内部410と第2案内部420は各々のリードスクリューに対応する。
【0052】
一方、上記リードスクリュー400は図3または図4に図示されたレンズ位置の経路のような形態のねじ山を有することも可能であるが、ピッチが変わるねじ山の製作が難しいという点から、図6c及び図6dのように第2案内部420は予め定められた変倍位置のみに(両終端のみに)直線部421、423を有するよう加工することも可能である。この際、第1案内部410は同一ピッチのねじ山に形成するが両先端411、413においてリードスクリュー400の回転量を制御することにより図3のような経路を有するレンズ位置の具現が可能である。
【0053】
一方、上記2つのリードスクリュー400は図5aのように、上記アクチュエータ200の駆動により同時回転するよう同一軸上において上下に結合されることも可能であるが、図5bのように相違な軸を基準に回転するよう構成することも可能である。
【0054】
また、上記第1レンズML1及び第2レンズML2が上記リードスクリュー400の回転に伴い案内されるよう上記レンズホルダー330、340には公知された通りリードナットが具備されリードスクリュー410、420のねじ山と噛み合わせるよう構成することも可能であるが、図6a及び図6bに図示された通りねじ山の間に挟まれる突起部を具備するよう構成することも可能である。
【0055】
一方、上記第1レンズML1と第2レンズML2の移送のためには図5aないし図5c及び図6aと図6bに図示された通り上記第1レンズML1が装着された第1レンズホルダー330と上記第2レンズML2が装着された第2レンズホルダー340の突出部を各々上記第1案内部110、410と第2案内部120、420と接触するよう構成することも可能であるが、レンズ自体に突出部を形成し上記第1案内部110、410と第2案内部120、420と接触するよう構成することも可能である。
【0056】
上記アクチュエータ200は上記レンズ移送部材100、400を回転させ、変倍と自動焦点調節の場合全てに必要な駆動力を提供する。この際、上記アクチュエータ200は図5a、図6a、図6bに図示された通り、回転駆動力を提供する本体部210、駆動軸220及び上記駆動軸220に連結された回転部材230からなる。
【0057】
上記アクチュエータ200の回転部材230はギア等公知の回転力伝達手段が利用されることが可能で、レンズバーレル100またはリードスクリュー400の従動回転部材130に回転力を伝達しレンズの移送に必要な駆動力を提供することになる。
【0058】
また、上記アクチュエータ200はレンズ移送部材100、400に回転力を伝達することとして圧電駆動機、ステッピングモータ、超音波モータ等レンズの移送のため使用される公知のモータが利用され得る。
【0059】
好ましくは、本発明によるレンズ移送装置500は図5aないし図5e及び図6aないし図6dのように上記第1レンズML1及び第2レンズML2が光軸方向に移送されるよう上記第1レンズML1及び第2レンズML2の移送を案内する光軸ガイド部320をさらに含むことが可能である。
【0060】
上記光軸ガイド部320はイメージセンサー等が装着されたベースプレート310に固定される。
【0061】
この際、上記光軸ガイド部320は、図5aないし図5eのようにレンズホルダー330、340の突出部331、341を案内する溝321を具備する構造に形成されることが可能で、図6aないし図6dのようにレンズホルダー330、340のガイド溝331、341を案内するガイドピン321を具備する構造に形成されることも可能である。さらに、公知のレンズ移送装置に使用されるように、光軸方向に溝が形成され固定された円筒形状の固定鏡筒を使用することも可能であろう。
【0062】
上記のような構成を有する本発明の作用に対し図3及び図5aないし図5eを参照し説明する。
【0063】
まず、変倍を遂行するためアクチュエータ200が駆動されると駆動軸230に連結された移送案内部材100の従動回転部材130が回転することになり、これによって移送案内部材100が回転することになる。これにより、上記第1レンズML1と第2レンズML2は移送案内部材100に形成された第1案内部110の傾斜案内部112及び第2案内部120の傾斜案内部122により案内され各々図3のP1、P4位置からP3、P6位置に移送される。
【0064】
このように、変倍が遂行された場合、自動焦点調節のため再びアクチュエータ200が微細に駆動されると、移送案内部材100が正方向または逆方向に微細に回転することになる。これにより、上記第1レンズML1と第2レンズML2は第1案内部110の微細案内部113及び第2案内部120の移送制限案内部123により案内され各々図3のP3aとP3bとの間、P6aとP6bとの間で前後に微細に移送される。
【0065】
すなわち、上記第2レンズML2は光軸上同一な位置を維持するよう形成された移送制限案内部123により案内され移送案内部材100の回転にもかかわらず同一位置を維持する反面、上記第1レンズML1は微細案内部113により案内され微細に前後に移送され上記第2レンズML2との相対距離が変化される。このように、変倍遂行後に第1レンズML1のみを微細に移送させることにより一つのアクチュエータだけで変倍と自動焦点調節の遂行が可能となる。
【0066】
このような過程を通じ一つのアクチュエータ200だけで変倍と自動焦点調節が具現される。
【0067】
一方、図4のように、3つ以上の変倍比率を有する場合には変倍のため該当変倍位置までレンズが移送されるよう連続的にアクチュエータを駆動すれば良い。例えば、使用者の指示に従い1倍の変倍位置P1、P4から3倍の変倍位置P3、P6に第1レンズML1と第2レンズML2が移送されその位置において前記の通り自動焦点調節が成されるようにすることが可能である。
【実施例】
【0068】
以下、具体的な数値実施例を通じ本発明の作用に対し説明する。後述の数値実施例は本発明によるレンズ駆動装置が適用された一例に過ぎず、本発明は多様な形式のズームレンズシステムに適用されることが可能である。
【0069】
[数値実施例]
図7aは本発明の数値実施例によるズームレンズシステムの広角端におけるレンズ配置を示すレンズ構成図で、図7bは望遠端におけるレンズ配置を示すレンズ構成図である。
【0070】
図7のように、本実施例においてレンズ駆動装置に使用されるズームレンズシステムは物体側から順番に、陰の屈折力を有し固定された第1レンズ群LG1、陽の屈折力を有し広角端から望遠端への変倍時上記第1レンズ群LG1との間隔が減少するよう移送されつつ変倍を遂行する第2レンズ群LG2、陰の屈折力を有し上記第2レンズ群LG2の移送による変倍に伴い像面の位置を補正するよう移送される第3レンズ群LG3及び陽の屈折力を有し固定された第4レンズ群LG4を具備する。
【0071】
また、上記第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2との間に開口絞りSを具備し、上記第4レンズ群LG4の後方に像面に対応するイメージセンサーISが配置される。
【0072】
具体的に、第1レンズ群LG1は物体側に膨らんだ副メニスカスレンズ(Meniscus lens)である第1レンズL1と両面凹レンズの第2レンズL2からなり、第2レンズ群LG2は両面凸レンズの第3レンズL3と物体側に膨らんだ正メニスカスレンズである第4レンズL4からなり、第3レンズ群LG3は両面凹レンズの第5レンズL5のみで成され、第4レンズ群LG4は陽の屈折力を有する第6レンズL6のみで成される。
【0073】
本数値実施例の場合、広角端においてレンズシステム全体の有効焦点距離(effective focal length)(fW)は8.5mmで、望遠端においてレンズシステム全体の有効焦点距離(fT)は17.0mmで、第1レンズ群LG1の有効焦点距離(fI)は−7.45mmで、第2レンズ群LG2の有効焦点距離(fII)は3.36mmで、第3レンズ群LG3の有効焦点距離(fIII)は−1.79mmで、第4レンズ群LG4の有効焦点距離(fIV)は8.66mmである。
【0074】
また、Fナンバー(FNo)は広角端において2.8、望遠端において4.3であり、レンズの全画角(2ω)は広角端において62°、望遠端において34°であり、第1レンズ群LG1の一番目レンズL1から像面までの距離(total length)(TL)は25.0mmである。
【0075】
下記の表1は本数値実施例のレンズ構成を示したこととして、物体距離が777mmの状態で焦点調節された場合を示す。
【0076】
【表1】
【0077】
表1において※は変倍時面間間隔が変わる屈折面を示し、物体距離が各々777mmの状態で焦点調節された場合、広角端と望遠端における面間間隔は次の表2の通りである。
【0078】
【表2】
【0079】
また、表1において*は非球面を示し、非球面は公知の数学式1から得られる。この際、円錐(Conic)定数(K)及び非球面係数(A、B、C、D)に使用される'E及びこれに引き続く数字'は10の累乗を示す。例えば、E+12は1012を、E−04は10−04を示す。
【0080】
【数1】
Z:レンズの頂点から光軸方向への距離
Y:光軸に垂直な方向への距離
r:レンズの頂点における曲率半径
K:円錐(Conic)定数
A、B、C、D:非球面係数
【0081】
式1による円錐定数(K)及び非球面係数(A、B、C、D)の値は次の表3の通りである。
【0082】
【表3】
【0083】
図8ないし図9は図7に図示されたレンズシステムにおいて物体距離が777mmの状態で焦点調節された場合の収差度を示すこととして、図8aないし図8cは広角端における球面収差、非点収差、歪曲収差を示し、図9aないし図9cは望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。この際、非点収差度面で示される"S"はサジタル(sagittal)、"T"はタンジェンシャル(tangential)を示す。
【0084】
一般的に、変倍が遂行される場合には予め定められた一定な物体距離に対し焦点が設定されており、本実施例は変倍された位置において物体距離が777mmの状態で焦点調節されている場合を図示する。
【0085】
このように、物体が予め設定された位置にある場合には図8及び図9に図示された通り諸収差特性が良好であることを確認することが可能である。
【0086】
しかし、変倍が遂行された場合に物体が予め定められた位置にあることではないため、万が一400mmの位置に物体がある場合には焦点が合わなくなる。しかし、本発明は変倍が遂行された後自動焦点調節を遂行することになり、このような変倍及び自動焦点調節を一つのアクチュエータとして具現することに特徴がある。
【0087】
例えば、図7のレンズシステムにおいて物体距離が400mmの状態で焦点調節が成される場合には、表2の物体距離が777mmの状態で焦点調節が成される場合に対比し第10面10と第11面11との距離は次の表4のように変わる。
【0088】
【表4】
【0089】
図10ないし図12は図7に図示されたレンズシステムにおいて物体距離が400mmの状態で焦点調節された場合の収差度及びMTF鮮度を示したこととして、図10aないし図10cは広角端における球面収差、非点収差、歪曲収差を示し、図11aないし図11cは望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。また、図12a及び図12bは各々広角端と望遠端におけるMTF特性を示すグラフである。
【0090】
ここで、MTF(Modulation Transfer Function)はミリメートル当りサイクルの空間周波数に依存し、光の最大強度(Max)と最小強度(Min)の間で次の数学式2により定義される値である。
【0091】
【数2】
【0092】
すなわち、MTFが1の場合最も理想的でMTF値が減少するほど解像度が落ちる。
このように、本発明によると変倍後に自動焦点調節が成されるため諸収差及びMTF特性が優秀な光学系を具現することが可能という利点があり、このため一つのアクチュエータのみ使用することになるため小型化が可能という利点を得ることが可能である。
【0093】
[比較例]
万が一、図7に図示されたレンズシステムにおいて物体距離に対応し焦点調節が成されない場合には後述する通り収差とMTF特性が大きく悪化される。
【0094】
図13ないし図15は図7に図示されたレンズシステムにおいて物体距離が777mmの状態に焦点調節された状態で物体の距離を400mmに変化させた場合の収差度及びMTF曲線を示すこととして、図13aないし図13cは広角端における球面収差、非点収差、歪曲収差を示し、図14aないし図14cは望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。また、図15a及び図15bは各々広角端と望遠端におけるMTF曲線を図示する。
【0095】
表4のように、広角端と望遠端においてレンズを微細に駆動し物体距離に対応する焦点調節が成された場合には図8ないし図12に図示された通り、諸収差特性が良好で、MTF特性が優秀なズームレンズシステムを得ることが可能である。
【0096】
しかし、物体距離に対応し微細な焦点調節をせず単純にズーム機能のみを遂行する場合には、図13及び図14に図示された通り収差特性が大きく悪化され、特に図15に図示された通りMTF特性が大きく低下されることを確認することが可能である。
【0097】
従って、本発明によるレンズ駆動装置を利用しズーム機能及び自動焦点調節機能を遂行した場合には光学的特性が優秀なズームレンズシステムを具現することが可能となり、これを一つのアクチュエータを通じ具現することにより小型化、軽量化が可能という利点がある。
【0098】
本発明は特定の実施例に関して図示し説明しているが、当業界において通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域を外れない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることが可能であるを明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】従来のレンズ移送装置による変倍時変倍比率が2の場合レンズの位置を図示したこととして、(a)はレンズの位置関係を図示したレンズ構成図で、(b)は変倍比率によるレンズの位置を図示したグラフである。
【図2】従来のレンズ移送装置による変倍時変倍比率が3の場合レンズの位置を図示したこととして、(a)はレンズの位置関係を図示したレンズ構成図で、(b)は変倍比率によるレンズの位置を図示したグラフである。
【図3】本発明に伴うレンズ移送装置による変倍時レンズの位置を図示したグラフとして変倍比率が2倍の場合を図示する。
【図4】本発明に伴うレンズ移送装置による変倍時レンズの位置を図示したグラフとして変倍比率が3倍の場合を図示する。
【図5a】本発明によるレンズバーレルを具備するレンズ移送装置の全体斜視図である。
【図5b】本発明によるレンズバーレルを具備するレンズ移送装置のバーレルホルダーが装着されたレンズバーレルの斜視図である。
【図5c】本発明によるレンズバーレルを具備するレンズ移送装置のバーレルホルダーと光軸ガイド部が連結された状態を図示する斜視図である。
【図5d】本発明によるレンズバーレルを具備するレンズ移送装置のレンズバーレルの斜視図である。
【図5e】本発明によるレンズバーレルを具備するレンズ移送装置の図4dのレンズバーレルの展開図である。
【図6a】本発明によるリードスクリューを具備するレンズ移送装置の2つのリードスクリューが連結された場合の全体斜視図である。
【図6b】本発明によるリードスクリューを具備するレンズ移送装置の2つのリードスクリューが分離された場合の全体斜視図である。
【図6c】本発明によるリードスクリューを具備するレンズ移送装置の2つのリードスクリューが連結された場合の正面図である。
【図6d】本発明によるリードスクリューを具備するレンズ移送装置の2つのリードスクリューが分離された場合の正面図である。
【図7】本発明によるレンズ移送装置が適用されたズームレンズシステムのレンズ構成図を図示したこととして、(a)は広角端におけるレンズ構成図で、(b)は望遠端におけるレンズ構成図である。
【図8】図7のズームレンズシステムにおいて物体距離が777mmの時、焦点調節された場合の広角端における収差度を示すこととして、各々球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。
【図9】図7のズームレンズシステムにおいて物体距離が777mmの時、焦点調節された場合の望遠端における収差度を示すこととして、各々球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。
【図10】図7のズームレンズシステムにおいて物体距離が400mmの時、焦点調節された場合の広角端における収差度を示すこととして、各々球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。
【図11】図7のズームレンズシステムにおいて物体距離が400mmの時、焦点調節された場合の望遠端における収差度を示すこととして、各々球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。
【図12】図7のズームレンズシステムにおいて物体距離が400mmの時、焦点調節された場合のMTF特性を図示したこととして、各々広角端と望遠端におけるMTF鮮度を図示する。
【図13】図7のズームレンズシステムにおいて物体距離が777mmの状態に焦点調節された状態で物体の距離を400mmに変化させた場合の広角端における収差度を示すこととして、各々球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。
【図14】図7のズームレンズシステムにおいて物体距離が777mmの状態に焦点調節された状態で物体の距離を400mmに変化させた場合の望遠端における収差度を示すこととして、各々球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。
【図15】図7のズームレンズシステムにおいて物体距離が777mmの状態に焦点調節された状態で物体の距離を400mmに変化させた場合のMTF特性を図示したこととして、各々広角端と望遠端におけるMTF鮮度を図示する。
【符号の説明】
【0100】
ML1 第1レンズ ML2 第2レンズ
100 レンズバーレル 110、410 第1案内部
120、420 第2案内部 200 アクチュエータ
310 ベースプレート 320 光軸ガイド部
330 第1レンズホルダー 340 第2レンズホルダー
400 リードスクリュー 500 レンズ移送装置
【技術分野】
【0001】
本発明はカメラモジュールのレンズ移送装置に関することとして、より詳細には一つのアクチュエータを利用し変倍と自動焦点調節を遂行することが可能なレンズ移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ、キャムコーダー、コンパクトズームカメラ、監視カメラ、マイクロ飛行体など様々な光学機器には光学的ズーム(zoom)(以下、'変倍'とする)機能を遂行するためレンズが移送される構造を有する。
【0003】
このような変倍機能を遂行するためレンズを移送させる多様な構造が開発されつつあり、主としてカム構造駆動方式が利用されている。このような、カム構造駆動方式は電子機モータ等のアクチュエータにより回動するレンズバーレルを具備し、上記レンズバーレルの外周面に位置するカム形状の溝を沿って各レンズが移送されレンズの相対距離が変化されるに連れ変倍が遂行される方式である。
【0004】
また、移動通信端末機やPDA等のように小型のカメラモジュールに適用するため予め定められた変倍比率に対してのみ変倍が成されるようにする方式が使用されることもある。
【0005】
図1と図2はレンズが予め定められた位置に位置するようにし変倍を遂行する方式を図示する。
【0006】
図1a及び図2aに図示された通り変倍を遂行するためには一般的に2つのレンズML1、ML2の相対位置を変化させ、光学的性能を高めるため追加で固定されたレンズFL1、FL2を具備することもある。
【0007】
この際、変倍を遂行するためには移送レンズML1、ML2は最初位置P1、P4から一定な変倍比率における変倍位置に移送される。例えば、図1bのように2倍の変倍比率を有する変倍位置P3、P6に移送されるか、図2bのように2倍の変倍比率を有する変倍位置P2、P5、3倍の変倍比率を有する変倍位置P3、P6に移送される。このようなレンズの移送のため一般的にレンズバーレルの周囲面に図1b及び図2bに図示された形状のカム溝を設置することになり、上記レンズバーレルの回転に伴いレンズが上記カム溝を沿って移送される。
【0008】
このように、定められた変倍比率に該当する変倍位置に移送レンズML1、ML2を移送することにより、移送レンズML1、ML2の相対距離が変化され変倍が成されるようになる。
【0009】
しかし、このように変倍のみを遂行する場合には物体の焦点距離を調節することが不可能なため光学的特性が低下され、高解像度、高画質などを具現することが不可能になる問題がある。
【0010】
このような問題を解決するため、変倍と自動焦点調節(auto focusing)の機能が全て要求されるが、変倍と自動焦点調節の機能を全て遂行するためには必然的に多くの機械装置と制御回路を随伴するようになりその構造が複雑になる。
【0011】
特に、光学的変倍と自動焦点調節機能を実現するためには2つの駆動機を使用すべきであるため、体積及び重量が大きくなり消費電力が多くなるため移動通信端末機やPDA等のようなカメラモジュールには適用し難い問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上記のような問題を解決するためのこととして、一つのアクチュエータを通じ変倍と自動焦点調節を遂行することが可能なレンズ移送装置を提供することを目的とする。
【0013】
また、小型化、軽量化が可能で構造が単純であり、製造費用と電力消費が少ないレンズ移送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記のような目的を達成するための一側面として本発明は、レンズを移送させ変倍と自動焦点調節を遂行するレンズ移送装置において、変倍及び自動焦点調節の場合に移送される第1レンズ、変倍の場合に上記第1レンズと独立的に移送される第2レンズ、上記第1レンズが変倍の場合には移送され自動焦点調節の場合には変倍位置から上記第2レンズに対して微細移送されるよう上記第1レンズの移送を案内する第1案内部と、上記第2レンズが変倍の場合には移送され自動焦点調節の場合には光軸上において固定された位置を維持するよう上記第2レンズの移送を案内する第2案内部を具備し、その回転に伴い上記第1レンズ及び第2レンズを移送させる移送案内部材、及び上記移送案内部材を回転させ、変倍及び自動焦点調節の場合に上記第1レンズと第2レンズの移送に必要な駆動力を提供するアクチュエータ、を含み、変倍の場合には上記第1レンズ及び第2レンズが移送され変倍後に遂行される自動焦点調節の場合には上記第1レンズのみ微細移送されるようにし、一つの上記アクチュエータの駆動により変倍及び自動焦点調節が成されることを特徴とするレンズ移送装置を提供する。
【0015】
好ましくは、上記第1案内部は上記第1レンズが変倍の場合に2以上の予め設定された変倍比率に対応する各々の変倍位置に移送され自動焦点調節の場合上記各々の変倍位置から微細に移送されるよう上記第1レンズを案内し、上記第2案内部は上記第2レンズが変倍の場合に予め設定された各々の変倍位置に移送され自動焦点調節の場合に上記各々の変倍位置において固定された状態を維持するよう上記第2レンズを案内する。
【0016】
この際、上記第2案内部は変倍の場合各々の変倍位置に上記第2レンズの移送を案内する傾斜案内部と、自動焦点調節の場合に各々の変倍位置から上記第2レンズの移送を制限するよう上記移送案内部材の回転軸に垂直な面上に形成された移送制限案内部を具備することが可能である。
【0017】
本発明によるレンズ移送装置は上記第1レンズ及び第2レンズが光軸方向に移送されるよう上記第1レンズ及び第2レンズの移送を案内する光軸ガイド部、をさらに含むことが可能である。
【0018】
また、本発明によるレンズ移送装置は上記第1レンズが装着される第1レンズホルダー、及び上記第2レンズが装着される第2レンズホルダー、をさらに含むことが可能で、この際上記移送案内部材は上記第1レンズホルダー及び第2レンズホルダーの移送を案内する。
【0019】
他の側面として本発明は、レンズを移送させ変倍と自動焦点調節を遂行するレンズ移送装置において、変倍及び自動焦点調節の場合に移送される第1レンズ、変倍の場合に上記第1レンズと独立的に移送される第2レンズ、上記第1レンズが変倍の場合には予め設定された各々の変倍位置に移送され自動焦点調節の場合には各々の変倍位置から上記第2レンズに対して微細移送されるよう上記第1レンズの移送を案内する第1案内部と、上記第2レンズが変倍の場合には各々の変倍位置に移送され自動焦点調節の場合には各々の変倍位置において固定された位置を維持するよう上記第2レンズの移送を案内する第2案内部を具備し、その回転に伴い上記第1レンズ及び第2レンズを移送させる移送案内部材、及び上記移送案内部材を回転させ、変倍及び自動焦点調節の場合に上記第1レンズと第2レンズの移送に必要な駆動力を提供するアクチュエータ、を含み、変倍の場合には上記第1レンズ及び第2レンズが移送され変倍後に遂行される自動焦点調節の場合には上記第1レンズのみ微細移送されるようにし、一つの上記アクチュエータの駆動により変倍及び自動焦点調節が成されることを特徴とするレンズ移送装置を提供する。
【0020】
好ましくは、上記移送案内部材は上記アクチュエータの駆動により回転するレンズバーレルからなり、上記第1案内部及び第2案内部は上記レンズバーレルの外周面に貫通形成されたカム溝からなり、上記第1レンズ及び第2レンズは上記カム溝を沿って移送される。
【0021】
より好ましくは、上記第2案内部は変倍の場合に各々の変倍位置に上記第2レンズの移送を案内する傾斜案内部と、自動焦点調節の場合に各々の変倍位置において上記第2レンズの移送を制限するよう上記移送案内部材の回転軸に垂直な面上に形成された移送制限案内部を具備する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、一つのアクチュエータを通じ変倍と自動焦点調節が遂行可能になり各変倍比率において光学的特性が優秀になるという効果がある。また、一つのアクチュエータのみ具備するためレンズ移送装置の小型化、軽量化が可能で、その構造が単純で製造費用と電力消費が少ないという有利な効果を得ることが可能である。
【0023】
さらに、一つのレンズのみ相対運動させ焦点調節が成されるため自動焦点調節のための制御が簡単という効果を得ることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照し本発明の実施例をより詳細に説明する。
図3及び図4は本発明に伴うレンズ移送装置による変倍時レンズの位置を図示したグラフとして各々変倍比率が2倍、3倍の場合を図示する。
【0025】
図5a、図5b、図5c、図5d及び図5eは本発明によるレンズバーレルを具備するレンズ移送装置を図示した斜視図で、図6a、図6b、図6c及び図6dは本発明によるリードスクリューを具備するレンズ移送装置を図示する。
【0026】
図5aないし図5e及び図6aないし図6dに図示された通り、本発明によるレンズ移送装置500は変倍及び自動焦点調節の場合に移送される第1レンズML1と、変倍の場合に上記第1レンズML1と独立的に移送される第2レンズML2と、回転に伴い上記第1レンズML1と第2レンズML2を移送させる移送案内部材100、400と、上記移送案内部材100、400を回転させ、変倍及び自動焦点調節の場合に上記第1レンズML1と第2レンズML2の移送に必要な駆動力を提供するアクチュエータ200を含み、一つのアクチュエータ200の駆動により変倍及び自動焦点調節が成されることを特徴とする。すなわち、変倍の場合には上記第1レンズML1及び第2レンズML2が移送され、変倍後に遂行される自動焦点調節の場合には上記第2レンズML2は光軸上において固定された位置を維持し上記第1レンズML1のみ微細移送されるよう案内する移送案内部材100、400を具備することにより、一つのアクチュエータ200により変倍と自動焦点調節が全て遂行されることを特徴とする。
【0027】
ここで、上記第1レンズML1と第2レンズML2はズームレンズシステムに具備されるレンズ中変倍時移送されるレンズを意味し、アクチュエータ200の駆動及び移送案内部材100、400の回転に伴い相違な経路に移送される。すなわち、上記第2レンズML2は第1レンズML1の移送とは独立的に移送される。一方、本発明によるレンズ移送装置500が使用されるズームレンズシステムにおいては光学的特性を改善するため上記第1レンズML1及び/または第2レンズML2を複数枚数のレンズで構成することが可能で、変倍または自動焦点調節が遂行される間に固定された位置を維持する多数のレンズが具備されることもあり得る。
【0028】
上記移送案内部材100、400は図5aないし図5e及び図6aないし図6dに図示された通り、上記第1レンズML1と第2レンズML2の移送を各々案内するよう第1案内部110、410と第2案内部120、420を具備し、アクチュエータ200から伝達された駆動力により回転し第1レンズML1と第2レンズML2を移送させる。
【0029】
この際、上記第1案内部110、410は上記移送案内部材100、400の回転に伴い上記第1レンズML1が変倍の場合には定められた経路を沿って移送され自動焦点調節の場合には上記第2レンズML2に対し微細移送されるよう上記第1レンズML1の移送を案内する。
【0030】
また、上記第2案内部120、420は上記移送案内部材100、400の回転に伴い上記第2レンズML2が変倍の場合には定められた経路を沿って移送され自動焦点調節の場合には光軸上において固定された位置を維持するよう上記第2レンズML2の移送を案内する。
【0031】
このように第1レンズML1と第2レンズML2を案内するため、上記案内部110、120、410、420は図3または図4に図示された経路を沿って第1レンズML1と第2レンズML2を案内するよう形成される。
【0032】
すなわち、図3のように、上記第1レンズML1が変倍の場合P1位置かたP3位置に(またはその反対方向に)移送されるよう案内する第1案内部110、410が形成され、上記第2レンズML2がP4位置からP6位置に(またはその反対方向に)移送されるよう案内する第2案内部120、420が形成される。また、上記案内部は変倍のための移送が成された後に自動焦点調節のため、上記第2レンズML2が光軸上において固定された位置を維持するようP6aとP6bの間に位置し、上記第1レンズML1がP3aとP3bの間で微細に移送されながら自動焦点調節を遂行するよう案内する。
【0033】
すなわち、上記第2レンズML2は光軸上において一定な位置を維持するようにし、上記第1レンズML1は固定された第2レンズML2に対し微細に移送されながら自動焦点調節が遂行される。このように、一例として図3の経路を有するよう第1案内部110、410と第2案内部120、420を形成することにより、一つのアクチュエータだけで上記移送案内部材100、400を回転させ変倍と自動焦点調節の機能を全て遂行することが可能となる。
【0034】
このように上記第1レンズML1と第2レンズML2を図3または図4の経路に案内するためには、後述する通り、図5eの展開図のようにレンズバーレルの回転に伴い図3または図4の経路に対応する直線移送が成されるようレンズバーレルの周囲面にカム溝を形成することが可能で、図6cのようにリードスクリューの回転に伴い図3または図4の経路に対応する直線移送が成されるようねじ山を形成することも可能である。
【0035】
一方、第1レンズML1の微細移送はアクチュエータ200に駆動による移送案内部材100、400の回転量を減らすことにより具現されることが可能で、P1aとP1bの間またはP3aとP3bの間の傾斜を緩慢にすることにより具現されることが可能である。
【0036】
このような、レンズの移送経路は設計仕様により多様な方式に具現することが可能である。例えば、図3及び図4のレンズの移送経路はインナーズーム方式、リアズーム方式、フロントズーム方式など変倍のため移送されるレンズの位置により変更されることが可能で、予め設定された変倍比率及び変倍位置により変更可能である。また、レンズの屈折力によりレンズの移送経路は異なることが可能で、例えば、変倍時上記第1レンズと第2レンズの相対位置が減少する方向にレンズの移送が成されることも可能である。
【0037】
好ましくは、図3、図4、図5eのように上記第1案内部110、410と第2案内部120、420は上記第1レンズML1と第2レンズML2を2以上の予め設定された変倍比率に対応する変倍位置に移送されるようにすることが可能である。例えば、図3のように上記第1レンズML1と第2レンズML2を1倍と2倍の変倍比率を有する位置に移送させることも可能で、図4のように、1倍、2倍、3倍の変倍比率に対応する変倍位置に移送させることも可能である。予め設定された変倍比率はこれに限定されることではなく設計仕様によって変化され得る。例えば、変倍比率の間隔を稠密に構成すると、連続的な変倍とほぼ同一に変倍機能の遂行が可能である。
【0038】
この際、第1案内部110、410は上記第1レンズML1が変倍の場合には予め設定された変倍比率に対応する各々の変倍位置に移送され変倍が成された後遂行される自動焦点調節の場合には上記各々の変倍位置から微細に移送されるよう案内し、第2案内部120、420は上記第2レンズML2が変倍の場合には予め設定された各々の変倍位置に移送され自動焦点調節の場合に上記各々の変倍位置において固定された状態を維持するよう案内する。
【0039】
すなわち、図3のように、変倍の場合に第1案内部110、410は上記第1レンズML1を1倍の変倍位置P1から2倍の変倍位置P3に移送させ、第2案内部120、420は上記第2レンズML2を1倍の変倍位置P4から2倍の変倍位置P6に移送させる。また、自動焦点調節の場合には第1案内部110、410は上記第1レンズML1がP1aとP1bとの間及びP3aとP3bとの間で微細に移送されるようにし、この際第2案内部120、420は上記第2レンズML2が同一な光軸上の位置であるP4aとP4bとの間及びP6aとP6bとの間で固定された位置を維持するようにすることが可能である。
【0040】
また、図4のように、3種類の変倍比率に該当する位置において、第1レンズML1と第2レンズML2が移送されるよう構成することも可能である。すなわち、変倍の場合第1案内部110、410は上記第1レンズML1を1倍の変倍位置P1から2倍の変倍位置P2(またはその反対方向に)または2倍の変倍位置P2から3倍の変倍位置P3に(またはその反対方向に)移送させ、第2案内部120、420は上記第2レンズML2を1倍の変倍位置P4から2倍の変倍位置P5(またはその反対方向に)、2倍の変倍位置P5から3倍の変倍位置P6に(またはその反対方向に)または、1倍の変倍位置P4から3倍の変倍位置P6に(またはその反対方向に)移送させる。また、変倍が成された後遂行される自動焦点調節の場合には第1案内部110、410は上記第1レンズML1がP1aとP1bとの間、P2aとP2bとの間またはP3aとP3bとの間で微細に移送されるようにし、この際第2案内部120、420は上記第2レンズML2が同一な光軸上の位置であるP4aとP4bとの間、P5aとP5bとの間またはP6aとP6bとの間で固定された位置を維持するようにすることが可能である。
【0041】
このように、上記第1レンズML1と第2レンズML2を図3または図4の経路に案内するためには、上記案内部110、120、410、420を移送案内部材100、400の回転に伴い図3または図4の経路に対応するよう光軸上の直線移送が成されるようにすれば良い。
【0042】
このように、一つのアクチュエータ200による回動する移送案内部材100、400の回転に伴い、変倍と自動焦点調節の場合に第1レンズML1と第2レンズML2が相違な経路で移送されるようにすることにより一つのアクチュエータだけで変倍と自動焦点調節を全て遂行することが可能となる。
【0043】
これは移送案内部材100、400の第1案内部110、410と第2案内部120、420が第1レンズML1と第2レンズML2を図3及び図4と同じ経路で移送されるよう案内することにより具現することが可能である。
【0044】
特に、自動焦点調節の場合、上記移送案内部材100、400の回転にもかかわらず上記第2レンズML2が光軸上において固定された位置を維持するよう第2案内部120、420を形成することにより一つのアクチュエータによる変倍と自動焦点調節が可能となる。
【0045】
好ましくは、上記移送案内部材は図5aないし図5eのように上記アクチュエータ200の駆動により回転するレンズバーレル100からなることが可能である。
【0046】
この際、上記第1案内部110及び第2案内部120は上記レンズバーレルの外周面に貫通形成されたカム溝からなり、上記第1及び第2レンズML1、ML2は上記カム溝を沿って移送される。
【0047】
図5eは図5dに図示されたレンズバーレル100の展開図として、図3のレンズ経路と同じ形状のカム溝が形成されている。このように、第1案内部110と第2案内部120を図3及び図4のような形式で形成することにより一つのアクチュエータだけで変倍と自動焦点調節を同時に遂行することが可能となる。
【0048】
好ましくは、上記第2案内部120は図5eのように変倍の場合に各々の変倍位置に上記第2レンズML2の移送を案内する傾斜案内部122と、自動焦点調節が成される場合に上記第2レンズML2の移送を制限するよう各々の変倍位置において上記レンズバーレル100の回転軸に垂直な面上に形成された移送制限案内部121、123を具備することが可能である。このような傾斜案内部122は図3のP4bとP6aとの間の経路に該当し、移送制限案内部121、123は図3のP4aとP4bとの間またはP6aとP6bとの間の経路に該当し、前記の通りこのような案内部の形状は設計仕様によって多様に変更されることが可能である。
【0049】
また、上記第1案内部110は変倍の場合、各々の変倍位置に上記第1レンズML1の移送を案内する傾斜案内部112と、自動焦点調節が成される場合に上記第1レンズML1が微細に移送されるよう案内する微細案内部111、113を具備することが可能である。ここで、上記傾斜案内部112は図3のP1bとP3aの間の経路に該当し、微細案内部111、113は図3のP1aとP1bとの間またはP3aとP3bとの間の経路に該当し、前記の通りこのような案内部の形状は設計仕様によって多様に変更され得る。
【0050】
上記微細案内部111、113は自動焦点調節の場合に上記第2レンズML2が固定された状態で第1レンズML1の微細な移動を案内することとして、自動焦点調節の遂行は公知の自動焦点調節装置のような原理からなる。特に、このような微細移送のためには前記の通り、アクチュエータ200の駆動を微細に調節することも可能で、上記微細案内部111、113の傾斜を緩慢にすることも可能である。
【0051】
また、上記移送案内部材は図6aないし図6dのように上記アクチュエータ200の駆動により回転するリードスクリュー400からなることが可能で、この際、上記第1レンズML1及び第2レンズML2の移送を案内するよう2つのリードスクリュー400が具備される。この際、上記第1レンズML1及び第2レンズML2は上記リードスクリュー400の回転に伴いそのねじ山により案内され、第1案内部410と第2案内部420は各々のリードスクリューに対応する。
【0052】
一方、上記リードスクリュー400は図3または図4に図示されたレンズ位置の経路のような形態のねじ山を有することも可能であるが、ピッチが変わるねじ山の製作が難しいという点から、図6c及び図6dのように第2案内部420は予め定められた変倍位置のみに(両終端のみに)直線部421、423を有するよう加工することも可能である。この際、第1案内部410は同一ピッチのねじ山に形成するが両先端411、413においてリードスクリュー400の回転量を制御することにより図3のような経路を有するレンズ位置の具現が可能である。
【0053】
一方、上記2つのリードスクリュー400は図5aのように、上記アクチュエータ200の駆動により同時回転するよう同一軸上において上下に結合されることも可能であるが、図5bのように相違な軸を基準に回転するよう構成することも可能である。
【0054】
また、上記第1レンズML1及び第2レンズML2が上記リードスクリュー400の回転に伴い案内されるよう上記レンズホルダー330、340には公知された通りリードナットが具備されリードスクリュー410、420のねじ山と噛み合わせるよう構成することも可能であるが、図6a及び図6bに図示された通りねじ山の間に挟まれる突起部を具備するよう構成することも可能である。
【0055】
一方、上記第1レンズML1と第2レンズML2の移送のためには図5aないし図5c及び図6aと図6bに図示された通り上記第1レンズML1が装着された第1レンズホルダー330と上記第2レンズML2が装着された第2レンズホルダー340の突出部を各々上記第1案内部110、410と第2案内部120、420と接触するよう構成することも可能であるが、レンズ自体に突出部を形成し上記第1案内部110、410と第2案内部120、420と接触するよう構成することも可能である。
【0056】
上記アクチュエータ200は上記レンズ移送部材100、400を回転させ、変倍と自動焦点調節の場合全てに必要な駆動力を提供する。この際、上記アクチュエータ200は図5a、図6a、図6bに図示された通り、回転駆動力を提供する本体部210、駆動軸220及び上記駆動軸220に連結された回転部材230からなる。
【0057】
上記アクチュエータ200の回転部材230はギア等公知の回転力伝達手段が利用されることが可能で、レンズバーレル100またはリードスクリュー400の従動回転部材130に回転力を伝達しレンズの移送に必要な駆動力を提供することになる。
【0058】
また、上記アクチュエータ200はレンズ移送部材100、400に回転力を伝達することとして圧電駆動機、ステッピングモータ、超音波モータ等レンズの移送のため使用される公知のモータが利用され得る。
【0059】
好ましくは、本発明によるレンズ移送装置500は図5aないし図5e及び図6aないし図6dのように上記第1レンズML1及び第2レンズML2が光軸方向に移送されるよう上記第1レンズML1及び第2レンズML2の移送を案内する光軸ガイド部320をさらに含むことが可能である。
【0060】
上記光軸ガイド部320はイメージセンサー等が装着されたベースプレート310に固定される。
【0061】
この際、上記光軸ガイド部320は、図5aないし図5eのようにレンズホルダー330、340の突出部331、341を案内する溝321を具備する構造に形成されることが可能で、図6aないし図6dのようにレンズホルダー330、340のガイド溝331、341を案内するガイドピン321を具備する構造に形成されることも可能である。さらに、公知のレンズ移送装置に使用されるように、光軸方向に溝が形成され固定された円筒形状の固定鏡筒を使用することも可能であろう。
【0062】
上記のような構成を有する本発明の作用に対し図3及び図5aないし図5eを参照し説明する。
【0063】
まず、変倍を遂行するためアクチュエータ200が駆動されると駆動軸230に連結された移送案内部材100の従動回転部材130が回転することになり、これによって移送案内部材100が回転することになる。これにより、上記第1レンズML1と第2レンズML2は移送案内部材100に形成された第1案内部110の傾斜案内部112及び第2案内部120の傾斜案内部122により案内され各々図3のP1、P4位置からP3、P6位置に移送される。
【0064】
このように、変倍が遂行された場合、自動焦点調節のため再びアクチュエータ200が微細に駆動されると、移送案内部材100が正方向または逆方向に微細に回転することになる。これにより、上記第1レンズML1と第2レンズML2は第1案内部110の微細案内部113及び第2案内部120の移送制限案内部123により案内され各々図3のP3aとP3bとの間、P6aとP6bとの間で前後に微細に移送される。
【0065】
すなわち、上記第2レンズML2は光軸上同一な位置を維持するよう形成された移送制限案内部123により案内され移送案内部材100の回転にもかかわらず同一位置を維持する反面、上記第1レンズML1は微細案内部113により案内され微細に前後に移送され上記第2レンズML2との相対距離が変化される。このように、変倍遂行後に第1レンズML1のみを微細に移送させることにより一つのアクチュエータだけで変倍と自動焦点調節の遂行が可能となる。
【0066】
このような過程を通じ一つのアクチュエータ200だけで変倍と自動焦点調節が具現される。
【0067】
一方、図4のように、3つ以上の変倍比率を有する場合には変倍のため該当変倍位置までレンズが移送されるよう連続的にアクチュエータを駆動すれば良い。例えば、使用者の指示に従い1倍の変倍位置P1、P4から3倍の変倍位置P3、P6に第1レンズML1と第2レンズML2が移送されその位置において前記の通り自動焦点調節が成されるようにすることが可能である。
【実施例】
【0068】
以下、具体的な数値実施例を通じ本発明の作用に対し説明する。後述の数値実施例は本発明によるレンズ駆動装置が適用された一例に過ぎず、本発明は多様な形式のズームレンズシステムに適用されることが可能である。
【0069】
[数値実施例]
図7aは本発明の数値実施例によるズームレンズシステムの広角端におけるレンズ配置を示すレンズ構成図で、図7bは望遠端におけるレンズ配置を示すレンズ構成図である。
【0070】
図7のように、本実施例においてレンズ駆動装置に使用されるズームレンズシステムは物体側から順番に、陰の屈折力を有し固定された第1レンズ群LG1、陽の屈折力を有し広角端から望遠端への変倍時上記第1レンズ群LG1との間隔が減少するよう移送されつつ変倍を遂行する第2レンズ群LG2、陰の屈折力を有し上記第2レンズ群LG2の移送による変倍に伴い像面の位置を補正するよう移送される第3レンズ群LG3及び陽の屈折力を有し固定された第4レンズ群LG4を具備する。
【0071】
また、上記第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2との間に開口絞りSを具備し、上記第4レンズ群LG4の後方に像面に対応するイメージセンサーISが配置される。
【0072】
具体的に、第1レンズ群LG1は物体側に膨らんだ副メニスカスレンズ(Meniscus lens)である第1レンズL1と両面凹レンズの第2レンズL2からなり、第2レンズ群LG2は両面凸レンズの第3レンズL3と物体側に膨らんだ正メニスカスレンズである第4レンズL4からなり、第3レンズ群LG3は両面凹レンズの第5レンズL5のみで成され、第4レンズ群LG4は陽の屈折力を有する第6レンズL6のみで成される。
【0073】
本数値実施例の場合、広角端においてレンズシステム全体の有効焦点距離(effective focal length)(fW)は8.5mmで、望遠端においてレンズシステム全体の有効焦点距離(fT)は17.0mmで、第1レンズ群LG1の有効焦点距離(fI)は−7.45mmで、第2レンズ群LG2の有効焦点距離(fII)は3.36mmで、第3レンズ群LG3の有効焦点距離(fIII)は−1.79mmで、第4レンズ群LG4の有効焦点距離(fIV)は8.66mmである。
【0074】
また、Fナンバー(FNo)は広角端において2.8、望遠端において4.3であり、レンズの全画角(2ω)は広角端において62°、望遠端において34°であり、第1レンズ群LG1の一番目レンズL1から像面までの距離(total length)(TL)は25.0mmである。
【0075】
下記の表1は本数値実施例のレンズ構成を示したこととして、物体距離が777mmの状態で焦点調節された場合を示す。
【0076】
【表1】
【0077】
表1において※は変倍時面間間隔が変わる屈折面を示し、物体距離が各々777mmの状態で焦点調節された場合、広角端と望遠端における面間間隔は次の表2の通りである。
【0078】
【表2】
【0079】
また、表1において*は非球面を示し、非球面は公知の数学式1から得られる。この際、円錐(Conic)定数(K)及び非球面係数(A、B、C、D)に使用される'E及びこれに引き続く数字'は10の累乗を示す。例えば、E+12は1012を、E−04は10−04を示す。
【0080】
【数1】
Z:レンズの頂点から光軸方向への距離
Y:光軸に垂直な方向への距離
r:レンズの頂点における曲率半径
K:円錐(Conic)定数
A、B、C、D:非球面係数
【0081】
式1による円錐定数(K)及び非球面係数(A、B、C、D)の値は次の表3の通りである。
【0082】
【表3】
【0083】
図8ないし図9は図7に図示されたレンズシステムにおいて物体距離が777mmの状態で焦点調節された場合の収差度を示すこととして、図8aないし図8cは広角端における球面収差、非点収差、歪曲収差を示し、図9aないし図9cは望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。この際、非点収差度面で示される"S"はサジタル(sagittal)、"T"はタンジェンシャル(tangential)を示す。
【0084】
一般的に、変倍が遂行される場合には予め定められた一定な物体距離に対し焦点が設定されており、本実施例は変倍された位置において物体距離が777mmの状態で焦点調節されている場合を図示する。
【0085】
このように、物体が予め設定された位置にある場合には図8及び図9に図示された通り諸収差特性が良好であることを確認することが可能である。
【0086】
しかし、変倍が遂行された場合に物体が予め定められた位置にあることではないため、万が一400mmの位置に物体がある場合には焦点が合わなくなる。しかし、本発明は変倍が遂行された後自動焦点調節を遂行することになり、このような変倍及び自動焦点調節を一つのアクチュエータとして具現することに特徴がある。
【0087】
例えば、図7のレンズシステムにおいて物体距離が400mmの状態で焦点調節が成される場合には、表2の物体距離が777mmの状態で焦点調節が成される場合に対比し第10面10と第11面11との距離は次の表4のように変わる。
【0088】
【表4】
【0089】
図10ないし図12は図7に図示されたレンズシステムにおいて物体距離が400mmの状態で焦点調節された場合の収差度及びMTF鮮度を示したこととして、図10aないし図10cは広角端における球面収差、非点収差、歪曲収差を示し、図11aないし図11cは望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。また、図12a及び図12bは各々広角端と望遠端におけるMTF特性を示すグラフである。
【0090】
ここで、MTF(Modulation Transfer Function)はミリメートル当りサイクルの空間周波数に依存し、光の最大強度(Max)と最小強度(Min)の間で次の数学式2により定義される値である。
【0091】
【数2】
【0092】
すなわち、MTFが1の場合最も理想的でMTF値が減少するほど解像度が落ちる。
このように、本発明によると変倍後に自動焦点調節が成されるため諸収差及びMTF特性が優秀な光学系を具現することが可能という利点があり、このため一つのアクチュエータのみ使用することになるため小型化が可能という利点を得ることが可能である。
【0093】
[比較例]
万が一、図7に図示されたレンズシステムにおいて物体距離に対応し焦点調節が成されない場合には後述する通り収差とMTF特性が大きく悪化される。
【0094】
図13ないし図15は図7に図示されたレンズシステムにおいて物体距離が777mmの状態に焦点調節された状態で物体の距離を400mmに変化させた場合の収差度及びMTF曲線を示すこととして、図13aないし図13cは広角端における球面収差、非点収差、歪曲収差を示し、図14aないし図14cは望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。また、図15a及び図15bは各々広角端と望遠端におけるMTF曲線を図示する。
【0095】
表4のように、広角端と望遠端においてレンズを微細に駆動し物体距離に対応する焦点調節が成された場合には図8ないし図12に図示された通り、諸収差特性が良好で、MTF特性が優秀なズームレンズシステムを得ることが可能である。
【0096】
しかし、物体距離に対応し微細な焦点調節をせず単純にズーム機能のみを遂行する場合には、図13及び図14に図示された通り収差特性が大きく悪化され、特に図15に図示された通りMTF特性が大きく低下されることを確認することが可能である。
【0097】
従って、本発明によるレンズ駆動装置を利用しズーム機能及び自動焦点調節機能を遂行した場合には光学的特性が優秀なズームレンズシステムを具現することが可能となり、これを一つのアクチュエータを通じ具現することにより小型化、軽量化が可能という利点がある。
【0098】
本発明は特定の実施例に関して図示し説明しているが、当業界において通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域を外れない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることが可能であるを明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】従来のレンズ移送装置による変倍時変倍比率が2の場合レンズの位置を図示したこととして、(a)はレンズの位置関係を図示したレンズ構成図で、(b)は変倍比率によるレンズの位置を図示したグラフである。
【図2】従来のレンズ移送装置による変倍時変倍比率が3の場合レンズの位置を図示したこととして、(a)はレンズの位置関係を図示したレンズ構成図で、(b)は変倍比率によるレンズの位置を図示したグラフである。
【図3】本発明に伴うレンズ移送装置による変倍時レンズの位置を図示したグラフとして変倍比率が2倍の場合を図示する。
【図4】本発明に伴うレンズ移送装置による変倍時レンズの位置を図示したグラフとして変倍比率が3倍の場合を図示する。
【図5a】本発明によるレンズバーレルを具備するレンズ移送装置の全体斜視図である。
【図5b】本発明によるレンズバーレルを具備するレンズ移送装置のバーレルホルダーが装着されたレンズバーレルの斜視図である。
【図5c】本発明によるレンズバーレルを具備するレンズ移送装置のバーレルホルダーと光軸ガイド部が連結された状態を図示する斜視図である。
【図5d】本発明によるレンズバーレルを具備するレンズ移送装置のレンズバーレルの斜視図である。
【図5e】本発明によるレンズバーレルを具備するレンズ移送装置の図4dのレンズバーレルの展開図である。
【図6a】本発明によるリードスクリューを具備するレンズ移送装置の2つのリードスクリューが連結された場合の全体斜視図である。
【図6b】本発明によるリードスクリューを具備するレンズ移送装置の2つのリードスクリューが分離された場合の全体斜視図である。
【図6c】本発明によるリードスクリューを具備するレンズ移送装置の2つのリードスクリューが連結された場合の正面図である。
【図6d】本発明によるリードスクリューを具備するレンズ移送装置の2つのリードスクリューが分離された場合の正面図である。
【図7】本発明によるレンズ移送装置が適用されたズームレンズシステムのレンズ構成図を図示したこととして、(a)は広角端におけるレンズ構成図で、(b)は望遠端におけるレンズ構成図である。
【図8】図7のズームレンズシステムにおいて物体距離が777mmの時、焦点調節された場合の広角端における収差度を示すこととして、各々球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。
【図9】図7のズームレンズシステムにおいて物体距離が777mmの時、焦点調節された場合の望遠端における収差度を示すこととして、各々球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。
【図10】図7のズームレンズシステムにおいて物体距離が400mmの時、焦点調節された場合の広角端における収差度を示すこととして、各々球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。
【図11】図7のズームレンズシステムにおいて物体距離が400mmの時、焦点調節された場合の望遠端における収差度を示すこととして、各々球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。
【図12】図7のズームレンズシステムにおいて物体距離が400mmの時、焦点調節された場合のMTF特性を図示したこととして、各々広角端と望遠端におけるMTF鮮度を図示する。
【図13】図7のズームレンズシステムにおいて物体距離が777mmの状態に焦点調節された状態で物体の距離を400mmに変化させた場合の広角端における収差度を示すこととして、各々球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。
【図14】図7のズームレンズシステムにおいて物体距離が777mmの状態に焦点調節された状態で物体の距離を400mmに変化させた場合の望遠端における収差度を示すこととして、各々球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。
【図15】図7のズームレンズシステムにおいて物体距離が777mmの状態に焦点調節された状態で物体の距離を400mmに変化させた場合のMTF特性を図示したこととして、各々広角端と望遠端におけるMTF鮮度を図示する。
【符号の説明】
【0100】
ML1 第1レンズ ML2 第2レンズ
100 レンズバーレル 110、410 第1案内部
120、420 第2案内部 200 アクチュエータ
310 ベースプレート 320 光軸ガイド部
330 第1レンズホルダー 340 第2レンズホルダー
400 リードスクリュー 500 レンズ移送装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズを移送させ変倍と自動焦点調節を遂行するレンズ移送装置において、
変倍及び自動焦点調節の場合に移送される第1レンズ、
変倍の場合上記第1レンズと独立的に移送される第2レンズ、
上記第1レンズが変倍の場合には移送され自動焦点調節の場合には変倍位置から上記第2レンズに対して微細移送されるよう上記第1レンズの移送を案内する第1案内部と、上記第2レンズが変倍の場合には移送され自動焦点調節の場合には光軸上において固定された位置を維持するよう上記第2レンズの移送を案内する第2案内部を具備し、その回転に伴い上記第1レンズ及び第2レンズを移送させる移送案内部材、及び
上記移送案内部材を回転させ、変倍及び自動焦点調節の場合に上記第1レンズと第2レンズの移送に必要な駆動力を提供するアクチュエータ、
を含み、
変倍の場合には上記第1レンズ及び第2レンズが移送され変倍後に遂行される自動焦点調節の場合には上記第1レンズのみ微細移送されるようにし、一つの上記アクチュエータの駆動により変倍及び自動焦点調節が成されることを特徴とするレンズ移送装置。
【請求項2】
上記第1案内部は上記第1レンズが変倍の場合に2以上の予め設定された変倍比率に対応する各々の変倍位置に移送され自動焦点調節の場合に上記各々の変倍位置から微細に移送されるよう上記第1レンズを案内し、
上記第2案内部は上記第2レンズが変倍の場合に予め設定された各々の変倍位置に移送され自動焦点調節の場合に上記各々の変倍位置に固定された状態を維持するよう上記第2レンズを案内することを特徴とする請求項1に記載のレンズ移送装置。
【請求項3】
上記第2案内部は変倍の場合に各々の変倍位置に上記第2レンズの移送を案内する傾斜案内部と、自動焦点調節の場合に各々の変倍位置において上記第2レンズの移送を制限するよう上記移送案内部材の回転軸に垂直な面上に形成された移送制限案内部を具備することを特徴とする請求項2に記載のレンズ移送装置。
【請求項4】
上記第1レンズ及び第2レンズが光軸方向に移送されるよう上記第1レンズ及び第2レンズの移送を案内する光軸ガイド部、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のレンズ移送装置。
【請求項5】
上記第1レンズまたは第2レンズは複数枚数のレンズからなることを特徴とする請求項1に記載のレンズ移送装置。
【請求項6】
上記第1レンズが装着される第1レンズホルダー、及び
上記第2レンズが装着される第2レンズホルダー、をさらに含み、
上記移送案内部材は上記第1レンズホルダー及び第2レンズホルダーの移送を案内することを特徴とする請求項1に記載のレンズ移送装置。
【請求項7】
レンズを移送させ変倍と自動焦点調節を遂行するレンズ移送装置において、
変倍及び自動焦点調節の場合に移送される第1レンズ、
変倍の場合に上記第1レンズと独立的に移送される第2レンズ、
上記第1レンズが変倍の場合には予め設定された各々の変倍位置に移送され自動焦点調節の場合には各々の変倍位置から上記第2レンズに対して微細移送されるよう上記第1レンズの移送を案内する第1案内部と、上記第2レンズが変倍の場合には各々の変倍位置に移送され自動焦点調節の場合には各々の変倍位置に固定された位置を維持するよう上記第2レンズの移送を案内する第2案内部を具備し、その回転に伴い上記第1レンズ及び第2レンズを移送させる移送案内部材、及び
上記移送案内部材を回転させ、変倍及び自動焦点調節の場合に上記第1レンズと第2レンズの移送に必要な駆動力を提供するアクチュエータ、
を含み、
変倍の場合には上記第1レンズ及び第2レンズが移送され変倍後に遂行される自動焦点調節の場合には上記第1レンズのみ微細移送されるようにし、一つの上記アクチュエータの駆動により変倍及び自動焦点調節が成されることを特徴とするレンズ移送装置。
【請求項8】
上記移送案内部材は上記アクチュエータの駆動により回転するレンズバーレルからなり、
上記第1案内部及び第2案内部は上記レンズバーレルの外周面に貫通形成されたカム溝からなり、
上記第1レンズ及び第2レンズは上記カム溝を沿って移送されることを特徴とする請求項7に記載のレンズ移送装置。
【請求項9】
上記第2案内部は変倍の場合に各々の変倍位置に上記第2レンズの移送を案内する傾斜案内部と、自動焦点調節の場合各々の変倍位置において上記第2レンズの移送を制限するよう上記移送案内部材の回転軸に垂直な面上に形成された移送制限案内部を具備することを特徴とする請求項8に記載のレンズ移送装置。
【請求項10】
上記第1レンズ及び第2レンズが光軸方向に移送されるよう上記第1レンズ及び第2レンズの移送を案内する光軸ガイド部、
をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のレンズ移送装置。
【請求項1】
レンズを移送させ変倍と自動焦点調節を遂行するレンズ移送装置において、
変倍及び自動焦点調節の場合に移送される第1レンズ、
変倍の場合上記第1レンズと独立的に移送される第2レンズ、
上記第1レンズが変倍の場合には移送され自動焦点調節の場合には変倍位置から上記第2レンズに対して微細移送されるよう上記第1レンズの移送を案内する第1案内部と、上記第2レンズが変倍の場合には移送され自動焦点調節の場合には光軸上において固定された位置を維持するよう上記第2レンズの移送を案内する第2案内部を具備し、その回転に伴い上記第1レンズ及び第2レンズを移送させる移送案内部材、及び
上記移送案内部材を回転させ、変倍及び自動焦点調節の場合に上記第1レンズと第2レンズの移送に必要な駆動力を提供するアクチュエータ、
を含み、
変倍の場合には上記第1レンズ及び第2レンズが移送され変倍後に遂行される自動焦点調節の場合には上記第1レンズのみ微細移送されるようにし、一つの上記アクチュエータの駆動により変倍及び自動焦点調節が成されることを特徴とするレンズ移送装置。
【請求項2】
上記第1案内部は上記第1レンズが変倍の場合に2以上の予め設定された変倍比率に対応する各々の変倍位置に移送され自動焦点調節の場合に上記各々の変倍位置から微細に移送されるよう上記第1レンズを案内し、
上記第2案内部は上記第2レンズが変倍の場合に予め設定された各々の変倍位置に移送され自動焦点調節の場合に上記各々の変倍位置に固定された状態を維持するよう上記第2レンズを案内することを特徴とする請求項1に記載のレンズ移送装置。
【請求項3】
上記第2案内部は変倍の場合に各々の変倍位置に上記第2レンズの移送を案内する傾斜案内部と、自動焦点調節の場合に各々の変倍位置において上記第2レンズの移送を制限するよう上記移送案内部材の回転軸に垂直な面上に形成された移送制限案内部を具備することを特徴とする請求項2に記載のレンズ移送装置。
【請求項4】
上記第1レンズ及び第2レンズが光軸方向に移送されるよう上記第1レンズ及び第2レンズの移送を案内する光軸ガイド部、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のレンズ移送装置。
【請求項5】
上記第1レンズまたは第2レンズは複数枚数のレンズからなることを特徴とする請求項1に記載のレンズ移送装置。
【請求項6】
上記第1レンズが装着される第1レンズホルダー、及び
上記第2レンズが装着される第2レンズホルダー、をさらに含み、
上記移送案内部材は上記第1レンズホルダー及び第2レンズホルダーの移送を案内することを特徴とする請求項1に記載のレンズ移送装置。
【請求項7】
レンズを移送させ変倍と自動焦点調節を遂行するレンズ移送装置において、
変倍及び自動焦点調節の場合に移送される第1レンズ、
変倍の場合に上記第1レンズと独立的に移送される第2レンズ、
上記第1レンズが変倍の場合には予め設定された各々の変倍位置に移送され自動焦点調節の場合には各々の変倍位置から上記第2レンズに対して微細移送されるよう上記第1レンズの移送を案内する第1案内部と、上記第2レンズが変倍の場合には各々の変倍位置に移送され自動焦点調節の場合には各々の変倍位置に固定された位置を維持するよう上記第2レンズの移送を案内する第2案内部を具備し、その回転に伴い上記第1レンズ及び第2レンズを移送させる移送案内部材、及び
上記移送案内部材を回転させ、変倍及び自動焦点調節の場合に上記第1レンズと第2レンズの移送に必要な駆動力を提供するアクチュエータ、
を含み、
変倍の場合には上記第1レンズ及び第2レンズが移送され変倍後に遂行される自動焦点調節の場合には上記第1レンズのみ微細移送されるようにし、一つの上記アクチュエータの駆動により変倍及び自動焦点調節が成されることを特徴とするレンズ移送装置。
【請求項8】
上記移送案内部材は上記アクチュエータの駆動により回転するレンズバーレルからなり、
上記第1案内部及び第2案内部は上記レンズバーレルの外周面に貫通形成されたカム溝からなり、
上記第1レンズ及び第2レンズは上記カム溝を沿って移送されることを特徴とする請求項7に記載のレンズ移送装置。
【請求項9】
上記第2案内部は変倍の場合に各々の変倍位置に上記第2レンズの移送を案内する傾斜案内部と、自動焦点調節の場合各々の変倍位置において上記第2レンズの移送を制限するよう上記移送案内部材の回転軸に垂直な面上に形成された移送制限案内部を具備することを特徴とする請求項8に記載のレンズ移送装置。
【請求項10】
上記第1レンズ及び第2レンズが光軸方向に移送されるよう上記第1レンズ及び第2レンズの移送を案内する光軸ガイド部、
をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のレンズ移送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図5e】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図5e】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−259696(P2006−259696A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−9510(P2006−9510)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】
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