説明

レーダ検出装置及び方法

【課題】回路規模の拡大を防止しつつレーダ検出を高精度に行う。
【解決手段】本発明の一態様において、レーダ検出装置は、無線通信の受信信号のエッジ検出時の受信電力値と、このエッジ検出時から第1の時間経過後の受信電力値との差分値が、第1のしきい値より大きい場合に、カウンタのカウント値をアップする手段19と、第2の時間が経過するたびに、カウンタのカウント値とカウンタの第3の時間前のカウント値の差分値が第2のしきい値以上か否か判断し、カウンタのカウント値と第3の時間前のカウント値との差分値が第2のしきい値以上の場合に、レーダが検出されたと判断する手段20とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の規格に準拠した無線通信においてレーダ検出を行うレーダ検出装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE802.11に準拠した無線LAN通信を行う通信装置を日本国内で使用する場合には、日本国内で定められている電波法を遵守する必要がある。この電波法には、無線LAN信号に関する規定が多く含まれており、さらに、レーダ検出機能に関する規定も含まれている。このレーダ検出機能に関する規定は、無線LAN信号とレーダ信号とが同一の無線周波数帯域で使用される環境において、無線LAN信号とレーダ信号とを互いに干渉させることなく、無線LAN信号とレーダ信号とを協調させて、通信を実現させるための規定である。
【0003】
日本国内で製品化されている無線LAN機器であり、かつ、W53/56の帯域を使用する通信装置において、レーダ検出機能は必須である。通信装置の製造メーカは独自の方法(アルゴリズム)を用いてレーダ検出機能を通信装置に実装させている。
【0004】
レーダ検出機能に関する発明として、以下の特許文献1(特開2007−274659号公報)、特許文献2(特開2006−86665号公報)、特許文献3(特開2007−49694号公報)がある。
【0005】
特許文献1の発明は、受信電界強度信号レベルのしきい値検出回路とアップ・ダウンカウンターを用いて、しきい値を超える回数としきい値未満の回数を計数してパルスの有効判定を行うと同時に、有効パルスの開始から終了までの時間幅を計数する回路で安定なパルスの有効性を判断する。そして、特許文献1の発明は、有効パルスの開始時から一定の時間間隔の受信IQ信号と急峻なディジタルフィルタで通過帯域制限した後の信号電力の比較を行う。
【0006】
特許文献2の発明は、無線通信における受信信号電力を計算する電力算出手段と、電力算出手段で計算された受信信号電力を予め設定されたレーダしきい値と比較してレーダ信号を検出するレーダ検出手段と、レーダ検出手段によるレーダ信号の検出回数が一定時間内に予め設定された所定値を超えた時にレーダ検出を通信プロトコルの上位層へと通知するレーダ検出判定手段を備える。
【0007】
特許文献3のネットワーク装置は、隣接および非隣接の制御信号のうちの1つの間のN個の時間間隔を選択的に計測し、N個の時間間隔が実質的に等しいとき、RF信号はレーダ信号であると選択的に判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−274659号公報
【特許文献2】特開2006−86665号公報
【特許文献3】特開2007−49694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
汎用品として製品化されている多くの無線LAN機器では、電波法で定められているレーダパルス受信信号強度よりも低いレベルの信号であっても、レーダパルス信号として検出を行う傾向にある。
【0010】
このように、余裕を持たせてレーダ検出を行うことは、電波法を遵守する観点からは問題ないが、エンドユーザの利便性が低下する場合がある。
【0011】
例えば、電波法に、「レーダを検出すると、該当チャネルにおける無線LAN通信の使用を30分間停止しなければならない」という規定があるとする。
【0012】
この場合、レーダパルス信号であると判別されるレベルが低く設定されると、頻繁にレーダ検出が発生し、無線LAN通信の停止期間が長くなることが考えられる。
【0013】
また、レーダ検出については、特許文献1〜3のような技術があるが、さらに精度を向上させるとともに、回路規模の拡大を防止することが望まれる。
【0014】
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたもので、回路規模の拡大を防止しつつレーダ検出を高精度に行うことが可能なレーダ検出装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の態様に係るレーダ検出装置は、無線通信の受信信号のエッジ検出時の受信電力値と、このエッジ検出時から第1の時間経過後の受信電力値との差分値が、第1のしきい値より大きい場合に、カウンタのカウント値をアップする手段と、第2の時間が経過するたびに、カウンタのカウント値とカウンタの第3の時間前のカウント値の差分値が第2のしきい値以上か否か判断し、カウンタのカウント値と第3の時間前のカウント値との差分値が第2のしきい値以上の場合に、レーダが検出されたと判断する手段とを具備する。
【0016】
本発明の第2の態様に係るレーダ検出装置は、無線通信の所定の規格に準拠せずOFDM信号でもない受信信号の受信数を示す第1の値、最近の受信フレームにおいて1回目のオートゲインコントロールを行ったときのデジタルRSSI信号の値を示す第2の値、最新の受信フレームにおけるRSSIの値を示す第3の値に基づいて、最新の第1の値と第1の時間前の第1の値との差分値が第1のしきい値以上で、かつ、第2の値及び第3の値とがそれぞれに対応する第2のしきい値及び第3のしきい値未満の場合、レーダ検出カウンタのカウント値をアップする手段と、第2の時間が経過するたびに、最新のレーダ検出カウンタの値と第3の時間前のレーダ検出カウンタの値との差分値が第4のしきい値以上か否か判断し、当該差分値が第4のしきい値以上になった場合に、レーダが検出されたと判断する手段とを具備する。
【0017】
本発明の第3の態様に係るレーダ検出装置は、無線通信の所定の規格に準拠せずOFDM信号でもない受信信号の受信数を取得する手段と、最新の第1の値と第1の時間前の第1の値との差分値があるしきい値以上か否か判断し、当該差分値がしきい値以上になった場合に、レーダが検出されたと判断する手段とを具備する。
【0018】
本発明の第4の態様に係るレーダ検出方法は、無線通信の受信信号のエッジ検出時の受信電力値と、このエッジ検出時から第1の時間経過後の受信電力値との差分値が、第1のしきい値より大きい場合に、カウンタのカウント値をアップし、第2の時間が経過するたびに、カウンタのカウント値とカウンタの第3の時間前のカウント値との差分値が第2のしきい値以上か否か判断し、カウンタのカウント値と第3の時間前のカウント値との差分値が第2のしきい値以上の場合に、レーダが検出されたと判断する。
【0019】
本発明の第5の態様に係るレーダ検出方法は、無線通信の所定の規格に準拠せずOFDM信号でもない受信信号の受信数を示す第1の値、最近の受信フレームにおいて1回目のオートゲインコントロールを行ったときのデジタルRSSI信号の値を示す第2の値、最新の受信フレームにおけるRSSIの値を示す第3の値に基づいて、最新の第1の値と第1の時間前の第1の値との差分値が第1のしきい値以上で、かつ、第2の値及び第3の値とがそれぞれに対応する第2のしきい値及び第3のしきい値未満の場合、レーダ検出カウンタのカウント値をアップし、第2の時間が経過するたびに、最新のレーダ検出カウンタの値と第3の時間前のレーダ検出カウンタの値との差分値が第4のしきい値以上か否か判断し、当該差分値が第4のしきい値以上になった場合に、レーダが検出されたと判断する。
【発明の効果】
【0020】
本発明においては、回路の増加を防止しつつレーダ検出を高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る通信システムの一例を示す概念図。
【図2】レーダパルス信号の検出時の通信システムの一例を示す概念図。
【図3】第1の実施の形態に係る親局の通信装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図。
【図4】第1の実施の形態に係る親局の通信装置AP1のソフトウェアの一例を示すブロック図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るレーダ検出処理部の構成の一例を示すブロック図。
【図6】第2の実施の形態に係るレーダ検出処理部で用いられる各種のパラメータの一例を示すテーブル。
【図7】チャープレーダ電波試験信号の一例を示す図。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る通信装置の一例を示すブロック図。
【図9】第3の実施の形態に係る復調・復号部の構成の一例を示すブロック図。
【図10】第3の実施の形態に係るレーダ検出処理部の処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の各図において同一又はほぼ同一の要素には同一の符号を付して説明を省略するか又は簡単に説明し、異なる部分についてのみ詳しく説明する。
【0023】
(第1の実施の形態)
本実施の形態に係る通信装置は、IEEE802.11諸規格(IEEE802.11aを含む)のうちの少なくとも一つの規格に準拠した無線LAN通信を行う機器であるとする。なお、他の規格に準拠する通信装置についても、同様の構成を備えることで、同様の作用効果を得ることができる。
【0024】
本実施の形態に係る通信装置は、レーダ検出機能を備えており、W53/56(無線周波数帯域)を使用する。
【0025】
図1は、本実施の形態に係る通信システムの一例を示す概念図である。
【0026】
通信システム1は、親局の通信装置(アクセスポイント)AP1〜AP3と、子局の通信装置(ステーション)STA1〜STA8とを具備する。親局及び子局の通信装置は、それぞれ1以上であればよい。
【0027】
この図1において、例えば、親局の通信装置AP1は子局の通信装置STA1〜STA6と通信し、親局の通信装置AP2は子局の通信装置STA7,STA8と通信する。
【0028】
親局の通信装置AP1と親局の通信装置AP2とは、それぞれ異なる無線周波数チャネルを使用して無線LAN通信を行う。
【0029】
図2は、レーダパルス信号の検出時の通信システム1の一例を示す概念図である。
【0030】
本実施の形態においては、レーダ検出機能が親局の通信装置AP1〜AP3に備えられる場合を例として説明するが、レーダ検出機能は子局の通信装置STA1〜STA8に備えられるとしてもよい。
【0031】
この図2では、親局の通信装置AP1と子局の通信装置STA1との間の通信について説明しているが、他の親局の通信装置AP1,AP3又は他の子局の通信装置STA2〜8との間の通信についても同様である。
【0032】
親局の通信装置AP1は、子局の通信装置STA1と無線LAN通信を行う。ここで、親局の通信装置AP1がレーダパルス信号を受信すると、親局の通信装置AP1は、子局の通信装置STA1に対して無線LAN通信の停止を促す。そして、親局の通信装置AP1と子局の通信装置STA1とは、ともに、無線LAN通信を停止する。
【0033】
図3は、本実施の形態に係る親局の通信装置AP1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、他の親局の通信装置AP2,AP3についてもこの親局の通信装置AP1と同様の構成を持つ。子局の通信装置STA1〜STA8についても、図3に示す親局の通信装置AP1と同様のハードウェア構成を持つとしてもよい。
【0034】
本実施の形態に係る親局の通信装置AP1は、コンピュータ2、例えばSDRAMなどの記憶装置3、無線LANベースバンドチップ4、無線部5、アンテナ部6を具備する。
【0035】
親局の通信装置AP1がデータ送信側として動作する場合、親局の通信装置AP1のコンピュータ2は、送信するデータを、コンピュータ2側のPCIC(Peripheral Components Interconnect Controller)7から、無線LANベースバンドチップ4側のPCIC8、MEMC(メモリコントローラ)9という順で送り、例えばSRAMなどの記憶装置10又は記憶装置3に記憶する。このように、記憶装置3,10へのアクセスは、MEMC9を用いて行われる。
【0036】
次に、CPU11は、MEMC9経由で、記憶装置3又は記憶装置10に記憶されたデータをアクセスし、データ送信のための処理を実行し、処理後のデータをMAC(Medium Access Controller)12、PHY(Physical layer)13経由で、無線部5に出力する。
【0037】
そして、処理後のデータは無線部5のRF部14からアンテナ部6に渡され、無線LAN通信のフレームとして送信される。
【0038】
親局の通信装置AP1が、例えばレーダパルス信号を受信する場合などのようにデータ受信側として動作する場合には、親局の通信装置AP1は、上記のデータ送信側としての動作と、逆の動作を行う。
【0039】
本実施の形態に係る親局の通信装置AP1によって実行されるレーダ検出機能は、ソフトウェア及びハードウェアで分担して実装される。レーダ検出に用いられるハードウェアとしては、例えば、PHY13、RF部14を含む無線部5などがある。レーダ検出のソフトウェア処理に必要な要素としては、例えば、CPU11、MEMC9、記憶装置3,10などがある。
【0040】
なお、レーダ検出機能の主な機能がハードウェアによって実現される場合には、例えばレーダ検出機能の主な機能はMAC12で実現可能であり、レーダ検出機能の主な機能がソフトウェアによって実現される場合には、例えばレーダ検出機能の主な機能はCPU11により実現可能である。
【0041】
図4は、本実施の形態に係る親局の通信装置AP1のソフトウェアの一例を示すブロック図である。
【0042】
ソフトウェア15は、デバイスドライバ部16、無線LAN処理部17、レーダ検出処理部18を具備する。
【0043】
デバイスドライバ部16は、ハードウェアに対する各種制御を行う。例えば、デバイスドライバ部16は、パラメータの設定、ハードウェアからの情報の収集を行う。
【0044】
無線LAN処理部17は、無線LAN通信のための各種処理を行う。例えば、無線LAN処理部17は、送信フレームの作成、受信フレームの解析などを行う。
【0045】
レーダ検出処理部18は、受信した信号に基づくレーダ検出のための解析、レーダ検出後の処理を行う。
【0046】
レーダ検出処理部18は、カウント部19、検出部20を具備する。
【0047】
カウント部19は、受信信号のエッジを検出した時点の受信信号強度(第1の受信電力値)と、エッジ検出時点から一定時間T1経過後の受信信号強度(第2の受信電力値)を比較し、第1の差分値を求める。
【0048】
そして、カウント部19は、第1の差分値が第1のしきい値V1以上か否か判断し、第1のしきい値V1以上の場合に、カウント値をインクリメントする。カウント値をカウントするカウンタは、CPU11、記憶装置3,10を用いてソフトウェアによって実現されてもよく、ハードウェアによるカウンタを備えるとしてもよい。
【0049】
検出部20は、カウント値をある一定時間T2ごとに読み出し、最新の時間に対応するカウント値(例えば現在のカウント値)と、この最新の時間に対して一定時間T3前の時間に対応するカウント値(前のカウント値)とを比較し、第2の差分値を求める。
【0050】
そして、検出部20は、第2の差分値が第2のしきい値V2以上の場合に、レーダ検出と判断する。すなわち、この検出部29は、一定時間T3経過する間でカウント値が第2のしきい値V2以上に上昇した場合に、レーダ検出と判断する。
【0051】
カウント値を読み出す時間間隔T2としては、例えば、650ms〜850msの範囲、特に750msを設定可能である。
【0052】
また、第2のしきい値V2としては、例えば、3〜7の範囲、特に5を設定可能である。
【0053】
なお、本実施の形態において、時間T2と時間T3とは同じ値としてもよい。この場合、検出部20は、連続する2つの時間間隔についてカウント値の差分値が第2のしきい値V2以上か否かを判断することになる。
【0054】
以上説明した本実施の形態においては、電波法で定められているレーダパルス信号が検出されるべき場合に精度よく検出することができ、電波法で定められているレーダパルス信号が検出されるべきではない場合にレーダパルス信号が検出されることを防止することができる。すなわち、本実施の形態においては、検出が必要とされるレーダパルス信号のみを検出することができ、電波法に準拠したレーダパルス信号の検出を精度よく実施することができる。
【0055】
本実施の形態においては、無線LAN通信に必要な処理及び構成を流用してレーダ検出機能が実装されるため、回路規模の拡大を防止することができる。すなわち、本実施の形態においては、レーダ検出に必要とされるハードウェアを少なくすることができ、回路規模を削減させることができる。また、本実施の形態においては、レーダ検出に伴うハードウェアの処理量、ソフトウェアの処理量を削減することができる。
【0056】
本実施の形態においては、例えば、カウント部19において用いられる一定時間T1及びしきい値V1、検出部20において用いられる一定時間T2,T3及びしきい値V2などのパラメータを適切に設定する(最適化)ことにより、レーダ検出が発生することによる不要な通信停止を防止し、検出が必要なレーダパルス信号のみを検出することができる。これらのパラメータは、例えば、理論的、実測的、経験的に、設定可能である。
【0057】
(第2の実施の形態)
本実施の形態においては、上記第1の実施の形態に係るレーダ検出処理部18の変形例について説明する。なお、レーダ検出処理部を除く他の構成要素については説明を省略する。
【0058】
図5は、本実施の形態に係るレーダ検出処理部の構成の一例を示すブロック図である。
【0059】
また、図6は、本実施の形態に係るレーダ検出処理部で用いられる各種のパラメータの一例を示すテーブルである。
【0060】
レーダ検出処理部21は、データ取得部22、データ作成部23、検出部24を具備する。
【0061】
データ取得部22は、無線LAN通信を行う通信装置のハードウェア部HWによって計測されている各種のデータを取得する。
【0062】
本実施の形態において、ハードウェア部HWは、IEEE802.11aで規定されている無線LANフレームではなく、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号でもない信号を受信した場合の回数を計測(カウント)する第1の回路を具備する。
【0063】
また、ハードウェア部HWは、最新の受信信号(最後に受信された信号)において1回目のAGC(Automatic Gain Control)を行ったときのデジタルRSSI(Receive Signal Strength Indication)を計測する第2の回路を具備する。
【0064】
ここで、AGCは、入力信号のレベルの大小にかかわらず出力を一定に保つ制御である。また、RSSIは、無線通信機器によって受信される信号の強度を表す。
【0065】
さらに、ハードウェア部HWは、最新の受信信号のRSSIを計測する第3の回路を具備する。
【0066】
データ取得部22は、ハードウェア部HWの第1乃至第3の回路による計測値を取得する。データ取得部22は、これらの計測値を取得することにより、レーダ検出に必要なデータを取得することができる。
【0067】
データ作成部23は、データ取得部22によってデータを一定間隔T4ごとに参照し、下記の3つの条件C1〜C3を満たす場合に、レーダ検出カウンタのカウント値をインクリメント(カウントアップ)する。
【0068】
レーダ検出カウンタは、CPU11、記憶装置3,10を用いてソフトウェアによって実現されるとしてもよく、ハードウェアによるカウンタを用いるとしてもよい。
【0069】
レーダ検出カウンタのカウント値をインクリメントするために必要とされる第1の条件C1は、第1の回路によって計測されたIEEE802.11aで規定されている無線LANフレームでもなくOFDM信号でもない信号を受信した回数について、最新の値とこの最新時に対して一定時間T5前の値とを比較し、その差分値がしきい値V3以上であることである。
【0070】
レーダ検出カウンタのカウント値をインクリメントするために必要とされる第2の条件C2は、第2の回路で計測されるとともにデータ取得部22によって取得されたデジタルRSSIの計測値が、このデジタルRSSIの計測値に対して設定されているしきい値V4未満であることである。
【0071】
レーダ検出カウンタのカウント値をインクリメントするために必要とされる第3の条件C3は、第3の回路で計測されるとともにデータ取得部22によって取得された最新の受信信号のRSSIを計測値が、この最新の受信信号のRSSIの計測値に対して設定されているしきい値V5未満であることである。
【0072】
検出部24は、上記のデータ取得部22によって取得された各種データ及びデータ作成部23によって生成されたレーダ検出カウンタのカウント値に基づいて、レーダ検出の判定を行う。
【0073】
検出部24は、例えば、以下に示す2種類のレーダ検出の判断を行う。
【0074】
第1のレーダ検出判断において、検出部24は、ある一定時間T6ごとにレーダ検出カウンタのカウント値を読み出し、最新のカウント値(現在のカウント値)とこの最新の時点に対して一定時間T7前のカウント値とを比較し、この差分値がしきい値V6以上の場合にレーダ検出と判断する。
【0075】
第2のレーダ検出判断において、検出部24は、IEEE802.11aで規定されている無線LANフレームでもなくOFDM信号でもない信号の受信数の計測値を読み出し、最新の計測値とこの最新の時点に対する一定時間T8前の計測値とを比較し、その差分値がしきい値V7以上の場合にレーダ検出と判断する。
【0076】
上記図6の各種パラメータは、例えば、図7に示す技術適合試験(チャープレーダ電波試験仕様)に基づいて、理論的、実測的、経験的に、設定可能される。
【0077】
この図7に示すように、チャープレーダ電波試験において使用されるレーダは、「パルス幅」「チャープ幅」「パルス繰り返し周波数」「パルス周期」「連続するパルス数」「バースト数」などの項目によって決定される。
【0078】
このチャープレーダ電波試験では、他のレーダ試験(固定パルス、可変パルスなどのレーダ試験)と比較して、高い精度のレーダ検出機能が求められる。
【0079】
上記図7の各種項目が取り得る値のうち、レーダ検出機能にとって最も検出が困難なレーダ信号を検出することが可能であれば、レーダ検出精度は高くなる。
【0080】
そのために、まず、最も厳しい条件(項目値)でレーダ検出を可能とすることを考える。「パルス数の少ないレーダパターン」を精度よく検出することは困難である。このため、本実施の形態では、「ほとんど見落としの許されないレーダパルスパターンに対して的確に検出できる」ことを目標とする。本実施の形態においては、すべてのレーダパターンに対応させるために、レーダパルス数に着目したアルゴリズムを適用する。すなわち、本実施の形態においては、ある一定時間内のレーダパルス数をカウントし、このカウント値がしきい値以上の場合、レーダ検出と判断する。
【0081】
「パルス数をカウントする時間」及び「カウント数」の組み合わせを複数設定し、これらの複数の「パルス数をカウントする時間」及び「カウント数」を用いてレーダ検出の動作を実行することで、電波法で定められている全レーダパルスパターンを的確に検出することが可能である。
【0082】
上記図7の例では、12[s]間に8バーストから12バーストのレーダ送信が行われる。この状況においてもっとも厳しい条件は、「12[s]間に8バーストのレーダ信号が送信され、かつ、1バースト内に1パルスしか存在しない」場合となる。すなわち、「12[s]間で8パルス」しか存在しないレーダパルスパターンに対して精度よくレーダ検出を行うことができれば、レーダ検出が高精度に行われていることになる。
【0083】
本実施の形態においては、以下の2種類のレーダ検出方法について説明する。
【0084】
第1のレーダ検出方法では、12[s]間に5回以上のパルス検出でレーダ検出と判断する。
【0085】
上述したように、「12[s]間に8パルス」という条件がもっとも厳しい条件であると考えられるため、このパルスをそのまま検出可能であればよいと考えられやすいが、実際の試験ではそうではない。実際の技術適合試験では、デューティー比(無線設備から信号を伝送している期間と伝送していない期間の比)が17%のときにおけるレーダ検出精度が求められている。無線信号の伝送期間中のレーダ検出の実施は不可能と考えると、最も厳しい条件としては、12[s]間に8パルスではなく、理論上は6パルス(=8×0.83)しか送信されないレーダ信号を検出する必要がある。さらに、レーダ検出を行う装置の側のタイミングなどにより、検出できない期間が存在する可能性を考慮する必要がある。そこで、本実施の形態では、「12[s]間に5パルス以上の検出でレーダ検出と判断する」というレーダ検出の条件を設定する。この条件において「1パルス以上」ではなく「5パルス以上」としているのは、本実施の形態に係るレーダ検出は、信号のエッジ検出時のレベルとこのエッジ検出時から一定時間後のレベルとを比較し、その差分値があるしきい値以上の場合にレーダ検出と判断するため、レーダパルス以外の不明な信号を受信してレーダ検出と誤検出することを防止するためである。
【0086】
また、この場合において、1バーストに1パルス(12[s]間に5パルス)しか存在しない場合であってもレーダ検出可能とするために、本実施の形態では、ある一定時間(750[ms])内にレーダを検出した場合に、1カウントアップする機構を設ける。
【0087】
これにより、レーダではない信号受信時の誤検出カウントアップを防止することができる。
【0088】
なお、本実施の形態においては、ハードウェア部HWにおいて検出回数をカウントアップし、カウンタ値があるしきい値に達した時点で、ソフトウェアに対して割り込みを行う方式を採用してもよい。また、本実施の形態においては、ポーリングベースの検出を行うとしてもよい。例えば、750[ms]間隔でポーリングし、12[s]間に5回以上のカウントアップをした時点でレーダ検出と判断する。上記図6のパラメータは、ポーリングベースを適用した場合の値である。
【0089】
第2の方法では、1.5[s]間に3パルス以上を検出するとレーダ検出と判断する。
【0090】
上記第1の方法では、12[s]間に5パルス以上を検出した場合にレーダ検出と判断している。これにより、レーダ検出を高精度に行うことができる。
【0091】
しかしながら、ポーリングベースのレーダ検出方法の場合には、レーダパルス信号を検出するまでに最低でも3.750[s](=750[ms]×5)の時間を必要とする。そこで、この第2の方法では、1バースト内に複数パルス(最大3パルス)存在する場合の検出時間を早めるために、1バーストの最大時間(1.5[s])内に3パルス以上のレーダを検出した場合に、レーダ検出と判断する。この第2の方法は、レーダ検出時間を短縮化させることができる。例えば、第2の方法では、最短で3.750[s]必要であってレーダ検出時間を1.5[s]に短縮化できる。
【0092】
以上説明した通信装置は、IEEE802.11に準拠している無線LAN通信装置AP1であり、IEEE802.11a規格に準拠しておらずOFDM信号でもない信号の受信数をカウントする第1の回路(カウンタ)、最新の受信フレームにおいて1回目のAGCを行ったときのデジタルRSSIの値を保持する第2の回路、最新の受信フレームにおけるRSSIの値を保持する第3の回路を備えている。
【0093】
本実施の形態に係るレーダ検出処理部21は、現在の第1の回路の値と一定時間T5前の第1の回路の値との差分値がしきい値V3以上、かつ、第2及び第3の回路の値がそれぞれしきい値V4,V5未満の場合、レーダ検出カウンタをカウントアップさせる。
【0094】
そして、本実施の形態に係るレーダ検出処理部21は、ある一定時間T6ごとに、レーダ検出カウンタのカウント値を読み出し、最新のレーダ検出カウンタのカウント値と一定時間T7前のレーダ検出カウンタのカウント値との差分値がしきい値V6以上の場合にレーダ検出と判断する。
【0095】
あるいは、本実施の形態に係るレーダ検出処理部21は、ある一定時間T6ごとに、IEEE802.11aで規定されている無線LANフレームでもなくOFDM信号でもない信号の受信数を読み出し、最新の受信数と一定時間T8前の受信数との差分値がしきい値V7以上の場合に、レーダ検出と判断する。
【0096】
このような特徴を持つ本実施の形態に係る通信装置においては、既存のハードウェア部HWによって得られるデータに基づいてレーダ検出を行うことができるため、レーダ検出用の専用回路が設置されることを極力抑制することができる。そして、本実施の形態においては、ハードウェア部HW、ソフトウェアの処理量を減らすことができる。
【0097】
本実施の形態において、一定時間T4〜T8及びしきい値V3〜V7などのパラメータは、例えば、理論的、実測的、経験的に、適切に設定する(最適化)ことができる。
【0098】
上記各実施の形態において、様々なパルスパターンに対応するために、一定時間T1〜T8及びしきい値V1〜V7などのパラメータを複数設定し、これら複数の種類のパラメータを用いて複数種類のパルスパターンについてレーダ検出を行うとしてもよい。
【0099】
上記各実施の形態において一定時間T1〜T8及びしきい値V1〜V7などのパラメータを変更することにより、レーダ検出のみではなく、例えばUWBなどのような他の無線信号の検出を行うこともできる。
【0100】
(第3の実施の形態)
本実施の形態においては、上記第1及び第2の実施の形態に係る通信装置の詳細構成及び詳細動作について説明する。なお、本実施の形態においては、上記第2の実施の形態に係る通信装置を例として説明するが、上記第1の実施の形態に係る通信装置についても同様である。
【0101】
図8は、本実施の形態に係る通信装置の一例を示すブロック図である。
【0102】
通信装置AP1は、アンテナ部6、RF(Radio Frequency)部14、AGC(Automatic Gain Control)部25、ADC(Analog-to-Digital Converter)26、復調・復号部27、パルス検出部28、未識別信号(Unidentified Signal)検出部29、エラー検出部30、記憶装置31〜35、レーダ検出処理部21を具備する。
【0103】
RF部14は、無線周波数(高周波)の信号を取り扱う。例えば、RF部14は、受信の際に、無線周波数をベースバンド信号(低周波)に変換する処理、ベースバンド信号の利得を調整する処理を実行する。
【0104】
AGC部25は、RF部14の出力信号の振幅が所定の範囲に収まるように、RF部14の利得を制御する。
【0105】
また、AGC部25は、最新の信号(最後に受信した信号)において1回目のAGCを行ったときのデジタルRSSIの値D2を示すデータを、記憶装置32に記憶する。
【0106】
さらに、AGC部25は、最新の信号のRSSIの値D3を示すデータを、記憶装置33に記憶する。
【0107】
ADC26は、RF部14からアナログ信号を受け、このアナログ信号をデジタル信号に変換し、出力する。
【0108】
復調・復号部27は、ADC26から受けた受信デジタル信号に対し、所定の信号処理を実行し、情報(データ)を取り出す。
【0109】
パルス検出部28は、ADC26から受けた受信デジタル信号から信号強度を算出し、パルス性の信号を検出する。そして、パルス検出部28は、検出されたパルス性の信号又は信号の検出結果データを記憶装置33に記憶する。
【0110】
未識別信号検出部29は、ADC26から受けた受信デジタル信号に対して、受信に対応していない信号、復調・復号ができない信号の検出を行う。そして、未識別信号検出部29は、受信に対応していない信号、復調・復号ができない信号の受信数D1を記憶装置31に記憶する。
【0111】
例えば、通信装置AP1が無線LAN通信装置の場合に、未識別信号検出部29は、無線LAN通信の信号ではない他の信号、例えば、レーダ信号、電子レンジによる信号、その他の無線信号を検出する。
【0112】
エラー検出部30は、復調・復号部27によって生成された情報に対するエラー検出を行い、エラーが検出されない場合に、受信データを出力する。例えば、エラー検出部30は、受信データをレジスタなどの記憶装置35に記憶、又は、他のユニットに与える。
【0113】
記憶装置31〜34は、例えば、PHYレジスタである。
【0114】
記憶装置31は、IEEE802.11a規格に準拠しておらずOFDM信号でもない信号の受信回数D1を記憶する。
【0115】
記憶装置32は、最新の受信信号(受信フレーム)において1回目のAGCを行ったときのデジタルRSSIの値D2を記憶する。
【0116】
記憶装置33は、最新の受信信号(受信フレーム)におけるRSSIの値D3を記憶する。
【0117】
レーダ検出処理部21のデータ取得部22は、記憶装置31〜33に記憶されているデータD1〜D3を取得する。
【0118】
図9は、本実施の形態に係る復調・復号部27の構成の一例を示すブロック図である。
【0119】
復調・復号部27は、フィルタ部270、同期部271、FFTウィンドウ制御部272、FFT273、パイロット抽出部274、等化部275、デマッピング部276、ビット・デ・インタリーブ部277、ビタビ復号部278、エネルギー逆拡散部279を具備する。
【0120】
図10は、本実施の形態に係るレーダ検出処理部21の処理の一例を示すフローチャートである。
【0121】
この図10において、レーダ検出処理部21の処理ステップS1〜S10は、ある時間(例えば750[ms])を経過するたびに実行される。
【0122】
ステップS1において、データ取得部22は、ハードウェア部HWから、IEEE802.11a規格に準拠しておらずOFDM信号でもない信号の受信数D1、最新の受信信号において1回目のAGCを行ったときのデジタルRSSIの値D2、最新の受信信号におけるRSSIの値D3を取得する。
【0123】
ステップS2において、データ作成部23は、現在のD1の値と過去(時間T5前)のD1の値とが不一致であるか否か、すなわち、現在のD1の値と過去のD1の値との差分が所定のしきい値を超えるか否か判断する。
【0124】
現在のD1の値と過去のD1の値とが不一致でないと判断された場合、処理は、ステップS6に移る。
【0125】
現在のD1の値と過去のD1の値とが不一致と判断された場合、ステップS3において、データ作成部23は、D2の値が所定のしきい値V4未満か否か判断する。
【0126】
D2の値が所定のしきい値V4未満でないと判断された場合、処理は、ステップS6に移る。
【0127】
D2の値が所定のしきい値V4未満と判断された場合、ステップS4において、データ作成部23は、D3の値が所定のしきい値V5未満か否か判断する。
【0128】
D3の値が所定のしきい値V5未満でないと判断された場合、処理は、ステップS6に移る。
【0129】
D2の値が所定のしきい値V5未満と判断された場合(すなわち、現在のD1の値と過去のD1の値との差分が所定のしきい値V3を超え、かつ、D2及びD3の値がそれぞれに対するしきい値V4,V5未満の場合)、ステップS5において、データ作成部23は、レーダ検出カウンタのカウント値をアップする。
【0130】
これに対し、現在のD1の値と過去のD1の値との差分が所定のしきい値V3を超えないと判断された場合、D2の値がこのD2に対応するしきい値V4以上の場合、D3の値がこのD3に対応するしきい値V5以上の場合には、ステップS6で示すように、データ作成部23は、レーダ検出カウンタのカウント値をアップしない。
【0131】
次に、ステップS7において、検出部24は、現在のレーダ検出カウンタの値と過去(時間T7前)のレーダ検出カウンタの値との差分値がしきい値V6以上か否か判断する。
【0132】
現在のレーダ検出カウンタの値と過去のレーダ検出カウンタの値との差分値がしきい値V6以上の場合には、処理はステップS10に移る。
【0133】
現在のレーダ検出カウンタの値と過去のレーダ検出カウンタの値との差分値がしきい値V6以上でない場合、ステップS8において、検出部24は、現在のD1の値と過去(時間T8前)のD1の値との差分が所定のしきい値V7以上か否か判断する。
【0134】
現在のD1の値と過去のD1の値との差分が所定のしきい値V7以上ではない場合(すなわち、現在のレーダ検出カウンタの値と過去のレーダ検出カウンタの値との差分値がしきい値V6以上でなく、かつ、現在のD1の値と過去のD1の値との差分が所定のしきい値V7以上ではない場合)、ステップS9において、検出部24は、レーダ検出と判断しない。
【0135】
これに対して、現在のD1の値と過去のD1の値との差分が所定のしきい値V6以上の場合、または、現在のD1の値と過去のD1の値との差分が所定のしきい値V7以上の場合、ステップS10において、検出部24は、レーダ検出と判断する。
【0136】
上記の処理において、ステップS2〜S4の実行順序は自由に変更可能であり、あるいは並列に実行されるとしてもよい。ステップS7、S8についても実行順序を変更可能であり、並列に実行されるとしてもよい。
【0137】
以上説明した本実施の形態においては、無線LAN通信を行う通信装置に備えられる既存のハードウェア部HWに保持されているデータに基づいて、レーダ検出を高精度に行うことができ、誤検出により無線LAN通信が阻害されることを防止できる。本実施の形態においては、無線LAN通信の処理によって得られるデータを流用するため、回路規模が増加することを防止できる。
【0138】
なお、上記各実施の形態において、各種の構成要素は自由に修正可能である。例えば、上記図8における記憶装置31〜35は自由に組み合わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、無線通信の技術分野に有効である。
【符号の説明】
【0140】
1…通信システム、AP1〜AP3…親局の通信装置、STA1〜STA8…子局の通信装置、2…コンピュータ、3,10,31〜35…記憶装置、4…無線LANベースバンドチップ、5…無線部、6…アンテナ部、7,8…PCIC、9…MEMC、11…CPU、12…MAC、13…PHY、14…RF部、15…ソフトウェア、16…デバイスドライバ、17…無線LAN処理部、18,21…レーダ検出処理部、19…カウント部、20,24…検出部、HW…ハードウェア部、22…データ取得部、23…データ作成部、25…AGC部、26…ADC、27…復調・復号部、28…パルス検出部、29…未識別信号検出部、30…エラー検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信の受信信号のエッジ検出時の受信電力値と、このエッジ検出時から第1の時間経過後の受信電力値との差分値が、第1のしきい値より大きい場合に、カウンタのカウント値をアップする手段と、
第2の時間が経過するたびに、前記カウンタのカウント値と前記カウンタの第3の時間前のカウント値の差分値が第2のしきい値以上か否か判断し、前記カウンタのカウント値と前記第3の時間前のカウント値との差分値が第2のしきい値以上の場合に、レーダが検出されたと判断する手段と
を具備するレーダ検出装置。
【請求項2】
無線通信の所定の規格に準拠せずOFDM信号でもない受信信号の受信数を示す第1の値、最近の受信フレームにおいて1回目のオートゲインコントロールを行ったときのデジタルRSSI信号の値を示す第2の値、最新の受信フレームにおけるRSSIの値を示す第3の値に基づいて、最新の前記第1の値と第1の時間前の前記第1の値との差分値が第1のしきい値以上で、かつ、前記第2の値及び前記第3の値とがそれぞれに対応する第2のしきい値及び第3のしきい値未満の場合、レーダ検出カウンタのカウント値をアップする手段と、
第2の時間が経過するたびに、最新の前記レーダ検出カウンタの値と第3の時間前の前記レーダ検出カウンタの値との差分値が第4のしきい値以上か否か判断し、当該差分値が前記第4のしきい値以上になった場合に、レーダが検出されたと判断する手段と
を具備するレーダ検出装置。
【請求項3】
無線通信の所定の規格に準拠せずOFDM信号でもない受信信号の受信数を取得する手段と、
最新の前記第1の値と第1の時間前の前記第1の値との差分値があるしきい値以上か否か判断し、当該差分値が前記しきい値以上になった場合に、レーダが検出されたと判断する手段と
を具備するレーダ検出装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のレーダ検出装置において、
前記無線通信は、IEEE802.11諸規格のうちの少なくとも一つに準拠する無線LAN通信であることを特徴とするレーダ検出装置。
【請求項5】
無線通信の受信信号のエッジ検出時の受信電力値と、このエッジ検出時から第1の時間経過後の受信電力値との差分値が、第1のしきい値より大きい場合に、カウンタのカウント値をアップし、
第2の時間が経過するたびに、前記カウンタのカウント値と前記カウンタの第3の時間前のカウント値との差分値が第2のしきい値以上か否か判断し、前記カウンタのカウント値と前記第3の時間前のカウント値との差分値が前記第2のしきい値以上の場合に、レーダが検出されたと判断する
ことを特徴とするレーダ検出方法。
【請求項6】
無線通信の所定の規格に準拠せずOFDM信号でもない受信信号の受信数を示す第1の値、最近の受信フレームにおいて1回目のオートゲインコントロールを行ったときのデジタルRSSI信号の値を示す第2の値、最新の受信フレームにおけるRSSIの値を示す第3の値に基づいて、最新の前記第1の値と第1の時間前の前記第1の値との差分値が第1のしきい値以上で、かつ、前記第2の値及び前記第3の値とがそれぞれに対応する第2のしきい値及び第3のしきい値未満の場合、レーダ検出カウンタのカウント値をアップし、
第2の時間が経過するたびに、最新の前記レーダ検出カウンタの値と第3の時間前の前記レーダ検出カウンタの値との差分値が第4のしきい値以上か否か判断し、当該差分値が前記第4のしきい値以上になった場合に、レーダが検出されたと判断する
ことを特徴とするレーダ検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−66851(P2011−66851A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−217935(P2009−217935)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】