説明

レーダ装置及び光軸調整装置

【課題】光軸調整を正確に行う。
【解決手段】レーダ装置1は、平板状のプリント基板11と、予め設定された第1周波数の第1電磁波を送受信するべく、プリント基板11上に形成されたアンテナ111と、プリント基板11上に形成され、レーダ装置1の光軸調整において外部から照射される第2電磁波を反射可能に構成されたミラー113と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両に搭載され、該車両の周囲に存在する物体を検出するレーダ装置、及び、該レーダ装置の光軸を調整する光軸調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、先行車両等の自車両に対する相対距離、相対速度等を計測するレーダ装置では、送信ビームを予め設定された向きに調整する光軸調整を行う必要がある。この光軸調整を容易に且つ正確に行うために、種々の装置、方法等が提案されている。例えば、レーザ光をアンテナの前表面に装着した反射面へ向けて照射し、照射光と反射光のずれ角度を確認して、この角度に基づき、アンテナ軸調整用ブラケットの軸調整ボルトを調整するアンテナ軸調整装置が開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−326495号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載のアンテナ軸調整装置では、光軸調整に用いる反射面(=ミラー)が、例えば、レーダ装置のレドーム表面に貼付されている(特許文献1の図14参照)が、ミラーのアンテナ面に対する位置関係が予め設定された位置関係から変化している場合には、正確に光軸調整を行うことができない虞がある。また、ミラーがレドーム表面から剥離すると、光軸調整を行うことができない虞がある。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、光軸調整を正確に行うことの可能なレーダ装置、及び、該レーダ装置の光軸を調整する光軸調整装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有している。第1の発明は、車両に搭載され、該車両の周囲に存在する物体を検出するレーダ装置であって、平板状のプリント基板と、予め設定された第1周波数の第1電磁波を送受信するべく、前記プリント基板上に形成されたアンテナと、前記プリント基板上に形成され、該レーダ装置の光軸調整において外部から照射される第2電磁波を反射可能に構成された鏡面部と、を備える。
【0006】
第2の発明は、上記第1の発明において、前記プリント基板の前面側に配設され、前記アンテナ及び鏡面部を保護するレドームを備え、前記レドームの内、少なくとも前記鏡面部と対向する部位が、前記第2電磁波を透過可能に構成されている。
【0007】
第3の発明は、上記第2の発明において、前記レドームの内、少なくとも前記アンテナと対向する部位が、前記第1電磁波を透過可能に構成されている。
【0008】
第4の発明は、上記第2の発明において、前記レドームの内、少なくとも前記鏡面部と対向する部位が、透明な樹脂からなる。
【0009】
第5の発明は、上記第4の発明において、前記レドームの内、少なくとも前記鏡面部と対向する部位が、透明なポリカーボネート樹脂からなる。
【0010】
第6の発明は、上記第1の発明において、前記アンテナが、アレイアンテナである。
【0011】
第7の発明は、上記第6の発明において、前記アンテナが、マイクロストリップアンテナである。
【0012】
第8の発明は、上記第1の発明において、前記鏡面部が、前記アンテナを構成するアンテナパターンの材料と同一の材料からなるパターンとして前記プリント基板上に形成されている。
【0013】
第9の発明は、上記第8の発明において、前記鏡面部が、銅からなるパターンである。
【0014】
第10の発明は、上記第1の発明において、前記鏡面部が、金属材料を前記プリント基板上に蒸着して形成される。
【0015】
第11の発明は、上記第1の発明において、前記第1電磁波が、ミリ波である。
【0016】
第12の発明は、上記第1の発明〜第11の発明のいずれかに記載のレーダ装置の光軸を調整する光軸調整装置であって、前記鏡面部に向けて、前記第2電磁波を送信する送信手段と、前記鏡面部からの反射波を受信する受信手段と、を備える。
【0017】
第13の発明は、上記第12の発明において、前記第2電磁波が、予め設定された第2周波数のレーザ光である。
【0018】
第14の発明は、上記第12の発明において、前記受信手段が、CCD(Charge Coupled Device)センサを介して、前記鏡面部からの反射波を受信する。
【発明の効果】
【0019】
上記第1の発明によれば、アンテナが形成されたプリント基板上に、該レーダ装置の光軸調整において外部から照射される第2電磁波を反射可能に構成された鏡面部が形成されているため、鏡面部のアンテナに対する位置関係が変化する虞が少ないので、光軸調整を正確に行うことが可能となる。
【0020】
上記第2の発明によれば、アンテナ及び鏡面部を保護するレドームが、プリント基板の前面側に配設されているため、鏡面部のアンテナに対する位置関係が変化する虞が更に少ないので、光軸調整を更に正確に行うことが可能となる。また、レドームの内、少なくとも鏡面部と対向する部位が、光軸調整において外部から照射される第2電磁波を透過可能に構成されているため、レドームによる第2電磁波の減衰を抑制することができるので、光軸調整を更に正確に行うことが可能となる。
【0021】
上記第3の発明によれば、レドームの内、少なくともアンテナと対向する部位が、アンテナによって送受信される第1電磁波を透過可能に構成されているため、レドームによる第1電磁波の減衰を抑制することができるので、該レーダ装置の検出性能を確保することができる。
【0022】
上記第4の発明によれば、レドームの内、少なくとも鏡面部と対向する部位が、透明な樹脂からなるため、レドームによる第2電磁波の減衰を確実に抑制することができると共に、外部からの衝撃によるレドームの損傷の虞を低減することができる。
【0023】
上記第5の発明によれば、レドームの内、少なくとも鏡面部と対向する部位が、透明なポリカーボネート樹脂からなるため、レドームによる第2電磁波の減衰を確実に抑制することができると共に、外部からの衝撃によるレドームの損傷の虞を更に低減することができる。
【0024】
上記第6の発明によれば、アンテナがアレイアンテナであるため、アンテナをプリント基板上に容易に形成することができる。
【0025】
上記第7の発明によれば、アンテナがマイクロストリップアンテナであるため、アンテナをプリント基板上に更に容易に形成することができる。
【0026】
上記第8の発明によれば、鏡面部が、アンテナを構成するアンテナパターンの材料と同一の材料からなるパターンとしてプリント基板上に形成されているため、鏡面部をプリント基板上に容易に形成することができる。
【0027】
上記第9の発明によれば、鏡面部が、銅からなるパターンであるため、鏡面部をプリント基板上に更に容易に形成することができる。すなわち、エッチング処理等によって、鏡面部をプリント基板上に更に容易に形成することができるのである。
【0028】
上記第10の発明によれば、鏡面部が、金属材料をプリント基板上に蒸着して形成されるため、反射率の高い鏡面部を形成することができる。例えば、銀(Ag)を蒸着することによって、反射率の高い鏡面部を形成することができる。
【0029】
上記第11の発明によれば、第1電磁波が、ミリ波であるため、安価で高性能のレーダ装置を実現することができる。
【0030】
上記第12の発明によれば、プリント基板上に形成された鏡面部に向けて、第2電磁波が送信され、鏡面部からの反射波が受信されるため、鏡面部のアンテナに対する位置関係が変化する虞が少ないので、光軸調整を正確に行うことができる。
【0031】
上記第13の発明によれば、第2電磁波が、予め設定された第2周波数のレーザ光であるため、安価な構成で正確に光軸調整を行うことができる。
【0032】
上記第14の発明によれば、CCD(Charge Coupled Device)センサを介して、鏡面部からの反射波が受信されるため、更に安価な構成で正確に光軸調整を行うことができる。
【0033】
すなわち、例えば、2次元に配列されたCCDセンサを介して、反射波の受信位置を検出することが可能となるため、光軸のズレを正確に検出することができるので、更に安価な構成で正確に光軸調整を行うことができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図面を参照して本発明に係るレーダ装置及び光軸調整装置の実施形態について説明する。本発明に係るレーダ装置は、車両に搭載され、車両の周囲に存在する物体との距離を検出する装置である。図1は、本発明に係るレーダ装置の車両への配設状態の一例を示す説明図である。図1(a)は側面図であって、図1(b)は平面図である。図1に示すように、本発明に係るレーダ装置1は、車両VCの先端近傍の幅方向略中央部に配設されており、検出領域DR内の車両VCの前方に存在する物体との距離を検出する。
【0035】
検出領域DRは、ここでは、図1(a)に示すように地面と平行であって、図1(b)に示すように車両VCの幅方向の中心に位置する中心軸CL(=光軸に相当する)を中心として、車両VCの前方側に向けて先拡がり形状となる四角錐状の領域である。すなわち、本発明に係る光軸調整装置は、レーダ装置1の光軸(=図2に示すアンテナ111から送信される電磁波の中心軸)を、図1に示す中心軸CLと一致させるべく調整する装置である。
【0036】
図4は、従来のレーダ装置3の構成の一例を示す正面図である。図4に示すように、レーダ装置3は、ブラケット31、アンテナ32、及び、ミラー33を備えている。ブラケット31は、車両VCのシャーシ等に固定され、内部に高周波発生回路等の各種の回路(図示省略)を収納するものであって、アンテナ32及びミラー33を支持して固定するものである。アンテナ32は、ブラケット31の略中央部に配設され、物体を検出するべく第1電磁波(例えば、ミリ波)を送受信するものである。ミラー33は、ブラケット31においてアンテナ32の左側に配設され、外部から(例えば、図3を用いて後述する投光部21から)照射される光軸調整用の第2電磁波を反射可能に構成されたものである。
【0037】
このように、従来のレーダ装置3に配設されたミラー33は、ブラケット31に貼付等されて固定されているため、ミラー33のアンテナ32に対する位置関係が予め設定された位置関係から変化する虞がある。また、ミラー33がブラケット31から剥離すると、光軸調整を行うことができない虞がある。
【0038】
図2は、本発明に係るレーダ装置1の構成の一例を示す説明図である。図2(a)は、レーダ装置1の正面図(図1(a)の左側からレーダ装置1を見た図)であって、図2(b)は、レーダ装置1の側面図(図1(a)の紙面手前側からレーダ装置1を見た図)である。図2(b)に示すように、レーダ装置1は、プリント基板11、レドーム12、及び、筐体13を備えている。なお、図2(a)は、便宜上、レドーム12を取り外した場合を示している。
【0039】
プリント基板11は、矩形平板状のプリント基板であって、表面にエッチング等によって、アンテナ111、スルーホール112及びミラー113が形成される。アンテナ111は、予め設定された第1周波数の第1電磁波を送受信するべく、プリント基板11上に形成されるものである。ここで、レーダ装置1は、アンテナ111から送信された第1電磁波が物体によって反射され、反射された反射波をアンテナ111によって受信して、受信された反射波の、送信される第1電磁波(=送信波)に対する遅延時間を求めて、物体との距離を検出するものである。
【0040】
具体的には、アンテナ111は、プリント基板11上に形成された銅(Cu)のパターンからなるマイクロストリップアンテナである。
【0041】
このようにして、アンテナ111がマイクロストリップアンテナであるため、アンテナ111をプリント基板11上に容易に形成することができる。なお、本実施形態では、アンテナ111がマイクロストリップアンテナである場合について説明するが、アンテナ111がアレイアンテナである形態であれば良い。
【0042】
また、アンテナ111によって送受信される電磁波(=第1電磁波)は、ミリ波である。すなわち、第1電磁波は、30GHz〜300GHz(真空中での波長は1mm〜10mm程度)の電磁波である。このようにして、アンテナ111によって送受信される電磁波がミリ波であるため、安価で高性能のレーダ装置1を実現することができる。なお、本実施形態では、第1電磁波が、ミリ波である場合について説明するが、第1電磁波が、その他の周波数の電磁波(例えば、レーザ光)である形態でも良い。
【0043】
スルーホール112は、プリント基板11の表面(図2(b)の左側)に形成されたアンテナ111を構成するパターンの端部と、プリント基板11の裏面側(図2(b)の右側:筐体13の内部)に配設された高周波発生回路等の各種の回路(図示省略)と、を通信可能に接続するものである。
【0044】
ミラー113(鏡面部に相当する)は、プリント基板11の表面(図2(b)の左側)においてアンテナ111の右下方に形成され、レーダ装置1の光軸調整において外部から(ここでは、図3を用いて後述する投光部21から)照射される第2電磁波を反射可能に構成されたものである。
【0045】
このようにして、アンテナ111が形成されたプリント基板11上に、レーダ装置1の光軸調整において外部から照射される第2電磁波を反射可能に構成されたミラー113が形成されているため、ミラー113のアンテナ111に対する位置関係が変化する虞が少ないので、光軸調整を正確に行うことが可能となる。
【0046】
また、ここでは、ミラー113は、アンテナ111を構成するアンテナパターンの材料と同一の材料(ここでは、銅(Cu)である)からなるパターンとしてプリント基板11上にエッチング等によって形成されている。このようにして、ミラー113が、アンテナ111を構成するアンテナパターンの材料と同一の材料からなるパターンとしてプリント基板11上に形成されているため、ミラー113をプリント基板11上に容易に形成することができる。
【0047】
なお、本実施形態では、ミラー113が、銅(Cu)からなるパターンである場合について説明するが、ミラー113が、金属材料(例えば、銀(Ag)等)をプリント基板11上に蒸着して形成される形態でも良い。この場合には、反射率の高いミラー113を形成することができる。また、ミラー113が、銅(Cu)からなるパターン上に、金属材料(例えば、銀(Ag)等)を蒸着して形成される形態でも良い。この場合には、更に反射率の高いミラー113を形成することができる。
【0048】
レドーム12は、プリント基板11の前面側(図2(b)の左側)に配設され、アンテナ111及びミラー113を保護するカバーである。また、レドーム12は、第1電磁波(=ミリ波)及び第2電磁波(=レーザ光LB1、LB2:図3参照)を透過可能に構成されている。すなわち、レドーム12は、透明なポリカーボネート樹脂からなる。
【0049】
このようにして、レドーム12が、第1電磁波(=ミリ波)を透過可能に構成されているため、レドーム12による第1電磁波の減衰を抑制することができるので、レーダ装置1の検出性能を確保することができる。また、レドーム12が、第2電磁波(=レーザ光LB1、LB2:図3参照)を透過可能に構成されているため、レドーム12による第2電磁波の減衰を抑制することができるので、光軸調整を更に正確に行うことが可能となる。
【0050】
本実施形態においては、レドーム12が、第1電磁波及び第2電磁波を透過可能に構成されている場合について説明するが、レドーム12の内、少なくともアンテナ111と対向する部位121が、第1電磁波を透過可能に構成され、且つ、レドーム12の内、少なくともミラー113と対向する部位122が、第2電磁波を透過可能に構成されている形態であれば良い。
【0051】
また、本実施形態においては、レドーム12が、透明なポリカーボネート樹脂からなる場合について説明するが、他の種類の透明な樹脂(ポリフェニレンサルファイド樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂等)からなる形態でも良い。更に、レドーム12が、その他の透明な材料(例えば、ガラス等)からなる形態でも良い。
【0052】
筐体13は、車両VCのシャーシ等に固定され、内部に高周波発生回路等の各種の回路(図示省略)を収納するものであって、プリント基板11及びレドーム12を支持して固定するものである。
【0053】
図3は、本発明に係る光軸調整装置2の構成の一例を示す説明図である。図3(a)は側面図であって、図3(b)は平面図である。光軸調整装置2は、投光部21、受光部22、及び、支持部材23を備えている。支持部材23は、光軸調整が行われる場所の床面に垂直に立設され、投光部21及び受光部22を支持するものである。
【0054】
投光部21(送信手段に相当する)は、レーダ装置1のミラー113に向けて、第2電磁波を送信するものである。ここでは、投光部21は、レーザ発振器等を備え、予め設定された第2周波数のレーザ光LB1をミラー113に照射する。
【0055】
受光部22(受信手段に相当する)は、投光部21から照射され、レーダ装置1のミラー113によって反射された反射波(ここでは、反射光)を受信するものである。ここでは、受光部22は、2次元に配列されたCCD(Charge Coupled Device)センサを備え、CCDセンサを介して、ミラー113からの反射光(=レーザ光LB2)を受光する。
【0056】
光軸調整装置2は、受光部22に受光された反射光(=レーザ光LB2)の位置を、予め設定された所定の位置とするべく、レーダ装置1の光軸を調整する。すなわち、光軸調整装置2は、レーダ装置1の光軸(=図1に示すアンテナ111から送信される電磁波の中心軸)を、図3に示す中心軸CLと一致させるべく調整する装置である。
【0057】
このようにして、プリント基板11上に形成されたミラー113(図2参照)に向けて、第2電磁波(ここでは、レーザ光LB1)が送信され、ミラー113からの反射波(ここでは、レーザ光LB2)が受信されるため、ミラー113のアンテナ111に対する位置関係が変化する虞が少ないので、光軸調整を正確に行うことができる。
【0058】
また、投光部21から投光される第2電磁波が、予め設定された第2周波数のレーザ光であるため、安価な構成で正確に光軸調整を行うことができる。
【0059】
更に、CCDセンサを介して、ミラー113からの反射波(ここでは、レーザ光LB2)が受信されるため、更に安価な構成で正確に光軸調整を行うことができる。
【0060】
すなわち、2次元に配列されたCCDセンサを介して、反射波(ここでは、レーザ光LB2)の受信位置を検出することが可能となるため、光軸のズレを正確に検出することができるので、更に安価な構成で正確に光軸調整を行うことができるのである。
【0061】
なお、本実施形態では、投光部21から射出される第2電磁波が、レーザ光である場合について説明するが、投光部21から射出される第2電磁波が、その他の周波数域の電磁波(例えば、ミリ波)である形態でも良い。また、本実施形態では、受光部22が、CCDセンサを介して、ミラー113からの反射光を受光する場合について説明するが、受光部22が、その他のセンサ(例えば、フォトセンサ等)を介してミラー113からの反射光を受光する形態でも良い。
【0062】
なお、本発明に係るレーダ装置及び光軸調整装置は、上記実施形態に限定されず、下記の形態でも良い。
(A)本実施形態においては、レーダ装置1が、車両VCの前方の物体を検出する場合について説明したが、レーダ装置1が、車両VCの周囲に存在する物体を検出する形態であれば良い。例えば、レーダ装置1が、車両VCの後方の物体を検出する形態でも良いし、レーダ装置1が、車両VCの側方の物体を検出する形態でも良い。
【0063】
(B)本実施形態においては、図2に示すように、ミラー113が、プリント基板11においてアンテナ111の右下方に形成されている場合について説明したが、ミラー113が、アンテナ111が形成されたプリント基板11上に形成されている形態であれば良い。すなわち、ミラー113とアンテナ111との位置関係は、図2に示す形態に限定されない。
【0064】
例えば、ミラー113が、プリント基板11の略中央部に配設され、その両側(又は上下)に送信用のアンテナ111が形成されている形態でも良い。この場合には、ミラー113が、プリント基板11の略中央部に配設されているため、プリント基板11が変形した場合(例えば、反りが発生した場合)であっても、正確に光軸調整を行うことができる。
【0065】
(C)本実施形態においては、光軸調整装置2において、図3に示すように、受光部22が、投光部21と離間する位置に配設されている場合について説明したが、投光部21と受光部22との位置関係は、図3に示す形態に限定されない。すなわち、例えば、受光部22が、投光部21と近接する位置に配設されている形態でも良いし、投光部21の周囲に受光部22が配設されている形態でも良い。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、例えば、車両に搭載され、該車両の周囲に存在する物体を検出するレーダ装置、及び、該レーダ装置の光軸を調整する光軸調整装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係るレーダ装置の車両への配設状態の一例を示す説明図
【図2】本発明に係るレーダ装置の構成の一例を示す説明図
【図3】本発明に係る光軸調整装置の構成の一例を示す説明図
【図4】従来のレーダ装置の構成の一例を示す正面図
【符号の説明】
【0068】
1 レーダ装置
11 プリント基板
111 アンテナ
112 スルーホール
113 ミラー(鏡面部)
12 レドーム
13 筐体
2 光軸調整装置
21 投光部(送信手段)
22 受光部(受信手段)
23 支持部材
3 レーダ装置
31 ブラケット
32 アンテナ
33 ミラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、該車両の周囲に存在する物体を検出するレーダ装置であって、
平板状のプリント基板と、
予め設定された第1周波数の第1電磁波を送受信するべく、前記プリント基板上に形成されたアンテナと、
前記プリント基板上に形成され、該レーダ装置の光軸調整において外部から照射される第2電磁波を反射可能に構成された鏡面部と、を備える、レーダ装置。
【請求項2】
前記プリント基板の前面側に配設され、前記アンテナ及び鏡面部を保護するレドームを備え、
前記レドームの内、少なくとも前記鏡面部と対向する部位は、前記第2電磁波を透過可能に構成されている、請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項3】
前記レドームの内、少なくとも前記アンテナと対向する部位は、前記第1電磁波を透過可能に構成されている、請求項2に記載のレーダ装置。
【請求項4】
前記レドームの内、少なくとも前記鏡面部と対向する部位は、透明な樹脂からなる、請求項2に記載のレーダ装置。
【請求項5】
前記レドームの内、少なくとも前記鏡面部と対向する部位は、透明なポリカーボネート樹脂からなる、請求項4に記載のレーダ装置。
【請求項6】
前記アンテナは、アレイアンテナである、請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項7】
前記アンテナは、マイクロストリップアンテナである、請求項6に記載のレーダ装置。
【請求項8】
前記鏡面部は、前記アンテナを構成するアンテナパターンの材料と同一の材料からなるパターンとして前記プリント基板上に形成されている、請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項9】
前記鏡面部は、銅からなるパターンである、請求項8に記載のレーダ装置。
【請求項10】
前記鏡面部は、金属材料を前記プリント基板上に蒸着して形成される、請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項11】
前記第1電磁波は、ミリ波である、請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項12】
請求項1〜請求項11のいずれかに記載のレーダ装置の光軸を調整する光軸調整装置であって、
前記鏡面部に向けて、前記第2電磁波を送信する送信手段と、
前記鏡面部からの反射波を受信する受信手段と、を備える、光軸調整装置。
【請求項13】
前記第2電磁波は、予め設定された第2周波数のレーザ光である、請求項12に記載の光軸調整装置。
【請求項14】
前記受信手段は、CCD(Charge Coupled Device)センサを介して、前記鏡面部からの反射波を受信する、請求項12に記載の光軸調整装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−43872(P2010−43872A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−206222(P2008−206222)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】