説明

レール式薬剤散布装置

【課題】レールに沿って走行される主作業機の走行機構を簡易な構造とすることで、小型軽量化と取扱性の向上を図り、他の作業用レールへの横移動も容易に行うことができるレール式薬剤散布装置を提供する。
【解決手段】縦レール2(作業用レール)に沿って走行し、薬液を周囲に散布する散布ノズル3が搭載される主作業機10を有し、該主作業機10は、縦レール2の上側に位置して該縦レール2の上面を転動するつば付きの上部車輪12・13と、該縦レール2の下側に位置して該縦レール2の下面を転動するつば付きの下部車輪14と、該車輪を駆動する駆動モータを有する駆動機構15とを具備し、前記上部車輪12・13は2輪、下部車輪14は1輪設けられ、前記駆動機構15は、これら上部車輪12・13及び下部車輪14の少なくとも1輪を駆動することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウスの梁構造を利用して懸架設置した作業用レールに沿って自動往復するレール式薬剤散布装置に係り、特に、駆動方式の合理化を図ることで小型軽量化と取扱性の向上を図る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、施設園芸の管理作業の中で、防除作業は作業負担が大きく作業の省力・軽労化が求められている。また、高齢者や女性作業者でも効率的に利用できる薬剤散布装置の開発が必要とされており、各種無人・自動化機器が開発されている。
このため、2000年には四国農業試験揚(現、近畿中国四国農業研究センター)において、メーカーと共同でレール式自動薬剤散布装置が開発されたが、小規模な施設園芸に対応するためには、更なる低コストかつ取扱性の優れた小型機が求められている。
【0003】
従来、この種の技術として、特許文献1に示されるレール式自動薬剤散布装置が知られている。
このレール式自動薬剤散布装置では、ハウス内の作業用レールに沿って主作業機を懸架走行させ、該主作業機から、ホースで送られてきた薬液をブームノズルで散布する。本装置は比較的規模の大きい棚田の水平連棟ハウスでの使用を想定し、自動往復作業と、簡易な横移動台車によるレール間移動ができる機能を有している。
【0004】
主作業機については、搭載バッテリを電源としてDCモータにより駆動輪を駆動して走行する。ここで、走行機構は、2個の駆動輪で角パイプレールを上下から挟んで駆動する方式とし、レールから脱線しないよう遊転輪を上下に複数配置した構成を有している。また、往復走行については、機体前方のリミットスイッチが作業用レールの端部に取り付けられたストッパに当たると、モータ回転方向が逆転するごとにより往復走行する。停止は機体後方のリミットスイッチが作動することによる。
なお、当該発明では作業用レール間の横移動方式も示しており、作業用レールに直交して配置したハンガーレールに懸架した手押し横移動台車に、主作業機を乗り移らせて行うとしている。
また、この種の技術として、非特許文献1に示されるレール式自動薬剤散布装置も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−317363号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】棚田の水平連棟ハウスに対応したレール式自動薬剤散布装置(1999)、四国農業試験場平成10年度研究成果情報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来のレール式薬剤自動散布装置は、角パイプレールを上下から複数の駆動輪及び遊転輪で挟み込んで走行するものである。このため、構造的に小型軽量化には限界がある。搭載バッテリが乗用車用と同じく大きいこともあって、機体質量は約25kgにもなっていた。
横移動については、ハンガーレールに2輪で懸架走行する横移動台車を使用しており、質量25kgの散布装置を搭載して容易に動かせるものの、大掛かりな構造であるために、主作業機を異なるハウスで使用する場合など、該主作業機の円滑な移動ができないという問題があった。
【0008】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、レールに沿って走行される主作業機の走行機構を簡易な構造とすることで、小型軽量化と取扱性の向上を図り、他の作業用レールへの横移動も容易に行うことができるレール式薬剤散布装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明は、作業用レールに沿って走行し、薬液を周囲に散布する散布ノズルが装着される主作業機を有し、該主作業機は、前記作業用レールの上側に位置して該作業用レールの上面を転動するつば付きの上部車輪と、該作業用レールの下側に位置して該作業用レールの下面を転動するつば付きの下部車輪と、該車輪を駆動する駆動モータを有する駆動機構とを具備し、前記上部車輪は2輪、下部車輪は1輪設けられ、前記駆動機構は、これら上部車輪及び下部車輪の少なくとも1輪を駆動することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、作業用レールに沿って走行し、薬液を周囲に散布する散布ノズルが装着される主作業機を有し、該主作業機は、前記作業用レールの上側に位置して該作業用レールの上面を転動するつば付きの上部車輪と、該作業用レールの下側に位置して該作業用レールの下面を転動するつば付きの下部車輪と、該車輪を駆動する駆動モータを有する駆動機構と、を具備し、前記上部車輪は1輪、下部車輪は2輪設けられ、前記駆動機構は、これら上部車輪及び下部車輪の少なくとも1輪を駆動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、主作業機の上部車輪を2輪、下部車輪を1輪とする、又は主作業機の上部車輪を1輪、下部車輪を2輪とし、駆動機構により、これら合計3輪の上部車輪及び下部車輪の少なくとも1輪を駆動する構成であるので、従来のように多数の車輪を駆動モータで駆動することがなく、その結果、駆動機構が簡素化され、全体重量の軽量化を図ることができる。
また、これら主作業機の上部車輪及び下部車輪をつば付きとしたので、該つばによって、これら車輪が作業用レールに嵌合し、途中で脱輪することなく、作業用レール上を円滑走行することができる。また、車輪形状をつば付きとすることで、従来装置で脱線防止のために取りつけられていた遊転輪の機能も代替させることができ、この点でも、車輪に係る構成を簡素化することができる。
また、これら主作業機の上部車輪及び下部車輪は、作業用レールを挟んで全部で3輪であるので、例えば、2輪を作業用レールに載せた後、残りの1輪を該作業用レールに挟み込むという作業により、該作業用レールからの取り付けが簡単になる。同様に、作業用レールからの主作業機の取り外しの際には、1輪を作業用レールから外した後、残りの2輪を該作業用レールから離すようにすれば、その取り外しが容易となる。さらに、上述したように全体重量の軽量化が図られているので、これら作業用レールへの取り付け、取り外し作業も簡単に行うことができる。
【0012】
また、主作業機を他の作業用レールに横移動させる際には、作業者が主作業機を持って直接取り外す又は取り付ける以外に、横移動台車も使用することができる。例えば、横移動台車を主作業機が懸架されている作業用レールの一端に配置した状態で、該横移動台車の昇降機構を操作して支持フレームを上昇させ、該支持フレーム上の補助レールを、作業用レールの端部に接続しかつ該作業用レールと同一線上に配置することができる。そして、この状態で、前記作業用レールに懸架された主作業機をスライドさせて補助レールに受け渡し懸架させることができる。その後、主作業機が懸架された当該横移動台車の台車部を作業者が手押して横移動することで、該横移動台車上の主作業機を他の作業用レールまで簡単に運搬することができる。このとき、該台車部には、主作業機が懸架された支持フレームを昇降させる昇降機構が設けられているので、該昇降機構によって、主作業機が懸架される支持フレームを、作業用レールの高さに合わせて上下位置の調整をすることができ、その結果、該作業用レールと支持フレームとの間での主作業機の受け渡しを円滑に行うことが可能となる。
また、このような手押し式の横移動台車を用いて、作業用レール間の主作業機の移転を行うことができるので、従来のようにハウス内に横移動用のハンガーレールを設置する必要もなく、この点においても構造の簡素化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ハウス及びハウス内の作業用レール(縦レール)を示す斜視図である。
【図2】図1にIIで示される作業用レールに懸架された主作業機の斜視図である。
【図3】主作業機の駆動機構を示す図である。
【図4】主作業機が補助レールに懸架された状態を示す図である。
【図5】主作業機が横移動台車に搭載された状態を示す斜視図である。
【図6】図5にVIで示される箇所にて、作業用レール(縦レール)と補助レールとが結合されるところを示す正面図であって、(A)作業用レールと補助レールとが同一線上に配置された状態を示す図、(B)は補助レールから連結部材が突出した状態を示す図、(C)は連結部材を介して作業用レールと補助レールとが結合された状態を示す図である。
【図7】駆動機構の他の形態1を示す図である。
【図8】駆動機構の他の形態2を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るレール式薬剤散布装置の実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
図1において、符号1は作物畝の長手方向に沿って建設された3連棟のハウスであり、このハウス1内において、作物畝の上方に、ハウス1の梁や支柱を利用して角パイプレールからなる3本の縦レール2が一定の高さでかつ互いに間隔をおいて架設され、各縦レール2には、散布機3が搭載される主作業機10が懸架可能となっている。
【0015】
該主作業機10は、縦レール2に沿う前後(矢印a−b方向)何れの方向にも移動可能に設けられたものであって、該主作業機10に搭載された散布機3により、縦レール2の両側にある作物畝に薬液を散布する。
【0016】
該主作業機10の具体的構成について、図2及び図3を参照して説明する。
該主作業機10は、装置本体を構成するケーシング11と、該ケーシング11内に回転自在に設けられた3つの車輪12〜14と、該車輪12〜14の少なくとも1輪を駆動する駆動機構15と、を有する構成である。
【0017】
前記車輪12〜14の中で、車輪12及び車輪13は上部車輪であって、縦レール2の上面に沿って走行する。車輪14は下部車輪であって、該縦レール2の下面に沿って走行する。そして、このような上部車輪の車輪12・13、及び下部車輪の車輪14によって、縦レール2を上下方向から挟むことで、主作業機10が縦レール2に沿って矢印a−b方向に走行自在となる。
また、これら車輪12〜14として、その周縁部に、フランジ部となるつば12A〜14Aが設けられたつば付き車輪が用いられている。そして、車輪12〜14の形状をつば付きとすることで、従来装置で脱線防止のために取りつけられていた遊転輪の機能を代替させている。
【0018】
そして、このような主作業機10では、縦レール2を挟んだ上部車輪12・13及び下部車輪14が全部で3輪であるので、例えば、縦レール末端において、上部車輪12を該縦レール2に載せた後、矢印a方向に進行させ下部車輪14とで該縦レール2を挟み込みながら、さらに進行させ上部車輪13を該縦レール2に載せるという作業により、該縦レール2への取り付けが簡単に行える。また、縦レール2からの主作業機10の取り外しの際には、矢印b方向に進行させ上部車輪13の1輪を縦レール2から外した後、残りの上部車輪12と下部車輪の14の2輪を該縦レール2から離すようにすれば、その取り外しが容易にできる。
【0019】
前記駆動機構15は、図3に示すように、駆動モータ20と、該駆動モータ20の回転を減速する減速機21と、該減速機21を経由した駆動モータ20の駆動力が伝達される駆動スプロケット22と、該駆動スプロケット22に巻回されて該駆動スプロケット22に伝達された駆動力を、下部車輪14に伝達するチェン23と、を有するものであって、該チェン23に加わる駆動力は、車輪14と同軸状に配置される車輪スプロケット24に伝達されることで、該車輪14を回転駆動させる。
【0020】
そして、このような主作業機10では、合計3輪の上部車輪12・13及び下部車輪14の1つ(本例では、下部車輪14)を駆動し、残りの上部車輪12・13の2輪を遊動輪とする方式も採用でき、従来のように多数の車輪を駆動モータで駆動することがなく、その結果、駆動機構15を簡素化し、全体重量の軽量化を図ることもできる。
【0021】
また、主作業機10を他の縦レール2に横移動(矢印a‐b方向と直交する方向)させる際には、作業者が主作業機10を持って、直接取り外す又は取り付ける以外に、横移動台車30も使用することができる。この横移動台車30は、図4に示すように、作業者が手押しすることによって地面を走行可能な台車部31と、主作業機10を懸架可能な補助レール32を水平に支持する支持フレーム33を有し該支持フレーム33を前記台車部31上にて昇降自在に支持する昇降機構34と、を具備する構成とされ、前記補助レール32は懸架部材33Aで吊り下げられることにより、前記支持フレーム33上に水平に支持されている。また、前記懸架部材33Aは、前記支持部材33の上端部に脱着自在に設けられており、該支持部材33の上端にて補助レール32を介して前記主作業機10が支持される。
【0022】
そして、このような横移動台車30では、昇降機構34の昇降動作により、支持フレーム33上の補助レール32を、水平状態を維持したまま上下動させることができる。また、図5に示すように、昇降機構34による支持フレーム33の上昇時に、前記補助レール32を、前記縦レール2の端部に接続しかつ該縦レール2と同一線上に配置することができ、この状態で、前記縦レール2に懸架された主作業機10を矢印b方向(図5参照)にスライドさせて補助レール32に受け渡し懸架させることができる。
その後、横移動台車30を横移動させることで、該補助レール32を他の縦レール2と同一線上に接続して、該補助レール32に懸架された主作業機10を、該縦レール2に受け渡すことができる。また、このとき、縦レール2と補助レール32の高さが互いに違ったとしても、昇降機構34の昇降動作により、補助レール32の高さを調整して他の縦レール2と同一線上に配置することができ、これにより補助レール32から縦レール2への主作業機10の受け渡しを支障なく行うことができる。
【0023】
なお、前記補助レール32は、縦レール2と同様、角パイプレールによって構成されているが、図6に示すように、この補助レール32の端部内には、該補助レール32よりも小径の連結部材40が軸方向に出入り可能に挿入されている。そして、このような補助レール32では、縦レール2と同一線上に配置した状態で、図6(A)及び(B)に示すように、内部に収容されている連結部材40を引き出して突出させ、その後、図6(C)に示すように、該連結部材40の突出部を、同一線上に配置された縦レール2内に挿入させるようにすれば、該補助レール32を介して、これら縦レール2と補助レール32とを隙間が発生することなく互いに結合することが可能となる。また、図6(A)〜図6(C)に示すような補助レール32からの連結部材40の突出、又はその後の補助レール32への連結部材40の収納は該連結部材40の側部に設けたつまみ40Aにより行う。
【0024】
また、上記例では、上部車輪12・13及び下部車輪14という3つ車輪によって、縦レール2を上下方向から挟むようにしたが、1つの上部車輪、2輪の下部車輪によって縦レール2を上下方向から挟むようにしても良い。
また、上記例では、下部車輪14を駆動モータ20で駆動することで主作業機10を駆動走行させるようにしたが、下部車輪14のみの駆動に限定されず、駆動モータ20の動力を、図7に示すように下部車輪14とともに上部車輪13に伝達、又は図8に示すように下部車輪14とともに上部車輪12・13の双方に伝達しても良い。
すなわち、3つの車輪12〜14で縦レール2を上下方向から挟み、これら車輪の少なくとも1輪を駆動することで、縦レール2に沿って主作業機10を走行させることを必須とするものである。
【0025】
以上詳細に説明したように本実施形態に示すレール式薬剤散布装置では、主作業機10の上部車輪12・13を2輪、下部車輪14を1輪とする、又は主作業機10の上部車輪12・13を1輪、下部車輪14を2輪とし、駆動機構15により、これら合計3輪の上部車輪12・13及び下部車輪14の少なくとも1輪を駆動する構成であるので、従来のように多数の車輪を駆動モータ20で駆動することがなく、その結果、駆動機構15が簡素化され、全体重量の軽量化を図ることができる。
【0026】
また、これら主作業機10の上部車輪12・13及び下部車輪14をつば付きとしたので、これらつば12A〜14Aによって、これら車輪が縦レール2に嵌合し、途中で脱輪することなく、縦レール2上を円滑走行することができる。また、車輪形状をつば付きとすることで、従来装置で脱線防止のために取りつけられていた遊転輪の機能も代替させることができ、この点でも、車輪に係る構成を簡素化することができる。
【0027】
また、これら主作業機10の上部車輪12・13及び下部車輪14は、縦レール2を挟んで全部で3輪であるので、例えば、2輪を縦レール2に載せた後、残りの1輪を該縦レール2に挟み込むという作業により、該縦レール2からの取り付けが簡単になる。同様に、縦レール2からの主作業機10の取り外しの際には、1輪を縦レール2から外した後、残りの2輪を該縦レール2から離すようにすれば、その取り外しが容易となる。さらに、上述したように全体重量の軽量化が図られているので、これら縦レール2への取り付け、取り外し作業も簡単に行うことができる。
【0028】
また、主作業機10を他の縦レール2に横移動させる際には、横移動台車30も利用することができる。具体的には、横移動台車30を主作業機10が懸架されている縦レール2の一端に配置した状態で、該横移動台車30の昇降機構34を操作して支持フレーム33を上昇させ、該支持フレーム33上の補助レール32を、縦レール2の端部に接続しかつ該縦レール2と同一線上に配置することができる。そして、この状態で、前記縦レール2に懸架された主作業機10を矢印b方向(図5参照)にスライドさせて補助レール32に受け渡し懸架させることができる。その後、主作業機10が懸架された当該横移動台車30の台車部31を作業者が手押して横移動することで、該横移動台車30上の主作業機10を他の縦レール2まで簡単に運搬することができる。このとき、該台車部31には、主作業機10が懸架された支持フレーム33を昇降させる昇降機構34が設けられているので、該昇降機構34によって、主作業機10が懸架される支持フレーム33を、縦レール2の高さに合わせて上下位置の調整をすることができ、その結果、該縦レール2と支持フレーム33との間での主作業機10の受け渡しを円滑に行うことが可能となる。
すなわち、このような手押し式の横移動台車30を用いて、縦レール2間の主作業機10の移し変えを行うことができるので、従来のようにハウス内に横移動用のハンガーレールを設置する必要もなく、この点においても構造の簡素化が可能となる。
【0029】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、ハウスの梁構造を利用して懸架設置したレールに沿って自動往復するレール式薬剤散布装置に係り、特に、駆動方式の合理化を図ることで小型軽量化と取扱性の向上を図る技術に関する。
【符号の説明】
【0031】
2 縦レール(作業用レール)
3 散布ノズル
10 主作業機
12 上部車輪
13 上部車輪
14 下部車輪
15 駆動機構
20 駆動モータ
30 横移動台車
31 台車部
32 補助レール
33 支持フレーム
34 昇降機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業用レールに沿って走行し、薬液を周囲に散布する散布ノズルが装着される主作業機を有し、
該主作業機は、前記作業用レールの上側に位置して該作業用レールの上面を転動するつば付きの上部車輪と、該作業用レールの下側に位置して該作業用レールの下面を転動するつば付きの下部車輪と、該車輪を駆動する駆動モータを有する駆動機構とを具備し、
前記上部車輪は2輪、下部車輪は1輪設けられ、前記駆動機構は、これら上部車輪及び下部車輪の少なくとも1輪を駆動することを特徴とするレール式薬剤散布装置。
【請求項2】
作業用レールに沿って走行し、薬液を周囲に散布する散布ノズルが装着される主作業機を有し、
該主作業機は、前記作業用レールの上側に位置して該作業用レールの上面を転動するつば付きの上部車輪と、該作業用レールの下側に位置して該作業用レールの下面を転動するつば付きの下部車輪と、該車輪を駆動する駆動モータを有する駆動機構と、を具備し、
前記上部車輪は1輪、下部車輪は2輪設けられ、前記駆動機構は、これら上部車輪及び下部車輪の少なくとも1輪を駆動することを特徴とするレール式薬剤散布装置。
【請求項3】
前記作業用レールから取り外された主作業機が懸架される補助レールを有する横移動台車を有し、
該横移動台車は、作業者の手押しによって地面を走行可能な台車部と、前記補助レールを水平に支持する支持フレームを有し該支持フレームを前記台車部上にて昇降自在に支持する昇降機構とを有し、
前記補助レールは、該昇降機構による前記支持フレームの上昇時に、前記作業用レールの端部と接続され、かつ該作業用レールと同一線上に配置されることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のレール式薬剤散布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−196179(P2012−196179A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62761(P2011−62761)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(501203344)独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 (827)
【Fターム(参考)】