説明

ログ整理装置及びプログラム

【課題】ログに含まれる情報のうち有用な情報を残しつつ、記憶手段に記憶されているログの件数を減らす。
【解決手段】ログ整理装置は、ログファイルを読み出し(Sa1)、ログに設定されている最大件数を超えるログが記憶されている場合には、古いログから順に削除する(Sa2、Sa3)。また、ログ整理装置は、保持件数を超過した情報が記憶されている項目があれば、当該項目を選択し、超過している分の情報を削除する(Sa4、Sa5、Sa6)。その後、ログ整理装置は、情報を削除した結果、集約可能なログがあれば、ログを集約する(Sa7、Sa8)。なお、保持件数は、例えば、その項目をユーザがレポートの表示項目として指定した回数に応じて決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ログ整理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
何らかの処理手段が実行した処理の内容をログとして記録し、ユーザが必要に応じてこれを参照することがある。例えば、特許文献1には、不純度関数を用いて要約対象のデータを選択し、ログを要約してユーザに提示することが記載されている。また、ログを記録するための記憶領域は、一定の容量に制限されており、古いログから順次削除されていくのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−209115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、本構成を有しない場合に比して、ログに含まれる情報のうち有用な情報を残しつつ、記憶手段に記憶されているログの件数を減らすことにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係るログ整理装置は、記憶手段に記憶された複数のログであって、各々が1又は複数の処理手段において実行された処理を当該処理の内容を示す複数の項目に分けられた情報と当該処理に関する計数値とによって時系列的に表す複数のログから一部の項目を選択する選択手段と、前記記憶手段に記憶された複数のログの少なくとも一部のログから前記選択手段により選択された項目の情報を削除する削除手段と、前記削除手段により削除されなかった項目の前記情報が共通する複数のログの計数値を合算し、当該複数のログを単一のログに集約する集約手段とを備える構成を有する。
【0006】
本発明の請求項2に係るログ整理装置は、請求項1に記載の構成において、前記複数の項目毎に表示項目として指定された回数を集計する集計手段を備え、前記選択手段は、前記集計手段による集計結果に応じて前記項目を選択する構成を有する。
本発明の請求項3に係るログ整理装置は、請求項2に記載の構成において、前記削除手段は、前記項目の前記情報を削除せずに保持する期間又は数を、当該項目について前記集計手段により集計された回数に応じて決定する構成を有する。
本発明の請求項4に係るログ整理装置は、請求項1ないし3のいずれかに記載の構成において、前記複数のログは、前記処理手段において処理が実行された日時を複数の単位の数値により表す日時情報を前記情報に含み、前記ログ整理装置は、前記複数の単位の一部の単位の数値が異なる複数の日時情報を同一の代表値に変換する変換手段を備える構成を有する。
本発明の請求項5に係るログ整理装置は、請求項1ないし4のいずれかに記載の構成において、前記記憶手段に記憶されたログを表示させるときの表示形式をユーザに指定させるための画面を表示手段に表示させる表示制御手段と、前記表示制御手段により前記表示手段に表示される前記画面に応じて前記ユーザの指定を受け付ける受付手段とを備え、前記表示制御手段は、前記削除手段により前記情報が削除された場合に、当該情報の削除に応じて表示不能になった表示形式を前記ユーザが指定できなくなるように前記画面を変更する構成を有する。
【0007】
本発明の請求項6に係るプログラムは、コンピュータに、記憶手段に記憶された複数のログであって、各々が1又は複数の処理手段において実行された処理を当該処理の内容を示す複数の項目に分けられた情報と当該処理に関する計数値とによって時系列的に表す複数のログから一部の項目を選択する第1のステップと、前記記憶手段に記憶された複数のログの少なくとも一部のログから前記第1のステップにおいて選択された項目の情報を削除する第2のステップと、前記第2のステップにおいて削除されなかった項目の前記情報が共通する複数のログの計数値を合算し、当該複数のログを単一のログに集約する第3のステップとを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1、6に記載の構成によれば、本構成を有しない場合に比して、ログに含まれる情報のうち有用な情報を残しつつ、記憶手段に記憶されているログの件数を減らすことが可能である。
請求項2に記載の構成によれば、本構成を有しない場合に比して、有用でない情報を優先的に削除することが可能である。
請求項3に記載の構成によれば、本構成を有しない場合に比して、項目毎の有用性を考慮して、ログに含まれる情報を削減することが可能である。
請求項4に記載の構成によれば、ログに日時情報を含む場合において、日時情報を代表値に変換しないときに比べ、集約手段により集約されるログの件数を増加させることが可能である。
請求項5に記載の構成によれば、実際の表示に反する指定をユーザが行えないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】情報処理システムの全体構成を示すブロック図
【図2】ログ管理端末のハードウェア構成を示すブロック図
【図3】画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図
【図4】ユーザ端末のハードウェア構成を示す図
【図5】ログのデータ形式を例示する図
【図6】ログ管理端末の機能的構成を示す機能ブロック図
【図7】ログ整理処理を示すフローチャート
【図8】ログ整理処理において用いられるデータを例示する図
【図9】ログ整理処理によるログファイルの変化を例示する図
【図10】ログ整理処理によるログファイルの変化を例示する図
【図11】レポート出力処理を示すフローチャート
【図12】指定画面を例示する図
【図13】ログ管理端末の機能的構成を示す機能ブロック図
【図14】ログのデータ形式を例示する図
【図15】指定画面を例示する図
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態である情報処理システムの全体構成を示すブロック図である。同図に示すように、本実施形態の情報処理システム10は、ログ管理端末100と、複数の画像処理装置200と、複数のユーザ端末300とを備え、これらをネットワーク900によって相互に通信可能に接続した構成を有するものである。ここにおいて、画像処理装置200は、複数の機種の装置が混在しているものとする。
【0011】
情報処理システム10は、オフィス等のある組織内において構成されるシステムである。この場合において、ネットワーク900は、例えばLAN(Local Area Network)である。ただし、ネットワーク900は、いわゆる専用線やインターネットであってもよい。また、ネットワーク900による通信は、有線・無線のいずれであってもよい。
【0012】
画像処理装置200は、コピー機・プリンタ(画像形成装置)、スキャナ(画像読取装置)、ファクシミリ装置又はこれらの機能を兼ね備えた装置であり、画像に関する処理を実行する装置である。例えば、画像処理装置200は、これが画像形成装置である場合、ユーザからの指示に応じて、処理対象の媒体(本実施形態では用紙)に画像を形成する。また、画像処理装置200は、これがファクシミリ装置である場合、ユーザからの指示に応じて、原稿たる画像を送信又は受信する。ファクシミリ装置である画像処理装置200は、情報処理システム10の外部とデータをやりとりする場合には、ネットワーク900を経由して通信してもよいし、ネットワーク900と異なる別の通信手段と接続して通信してもよい。
【0013】
また、画像処理装置200は、それぞれ、自装置のログをログ管理端末100に送信する機能を有する。ここにおいて、ログとは、画像処理装置200がどのような処理を実行したかを記録したデータをいう。ログは、複数の項目に分けられた情報を含み、これらの情報によって処理の具体的な内容が表される。また、それぞれのログは、処理が実行された日時を表す情報を含んでいる。したがって、ログが複数記録されていくと、この複数のログは、処理の内容を時系列的に表すデータとなる。本実施形態におけるログの詳細なデータ構造は、後述される。
【0014】
ユーザ端末300は、ユーザが使用するコンピュータ装置である。ユーザ端末300は、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーションである。ユーザ端末300は、ユーザの指示に応じて、画像処理装置200に処理を実行させる。また、ユーザ端末300は、必要に応じて、ログのレポートの出力をログ管理端末100に要求する。ここにおいて、ログのレポートとは、ログ管理端末100に記憶されているログをあらかじめ決められた表示形式で一覧表示するものをいう。レポートの表示形式には、あらかじめ決められた基準の形式と、ユーザが指定できるものとがある。
【0015】
ログ管理端末100は、複数の画像処理装置200からログを受信して記憶するコンピュータ装置である。ログ管理端末100は、ユーザ端末300と同様のパーソナルコンピュータなどであってもよいし、サーバ装置であってもよい。また、ログ管理端末100は、ログを整理し、必要に応じてログのレポートを出力する機能を有する。ここでいう整理とは、ログから不要な情報(有用性が低い情報)を削除し、ログ全体の容量を減らすことである。
【0016】
情報処理システム10の概略的な全体構成は、以上のとおりである。ログ管理端末100、画像処理装置200及びユーザ端末300は、より具体的には、以下に示す構成を有する。
【0017】
図2は、ログ管理端末100のハードウェア構成を示すブロック図である。同図に示すように、ログ管理端末100は、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、表示部140と、操作部150とを備える。制御部110は、ログ管理端末100の各部の動作を制御する手段である。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置や主記憶装置に相当する記憶手段(メインメモリ)を備え、プログラムを実行することによって制御を行う。記憶部120は、制御部110によって用いられるデータを記憶する手段である。記憶部120は、ハードディスク等の補助記憶装置に相当する記憶手段を備え、例えば、制御部110が実行するプログラムや、1又は複数のログを記述したファイルであるログファイルを記憶する。通信部130は、画像処理装置200及びユーザ端末300と通信するための手段である。通信部130は、具体的には、ネットワーク900に接続し、ネットワーク900を介してデータを送信又は受信するためのインターフェースを備える。
【0018】
表示部140は、液晶ディスプレイ等の情報を表示する手段である。操作部150は、ユーザの操作を受け付けるための手段である。操作部150は、例えば、マウスやキーボードを備え、ユーザの操作に応じたデータ(以下「操作情報」という。)を制御部110に供給する。また、操作部150は、表示部140に重ねて設けられたタッチスクリーンによって実現されてもよい。
なお、ログ管理端末100は、ユーザによる操作を必要としない場合には、表示部140や操作部150を備えなくてもよい。
【0019】
図3は、画像処理装置200のハードウェア構成を示すブロック図である。図3に示す画像処理装置200は、画像形成装置、画像読取装置及びファクシミリ装置の各機能を兼ね備えた場合の例である。画像処理装置200は、同図に示すように、制御部210と、記憶部220と、通信部230と、表示部240と、操作部250と、画像読取部260と、画像形成部270と、ファクシミリ通信部280とを備える。
【0020】
制御部210は、画像処理装置200の各部の動作を制御する手段である。制御部210は、演算処理装置や主記憶装置に相当する記憶手段を備え、プログラムを実行することによって制御を行う。記憶部220は、制御部210によって用いられるデータを記憶する手段である。記憶部220は、例えば、制御部210が実行するプログラムや自装置のログファイルなどを記憶する。通信部230は、ログ管理端末100及びユーザ端末300と通信するための手段である。
【0021】
なお、記憶部220は、いわゆるUSB(Universal Serial Bus)メモリのような着脱可能な記憶手段と当該記憶手段にデータを読み書きする手段とを含み、かかる記憶手段をやりとりすることによってネットワーク900を介さずに他の装置とデータが授受される構成であってもよい。このような構成の場合、ログ管理端末100は、ログを収集するためにネットワーク900を用いる必要がない。よって、画像処理装置200は、ログがこのように収集される場合であれば、通信部230を備えなくてもよい。
【0022】
表示部240は、液晶ディスプレイ等の情報を表示する手段である。操作部250は、ユーザの操作を受け付けるための手段である。操作部250は、例えば、ボタンやスイッチを備え、ユーザの操作に応じたデータ(以下「操作情報」という。)を制御部210に供給する。また、操作部250は、表示部240に重ねて設けられたタッチスクリーンによって実現されてもよい。
【0023】
なお、表示部240及び操作部250は、ユーザが画像処理装置200を直接操作したりする場合に用いられるものである。よって、ユーザが画像処理装置200を直接操作せずに、ネットワーク900を介してユーザ端末300からのみ操作する場合には、画像処理装置200が表示部240及び操作部250を備えなくてもよい。
【0024】
画像読取部260、画像形成部270及びファクシミリ通信部280は、画像に関する処理を実行する手段であり、本発明に係る処理手段の一例に相当するものである。画像読取部260は、原稿を光学的に読み取って画像データを生成する処理を実行する手段である。画像形成部270は、画像データに応じた画像を用紙等の記録媒体に形成する処理を実行する手段である。ファクシミリ通信部280は、画像データを相手方のファクシミリ装置あてに送信し、あるいは、相手方のファクシミリ装置から送信された画像データを画像形成部270に供給する。なお、ファクシミリ通信部280による通信は、通信部230を介して行われてもよいが、ネットワーク900と異なる不図示の別のネットワーク(電話網など)に直接接続されて行われてもよい。
【0025】
なお、画像処理装置200は、画像読取部260、画像形成部270及びファクシミリ通信部280の全部を備えていなくてもよい。例えば、画像処理装置200は、画像読取部260及び画像形成部270を備え、ファクシミリ通信機能を有しないものであってもよいし、画像形成部270及びファクシミリ通信部280を備え、スキャン機能を有しないものであってもよい。また、画像処理装置200は、モノクロ画像のみに対応した機種と、モノクロ画像とカラー画像の両方に対応した機種とがあってもよい。
【0026】
図4は、ユーザ端末300のハードウェア構成を示す図である。ユーザ端末300は、同図に示すように、制御部310と、記憶部320と、通信部330と、表示部340と、操作部350とを備える。これらの各部は、ログ管理端末100が備える同じ名称の各部と同様のハードウェア構成を有する。つまり、これらの各部の符号の違いは、ログ管理端末100の構成とユーザ端末300の構成とを区別するための便宜的なものである。ただし、ログ管理端末100とユーザ端末300とでは、実行する処理やその処理能力、記憶するデータやその記憶容量などといったより具体的な点が異なり得る。なお、表示部340は、本発明に係る表示手段の一例である。
【0027】
以上の構成のもと、ユーザは、ユーザ端末300を操作し、又は画像処理装置200を直接操作することにより、複数の画像処理装置200のいずれかに処理(画像に関する処理)を実行させる。画像処理装置200は、かかる処理を実行することによって、あらかじめ決められた1又は複数のサービスをユーザに提供する。本実施形態において、画像処理装置200が提供可能なサービスは、「スキャン(サービス)」、「プリント(サービス)」、「コピー(サービス)」、「ファクシミリ(サービス)」の4通りである。
【0028】
スキャンサービスは、画像読取部260が原稿を読み取ることで生成された画像データを記憶部220や記憶部320に記録するサービスである。プリントサービスは、ユーザ端末300から送信された画像データに基づいて、画像形成部270が画像を形成するサービスである。コピーサービスは、画像読取部260により生成された画像データに基づいて、画像形成部270が画像を形成するサービスである。ファクシミリサービスは、相手方のファクシミリ装置に画像データを送信し、又は相手方のファクシミリ装置から受信した画像データに基づいた画像を形成するサービスである。なお、ファクシミリサービスは、画像形成部270が画像を形成することに代えて、表示部340が画像を表示することによって画像を可視化してもよい。
【0029】
画像処理装置200は、これらのサービスに係る処理を実行すると、これをログとして記録する。画像処理装置200は、ログファイルを自装置に一時的に記憶してもよいが、これを適当なタイミングでログ管理端末100に送信する。画像処理装置200は、例えば、あらかじめ決められた件数分のサービスを実行したタイミングや、あらかじめ決められた時間間隔(例えば、1日に1回)で、ログファイルをログ管理端末100に送信する。なお、画像処理装置200は、何らかのサービスを実行する毎にログファイルを逐一送信してもよい。あるいは、ログ管理端末100が適当なタイミングで(例えば、1時間に1回など定期的に)画像処理装置200に対してログファイルの送信を指示し、その指示に基づいて画像処理装置200がログファイルをログ管理端末100へ送信するようにしてもよい。
【0030】
ログ管理端末100は、複数の画像処理装置200からログを収集して管理する。ここにおいて、ログの管理とは、ログを記録するとともに、必要に応じてこれを整理することをいう。また、ログ管理端末100は、あらかじめ決められたタイミングやユーザの要求に応じたタイミングで、ログのレポートを出力する。
【0031】
図5は、ログのデータ形式を例示する図である。本実施形態のログは、同図に示すように、「ユーザ名」、「機器名」、「機種名」、「サービス名」、「カラーモード」、「用紙サイズ」、「面数」及び「枚数」という8項目の情報を有するデータである。なお、ログの項目は、ここに例示したものに限定されるわけではない。
【0032】
ユーザ名は、処理の実行を指示したユーザを表す情報が記述される項目である。また、機器名は、処理を実行した画像処理装置200を表す情報が記述される項目である。ユーザ名又は機器名に対応する情報は、それぞれのユーザや機器に割り当てられた適当な文字列である。機種名は、処理を実行した画像処理装置200の機種を表す情報が記述される項目である。機器名と機種名の違いは、機器名が画像処理装置200毎に固有の情報であるのに対して、機種名は同一機種の画像処理装置200であれば共通の情報となる点である。
【0033】
サービス名は、画像処理装置200により実行されたサービスが上述した4種類のサービスのいずれであったかを表す情報が記述される項目である。カラーモードは、画像処理装置200により実行されたサービスがモノクロとカラーのいずれであったかを表す情報が記述される項目である。用紙サイズは、画像を形成した用紙のサイズ(又は原稿のサイズ)を表す情報が記述される項目である。面数は、画像処理装置200が処理を実行したのが用紙(又は原稿)の1面のみか両面かを表す情報が記述される項目である。例えば、画像処理装置200が用紙の片面に画像を形成した場合の面数は「1」であり、両面に画像を形成した場合の面数は「2」である。枚数は、画像処理装置200が処理を実行した用紙(又は原稿)の数を表す情報が記述される項目である。
【0034】
本実施形態において、「ユーザ名」、「機器名」、「機種名」、「サービス名」、「カラーモード」及び「用紙サイズ」の6項目の情報は、削除対象である情報の一例である。一方、「面数」及び「枚数」の2項目の情報は、画像処理装置200が実行する処理に関する計数値の一例であり、削除対象からは除外されている。
【0035】
図6は、ログ管理端末100の機能的構成を示す機能ブロック図である。ログ管理端末100の制御部110の機能的構成は、同図に示すログ取得部110a、ログ整理部110b及び出力制御部110cに大別される。ログ管理端末100の制御部110は、プログラムを実行することによって、図6に示す各部に相当する機能を実現する。図6に示す制御部110の機能的構成(又はその一部)は、本発明に係るログ整理装置の一例に相当するものである。なお、ログ取得部110a、ログ整理部110b及び出力制御部110cに相当する機能は、それぞれ異なるプログラムによって実現されてもよい。
【0036】
ログ取得部110aは、ログファイルを取得する機能を有する。ログ取得部110aは、画像処理装置200から送信されたログファイルを記憶部120に記憶するとともに、必要に応じて、記憶部120からログファイルを読み出してログ整理部110bに供給する。なお、ログ取得部110aは、ログファイルを送信するように画像処理装置200に要求する機能を有してもよい。
【0037】
ログ整理部110bは、ログ取得部110aにより取得されたログファイルを用いて、ログを整理する機能を有する。ログ整理部110bがログを整理するタイミングは、例えば、ログファイル全体の容量や件数があらかじめ決められた閾値に達したタイミングや、ユーザに指示されたタイミングなどである。ログ整理部110bは、より詳細には、選択部111、削除部112及び集約部113に分類される。選択部111、削除部112、集約部113は、それぞれ、本発明に係る選択手段、削除手段、集約手段の一例に相当するものである。
【0038】
選択部111は、ログファイルが表すログの一部の項目を選択する。選択部111が選択する項目は、後述する集計部116による集計結果に応じて決められてもよいが、ログ管理端末100のユーザ(以下「管理者」という。)の操作に応じて決められてもよいし、あらかじめ決められた期間が経過する毎に特定の項目が選択されるようになっていてもよい。また、削除部112は、選択部111により選択された項目の情報を削除する。削除部112は、ログの項目数を少なくすることによってログファイル全体の容量を減らす手段である。集約部113は、削除部112により項目が削除された複数のログのうちの集約が可能なログを集約する処理を行う。ここでいう集約とは、複数のログを単一のデータにまとめることである。また、「集約が可能なログ」とは、複数ある項目のうちのいずれかの項目の情報の少なくとも一部が共通する情報である(詳細は後述)。
【0039】
なお、削除部112は、上述したログの特定の項目のみを削除する態様のほか、ログ全体を削除する態様でデータの削除を行ってもよい。後述するステップSa3の処理は、ログ全体を削除する態様の一例である。
また、削除部112による削除は、ログの項目そのものを削除するものであってもよいが、削除対象の項目の情報を空欄(ヌル)に変更したり、「0」等の一定の値(元々の情報よりもデータ量が小さい値)に変更したりするものであってもよい。
【0040】
出力制御部110cは、記憶部120に記憶されているログファイルに基づいてレポートの出力を制御する機能を有する。本実施形態において、出力制御部110cは、ログのレポートをユーザ端末300の表示部340に表示させるためのデータ(以下「レポートデータ」という。)をユーザ端末300に送信する。レポートデータをユーザ端末300に送信するという態様は、レポートの出力態様の一例である。出力制御部110cは、より詳細には、表示制御部114、受付部115及び集計部116に分類される。表示制御部114、受付部115、集計部116は、それぞれ、本発明に係る表示制御手段、受付手段、集計手段の一例に相当するものである。
【0041】
表示制御部114は、レポートを出力するために必要な画面をユーザ端末300の表示部340に表示させる制御を行う。表示制御部114の制御により表示部340に表示される画面には、レポートの表示形式をユーザに指定させるための画面(以下「指定画面」)が少なくとも含まれる。受付部115は、この指定画面によるユーザの指定を受け付ける。受付部115は、ユーザ端末300から送信された操作情報を通信部130を介して取得することにより、ユーザの指定を受け付ける。このとき、ユーザは、レポートに表示する項目(又は表示しない項目)を指定する。集計部116は、ログの各項目が指定画面を介して指定された回数を項目毎に集計する。集計部116による集計結果は、ログ整理部110bに供給され、ログの整理に利用される。
【0042】
図7は、ログファイルを整理する処理(以下「ログ整理処理」という。)を示すフローチャートである。また、図8は、かかるログ整理処理において用いられるデータを例示する図である。図8は、ログの各項目について「指定回数」及び「保持件数」を例示したものである。ここにおいて、指定回数とは、ユーザによって当該項目がレポートの表示に含むように指定された回数を示すデータであり、保持件数とは、当該項目を削除せずに保持するように決定された件数(ログの数)である。これらのデータは、例えば記憶部120に記憶されている。
【0043】
この例において、指定回数は、ユーザが指定可能な6項目について、それぞれ“x1”、“x2”、…、“x6”で表されている。なお、「面数」及び「枚数」の2項目については、ユーザの指定によらずに、レポートに常に表示されるものとする。つまり、この2項目については、指定回数を表すデータは存在しない。
また、保持件数は、ユーザが指定可能な6項目について、それぞれ“N1”、“N2”、…、“N6”で表され、その他の2項目については、“Nmax”で表されている。ここにおいて、N1〜N6は、それぞれx1〜x6の関数(f1(x1)〜f6(x6))によって求められる値である。これらの関数は、互いに同一のものであるか否かを問わないが、いずれも、指定回数が増えるにつれて保持件数も増える傾向を有するように定義されている。なお、Nmaxは、あらかじめ決められた固定値であってもよいが、N1〜N6の最大値であってもよい。
【0044】
このようなデータを用いた場合のログ整理処理は、以下のとおりである。すなわち、ログ管理端末100の制御部110は、適当なタイミングで記憶部120に記憶されているログファイルを読み出して取得し(ステップSa1)、記憶部120に記憶されているログの件数が最大件数を超過しているか否かを判断する(ステップSa2)。ここでいう最大件数は、例えば、上述したNmaxである。制御部110は、最大件数より多い件数のログが記憶されていた場合には、総件数が最大件数以下になるように、ログを古いものから順に削除する(ステップSa3)。一方、制御部110は、記憶されているログの件数が最大件数以下の場合には、ステップSa3の処理をスキップ(省略)する。なお、ステップSa3の処理は、ログのデータの一部の項目の情報を削除するものではなく、ログのデータ全体(すなわち、項目及び計数値の全部)を削除するものである。
【0045】
次に、制御部110は、読み出したログファイルの各項目の保持件数を読み出し、保持件数を超過した件数の情報が記憶されている項目があるか否かを判断する(ステップSa4)。制御部110は、かかる項目がある場合には、当該項目を選択し(ステップSa5)、当該項目の情報が保持件数以下になるように、当該情報を古いものから順に削除する(ステップSa6)。なお、制御部110は、保持件数を超過した件数の情報が記憶されている項目が複数あれば、当該複数の項目のそれぞれについて選択及び削除を実行する。また、制御部110は、いずれの項目の情報も保持件数を超過していない場合には、ここでログ整理処理を終了する。
【0046】
次に、制御部110は、項目を削除したログファイルを参照し、集約可能なログがあるか否かを判断する(ステップSa7)。制御部110は、集約可能なログがあれば、これを集約する(ステップSa8)一方、集約可能なログがなければ、ステップSa8の処理をスキップしてログ整理処理を終了する。なお、集約可能なログとは、計数値を除くすべての項目の情報が他のログと共通しているログのことである。
【0047】
図9及び図10は、本実施形態のログ整理処理によるログファイルの変化を例示する図である。なお、説明の便宜上、これらの図においては、項目の削除が行われるログのみが図示され、項目の削除が行われないログ(すなわち、保持件数を超えない件数分の比較的新しいログ)の図示が省略されている。ログ管理端末100は、実際には、保持件数を超えない件数分の比較的新しいログについては、削除対象の項目の情報を削除せずに保持している。この場合、ログファイルには、項目数が異なるログが混在することになるが、基本的には、古いログほど項目数が少なくなっている。
【0048】
図9(a)は、4件のログの初期状態を示すものである。図9(b)は、初期状態から「カラーモード」の項目の情報が削除された状態を示すものである。このとき、第1行のログと第3行のログは、「ユーザ名」、「機器名」、「機種名」、「サービス名」、「用紙サイズ」の各項目の情報がそれぞれ共通している。したがって、ログ管理端末100は、これらのログを集約して単一のログにまとめる。
【0049】
また、図9(c)は、集約後のログを示すものであり、ログの件数が4件から3件に減少したものである。この例において、第1行のログは、図9(b)に示した第1行のログと第3行のログを集約したログである。このログは、「ユーザ名」、「機器名」、「機種名」、「サービス名」、「用紙サイズ」の各項目の情報が集約前のままであり、「面数」、「枚数」の各項目の情報が集約前の情報を合算した値になっている。つまり、本実施形態における集約とは、各項目の情報(より詳細には、まだ削除されていない各項目の情報)が共通する複数のログを、計数値を合算することによって単一のログにまとめることである。ここにおいて、合算とは、複数の値に基づいて、当該複数の値をまとめた1つの値を求める演算をいい、典型的には加算であるが、他の演算であってもよい。
【0050】
図10(a)に示す例は、図9(c)に示した状態から、「用紙サイズ」の項目の情報がさらに削除されたものである。このような削除が行われると、ログ管理端末100は、「ユーザ名」、「機器名」、「機種名」、「サービス名」の各項目の情報が共通する第1行のログと第2行のログを集約する。集約後のログは、図10(b)に示すようになる。また、図10(b)に示した状態から「ユーザ名」の項目の情報をさらに削除すると、ログは図10(c)に示す状態になり、これを集約したログは図10(d)に示す状態になる。
【0051】
ログ管理端末100は、このようなログ整理処理を繰り返し実行することにより、記憶部120に記憶されているログファイルの容量を削減する。本実施形態のログファイルにおいては、指定回数が少ない項目の情報から優先的に削除される。この結果、指定回数が比較的多い項目の情報(すなわち、ユーザによる利用頻度が比較的高い情報)は、削除されずに保持される期間が長くなる。つまり、本実施形態のログファイルは、ユーザによる利用頻度が高い項目の情報ほど長期間保持されるようになっている。
【0052】
なお、例えば、用紙の両面に画像が形成される場合において、一方の面がカラーモードでプリントされ、他方の面がモノクロモードでプリントされたときには、画像処理装置200は、いずれか一方のモードでプリントされたとみなして1件分のログを生成してもよいし、モードが異なる2件分のログを生成してもよい。ただし、2件分のログを生成する場合には、集約後の枚数の情報に矛盾が生じることのないよう、各ログにおける枚数の情報を「0.5(枚)」ずつにしたり、一方のログの情報を「1(枚)」、他方のログの情報を「0(枚)」としたりすることが望ましい。
【0053】
図11は、ログ管理端末100がレポートを出力するときに実行する処理(以下「レポート出力処理」という。)を示すフローチャートである。レポート出力処理は、あるユーザがレポートの出力を要求したときに実行されるものである。以下の説明は、ユーザがユーザ端末300を操作してレポートの出力を要求した場合の例である。なお、ユーザ(又は管理者)がログ管理端末100を直接操作してレポートの出力を要求する場合には、「(ユーザ端末300の)表示部340」を「表示部140」に置き換えるとともに、「(ユーザ端末300の)操作部350」を「操作部150」に置き換えればよい。
【0054】
図11に示すように、ログ管理端末100の制御部110は、まず、通信部130を介して、上述した指定画面を表示部340に表示させるようにユーザ端末300に指示を与える(ステップSb1)。ユーザ端末300は、この指示に応じて表示部340に指定画面を表示すると、ユーザからレポートの表示形式の指定を受け付ける状態になる。ユーザ端末300は、ユーザの操作を受け付けると、操作情報をログ管理端末100に送信する。ログ管理端末100の制御部110は、この操作情報を通信部130を介して取得することにより、ユーザによるレポートの表示形式の指定を受け付ける(ステップSb2)。その後、制御部110は、かかる指定に応じた表示形式のレポートデータを出力し、これを通信部130を介してユーザ端末300に送信する(ステップSb3)。
【0055】
図12は、指定画面を例示する図である。指定画面は、ユーザがレポートに表示する項目を指定するためのユーザインタフェースを提供するためのものである。図12に示す指定画面は、複数の集計キーK1〜K6を指定するためのラジオボタンと、表示する計数値(面数、枚数)を指定するためのチェックボックスと、操作情報を送信してレポートを出力するための出力ボタンB1とを有して構成されている。集計キーは、レポートに表示される項目に相当するものである。集計キーは、1つのみ指定することも可能であるが、複数指定してもよい。
【0056】
例えば、集計キーとして「ユーザ名」が指定された場合、レポートは、表示項目として「ユーザ名」が少なくとも含まれる表示形式で出力される。また、このレポートには、ユーザに指定された計数値も表示項目に含まれる。なお、レポートは、指定された集計キーに従ってソート(並び替え)された状態で表示されてもよいし、時系列的な順番で表示されてもよい。
【0057】
なお、各項目の保持件数は、その項目の指定回数によっては、これが「0」に設定されるようになっていてもよい。この場合、当該項目の情報は、記憶部120のログファイルには記録されず、すべて削除される。このような項目がある場合、ログ管理端末100は、当該項目を表示項目に含む表示形式をユーザが指定できないように制限された指定画面を表示部340に表示させる。具体的には、ログ管理端末100は、ログが存在せず表示不能な項目を集計キーとして指定できないようにした指定画面を表示させる。かかる指定画面は、例えば、表示不能な項目のラジオボタンを消去した画面である。
【0058】
また、集計キーとして指定された項目は、その指定回数がログ管理端末100に記憶される。集計キーが複数指定された場合、ログ管理端末100は、指定された複数の項目のいずれの指定回数にも「1」を加算するようにしてもよいが、集計キーとして指定された順番に応じた重み付けが行われてもよい。ここでいう重み付けは、例えば、集計キーK1で指定された項目の指定回数には「1」を加算し、集計キーK2で指定された項目の指定回数には「0.9」を加算し、集計キーK3で指定された項目の指定回数には「0.8」を加算する、といった具合で行われるものである。
【0059】
なお、レポートに表示されるログの件数は、あらかじめ決められた件数でもよいし、ログファイルに記憶されている全件分であってもよい。また、例えば、ある表示項目の情報が記憶部120にN件分記憶されているが、別の表示項目の情報はM件分(N>M)しか記憶されていない、といった場合のレポートは、件数が少ない方の表示項目に合わせた件数分(上記の例の場合、M件分)だけログが表示されるようになっていることが望ましいが、表示件数が表示項目毎に異なっていてもよい。
【0060】
[第2実施形態]
本実施形態は、ログのデータ形式を第1実施形態から変更したものである。すなわち、本実施形態は、ログのデータ形式と、これに伴うデータ処理とにおいて第1実施形態と異なるが、その他の点(ハードウェア構成など)においては第1実施形態と同様のものである。よって、以下の説明において、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号が用いられる。
【0061】
図13は、本実施形態におけるログ管理端末100の機能的構成を示す機能ブロック図である。本実施形態において、制御部110の機能的構成は、ログ整理部110bに日時情報変換部117を含む点が第1実施形態(図6参照)と異なる。日時情報変換部117は、日時情報(すなわち日時を数値により表す情報)のうち共通する要素を有するものを同一の代表値に変換する機能を有する。日時情報変換部117は、本発明に係る変換手段の一例に相当するものである。
【0062】
図14は、本実施形態のログのデータ形式を示す図である。本実施形態のログは、第1実施形態のログに対して「処理日時」という項目が追加されたものである。なお、本実施形態のログは、図14においては一部の項目の図示が省略されているが、第1実施形態のログが有する項目をすべて有しているものとする。処理日時は、画像処理装置200において処理が実行された日時を表す日時情報が記述される項目である。処理日時は、例えば、日付(年月日)と時刻(時分秒)の各単位により表され、本実施形態においては、年月日及び時分秒の各単位をピリオドで区切った書式で表される。例えば、「2010年10月1日12時34分56秒」を表す日時情報は、“2010.10.01.12.34.56”である。なお、処理日時は、処理の開始時刻と終了時刻のいずれを表すものであってもよい。
【0063】
ログファイルがこのようなデータ形式に従って記述されている場合、ログ管理端末100は、適当なタイミングで、処理日時の複数の値を単一の代表値に変換する処理を実行する。ここでいう代表値は、日時情報を構成する数値のうち、その時間の区切りが小さい単位を切り上げたり切り下げたりした値である。例えば、「2010年10月1日12時34分56秒」を表す処理日時の情報(2010.10.01.12.34.56)の代表値の一例は、“2010.10.01.12.34.00(2010年10月1日12時34分)”である。この代表値は、画像処理装置200により処理が行われた時間が「2010年10月1日12時34分台」であったことを表している。以下においては、このようにして処理日時の情報を代表値に変換することを、「概略化」ともいう。ここでいう概略化とは、より簡単にいえば、日時情報の数値を丸めることである。なお、概略化は、処理日時の情報が有する単位そのものではなく、例えば「四半期」や「午前・午後」といった単位で行われてもよい。
【0064】
日時情報の概略化は、同じログに対して複数回行われてもよい。例えば、上述した“2010.10.01.12.34.00(2010年10月1日12時34分)”という値をさらに概略化すると、“2010.10.01.12.00.00(2010年10月1日12時)”となる。また、この値は、同様の概略化をさらに繰り返すと、“2010.10.01.00.00.00(2010年10月1日)”、“2010.10.00.00.00.00(2010年10月)”、というように変換される。このように概略化を進めると、概略化を行わない場合に比べ、日時情報が共通するログが増加し、集約可能なログが増加する可能性が高まることになる。日時情報の概略化は、例えば、あるログが記録されてから1週間が経過したら「秒」の情報を概略化し、当該ログが記録されてから1ヶ月が経過したら「分」の情報を概略化し、当該ログが記録されてから半年が経過したら「時」の情報を概略化する、といったように、段階的に行われることが望ましい。この場合、ログファイル内のログは、記録された日時が古いものほど日時情報の概略化が進むことになる。
【0065】
なお、日時情報の概略化は、上述したログ整理処理とは独立に行われてもよいし、ログ整理処理の一部として行われてもよい。日時情報の概略化は、ログ整理処理の一部として行われる場合には、例えば、ステップSa4の処理(図7参照)を実行する直前のタイミングで実行されればよいが、他のタイミングであってもよい。
【0066】
また、このような処理日時を各ログについて記録する場合のログ整理処理には、各項目の情報を削除せずに保持するために用いる基準として、ログの数(すなわち保持件数)に代えてログを記録する期間(以下「保持期間」という。)を用いることも可能である。保持期間を用いる場合には、上述したログ整理処理(図7参照)中における「保持件数」を「保持期間」に置き換えればよい。
【0067】
図15は、本実施形態における指定画面を例示する図である。本実施形態の指定画面は、レポートに出力されるログの期間(換言すれば、出力範囲)を指定するプルダウンメニュー群P1を有する点が第1実施形態の指定画面(図12参照)と異なる。プルダウンメニュー群P1は、指定可能な数値が記憶部120に記憶されているログに応じて異なるように構成されている。つまり、プルダウンメニュー群P1は、記憶部120にログが記憶されていないような出力期間をユーザが指定できないように構成されている。
【0068】
なお、各項目の保持期間は、項目毎に異なり得る。したがって、出力期間の制限は、ユーザが指定した集計キーに応じて変化してもよい。例えば、集計キーK1において「ユーザ名」が指定された場合の出力期間は、「ユーザ名」の情報の保持期間の範囲内である。この場合において、集計キーK2において他の項目、例えば「機器名」が指定され、「機器名」の情報の保持期間が「ユーザ名」の保持期間よりも短いときには、指定画面によって指定可能な出力期間が「機器名」の情報の保持期間(又はそれ以下)に変化する。
【0069】
なお、出力期間を制限せず、指定された出力期間のうち保持期間を超えた部分については「不明」として集計するようにしてもよい。例えば、集計キーK1において「ユーザ名」が指定された場合、「ユーザ名」の保持期間の範囲内の情報は、ユーザ名(「鈴木」「佐藤」など)ごとに集計されるが、保持期間の範囲外の情報は「ユーザ名」が「不明」の情報として集計されるようにしてもよい。
【0070】
[変形例]
本発明の実施の態様は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す変形例のようであってもよい。また、これらの変形例は、必要に応じて組み合わせて実施されてもよいものである。
【0071】
(変形例1)
本発明に係るログ整理装置の機能は、画像処理装置200によって実現されてもよい。画像処理装置200がログ整理装置の機能を備える場合には、ログ管理端末100は不要である。また、画像処理装置200及びユーザ端末300は、複数備わっていなくてもよい。さらには、指定画面の表示やユーザの操作の受け付けを画像処理装置200で行う場合にあっては、ユーザ端末300も不要である。また、この場合の表示手段は、表示部240によって実現される。なお、画像処理装置200及びユーザ端末300がそれぞれ1台ずつである場合などには、ネットワーク900に代えて他の有線又は無線の通信手段を用いてもよい。
【0072】
(変形例2)
本発明に係るレポートの出力態様は、レポートデータをユーザ端末300に送信する態様や、ログ管理端末100に表示する態様のみに限定されない。例えば、レポートは、いずれかの画像処理装置200の画像形成部270によって用紙に記録されてもよいし、ファクシミリ通信部280を介して情報処理システム10の外部に送信されてもよい。
【0073】
(変形例3)
本発明に係るログの項目は、上述した実施形態において例示したものに限定されない。例えば、情報処理システム10内のユーザが複数のグループに分類される場合には、ログに「グループ名」という項目が含まれてもよい。また、計数値の他の例としては、例えば、画像処理装置200による処理に要する料金などがある。
【0074】
(変形例4)
本発明に係る処理手段は、画像に関する処理を実行する手段に限定されず、何らかの物やデータに対して処理を実行するさまざまな手段が該当し得る。ゆえに、本発明に係るログの内容も、画像に関する処理の記録に限定されない。
【0075】
また、本発明は、ログ整理装置やこれを備えるログ管理端末又は画像処理装置、さらには複数のログ管理端末や画像処理装置を備える情報処理システムや当該システムにおけるログの整理方法として実施され得るものである。また、本発明は、コンピュータをログ整理装置として機能させるためのプログラムや、かかるプログラムを記録した記録媒体の形態でも提供され得る。さらに、本発明に係るプログラムは、ネットワークやその他の通信手段を介して外部装置から取得され、コンピュータにダウンロードされてもよい。
【符号の説明】
【0076】
10…情報処理システム、100…ログ管理端末、200…画像処理装置、300…ユーザ端末、110…制御部、110a…ログ取得部、110b…ログ整理部、110c…出力制御部、111…選択部、112…削除部、113…集約部、114…表示制御部、115…受付部、116…集計部、117…日時情報変換部、120…記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶手段に記憶された複数のログであって、各々が1又は複数の処理手段において実行された処理を当該処理の内容を示す複数の項目に分けられた情報と当該処理に関する計数値とによって時系列的に表す複数のログから一部の項目を選択する選択手段と、
前記記憶手段に記憶された複数のログの少なくとも一部のログから前記選択手段により選択された項目の情報を削除する削除手段と、
前記削除手段により削除されなかった項目の前記情報が共通する複数のログの計数値を合算し、当該複数のログを単一のログに集約する集約手段と
を備えるログ整理装置。
【請求項2】
前記複数の項目毎に表示項目として指定された回数を集計する集計手段を備え、
前記選択手段は、前記集計手段により集計された回数が他の項目よりも少ない項目を選択する
ことを特徴とする請求項1に記載のログ整理装置。
【請求項3】
前記削除手段は、前記項目の前記情報を削除せずに保持する期間又は数を、当該項目について前記集計手段により集計された回数に応じて決定する
ことを特徴とする請求項2に記載のログ整理装置。
【請求項4】
前記複数のログは、前記処理手段において処理が実行された日時を複数の単位の数値により表す日時情報を前記情報に含み、
前記ログ整理装置は、前記複数の単位の一部の単位の数値が異なる複数の日時情報を同一の代表値に変換する変換手段を備える
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のログ整理装置。
【請求項5】
前記記憶手段に記憶されたログを表示させるときの表示形式をユーザに指定させるための画面を表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段により前記表示手段に表示される前記画面に応じて前記ユーザの指定を受け付ける受付手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記削除手段により前記情報が削除された場合に、当該情報の削除に応じて表示不能になった表示形式を前記ユーザが指定できなくなるように前記画面を変更する
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のログ整理装置。
【請求項6】
コンピュータに、
記憶手段に記憶された複数のログであって、各々が1又は複数の処理手段において実行された処理を当該処理の内容を示す複数の項目に分けられた情報と当該処理に関する計数値とによって時系列的に表す複数のログから一部の項目を選択する第1のステップと、
前記記憶手段に記憶された複数のログの少なくとも一部のログから前記第1のステップにおいて選択された項目の情報を削除する第2のステップと、
前記第2のステップにおいて削除されなかった項目の前記情報が共通する複数のログの計数値を合算し、当該複数のログを単一のログに集約する第3のステップと
を実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2012−104987(P2012−104987A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250609(P2010−250609)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】