説明

ロケーションベースのサービスのための動的レポートスキーム

動的位置レポートスキームおよび/または動的位置ログ記録スキームが、本明細書で説明される。モバイルデバイスに関する位置レポートおよび/または位置ログ記録が、1つまたは複数のレポート制約および/またはログ記録制約に基づいて動的に決定されることが可能である。これらの制約は、時間、距離、イベント、動作パラメータ、動作条件、または以上の何らかの組合せに基づくことが可能である。位置レポートを動的にトリガする制約は、位置ログ記録をトリガするのに使用される制約と同一である、重なり合う、または異なることが可能である。レポート制約およびログ記録制約は、モバイルデバイスによってたどられた軌跡または経路のより正確な表示をもたらすように選択され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野は、一般に、ワイヤレス位置探索に関する。詳細には、分野は、位置探索レポートのための動的レポートスキームに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレスデバイスが位置探索能力を含むことは、珍しくない。ワイヤレスデバイスは、ワイヤレスデバイスの地理的位置を自動的に位置探索する能力を実施することができ得る。自動位置探索アーキテクチャは、モバイルベースの位置探索と通常、呼ばれる。代替として、またはさらに、ワイヤレスデバイスは、ワイヤレスデバイスが通信状態にあるワイヤレスネットワークにおける1つまたは複数の要素と連携してワイヤレスデバイスの地理的位置を特定する能力を実施することができ得る。そのような強化された位置探索アーキテクチャは、モバイル支援された位置探索と通常、呼ばれる。
【0003】
実施アーキテクチャにかかわらず、位置探索対応のワイヤレスデバイスの普及は、多種多様な探索ベースのサービス(LBS)のサポートを可能にする。ロケーションベースのサービスとは、ワイヤレスデバイスの位置を利用するアプリケーションまたはサービスを指す。ロケーションベースのサービスの例には、ロケーション追跡、目的地マッピング、ナビゲーション、トラヒック回避、または他の何らかのロケーションを認識したサービスが含まれるが、以上には限定されない。ロケーションベースのサービスの他の例には、位置センシティブな広告が含まれる。
【0004】
ロケーションベースのサービスは、ワイヤレスデバイスまたは遠隔エンティティによってホストされることが可能であり、さらにワイヤレスデバイスと遠隔エンティティの間で交換される位置情報を含む情報を利用することが可能である。ロケーションベースのサービスをサポートして情報を交換することは、その情報が伝送されるワイヤレスチャネルの容量の一部を消費する。ロケーションベースのサービスをサポートすることによって消費される容量の量は、ワイヤレスチャネルが実質的に無限である場合、問題ではない。しかし、ワイヤレス通信システムは、通常、容量が制約されており、情報転送をサポートする実質的に無限の容量を提供しない。さらに、ポジション可能なワイヤレスデバイスの普及、および多種多様なロケーションベースのサービスをサポートする各ワイヤレスデバイスの能力が、ロケーションベースのサービスをサポートする情報交換を管理する必要性を際立たせている。
【0005】
ロケーションベースのサービスをサポートして交換される情報の量は、情報帯域幅とワイヤレスリソースの消費量のバランスをとる必要がある。詳細な情報を交換することは、システムリソースの費用をかけて、特定のロケーションベースのサービスの精度および有効性を高めることが可能である。最小限の情報を交換することは、ロケーションベースのサービスの関連性を潜在的に犠牲にするが、システムリソースを節約する。ロケーションベースのサービスにおいて情報交換を管理することには、情報交換−リソース消費のトレードオフの分析がかかわる。
【発明の概要】
【0006】
動的位置レポートスキームおよび/または動的位置ログ記録スキームが、本明細書で説明される。モバイルデバイスに関する位置レポートおよび/または位置ログ記録が、1つまたは複数のレポート制約および/またはログ記録制約に基づいて動的に決定されることが可能である。これらの制約は、時間、距離、イベント、動作パラメータ、動作条件、または以上の何らかの組合せに基づくことが可能である。位置レポートを動的にトリガする制約は、位置ログ記録をトリガするのに使用される制約と同一である、重なり合う、または異なることが可能である。レポート制約およびログ記録制約は、モバイルデバイスによってたどられた軌跡または経路のより正確な表示をもたらすように選択され得る。
【0007】
本発明の態様は、動的位置レポートの方法を含む。この方法は、ワイヤレス通信リンクを介して中央レジストリへの位置レポートを初期化すること、移動局の位置フィックスを決定すること、少なくとも1つのレポートパラメータのステータスを決定すること、その少なくとも1つのレポートパラメータのステータスに基づいて、中央レジストリへの位置レポートを開始すること、動的レポートパラメータのステータスを決定すること、その動的レポートパラメータのステータスに基づいて、従属するレポートパラメータに関するしきい値の値を変更することを含む。
【0008】
本発明の態様は、動的位置レポートの方法を含む。この方法は、ワイヤレス通信リンクを介して中央レジストリへの位置レポートを初期化すること、時間レポートパラメータ、距離レポートパラメータ、およびコース(course)レポートパラメータのそれぞれに関連する基準値を初期化すること、移動局の位置フィックスを決定すること、少なくともコースレポートパラメータのステータスを決定すること、コースレポートパラメータのステータスに基づいて、中央レジストリへの位置レポートを開始すること、およびコースパラメータのステータスに基づいて、時間方法パラメータおよび距離レポートパラメータのそれぞれに関連する基準値を再設定することを含む。
【0009】
本発明の態様は、動的位置レポート装置を含む。この装置は、移動局の位置フィックスを決定するように構成された位置探索モジュールと、この位置探索モジュールに結合されるとともに、少なくとも1つのレポートパラメータのステータスに基づいて、位置レポートを開始し、動的レポートパラメータのステータスを決定し、さらに動的レポートパラメータのステータスに基づいて、従属するレポートパラメータに関するしきい値の値を変更するように構成された位置データマネージャと、この位置データマネージャに結合されるとともに、ワイヤレスチャネルを介して中央レジストリに位置レポートを送信するように構成された通信トランシーバとを含む。
【0010】
本発明の態様は、動的位置レポート装置を含む。この装置は、移動局の位置フィックスを決定する手段と、少なくとも1つのレポートパラメータのステータスを決定するための手段と、少なくとも1つのレポートパラメータのステータスに基づいて、中央レジストリへの位置レポートを開始するための手段と、動的レポートパラメータのステータスを決定するための手段と、動的レポートパラメータのステータスに基づいて、従属するレポートパラメータに関するしきい値の値を変更するための手段と、ワイヤレス通信リンクを介して中央レジストリに位置レポートを送信するための手段とを含む。
【0011】
本開示の実施形態の特徴、目的、および利点は、同様の要素に同様の参照符号が付けられた図面と併せて参照されると、後段に記載される詳細な説明から、より明白となろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】動作環境における移動局の或る実施形態を示す簡略化された機能図。
【図2A】移動局の或る実施形態を示す簡略化された機能図。
【図2B】移動局におけるロケーションベースのサービスの階層化されたモデルを示す簡略化された機能図。
【図3】動的レポートの方法の或る実施形態を示す簡略化されたフローチャート。
【図4】動的レポートパラメータを決定する方法の或る実施形態を示す簡略化されたフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ロケーションベースのサービスアプリケーションをサポートする移動局が、ロケーションログ記録パラメータに従って位置探索ソリューションをログ記録するように構成されることが可能であり、さらにレポートパラメータに従って位置探索ソリューションをレポートすることが可能である。これらのレポートパラメータ、および関連するレポートプロセスは、ログ記録パラメータと関係すること、またはログ記録パラメータとは無関係であることが可能である。
【0014】
移動局は、例えば、保存されるべき情報の量、更新の頻度の予期される推定、および利用可能なメモリの容量を考慮に入れることができ得るログ記録パラメータに従って、位置探索フィックスをログ記録するように構成されることが可能である。例えば、ログ記録パラメータは、実質的に無限の利用可能なメモリを有するモバイルデバイスにおいてすべてのロケーションフィックスをログ記録することを可能にすることができ得る。
【0015】
移動局は、レポートパラメータに従ってロケーションフィックスをレポートするように構成され得る。通常、レポートパラメータは、ログ記録パラメータと比べて、より制限的であり、したがって、移動局は、移動局がログ記録するより少ないロケーションフィックスをレポートする。レポートパラメータは、各ロケーションベースのサービスアプリケーションに関して同一でなくてもよい。さらに、レポートパラメータは、いずれの特定のロケーションベースのサービスアプリケーションに関しても固定されている必要はなく、様々な入力に基づいて動的に変更され得る。
【0016】
移動局(MS)とは、セルラ通信デバイスもしくは他のワイヤレス通信デバイス、パーソナル通信システム(PCS)デバイス、パーソナルナビゲーションデバイス(PND)、パーソナル情報マネージャ(PIM)、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス通信信号および/またはナビゲーション信号を受信することができ得るラップトップモバイルデバイスもしくは他の適切なモバイルデバイスなどのデバイスを指す。
【0017】
また、「移動局」という用語は、短距離のワイヤレス接続、赤外線接続、または有線接続によって、あるいはデバイスにおいて、またはパーソナルナビゲーションデバイス(PND)において衛星信号受信が行われるか、支援データ受信が行われるか、および/または位置関連の処理が行われるかにかかわらず、他の接続などによって、PNDと通信するデバイスを含むことも意図している。また、「移動局」は、インターネット、WiFi、または他のネットワークなどを介して、さらにそのネットワークに関連するデバイス、サーバ、または別のデバイスにおいて、衛星信号受信が行われるか、支援データ受信が行われるか、および/または位置関連の処理が行われるかにかかわらず、サーバと通信することができ得るワイヤレス通信デバイス、コンピュータ、ラップトップなどを含め、すべてのデバイスを含むことを意図している。また、前述したデバイスの任意の動作可能な組合せも、「移動局」と考えられる。
【0018】
移動局は、1つまたは複数のモバイルベースの探索技術またはモバイル支援された位置特定技術により移動局の地理的なロケーションを特定することができ得る。本明細書で説明される方法および装置は、米国の全地球測位システム(GPS)、ロシア国のグロナス(Glonass)システム、欧州のガリレオ(Galileo)システム、衛星システムの組合せからの衛星を使用する任意のシステム、または将来に開発される任意の衛星システムなどの、様々な衛星測位システム(SPS)とともに使用されることが可能である。さらに、開示される方法および装置は、スードライト(pseudolites)、または衛星とスードライトの組合せを利用するポジション特定システムとともに使用されることが可能である。
【0019】
スードライトは、Lバンド(または他の周波数)搬送波信号上で変調されたPN符号または他の測距符号(GPSセルラ信号またはCDMAセルラ信号に類似した)をブロードキャストする地上ベースの送信機であり、この搬送波信号は、GPS時間基準または他のSPS時間基準と同期されることが可能である。それぞれのそのような送信機には、遠隔受信機による識別を可能にするように一意のPN符号が割り当てられることが可能である。
【0020】
スードライトは、トンネル内、坑内、建造物内、都市の谷間において、または他の囲い込まれた区域内などの、周回軌道衛星からのSPS信号が利用できない可能性がある状況で有用であり得る。スードライトの別の実施形態が、無線ビーコンとして知られている。本明細書で使用される「衛星」という用語は、スードライト、スードライトの均等物、その他を含むことを意図している。本明細書で使用される「SPS信号」という用語は、スードライトから、またはスードライトの均等物からのSPS様の信号を含むことを意図している。
【0021】
移動局において展開されるロケーションベースのサービスは、デフォルトのレポートパラメータとして、時間ベースの、または距離ベースのレポート(TDR)アルゴリズムを通常、使用することが可能である。このタイプの実施形態において、移動局は、所定の時間間隔(例えば、1分、2分など)が経過した後、または移動局が所定の距離(1マイル、2マイルなど)移動した後、移動局の計算された位置をレポートする。TDRベースのレポートシステムは、大まかに追跡される車両、資産、ハンドセットなどに関して一般にうまく機能するが、固定されたTDRレポートパラメータを使用することは、一部のロケーションベースのサービスに関して満足が行かない可能性がある。例として、位置追跡のためのロケーションベースのサービスをサポートする際、移動局ロケーション履歴が、たどられた軌跡上のどこで方向転換が行われたかという位置を示すのに使用され得る。
【0022】
すべての東西の通り、および南北の通りが実質的に平行な格子で構築されている「格子」道路システムを有する都市における例示的な環境を考慮されたい。移動局は、デフォルトのTDRレポートパラメータに基づいて、1分ごとに、または1マイルごとにロケーションフィックスをレポートするように最初、構成されることが可能である。プロットされた移動局位置は、移動局が特定の道路セグメントに留まったとした場合、履歴に関して正確である可能性が高い。
【0023】
移動局が、住宅地の通りに入るように方向転換すること、幹線道路に出るように方向転換すること、回り道をすることなどによって、或る連続する道路セグメントから実質的に逸れた場合、移動局の真の位置は、次の事前計画された間隔または時間または距離が経過するまで、認識されない。動的レポートパラメータを有する移動局は、デフォルトの時間レポートパラメータと距離レポートパラメータのいずれか、または両方をさらなるパラメータで補強する、変更する、または置き換えることができ得る。
【0024】
レポートパラメータには、例えば、時間、距離、コース、速度など、および以上の組合せが含まれ得る。レポートパラメータは、互いに関連すること、または無関係であることが可能であり、さらに静的であること、または動的であることが可能である。
【0025】
例として、インテリジェントな動的レポートスキームは、コースをレポートパラメータとして含む。移動局は、現在のロケーションフィックスおよび過去のロケーションフィックスから決定された移動局のコースを検査し、さらに地上の移動局の軌跡が方向転換を実行したとき、そのことを認識する。一実施形態において、移動局は、最後のいくつかの位置フィックスを基準として軌跡変化の量を測定することによって、コースの変化を特定することができ得る。移動局は、或る構成可能な方向変換角度しきい値が超えられたと判定することが可能であり、さらに、これに応答して、移動局は、位置レポートを生成し、送信することができ得る。次に、移動局は、他のレポートパラメータに関連するパラメータを再設定する、またはそれ以外で調整することが可能である。例えば、移動局は、TDRパラメータに関連付けられた基準時間および基準ロケーションを再設定することができ得る。
【0026】
図1は、動作環境100における移動局110の或る実施形態の簡略化された機能図である。移動局110は、目的地130に至る経路120をたどっているものとして例示される。経路120は、或る所定のパスであり得るが、そうでなくてもよい。例えば、移動局110がナビゲーションユニットを実施する場合、開始ロケーションおよび目的地が、移動局110に入力されることが可能であり、さらに移動局110は、所定の経路120を生成することが可能である。代替として、移動局110は、経路120の知識を利用しない可能性があり、さらに、代わりに、目的地130、または所定の経路120の知識なしに、移動局110によってたどられたパスを追跡するように動作することが可能である。
【0027】
動作環境100は、道路のコレクションを有するものとして例示されるものの、本明細書で説明される動的レポート方法および動的レポート装置は、道路沿いの、または車両における使用に限定されない。これらの動的レポート方法および動的レポート装置は、道路がない環境において使用されるのにも適している。例えば、歩行者によって携帯されるパーソナルモバイルデバイスが、これらの動的レポート方法および動的レポート装置を実施し、利用することが可能である。
【0028】
移動局110は、目的地130に至る経路120に沿った任意の数の通りまたは小道をたどることが可能である。経路120には、例えば、ハイウェイ160−1、幹線道路160−2、ならびに住宅地の通り160−3が含まれることが可能である。移動局の速度、ならびに軌跡の変化とも呼ばれる方向転換の急さは、たどられている道路のタイプに基づいて異なる可能性がある。
【0029】
例として、目的地130に到着するように経路120をたどる移動局110は、ハイウェイ160−1部分に相当する経路120の第1の部分122−1上を最初、移動していることが可能である。第1の部分122−1に沿った移動局110の速度は、毎時約100〜150キロメートルなど、比較的高いことが可能である。移動局110が、ハイウェイ160−1をたどっている間、急な方向転換、または軌跡の変化に遭遇する可能性は低い。
【0030】
移動局110は、ハイウェイ160−1を抜けて、さらに幹線道路160−2に出ることが可能である。経路120は、ハイウェイ160−1から幹線道路160−2に至る移動局110のパスをたどる方向転換124−1を含む。幹線道路160−2上の移動局110の速度は、実質的に変化する可能性があるが、ハイウェイ160−1上で遭遇する速度を通常、超えない。この速度は、一部の実例において、移動局110が交通信号機に遭遇すると、0まで低下する可能性がある。
【0031】
移動局110は、移動局110が、移動局110を住宅地の通り160−3、または他の何らかの連絡道路に移行させる経路120上の別の方向転換124−2を実行するまで、幹線道路160−2上を進むことが可能である。移動局110は、目的地130に到着する前に、経路において任意の数のさらなる方向転換を実行することが可能である。
【0032】
さらに、移動局110は、目的地に至る経路をたどっている間、任意の数の高度点に遭遇することが可能である。例えば、移動局110は、マルチプルレベルの道路(multiple level roadways)、マルチプルレベルの駐車場(multiple level parking structure)、あるいはマルチプルレベルの空港出発ターミナルおよび空港到着ターミナルなどのマルチプルレベルの目的地に遭遇する可能性がある。
【0033】
図1は、移動局110によってたどられる或る特定の経路120を示すが、移動局110は、任意の数の代替の経路をたどることによって目的地130に到着することができ得ることが明白である。
【0034】
移動局110は、位置探索が可能であり、さらに位置更新レートに従って移動局110のロケーションを生成する、またはそれ以外で特定することが可能である。位置更新レートは、例えば、移動局によって利用される特定の位置探索技術、位置探索ハードウェア実施形態、位置探索アルゴリズムなど、または以上の何らかの組合せに基づくことが可能である。例えば、移動局110は、モバイルベースの支援されたGPSを位置探索ソリューションとしての1つの位置探索技術としてサポーターすることが可能である。移動局110は、位置フィックスを決定する際に実施されるサンプリングおよび積分時間(sampling and integration time)に部分的に基づいて、GPS位置フィックスを生成するように構成され得る。また、移動局110は、高度順方向リンク三角測量(AFLT)技術、または他の1つまたは複数の位置探索技術を実施して、移動局110の位置を特定することもでき得る。
【0035】
移動局110は、その1つまたは複数の位置探索実施形態によって特定された位置フィックスのすべて、またはサブセットをログ記録する、またはそれ以外で格納するように構成され得る。移動局110は、例えば、1つまたは複数のログ記録パラメータを実施して、位置フィックスのログ記録を制御することができ得る。
【0036】
また、移動局110は、それらの位置フィックスのすべて、またはサブセットを遠隔エンティティにレポートすることも可能である。例えば、移動局110は、1つまたは複数のワイヤレスアクセスポイントを介して中央レジストリ150に位置フィックスをレポートするように構成され得る。図1に示される動作環境100実施例において、移動局110は、セルラ通信システムなどのワイヤレス通信システムの一部である1つまたは複数の基地局140−1および140−nを介して位置フィックスをレポートすることが可能である。基地局、例えば、140−1が、移動局110を中央レジストリ150に最終的に接続するワイヤレスアクセスポイントの役割をすることが可能である。
【0037】
移動局110は、1つまたは複数のレポートパラメータを利用して、位置フィックスをレポートするかどうかを決定することが可能である。これらのレポートパラメータおよびレポートプロセスは、移動局110にローカルで実行されるログ記録プロセスと無関係であること、または関係することが可能である。
【0038】
中央レジストリ150は、位置フィックスのリポジトリ(repository)の役割をすることが可能であり、あるいは1つまたは複数のロケーションベースのサービスを提供することが可能である。ロケーションベースのサービスは、中央レジストリ150にローカルでホストされることが可能であり、あるいは中央レジストリ150から遠隔でホストされることが可能である。ロケーションベースのサービスが中央レジストリ150から遠隔でホストされる実施形態において、通信リンクが、ロケーションベースのサービスに、中央レジストリ150における位置フィックスへのアクセスを提供することが可能である。
【0039】
一例において、中央レジストリ150は、緊急サービス、運輸サービスなどの中央派遣機関に関連付けられることが可能である。移動局110は、緊急車両にローカルであることが可能であり、さらにこの車両が、緊急呼出しに応答して派遣された際に、中央レジストリ150に移動局110の位置をレポートすることが可能である。別の例において、中央レジストリ150は、タクシー派遣センタにローカルであることが可能であり、さらに移動局110が、各タクシーにローカルであることが可能である。移動局110は、移動局110に対応するタクシーに関する位置フィックスを、絶え間なく、または派遣の後に、または運賃がアクティブで或る場合に、レポートすることが可能である。
【0040】
別の実施形態において、中央レジストリ150は、ロケーションベースのサービスのための情報サーバとして、またはそのような情報サーバと連携して動作することができ得る。中央レジストリ150にアクセスすることを許可されたロケーションベースのサービスは、それらのサービスをサポートする、レポートされた様々なロケーションフィックスを利用することができ得る。例えば、移動局110は、事前定義されたグループの中のピアデバイスの追跡を提供するロケーションベースのサービスをホストするワイヤレス電話機であることが可能である。この移動局110は、移動局110の位置を中央レジストリ150にレポートすることが可能であり、さらに中央レジストリ150にアクセスして、様々なピアデバイスに関する位置フィックスを特定することが可能である。同様に、ロケーションベースの広告サービスが、中央レジストリ150にレポートされ、レジストリ150の中に格納された位置フィックスにアクセスして、位置を認識した広告がプッシュされる移動局110のIDを特定することが可能である。
【0041】
本明細書で説明されるロケーションベースのサービス実施例は、サポートされることが可能なサービスのタイプを例示する目的で与えられる。これらの実施例は、網羅的であることを意図するものではなく、可能な代替形態を単に例示するに過ぎない。
【0042】
移動局110は、位置フィックスをワイヤレスでレポートする多数の移動局の1つであることが可能である。移動局110が位置フィックスをレポートするワイヤレス通信システムは、通常、ワイヤレスリソースが多くのユーザの間で共有される多元接続システム(multiple access system)である。
【0043】
移動局110は、すべての位置フィックスをレポートすることが考えられ得るものの、レポートの頻繁さが、ワイヤレスリソースを不要に消費する可能性がある。しかし、余りにも少ししか位置フィックスをレポートしないことは、位置の精度を犠牲にし、さらに移動局110によってたどられた経路120をうまく再構築する能力を犠牲にする。
【0044】
移動局110は、レポートパラメータを利用して、ワイヤレスリンクを介して送信される情報の量を制御し、さらに位置の精度の必要性と、ワイヤレスリソースを節約する必要性のバランスをとる。これらのレポートパラメータは、各ロケーションベースのサービスに関して最適化されることが可能であり、さらに動的であること、および従属していることが可能である。レポートパラメータは、特定のロケーションベースのサービスのサポート中に変化することが可能である。さらに、いくつかのレポートパラメータを互いに関係付けることが、1つまたは複数のレポートパラメータの変更を許して、従属するレポートパラメータに影響を与える、またはそのようなパラメータを変化させる。
【0045】
或る例において、移動局110は、時間ベース、および距離ベースのレポートパラメータを備えて最初に構成されることが可能である。LBSアプリケーションは、経過した時間、およびたどられた距離を、位置をレポートするためのデフォルトのパラメータとして使用する時間距離レポート(TDR)レポートアルゴリズムを利用するように構成され得る。
【0046】
時間間隔または距離間隔の1つまたは複数が、移動局110のユーザまたは運用者によって入力される、またはそれ以外で選択されることが可能である。代替として、移動局110内のレポートアルゴリズムが、デフォルトの時間間隔または距離間隔をレポートパラメータとして初期化してもよい。また、このレポートアルゴリズムは、方向転換、軌跡変化、またはコースをさらなるレポートパラメータとして含めることも可能である。
【0047】
移動局110は、時間間隔または距離間隔が経過すると、中央レジストリ150に位置更新をレポートする。移動局110が、方向転換124−1などの方向転換を検出し(より正確には、移動局110が、計算された地上軌跡の変化を特定し)、さらにそのような方向転換が、或る所定の角度しきい値(例えば、45度)を超えた場合、即座の位置が計算され、またはそれ以外でストレージから取得されて、さらに中央レジストリ150、または他の何らかの監視サービスに送信される。レポートアルゴリズムは、TDRレポートモニタを再設定し、さらにレポートプロセスが、新たに開始する。このため、軌跡変化をさらなるレポートパラメータとして含めることは、前回のレポートイベント以来、経過した時間間隔または距離にかかわらず、関係のある測位イベントが生じると、中央レジストリ150に位置がレポートされることを確実にする。
【0048】
他のレポートパラメータが、他のレポートイベントをトリガするように含められ、さらに使用され得る。さらに、1つまたは複数のレポートパラメータが、レポートイベントのためのトリガ機構として動作することに加えて、またはそのように動作することの代替として、その他のレポートパラメータの1つまたは複数のパラメータの値を動的に変更するのに使用され得る。
【0049】
例として、移動局110の速度は、レポートパラメータであり得る。一実施形態において、1つまたは複数の速度しきい値が、移動局110の位置をレポートするためのトリガとして使用されることが可能である。別の実施形態において、1つまたは複数の速度しきい値が、別のレポートパラメータの値を変更するのに使用されることが可能である。例えば、移動局速度が、時間レポートまたは距離レポートの際に使用されるしきい値を変更するのに使用され得る。速度が、時間レポートパラメータおよび距離レポートパラメータと正に相関させられる、または負に相関させられることが可能である。低い速度が、より短い時間レポート間隔、およびより短い距離レポート間隔をトリガすることが可能である。代替として、低い速度が、より長い時間レポート間隔、およびより長い距離レポート間隔をトリガすることが可能である。
【0050】
1つのレポートパラメータ、例えば、速度が、別のレポートパラメータ、例えば、時間に影響を与える仕方は、それらのレポートパラメータが関連付けられたLBSと関係することが可能である。例えば、車両追跡シナリオにおいて、相対的に高い速度が、ハイウェイ移動に関連することが可能であり、さらに時間間隔および距離間隔が、位置の詳細がそれほど失われることなしに増加させられることが可能である。しかし、歩行者追跡シナリオまたはピア探索シナリオにおいて、相対的に高い速度は、より短い時間間隔、およびより短い距離間隔を望ましくする可能性がある。
【0051】
図2Aは、動的位置レポートのために構成された移動局110の或る実施形態の簡略化された機能ブロック図である。移動局110は、例えば、図1の動作環境に例示される移動局であり得る。
【0052】
図2Aの移動局110は、SPS(衛星測位システム)からの信号に基づく測位をサポートするように構成され、さらにワイヤレス通信をサポートするように構成される。移動局110は、例えば、探索対応のセルラ電話機であることが可能である。
【0053】
移動局110は、通信信号処理パスと、測位信号処理パスとを含む。また、移動局110は、AFLT測位、またはハイブリッドGPS測位の場合など、測位のために通信信号を利用することも可能である。しかし、簡明のため、この説明は、SPS測位に限定される。
【0054】
通信信号処理パスは、通信トランシーバ210に結合された通信アンテナ202−1を含む。通信トランシーバ210は、ベースバンドプロセッサ212に結合される。ベースバンドプロセッサ212は、位置データマネージャ240に結合される。
【0055】
通信トランシーバ210は、ワイヤレス通信ダウンリンクを介してダウンリンクのデータおよび情報を受信するとともに、ワイヤレスアップリンクを介してアップリンクの情報およびデータを送信するように構成される。ダウンリンク情報には、例えば、測位要求、またはロケーションベースのサービス要求、応答、あるいは他の何らかの情報が含まれ得る。同様に、アップリンクのデータおよび情報には、ローカルで生成されたロケーションベースのサービス要求、応答、ならびに位置データが含まれ得る。
【0056】
ベースバンドプロセッサ212は、ダウンリンク信号を処理し、さらに、適宜、それらの信号を位置データマネージャ240にルーティングするように構成される。また、ベースバンドプロセッサ212は、位置データマネージャ240から情報を受け取り、さらにその情報を、通信トランシーバ210によって送信するために処理することも可能である。
【0057】
測位信号処理パスは、SPS受信機220に結合された測位アンテナ202−2を含む。SPS受信機220の出力は、位置探索モジュール222に結合される。位置探索モジュール222の出力は、位置データマネージャ240に結合される。
【0058】
SPS受信機220は、例えば、GPS受信機であることが可能であり、さらに複数のGPS衛星からの信号を受信し、その複数の衛星車両のそれぞれまでの擬似距離を算出するように構成されることが可能である。位置探索モジュール222は、モバイルベースの位置探索可能な移動局110において、擬似距離に基づいて、移動局110の、位置フィックスと呼ばれる地理的位置を特定するように構成されることが可能である。代替として、位置探索モジュール222は、移動局110がモバイル支援された測位を実行するように構成される場合、位置特定エンティティ(PDE)などの測位エンティティに擬似距離情報を通信するように構成され得る。モバイル支援された実施形態における位置探索モジュール222は、遠隔測位エンティティに通信するためにベースバンドプロセッサ212に擬似距離情報を通信するように構成され得る。
【0059】
さらに、位置探索モジュール222は、ベースバンドプロセッサ212から位置支援情報を受信することができ得る。例えば、サービスを提供する基地局が、通信トランシーバ210を介して移動局110に位置支援情報を通信することが可能である。ベースバンドプロセッサ212は、位置支援情報を抽出し、この情報を位置探索モジュール222に通信することができ得る。位置探索モジュール222は、位置フィックスを特定する際に、この位置支援情報を利用することが可能であり、あるいはこの位置支援情報のいくらかをSPS受信機220に通信して、SPS受信機220が、受信された衛星信号を処理することを支援することが可能である。
【0060】
また、移動局110は、移動局の位置を特定する際に、または移動局の位置の特定を支援する際に使用され得る1つまたは複数のセンサ230を含むことも可能である。センサ230は、例えば、磁力計、加速度計、高度センサなどを含むことが可能である。移動局110は、1つまたは複数のセンサ値を利用して、位置フィックスを補強する、または特定することができ得る。例えば、位置探索モジュール222が、何らかの形態の推測航法を実行して、基準ロケーションに対する移動局110の位置を更新することができ得る。位置探索モジュール222は、加速度計読取り値を積分して、速度オフセットまたは位置オフセットと算出することができ得る。
【0061】
位置探索モジュール222は、移動局110のロケーションを表す位置フィックスを位置データマネージャ240に結合する。位置ロケーションモジュール222が位置フィックスを更新するレートは、コヒーレント積分時間、および非コヒーレント積分時間、サンプリング周期など、または以上の組合せを含むことが可能な、いくつかの位置処理パラメータに基づいて決定されることが可能である。一実施形態において、位置探索モジュール222は、すべての位置フィックスを位置データマネージャ240に通信するように構成され得る。他の実施形態において、位置探索モジュール222は、すべての位置フィックスのサブセットを位置データマネージャ240に通信するように構成され得る。位置データマネージャ240は、位置更新が位置探索モジュール222によって通信されるレートを制御することが可能である。
【0062】
位置データマネージャ240は、データロガ242と、メモリ244と、レポートマネージャ246とを含み得る。データロガ242は、位置探索モジュール222から位置探索フィックスを受け取るように構成されることが可能であり、さらに1つまたは複数のログ記録パラメータに基づいて、情報をメモリ244に選択的にログ記録することが可能である。
【0063】
ログ記録パラメータは、特定のロケーションベースのサービスアプリケーションに関連することが可能であり、あるいはLBSアプリケーションとは無関係であるデフォルトの値であることが可能である。他の実施形態において、ログ記録パラメータは、特定のLBSアプリケーションに関連することが可能であるが、移動局110に特有のパラメータに従属することも可能である。移動局110にローカルであるそのようなパラメータは、例えば、利用可能なメモリ244を含み得る。
【0064】
上限において、データロガ242は、メモリ244の中に格納するためにすべての位置フィックスを選択する。下限において、データロガ242は、メモリ244の中に格納するために位置フィックスを全く選択しない。最も典型的には、データロガ242は、メモリ244の中に格納するために位置フィックスの何らかのサブセットを選択する。
【0065】
データロガ242は、メモリ244の中の固定されたロケーションに位置フィックス、および関連するタイムスタンプを書き込むことができ得る。代替として、データロガ242は、位置フィックス、および関連するタイムスタンプを、例えば、ポインタによって間接的に識別されたロケーションでメモリ244に書き込むことができ得る。別の例において、データロガ242は、位置フィックス、および関連するタイムスタンプを、スタックの中の或るロケーションに書き込むことが可能であり、さらにそれらのロケーションは、そのスタックの中で既に消費されているストレージの量に基づいて変わることが可能である。さらに別の実施形態において、メモリ244は、円形バッファとして構成されることが可能であり、さらにデータロガ242は、位置フィックス、および関連するタイムスタンプを、この円形バッファの中の次の利用可能なロケーションに書き込むことができ得る。他のメモリ244構成が使用されてもよく、さらに位置フィックスをログ記録するプロセスは、いずれの特定のメモリ構成にも限定されない。
【0066】
レポートマネージャ246は、レポートパラメータのセットに基づいて、位置フィックスのレポートを管理し、さらに制御することができ得る。レポートマネージャ246は、位置探索モジュール222から位置フィックスを受け取ることが可能であり、あるいはデータロガ242によってメモリ244の中に格納された位置フィックスを操作することが可能である。
【0067】
また、レポートマネージャ246は、1つまたは複数の位置フィックスをメモリ244の中に格納することも可能であり、あるいはメモリの中に格納された1つまたは複数の位置フィックスにタグを付ける、印を付ける、またはそれ以外でそのような位置フィックスを識別することが可能である。代替として、レポートマネージャ246は、1つまたは複数の位置フィックスから導き出されたデータまたは情報をメモリ244の中に格納してもよい。
【0068】
レポートパラメータには、例えば、時間変化、距離変化、および軌跡変化が含まれることが可能である。レポートパラメータのそれぞれは、レポートマネージャ246によって、位置レポートを開始するかどうかを決定するのに使用される1つまたは複数のしきい値を含み得る。レポートマネージャ246は、位置がレポートされた最新の時刻を基準時間として決定することができ得る。レポートマネージャ246は、この基準時間、ならびにレポートマネージャ246に内在することが可能な経過した時間に基づいて、位置更新をレポートするかどうかを決定することが可能である。同様に、レポートマネージャ246は、最後の位置更新時の移動局110のロケーションを基準位置として決定することが可能である。レポートマネージャ246は、最新の位置フィックスを基準位置と比較して、レポートパラメータの距離しきい値が超えられたかどうかを判定することができ得る。距離しきい値が超えられた場合、レポートマネージャ246は、位置レポートを開始する。また、レポートマネージャ246は、2つ以上の位置フィックスに基づいて、または1つまたは複数のセンサ読取り値と組み合わせて、コースまたは軌跡を特定することもでき得る。レポートマネージャ246は、軌跡変化パラメータまたは方向転換レポートパラメータと一緒に使用するために基準のコース、または基準方向を格納することができ得る。
【0069】
また、レポートパラメータは、1つまたは複数の関係レポートパラメータを含むことも可能であり、ここにおいて関係レポートパラメータとは、従属するレポートパラメータ、または関連するレポートパラメータと呼ばれる、他の少なくとも1つのレポートパラメータに影響を有するパラメータを指す。前述したとおり、関係パラメータには、移動局速度が含まれ得る。関係レポートパラメータに関するしきい値は、レポートイベントに関するトリガポイントであることが可能である。また、このしきい値は、関係レポートパラメータによって影響を受ける、またはそれ以外で関係レポートパラメータに関連する1つまたは複数のレポートパラメータの変更のためのトリガであることも可能である。
【0070】
或る実施形態において、「速度」が、関係レポートパラメータであることが可能であり、さらにいくつかの速度しきい値が存在することが可能である。「時間」および「距離」というレポートパラメータは、「速度」関係レポートパラメータに関連することが可能である。「速度」関係レポートパラメータの各しきい値は、「時間」レポートパラメータまたは「距離」レポートパラメータの1つまたは複数におけるしきい値の対応する変更と関連することが可能である。
【0071】
例として、「速度」関係レポートパラメータが、毎時100キロメートルをしきい値として有するものと想定されたい。移動局速度が毎時100キロメートル未満である場合、「時間」しきい値および「距離」しきい値は、第1のしきい値にあることが可能である。移動局の速度が毎時100キロメートルを超えた場合、レポートマネージャ246は、「時間」しきい値および「距離」しきい値を、第1のしきい値とは異なる第2のしきい値に変更することが可能である。第1の「時間」しきい値は、1分であり得るのに対して、第2の「時間」しきい値は、30秒であり得る。第1の「距離」しきい値は、1キロメートルであり得るのに対して、第2の「距離」しきい値は、0.5キロメートルであり得る。「速度」関係レポートパラメータは、「コース」レポートパラメータまたは「軌跡」レポートパラメータと関係することも可能である。コースにおける逸れに関するレポートしきい値は、速度に基づいて、45度などの第1のしきい値から、20度などの第2のしきい値に変化することが可能である。もちろん、レポートしきい値は、関係しきい値と正に相関していなくてもよい。
【0072】
レポートマネージャ246は、様々なレポートパラメータに基づくレポートタイプの位置レポートを開始することができ得る。一実施形態において、レポートマネージャ246は、位置レポートを開始すると、単一の最新の位置フィックスを送ることが可能である。代替として、レポートマネージャ246は、位置レポートを開始したレポートパラメータに基づいて、異なるタイプの位置レポートを開始することも可能である。
【0073】
一実施形態において、レポートマネージャ246は、レポートイベントを開始したレポートパラメータに基づいて、冗長な位置フィックスを送るか、順次の位置フィックスを送るか、単一の位置フィックスを送るか、関連するデータをレポートするレポートタイプを送るかを選択的に決定することができ得る。また、レポートマネージャ246は、位置レポートを開始したレポートパラメータに部分的に基づいて、位置フィックスをプッシュするか、または肯定的な確認応答、ACKを要求するかを選択的に決定することもでき得る。レポートのタイプは、提供されているLBSアプリケーションに依存する、またはそのようなアプリケーションとは無関係であることが可能であり、さらにレポート特性に依存すること、またはレポート特性とは無関係であることが可能である。
【0074】
例として、レポートマネージャ246は、レポートが、時間レポートパラメータまたは距離レポートパラメータに基づいて開始された場合、ACKを要求することなしに、単一の位置レポート、および関連するタイムスタンプを送るに過ぎないことが可能である。レポートマネージャ246は、位置レポートが方向転換によってトリガされる場合、冗長な位置レポートを送る、または2つ以上の順次の位置フィックスをレポートすることが可能である。レポートマネージャ246は、他のレポートパラメータに関して、単一の位置フィックスを送り、さらにACKを要求することが可能である。
【0075】
レポートマネージャ246によって開始されるレポートタイプは、例えば、受信の確率、リソース負荷、情報の重要度の格付け、ワイヤレスチャネル条件など、または以上の何らかの組合せを含むことが可能な1つまたは複数のレポート特性に依存することが可能である。レポートマネージャ246は、1つまたは複数のレポート特性を監視することが可能であり、さらにそれらのレポート特性に基づいて、レポートタイプを動的に変更することが可能である。
【0076】
レポートマネージャ246は、位置レポートを開始したレポートパラメータにかかわらず、位置レポートが送信されると、または位置レポートに確認応答が行われると、レポートパラメータによって使用される基準を再設定することが可能である。例えば、方向転換に関して開始された位置レポートが、レポートマネージャ246に、時間レポートおよび距離レポートの際に使用されたタイマおよび基準位置を更新させ、さらに再設定させることが可能である。
【0077】
また、位置データマネージャ240は、レポートマネージャ246およびデータロガ242に関連する機能の1つまたは複数を実行するためにレポートマネージャ246とデータロガ242の間で共有されるプロセッサ248を含むことも可能である。例えば、プロセッサ248は、レポートマネージャ246またはデータロガ242の機能のいくつか、またはすべてを実行するためにメモリ244の中に符号化された命令を実行するように構成され得る。
【0078】
一実施形態において、レポートマネージャ246は、ハードウェアとして実施される、メモリ上に符号化され、さらにプロセッサ248によって実行されるソフトウェアとして実施される、あるいはハードウェアとそのようなソフトウェアの何らかの組合せとして実施される。レポートマネージャ246は、例えば、ダイレクトメモリアクセス(DMA)コントローラなどの、メモリにアクセスするためのデバイスを含むことが可能であり、さらに基準値、レポートパラメータしきい値などを格納するための1つまたは複数のレジスタ、メモリ、またはバッファを含むことが可能である。また、レポートマネージャ246は、クロックまたはタイマと、位置フィックスを比較して、またはそれ以外で処理して、1つまたは複数のレポートパラメータのステータスを特定するためのレジスタまたはメモリに関連付けられた1つまたは複数のコンパレータとを含むことも可能である。
【0079】
データロガ242も同様に、ハードウェアとして実施される、メモリ上に符号化され、さらにプロセッサ248によって実行されるソフトウェアとして実施される、あるいはハードウェアとそのようなソフトウェアの何らかの組合せとして実施されることが可能である。データロガは、単純にDMAコントローラであることが可能であり、あるいはクロックまたはタイマ、1つまたは複数のコンパレータ、あるいはログ記録パラメータが満たされていることを判定する他のハードウェアと組み合わされたDMAコントローラであることが可能である。
【0080】
レポートパラメータ、レポートのタイプ、またはレポートパラメータとレポートのタイプの組合せを動的に変えることによって、移動局110は、レポートをインテリジェントに管理することが可能であり、したがって、中央レジストリに中継される情報は、ワイヤレス通信システムに課せられる負荷を管理しながら、たどられる経路の良好な表示をもたらす。
【0081】
図2Bは、移動局110におけるロケーションベースのサービスアプリケーション250の階層化されたモデルの簡略化されたブロック図である。図2Bのブロック図は、図1または図2Aに示される移動局の代替の表現であり得る。
【0082】
移動局110は、オペレーティングシステムの上で動作しているロケーションベースのサービスアプリケーション250を含む。このオペレーティングシステムは、移動局110内で実施される実質的に任意のタイプのオペレーティングシステムであることが可能である。例えば、このオペレーティングシステムは、バイナリランタイム環境フォーワイヤレス(BREW)オペレーティングシステム、JAVA(登録商標)オペレーティングシステムなど、または何らかの独自のオペレーティングシステムに基づくことが可能である。
【0083】
オペレーティングシステムは、ハードウェア層260の上で動作する。ハードウェア層260は、例えば、位置探索ハードウェア262、ならびにワイヤレス通信ハードウェア264を含み得る。
【0084】
図2Aの位置データマネージャの要素は、ロケーションベースのサービスアプリケーション250、位置探索ハードウェア262、ワイヤレス通信ハードウェア264、または以上の何らかの組合せにおいて実施され得る。
【0085】
一例において、ワイヤレスハンドセットなどの移動局110が、GPS/LBS能力を有するBREWハンドセットとして実施され得る。移動局110は、ハンドセット上にLBSアプリケーション250としてロードされた位置レポートソフトウェアアプリケーションを含み得る。このアプリケーションは、セルラネットワークを介してTCP/IPデータ接続上で監視サービスにハンドセット位置を送信するように構成され得る。これらの位置は、ウェブ、あるいは監視サービスへの他の直接アクセスを介して遠隔で表示され得る。
【0086】
図3は、動的レポートの方法300の或る実施形態の簡略化されたフローチャートである。方法300は、例えば、図1、または図2A〜2Bの移動局上で実施され得る。
【0087】
方法300は、ブロック310で開始し、ブロック310で、移動局が、アクティブの位置探索レポート状態への遷移を決定する。移動局は、例えば、LBSアプリケーションが開始されると、アクティブの位置探索レポート状態に遷移することが可能である。
【0088】
移動局は、ブロック312に進み、デフォルトのレポートパラメータを初期化する。デフォルトのレポートパラメータには、例えば、デフォルトの時間レポートパラメータおよび距離レポートパラメータが含まれ得る。移動局は、オプションとして、デフォルトのログ記録パラメータも初期化することが可能である。図3に示される実施形態において、移動局は、すべての位置フィックスをログ記録し、さらに、このため、ログ記録パラメータの初期化が省略される。
【0089】
移動局は、移動局が移動局の位置を特定するブロック314に進む。移動局は、例えば、SPS位置探索AFLT、センサなど、または以上の何らかの組合せを使用して、移動局の位置を特定することができ得る。移動局は、モバイルベースの測位技術、またはモバイル支援された測位技術を使用することが可能である。
【0090】
移動局の位置を特定した後、移動局は、ブロック316に進み、その位置をログ記録する。一実施形態において、ログ記録マネージャが、位置フィックスを受け取り、さらに位置フィックスをタイムスタンプと一緒にメモリの中に格納する。
【0091】
移動局は、ブロック318に進み、位置フィックスをレポートする。図3の実施形態において、レポートマネージャが、初期位置フィックスをレポートするように動作する。他の実施形態において、レポートマネージャは、いくつかのレポートパラメータを利用して、初期位置フィックスをレポートするかどうかを決定することができ得る。また、レポートマネージャは、レポートパラメータに関する基準値を初期化する、またはそれ以外で初期化することもでき得る。それらの基準値には、例えば、初期位置フィックスの基準時間、および基準ロケーションが含まれ得る。基準ロケーションは、例えば、たどられた距離、速度、コースなどを特定するのに使用され得る。
【0092】
移動局は、ブロック320に進み、位置フィックスを更新する。移動局が位置フィックスを更新するレートは、LBSアプリケーションとは無関係に動作することが可能である、基礎をなす位置探索のアプリケーション、層、またはハードウェアによって特定されることが可能である。
【0093】
移動局は、判定ブロック322に進み、移動局は、位置探索状態が依然としてアクティブであるかどうかを判定する。一実施形態において、LBSアプリケーションが、この状態が依然としてアクティブであるかどうかを判定する。別の実施形態において、ログ記録マネージャが、位置探索状態が依然としてアクティブであるかどうかを判定することが可能である。
【0094】
LBSアプリケーションが終了した場合など、位置探索状態がもはやアクティブではない場合、移動局は、ブロック390に進み、ブロック390で、ログ記録し、さらにレポートするプロセスが行われる。判定ブロック322で、移動局が、位置探索状態が依然としてアクティブであると判定した場合、移動局は、ブロック324に進み、更新された位置をログ記録する。
【0095】
移動局は、ブロック330に進み、1つまたは複数のレポートパラメータのステータスを特定する。レポートマネージャが、1つまたは複数のレポートパラメータにアクセスし、さらにレポートパラメータの1つまたは複数が満たされているかどうかを判定する。
【0096】
移動局が、判定ブロック340に進み、レポートパラメータのステータスに基づいて、レポートを開始するかどうかを決定する。レポートパラメータが満たされていない場合、移動局は、判定ブロック340からブロック320に戻り、位置を再び更新する。
【0097】
判定ブロック340で、移動局が、レポートパラメータの少なくとも1つが満たされたと判定した場合、つまり、移動局が、レポートパラメータのステータスに基づいて、レポートを開始することを決定した場合、移動局は、ブロック344に進む。
【0098】
ブロック344で、移動局が、レポートマネージャを介して、位置を生成し、さらにレポートする。レポートマネージャが、1つまたは複数のレポートパラメータのステータスに基づくタイプのレポートを生成することが可能である。例えば、レポートマネージャは、単一位置フィックスレポートを作成するか、冗長な位置フィックスレポートを生成するか、一連の位置フィックスをレポートとして生成するか、確認応答を要求する位置レポートを生成するかなどを決定することができ得る。
【0099】
位置をレポートした後、移動局は、ブロック350に進み、レポートを開始するのに使用されたレポートパラメータのステータスに応じて、レポートパラメータを再設定する、または変更する。例えば、レポートマネージャは、レポートを送ると、時間基準値または距離基準値を再設定することが可能である。その後、移動局は、ブロック320に戻り、位置フィックスを更新する。
【0100】
図4は、動的レポートパラメータのステータスを特定する方法300の或る実施形態の簡略化されたフローチャートである。方法330は、図3の方法を実行している際に、移動局によって、詳細には、移動局のレポートマネージャによって実行されることが可能である。
【0101】
方法330は、レポートマネージャが、移動局の現在のコースを特定するブロック410で開始する。レポートマネージャは、例えば、最新の位置フィックス、ならびに基準位置フィックスなどの、より早期の位置フィックスに基づいて、方向を特定することによって、現在のコースを特定することができ得る。別の実施形態において、レポートマネージャは、移動局内の1つまたは複数のセンサからコースを特定することが可能である。センサは、電子コンパスを使用するなど、進行方向と組み合わせてコースを直接に特定することが可能である。代替として、センサデータが、コースを特定するように処理されることが可能である。例えば、加速度値が、時につれて積分されて、コース変化が特定されることが可能である。
【0102】
レポートマネージャが、ブロック412に進み、更新されたコースを、基準のコースとして格納されていることが可能な以前のコースを比較する。レポートマネージャは、判定ブロック420に進み、コースが変わったかどうかを判定する。レポートマネージャは、例えば、コースの変化を、コースレポートパラメータに関連するしきい値と比較することによって、コースの変化を特定することができ得る。コースの変化に関するしきい値は、例えば、20度、30度、45度、50度、60度、または他の何らかの値であり得る。
【0103】
コースの変化が満たされていると判定された場合、レポートマネージャは、ブロック422に進み、フラグを設定し、あるいはコースが変化したことをそれ以外で示す。レポートマネージャは、ブロック422からブロック430に進む。
【0104】
判定ブロック420で、レポートマネージャが、コースの変化が生じていないと判定した場合、レポートマネージャは、ブロック430に進み、ブロック422を回避することが可能である。ブロック430で、レポートマネージャが、次のレポートパラメータに関連する値を特定する。
【0105】
図4の例において、次のレポートパラメータは、時間である。ブロック430で、レポートマネージャが、経過したタイマの値を検査する。代替として、レポートマネージャは、経過したタイマによって設定され得る標識を検査してもよい。タイマの値、またはタイマが標識をアサートする値は、時間レポートに関連する時間間隔しきい値と関係することが可能である。
【0106】
レポートマネージャが、判定ブロック440に進んで、タイマが満了したかどうか、または標識がアサートされたかどうかを判定する。レポートマネージャが、例えば、タイマ値を基準時間と比較して、その差が、時間レポートパラメータに関連する時間間隔しきい値を超えているかどうかを判定する。
【0107】
タイマが満了している場合、レポートマネージャは、判定ブロック440からブロック442に進み、ブロック442で、レポートマネージャは、時間および/または標識を再設定する、またはそれ以外で再初期化する。レポートマネージャは、ブロック444に進み、時間レポートパラメータに関連するフラグまたは標識を設定する。
【0108】
レポートマネージャが、ブロック444からブロック450に進む。判定ブロック440で、レポートマネージャが、タイマが満了していないと判定した場合、レポートマネージャは、ブロック450に進み、ブロック442および444を飛ばす。
【0109】
ブロック450で、レポートマネージャが、この例では、距離である、次のレポートパラメータに進む。レポートマネージャは、最後のレポートイベント以来、たどられた距離を検査する。レポートマネージャは、例えば、2つの位置フィックスを比較することによって、距離を特定することができ得る。レポートマネージャは、最新の位置フィックスを基準位置フィックスと比較して、それらの位置フィックス間の距離を特定することができ得る。代替として、レポートマネージャは、1つまたは複数のセンサに依拠して、距離を特定してもよい。レポートマネージャは、速度を特定し、この速度を時間につれて積分して、距離を特定することができ得る。他の実施形態において、レポートマネージャは、位置フィックスとセンサデータの組合せを利用して、たどられた距離を特定することができ得る。
【0110】
レポートマネージャが、判定ブロック460に進み、たどられた距離が距離しきい値を超えているかどうかを判定する。超えている場合、レポートマネージャは、ブロック462に進み、距離レポートパラメータに関連するフラグまたは標識を設定する。レポートマネージャは、ブロック464に進み、たどられた距離を特定する際に使用される基準位置を再設定する、またはそれ以外で更新する。例えば、レポートマネージャは、基準位置を最新の位置フィックスに設定することができ得る。レポートマネージャは、ブロック464からブロック470に進む。
【0111】
判定ブロック460で、レポートマネージャが、距離レポートしきい値を超えていない、または距離レポートしきい値がそれ以外で満たされていないと判定した場合、レポートマネージャは、ブロック470に進み、ブロック462および464を飛ばす。
【0112】
ブロック470で、レポートマネージャが、関係レポートパラメータのステータスを検査する。前述したとおり、関係レポートパラメータは、そのパラメータ自体でレポートイベントをトリガすることが可能であるが、そうする必要はない。関係レポートパラメータは、他の1つまたは複数の従属する、またはそれ以外で関連するレポートパラメータに関連する。関係レポートパラメータのステータスの変化は、1つまたは複数の従属するレポートパラメータの変化をもたらす可能性がある。関係レポートパラメータは、1つまたは複数のしきい値を有することが可能である。各しきい値を超えることは、1つまたは複数の従属するパラメータの異なる変化をもたらす可能性がある。
【0113】
例えば、ブロック470で、レポートマネージャが、移動局の速度を検査する。時間レポートパラメータおよび距離レポートパラメータは、速度関係レポートパラメータに関連する、または速度関係レポートパラメータにそれ以外で関連することが可能である。レポートマネージャは、位置フィックスと時間を使用して、1つまたは複数のセンサ読取り値を使用して、または以上の組合せを使用して、速度を特定することができ得る。
【0114】
レポートマネージャは、判定ブロック480に進み、その速度が、従属するレポートパラメータのいずれかのパラメータの更新をトリガするかどうかを判定する。判定ブロック480で、レポートマネージャが、最新の速度推定に基づいて、時間しきい値または距離しきい値が、変更されるべきかどうか、またはそれ以外で更新されるべきかどうかを判定する。
【0115】
変更されるべき、またはそれ以外で更新されるべき場合、レポートマネージャは、ブロック482に進み、従属するレポートパラメータを更新する。例えば、レポートマネージャは、毎時10キロメートル未満などの低い速度に関して、第1の時間しきい値、および第1の距離しきい値を設定することが可能である。レポートマネージャは、毎時10キロメートルから毎時60キロメートルまでの間などの中間の速度に関して、第2の時間しきい値、および第2の距離しきい値を設定することが可能である。レポートマネージャは、毎時60キロメートル超などの高い速度に関して、第3の時間しきい値、および第3の距離しきい値を設定することが可能である。しきい値の値および数は、LBSアプリケーションに基づいて異なることが可能である。例えば、歩行者追跡アプリケーションが、第1のセットのしきい値を利用することが可能であるのに対して、緊急車両追跡アプリケーションが、第2のセットのしきい値を利用することが可能である。
【0116】
従属するパラメータの値を更新した後、レポートマネージャは、ブロック490に進み、方法330は、終了する。代替として、レポートマネージャが、従属するレポートパラメータを更新する必要性をまったく特定しない場合、レポートマネージャは、ブロック490に進み、方法330は、終了する。
【0117】
動的位置レポートのための方法および装置が、本明細書で説明される。これらの方法および装置は、ワイヤレス通信システムから最小限の量のリソースしか要求せずに、正確な位置レポートをもたらす。移動局は、監視サービスの中央レジストリに位置フィックスを選択的にレポートして、監視サービスが移動局のロケーションを追跡することを可能にすることができ得る。これらの方法および装置は、「移動局はどこに存在したか」または「移動局はいずれの道路に実際に出たか」という疑問を解決する。監視サービスは、地図ベースの表示をオプションとして提供することが可能である。本明細書で説明される、インテリジェントで動的なレポートスキームは、高い価値の資産の追跡、秘密の警察追跡作戦、事故前の車両モニタの再現などのために利用され得る。
【0118】
本明細書で説明される方法は、アプリケーションに依存して様々な手段によって実施されることが可能である。例えば、これらの方法は、ハードウェアで、ファームウェアで、ソフトウェアで、または以上の組合せで実施されることが可能である。ハードウェア実施形態の場合、処理ユニットは、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、ディジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明される機能を実行するように設計された他の電子ユニット、あるいは以上の組合せの内部で実施されることが可能である。
【0119】
ファームウェア実施形態および/またはソフトウェア実施形態の場合、これらの方法は、本明細書で説明される機能を実行するモジュール(例えば、手順、機能など)を使用して実施されることが可能である。命令を実体化する任意のマシン可読媒体が、本明細書で説明される方法を実施する際に使用されることが可能である。例えば、ソフトウェアコードは、メモリの中に格納され、またはそれ以外で符号化され、さらにプロセッサによって実行されることが可能である。メモリは、プロセッサの内部に実装されること、またはプロセッサの外部に実装されることが可能である。本明細書で使用される「メモリ」という用語は、任意のタイプの長期、短期、揮発性、不揮発性、またはその他のメモリを指し、いずれの特定のタイプのメモリにも、いずれの特定の数のメモリにも、さらにメモリが格納されるいずれの特定のタイプの媒体にも限定されない。
【0120】
1つまたは複数の例示的な実施形態において、説明される機能は、ハードウェアで、ソフトウェアで、ファームウェアで、または以上の組合せで実施されることが可能である。ソフトウェアで実施される場合、それらの機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に格納されることが可能である。コンピュータ可読媒体には、物理的なコンピュータ記憶媒体が含まれる。伝送媒体には、物理的な伝送媒体が含まれる。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であることが可能である。例として、限定としてではなく、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは所望されるプログラムコードを命令またはデータ構造の形態で格納するのに使用されることが可能であり、さらにコンピュータによってアクセスされることが可能である他の任意の媒体を備え、本明細書で使用されるディスク(disk)および(disc)には、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、ディジタルバーサタイルディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイ(登録商標)ディスクが含まれ、ここにおいてディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再現するのに対して、ディスク(disc)は、レーザを使用してデータを光学的に再現する。また、前述の媒体の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含められなければならない。
【0121】
方法またはプロセスにおける様々なステップまたは動作は、示される順序で実行されることが可能であり、あるいは別の順序で実行されることが可能である。代替として、1つまたは複数のプロセスまたは方法ステップが、省かれることが可能であり、あるいは1つまたは複数のプロセスまたは方法ステップが、それらの方法およびステップに追加されることが可能である。さらなるステップ、ブロック、またはアクションが、それらの方法およびプロセスの始めの、終わりの、または間に入る既存の要素に追加されることが可能である。
【0122】
開示される実施形態の以上の説明は、任意の当業者が、本開示を作成すること、または使用することを可能にするように与えられる。これらの実施形態の様々な変形が、当業者には容易に明白となり、さらに本明細書で規定される一般的な原理は、本開示の範囲を逸脱することなく、他の実施形態に適用されることも可能である。このため、本開示は、本明細書で示される実施形態に限定されることを意図しておらず、本明細書で開示される原理、および新規な特徴と合致する最も広い範囲を与えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動的位置レポートの方法であって、
ワイヤレス通信リンクを介して中央レジストリへの位置レポートを初期化すること、
移動局の位置フィックスを特定すること、
少なくとも1つのレポートパラメータのステータスを特定すること、
前記少なくとも1つのレポートパラメータの前記ステータスに基づいて、前記中央レジストリへの位置レポートを開始すること、
動的レポートパラメータのステータスを特定すること、および
前記動的レポートパラメータの前記ステータスに基づいて、従属するレポートパラメータに関するしきい値の値を変更することを備える方法。
【請求項2】
前記第1のレポートパラメータの前記ステータスに基づいて、第1のレポートパラメータの基準値を再設定することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1のレポートパラメータのステータスを特定すること、および
前記第1のレポートパラメータの前記ステータスに基づいて、異なる第2のレポートパラメータに関連する基準値を再設定することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つのログ記録パラメータに基づいて、メモリの中に前記位置フィックスを格納することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つのレポートパラメータの前記ステータスを特定することは、時間レポートパラメータ、距離レポートパラメータ、またはコースレポートパラメータのうち少なくとも1つのパラメータの前記ステータスを特定することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのレポートパラメータの前記ステータスを特定することは、第1のレポートパラメータに関連する値を前記第1のレポートパラメータに関する基準値と比較することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記位置レポートを開始することは、
レポートタイプを決定すること、および
前記中央レジストリに前記レポートタイプの前記位置レポートを送信することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記レポートタイプを決定することは、前記少なくとも1つのレポートパラメータの前記ステータスに基づいて、前記レポートタイプを決定することを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記レポートタイプを決定することは、情報の重要度の格付けに基づいて、前記レポートタイプを決定することを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記レポートタイプを決定することは、ワイヤレスチャネル条件に基づいて、前記レポートタイプを決定することを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの動的レポートパラメータの前記ステータスを特定することは、速度レポートパラメータのステータスを特定することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記従属するレポートパラメータに関する前記しきい値の前記値を変更することは、時間レポートしきい値を変更すること、または距離レポートしきい値を変更することの少なくともいずれかを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
動的位置レポートの方法であって、
ワイヤレス通信リンクを介して中央レジストリへの位置レポートを初期化すること、
時間レポートパラメータ、距離レポートパラメータ、およびコースレポートパラメータのそれぞれに関連する基準値を初期化すること、
移動局の位置フィックスを特定すること、
少なくとも前記コースレポートパラメータのステータスを特定すること、
前記コースレポートパラメータの前記ステータスに基づいて、前記中央レジストリへの位置レポートを開始すること、および
前記コースレポートパラメータの前記ステータスに基づいて、前記時間レポートパラメータおよび前記距離レポートパラメータのそれぞれに関連する前記基準値を再設定することを備える方法。
【請求項14】
移動局の位置フィックスを特定するように構成された位置探索モジュールと、
前記位置探索モジュールに結合されるとともに、少なくとも1つのレポートパラメータのステータスに基づいて、位置レポートを開始し、動的レポートパラメータのステータスを特定し、さらに前記動的レポートパラメータの前記ステータスに基づいて、従属するレポートパラメータに関するしきい値の値を変更するように構成された位置データマネージャと、
前記位置データマネージャに結合されるとともに、ワイヤレスチャネルを介して中央レジストリに前記位置レポートを送信するように構成された通信トランシーバとを備える動的位置レポート装置。
【請求項15】
前記位置探索モジュールに結合された衛星測位システム受信機をさらに備え、ここにおいて前記位置探索モジュールは、前記SPS受信機によって受信される信号に部分的に基づいて、前記移動局の前記位置を特定する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
少なくとも1つの測位センサをさらに備え、ここにおいて前記位置探索モジュールは、前記少なくとも1つの測位センサからの出力に部分的に基づいて、前記移動局の前記位置を特定する、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記位置データマネージャは、
メモリと、
少なくとも1つのログ記録パラメータに基づいて、前記位置探索モジュールから受け取られた位置フィックスを前記メモリにログ記録するように構成されたデータロガとを備える、請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記位置データマネージャは、前記少なくとも1つのレポートパラメータの前記ステータスを特定し、さらに前記メモリの中に格納された1つまたは複数の位置フィックスに少なくとも部分的に基づいて、前記位置レポートを生成するように構成されたレポートマネージャをさらに備える、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記位置データマネージャは、前記少なくとも1つのレポートパラメータの前記ステータスを特定し、さらに少なくとも前記位置フィックスを含む前記位置レポートを生成するように構成されたレポートマネージャを備える、請求項14に記載の装置。
【請求項20】
前記位置データマネージャは、前記少なくとも1つのレポートパラメータの前記ステータスに基づいて、位置レポートタイプを決定するように構成される、請求項14に記載の装置。
【請求項21】
前記動的レポートパラメータは、速度レポートパラメータを備える、請求項14に記載の装置。
【請求項22】
前記従属するレポートパラメータは、時間レポートパラメータまたは距離レポートパラメータの少なくともいずれかを備える、請求項14に記載の装置。
【請求項23】
前記通信トランシーバは、セルラ通信システムの前記ワイヤレスチャネルを介して前記位置レポートを送信するように構成される、請求項14に記載の装置。
【請求項24】
前記通信トランシーバは、TCP/IPデータ接続を介して前記位置レポートを送信するように構成される、請求項14に記載の装置。
【請求項25】
移動局の位置フィックスを特定する手段と、
少なくとも1つのレポートパラメータのステータスを特定するための手段と、
前記少なくとも1つのレポートパラメータの前記ステータスに基づいて、中央レジストリへの位置レポートを開始するための手段と、
動的レポートパラメータのステータスを特定するための手段と、
前記動的レポートパラメータの前記ステータスに基づいて、従属するレポートパラメータに関するしきい値の値を変更するための手段と、
ワイヤレス通信リンクを介して前記中央レジストリに前記位置レポートを送信するための手段とを備える動的位置レポート装置。
【請求項26】
第1のレポートパラメータのステータスを特定するための手段と、
前記第1のレポートパラメータの前記ステータスに基づいて、異なる第2のレポートパラメータに関連する基準値を再設定するための手段とをさらに備える、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記位置レポートを開始するための前記手段は、レポートタイプを決定するための手段を備える、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記レポートタイプを決定するための前記手段は、前記少なくとも1つのレポートパラメータの前記ステータス、情報の重要度の格付け、またはワイヤレスチャネル条件の少なくとも1つに基づいて、前記レポートタイプを決定する、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
プロセッサによって実行されると、動的位置レポートを実行する1つまたは複数のプロセッサ可読命令が符号化された少なくとも1つのストレージデバイスであって、
前記命令は、
移動局の位置フィックスを特定する命令と、
少なくとも1つのレポートパラメータのステータスを特定するための命令と、
前記少なくとも1つのレポートパラメータの前記ステータスに基づいて、中央レジストリへの位置レポートを開始するための命令と、
動的レポートパラメータのステータスを特定するための命令と、
前記動的レポートパラメータの前記ステータスに基づいて、依存するレポートパラメータに関するしきい値の値を変更するための命令と、
ワイヤレス通信リンクを介して前記中央レジストリに前記位置レポートを送信するための命令とを備える、ストレージデバイス。
【請求項30】
少なくとも1つの動的レポートパラメータの前記ステータスを特定するための前記命令は、速度レポートパラメータのステータスを特定するための命令を備える、請求項29に記載の少なくとも1つのストレージデバイス。
【請求項31】
前記従属するレポートパラメータに関する前記しきい値の前記値を変更するための前記命令は、時間レポートしきい値を変更するための命令、または距離レポートしきい値を変更するための命令の少なくともいずれかを備える、請求項30に記載の少なくとも1つのストレージデバイス。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−526991(P2012−526991A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510981(P2012−510981)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/034575
【国際公開番号】WO2010/132583
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】