説明

ロックおよびアンロック装置

変位可能に装架された少なくとも一つのロック要素(7,7’)と該ロック要素(7,7’)を作動させる作動要素(2)を有するロックおよびアンロック装置(1)に関する。該ロックおよびアンロック装置は、該作動要素(2)を作動させたとき、変形し、該ロック要素を変位させる変形要素(4)を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一つの変位可能に装架されたロック要素とそのロック要素を作動させる作動要素からなるロックおよびアンロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なロックおよびアンロック装置は、例えばEP1538288およびDE4139740C1により知られている。そこに開示された機構は比較的複雑であり、部品点数が多く生産にコストがかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
EP1538288
DE4139740C1
【発明の概要】
【0004】
従って、本発明の目的は、従来技術の問題のないロックおよびアンロック装置を提供することである。
【0005】
上記目的は、少なくとも一つの変位可能に装架されたロック要素と、そのロック要素を作動させる作動要素であってその作動要素を作動させると、変形してロック要素を変位させる変形要素から成るロックおよびアンロック装置によって達成される。
【0006】
本発明によるロックおよびアンロック装置が、非常に少ない部品から信頼性をもって製造できることは、当業者にとり予期せず驚くべきことである。本発明によるロックおよびアンロック装置は、高いコスト効率により生産でき、作動が容易である。
【0007】
本発明によるロックおよびアンロック装置は、ロックとアンロックが必要な自動車のいかなる部分にも適している。特に、ヒンジ式の蓋は本発明によるロックおよびアンロック装置により可逆的に閉じることができる。ヒンジ式蓋は例えばグラブ室のヒンジ式蓋などが考えられる。
【0008】
本発明に従えば、ロックおよびアンロック装置は、少なくとも一つ、好ましくは二つの変位可能に装架されたロック要素を有する。このロック要素は、例えばロックされるべきヒンジ式蓋に固定され、ロック状態では車両の内装トリム及び/叉はボデーと協働する。しかし、ロック要素をボデー及び/叉は自動車の内装トリムに配置することも可能である。
【0009】
さらに、このロックおよびアンロック装置は、作動要素を有しており、この要素によりロック要素が作動される。好ましくは、この作動要素は、押しボタンである。
【0010】
さらに、本発明に従えば、ロックおよびアンロック装置は、作動要素を作動させると、変形してロック要素を変位させる変形要素を有する。この発明における「変形」の意味は如何なる形の変化をも意味している。
【0011】
好ましくは、変形要素は、リーフスプリング叉は支えスプリングである。
【0012】
さらに好ましくは、スプリングの少なくとも一つの端は、変位可能にロック要素に装架されている。その結果、スプリングが変形するとロック要素が移動する。
【0013】
好ましくは、このロックおよびアンロック装置は、案内手段を有しており、それに沿って変形手段が変形される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
以下、図1及び2を参照して本発明を説明する。この説明は単なる一例に過ぎず、本発明の全般的な概念を制限するものではない。
【図1】図1は、ロック状態のロックおよびアンロック装置の実施例を示している。
【図2】図2は、図1のロックおよびアンロック装置のアンロック状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1には、本発明によるロックおよびアンロック装置が示されている。この例においては、ロックおよびアンロック装置は、押しボタン2により作動されるグラブ室のようなものの装置である。この押しボタン2は、内方に向けて突出するボルト3を有し、その上にピン5が直角方向に突き出るように配置されている。このピン5は少なくとも部分的に支えスプリング4により囲まれており、その二つの端が、可動ベアリングとして、それぞれの押し棒7、7’に変位可能に連結されている。この押し棒7、7’は水平方向に変位可能に装架され、グラブ室のヒンジ式蓋のロックおよびアンロックを起こさせる。さらに、この発明の装置は、この例ではマンドレルとして示される案内手段6、6’を有しており、支えスプリングをその位置に安定させ、以下に詳細に示されるように支えスプリングの変形を導く。
【0016】
この発明のロックおよびアンロック装置のアンロック時の作用が図2に示されている。垂直の矢印により表されているように、押しボタンは下方に押される。同時にピン5は支えスプリングを押し、案内手段6,6’によりスプリングの脚が共に曲げられる。支えスプリングのこの動きは二つの水平矢印により表されているように押し棒7,7’に伝えられて、その結果共に引かれ、グラブ室のヒンジ式蓋のアンロックを起こさせる。押しボタンが離されると、スプリング4がピン5を押し、ボルト3を上に押し、支えスプリング4は図1に示される位置に開放される。このスプリングの動きは押し棒7,7’に伝えられ、押し棒はロック位置に置かれる。押し棒は互いに独立に固定するように付勢されてグラブ室を再び係止しても良い。
【符号の説明】
【0017】
1:ロックおよびアンロック装置
2:作動要素、押しボタン
3:押しボタンのボルト
4:変形要素、リーフスプリング、支えスプリング
5:ピン
6、6’:案内手段、支持マンドレル
7、7’:ロック要素、押し棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変位可能に装架された少なくとも一つのロック要素(7,7’)と該ロック要素を作動させる作動要素(2)を有するロックおよびアンロック装置(1)であって、該作動要素(2)を作動させたとき、変形し、該ロック要素を変位させる変形要素(4)を有することを特徴とする、ロックおよびアンロック装置(1)。
【請求項2】
前記変形要素は、リーフスプリング叉は支えスプリング(2)であることを特徴とする、請求項1に記載のロックおよびアンロック装置(1)。
【請求項3】
該スプリング(4)の少なくとも一つの端が好ましくは前記ロック要素(7,7’)に装架されたことを特徴とする、前記請求項1叉は2に記載のロックおよびアンロック装置(1)。
【請求項4】
前記変形要素がそれに沿って変形を起こす案内手段を有することを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載のロックおよびアンロック装置(1)。
【請求項5】
前記作動要素(2)が押しボタンであることを特徴とする、前記請求項のいずれか一つに記載のロックおよびアンロック装置(1)。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−501745(P2010−501745A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524936(P2009−524936)
【出願日】平成19年8月15日(2007.8.15)
【国際出願番号】PCT/EP2007/007199
【国際公開番号】WO2008/022732
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(504348390)ジョンソン コントロールズ インテリアズ ゲーエムベーハー アンド カンパニー カーゲー (25)
【Fターム(参考)】