説明

ロボット装置及びそのコンテンツ管理方法

【課題】 取得したコンテンツをより生物的な方法により管理するロボット装置及びそのコンテンツ管理方法を提供する。
【解決手段】 要求モジュール10でコンテンツ要求が生成されると、取得モジュール20は、インターネット上でコンテンツを検索して取得し、フィルタユニット23は、管理モジュール30や内部状態モジュール50からの情報に基づいてそのコンテンツをフィルタリングする。コンテンツ多次元化ユニット26は、フィルタリングされたコンテンツを詳細レベル、要約レベル、存在レベル及び削除レベルの4つのレベルに変換してコンテンツ保存部40に保存する。ライフタイムユニット32は、保存されているコンテンツのライフタイムを監視する。コンテンツ削除ユニット33は、削除レベルとなったコンテンツ或いは重要度が低いコンテンツを削除すると共に、削除したコンテンツに関する情報をフィルタユニット23に登録させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばインターネットを介してコンテンツを取得して利用するロボット装置及びそのコンテンツ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、例えばインターネット上のコンテンツを取得し、利用することが広く行われている。ここで、コンテンツは、メディア又はハイパーメディアで構成されたものである。このうちメディアとは、例えばテキストファイルや画像ファイルを示し、ハイパーメディアとは、例えばテキストファイルが画像ファイルと関係付けられているもの、或いはその逆など、複数の異なるタイプのメディアが相互に関係付けられているものを示す。
【0003】
このようなコンテンツをインターネット上から取得して利用する場合を考える。
従来、所望のコンテンツを検索する方法としては、例えばデータベース管理システムを利用した構造的検索、或いは検索エンジンを利用した非構造的検索があった。しかしながら、このような検索方法では検索結果の妥当性が低いという問題があった。すなわち、検索結果の妥当性は、入力したキーワードが適切であるか否かに懸かっているため、キーワードによっては所望の情報が得られないことがあった。また、キーワードを入力するなど、明示的且つ特定の形式でコンテンツ要求を行う必要があるという問題があった。
【0004】
また、コンテンツを検索する際の戦略としては、キーワードやカテゴリを利用した明示的な検索、或いは予め定義されたユーザの好みや個々にカスタマイズ可能なパラメータ集合を利用した検索があった。しかしながら、この場合にもユーザやユーザが動かす何らかのエージェントによって、明示的な形式でコンテンツ要求を行う必要があるという問題があった。
【0005】
【非特許文献1】Maarten van Steen, Guillaume Pierre, Ihor Kuz, Andrew Tanenbaum,“On Differentiating Distribution Strategies for Internet Applications.”, Vrije Universiteit Amsterdam, Faculty of Science Dept. Mathematics and Computer Science
【非特許文献2】Lin Zhang, Javed Khanm “An In-depth Survey on Web Caching.”, Math and Computer Science Department. Kent State University., April 1999
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、コンテンツをインターネット上から取得して利用する場合には、取得したコンテンツを如何に保存するかということも重要である。従来、コンテンツの保存方法としては、コンテンツを一度利用したら捨ててしまう方法、或いはコンテンツのデータをローカルでコピーして保存しておく方法があった(非特許文献1,2参照)。また、保存した後には、データのタイムスタンプやサイズに応じて、適宜削除することが行われていた。しかしながら、このコンテンツの保存はファイル単位であってコンテンツ単位ではなかったため、あるコンテンツが複数のファイルで構成されている場合には、コンテンツを利用する際に全てのファイルが揃っていることを保証できないという問題があった。例えば、あるコンテンツがテキストファイルと画像ファイルとで構成されている場合、メモリの空き容量が少なくなったときにサイズの大きい画像ファイルから削除され、その結果、そのコンテンツが利用できなくなる可能性があった。
【0007】
ところで、近年、人間のパートナとして生活を支援する、すなわち住環境その他の日常生活上の様々な場面における人的活動を支援する、生物を模したロボット装置の開発が進められている。このようなロボット装置の中には、インターネットに接続可能とされ、インターネット上に存在する様々なコンテンツを扱うことができるものも存在するが、このようなロボット装置においても上述した問題と同様の問題が生じ得る。加えて、このようなロボット装置においてコンテンツを例えばタイムスタンプに応じて削除する場合、ファイルが全て揃っているか全て揃っていないかの何れかの状態しかとり得ないため、人間などの生物の記憶メカニズムと比較して著しく異なったものとなってしまう。
【0008】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、取得したコンテンツをより生物的な方法により管理するロボット装置及びそのコンテンツ管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために、本発明に係るロボット装置は、コンテンツの取得要求を生成する要求手段と、ネットワークを介して所望のコンテンツを取得する取得手段と、取得したコンテンツが保存されるコンテンツ保存手段と、取得したコンテンツを管理するコンテンツ管理手段とを備えるロボット装置であって、上記取得手段は、取得したコンテンツをそれぞれ情報量が異なり固有の存続時間を有する複数の記述レベルに変換して上記コンテンツ保存手段に保存し、上記コンテンツ管理手段は、取得したコンテンツの各記述レベルでの存続期間を管理することを特徴とする。
【0010】
ここで、上記コンテンツ管理手段は、保存された各コンテンツの現在の記述レベルでの存続時間が経過すると、現在よりも情報量の少ない下位の記述レベルに変換する。
【0011】
また、本発明に係るロボット装置は、取得したコンテンツの重要度を算出する重要度算出手段をさらに備えてもよく、上記コンテンツ管理手段は、新たに取得するコンテンツを保存できるだけの容量が上記コンテンツ保存手段にない場合、取得してから所定時間以上が経過しており、且つ上記重要度算出手段によって算出された重要度が閾値以下であるコンテンツを現在よりも情報量の少ない下位の記述レベルに変換することができる。
【0012】
また、本発明に係るロボット装置のコンテンツ管理方法は、コンテンツの取得要求を生成する要求工程と、ネットワークを介して所望のコンテンツを取得する取得工程と、取得したコンテンツをコンテンツ保存手段に保存するコンテンツ保存工程と、取得したコンテンツを管理するコンテンツ管理工程とを有するロボット装置のコンテンツ管理方法であって、上記取得工程では、取得したコンテンツをそれぞれ情報量が異なり固有の存続時間を有する複数の記述レベルに変換して上記コンテンツ保存手段に保存し、上記コンテンツ管理工程では、取得したコンテンツの各記述レベルでの存続期間を管理することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るロボット装置及びそのコンテンツ管理方法によれば、ファイル単位等ではなく各コンテンツを単位として管理しているため、コンテンツが複数のファイルから構成されている場合であっても、一部のファイルのみが削除されてしまいコンテンツが利用できなくなることを防止できる。また、取得したコンテンツをそれぞれ存続時間が定められた複数の記述レベルに変換して管理するようにしているため、従来のようにコンテンツ全体をタイムスタンプで管理する場合と比較して、より生物的なコンテンツの保存及びその利用を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態は、本発明を、インターネットに接続可能とされ、インターネット上に存在する様々なコンテンツを扱うことができるロボット装置に適用したものである。
【0015】
ここで、本実施の形態では、情報を含む要素或いは要素集合をコンテンツと定義する。コンテンツの例としては、i)ASCIIテキストファイル等の単一のファイル、ii)HTMLファイル、関連付けられた画像ファイル、スクリプトファイル等のファイル集合、iii)ロボット装置があるタスクを実行するために必要なデータファイル集合(例えば、ダンスを実行する際のロボット装置の動作、音楽、音声等が記述された全てのファイル)、が挙げられる。
【0016】
さらに、本実施の形態では、コンテンツのライフサイクルという概念を導入する。これは、コンテンツが作成されてから最終的に削除されるまでの幾つかの段階を表したものである。このライフサイクルは、短いもので数秒、長いもので数ヶ月或いは数年など、コンテンツによって様々である。
【0017】
コンテンツのライフサイクルにおける各段階を分類する方法は、コンテンツ作成者の立場、或いはコンテンツ使用者の立場など、立場によって様々であるが、以下では、コンテンツ利用者の立場にたち、図1に示すような複数の段階に分割する。図1に示すように、コンテンツのライフサイクルは、コンテンツの取得処理を開始させる要求フェーズと、コンテンツを取得する取得フェーズと、取得したコンテンツを取り扱う管理フェーズとに大別される。このうち、取得フェーズは、さらに検索段階と選別段階と取得段階とに分けられ、管理フェーズは、利用段階と保存段階と削除段階とに分けられる。
【0018】
本実施の形態におけるロボット装置は、図2に示すように、上述した各フェーズにおける処理を実現するために、要求モジュール10、取得モジュール20及び管理モジュール30を少なくとも有する。以下、この各モジュールにおける内容について詳細に説明する。
【0019】
(1)要求モジュール
要求モジュール10は、コンテンツの取得処理を開始させるモジュールである。ここで、「要求」とは、コンテンツの取得及び使用に必要なあらゆる条件を含むものとする。
【0020】
前述したように、コンテンツ要求は、通常、検索用のキーワードやユーザの好みを明示的に与えることで行われる。例えば、ロボット装置をユーザがインターネット上のコンテンツにアクセスするためのエージェントとして捉えた場合、ユーザが例えば会話を通じて、ある特定の内容(例えば天気或いはテレビジョン番組についてのニュース)に関連したコンテンツを検索するようにロボット装置に対して指示する場面を想像することができる。この場合のコンテンツ要求は、動機の観点からもその内容の指定の観点からも明らかにユーザに依存している。本実施の形態では、このようなコンテンツ要求を「明示的要求」と称し、要求モジュール10は、このような明示的要求を行うことが可能とされる。
【0021】
また、ロボット装置とユーザとが会話やジェスチャや遊びを通じてインタラクションを図っている場合、ロボット装置がユーザとのインタラクションの助けとするために、自らコンテンツ要求を生成する場面を想像することができる。例えば、ユーザとの会話が音楽及び最新のヒットリリースに関するものであった場合、ロボット装置がユーザとは無関係に自らの意思で関連するコンテンツをインターネット上で検索し、さらには幾つかの歌をダウンロードし、コミュニケーションの一環としてその歌をユーザに披露するような場面を想像することができる。この場合のコンテンツ要求は、ユーザとの会話に依存するものである。より詳しく説明すると、コンテンツ要求の動機はユーザとロボット装置とで共有されているものの、実際に要求を生成しているのはロボット装置である。本実施の形態では、このようなコンテンツ要求を「黙示的要求」と称し、要求モジュール10は、このような黙示的要求を行うことも可能とされる。
【0022】
また、ロボット装置が感情サブシステム及び学習サブシステムを有する場合、ロボット装置が自身の感情又は学習欲を満たすために自らコンテンツ要求を生成する場面を想像することができる。例えば、ロボット装置が「悲しい」と感じている場合、すなわち感情サブシステムの悲しみレベルが高いか喜びレベルが低い場合、ロボット装置が悲しい歌をインターネット上で検索してダウンロードし、どこかに座ってその歌を歌うような場面を想像することができる。また、ロボット装置が何かを表現しなければならない場合に、そのものを直接口にするのではなく、何か暗喩的なコンテンツを検索して取得し、その表現を用いるような場面を想像することができる。このよい例としてはパントマイムゲームがある。パントマイムゲームでは、例えば映画のタイトルを直接口にするのではなく、その映画の内容を演じなければならない。本実施の形態では、このようなコンテンツ要求を「自然要求」と称し、要求モジュール10は、このような自然要求を行うことも可能とされる。
【0023】
本実施の形態における要求モジュール10は、上述した明示的要求、黙示的要求及び自然要求を実現するため、図3に示すように、明示的要求ユニット11、黙示的要求ユニット12及び自然要求ユニット13を有している。このように、要求モジュール10は、3種類のユニットを有しているため、従来のように明示的要求しか存在しない場合と比較して、ロボット装置の機能を改善することができる。特に、黙示的要求ユニット12又は自然要求ユニット13によれば、ユーザが明示的にコンテンツ要求を行わなくても、ユーザとのインタラクション或いはロボット装置自身の状態を改善するためにコンテンツ要求を生成することができる。また、ユーザとの会話を通じて得られた情報を用いることにより、ユーザの好みに従って検索を行う際の検索結果の妥当性を改善することができる。
【0024】
(2)取得モジュール
取得モジュール20は、要求モジュール10からのコンテンツ要求に応じて、ロボット装置がすぐにそのコンテンツを利用できるようにコンテンツを取得するモジュールである。なお、この取得フェーズでは、管理モジュール30の要求に適合するように適切な処理を行ってもよく、行わなくてもよい。
【0025】
前述したように、コンテンツ取得は、通常、明示的なコンテンツ要求があった場合に、検索を行い、検索結果を選別し、選択されたコンテンツをダウンロードすることによって行われる。
【0026】
本実施の形態では、常にロボット装置を介してコンテンツが利用される。すなわち、例えばユーザ自身がコンテンツを利用するのではなく、ロボット装置がテキスト文を話し、或いはダンスを披露する。これは、ウェブブラウジングにおいてユーザがコンピュータを道具としてインターネット上で利用可能なコンテンツにアクセスし利用するのと同様である。さらに、要求モジュール10の説明の際にも述べたように、ロボット装置は、自己のために自然要求を生成することができるため、ユーザがコンテンツのライフサイクルに全く関与しない場合もあり得る。換言すれば、本実施の形態におけるロボット装置は、コンテンツのライフサイクルに関してパーソナルコンピュータの場合よりも積極的な役割を担っている。
【0027】
このようなことから、本実施の形態では、以下に説明するように、
(i)経験に基づくコンテンツのフィルタリング
(ii)コンテンツの多次元レベル表示
という2つの考え方を導入してコンテンツを取得し利用する。
【0028】
取得モジュール20の内部構成を図4に示す。図4に示すように、取得モジュール20は、コンテンツアクセス部21と、取得処理ユニット22と、フィルタユニット23と、要求入力部24と、フィルタ入力部25と、コンテンツ多次元化ユニット26と、コンテンツ出力部27とを有する。
【0029】
要求モジュール10から要求入力部24にコンテンツ要求が送られてくると、取得モジュール20は、フィルタユニット23、取得処理ユニット22及びコンテンツアクセス部21を介してインターネット上のコンテンツにアクセスして取得し、フィルタユニット23でフィルタリングされたコンテンツがコンテンツ多次元化ユニット26に供給される。コンテンツ多次元化ユニット26は、後述のようにコンテンツを多次元レベルに変換し、コンテンツ出力部27は、この多次元レベルに変換されたコンテンツを後述するコンテンツ保存部に保存する。
【0030】
以下、上述した(i)経験に基づくコンテンツのフィルタリング、(ii)コンテンツの多次元レベル表示、に関する処理について詳細に説明する。
【0031】
(2−1)経験に基づくコンテンツのフィルタリング
上述したように、本実施の形態ではロボット装置がコンテンツのライフサイクルにおいて積極的な役割を担っているため、図4に示したように取得モジュール20はフィルタユニット23を有しており、ロボット装置が過去にコンテンツを利用した時の経験に基づいて取得するコンテンツをフィルタリングする。特に、本実施の形態におけるフィルタユニット23は、管理モジュール30と後述する内部状態モジュールとから情報を受け取り、その情報をコンテンツの取得処理に反映させることができる。
【0032】
新しいコンテンツを取得する場合、他のモジュールからのフィードバックにより、実際のロボット装置の好みに適するように、検索処理及び選別処理が影響を受ける。この適正化の処理は動的なものであり、ロボット装置の経験、或いはユーザとのインタラクションに依存する。
【0033】
本実施の形態における取得モジュール20は、コンテンツ要求を入力してコンテンツを出力するが、この際に、過去にコンテンツを利用した時の経験をフィードバックすることで、検索処理及び選別処理がより適切なものになる。さらに、このようなフィードバックの存在によりコンテンツ要求を厳密な形で行う必要がなくなり、より一般的なコンテンツ要求でよくなる。
【0034】
以下、ロボット装置がユーザと会話やジェスチャや遊びを通じてインタラクションを図っている場合におけるコンテンツのフィルタリング方法について具体的に説明する。
【0035】
例えばインタラクションが映画及び最新のヒットリリースに関するものであった場合、ロボット装置は、ユーザとは無関係に自らの意思で「最近のヒットリリース」についての黙示的要求を生成する。そして、その要求を取得モジュール20の入力として用いることで、n1個の候補コンテンツが検索結果として得られる。これは、人間がロボット装置と同じ状況であった場合に「最近のヒットリリース」について“考える”或いは“思い出す”のが自然であるという意味において、極めて自然なものである。
【0036】
ここで、
(i)ロボット装置はユーザが“AAA”という名前の俳優と“BBB”という名前の映画監督が好きであるということを内部状態モジュールを通じて知っている
(ii)ロボット装置はアクションに関連したコンテンツがあまり利用されないことを管理モジュール30を通じて知っている
(iii)ロボット装置はロボットに関連したトピックをより好む
という条件を考え、これを取得モジュール20の入力とすると、入力は、「最近のヒットリリース」に関する黙示的要求と「−アクション AAA BBB +ロボット」というフィルタ条件とになる。なお、“−”の記号は、そのキーワードに関するコンテンツを除くという意味の論理記号であり、“+”の記号は、そのキーワードに関するコンテンツを含めるという意味の論理記号である。この結果、n2個のコンテンツが得られることになるが、これは通常、上述したn1個よりも遙かに少ないもの(n2≪n1)である。
【0037】
勿論、あらゆる複雑な検索方法或いは選別方法を用いることも可能であるが、このフィルタユニット23は、
(i)環境に関する情報。例えばロボット装置がインタラクションしているユーザに関する情報。
(ii)ロボット装置自身に関する情報。例えば、ロボット装置はロボットに関連した話をすることが容易であるという情報。
(iii)コンテンツ利用に関する情報。例えば、各記述レベルにおけるコンテンツの利用頻度に関する情報。
を取得処理の際に用いることに特徴を有する。
【0038】
(2−2)コンテンツの多次元レベル表示
取得モジュール20は、コンテンツを幾つかの異なった記述レベルで表現し、管理モジュール30における管理ポリシーもこれを反映したものとなっている。より詳しくは、コンテンツ多次元化ユニット26は、ダウンロードしたコンテンツが多次元レベルになっていない場合には、内部での管理に適するように多次元レベルに変換する。すなわち、図5に示すように、先ずステップS1においてコンテンツを取得し、ステップS2において、取得したコンテンツが多次元レベルであるか否かを判別する。そして、多次元レベルでない場合(No)にはステップS3で多次元レベルに変換してからステップS4でコンテンツを保存する。一方、多次元レベルである場合(Yes)にはそのままステップS4でコンテンツを保存する。
【0039】
ここで、本実施の形態では、コンテンツを、
(i)詳細レベル・・・そのコンテンツに関する全ての情報が存在
(ii)要約レベル・・・そのコンテンツに関する簡単な情報のみが存在
(iii)存在レベル・・・そのコンテンツに関する不可欠な情報のみが存在
(iv)削除レベル・・・そのコンテンツに関する情報の全てが存在せず
という4つの記述レベルで表現するものとする。
【0040】
一例として、コンテンツをロボット装置がダンスをするために必要なデータファイル集合と捉えた場合、全てのデータファイルはロボット装置がダンスをするために必要な動作、音楽、音声等に関するものとなっている。この場合、上述した各記述レベルは例えば以下に示すようなものとなっている。
(i)詳細レベル
・コンテンツに導くための要求(キーワード、会話のテーマ、ロボット装置の内部状態等のうち使用したもの)
・取得ログ(コンテンツを取得した日時、フィルタ条件、コンテンツのURLなど)
・パフォーマンス(ダンス)の名前
・パフォーマンスの所要時間
・パフォーマンスを構成する個々のファイル(動作、音楽、音声など)のリストとファイル自体
(ii)要約レベル
・コンテンツに導くための要求
・取得ログ
・パフォーマンス(ダンス)の名前
(iii)存在レベル
・パフォーマンス(ダンス)の名前
(iv)削除レベル
・なし
コンテンツ多次元化ユニット26は、このようにダウンロードしたコンテンツを多次元レベルに変換した後、後述するコンテンツ保存部に保存する。
【0041】
なお、本実施の形態では、このような記述レベル毎に存続時間が定められており、例えば詳細レベルは短い存続時間、要約レベルは中程度の存続時間、存在レベルは長い存続時間が定められるが、詳細については後述する。
【0042】
(3)管理モジュール
管理モジュール30は、ロボット装置が保存しているコンテンツを取り扱うモジュールである。この管理モジュール30は、以下に説明するように、(i)コンテンツの重要度を管理すると共に、(ii)コンテンツのライフタイムを管理する。
【0043】
管理モジュール30の内部構成を図6に示す。図6に示すように、管理モジュール30は、重要度管理ユニット31と、ライフタイムユニット32と、コンテンツ削除ユニット33と、コンテンツ保存管理部34とを有する。
【0044】
重要度管理ユニット31は、後述のように保存しているコンテンツの利用状況や利用した際のロボット装置やユーザの内部状態の変化に基づいて、コンテンツの重要度を管理する。ライフタイムユニット32は、コンテンツを取得してからの経過時間をコンテンツ保存管理部34に通知し、コンテンツ保存管理部34は、この経過時間に従って後述するようにコンテンツ保存部に保存されているコンテンツの記述レベル等を制御する。また、コンテンツ削除ユニット33は、重要度管理ユニット31及びライフタイムユニット32からの情報に基づいてコンテンツの削除指令をコンテンツ保存管理部34に送り、コンテンツ保存管理部34は、この削除指令に基づいてコンテンツ保存部に保存されているコンテンツを削除する。
【0045】
以下、上述した(i)コンテンツの重要度の管理、(ii)コンテンツのライフタイムの管理、に関する処理について詳細に説明する。
【0046】
(3−1)コンテンツの重要度管理
重要度管理ユニット31は、コンテンツの重要度を、
(i)そのコンテンツを利用することによる内部状態モジュールにおける変化
(ii)コンテンツの利用頻度
(iii)コンテンツの古さ、すなわちコンテンツの当該時点における記述レベル
の関数として算出する。
【0047】
一例として、コンテンツをロボット装置がダンスをするために必要なデータファイル集合と捉えた場合、全てのデータファイルはロボット装置がダンスをするために必要な動作、音楽、音声等に関するものとなっている。この場合、重要度管理ユニット31は、ダンスを披露した際にユーザの満足度が上がればコンテンツの重要度を上げ、ユーザの満足度が下がればコンテンツの重要度を下げる。同様に、重要度管理ユニット31は、ダンスを行った際にロボット装置の満足度が上がればコンテンツの重要度を上げ、ロボット装置の満足度が下がればコンテンツの重要度を下げる。また、そのダンスを行った回数に応じてコンテンツの重要度を上げ、さらに、そのコンテンツを取得してからの経過時間に従ってコンテンツの重要度を下げる。
【0048】
重要度管理ユニット31は、上述のようにして各コンテンツについて重要度を算出する。この重要度は、例えばコンテンツを削除する際に考慮される。
【0049】
(3−2)コンテンツのライフタイムの管理
上述したように、本実施の形態では、各コンテンツは詳細レベル、要約レベル、存在レベル及び削除レベルの4つの記述レベルで表現され、記述レベル毎に存続時間が定められている。例えば詳細レベルは短い存続時間、要約レベルは中程度の存続時間、存在レベルは長い存続時間が定められている。
【0050】
あるコンテンツにおける記述レベルの変化を図7に示す。図7に示すように、コンテンツを取得した時刻t0では詳細レベルで記述されており、時刻t1において要約レベルに変化し、時刻t2において存在レベルに変化する。そして、時刻t3において削除レベルに変化し、ロボット装置から完全に削除される。このように記述レベルが変化する毎にコンテンツの情報が少なくなる。この結果、コンテンツ保存に必要な記憶容量が減るため、他のコンテンツを新たに保存することが可能となる。なお、コンテンツの情報が少なくなるに従ってより多くのコンテンツが「忘れられる」ことになるが、これは従来のように全てを憶えているか全てを忘れているかという2元的なものではなく、人間のように次第に忘れていくというものである。
【0051】
以上の記述レベルの変化は、ライフタイムユニット32及びコンテンツ保存管理部34によって例えば図8のフローチャートのようにして定期的に制御される。先ずステップS10において、ライフタイムユニット32は、各コンテンツのライフタイムをチェックしてコンテンツ保存管理部34に通知する。次にステップS11において、コンテンツ保存管理部34は、ライフタイムユニット32から通知された各コンテンツのライフタイムに基づいて、コンテンツ保存部に保存されているコンテンツの記述レベルを変化させる。このとき、コンテンツ保存部は、コンテンツの記述レベルが要約レベル以下になると、コンテンツを取得モジュール20のフィルタユニット23に移す。これにより、そのコンテンツの情報は、フィルタリングにのみ用いられるようになる。続いてステップS12において、完全に削除されたコンテンツがあるか否かを判別し、ある場合(Yes)にはステップS13で削除されたコンテンツに関する情報を取得モジュール20に登録させ、処理を終了する。このように、削除されたコンテンツに関する情報を登録させておくことで、例えば削除されてから一定期間はそのコンテンツを取得しないようにすることができる。一方、削除されたコンテンツがない場合(No)にはそのまま処理を終了する。
【0052】
ところで、ロボット装置は多くのコンテンツにアクセスすることができるため、記憶容量の観点からも演算量の観点からも、適切なコンテンツ削除ポリシーを持つことが重要となる。上述のようにコンテンツの記述レベルを変化させることによりコンテンツの情報量は少なくなるが、新たなコンテンツを保存するためのリソースを確保するため、さらに不必要なコンテンツを削除することが必要な場合がある。そこで、本実施の形態では、このような場合には、コンテンツの重要度に基づいてコンテンツを削除する。
【0053】
コンテンツの重要度に基づいてコンテンツを削除する手順を図9に示す。先ずステップS20において、取得してから所定時間以上経過したコンテンツを検索する。次にステップS21において、そのコンテンツの重要度をチェックし、ステップS22において、例えば重要度が最も低いコンテンツの記述レベルを下位の記述レベルに変換する。このとき、コンテンツ保存部は、コンテンツの記述レベルが要約レベル以下になると、コンテンツを取得モジュール20のフィルタユニット23に移す。これにより、そのコンテンツの情報は、フィルタリングにのみ用いられるようになる。続いてステップS23において、完全に削除されたコンテンツがあるか否かを判別し、ある場合(Yes)にはステップS24で削除されたコンテンツに関する情報を取得モジュール20に登録させ、処理を終了する。このように、削除されたコンテンツに関する情報を登録させておくことで、例えば削除されてから一定期間はそのコンテンツを取得しないようにすることができる。一方、削除されたコンテンツがない場合(No)にはそのまま処理を終了する。
【0054】
(4)全体構成及びその他のモジュール
上述したロボット装置のコンテンツ取得及び管理に関する部分の全体構成を図10に示す。なお、図10における各モジュール内の構成は、その一部のみを示している。
【0055】
図10に示すように、ロボット装置は、要求モジュール10と、取得モジュール20と、管理モジュール30と、コンテンツ保存部40と、内部状態モジュール50とを有している。
【0056】
要求モジュール10でコンテンツ要求が生成されると、取得モジュール20は、何らかのコンテンツを検索して取得し、フィルタユニット23は、管理モジュール30や内部状態モジュール50からの情報に基づいてそのコンテンツをフィルタリングする。コンテンツ多次元化ユニット26は、フィルタリングされたコンテンツを上述のように詳細レベル、要約レベル、存在レベル及び削除レベルの4つのレベルに変換してコンテンツ保存部40に保存する。重要度管理ユニット31は、例えば内部状態モジュール50のユーザ状態部51及びロボット状態部52からの情報に基づいて、保存されているコンテンツの重要度を算出し、ライフタイムユニット32は、保存されているコンテンツのライフタイムを監視する。そして、コンテンツ削除ユニット33は、削除レベルとなったコンテンツ或いは重要度が低いコンテンツを削除すると共に、削除したコンテンツに関する情報をフィルタユニット23に登録させる。
【0057】
このように、本実施の形態におけるロボット装置によれば、例えばファイル単位ではなく各コンテンツを単位として管理しているため、コンテンツが複数のファイルから構成されている場合であっても、一部のファイルのみが削除されてしまいコンテンツが利用できなくなることを防止できる。
【0058】
また、本実施の形態におけるロボット装置によれば、取得したコンテンツをそれぞれ存続時間が定められた詳細レベル、要約レベル、存在レベル及び削除レベルの4つの記述レベルに変換して管理するようにしているため、従来のようにコンテンツ全体をタイムスタンプで管理する場合と比較して、より生物的なコンテンツの保存及びその利用を実現することができる。
【0059】
(5)ロボット装置の構成
以下、上述したロボット装置の構成の一例について説明する。なお、以下では、2足歩行タイプのロボット装置に適用するものとして説明するが、この例に限定されないことは勿論である。
【0060】
図11に示すように、本実施の形態におけるロボット装置1は、体幹部ユニット2の所定の位置に頭部ユニット3が連結されると共に、左右2つの腕部ユニット4R/Lと、左右2つの脚部ユニット5R/Lが連結されて構成されている(但し、R及びLの各々は、右及び左の各々を示す接尾辞である。以下において同じ。)。
【0061】
このロボット装置1が具備する関節自由度構成を図12に模式的に示す。頭部ユニット3を支持する首関節は、首関節ヨー軸101と、首関節ピッチ軸102と、首関節ロール軸103という3自由度を有している。
【0062】
また、上肢を構成する各々の腕部ユニット4R/Lは、肩関節ピッチ軸107と、肩関節ロール軸108と、上腕ヨー軸109と、肘関節ピッチ軸110と、前腕ヨー軸111と、手首関節ピッチ軸112と、手首関節ロール軸113と、手部114とで構成される。手部114は、実際には、複数本の指を含む多関節・多自由度構造体である。但し、手部114の動作は、ロボット装置1の姿勢制御や歩行制御に対する寄与や影響が少ないので、本明細書ではゼロ自由度と仮定する。したがって、各腕部ユニット4R/Lは、7自由度で構成される。
【0063】
また、体幹部ユニット2は、体幹ピッチ軸104と、体幹ロール軸105と、体幹ヨー軸106という3自由度を有する。
【0064】
また、下肢を構成する各々の脚部ユニット5R/Lは、股関節ヨー軸115と、股関節ピッチ軸116と、股関節ロール軸117と、膝関節ピッチ軸118と、足首関節ピッチ軸119と、足首関節ロール軸120と、足部121とで構成される。本明細書中では、股関節ピッチ軸116と股関節ロール軸117の交点は、ロボット装置1の股関節位置を定義する。人体の足部は、実際には多関節・多自由度の足底を含んだ構造体であるが、ロボット装置1の足部121は、ゼロ自由度とする。したがって、各脚部ユニット5R/Lは、6自由度で構成される。
【0065】
以上を総括すれば、ロボット装置1全体としては、合計で3+7×2+3+6×2=32自由度を有することになる。但し、エンターテインメント向けのロボット装置1が必ずしも32自由度に限定される訳ではない。設計・制作上の制約条件や要求仕様等に応じて、自由度すなわち関節数を適宜増減することができることはいうまでもない。
【0066】
上述したようなロボット装置1が持つ各自由度は、実際にはアクチュエータを用いて実装される。外観上で余分な膨らみを排してヒトの自然体形状に近似させること、2足歩行という不安定構造体に対して姿勢制御を行うことなどの要請から、アクチュエータは小型且つ軽量であることが好ましい。
【0067】
図13には、ロボット装置1の制御システム構成を模式的に示している。図13に示すように、制御システムは、ユーザ入力などに動的に反応して情緒判断や感情表現を司る思考制御モジュール200と、アクチュエータ350の駆動などロボット装置1の全身協調運動を制御する運動制御モジュール300とで構成される。
【0068】
思考制御モジュール200は、情緒判断や感情表現に関する演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)211や、RAM(Random Access Memory)212、ROM(Read Only Memory)213、及び外部記憶装置(ハード・ディスク・ドライブなど)214で構成され、モジュール内で自己完結した処理を行うことができる独立駆動型の情報処理装置である。
【0069】
この思考制御モジュール200は、画像入力装置251から入力される画像データや音声入力装置252から入力される音声データなど、外界からの刺激などに従って、ロボット装置1の現在の感情や意思を決定する。ここで、画像入力装置251は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラを左右に1つずつ備えており、また、音声入力装置252は、例えばマイクロホンを複数備えている。また、思考制御モジュール200は、スピーカを備える音声出力装置253を介して音声を出力することができ、通信インターフェース(I/F)254を介してインターネット上のコンテンツを取得することができる。
【0070】
また、思考制御モジュール200は、意思決定に基づいた動作又は行動シーケンス、すなわち四肢の運動を実行するように、運動制御モジュール300に対して指令を発行する。
【0071】
一方の運動制御モジュール300は、ロボット装置1の全身協調運動を制御するCPU311や、RAM312、ROM313、及び外部記憶装置(ハード・ディスク・ドライブなど)314で構成され、モジュール内で自己完結した処理を行うことができる独立駆動型の情報処理装置である。外部記憶装置314には、例えば、オフラインで算出された歩行パターンや目標とするZMP軌道、その他の行動計画を蓄積することができる。ここで、ZMPとは、歩行中の床反力によるモーメントがゼロとなる床面上の点のことであり、また、ZMP軌道とは、例えばロボット装置1の歩行動作期間中にZMPが動く軌跡を意味する。なお、ZMPの概念並びにZMPを歩行ロボットの安定度判別規範に適用する点については、Miomir Vukobratovic 著“LEGGED LOCOMOTION ROBOTS”(加藤一郎外著『歩行ロボットと人工の足』(日刊工業新聞社))に記載されている。
【0072】
運動制御モジュール300には、図12に示したロボット装置1の全身に分散するそれぞれの関節自由度を実現するアクチュエータ350、体幹部ユニット2の姿勢や傾斜を計測する姿勢センサ351、左右の足底の離床又は着床を検出する接地確認センサ352,353、バッテリなどの電源を管理する電源制御装置354などの各種の装置が、バス・インターフェース(I/F)301経由で接続されている。ここで、姿勢センサ351は、例えば加速度センサとジャイロ・センサの組み合わせによって構成され、接地確認センサ352,353は、近接センサ又はマイクロ・スイッチなどで構成される。
【0073】
思考制御モジュール200と運動制御モジュール300とは、共通のプラットフォーム上で構築され、両者間はバス・インターフェース201,301を介して相互接続されている。
【0074】
運動制御モジュール300では、思考制御モジュール200から指示された行動を体現すべく、各アクチュエータ350による全身協調運動を制御する。すなわち、CPU311は、思考制御モジュール200から指示された行動に応じた動作パターンを外部記憶装置314から取り出し、又は内部的に動作パターンを生成する。そして、CPU311は、指定された動作パターンに従って、足部運動、ZMP軌道、体幹運動、上肢運動、腰部水平位置及び高さなどを設定すると共に、これらの設定内容に従った動作を指示する指令値を各アクチュエータ350に転送する。
【0075】
また、CPU311は、姿勢センサ351の出力信号によりロボット装置1の体幹部ユニット2の姿勢や傾きを検出すると共に、各接地確認センサ352,353の出力信号により各脚部ユニット5R/Lが遊脚又は立脚の何れの状態であるかを検出することによって、ロボット装置1の全身協調運動を適応的に制御することができる。
【0076】
また、CPU311は、ZMP位置が常にZMP安定領域の中心に向かうように、ロボット装置1の姿勢や動作を制御する。
【0077】
さらに、運動制御モジュール300は、思考制御モジュール200において決定された意思通りの行動がどの程度発現されたか、すなわち処理の状況を、思考制御モジュール200に返すようになっている。
【0078】
このようにしてロボット装置1は、制御プログラムに基づいて自己及び周囲の状況を判断し、自律的に行動することができる。特に、ロボット装置1は、通信インターフェース(I/F)254を介して取得したインターネット上のコンテンツを上述したように4つの記述レベルに変換して保存し、利用することができる。
【0079】
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】コンテンツのライフサイクルにおける各段階を示す図である。
【図2】本実施の形態におけるロボット装置が有するモジュールの一部を示す図である。
【図3】要求モジュールが有する明示的要求ユニット、黙示的要求ユニット及び自然要求ユニットを示す図である。
【図4】取得モジュールの内部構成を示す図である。
【図5】取得モジュールがコンテンツを多次元レベルに変換する手順を説明するフローチャートである。
【図6】管理モジュールの内部構成を示す図である。
【図7】あるコンテンツにおける記述レベルの変化を示す図である。
【図8】コンテンツのライフタイムに基づいてコンテンツを削除する手順を説明するフローチャートである。
【図9】コンテンツの重要度に基づいてコンテンツを削除する手順を説明するフローチャートである。
【図10】同ロボット装置のコンテンツ取得及び管理に関する部分の全体構成を示す図である。
【図11】同ロボット装置の外観を示す斜視図である。
【図12】同ロボット装置の機能構成を模式的に示すブロック図である。
【図13】同ロボット装置の制御ユニットの構成を詳細に示すブロック図である。
【符号の説明】
【0081】
1 ロボット装置、10 要求モジュール、11 明示的要求ユニット、12 黙示的要求ユニット、13 自然要求ユニット、20 取得モジュール、21 コンテンツアクセス部、22 取得処理ユニット、23 フィルタユニット、24 要求入力部、25 フィルタ入力部、26 コンテンツ多次元化ユニット、27 コンテンツ出力部、30 管理モジュール、31 重要度管理ユニット、32 ライフタイムユニット、33 コンテンツ削除ユニット、34 コンテンツ保存管理部、40 コンテンツ保存部、50 内部状態モジュール、51 ユーザ状態部、52 ロボット状態部、254 通信インターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツの取得要求を生成する要求手段と、
ネットワークを介して所望のコンテンツを取得する取得手段と、
取得したコンテンツが保存されるコンテンツ保存手段と、
取得したコンテンツを管理するコンテンツ管理手段と
を備えるロボット装置であって、
上記取得手段は、取得したコンテンツをそれぞれ情報量が異なり固有の存続時間を有する複数の記述レベルに変換して上記コンテンツ保存手段に保存し、
上記コンテンツ管理手段は、取得したコンテンツの各記述レベルでの存続期間を管理する
ことを特徴とするロボット装置。
【請求項2】
上記コンテンツ管理手段は、保存された各コンテンツの現在の記述レベルでの存続時間が経過すると、現在よりも情報量の少ない下位の記述レベルに変換することを特徴とする請求項1記載のロボット装置。
【請求項3】
取得したコンテンツの重要度を算出する重要度算出手段をさらに備え、
上記コンテンツ管理手段は、新たに取得するコンテンツを保存できるだけの容量が上記コンテンツ保存手段にない場合、取得してから所定時間以上が経過しており、且つ上記重要度算出手段によって算出された重要度が閾値以下であるコンテンツを現在よりも情報量の少ない下位の記述レベルに変換する
ことを特徴とする請求項1記載のロボット装置。
【請求項4】
上記取得手段は、自己若しくは当該ロボット装置のユーザについての知識、又は過去のコンテンツの利用状況に基づいて取得するコンテンツを選別する選別手段を有することを特徴とする請求項1記載のロボット装置。
【請求項5】
上記コンテンツ管理手段は、上記コンテンツ保存手段に保存された各コンテンツの記述レベルが所定のレベル以下となった場合、当該コンテンツを上記選別手段に移して保存させることを特徴とする請求項4記載のロボット装置。
【請求項6】
コンテンツの取得要求を生成する要求工程と、
ネットワークを介して所望のコンテンツを取得する取得工程と、
取得したコンテンツをコンテンツ保存手段に保存するコンテンツ保存工程と、
取得したコンテンツを管理するコンテンツ管理工程と
を有するロボット装置のコンテンツ管理方法であって、
上記取得工程では、取得したコンテンツをそれぞれ情報量が異なり固有の存続時間を有する複数の記述レベルに変換して上記コンテンツ保存手段に保存し、
上記コンテンツ管理工程では、取得したコンテンツの各記述レベルでの存続期間を管理する
ことを特徴とするロボット装置のコンテンツ管理方法。
【請求項7】
上記コンテンツ管理工程では、保存された各コンテンツの現在の記述レベルでの存続時間が経過すると、現在よりも情報量の少ない下位の記述レベルに変換することを特徴とする請求項6記載のロボット装置のコンテンツ管理方法。
【請求項8】
取得したコンテンツの重要度を算出する重要度算出工程をさらに有し、
上記コンテンツ管理工程では、新たに取得するコンテンツを保存できるだけの容量が上記コンテンツ保存手段にない場合、取得してから所定時間以上が経過しており、且つ上記重要度算出工程にて算出された重要度が閾値以下であるコンテンツを現在よりも情報量の少ない下位の記述レベルに変換する
ことを特徴とする請求項6記載のロボット装置のコンテンツ管理方法。
【請求項9】
上記取得工程では、自己若しくは当該ロボット装置のユーザについての知識、又は過去のコンテンツの利用状況に基づいて取得するコンテンツを選別することを特徴とする請求項6記載のロボット装置のコンテンツ管理方法。
【請求項10】
上記コンテンツ保存手段に保存された各コンテンツの記述レベルが所定のレベル以下となった場合、当該コンテンツを上記コンテンツ保存手段から削除すると共に、当該コンテンツの情報を上記取得工程におけるコンテンツの選別の際に用いることを特徴とする請求項9記載のロボット装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−23952(P2006−23952A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−201013(P2004−201013)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】