説明

ロール安定化装置

本発明は、車両のロールをアクティブに安定化させるロール安定化装置であって、少なくとも2つのホイールを有する少なくとも1つの軸が、横方向スタビライザを備えており、該横方向スタビライザが液圧装置を用いて操作可能であり、該液圧装置に、ポンプのような圧力供給装置によって少なくとも1つの圧力制限弁を介して、予め選択された圧力レベルが供給もしくは負荷可能である形式のものに関する。安価に製造可能なロール安定化装置を得るために本発明の構成では、圧力制限弁が圧力制限前制御弁によって前制御されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のロールをアクティブに安定化させるロール安定化装置であって、少なくとも2つのホイールを有する少なくとも1つの軸が、横方向スタビライザを備えており、該横方向スタビライザが液圧装置を用いて操作可能であり、該液圧装置に、ポンプのような圧力供給装置によって少なくとも1つの圧力制限弁を介して、予め選択された圧力レベルが供給もしくは負荷可能である形式のものに関する。
【0002】
このような形式のロール安定化装置(Wankstabilisierungseinrichtung)は、アンチロール系(Anti-Wank-System)又はロール安定化系(Wank-Stabilisierungssystem)とも呼ばれる。汎用のアンチロール系では、直接制御される圧力制限弁及び方向切換え弁が使用される。
【0003】
本発明の課題は、車両のロールをアクティブに安定化させるロール安定化装置であって、少なくとも2つのホイールを有する少なくとも1つの軸が、横方向スタビライザを備えており、該横方向スタビライザが液圧装置を用いて操作可能であり、該液圧装置に、ポンプのような圧力供給装置によって少なくとも1つの圧力制限弁を介して、予め選択された圧力レベルが供給もしくは負荷可能である形式のものを改良して、安価に製造できるようにすることである。
【0004】
この課題を解決するために本発明の構成では、車両のロールをアクティブに安定化させるロール安定化装置であって、少なくとも2つのホイールを有する少なくとも1つの軸が、横方向スタビライザを備えており、該横方向スタビライザが液圧装置を用いて操作可能であり、該液圧装置に、ポンプのような圧力供給装置によって少なくとも1つの圧力制限弁を介して、予め選択された圧力レベルが供給もしくは負荷可能である形式のものにおいて、少なくとも1つの圧力制限弁が圧力制限前制御弁によって前制御されているようにした。
【0005】
本発明は、汎用のアンチロール系において圧力制限弁の直接的な制御のために使用されるマグネットコイルがコスト高騰の原因である、という発見に基づいている。この公知のアンチロール系とは異なり、本発明には、市場において入手可能な安価な前制御弁を使用できるという利点がある。
【0006】
前記課題を解決するために本発明の別の構成では、車両のロールをアクティブに安定化させるロール安定化装置であって、少なくとも2つのホイールを有する少なくとも2つの軸が、それぞれ横方向スタビライザを備えており、該横方向スタビライザが液圧装置を用いて操作可能であり、該液圧装置に、ポンプのような圧力供給装置によって圧力制限弁を介して、異なった圧力レベルが供給もしくは負荷可能である形式のものにおいて、液圧装置に配属された圧力制限弁が、直列接続された少なくとも2つの圧力制限前制御弁によって前制御されているようにした。
【0007】
圧力制限前制御弁の直列接続には、前制御回路に起因してさもないと必要になる付加的な供給絞りを省くことができるという利点がある。
【0008】
本発明によるロール安定化装置の有利な1実施例では、液圧装置を方向に関連して切り換えるために働く、例えば7ポート2位置方向切換え弁である方向切換え弁が、方向切換え前制御弁によって前制御されている。このように構成されていると、製造コストをさらに節減することができる。
【0009】
ロール安定化装置の別の有利な実施例では、方向切換え弁と1つの液圧装置との間にフェイルセーフ弁が配置されていて、該フェイルセーフ弁が、フェイルセーフ前制御弁によって前制御されている。このように構成されていると、製造コストをさらに節減することができる。
【0010】
ロール安定化装置の別の有利な実施例では、液圧装置を方向に関連して切り換えるために働く、例えば7ポート2位置方向切換え弁である方向切換え弁と、方向切換え弁と1つの液圧装置との間に配置されたフェイルセーフ弁とが、ただ1つの切換え前制御弁によって前制御されている。この構成の利点としては、付加的な前制御回路に起因する漏れ箇所の省略と、付加的な前制御弁の省略とが挙げられる。
【0011】
ロール安定化装置の別の有利な実施例では、切換え前制御弁が3つの切換え位置を有しており、該切換え前制御弁の第1の状態においては方向切換え弁もフェイルセーフ弁も接続されておらず、切換え前制御弁の第2の状態ではフェイルセーフ弁だけが接続されており、切換え前制御弁の第3の状態ではフェイルセーフ弁と方向切換え弁の両方が接続されている。方向切換え弁及びフェイルセーフ弁は、有利には、2つの切換え位置を有していてばねによって予負荷された方向切換え弁である。第1の状態において切換え前制御弁は例えば給電されていない。この場合方向切換え弁もフェイルセーフ弁も出発位置を占めており、この出発位置に方向切換え弁及びフェイルセーフ弁は、方向切換え弁を操作するために使用される磁石が給電されない限り、例えば予負荷されたばねによって保持される。第2の状態において切換え前制御弁は中位の強さで給電され、その結果前制御圧によってフェイルセーフ弁のばねの予負荷が克服され、フェイルセーフ弁はその出発位置から第2の位置に切り換わる。中位の給電時に方向切換え弁において生じる圧力は、方向切換え弁の強い予負荷を克服するのにはまだ不十分であり、その結果方向切換え弁は出発位置に留まっている。切換え前制御弁への給電が高い場合ひいては圧力が高い場合には、方向切換え弁もまた出発位置から第2の位置に切り換えられる。この場合フェイルセーフ弁は第2の位置に留まる。
【0012】
ロール安定化装置の別の有利な実施例では、例えば5バールの前制御圧レベルを調節する減圧弁によって特徴付けられている。この全前制御圧弁は、アクチュエータのための圧力制限弁に対して並列的に運転される。
【0013】
ロール安定化装置の別の有利な実施例では、全前制御圧を減圧する減圧弁に、圧力供給ユニットを介してタンクから圧力が供給もしくは負荷されている。全前制御減圧弁のばね室にタンク圧を所望のように戻すことによって、前制御全圧はタンク圧レベルだけ高められ、これによって例えば5バールの調整差圧が得られる。その結果前制御回路に対するタンク圧レベルの影響を排除することができる。
【0014】
ロール安定化装置の別の有利な実施例では、圧力制限弁及び/又は方向切換え弁及び/又はフェイルセーフ弁に、圧力供給ユニットを介してタンクから圧力が供給もしくは負荷されている。圧力制限弁、方向切換え弁及び/又はフェイルセーフ弁のばね室にタンク圧を所望のように戻すことによって、前制御全圧はタンク圧レベルだけ高められ、これによって例えば5バールの調整差圧が得られる。
【0015】
ロール安定化装置の別の有利な実施例では、すべての弁が弁ピストンを有していて、該弁ピストンが、注型された弁ブロック、特にアルミダイカスト製の弁ブロック内において案内されていて、該弁ブロック内に液圧媒体の供給及び/又は排出のための通路が形成されている。シャーシ領域用の汎用の弁はいわゆる差込み構造形式(Einsteckbauweise)で構成されている。この場合弁ピストンは、磁石と堅固に結合されている弁スリーブ内において案内されている。弁スリーブは弁ブロック内に差し込まれていて、この弁ブロックに対して弁スリーブはOリングを用いてシールされている。直接弁ブロック内において弁ピストンを案内することによって、弁スリーブ及びOリングを省くことができる。
【0016】
ロール安定化装置の別の有利な実施例では、種々異なった弁が、形成された通路によって互いに接続されている。この構成には、弁ブロックの面倒かつ高価な後処理を省けるという利点がある。
【0017】
ロール安定化装置の別の有利な実施例では、複数の弁のスライダエレメント、制御エレメント、センサエレメント、液圧エレメント及び/又は電子エレメントが、1つのユニットにまとめられており、特に保護パンである保護カバーによって、周囲に対して遮蔽されている。このような保護カバーには、面倒かつ高価な手間をかけて磁石やセンサを個々に保護することが省けるという利点がある。保護カバーは、制御エレメントを外部に対して遮蔽するという働きと同時に、液圧媒体が周囲環境に流出することを防止するためにも働く。
【0018】
ロール安定化装置の別の有利な実施例では、個々の制御エレメント、センサエレメント、液圧エレメント及び/又は電子エレメントが互いに電気的に直接接続されている。このように構成されていると、多数の差込み結合部を備えたワイヤハーネスの省略によって、製造コストを低減できるのみならず、系の安全性を著しく高めることができる。制御装置内における配線は、電子機器との磁石、センサ及び接続コネクタの直接的な接触接続によって不要になる。例えば圧力センサや距離センサのようなセンサは、独自のハウジング、増幅器及び評価ユニットを必要としない。
【0019】
次に図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
【0020】
図1は、汎用のロール安定化装置の液圧回路図であり、
図2は、前制御される弁を備えた本発明によるロール安定化装置の液圧回路図であり、
図3は、直列接続された2つの圧力制限前制御弁を備えた本発明によるロール安定化装置の液圧回路図であり、
図4は、所望のようにタンク圧を戻すように構成された本発明によるロール安定化装置の液圧回路図であり、
図5は、弁ブロックとその中で案内される弁ピストンとを示す縦断面図であり、
図6は、本発明によるロール安定化制御装置を概略的に示す断面図である。
【0021】
図1には、標準的な系の実際の状態が示されている。圧力供給ユニットは、吸込み側に絞りを備えたラジアルピストンポンプ21であり、このラジアルピストンポンプ21はカスケード回路を介して、差圧弁として配置された2つの比例圧力制限弁22,28を用いて、異なった2つの圧力レベルを準備する。両圧力レベルは圧力センサ23,27によって監視される。これらの圧力領域はそれぞれ、前車軸に設けられたスタビライザにおける旋回モータのためには右側に対しては符号35でかつ左側に対しては符号34で示され、後車軸に設けられたスタビライザにおける旋回モータのためには相応に符号33,32で示されている。後車軸における圧力は常に、前車軸における圧力よりも低くなくてはならない。この2つの圧力レベルは、方向切換え弁とも呼ばれる7ポート2位置方向切換え弁24を用いて、カーブ走行時に方向に関連して右又は左に切り換えられ、その結果それぞれ同期的に、車両右側の旋回モータにおける圧力又は車両左側の旋回モータにおける圧力が上昇もしくは低下する。方向切換え弁24の運転は、切換え位置認識センサ26を用いて監視される。付加的に前車軸液圧回路にはフェイルセーフ弁25が配置されており、このフェイルセーフ弁25は、1つの弁がクランプした場合例えば電流系統の故障時のようなフェイルセーフ時に前車軸の旋回モータ37をロックして、後車軸の旋回モータ36を無圧に切り換えるために働く。付加的にさらに2つの補充吸込み弁29,30が設けられており、両補充吸込み弁29,30はそれぞれ前車軸における旋回モータ37の圧力領域35,34を、タンク管路及びタンク31と接続することができ、そしてこれにより旋回モータ自体における漏れ箇所を介して容積流の補充吸込みによってキャビテーションの問題なしに旋回モータ37を絞った状態で揺動(gedrosseltes Freischaukeln)させることができる。
【0022】
比例圧力制限弁22,28並びに7ポート2位置方向切換え弁及び3ポート2位置方向切換え弁25は、直接的に制御される弁である。かなりのコスト分が、制御のために使用されるマグネットコイルに起因している。弁のために必要な調節力を保証するためには、かなり大型で高価なマグネットコイルが使用される。従って本発明では、弁の直接制御の代わりに前制御を使用するという考察がなされた。大きな利点は、安価な前制御弁の使用可能性にある。
【0023】
図2に示された実施例では、ダイレクトマグネット(Direktmagnet)の代わりに前制御弁42が使用されている。さらにポイント21には、前制御全圧を準備するための減圧弁41が後置されている。図1〜図4に示された液圧回路は互いに似ている。同じ部分もしくは部材については同じ符号が使用されている。繰り返しを避けるために、図1において述べたことについての説明は省き、以下においては、個々の構成の間における相違についてだけ述べる。
【0024】
図2では、圧力制限弁22に圧力制限前制御弁44と供給絞り45とが前置されている。圧力制限弁28には圧力制限前制御弁48と供給絞り49とが前置されている。方向切換え弁24には方向切換え前制御弁51が前置されている。フェイルセーフ弁25にはフェイルセーフ前制御弁52が前置されている。安価な前制御弁の使用可能性の他に、図2に示された実施例では、主弁において場合によっては高い調節力を作用させることができ、これによって運転における安全性が高められる、という利点が得られる。さらに前制御弁を制御するためには小型の磁石を使用することができ、このような小型の磁石は、僅かな消費電流に基づいて、通常使用されるダイレクトマグネットほど強くは搭載電源を負荷しない。しかしながら、本発明の枠内において行われた、図2に示されたロール安定化装置における実験では、高められた系漏れが確認され、このような系漏れは系の全効率及び/又は動力学に対して不都合に作用する。この問題は、図3及び図4に示された実施例によって解決された。
【0025】
図3において楕円42に示されているように、圧力制限前制御弁44と圧力制限前制御弁42とは、図2に示された実施例とは異なり、直列的に接続されている。この図3に示された実施例の利点として次のことが挙げられる。すなわちこの実施例では、前制御回路において、前制御回路に起因する「漏れ箇所」である供給絞り49(図2)を介して流れる平行なオイル流を省くことができる。楕円60内には、図2における2つの前制御弁51,52の代わりに設けられたただ1つの切換え前制御弁61が配置されている。
【0026】
前制御弁61は3つの不連続の切換え位置を有している。給電されていない状態において2つの方向切換え弁24,25は接続されていない。切換え前制御弁61の中位の給電時には、前制御圧によって、フェイルセーフ弁25におけるばね65の予負荷力は克服されているので、フェイルセーフ弁25は(図3には図示されていない)その第2の位置に切り換わる。この中位の給電時に方向切換え弁24において生じる圧力は、ばね66の強い予負荷力を克服するのには、まだ十分ではない。従って方向切換え弁24は切り換えられたままであり、つまり図3に示された位置を占めている。切換え前制御弁61のより高い給電時には、高い前制御圧によってばね66の予負荷力が克服され、方向切換え弁24は(図3には示されていない)第2の切換え位置に切り換わる。フェイルセーフ弁25はこの場合第2の位置に留まっている。
【0027】
図3にはさらに矢印63及び破線によって、タンク圧が減圧弁41及び方向切換え弁24,25のばね室に戻されていることが示されている。減圧弁41のばね室へのタンク圧の戻しによって、前制御全圧を常にタンク圧の圧力レベルだけ上昇させることが保証され、ひいては例えば5バールの調整差圧の利用できることが保証される。同様なことは両方の方向切換え弁24,25に対しても言える。
【0028】
図4では矢印67及び破線によって、タンク圧が減圧弁41及び方向切換え弁24,25のみならず、圧力制限弁22,28に対しても戻されることが示されている。
【0029】
図5には、アルミダイカスト製ハウジング70が断面図で示されている。このアルミダイカスト製ハウジング70には盲孔72が形成されていて、この盲孔72内には弁ピストン73が往復動可能に受容されている。盲孔73は栓体74を用いて閉鎖されており、この栓体74は保持金属薄板75によって盲孔72内に保持されている。保持金属薄板75の、弁ピストン73とは反対の側には、磁石(図示せず)用の受容室76が設けられている。保持金属薄板75及び/又は栓体74もまた磁石によって形成されることができる。さらに栓体74及び保持金属薄板75は磁石に組み込まれていてもよい。弁ピストン73は圧縮コイルばね77の予負荷力によって、盲孔72の底部を形成するストッパ面78に押し付けられる。
【0030】
弁ハウジングとも呼ばれるアルミダイカスト製ハウジング70には、弁ピストン73の領域に4つの溝(Lamelle)81,82,83,84が切り欠かれもしくは形成されていて、これらの溝81,82,83,84は弁ピストン73の長手方向軸線に対して垂直に延びている。溝81は漏れを戻すために働く。溝82はポンプ(図1〜図4の符号21)に通じる接続通路を形成している。溝83は例えば圧力制限弁(図1〜図4の符号22,28)に通じる流出通路を形成している。溝84は例えば別の前制御弁に通じる接続通路を形成している。
【0031】
図5に示された弁は例えば、図2〜図4に符号22,28で示された圧力制限前制御弁である。溝81を介して弁ピストン73には前制御圧が負荷される。弁ピストン73の図5に示された位置において、前制御圧を負荷された液圧媒体は、溝82と弁ピストン73に形成された切欠き86とを介して流出溝83に達し、この流出溝83は圧力制限弁(図2〜図4における22,28)のうちの1つに接続されている。溝81における前制御圧がばね77の予負荷力を克服するか、又は弁ピストン73が磁石によってストッパ面78から離反運動させられると、溝82と83との間における接続が中断される。図5に示されている流れ通路のいわゆるラビリンス構成には、弁ピストン73が直接弁ブロック70内を延びているという利点がある。そして複数の弁が注型された通路によって互いに接続されている。
【0032】
図6には車両境界面が符号90で示されている。この車両境界面には直接、本発明によるロール安定化制御装置の電子エレメント91が設けられている。これらの電子エレメント91にはセンサエレメント92が直接設けられている。これらのセンサエレメント92には直接、接続コネクタ93が接続されている。流れ通路のラビリンス構造形式でアルミダイカスト製ハウジング部分によって形成される第1の制御プレート94には、弁のための通路及び接続部、特に液圧接続部95が設けられている。この第1の制御プレート94から中間金属薄板98によって隔てられて、第2の制御プレート99が設けられている。保護パンとも呼ばれるこの保護金属薄板104によって、電子エレメント、センサエレメント及び制御プレートは外部に対して隔離されている。このような構成には、各構成部材を個々にカプセル化する必要がないという利点がある。保護パン104は外部に対して制御エレメントを隔離すると同時に、オイルが周囲環境に流出することを防止するために働く。個々のエレメント相互の直接的な接触接続によって、多数の差込みコネクタを有する高価なワイヤハーネスを省けるという利点が得られる。そしてこれによってコストの低減のみならず、系の安全性もまた著しく高められる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】汎用のロール安定化装置の液圧回路図である。
【図2】前制御される弁を備えた本発明によるロール安定化装置の液圧回路図である。
【図3】直列接続された2つの圧力制限前制御弁を備えた本発明によるロール安定化装置の液圧回路図である。
【図4】所望のようにタンク圧を戻すように構成された本発明によるロール安定化装置の液圧回路図である。
【図5】弁ブロックとその中で案内される弁ピストンとを示す縦断面図である。
【図6】本発明によるロール安定化制御装置を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0034】
21 吸込み側に絞りを備えたラジアルピストンポンプ、 22 比例圧力制限弁、 23 圧力センサ、 24 7ポート2位置方向切換え弁、 25 フェイルセーフ弁、 26 切換え位置認識センサ、 27 圧力センサ、 28 比例圧力制限弁、 29,30 補充吸込み弁、 31 タンク、 32〜35 圧力領域、 36,37 旋回モータ、 41 減圧弁、 42 前制御弁、 44 前制御弁、 45 供給絞り、 48 前制御弁、 49 供給絞り、 51 前制御弁、 52 前制御弁、 60 楕円、 61 前制御弁、 63 タンク圧戻し案内、 65,66 ばね、 67 タンク圧戻し案内、 70 アルミダイカスト製ハウジング、 72 盲孔、 73 弁ピストン、 74 栓体、 75 保持金属薄板、 76 磁石用のスペース、 77 圧縮コイルばね、 78 ストッパ面、 81,82,83,84 溝、 86 切欠き、 90 車両境界面、 91 電子エレメント、 92 センサエレメント、 93 接続コネクタ、 94 制御プレート、 95 液圧接続部、 98 中間金属薄板、 99 制御プレート、 100 磁石、 104 保護金属薄板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のロールをアクティブに安定化させるロール安定化装置であって、少なくとも2つのホイールを有する少なくとも1つの軸が、横方向スタビライザを備えており、該横方向スタビライザが液圧装置(36,37)を用いて操作可能であり、該液圧装置(36,37)に、ポンプのような圧力供給装置(21)によって少なくとも1つの圧力制限弁(22,28)を介して、予め選択された圧力レベル(32,33;34,35)が供給もしくは負荷可能である形式のものにおいて、圧力制限弁(22,28)が圧力制限前制御弁(44,48)によって前制御されていることを特徴とする、車両のロールをアクティブに安定化させるロール安定化装置。
【請求項2】
車両のロールをアクティブに安定化させるロール安定化装置であって、少なくとも2つのホイールを有する少なくとも2つの軸が、それぞれ横方向スタビライザを備えており、該横方向スタビライザが液圧装置(36,37)を用いて操作可能であり、該液圧装置(36,37)に、ポンプのような圧力供給装置(21)によって圧力制限弁(22,28)を介して、異なった圧力レベル(32,33;34,35)が供給もしくは負荷可能である形式のものにおいて、液圧装置(36,37)に配属された圧力制限弁(22,28)が、直列接続された少なくとも2つの圧力制限前制御弁(44,48)によって前制御されていることを特徴とする、車両のロールをアクティブに安定化させるロール安定化装置。
【請求項3】
液圧装置(36,37)を方向に関連して切り換えるために働く、例えば7ポート2位置方向切換え弁である方向切換え弁(24)が、方向切換え前制御弁(51)によって前制御されている、請求項1又は2記載のロール安定化装置。
【請求項4】
方向切換え弁(24)と1つの液圧装置(37)との間にフェイルセーフ弁(25)が配置されていて、該フェイルセーフ弁(25)が、フェイルセーフ前制御弁(52)によって前制御されている、請求項3記載のロール安定化装置。
【請求項5】
液圧装置(36,37)を方向に関連して切り換えるために働く、例えば7ポート2位置方向切換え弁である方向切換え弁(24)と、方向切換え弁(24)と1つの液圧装置(37)との間に配置されたフェイルセーフ弁(25)とが、ただ1つの切換え前制御弁(61)によって前制御されている、請求項2記載のロール安定化装置。
【請求項6】
切換え前制御弁(61)が3つの切換え位置を有しており、該切換え前制御弁(61)の第1の状態においては方向切換え弁(24)もフェイルセーフ弁(25)も接続されておらず、切換え前制御弁(61)の第2の状態ではフェイルセーフ弁(25)だけが接続されており、切換え前制御弁(61)の第3の状態ではフェイルセーフ弁(25)と方向切換え弁(24)の両方が接続されている、請求項5記載のロール安定化装置。
【請求項7】
全前制御圧を減圧する減圧弁(41)が、圧力供給ユニット(21)と圧力制限前制御弁(44)との間において圧力制限弁(22)に対して並列的に配置されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のロール安定化装置。
【請求項8】
全前制御圧を減圧する減圧弁(41)に、圧力供給ユニット(21)を介してタンク(31)から圧力が供給もしくは負荷されている、請求項7記載のロール安定化装置。
【請求項9】
圧力制限弁(22,28)及び/又は方向切換え弁(24)及び/又はフェイルセーフ弁(25)に、圧力供給ユニット(21)を介してタンク(31)から圧力が供給もしくは負荷されている、請求項2から8までのいずれか1項記載のロール安定化装置。
【請求項10】
すべての弁が弁ピストン(73)を有していて、該弁ピストン(73)が、注型された弁ブロック、特にアルミダイカスト製の弁ブロック(70)内において案内されていて、該弁ブロック(70)内に液圧媒体の供給及び/又は排出のための通路(81,82,83)が形成されている、請求項1から9までのいずれか1項記載のロール安定化装置。
【請求項11】
種々異なった弁が、形成された通路(83,84)によって互いに接続されている、請求項10記載のロール安定化装置。
【請求項12】
複数の弁のスライダエレメント、制御エレメント、センサエレメント、液圧エレメント及び/又は電子エレメントが、1つのユニットにまとめられている、請求項1から11までのいずれか1項記載のロール安定化装置。
【請求項13】
前記ユニットが、特に保護パンである保護カバー(104)によって、周囲に対して遮蔽されている、請求項1から12までのいずれか1項記載のロール安定化装置。
【請求項14】
個々の制御エレメント、センサエレメント、液圧エレメント及び/又は電子エレメントが互いに電気的に直接接続されている、請求項12又は13記載のロール安定化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−519558(P2007−519558A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549852(P2006−549852)
【出願日】平成17年1月7日(2005.1.7)
【国際出願番号】PCT/DE2005/000006
【国際公開番号】WO2005/072999
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(390009070)ルーク ラメレン ウント クツプルングスバウ ベタイリグングス コマンディートゲゼルシャフト (236)
【氏名又は名称原語表記】LuK Lamellen und Kupplungsbau  Beteiligungs KG
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 3、 D−77815 Buehl、 Baden、 Germany
【Fターム(参考)】