ワイヤハーネス用クリップ
【課題】取付相手側である樹脂製の平板状固定片の板厚に関わらず、ワイヤハーネス用クリップを適正位置に確実に取り付け可能とし、電線の噛み込みも防止できる。
【解決手段】樹脂成形品から凸状に突設した樹脂製の平板状固定片に取り付けるワイヤハーネス用クリップであって、バンドタイプ又は粘着テープ巻きタイプのワイヤハーネス取付部と、該ワイヤハーネス取付部から突出するボックス状のクリップ本体とを一体的に設けた樹脂成形部を備え、前記クリップ本体は、前記平板状固定片を挿入する開口を設けると共に、該開口を挟んで対向する幅方向に左右閉鎖壁を設け、該左右閉鎖壁の内面にバネ板からなる金属製爪を突設し、前記平板状固定片の幅方向の両側面に前記金属製爪を押し当てて挟持固定する構成としている。
【解決手段】樹脂成形品から凸状に突設した樹脂製の平板状固定片に取り付けるワイヤハーネス用クリップであって、バンドタイプ又は粘着テープ巻きタイプのワイヤハーネス取付部と、該ワイヤハーネス取付部から突出するボックス状のクリップ本体とを一体的に設けた樹脂成形部を備え、前記クリップ本体は、前記平板状固定片を挿入する開口を設けると共に、該開口を挟んで対向する幅方向に左右閉鎖壁を設け、該左右閉鎖壁の内面にバネ板からなる金属製爪を突設し、前記平板状固定片の幅方向の両側面に前記金属製爪を押し当てて挟持固定する構成としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明はワイヤハーネス用クリップに関し、詳しくは、取付相手側である樹脂製の平板状固定片の板厚に関わらず、ワイヤハーネス用クリップを確実に取り付け可能とするものである。
【背景技術】
【０００２】
自動車のインストルメントパネル等の樹脂成形品から凸状に突設した樹脂製の平板状固定片に取り付けるワイヤハーネス用クリップとして、図７に示すように、平板状固定片６に挟着されるＣ型のクリップ本体３と、該クリップ本体３に連結されワイヤハーネス（図示せず）に取り付けられるワイヤハーネス取付部２とからなるワイヤハーネス用クリップ１が提案されている［特開平７−９９７１９号公報（特許文献１）参照］。
【０００３】
前記クリップ本体３の内面には、該内面と同形状のＣ型の金属クリップ４が取り付けられ、該金属クリップ４の屈曲部４ｂを挟む上下片４ｃ、４ａには、金属製爪５が金属クリップ４の中空部に向けて切り起こされている。よって、平板状固定片６を金属クリップ４の上下片４ｃ、４ａ間に押し込むと前記金属製爪５が平板状固定片６の上下両面を挟持して、ワイヤハーネス用クリップ１が平板状固定片６に固定される構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開平７−９９７１９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかし、前記ワイヤハーネス用クリップ１は左右両側が開放した状態であるため、ワイヤハーネスの組付作業時などにクリップ１の中空部に電線が挟まり金属製爪５で電線を損傷させる場合がある。また、前記クリップ１を取り付けるべき平板状固定片６の左右方向の位置決めが難しく、クリップ１を平板状固定片６の適正位置に取り付けることができない場合がある。
さらに、平板状固定片６の板厚が大きすぎるとクリップ１を取り付けるための挿入力が大きくなり取り付けが困難になる一方、平板状固定片６の板厚が小さすぎると金属製爪５が平板状固定片６の上下面を挟持しにくくなるため、所定サイズのクリップ１を平板状固定片６に確実に取り付けるためには平板状固定片６の板厚が制限されるという問題もある。
【０００６】
本発明は、取付相手側である樹脂製の平板状固定片の板厚に関わらず、ワイヤハーネス用クリップを適正位置に確実に取り付け可能とし、ワイヤハーネス用クリップ内への電線の噛み込みも防止できることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
前記課題を解決するため、本発明は、樹脂成形品から凸状に突設した樹脂製の平板状固定片に取り付けるワイヤハーネス用クリップであって、
バンドタイプ又は粘着テープ巻きタイプのワイヤハーネス取付部と、該ワイヤハーネス取付部から突出するボックス状のクリップ本体とを一体的に設けた樹脂成形部を備え、
前記クリップ本体は、前記平板状固定片を挿入する開口を設けると共に、該開口を挟んで対向する幅方向に左右閉鎖壁を設け、該左右閉鎖壁の内面にバネ板からなる金属製爪を突設し、前記平板状固定片の幅方向の両側面に前記金属製爪を押し当てて挟持固定する構成としていることを特徴とするワイヤハーネス用クリップを提供している。
【０００８】
前記のように、本発明ではワイヤハーネス取付部から突出するボックス状のクリップ本体を備え、該クリップ本体には樹脂製の平板状固定片を挿入するための開口を設けると共に、該開口を挟んで対向する幅方向に左右閉鎖壁を設けている。したがって、従来のように電線がクリップ本体内の左右方向に挟まって金属製爪で電線が損傷することが防止されると共に、平板状固定片全体をボックス状のクリップ本体に挿入することで取付位置が定まるため、従来のようにクリップ本体を取り付ける平板状固定片の左右方向の位置決めを作業者が行う必要がなくなり、常にワイヤハーネス用クリップを適正位置に取り付けることができる。また、凸状の平板状固定片全体をボックス状のクリップ本体内に挿入して固定するため、安定した取付状態とすることができる。
【０００９】
さらに前記のように、左右閉鎖壁の内面にバネ板からなる金属製爪を突設しているため、平板状固定片がクリップ本体の開口より挿入固定が可能な所定幅さえ有していれば、平板状固定片の板厚に関わらず平板状固定片の幅方向にクリップ本体の左右閉鎖壁に設けた金属製爪を押し当てて平板状固定片を確実に挟持固定することができる。
【００１０】
前記クリップ本体は前記開口と対向する背面を背面閉鎖壁にすると共に、該背面閉鎖壁の左右両端と連続する前記左右閉鎖壁の先端に前記開口の両側縁に突出する支持壁部を設ける一方、
前記背面閉鎖壁の内面から前記左右閉鎖壁の内面にかけて配置するコ字枠状とした金属片を嵌合し、該金属片の両端を前記背面閉鎖壁に向けた折り返し方向で且つ前記開口側に向けて傾斜させて突設し、該金属製爪の折り返し基部を前記支持壁部に押し当てて支承していることが好ましい。
【００１１】
前記構成によれば、コ字枠状の金属片をクリップ本体の背面閉鎖壁の内面から左右閉鎖壁の内面にかけて配置すると共に前記金属片の折り返し基部を左右閉鎖壁先端の支持壁部に支承させるだけで、バネ板からなる金属製爪を前記左右閉鎖壁の内面に容易に設けることができる。また、金属製爪の折り返し方向を背面閉鎖壁に向け、かつ開口側に傾斜させることで、平板状固定片の幅方向の両側面に金属製爪をしっかりと押し当てて挟持固定することができる。さらに、金属片をクリップ本体と別体とすることで、金属製爪の形状や突出角度等の変更も金属片を取り替えるだけで容易に行うことができる。
【００１２】
また、前記金属製爪の突出端より切れ込みを入れて、上下分割片に分断していることも好ましい。
前記構成によれば、例えば、クリップ本体を取り付ける平板状固定片の板厚が小さい場合には、前記上下分割片のうち一の分割片を平板状固定片の幅方向に押し当て、他の分割片は撓み変形させずに平板状固定片の上面側あるいは／および下面側に配置することで、平板状固定片の挟持固定と共に、クリップ本体内での平板状固定片の上下方向のガタつきを防止することができる。なお、上下分割片は上下２個に限らず３個以上設けてもよい。
【００１３】
前記金属製爪が押し当てられる前記平板状固定片の板厚が１ｍｍ以下であると、平板状固定片の両側を上向き又は下向きに屈曲させ、該屈曲させた外面に前記金属製爪を押し当てて挟持する構成としていることが好ましい。
【００１４】
前記のように平板状固定片の板厚が１ｍｍ以下の場合には、平板状固定片の両側を上向き又は下向きに屈曲させ、該屈曲させた外面を前記平板状固定片の幅方向の両側面として前記外面にクリップ本体側の金属製爪を押し当てる方が挟持力を高めることができる。前記上向き又は下向きへの屈曲幅（高さ）としては、金属製爪が屈曲させた外面にしっかり押し当てられ、かつクリップ本体の開口に凹状の平板状固定片を挿入できる屈曲幅（高さ）とすることが好ましい。
【００１５】
本発明のワイヤハーネス用クリップは、自動車に配索されるワイヤハーネスに取り付け、自動車に設置されるインストルメントパネルまたはセンタコンソールパネルからなる樹脂成形品から突設した前記平板状固定片に取り付けるものであることが好ましい。
【発明の効果】
【００１６】
前述したように、本発明ではワイヤハーネス取付部から突出するボックス状のクリップ本体を備え、該クリップ本体には樹脂製の平板状固定片を挿入するための開口を設けると共に、該開口を挟んで対向する幅方向に左右閉鎖壁を設けている。したがって、電線がクリップ本体内の左右方向に挟まって金属製爪で電線が損傷することが防止されると共に、平板状固定片全体をボックス状のクリップ本体に挿入することで取付位置が定まり、ワイヤハーネス用クリップを常に適正位置に取り付けることができる。また、凸状の平板状固定片全体をボックス状のクリップ本体内に挿入して固定するため、安定した取付状態とすることができる。
【００１７】
また、前記のように、左右閉鎖壁の内面にバネ板からなる金属製爪を突設しているため、平板状固定片がクリップ本体の開口より挿入固定が可能な所定幅さえ備えていれば、平板状固定片の板厚に関わらず、平板状固定片の幅方向にクリップ本体の左右閉鎖壁に設けた金属製爪を押し当てて平板状固定片を確実に挟持固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１８】
【図１】第１実施形態のワイヤハーネス用クリップを示し、（Ａ）は概略斜視図、（Ｂ）はクリップ本体の内部を示すためにクリップ本体の上面閉鎖壁を一部切り欠いた概略説明図である。
【図２】図１のＡ−Ａ線断面図であり、（Ａ）は平板状固定片をクリップ本体に挿入する前の状態を示し、（Ｂ）は平板状固定片をクリップ本体に挿入し金属製爪による平板状固定片の挟持固定が完了した状態を示す。
【図３】第２実施形態のワイヤハーネス用クリップを示し、クリップ本体の内部を示すためにクリップ本体の上面閉鎖壁を一部切り欠いた概略説明図である。
【図４】（Ａ）は平板状固定片をクリップ本体に挿入し金属製爪による平板状固定片の挟持固定が完了した状態を示す図３のＢ−Ｂ線断面図であり、（Ｂ）は（Ａ）のＣ−Ｃ線断面図である。
【図５】第３実施形態における平板状固定片を示す概略斜視図である。
【図６】本発明のワイヤハーネス用クリップの別の例を示す概略斜視図である。
【図７】従来例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【００１９】
以下、本発明のワイヤハーネス用クリップの実施形態を図面を参照しながら説明する。
図１および図２は本発明の第１実施形態を示している。本実施形態のワイヤハーネス用クリップ１０は、ワイヤハーネスＷ／Ｈの外周に粘着テープＴを巻き付けて固定する基板型のワイヤハーネス取付部１１と、該ワイヤハーネス取付部１１から突出させ、自動車側の樹脂成形品３０から凸状に突設した樹脂製の平板状固定片３１に固定するクリップ本体１２とを一体成形した樹脂成形部１６から構成している。なお、本実施形態では、自動車に設置されるインストルメントパネルを前記樹脂成形品３０としている。
【００２０】
クリップ本体１２はボックス状とし、クリップ本体１２の前面側には凸状に突設した平板状固定片３１全体を挿入する開口１３を設けている。したがって、前記開口１３は、平板状固定片３１をスムーズに挿入固定できる幅を有している。
クリップ本体１２の開口１３を挟んで対向する幅方向に左右閉鎖壁１４ａ、１４ｂを設けていると共に、開口１３と対向する背面に背面閉鎖壁１４ｄを設けている。また、背面閉鎖壁１４ｄの左右両端と連続する左右閉鎖壁１４ａ、１４ｂの先端には、開口１３の両側縁に突出する支持壁部１４ｃを設けている。さらに、クリップ本体１２の上下面に上面閉鎖壁１４ｅおよび下面閉鎖壁１４ｆを設けている。
【００２１】
また、クリップ本体１２の背面閉鎖壁１４ｄの内面から左右閉鎖壁１４ａ、１４ｂの内面にかけてコ字枠状の金属片１５を嵌合、配置している。金属片１５の両端を折り返すことで、クリップ本体１２の左右閉鎖壁１４ａ、１４ｂの内面より突設するバネ板からなる金属製爪１５ａが形成され、折り返し基部１５ｂを左右閉鎖壁１４ａ、１４ｂの先端の支持壁部１４ｃに支承させることで、コ字枠状の金属片１５をクリップ本体１２の左右閉鎖壁１４ａ、１４ｂおよび背面閉鎖壁１４ｄの内面に保持している。金属片１５の折り返し方向、即ち、金属製爪１５ａの突出方向は背面閉鎖壁１４ｄに向けた方向とし、かつ開口１３側に向けて傾斜させている［図２（Ａ）］。
【００２２】
以下、本実施形態のワイヤハーネス用クリップ１０の平板状固定片３１への取り付けについて説明する。
まず、ワイヤハーネス用クリップ１０のワイヤハーネス取付部１１とワイヤハーネスＷ／Ｈとを外周に粘着テープＴを巻き付けることにより固定する。
ワイヤハーネスＷ／Ｈを自動車に配索する際には、平板状固定片３１をワイヤハーネス用クリップ１０のクリップ本体１２の開口１３に挿入して固定する。平板状固定片３１をクリップ本体１２の開口１３に挿入することにより、平板状固定片３１の幅方向の左右側面３１ａ、３１ｂに、クリップ本体１２の左右閉鎖壁１４ａ、１４ｂの内面より突設した金属製爪１５ａがそれぞれ押し当てられ、平板状固定片３１の幅方向が金属製爪１５ａによってしっかりと挟持固定される［図２（Ｂ）］。
【００２３】
前記のように、本実施形態のワイヤハーネス用クリップ１０は、ワイヤハーネス取付部１１から突出するボックス状のクリップ本体１２を備え、該クリップ本体１２には樹脂製の平板状固定片３１を挿入する開口１３を設けると共に、該開口１３を挟んで対向する幅方向に左右閉鎖壁１４ａ、１４ｂを設けている。したがって、電線がクリップ本体１２内の左右方向に挟まって金属製爪１５ａで電線が損傷することが防止されると共に、平板状固定片３１全体をボックス状のクリップ本体１２に挿入することで取付位置が定まり、ワイヤハーネス用クリップ１０を常に適正位置に取り付けることができる。また、凸状の平板状固定片３１全体をボックス状のクリップ本体１２内に挿入して固定するため、安定した取付状態とすることができる。
【００２４】
また、前記のように、クリップ本体１２の背面閉鎖壁１４ｄの内面から左右閉鎖壁１４ａ、１４ｂの内面にかけてコ字枠状の金属片１５を嵌合配置し、金属片１５の両端を折り返すことで左右閉鎖壁１４ａ、１４ｂの内面より突出するバネ板からなる金属製爪１５ａを設けている。これにより、平板状固定片３１の板厚に関わらず、平板状固定片３１の幅方向の左右側面３１ａ、３１ｂにクリップ本体１２の左右閉鎖壁に設けた金属製爪１５ａを押し当てて平板状固定片３１を確実に挟持固定することができる。
【００２５】
図３および図４は本発明の第２実施形態を示している。
第２実施形態では、図３および図４に示すように、金属片２５の折り返し部分である金属製爪２５ａの突出端より切り込みを入れて、金属製爪２５ａを上中下分割片２５ａ−１、２５ａ−２、２５ａ−３に分断している点以外は第１実施形態と同様としている。
【００２６】
図４（Ｂ）に示すように、クリップ本体１２を取り付ける平板状固定片４１の板厚が小さい場合には、前記上中下分割片２５ａ−１、２５ａ−２、２５ａ−３のうち中段の分割片２５ａ−２を平板状固定片４１の幅方向の左右両側面４１ａ、４１ｂに押し当て、上下段の分割片２５ａ−１、２５ａ−３は撓み変形させずに平板状固定片４１の上面側および下面側にそれぞれ配置させることで、平板状固定片４１の幅方向の挟持固定と共に、クリップ本体１２内での平板状固定片４１の上下方向のガタつきも防止することができる。
【００２７】
図５は本発明の第３実施形態を示している。
第３実施形態では、平板状固定片５１の板厚を１ｍｍ程度とし、図５に示すように、平板状固定片５１の両側を上向きに屈曲させて凹状とし、屈曲させた左右外面５１ａ、５１ｂにクリップ本体１２内の金属製爪１５ａを押し当てて挟持固定する構成としている点以外は第１実施形態と同様としている。
【００２８】
前記のように平板状固定片５１の板厚が１ｍｍ以下と薄い場合には、平板状固定片５１の両側を上向きに屈曲させ、屈曲させた左右外面５１ａ、５１ｂにクリップ本体１２側の金属製爪１５ａを押し当てる方が挟持力を高めることができる。前記上向きへの屈曲幅（高さ）としては、金属製爪１５ａが屈曲させた左右外面５１ａ、５１ｂにしっかり押し当てられ、かつクリップ本体１２の開口１３に凹状の平板状固定片５１を挿入可能な屈曲幅（高さ）としている。
【００２９】
なお、本発明のワイヤハーネス用クリップは、本実施形態のように粘着テープＴを巻き付けてワイヤハーネスＷ／Ｈに固定する基板型のワイヤハーネス取付部１１を備えたワイヤハーネス用クリップ１０に限定されるものでなく、図６に示すような、ワイヤハーネスＷ／Ｈにバンド１１１を巻き付けて固定するバンド型のワイヤハーネス取付部１１０を備え、この上面にクリップ本体１２０を突出させたワイヤハーネス用クリップ１００でもよい。
【符号の説明】
【００３０】
１０、１００ ワイヤハーネス用クリップ
１１、１１０ ワイヤハーネス取付部
１２、１２０ クリップ本体
１３ 開口
１４ａ、１４ｂ 左右閉鎖壁
１４ｃ 支持壁部
１４ｄ 背面閉鎖壁
１５、２５ 金属片
１５ａ、２５ａ 金属製爪
２５ａ−１、２５ａ−２、２５ａ−３ 分割片
１５ｂ 折り返し基部
１６ 樹脂成形部
３０ 樹脂成形品（インストルメントパネル）
３１、４１、５１ 平板状固定片
５１ａ、５１ｂ 屈曲させた外面
【技術分野】
【０００１】
本発明はワイヤハーネス用クリップに関し、詳しくは、取付相手側である樹脂製の平板状固定片の板厚に関わらず、ワイヤハーネス用クリップを確実に取り付け可能とするものである。
【背景技術】
【０００２】
自動車のインストルメントパネル等の樹脂成形品から凸状に突設した樹脂製の平板状固定片に取り付けるワイヤハーネス用クリップとして、図７に示すように、平板状固定片６に挟着されるＣ型のクリップ本体３と、該クリップ本体３に連結されワイヤハーネス（図示せず）に取り付けられるワイヤハーネス取付部２とからなるワイヤハーネス用クリップ１が提案されている［特開平７−９９７１９号公報（特許文献１）参照］。
【０００３】
前記クリップ本体３の内面には、該内面と同形状のＣ型の金属クリップ４が取り付けられ、該金属クリップ４の屈曲部４ｂを挟む上下片４ｃ、４ａには、金属製爪５が金属クリップ４の中空部に向けて切り起こされている。よって、平板状固定片６を金属クリップ４の上下片４ｃ、４ａ間に押し込むと前記金属製爪５が平板状固定片６の上下両面を挟持して、ワイヤハーネス用クリップ１が平板状固定片６に固定される構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開平７−９９７１９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかし、前記ワイヤハーネス用クリップ１は左右両側が開放した状態であるため、ワイヤハーネスの組付作業時などにクリップ１の中空部に電線が挟まり金属製爪５で電線を損傷させる場合がある。また、前記クリップ１を取り付けるべき平板状固定片６の左右方向の位置決めが難しく、クリップ１を平板状固定片６の適正位置に取り付けることができない場合がある。
さらに、平板状固定片６の板厚が大きすぎるとクリップ１を取り付けるための挿入力が大きくなり取り付けが困難になる一方、平板状固定片６の板厚が小さすぎると金属製爪５が平板状固定片６の上下面を挟持しにくくなるため、所定サイズのクリップ１を平板状固定片６に確実に取り付けるためには平板状固定片６の板厚が制限されるという問題もある。
【０００６】
本発明は、取付相手側である樹脂製の平板状固定片の板厚に関わらず、ワイヤハーネス用クリップを適正位置に確実に取り付け可能とし、ワイヤハーネス用クリップ内への電線の噛み込みも防止できることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
前記課題を解決するため、本発明は、樹脂成形品から凸状に突設した樹脂製の平板状固定片に取り付けるワイヤハーネス用クリップであって、
バンドタイプ又は粘着テープ巻きタイプのワイヤハーネス取付部と、該ワイヤハーネス取付部から突出するボックス状のクリップ本体とを一体的に設けた樹脂成形部を備え、
前記クリップ本体は、前記平板状固定片を挿入する開口を設けると共に、該開口を挟んで対向する幅方向に左右閉鎖壁を設け、該左右閉鎖壁の内面にバネ板からなる金属製爪を突設し、前記平板状固定片の幅方向の両側面に前記金属製爪を押し当てて挟持固定する構成としていることを特徴とするワイヤハーネス用クリップを提供している。
【０００８】
前記のように、本発明ではワイヤハーネス取付部から突出するボックス状のクリップ本体を備え、該クリップ本体には樹脂製の平板状固定片を挿入するための開口を設けると共に、該開口を挟んで対向する幅方向に左右閉鎖壁を設けている。したがって、従来のように電線がクリップ本体内の左右方向に挟まって金属製爪で電線が損傷することが防止されると共に、平板状固定片全体をボックス状のクリップ本体に挿入することで取付位置が定まるため、従来のようにクリップ本体を取り付ける平板状固定片の左右方向の位置決めを作業者が行う必要がなくなり、常にワイヤハーネス用クリップを適正位置に取り付けることができる。また、凸状の平板状固定片全体をボックス状のクリップ本体内に挿入して固定するため、安定した取付状態とすることができる。
【０００９】
さらに前記のように、左右閉鎖壁の内面にバネ板からなる金属製爪を突設しているため、平板状固定片がクリップ本体の開口より挿入固定が可能な所定幅さえ有していれば、平板状固定片の板厚に関わらず平板状固定片の幅方向にクリップ本体の左右閉鎖壁に設けた金属製爪を押し当てて平板状固定片を確実に挟持固定することができる。
【００１０】
前記クリップ本体は前記開口と対向する背面を背面閉鎖壁にすると共に、該背面閉鎖壁の左右両端と連続する前記左右閉鎖壁の先端に前記開口の両側縁に突出する支持壁部を設ける一方、
前記背面閉鎖壁の内面から前記左右閉鎖壁の内面にかけて配置するコ字枠状とした金属片を嵌合し、該金属片の両端を前記背面閉鎖壁に向けた折り返し方向で且つ前記開口側に向けて傾斜させて突設し、該金属製爪の折り返し基部を前記支持壁部に押し当てて支承していることが好ましい。
【００１１】
前記構成によれば、コ字枠状の金属片をクリップ本体の背面閉鎖壁の内面から左右閉鎖壁の内面にかけて配置すると共に前記金属片の折り返し基部を左右閉鎖壁先端の支持壁部に支承させるだけで、バネ板からなる金属製爪を前記左右閉鎖壁の内面に容易に設けることができる。また、金属製爪の折り返し方向を背面閉鎖壁に向け、かつ開口側に傾斜させることで、平板状固定片の幅方向の両側面に金属製爪をしっかりと押し当てて挟持固定することができる。さらに、金属片をクリップ本体と別体とすることで、金属製爪の形状や突出角度等の変更も金属片を取り替えるだけで容易に行うことができる。
【００１２】
また、前記金属製爪の突出端より切れ込みを入れて、上下分割片に分断していることも好ましい。
前記構成によれば、例えば、クリップ本体を取り付ける平板状固定片の板厚が小さい場合には、前記上下分割片のうち一の分割片を平板状固定片の幅方向に押し当て、他の分割片は撓み変形させずに平板状固定片の上面側あるいは／および下面側に配置することで、平板状固定片の挟持固定と共に、クリップ本体内での平板状固定片の上下方向のガタつきを防止することができる。なお、上下分割片は上下２個に限らず３個以上設けてもよい。
【００１３】
前記金属製爪が押し当てられる前記平板状固定片の板厚が１ｍｍ以下であると、平板状固定片の両側を上向き又は下向きに屈曲させ、該屈曲させた外面に前記金属製爪を押し当てて挟持する構成としていることが好ましい。
【００１４】
前記のように平板状固定片の板厚が１ｍｍ以下の場合には、平板状固定片の両側を上向き又は下向きに屈曲させ、該屈曲させた外面を前記平板状固定片の幅方向の両側面として前記外面にクリップ本体側の金属製爪を押し当てる方が挟持力を高めることができる。前記上向き又は下向きへの屈曲幅（高さ）としては、金属製爪が屈曲させた外面にしっかり押し当てられ、かつクリップ本体の開口に凹状の平板状固定片を挿入できる屈曲幅（高さ）とすることが好ましい。
【００１５】
本発明のワイヤハーネス用クリップは、自動車に配索されるワイヤハーネスに取り付け、自動車に設置されるインストルメントパネルまたはセンタコンソールパネルからなる樹脂成形品から突設した前記平板状固定片に取り付けるものであることが好ましい。
【発明の効果】
【００１６】
前述したように、本発明ではワイヤハーネス取付部から突出するボックス状のクリップ本体を備え、該クリップ本体には樹脂製の平板状固定片を挿入するための開口を設けると共に、該開口を挟んで対向する幅方向に左右閉鎖壁を設けている。したがって、電線がクリップ本体内の左右方向に挟まって金属製爪で電線が損傷することが防止されると共に、平板状固定片全体をボックス状のクリップ本体に挿入することで取付位置が定まり、ワイヤハーネス用クリップを常に適正位置に取り付けることができる。また、凸状の平板状固定片全体をボックス状のクリップ本体内に挿入して固定するため、安定した取付状態とすることができる。
【００１７】
また、前記のように、左右閉鎖壁の内面にバネ板からなる金属製爪を突設しているため、平板状固定片がクリップ本体の開口より挿入固定が可能な所定幅さえ備えていれば、平板状固定片の板厚に関わらず、平板状固定片の幅方向にクリップ本体の左右閉鎖壁に設けた金属製爪を押し当てて平板状固定片を確実に挟持固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１８】
【図１】第１実施形態のワイヤハーネス用クリップを示し、（Ａ）は概略斜視図、（Ｂ）はクリップ本体の内部を示すためにクリップ本体の上面閉鎖壁を一部切り欠いた概略説明図である。
【図２】図１のＡ−Ａ線断面図であり、（Ａ）は平板状固定片をクリップ本体に挿入する前の状態を示し、（Ｂ）は平板状固定片をクリップ本体に挿入し金属製爪による平板状固定片の挟持固定が完了した状態を示す。
【図３】第２実施形態のワイヤハーネス用クリップを示し、クリップ本体の内部を示すためにクリップ本体の上面閉鎖壁を一部切り欠いた概略説明図である。
【図４】（Ａ）は平板状固定片をクリップ本体に挿入し金属製爪による平板状固定片の挟持固定が完了した状態を示す図３のＢ−Ｂ線断面図であり、（Ｂ）は（Ａ）のＣ−Ｃ線断面図である。
【図５】第３実施形態における平板状固定片を示す概略斜視図である。
【図６】本発明のワイヤハーネス用クリップの別の例を示す概略斜視図である。
【図７】従来例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【００１９】
以下、本発明のワイヤハーネス用クリップの実施形態を図面を参照しながら説明する。
図１および図２は本発明の第１実施形態を示している。本実施形態のワイヤハーネス用クリップ１０は、ワイヤハーネスＷ／Ｈの外周に粘着テープＴを巻き付けて固定する基板型のワイヤハーネス取付部１１と、該ワイヤハーネス取付部１１から突出させ、自動車側の樹脂成形品３０から凸状に突設した樹脂製の平板状固定片３１に固定するクリップ本体１２とを一体成形した樹脂成形部１６から構成している。なお、本実施形態では、自動車に設置されるインストルメントパネルを前記樹脂成形品３０としている。
【００２０】
クリップ本体１２はボックス状とし、クリップ本体１２の前面側には凸状に突設した平板状固定片３１全体を挿入する開口１３を設けている。したがって、前記開口１３は、平板状固定片３１をスムーズに挿入固定できる幅を有している。
クリップ本体１２の開口１３を挟んで対向する幅方向に左右閉鎖壁１４ａ、１４ｂを設けていると共に、開口１３と対向する背面に背面閉鎖壁１４ｄを設けている。また、背面閉鎖壁１４ｄの左右両端と連続する左右閉鎖壁１４ａ、１４ｂの先端には、開口１３の両側縁に突出する支持壁部１４ｃを設けている。さらに、クリップ本体１２の上下面に上面閉鎖壁１４ｅおよび下面閉鎖壁１４ｆを設けている。
【００２１】
また、クリップ本体１２の背面閉鎖壁１４ｄの内面から左右閉鎖壁１４ａ、１４ｂの内面にかけてコ字枠状の金属片１５を嵌合、配置している。金属片１５の両端を折り返すことで、クリップ本体１２の左右閉鎖壁１４ａ、１４ｂの内面より突設するバネ板からなる金属製爪１５ａが形成され、折り返し基部１５ｂを左右閉鎖壁１４ａ、１４ｂの先端の支持壁部１４ｃに支承させることで、コ字枠状の金属片１５をクリップ本体１２の左右閉鎖壁１４ａ、１４ｂおよび背面閉鎖壁１４ｄの内面に保持している。金属片１５の折り返し方向、即ち、金属製爪１５ａの突出方向は背面閉鎖壁１４ｄに向けた方向とし、かつ開口１３側に向けて傾斜させている［図２（Ａ）］。
【００２２】
以下、本実施形態のワイヤハーネス用クリップ１０の平板状固定片３１への取り付けについて説明する。
まず、ワイヤハーネス用クリップ１０のワイヤハーネス取付部１１とワイヤハーネスＷ／Ｈとを外周に粘着テープＴを巻き付けることにより固定する。
ワイヤハーネスＷ／Ｈを自動車に配索する際には、平板状固定片３１をワイヤハーネス用クリップ１０のクリップ本体１２の開口１３に挿入して固定する。平板状固定片３１をクリップ本体１２の開口１３に挿入することにより、平板状固定片３１の幅方向の左右側面３１ａ、３１ｂに、クリップ本体１２の左右閉鎖壁１４ａ、１４ｂの内面より突設した金属製爪１５ａがそれぞれ押し当てられ、平板状固定片３１の幅方向が金属製爪１５ａによってしっかりと挟持固定される［図２（Ｂ）］。
【００２３】
前記のように、本実施形態のワイヤハーネス用クリップ１０は、ワイヤハーネス取付部１１から突出するボックス状のクリップ本体１２を備え、該クリップ本体１２には樹脂製の平板状固定片３１を挿入する開口１３を設けると共に、該開口１３を挟んで対向する幅方向に左右閉鎖壁１４ａ、１４ｂを設けている。したがって、電線がクリップ本体１２内の左右方向に挟まって金属製爪１５ａで電線が損傷することが防止されると共に、平板状固定片３１全体をボックス状のクリップ本体１２に挿入することで取付位置が定まり、ワイヤハーネス用クリップ１０を常に適正位置に取り付けることができる。また、凸状の平板状固定片３１全体をボックス状のクリップ本体１２内に挿入して固定するため、安定した取付状態とすることができる。
【００２４】
また、前記のように、クリップ本体１２の背面閉鎖壁１４ｄの内面から左右閉鎖壁１４ａ、１４ｂの内面にかけてコ字枠状の金属片１５を嵌合配置し、金属片１５の両端を折り返すことで左右閉鎖壁１４ａ、１４ｂの内面より突出するバネ板からなる金属製爪１５ａを設けている。これにより、平板状固定片３１の板厚に関わらず、平板状固定片３１の幅方向の左右側面３１ａ、３１ｂにクリップ本体１２の左右閉鎖壁に設けた金属製爪１５ａを押し当てて平板状固定片３１を確実に挟持固定することができる。
【００２５】
図３および図４は本発明の第２実施形態を示している。
第２実施形態では、図３および図４に示すように、金属片２５の折り返し部分である金属製爪２５ａの突出端より切り込みを入れて、金属製爪２５ａを上中下分割片２５ａ−１、２５ａ−２、２５ａ−３に分断している点以外は第１実施形態と同様としている。
【００２６】
図４（Ｂ）に示すように、クリップ本体１２を取り付ける平板状固定片４１の板厚が小さい場合には、前記上中下分割片２５ａ−１、２５ａ−２、２５ａ−３のうち中段の分割片２５ａ−２を平板状固定片４１の幅方向の左右両側面４１ａ、４１ｂに押し当て、上下段の分割片２５ａ−１、２５ａ−３は撓み変形させずに平板状固定片４１の上面側および下面側にそれぞれ配置させることで、平板状固定片４１の幅方向の挟持固定と共に、クリップ本体１２内での平板状固定片４１の上下方向のガタつきも防止することができる。
【００２７】
図５は本発明の第３実施形態を示している。
第３実施形態では、平板状固定片５１の板厚を１ｍｍ程度とし、図５に示すように、平板状固定片５１の両側を上向きに屈曲させて凹状とし、屈曲させた左右外面５１ａ、５１ｂにクリップ本体１２内の金属製爪１５ａを押し当てて挟持固定する構成としている点以外は第１実施形態と同様としている。
【００２８】
前記のように平板状固定片５１の板厚が１ｍｍ以下と薄い場合には、平板状固定片５１の両側を上向きに屈曲させ、屈曲させた左右外面５１ａ、５１ｂにクリップ本体１２側の金属製爪１５ａを押し当てる方が挟持力を高めることができる。前記上向きへの屈曲幅（高さ）としては、金属製爪１５ａが屈曲させた左右外面５１ａ、５１ｂにしっかり押し当てられ、かつクリップ本体１２の開口１３に凹状の平板状固定片５１を挿入可能な屈曲幅（高さ）としている。
【００２９】
なお、本発明のワイヤハーネス用クリップは、本実施形態のように粘着テープＴを巻き付けてワイヤハーネスＷ／Ｈに固定する基板型のワイヤハーネス取付部１１を備えたワイヤハーネス用クリップ１０に限定されるものでなく、図６に示すような、ワイヤハーネスＷ／Ｈにバンド１１１を巻き付けて固定するバンド型のワイヤハーネス取付部１１０を備え、この上面にクリップ本体１２０を突出させたワイヤハーネス用クリップ１００でもよい。
【符号の説明】
【００３０】
１０、１００ ワイヤハーネス用クリップ
１１、１１０ ワイヤハーネス取付部
１２、１２０ クリップ本体
１３ 開口
１４ａ、１４ｂ 左右閉鎖壁
１４ｃ 支持壁部
１４ｄ 背面閉鎖壁
１５、２５ 金属片
１５ａ、２５ａ 金属製爪
２５ａ−１、２５ａ−２、２５ａ−３ 分割片
１５ｂ 折り返し基部
１６ 樹脂成形部
３０ 樹脂成形品（インストルメントパネル）
３１、４１、５１ 平板状固定片
５１ａ、５１ｂ 屈曲させた外面
【特許請求の範囲】
【請求項１】
樹脂成形品から凸状に突設した樹脂製の平板状固定片に取り付けるワイヤハーネス用クリップであって、
バンドタイプ又は粘着テープ巻きタイプのワイヤハーネス取付部と、該ワイヤハーネス取付部から突出するボックス状のクリップ本体とを一体的に設けた樹脂成形部を備え、
前記クリップ本体は、前記平板状固定片を挿入する開口を設けると共に、該開口を挟んで対向する幅方向に左右閉鎖壁を設け、該左右閉鎖壁の内面にバネ板からなる金属製爪を突設し、前記平板状固定片の幅方向の両側面に前記金属製爪を押し当てて挟持固定する構成としていることを特徴とするワイヤハーネス用クリップ。
【請求項２】
前記クリップ本体は前記開口と対向する背面を背面閉鎖壁にすると共に、該背面閉鎖壁の左右両端と連続する前記左右閉鎖壁の先端に前記開口の両側縁に突出する支持壁部を設ける一方、
前記背面閉鎖壁の内面から前記左右閉鎖壁の内面にかけて配置するコ字枠状とした金属片を嵌合し、該金属片の両端を前記背面閉鎖壁に向けた折り返し方向で且つ前記開口側に向けて傾斜させて突設し、該金属製爪の折り返し基部を前記支持壁部に押し当てて支承している請求項１に記載のワイヤハーネス用クリップ。
【請求項３】
前記金属製爪の突出端より切れ込みを入れて、上下分割片に分断している請求項１または請求項２に記載のワイヤハーネス用クリップ。
【請求項４】
前記金属製爪が押し当てられる前記平板状固定片の板厚が１ｍｍ以下であると、平板状固定片の両側を上向き又は下向きに屈曲させ、該屈曲させた外面に前記金属製爪を押し当てて挟持する構成としている請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記載のワイヤハーネス用クリップ。
【請求項５】
自動車に配索されるワイヤハーネスに取り付け、自動車に設置されるインストルメントパネルまたはセンタコンソールパネルからなる樹脂成形品から突設した前記平板状固定片に取り付けるものである請求項１乃至請求項４のいずれか1項に記載のワイヤハーネス用クリップ。
【請求項１】
樹脂成形品から凸状に突設した樹脂製の平板状固定片に取り付けるワイヤハーネス用クリップであって、
バンドタイプ又は粘着テープ巻きタイプのワイヤハーネス取付部と、該ワイヤハーネス取付部から突出するボックス状のクリップ本体とを一体的に設けた樹脂成形部を備え、
前記クリップ本体は、前記平板状固定片を挿入する開口を設けると共に、該開口を挟んで対向する幅方向に左右閉鎖壁を設け、該左右閉鎖壁の内面にバネ板からなる金属製爪を突設し、前記平板状固定片の幅方向の両側面に前記金属製爪を押し当てて挟持固定する構成としていることを特徴とするワイヤハーネス用クリップ。
【請求項２】
前記クリップ本体は前記開口と対向する背面を背面閉鎖壁にすると共に、該背面閉鎖壁の左右両端と連続する前記左右閉鎖壁の先端に前記開口の両側縁に突出する支持壁部を設ける一方、
前記背面閉鎖壁の内面から前記左右閉鎖壁の内面にかけて配置するコ字枠状とした金属片を嵌合し、該金属片の両端を前記背面閉鎖壁に向けた折り返し方向で且つ前記開口側に向けて傾斜させて突設し、該金属製爪の折り返し基部を前記支持壁部に押し当てて支承している請求項１に記載のワイヤハーネス用クリップ。
【請求項３】
前記金属製爪の突出端より切れ込みを入れて、上下分割片に分断している請求項１または請求項２に記載のワイヤハーネス用クリップ。
【請求項４】
前記金属製爪が押し当てられる前記平板状固定片の板厚が１ｍｍ以下であると、平板状固定片の両側を上向き又は下向きに屈曲させ、該屈曲させた外面に前記金属製爪を押し当てて挟持する構成としている請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記載のワイヤハーネス用クリップ。
【請求項５】
自動車に配索されるワイヤハーネスに取り付け、自動車に設置されるインストルメントパネルまたはセンタコンソールパネルからなる樹脂成形品から突設した前記平板状固定片に取り付けるものである請求項１乃至請求項４のいずれか1項に記載のワイヤハーネス用クリップ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２０１２−７２８２１（Ｐ２０１２−７２８２１Ａ）
【公開日】平成２４年４月１２日（２０１２．４．１２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２１７１６１（Ｐ２０１０−２１７１６１）
【出願日】平成２２年９月２８日（２０１０．９．２８）
【出願人】（０００１８３４０６）住友電装株式会社 (6,135)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年４月１２日（２０１２．４．１２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年９月２８日（２０１０．９．２８）
【出願人】（０００１８３４０６）住友電装株式会社 (6,135)
【Ｆターム（参考）】
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