説明

ワークの内面を処理する装置

【課題】放射線の短い露出時間でもワークの内面を処理できる処理装置および処理方法を提供することにある。
【解決手段】ビーム(P、P’、I)と、該ビーム(P、P’、I)を発生する少なくとも1つの発生ユニット(2、20、41、62)と、該少なくとも1つの発生ユニット(2、20、41、62)を一回転軸線(13、34、47、63、87、93)の回りで回転させる駆動ユニット(45、86、94)とを有し、前記少なくとも1つの発生ユニット(2、20、41、62)が、発生されるビーム(P、P’、I)を、処理すべき表面(O)に向かう優先方向(V、V’、V”、V’’’、V’’’’)に指向させるように設計されている、ワーク(W)の内面(O)を処理する装置(1、20、40、60、80、90)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線を発生する少なくとも1つの発生ユニットと、該少なくとも1つの発生ユニットを一回転軸線の回りで回転させる駆動ユニットとを有し、放射線を放射する前記少なくとも1つの発生ユニットが、処理すべき表面に向かう優先方向をもつように構成されている、放射線によりワークの内面を処理する装置に関する。また本発明は、特にこの形式の装置を用いて、放射線によりワークの内面を処理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ放射線またはコロナ放電を用いた上記形式の表面処理装置は、多くの用例から既に知られている。しかしながら、これらの用例では、特に外面が処理される。既知の方法を適用することにより、既知の装置により内面も処理できる。しかしながら、処理の結果は満足できるものではないか、所要処理時間が極めて長いものである。
【0003】
従来技術、例えば下記特許文献1から、ワーク表面の均一で強いコロナ放電処理を行う装置が知られている。この作動原理は、処理すべき表面と同じ側に配置される2つの電極間に、既知の態様でコロナ放電が発生されるという事実に基づいている。処理すべき表面の方向を向いたガス流(このガス流内にスパークチャネルが形成される)により、処理すべき表面に向かうスパークチャネルが最終的に変形され、このため、スパークチャネルまたは個々のスパークが、処理すべきワークの表面に衝突する。均一な表面とは異なり、多くの凹部をもつワークの処理は不可能であるか、不充分な処理が行えるに過ぎない。
【0004】
プラズマビームを発生させる装置、いわゆる「プラズマノズル」は、既に従来技術から知られており、例えば下記特許文献2にはノズルを備えたプラズマビーム発生器が開示されている。ノズル開口には環状電極が配置されている。ノズルの凹部には、ノズル開口と同心状にピン電極が配置されている。ピン電極と環状電極との間には、高周波電圧発生器によりアーク放電が発生される。作動中、作動ガスがプラズマノズルを通って流れる。作動ガスは、旋回器によりプラズマノズル内で旋回される。ノズル内で作動ガスを旋回させることにより、アーク放電が、ピン電極からノズル開口に向かうノズル内で同心状に、渦コアに沿って確実に案内され、ノズル開口で環状電極上に半径方向に扇状に拡散される。作動ガスは、アーク放電により励起されてアーク放電から分離されたプラズマビームを形成し、該プラズマビームは、残りの作動ガスと一緒にノズル開口から放射される。
【0005】
この形式の他の装置では、プラズマビームを発生させる少なくとも1つの電極対がノズルの側壁に設けられている。この場合、ノズルの一方側から他方側にアーク放電が発生される。電極対の電極配置、したがってアーク放電は、ガス入口からガス出口へと流れる作動ガスを横切るように配向される。したがって、ノズルを通って流れる間に、ピン電極だけでなく作動ガスのいずれも旋回させる必要がない。少なくとも一つの電極対の2つの電極間のアーク放電が、作動ガスが流れる断面内に形成されることが確保されるだけでよい。
【0006】
上記形式のプラズマノズルの単一プラズマビームを使用するとき、プラズマビームの直径が小さいため、一度に処理できるのはワークの小さい領域に過ぎず、このため、ワークは全体としてストライプ状に処理されてしまう。プラズマノズルを用いてワーク表面の幅広ストリップを処理するには、回転軸線に対して平行にかつ偏心して他のプラズマノズルを配置して、プラズマノズルを回転させることにより、実際に、処理すべきワーク表面に向かって垂直に向いた大きい直径のプラズマビームを形成する必要がある。或いは、複数のプラズマノズルを互いに一列に並べて配置することもできる。均一なプラズマ処理が確保されるように、プラズマノズルを互いに複数の列に配置し、隣接する列のプラズマノズルを互いにオフセットさせて配置することもできる。
【0007】
ワークをコーティングし、ラッカー塗布または接着すべき場合に、特にプラスチック材料で作られたワークの表面から不純物を除去し、かつ処理表面が接着剤、ラッカー等の液体で濡れるように分子構造を変えるため、ワークを、例えばプラズマ予処理またはコロナ放電処理するのに上記形式のコロナ放電処理するプラズマノズルおよび装置が使用される。また、適当な予処理を行うことにより、溶接を妨げる表面層を形成する傾向を有する導電性ワークの溶接性を向上させることができる。プラズマ予処理は、通常、低温で行われる。
【0008】
また、上記形式のプラズマノズルはワークのプラズマコーティングに使用できる。プラズマコーティングでは、コーティング材料すなわち前駆物質をプラズマに供給する必要がある。しかしながら、ワークのプラズマ予処理には、優れた効果をもつ添加物質を使用することもできる。これらの物質はプラズマビームと一緒に、処理すべき表面に供給され、プラズマエネルギにより引き起こされる所望効果、例えば表面上への薄層の堆積を達成できる。
【0009】
上記2つの形式のプラズマノズルにおいてプラズマを発生させるには、高周波高電圧が電極に印加される。この電圧は、一方の電極から他方の電極への放電が作動ガスを貫通して、放電経路に沿って作動ガスをイオン化できるように高くなくてはならない。このため放電経路は、通常、特定速度で流れる作動ガスが、所望のプラズマ強度を達成するのに充分な長い放電によりイオン化されるように選択される。
【0010】
上記形式のプラズマノズルを用いることにより、プラズマビームは、ワークの処理すべき表面に垂直に向けられ、平らなワークは容易に処理できる。しかしながら、ワークが大きい凹部を有する場合には、列をなして配置されたプラズマノズルを用いてもこれらの凹部の内面に適正に到達できない。この問題は、プラズマビームの露出時間を長くすることにより補償されるが、生産性が低下される。
【0011】
コロナ放電処理装置も交流電圧により作動される。このため、電圧は、コロナ放電に必要な電界強度を発生させるのに充分な高電圧になる。コロナ放電により発生されるスパーク、したがってこれにより形成されるイオン放射線は、既知の装置を用いて、均一または不均一な表面に容易に向けられる。しかしながら、ワークの内面は処理されないか、処理されるにしても不充分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許EP 0 497 996 Al号公報
【特許文献2】ドイツ国特許DE 195 32 412 C2号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって本発明が解決すべき技術的問題は、放射線の短い露出時間でもワークの内面を処理できる上記形式の装置および方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記技術的問題は、特許請求の範囲の請求項1の前提部に記載の上記形式の装置であって、少なくとも1つの発生ユニットをワーク内に挿入すべく前記少なくとも1つの発生ユニットに連結されたアームが設けられており、回転軸線および優先方向が互いに傾斜していることを特徴とする装置により達成される。
【0015】
上記技術的問題は、請求項9に記載の上記形式の方法によっても解決され、この方法では、アームに連結された少なくとも1つの発生ユニットが、アームによりワーク内に挿入され、少なくとも1つの発生ユニットが、駆動ユニットにより一回転軸線の回りで回転され、少なくとも1つの発生ユニットが、放射線を、前記回転軸線に対して傾斜した優先方向をなして表面上に放射する。
【0016】
より詳しくは、発生ユニットをワークの開口内に挿入するアームは、ノズルユニットに比べて細く、ほぼロッド状の形状を有している。しかしながら、原則的に、他の形状のアームも可能であり、したがって、アームは突出部、より詳しくは発生ユニットの突出部の形態に構成することもできる。いずれにせよ、アームは、発生ユニットをワークの開口内に挿入できるように構成される。
【0017】
本発明の範疇において、内面とは、極く一般的に、ワークの凹部の表面であると理解すべきである。凹部とは、ワーク表面の単なる不均一部であると理解すべきではなく、ワークの外面から内部にオフセットした表面であると理解すべきである。より詳しくは、開口、ボア、孔、ブラインド孔、ブラインドボアおよびアンダーカットにより形成される表面が該当する例であり、より詳しくは、例えば自動車等の車両の内燃機関のシリンダの内面がある。ワークの開口は、内面と外面との間の境界であると考えるのが好ましい。開口が凹部により形成されない場合には、凹部も内面を形成しない。この場合には、凹部の表面がワークの外面の一部となる。
【0018】
かくして、本発明による装置がアームを有し、該アームにより、放射線発生ユニットがワークの近傍に配置されるだけでなくワークの開口内(この開口は外面と内面との間の遷移部により形成される)にも挿入される構成である場合には、本発明は、重要な内面が本発明の装置により良く処理されることを確実なものとした。例えば、本発明の装置は、いかなる場合でも、発生ユニットと一緒にワークの開口内に「下降」されかつ適当な高エネルギ放射線を用いて、近接して後方に位置する内面を処理する。したがって、発生ユニットは、通常のように、コロナ放射線またはプラズマ放射線の発生のためにワークから例えば或る距離に配置されるのではなく、ワークの表面上でワークに対して移動される。
【0019】
高エネルギ放射線を用いてワークの内面の大部分に直接到達するように、発生ユニットも一回転軸線の回りで回転される。より詳しくは、これはまた、発生した高エネルギ放射線の優先方向が回転軸線に対して傾斜して配向されることによっても達成される。かくして、内面もまた放射線により強く処理される。この内面は、例えば自動車のシリンダボア等のボア孔の場合におけるように、ワークの表面の開口の外側の外面に対してかなり傾斜される。
【0020】
ワークを装置の回りで回転させることもできることはもちろんであるが、これは、非常に複雑になるためそれほど好ましいものではない。
【0021】
用途によっては、優先方向と回転軸線との間の角度は25〜90°が好ましいが、特に好ましくは約45〜90°である。これにより、多くの場合に、例えばプラズマ放射線またはコロナ放電の結果としてのイオン放射線の形態をなす放射線により、表面を満足いくように処理できる。
【0022】
他の教示によれば、回転軸線は、いずれの場合にも、放射線の優先方向に対して実質的に直角に配置される。対応装置を用いることにより、ワークの外面に通じていないボアすなわちブラインドボアを特に有効に処理できる。例えばこの場合には、回転軸線は、ボアまたは孔の中心線に対して平行に、より詳しくは中心線と一致するように配置される。後者の場合には、特に簡単かつ均一な態様で内面の処理を行うことができる。
【0023】
例えばブラインドボアの壁領域およびベース領域の内面を均一に処理するには、優先方向を発生手段の回転軸線に対して約45°の角度にするのが好都合である。
【0024】
種々のワークの処理に関する装置の多用性以外に特に好都合なことは、アームおよび少なくとも1つの発生ユニットが継手態様で相互連結されていることである。これにより、一方では装置を最適に調節でき、他方では、発生ユニットを、考慮に入れるべきワークの幾何学的形状に基づいて、アームに対して好ましくは連続的に後方および/または前方にピボット運動させることができる。これにより、放射線例えばプラズマ放射線またはコロナ放電の結果としてのイオン放射線は、処理すべき表面が内面であるか外面であるかを問わず、またはブラインド孔の壁領域であるかベース領域であるかを問わず、いつでも処理すべき表面に向けて実質的に垂直に向けられる。対応表面は、同程度に効率的に処理できる。回転軸線は、放射される高エネルギビームの優先方向に対して或る角度範囲内で、好ましくは0〜90°の範囲内で変えることができる。
【0025】
したがって、単一装置を使用してブラインド孔またはブラインドボアの内面の処理を行うこともできる。例えば、ブラインド孔またはブラインドボアのベース領域を処理すべき場合には、優先方向は回転軸線に対して平行(角度=0°)に配向される。コロナ放電を用いるときは、少なくとも1つの発生ユニットの回転が依然として望まれる。特にプラズマ放射線を用いる場合には、必要に応じて、発生ユニットを回転させなくてもよい。したがって、少なくとも1つの発生ユニットの回転は、例えば、発生ユニットに関する回転軸線の位置に基づいて行われる。これに対し、ブラインド孔またはブラインドボアの残りの内面を予めまたは後で処理すべき場合には、優先方向は、回転軸線に対して傾斜して(角度≠0°)、より詳しくは回転軸線に対して直角に配向される(角度=90°)。
【0026】
高エネルギ放射線、例えばプラズマ放射線またはコロナ放電の結果としてのイオン放射線を用いてブラインド孔またはブラインドボアの内面を処理するのに、上記方法の代わりにまたは上記方法に加えて、2段階方法を使用することもできる。この方法では、例えば第1段階ではブラインド孔のベースは、少なくとも第1発生ユニットを用いて処理できる。このために回転発生ユニットを使用することは、絶対的に必要なことではない。また、特に、ブラインドボアまたはブラインド孔の開口断面が深さに比べて小さい場合には確かに好ましいことではあるが、ブラインド孔またはブラインドボアの開口を通してワーク内に発生ユニットを挿入するのに、発生ユニットをアームに固定することはどうしても必要というものでもない。
【0027】
少なくとも1つの発生ユニット、例えば第1発生ユニットの優先方向は、ブラインド孔またはブラインドボアのベースに対して実質的に垂直に配向される。ブラインド孔またはブラインドボアの内面の残りの領域は、例えば、他の装置とは異なり本発明にしたがって構成された装置を用いて、第2段階の前または後に処理される。1つの装置では、1つの処理段階でワークの外面を処理しかつブラインド孔またはブラインドボアのベースの領域内のワークの内面を処理することを考えることもできる。少なくとも1つの発生ユニットの作動モードでは、ブラインド孔またはブラインドボアへの発生ユニットの配向が次第に消失すると、外面または内面の一部が処理されているか否かを識別することはできない。
【0028】
装置の他の構成では、一回転軸線の回りでアームを回転させる駆動ユニットが設けられており、該駆動ユニットは付加駆動ユニットまたは発生ユニットを回転させる駆動ユニットである。例えばこの場合には、発生ユニットは、アームの回転により回転させる。この場合には、発生ユニットの回転軸線とアームの回転軸線とは一致する。しかしながら、両軸線は、互いに或る距離を隔てて配置しおよび/または互いに或る角度をなして配置することができる。
【0029】
より詳しくは、ワーク内に深く延びる内面を処理するため、表面処理中に少なくとも1つの発生ユニットの進入深さを変えることを可能にする変位手段を設けることができる。この場合には、発生ユニットは、処理すべきワーク内に導入されおよび/またはここから段階的または連続的に取出される。一方、内面は、発生ユニットの回転の結果として、環状または螺旋状に処理される。したがって発生ユニットをワークの進入深さに適合させる必要はなく、このため装置および方法の両方の多用性が改善される。
【0030】
また、発生ユニットとワークの処理すべき表面との間の空間からガスを吸引する吸引手段が設けられていてもよい。かくして、処理すべき表面にくっ付いた物質はガス流により除去される。これは、表面処理にコロナ放電を使用する場合に特に好ましい。なぜならば、発生ユニット内にガス流が全く発生されないからである。いずれにせよ、表面から除去された物質の排出を改善するため、プラズマ放射線に加えて吸引力を付与することができる。
【0031】
特に好ましい教示形態では、ワークの内面はプラズマビームの形態をなすプラズマ放射線により処理される。プラズマビームは、ノズルユニットの形態をなす発生ユニットにより発生される。この目的のため、ノズルユニットは、少なくとも1つのノズル内部を有している。ノズルユニットはまた、ノズル内部に作動ガスが流入するためのガス入口と、ワークの表面に向かって優先方向に作動ガスを排出させるガス出口とを有している。これにより、放射される作動ガスは、ノズル内部を通るときに、ガス出口を流出する作動ガスがプラズマビームを形成するように変化される。この教示形態では、ノズルユニットは、駆動ユニットによりそれぞれの回転軸線の回りで回転される。
【0032】
プラズマビームとは、それぞれ中性励起原子または分子に加えてイオン化された原子または分子を有する反応媒体のビームであると理解すべきである。励起されるかイオン化された粒子は、処理すべき表面と強く相互作用し、このため、表面が予処理される。本発明によれば、プラズマビームは、好ましくは、ノズルユニットの少なくとも2つの電極間のアーク放電により発生される。
【0033】
したがって、表面の選択的プラズマ処理を達成するため、プラズマビームは、好ましくは、放電スパークが伝送されないように、すなわちポテンシャルフリーで表面に伝送されることが好ましい。プラズマビームおよび放電スパークの両方が表面と相互作用する組合せ処理が望まれる場合には、この組合せ処理は、ノズルユニットの同一構造または作動モードにより行うことができる。したがって、ノズルユニットの寸法を内面のアクセス不可能な領域も処理できる小さい寸法にすべく、純粋なプラズマ放射線の方が望ましい場合でも、処理すべき表面へのプラズマビームおよび放電スパークのこの組合せ効果は許容できるものである。換言すれば、これが他の理由から望まれるか、許容できるものである場合には、必要に応じて、ポテンシャルを放射線と一緒に伝送できる。
【0034】
用語「アーク放電」とは、本願の範囲内で、現象論的に光のアークであると理解すべきである。これは、プラズマ発生用電極に印加される電圧が連続直流電圧ではないことを意味する。
【0035】
それどころか、プラズマは高周波電圧、より詳しくは高周波交流電圧により発生される。しかしながら、励起電圧の周波数は非常に高いものが選択され、観察者は発光現象により、連続直流電圧により発生される放電のいかなる差異をも視覚的に確認できないので、本願では、単にアーク放電のみをいうものとする。
【0036】
プラズマビームを発生させるべくノズルユニットの電極に印加される高周波電圧は、例えば、極性が変化する交流電圧であるか、1つのみの極性の電圧レベル(この場合、電圧レベルは2つのレベル間で変化する)を有するパルス型直流電圧であると理解される。結局は、パルス型直流電圧は、一定の直流電圧部分により重畳された交流電圧である。周波数は、10〜100kHzの範囲内にあるのが好ましい。しかしながら、この範囲から逸脱することもできる。したがって、ピーク・ピークで測定した電圧の振幅は約1〜40kVである。しかしながら、これらの値も大小方向に逸脱できる。
【0037】
ノズルユニット内で作動ガスを使用する場合、作動ガスの供給ラインのアームを、該アームを形成するのに別のコンポーネントを全く必要としない態様で形成するのが特に好都合である。
【0038】
本願の範囲内で、プラズマ発生用の「作動ガス」という用語は、例えば窒素のような適当な単一成分ガス、並びに例えば空気、フォーミングガス、CO、アセチレン/N混合物、またはプラズマの発生に適した他の任意のガス混合物のような多成分ガス混合物を含んでいる。
【0039】
処理すべき内面に対して30mmより小さい、好ましくは20mmより小さい、より詳しくは10mmより小さいガス出口の距離で満足できる表面処理ができるように、上記構成に代えて、または上記構成に加えて、少なくとも1つのノズルユニットを使用することができる。この場合には、プラズマビームにより、寸法的に幅狭の領域も最適に処理できる。また、好ましくは回転軸線の回りで完全回転する間に、処理すべきそれぞれの内面に対する距離が一定に維持される。換言すれば、回転軸線は、内面を形成する凹部の中心線と同心状に配向されるのが好ましい。これは、特に、例えば自動車ユニットのシリンダボアのような回転対称ボアの処理を行うのに適している。
【0040】
例えば自動車の内燃機関のシリンダ内面のような比較的幅狭の凹部を処理する装置を使用するには、装置、特にノズルユニットの寸法が大き過ぎないことが好ましい。いずれにせよ、ノズルユニットはワークの開口内に嵌合されて、開口内で回転できなくてはならない。他の構成では、ノズルユニットは、回転軸線に対して垂直な方向に、最大で約80mm、好ましくは40mm延長できる。更に好ましくは、ノズルユニットの最大寸法は、その方向の如何にかかわらず、最大で80mm、好ましくは40mmにすべきである。これにより、最小で90mm、より詳しくは50mmの内径を有するシリンダ等をプラズマビームで容易に処理できる。また、装置に全く変更を加えることなく、少なくとも1つのノズルユニットが、約150mm、好ましくは約250mmの内径を有するシリンダ等を処理できるように、ガス出口と処理すべき表面との間の広範囲の処理距離に亘るそれぞれの表面を処理することを可能にする。
【0041】
装置の他の構成では、回転軸線に対して垂直な方向でのノズルユニットの最大延長を、回転軸線に対して垂直な方向でのノズルユニットのガス出口と回転軸線との間の距離より大きくできる。上記最大寸法は、回転軸線からの上記距離の約2倍であるのが好ましい。かくしてノズルユニットはまた、ノズルユニットの寸法に比べて特に小さいワークの開口内に置くこともできる。したがって、各場合に、ノズルユニットは、回転軸線に対してガス出口の方向および反対方向にほぼ同じ寸法を有することが好ましい。
【0042】
構造的に簡単な構成では、少なくとも1つのノズルユニットのガス入口およびガス出口が、優先方向に実質的に一致するライン上に位置するように構成される。したがって、プラズマ放射線はできる限り効率的に使用される。
【0043】
これに代えてまたはこれに加えて、作動物質、より詳しくはコーティング物質または前駆物質を少なくとも1つのノズルユニットのノズル内部に少なくとも間接的に供給する少なくとも1つの供給装置が、本発明の装置または方法にしたがって設けられる。かくして、種々の形式のワーク表面の処理が可能になる。供給装置の使用により、少なくとも1つの物質を作動ガスおよび/またはプラズマビームに供給できる。したがって、供給は、例えば射出により能動的に、または例えば毛管作用および蒸発を用いて受動的に行われる。前記少なくとも1つの物質は、供給過程で固体、液体および/またはガス状のいずれでもよい。考えられる物質として、コーティングまたはプラズマ重合に適したものがある。例えば、この物質は、複数の成分がプラズマビーム中で互いに結合して実際に望まれる物質例えば化学反応生成物を形成する前駆物質すなわち多成分物質である。他の用例として、水蒸気がノズルユニットに添加され、蒸気の水分がプラズマビーム中で酸素と水素とに変換されるようにしたものが考えられる。
【0044】
装置には、少なくとも1つの物質の供給がガス入口の領域内で行われるようにしてプラズマビームを発生させる少なくとも1つの供給装置を配置できる。しかしながら、供給は、アーク放電が現れる領域内で行うこともできる。また、供給は、ガス出口の領域内またはハウジングの外部でも行うことができる。
【0045】
少なくとも1つの物質がプラズマビームと接触することが重要である。
【0046】
他の構成では、各々がノズル内部を備えた少なくとも2つのノズルユニットを設けることができる。これにより、同じ時間内でより広い表面を処理でき、または所与の表面をより強く処理できる。
【0047】
この点において、前記少なくとも2つのノズルユニットの各々がノズル内部からプラズマビームを流出させるガス出口を有し、プラズマビームは、ガス出口から流出し、全てのプラズマビームが異なる優先方向を有している。この場合、ワーク表面の異なる領域の各々が、設けられたノズルユニットにより特定瞬間に処理される。
【0048】
しかしながら、特に2つのノズルユニットを用いる場合には、プラズマビームの優先方向を互いに平行に配向できる。これにより、プラズマビームがガス出口から同じ側に放射される場合に、プラズマビームの事実上の拡大がもたらされる。他の構成では、特に2つのノズルユニットの優先方向は、平行ではあるが反対側に配向される。かくして、例えばワークのボア表面の前方領域および後方領域を、常に同時的に処理できる。
【0049】
プラズマビームを発生させるノズルユニットは、実質的に中空シリンダの形状をなすのが好ましい。この構成では、作動ガスの流れ方向に対して横方向の前記少なくとも2つの電極は、互いに直径方向間隔を隔てたハウジングの側壁内に一体化される。また、ガス入口およびガス出口は、互いに間隔を隔てて中空シリンダの対向端面に配置できる。
【0050】
プラズマビームを発生させる装置の他の構成では、装置は、前記少なくとも2つの電極に接続された少なくとも1つの電源を有している。高周波電圧、特に高周波交流電圧を発生できる電源が特に好ましい。
【0051】
高周波電圧、より詳しくは高周波交流電圧は、非熱(ノンサーマル)プラズマの発生に使用されるのが好ましい。高周波電圧の電圧振幅の値は、規則的時間間隔での放電発生に必要な特定値より小さい値に低下するので、電圧振幅の値がその後再び放電発生に必要な特定値を超え、したがって再び放電を形成するまで、放電が停止される。この規則的点火および放電の停止は、放電に必要なエネルギの小さい部分のみが熱に変換されるという効果がある。したがって、作動ガスおよびプラズマの温度上昇が制限される。かくして、高周波電圧はまた、パルス型直流電圧まで一定の直流電圧により重畳される交流電圧として構成される。しかしながら、高周波電圧の本質的特徴は高い周波数にあり、電圧レベルの極性にあるのではない。
【0052】
上記装置および方法により発生されるプラズマビームは、例えば、ワークの表面のコーティングを除去するときに使用できる。例えば、有機物質の層例えばラッカーのコーティングは、この形式のプラズマビームを用いてワークの表面から除去される。有機物質は、好ましくは低温で熱分解されおよび/または昇華される。しかしながら、この形式のプラズマビームを用いて、無機層を除去することもできる。
【0053】
また、上記装置および方法により発生されるプラズマビームは、ワーク表面の予処理にも使用できる。例えば、ワーク表面の接着性および/または濡れ性を改善でき、より詳しくは表面を活性化できる。この形式のプラズマビームによる予処理を用いて、ワーク、より詳しくは酸化物層および水酸化物層が設けられた金属ピースまたは金属合金ピースの溶接性を改善することができる。
【0054】
本発明の教示の他の構成では、発生される放射線は、本発明の意味内の放射線として理解されるイオン放射線、好ましくはコロナ放電である。発生ユニットからの放射線は、処理すべき表面の方向すなわち優先方向に向けられることを考えることができる。したがって、発生ユニットは、好ましくは交流電圧により衝突される少なくとも1つの電極を有している。必要ならば、この少なくとも1つの電極は、特に接地されたカウンタ電極としてワークと相互作用する。しかしながら、いずれにせよ、コロナ放電はまた、発生ユニットとワークの処理すべき表面との間の中間空間内にも発生される。中間空間は、小さい幅、例えば5mmより小さい、特に3mmより小さい幅を有するのが好ましい。
【0055】
優先方向は、コロナ放電がその方向に関して均質に放射するか否か、例えば均一構造の電極から放射するか否か、または湾曲構造から種々の方向に放射するか否かに基づいて種々の見方がある。第1の場合には、局部的に決定されるべき放射方向と実質的に同一の単一の平均優先方向がある。第2の場合には、コロナ放射線は一列の個々の放射線であると考えることができ、各放射線は、特別に平均化されたほぼ代表的な優先方向を有している。
【0056】
優先方向に関しては、イオン放射線を発生させるのに、プラズマ放射線ではなくコロナ放電を使用する場合に、優先方向が理論的方向を表わすものであるが、この理論的方向は、電極の形状および発生ユニットの形状から、当業者の意図したコロナ放電の方向として容易に得られるものである。したがって、電流の方向は重要ではなく、正のコロナまたは負のコロナの優先方向は、常に、処理すべき表面に対する電極から定められる。
【0057】
かくして、コロナ放電の方向または実際に適用するイオン放射線の方向は、使用される装置に基づくだけではなく、それぞれの電極に対する、浄化すべき表面の形状に基づいて定められるという状況を考慮に入れるべきである。装置の特徴は、実際の使用の如何にかかわらず、優先方向の定義により評価すべきである。
【0058】
コロナ放電を発生する発生ユニットを使用する場合には、この発生ユニット、より詳しくは発生ユニットの少なくとも1つの電極が、処理すべき表面から短い距離、すなわち少なくとも1つの電極と比較的厳格でない表面との間の非常に短い処理距離に移動される。これに対し、最大処理距離は、装置の作動パラメータ、より詳しくは電界強度したがって少なくとも1つの電極に印加される電圧および周波数に強く基づいて定められる。実際に、ワークの寸法の差異は、ノズルユニットを備えた装置に比べ、コロナ放電を発生させる所与の発生ユニットを備えた装置の方がかなり厳格である。コロナ放電を使用する場合には、完全回転中に処理距離が偏寄し過ぎないように大きい注意を払わなくてはならない。
【0059】
処理すべきワークの内面に最も良く適合させるため、少なくとも1つの電極は、ロッド状、円筒状、管状、ディスク状または環状にすることができる。
【0060】
ワークの処理すべき内面のより大きい表面処理が達成されるようにするため、使用される電極の数を増大させることができ、および/またはコロナ放電を発生させるための複数の別々の発生部分を備えた少なくとも1つの電極を使用できる。かくしてコロナ放電は電極の少なくとも2つの異なる位置から放射され、ワークの内面に向けられる。発生部分は、好ましくは電極の隣接部分に対して突出しており、または発生部分がコロナ放電を形成するのに特に適するように構成された偏寄絶縁体(deviant insulation、abweichende Isolierung(英、独訳))からなる。
【0061】
これにより、少なくとも2つの発生部分は、少なくとも1つの電極の周囲および/または長さに亘って任意に分散配置できる。ロッド型電極の場合には、電極の長さに沿う分散が特に好都合であり、一方、ディスク状、環状、管状および/または円筒状電極の場合には、周囲に沿う発生部分の分散が特に有利である。
【0062】
この点に関し、星型電極を設けることもでき、星型電極は、星型の先端部にコロナ放電を形成することができる。表面処理中に、星型電極が回転するので、周囲に亘って分散された、表面の均一処理を達成できる。
【0063】
コロナ放電を発生させる発生ユニットを使用するとき、上記形式の作動物質を供給することもできる。作動物質は、次に、発生ユニット、より詳しくは少なくとも1つの電極とワークの表面との間の中間空間内に入れられる。
【0064】
他の構成では、コロナ放電を発生させる少なくとも1つの発生ユニットに少なくとも2つの電極を設けることができる。これにより、同じ処理時間内でより大きい表面を処理でき、または所与の表面をより強く処理できる。この場合、イオン放射線を2つの電極から互いの優先方向に放射できる。両優先方向は、少なくとも2つの電極からなる発生ユニットの回転軸線に対して傾斜していることが好ましい。
【0065】
例えば2つのロッド状電極は、回転軸線から等距離に配置でき、好ましくは回転軸線と同心状に配置された事実上の円筒の周囲に亘って均一に配置する。同心状ボアを処理するときは、両電極は表面から等距離に配置され、各電極は内面の他の部分の処理を行う。しかしながら、電極は、円筒状、管状または環状にすることもできる。かくして、好ましくはワークの表面を向いて、電極の全周に亘って電極を包囲するコロナ放電、または全周すなわち360°に亘って分散された優先方向を有する放射線が形成される。
【0066】
コロナ放電を発生させる装置の他の好ましい構成では、装置は、交流電圧の形態をなす高電圧を少なくとも1つの電極に印加する少なくとも1つの電源を有している。この電源に課される条件は、個々の場合に、それ自体は既知の形態で与えられる。
【0067】
上記装置の他の可能な用途として、コロナ放電またはプラズマビームを用いた表面の浄化、消毒または他の殺菌がある。この形式のプラズマビームまたはコロナ放電の適用により、反応媒体例えば高エネルギ放射線を表面に接触させることができる。反応媒体として、プラズマは、高い電子励振により高い反応性を有するが、非熱(ノンサーマル)特性を有している。例えば、高い反応性は、表面の浄化または消毒に使用できる。プラズマビームを用いた処理中に、処理すべき表面上の細菌は、電子の反応性の結果として、少なくとも一部が好ましくは殆どが死滅される。プラズマが非熱的特性を有する場合には、表面の熱負荷が同時に低く維持される。例えば医療品工業または食品工業においてプラズマビームを適用することもできる。
【0068】
以下、本発明の実施形態を示すに過ぎない添付図面を参照して、本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明による装置の第1実施形態のノズルユニットを示す概略断面図である。
【図2】本発明による装置の第2実施形態のノズルユニットを示す概略断面図である。
【図3】ノズルユニットを使用した本発明による装置の第3実施形態を示す概略断面図である。
【図4】ノズルユニットを使用した本発明による装置の第4実施形態を示す概略平面図である。
【図5】コロナ放電を発生させる2つの電極を使用した本発明による装置の第5実施形態を示す概略側面図である。
【図6】図5の実施形態のVI−VI断面に沿う概略断面図である。
【図7】コロナ放電を発生させる1つの電極を使用した本発明による装置の第6実施形態を示す概略側面図である。
【図8】図7の実施形態のVIII−VIII断面に沿う概略断面図である。
【図9】コロナ放電を発生させる1つの電極を使用した本発明による装置の第6実施形態を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図1は、プラズマビームPを用いてワーク表面Oを処理する本発明による装置1の第1実施形態の一部を示す概略図である。図1の詳細図では、ノズル内部3を包囲しているノズルユニット2が示されている。ノズルユニット2の一端にはガス入口4が配置され、他端にはガス出口5が配置されている。ガス入口4の流路断面は、ノズル内部3の流路断面に比べて小さい。この例では、ガス出口5は、ガス入口4から離れた、ノズルユニット2の端面の中央円形ボアによりノズルユニット2とワンピースに形成されている。ガス入口4とガス出口5との間のノズルユニット2の側壁領域には、ノズル内部3に関連する2つの電極6、7が、互いに直径方向に間隔を隔てて配置されている。
【0071】
両電極6、7は、高周波電圧、より詳しくは高周波交流電圧を発生する電源8に電気的に接続されている。ノズル内部3の流路断面は、両電極6、7が配置された領域から、ガス出口5の領域までテーパしており、この部分ではノズルユニット2の側壁が湾曲している。また、ガス出口5の流路断面も、ガス入口4の流路断面に比べて小さい。
【0072】
図1に示すノズルユニット2の作動中、作動ガス(例えば空気)が、ガス入口4を通ってノズルユニット2内に導入され、ノズル内部3を通って大部分がその中心軸線にほぼ平行に流れ、次に、収斂態様でガス出口5を通り、これもノズル内部3の中心軸線に平行な優先方向Vに沿ってノズル内部3から出る。
【0073】
両電極6、7間には、電源8により高周波電圧が印加される。より詳しくは、周波数は約1〜100kHzの値を有し、一方、ピーク・ピーク値で測定した電圧値は約0.5〜30kVである。この電圧により、両電極6、7間の作動ガス中に「光アーク(light arc、Lichtbogen(英、独訳))」9が形成されることが確保され、このアークに沿って少なくとも一部の作動ガスがイオン化され、したがって励起されてプラズマを形成する。作動ガスがノズルユニット2を通る流れ方向Rに沿って流れる結果として、作動ガス中に最小電気抵抗を呈する作動ガスのイオン化部分がガス出口5の方向に形成され、これに対応して「光アーク」9が形成される。
【0074】
「光アーク」9に沿って形成されたプラズマは、次に、作動ガスの流れすなわち整合しかつ束になったプラズマビームPとして、ビームのような形態でガス出口5から優先方向Vに流出される。かくして、この図面から理解されようが、電流を搬送する「光アーク」9と、電位をもたないプラズマビームPとが分離される。これにより、表面処理中に「光アーク」9が表面Oに直接衝突することが回避される。
【0075】
優先方向Vは、実際に、ガス出口5の流路断面により平均化される流れ方向を示す。なぜならば、プラズマビームPは、ガス出口5を出た後は本来的に拡がるものであり、したがって局部的に異なる流れ方向成分を有しているからである。
【0076】
別の構成として、全部で4つの電極をノズルユニット2の側壁に一体化することもできる。したがって、各場合において、互いに直径方向に間隔を隔てて配置される2つの電極が一対の電極を形成する。二対の電極は、両電極対間の接続ラインが互いに垂直に延びるように配置される。また、独立した2つの電源、より詳しくは同相電源が設けられ、これらの各電源は各対の電極に電気的に接続されている。
【0077】
図1に示すノズルユニット2は、該ノズルユニット2より細いアーム10に取付けられている。図示の実施形態では、アーム10は、同時に、ノズル内部3への作動ガスの供給ライン11を形成している。アーム10は、駆動装置(図1には示されていない)により、アームの回転軸線12の回りで回転され、この回転軸線12は供給ライン11の中心軸線に一致する。アーム10はノズルユニット2に固定連結されているので、アーム10を回転させると、ノズルユニット2がその回転軸線13(アームの回転軸線12に一致する)の回りで回転される。これにより、ガス出口5から流出するプラズマビームPの優先方向Vは、ノズルユニット2の回転軸線13に対して実質的に直角に配向される。
【0078】
アーム10がこのように構成されているため、ノズルユニット2は、ワークWの内面OをプラズマビームPで処理すべく、ワークWの小さい開口内に容易に配置できる。ノズルユニット2は回転軸線13の回りで回転され、これにより、内面OはプラズマビームPにより円形態様で処理される。図1に示すワークWは、自動車の内燃機関であり、ノズルユニット2は内燃機関のシリンダ内に挿入されている。これにより、シリンダの内面Oは、プラズマビームPにより円形態様で処理される。ノズルユニット2が回転軸線13の回りで回転する間、ノズルユニット2はアーム10を介してシリンダの全深さに沿って移動され、これにより、シリンダはプラズマビームによりその全深さに沿って処理される。
【0079】
図示の実施形態では、アーム10は、ノズルユニット2の長手方向寸法のほぼ中央部でノズルユニット2に連結されており、したがって、作動ガスの供給チャネル11は、ノズル内部3の回りでU型態様をなして案内されている。したがって、図面の平面内で回転軸線13からガス出口5までのノズルユニット2の寸法は、回転軸線13から、ガス出口5から遠い側のノズルユニット2の後端部14までの寸法にほぼ等しい。図示のノズルユニット2では、ガス出口5からノズルユニット2の後端部14までの距離は約40mmである。ノズルユニット2はまた、ワークWの内面Oの処理が20mmより小さい処理距離で容易に行われるように構成されている。図1に示した装置1を用いることにより、50mmまでの内径をもつシリンダを容易に処理できる。
【0080】
図2に示すノズルユニット20は金属で作られたノズルチューブ21を有し、該ノズルチューブ21は、ガス出口22に向かって円錐状にテーパしかつノズル内部23を包囲している。ノズル内部23の端壁24は、作動ガスを旋回させるべく周辺方向に傾斜して配置されたガス入口25のクラウンを有している。したがって、作動ガスは、渦26の形態をなしてノズル内部23を通って流れ、渦26のコアはノズル内部23の長手方向軸線に沿って延びている。
【0081】
電極27が、端壁24の中央から、ノズル内部23内に同心状に突出している。電極27は、絶縁体28によりノズルユニット20の他の部品から電気的に絶縁されている。高周波変圧器30により発生される高周波交流電圧が、絶縁されたシャフト29を介して電極27に印加される。
【0082】
電圧は例えば500V以上、好ましくは2〜5kVであり、可変制御できる。周波数は例えば約0.5〜50kHz、好ましくは15〜30kHzであり、また調節できることが好ましい。プラズマの特性は、周波数および/または電圧の大きさを選択的に変えることにより変えることができる。
【0083】
印加される電圧により、アーク放電31の形態をなす高周波放電が発生される。作動ガスの旋回流の結果として、渦コア内の「光アーク」31がノズルユニット20の中心軸線に沿って集中され、かつガス出口22で分岐されて、該ガス出口22に終端する。渦コアの領域内で回転し、したがって「光アーク」31の直近で高い流速で回転する作動ガスが「光アーク」31と密に接触し、これにより、作動ガスの一部がプラズマ状態に変換され、比較的低い大気温度のプラズマからなるプラズマビームPがガス出口22から優先方向Vに放射される。これにより、優先方向Vは、ワークWの処理すべき表面Oに向かってほぼ直角に向けられる。
【0084】
作動ガスをノズル内部23に供給するチャネル32は、放射されるプラズマの優先方向Vに対してほぼ直角に延び、ノズル内部23から遠い側の端壁24の側面に連結されている。電極27に接続された導電性シャフト29が、チャネル32の中心に沿って案内されている。したがってチャネル32は、最終的にノズルユニット20が固定されるアーム33を形成し、該アーム33により、ノズルユニット20がワークWのボアのような開口内に突っ込まれ、プラズマビームPを用いてワークWの内面Oを処理する。ノズルユニット20が、ガス出口22から放射されるプラズマビームPの優先方向Vに対して実質的に垂直に配向された回転軸線34の回りで回転されることにより、ボア等がプラズマビームPにより全周に亘って処理される。回転軸線34はアーム33の中心線により形成されるが、アーム33とノズルユニット20とは固定連結されているため、駆動ユニットによりアーム33を回転させるとノズルユニット20も回転される。したがって、図示の実施形態では、ノズルユニット20の回転軸線34と、アーム33の回転軸線35とは同一である。
【0085】
チャネル32がノズルユニット20の後端部に連結されている結果として、図2に示すノズルユニット20を用いて処理できるボアの最小内径は、図面の平面内でのノズルユニット20の長さの約2倍に、ワークWの表面Oまでの最小処理距離の2倍を加えた寸法に等しい。
【0086】
図1および図2に示す両ノズルユニット2、20において、例えばコーティング物質の形態をなす作動物質は、供給装置(詳細には示されていない)を介して作動ガスに供給される。次に、処理物質が、ノズル内部3、23内の作動ガスと密に接触される。
【0087】
図3には、プラズマビームにより内面Oを処理する装置40の他の実施形態が示されている。単に概略的に示すノズルユニット41は、図1または図2に示す作動原理によるノズルユニットで構成できる。ノズルユニット41は、長アーム42によりブラインドボア43内に下降され、プラズマビームPを用いてワークWの内面Oを処理する。これにより、プラズマビームPが、ガス出口44から、処理すべき表面Oに対して垂直な優先方向Vに放射される。
【0088】
ノズルユニット41から遠いアーム42の端部には、アーム42を回転させる電気駆動ユニット45が設けられており、アーム42の回転軸線46と、ノズルユニット41の回転軸線47とは一致している。しかしながら、別の構成として、駆動ユニット45または他の駆動ユニットをノズルユニット41と直接連結して、連結アーム42とは独立して回転軸線47の回りでノズルユニット41を回転させることができる。
【0089】
図1および図2に示された装置1とは異なり、図3に示された装置40のアーム42は、継手を用いた態様でノズルユニット41に連結されている。アーム42に対するノズルユニット41の角度、したがってノズルユニット41の回転軸線47に対する流出プラズマビームPの優先方向Vの角度は、必要に応じて調節できる。図示の実施形態での調節範囲は、ほぼ0〜90°である。また、この角度は、装置40の作動中に自動的に変えることができる。したがって、例えばブラインドボア43のベース領域Bも適当に処理できる。
【0090】
図4は、プラズマビームP、P’によりワークWの内面Oを処理する装置60を上から見た平面図であり、該装置60は、このアーム61が内燃機関のシリンダボア内に挿入される。アーム61は、作動ガスを装置の2つのノズルユニット62に供給するラインを同時に構成する。2つのノズルユニットの電極に給電する2つの導電体もアーム61に沿って案内されているが、詳細には示されていない。
【0091】
ノズルユニット62は別々のノズルユニットからなり、各ノズルユニットはそれぞれのノズル内部を有している。これらのノズル内部では、ワークWの処理すべき内面Oに向けてノズル内部からそれぞれの優先方向V、V’に放射されるプラズマビームP、P’が発生される。空間的条件から、ノズルユニット62(該ノズルユニット62の作動原理は、図1および図2に示したノズルユニットの作動原理と同じである)は互いに平行に配置されており、アーム61は、これらの平行配置されたノズルユニット62の実質的に中心と係合しかつ実質的にシリンダの中心線に沿って延びている。
【0092】
2つのノズルユニット62により発生されるプラズマビームP、P’の優先方向V、V’は、互いに平行でかつ逆方向を向いている。図示の実施形態では、両ノズルユニット62のプラズマビームP、P’の優先方向V、V’は、駆動ユニット(詳細には示されていない)によりアーム61を介して回転される2つのノズルユニット62の共通回転軸線63に対して直角である。
【0093】
シリンダボアが60mmの直径を有するとき、図示の各ノズルユニット62は40mmを超えない。したがって、シリンダボアの内面Oを処理するのに、10mmより小さい処理距離で充分である。
【0094】
図5には、コロナ放電の結果としてのイオン放射線IによりワークWの内面Oを処理する装置80が示されている。ワークWはブラインドボアSを有している。例えば、ワークWは、内燃機関のシリンダヘッドである。ボアは、例えばシリンダを受入れるのに使用されるモータユニットの部品を構成するワークの貫通ボアでもよい。
【0095】
図示の実施形態では、装置80は、ワークWの処理すべき内面Oの近傍に配置される2つの相互接続された電極81、82を有している。両電極81、82は電気的絶縁体83により包囲されておりかつ電源84に接続されている。電源84は、電極81、82と処理すべき表面Oとの間に、イオン放射線と呼ばれるコロナ放電を形成するのに充分な高い交流電圧を発生する。イオン放射線Iは、電極81、82から半径方向に、接地されたワークWの処理すべき内面Oの方向を向いて、該内面Oに対して直角に配向された優先方向V”、V’’’を有している。図示の構成では、両電極81、82の優先方向は共通軸線上にあり、これは他の電極構成とは異なっている。
【0096】
図示の実施形態では、両電極81、82はアーム85を介して電源84に接続されており、これにより、両電極81、82をワークW内に挿入することが可能になる。このアーム85には駆動ユニット86が連結されており、該駆動ユニット86は、アーム85の長手方向軸線を通って延びている回転軸線87の回りでアーム85を回転させる。これにより、両電極81、82は、特に図6の平面図に示すようにブラインドボアSの内周面Oに沿って移動できる。図示の実施形態では、両電極はロッド状をなしており、ブラインドボアSの実質的に全深さに亘って延びている。これにより、迅速な表面処理が可能になる。
【0097】
両電極81、82を、アーム85の長手方向に平行なブラインドボアS内に導入し、その後該ブラインドボアSから取出すことを可能にする変位手段は、詳細には示されていない。
【0098】
図示の実施形態では、両電極81、82の上方でブラインドボアSの開口の外側に吸引手段88も設けられている。この吸引手段88は、両電極81、82と処理すべき表面Oとの間のギャップ内の大気、したがって表面Oから除去されたあらゆる残留物質を吸引する。吸引手段88はワークW内に突っ込むこともできる。吸引手段88は環状に延びている吸引開口89を有しており、これにより、吸引手段88を電極81、82の回転に帯同して回転させる必要がない。しかしながら、これは考え得ることでもある。
【0099】
図7に示す表面処理装置90では、放射線発生ユニットがディスク状電極91を有し、該ディスク状電極91の直径は、該電極が導入されるブラインドボアSの直径より僅かに小さい。電極91は絶縁体92を有し、該絶縁体92は、内面Oと数ミリメートルの幅を有する実質的に均一なギャップを形成する。内面Oの均一処理を達成するため、ディスク状電極91が、該電極の中心点を通って延びる回転軸線93の回りで回転され、かつ駆動手段94がアーム95に作用して電極91がブラインドボアS内に挿入される。表面処理中のディスク状電極91の進入深さは、変位手段(詳細には示されていない)により変えることができ、該変位手段は、イオン放射線Iが内面Oのあらゆる位置に到達できるようにアーム95と相互作用するのが好ましい。イオン放射線Iは、優先半径方向V’’’’で、ワークWの内面Oに垂直な方向を向いている。
【0100】
図示の実施形態でも吸引手段96が設けられており、該吸引手段96は、電極91から一定距離を維持していて、電極91と一緒にブラインドボア内に挿入される。吸引手段96はまた、周方向の吸引開口97を有している。しかしながら、原則的に、他の吸引開口を設けることもできる。
【0101】
図7に示す実施形態の電源98は、図5に示した実施形態の電源84と異なるものではない。
【0102】
図8は、図7のVIII−VIII断面に沿うディスク状電極91を示す平面図であり、個々の放電チャネルを省略した全ギャップに沿う周方向のコロナ放電が示されている。コロナ放電はまた、ギャップの上の部分にも形成され、コロナ放電が生じる部分は迅速に変化する。
【0103】
図示の実施形態では、ディスク状電極91に4つの貫通開口99が設けられており、該開口99を通って、空気または他のガスまたはガス混合物がブラインドボアS内に流入し、次に、電極91の絶縁体92とブラインドボアSの内面Oとの間のギャップから吸引手段96を介して吸引される。このようにして、連続空気流が維持される。
【0104】
図9には、別のディスク状電極101が示されている。この電極101は、4つの自由端102を備えた星型をなしている。しかしながら、星型電極101の自由端の個数は増大させることもできる。作動中、自由端102に設けられた各発生部分103にコロナ放電を選択的に発生させることができ、これにより、所望に応じて選択的な表面処理を行うことができる。星型電極101の場合には、空気または他のガスまたはガス混合物が流れるための貫通ボアを省略できる。
【符号の説明】
【0105】
1 ワーク内面処理装置
2 ノズルユニット
3 ノズル内部
4 ガス入口
5 ガス出口
6、7 電極
8 電源
9 光アーク
10 アーム
11 作動ガス供給ライン
12 アームの回転軸線
13 ノズルユニットの回転軸線
O ワークの表面(ワークの内面)
P プラズマビーム
V 優先方向
W ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線(P、P’、I)を発生する少なくとも1つの発生ユニット(2、20、41、62)と、
前記少なくとも1つの発生ユニット(2、20、41、62)を一回転軸線(13、34、47、63、87、93)の回りで回転させる駆動ユニット(45、86、94)とを有し、
放射線(P、P’、I)を放射する前記少なくとも1つの発生ユニット(2、20、41、62)が、処理すべき表面(O)に向かう優先方向(V、V’、V”、V’’’、V’’’’)をもつように構成されている、放射線(P、P’、I)によりワーク(W)の内面(O)を処理する装置(1、20、40、60、80、90)において、
前記少なくとも1つの発生ユニット(2、20、41、62)をワーク(W)内に挿入すべく前記少なくとも1つの発生ユニット(2、20、41、62)に連結されたアーム(10、22、42、61、85、95)が設けられており、
前記回転軸線(13、34、47、63、87、93)および優先方向(V、V’、V”、V’’’、V’’’’)が互いに傾斜していることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記回転軸線(13、34、47、63、87、93)および優先方向(V、V’、V”、V’’’、V’’’’)は、互いに、25〜90°の間の角度、好ましくは45〜90°の間の角度、より詳しくは実質的に直角になるように定められることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
電極(81、82、91、101)と表面(O)との間の空間からガスを吸引するための吸引手段(88、96)が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
少なくとも1つの発生ユニット(2、20、41、62)がノズル内部(3、23)を形成する少なくとも1つのノズルユニット(2、20、41、62)であり、
前記少なくとも1つのノズルユニット(2、20、41、62)を一回転軸線(13、34、47、63)の回りで回転させる駆動ユニット(45)が設けられ、
前記少なくとも1つのノズルユニット(2、20、41、62)が、作動ガスをノズル内部(3、23)内に流入させるガス入口(4、25)を備え、
前記少なくとも1つのノズルユニット(2、20、41、62)が、作動ガスをノズル内部(3、23)から優先方向(V、V’)に流出させるガス出口(5、22、44)を備えていることを特徴とする、プラズマビーム(P、P’)によりワーク(W)の内面(O)を処理する請求項1〜3のいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
前記ノズルユニット(2、20、41、62)は、前記回転軸線(13、34、47、63)に垂直な方向に約40mmの最大寸法を有していることを特徴とする請求項4記載の装置。
【請求項6】
作動物質、より詳しくはコーティング物質または前駆物質を、プラズマビームに少なくとも間接供給する少なくとも1つの供給装置が設けられていることを特徴とする請求項4または5記載の装置。
【請求項7】
少なくとも2つのノズルユニットが設けられており、各ノズルユニットがノズル内部を備え、
少なくとも2つのノズルユニット(62)の各ノズルユニットが、ノズル内部からそれぞれの優先方向(V、V’)にプラズマビーム(P、P’)を放射するガス出口を備え、
少なくとも2つのノズルユニット(62)の優先方向(V、V’)が、互いに実質的に平行に配置されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
前記放射線がイオン放射線(I)であり、
前記発生ユニットが、電源に接続された少なくとも1つの電極(81、82、91、101)を有しかつ発生ユニットと表面(O)との間の空間内でコロナ放電を発生させるべく設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置を用いて、放射線(P、P’、I)によりワーク(W)の内面(O)を処理する方法において、
アーム(10、33、42、61、85、95)に連結された少なくとも1つの発生ユニット(2、20、41、62)が、アーム(10、33、42、61、85、95)によりワーク(W)内に挿入され、
少なくとも1つの発生ユニット(2、20、41、62)が、駆動ユニット(45、86、94)により一回転軸線(13、34、47、63、87、93)の回りで回転され、
少なくとも1つの発生ユニット(2、20、41、62)が、放射線(P、P’、I)を、前記回転軸線(13、34、47、63、87、93)に対して傾斜した優先方向(V、V’、V”、V’’’、V’’’’)をなして表面(O)上に放射することを特徴とする方法。
【請求項10】
アーム(10、33、42、61)に連結されかつノズル内部(3、23)を形成する少なくとも1つのノズルユニット(2、20、41、62)が、アームによりワーク(W)内に挿入され、
少なくとも1つのノズルユニット(2、20、41、62)が、駆動ユニット(45)により一回転軸線(13、34、47、63)の回りで回転され、
作動ガスが、ガス入口(4、25)を通ってノズル内部(23)内に流入し、
作動ガスが、前記回転軸線(13、34、47、63)に対して傾斜した優先方向(V、V’)をなしてガス出口(5、22)から流出することを特徴とする請求項9記載のプラズマビーム(P、P’)によりワーク(W)の内面(O)を処理する方法。
【請求項11】
前記ノズルユニット(2、20、41、62)が、優先方向(V、V’)に対して25〜90°、好ましくは45〜90°、より詳しくは実質的に直角に配向された一回転軸線(13、34、47、63)の回りで回転されることを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
150mmより小さい、好ましくは約50mmの直径をもつボアの内面(O)がプラズマビーム(P、P’)により処理されることを特徴とする請求項10または11記載の方法。
【請求項13】
作動物質、より詳しくはコーティング物質または前駆物質が、少なくとも1つの供給装置により、少なくとも間接的にプラズマビームに供給されることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
各々がノズル内部を備えた少なくとも2つのノズルユニットが前記回転軸線の回りで回転され、
プラズマビーム(P、P’)が、少なくとも2つのノズルユニット(62)から平行な優先方向(V、V’)に放射されることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
電源に接続された少なくとも1つの電極(81、82、91、101)からなる前記発生ユニットが、該発生ユニットと表面(O)との間でコロナ放電を発生することを特徴とする請求項9記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−523162(P2011−523162A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504415(P2011−504415)
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【国際出願番号】PCT/EP2009/054028
【国際公開番号】WO2009/127540
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(500321346)プラズマトリート ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (2)
【住所又は居所原語表記】Bisamweg 10, D−33803 Steinhagen, Germany
【Fターム(参考)】