説明

ワークの挿入装置

【課題】ロボットで可撓部を有するワークを挿入孔へ嵌合する技術を提供することを課題とする。
【解決手段】ロボット36で、ワーク10を、矢印(9)の向きに下降させる。曲折した部位67があるため、(b)に示すように、ワークの先端58が挿入孔21の口元22に干渉する。このとき、荷重計測機構42で検出された荷重からワーク10が曲折していることを判別すると共に偏荷重を算出し、これに基づいて、矢印(10)のようにワーク10を移動させ、挿入孔22にワークの一部を挿通させる。(c)に示すように、ロボット36を少し移動させ、曲折した部位67を補正してワーク10を直線状にする。(d)に示すように、ロボット36を移動させ、ワーク10を挿入孔の軸57上に戻し、矢印(12)に示すように移動させ、挿入孔21に挿通する。
【効果】ワークの姿勢にかかわらず、ロボットで可撓部を有するワークを的確に挿入孔に挿通することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークの挿入孔へ、一部に可撓部を有する棒状のワークを挿入するワークの挿入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンの点火装置において、点火プラグに装着され高電圧を発生するプラグトップコイルが実用に供されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平7−332212号公報(図1)
【0003】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図11は従来の技術の基本構成を説明する図であり、点火装置101は、高電圧を発生するプラグトップコイル102と、エンジン点火する点火プラグ103とからなる。プラグトップコイル102は、頭部104と、この頭部104の下方に設けられ円筒状のブーツ部105とからなる。
【0004】
プラグトップコイル102は、シリンダヘッド106の挿入孔107に挿入されている。ブーツ部105の先端部108が、点火プラグ103に嵌合されている。
プラグトップコイル102で発生した高電圧は、プラグ側スプリング109を経て点火プラグ103に供給される。
【0005】
次に、特許文献1に記載されているプラグトップコイル等をエンジンに組み付ける技術を説明する。従来、図12に示すように、プラグトップコイル102のエンジンへの組み付けは、人による手作業で行われていた。
図12はプラグトップコイルの挿入工程を説明する図であり、手111でプラグトップコイル102を把持し、矢印(1)のように、シリンダヘッド106の挿入孔107に挿入する。ブーツ部105が挿入孔107の孔壁に接触しても、人の手111であれば微調整が容易であり、先端部108を挿入孔の奥まで挿入することができる。
しかし、挿入組付けには30kg程度の押し込み力が必要なため、ロボット化が求められる。
【0006】
そこで、組立作業が段階的にロボット化されるようになってきた。ところが、ロボットに微調整を行わせながら作業させることは容易ではないため、自動化によるプラグトップコイルの挿入は困難である。その対策として、図13に示すように、一部に可撓部を有するプラグトップコイルが使用されている。
【0007】
図13は一部に可撓部を有するプラグトップコイルが嵌合されている状態を説明する図であり、プラグトップコイル112の中心線113と、点火プラグ103の中心線114は、距離がδずれている。曲折自在な可撓部115が湾曲することで、プラグトップコイル112が点火プラグ103に嵌合されている。
このように、可撓部115がずれδを吸収するので、微調整が困難なロボットであっても、一部に可撓部115を有するプラグトップコイル112であれば、シリンダヘッド106の挿入孔107に嵌合することができる。
【0008】
図14はロボットで曲折したプラグトップコイルを挿入する工程を説明する図であり、(a)に示すように、ロボット117で、一部に可撓部115を有するプラグトップコイル112を把持する。ところで、プラグトップコイル112は部品箱に入れる際や取出す際に、接触により可撓部115が少し湾曲することがある。
【0009】
湾曲したままで矢印(2)のように、ロボット117でプラグトップコイル112を下降させると、(b)に示すように、挿入孔107には片側1.5mm程度の隙間しかないため、先端部118が挿入孔107の口元119に干渉してしまい、ワークとしてのプラグトップコイル112を挿入できないことがある。そのため、一部に可撓部を有する棒状ワークの挿入作業は、ロボット化が難しいと言われている。
しかし、省力化の観点から、ロボットで一部に可撓部を有する棒状のワークを挿入孔へ挿入する技術が求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、ロボットで一部に可撓部を有する棒状のワークを挿入孔へ挿入する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明は、ワークの挿入孔へ、一部に可撓部を有する棒状のワークを挿入するワークの挿入装置において、
ロボットアームに設けられ、前記棒状のワークの頭部を把持する開閉自在な複数の把持爪と、前記頭部に設けられているワーク固定用の孔に挿通自在な位置決めピンと、前記頭部を押圧する押圧部材と、この押圧部材と前記ロボットアームとの間に設けられ前記押圧部材に作用する荷重及び偏荷重を測定する荷重計測機構と、この荷重計測機構で計測した偏荷重に基づいて、前記挿入孔に対する前記ワークのずれを予測し、この予測に基づいて前記ワークを前記挿入孔に入るように移動し、前記ワークの先端を前記挿入孔に挿入し、前記ワークの曲がりを矯正する方向へ前記ワークを移動させることで前記ワークの曲がりを矯正し、次に前記ワークを前記挿入孔の奥まで挿入する、一連の制御を実施する制御部と、からなることを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る発明では、ワークは、エンジンの点火プラグに装着されるプラグトップコイルであることを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明は、制御部は、ワークを挿入孔の奥まで挿入するときに、挿入孔の口元における荷重の監視水準よりも大きい水準で押圧部材に作用する荷重を監視し、荷重計測機構で計測した荷重情報に基づいて、プラグトップコイルが点火プラグに適正に嵌合されたか否かを判断する機能を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明では、ワークの挿入装置は、押圧部材に作用する荷重及び偏荷重を測定する荷重計測機構と、この荷重計測機構で計測した偏荷重に基づいて、挿入孔に対するワークのずれを予測する制御部を備えている。ワーク挿入時、可撓部によって湾曲したワークが挿入孔の口元で干渉した場合、制御部でのずれの予測に基づいてワークを挿入孔に入るように移動し、ワークの先端を挿入孔に挿入し、ワークの曲がりを矯正する方向へワークを移動させることでワークの曲がりを矯正するので、ワークの姿勢にかかわらず、ロボットで一部に可撓部を有する棒状のワークを的確に挿入孔に挿入することができる。
【0015】
請求項2に係る発明では、ワークは、エンジンの点火プラグに装着されるプラグトップコイルである。プラグトップコイルは頭部から長いブーツ部が延びている。この長いブーツ部を円滑に挿入孔へ挿入することができるため、プラグトップコイルの装着作業の効率化を図ることができる。
【0016】
請求項3に係る発明では、ワークの挿入装置は荷重計測機構及び制御部を備えている。プラグトップコイルが正しく点火プラグに嵌合されたことが、荷重計測機構及び制御部で自動的に判定させることができるので、嵌合検査を自動化することができ、嵌合検査を迅速に行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1はワークと挿入孔の位置関係を説明する図であり、ワークとしてのプラグトップコイル10は、頭部11と、ブーツ部12とから構成される。頭部11は、ワークとしてのプラグトップコイル10を固定するワーク固定用の孔13を備えている。
【0018】
エンジン14のシリンダヘッド15は、複数のボルト16を介してシリンダブロック17に固定されている。シリンダヘッド15は、プラグトップコイル10を嵌合する複数の挿入孔21と、頭部11を受ける口元22とを備えている。エンジン14の内部には、圧縮した混合気に点火するための電気火花を飛ばす点火プラグ23が固定されている。
プラグトップコイル10は、挿入孔21に挿入され、固定ボルト24を介してシリンダヘッド15に固定される。
【0019】
図2は本発明に係るワークの基本構成を説明する図であり、(a)に示すように、ワークとしてのプラグトップコイル10は、硬質部25からなり高電圧を発生させる頭部11と、頭部11の下方に設けられ一部に曲折自在な可撓部26を有する円筒状のブーツ部12とからなる。ブーツ部12は、挿入孔21(図1を参照)に容易に挿通できるようにテーパ27が設けられている。可撓部26は、絶縁体であり、例えばゴム等の材料からなる。
【0020】
また、(b)に示すように、量産ラインにおいて、プラグトップコイル10は、部品バケット28の包装材31に整列されている。包装材31とプラグトップコイル10の間には、隙間32が設けられることで、プラグトップコイル10を容易に取り出すことができる。
【0021】
図3は本発明に係るワークの挿入装置の斜視図であり、ワークの挿入装置35は、ワーク10の挿入場所に設けられたロボット36と、このロボット36のロボットアーム37に設けられワーク10を把持する把持装置40と、この把持装置40の近傍に設けられシリンダヘッド15(図1を参照)の形状確認及び位置測定を行うカメラ41と、把持装置40とロボットアーム37との間に設けられ把持装置40に作用する荷重及び偏荷重を測定する荷重計測機構42と、カメラ41からの情報及び荷重計測機構42で計測した偏荷重に基づいて、挿入孔21(図1を参照)に対するワーク10のずれを予測し、この予測に基づいてワーク10を挿入孔21に入るように移動し、ワーク10の先端を挿入孔21に挿入し、ワーク10の曲がりを矯正する方向へワーク10を移動させることでワーク10の曲がりを矯正し、次にワーク10を挿入孔21の奥まで挿入する、一連の制御を実施する制御部43と、からなる。
【0022】
図4は図3の要部を説明する図であり、把持装置40は、ロボットアーム37に設けられている基材44と、この基材44に設けられ棒状のワーク10の頭部11(図1を参照)を把持する開閉自在な複数の把持爪45、45と、この把持爪45、45を開閉させる把持爪駆動源46と、ワーク10の頭部11に設けられているワーク固定用の孔13(図1を参照)に挿入自在な位置決めピン47と、この位置決めピン47をワーク固定用の孔13(図1を参照)から待機位置へ移動させる位置決めピン駆動源48と、ワーク10の頭部11(図1を参照)を押圧する押圧部材51と、からなる。
なお、前述の図3で説明した把持装置40に作用する荷重及び偏荷重は、押圧部材51に作用する荷重及び偏荷重である。
【0023】
図5は図4の5−5線断面図であり、荷重計測機構42は、複数の荷重センサ54A、54B、54C、54D、54E、54F、54G、54Hを備えている。
次に荷重計測機構42の作用を説明する。例えば、ワークとしてのプラグトップコイル10(図1を参照)の挿入孔21(図1を参照)への挿通時に、荷重センサ54Aの荷重が最も大きく、荷重センサ54Eが最も小さい荷重を検出した場合、荷重センサ54A側でワーク10(図1を参照)が干渉していることになる。この検出された荷重情報に基づいて制御部43(図3を参照)は曲がり量を演算する。そして、制御部43は、ワーク10を荷重センサ54E側に移動させるようロボット36(図3を参照)を制御する。
【0024】
また、荷重センサ54A、54Bの荷重が同等で最も大きい場合、荷重センサ54Aと54Bの間でワーク10(図1を参照)が干渉していることになる。この検出された荷重情報に基づいて制御部43(図3を参照)は曲がり量を演算する。そして、制御部43は、ワーク10を荷重センサ54Eと54Fの間に向けて移動させるようロボット36(図3を参照)を制御する。
【0025】
以上の構成からなるワークの挿入装置の作用を次に述べる。
図6は部品バケットからワークを取り出す工程を説明する図であり、(a)に示すように、ロボット36で把持装置40を矢印(3)の向きに下降させ、押圧部材51を部品バケット28内のワーク10の上面55に当接させる。
(b)に示すように、位置決めピン駆動源48を作動し、位置決めピン47を矢印(4)の向きに突出させてワーク10のワーク固定用の孔13へ挿入させる。これで、ワーク10の位置が決定される。
【0026】
(c)に示すように、把持爪駆動源46を作動し、把持爪45、45を矢印(5)、(5)の向きに閉動作させてワーク10の側面56を把持させる。
(d)に示すように、ロボット36で把持装置40を矢印(6)の向きに上昇移動させ、部品バケット28からワーク10を取り出す。さらに、把持装置40をシリンダヘッド側へ移動させる。
【0027】
図7は直線状のワークの嵌合工程を説明する図であり、(a)に示すように、ロボット36で、シリンダヘッド15の挿入孔の軸57上にあるワーク10を、矢印(7)の向きに下降させる。
【0028】
(b)に示すように、深さをhとする基準線61に至るまで、ワーク10の先端部58が挿入孔21に接触しない場合は、矢印(8)のように、さらにワーク10を下降させる。この場合、荷重計測機構42は、荷重を検出しない。
また、ワークの先端58が深さ方向の基準線61に至るまでに、荷重計測機構42が荷重を検出した場合であっても、荷重が監視水準未満(例えば、3kg)であれば、矢印(8)のように、そのままワーク10を下降させる。この場合は、ワークの先端58が、挿入孔21の孔壁に接触しつつ滑りながら下降する。
【0029】
最終的には(c)に示すように、ワーク10が、シリンダヘッド15の挿入孔21の奥に挿入される。ワーク10のブーツ部12は、点火プラグ23に装着される。また、ワークの先端58が基準線61を通過し、ワーク10が完全に挿入される時の挿入荷重は約30kgであるが、押圧部材51を有することで挿入孔21の奥まで確実に押し込むことができる。
また、ワーク10を挿入孔21の奥まで挿入するときに、挿入孔の口元22における荷重の監視水準よりも大きい水準で押圧部材51(図4を参照)に作用する荷重を監視し、荷重計測機構42で計測した荷重情報に基づいて、プラグトップコイルが点火プラグに適正に嵌合されたか否かを制御部43(図3を参照)で判断する。
なお、プラグトップコイル10は頭部11から長いブーツ部12が延びている。この長いブーツ部12を円滑に挿入孔へ挿入することができるため、プラグトップコイル10の装着作業の効率化を図ることができる。
【0030】
図8は挿入孔内でのワークと点火コイルの位置関係を説明する図である。
(a)は挿入孔の軸57上に点火プラグ23の中心及びワーク10の中心が位置している場合を説明する図である。点火プラグ10のターミナル62の外径より、ワークの内径63が大きいので、挿入時、ワークの先端58が点火プラグ23に円滑に装着される。
【0031】
(b)は点火プラグ23の中心とワーク10の中心が一致していない場合を説明する図である。ワーク10は挿入孔21の図右端に寄った位置にある。点火プラグ23は公差範囲限界で挿入孔の軸57より図左に位置している。ワークの内径63の先端部にはテーパ64、64が設けられており、テーパ端部65はターミナル端部66より外側に位置する。この結果、挿入時、ワークの先端58が点火プラグ23に円滑に装着される。
【0032】
図9は曲折したワークの嵌合工程を説明する図であり、(a)に示すように、ワーク10は、可撓部26で曲折している。ロボット36で、シリンダヘッド15の挿入孔の軸57上にあるワーク10を、矢印(9)の向きに下降させる。
【0033】
曲折した部位67があるため、(b)に示すように、ワークの先端58が挿入孔21の口元22に干渉する。ワークの先端58が深さ方向の基準線61に至る前に、検出された荷重が3kgに達した場合、ワーク10の下降を停止させる。このとき、荷重計測機構42で検出された荷重からワーク10が曲折していることを判別すると共に偏荷重を算出する。この算出された偏荷重に基づいて、矢印(10)のようにワーク10を移動させ、挿入孔22にワークの一部を挿通させる。
【0034】
(c)に示すように、ロボット36を少し移動させ、ワーク10の一部であるワークの先端58を挿入孔21の孔壁に当接させながら、曲折した部位67を矯正してワーク10を直線状にする。
(d)に示すように、ロボット36を移動させ、ワーク10を挿入孔の軸57上に戻す。ワーク10を矢印(12)に示すように移動させ、シリンダヘッド15の挿入孔21の奥に挿入する。ワーク10のブーツ部12は、点火プラグ23に装着される。
【0035】
なお、ワークとしてのプラグトップコイル10が挿入孔21の口元22に当接しても、可撓部26が更に曲折されるだけであるため、ワークとしてのプラグトップコイル10や挿入孔の口元22に疵をつけることなく、当接荷重を検出することができる。また、ワークの先端58が基準線61を通過し、ワーク10が完全に挿入される時の挿入荷重は約30kgである。
【0036】
図10はワーク嵌合時の押圧力を示す図であり、グラフの縦軸を荷重計測機構42(図4を参照)で検出された押圧力(荷重)とし、横軸をトライ回数とする。トライ回数T1及びT2は、点火プラグ無しの場合の押圧力を示す。トライ回数T3は、点火プラグ未締めの場合の押圧力を示す。トライ回数T4は、点火プラグが正常にセットされている場合の押圧力を示す。
【0037】
また、押圧力における2つの水準をW1、W2とする。トライ回数T1及びT2の押圧力の最大値は、W1以下である。トライ回数T3の押圧力の最大値は、W2以上である。トライ回数T4の押圧力の最大値は、W1からW2の範囲内である。
すなわち、荷重計測機構42の荷重状態に基づいて、ワーク10の挿入孔21への嵌合時に、シリンダヘッド15(図1を参照)に嵌着されている点火プラグ23(図1を参照)の取付状況を制御部43(図3を参照)で自動的に判定させることができる。検出された押圧力の最大値がW1以下ではプラグ無し、押圧力の最大値がW1からW2の範囲ではプラグのセット状態は正常、押圧力の最大値がW2以上ではプラグ未締め、と判定できる。
この結果、嵌合検査を自動化することができ、嵌合検査を迅速に行わせることができる。
【0038】
尚、本発明のワークの挿入装置は、実施の形態ではワークはプラグトップコイルに適用したが、これに限定されず、一部に可撓部を有する棒状のワークであれば、他の一般的な機械部品に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明に係るワークの挿入装置は、プラグトップコイルをシリンダヘッドのプラグ孔へ挿入するワークの挿入装置に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】ワークと挿入孔の位置関係を説明する図である。
【図2】本発明に係るワークの基本構成を説明する図である。
【図3】本発明に係るワークの挿入装置の斜視図である。
【図4】図3の要部を説明する図である。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】部品バケットからワークを取り出す工程を説明する図である。
【図7】直線状のワークの嵌合工程を説明する図である。
【図8】挿入孔内でのワークと点火コイルの位置関係を説明する図である。
【図9】曲折したワークの嵌合工程を説明する図である。
【図10】ワーク嵌合時の押圧力を示す図である。
【図11】従来の技術の基本構成を説明する図である。
【図12】プラグトップコイルの挿入工程を説明する図である。
【図13】一部に可撓部を有するプラグトップコイルが嵌合されている状態を説明する図である。
【図14】ロボットで曲折したプラグトップコイルを挿入する工程を説明する図である。
【符号の説明】
【0041】
10…ワーク(プラグトップコイル)、11…頭部、12…ブーツ部、13…ワーク固定用の孔、14…エンジン、21…挿入孔、22…挿入孔の口元、23…点火プラグ、25…硬質部、26…可撓部、35…ワークの挿入装置、37…ロボットアーム、40…把持装置、42…荷重計測機構、43…制御部、45…把持爪、47…位置決めピン、51…押圧部材、55…ワークの上面、58…ワークの先端、67…曲折した部位。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの挿入孔へ、一部に可撓部を有する棒状のワークを挿入するワークの挿入装置において、
ロボットアームに設けられ、前記棒状のワークの頭部を把持する開閉自在な複数の把持爪と、前記頭部に設けられているワーク固定用の孔に挿通自在な位置決めピンと、前記頭部を押圧する押圧部材と、この押圧部材と前記ロボットアームとの間に設けられ前記押圧部材に作用する荷重及び偏荷重を測定する荷重計測機構と、この荷重計測機構で計測した偏荷重に基づいて、前記挿入孔に対する前記ワークのずれを予測し、この予測に基づいて前記ワークを前記挿入孔に入るように移動し、前記ワークの先端を前記挿入孔に挿入し、前記ワークの曲がりを矯正する方向へ前記ワークを移動させることで前記ワークの曲がりを矯正し、次に前記ワークを前記挿入孔の奥まで挿入する、一連の制御を実施する制御部と、からなることを特徴とするワークの挿入装置。
【請求項2】
前記ワークは、エンジンの点火プラグに装着されるプラグトップコイルであることを特徴とする請求項1記載のワークの挿入装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記ワークを前記挿入孔の奥まで挿入するときに、前記挿入孔の口元における荷重の監視水準よりも大きい水準で前記押圧部材に作用する荷重を監視し、前記荷重計測機構で計測した荷重情報に基づいて、前記プラグトップコイルが前記点火プラグに適正に嵌合されたか否かを判断する機能を備えていることを特徴とする請求項2記載のワークの挿入装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2010−58242(P2010−58242A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−228055(P2008−228055)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】