説明

ワーク吸着移送システムにおける給排気制御装置

【課題】個々の吸着パッドに取り付けられる小型軽量の電動エアーポンプによって吸着パッドの真空吸引を行い得るとともに、該電動エアーポンプによって真空破壊用の圧搾エアーを生成し得るワーク吸着移送システムの給排気制御装置を提供する。
【解決手段】電動エアーポンプ1の吸気口2と該吸気口2に接続される吸着パッド23との間に配設した第一電磁弁22を、吸着パッド23内の真空度が所定真空度未満の場合には吸着パッド23内のエアーを吸引する内気吸引状態に切り換え、吸着パッド23内の真空度が所定真空度に達した場合には外気を吸引する外気吸引状態に切り換えられるようにして、電動エアーポンプ1の吸気口2からエアーを吸引し、排気口3から吐出されるエアーをエアー貯留槽28に貯留するようにした。これにより、電動エアーポンプ1によって吸着パッド23の真空吸引を行い得るとともに、該電動エアーポンプ1によって真空破壊用の圧搾エアーが生成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型軽量の電動エアーポンプを備えたワーク吸着移送システムにおける給排気制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えば自動車製造工場内の生産ラインにおいては、自動車の窓ガラス等の平滑面を備えたワークを工場内で移送する手段として、真空ポンプと吸着パッドとを用いたワーク吸着移送システムが採用されている。これは、図4に示すように、工場内にある大型の真空ポンプbから延出されたメイン導管gを複数の分岐導管iに分岐して各生産ラインまで行き渡らせ、各分岐導管iの先端を弁ユニットfの排気用電磁弁dを介して吸着パッドhに夫々接続するとともに、各吸着パッドhに弁ユニットfの真空破壊用電磁弁eから延出された給気導管jを夫々接続する一方、電源aに接続されたコントロールユニットcによって、前記排気用電磁弁d及び真空破壊用電磁弁eの切り換え作動を制御するように構成されている。
【0003】
そして、ワークwの移送に際しては、吸着パッドhの吸着面をワークwの平滑面に宛がう一方、真空破壊用電磁弁e内の給気通路を遮断状態とし、かつ排気用電磁弁d内の吸引通路を連通状態として、真空ポンプbで吸着パッドh内の空気を吸引して真空状態にすることにより、吸着パッドhにワークwを真空吸着させて移送し、移送後には排気用電磁弁d内の吸引通路を遮断状態とし、かつ真空破壊用電磁弁e内の給気通路を連通状態として、吸着パッドh内に大気を供給することにより、吸着パッドh内の真空状態を破壊してワークwを解放するものである。これにより、ワークwの表面を傷付けることなく、迅速にワークwを保持して、所望箇所へ移送できるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような構成のワーク吸着移送システムにあっては、ワークwの移送後に吸着パッドh内の真空破壊を行うに際して、吸着パッドh内に大気を供給しているため、ワーク解放のタクトタイムが遅く、迅速な解放動作が得られないという問題点があった。また、吸着パッドhによるワーク解放動作の迅速化を図るために、各吸着パッドh内に圧搾エアーを供給し得るようにした構成も知られているが、この場合には、圧搾エアーの生成源としてのコンプレッサや、各吸着パッドhに供給する大量の圧搾エアーを貯留可能な大型のサージタンク、及び該サージタンクから各吸着パッドhに圧搾エアーを供給するための給気配管等の大掛かりな設備を別途必要とする。このため、設備投資が高額となる上、大型のサージタンク及びコンプレッサの設置スペースや、圧搾エアーの供給用導管の配設スペースが必要であり、さらに該供給用導管の維持メンテナンスに費用や手間が掛かるといった問題点があった。
【0005】
一方、本願出願人は、個々の吸着パッドhに直接取り付けて真空吸引し得る小型軽量の真空ポンプを先に提案している(特願2006-243734号参照)。かかる真空ポンプを用いれば、従来のワーク吸着移送システムにおける大型の真空ポンプbやメイン導管g及び複数の分岐導管i等を不要とし得る利点があるが、ワークの移送後に吸着パッドh内の真空破壊を行う場合にあって、上記のような大型のサージタンクから各吸着パッドhに圧搾エアーを供給する場合における上述した問題点を回避するために、吸着パッドh内の真空破壊は、従来と同様に、吸着パッドh内に大気を供給することにより行っている。このため、ワーク解放のタクトタイムが遅く、迅速な解放動作が得られないという点において解決すべき課題が残されていた。
【0006】
本発明は、かかる実状に鑑みてなされたものであって、個々の吸着パッドに取り付けられる小型軽量の電動エアーポンプによって吸着パッドの真空吸引を行い得るとともに、該電動エアーポンプによって生成される圧搾エアーを吸着パッドに供給して真空破壊を行うことにより、吸着パッドによるワーク解放動作の迅速化を達成し得るワーク吸着移送システムにおける給排気制御装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、吸着パッド内のエアーを吸引して真空状態にすることにより、吸着パッドにワークを真空吸着させて移送し、移送後には吸着パッド内にエアーを供給することにより、吸着パッド内の真空状態を破壊してワークを解放するワーク吸着移送システムにおいて、駆動によりエアーを吸気口から吸引して排気口から吐出する電動エアーポンプと、該電動エアーポンプの吸気口と該吸気口に接続される吸着パッドとの間に配設され、該吸着パッド内を前記吸気口と連通させて、吸着パッド内のエアーを吸引する内気吸引状態と、前記吸気口を外気と連通させて外気を吸引する外気吸引状態とに選択的に切り換えられる第一電磁弁と、前記電動エアーポンプの排気口に接続されるエアー貯留槽と、該エアー貯留槽と該エアー貯留槽に接続される前記吸着パッドとの間に配設され、エアー貯留槽から吸着パッドへのエアーの供給を遮断してエアー貯留槽内に圧搾エアーを貯留する非給気状態と、エアー貯留槽内を吸着パッド内と連通させてエアー貯留槽内に貯留された圧搾エアーを吸着パッドへ供給する給気状態とに選択的に切り換えられる第二電磁弁と、吸着パッド内の所定真空度を検知して作動信号を送出する真空スイッチと、該真空スイッチから送出される作動信号に基づいて前記第一電磁弁の切り換え作動を制御し、吸着パッド内の真空度が所定真空度未満の場合には、第一電磁弁を内気吸引状態に切り換え、吸着パッド内の真空度が所定真空度に達した場合に、第一電磁弁を外気吸引状態に切り換えるコントロール装置とを備えてなることを特徴とするワーク吸着移送システムにおける給排気制御装置である。
【0008】
かかる構成にあって、コントロール装置は、ワークの吸着に際して、第一電磁弁を内気吸引状態とし、かつ第二電磁弁を非給気状態として電動エアーポンプを駆動させ、吸着パッド内のエアーを電動エアーポンプによって吸引させて真空状態にすることにより、吸着パッドにワークを真空吸着させる。また、電動エアーポンプに吸引された吸着パッド内のエアーは排気口から順次吐出されてエアー貯留槽内に貯留される。そして、吸着パッド内の真空度がワークを充分に真空吸着して移送し得る所定の真空度に達すると、これを検知した真空スイッチから作動信号が送出され、該作動信号を受信したコントロール装置によって第一電磁弁が外気吸引状態に切り換えられる。この第一電磁弁の外気吸引状態への切り換え作動により、吸着パッドと連通する第一電磁弁内のポートがスプールによって閉鎖されることにより、吸着パッド内へのエアーの逆流が遮断されて吸着パッド内の真空度が保持される一方、電動エアーポンプには外気吸引状態に切り換えられた第一電磁弁から外気としてのエアーが吸引され、該エアーが排気口から順次吐出されてエアー貯留槽内に貯留される。これにより、エアー貯留槽内には吸着パッド内から吸引されたエアー量以上の高圧の圧搾エアーが貯留されることとなる。そして、このように、エアー貯留槽内に高圧の圧搾エアーを貯留する一方、吸着パッドにワークを真空吸着させて移送することができ、移送後には第二電磁弁を給気状態に切り換えることにより、エアー貯留槽内の高圧の圧搾エアーを吸着パッド内に供給し、吸着パッド内の真空を即座に破壊してワークを解放する。
【0009】
前記ワーク吸着移送システムにおける給排気制御装置にあって、電動エアーポンプの排気口とエアー貯留槽との間に、排気口を外気と連通させて該排気口から吐出されるエアーを外気中に放出する放出状態と、排気口をエアー貯留槽と連通させて該排気口から吐出されるエアーをエアー貯留槽内に貯留する貯留状態とに選択的に切り換えられる第三電磁弁が配設され、該第三電磁弁の切り換え作動が、真空スイッチから送出される作動信号に基づいてコントロール装置により制御され、吸着パッド内の真空度が所定真空度未満の場合には、第三電磁弁が放出状態に切り換えられ、吸着パッド内の真空度が所定真空度に達した場合に、第三電磁弁が貯留状態に切り換えられる構成が提案される。
【0010】
かかる構成にあって、コントロール装置は、ワークの吸着に際して、第一電磁弁を内気吸引状態とし、かつ第三電磁弁を放出状態とし、第二電磁弁を非給気状態として電動エアーポンプを駆動させ、吸着パッド内のエアーを電動エアーポンプによって吸引させて真空状態にすることにより、吸着パッドにワークを真空吸着させる。また、電動エアーポンプに吸引されて排気口から吐出される吸着パッド内のエアーは、放出状態の第三電磁弁から外気中に順次放出される。これにより、排気口から吐出されるエアーに負荷が掛からないため、電動エアーポンプの吸引能力を充分に発揮させることができ、吸着パッド内の真空度を円滑に高めることができる。そして、吸着パッド内の真空度がワークを充分に真空吸着して移送し得る所定の真空度に達すると、これを検知した真空スイッチから作動信号が送出され、該作動信号を受信したコントロール装置によって第一電磁弁が外気吸引状態に切り換えられるとともに、第三電磁弁がエアーをエアー貯留槽内に貯留する貯留状態に切り換えられる。この第一電磁弁の外気吸引状態への切り換え作動により、吸着パッドと連通する第一電磁弁内のポートがスプールによって閉鎖されることにより、吸着パッド内へのエアーの逆流が遮断されて吸着パッド内の真空度が保持される一方、電動エアーポンプには外気吸引状態に切り換えられた第一電磁弁から外気としてのエアーが吸引されるとともに、排気口から吐出されるエアーが貯留状態に切り換えられた第三電磁弁を経てエアー貯留槽内に順次貯留される。これにより、エアー貯留槽内には外気から取り入れられた充分な量のエアーが送り込まれ、高圧の圧搾エアーが貯留されることとなる。そして、このように、エアー貯留槽内に高圧の圧搾エアーを貯留する一方、吸着パッドにワークを真空吸着させて移送することができ、移送後には第二電磁弁を給気状態に切り換えることにより、エアー貯留槽内の高圧の圧搾エアーを吸着パッド内に供給し、吸着パッド内の真空を即座に破壊してワークを解放する。
【0011】
また、前記ワーク吸着移送システムにおける給排気制御装置にあって、エアー貯留槽内に貯留された圧搾エアーの所定圧力を検知して、電動エアーポンプの駆動を停止する契機となる作動信号を送出する圧力スイッチを備えている構成が提案される。かかる構成にあっては、エアー貯留槽内に貯留される圧搾エアーが所定圧に達すると、圧力スイッチから送出される作動信号に基づいてコントロール装置が電動エアーポンプの駆動を停止させることができるので、必要量以上の圧搾エアーの生成及び貯留が防止されるとともに、電動エアーポンプによる電力の無駄な消費を抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、上述したように、駆動によりエアーを吸気口から吸引して排気口から吐出する電動エアーポンプと、該電動エアーポンプの吸気口と該吸気口に接続される吸着パッドとの間に配設され、該吸着パッド内を前記吸気口と連通させて、吸着パッド内のエアーを吸引する内気吸引状態と、前記吸気口を外気と連通させて外気を吸引する外気吸引状態とに選択的に切り換えられる第一電磁弁と、前記電動エアーポンプの排気口に接続されるエアー貯留槽と、該エアー貯留槽と該エアー貯留槽に接続される前記吸着パッドとの間に配設され、エアー貯留槽から吸着パッドへのエアーの供給を遮断してエアー貯留槽内に圧搾エアーを貯留する非給気状態と、エアー貯留槽内を吸着パッド内と連通させてエアー貯留槽内に貯留された圧搾エアーを吸着パッドへ供給する給気状態とに選択的に切り換えられる第二電磁弁と、吸着パッド内の所定真空度を検知して作動信号を送出する真空スイッチと、該真空スイッチから送出される作動信号に基づいて前記第一電磁弁の切り換え作動を制御し、吸着パッド内の真空度が所定真空度未満の場合には、第一電磁弁を内気吸引状態に切り換え、吸着パッド内の真空度が所定真空度に達した場合に、第一電磁弁を外気吸引状態に切り換えるコントロール装置とを備えたワーク吸着移送システムにおける給排気制御装置であるから、吸着パッドが接続される電動エアーポンプによって吸着パッドの真空吸引を行い得るとともに、該吸着パッド内が所定真空度に達すると、これを検知する真空スイッチから送出される作動信号に基づいてコントロール装置が第一電磁弁を外気吸引状態に切り換えて、外気としてのエアーを吸引させることにより、吸着パッド内から吸引されるエアー量以上の高圧の圧搾エアーをエアー貯留槽内に貯留させることができる。そして、必要に応じて第二電磁弁を給気状態に切り換えて、エアー貯留槽の高圧の圧搾エアーを吸着パッドに供給して真空破壊を行うことにより、大気を供給する場合に比して、ワーク解放のタクトタイムが速くなり、ワーク解放動作を迅速化することができる。
【0013】
また、電動エアーポンプは、小型軽量の電動エアーポンプが適用可能であり、このような小型軽量の電動エアーポンプを個々に用いて各吸着パッドの真空吸引を行い得るとともに、真空破壊用の高圧の圧搾エアーを生成し得ることにより、従来のようなコンプレッサや、各吸着パッドに供給する大量の圧搾エアーを貯留可能な大型のサージタンク、及び該サージタンクから各吸着パッドに圧搾エアーを供給するための給気配管等の大掛かりな設備が不要となる。これにより、設備投資が少額で済むとともに、大型のサージタンク及びコンプレッサの設置スペースや、圧搾エアーの供給用導管の配設スペースが不要となり、さらに該供給用導管の維持メンテナンスに掛かる費用や手間も不要とすることができる。
【0014】
また、前記ワーク吸着移送システムにおける給排気制御装置にあって、電動エアーポンプの排気口とエアー貯留槽との間に、排気口を外気と連通させて該排気口から吐出されるエアーを外気中に放出する放出状態と、排気口をエアー貯留槽と連通させて該排気口から吐出されるエアーをエアー貯留槽内に貯留する貯留状態とに選択的に切り換えられる第三電磁弁が配設され、該第三電磁弁の切り換え作動が、真空スイッチから送出される作動信号に基づいてコントロール装置により制御され、吸着パッド内の真空度が所定真空度未満の場合には、第三電磁弁が放出状態に切り換えられ、吸着パッド内の真空度が所定真空度に達した場合に、第三電磁弁が貯留状態に切り換えられる構成にあっては、吸着パッド内の真空吸引時に第三電磁弁が放出状態に切り換えられることにより、電動エアーポンプに吸引されて排気口から吐出される吸着パッド内のエアーを、放出状態の第三電磁弁から外気中に順次放出することができる。これにより、排気口から吐出されるエアーに負荷が掛からないため、電動エアーポンプの吸引能力を充分に発揮させることができ、吸着パッド内の真空度を円滑に高めることができる。また、吸着パッド内が所定真空度に達すると、これを検知する真空スイッチから送出される作動信号に基づいてコントロール装置が第一電磁弁を外気吸引状態に切り換えて、外気としてのエアーを吸引させるとともに、第三電磁弁を貯留状態に切り換えてエアーをエアー貯留槽内に貯留させる。これにより、エアー貯留槽内には外気から取り入れられた充分な量のエアーが送り込まれ、高圧の圧搾エアーを貯留させることができる。
【0015】
さらに、前記ワーク吸着移送システムにおける給排気制御装置にあって、エアー貯留槽内に貯留された圧搾エアーの所定圧力を検知して、電動エアーポンプの駆動を停止する契機となる作動信号を送出する圧力スイッチを備えている構成にあっては、エアー貯留槽内に貯留される圧搾エアーが所定圧に達すると、圧力スイッチから送出される作動信号に基づいてコントロール装置が電動エアーポンプの駆動を停止させることができるので、必要量以上の圧搾エアーの生成及び貯留が防止されるとともに、電動エアーポンプによる電力の無駄な消費を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明にかかるワーク吸着移送システムにおける給排気制御装置の第一実施例を、図1,図2に基づいて説明する。
【0017】
先ず始めに、本発明に好適に用いられ得る小型軽量の電動エアーポンプについて説明する。尚、説明の便宜上、図示した位置関係で電動エアーポンプの左右方向及び上下方向を定めているが、電動エアーポンプは様々な向きで使用可能であり、必ずしも左右方向及び上下方向が下記に限定されるものではない。
【0018】
図1は、駆動によりエアーを吸気口2から吸引して排気口3から吐出する電動エアーポンプ1の一例を示し、該電動エアーポンプ1は、ポンプ筐体4内に上下方向のピストン室5を備え、該ピストン室5にピストン6が進退可能に嵌挿されている。ポンプ筐体4の上部には、クランク部材7が左右一対の軸受8,8によって回転可能に支持されており、該クランク部材7は、電動モータ9によって回転駆動されるようになっている。そして、クランク部材7に設けられた偏心軸部10と前記ピストン6に設けられたピストンピン11とが連接リンク部材12によって連結されており、電動モータ9が駆動してクランク部材7が回転すると、偏心軸部10の偏心回転作用を介して連接リンク部材12に上下方向の揺動が生じ、該連接リンク部材12の下部に連結されたピストン6がピストン室5内で上下方向に進退駆動されるようになっている。
【0019】
また、ポンプ筐体4内の下部には、吸気路13と排気路14とが相互に隔絶させて形成されており、該吸気路13と排気路14は隔壁部材15によって前記ピストン室5と区画されている。そして、ポンプ筐体4の一側面に開口する吸気路13の外端が吸気口2となっており、ポンプ筐体4の他側面に開口する排気路14の外端が排気口3となっている。
【0020】
隔壁部材15には、吸気路13の内端に対応する部分に複数の吸気孔16が形成されており、該吸気孔16によって前記ピストン6の進出側に位置するピストン室5の室端と、吸気路13とが連通されている。また、隔壁部材15には、吸気孔16を開閉して吸気路13からピストン室5へのエアーの流れのみを許容するアンブレラバルブからなる第一逆止弁17が配設されている。
【0021】
また、前記隔壁部材15には、排気路14の内端に対応する部分に複数の排気孔18が形成されており、該排気孔18によって前記ピストン6の進出側に位置するピストン室5の室端と、排気路14とが連通されている。また、隔壁部材15には、排気孔18を開閉してピストン室5から排気路14へのエアーの流れのみを許容するアンブレラバルブからなる第二逆止弁19が配設されている。
【0022】
かかる構成からなる電動エアーポンプ1にあって、電動モータ9への通電によりクランク部材7が回転してピストン6が連続的に進退駆動されると、ピストン6の進出側に位置するピストン室5の下部の可変容積37の拡張と縮小とが繰り返される。ここで、ピストン6が後退してピストン室5の可変容積37が拡張されると、該可変容積37内が吸気路13内に比して低圧となり、その差圧によって第一逆止弁17の傘状弁膜部20が上方に弾性変形する開放作動が生じて吸気孔16が開放され、該吸気口2からエアーが吸引されてピストン室5の可変容積37内に流入する。尚、この時、第二逆止弁19は、排気路14内に比して低圧となるピストン室5の可変容積37内との差圧によって閉鎖状態が維持される。次いで、ピストン6が進出してピストン室5の可変容積37が縮小されると、該可変容積37内が吸気路13内に比して高圧となり、それまで上方に弾性変形していた第一逆止弁17の傘状弁膜部20が、その弾性復元力を介して旧位に復帰する閉鎖作動によって吸気孔16が閉鎖され、吸気路13へのエアーの逆流が遮断されて該エアーが圧搾される。そして、このようにエアーが圧搾されることにより、ピストン室5の可変容積37内に比して排気路14内が低圧となると、その差圧によって第二逆止弁19の傘状弁膜部21が下方に弾性変形する開放作動が生じて排気孔18が開放され、ピストン室5の可変容積37内の圧搾エアーが排気路14を介して排気口3から吐出される。
【0023】
このように、電動エアーポンプ1は、ピストン室5の可変容積37の拡張に伴って生じる第一逆止弁17の開放作動及び第二逆止弁19の閉鎖作動によって吸気口2からのエアーの吸引作用が得られる一方、ピストン室5の可変容積37の縮小に伴って生じる第一逆止弁17の閉鎖作動及び第二逆止弁19の開放作動によって排気口3からの圧搾エアーの吐出作用が得られるようになっている。
【0024】
かかる電動エアーポンプ1は、横幅130mm,高さ115mm,奥行き47mm程度の外形寸法で製作可能であり、一般的な電動エアーポンプに比して極めて小型かつ軽量なものとなっている。尚、本発明に用いられる電動エアーポンプ1は上記構成に限定されるものではなく、所定のエアーの吸引作用及び圧搾エアーの吐出作用が得られる小型軽量のものであれば、他の構成のものであってもよい。
【0025】
次に、本発明の要部について説明する。
前記電動エアーポンプ1の吸気口2には、図2に示すように、第一電磁弁22を介して吸着パッド23が接続されている。該第一電磁弁22は、2位置3ポート切換弁からなり、バネ付勢によるノーマル位置で、吸着パッド23内を電動エアーポンプ1の吸気口2と連通させて、吸着パッド23内のエアーを吸引する内気吸引状態と、ソレノイドへの通電によるオフセット位置で、前記吸気口2を外気と連通させて外気を吸引する外気吸引状態とに選択的に切り換えられるようになっている。また、吸着パッド23から第一電磁弁22に至るエアー流路には、吸着パッド23内の真空度が所定の真空度となると、これを検知して作動信号を送出する真空スイッチ24が配設されており、該真空スイッチ24から延出された通信ケーブル25がコントロール装置26に接続されている。コントロール装置26は、前記真空スイッチ24から送出される作動信号に基づいて前記第一電磁弁22の切り換え作動を制御する制御内容を備えており、吸着パッド23内の真空度が所定真空度未満の場合には、第一電磁弁22を内気吸引状態に切り換え、吸着パッド23内の真空度が所定真空度に達した場合には、ソレノイドへ通電して第一電磁弁22を外気吸引状態に切り換える。また、第一電磁弁22のソレノイドには、コントロール装置26が作動電流を通電する電線27が接続されている。
【0026】
また、前記電動エアーポンプ1の排気口3には、エアー貯留槽28が接続されており、さらに該エアー貯留槽28が第二電磁弁29を介して前記吸着パッド23に接続されている。該第二電磁弁29は、2位置2ポート切換弁からなり、バネ付勢によるノーマル位置で、エアー貯留槽28から吸着パッド23へのエアーの供給を遮断してエアー貯留槽28内に圧搾エアーを貯留する非給気状態と、ソレノイドへの通電によるオフセット位置で、エアー貯留槽28内を吸着パッド23内と連通させてエアー貯留槽28内に貯留された圧搾エアーを吸着パッド23へ供給する給気状態とに選択的に切り換えられるようになっている。該第二電磁弁29のソレノイドには、コントロール装置26が作動電流を通電する電線30が接続されている。
【0027】
さらにエアー貯留槽28またはその近傍のエアー流路には、エアー貯留槽28内に貯留される圧搾エアーが所定の圧力となると、これを検知して作動信号を送出する圧力スイッチ32が配設されており、該圧力スイッチ32から延出された通信ケーブル33が前記コントロール装置26に接続されている。前記コントロール装置26は、圧力スイッチ32から送出される作動信号に基づいて電動エアーポンプ1の電動モータ9(図1参照)への通電・非通電を制御する制御内容を備えており、エアー貯留槽28内の圧搾エアーが所定の圧力となると、電動モータ9への通電を停止させる。コントロール装置26と電動エアーポンプ1は、電動モータ9に駆動電流を通電する電線34によって接続されている。また、エアー貯留槽28と第二電磁弁29との間には、レギュレータ31が配設されており、該レギュレータ31によって吸着パッド23へ供給される圧搾エアーの圧力が常に一定となるようにしている。
【0028】
かかる構成にあって、ワークwの吸着に際して、第一電磁弁22及び第二電磁弁29はコントロール装置26による制御によって夫々バネ付勢によるノーマル位置に保持されている。即ち、第一電磁弁22は内気吸引状態にあり、第二電磁弁29は非給気状態にある。この状態において、電動モータ9(図1参照)に通電して電動エアーポンプ1を駆動させると、吸着パッド23内のエアーが電動エアーポンプ1の吸気口2から順次吸引されることによって吸着パッド23内が真空状態となり、該吸着パッド23にワークwが真空吸着される。また、電動エアーポンプ1に吸引された吸着パッド23内のエアーは排気口3から順次吐出されてエアー貯留槽28内に貯留される。そして、吸着パッド23内の真空度がワークwを充分に真空吸着して移送し得る所定の真空度に達すると、これを検知した真空スイッチ24から作動信号が送出される。この作動信号を受信するとコントロール装置26は第一電磁弁22のソレノイドに作動電流を通電して励磁状態とすることにより、該第一電磁弁22が外気吸引状態に切り換えられる。この第一電磁弁22の外気吸引状態への切り換え作動により、吸着パッド23と連通する第一電磁弁22内のポートがスプールによって閉鎖されることにより、吸着パッド23内へのエアーの逆流が遮断されて吸着パッド23内の真空度が保持される一方、電動エアーポンプ1には外気吸引状態に切り換えられた第一電磁弁22から外気としてのエアーが吸引され、該エアーが排気口3から順次吐出されてエアー貯留槽28内に貯留される。これにより、エアー貯留槽28内には吸着パッド23内から吸引されるエアー量以上の高圧の圧搾エアーが貯留されることとなる。ここで、該エアー貯留槽28内の圧搾エアーが所定の圧力に達すると、これを検知した圧力スイッチ32から作動信号が送出され、該作動信号に基づいてコントロール装置26が電動モータ9への通電を止めて電動エアーポンプ1の駆動を停止させる。これにより、必要量以上の圧搾エアーの生成及び貯留が防止されるとともに、電動エアーポンプ1による電力の無駄な消費を抑制することができる。そして、このように、エアー貯留槽28内に高圧の圧搾エアーを貯留する一方、吸着パッド23にワークwを真空吸着させて移送することができ、移送後には第二電磁弁29のソレノイドへの通電によって、該第二電磁弁29を給気状態に切り換えることにより、エアー貯留槽28内の高圧の圧搾エアーが吸着パッド23内に供給され、該吸着パッド23内の真空が即座に破壊されてワークwが解放される。
【0029】
尚、上記のように、吸着パッド23内にエアー貯留槽28内の圧搾エアーが供給されると、該吸着パッド23内が所定真空度未満となるため、真空スイッチ24の検知に基づくコントロール装置26の制御によって第一電磁弁22のソレノイドに対する通電が解除され、第一電磁弁22はバネ付勢によるノーマル位置の内気吸引状態に切り換えられる。また、エアー貯留槽28内の圧力が下がるため、圧力スイッチ32の検知に基づくコントロール装置26の制御によって、電動モータ9への通電が可能な状態に戻る。
【0030】
このように、第一実施例の構成によれば、吸着パッド23が接続される電動エアーポンプ1によって吸着パッド23の真空吸引を行い得るとともに、該吸着パッド23内が所定真空度に達すると、これを検知する真空スイッチ24から送出される作動信号に基づいてコントロール装置26が第一電磁弁22を外気吸引状態に切り換えて、外気としてのエアーを吸引させることにより、吸着パッド23内から吸引されるエアー量以上の高圧の圧搾エアーをエアー貯留槽28内に貯留させることができる。そして、必要に応じて第二電磁弁29を給気状態に切り換えて、エアー貯留槽28の高圧の圧搾エアーを吸着パッド23に供給して真空破壊を行うことにより、大気を供給する場合に比して、ワーク解放のタクトタイムが速くなり、ワーク解放動作を迅速化することができる。
【0031】
また、電動エアーポンプ1は、小型軽量の電動エアーポンプが適用可能であり、このような小型軽量の電動エアーポンプ1を個々に用いて各吸着パッド23の真空吸引を行い得るとともに、真空破壊用の高圧の圧搾エアーを生成し得ることにより、従来のようなコンプレッサや、各吸着パッド23に供給する大量の圧搾エアーを貯留可能な大型のサージタンク、及び該サージタンクから各吸着パッド23に圧搾エアーを供給するための給気配管等の大掛かりな設備が不要となる。これにより、設備投資が少額で済むとともに、大型のサージタンク及びコンプレッサの設置スペースや、圧搾エアーの供給用導管の配設スペースが不要となり、さらに該供給用導管の維持メンテナンスに掛かる費用や手間も不要とすることができる。
【0032】
図3は、第二実施例を示し、この第二実施例は、上述した第一実施例の構成に加えて、電動エアーポンプ1の排気口3とエアー貯留槽28との間に、第三電磁弁35が配設されている。該第三電磁弁35は、2位置3ポート切換弁からなり、バネ付勢によるノーマル位置で、排気口3を外気と連通させて該排気口3から吐出されるエアーを外気中に放出する放出状態と、ソレノイドへの通電によるオフセット位置で、排気口3をエアー貯留槽28と連通させて該排気口3から吐出されるエアーをエアー貯留槽28内に貯留する貯留状態とに選択的に切り換えられるようになっている。
【0033】
また、コントロール装置26は、真空スイッチ24から送出される作動信号に基づいて前記第三電磁弁35の切り換え作動を制御する制御内容を備えており、吸着パッド23内の真空度が所定真空度未満の場合には、第三電磁弁35を放出状態に切り換え、吸着パッド23内の真空度が所定真空度に達した場合には、ソレノイドへ通電して第三電磁弁35を貯留状態に切り換える。また、第三電磁弁35のソレノイドには、コントロール装置26が作動電流を通電する電線36が接続されている。
【0034】
かかる構成にあって、ワークwの吸着に際して、第一電磁弁22、第二電磁弁29及び第三電磁弁35は、コントロール装置26による制御によって夫々バネ付勢によるノーマル位置に保持されている。即ち、第一電磁弁22は内気吸引状態にあり、第二電磁弁29は非給気状態にあり、第三電磁弁35は放出状態にある。この状態において、電動モータ9(図1参照)に通電して電動エアーポンプ1を駆動させると、吸着パッド23内のエアーが電動エアーポンプ1の吸気口2から順次吸引されることによって吸着パッド23内が真空状態となり、該吸着パッド23にワークwが真空吸着される。また、電動エアーポンプ1に吸引されて排気口3から吐出される吸着パッド23内のエアーは、放出状態の第三電磁弁35から外気中に順次放出される。これにより、排気口3から吐出されるエアーに負荷が掛からないため、電動エアーポンプ1の吸引能力を充分に発揮させることができ、吸着パッド23内の真空度を円滑に高めることができる。そして、吸着パッド23内の真空度がワークwを充分に真空吸着して移送し得る所定の真空度に達すると、これを検知した真空スイッチ24から作動信号が送出される。この作動信号を受信するとコントロール装置26は第一電磁弁22のソレノイドに作動電流を通電して励磁状態とすることにより、該第一電磁弁22が外気吸引状態に切り換えられるとともに、第三電磁弁35のソレノイドに作動電流を通電して励磁状態とすることにより、該第三電磁弁35がエアーをエアー貯留槽28に貯留する貯留状態に切り換えられる。この第一電磁弁22の外気吸引状態への切り換え作動により、吸着パッド23と連通する第一電磁弁22内のポートがスプールによって閉鎖されることにより、吸着パッド23内へのエアーの逆流が遮断されて吸着パッド23内の真空度が保持される一方、電動エアーポンプ1には外気吸引状態に切り換えられた第一電磁弁22から外気としてのエアーが吸引されるとともに、排気口3から吐出されるエアーが貯留状態に切り換えられた第三電磁弁35を経てエアー貯留槽28内に順次貯留される。これにより、エアー貯留槽28内には外気から取り入れられた充分な量のエアーが送り込まれ、高圧の圧搾エアーが貯留されることとなる。そして、このように、エアー貯留槽28内に高圧の圧搾エアーを貯留する一方、吸着パッド23にワークwを真空吸着させて移送することができ、移送後には第二電磁弁29のソレノイドへの通電によって、該第二電磁弁29を給気状態に切り換えることにより、エアー貯留槽28内の高圧の圧搾エアーが吸着パッド23内に供給され、該吸着パッド23内の真空が即座に破壊されてワークwが解放される。
【0035】
尚、上記のように、吸着パッド23内にエアー貯留槽28内の圧搾エアーが供給されると、該吸着パッド23内が所定真空度未満となるため、真空スイッチ24の検知に基づくコントロール装置26の制御によって第一電磁弁22及び第三電磁弁35の各ソレノイドに対する通電が解除され、第一電磁弁22はバネ付勢によるノーマル位置の内気吸引状態に切り換えられ、第三電磁弁35はバネ付勢によるノーマル位置の放出状態切り換えられる。
【0036】
このように、第二実施例の構成によれば、吸着パッド23内の真空吸引時に第三電磁弁35が放出状態に切り換えられることにより、電動エアーポンプ1に吸引されて排気口3から吐出される吸着パッド23内のエアーを、放出状態の第三電磁弁35から外気中に順次放出することができる。これにより、排気口3から吐出されるエアーに負荷が掛からないため、電動エアーポンプ1の吸引能力を充分に発揮させることができ、吸着パッド23内の真空度を円滑に高めることができる。また、吸着パッド23内が所定真空度に達すると、これを検知する真空スイッチ24から送出される作動信号に基づいてコントロール装置26が第一電磁弁22を外気吸引状態に切り換えて、外気としてのエアーを吸引させるとともに、第三電磁弁35を貯留状態に切り換えて、排気口3から吐出されるエアーをエアー貯留槽28内に貯留させるので、エアー貯留槽28内には外気から取り入れられた充分な量のエアーが送り込まれ、高圧の圧搾エアーを貯留させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】電動エアーポンプ1の縦断正面図である。
【図2】第一実施例にかかるワーク吸着移送システムにおける給排気制御装置を示す模式図である。
【図3】第二実施例にかかるワーク吸着移送システムにおける給排気制御装置を示す模式図である。
【図4】従来構成のワーク吸着移送システムの概略図である。
【符号の説明】
【0038】
1 電動エアーポンプ
2 吸気口
3 排気口
22 第一電磁弁
23 吸着パッド
24 真空スイッチ
26 コントロール装置
28 エアー貯留槽
29 第二電磁弁
32 圧力スイッチ
35 第三電磁弁
w ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸着パッド内のエアーを吸引して真空状態にすることにより、吸着パッドにワークを真空吸着させて移送し、移送後には吸着パッド内にエアーを供給することにより、吸着パッド内の真空状態を破壊してワークを解放するワーク吸着移送システムにおいて、
駆動によりエアーを吸気口から吸引して排気口から吐出する電動エアーポンプと、
該電動エアーポンプの吸気口と該吸気口に接続される吸着パッドとの間に配設され、該吸着パッド内を前記吸気口と連通させて、吸着パッド内のエアーを吸引する内気吸引状態と、前記吸気口を外気と連通させて外気を吸引する外気吸引状態とに選択的に切り換えられる第一電磁弁と、
前記電動エアーポンプの排気口に接続されるエアー貯留槽と、
該エアー貯留槽と該エアー貯留槽に接続される前記吸着パッドとの間に配設され、エアー貯留槽から吸着パッドへのエアーの供給を遮断してエアー貯留槽内に圧搾エアーを貯留する非給気状態と、エアー貯留槽内を吸着パッド内と連通させてエアー貯留槽内に貯留された圧搾エアーを吸着パッドへ供給する給気状態とに選択的に切り換えられる第二電磁弁と、
吸着パッド内の所定真空度を検知して作動信号を送出する真空スイッチと、
該真空スイッチから送出される作動信号に基づいて前記第一電磁弁の切り換え作動を制御し、吸着パッド内の真空度が所定真空度未満の場合には、第一電磁弁を内気吸引状態に切り換え、吸着パッド内の真空度が所定真空度に達した場合に、第一電磁弁を外気吸引状態に切り換えるコントロール装置と
を備えてなることを特徴とするワーク吸着移送システムにおける給排気制御装置。
【請求項2】
電動エアーポンプの排気口とエアー貯留槽との間に、排気口を外気と連通させて該排気口から吐出されるエアーを外気中に放出する放出状態と、排気口をエアー貯留槽と連通させて該排気口から吐出されるエアーをエアー貯留槽内に貯留する貯留状態とに選択的に切り換えられる第三電磁弁が配設され、該第三電磁弁の切り換え作動が、真空スイッチから送出される作動信号に基づいてコントロール装置により制御され、吸着パッド内の真空度が所定真空度未満の場合には、第三電磁弁が放出状態に切り換えられ、吸着パッド内の真空度が所定真空度に達した場合に、第三電磁弁が貯留状態に切り換えられることを特徴とする請求項1記載のワーク吸着移送システムにおける給排気制御装置。
【請求項3】
エアー貯留槽内に貯留された圧搾エアーの所定圧力を検知して、電動エアーポンプの駆動を停止する契機となる作動信号を送出する圧力スイッチを備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のワーク吸着移送システムにおける給排気制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−101467(P2009−101467A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−275955(P2007−275955)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(504192759)株式会社アイ・アンド・ティー (13)
【Fターム(参考)】