説明

一体化された光学補正構造物を有する空間光変調器

【課題】一体化された光学補正構造物を有する空間光変調器を提供する。
【解決手段】空間光変調器40は、一体化された光学補正構造物41、例えば、基板42と複数の個々にアドレス可能な光変調素子44との間に配置された光学補正構造物、又は、基板に関して光変調素子の反対側に配置された光学補正構造物、を具備する。該個々にアドレス可能な光変調素子は、透明基板内を透過された光又は透明基板から反射された光を変調するように構成される。該空間光変調器を製造する方法は、光学補正構造物を基板上方に製造することと、複数の個々にアドレス可能な光変調素子を該光学補正構造物上方に製造すること、とを含む。該光学補正構造物は、受動的光学補正構造物であることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、米国仮特許出願一連番号60/541,607(出願日:2004年2月3日)、米国仮特許出願一連番号60/613,482(出願日:2004年9月27日)、米国仮特許出願一連番号60/613,536(出願日:2004年9月27日)、及び米国仮特許出願一連番号60/613,542(出願日:2004年9月27日)に対する優先権を主張する米国特許出願番号11/036,965(出願日:2005年1月14日)の継続出願である。
【0002】
本発明は、インターフェロメトリックモジュレータ等の空間光変調器の製造及び性能に関するものである。
【背景技術】
【0003】
空間光変調器は、個々にアドレス可能な(addressable)光変調素子のアレイを含む表示デバイスである。空間光変調器例は、液晶ディスプレイ及びインターフェロメトリックモジュレータアレイを含む。該表示デバイス内の光変調素子は、典型的には、個々の素子を通じて反射又は透過された光の特性を変化させ、それによって該ディスプレイの外観を変えることによって機能する。
【0004】
空間光変調器がますます精巧化するのに伴い、これらの空間光変調器を現在の製造プロセスによって製造することに関連する難題も増加することになると本発明者は予想している。
【発明の概要】
【0005】
従って、本発明者は、一体化された光学補正構造物を有する空間光変調器を開発し更にこれらの空間光変調器を製造する方法を開発した。
【0006】
一実施形態は、基板と、該基板上方に配置され更に光を変調するように構成された複数の個々にアドレス可能な光変調素子と、光学補正構造物と、を含む空間光変調器であって、該光学補正構造物は、該基板と該複数の個々にアドレス可能な光変調素子との間に配置される、空間光変調器、を提供する。一定の実施形態においては、該光学補正構造物は、受動的光学補正構造物である。
【0007】
一実施形態は、基板と、該基板上方に配置され更に光を変調するように構成された複数の個々にアドレス可能な光変調素子と、光学補正構造物と、を含む空間光変調器であって、該複数の個々にアドレス可能な光変調素子は、該基板と該光学補正構造との間に配置された、空間光変調器、を提供する。該光学補正構造物は、カラーフィルタ、ブラックマスク、及び反射防止層のうち少なくとも1つを具備する。
【0008】
もう1つの実施形態は、透明な基板上方に光学補正構造物を製造することと、該光学補正構造上方に複数の個々にアドレス可能な光変調素子を製造すること、とを含む空間光変調器製造方法であって、これらの複数の個々にアドレス可能な光変調素子は、該透明基板内を透過された光を変調するように構成される、光変調素子製造方法、を提供する。一定の実施形態においては、該光学補正構造物を製造することは、受動的光学補正構造物を製造することを含む。
【0009】
もう1つの実施形態は、複数の個々にアドレス可能な光変調素子を基板上方に製造することと、該複数の個々にアドレス可能な光変調素子上方に光学補正構造物を製造すること、とを含む空間光変調器製造方法であって、該複数の個々にアドレス可能な光変調素子は、該光学補正構造物内を透過された光を変調するように構成される、空間光変調器製造方法、を提供する。該光学補正構造物は、カラーフィルタ、マスク、及び反射防止層のうちの少なくとも1つを具備する。
【0010】
もう1つの実施形態は、透明基板と、該透明基板上方に配置され更に該透明基板内を透過された光を変調するように構成された複数の個々にアドレス可能な干渉型光変調素子であって、空洞および可動壁を具備する複数の個々にアドレス可能な光変調素子と、前記透明基板と前記複数の個々にアドレス可能な干渉型光変調素子との間に配置された少なくとも1つの光学補正構造物であって、カラーフィルタ又はディフューザを具備する光学補正構造物と、を含む空間光変調器を提供する。
【0011】
もう1つの実施形態は、基板と、該基板内を透過された光又は該基板から反射された光を変調する手段と、該基板内を透過された光又は該基板から反射された光を補正する手段と、を含む空間光変調器であって、該光を補正する該手段は、該基板と、該基板内を透過された光又は該基板から反射された光を補正する手段との間において動作可能な形で配置された、空間光変調器、を提供する。複数の一定の実施形態においては、該基板内を透過された光又は該基板から反射された光を補正する該手段は、該基板内を透過された光又は該基板から反射された光を受動的に補正する手段である。
【0012】
もう1つの実施形態は、基板と、該基板内を透過された光又は該基板から反射された光を変調する手段と、該基板内を透過された光又は該基板から反射された光を補正する手段と、を含む空間光変調器であって、該基板内を透過された光又は該基板から反射された光を変調する該手段は、該基板と該光を補正する該手段との間において動作可能な形で配置された、空間光変調器、を提供する。該基板内を透過された該光又は該基板から反射された該光を補正する該手段は、カラーフィルタ、ブラックマスク、及び反射防止層のうちの少なくとも1つを具備する。
【0013】
もう1つの実施形態は、光学補正構造物を透明基板上方に製造することと、複数の個々にアドレス可能な光変調素子を該光学補正構造物上方に製造することであって、該個々にアドレス可能な光変調素子は、該透明基板内を透過された光を変調するように構成されること、とを含む方法、によって製造される空間光変調器を提供する。
【0014】
もう1つの実施形態は、複数の個々にアドレス可能な光変調素子を基板上方に製造することと、光学補正構造物を該個々にアドレス可能な光変調素子上方に製造することであって、該個々にアドレス可能な光変調素子は、該光学補正構造物内を透過された光を変調するように構成されること、とを含む方法、によって製造される空間光変調器を提供する。該光学補正構造物は、カラーフィルタ、ブラックマスク、及び反射防止層のうちの少なくとも1つを具備する。
【0015】
本明細書において説明されているその他の幾つかの実施形態は、幾つかの事例においては単純化された製造を提供することもできる。
【0016】
もう1つの実施形態においては、表示領域は、白黒の光変調素子と、カラーフィルタと、を具備する。該白黒の光変調素子は、第1の反射面と、第2の反射面と、これらの両反射面間の空隙と、を含む。第2の反射面は、第1の反射面を基準して移動可能である。該カラーフィルタは、白光によって照明時に色付きの光を透過させるように構成される。該カラーフィルタは、該光変調素子から出された光が該カラーフィルタによってフィルタリングされるように該光変調素子を基準にして位置決めされる。
【0017】
該白黒光変調素子は、白黒のインターフェロメトリックモジュレータを具備する。該白黒光変調素子は、その他の光変調素子(例えば、その他の白黒変調素子)のアレイ内に含めることができる。可能なことにアレイ内において、追加のカラーフィルタを含めることもできる。異なる光変調素子が異なる色(赤、緑、及び青)を作り出すようにするために、異なる反応を有するカラーフィルタを使用することができる。
【0018】
もう1つの実施形態においては、表示領域は、第1の反射面と、第2の反射面と、これらの両反射面間の空隙と、を含む複数の光変調素子を具備する。第2の反射面は、第1の反射面を基準にして移動可能である。該表示領域は、より広い帯域の波長で照明時により狭い帯域の波長を透過させるように構成された複数のカラーフィルタ素子をさらに具備する。該カラーフィルタ素子は、光変調素子から出された光が該カラーフィルタ素子によってフィルタリングされるように該光変調素子を基準にして位置決めされる。これらの複数の光変調素子が光(例えば白光)を出すときには、第1の反射面は、該複数の光変調素子の各々に関して、実質的に等しい距離だけ第2の反射面から分離される。
【0019】
該光変調素子は、白黒の光変調素子を具備することができる。該光変調素子は、インターフェロメトリックモジュレータ又はその他の型の変調器を具備することができる。該光変調素子は、例えば反射状態時に光を出すことができる。
【0020】
複数のカラーフィルタ素子は、出力される異なる色(赤、緑、青、等)を作り出すように構成された2つ以上の又は3つ以上のカラーフィルタ素子を含む。これらのカラーフィルタ素子は、より広い帯域の波長で照明時により狭い帯域の波長を透過させる材料(染色フォトレジスト等の染色された材料)を具備する。様々な実施形態においては、この材料は、白光で照明時に色光を透過させることができる。
【0021】
もう1つの実施形態においては、表示領域は、複数の光変調素子と、カラーフィルタアレイと、を具備する。これらの光変調素子の各々は、第1の反射面と、第2の反射面と、両反射面間の空洞を含む。第2の反射面は、第1の反射面を基準して移動可能である。該カラーフィルタアレイは、より広い帯域の波長で照明時により狭い帯域の波長を透過させるように構成された複数のカラーフィルタ素子を含む。該カラーフィルタアレイは、光変調素子から出された光が該カラーフィルタ素子によってフィルタリングされるように該光変調素子を基準にして位置決めされる。該複数の光変調素子が光(例えば白光)を出すときには、第1の反射面は、該複数の光変調素子の各々に関して、実質的に等しい距離だけ第2の反射面から分離される。これらのカラーフィルタ素子の少なくとも2つは、出力される異なる色を作り出すように構成される。
【0022】
もう1つの実施形態は、表示デバイスを製造する方法を含む。この方法においては、白黒の光変調素子が提供される。提供される該白黒光変調素子は、第1の光学面と、第2の光学面と、を含み、第2の光学面は、第1の光学面を基準して移動可能である。カラーフィルタは、光変調素子から出される白光が該カラーフィルタによってフィルタリングされるように該光変調素子を基準して位置決めされる。該カラーフィルタは、白光で照明時に色付きの光を透過させるように構成される。
【0023】
該白黒光変調素子は、白黒インターフェロメトリックモジュレータを具備することができる。該白黒光変調素子は、その他の光変調素子(例えば、その他の白黒変調素子)のアレイ内に含めることができる。更に、可能なことにアレイ内において、追加のカラーフィルタを含めることもできる。異なる光変調素子が異なる色(赤、緑、及び青)を作り出すようにするために、異なる反応を有するカラーフィルタを使用することができる。
【0024】
もう1つの実施形態は、表示領域を製造する方法を含む。この方法においては、各々が第1の反射面と、第2の反射面と、両反射面間の空洞と、を含む複数の光変調素子が提供される。これらの複数の光変調素子が光(例えば白光)を出すときには、第1の反射面は、該複数の光変調素子の各々に関して、実質的に等しい距離だけ第2の反射面から分離される。カラーフィルタ素子は、該光変調素子から出された光が各々のカラーフィルタ素子によってフィルタリングされるように該光変調素子を基準にして位置決めされる。様々な実施形態においては、該カラーフィルタ素子は、広い帯域の波長で照明時に狭い帯域の波長を透過させるように構成された材料を含むことができる。幾つかの実施形態においては、該カラーフィルタ素子は、アレイ内に含められる。該アレイは、出力される異なる色を作り出すように構成された少なくとも2つのカラーフィルタ素子を含むことができる。
【0025】
光変調素子は、白黒の光変調素子を具備することができる。該光変調素子は、インターフェロメトリックモジュレータ又はその他の型の変調器を具備することができる。該光変調素子は、例えば反射状態時に光を出すことができる。
【0026】
複数のカラーフィルタ素子は、出力される異なる色(赤、緑、青、等)を作り出すように構成された2つ以上又は3つ以上のカラーフィルタ素子を含むことができる。該カラーフィルタ素子は、染色フォトレジスト等の染色された材料を具備することができる。該材料は、白光で照明時に色を透過させることができる。
【0027】
もう1つの実施形態は、第1の光学面及び第2の光学面を含む変調白光信号生成手段を具備する表示デバイスであって、第2の光学面は第1の光学面を基準にして移動可能である表示デバイス、を含む。該表示デバイスは、該変調白光信号を色付き光信号に変換させるために該変調白光信号をフィルタリングする手段をさらに具備する。
【0028】
以下では、上記の実施形態及びその他の実施形態がさらに詳細に説明される。
【0029】
本発明の上記の側面及びその他の側面は、以下の説明及び添付図面から容易に理解されることになる。これらの説明及び添付図面は、本発明を例示することを目的とするものであり、本発明を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1A】典型的インターフェロメトリックモジュレータの一部の特性を示した図である(その1)(米国特許公開番号2002/0126364 A1の図1Aを参照)。
【図1B】典型的インターフェロメトリックモジュレータの一部の特性を示した図である(その2)(米国特許公開番号2002/0126364 A1の図1Bを参照)。
【図2】典型的インターフェロメトリックモジュレータの一部の特性を示した図である(米国特許公開番号2002/0126364 A1の図2を参照)。
【図3A】光変調素子アレイが所在する基板面の対向反対面上に製造された光学補正膜を示した図である(その1)(米国特許公開番号2002/0126364 A1の図6Aを参照)。
【図3B】光変調素子アレイが所在する基板面の反対面上に製造された光学補正膜を示した図である(その2)(米国特許公開番号2002/0126364 A1の図6Bを参照)。
【図3C】光変調素子アレイが所在する基板面の反対面上に製造された光学補正膜を示した図である(その3)(米国特許公開番号2002/0126364 A1の図6Cを参照)。
【図3D】光変調素子アレイが所在する基板面の反対面上に製造された光学補正膜を示した図である(その4)(米国特許公開番号2002/0126364 A1の図6Dを参照)。
【図3E】光変調素子アレイが所在する基板面の反対面上に製造された光学補正膜を示した図である(その5)(米国特許公開番号2002/0126364 A1の図6Eを参照)。
【図3F】光変調素子アレイが所在する基板面の反対面上に製造された光学補正膜を示した図である(その6)(米国特許公開番号2002/0126364 A1の図6Fを参照)。
【図4】光変調素子が所在する基板面の反対面上に製造された光学補正膜(ディフューザ)を示した図である。
【図5A】一体化された光学補正構造物を具備する空間光変調器の様々な実施形態を示した図である(その1)。
【図5B】一体化された光学補正構造物を具備する空間光変調器の様々な実施形態を示した図である(その2)。
【図5C】一体化された光学補正構造物を具備する空間光変調器の様々な実施形態を示した図である(その3)。
【図6】光を散乱させる一体化された光学補正構造物を具備する空間光変調器の実施形態を示した図である。
【図7A】一体化された光学補正構造物を具備する空間光変調器の様々な実施形態を示した図である(その1)。
【図7B】一体化された光学補正構造物を具備する空間光変調器の様々な実施形態を示した図である(その2)。
【図8】一体化された光学補正構造物を具備する空間光変調器を製造するための製造プロセス流れ図の実施形態を示した図である。
【図9】一体化された光学補正構造物を具備する空間光変調器の実施形態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
好ましい実施形態は、少なくとも1つの一体化された光学補正構造物を含むインターフェロメトリックモジュレータである。いくつかの構成においては、光学補正構造物は、インターフェロメトリックモジュレータの基板と光変調素子との間に配置される。その他の構成においては、光変調素子は、基板と光学補正構造物との間に配置される。
【0032】
米国特許公開番号2002/0126364 A1では、様々なインターフェロメトリックモジュレータ例が説明されている。図1及び図2は、典型的インターフェロメトリックモジュレータの一部の特性を示した図である(米国特許公開番号2002/0126364 A1の図1と2及び対応する本文を参照)。図1A及び1Bにおいて、2つのインターフェロメトリックモジュレータ構造物114及び116は、各々が、様々な技術のうちのいずれかを用いて上面(外面)103内にエッチングされた波形パターン104を有する二次鏡102を含む。この波形は、二次鏡102が形成されている膜106内までは延びておらず、このため、二次鏡102の内面108は平滑な状態である。図1Bは、該二次鏡上におけるエッチング波形104のパターンと、エッチング後に存在する平滑な内面112と、を示している。波形パターンは、様々な幾何形状(長方形、ピラミッド形、円錐形、等)で形成させることができ、二次鏡の構造上の剛性を提供し、それによって、材料応力の変動に対する耐性を向上させ、総質量を低減させ、さらに二次鏡が作動時における変形を防止する。
【0033】
一般的には、電圧が印加されていないか又は相対的に定常状態の電圧、即ちバイアス電圧、が印加されているインターフェロメトリックモジュレータは、静止状態にあるとみなされ、特定の色(静色)を反射させる。米国特許公開番号2022/0126364 A1において参照されているように、静色は、二次鏡が製造される犠牲スペーサーの厚さによって決定される。
【0034】
各インターフェロメトリックモジュレータ114、116は、長方形であり、その4つの角が120及び122等の支持アームを通じて4つの柱118に接続される。幾つかの事例においては(米国特許公開番号2002/0126364 A1における説明を参照)、インターフェロメトリックモジュレータアレイは、選択された一定のバイアス電圧で動作される。これらの場合においては、二次鏡102は、一般的には、バイアス電圧が印加されていない場合よりも対応する一次鏡128の方に近い静止位置を維持する。異なる大きさの支持アームを有するインターフェロメトリックモジュレータの製造は、各インターフェロメトリックモジュレータの機械的復元力が幾何形状によって決定されることを考慮したものである。従って、同じバイアス電圧が複数のインターフェロメトリックモジュレータに印加された場合は、各インターフェロメトリックモジュレータは、支持アームの寸法及びその結果得られるばね定数を制御することを通じて異なるバイアス位置(一次鏡からの距離)を維持することができる。この場合は、支持アームが太いほどばね定数が大きくなる。従って、異なる厚さのスペーサーを蒸着する必要なしに異なるインターフェロメトリックモジュレータによって異なる色(赤、緑、青、等)を表示することができる。代替として、製造中に蒸着され更に除去される単一のスペーサーを使用し、支持アームを定めるために用いられる単一のフォトリソグラフィステップ中に支持アームの寸法を変更することによって色が決定されるようにすることができる。例えば、図2において、インターフェロメトリックモジュレータ114、116は、両方とも、静止状態で同じバイアス電圧が印加されている。しかしながら、インターフェロメトリックモジュレータ114は各々の支持アームの寸法がインターフェロメトリックモジュレータ116よりも大きいため、インターフェロメトリックモジュレータ114に関する間隙126は、インターフェロメトリックモジュレータ116に関する間隙128よりも大きい。更に、その他の様々なインターフェロメトリックモジュレータ例も示されている。
【0035】
米国特許公開番号2002/0126364 A1は、入射角の変化に伴うカラーシフト(干渉構造物に典型的な1つの特性)を極小化するための様々な受動的光学補正構造物及びに補足的な照明を供給するための能動的光学補正構造物についても説明している。例えば、図3A乃至3Fにおいて示されているように(米国特許公開番号2002/0126364 A1の図6A乃至6Fを参照)、光変調素子アレイが所在する基板面の対向面上に光学補正膜を製造することができる。これらの光学補正膜は、幾つかの方法で設計及び製造することができ、更に、互いに関連させて使用することができる。
【0036】
図3Aにおいて、受動的光学補正膜600は、体積型又は表面レリーフ型のホログラフィー膜である。体積型ホログラフィー膜は、2つ以上のコヒーレントな光源(レーザー、等)を交差させることによって生み出された干渉パターンに感光性ポリマーを露出させることによって作り出すことができる。適切な周波数及びビーム方位を用いることによって、膜内における任意の周期的な屈折指数パターンを作り出すことができる。表面レリーフ型ホログラフィー膜は、当業者によって知られているあらゆる数の微細加工技術を用いて金属マスターを作り出すことによって生産することができる。この金属マスターは、のちに膜のパターン形成に用いられる。これらの膜は、定義可能な角円錐内における光の透過と反射の質を向上させてそれによって軸外光を極小化するために使用することができる。輝度は、該円錐外では有意な量だけ低下するため、軸上光を用いて観察されたディスプレイの色及び輝度が高められてカラーシフトが減少する。
【0037】
図3Bにおいては、受動的光学補正構造物アレイ606が基板上に製造されるデバイス604に関するもう1つの手法が示されている。これらの構造物は、米国特許公開番号2002/0126364 A1において参照されている技術を用いて製造することができ、ジョンD.ジョアノプロス、等による著作物"Photonic Crystals"(フォトニック結晶)において説明されているように、フォトニック結晶であるとみなすことができる。これらの構造物は、基本的には、すべての角度からの干渉を実証する三次元干渉アレイである。このことは、一定の周波数の入射光を適切に色付けされた画素にチャネリングすること、一定の入射角の光を新たな入射角に変えること、又は両方の組合せ、を含む幾つかの機能を実施することができる導波管を設計することを可能にする。
【0038】
図3Cに示されているもう1つの受動的光学補正構造物例においては、3層重合体膜610は、浮遊粒子を含む。これらの粒子は、実際には、微細プレートの形で製造されている単層又は多層の誘電鏡である。これらのプレートは、例えば、多層誘電膜を重合体シート上に蒸着することによって製造することができ、該シートは、溶解時に、これらのプレートを作り出すような形で「盛り上がる」ことができる膜を残す。これらのプレートは、その後に液体プラスチック先駆体内に混合される。これらのプレートの方位は、硬化プロセス中に電界を加えることによって、製造中に固定させることができる。鏡は、1つの範囲のグレージング角でしか反射しないように設計することができる。従って、光は、鏡に対する入射角に依存して反射又は透過される。図3Cにおいて、層612は、垂直により近い形で膜610内に入る高入射角光609を反射させるように方位が定められている。層614は、入射角がより小さい光613をより垂直な経路内に反射させる。層616は、角度がさらに小さい入射光615を修正する。これらの層は、垂直に接近する光に対して最小限の影響しか及ぼさないため、これらの層の各々が別々の「角度選択性入射フィルタ」として機能し、その結果、ランダムに方位が定められた入射光が、より高い垂直度を有する基板内に結合される。このことは、この膜を通じて見られたディスプレイのカラーシフトを極小化させる。
【0039】
図3Dに示されているもう1つの受動的光学補正構造物例においては、マイクロレンズ622がデバイス620内のアレイにおいて使用される。各レンズ622は、各画素の能動域を実効的に拡大させることによってディスプレイの開口率を向上させるために使用することができる。この手法は、単独で又はその他のカラーシフト補正膜と共に使用することができる。
【0040】
図3Eに示されている能動的光学補正構造物例においては、デバイス624は、フロント照明アレイ(frontlighting array)の形態の補足照明を使用する。この場合は、有機発光材料626、例えば、Alq/ジアミン構造及びポリ(フェニリンビニレン)、を基板上に蒸着させてパターンを形成させることができる。図3Fの最上図は、下方のインターフェロメトリックモジュレータアレイに対応するパターン627を示している。即ち、発光域626は、インターフェロメトリックモジュレータ間の不活性域を隠して残りの領域内におけるクリアな開口を可能にするように設計されている。光は、能動的に基板内に放出されてインターフェロメトリックモジュレータ上に達し、その後に反射されてディスプレイを見ている人に向かう。逆に、パターンが形成された発光膜をディスプレイのバックプレートに塗布し、光が副画素間の間隙を通って前方に透過されるようにすることができる。この光は、ディスプレイ前部において鏡のパターン形成を行うことによって、反射させてインターフェロメトリックモジュレータアレイ上に戻すことができる。さらにもう1つの手法は、光源を膜とともに周辺部に配置して完全な内部反射に依存することである。米国特許公開番号6,055,090は、補足フロント照明源を含む能動的光学補正構造物を有するインターフェロメトリックモジュレータも開示している。
【0041】
図4は、光変調素子が所在する基板面の対向面上に製造された受動的光学補正膜(ディフューザ22)を具備するインターフェロメトリックモジュレータ10を示した図である。ディフューザ22は、一般的には、例えば反射アレイが鏡ではなく紙のように見えるようにすることによって、補正されていない空間光変調器アレイの鏡面反射性外観を補正する。図4において、光変調素子8は、可動壁又は素子16と、空洞20と、支持柱18と、を具備する。図4において示されているように、可動壁16は、空洞20上方で支持柱18によって支持されている。光学スタック14が、可動壁16の反対側の空洞20の壁を形成している。光学スタック14は、光変調素子8の一部であるとみなすことができる。光学スタック14は透明基板12上に製造され、ディフューザ22は、光変調素子8に関して基板12の対向端に製造される。動作時においては、可動壁16は、空洞20の前壁に平行な平面を通って移動する。可動壁16は、反射性が高く、典型的には金属を具備する。可動壁16が空洞12の反対側の光学スタック14の方に移動するのに従い、空洞20内での(典型的には透明基板12と光学スタック14を通って入った)光の自己干渉が発生する。空洞から出て透明基板12及び光学スタック14を通って戻る反射光の色は、光学スタック14と可動壁16との間の距離を変えることによって制御することができる。光学スタック14と接触している透明基板12の面は、光変調素子8が製造される表面である。ディフューザ22は、典型的には、光変調素子8の製造後に製造されるか又は透明基板12の対向面に取り付けられる。
【0042】
図4において示されており更に米国特許公開番号2002/0126364 A1によって開示されているように、空間光変調器用の受動的光学補正構造物は、典型的には、既存の製造プロセスの流れを容易にするために、光変調素子アレイが所在する基板面と反対の基板面上に製造される。全体的な表示システムの製造は、典型的には、受動的光学補正構造物、インターフェロメトリックモジュレータ構造物、ドライバ電子機器、グラフィックス制御機能、等の様々な構成要素を別々に作り出すことと、製造プロセスの流れにおけるのちの段階においてこれらの構成要素を一体化すること、とを含む。これらの様々な構成要素を別々に作り出してのちの段階で一体化することは、複雑な蒸着及び微細加工方式を実施する必要性を少なくすることによって、扱いの難しい光変調素子製造作業を単純化する。
【0043】
空間光変調器の精巧度が増すに従い、これらの空間光変調器を現在の製造プロセス流によって製造することに関わる難題も増加することが予想される。従って、一体化された光学補正構造物を有する空間光変調器及びこれらの空間光変調器の製造方法が開発されている。一実施形態は、一体化された光学補正構造物、例えば、基板と光変調素子との間に配置された光学補正構造物、又は、基板に関して光変調素子の反対側に配置された光学補正構造物、を有する空間光変調器を提供する。この関係においては、「受動的」光学補正構造物は、補足のフロント照明源を供給しない構造物である。
【0044】
上述されているように、図4は、光変調素子が所在する基板面の対向面上に製造された受動的光学補正膜(ディフューザ22)を示した図である。図4において、光変調素子8は、可動壁又は素子16と、空洞12と、支持柱18と、を具備するインターフェロメトリックモジュレータである。光学スタック14は、透明基板12上に製造され、ディフューザ22は、光変調素子8に関して基板12の反対側に製造される。光学スタック14は、光変調素子8の一部であるとみなすことができる。幾つかの実施形態においては、インターフェロメトリックモジュレータは、黒、即ち吸収状態、と反射状態との間で変調できることを当業者は理解することになる。反射状態は、白色のように見える非干渉に基づいた状態である。これらの実施形態における白色状態は、インターフェロメトリックモジュレータの干渉特性に特に依存するわけではない一方で、変調素子は、好ましいことに、干渉特性に依存するインターフェロメトリックモジュレータ実施形態と類似の構造を有しており、本明細書ではそのように言及される。インターフェロメトリックモジュレータは、吸収状態と干渉状態の間で、吸収状態と反射手段の間で、反射状態と干渉状態の間で、又は2つの異なる干渉状態の間で、変調することができる。
【0045】
図5Aは、図4に示されているように光変調素子に関して基板の反対側ではなく、基板42と光変調素子44との間に受動的光学補正構造物(ディフューザ41)が配置された空間光変調器40の実施形態を示した図である。図5Aに示されている実施形態においては、光変調素子44は、空洞45と、可動壁46と、光学スタック43と、支持物47と、を具備するインターフェロメトリックモジュレータである。光学スタック43は、可動壁46と反対側の空洞45の壁上に所在する。図示されている実施形態においては、空間光変調器40は、基板42と光学スタック43との間に平面化層48をさらに具備する。可動壁46及び光学スタック43は両方とも反射性であり、このため、空間光変調器40の動作は、一般的には、図4に示されている空間光変調器10に関して説明されている動作と類似している。典型的には、基板42は、少なくとも部分的に透明である。光変調素子44は、透明基板上方に配置され更に該透明基板内を透過された光を変調するように構成された複数の個々にアドレス可能な光変調素子を具備するアレイ内において構成できることを当業者は理解することになる。
【0046】
更に、図5Aに示されているディフューザ41は、基板と複数の個々にアドレス可能な光変調素子との間に配置することができる様々な光学補正構造物(能動型及び受動型の両方)の代表的な構造物であることを、当業者は理解することになる。例えば、能動的光学補正構造物は、補足のフロント照明源を供給することができる。受動的光学補正構造物例は、限定することなしに、反射防止層、回折光学素子、光を散乱させる構造物、ブラックマスク、カラーフィルタ、マイクロレンズアレイ、ホログラフィー膜(例えば、透明基板内を透過された光の入射角を基準にした場合における反射色のカラーシフトを軽減させる膜)、又はいずれかの組合せ、を含む。図5において、光変調素子44は、インターフェロメトリックモジュレータを具備するが、その他の空間光変調器を使用することもできる。
【0047】
図5Bは、受動的光学補正構造物(ブラックマスク32)が透明基板12と反射素子31との間に配置された空間光変調器33の実施形態を示した図である。反射素子31は、光学スタックであることができる。ブラックマスク32、等のブラックマスクは、空間光変調器構造物のうちで見ることが望ましくない部分を隠すために使用することができる。図5Bにおいては、明確化するために、光変調素子(例えば、複数の個々にアドレス可能な光変調素子)は省かれているが、透明基板12の上方に配置され更に透明基板12内を透過された光を変調するように構成されていると理解されている。例えば、図5Bの光変調素子は、図5Aに関して上述されているように、反射素子31上方に配置された複数の個々にアドレス可能な光変調素子を具備することができる。空間光変調器33は、図5Bに示されているように、例えばブラックマスク32と反射素子31との間において平面化層30を含むことができる。
【0048】
図5Cは、(カラーフィルタ素子34、36、38を具備する)受動的光学補正構造物が透明基板12と反射素子39との間に配置された空間光変調器37の実施形態を示した図である。図5Bにおいて示されているように、反射素子39は、光学スタックであることができる。示されている実施形態においては、カラーフィルタ素子34、36、38は、それぞれ赤、緑、及び青であるが、当業者は、結果的に得られた空間光変調器が希望される色を作り出すようにするためにその他の色を選択することができる。図5Bに示されているように、図5Cにおいては、明確化するために、光変調素子(例えば、複数の個々にアドレス可能な光変調素子)は省かれているが、透明基板12の上方に配置され更に透明基板12内を透過された光を変調するように構成されていると理解されている。例えば、図5Cの光変調素子は、図5Aに関して上述されているように、光学スタック上方に配置された複数の個々にアドレス可能な光変調素子を具備することができる。空間光変調器37は、図5Cに示されているように、例えばカラーフィルタ素子34,36、38と光学スタック39との間において平面化層30を含むことができる。
【0049】
白黒のみを作り出すインターフェロメトリックモジュレータは、カラーフィルタと組み合わせて使用して色付きの光を作り出すことができる。インターフェロメトリックモジュレータは、空洞の大きさを変えることによって様々な色を作り出すように製造することができる。しかしながら、空洞の大きさを変えることは、製造プロセスを変更すること、例えば、赤光を作り出すインターフェロメトリックモジュレータに関する空洞とは異なる大きさの空洞を、緑光を作り出すインターフェロメトリックモジュレータに関して製造すること、を含むことがある。白黒インターフェロメトリックモジュレータをカラーフィルタと組み合わせて使用することは、該製造プロセスを実質的に簡素化することができる。図5Cに示されているように、カラーフィルタをインターフェロメトリックモジュレータ内に組み入れることによって製造プロセスのその他の改良も実現される。
【0050】
図6は、受動的光学補正構造物105(散乱素子110を具備する平面化層)が透明基板115と光変調素子120との間に配置された空間光変調器100の実施形態を示した図である。図6に示されている実施形態においては、光変調素子120は、空洞130と、可動壁125と、光学スタック135と、を具備するインターフェロメトリックモジュレータである。光学スタック135は、可動壁125の反対側の空洞130の壁上に所在する。可動壁125及び光学スタック135は両方とも反射性であり(光学スタック135は部分的に反射性である)、このため、空間光変調器100の動作は、一般的には、図4に示されている空間光変調器10に関して説明されている動作と類似している。光140は、可動壁125内のスロット150内を通り抜けて散乱素子110から反射する。散乱素子110は、光140を散乱させて可動壁125に戻し(更に、いくつかの場合においては散乱素子110に再び戻し)、究極的には、図6に示されているように透明基板115内を通り抜けて出る160、165。好ましいことに、散乱素子110は、光140がランダムに散乱されるように形成されている。説明を明確化するため、図6では単一の散乱素子110と単一のスロット150が示されているが、空間光変調器100は、希望される量の散乱光を提供するように配置された複数の散乱素子とスロットを具備できることが理解されることになる。
【0051】
図7A及び7Bは、一体化された光学補正構造物の異なる組合せを具備する空間光変調器の実施形態を示した図である。図7Aは、(カラーフィルタ素子34及びブラックマスク32を具備する)受動的光学補正構造物が透明基板12と光学スタック61の間に配置された空間光変調器60の実施形態を示した図である。図7Bは、(カラーフィルタ素子40及びブラックマスク32を具備する)第1の受動的光学補正構造物及び(ディフューザ26を具備する)第2の受動的光学補正構造物が透明基板12と光学スタック63との間に配置された空間光変調器62の実施形態を示した図である。図5B及び5Cと同様に、図7A及び7Bにおいては、明確化するために、光変調素子(例えば、複数の個々にアドレス可能な光変調素子)は省かれているが、透明基板12の上方に配置され更に透明基板12内を透過された光を変調するように構成されていると理解されている。空間光変調器60、62は、例えば、図7Aに示されているように(カラーフィルタ素子34及びブラックマスク32を具備する)受動的光学補正構造物と光学スタック61との間に、又は、図7Bに示されているように第1の受動的光学補正構造物と第2の受動的光学補正構造物との間に、平面化層30を含むことができる。空間光変調器は、追加の平面化層、例えば、図7Bに示されているように、(カラーフィルタ素子40及びブラックマスク32を具備する)第1の受動的光学補正構造物と光学スタック63との間の平面化層35、を含むことができる。
【0052】
空間光変調器は、1つ以上の機能(例えば、図7Aに示されているカラーフィルタとブラックマスク)を果たす光学補正構造物を具備することができ、及び/又は、該光学補正構造物は、(例えば図7Bにおいて示されているように)平面化層によって互いに任意で分離された複数の層を具備することができる。「光学補正構造物」という表現は、特定機能(ディフューザ26、等)を有する構造物、(例えば、カラーフィルタ素子34及びブラックマスク32を具備する)複数の機能を有する層、又は、図7Bに示されているように各々が1つ以上の機能を有する複数の層(任意の平面化層を含む)を表すために使用できることを当業者は理解することになる。従って、空間光変調器は、能動的及び/又は受動的な光学補正構造物のあらゆる組合せ、例えば、ブラックマスクとカラーフィルタ、ブラックマスクとディフューザ、カラーフィルタとディフューザ、ブラックマスクとカラーフィルタとディフューザ、等、を具備することができる。透明基板内を透過された光を補正する手段は、本明細書において説明されている光学補正構造物を含む。
【0053】
光学補正構造物を具備する空間光変調器は、該空間光変調器を製造するプロセスの中に該光学補正構造物の製造を組み入れることによって製造することができる。該プロセスの一例は、図8に示されている。このプロセスは、最初に、ステップ50において基板が提供される。典型的には、該基板は、ガラス、プラスチック又はその他の透明な基板である。本明細書において用いられている「透明」という表現は、空間光変調器の動作波長にとって実質的に透明な材料を含み、従って、透明基板は、全波長の光を透過させる必要はなく、空間光変調器の動作波長において光の一部を吸収することができる。例えば、透明基板は、特定の用途のために希望される場合は色合いを付けること及び/又は偏光させることができる。従って、基板の透明性及び反射性は、希望される構成及び機能に依存して変えることができる。幾つかの実施形態においては、基板は、少なくとも部分的に透明であり、更に実質的に透明であることができる。その他の実施形態においては、基板は、少なくとも部分的反射性を有し、更に実質的反射性を有することができる。基板は、部分的に透明でありかつ部分的反射性を有することができることが理解されている。
【0054】
図8に示されているプロセスは、ステップ52に進み、光学補正構造物が製造される。製造のために用いられる材料及び方法は、該光学補正構造物に依存して異なる。例えば、個々にアドレス可能な光変調素子の製造に適合する技術及び方法、例えば、スピンコーティング法及び/又は化学蒸着法、を用いて光学補正構造物を製造したほうがしばしば好都合である。例えば、ディフューザ膜は、分散された散乱素子を含有するポリマー又はポリマー溶液を用いて基板をスピンコーティングすることによって製造することができる。例えば、該ポリマーは、ポリイミドであることができ、散乱素子は、微細なガラス玉であることができる。カラーフィルタ及びブラックマスクは、適切に染色され、既知のフォトレジスト法とマスキング法を用いて基板上に製造されたフォトレジストポリマーであることができる。ブラックマスクは、既知の蒸着法とマスキング法を用いて製造された無機材料であることもでき、例えば、これらの無機材料は、酸化クロム等であり、ブラッククロムとも呼ばれる。
【0055】
図8に示されているプロセスは、ステップ54に進み、平面化層が蒸着される。該平面化層は、典型的にはポリマー、例えば、ポリイミド、であり、既知の蒸着法とマスキング法を用いて蒸着することができる。平面化層の蒸着は任意であるが、後続する処理ステップのための適切な基板が得られるため好まれることがしばしばある。図8のプロセスはステップ56に進み、光学補正構造物の上方及び存在する場合は平面化層の上方に個々にアドレス可能な光変調素子(例えば、インターフェロメトリックモジュレータ素子)が製造される。インターフェロメトリックモジュレータは、一般的には、例えば米国特許番号5,835,255と6,055,090において,及び米国特許公開番号2002/0126364 A1において説明されている薄膜蒸着プロセスを用いて製造される。同じく図8に示されているこのプロセスの変形は、ステップ58において追加の平面化層を製造すること、及びその後にステップ59において追加の光学補正構造物を製造することを含む。ステップ59における製造後は、該製造プロセスは、追加の平面化層及び光学補正構造物を製造するためにステップ58、59に戻ることができ、又は、平面化層及び個々にアドレス可能な光変調素子を製造するためにステップ54、56に進むことができる。図8に示されているプロセス及びその変形は、本明細書において説明されている空間光変調器(限定することなしに、図5乃至7に示されている空間光変調器を含む)を製造するために使用できることを当業者は理解することになる。透明基板内を透過された光を変調する手段は、インターフェロメトリックモジュレータと、液晶ディスプレイと、を含む。
【0056】
図9は、光変調素子205が基板210と光学補正構造物215との間に配置された空間光変調器200の実施形態を示した図である。図9に示されている実施形態においては、光変調素子205は、空洞220と、可動壁225と、光学スタック230と、支持物235と、を具備するインターフェロメトリックモジュレータである。光学スタック230は、可動壁225の反対側の空洞220の壁上に所在する。光学補正構造物215は、本明細書において説明されているいずれかの光学補正構造物、例えば、補足のフロント照明源を供給する能動的光学補正構造物、及び/又は、受動的光学補正構造物、例えば、反射防止層、回折光学素子、光を散乱させる構造物、ブラックマスク、カラーフィルタ、ディフューザ、マイクロレンズアレイ、基板内を透過された光の入射角を基準にして反射色のカラーシフトを軽減するホログラフィー膜、又はその組合せ、であることができる。図9において、光変調素子205は、インターフェロメトリックモジュレータを具備するが、その他の空間光変調器を使用することもできる。
【0057】
光変調素子が基板と光学補正構造物との間に配置された空間光変調器(例えば、図9に示されている空間光変調器)は、図8に示されているプロセスと同様のプロセスによって製造できるが、個々にアドレス可能な光変調素子は、基板上方に製造され、その後に、光学補正構造物が個々にアドレス可能な光変調素子の上方に製造される(例えば、図8のステップ56は、ステップ50の後で更にステップ52の前に実施される)。任意で、個々にアドレス可能な光変調素子の上方に平面化層を製造し、その後に、該平面化層の上方に光学補正構造物を製造することができる。
【0058】
上記の詳細な説明は、様々な実施形態に当てはまる本発明の斬新な特長を示している、説明している、及び強調している一方で、当業者は、本発明の精神を逸脱せずに、例示されたデバイス又はプロセスの形態及び詳細の様々な省略、代替、及び変更を行うことができることを理解するであろう。認識されることになるが、本発明は、本明細書において示されているすべての特長及び便益を提供することにはならない形態で具体化することができ、幾つかの特長は、その他の特長とは別個に使用又は実践することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上方に配置され更に前記基板内を透過された光を変調するように構成された複数の個々にアドレス可能な光変調素子と、
光学補正構造物と、を具備し、前記光学補正構造物は、前記基板と前記複数のアドレス可能な光変調素子との間に配置される空間光変調器。
【請求項2】
前記個々にアドレス可能な光変調素子は、インターフェロメトリックモジュレータを具備する、請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項3】
前記インターフェロメトリックモジュレータは、可動素子と、空洞と、を具備する請求項2に記載の空間光変調器。
【請求項4】
前記光学補正構造物は、ブラックマスクを具備する請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項5】
前記光学補正構造物は、カラーフィルタを具備する請求項1又は4に記載の空間光変調器。
【請求項6】
前記光学補正構造物は、ディフューザを具備する請求項1又は4に記載の空間光変調器。
【請求項7】
前記光学補正構造物は、反射防止層を具備する請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項8】
前記光学補正構造物は、複数の散乱素子を具備する請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項9】
前記光学補正構造物は、マイクロレンズアレイを具備する請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項10】
前記光学補正構造物は、前記基板内を透過された前記光の入射角に関して反射色のカラーシフトを軽減させるホログラフィー膜を具備する請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項11】
前記光学補正構造物は、回折光学素子を具備する請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項12】
前記光学補正構造物は、前記基板内を透過された光が前記光学補正構造物内を通り抜けて前記光変調素子によって変調されるようにするために、前記光変調素子の前部に配置される請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項13】
前記光学補正構造物は、散乱素子を具備する平面化層を具備する請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項14】
前記光学補正構造物は、受動的光学補正構造物である、請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項15】
平面化層をさらに具備する請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項16】
前記基板は、部分的に反射性である請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項17】
基板と、
前記基板上方に配置され更に光を変調するように構成された複数の個々にアドレス可能な光変調素子と、
カラーフィルタ、ブラックマスク、及び反射防止層のうちの少なくとも1つを具備する光学補正構造物と、を具備し、
前記複数のアドレス可能な光変調素子は、前記基板と前記光学補正構造物との間に配置される空間光変調器。
【請求項18】
前記個々にアドレス可能な光変調素子は、インターフェロメトリックモジュレータを具備する請求項17に記載の空間光変調器。
【請求項19】
前記インターフェロメトリックモジュレータは、可動素子と、空洞と、を具備する請求項18に記載の空間光変調器。
【請求項20】
前記光学補正構造物は、ブラックマスクを具備する請求項17に記載の空間光変調器。
【請求項21】
前記光学補正構造物は、カラーフィルタを具備する請求項17又は20に記載の空間光変調器。
【請求項22】
前記光学補正構造物は、反射防止層をさらに具備する請求項17に記載の空間光変調器。
【請求項23】
前記光学補正構造物は、散乱素子を具備する平面化層をさらに具備する請求項17に記載の空間光変調器。
【請求項24】
前記光学補正構造物は、ブラックマスク及びディフューザを具備する請求項17に記載の空間光変調器。
【請求項25】
前記光学補正構造物は、カラーフィルタ及びディフューザを具備する請求項17に記載の空間光変調器。
【請求項26】
平面化層をさらに具備する請求項17に記載の空間光変調器。
【請求項27】
前記基板は、前記光変調素子が前記基板内を透過された光を変調するように少なくとも部分的に透明である請求項17に記載の空間光変調器。
【請求項28】
前記基板は、少なくても部分的に反射性である請求項17に記載の空間光変調器。
【請求項29】
空間光変調器を製造する方法であって、
光学補正構造物を透明基板上方に製造することと、
複数の個々にアドレス可能な光変調素子を前記光学補正構造物上方に製造することであって、前記個々にアドレス可能な光変調素子は、前記透明基板内を透過された光を変調するように構成されること、を具備する方法。
【請求項30】
前記個々にアドレス可能な光変調素子を製造することは、空洞及び可動素子を製造することを具備する請求項29に記載の方法。
【請求項31】
第2の光学補正構造物を前記透明基板上方に製造することをさらに具備する請求項29に記載の方法。
【請求項32】
平面化層を前記光学補正構造物上方に製造することをさらに具備する請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記光学補正構造物を製造することは、カラーフィルタ及びディフューザのうちの少なくとも1つを製造することを具備する請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記個々にアドレス可能な光変調素子を製造することは、インターフェロメトリックモジュレータを製造することを具備する請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記光学補正構造物を製造することは、前記透明基板上に材料を蒸着し、前記透明基板内を透過された光が前記材料内を通り抜けて前記光変調素子によって変調されるようにすることを具備する請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記材料は、染色されたフォトレジスト又はスピンコーティングされたポリイミドを具備する請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記光学補正構造物を製造することは、受動的光学補正構造物を製造することを具備する請求項29に記載の方法。
【請求項38】
前記透明基板は、プラスチック及びガラスのうちの少なくとも1つを具備する請求項29に記載の方法によって製造された空間光変調器。
【請求項39】
空間光変調器を製造する方法であって、
複数の個々にアドレス可能な光変調素子を基板上方に製造することと、
光学補正構造物を前記複数の個々にアドレス可能な光変調素子上方に製造することであって、前記光学補正構造物は、カラーフィルタ、マスク、及び反射防止層のうちの少なくとも1つを具備し、前記個々にアドレス可能な光変調素子は、前記光学補正構造物内を透過された光を変調するように構成されること、とを具備する方法。
【請求項40】
前記個々にアドレス可能な光変調素子を製造することは、空洞及び可動素子を製造することを具備する請求項39に記載の方法。
【請求項41】
第2の光学補正構造物を前記複数の個々にアドレス可能な光変調素子上方に製造することをさらに具備する請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記複数の個々にアドレス可能な光変調素子上方に平面化層を製造することをさらに具備する請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記個々にアドレス可能な光変調素子を製造することは、インターフェロメトリックモジュレータを製造することを具備する請求項39に記載の方法。
【請求項44】
前記基板は、プラスチック又はガラスを具備する請求項39に記載の方法によって製造された空間光変調器。
【請求項45】
透明基板と、
前記透明基板上方に配置され更に前記透明基板内を透過された光を変調するように構成された複数の個々にアドレス可能な干渉型光変調素子であって、空洞及び可動壁を具備する複数の個々にアドレス可能な光変調素子と、
前記透明基板と前記複数の個々にアドレス可能な干渉型光変調素子との間に配置された少なくとも1つの光学補正構造物であって、カラーフィルタ又はディフューザを具備する少なくとも1つの光学補正構造物とを具備する空間光変調器。
【請求項46】
基板と、
前記基板内を透過された光又は前記基板から反射された光を変調する手段と、
前記基板内を透過された光又は前記基板から反射された前記光を補正する手段と、を具備し、前記光を補正する前記手段は、前記基板と前記基板内を透過された光又は前記基板から反射された前記光を補正する手段との間に動作可能な形で配置される空間光変調器。
【請求項47】
前記基板内を透過された光又は前記基板から反射された光を変調する前記手段は、前記基板上方に配置された複数の個々にアドレス可能な光変調素子を具備する請求項46に記載の空間光変調器。
【請求項48】
前記基板内を透過された光又は前記基板から反射された前記光を変調する前記手段は、複数のインターフェロメトリックモジュレータを具備する請求項46に記載の空間光変調器。
【請求項49】
前記基板内を透過された前記光又は前記基板から反射された前記光を補正する前記手段は、回折光学素子、カラーフィルタ、ディフューザ、反射防止層、複数の散乱素子、マイクロレンズアレイ、又はホログラフィー膜を具備する請求項46に記載の空間光変調器。
【請求項50】
前記基板内を透過された前記光又は前記基板から反射された前記光を補正する前記手段は、カラーフィルタ又はディフューザを具備する請求項46に記載の空間光変調器。
【請求項51】
基板と、
前記基板内を透過された光又は前記基板から反射された光を変調する手段と、
前記基板内を透過された前記光又は前記基板から反射された前記光を補正する手段であって、カラーフィルタ、ブラックマスク、及び反射防止層のうちの少なくとも1つを具備する手段と、を具備し、
前記基板内を透過された光又は前記基板から反射された光を変調する前記手段は、前記基板と前記光を補正する前記手段との間に動作可能な形で配置される空間光変調器。
【請求項52】
前記基板内を透過された光又は前記基板から反射された光を変調する前記手段は、前記基板上方に配置された複数の個々にアドレス可能な光変調素子を具備する請求項51に記載の空間光変調器。
【請求項53】
前記基板内を透過された光又は前記基板から反射された光を変調する前記手段は、複数のインターフェロメトリックモジュレータを具備する請求項52に記載の空間光変調器。
【請求項54】
光学補正構造物を透明基板上方に製造することと、
複数の個々にアドレス可能な光変調素子を前記光学補正構造物上方に製造することであって、前記個々にアドレス可能な光変調素子は、前記透明基板内を透過された光を変調するように構成されること、とを具備する方法によって製造される空間光変調器。
【請求項55】
前記個々にアドレス可能な光変調素子を製造することは、空洞及び可動素子を製造することを具備する請求項54に記載の空間光変調器。
【請求項56】
前記方法は、第2の光学補正構造物を前記透明基板上方に製造することをさらに具備する請求項54に記載の空間光変調器。
【請求項57】
前記方法は、前記光学補正構造物上方に平面化層を製造することをさらに具備する請求項56に記載の空間光変調器。
【請求項58】
前記光学補正構造物を製造することは、カラーフィルタ及びディフューザのうちの少なくとも1つを製造することを具備する請求項54に記載の空間光変調器。
【請求項59】
前記個々にアドレス可能な光変調素子を製造することは、インターフェロメトリックモジュレータを製造することを具備する請求項58に記載の空間光変調器。
【請求項60】
前記光学補正構造物を製造することは、受動的光学補正構造物を製造することを具備する請求項54に記載の空間光変調器。
【請求項61】
複数の個々にアドレス可能な光変調素子を基板上方に製造することと、
光学補正構造物を前記複数の個々にアドレス可能な光変調素子上方に製造することであって、前記光学補正構造物は、カラーフィルタ、反射防止フィルタ及びブラックマスクのうちの1つを具備し、前記個々にアドレス可能な光変調素子は、前記光学補正構造物内を透過された光を変調するように構成されること、とを具備する方法によって製造される空間光変調器。
【請求項62】
前記個々にアドレス可能な光変調素子を製造することは、空洞及び可動素子を製造することを具備する請求項61に記載の空間光変調器。
【請求項63】
前記方法は、第2の光学補正構造物を前記複数の個々にアドレス可能な光変調素子上方に製造することをさらに具備する請求項61に記載の空間光変調器。
【請求項64】
前記方法は、前記複数の個々にアドレス可能な光変調素子上方に平面化層を製造することをさらに具備する請求項61に記載の空間光変調器。
【請求項65】
前記個々にアドレス可能な光変調素子を製造することは、インターフェロメトリックモジュレータを製造することを具備する請求項61に記載の空間光変調器。
【請求項66】
第1の反射面と、第2の反射面と、両反射面間の空洞と、を含み、前記第2の反射面は、前記第1の反射面を基準して移動可能である、白黒の光変調素子と、
白光で照明時に色付きの光を透過させるように構成されたカラーフィルタと、を具備し、前記カラーフィルタは、前記光変調素子から出された光が前記カラーフィルタによってフィルタリングされるように前記光変調素子を基準にして位置決めされる表示領域。
【請求項67】
前記光変調素子は、インターフェロメトリックモジュレータを具備する請求項66に記載の表示領域。
【請求項68】
前記第1の反射面を形成する光学スタックをさらに具備する請求項66に記載の表示領域。
【請求項69】
前記第1の反射面及び前記第2の反射面のうちの少なくとも1つは、部分的に反射性である請求項66に記載の表示領域。
【請求項70】
各々が第1の反射面と、第2の反射面と、両反射面間の空洞と、を含み、前記第2の反射面は、前記第1の反射面を基準して移動可能である、複数の光変調素子と、
より広い帯域の波長で照明時により狭い帯域の波長を透過させるように構成された複数のカラーフィルタ素子を具備するカラーフィルタアレイであって、前記光変調素子から出された光が前記カラーフィルタ素子によってフィルタリングされるように前記光変調素子を基準にして位置決めされるカラーフィルタアレイと、を具備し、前記第1の反射面は、前記光変調素子が光を出すときに前記複数の光変調素子の各々に関して実質的に等しい距離だけ前記第2の反射面から分離され、前記カラーフィルタ素子のうちの少なくとも2つは、出力される異なる色を作り出すように構成される表示領域。
【請求項71】
前記光変調素子は、インターフェロメトリックモジュレータを具備する請求項70に記載の表示領域。
【請求項72】
前記第1の反射面を形成する光学スタックをさらに具備する請求項70に記載の表示領域。
【請求項73】
前記カラーフィルタ素子のうちの少なくとも3つは、出力される異なる色を作り出すように構成される請求項70に記載の表示領域。
【請求項74】
前記複数のカラーフィルタ素子は、赤、緑、及び青のカラーフィルタ素子を含む請求項73に記載の表示領域。
【請求項75】
前記複数のカラーフィルタ素子は、より広い帯域の波長で照明時により狭い帯域の波長を透過させる材料を具備する請求項70に記載の表示領域。
【請求項76】
前記材料は、染色された材料を具備する請求項75に記載の表示領域。
【請求項77】
表示デバイスを製造する方法であって、
第1の光学面と第2の光学面を含む白黒の光変調素子を提供することであって、前記第2の光学面は、前記第1の光学面を基準して移動可能であることと、
前記光変調素子から出された光がカラーフィルタによってフィルタリングされるように前記光変調素子を基準にして前記カラーフィルタを位置決めすることであって、前記カラーフィルタは、白光で照明時に色付きの光を透過させるように構成されること、とを具備する製造方法。
【請求項78】
請求項77に記載の方法によって製造された表示デバイス。
【請求項79】
表示領域を製造する方法であって、
各々が第1の光学面と、第2の光学面と、両光学間の空洞と、を含む複数の光変調素子を提供することであって、前記第1の反射面は、前記光変調素子が光を出すときに前記複数の光変調素子の各々に関して実質的に等しい距離だけ前記第2の反射面から分離されることと、
前記光変調素子から出された光が各々のカラーフィルタ素子によってフィルタリングされるように前記光変調素子を基準にして前記カラーフィルタ素子を位置決めすることであって、前記カラーフィルタ素子は、広い帯域の波長で照明時に狭い帯域の波長を透過させるように構成された材料を具備すること、とを具備する方法。
【請求項80】
光変調素子アレイを前記提供することは、インターフェロメトリックモジュレータアレイを提供することを具備する請求項79に記載の方法。
【請求項81】
請求項79に記載の方法によって製造される表示領域。
【請求項82】
第1の光学面及び第2の光学面を含む変調白光信号生成手段であって、前記第2の光学面は、前記第1の光学面を基準にして移動可能である手段と、
前記変調された白光信号を色付きの光信号に変換するために前記変調された白光信号をフィルタリングする手段と、を具備する表示デバイス。
【請求項83】
変調された白光信号を提供する前記手段は、光変調デバイスアレイを具備し、前記第1の反射面は、前記光変調素子が光を出すときに前記複数の光変調素子の各々に関して実質的に等しい距離だけ前記第2の反射面から分離される請求項82に記載の表示デバイス。
【請求項84】
前記白光信号をフィルタリングする前記手段は、出力される異なる色を白光から作り出すように構成された少なくとも2つのカラー素子を具備するカラーフィルタアレイを具備する請求項82に記載の表示デバイス。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図3D】
image rotate

【図3E】
image rotate

【図3F】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−175261(P2011−175261A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−34466(P2011−34466)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【分割の表示】特願2006−552191(P2006−552191)の分割
【原出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(506109856)クゥアルコム・メムス・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (27)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM MEMS Technologies, Inc.
【住所又は居所原語表記】5775 Morehouse Drive, San Diego, CA 92121−1714,U.S.A.
【Fターム(参考)】