説明

両面センサパッケージとして使用される装置

【課題】表面実装アプリケーションのセンサパッケージを提供する。
【解決手段】センサパッケージは、上部表面(116)に固定された第1装置(122)と、下部表面(118)に固定された第2装置(124)と、ハウジングの外部の回路との電気接続を防止するリードを備える。リードは、接続パッド(126、128)が上部表面(116)及び下部表面(118)上に配置されるリードフレーム(104)の側部近傍の端部を有する。端部は、センサパッケージの外部接続とは独立して第1装置(122)と第2装置(124)を接続するように、接続パッド(126、128)から、ワイヤボンドなどの接続を受け入れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してセンサパッケージに関し、より詳しくは、センサパッケージ内の他の接続とは独立した接続によって電気的に1つに結合された装置を利用したセンサパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置を利用したセンサパッケージは、小さくてコンパクトなサイズであるため、様々な用途に使用されている。このようなセンサパッケージの一例が、センサ及びセンサパッケージを利用して、例えば、自動車のタイヤの内部圧力を監視するタイヤ圧監視(TPM)システムによって利用されている。これらのシステムは、安全警告を発して運転者に低タイヤ圧の注意を喚起する。更に、TPMシステムは、均等なタイヤ圧を適切に維持するその他の情報(例えば、温度、加速度、及び速度)を運転者に提供することも可能である。この結果、燃費の改善及びタイヤ寿命の延長などの多くの利益をもたらすことができる。
【0003】
このTPMシステムなどのシステムは、通常、データを検知し、処理して、他のシステム及び一般には運転者に伝送する様々なコンポーネントを利用している。コンポーネントの1つは、タイヤ圧力を検知し、それを通知するデータ出力を提供する圧力センサである。別のコンポーネントは、これらのデータ出力及び他のコンポーネントからの他のデータに応答する特定用途向け集積回路(ASIC)などのプロセッサである。これらのコンポーネントは、センサパッケージの形態で1つにまとめることができ、これらのセンサパッケージの多くは、例えば、印刷回路基板などの他の基板に表面実装できるように構成されている。
【0004】
多くの場合、センサパッケージの全般的な機能、動作、及び構成の柔軟性を維持するようにコンポーネントを選択することが必要とされている。同様に、材料及び製造資源のコストを低減しつつ、センサパッケージの新しい構成が得られ、その新しいセンサパッケージにおいて、レベルが低下せず、一連の利用可能な機能が実現されることが望ましい。
【0005】
特定のタイプのセンサパッケージにおいては、これらの特性が、相対的に小さく且つコンパクトな装置に内蔵されている。例えば、センサ装置と、基板の反対面に取り付けられた処理装置とを有するセンサパッケージがある。これら2つの装置は、センサパッケージ内部のリードを介して通信するが、基板の反対面に取り付けられている。この構成は、パッケージのサイズを制限する要因として機能するのみならず、装置間の長い相互接続距離も必要としているため、センサパッケージの性能、機能、及び柔軟性に影響する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5545922号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、データ及び情報を収集でき、これらの機能の更なる変更及び拡張のためのプラットフォームを提供することも可能であるセンサパッケージを得ることが有利であろう。同様に、パッケージの特定のエリアにおける機械的応力を低減すると共に、データ収集のための環境に対するアクセスを提供しつつ、環境からパッケージの他のエリアを保護するように、このようなセンサパッケージを構成することが有利であろう。更に、センサ装置と処理装置の間の相互接続長など、コンポーネント間における最小限の相互接続長を利用するように、このようなセンサパッケージを構成することも可能であろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態において、センサパッケージは基板を備え、基板は、第1側部と、上部表面と、上部表面と反対側の下部表面とを有する。センサパッケージは、上部表面上に配設された第1装置も備え、第1装置は、基板の第1側部近傍に第1接続パッドを備える。センサパッケージは、下部表面上に配設された第2装置を更に備え、第2装置は、基板の第1側部近傍に第2接続パッドを備える。センサパッケージは、第2装置を取り囲むハウジングを更に備え、ハウジングはハウジングの外部の環境に第1装置をさらす空洞を備え、且つ、第1リードが第1接続パッド及び第2接続パッドに結合され、第1リードは第1側部近傍に端部を有する。更に、完全にハウジングの内部において第1装置と第2装置を接続するように、第1リードが第1接続パッド及び第2接続パッドのそれぞれからワイヤボンドを受け入れることができるセンサパッケージの実施形態について更に記述する。
【0009】
別の実施形態において、印刷回路基板の表面に取り付けられるセンサパッケージを提供する。この実施形態のセンサパッケージはリードフレームを備え、リードフレームは、第1側部と、第2側部と、一対の反対表面とを有する配置エリアを取り囲む外側エッジを備え、反対表面は、上部表面と、上部表面と平面関係にある下部表面とを備える。センサパッケージは上部表面上に配設されたセンサを備え、センサは複数のセンサ装置を備え、センサ装置はそれぞれ、配置エリアの第1側部近傍に接続パッドを備える。センサパッケージは、下部表面上に配設された処理装置を更に備え、処理装置は配置エリアの第1側部近傍に接続パッドを備え、処理装置はセンサ装置からのデータを処理する。センサパッケージはリードフレームを取り囲むハウジングを更に備え、ハウジングは、ハウジングの外部の環境から処理装置を封止する部分と、センサ装置の少なくとも1つを環境にさらす空洞と、複数のリードとを備え、1つのリードがセンサ装置の接続パッドのそれぞれに結合され、リードはそれぞれ第1側部近傍に端部を備える。完全にハウジング内に存在するセンサ装置と処理装置の間の接続を形成するように、リードが接続パッドからのワイヤボンドを受け入れるセンサパッケージについて更に記述する。
【0010】
更に別の実施形態において、センサパッケージを製造する方法を提供する。この方法は、第1側部と、上部表面と、上部表面と平面関係にある下部表面とを有する配置エリアを取り囲む外側エッジを備えるリードフレームを形成するステップを有する。本方法は、配置エリアの第1側部近傍に第1接続パッドを配置するように、第1センサ装置を上部表面に取り付ける別のステップを有する。本方法は、配置エリアの第1側部近傍に第2接続パッドを配置するように、処理装置を下部表面に取り付ける更に別のステップも有する。本方法は、処理装置をハウジングの外部の環境から隔離するように、処理装置をオーバーモールドすることによってハウジングを形成し、且つ、第1側部近傍に端部を有する第1リードに、第1接続パッド及び第2接続パッドをワイヤボンディングするステップを更に有する。完全にハウジング内に存在する第1センサ装置と処理装置の間の接続を形成するように、第1リードが第1接続パッド及び第2接続パッドのそれぞれのものからのワイヤボンドを受け入れる方法について更に記述する。
【0011】
いくつかを添付図面に示す特定の実施形態の詳細な説明を参照することにより、本発明の特徴について詳細に理解できる。但し、添付図面は、本発明の特定の実施形態を例示するものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲には、その他の等しく有効な実施形態も包含されることに留意されたい。添付図面の尺度は、必ずしも正確ではなく、概して、本発明の特定の実施形態の原理を示すことに重点が置かれている。
【0012】
従って、本発明を更に理解するために、添付図面と関連して以下の詳細な説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に従って製造されたセンサパッケージの一実施形態の概略平面図である。
【図2】図1のセンサパッケージの側面図である。
【図3】本発明の一実施形態に従って製造されたセンサパッケージの別の実施形態の平面図である。
【図4】図3のセンサパッケージの側面図である。
【図5】本発明の一実施形態に従って製造されたセンサパッケージの更に別の実施形態の斜視図である。
【図6】図5のセンサパッケージの断面側面図である。
【図7】図6のセンサパッケージの断面の詳細な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書は、最良の形態を含む実施例を使用して本発明を開示し、任意の装置及びシステムの製造並びに使用、任意の包含される方法の実行など、本発明を当業者が実施できるようにしている。本発明の特許可能な範囲は請求項によって規定され、当業者が想到するその他の実施例を含み得る。このようなその他の実施例は、請求項の文言と相違しない構造要素を有する場合、或いは、請求項の文言と実質的に相違しない均等な構造要素を含む場合に、請求項の範囲に含まれるものと解釈されたい。
【0015】
添付図面、特に図1〜図7を参照すると、基板の反対面上に配置された装置を備えるセンサパッケージの実施形態を提供する。それぞれの装置は、センサパッケージの一部分の近傍の基板の領域内に配置された接続パッド、即ち、「相互接続のエリア」を有しており、事実上、センサパッケージの外部に位置する回路に接続していない。相互接続のエリアを利用することにより、センサパッケージの動作に必要とされる電気的相互接続の数が低減する。即ち、本明細書において開示及び想定されているタイプのセンサパッケージ内において使用される電気的相互接続の数は、相当する機能を有する他のセンサパッケージよりも格段に少ない。この相互接続の数の低減は、それ自体も重要ではあるが、このようなセンサパッケージのサイズ又はフットプリントも低減し、機能を大幅に損なうことなく、フットプリントが、他のセンサパッケージと比べて格段に小さくなる。
【0016】
図1及び図2には、本発明の一実施形態において製造されたセンサパッケージ100の一実施形態の高レベル概略図が示されている。センサパッケージ100は、横方向側部108と、後方側部110と、前方側部112とを有する外側エッジ106を備える基板104を取り囲むハウジング102を備えていることが分かる。外側エッジ106は、上部表面116と、上部表面116と反対の下部表面118とを有する配置エリア114を画定する。配置エリア114の上部表面116及び下部表面118はそれぞれ、内部接続領域120を有し、基板104の側部(例えば、横方向側部108、後方側部110、及び前方側部112)の1つの近傍に配置されている。
【0017】
センサパッケージ100は、第1装置122と、第1装置122の反対側の基板104の表面上に配設された第2装置124とを更に備える。第1装置122及び第2装置124は、それぞれ第1接続パッド126及び第2接続パッド128を備える。センサパッケージ100は、相互接続130のエリアと、相互接続130のエリアとは異なる外部接続132のエリアとを更に備える。ここで、図1の例において、相互接続130のエリアは、基板104の前方側部112の近傍に位置することが分かる。但し、センサパッケージ100のいくつかの実施形態において、相互接続130のエリアは、内部接続領域120の近傍に位置するように、その他の側部(例えば、横方向側部108及び後方側部110)の近傍に位置することが望ましい。
【0018】
「前方側部」、「後方側部」、及び「横方向側部」という用語は、例えば、センサパッケージ100、基板104、及び/又は外側エッジ106などの要素又は物体の側部を参照するように使用され、本発明の範囲及び程度を限定するものではないことに留意されたい。むしろ、本発明によって想定されるセンサパッケージの実施形態と関連して記述されているように、センサパッケージの各部分は、外側エッジ106に対して、且つ、より詳細には、前方側部、後方側部、及び横方向側部の1つ又は複数に対して構成又は配置されている。例えば、これらの部分のいくつか又はすべての相対的な場所として一般的に定義されるが、いくつかの実施形態においては、例えば、基板104の前方側部112などの、センサパッケージの別の部分に対して配置された、内部接続領域120などのセンサパッケージの1つの部分を包含することになる。
【0019】
より詳しくは、図1及び図2のセンサパッケージ100の実施形態において、第1装置122及び第2装置124は、第1接続パッド126及び第2接続パッド128がそれぞれ基板104の前方側部112近傍に位置し、概して内部接続領域120の内部に位置するように、上部表面116及び下部表面118上にそれぞれ配置されていることが分かる。このような構成により、例えばワイヤボンディングすることによって、第1接続パッド126及び第2接続パッド128をそれぞれ相互接続130のエリアに接続できる。そして、これにより、電気信号が第1接続パッド126と第2接続パッド128の間を伝達できる。
【0020】
更に詳細な実施例を図3〜図7に示し、後述の相互接続130のエリアは、概して電気信号の伝導を促進するように構成されている。これは、センサパッケージ100の内部の部分及びセンサパッケージ100の外側の部分の間の通信を受信、送信、又は促進できる接続などの外部接続をしていない。同様に、導電材料(例えば、金属や導電性プラスチックなど)から製造されているが、相互接続130のエリアの構造は、前述の第1及び第2接続パッドから延在するワイヤボンドなどの接続要素(並びに、センサパッケージのコンポーネントを製造するために使用される関連材料)を受け入れ、支持し、さもなければ導電方式で相互作用することができるようになっていることを認識されたい。
【0021】
センサパッケージ100の一実施形態において、相互接続130のエリアは、第1装置122と第2装置124の間の相互接続長を最小化するような内部接続領域120に対する位置に配置される。図1に示されるように、この位置は、前方側部112近傍に位置しているが、相互接続130のエリアは、内部接続領域120の場所に部分的に基づいたその他の位置に配置することも可能であると考えられる。一例において、この位置は、基板104の外側エッジ106から装置(例えば、第1装置122及び第2装置124)との接続の相互接続130のエリア内の場所までの距離に相当する相互接続寸法IDによって規定される。
【0022】
第1装置122及び第2装置124として使用される装置は、センサパッケージ100の1つ又は複数の望ましい機能に基づいて選択される。例えば、センサパッケージ100は、圧力、加速度、温度、電流、及び電圧などの1つ又は複数の環境特性を計測するように構成されることが望ましい。これらの特性は、環境特性を検出できる別個の装置、又は装置の組合せを必要とする。装置は、トランジスタ、コンデンサ、及び抵抗器などの個別の素子を有する集積回路を備え、これらの個別の素子の組合せは、環境特性を検出するのに必要な機能を提供するように選択される。以下、特定のタイプの装置について、図3及び図4を参照して更に詳細に説明する。
【0023】
例えば、図3及び図4には、別の実施形態のセンサパッケージ200の平面図(図3)及び側面図(図4)を示す。これらの図において、同様の符号を使用し、図1及び図2のセンサパッケージ100に関して説明した同様のコンポーネントを示しているが、符号には100を加算する。例示のみを目的として、センサパッケージ200は、ハウジング202と、上部表面216及び下部表面218を備える配置エリア214を有する基板204とを備える。センサパッケージ200は、第1接続パッド226を有する第1装置222と、第2接続パッド228を有する第2装置224と、接続230のエリアと、外部接続232のエリアとを更に備える。センサパッケージ200は、第3接続パッド236を有する第3装置234と、複数のリード238と、複数のリードアウト240と、後方タイバー242と、前方タイバー244とを更に備える。センサパッケージ200は、ワイヤボンド246を更に有し、これらのワイヤボンドは、接続パッド226、228、236をリード238及びリードアウト240に電気的に結合している。
【0024】
センサパッケージ200の一実施形態において、基板204は、上部表面216と下部表面218を実質的に平面の(且つ/又は、平行な)構成において配置するように構築されたリードフレーム248を有する。リードフレーム248は通常、金属リボンから形成され、複数のリードフレーム248が一緒に製造され、各リードフレーム248は、後方タイバー242及び前方タイバー244に沿って、端と端で接合されている。この結果、個別のリードフレーム248の単体化が促進され、これにより、後程詳述するように、センサパッケージ200の構築が可能となる。
【0025】
上記のセンサパッケージで使用可能な装置の説明に加えて、第1装置222及び第3装置234は、ある観点において、ハウジング202を中心とした環境内の環境特性に反応するセンサ250を形成している。非限定的な例として、第1装置222は環境内の圧力の変化に反応し、第3装置234は加速度に反応する。更に、センサパッケージ200の特定の一実装形態において、第1装置222はMEMS装置であり、この一例は、カリフォルニア州フレモントに所在するゼネラルエレクトリック社によって提供されるBAPSセンサダイである。第2装置224は、ASICチップなどの集積回路(IC)チップである。これは、通常、第1装置222及び第3装置234と通信して情報及びデータを収集し、より詳しくは、環境特性に関連するデータを収集するように構成されている。
【0026】
第1装置222、第2装置224、及び第3装置234(「装置」)は、従来のプロセス及び材料を使用して配置エリア214に固定される。これは、例えば、接着剤、ゲル、並びに、装置及び基板204に対する適合性を有するその他の流体及び/又は流動材料を含む。センサパッケージ200のいくつかの実装形態において、選択される材料は、苛烈な環境、及びそのような環境に特別に選択されたものではない材料にとって有害である環境に耐えることができるタイプのものであってよい。
【0027】
リード238は、ハウジング202の外部の回路とのリード238の電気接続を防止するように、ハウジング202の内部に配置されている。リード238の本体全体が、完全にハウジング202内に存在してよいが、センサパッケージ200の特定の構造によれば、リード238のいくつかの部分及び部位がハウジング202を貫通可能である。一実施形態において、各リード238は、前方側部212近傍に端部252を含む。この結果、端部252は、相互接続230のエリア内に配置されることになる。端部252は、ワイヤボンド246を受け入れるのに好適であり、これらのワイヤボンドを配置するには、端部252(並びに、全体的にはリード238)に対する適合性を有する接着材料が必要となる。このような材料は、ワイヤボンド246が端部252に固定され、これと電気的に結合されるように選択される。前述のように、接続パッド(例えば、第1接続パッド226、第2接続パッド228、及び第3接続パッド236)、ワイヤボンド246及び端部252は、装置を電気的に1つに結合しており、より詳細には、第2装置224を第1装置222と第3装置234に結合している。
【0028】
リードアウト240も、電気信号を伝導できる材料から構成されており、ワイヤボンド246などのワイヤボンドを受け入れることができる。一実施例においては、以下の図5〜図7に更に明確に示されているように、各リードアウト240は、ハウジング202から外に延在する外部脚部、導体、及びピンと一体をなすように(且つ、モノリシック構造で)形成され、これらに対して電気的に結合される。この結果、リードアウト240は、第2装置224とハウジング202の外部の回路の間において電気信号を伝導することができる。
【0029】
次に図5及び図6には、更に別の実施形態のセンサパッケージ300の平面図(図5)及び断面図(図6)を示す。この場合にも、先程の図3及び図4について説明したように、図5及び図6においては、同様のコンポーネントを特定するために同様の符号が使用されているが、符号には100を加算する。例えば、センサパッケージ300は、第1装置322、第2装置324、及び第3装置334を取り囲むハウジング302を備えることが分かる。ハウジング302は、オーバーモールドされた部分354と、その内部に配設されたカプセル化ゲル358を有する空洞356とを更に備える。センサパッケージ300は、ピン360と、ハウジング302を取り囲む環境に空洞356の内部をさらす開口部364を備えるカバー362とを更に備える。
【0030】
オーバーモールドされた部分354は、センサパッケージ300の様々なコンポーネントをオーバーモールドすることによって形成される。これは、例えば、センサパッケージ300のこれらの部分を保護するように、第2装置324及びリードフレーム348をオーバーモールドするステップを含む。同様に、空洞356は、オーバーモールドされず、むしろ第1装置322及び第3装置334を環境にさらすように開放したハウジング302の一部分として構成されている。図7の詳細図に関して図示及び記述されているセンサパッケージ300の一実施形態において、空洞356は、壁366と、空洞356内に延在する棚部368とを有するように形成される。棚部368の寸法は変化可能であるが、一実施例においては、棚部368は、カプセル化ゲル358が溢れて空洞356から流出することを防止する分量だけ、空洞356内に延在するように構成されている。
【0031】
より詳しくは、カプセル化ゲル358は、第1装置322及び第3装置334を覆うように空洞356内に堆積される。これにより、概して装置322、334とセンサパッケージ300との機能を妨げることなく、これらの装置322、334に対してある程度の保護を提供できる。例示の材料は、限定しないが、シリコン、シリコンに基づいた複合材料、並びにこれらの任意の組合せ、派生物、及びその組成物を含む。このような材料は、通常、材料が空洞356内に供給されることを許容する粘度を有する第1状態と、第1状態のものを上回る粘度を有する第2状態とを有する。この第2状態は、硬化、冷却、及びこれらに類似するいずれかのタイプの処理の結果であることが多い。例えば、第1装置322及び第3装置334のいずれか又は両方が、周辺圧力の変化などの環境特性の変化に反応できるように、カプセル化ゲル358が十分に柔軟であることが望ましい。
【0032】
引き続き、図5〜図7に示すセンサパッケージ300の実施形態について、より詳しくは、センサパッケージ100、200、300(「センサパッケージ」)のような特徴を有するセンサパッケージの製造の観点において、センサパッケージの構成は以下の通り実現できる。非限定的な例として、リードフレームの1つの側部の近傍に同様に配置されているリードと接続するためにその接続パッドが同一の側部の近傍に配置されるように、ASICチップをリードフレームの配置エリアの個別の下部表面に固定する。ASICの接続パッドから対応するリードに、具体的には、相互接続のエリア内のリードの端部にワイヤボンドを装着する。
【0033】
次いで、ASICチップ及びリードフレームをオーバーモールドして環境からASICチップを封止することにより、ハウジングを形成する。この結果、その内部にセンサが取り付けられる空洞も形成され、本明細書に記述されている装置の例においては、圧力センサ(「BAPS」)及び加速度計がリードフレームの配置エリアの上部表面に固定される。BAPS及び加速度計の接続パッドが、ASICチップの接続パッドと同一のリードフレームの側部近傍の内部接続領域内に配置されることが好ましい。ワイヤボンドにより、BAPS及び加速度計の接続パッドをリードの端部にワイヤボンディングし、これにより、電気接続を確立する。
【0034】
空洞内において、BAPS及び加速度計の上方にカプセル化ゲルを堆積させる。このカプセル化ゲルは、例えば、ゲルをUV光にさらすことによって硬化させる。エポキシ封止剤などの封止剤、又は本明細書において記述及び想定されている装置に対する適合性を有する接着特性を備えたその他の適切な材料を使用し、カバーを空洞の開口部に固定する。
【0035】
センサパッケージの製造は、センサパッケージを他のセンサパッケージから単体化するステップを更に含む。例えば、トリムされていない形態においては、隣接するセンサパッケージのリードフレームは、1つ又は複数のタイバーによって接続され、これらのタイバーを破壊、切断、又はその他方法で分離することにより、個別のセンサパッケージが形成される。単体化は既知の方法を使用して実行されるため、本明細書において詳細な説明を省略する。
【0036】
ハウジングから外部において延在するピンは、一実施形態において、センサパッケージのリードアウトから形成される。例えば、ピンが外部回路に対して接続できるようにピンを成形するために、リードアウトを変形させる。このような回路は、例えば、印刷回路基板及び/又は半導体装置上に配置される。
【0037】
以上の内容に鑑み、上述の製造法と、本明細書において想定されているセンサパッケージを製造するその他のプロセスは、複数のリードフレームが設けられる従来の成型法を利用できる。これらの技術及びプロセスについては、一般に、当業者によって認識されており、本開示の範囲及び精神を逸脱することなく、その他のステップ、プロセス、技術を開発及び利用して、本明細書に開示される実施形態の概念を包含するように、センサパッケージを製造可能である。例えば、センサパッケージのその他の実施形態は、本明細書に記述されている装置に加えて装置を有することも可能であり、或いは、それらとは異なる装置を有することも可能である。このためには、センサパッケージの各部分又は各部位を形成するために必要とされるその他の新しい且つ/又は異なる構成材料(並びに、構成方法)が必要となろう。一実施例においては、これらのプロセス、材料、及び方法は、これらの装置の接続パッドを内部接続領域内に配置し、これにより、それらを相互接続のエリアに接続するために配置するように、センサ装置及びASIC装置の配置に対する適合性を有するものであってよい。
【0038】
以上の説明は、最良の形態を含む実施例を使用して本発明を開示し、当業者が本発明を実施及び使用できるようにしたものである。本発明の特許可能な範囲は請求項によって規定され、当業者が想到するその他の実施例を含み得る。このようなその他の実施例は、請求項の文言と相違しない構造要素を有する場合、或いは、請求項の文言と実質的に相違しない均等な構造要素を含む場合に、請求項の範囲に含まれるものと解釈されたい。
【符号の説明】
【0039】
100 センサパッケージ
102 ハウジング
104 基板
106 外側エッジ
108 横方向側部
110 後方側部
112 前方側部
114 配置エリア
116 上部表面
118 下部表面
120 内部接続領域
122 第1装置
124 第2装置
126 第1接続パッド
128 第2接続パッド
130 相互接続
132 外部接続
200 センサパッケージ
202 ハウジング
204 基板
212 前方側部
214 配置エリア
216 上部表面
218 下部表面
222 第1装置
224 第2装置
226 第1接続パッド
228 第2接続パッド
230 接続
232 外部接続
234 第3装置
236 第3接続パッド
238 リード
240 リードアウト
242 後方タイバー
244 前方タイバー
246 ワイヤボンド
248 リードフレーム
250 センサ
252 端部
300 センサパッケージ
302 ハウジング
322 第1装置
324 第2装置
334 第3装置
348 リードフレーム
354 オーバーモールドされた部分
356 空洞
358 カプセル化ゲル
360 ピン
362 カバー
364 開口部
366 壁
368 棚部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1側部(112)と、上部表面(116)と、前記上部表面(116)とは反対側の下部表面(118)とを有する基板(104)と、
前記上部表面(116)上に配設された第1装置(122)であって、前記基板(104)の前記第1側部(112)近傍に第1接続パッド(126)を有する第1装置(122)と、
前記下部表面(118)上に配設された第2装置(124)であって、前記基板(104)の前記第1側部(112)近傍に第2接続パッド(128)を有する第2装置(124)と、
前記第2装置(124)を取り囲むハウジング(102)であって、前記ハウジングの外部の環境に前記第1装置(122)をさらす空洞(356)を有するハウジング(102)と、
前記第1接続パッド(126)及び前記第2接続パッド(128)に結合された第1リード(238)であって、前記第1側部(112)近傍に端部(252)を有する第1リード(238)とを備え、
前記第1リード(238)は、完全に前記ハウジング(102)の内部において前記第1装置(122)と前記第2装置(124)の間の接続を形成するように、前記第1接続パッド(126)及び前記第2接続パッド(128)のそれぞれからのワイヤボンドを受け入れる、センサパッケージ(100)。
【請求項2】
前記第2装置(124)に結合されたリードアウト(240)を更に有し、前記リードアウト(240)は、前記第2装置(124)と前記ハウジング(102)の外部の回路の間の電気接続を許容するように、前記ハウジング(102)の外側において延在する、請求項1に記載のセンサパッケージ(100)。
【請求項3】
前記第1装置(122)は、前記環境からデータを収集するように構成されている、請求項1に記載のセンサパッケージ(100)。
【請求項4】
前記上部表面(216)上に配設された第3装置(234)であって、前記基板(104)の前記第1側部(112)近傍に第3接続パッド(236)を有する第3装置(234)と、
前記第3接続パッド(236)に結合された第3リード(238)であって、前記第1側部(112)の近傍に端部(252)を有する第3リード(238)とを更に備え、
前記第3リード(238)は、完全に前記ハウジング(102)の内部において前記第3装置(234)と前記第2装置(124)の間の接続を形成するように、前記第3接続パッド(236)及び前記第2装置(124)からのワイヤボンドを受け入れる、請求項3に記載のセンサパッケージ(100)。
【請求項5】
前記第3リード(238)は前記第2装置(124)に結合される、請求項4に記載のセンサパッケージ(100)。
【請求項6】
前記空洞(356)内に配設されたカプセル化ゲル(358)であって、前記第1装置(122)と前記環境の間の通信を許容する材料を有するカプセル化ゲル(358)と、
前記カプセル化ゲル(358)の上方に配置されたカバー(362)であって、前記環境に前記空洞(356)をさらす開口部(364)を有するカバー(362)とを更に備える、請求項1に記載のセンサパッケージ(100)。
【請求項7】
前記材料は、第1状態と、前記第1状態の粘度を上回る粘度を有する第2状態とを有する請求項6に記載のセンサパッケージ(100)。
【請求項8】
前記空洞(356)は、前記上部表面(116)近傍の下部部分と、前記下部部分から離れるように延在する壁(366)と、前記下部部分の反対側において前記壁(366)上に配設された棚部(368)とを備え、前記棚部(368)は、前記空洞(356)内に延在する少なくとも1つの表面を備える、請求項6に記載のセンサパッケージ(100)。
【請求項9】
前記第1装置(122)は圧力を検知するためのものであり、前記第2装置(124)は加速度を計測するためのものである、請求項1に記載のセンサパッケージ(100)。
【請求項10】
前記第1装置(122)はBAPS装置を備える、請求項9に記載のセンサパッケージ(100)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−58243(P2012−58243A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195530(P2011−195530)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】