説明

中継接続部材、検査装置および中継接続部材の製造方法

【課題】検査対象の端子の狭小化に対応しつつ、検査対象との電気的接続および内部における電気的接続を充分確保可能な検査装置を実現する。
【解決手段】プローブ3と、プローブ3を保持するプローブホルダ4と、プローブ3を介して検査対象1に対して検査信号を出力する検査回路5と、プローブ3と検査回路5とを電気的に接続する中継接続部材6とを備える。中継接続部材6は、プローブ3と電気的に接続し、隣接するもの同士が異なる層上に形成された第1配線構造11、12を備えた第1接続部材8と、検査回路5に備わる配線構造7と電気的に接続され、同一層上に形成された第2配線構造16を備えた第2接続部材9とを有する。中継接続部材6は、プローブ3との接続に適した第1接続部材8と、検査回路5との接続に適した第2接続部材9とを備えることによって、両者に対する良好な電気的導通を実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の検査対象に対する検査の際に前記検査対象上に形成された複数の端子と一端が接触する複数のプローブの他端と、前記検査に使用される検査信号を出力する検査回路との間を電気的に接続する中継接続部材、中継接続部材を用いた検査装置および中継接続部材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶パネル等の電子部品に対して電気特性検査を行うための検査装置が知られている。このような検査装置としては、例えば、図5に示すように、電子部品たる検査対象101に備わる端子101aに対応して多数設けられた複数のプローブ102と、複数のプローブを保持するプローブホルダ103と、所定の検査信号の出力等を行う検査回路105と、プローブと検査回路との間を電気的に接続するための中継接続部材104とによって形成される。かかる構成を採用することによって、検査の際には、検査回路105より出力された検査信号は、中継接続部材104に備わるシート部材107上に形成された配線構造106およびプローブ102を経由して検査対象101たる電子部品に入力し、電子部品内の回路の処理を経て応答信号がプローブ102および配線構造106を経由して検査回路105に入力される(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
検査回路105としては、専用の電子回路を用いることとしても良いが、例えば電子部品の動作試験を行う等の場合には、電子部品を製品に実装した際に実際に使用される電子回路を用いることが好ましい。例えば、液晶パネルの検査を行う検査装置においては、検査回路105として実装時に用いられるドライバICを備えたTAB(Tape Automated Bonding)を使用するのが一般的である。検査回路105として製品レベルで使用される電子回路を用いる理由は、実際の使用状況に近い条件下で検査を行うことが好ましいことと、別途検査専用の電子回路を作製することによる検査コストの上昇を回避するためである。
【0004】
【特許文献1】特開平8−222299号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の検査装置では、中継接続部材104とプローブ103の電気的接続および中継接続部材104と検査回路105の電気的接続に不具合が生じる可能性が否定できないという課題を有する。以下、かかる課題について説明する。
【0006】
液晶パネル等の電子部品は近年小型化の傾向が顕著であり、かかる傾向に鑑みて検査の際に検査信号の入出力が行われる複数の端子についても、小型化および隣接する端子間の間隔が狭小化するという傾向が見られる。かかる傾向に対応して、検査装置においてもプローブ102の配置間隔の狭小化および中継接続部材104中に形成する複数の配線構造106の間隔を狭小化する必要性が生じる。このため、従来の検査装置では、特に、プローブ102と中継接続部材104中に形成した配線構造106との間で電気的接続を行うためには、プローブ102と中継接続部材104との間できわめて正確な位置あわせを行う必要があり、検査装置の作製を困難なものとしていた。
【0007】
また、従来の検査装置では、プローブ102と中継接続部材104中の配線構造106との接続は、ハンダ等で固定することによって実現するのではなく、配線構造106と別体に形成されたプローブ102が、配線構造106に対して所定の荷重を印加しつつ物理的に接触することによって実現する。このため、位置ずれした状態でプローブ102が配線構造106に接触した場合または配線構造106に接触した後にプローブ102が位置ずれした場合には、プローブ102との間に生じる摩擦力に起因して配線構造106の形状が変化し、隣接する配線構造間で電気的に短絡を生じる等の新たな問題が発生する。
【0008】
さらに、従来の検査装置は、中継接続部材104と検査回路105との間の電気的接続に関しても問題を有する。図5に示すように、検査対象101に備わる端子101aと配線構造106とは向かい合った状態でプローブ102を介した電気的接続を実現しており、この結果、図5における紙面垂直方向に関する複数の端子101aの配列パターンは、鏡に映したのと同様の理由で配線構造106において反転することとなる。このため、検査回路105は、配列パターンが反転した中継接続部材104に対して電気的に接続する必要が生じることとなり、図5に示すように、中継接続部材104と検査回路105とは、いわゆる「く」の字状に接続する必要性が生じることとなる。かかる接続態様は物理的に無理が生じた構造であることから、例えば物理的な強度が低い部分において配線構造106等に断線が生じるなどの問題が新たに生じることとなる。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、検査対象に備わる端子の狭小化に対応しつつ、検査対象との電気的接続および内部における電気的接続を充分確保可能な検査装置、検査装置を構成する中継接続部材および中継接続部材の製造方法を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる中継接続部材は、所定の検査対象に対する検査の際に前記検査対象上に形成された複数の端子と一端が接触する複数のプローブの他端と、前記検査に使用される検査信号を出力する検査回路との間を電気的に接続する中継接続部材であって、それぞれの一端において複数の前記プローブの他端と電気的に接続し、隣接するもの同士が異なる層上に位置し、他端が所定長以上に渡って表面に露出した複数の第1配線構造が形成された第1接続部材と、一端において所定長だけ表面に露出した前記第1配線構造の他端と接触し、他端において前記検査回路と電気的に接続する複数の第2配線構造が同一層上に形成された第2接続部材とを備えたことを特徴とする。
【0011】
この請求項1の発明によれば、隣接する第1配線構造を異なる層上に形成することによって同一層上における第1配線構造の間隔を広げ、プローブと第1配線構造との間の電気的導通を充分に確保可能な第1接続部材と、第1接続部材と検査回路とを電気的に接続する第2配線構造を同一面上に形成することによって検査回路に対する電気的接続を充分に確保可能な第2接続部材とを備えたことによって、プローブと検査回路との間の電気的導通を充分に確保することが可能である。
【0012】
また、請求項2にかかる中継接続部材は、上記の発明において、前記第1接続部材は、絶縁部材によって形成され、上面に1以上の前記第1配線構造が形成されたシート部材を複数積層した構造を有し、隣り合う前記第1配線構造は、互いに異なるシート部材上に形成されたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項3にかかる検査装置は、所定の検査対象に対して該検査対象に備わる複数の端子を介して電気信号を入出力することによって検査を行う検査装置であって、前記検査対象上に形成された複数の前記端子のそれぞれと一端が接触する複数のプローブと、複数の前記プローブを前記端子に対応した位置に収容するプローブホルダと、それぞれの一端において複数の前記プローブの他端と電気的に接続し、隣接するもの同士が異なる層上に位置し、他端が所定長以上に渡って表面に露出した複数の第1配線構造が形成された第1接続部材と、一端において所定長だけ表面に露出した前記第1配線構造の他端と接触し、他端において前記検査回路と電気的に接続する複数の第2配線構造が同一層上に形成された第2接続部材と、前記第2接続部材と電気的に接続され、前記第2接続部材に対して少なくとも検査信号を出力する検査回路とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項4にかかる中継接続部材の製造方法は、所定の検査対象に対する検査の際に前記検査対象上に形成された複数の端子と接触する複数のプローブと、前記検査に使用される検査信号を出力する検査回路との間を電気的に接続する中継接続部材の製造方法であって、単一のシート部材の表面上に、一方の端部から中央付近まで延伸した複数の第1配線と、他方の端部から中央付近まで延伸し、かつ中央付近にて隣接する前記第1配線間に位置するよう形成された第2配線とを形成する配線形成工程と、前記シート部材を、前記第1配線および前記第2配線が延伸する方向に関して、前記第1配線のみが形成された第1領域と、前記第2配線のみが形成された第2領域と、前記第1配線および前記第2配線の双方が形成された第3領域とに分割することによって第1シート部材、第2シート部材および第3シート部材を形成するシート分割工程と、前記第1シート部材および前記第2シート部材を、前記第1配線と前記第2配線との配列パターンが、前記第3シート部材における配列パターンとほぼ同一になるよう積層する積層工程と、前記第1シート部材および前記第2シート部材の積層構造における前記第1配線および前記第2配線の端部を、前記第3シート部材における前記第1配線および前記第2配線の端部と電気的に接続した状態で前記第1、第2および第3シートの相互間の位置関係を固定する固定工程とを含むことを特徴とする。
【0015】
この請求項4の発明によれば、単一のシート部材上に所定の第1配線および第2配線を第1〜第3領域に渡って連続的に形成することとしたため、第1、第2および第3シート部材のそれぞれに対して別個独立に配線パターンを形成する必要がなく、かつ分離した後に配線間で位置ずれが生じるおそれが抑制されることとなり、電気的導通に優れた中継接続部材を製造することができる。
【0016】
また、請求項5にかかる中継接続部材の製造方法は、上記の発明において、前記積層工程前では、前記第1シート部材および前記第2シート部材の少なくともいずれか一方に対して、他方との位置あわせに利用する位置あわせ標識を形成する標識形成工程をさらに含み、前記積層工程において、前記位置あわせ標識を用いて前記第1シート部材と前記第2シート部材との間の位置あわせを行いつつ積層することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明にかかる中継接続部材および検査装置は、隣接する第1配線構造を異なる層上に形成することによって同一層上における第1配線構造の間隔を広げ、プローブと第1配線構造との間の電気的導通を充分に確保可能な第1接続部材と、第1接続部材と検査回路とを電気的に接続する第2配線構造を同一面上に形成することによって検査回路に対する電気的接続を充分に確保可能な第2接続部材とを備えたことによって、プローブと検査回路との間の電気的導通を充分に確保できるという効果を奏する。
【0018】
また、本発明にかかる中継接続部材の製造方法は、単一のシート部材上に所定の第1配線および第2配線を第1〜第3領域に渡って連続的に形成することとしたため、第1、第2および第3シート部材のそれぞれに対して別個独立に配線パターンを形成する必要がなく、かつ分離した後に配線間で位置ずれが生じるおそれが抑制されることとなり、電気的導通に優れた中継接続部材を製造することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明にかかる検査装置および検査装置を構成する中継接続部材を実施するための最良の形態(以下、「実施の形態」と称する)を、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図面は模式的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、それぞれの部分の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0020】
図1は、実施の形態にかかる検査装置の全体構成を示す模式図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる検査装置は、検査対象1に備わる端子2と一端が接触するプローブ3と、プローブ3を所定の位置に保持するプローブホルダ4と、プローブ3を介して検査対象1に対して少なくとも検査信号を出力する検査回路5と、プローブ3と検査回路5とを電気的に接続するための中継接続部材6とを備える。
【0021】
プローブ3は、検査の際に一端において検査対象1に備わる端子2と接触し、他端において第1配線構造11,12(後述)と接触することにより、検査回路5と検査対象1との間を電気的に接続するためのものである。具体的には、プローブ3は、バネ等の弾性部材を一部に備えた伸縮自在の導電性部材によって形成され、端子2等の接触対象に対して所定の凹圧力を印可しつつ接触することによって、接触対象と電気的に導通する機能を有する。なお、本実施の形態において検査対象1上に形成される端子2は複数設けられることとし、本実施の形態にかかる検査装置は、複数の端子2に対応して、複数のプローブ3を備える。
【0022】
プローブホルダ4は、複数のプローブ3を所定の位置に保持するためのものである。すなわち、プローブ3は、検査対象1上に形成された複数の端子2とそれぞれ接触することによって電気的に導通するためのものであり、プローブホルダ4は、導通状態が良好となるようあらかじめ定めた場所に位置するよう、複数のプローブ3を保持する機能を有する。具体的な保持態様としては、プローブホルダ4は例えば板状体によって形成され、かかる板状体に形成された貫通口内に、両端が板状体の表面から若干突出するようプローブ3を保持することとする。
【0023】
検査回路5は、検査対象1の電気的特性の検査を行う際に、検査に必要な検査信号を検査対象1に対して出力するためのものである。具体的には、検査回路5は、TAB等によって構成され、例えば検査信号を生成する電子回路を含むICチップ5aを搭載すると共に、ICチップ5aと中継接続部材6とを電気的に接続するための配線構造7を備えた構造を有する。なお、検査回路5として、検査専用の電子回路を備えたものを別途作製することとしても良いが、本実施の形態では、検査対象1が製品の一部として実装された際に、検査対象1に対して動作信号等の入出力を行う回路をそのまま流用することとする。すなわち、例えば検査対象1が液晶パネルの場合には、液晶パネルを用いてディスプレイを作製した場合に液晶パネルに対して画素信号等を入力するドライバ回路を検査回路5として使用する。このように既存の電子回路を流用することによって、現実の動作に即した検査が可能であると共に、検査装置の製造コストを低減することが可能である。
【0024】
次に、中継接続部材6について説明する。図1にも示すように、中継接続部材6は、プローブ3と電気的に接続するための第1接続部材8と、第1接続部材8と検査回路5との間を電気的に接続するための第2接続部材9と、第1接続部材8の反り等を防止するための補強部材10とによって構成される。
【0025】
第1接続部材8は、他端においてそれぞれ対応するプローブ3と電気的に接続すると共に、互いに異なる層上に形成された第1配線構造11、12を備える。具体的には、図1にも示すように、第1接続部材8は、シート部材13、14を順次積層した構成を有し、シート部材13、14のそれぞれの表面上に第1配線構造11、12をあらかじめ形成しておくことにより、第1配線構造11、12が異なる層上に形成された構造を実現する。
【0026】
シート部材13、14は、膜厚が薄く柔軟性に富んだシート状の絶縁部材によって形成される。具体的には、シート部材13、14は、例えばFPC(Flexible Printed Circuit)の基材として用いられるポリイミド等を材料として形成される。なお、図1にも示すように、積層構造の下層に位置するシート部材13は、形成される第1配線構造11がプローブ3等と電気的に接続することを可能とするために、第1配線構造11、12の延伸方向に関してシート部材14よりも延伸した構成を有し、シート部材14よりも延伸した部分まで第1配線構造11を延伸させた構造を有する。
【0027】
第1配線構造11、12は、プローブ3と第2接続部材9上に形成される第2配線構造16(後述)との間の導通経路としての機能を果たすものである。具体的には、第1配線構造11、12は、プローブ3に対応して複数形成されており、かつ、隣接する対は一方が第1配線構造11となり、他方が第1配線構造12となるよう、すなわち、隣接する第1配線構造は異なる層上に位置するよう形成されている。なお、第1配線構造11は、第1配線構造12に対して下層に位置するが、基材たるシート部材13がシート部材14よりも延伸した部分を有することに対応して、かかる部分まで延伸して形成されることによって端部近傍が表面上に露出した構造を有する。
【0028】
第2接続部材9は、第1接続部材8を構成する第1配線構造11、12と検査回路5とを電気的に接続するためのものである。具体的には、第2接続部材9は、シート部材15上に複数の第2配線構造16が形成された構造を有し、第2配線構造16によって第1配線構造11、12と検査回路5とを電気的に接続する機能を有する。また、複数の第2配線構造16は、それぞれが同一のシート部材15上、すなわち同一層上に形成された構造を有する。
【0029】
補強部材10は、第1接続部材8を補強するためのものである。上述したように第1接続部材8の一方の端部は、第1配線構造11、12がプローブ3と接触することによってプローブ3に対して電気的に導通する構成を有することから、プローブ3と第1接続部材8との間には所定の押圧力が作用することとなる。一方で、第1接続部材8の基材として機能するシート部材13、14は柔軟性に富んだシート状の部材によって形成されることから、プローブ3から供給される押圧力に対してシート部材13、14が反ることによってプローブ3と第1配線構造11、12とが密着せず、両者の間の導通状態が悪化するおそれがある。このため、本実施の形態では、補強部材10を新たに備えることによって第1接続部材8を補強し、第1配線構造11、12の端部とプローブ3との間における良好な電気的導通を実現する。
【0030】
次に、第1接続部材8を構成する第1配線構造11、12のうち、プローブ3と接触する側の端部の構造について詳細に説明する。図2は、第1接続部材8のうちプローブ3と接触する側の端部の一部について示す平面図である。なお、図2は、第1接続部材8をプローブ3側から見た平面構造を模式的に示したものであり、直接目視できない部分は破線にて示している。なお、図2等では、複数存在する第1配線構造11、12等について、互いを区別するために必要に応じてa、b等の添え字を付すこととする。また、第1配線構造11、12の個数については、図2等の例に限定して解釈する必要がないことはもちろんである。
【0031】
図2に示すように、シート部材13上に形成される第1配線構造11a〜11dと、シート部材14上に形成される第1配線構造12a〜12dとは、平面構造としては互いに交互に配置された構造を有する。具体的には、第1接続部材8をプローブ3側から眺めた際には、第1配線構造11a、12a、11b、12b、・・・のように配列されることとなり、プローブ3側から見て隣接する第1配線構造は、互いに異なる層(シート部材13またはシート部材14)上に位置するよう形成されたこととなる。かかる構造を採用することにより、図2にも示すように、単一層上に第1配線構造を形成した場合と比較して、同一層上に形成される第1配線構造の間隔はほぼ2倍の値となる。
【0032】
また、第1配線構造11a〜11dおよび第1配線構造12a〜12dの端部には、延伸方向と垂直な方向に第1配線構造よりも広い幅を有する接続パッド18a〜18dおよび接続パッド19a〜19dのそれぞれが形成されている。これらの接続パッド18a〜18dおよび接続パッド19a〜19dは、それぞれがいわゆる千鳥配置の状態で形成されており、具体的には、例えば接続パッド18a〜18dの場合には、第1配線構造の延伸方向上に関して、接続パッド18a、18cは同一の位置に形成される一方で、接続パッド18b、18dは、接続パッド18a等と異なる位置に形成されている。すなわち、接続パッド18a〜18および接続パッド19a〜19dは、第1配線構造の延伸方向に関する位置が、それぞれ隣接する接続パッド間で異なるよう形成されている。
【0033】
次に、第1接続部材8、第2接続部材9および検査回路5の相互間における電気的な接続関係について説明する。図3は、第1接続部材8、第2接続部材9および検査回路5の相互間の接続態様を説明するための模式図である。以下、図3を参照しつつ接続態様に関して説明する。
【0034】
まず、第1接続部材8と第2接続部材9との間の接続態様について説明する。第1接続部材8と第2接続部材9との間の電気的接続は、具体的には第1接続部材8に備わる第1配線構造11、12の端部と第2接続部材9に備わる第2配線構造16の端部とが接触した状態で第1接続部材8と第2接続部材9の間の位置関係が固定されることによって実現される。なお、第1配線構造11、12と第2配線構造16との間の電気的な接触抵抗を実用上問題ない程度にまで抑制する観点から、本実施の形態では第1配線構造11、12と第2配線構造16とが互いに接触する部分を、所定の配線長d1だけ確保する必要があるものとする。
【0035】
第1配線構造11においてかかる配線長d1を確保するために、本実施の形態では第1接続部材8に関して、第2接続部材9と接続する側においてシート部材13がシート部材14よりも延伸した構造を有する。上述したように、第1配線構造11は、シート部材13を基材として形成され、シート部材14の下層に形成されることとなる。このため、第2配線構造16と接続するためには配線長d1の範囲が第1接続部材8の表面上に露出した構造とする必要があり、かかる配線長d1を確保するために基材たるシート部材14をシート部材13よりも延伸させた構造を採用する。なお、本実施の形態では第1配線構造12は全体が第1接続部材8の表面上に露出した構造を有するが、仮に保護層等によって被覆する構造を採用した場合であっても、第1配線構造11の場合と同様に第2接続部材9と接続する側の端部において配線長d1だけ露出した構造とすることが好ましい。
【0036】
このような構造の第1接続部材8に対して、第2接続部材9に備わる第2配線構造16は、第1配線構造11、12と接触する領域として、配線長d1のほぼ2倍にあたる配線長d2の範囲が必要となる。上述したように、第1接続部材8は、下層側に位置する第1配線構造11を表面に露出させるためにシート部材13をシート部材14よりも延伸させた構造を有する。ここで、シート部材14は、第1配線構造12の基材として機能することから、図3に示すように、シート部材13上に形成された第1配線構造11は、シート部材14上に形成された第1配線構造12よりも第2接続部材9側に配線長d1にほぼ等しい長さだけ延伸した構造を有することとなる。そして、複数の第2配線構造16は、それぞれが第1配線構造11、12のいずれか一方と接触する必要があり、いずれに対しても接触可能な構造とするためには、接触に要する配線長d2としてd1のほぼ2倍の値が必要となる。
【0037】
このように、接続用の領域が所定の配線長だけ確保された第1配線構造11、12および第2配線構造16を用いることによって、第1接続部材8と第2接続部材9とが電気的に接続されることとなる。すなわち、第1配線構造11、12と第2配線構造16とが向かい合う状態(図3の例では第2接続部材9が第1接続部材8に対して紙面垂直上方に位置することとなる)で第1接続部材8の端部と第2接続部材9の端部とが重ね合わされ、例えばACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電性接着剤)を用いることによって両者の位置関係が固定される。なお、第1接続部材8と第2接続部材9とが互いに固定された状態では、図3に示す一点鎖線領域同士が接触し、電気的導通が行われることとなる。すなわち、例えば、第1配線構造11aの一点鎖線領域は、第2配線構造16aの一点鎖線領域と接触した状態で固定され、第1配線構造12aの一点鎖線領域は、第2配線構造16bの一点鎖線領域と接触した状態で固定され、かかる接触状態により第1配線構造12aと第2配線構造16aとの間および第1配線構造11aと第2配線構造12bとの間がそれぞれ配線長d1の範囲で接触し、電気的な接触抵抗を充分に低減した、良好な電気的導通を実現している。このことは第1配線構造11bと第2配線構造16cとの間および第1配線構造12bと第2配線構造16dとの間においても同様であって、第1接続部材8に形成されたすべての第1配線構造と、第2接続部材9に形成されたすべての第2配線構造とは、それぞれ対応するものの間で電気的に接続することとなる。
【0038】
次に、第2接続部材9と検査回路5との間の接続態様について説明する。第2接続部材9と検査回路5との間の電気的接続は、具体的には第2接続部材9に備わる第2配線構造16の端部と、検査回路5に備わる配線構造7の端部とが接触することによって実現される。
【0039】
第2配線構造16の端部と配線構造7の端部とを接触させる場合にも、電気的な接触抵抗を低減するために配線長d1の領域に渡って接触させることとする。このため、第2配線構造16は、検査回路5と接触する側の端部にて接触領域として配線長d1の領域が確保され、配線構造7においても同様に配線長d1の領域が確保されている。そして、かかる確保された領域同士が接触するよう第2接続部材9と検査回路5との間の位置関係がACF等によって固定され、電気的な導通が実現される。
【0040】
次に、本実施の形態にかかる検査装置の製造方法の一例について説明する。以下では、検査装置を構成する部材のうち、第1接続部材8および第2接続部材9によって構成される中継接続部材6の製造方法について説明することとする。
【0041】
図4は、中継接続部材を構成する第1接続部材8および第2接続部材9の製造方法を説明するための模式図である。図4に示すように、まず単一のシート部材21上に、所定の配線パターンを形成する。シート部材21は、中央に位置する中央領域21a(特許請求の範囲における第3領域に対応)と、両端部に位置する端部領域21b(特許請求の範囲における第1領域に対応)、端部領域21c(特許請求の範囲における第2領域に対応)とによって構成されており、中央領域21aおよび端部領域21b、21cのそれぞれにおいて異なるパターンとなるよう配線が形成される。
【0042】
具体的には、シート部材21上には、中央領域21aから端部領域21bに渡って第1配線22a〜22hが形成され、中央領域21aから端部領域21cに渡って第2配線23a〜23iが形成される。第1配線22a〜22hおよび第2配線23a〜23iは、それぞれがほぼ平行に延伸した構成を有する一方で、中央領域21aにて第1配線と第2配線とが交互に配列するよう形成される。具体的には、図4に示すように第2配線23a、第1配線22a、第2配線23b、第1配線22b、・・・・、第1配線22h、第2配線23iの順に配列するよう配線パターンが形成される。また、シート部材21の端部近傍には、第1配線22a〜22hおよび第2配線23a〜23iのそれぞれに対応して、パッド24a〜24hおよびパッド25a〜25iが形成される。また、後述する位置あわせの際の便宜のため、図4の例では端部領域21c上に位置あわせ用のアライメント26(特許請求の範囲における位置あわせ標識の一例として機能する)が形成される。
【0043】
その後、シート部材21を、図4に示す破線に沿って中央領域21a、端部領域21b、21cの三片に分割する。分割した三片は、それぞれ特許請求の範囲における第3シート部材、第1シート部材および第2シート部材の一例として機能するものである。所定の配線パターンが形成された中央領域21a、端部領域21b、21cは、それぞれ中継接続部材6に備わるシート部材15、シート部材13およびシート部材14を構成することとなり、各領域上に形成された配線パターンは、図4を図3と対比すれば明らかなように、それぞれ第2配線構造16、第1配線構造12、第1配線構造11を構成することとなる。すなわち、形成された第1配線22a〜22hおよび第2配線23a〜23iのうち、中央領域21a上に残存する部分は、それぞれ第2配線構造16を構成し、端部領域21bに残存する部分は、それぞれ第1配線構造12を構成し、端部領域21cに残存する部分は、それぞれ第1配線構造11を構成することとなる。また、パッド24およびパッド25はそれぞれ接続パッド19および接続パッド18を構成することとなる。
【0044】
そして、第1接続部材8を形成すべくシート部材14およびシート部材13に対応した端部領域21b、21cを順次積層し、固定する。なお、かかる工程において、上述したアライメント26によって端部領域21b、21cの位置あわせを正確に行うことが好ましい。例えば、図4に示す例では、アライメント26は、端部領域21bの中央領域21a側の端部(図4において、破線部にて示した側の端部)の位置を示しており、アライメント26の位置に端部領域21bの端部が一致するように積層・固定することによって、端部領域21b、21c間の位置関係を正確にあわせることが可能である。
【0045】
その一方で、中央領域21aは、表面上に形成された第1配線22a〜22hと第2配線23a〜23iと共に第2接続部材9を形成する。そのため、中央領域21aを端部領域21b、21cを積層した構造に対して、配線構造同士が電気的に接続するよう、すなわち図3に示した接続関係を満たすよう固着することによって中継接続部材6が完成する。
【0046】
次に、本実施の形態にかかる検査装置の利点について説明する。まず、本実施の形態にかかる検査装置は、第1接続部材8において、互いに隣接する第1配線構造11、12が異なる層上に形成されたことによる利点を有する。図2にも示したように、互いに隣接する第1配線構造11、12が異なる層(すなわち、シート部材13、14)上に形成されたことにより、同一層上に形成された複数の第1配線構造11および複数の第1配線構造12配置間隔をプローブ3の配置間隔の2倍に広げることが可能である。このため、図2に示すようにプローブ3との端部と接触するための接続パッド18、19の面積を広くすることが可能であり、プローブ3と接続パッド18、19との間の位置あわせを容易に行うことが可能となると共に、プローブ3との間の摩擦力に起因した配線構造(接続パッド)の変形を抑制することが可能であるという利点を有する。
【0047】
また、本実施の形態では、それぞれシート部材13上に形成された複数の接続パッド18と、それぞれシート部材14上に形成された複数の接続パッド19に関して、隣接するもの同士が、第1配線構造の延伸方向に関して異なる位置に配置された構造を有する。かかる構造を採用することによって、接続パッド18、19のそれぞれに関してさらに面積を大きくすることが可能である。すなわち、例えば図2において、接続パッド18bは、第1配線構造の延伸方向(図2における縦方向)に関して、接続パッド18a、18cと異なる位置に形成されることから、延伸方向と垂直な方向(図2における横方向)に関して延伸しても接続パッド18a、18cと短絡することはない。このため、接続パッド18bに関しては近傍に位置する第1配線構造11a、11cと短絡しない限りにおいて延伸方向と垂直な方向に延伸させることが可能となる。このことは他の接続パッド18a、19a等でも同様であって、同一層上にて隣接するもの同士が異なる位置に配置されることで、さらに広い面積の接続パッドを実現することが可能である。
【0048】
さらに、本実施の形態では、中継接続部材9にて第2接続部材9を新たに設けた構造を採用することにより、検査回路5と中継接続部材9との間で良好な電気的導通を実現することが可能であるという利点を有する。以下、かかる利点について詳細に説明する。
【0049】
上述したように、本実施の形態では第1接続部材8にて第1配線構造11、12が異なる層上に形成された構造を有し、より具体的には、第1配線構造11、12間には、シート部材14が介在することとなる。従って、下層に位置する第1配線構造11を他と電気的に導通するためには、端部近傍にて第1配線構造11を露出した構造を採用する必要があり、第1配線構造11における電気的接続部分(図3における一点鎖線領域)と、上層に形成された第1配線構造12における電気的接続部分(図3における一点鎖線領域)とは配線構造の延伸方向に関して位置がずれることとなる。このため、第1接続部材8と電気的に接続する部材は、第1配線構造11、12の双方と電気的に接続するために、通常必要とされる配線長d1のほぼ2倍の長さたる配線長d2を電気的接続部分として確保する必要がある。
【0050】
これに対して、中継接続部材8の接続対象たる検査回路5は、電気的接続部分(配線構造7)の長さとして配線長d1程度しか備えないのが通常である。上述したように、検査回路5は検査対象1を実装する際にドライバ回路等として用いられるものを流用したものであることから、検査回路5に備わる電気的接続部分は、検査対象1の表面上(すなわち、同一層上)に形成された端子2と電気的に接続するために必要な長さ(例えば、配線長d1)のみを有することとなる。従って、第1接続部材8と検査回路5とを直接的に接続した場合には、第1接続部材8と検査回路5との間で充分な導通状態を得ることが困難であるという問題が新たに生じることとなる。検査回路5として、電気的接続部分が配線長d2となる検査専用の回路を用いることとしても良いが、かかる構成を採用した場合には、実装時の動作に即した検査を行うことが困難になることおよび検査装置の製造コストが上昇するという別の問題が新たに生じることとなり、根本的な問題の解決とはならない。
【0051】
そこで、本実施の形態では、第1接続部材8と検査回路5との間に第2接続部材9を介在させた構成を採用することにより、中継接続部材6と検査回路5との間で良好な導通状態を実現している。すなわち、第2接続部材9においては、配線長に制限が無く、第1接続部材8と接続する側にて第2配線構造16にて配線長d2を確保することは容易であるため、異なる層上に形成された第1配線構造11、12のいずれに対しても良好な導通状態を実現することが可能である。また、上述したように複数の第2配線構造16は、すべてが単一のシート部材15上に形成されていることから、検査回路5に備わる配線構造7との間の電気的な接続には配線長d1で足りることとなり、既存の検査回路5を流用しても充分な導通を確保することが可能であることとなる。このように、第1接続部材8のみならず第2接続部材9も備えることによって、中継接続部材6は、第1接続部材8の作用によってプローブ3に対して充分な導通を確保することが可能であり、第2接続部材9の作用によって検査回路5に対して充分な導通を確保することができるという利点を有することとなる。
【0052】
また、本実施の形態において中継接続部材6が第2接続部材9を新たに備えたことによって、物理的に無理のない構造の検査装置を実現できるという利点を有する。図5に示したように、従来の検査装置では、中継接続部材104が単一の接続部材によって形成された構造を有する。このため、従来の検査装置では、検査回路105上に形成された複数の配線構造105aと検査対象101上に形成された複数の端子101aとの間の対応関係を維持するためには、図5に示すように中継接続部材104と検査回路105とを「く」の字状に接続する必要があり、物理的に無理が生じた構造となり、強度の弱い部分において断線が生じる等の問題があった。
【0053】
これに対して、本実施の形態では、中継接続部材6は、複数の接続部材(第1接続部材8、第2接続部材9)を備えた構造を有することによりかかる問題を解決している。すなわち、図1における紙面垂直方向に関する端子2の配列パターンは、端子2に対して第1配線構造11、12が対向した状態で配置された第1接続部材8を経由することによって反転する。その後、第1配線構造11、12に対して第2配線構造16が対向した状態で配置された第2接続部材9を経由することによって再び反転し、元の配列パターンと一致することとなる。この結果、検査回路5は、検査対象1に備わる複数の端子2と接触させた場合と同様に配線構造7を第2配線構造16と接触させることが可能となり、「く」の字状ではなく通常の接続態様によって第2接続部材9と検査回路5とを接続することが可能となる。この結果、本実施の形態にかかる検査装置は、物理的に無理のない構造を実現することができ、断線等の不具合の発生確率を低減できるという利点を有することとなる。
【0054】
さらに、本実施の形態にかかる検査装置は、図4に示したように中継接続部材6を単一のシート部材21を用いて製造することが可能である。また、上述したように中継接続部材6を構成するシート部材15上に形成される第2配線構造16は、シート部材13、14上に形成される第1配線構造11、12と交互に接続する構成を有する。従って、シート部材21上において、中央領域21a(分離後にシート部材15を構成)上に第1配線22と第2配線23を交互に配列するよう形成し、端部領域21c(分離後にシート部材13を構成)にはそのうちの第2配線23を延伸させ、端部領域21b(分離後にシート部材14を構成)には第1配線22を延伸させた配線構造を形成することによって、第1配線構造11、12および第2配線構造16を容易に実現することが可能である。このため、シート部材21上に配線パターンを形成するためのマスクは、領域毎に3通りのものを用意する必要はなく、単純なパターンのマスクを用いて配線パターンを形成することが可能である。
【0055】
また、図4からも明らかなように第1配線22は中央領域21aと端部領域21bとで連続性を保持し、第2配線23は中央領域21aと端部領域21cとで連続性を保持する。従って、シート部材21を分離することによって形成されるシート部材13、14、15は、それぞれ表面上に形成された第1配線構造11、12と第2配線構造16との間で隣接配線間の間隔がずれる等の弊害が生じることはなく、第1接続部材8と第2接続部材9とを接続した際に、いずれの配線構造に関しても良好な導通状態を確保することが可能であるという利点を有する。
【0056】
以上、実施の形態を用いて本発明を説明したが、実施の形態はあくまで一具体例であって、本発明を実施の形態に限定して解釈するべきではなく、当業者であれば様々な実施例、変形例に想到することが可能である。例えば、本実施の形態では第1接続部材8の構成として、それぞれ所定の配線パターンが表面上に形成されたシート部材13、14を積層した構造を有するが、第1接続部材8としてはTAB、FPC等を積層した構造に限定する必要はなく、隣接した第1配線構造が互いに異なる層上に形成された構造であれば第1接続部材として使用することが可能である。また、第1配線構造が形成される層の数についても、2層に限定する必要はなく、複数であれば任意の数の層上に第1配線構造を形成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施の形態にかかる検査装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】検査装置を構成する第1接続部材のプローブ近傍部分の構造を詳細に示す模式図である。
【図3】検査装置を構成する第1接続部材、第2接続部材および検査回路の相互間における接続態様を説明するための模式図である。
【図4】検査装置を構成する中継接続部材の製造方法を説明するための模式図である。
【図5】従来の検査装置の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0058】
1 検査対象
2 端子
3 プローブ
4 プローブホルダ
5 検査回路
5a ICチップ
6 中継接続部材
7 配線構造
8 第1接続部材
9 第2接続部材
10 補強部材
11、11a〜11d 第1配線構造
12、12a〜12d 第1配線構造
13〜15 シート部材
16、16a〜16d 第2配線構造
18a〜18d 接続パッド
19a〜19d 接続パッド
21 シート部材
21a 中央領域
21b、21c 端部領域
22a〜22h 第1配線
23a〜23i 第2配線
24a〜24h パッド
25a〜25i パッド
26 アライメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の検査対象に対する検査の際に前記検査対象上に形成された複数の端子と一端が接触する複数のプローブの他端と、前記検査に使用される検査信号を出力する検査回路との間を電気的に接続する中継接続部材であって、
それぞれの一端において複数の前記プローブの他端と電気的に接続し、隣接するもの同士が異なる層上に位置し、他端が所定長以上に渡って表面に露出した複数の第1配線構造が形成された第1接続部材と、
一端において所定長だけ表面に露出した前記第1配線構造の他端と接触し、他端において前記検査回路と電気的に接続する複数の第2配線構造が同一層上に形成された第2接続部材と、
を備えたことを特徴とする中継接続部材。
【請求項2】
前記第1接続部材は、絶縁部材によって形成され、上面に1以上の前記第1配線構造が形成されたシート部材を複数積層した構造を有し、隣り合う前記第1配線構造は、互いに異なるシート部材上に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の中継接続部材。
【請求項3】
所定の検査対象に対して該検査対象に備わる複数の端子を介して電気信号を入出力することによって検査を行う検査装置であって、
前記検査対象上に形成された複数の前記端子のそれぞれと一端が接触する複数のプローブと、
複数の前記プローブを前記端子に対応した位置に収容するプローブホルダと、
それぞれの一端において複数の前記プローブの他端と電気的に接続し、隣接するもの同士が異なる層上に位置し、他端が所定長以上に渡って表面に露出した複数の第1配線構造が形成された第1接続部材と、一端において所定長だけ表面に露出した前記第1配線構造の他端と接触し、他端において前記検査回路と電気的に接続する複数の第2配線構造が同一層上に形成された第2接続部材と、
前記第2接続部材と電気的に接続され、前記第2接続部材に対して少なくとも検査信号を出力する検査回路と、
を備えたことを特徴とする検査装置。
【請求項4】
所定の検査対象に対する検査の際に前記検査対象上に形成された複数の端子と接触する複数のプローブと、前記検査に使用される検査信号を出力する検査回路との間を電気的に接続する中継接続部材の製造方法であって、
単一のシート部材の表面上に、一方の端部から中央付近まで延伸した複数の第1配線と、他方の端部から中央付近まで延伸し、かつ中央付近にて隣接する前記第1配線間に位置するよう形成された第2配線とを形成する配線形成工程と、
前記シート部材を、前記第1配線および前記第2配線が延伸する方向に関して、前記第1配線のみが形成された第1領域と、前記第2配線のみが形成された第2領域と、前記第1配線および前記第2配線の双方が形成された第3領域とに分割することによって第1シート部材、第2シート部材および第3シート部材を形成するシート分割工程と、
前記第1シート部材および前記第2シート部材を、前記第1配線と前記第2配線との配列パターンが、前記第3シート部材における配列パターンとほぼ同一になるよう積層する積層工程と、
前記第1シート部材および前記第2シート部材の積層構造における前記第1配線および前記第2配線の端部を、前記第3シート部材における前記第1配線および前記第2配線の端部と電気的に接続した状態で前記第1、第2および第3シート部材の相互間の位置関係を固定する固定工程と、
を含むことを特徴とする中継接続部材の製造方法。
【請求項5】
前記積層工程前において、前記第1シート部材および前記第2シート部材の少なくともいずれか一方に対して、他方との位置あわせに利用する位置あわせ標識を形成する標識形成工程をさらに含み、
前記積層工程において、前記位置あわせ標識を用いて前記第1シート部材と前記第2シート部材との間の位置あわせを行いつつ積層することを特徴とする請求項4に記載の中継接続部材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−162478(P2006−162478A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−355855(P2004−355855)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【出願人】(000004640)日本発条株式会社 (1,048)
【Fターム(参考)】