説明

中継装置、通信システム、処理方法、通信方法、プログラム及び中継回路

【課題】送信タイミングに飛びが生じた場合にも送信データの再配置を行う必要が無い中継装置を提供する。
【解決手段】中継装置100は、複数の送信データの送信周期の公約数となる数のキューを有する送信データ記憶部103を備える。中継装置100の受信端において、送信データ登録部102は、受信部101が受信した送信データのヘッダに含まれるオフセット値に対応するキューに送信データを登録する。また、中継装置100の送信端において、送信データ取得部105は、現在の送信タイミングに対応するキューに登録され、現在の送信タイミングで送信可能な送信データの中から最初に登録されたものを取得する。送信部106は取得した送信データを受信端末120に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッダに、送信データの送信を行うタイミングの順番を示す送信タイミングの間隔を単位として、その送信タイミングの間隔が何回繰り返されることにより1周期となるかを示す送信周期と前記送信周期の中で送信を行うタイミングを示すオフセット値とを含む異なる処理によって生成された複数の送信データを送信する送信端末と送信データを受信する受信端末との間で通信を行う際に、送信端末と受信端末との間に配置され、送信データの中継を行う中継装置及び当該中継装置を用いた通信システム、処理方法、通信方法、プログラム及び中継回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、送信端末と受信端末との間で通信を行う際、送信端末と受信端末との間に中継装置を備え、送信データの中継を行う(例えば、特許文献1)。従来の中継装置は、送信端末から受信した送信データを、当該送信データのヘッダに含まれる周期情報とオフセット情報より算出された送信タイミングに対応したキューに登録し、送信タイミングと同期を行って受信端末に送信を行っていた。
【0003】
図4は、従来の通信システムの構成を示す概略ブロック図である。
通信システムは、送信端末70と、受信端末80と、中継装置90とを備える。
送信端末70は、ヘッダに送信周期とオフセット値とを含む送信データを送信する。
受信端末80は、中継装置90を介して送信端末が送信する送信データを受信する。
中継装置90は、受信部91と、送信データ登録部92と、送信データ記憶部93と、カウンタ部94と、送信データ取得部95と、送信部96とを備える。
送信データ記憶部93は、3GPP(3rd Generation Partnership Project)に規定されている無線フレーム番号であるSFN(System Frame Number)が取りうる値である0〜4095のそれぞれに対して、0〜9のオフセット番号に応じた記憶領域を有する。
受信部91は、送信端末70から送信される送信データを受信する。
送信データ登録部92は、受信した送信データ70のヘッダに含まれる送信周期とオフセット値に基づいて、送信データ記憶部93のフレーム番号及びオフセット番号に応じた記憶領域に送信データを登録する。
カウンタ部94は、現在のフレームタイミング及びオフセットタイミング(送信タイミング)を出力する。
送信データ取得部95は、カウンタ部94が出力するフレームタイミング及びオフセットタイミングに該当する送信データ記憶部93の記憶領域から送信データを取得する。
送信部96は、取得した送信データを受信端末80に送信する。
【0004】
まず、送信データの受信処理について説明する。
送信端末70から送信データが送信されると、受信部91は、送信データを受信する。送信データを受信すると、送信データ登録部92は、受信した送信データのヘッダから送信周期とオフセット値を取得する。送信データ登録部92は、取得した送信周期に基づいてフレーム番号を、取得したオフセット値に基づいてオフセット番号を決定し、当該フレーム番号及びオフセット番号に応じた送信データ記憶部93の記憶領域に受信した送信データを登録する。
【0005】
次に、送信データの送信処理について説明する。
カウンタ部94は、内部に時計を備え、当該時計が示す時刻に基づいてフレームタイミング及びオフセットタイミングを出力する。カウンタ部94が出力するフレームタイミングまたはオフセットタイミングの値が変化すると、送信データ取得部95は、送信データ記憶部93からカウンタ部94が出力するフレームタイミング及びオフセットタイミングに該当する記憶領域から送信データを取得する。送信データ取得部95が送信データを取得すると、送信部96は、取得した送信データを受信端末80に送信する。
これにより、中継装置90は送信タイミングと同期して周期的に送信データの送信を行う。
【特許文献1】特開2004−153629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の送信データの中継方法では、カウンタ部94の内部に備える時計の時刻合わせなどにより、送信タイミングに飛びが生じた場合、信号の遅延を回避するために送信データ記憶部93に登録されている送信データの再配置を行う必要がある。送信データの再配置は、送信タイミングに飛びが生じたことによって送信順を飛ばされた送信データが次の送信タイミングで送信されるように各キューに登録されている送信データを別のキューに移し変えることでなされる。これにより、再配置を行うために参照するキューの量が増え、また更新前の送信タイミングと更新後の送信タイミングとの間に存在する送信データの再配置をするためのキューに登録されている送信データの量に応じた処理量が増加する。そのため、送信タイミングが更新された場合において処理負荷が増大してしまうという問題がある。なお、上述した例において中継装置90が再配置を行わない場合、送信タイミングに飛びが生じたことによって順番を飛ばされた送信データは再度回ってくるフレームタイミングのオフセットタイミングまで送信を待たされることとなる。上述した通信システムではフレーム数を4096としたため、最大で4096フレームの遅延を生じた後の送信となる。なお、3GPPの無線フレーム期間は10ミリ秒であるため、送信までに約40秒の遅延が生じてしまう。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、送信タイミングが更新された場合にも送信データの再配置を行う必要が無い中継装置、通信システム、処理方法、通信方法、プログラム及び中継回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、ヘッダに、送信データの送信を行うタイミングの順番を示す送信タイミングの間隔を単位として、その送信タイミングの間隔が何回繰り返されることにより1周期となるかを示す送信周期と前記送信周期の中で送信を行うタイミングを示すオフセット値とを含む異なる処理によって生成された複数の送信データを送信する送信端末から前記送信データを受信し、前記送信データを受信端末に送信する中継装置であって、前記複数の送信データの送信周期の公約数となる数のキューと、前記送信端末から前記送信データを受信する受信手段と、前記受信した送信データの前記オフセット値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて、前記複数のキューの中から前記受信した送信データを登録するキューを選択し、当該選択したキューに前記受信した送信データを登録する送信データ登録手段と、前記送信タイミングをカウントして出力する送信タイミング出力手段と、前記送信タイミングの値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて前記キューを1つ選択するキュー選択手段と、前記選択したキューに登録されている前記送信データを参照し、当該送信データの前記送信周期を整数倍した値に前記オフセット値を加えた値が前記出力した送信タイミングに合致するか否かを判定する送信可否判定手段と、前記送信タイミングに合致する送信データの中から前記キューに先に登録されたものを取得する送信データ取得手段と、前記キューから取得した送信データを前記受信端末に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、ヘッダに、送信データの送信を行うタイミングの順番を示す送信タイミングの間隔を単位として、その送信タイミングの間隔が何回繰り返されることにより1周期となるかを示す送信周期と前記送信周期の中で送信を行うタイミングを示すオフセット値とを含む異なる処理によって生成された複数の送信データを送信する送信端末と、前記送信データの中継を行う中継装置と、前記送信データを受信する受信端末とを備える通信システムであって、前記中継装置は、前記送信データが取り得る全ての送信周期の公約数となる数のキューと、前記送信端末から前記送信データを受信する受信手段と、前記受信した送信データの前記オフセット値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて、前記複数のキューの中から前記受信した送信データを登録するキューを選択し、当該選択したキューに前記受信した送信データを登録する送信データ登録手段と、前記送信タイミングを出力する送信タイミング出力手段と、前記送信タイミングの値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて前記キューを1つ選択するキュー選択手段と、前記選択したキューに登録されている前記送信データを参照し、当該送信データの前記送信周期を整数倍した値に前記オフセット値を加えた値が前記出力した送信タイミングに合致するか否かを判定する送信可否判定手段と、前記送信タイミングに合致する送信データの中から前記キューに最初に登録されたものを取得する送信データ取得手段と、前記キューから取得した送信データを前記受信端末に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、ヘッダに、送信データの送信を行うタイミングの順番を示す送信タイミングの間隔を単位として、その送信タイミングの間隔が何回繰り返されることにより1周期となるかを示す送信周期と前記送信周期の中で送信を行うタイミングを示すオフセット値とを含む異なる処理によって生成された複数の送信データを送信する送信端末と前記送信データを受信する受信端末との間で通信を行う際に、前記送信データが取り得る全ての送信周期の公約数となる数のキューを備え、前記送信端末と前記受信端末との間に配置され、前記送信データの中継を行う中継装置における処理方法であって、受信手段は、前記送信端末から前記送信データを受信し、送信データ登録手段は、前記受信した送信データの前記オフセット値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて、前記複数のキューの中から前記受信した送信データを登録するキューを選択し、当該選択したキューに前記受信した送信データを登録し、送信タイミング出力手段は、前記送信タイミングを出力し、キュー選択手段は、前記送信タイミングの値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて前記キューを1つ選択し、送信可否判定手段は、前記選択したキューに登録されている前記送信データを参照し、当該送信データの前記送信周期を整数倍した値に前記オフセット値を加えた値が前記出力した送信タイミングに合致するか否かを判定し、送信データ取得手段は、前記送信タイミングに合致する送信データの中から前記キューに最初に登録されたものを取得し、送信手段は、前記キューから取得した送信データを前記受信端末に送信する、ことを備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、ヘッダに、送信データの送信を行うタイミングの順番を示す送信タイミングの間隔を単位として、その送信タイミングの間隔が何回繰り返されることにより1周期となるかを示す送信周期と前記送信周期の中で送信を行うタイミングを示すオフセット値とを含む異なる処理によって生成された複数の送信データを送信する送信端末と、前記送信データが取り得る全ての送信周期の公約数となる数のキューを備え、前記送信データの中継を行う中継装置と、前記送信データを受信する受信端末とを備える通信システムを用いた通信方法であって、前記中継装置の受信手段は、前記送信端末から前記送信データを受信し、前記中継装置の送信データ登録手段は、前記受信した送信データの前記オフセット値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて、前記複数のキューの中から前記受信した送信データを登録するキューを選択し、当該選択したキューに前記受信した送信データを登録し、前記中継装置の送信タイミング出力手段は、前記送信タイミングを出力し、前記中継装置のキュー選択手段は、前記送信タイミングの値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて前記キューを1つ選択し、前記中継装置の送信可否判定手段は、前記選択したキューに登録されている前記送信データを参照し、当該送信データの前記送信周期を整数倍した値に前記オフセット値を加えた値が前記出力した送信タイミングに合致するか否かを判定し、前記中継装置の送信データ取得手段は、前記送信タイミングに合致する送信データの中から前記キューに最初に登録されたものを取得し、前記中継装置の送信手段は、前記キューから取得した送信データを前記受信端末に送信する、ことを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、ヘッダに、送信データの送信を行うタイミングの順番を示す送信タイミングの間隔を単位として、その送信タイミングの間隔が何回繰り返されることにより1周期となるかを示す送信周期と前記送信周期の中で送信を行うタイミングを示すオフセット値とを含む異なる処理によって生成された複数の送信データを送信する送信端末と前記送信データを受信する受信端末との間で通信を行う際に、前記送信端末と前記受信端末との間に配置され、前記送信データの中継を行う中継装置を、前記送信データが取り得る全ての送信周期の公約数となる数のキュー、前記送信端末から前記送信データを受信する受信手段、前記受信した送信データの前記オフセット値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて、前記複数のキューの中から前記受信した送信データを登録するキューを選択し、当該選択したキューに前記受信した送信データを登録する送信データ登録手段、前記送信タイミングを出力する送信タイミング出力手段、前記送信タイミングの値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて前記キューを1つ選択するキュー選択手段、前記選択したキューに登録されている前記送信データを参照し、当該送信データの前記送信周期を整数倍した値に前記オフセット値を加えた値が前記出力した送信タイミングに合致するか否かを判定する送信可否判定手段、前記送信タイミングに合致する送信データの中から前記キューに最初に登録されたものを取得する送信データ取得手段、前記キューから取得した送信データを前記受信端末に送信する送信手段、として機能させるためのプログラムである。
【0013】
また、本発明は、ヘッダに、送信データの送信を行うタイミングの順番を示す送信タイミングの間隔を単位として、その送信タイミングの間隔が何回繰り返されることにより1周期となるかを示す送信周期と前記送信周期の中で送信を行うタイミングを示すオフセット値とを含む異なる処理によって生成された複数の送信データを送信する送信端末から前記送信データを受信し、前記送信データを受信端末に送信する中継回路であって、前記複数の送信データの送信周期の公約数となる数のキューと、前記送信端末から前記送信データを受信する受信回路と、前記受信した送信データの前記オフセット値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて、前記複数のキューの中から前記受信した送信データを登録するキューを選択し、当該選択したキューに前記受信した送信データを登録する送信データ登録回路と、前記送信タイミングを出力する送信タイミング出力回路と、前記送信タイミングの値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて前記キューを1つ選択するキュー選択回路と、前記選択したキューに登録されている前記送信データを参照し、当該送信データの前記送信周期を整数倍した値に前記オフセット値を加えた値が前記出力した送信タイミングに合致するか否かを判定する送信データ判定回路と、前記送信タイミングに合致する送信データの中から前記キューに最初に登録されたものを取得する送信データ取得回路と、前記キューから取得した送信データを前記受信端末に送信する送信回路と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、中継装置は、送信データが取り得る全ての送信周期の公約数となる数のキューを備え、受信した送信データのオフセット値をキューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて選択したキューに受信した送信データを登録する。そして、送信タイミング毎に、対応するキューの中から送信タイミングに合致するものを取得して送信する。これにより、送信タイミングが更新されても、順番を飛ばされた送信データの遅延を最大でもキューの個数に相当する遅延に抑えることができるため、再配置を不用とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態による通信システムの構成を示す概略ブロック図である。
通信システムは、中継装置100と、送信装置110と、受信装置120とを備える。
送信端末110は、送信できる周期を示す送信周期と前記送信周期の中で送信を行うタイミングを示すオフセット値とをヘッダに含む送信データを送信する。
受信端末120は、中継装置100を介して送信端末が送信する送信データを受信する。
【0016】
中継装置100は、受信部101(受信手段)と、送信データ登録部102(送信データ登録手段)と、送信データ記憶部103と、カウンタ部104(送信タイミング出力手段)と、送信データ取得部105(キュー選択手段、送信可否判定手段、送信データ取得手段)と、送信部106(送信手段)とを備える。
送信データ記憶部103は、送信データが取り得る全ての送信周期の最大公約数となる数であるm個のキューを有する。送信データ記憶部103の各キューはそれぞれ0〜m−1のインデックス番号が付されている。なお、送信周期は、送信データの送信を行うタイミングの順番を示す送信タイミングの間隔を単位として、その送信タイミングの間隔が何回繰り返されることにより1周期となるかを示す情報である。また、送信データが取り得る送信周期は予め決まっているため、予め最大公約数を求め、キューの個数を決定することができる。
受信部101は、送信端末110から送信される送信データを受信する。
送信データ登録部102は、受信した送信データのヘッダに含まれる送信周期とオフセット値に基づいて、送信データ記憶部103のキューのインデックス番号を算出し、算出したインデックス番号を有するキューに送信データを登録する。
カウンタ部104は、内部に時計を備え、当該時計が示す時刻に基づいて送信タイミングを出力する。
送信データ取得部105は、送信データ記憶部103から、カウンタ部104が出力する送信タイミングに該当する記憶領域から送信データを取得する。
送信部106は、取得した送信データを受信端末120に送信する。
【0017】
以下に、中継装置100の動作を説明する。
まず、中継装置100の送信データ受信時の動作を説明する。
図2は、中継装置の送信データ受信時の動作を示すフローチャートである。
送信端末110が送信データを送信すると、中継装置100の受信部101は、送信端末110から送信データを受信する(ステップS1)。受信部101が送信データを受信すると、送信データ登録部102は、受信した送信データのヘッダに含まれるオフセット値を取得する(ステップS2)。次に、送信データ登録部102は、取得したオフセット値を送信データ記憶部103が有するキューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余を算出する(ステップS3)。このとき、周期mにおける同じ時間位置で送信する送信データから得られる剰余は等しくなる。剰余を算出すると、送信データ登録部102は、算出した剰余の値と等しいインデックス番号を有するキューの末尾に受信した送信データを登録する(ステップS4)。これにより、周期mにおける同じ時間位置で送信する送信データを同じキューに登録することができる。
【0018】
次に、中継装置100の送信データ送信時の動作を説明する。
図3は、中継装置の送信データ送信時の動作を示すフローチャートである。
カウンタ部104は、内部に時計を備え、当該時計が示す時刻に基づいて送信タイミングを出力する。送信データ取得部105は、カウンタ部104が出力する送信タイミングの値が変化したかを判定する(ステップS5)。カウンタ部104が出力する送信タイミングの値が変化していない場合(ステップS5:No)、送信データ取得部105は、引き続きカウンタ部104の出力の監視を続ける。カウンタ部104が出力する送信タイミングの値が変化した場合(ステップS5:Yes)、送信データ取得部105は、現在の送信タイミングを送信データ記憶部103が有するキューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余を算出する(ステップS6)。剰余を算出すると、送信データ取得部105は、算出した剰余の値と等しいインデックス番号を有するキューに送信データが登録されているか否かを判定する(ステップS7)。算出した剰余の値と等しいインデックス番号を有するキューに送信データが登録されていない場合(ステップS7:No)、現在の送信タイミングにおいてはデータの送信を行わない。算出した剰余の値と等しいインデックス番号を有するキューに送信データが登録されている場合、当該キューの先頭に登録されている送信データのヘッダを読み出す(ステップS8)。
【0019】
次に、送信データ取得部105は、読み出したヘッダに含まれる送信周期を整数倍した値に当該ヘッダに含まれるオフセット値を加えた値が、現在の送信タイミングに合致するか否かを判定する。これにより現在の送信タイミングにおいて読み出したヘッダに対応する送信データを送信できるか否かを判定する(ステップS9)。現在の送信タイミングにおいて読み出したヘッダに対応する送信データを送信できると判定した場合(ステップS9:Yes)、送信データ取得部105は、読み出したヘッダに対応する送信データをステップS6で算出した剰余の値と等しいインデックス番号を有するキューから取り出す(ステップS10)。送信データをキューから取り出すと、送信部106は、取り出した送信データを受信端末120に送信する(ステップS11)。
【0020】
ステップS8によって現在の送信タイミングにおいて読み出したヘッダに対応する送信データを送信できないと判定した場合(ステップS9:No)、ステップS6で算出した剰余の値と等しいインデックス番号を有するキューに、読み出したヘッダに対応する送信データの次に送信データが登録されているか否かを判定する(ステップS12)。読み出したヘッダに対応する送信データの次に送信データが登録されている場合(ステップS12:Yes)、送信データ取得部105は、読み出した送信データの次に登録されている送信データのヘッダを読み出す(ステップS13)。新たにヘッダを読み出すと、ステップS8に戻り、新たに読み出したヘッダに対応する送信データに対して送信できるか否かの判定を行う。読み出したヘッダに対応する送信データの次に送信データが登録されていない場合(ステップS12)、送信部106は、現在の送信タイミングにおいてはデータの送信を行わない。
以上が中継装置100の動作である。
【0021】
次に、中継装置100の動作について、具体的な例を用いて説明する。
ここで、送信データが取り得る送信周期は10フレーム周期、20フレーム周期であるものとする。したがって、送信データが取り得る送信周期の最大公約数は10であるため、送信データ記憶部103は、キューを10個備えているものとする。
まず、中継装置100の送信データ受信時の動作を具体的に説明する。
送信端末110が、ヘッダに送信周期=10、オフセット値=1が登録されている送信データp1を中継装置100に送信する。送信端末110が送信データを送信すると、中継装置100の受信部101は、上述したステップ1により送信端末110から送信データp1を受信する。次に、送信データ登録部102はステップS2により受信した送信データp1のヘッダに含まれるオフセット値「1」を取得する。次に、送信データ登録部102は、ステップS3により取得したオフセット値「1」を送信データ記憶部103が有するキューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余を算出する。このとき、キューの個数=10であるため、剰余は1となる。剰余を算出すると、送信データ登録部102は、ステップS4により、算出した剰余の値と等しいインデックス番号を有するキュー、すなわちインデックス番号が1であるキューに受信した送信データp1を登録する。
【0022】
次に、送信端末110が、ヘッダに送信周期=20、オフセット値=1が登録されている送信データp2を中継装置100に送信する。送信端末110が送信データを送信すると、中継装置100の受信部101は、上述したステップ1により送信端末110から送信データp2を受信する。次に、送信データ登録部102はステップS2により受信した送信データp2のヘッダに含まれるオフセット値「1」を取得する。次に、送信データ登録部102は、ステップS3により取得したオフセット値「1」を送信データ記憶部103が有するキューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余を算出する。このとき、キューの個数=10であるため、剰余は1となる。剰余を算出すると、送信データ登録部102は、ステップS4により、算出した剰余の値と等しいインデックス番号を有するキュー、すなわちインデックス番号が1であるキューの末尾に受信した送信データp2を登録する。
【0023】
次に、送信端末110が、ヘッダに送信周期=20、オフセット値=11が登録されている送信データp3を中継装置100に送信する。送信端末110が送信データを送信すると、中継装置100の受信部101は、上述したステップ1により送信端末110から送信データp3を受信する。次に、送信データ登録部102はステップS3により受信した送信データp3のヘッダに含まれるオフセット値「11」を取得する。次に、送信データ登録部102は、ステップS3により取得したオフセット値「11」を送信データ記憶部103が有するキューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余を算出する。このとき、キューの個数=10であるため、剰余は1となる。剰余を算出すると、送信データ登録部102は、ステップS4により、算出した剰余の値と等しいインデックス番号を有するキュー、すなわちインデックス番号が1であるキューの末尾に受信した送信データp3を登録する。
これにより、周期10フレームにおける時間位置「1」に対応する送信タイミングで送信する送信データp1〜p3を同じキューに登録することができる。
【0024】
次に、送信データp1〜p3が送信データ登録部103に登録されている状態における中継装置100の送信データ送信時の動作を説明する。
カウンタ部104は、内部に時計を備え、当該時計が示す時刻に基づいて現在の送信タイミングを出力する。送信データ取得部105は、ステップS5によりカウンタ部104が出力する送信タイミングの値が変化したかを判定する。ここで、カウンタ部104が出力する送信タイミングの値が0フレームから1フレームに変化すると、ステップS6により、送信データ取得部105は、現在の送信タイミングを送信データ記憶部103が有するキューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余を算出する。ここで、現在の送信タイミング=1フレーム、キューの個数=10なので、剰余は1となる。剰余を算出すると、ステップS7により、送信データ取得部105は、算出した剰余の値と等しいインデックス番号を有するキュー、すなわちインデックス番号が1であるキューに送信データが登録されているか否かを判定する。インデックス番号が1であるキューには送信データp1〜p3が登録されているため、ステップS8によって当該キューの先頭に登録されている送信データp1のヘッダを読み出す。
【0025】
次に、送信データ取得部105は、ステップS9により、読み出した送信データp1のヘッダに含まれる送信周期を整数倍した値に当該ヘッダに含まれるオフセット値を加えた値が、現在の送信タイミングに合致するか否かを判定する。この処理により、送信データp1が現在の送信タイミングで送信可能なデータか否かを判定する。ここで、送信データp1の送信周期=10、オフセット値=1、現在の送信タイミング=1であるため、送信周期の0倍にオフセット値を加えた値10×0+1=1と現在の送信タイミング「1」が合致する。そのため、送信データ取得部105は、ステップ10により、送信データp1をインデックス番号が1であるキューから取り出す。このとき、送信データp1が取り出されたため、インデックス番号が1であるキューに登録されている送信データはp2、p3となる。
送信データp1をキューから取り出すと、送信部106は、ステップS11により、取り出した送信データp1を受信端末120に送信する。
【0026】
次に、カウンタ部104が出力する送信タイミングの値は1から2に変化する。送信タイミングの値が変化すると、ステップS6により、送信データ取得部105は、現在の送信タイミングを送信データ記憶部103が有するキューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余を算出する。ここで、現在の送信タイミング=2フレーム、キューの個数=10なので、剰余は2となる。ステップS7により、インデックス番号が2であるキューに送信データが登録されているかを判定する。このとき、インデックス番号が2であるキューには送信データが登録されていないため、送信部106は、現在の送信タイミングにおいてはデータの送信を行わない。
送信タイミングの値が3フレームから10フレームとなる間も同様に送信部106はデータの送信を行わない。
【0027】
次に、カウンタ部104が出力する送信タイミングの値が10フレームから11フレームに変化すると、ステップS6により、送信データ取得部105は、現在の送信タイミングを送信データ記憶部103が有するキューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余を算出する。ここで、現在の送信タイミング=11フレーム、キューの個数=10なので、剰余は1となる。剰余を算出すると、ステップS7により、送信データ取得部105は、インデックス番号が1であるキューに送信データが登録されているか否かを判定する。インデックス番号が1であるキューには送信データp2、p3が登録されているため、ステップS8によって当該キューの先頭に登録されている送信データp2のヘッダを読み出す。
【0028】
次に、送信データ取得部105は、ステップS9により、読み出した送信データp2のヘッダに含まれる送信周期を整数倍した値に当該ヘッダに含まれるオフセット値を加えた値が、現在の送信タイミングに合致するか否かを判定する。この処理により、送信データp2が現在の送信タイミングで送信可能なデータか否かを判定する。ここで、送信データp2の送信周期=20、オフセット値=1、現在の送信タイミング=11である。このとき、送信周期の0倍にオフセット値を加えた値20×0+1=1は現在の送信タイミング「11」より小さくなり、送信周期の1倍にオフセット値を加えた値20×1+1=21は現在の送信タイミング「11」より大きくなる。すなわち送信周期を整数倍した値に当該ヘッダに含まれるオフセット値を加えた値は、現在の送信タイミングに合致しない。そのため、ステップS12により、インデックス番号が1であるキューに、読み出した送信データp2の次に送信データが登録されているか否かを判定する。送信データp2の次に送信データp3が登録されているため、送信データ取得部105は、ステップS13により、送信データp3のヘッダを読み出す。
【0029】
次に、送信データ取得部105は、ステップS9により、読み出した送信データp3のヘッダに含まれる送信周期を整数倍した値に当該ヘッダに含まれるオフセット値を加えた値が、現在の送信タイミングに合致するか否かを判定する。この処理により、送信データp3が現在の送信タイミングで送信可能なデータか否かを判定する。ここで、送信データp3の送信周期=20、オフセット値=11、現在の送信タイミング=11であるため、送信周期の0倍にオフセット値を加えた値20×0+11=11と現在の送信タイミング11が合致する。そのため、送信データ取得部105は、ステップ10により、送信データp3をインデックス番号が1であるキューから取り出す。このとき、送信データp3が取り出されたため、インデックス番号が1であるキューに登録されている送信データはp2のみとなる。
送信データp3をキューから取り出すと、送信部106は、ステップS11により、取り出した送信データp3を受信端末120に送信する。
送信データp2は、同様の動作によって、送信タイミングが21となったときに送信される。
【0030】
次に、カウンタ部104の内部に備える時計の時刻合わせなどにより、送信タイミングに飛びが生じた場合における中継装置100の送信データ送信時の動作を説明する。
以下、上述した中継装置100の送信データ受信時の動作によって、インデックス番号が1であるキューに送信データp1〜p3が登録されており、他のキューには送信データが登録されていない場合について説明する。
まず、カウンタ部104は、内部に時計を備え、当該時計が示す時刻に基づいて現在の送信タイミングを出力する。送信データ取得部105は、ステップS5によりカウンタ部104が出力する送信タイミングの値が変化したかを判定する。ここで、カウンタ部104の内部に備える時計の時刻合わせなどにより、送信タイミングに飛びが生じ、送信タイミングの値が0フレームから12フレームに変化すると、ステップS6により、送信データ取得部105は、現在の送信タイミングを送信データ記憶部103が有するキューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余を算出する。ここで、現在の送信タイミング=12フレーム、キューの個数=10なので、剰余は2となる。ステップS7により、インデックス番号が2であるキューに送信データが登録されているかを判定する。しかし、インデックス番号が2であるキューには送信データが登録されていないため、送信部106は、現在の送信タイミングにおいてはデータの送信を行わない。
送信タイミングの値が13フレームから20フレームとなる間も同様に送信部106はデータの送信を行わない。
【0031】
次に、カウンタ部104が出力する送信タイミングの値が20フレームから21フレームに変化すると、ステップS6により、送信データ取得部105は、現在の送信タイミングを送信データ記憶部103が有するキューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余を算出する。ここで、現在の送信タイミング=21フレーム、キューの個数=10なので、剰余は1となる。剰余を算出すると、ステップS7により、送信データ取得部105は、算出した剰余の値と等しいインデックス番号を有するキュー、すなわちインデックス番号が1であるキューに送信データが登録されているか否かを判定する。インデックス番号が1であるキューには送信データp1〜p3が登録されているため、ステップS8によって当該キューの先頭に登録されている送信データp1のヘッダを読み出す。
【0032】
次に、送信データ取得部105は、ステップS9により、読み出した送信データp1のヘッダに含まれる送信周期を整数倍した値に当該ヘッダに含まれるオフセット値を加えた値が、現在の送信タイミングに合致するか否かを判定する。この処理により、送信データp1が現在の送信タイミングで送信可能なデータか否かを判定する。ここで、送信データp1の送信周期=10、オフセット値=1、現在の送信タイミング=1であるため、送信周期の2倍にオフセット値を加えた値10×2+1=21と現在の送信タイミング21が合致する。そのため、送信データ取得部105は、ステップ10により、送信データp1をインデックス番号が1であるキューから取り出す。
送信データp1をキューから取り出すと、送信部106は、ステップS11により、取り出した送信データp1を受信端末120に送信する。これにより、送信タイミングに飛びが生じた場合にも、キューの個数が各送信周期の最大公約数である10であるため、キューの再配置を行わずに、送信データp1の送信周期において次回の送信タイミングにあたる9フレーム後に送信データp1を送信することができる。
【0033】
このように、本実施形態によれば、中継装置100は、送信データが取り得る全ての送信周期の公約数となる数のキューを備え、送信端末110から受信した送信データのオフセット値をキューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて選択したキューに受信した送信データを登録する。そして、カウンタ部104が出力する送信タイミングによって算出されたインデックス番号のキューの中から送信タイミングに合致するものを取得して送信する。この処理によれば、キューの個数が各送信周期の公約数となっているため、当該各送信周期の公約数を周期として同一のキューに登録されている送信データに対して送信の可否を判定することを意味している。そのため、中継装置100の時刻合わせなどによって送信タイミングに飛びが生じても、キューの再配置を行わずに、送信順を飛ばされた送信データを、当該送信データの次回の送信周期にあたる送信タイミングで送信することができ、送信タイミングの飛びによる送信時間の遅延を解消することができる。
【0034】
また、本実施形態によれば、キューの個数を送信データが取り得る全ての送信周期の最大公約数とすることで、キューの中に送信周期と照らし合わせて送信タイミングに合致しない送信データが存在する確率を低くすることができる。これにより、対応するキューの中から送信タイミングに合致するか否かの判定を行う際に、判定の回数を減らすことができる。
【0035】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、本実施形態では、簡単のため通信システムが送信端末110及び受信端末120をそれぞれ1つずつ備える場合を説明したが、これに限られず、実際は送信端末110及び受信端末120をともに複数備え、中継装置100の送信部は、送信データのヘッダに含まれる宛先情報を用いて宛先の受信端末を特定する。
【0036】
上述の中継装置100は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0037】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態による通信システムの構成を示す概略ブロック図である。
【図2】中継装置の送信データ受信時の動作を示すフローチャートである。
【図3】中継装置の送信データ送信時の動作を示すフローチャートである。
【図4】従来の通信システムの構成を示す概略ブロック図である。
【符号の説明】
【0039】
100…中継装置 101…受信部 102…送信データ登録部 103…送信データ記憶部 104…カウンタ部 105…送信データ取得部 106…送信部 110…送信端末 120…受信端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッダに、送信データの送信を行うタイミングの順番を示す送信タイミングの間隔を単位として、その送信タイミングの間隔が何回繰り返されることにより1周期となるかを示す送信周期と前記送信周期の中で送信を行うタイミングを示すオフセット値とを含む異なる処理によって生成された複数の送信データを送信する送信端末から前記送信データを受信し、前記送信データを受信端末に送信する中継装置であって、
前記複数の送信データの送信周期の公約数となる数のキューと、
前記送信端末から前記送信データを受信する受信手段と、
前記受信した送信データの前記オフセット値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて、前記複数のキューの中から前記受信した送信データを登録するキューを選択し、当該選択したキューに前記受信した送信データを登録する送信データ登録手段と、
前記送信タイミングをカウントして出力する送信タイミング出力手段と、
前記送信タイミングの値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて前記キューを1つ選択するキュー選択手段と、
前記選択したキューに登録されている前記送信データを参照し、当該送信データの前記送信周期を整数倍した値に前記オフセット値を加えた値が前記出力した送信タイミングに合致するか否かを判定する送信可否判定手段と、
前記送信タイミングに合致する送信データの中から前記キューに先に登録されたものを取得する送信データ取得手段と、
前記キューから取得した送信データを前記受信端末に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする中継装置。
【請求項2】
前記キューの個数は前記送信データが取り得る全ての送信周期の最大公約数である、
ことを特徴とする請求項1に記載の中継装置。
【請求項3】
ヘッダに、送信データの送信を行うタイミングの順番を示す送信タイミングの間隔を単位として、その送信タイミングの間隔が何回繰り返されることにより1周期となるかを示す送信周期と前記送信周期の中で送信を行うタイミングを示すオフセット値とを含む異なる処理によって生成された複数の送信データを送信する送信端末と、前記送信データの中継を行う中継装置と、前記送信データを受信する受信端末とを備える通信システムであって、
前記中継装置は、
前記送信データが取り得る全ての送信周期の公約数となる数のキューと、
前記送信端末から前記送信データを受信する受信手段と、
前記受信した送信データの前記オフセット値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて、前記複数のキューの中から前記受信した送信データを登録するキューを選択し、当該選択したキューに前記受信した送信データを登録する送信データ登録手段と、
前記送信タイミングを出力する送信タイミング出力手段と、
前記送信タイミングの値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて前記キューを1つ選択するキュー選択手段と、
前記選択したキューに登録されている前記送信データを参照し、当該送信データの前記送信周期を整数倍した値に前記オフセット値を加えた値が前記出力した送信タイミングに合致するか否かを判定する送信可否判定手段と、
前記送信タイミングに合致する送信データの中から前記キューに最初に登録されたものを取得する送信データ取得手段と、
前記キューから取得した送信データを前記受信端末に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項4】
ヘッダに、送信データの送信を行うタイミングの順番を示す送信タイミングの間隔を単位として、その送信タイミングの間隔が何回繰り返されることにより1周期となるかを示す送信周期と前記送信周期の中で送信を行うタイミングを示すオフセット値とを含む異なる処理によって生成された複数の送信データを送信する送信端末と前記送信データを受信する受信端末との間で通信を行う際に、前記送信データが取り得る全ての送信周期の公約数となる数のキューを備え、前記送信端末と前記受信端末との間に配置され、前記送信データの中継を行う中継装置における処理方法であって、
受信手段は、前記送信端末から前記送信データを受信し、
送信データ登録手段は、前記受信した送信データの前記オフセット値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて、前記複数のキューの中から前記受信した送信データを登録するキューを選択し、当該選択したキューに前記受信した送信データを登録し、
送信タイミング出力手段は、前記送信タイミングを出力し、
キュー選択手段は、前記送信タイミングの値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて前記キューを1つ選択し、
送信可否判定手段は、前記選択したキューに登録されている前記送信データを参照し、当該送信データの前記送信周期を整数倍した値に前記オフセット値を加えた値が前記出力した送信タイミングに合致するか否かを判定し、
送信データ取得手段は、前記送信タイミングに合致する送信データの中から前記キューに最初に登録されたものを取得し、
送信手段は、前記キューから取得した送信データを前記受信端末に送信する、
ことを備えることを特徴とする処理方法。
【請求項5】
ヘッダに、送信データの送信を行うタイミングの順番を示す送信タイミングの間隔を単位として、その送信タイミングの間隔が何回繰り返されることにより1周期となるかを示す送信周期と前記送信周期の中で送信を行うタイミングを示すオフセット値とを含む異なる処理によって生成された複数の送信データを送信する送信端末と、前記送信データが取り得る全ての送信周期の公約数となる数のキューを備え、前記送信データの中継を行う中継装置と、前記送信データを受信する受信端末とを備える通信システムを用いた通信方法であって、
前記中継装置の受信手段は、前記送信端末から前記送信データを受信し、
前記中継装置の送信データ登録手段は、前記受信した送信データの前記オフセット値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて、前記複数のキューの中から前記受信した送信データを登録するキューを選択し、当該選択したキューに前記受信した送信データを登録し、
前記中継装置の送信タイミング出力手段は、前記送信タイミングを出力し、
前記中継装置のキュー選択手段は、前記送信タイミングの値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて前記キューを1つ選択し、
前記中継装置の送信可否判定手段は、前記選択したキューに登録されている前記送信データを参照し、当該送信データの前記送信周期を整数倍した値に前記オフセット値を加えた値が前記出力した送信タイミングに合致するか否かを判定し、
前記中継装置の送信データ取得手段は、前記送信タイミングに合致する送信データの中から前記キューに最初に登録されたものを取得し、
前記中継装置の送信手段は、前記キューから取得した送信データを前記受信端末に送信する、
ことを備えることを特徴とする通信方法。
【請求項6】
ヘッダに、送信データの送信を行うタイミングの順番を示す送信タイミングの間隔を単位として、その送信タイミングの間隔が何回繰り返されることにより1周期となるかを示す送信周期と前記送信周期の中で送信を行うタイミングを示すオフセット値とを含む異なる処理によって生成された複数の送信データを送信する送信端末と前記送信データを受信する受信端末との間で通信を行う際に、前記送信端末と前記受信端末との間に配置され、前記送信データの中継を行う中継装置を、
前記送信データが取り得る全ての送信周期の公約数となる数のキュー、
前記送信端末から前記送信データを受信する受信手段、
前記受信した送信データの前記オフセット値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて、前記複数のキューの中から前記受信した送信データを登録するキューを選択し、当該選択したキューに前記受信した送信データを登録する送信データ登録手段、
前記送信タイミングを出力する送信タイミング出力手段、
前記送信タイミングの値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて前記キューを1つ選択するキュー選択手段、
前記選択したキューに登録されている前記送信データを参照し、当該送信データの前記送信周期を整数倍した値に前記オフセット値を加えた値が前記出力した送信タイミングに合致するか否かを判定する送信可否判定手段、
前記送信タイミングに合致する送信データの中から前記キューに最初に登録されたものを取得する送信データ取得手段、
前記キューから取得した送信データを前記受信端末に送信する送信手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
ヘッダに、送信データの送信を行うタイミングの順番を示す送信タイミングの間隔を単位として、その送信タイミングの間隔が何回繰り返されることにより1周期となるかを示す送信周期と前記送信周期の中で送信を行うタイミングを示すオフセット値とを含む異なる処理によって生成された複数の送信データを送信する送信端末から前記送信データを受信し、前記送信データを受信端末に送信する中継回路であって、
前記複数の送信データの送信周期の公約数となる数のキューと、
前記送信端末から前記送信データを受信する受信回路と、
前記受信した送信データの前記オフセット値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて、前記複数のキューの中から前記受信した送信データを登録するキューを選択し、当該選択したキューに前記受信した送信データを登録する送信データ登録回路と、
前記送信タイミングを出力する送信タイミング出力回路と、
前記送信タイミングの値を前記キューの個数で除算し、商の整数部分までを算出したときの剰余に基づいて前記キューを1つ選択するキュー選択回路と、
前記選択したキューに登録されている前記送信データを参照し、当該送信データの前記送信周期を整数倍した値に前記オフセット値を加えた値が前記出力した送信タイミングに合致するか否かを判定する送信データ判定回路と、
前記送信タイミングに合致する送信データの中から前記キューに最初に登録されたものを取得する送信データ取得回路と、
前記キューから取得した送信データを前記受信端末に送信する送信回路と、
を備えることを特徴とする中継回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−68130(P2010−68130A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−231218(P2008−231218)
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】