説明

乗用作業車

【課題】車体の走行に伴って車体周囲の作業対象物に対する作業を行う電動式作業デバイスの電力消費を抑制する制御を実装された乗用作業車の提供。
【解決手段】乗用作業車は、運転座席を備えた車体と、当該車体を支持する駆動車輪ユニットと、作業デバイスを有する作業ユニットを駆動するための作業用電動機と、作業用電動機を定常モード又は当該定常モードより消費電力が少ない省電力モードで動作制御する電動機制御部と、作業用電動機の負荷を評価する作業負荷評価部とを備えている。作業負荷評価部によって評価された作業用電動機の負荷がしきい値より低い低負荷である場合に、電動機制御部は作業用電動機を省電力モードで動作させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転座席を備えた車体と、当該車体を支持する駆動車輪ユニットと、前記車体の走行に伴って車体周囲の作業対象物に対する作業を行う作業デバイスを有する作業ユニットと、前記作業デバイスを駆動するための作業用電動機とを備えた乗用作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような乗用作業車の一つとして、作業ユニットとして芝草を刈り取るモーアユニットを備えた乗用電動芝刈機がある。乗用電動芝刈機には、左右の駆動後輪への回転動力及びモーアユニットの芝刈用ブレードへの回転動力を電動モータによって行い、その電動モータの電源であるバッテリの充電をエンジンによって行うハイブリッド車両式と、エンジンを備えない電気車両式とがある。
【0003】
ハイブリッド車両式の乗用電動芝刈機は、例えば、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された乗用電動芝刈機では、左右の駆動後輪がそれぞれ独立して駆動制御される電動モータが割り当てられており、左右の駆動後輪の回転速度が異ならせることでスムーズな旋回を実現することを意図している。この乗用電動芝刈機では、芝刈用ブレードの回転制御に関しては詳しく開示されていない。
【0004】
電気車両式の乗用電動芝刈機は、特許文献2に記載されている。この特許文献2に記載された乗用電動芝刈機では、後輪であり主駆動輪である左右車輪の駆動源、前輪である左右キャスタ輪の走行用駆動源及び操向用駆動源、芝刈機を構成する芝刈回転工具である芝刈用ブレードの駆動源としていずれも電動モータが用いられている。しかしながら、この乗用電動芝刈機においても、
芝刈用ブレードの回転制御に関しては詳しく開示されていない。
【0005】
人が歩きながら操作する、歩行型のバッテリ駆動式電動芝刈機では、バッテリが小さく、その容量が少ないことから、電力を効率良く利用して芝刈作業を長時間行えるように工夫されたものがある。そのような電動芝刈機として、例えば特許文献3に記載されたものでは、出力軸に刈刃を取付けた直流電動モータにバッテリを接続し、電動モータの回転数を、重負荷時でも刈刃を正常に機能させ得る最低回転数もしくはそれに近い回転数に略一定に維持すべく、負荷の増・減に応じて電動モータへの供給電流を増・減させる制御ユニットが電動モータ及びバッテリ間に接続されている。この制御ユニットは、重負荷時には電動モータの電力消費を芝刈りに必要な最小限に抑え、低負荷時には電動モータの回転数上昇を抑制して必要以上の電力消費を抑え、また負荷変動に対する消費電力の変化を少なくしている。つまり、負荷の変動にもかかわらず、電動モータの回転速度をできるだけ一定にしようとする制御を行っている。
しかしながら、乗用芝刈機では、モータやエンジンによって歩行速度よりははるかに早い速度で走行しながら広大の範囲の芝刈り作業を行うものであり、走行速度や芝生の密集度などにより作業負荷は頻繁に変化する。また、作業方向性を考慮する場合、つまり芝刈り方向性を考慮する場合、その芝刈り作業において芝刈りを伴う作業走行と芝刈りを伴わない非作業走行が繰り返えされることが少なくない。そのため、電動モータの回転速度をできるだけ一定にしようとする制御では消費電力の節約は効果的なものにはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−255840号公報(段落番号〔0027−0089〕、図3)
【特許文献2】特開2010−184636号公報(段落番号〔0036−0117〕、図10)
【特許文献3】特開平9−201126号公報(段落番号〔0006−0036〕、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記実情に鑑み、本発明は、車体の走行に伴って車体周囲の作業対象物に対する作業を行う電動式作業デバイスの電力消費を抑制する制御を実装された乗用作業車を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による乗用作業車は、運転座席を備えた車体と、当該車体を支持する駆動車輪ユニットと、前記車体の走行に伴って車体周囲の作業対象物に対する作業を行う作業デバイスを有する作業ユニットと、前記作業デバイスを駆動するための作業用電動機と、前記作業用電動機を定常モード又は当該定常モードより消費電力が少ない省電力モードで動作制御する電動機制御部と、前記作業用電動機の負荷を評価する作業負荷評価部とを備え、前記作業負荷評価部によって評価された前記作業用電動機の負荷がしきい値より低い低負荷である場合に、前記電動機制御部は前記作業用電動機を省電力モードで動作させる。
【0009】
この構成によると、定常モードで走行作業中において作業用電動機にかかる負荷が作業負荷評価部によって評価され、さらにその評価された作業用電動機の負荷がしきい値より低い低負荷である場合に、定常モードから定常モードより消費電力が少ない省電力モードに移行する。従って、運転者が意識せずともパワーが要求されない作業状態となれば自動的に省電力モードに移行するので、確実に電力消費を抑制することができるとともに、この電力消費抑制によって作業効率が低下することもない。
【0010】
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記しきい値は、前記車体の走行停止時における前記作業負荷評価部によって評価された前記作業用電動機の負荷評価に基づいて設定される。車体を走行させながら車体周囲の作業対象物に対する作業を行う作業車の場合、一般的には車体の走行停止時には作業用電動機に負荷がかからないとみなすことができる。従って、車体の走行停止時における作業用電動機の負荷を低負荷または無負荷の判定基準、つまりしきい値とすることが可能である。走行停止状態は簡単に検出できるという利点もある。
【0011】
作業用電動機の負荷評価を処理しやすい値、特に数値で扱うための好適な実施形態として、本発明では、前記作業負荷評価部による前記作業用電動機の負荷評価を、前記作業用電動機への供給電流値、前記作業用電動機の回転数、前記作業対象物に対する作業量のうちの少なくとも1つを入力パラメータとして導出される負荷評価値とすることが提案される。
【0012】
低負荷と高負荷とが頻繁に繰り返して評価されることによる、制御のチャタリング現象を抑制するため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記作業用電動機の低負荷との評価は、前記作業用電動機の負荷がしきい値より低い状態が所定時間継続することを条件としている。
【0013】
作業条件や作業環境の変動、例えば、駆動負荷が異なる種々の作業デバイスを頻繁に取り換えるケースや、複数の作業デバイスを装備して適時に選択使用するようなケースでは、頻繁にしきい値設定の更新を実行したほうが好都合である。しかしながら、しきい値設定に適した状態が頻繁に生じるとは限らない。このような場合に対処するため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記車体の走行停止時における前記作業用電動機の負荷評価ができない場合に、前記しきい値は、予め設定されたデフォルト値で設定されるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】作業ユニットの作業用電動機に所定値未満の低負荷しかかかっていない場合に作業用電動機を省電力モードで運転する、本発明の制御原理を説明する模式図である。
【図2】本発明による乗用電動芝刈機の実施形態の一つを示す斜視図である。
【図3】乗用電動芝刈機の電気系統及び動力系統を示す系統図である。
【図4】モーアユニットの一例を示す斜視図である。
【図5】コントローラの機能ブロック図である。
【図6】芝刈り作業時の全体的な制御の流れを示すフローチャートである。
【図7】走行制御の概略的な流れを示すフローチャートである。
【図8】作業機制御の流れを示すフローチャートである。
【図9】作業負荷初期設定の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の具体的な構成を説明する前に、図1を用いて、本発明を特徴付けている、作業ユニットの作業用電動機にかかる負荷を評価して、所定の低負荷の場合に作業用電動機を省電力モードで運転する制御原理を説明する。なお、ここでは、電動作業車は、作業ユニットとしてモーアユニットを車体に装備している乗用電動芝刈機であり、作業用電動機は芝草を刈り取る回転ブレードのためのモータ(ブレードモータ)である。
【0016】
まず、この乗用電動芝刈機を操縦して芝刈り作業を行う前に、初期処理として、道路や平地の走行時、あるいは芝生場での停車時など、回転ブレードに芝刈り負荷がかからない状態でのブレードモータにおける負荷がモーアユニットの負荷状態として評価される(#01)。このブレードモータにかかる負荷と関係するパラメータとしては、ブレードモータへの給電量、ブレードモータの回転数、モーアユニットから排出される刈草量などが挙げられる。本発明では、ブレードモータの負荷が無負荷ないしは低負荷(以下低負荷なる用語には無負荷も含まれるとする)の場合、そのブレードモータの回転数を定常回転数より低い低回転数に下げることで省エネ(省電力)を図っている。従って、この初期処理では、ブレードモータが低負荷であるか、あるいは高負荷であるかを判定する評価しきい値が求められる(#02)。
【0017】
評価しきい値は、以下のような種々のパラメータの1つまたはその組み合わせに基づいて求めることができる;
(1)ブレードモータへの給電量;α1
作業対象としての芝草が回転ブレードの作用範囲外であるときのブレードモータへの給電量をわずかに超える給電量をしきい値として設定して、このしきい値未満では低速回転、このしきい値以上では当該低速回転よりは速い回転速度となる定常回転とする。実際に回転ブレードで芝草を刈り取っている時にはブレードモータに大きな負荷がかかるのでブレードモータへの給電量が大きくなる。これにより、作業中に検出したブレードモータへの給電量をこのしきい値で比較することにより、芝刈り時にはブレードモータは高速回転(定常回転)し、非芝刈り時には低速回転する制御が実現する。
(2)ブレードモータの回転数;α2(この回転数は単位時間当たりの回転数であり、回転速度を意味する)
負荷(トルク)が大きくなれば回転数が低下するモータを使用している場合、検出された回転数がそのまま判定基準に利用できる。つまり、非芝刈り時のブレードモータの回転数をわずかに超える回転数をしきい値として設定して、このしきい値未満では低速回転、このしきい値以上で定常回転とする。これにより、大きなトルクが必要な芝刈り時には十分なトルクを発生させるためブレードモータは高速回転(定常回転)して、大きなトルクが必要でない非芝刈り時には低速回転する制御が実現する。
(3)モーアユニットから排出される刈草量;α3(=回転ブレードによって刈り取られた芝草量)
モーアユニットから排出される刈草量が増加した場合、ブレードモータの負荷も大きくなっているので、モーアユニットから排出される刈草量に基づいてブレードモータの高速回転(定常回転)と低速回転との選択を行うことも可能である。従って、モーアユニットから排出される刈草量が実質的にゼロの状態を判定のしきい値とするとよい。
(4)走行に伴ってモーアユニットに入り込む推定芝草量;α4
(3)と類似するが、モーアユニットの走行方向前方側に芝草量検知センサを設けて、この芝草量検知センサからの検知信号に基づいてブレードモータの高速回転(定常回転)と低速回転との選択を行うことも可能である。芝草量検知センサとしては接触センサや画像センサを利用することができる。ここでも、入り込み量が実質的にゼロの状態を判定のしきい値とするとよい。
【0018】
ブレードモータが実質的に無負荷となっている状態での、上述した物理量(検出量);α1〜α4・・・の少なくとも1つに基づいて、評価しきい値:Lthが、予め実験的または経験的にあるいはその両方で作成された関数:fを用いて導出される、つまり、
Lth=f(α1and/orα2and/orα3and/orα4・・・)
で示される。このようにして、しきい値が導出されると、これは芝刈り作業中での利用に供えて芝刈り作業前に設定される(#03)。なお、しきい値を導出するために適切な物理量が得られなかった場合は、予め記憶されている、デフォルトのしきい値、例えば前回作業時のしきい値を設定するとよい。
【0019】
しきい値の設定等の初期設定処理が終了すると、芝生場をブレードを回転させながら走行することで実際の芝刈り作業が始まる(#11)。芝刈り作業が始まると、上述した、ブレードモータの負荷に関係する物理量の少なくとも1つが検出され、その検出値を入力パラメータとして、作業時負荷評価値:L=f(α1and/orα2and/orα3and/orα4・・・)が導出される(#12)。
【0020】
この作業時負荷評価値:Lは、前もって設定されているしきい値と比較される(#13)。この比較において、
(1)L<=Lth、作業時負荷評価値がしきい値以下の場合、ブレードモータが低負荷(無負荷)状態であるとみなし、ブレードモータが定常回転(高速回転)であれば、ブレードモータに低回転指令が与えられ、これによりブレードモータは省電力のための低回転モード(省電力モード)での駆動に切り替えられる(#14)。ブレードモータが低回転であればその状態が維持される。
(2)L>Lth、作業時負荷評価値がしきい値を越えている場合、ブレードモータが高負荷状態であるとみなし、ブレードモータが低回転であれば、ブレードモータに定常回転指令が与えられ、より大きなトルクを得るためにブレードモータは高回転モードに切り替えられる(#15)。ブレードモータが高回転であればその状態が維持される。
【0021】
なお、瞬間的な負荷変動による不適切な定常回転と低回転との繰り返しを避けるために、上述した作業時負荷評価値:Lとしきい値との比較結果が所定時間継続することを付帯条件にする方策や、経時的に得られた作業時負荷評価値:Lに対して移動平均などの手法で経時的な平均化を行って得られた平均作業時負荷評価値:Laveを作業時負荷評価値:Lに代えて用いる手法が好ましい。ただし、低回転モード(省電力モード)で走行中に芝地に進入した場合などを想定すると、低回転モードにおいてしきい値Lth以上の負荷が生じた場合は、瞬時にブレードモータは高回転モードに切り替えて、芝刈りが可能なようにすることも好ましい。
【0022】
次に、上述した、作業ユニットの作業用電動機にかかる負荷を評価して、所定の低負荷の場合に作業用電動機を省電力モードで運転する制御原理を採用した乗用作業車の具体的な実施形態を以下に説明する。ここでも、乗用作業車は作業ユニットとしてモーアユニットを車体に装備している乗用電動芝刈機として構成されており、作業用電動機は芝草を刈り取る回転ブレードのためのブレードモータである。
【0023】
そのような乗用電動芝刈機の概観が図2に斜視図として示されている。また、その電気系統図及び動力系統図が図3に模式的に示されている。この乗用電動芝刈機は、左右一対の遊転自在なキャスタ型前車輪1a,1bからなる前車輪ユニット1、左右一対の駆動型後車輪2a,2bからなる後車輪ユニット2、前車輪ユニット1と後車輪ユニット2とによって支持される車体10、車体10の後部に配置されたバッテリ20、バッテリ20の前方に配置された運転座席11、運転座席11の後方から立設された転倒保護フレーム12、前車輪ユニット1と後車輪ユニット2との間で車体10の下方空間に昇降リンク機構13を介して昇降可能に車体10から吊り下げられたモーアユニット3を備えている。後車輪ユニット2やモーアユニット3への給電は、ECUとも呼ばれるコントローラ5による制御に基づいて動作するインバータ4を介して行われる。
【0024】
運転座席11の前方には運転者の足載せ場であるフロアプレートが設けられており、そこからブレーキペダル14が突き出している。運転座席11の両側には、車体横断方向の水平揺動軸回りに揺動する左操縦レバー15aと右操縦レバー15bとからなる操縦ユニット15が配置されている。さらに、運転座席11の片側、ここでは左側に電気制御系のスイッチボタンやスイッチレバー等を有する電気操作パネル18が設けられている。
【0025】
左後車輪2aと右後車輪2bとをそれぞれ回転駆動するインホイールモータである左輪モータ21と右輪モータ22が装備されている。各モータ21,22はそれぞれ独立的にインバータ4を介して供給される電力量によってその回転速度が変化する。従って、左後車輪2aと右後車輪2bの回転速度を相違させることができ、この左右後車輪速度差によって乗用電動芝刈機の方向転換が行われる。
【0026】
このモーアユニット3は、図4に示すように、3枚ブレードのサイドディスチャージタイプであり、モーアデッキ30と、3枚の回転ブレード31a,32a,33aとを備えている。回転ブレード31a,32a,33aがそれぞれブレードモータ31,32,33によって回転駆動されること以外は、モーアユニット3それ自体は公知のものと類似している。従って、図示されていないが、モーアユニット3の外側には、4つのコーナに配置されたゲージ輪と、中央の前後に配置された接地ローラとを備えており、モーアデッキ30の内部には、各回転ブレード31a,32a,33aよりも前側に設けたバッフルプレートと、モーアデッキ30の内部後側に各回転ブレード31a,32a,33aの先端が描く回転軌跡の後部側に沿うように形成したバキュームプレートとが設けられている。なお、モーアデッキ30の右端には排出口38が形成されている。
【0027】
モーアデッキ30は、天井面と、この天井面の前縁部から下方向きに延出した前縦壁と、天井面後縁部から下向きに延出した後縦壁と、天井面の横端部から下向きに延出した横縦壁とによって構成されている。3枚の回転ブレード31a,32a,33aは、モーアデッキ30の内部に横方向に並列配置されている。モーアデッキ30の横方向での中央に位置する回転ブレード32aが、少し前方に偏位するように平面視で三角配置される。回転ブレード31aは、排出口38から最も離れて存在し、且つ刈草流動方向での最上手に位置する。このモーアユニット3では、回転ブレード33aは、排出口38の最も近くに位置し、且つ刈草流動方向での最下手に位置する。回転ブレード31a,32a,33aのそれぞれは、モーアデッキ30の天井面に図示しないブラケットを介して固定されている各ブレードモータ31,32,33の駆動軸に取り付けられている。尚、回転ブレード31a,32a,33aのそれぞれは、その両端部に切断刃先を形成しており、さらに各切断刃先の背後側に形成された起風羽根を形成している。
【0028】
芝刈り作業時には、各回転ブレード31a,32a,33aを回転させながら乗用電動芝刈機を走行させることで各回転ブレード31a,32a,33aによって切断処理された刈草は、各回転ブレード31a,32a,33aの起風羽根によって発生した風により、バキュームプレート及びバッフルプレートに案内されてモーアデッキ30の内部を排出口38の位置する横一端側に搬送されて、排出口38からモーアデッキ30の横外側に放出される。
【0029】
上述したように、この実施形態では、各ブレードモータ31,32,33も、それぞれ独立的にインバータ4を介して供給される電力量によってその回転速度を変更することができるが、ここでは制御を簡単にするため、高速回転である定常回転速度(定常回転数)で回転する定常モードと、定常回転速度(定常回転数)より遅く電力消費量が少ない低回転速度(低回転数)で回転する低回転モードで駆動される。但し、各ブレードモータ31,32,33の回転速度を同一にする必要はなく、排出口38から最も離れている回転ブレード31aを回転させるブレードモータ31の回転速度を、排出口38から最も近い回転ブレード33aを回転させるブレードモータ33の回転速度より高速とする等により、各ブレードモータ31,32,33の回転速度を異ならせることで、省電力と刈草の排出搬送の効率とを考慮して最適な選択をするとよい。なお、同様な目的で、排出口38から最も近い回転ブレード33aのブレードモータ33には他の刈草の排出も引き受けることになるので、排出口38から最も近いブレードモータほど回転トルクを大きくするような方策を採用してもよい。
【0030】
走行のための左輪モータ21と右輪モータ22、及び芝刈りのためのブレードモータ31,32,33への給電は、コントローラ5によるインバータ制御によって行われる。このため、バッテリ20に接続されたインバータ4は、各ブレードモータ31,32,33に同一又は異なる電力を給電するブレード給電部40、左輪モータ21に給電する左輪給電部41、右輪モータ22に給電する右輪給電部42を備えている。
【0031】
図5に示すように、コントローラ5は、走行状態検出センサ群7と、操縦状態検出センサ群8と、作業状態検出センサ群9と、インバータ4と、接続している。
走行状態検出センサ群7には、左後車輪2aの回転数を検出する左後輪回転検出センサ70a、右後車輪2bの回転数を右後輪回転検出センサ70bなど、走行に関する情報を検出するセンサが含まれる。操縦状態検出センサ群8には、左操縦レバー15aの揺動角を検出する左操縦角検出センサ80a、右操縦レバー15bの揺動角を検出する右操縦角検出センサ80b、ブレーキペダル14の操作角を検出するブレーキ検出センサなど操縦に関する情報を検出するセンサが含まれる。作業状態検出センサ群9には、各ブレードモータ31,32,33の回転数を検出するブレード回転検出センサ91a,91b,,91cまたは各ブレードモータ31,32,33を流れる電流を検出する電流計あるいはその両方、モーアデッキ30の排出口38から排出される刈草量を検出する刈草検出センサ、走行に伴ってモーアデッキ30に入り込む芝草の量を推定する刈草推定センサなどが含まれるが、ブレードモータ31,32,33の負荷を評価するためには、少なくとも1つ備えるとよい。ここでは、作業状態検出センサ群9には、ブレード回転検出センサ91a,91b,,91cだけが備えられていることにする。
【0032】
コントローラ5では、センサ情報処理部51、左輪速度演算部52、右輪速度演算部53、走行制御部54、入力パラメータ演算部55、作業負荷評価部56、しきい値設定部57、モーア制御部58などが、プログラムの実行によって構築されるが、必要に応じて、ハードウエアによって構築してもよい。センサ情報処理部51は、走行状態検出センサ群7や操縦状態検出センサ群8や作業状態検出センサ群9から入力されたセンサ信号を処理して、コントローラ5の内部で利用可能な情報に変換する。
【0033】
左輪速度演算部52は、運転者による左操縦レバー15aの操作量を検出する左操縦角検出センサ80aを通じての操作情報に基づいて左後車輪2aの回転速度(回転数)、つまり左輪モータ21の回転速度(回転数)を求める。その際、操作位置と回転速度の関係を表すテーブルや関数が用いられる。同様な方法で、右輪速度演算部53も、運転者による右操縦レバー15bの操作量を検出する右操縦角検出センサ80bを通じての操作情報に基づいて右後車輪2bの回転速度(回転数)、つまり右輪モータ22の回転速度(回転数)を求める。
【0034】
走行制御部54は、左輪速度演算部52及び右輪速度演算部53によって求められた左輪モータ21の回転速度と右輪モータ22の回転速度を実現するために必要な電力を左輪モータ21及び右輪モータ22に送るための制御信号を左輪給電部41及び右輪給電部42に与える。なお、その際、車体の左右振れなどを避けるために左輪モータ21と右輪モータ22との間の僅かな目標回転速度差が生じた場合には、不感帯を設けてチャタリングを避ける走行制御や、運転者が直進走行を意図しているか緩やかな旋回走行を意図しているかを推定して、その推定に合わせた制御信号を生成するような走行制御を行うことも好適である。
【0035】
入力パラメータ演算部55は、センサ情報処理部51から得られた種々のセンサ情報から、特定の作業状態や走行状態を推定するための入力パラメータを生成する機能を有する。例えば、少なくとも実質的には芝刈り作業が行われていないモーアユニット無負荷時であるかどうかをチェックするためのパラメータや、芝の状態が芝刈り作業において通常より負担のかかる状態であるかどうかをチェックするためのパラメータを生成する。さらには、道路走行であるか、農地や芝地走行であるかなどをチェックするパラメータを生成することも可能である。
【0036】
作業負荷評価部56は、センサ情報処理部51から得られた各ブレードモータ31,32,33の回転速度と各ブレードモータ31,32,33への制御信号との関係、刈草量、各ブレードモータ31,32,33を流れる電流値などからモーアユニット3における負荷、つまり各ブレードモータ31,32,33の負荷を示す負荷評価値:L=f(α1and/orα2・・・)を求める。
【0037】
しきい値設定部57は、モーアユニット無負荷時またはモーアユニット低負荷時における負荷評価値:Lを求め、その値を基準として決定される所定の値をモーアユニット3の無負荷時または低負荷時を判定するしきい値Lthとして設定する機能を有する。
【0038】
モーア制御部58は、各ブレードモータ31,32,33をインバータ制御により所定の速度で回転駆動させるために、インバータ回路を有するブレード給電器40に対して適切な制御信号を与える。当該制御信号に基づいてブレード給電器40が各ブレードモータ31,32,33に対して適切な電力を供給することで、各ブレードモータ31,32,33は所定速度で回転する。ここでは、モーア制御部58は、各ブレードモータ31,32,33を予め設定された定常速度(高速)で回転させる定常(高速回転)モードと、低速で回転させる省電力(低速回転)モードとの、少なくとも2つのモードを備えている。通常は、各ブレードモータ31,32,33は定常モードで回転させられるが、作業負荷評価部56が求めた各ブレードモータ31,32,33の負荷を示す負荷評価値:Lがしきい値Lth以下になった場合、省電力モードに移行して各ブレードモータ31,32,33を低速にして、省エネを図る。なお、各ブレードモータ31,32,33の速度は均一でなくてもよいし、3つのモータうちのいずれかを停止させることも可能である。
【0039】
以上のように構成された乗用電動芝刈機による芝刈り作業における制御の流れを図6、図7、図8、図9を用いて以下に説明する。
この乗用電動芝刈機がキーオンされて、コントローラ5が起動すると、フラグやタイマ等の初期化やデフォルト値の設定などの初期設定処理が行われ(#10)、その後、走行制御(#20)とここではモーアユニット3に対する制御である作業機制御(#50)が運転終了(#100Yes分岐)まで行われる。
【0040】
走行制御(#20)では、走行状態検出センサ群7や操縦状態検出センサ群8からのセンサ信号がセンサ情報処理部51で処理され、走行及び操縦に関する情報(内部信号)が生成される(#22)。当該情報に基づいて左輪モータ21と右輪モータ22とに対する給電量を決定する制御値が演算され(#24)、インバータ4にモータ制御指令として出力される(#26)。
【0041】
作業機制御(#50)では、まず作業機の駆動要求、つまりモーアユニット3に対する駆動要求が入力されているかどうかチェックされる(#51)。このチェックは、例えば、電気操作パネル18に配置されたモーアON/OFFスイッチの状態判定によって行われる。モーアユニット3に対する駆動要求がなければ(#51No分岐)、ブレードモータ31,32,33が動作中はこれを停止して(#52)、この処理を終了する。モーアユニット3に対する駆動要求があれば(#51Yes分岐)、回転数フラグの内容がチェックされる(#53)。この回転数フラグは、前述したブレードモータ31,32,33の制御モードの設定状態を示すものであり、定常回転(高回転)モードに設定されている場合には「定常」が、省電力(低回転)モードに設定されている場合には「低」がセットされる。なお、この実施形態では、作業の開始時には、定常モードで回転制御されるので、回転数フラグの初期値として「0」が設定されている。つまり、作業の開始時には回転数フラグの内容が「0」となるので(#53Yes分岐)、ブレードモータ31,32,33を定常回転させるために定常回転指令が出力され(#54)、回転数フラグが「定常」にセットされる(#55)。それ以後は、回転数フラグの内容が「0」とならないので(#53No分岐)、このステップ#54と#55は実行されない。
【0042】
次に、初期設定フラグの内容がチェックされる(#56)。初期設定フラグはモーアユニット3が高負荷状態であるか低負荷状態(無負荷)であるかを判定するためのしきい値Lthが設定されている場合には「1」が設定され、設定されていない場合には「0」が設定されている。従って、初期設定フラグの内容が「0」ならば(#56Yes分岐)、しきい値Lthを設定すべく、後で説明される作業負荷初期設定処理が行われる(#80)。初期設定フラグの内容が「1」ならば(#56No分岐)、作業負荷初期設定処理はジャンプされる。
【0043】
これより、実質的な作業機制御であるブレードモータ31,32,33の回転速度制御が行われる。まず、センサ情報処理部51で処理され、生成された作業状態情報に関するセンサ情報を取得し(#61)、このセンサ情報から求めた1つ以上の入力パラメータ:α1、α2を用いて負荷評価値L=f(α1and/orα2・・・)を演算する(#63)。得られた負荷評価値Lはしきい値Lthと比較される(#71)。このしきい値Lthは、モーアユニット3、つまりブレードモータ31,32,33の低負荷状態ないしは無負荷状態に対応する負荷評価値であるので、L<=(Lth+ΔL)(ΔLは調整値)ならば、ブレードモータ31,32,33が低負荷状態ないしは無負荷状態であると判定することができ、L>(Lth+ΔL)(ΔLは調整値)ならば、ブレードモータ31,32,33が高負荷状態であると判定することができる。
【0044】
従って、L<=(Lth+ΔL)の場合(#71Yes分岐)、さらに回転数フラグの内容がチェックされる(#73)。回転数フラグの内容が「定常」(高回転)ならば(#73Yes分岐)、低回転指令を出力し(#75)、ブレードモータ31,32,33を低回転で駆動すべく省電力モードに移行する。さらに回転フラグに「低」をセットして(#77)、このルーチンを終了する。回転数フラグの内容が「定常」でないならば(#73No分岐)、つまり省電力モードでの駆動であるなら、そのままこのルーチンを終了する。
【0045】
また、L>(Lth+ΔL)の場合(#71No分岐)でも、さらに回転数フラグの内容がチェックされる(#72)。回転数フラグの内容が「低」(低回転:省電力モード)ならば(#72Yes分岐)、定常回転指令を出力し(#74)、ブレードモータ31,32,33を定常回転(高回転)で駆動すべく定常モードに移行する。さらに回転フラグに「定常」をセットして(#76)、このルーチンを終了する。回転数フラグの内容が「低」でないならば(#72No分岐)、つまり定常モードでの駆動であるなら、そのままこのルーチンを終了する。
【0046】
次に、図9を用いて、作業負荷初期設定を行うルーチン(#80)を説明する。
まず、モーアユニット3が低負荷(無負荷)であるか高負荷であるかを判定するためのしきい値を設定する作業負荷初期設定を行うための条件が成立するかどうかがチェックされる(#81)。モーアユニット3が低負荷(無負荷)状態であることがここでの条件となるので、(1)車体が停止状態である(2)刈芝排出量がゼロ(3)芝草が存在しない道路や通路を走行(4)モーアデッキ30が上昇位置に格納されている、などがチェックされる。この条件が成立しない場合(#81No分岐)、予め設定されている値、あるいは前回の作業で設定されたしきい値を今回のデフォルトのしきい値Lthとして仮に設定して(#82)、このルーチンを終了する。
【0047】
条件が成立する場合(#81Yes分岐)、入力パラメータ演算部55からのセンサ情報処理部51からセンサ情報を取得して1つ以上の入力パラメータ:α1、α2を求め(#83)、これを用いて負荷評価値L=f(α1and/orα2・・・)を演算する(#84)。得られた現状の低負荷状態(無負荷状態)での負荷評価値Lからしきい値Lthが演算される(#85)。もちろん、ここで得られた負荷評価値Lをそのまましきい値Lthとしてもよい。決定されたしきい値Lthがしきい値設定部57で設定されると(#86)、初期設定フラグに「1」をセットし(#87)、新規しきい値設定済みとし、このルーチンを終了する。
【0048】
上述した制御の流れでは、説明を簡単にするためモーアユニット3に含まれるブレードモータ31,32,33を1つのモータとして取り扱っていたが、実際には以下のように異なる制御方法を採用することができる。
(a)各モータに対して、共通または専用のしきい値Lthを設定して、互いに独立した負荷―回転制御を行う。従って、一方のモータが低回転駆動され、他方のモータが高回転駆動されることが生じうる。
(b)設定された共通または専用のしきい値Lthより低い低負荷と評価されたモータの数が多数となった場合に全モータを低回転とする多数決制御を行う。
(c)全モータが、設定された共通または専用のしきい値Lthより低い低負荷と評価された場合に、全モータを低回転とする。言い換えると、1つでもしきい値Lth以上と評価されるモータがある限り、全モータは定常回転を維持する。
【0049】
〔別実施の形態〕
(1)上述した実施形態では、負荷に基づく作業用電動機への給電量の切替を二段階としていたが、さらに多くの段階にわけて精細な省電力制御を行ってもよい。もちろん、負荷に応じて無段階で給電量を調整してもよい。
(2)上述した実施形態では、一旦設定されたしきい値Lthは新たに求められ設定されるまでは固定値として用いられていたが、環境変化等に基づいて所定範囲で変動するアクティブなしきい値としてもよい。
(3)上述した実施形態では、しきい値Lthは作業負荷初期設定ルーチンに基づいて設定されていたが、運転部の電気操作パネル18などに設けられたしきい値設定器により人為的に設定・変更できるように構成し、この人為的に設定されたしきい値で、定常モードと省電力モードとを自動切換えできるような構成を採用してもよい。もちろん、コントローラ5に予め設定・記憶されたしきい値のみで定常モードと省電力モードとを自動切換えするような構成を採用してもよい。
(4)上述した実施形態の乗用作業車は、駆動車輪ユニットも電動機で行う完全電気車両であったが、エンジン(内燃機関)を搭載して、駆動車輪ユニットをエンジンの駆動力あるいはエンジンの駆動力で回された発電機からの電力によって駆動されるハイブリッド型車両であってもよい。また、駆動車輪ユニットはエンジンにより駆動され、作業用電動機はバッテリによって駆動される通常のエンジン車両であってもよい。
(5)上述した実施形態では、作業ユニットをモーアユニット3とする乗用電動芝刈機を例としていたが、本発明が適用できる乗用作業車としては、芝刈機以外、耕耘機、トラクタ、田植機、コンバイン、土木・建築作業機、除雪車などが挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、前記作業デバイスを駆動するための作業用電動機への給電量を負荷変動によって増減しながさ作業を行う乗用作業車に利用可能である。
【符号の説明】
【0051】
2:後車輪ユニット(駆動車輪ユニット)
2a:左後車輪
2b:右後車輪
3:モーアユニット(作業ユニット)
10:車体
11:運転座席
15:操縦ユニット
15a:左操縦レバー
15b:右操縦レバー
20:バッテリ
21:左輪モータ(走行用電動機ユニット)
22:右輪モータ(走行用電動機ユニット)
31,32,33:ブレードモータ(作業用電動機)
31a,32a,33a:回転ブレード(作業デバイス)
5:コントローラ
51:センサ情報処理部
52:左輪速度演算部
53:右輪速度演算部
54:走行制御部
55:入力パラメータ演算部
56:作業負荷評価部
57:しきい値設定部
58:モーア制御部(電動機制御部)
7:走行状態検出センサ群
8:操縦状態検出センサ群
80a:左操縦角検出センサ
80b:右操縦角検出センサ
9:作業状態検出センサ群
Lth:しきい値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転座席を備えた車体と、当該車体を支持する駆動車輪ユニットと、前記車体の走行に伴って車体周囲の作業対象物に対する作業を行う作業デバイスを有する作業ユニットと、前記作業デバイスを駆動するための作業用電動機と、
前記作業用電動機を定常モード又は当該定常モードより消費電力が少ない省電力モードで動作制御する電動機制御部と、前記作業用電動機の負荷を評価する作業負荷評価部とを備え、前記作業負荷評価部によって評価された前記作業用電動機の負荷がしきい値より低い低負荷である場合に、前記電動機制御部は前記作業用電動機を省電力モードで動作させる乗用作業車。
【請求項2】
前記しきい値は、前記車体の走行停止時における前記作業負荷評価部によって評価された前記作業用電動機の負荷評価に基づいて設定される請求項1に記載の乗用作業車。
【請求項3】
前記作業負荷評価部による前記作業用電動機の負荷評価は、前記作業用電動機への供給電流値、前記作業用電動機の回転数、前記作業対象物に対する作業量のうちの少なくとも1つを入力パラメータとして導出される負荷評価値である請求項1又は2に記載の乗用作業車。
【請求項4】
前記作業用電動機の低負荷との評価は、前記作業用電動機の負荷がしきい値より低い状態が所定時間継続することを条件とする請求項1から3のいずれか一項に記載の乗用作業車。
【請求項5】
前記車体の走行停止時における前記作業用電動機の負荷評価ができない場合には、前記しきい値は、予め設定されたデフォルト値で設定される請求項1から4のいずれか一項に記載の乗用作業車。
【請求項6】
前記作業ユニットは、モーアユニットで、前記作業対象物は芝草である請求項1から5のいずれか一項に記載の乗用作業車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−187025(P2012−187025A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52003(P2011−52003)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】