説明

二次電池の容量調整方法及び装置

【課題】容量調整時の発熱量を適切に制御して制御基板を過熱することなく短時間で容量調整を実行できる方法を提供する。
【解決手段】複数の二次電池14と、複数の二次電池を制御する電子部品151,155および各二次電池の容量調整手段152とが実装された制御基板15とを有する組電池の、各二次電池の容量を電圧値により調整する容量調整方法であって、制御基板15における容量調整手段152の実装位置に応じて容量調整すべき二次電池の優先順位を決定するステップと、優先順位にしたがって容量調整手段を制御し、各二次電池の容量を調整するステップとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池の容量調整方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の単電池(二次電池)を接続してなる組電池では、充放電を繰り返したり放置したりすると、各単電池の特性のばらつきにより容量に差が生じてくる。こうした容量差が生じた状態で組電池を使用すると、過充電や過放電となる単電池が発生し、組電池全体の寿命が短くなる。このため、所定の頻度で各単電池の容量を均一化することが行われている。
【0003】
ところで、正極にコバルト酸リチウム、負極にカーボンを使用したリチウムイオン二次電池や、正極にコバルト酸リチウム、負極にリチウムメタルを使用したリチウム二次電池(以下、これらを総称してリチウム系二次電池ともいう。)では、電解質に炭酸エチレンなどの有機溶媒を使用するため、過充電すると、この有機溶媒が分解して気化し、二次電池の筐体が異常に膨張したり、電解質である有機溶媒が気化してしまうので次の充電時には充電容量が極端に低下したりする。
【0004】
このため、リチウム系二次電池の組電池では、他より容量の大きい単電池を放電させることにより各単電池の容量を均一にする方法が採用されている。たとえば、特許文献1には、単電池の個々の開放電圧値と、この開放電圧値のうち最大電圧値Aに最小電圧値Bを加えた電圧値の1/xとの偏差から、調整量を演算する方法が開示されている。なお、単電池の容量調整は、各単電池に並列接続された容量調整用バイパス抵抗に調整容量に相当する時間だけ放電させることにより行われる。
【0005】
ところが、多数の容量調整用バイパス抵抗に放電させると放電による発熱量が過大となり、バイパス抵抗に隣接して制御基板に実装されたCPUなどの電子部品に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0006】
【特許文献1】特開2003−284253号公報
【発明の開示】
【0007】
本発明は、容量調整時の発熱量を適切に制御して制御基板を過熱することなく短時間で容量調整を実行できる方法及び装置を提供することを目的とする。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の二次電池の容量調整方法は、複数の二次電池と、前記複数の二次電池を制御する電子部品および前記各二次電池の容量調整手段とが実装された制御基板とを有する組電池の、前記各二次電池の容量を電圧値により調整する容量調整方法であって、前記制御基板における前記容量調整手段の実装位置に応じて容量調整すべき二次電池の優先順位を決定するステップと、前記優先順位にしたがって前記容量調整手段を制御し、前記各二次電池の容量を調整するステップとを有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の二次電池の容量調整装置は、複数の二次電池と、前記複数の二次電池を制御する電子部品および前記各二次電池の容量調整手段とが実装された制御基板とを有する組電池の、前記各二次電池の容量を電圧値により調整する容量調整装置であって、前記制御基板における前記容量調整手段の実装位置に応じて容量調整すべき二次電池の優先順位を決定する手段と、前記優先順位にしたがって前記容量調整手段を制御し、前記各二次電池の容量を調整する手段とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明では、組電池を構成する各二次電池の容量を調整するにあたり、発熱源である容量調整手段の実装位置に応じて容量調整すべき二次電池の優先順位を決定する。容量調整手段の実装位置に応じてとは、具体的には他の容量調整手段に熱影響を与え難い位置に実装された容量調整手段を優先順位の高いものとする意味である。これにより、制御基板に局所的な高温部が発生するのを防止することができ、また制御基板の全体にわたっても温度が均一に分布することになり、制御基板を過熱することなく短時間で効率的に容量調整を実行できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は本発明の容量調整装置の実施形態を示すブロック図、図2は本発明の容量調整装置の動作を示すフローチャート、図3は本発明に係る制御基板における部品の実装位置と容量調整の優先度との関係を示す図、図5は本発明に係る組電池の車載例を示す概念図、図6は本発明に係る組電池の構成例を示す断面図、図7は本発明に係る制御基板の一例を示す斜視図である。
【0013】
まず、本発明に係る組電池の構成例と車載例について説明すると、本例に係る組電池ユニット1は、図5に示すように車両BのトランクルームB1内に搭載される。同図に示す例は、組電池ユニット1内に冷風を導入するために、車両のリヤパーセルパネルB2に開口部B3を形成し、ここからダクト19を介して車室内の空気がユニット1内へ導入される。なお、本発明において、組電池ユニット1の搭載位置は同図に示す例にのみ限定される趣旨ではなく、車室内、床裏、エンジンルーム内等々に搭載することができる。
【0014】
図6に示すように、本例の組電池ユニット1は、複数枚の薄型二次電池を積み重ねるとともに正負極端子を直列接続したものを電池パック11とし、これをさらに複数個(同図では4個)積み重ねるとともに両端の正負極端子を直列接続する。そして、こうして積み重ねた電池パック11を複数列(同図では3列)に並べ、さらにそれぞれの両端の正負極端子を直列接続し、上下に端板12,12を設けてボルト13などで固定する。
【0015】
また、上の端板12には、組電池を構成する各二次電池14(二次電池14自体は図1に示す。)を制御するための制御基板15がケース16に収納された状態で取り付けられている。この制御基板15は、組電池を構成する各二次電池14を制御する集積回路などの電子部品151や容量調整するための抵抗152などが実装されたプリント基板である。
【0016】
制御基板15の概観を図7に示すが、配線パターンが形成されたプリント基板153の表裏それぞれに、各二次電池14を制御するための集積回路(ICチップ)151と、各二次電池14の容量調整を行うための抵抗152がマトリックス状に実装されている。図7には便宜的に12個の集積回路151と12個の抵抗152を示すが、組電池ユニット1が、たとえば60個の薄型二次電池14から構成される場合には、それぞれの二次電池14の容量調整を行うための60個の抵抗152と60個の集積回路がプリント基板153に実装される。この様子を図1に示す。また、42個の二次電池14に対してそれぞれ容量調整を行うための42個の抵抗152と、2つの二次電池14に対して制御するための21個の集積回路151をプリント基板153に実装した例を図3及び図4に示す。なお、同図において154は入出力端子が設けられたコネクタ、155は組電池全体の制御を司るための集積回路(ICチップ)である。図1,図3及び図7は、集積回路151及び抵抗152の個数が互いに整合しないが、これは二次電池14の個数によって集積回路151と抵抗152とを種々に変更できる例を挙げているためである。
【0017】
図6に戻り、上下の端板12,12で把持された複数の電池パック11は組電池ケース17に収納されている。この組電池ケース17には、車室内の空気を取り入れるための取入口171と、組電池ケース17内に取り入れた空気を排出するための排出口172が形成され、取入口171には、吸込みファン18が設けられたダクト19が接続されている。このダクト19の上端は、上述した車両BのリヤパーセルパネルB2の開口部B3に接続されている。
【0018】
二次電池は充電時などに発熱することから、電池パック11に収納された各二次電池14を冷却するために、吸込みファン18を作動して車室内の空気を組電池ケース17に取り込む。組電池ケース17の取入口171から取り入れられた空気は、主として電池パック11の隙間を通過しながら二次電池14を冷却し、排出口172から排出されるが、一部の空気は上の端板12に設けられた制御基板15の冷却にも機能する。この場合、制御基板15を収納するケース16の空気流通方向の両端に開口部161を形成することでケース16内に空気を取り込む。この空気によって制御基板15に実装された容量調整用の抵抗152も冷却されることになるが、ケース16に廻り込む空気量は成り行きであって期待できないことから、本例では容量調整用の抵抗152による各二次電池14の容量調整を、以下のようにしている。
【0019】
まず、図1を参照しながら本発明に係る容量調整方法及び装置の対象となる組電池ユニット1の電気的構成例を説明する。
【0020】
本例の組電池ユニット1は、複数の二次電池14が直列に接続されてなり、その両端に、たとえばスタータモータ、電気自動車の駆動モータなどの車両負荷2が接続されている。
【0021】
一方、各二次電池14には、それぞれの二次電池14の電圧値を検出してこれを制御回路155へ送出する電圧検出回路151aと、それぞれの二次電池14の容量を調整するための抵抗である容量調整回路152が接続されている。電圧検出回路151aはたとえば図3,7に示す集積回路151に組み込まれている。なお、図1に示すアイソレーション回路155aは複数の二次電池14のそれぞれに設けられた電圧検出回路151a及び容量調整回路152と、制御回路155との間の信号の伝送を、たとえばフォトカプラなどを用いて電気的に絶縁しながら行う絶縁伝送回路であって、たとえば図3,7に示す集積回路155に組み込まれている。また、図1に示す制御回路155も図3,7に示す集積回路155に組み込まれている。
【0022】
本例では、図3,7に示す制御基板15の集積回路151の近傍に、これら複数実装された集積回路151の実温度を検出するための温度センサ3が設けられ、この温度センサ3により検出された実温度Trは制御回路155に送出される。
【0023】
温度センサ3の個数、配置は特に限定されず、図7に示す複数の集積回路151の中央Xに1個、または所定間隔の位置Yに複数個設けることができる。複数の温度センサを設ける方が後述する容量調整時の実温度Trの把握がより正確になる。
【0024】
なお、図1において符号4は、組電池1の全体の電圧値を検出する総電圧センサ、符号5は組電池1の全体に流れる電流を検出する電流センサである。
【0025】
特に本例では、制御基板15における抵抗152の実装位置に応じて容量調整すべき二次電池14の優先度を決定する。「制御基板15における抵抗152の実装位置に応じて」の一例として、他の抵抗152に熱影響を与え難い位置に実装された抵抗152に対応する二次電池14の優先度を高くする。すなわち、容量調整によって抵抗152に余剰電流が流される結果、その抵抗152が発熱し、これによって制御基板15に実装された電子部品151,155が限界温度を超えるおそれがあるが、発熱する抵抗152を、他の抵抗に熱影響を与え難いものから順に選択して発熱させることで、制御基板15に実装された電子部品151,155に対する熱影響を最小にすることができる。
【0026】
たとえば、図3に示す制御基板15に実装された21個の抵抗152で言えば、同図のグラフにも示すとおり、マトリックス状に実装された抵抗152の中で四隅に実装された抵抗152に対応する二次電池14が最も優先度が高く、次いでその隣の抵抗152に対応する二次電池14の優先度が高く、制御基板15の中央に実装された抵抗152に対応する二次電池14の優先度が最も低くなる。このような実装位置による優先度の決定は、その制御基板15のレイアウト毎に決定され、それぞれの二次電池14の配置係数Knとして制御回路155のメモリに記憶させておく。
【0027】
また、容量調整時に選択される二次電池14に対応する抵抗152の実装位置のほか、その二次電池14の容量調整量によっても抵抗152の発熱量が相関するので、最終的に容量調整すべき二次電池14を選択するにあたっては、それぞれの二次電池の容量調整量Vnに実装位置を反映した配置係数Knを乗じることで容量調整の優先度を決定する。
【0028】
次に、本例の容量調整方法を説明する。
【0029】
制御基板15に実装された集積回路151,155などの電子部品は高温に晒されると誤作動したり破損したりするため、電子部品のグレードによって限界温度Tmが定められている。以下の説明ではこの限界温度Tmを70℃として、予め制御回路155のメモリに記憶させておく。限界温度Tmは、その電子部品が晒されると好ましくない温度を示すもの、換言すれば限界温度を超えない限りその電子部品の動作品質が保証されるといったものである。ここでは、集積回路151,155が容量調整用抵抗152からの熱影響によって限界温度70℃を超えないように容量調整を実行するものとする。
【0030】
図2に示すように、ステップST10にて容量調整モードかどうかを判断する。この容量調整のタイミングは特に限定されないが、たとえば車両の起動時や停止時などを挙げることができる。勿論、車両の走行時であっても容量調整を行うことは可能である。
【0031】
ステップST20にて、組電池1を構成する各二次電池14の各電圧検出回路151aを用いて各二次電池14の容量を電圧値で求め、この電圧値に基づいて各二次電池14が必要とされる容量調整量を演算する。ここで演算される各二次電池14の容量調整量について、その演算手法は特に限定されず全ての二次電池の平均値との偏差から決定したり、上述した特許文献1に記載のように最大値と最小値とを用いた偏差から決定したりすることができる。
【0032】
次に、ステップST20にて各二次電池14の容量調整量Vnが求められたら、これに上述した配置係数Kn、すなわち各二次電池14に対応する抵抗152の制御基板15における実装位置の特性値を乗じて、優先度を決定する。
【0033】
一方、ステップST40にて、温度センサ3により制御基板15の実温度Trを検出する。制御回路155には、上述した限界温度Tmである70℃という値が記憶されているので、次のステップST50にて実温度Trと限界温度Tmとの差を演算する。
【0034】
ステップST40にて各二次電池14の容量調整量が求められたら、次のステップST60にてこれらを総和し、組電池1の全体で必要とされる容量調整量の総和を演算する。なお、ステップST20及びST30とステップST40〜ST60は並行して実行することができる。
【0035】
制御基板15の実温度Trと限界温度Tmとの温度差は、容量調整に許容された熱量を温度で示した値であり、一方、容量調整量の総和は容量調整によって生じる熱量を電力で示した値であるが、これらの次元を合わせることで、その温度差の範囲で行える容量調整量を予測することができる。具体的には、ある二次電池14に必要とされる容量調整量がWであるとき、これを容量調整用抵抗152に電流を流すことでそのエネルギーWを消費することができ、その二次電池14の容量を目標とする電圧値まで下げることができるが、このときの抵抗152の抵抗値は既知であることから、抵抗152による発熱量が求められる。また、抵抗152からの発熱によって制御基板15がどの程度温度上昇するかも、演算又は実験的に予め求めることができる。したがって、制御基板15の実温度Trと限界温度Tmとの温度差が求まれば、この温度差範囲内でどのような順序や同時調整個数で容量調整を行うことができるかを決定することができる。
【0036】
ステップST60では、上述したステップで求められた温度差Tm−Trと容量調整量の総和に基づいて、同時に容量調整できる二次電池14の個数を決定する。温度差が大きい場合や容量調整量の総和が小さい場合などは、全ての二次電池14を同時に容量調整できるが、温度差が小さい場合や容量調整量の総和が大きい場合には全ての二次電池14を同時に容量調整すると制御基板15の限界温度Tmを超えてしまうおそれがあるので、このような場合は二次電池14の個数を制限して容量調整を開始し、幾つかの二次電池14の容量調整が終わったら残りの二次電池14の容量調整を順次行うようにする。
【0037】
また、次のステップST70では、容量調整すべき二次電池14に順番を付与する。このとき、上述したステップST30で決定された優先度を高いものから順に選定する。
【0038】
容量調整すべき二次電池14の同時調整個数と順序を決定したら、ステップST80にて、選択された二次電池14の容量調整を開始する。この操作は、図1に示す制御回路155から容量調整回路152に容量調整用信号を送出し、抵抗152に電流を所定時間流すことにより実行される。
【0039】
次いで、ステップST90にて、容量調整を終了した二次電池14があるかどうかを監視し、終了した二次電池14があるとステップST100へ進んで全ての二次電池14の容量調整を終了したかどうかを判断し、残っている二次電池14があるときはステップST110へ進んで次の順番(優先度)の二次電池14を選択したのち、ステップST80へ戻ってその二次電池14の容量調整を開始する。そしてこのルーチンを繰り返し、ステップST100にて全ての二次電池14の容量調整が終了したら、この処理を終了する。
【0040】
このように、本例では発熱源である抵抗152の実装位置に応じて容量調整すべき二次電池14の優先順位を決定するので、制御基板15に局所的な高温部が発生するのを防止することができ、また制御基板15の全体にわたっても温度が均一に分布することになり、制御基板15を過熱することなく短時間で効率的に容量調整を実行できる。
【0041】
ところで、図6に示すように制御基板15にも成り行きではあるが車室内の空気(冷却風)が流れることは既述した。本発明では、制御基板15に対して冷却効果を有する媒体が流れる場合に、容量調整すべき二次電池の優先度を、この冷却媒体も考慮して決定することもできる。図4は本発明に係る制御基板15における部品151,152,155の実装位置と容量調整の優先度との関係の他の例を示す図であり、車室内からの冷却風は、同図の右から左へ向かって流れるものとする。
【0042】
上述した実施形態においては、車室内からの冷却風の流れを考慮しないで抵抗152の実装位置からのみ優先度を決定したが、本例では抵抗152の実装位置と車室内からの冷却風とに基づいて、他の抵抗に熱影響を与え難い抵抗152に対応した二次電池14の優先度を高く設定する。
【0043】
たとえば、図4に示す制御基板15に実装された21個の抵抗152で言えば、同図のグラフにも示すとおり、マトリックス状に実装された抵抗152の中で上下方向に対する優先度は制御基板15の端に実装された抵抗152に対応する二次電池14が最も優先度が高く、制御基板15の中央に実装された抵抗152に対応する二次電池14の優先度が最も低くなる。これに対して、同図の左右方向に対しては、冷却風の風下に実装された抵抗152は、そこから放出される熱が同図において左方向へ流されるため他の抵抗152に熱影響を与え難いといえる。したがって、左右方向については左端の抵抗152に対応する二次電池14の優先度が最も高く、右端の抵抗152に対応する二次電池14の優先度が最も低い。このような実装位置と冷却風の流れによる優先度の決定は、その制御基板15のレイアウト毎に決定され、それぞれの二次電池14の配置係数Knとして制御回路155のメモリに記憶させておく。
【0044】
このように、発熱源である抵抗152の実装位置に加えて冷却風の流れ方向に応じて容量調整すべき二次電池14の優先順位を決定しても、制御基板15に局所的な高温部が発生するのを防止することができ、また制御基板15の全体にわたっても温度が均一に分布することになり、制御基板15を過熱することなく短時間で効率的に容量調整を実行できる。
【0045】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の容量調整装置の実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の容量調整装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る制御基板における部品の実装位置と容量調整の優先度との関係を示す図である。
【図4】本発明に係る制御基板における部品の実装位置と容量調整の優先度との関係の他の例を示す図である。
【図5】本発明に係る組電池の車載例を示す概念図である。
【図6】本発明に係る組電池の構成例を示す断面図である。
【図7】本発明に係る制御基板の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
1…組電池
11…電池パック
14…二次電池
15…制御基板
151…集積回路(電子部品)
152…抵抗(容量調整手段)
153…プリント基板
154…コネクタ
155…集積回路(電子部品)
16…ケース
17…ケース
18…吸込みファン
19…ダクト
2…車両負荷
3…温度センサ(温度検出手段)
4…総電圧センサ
5…電流センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の二次電池と、前記複数の二次電池を制御する電子部品および前記各二次電池の容量調整手段とが実装された制御基板とを有する組電池の、前記各二次電池の容量を電圧値により調整する容量調整方法であって、
前記制御基板における前記容量調整手段の実装位置に応じて容量調整すべき二次電池の優先順位を決定するステップと、
前記優先順位にしたがって前記容量調整手段を制御し、前記各二次電池の容量を調整するステップとを有することを特徴とする二次電池の容量調整方法。
【請求項2】
前記容量調整手段の実装位置に応じて容量調整すべき二次電池の優先順位を決定するステップにおいて、他の容量調整手段に熱影響を与え難い位置に実装された容量調整手段に対応する二次電池の優先順位を高く決定することを特徴とする請求項1記載の二次電池の容量調整方法。
【請求項3】
前記容量調整手段の実装位置に応じて容量調整すべき二次電池の優先順位を決定するステップにおいて、前記制御基板に対して流れる空気流の風下側に実装された容量調整手段に対応する二次電池の優先順位を高く設定することを特徴とする請求項1又は2記載の二次電池の容量調整方法。
【請求項4】
前記電子部品と容量調整手段は、前記制御基板の主面にほぼマトリックス状に実装されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の二次電池の容量調整方法。
【請求項5】
前記制御基板の容量調整前の実温度と限界温度との温度差を求めるステップと、
前記各二次電池の容量調整量の総和を求めるステップと、
前記温度差及び前記容量調整量の総和に基づいて同時に容量調整できる二次電池の個数を演算するステップとを有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の二次電池の容量調整方法。
【請求項6】
複数の二次電池と、前記複数の二次電池を制御する電子部品および前記各二次電池の容量調整手段とが実装された制御基板とを有する組電池の、前記各二次電池の容量を電圧値により調整する容量調整装置であって、
前記制御基板における前記容量調整手段の実装位置に応じて容量調整すべき二次電池の優先順位を決定する手段と、
前記優先順位にしたがって前記容量調整手段を制御し、前記各二次電池の容量を調整する手段とを有することを特徴とする二次電池の容量調整装置。
【請求項7】
前記容量調整手段の実装位置に応じて容量調整すべき二次電池の優先順位を決定する手段は、他の容量調整手段に熱影響を与え難い位置に実装された容量調整手段に対応する二次電池の優先順位を高く決定することを特徴とする請求項6記載の二次電池の容量調整装置。
【請求項8】
前記容量調整手段の実装位置に応じて容量調整すべき二次電池の優先順位を決定する手段は、前記制御基板に対して流れる空気流の風下側に実装された容量調整手段に対応する二次電池の優先順位を高く設定することを特徴とする請求項6又は7記載の二次電池の容量調整装置。
【請求項9】
前記電子部品と容量調整手段は、前記制御基板の主面にほぼマトリックス状に実装されていることを特徴とする請求項6〜8の何れかに記載の二次電池の容量調整装置。
【請求項10】
前記制御基板の容量調整前の実温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段で検出した実温度と予め決められた制御基板の限界温度との温度差を求める手段と、
前記各二次電池の容量調整量の総和を求める手段と、
前記温度差及び前記容量調整量の総和に基づいて同時に容量調整できる二次電池の個数を演算する手段とを有することを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載の二次電池の容量調整装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−287416(P2007−287416A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−111896(P2006−111896)
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】