説明

二次電池

【課題】正極活物質層と対向していない負極活物質層を有効活用して電気容量を向上させることのできる二次電池を提供する。
【解決手段】正極板と負極板とが巻回された発電要素を備え、正極板は、一方向の一端部に正極活物質層の非形成領域からなる正極リード部L1が形成され、且つ、正極活物質層の形成領域A1の一方向の両エッジE1が負極活物質層の形成領域Bと重なるように正極活物質層が形成される一方、負極板は、負極活物質層の非形成領域からなる負極リード部L2が形成され、正極板は、正極活物質層の形成領域A1における一方向の何れか一方のエッジE1と隣接し、且つ負極板上の負極活物質層の形成領域Bの一方向の何れか一方のエッジE2と対向する領域に前記正極活物質層と異なる正極補助活物質層A2が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充放電可能な発電要素を備えた二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯電話等の携帯電気機器や、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等の各種機器の電源には、充放電可能な二次電池が採用されている。
【0003】
かかる二次電池は、一般的に、図6(a)及び図6(b)に示す如く、電池ケース3’内に収容された発電要素2’が該電池ケース3’の外側に配設された外部端子40’,50’に対して電気的に接続されており、発電要素2’と外部端子40’,50’との間で通電できるようになっている。
【0004】
ところで、前記発電要素2’には、種々タイプのものがあり、その一つとして、巻回型の発電要素がある。すなわち、発電要素2’には、導電性基材上に正極活物質層が形成された正極板20a’と導電性基材上に負極活物質層が形成された負極板20b’とがセパレータ20c’を介して積層された状態で巻回されて形成され、正極板20a’(正極活物質層)と負極板20b’(負極活物質層)との間での電荷(金属系イオン)の移動で充放電可能に構成されたもの(例えば、リチウムイオン二次電池や、ナトリウムイオン二次電池、マグネシウムイオン二次電池、カルシウムイオン二次電池等のロッキングチェア型の電池)がある。
【0005】
この種の発電要素2’は、巻回中心方向の一端部が正極用の外部端子40’に接続され、同方向の他端部が負極用の外部端子50’に接続されるようになっている。
【0006】
より具体的に説明すると、この種の発電要素2’の正極板20a’は、図7(a)に示す如く、巻回方向と直交する一方向(以下、幅方向という)の一端部に正極活物質層の非形成領域からなる正極リード部L1’が形成されるとともに、正極リード部L1’と隣接するように前記幅方向の一端側から他端まで正極活物質層が形成されている(以下、正極活物質層の形成領域A’を正極層形成領域という)。これに対し、負極板20b’は、図7(b)に示す如く、幅方向の他端部に負極活物質層の非形成領域からなる負極リード部L2’が形成されるとともに、負極リード部L2’と隣接するように幅方向の他端側から一端まで負極活物質層が形成されている(以下、負極活物質の形成領域B’を負極層形成領域という)。そして、前記正極層形成領域A’は、図7(c)に示す如く、幅方向の両エッジE1’,E1’が前記負極層形成領域Bと重なるように形成されている。すなわち、負極層形成領域Bは、正極用層形成領域A’における幅方向の両エッジE1’,E1’から外側にはみ出るように形成されている。
【0007】
そして、正極板20a’及び負極板20b’は、正極リード部L1’及び負極リード部L2’がそれぞれ正極板20a’の正極層形成領域A’と負極板20b’の負極層形成領域B’との対向部分から幅方向にずれた状態で積層された上で渦巻き状に巻回されて発電要素2’を構成している。
【0008】
これにより、この種の発電要素2’は、幅方向の一端部に正極板20a’(正極リード部L1’)のみの積層部分が形成される一方、幅方向の他端部に負極板20b’(負極リード部L2’)のみの積層部分が形成され、正極板20a’(正極リード部L1’)のみの積層部分及び負極板20b’(負極リード部L2’)のみの積層部分のそれぞれが独立して別個の外部端子40’,50’に対して電気的に接続されている(図6(b)参照)。
【0009】
そして、この種の二次電池1’(発電要素2’)は、上述の如く、正極層形成領域A’の幅方向の両エッジE1’,E1’が負極層形成領域B’と重なるように正極層形成領域A’が形成されることで、負極層形成領域B’のエッジE2’,E2’近傍での電析の発生が抑制されている。
【0010】
すなわち、正極板20a’における正極層形成領域A’(エッジE1’)と負極板20b’における負極層形成領域B’(エッジE2’)とが一致するように形成されたり、正極板20a’における正極層形成領域A’が負極板20b’における負極層形成領域B’よりも広く形成されたりすると、電荷バランスが崩れ、負極層形成領域B’のエッジE2’近傍で電析が発生して微小短絡を起こすことがあるため、この種の二次電池1’(発電要素2’)は、正極層形成領域A’が負極層形成領域B’と完全に対向できるように、負極層形成領域B’が正極層形成領域A’よりも広く形成され、負極板20b’(負極活物質層)のエッジE2’近傍における電荷の集中が抑制されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2004−111300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、上記構成の二次電池1’は、上述の如く、負極層形成領域B’のエッジE2’近傍における電荷の集中を抑制するために、負極層形成領域B’が正極層形成領域A’よりも広く形成されているが、負極層形成領域B’における正極層形成領域A’と対向していない部分は、電気容量として貢献していないのが実情である。
【0013】
すなわち、この種の二次電池1’は、上述の如く、正極板20a’の正極活物質層から放出される電荷が正極板20a’と負極板20b’との間で移動することで充放電するようになっているが、この電荷の移動は、主として正極層形成領域A’と負極層形成領域B’における正極層形成領域A’の全領域と対向する領域とで行われるため、負極層形成領域B’における正極層形成領域A’と対向していない領域(正極層形成領域A’のエッジE1’からはみ出た負極層形成領域B’)は、電気容量に貢献していないのが実情である。
【0014】
また、上記構成の二次電池1’以外に、正極板と負極板とがセパレータを介して順々に積層された積層型の発電要素を備えた二次電池もあるが、かかる二次電池においても、負極層形成領域のエッジ近傍における電荷の集中を抑制するために、負極層形成領域が正極層形成領域よりも広く形成されているため、負極層形成領域における正極層形成領域と対向していない部分が電気容量として貢献していないのが実情である。
【0015】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、正極活物質層と対向していない負極活物質層を有効活用して電気容量を高めることのできる二次電池を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る二次電池は、導電性基材上に正極活物質層が形成された正極板と導電性基材上に負極活物質層が形成された負極板とがセパレータを介して積層された状態で巻回された発電要素を備え、正極板は、巻回方向と直交する一方向の一端部に正極活物質層の非形成領域からなる正極リード部が形成され、且つ、正極活物質層の形成領域の前記一方向の両エッジが負極活物質層の形成領域と重なるように正極活物質層が形成され、負極板は、前記一方向の他端部に負極活物質層の非形成領域からなる負極リード部が形成され、前記正極リード部及び負極リード部のそれぞれが外部端子に対して電気的に接続された二次電池において、前記正極板は、前記正極活物質層の形成領域における前記一方向の少なくとも何れか一方のエッジと隣接し、且つ負極活物質層の形成領域における前記一方向の少なくとも何れか一方のエッジと対向する領域に前記正極活物質層と異なる正極補助活物質層が形成されていることを特徴とする。
【0017】
上記構成の二次電池によれば、導電性基材上に正極活物質層が形成された正極板と導電性基材上に負極活物質層が形成された負極板とがセパレータを介して積層された状態で巻回された発電要素を備えているため、正極板と負極板との間で電荷を移動させることができ、これによって当該発電要素を充放電させることができる。
【0018】
そして、前記正極板は、前記正極活物質層の形成領域における前記一方向の少なくとも何れか一方のエッジと隣接し、且つ負極活物質層の形成領域における前記一方向の少なくとも何れか一方のエッジと対向する領域に前記正極活物質層と異なる正極補助活物質層が形成されているため、正極板上の正極補助活物質層と負極板上の負極活物質層との間でも電荷を移動させることができる。これにより、上記構成の二次電池は、正極活物質層と負極活物質層との間の電荷の移動に加え、正極補助活物質層と負極活物質層との間でも電荷が移動できるため、全体的な電気容量を高めることができる。
【0019】
なお、前記正極補助活物質層の形成領域は、部分的に正極補助活物質層の非形成領域があったり、正極補助活物質層の形成領域の一方向における外側のエッジの一部が負極活物質層の形成領域のエッジよりも正極活物質層の形成領域側に位置したり、正極活物質層の形成領域に対して部分的に隙間をあけた状態であったりしてもよい。このようにしても、負極活物質層の形成領域のエッジと対向する領域の大部分に正極補助活物質層が形成されているため、本発明の効果が得られることは明らかである。また、前記正極補助活物質層は、正極活物質層に隣接し、負極活物質層のエッジに対向する全ての領域に設けられてもよいし、そのうちの一部に設けられてもよい。そして、正極活物質層のエッジは、負極活物質層に対向していることが好ましいが、負極活物質層のエッジが正極活物質層に対向している領域があってもよい。
【0020】
そして、上記構成の二次電池は、正極板における負極活物質層の形成領域と対向する領域が正極活物質層又は正極補助活物質層によって覆われているため、セパレータが破損する等して正極板と負極板とが接触しても、該正極板を構成する導電性基材が負極板(負極活物質層の形成領域)と直接接触することがなく、高い安全性が得られる。すなわち、正極板の導電性基材と負極板の負極活物質層とが接触すると大きな電流が流れるが、上記構成の二次電池は、正極板の導電性基材に比べて抵抗の大きな正極補助活物質層が負極活物質層と対向するように形成されているため、セパレータが破損する等して正極板(正極補助活物質層)と負極板(負極活物質層)とが接触しても電流が流れにくく、高い安全性が得られる。
【0021】
また、本発明に係る二次電池は、導電性基材上に正極活物質層が形成された正極板と導電性基材上に負極活物質層が形成された負極板とがセパレータを介して積層された発電要素を備え、正極板は、少なくとも一部の端部に正極活物質層の非形成領域からなる正極リード部が形成され、且つ、正極活物質層の形成領域を画定するエッジが負極活物質層の形成領域と重なるように正極活物質層が形成され、負極板は、少なくとも一部の端部に負極活物質層の非形成領域からなる負極リード部が形成され、前記正極リード部及び前記負極リード部は、互いに重ならないように配置されてそれぞれが外部端子に対して電気的に接続された二次電池において、前記正極板は、前記正極活物質層の形成領域を画定するエッジの少なくとも一部と隣接し、且つ負極活物質層の形成領域を画定するエッジの少なくとも一部と対向する領域に前記正極活物質層と異なる正極補助活物質層が形成されていることを特徴とする。
【0022】
上記構成の二次電池によれば、導電性基材上に正極活物質層が形成された正極板と導電性基材上に負極活物質層が形成された負極板とがセパレータを介して積層された発電要素を備えるため、正極板と負極板との間で電荷を移動させることができ、これによって当該発電要素を充放電させることができる。
【0023】
そして、前記正極板は、前記正極活物質層の形成領域を画定するエッジの少なくとも一部と隣接し、且つ負極活物質層の形成領域を画定するエッジの少なくとも一部と対向する領域に前記正極活物質層と異なる正極補助活物質層が形成されているため、正極板上の正極補助活物質層と負極板上の負極活物質層との間でも電荷を移動させることができる。これにより、上記構成の二次電池は、正極活物質層と負極活物質層との間の電荷の移動に加え、正極補助活物質層と負極活物質層との間でも電荷が移動できるため、全体的な電気容量を高めることができる。
【0024】
なお、前記正極補助活物質層の形成領域は、部分的に正極補助活物質層の非形成領域があったり、正極補助活物質層の形成領域を画定するエッジの一部が負極活物質層の形成領域のエッジよりも正極活物質層の形成領域側に位置したり、正極活物質層の形成領域に対して部分的に隙間をあけた状態であったりしてもよい。このようにしても、負極活物質層の形成領域のエッジと対向する領域の大部分に正極補助活物質層が形成されているため、本発明の効果が得られることは明らかである。また、前記正極補助活物質層は、正極活物質層に隣接し、負極活物質層のエッジに対向する全ての領域に設けられてもよいし、そのうちの一部に設けられてもよい。そして、正極活物質層のエッジは、負極活物質層に対向していることが好ましいが、負極活物質層のエッジが正極活物質層に対向している領域があってもよい。
【0025】
そして、上記構成の二次電池は、正極板における負極活物質層の形成領域と対向する領域が正極活物質層又は正極補助活物質層によって覆われているため、セパレータが破損する等して正極板と負極板とが接触しても、該正極板を構成する導電性基材が負極板(負極活物質層の形成領域)と直接接触することがなく、高い安全性が得られる。すなわち、正極板の導電性基材と負極板の負極活物質層とが接触すると大きな電流が流れるが、上記構成の二次電池は、正極板の導電性基材に比べて抵抗の大きな正極補助活物質層が負極活物質層と対向するように形成されているため、セパレータが破損する等して正極板(正極補助活物質層)と負極板(負極活物質層)とが接触しても電流が流れにくく、高い安全性が得られる。
【0026】
本発明の一態様として、前記正極補助活物質層は、該正極補助活物質層の形成領域における面積あたりの満充電時の電荷放出量が前記正極活物質層よりも低く設定されていることが好ましい。なお、ここで「満充電時」とは、その電池に推奨される充電条件(推奨される使用上限開路電圧であり、通常は電池の監視装置により規定される)で充電した直後の状態を意味する。このようにすれば、負極板上(エッジ近傍)の電析の発生が抑制される。すなわち、正極補助活物質層は、上述の如く、満充電時の電荷放出量が前記正極活物質層よりも低いため、該正極補助活物質層の形成領域のエッジと負極活物質層の形成領域のエッジとを一致させたり、負極活物質層の形成領域のエッジよりも正極補助活物質層の形成領域をはみ出させたりしても、負極板上(エッジ近傍)の電析の発生が抑制される。
【0027】
本発明の他態様として、前記正極補助活物質層の形成領域の満充電時の電荷放出量の合計が、該正極補助活物質層と対向する負極板の負極活物質層の形成領域の電荷吸蔵可能量よりも低く設定されていることが好ましい。なお、ここにおいても「満充電時」とは、その電池に推奨される充電条件(推奨される使用上限開路電圧であり、通常は電池の監視装置により規定される)で充電した直後の状態を意味する。そして、「負極活物質層の電荷吸蔵可能量」とは、推奨される使用上限開路電圧まで電池を充電した際に、正極活物質層と対向する負極活物質層が達する電位に、正極補助活物質層に対向する負極活物質層の電位が到達するまでに、前記正極補助活物質層に対向する負極活物質層に吸蔵される電荷の最大値をいう。このようにすれば、正極補助活物質層の形成領域のエッジと負極活物質層の形成領域のエッジとを一致させたり、負極活物質層の形成領域のエッジよりも正極補助活物質層の形成領域をはみ出させたりしても、負極板上(エッジ近傍)における電析の発生が抑制される。
【0028】
すなわち、正極補助活物質層の形成領域の満充電時の電荷放出量の合計が、該正極補助活物質と対向する負極板の負極活物質層の形成領域の電荷吸蔵可能量よりも低く設定されているため、正極活物質層及び正極補助活物質層の電荷の全てが負極板(負極活物質層)に吸蔵されることになる。従って、正極活物質層及び正極補助活物質層からの電荷が余剰にならないため、負極活物質層上で電析が発生することが抑制される。
【0029】
本発明の別の態様として、前記正極補助活物質層の形成領域は、負極板上の負極活物質層の形成領域の一方向の両エッジと重なるように、前記正極活物質層の形成領域に対して一方向の両側に形成されていることが好ましい。このようにすれば、発電要素の一方向の両側に電気容量を高めることのできる正極補助活物質層が形成されるため、二次電池全体の容量を高めることができる。
【0030】
本発明のさらに別の態様として、前記正極補助活物質層は、導電性炭素材料がコーティングされていることが好ましい。このようにすれば、正極補助活物質層として導電性の低い活物質を用いた場合にも充放電が可能となるため、正極補助活物質層と負極活物質層との間で電荷の移動が問題なく行われ、全体的な電気容量を高めることが可能となる。特に、一般に導電性が低いことが知られているオリビン構造を有する活物質は、導電性炭素材料をコーティングすることで、実質的な電気容量増加の効果を長期に亘って維持することができる。
【0031】
本発明のさらに別の態様として、前記正極補助活物質層は、オリビン構造を有する活物質であることが好ましい。このようにすれば、オリビン構造を有する活物質中の酸素原子は、リン原子と強く結合しているため、高温暴露時にも正極補助活物質層からの酸素放出が起こらず、電池の熱逸走を防止でき、安全性の高い電池とすることができる。
【0032】
本発明のさらに別の態様として、前記正極補助活物質層の満充電時の開路電位は、前記正極活物質層の満充電時の開路電位よりも低く設定されていることが好ましい。このようにすれば、使用頻度の高い満充電近傍の電圧まで充電されたときには、前記正極補助活物質層は既に大部分の電荷を放出しているため、さらに充電を行った際の電荷放出量は正極活物質層に比べて少ない。そのため、充電末期状態の電池にさらに充電電流が印加されても、対向する負極活物質層の形成領域のエッジ部分への電荷移動量は少なくなるため、電析が起こりにくくなり、安全な電池となる。
【発明の効果】
【0033】
以上のように、本発明の二次電池によれば、正極活物質層と対向していない負極活物質層を有効活用して電気容量を向上させることができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態に係る二次電池の全体斜視図を示す。
【図2】同実施形態の係る二次電池を部分的に分解した斜視図を示す。
【図3】同実施形態に係る二次電池の分解斜視図を示す。
【図4】同実施形態に係る発電要素の説明図であって、(a)は、発電要素を構成する正極板上に形成される各領域を説明するための部分平面図を示し、(b)は、発電要素を構成する負極板上に形成される各領域を説明するための部分平面図を示し、(c)は、(a)に示す正極板上の各領域と(b)に示す負極板上に形成される各領域との配置関係を説明するための説明図を示す。
【図5】本発明の他実施形態に係る二次電池に採用される発電要素の説明図であって、(a)は、複数枚の正極板及び負極板がセパレータを挟んで交互に積層され、正極リード部及び負極リード部が略相対位置に配置された積層型の発電要素における正極板及び負極板の概略配置説明図を示し、(b)は、複数枚の正極板及び負極板がセパレータを挟んで交互に積層され、正極リード部及び負極リード部が直交する位置に配置された積層型の発電要素における正極板及び負極板の概略配置説明図を示す。
【図6】従来の二次電池の説明図であって、(a)は、全体斜視図を示し、(b)は、部分的に分解した状態の斜視図を示す。
【図7】従来の発電要素の説明図であって、(a)は、発電要素を構成する正極板上に形成される各領域を説明するための部分平面図を示し、(b)は、発電要素を構成する負極板上に形成される各領域を説明するための部分平面図を示し、(c)は、(a)に示す正極板上の各領域と(b)に示す負極板上に形成される各領域との配置関係を説明するための説明図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の一実施形態に係る二次電池について、添付図面を参照して説明する。
【0036】
かかる二次電池は、ロッキングチェア型電池であり、本実施形態においては、リチウムイオン二次電池を対象としている。本実施形態に係る二次電池は、図1及び図2に示す如く、発電要素2と、該発電要素2を収容する電池ケース3と、電池ケース3の外側に配置された一対の外部端子構造体4,5と、各外部端子構造体4,5を発電要素2に対して電気的に接続する一対の集電部材6,7とを備えている。
【0037】
前記発電要素2は、図3に示す如く、セパレータ20cを挟んで積層された正極板20aと負極板20bとを渦巻き状に巻回したもので、本実施形態においては扁平状に形成されている。すなわち、正極板20a、負極板20b、及びセパレータ20cは、何れも帯状に形成されており、長手方向を一致させた状態で、正極板20a、セパレータ20c、及び負極板20bの順に積層した上で渦巻き状に巻回されることで発電要素2を形成している。
【0038】
そして、該発電要素2は、セパレータ20cの長手方向の長さが正極板20a及び負極板20bよりも長く設定されており、該セパレータ20cの終端側が最も外側にある正極板20a又は負極板20b(本実施形態においては正極板20a)を包み込んでいる。すなわち、該発電要素2は、最外周を除き、正極板20a、セパレータ20c、及び負極板20bがその順序を守って積層されているが、正極板20a及び負極板20bの終端(巻き初めとなる先端とは反対側にある端部)から延出したセパレータ20cを正極板20a及び負極板20bよりも多く巻回させることでセパレータ20cが最外周に配置されている。
【0039】
前記正極板20aは、導電性基材上に正極活物質層が形成されたものであり、図4(a)に示す如く、一方向(以下、本実施形態において幅方向という)の一端部に正極活物質層の非形成領域(導電性基材)からなる正極リード部L1が形成されている。正極活物質層の形成領域(以下、正極層形成領域という)A1は、幅方向の両エッジE1,E1が後述する負極活物質層の形成領域(以下、負極層形成領域という:図4(b)参照)Bに重なるように形成されている。
【0040】
前記導電性基材は、導電性を有する材質であれば特に制限がなく、公知のものを任意に採用することができる。具体的には、導電性基材として、アルミニウム、ニッケルメッキ銅、チタン、タンタル、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の金属材料、カーボンクロス、カーボンペーパー等の炭素質材料、導電性ポリマー、又は、導電性物質層を形成した樹脂等を採用することができる。中でもアルミニウムは、正極板20aの導電性基材に好適であり、銅は負極板20bの導電性基材に好適である。また、導電性基材の形態としては、箔等のシート体、発泡体、焼結多孔体、エキスパンド格子等を採用することができる。さらに、導電性基材は、任意の形状の穴をあけたものも用いることもできる。
【0041】
そして、該正極板20aは、前記正極層形成領域A1における幅方向の少なくとも何れか一方のエッジE1と隣接し、且つ負極層形成領域Bの幅方向の少なくとも何れか一方のエッジE2と対向する領域に前記正極活物質層と異なる正極補助活物質層が形成されている。
【0042】
本実施形態に係る正極板20aは、前記正極補助活物質層の形成領域(以下、正極補助層形成領域という)A2が前記正極層形成領域A1に対して幅方向の少なくとも何れか一方の端部に設けられており、該正極補助層形成領域A2の満充電時の電荷放出量の合計が該正極補助活物質領域A2と対向する負極板20bの負極層形成領域Bの電荷吸蔵可能量よりも低くなるように、正極補助活物質層が形成されている(図4(c)参照)。すなわち、前記正極補助層形成領域A2における正極補助活物質層の満充電時の電荷放出量の合計は、前記正極層形成領域A1のエッジE1と前記負極層形成領域BのエッジE2とに挟まれた領域B2(図4(c)参照)にある負極活物質の電荷吸蔵可能量の合計よりも低くなっている。なお、ここで「満充電時」とは、その電池に推奨される充電条件(推奨される使用上限開路電圧であり、通常は電池の監視装置により規定される電圧)で充電した直後の状態を意味する。また、「正極補助活物質領域A2と対向する負極層形成領域B(負極活物質層)の電荷吸蔵可能量」とは、推奨される使用上限開路電圧まで電池を充電した際に、正極活物質層と対向する負極活物質層が達する電位に、正極補助活物質層に対向する負極活物質層の電位が到達するまでに、前記正極補助活物質層に対向する負極活物質層に吸蔵される電荷の最大値をいう。
【0043】
本実施形態に係る正極板20aは、前記正極補助層形成領域A2,A2が前記正極層形成領域A1に対して幅方向の両側に設けられており、各正極補助層形成領域A2,A2に負極層形成領域Bの幅方向の両エッジE2,E2が重なるようになっている(図4(c)参照)。すなわち、本実施形態に係る正極板20aは、正極層形成領域A1及び正極補助層形成領域A2,A2の形成された領域(全領域)の幅方向の長さ(両側にある各正極補助層形成領域A2,A2における外側のエッジE3,E3同士の間隔)が、負極層形成領域Bの幅方向の長さ(幅方向の両エッジE2,E2同士の間隔)よりも長く設定されている(図4(b)及び図4(c)参照)。従って、本実施形態に係る二次電池1(発電要素)は、正極層形成領域Aの両側にある正極補助層形成領域A2,A2の正極補助活物質層の満充電時の電荷放出量の合計が、負極層形成領域Bの正極層形成領域Aと対向する領域B1の両側にある前記正極層形成領域A1のエッジE1と前記負極層形成領域BのエッジE2とに挟まれた二つの領域B2,B2(図4(c)参照)内の負極活物質層の電荷吸蔵可能量の合計よりも低くなっている。
【0044】
本実施形態に係る正極板20aは、幅方向の他端側にある一方の正極補助層形成領域A2が幅方向の他端(導電性基材における幅方向の他端部)に沿って形成されている。これにより、本実施形態に係る正極板20aのベースとなる導電性基材は、正極リード部L1(導電性基材の一端部)を除いて正極活物質層及び正極補助活物質層によって覆われている。
【0045】
本実施形態に係る二次電池は、上述の如く、リチウムイオン二次電池であるため、前記正極活物質層は、リチウムイオンを吸蔵・放出できるものであれば特に制限はなく、任意の活物質を適宜使用することができる。例えば、LixMOy(Mは少なくとも一種の遷移金属を表す)で表される複合酸化物(LixCoO2、LixNiO2、LixMn24、LixMnO3、LixNiyCo(1-y)2、LixNiy'Mny"Co(1-y'-y")2、LixNiyMn(2-y)4等)、或いは、LiwMex(XOyx(Meは少なくとも一種の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、V)で表されるポリアニオン化合物(LiNiPo4、LiCoPo4、Li32(PO43、Li2MnSiO4、Li2CoPO4F等)から選択することができる。また、これらの化合物中の元素又はポリアニオンは、一部他の元素又はアニオン種で置換されていてもよい。さらに、ジスルフィド、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラスチレン、ポリアセチレン、ポリアセン系材料等の導電性高分子化合物、擬グラファイト構造炭素質材料等が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、これらの化合物は単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
【0046】
前記正極補助活物質層は、正極補助層形成領域A2における面積あたりの満充電時の電荷放出量が正極層形成領域A1に形成される正極活物質層よりも低く設定されている。すなわち、前記正極補助活物質層は、満充電時の電荷放出量が前記正極活物質層よりも低い活物質層であれば特に制限はなく、任意の活物質を使用することができる。例えば、LixMePO4で表されるオリビン構造を有する化合物(LiFePO4,LiMnPO4,LiFe(1-y)MnyPO4等)が安全性の観点で好ましい。これらの化合物中の金属元素、リン又は酸素は一部他の元素で置換されていてもよい。また、正極補助活物質層は、前記正極活物質層よりも満充電時の開路電位の低いものが好ましい。
【0047】
そして、本実施形態において、正極補助層形成領域A2にある正極補助活物質層は、導電性の炭素材料によってコーティングされている。正極補助活物質層にカーボンをコーティングする方法は、特に限定されるものではないが、かかるコーティングは、例えば、ポリマー有機物やカーボンと正極補助活物質層とを熱処理することにより得ることができる。前記ポリマー有機物としては、ショ糖、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等が、カーボンとしては、アセチレンブラック等が挙げられる。或いは、昇温雰囲気中に正極補助活物質層を載置し、ガス状有機物を導入することによって正極補助活物質層粒子表面にカーボンを析出させて気相成長させる方法を採用してもよい。前記ガス状有機物としては、気化したメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の1価アルコールや、エチレンガス、プロピレンガス等が挙げられる。また、水熱法等で合成する場合においては、水浴中に酸化防止の目的でクエン酸、アスコルビン酸等の有機物を添加することがあるが、このような場合には最終生成物である正極補助活物質層表面に前記有機物に由来するカーボンが付着又は被覆されることがあるため、これをこのまま使用することもできる。勿論、上記したポリマー有機物又はガス状有機物を用いる処方を併用してもよい。以上の何れの処方についても、例えば、国際公開第2007/043665号パンフレットの各実施例、比較例が参考になる。
【0048】
前記負極板20bは、帯状の導電性基材上に負極活物質層が形成されたたもので、図4(b)に示す如く、幅方向の他端部に負極活物質層の非形成領域からなる負極リード部L2が形成されている。
【0049】
前記負極活物質層は、金属イオンを吸蔵・放出する活物質で構成される。本実施形態に係る二次電池1に用いる負極活物質層としては、電気化学的に金属イオンを吸蔵・放出可能なものであれば、特に制限はなく、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出する負極活物質層としては、黒鉛や、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素等の炭素質材料、SnOやSiO等の金属酸化物、チタン酸リチウム等のリチウム複合酸化物、SnやSi等のリチウムと合金形成可能な金属等が挙げられる。これらは、一種を単独で用いても、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。なかでも炭素質材料又はリチウム複合酸化物を用いることが安全性の観点から好ましい。
【0050】
負極活物質層の形成領域(以下、負極層形成領域という)Bは、負極リード部L2と隣接するように幅方向の他端側から一端まで設けられている。そして、負極層形成領域Bは、上述の如く、幅方向の両エッジE2,E2が一対の正極補助層形成領域A2,A2に重なるように形成されている。すなわち、負極層形成領域Bは、幅方向の長さ(幅寸法)が、正極層形成領域A1の幅方向の長さ(幅寸法)よりも長く、且つ、正極板20aにおける活物質層の全形成領域(正極層形成領域A1+正極補助層形成領域A2,A2)の幅方向の長さよりも短く設定されている。これにより、負極層形成領域Bは、幅方向の両側が正極層形成領域A1の幅方向の両エッジE1,E1から外側にはみ出て形成されている。
【0051】
そして、上記構成の正極板20a及び負極板20bは、図4(c)に示す如く、正極層形成領域Aにおける幅方向の両エッジE1,E1が負極板20bの負極層形成領域Bと対向して正極層形成領域Aの両エッジE1,E1から負極層形成領域Bの幅方向の両側部分がはみ出た状態になることを前提に、長手方向と直交する幅方向で所定量ずれた配置になっている。
【0052】
これにより、該発電要素2は、図3に示す如く、幅方向(正極板20a及び負極板20bの長手方向と直交する幅方向と対応する方向)の一端部に正極板20a(正極リード部L1)のみの積層部分が形成され、幅方向(正極板20a及び負極板20bが長手方向と直交する幅方向と対応する方向)の他端部に負極板20b(負極リード部L2)のみの積層部分が形成されている。そして、該二次電池1は、正極板20aのみの積層部分に一方の集電部材(以下、正極集電部材という)6が電気的に接続され、負極板20bのみの積層部分に他方の集電部材(以下、負極集電部材という)7が電気的に接続されている(図2参照)。
【0053】
本実施形態に係る二次電池1は、上述の如く、発電要素2が扁平状に形成されているため、正極リード部L1の積層部分が巻回中心方向から見て扁平環状をなし、長軸方向に延びる一対の正極積層部21a,21aが形成されている。また、該二次電池1は、負極リード部L2の積層部分についても巻回中心方向から見て扁平環状をなし、長軸方向に延びる一対の負極積層部21b,21bが形成されている。そして、上記構成の発電要素2は、巻回中心方向から見た長軸方向(断面長軸方向)を上下にして電池ケース3に収容されている。
【0054】
前記電池ケース3は、一面を開放させた角形の箱状をなすケース本体30と、ケース本体30の開放部分を封止する蓋板31とを備えている。そして、該電池ケース3は、上述の如く、発電要素2以外に正極集電部材6及び負極集電部材7が収容されて電解液が充填される。
【0055】
一対の外部端子構造体4,5は、それぞれ共通した構成であり、一方の外部端子構造体(以下、正極外部端子構造体という)4は、正極集電部材6に接続され、他方の外部端子構造体(以下、負極外部端子構造体という)5は、負極集電部材7に接続されている。
【0056】
前記正極外部端子構造体4及び負極外部端子構造体5は、図1乃至図3に示す如く、電池ケース3(蓋板31)の外側で互いに対称的に配置されている。そして、正極外部端子構造体4及び負極外部端子構造体5は、共通した構成であり、図3に示す如く、ケーブルやバスバー等の接続対象物(図示しない)を電気的に接続しつつ固定するための外部端子40,50と、電池ケース3(蓋板31)の外面上に配置される短冊状の金属板からなる接続杆41,51とを備えている。前記外部端子40,50は、雄ネジ部材で構成されており、接続杆41,51の長手方向の一端側に外方に向けて挿通されている。そして、前記接続杆41,51は、接続手段(例えば、蓋板31に挿通させたリベット)8によって長手方向の他端側が蓋板31に固定されている。
【0057】
本実施形態に係る二次電池1は、正極集電部材6及び負極集電部材7が電池ケース3(ケース本体30)の内側において互いに対称的に配置されている。
【0058】
前記正極集電部材6は、蓋板31に固定されるベース600及び該ベース600の一端に連設されて発電要素2の幅方向の一端部(正極積層部21a)に沿って配置される発電要素添設部601を有する集電部材本体60と、発電要素添設部601を発電要素2の一端部(正極積層部21a)と連結するクリップ部材61とを備えている。
【0059】
前記正極集電部材6の集電部材本体60は、金属板を曲げ加工して形成されたもので、ベース600と発電要素添設部601とが一体的に成型されている。そして、本実施形態に係る正極集電部材6は、ベース600を電池ケース3の蓋板31の内面に沿わした状態で、発電要素添設部601が正極積層部21aに沿うように形成されている。本実施形態に係る正極集電部材6は、発電要素添設部601が略並列をなすように一対設けられており、発電要素2の一端側にある一対の正極積層部21a,21aのそれぞれに対して各発電要素添設部601,601を沿わせるようになっている。
【0060】
前記正極集電部材6のクリップ部材61は、金属板を二つ折りに曲げ加工したもので、発電要素2に対する接続箇所に応じた数量で設けられる。かかるクリップ部材61は、折り曲げ稜線を境にして互いに対向する一対の対向片610a,610bを備えている。そして、該クリップ部材61は、一対の対向片610a,610bにおける曲げ稜線の延びる方向の長さが発電要素添設部601と略同等の長さに設定されており、一対の対向片610a,610b間に発電要素添設部601とともに一方の正極積層部21aを介入させた状態で両対向片610a,610bを接近させるようにかしめて超音波溶着することで正極積層部21aと発電要素添設部601とを物理的に連結しつつ電気的に接続するようになっている(図2参照)。
【0061】
そして、上記構成の正極集電部材6(集電部材本体60)は、ベース600が前記接続手段8によって蓋板31に固定されるとともに、正極外部端子構造体4の接続杆41に電気的に接続されている。本実施形態に係る二次電池1は、接続手段8にリベットが採用されており、正極集電部材6のベース600、蓋板31、及び接続杆41に挿通したリベット8をかしめ処理することによって、正極集電部材6及び接続杆41が蓋板31に固定されつつ互いに電気的に接続されている。なお、本実施形態に係る二次電池1は、電池ケース3が導電性を有する金属材料で形成されているため、正極集電部材6(ベース600)と蓋板31との間、接続杆41と蓋板31との間、リベット8と蓋板31との間には電気絶縁性を有する絶縁パッキンPが介装されている。
【0062】
前記負極集電部材7は、蓋板31に固定されるベース700及び該ベース700の一端に連設されて発電要素2の幅方向の一端部(負極積層部21b)に沿って配置される発電要素添設部701を有する集電部材本体70と、発電要素添設部701を発電要素2の一端部(負極積層部21b)と連結するクリップ部材71とを備えている。
【0063】
前記負極集電部材7の集電部材本体70は、金属板を曲げ加工して形成されたもので、ベース700と発電要素添設部701とが一体的に成型されている。そして、本実施形態に係る負極集電部材7は、ベース700を電池ケース3の蓋板31の内面に沿わした状態で、発電要素添設部701が負極積層部21bに沿うように形成されている。本実施形態に係る負極集電部材7は、発電要素添設部701が略並列をなすように一対設けられており、発電要素2の一端側にある一対の負極積層部21b,21bのそれぞれに対して各発電要素添設部701,701を沿わせるようになっている。
【0064】
前記負極集電部材7のクリップ部材71は、金属板を二つ折りに曲げ加工したもので、発電要素2に対する接続箇所に応じた数量で設けられる。かかるクリップ部材71は、折り曲げ稜線を境にして互いに対向する一対の対向片710a,710bを備えている。そして、該クリップ部材71は、一対の対向片710a,710bにおける曲げ稜線の延びる方向の長さが発電要素添設部701と略同等の長さに設定されており、一対の対向片710a,710b間に発電要素添設部701とともに一方の負極積層部21bを介入させた状態で両対向片710a,710bを接近させるようにかしめて超音波溶着することで負極積層部21bと発電要素添設部701とを物理的に連結しつつ電気的に接続するようになっている(図2参照)。
【0065】
そして、上記構成の負極集電部材7(集電部材本体70)は、ベース700が前記接続手段8によって蓋板31に固定されるとともに、負極外部端子構造体5の接続杆41に電気的に接続されている。本実施形態に係る二次電池1は、接続手段8にリベットが採用されており、負極集電部材7のベース700、蓋板31、及び接続杆41に挿通したリベット8をかしめ処理することによって、負極集電部材7及び接続杆41が蓋板31に固定されつつ互いに電気的に接続されている。これにより、本実施形態に係る二次電池1は、発電要素2の正極板20aが正極集電部材6及び接続手段(リベット)8を介して正極外部端子構造体4(外部端子40)に導通し、発電要素2の負極板20bが負極集電部材7及び接続手段(リベット)8を介して負極外部端子構造体5(外部端子50)に導通している。
【0066】
なお、本実施形態に係る二次電池1は、電池ケース3が導電性を有する金属材料で形成されているため、負極集電部材7(ベース700)と蓋板31との間、接続杆41と蓋板31との間、リベット8と蓋板31との間には電気絶縁性を有する絶縁パッキンPが介装されている。
【0067】
以上のように、本実施形態に係る二次電池1は、発電要素2を収容した電池ケース3と、該電池ケース3の外部に配置された外部端子構造体4,5(外部端子40,50)と、発電要素2を外部端子40,50に電気的に接続するための集電部材6,7とを備え、正極板20aは、幅方向の一端部に正極活物質層の非形成領域からなる正極リード部L1が形成され、且つ、正極層形成領域A1の幅方向の両エッジE1,E1が負極層形成領域Bと重なるように正極活物質層が形成される一方、負極板20bは、幅方向の他端部に負極活物質層の非形成領域からなる負極リード部L2が形成され、前記正極リード部L1(正極積層部21a)及び負極リード部L2(負極積層部21b)のそれぞれに集電部材6,7が電気的に接続されているため、発電要素2と外部端子40,50とを通電させることができる。すなわち、上記構成の二次電池1は、発電要素2からの電気を外部端子40,50に供給(放電)できるとともに、外部端子40,50から発電要素2に対して電気を供給(充電)できる。
【0068】
そして、上記構成の二次電池1の正極板20aは、前記正極層形成領域A1における幅方向の両エッジE1,E1と隣接し、且つ負極層形成領域Bの幅方向の両エッジE2,E2と対向する領域に正極活物質層と異なる正極補助活物質層が形成されているため、正極板20a上の正極補助活物質層と負極板20b上の負極活物質層との間でも電荷を移動させることができる。これにより、上記構成の二次電池1は、正極活物質層と負極活物質層との間の電荷の移動に加え、正極補助活物質層と負極活物質層との間でも電荷が移動できるため、全体的な電気容量を高めることができる。
【0069】
そして、上記構成の二次電池1は、正極板20aにおける負極層形成領域Bと対向する領域が正極活物質層又は正極補助活物質層によって覆われているため、セパレータ20cが破損する等して正極板20aと負極板20bとが接触しても、該正極板20aを構成する導電性基材が負極板20b(負極層形成領域B)と直接接触することがなく、高い安全性が得られる。すなわち、正極板20aの導電性基材と負極板20bの負極活物質層とが接触すると大きな電流が流れるが、上記構成の二次電池1は、正極板20aの導電性基材に比べて抵抗の大きな正極補助活物質層が負極活物質層と対向するように形成されているため、セパレータ20cが破損する等して正極板20a(正極補助活物質層)と負極板20b(負極活物質層)とが接触しても電流が流れにくく、高い安全性が得られる。
【0070】
また、本実施形態において、前記正極補助活物質層は、該正極補助層形成領域A2における面積あたりの満充電時の電荷放出量が前記正極活物質層よりも低く設定されているため、負極板20b上(エッジE2近傍)の電析の発生が抑制される。すなわち、正極補助活物質層は、上述の如く、満充電時の電荷放出量が前記正極活物質層よりも低いため、該正極補助層形成領域A2のエッジE2と負極層形成領域BのエッジE2とを一致させたり、負極層形成領域BのエッジE2よりも正極補助層形成領域A2をはみ出させたりしても、負極板20b上(エッジE2近傍)の電析の発生が抑制される。
【0071】
さらに、本実施形態に係る二次電池1は、前記正極補助層形成領域A2の満充電時の電荷放出量の合計が、正極補助層形成領域A2と対向する負極板20bの負極層形成領域Bの満充電時の電荷吸蔵可能量よりも低く設定されているため、正極補助層形成領域A2のエッジE3と負極層形成領域BのエッジE2とを一致させたり、負極層形成領域BのエッジE2よりも正極補助層形成領域A2をはみ出させたりしても、負極板20b上(エッジE2近傍)における電析の発生が抑制される。
【0072】
すなわち、上記構成の正極補助層形成領域A2の満充電時の電荷放出量の合計が、該正極補助層形成領域A2と対向する負極板20bの負極層形成領域Bの満充電時の電荷吸蔵可能量よりも低く設定されているため、正極活物質層及び正極補助活物質層の電荷の全てが負極板20b(負極活物質層)に吸蔵されることになる。従って、正極活物質層及び正極補助活物質層からの電荷が余剰にならないため、負極活物質層上で電析が発生することが抑制される。
【0073】
また、本実施形態において、前記正極補助層形成領域A2は、負極板20b上の負極層形成領域Bの幅方向の両エッジE2,E2と重なるように、前記正極層形成領域A1に対して幅方向の両側に形成されているため、発電要素2の幅方向の両側に電気容量を高めることのできる正極補助活物質層が形成されることになる結果、二次電池全体の容量を高めることができる。
【0074】
さらに、前記正極補助活物質層は、導電性炭素材料がコーティングされているため、正極補助活物質層として導電性の低い活物質を用いた場合にも充放電が可能となる。そのため、正極補助活物質層と負極活物質層との間で電荷の移動が問題なく行われ、全体的な電気容量を高めることが可能となる。特に、一般に導電性が低いことが知られているオリビン構造を有する活物質は、導電性炭素材料をコーティングすることで、実質的な電気容量増加の効果を長期に亘って維持することができる。
【0075】
そして、本実施形態に係る二次電池1は、前記正極補助活物質層にオリビン構造を有する活物質が採用されているため、当該二次電池1の熱逸走を防止でき、安全性の高い電池とすることができる。すなわち、オリビン構造を有する活物質中の酸素原子は、リン原子と強く結合しているため、高温暴露時にも正極補助活物質層からの酸素放出が起こらず、当該二次電池1の熱逸走を防止でき、安全性の高い電池とすることができる。
【0076】
また、前記正極補助活物質層の満充電時の開路電位が前記正極活物質層の満充電時の開路電位よりも低く設定されているため、使用頻度の高い満充電近傍の電圧まで充電されたときには、前記正極補助活物質層は既に大部分の電荷を放出しているため、さらに充電を行った際の電荷放出量は正極活物質層に比べて少ない。そのため、充電末期状態の電池に大きな充電電流が印加されても、対向する負極層形成領域BのエッジE2部分への電荷移動量は少なくなるため、電析が起こりにくくなり、安全な電池となる。
【0077】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0078】
上記実施形態において、正極板20a及び負極板20bを積層状態で巻回した巻回型の発電要素2を備えた二次電池1について説明したが、これに限定されるものではなく、枚葉状の正極板と枚葉状の負極板とをセパレータを挟んで交互に積層した積層型の発電要素を備えた二次電池であってもよい。
【0079】
すなわち、図5(a)及び図5(b)に示す如く、導電性基材上に正極活物質層が形成された正極板20aと導電性基材上に負極活物質層が形成された負極板20bとがセパレータ20cを介して積層された発電要素2を備え、正極板20aは、少なくとも一部の端部に正極活物質層の非形成領域からなる正極リード部L1が形成され、且つ、正極活物質層の形成領域(正極層形成領域A1)を画定するエッジE4が負極活物質層の形成領域(負極層形成領域B)と重なるように正極活物質層(正極層形成領域A1)が形成され、負極板20bは、少なくとも一部の端部に負極活物質層の非形成領域からなる負極リード部L2が形成された二次電池1であってよい。
【0080】
この場合、前記正極板20aは、正極層形成領域A1を画定するエッジE4(E4a〜E4d)の少なくとも一部E4aと隣接し、且つ負極層形成領域Bを画定するエッジE5(E5a〜E5d)の少なくとも一部E5c,E5dと対向する領域に正極活物質層と異なる正極補助活物質層が形成されればよい。
【0081】
具体的に説明すると、積層型の発電要素2は、正極板20a及び負極板20bのそれぞれが平面視略四角形をなす枚葉状に形成される。そのため、正極板20aは、外形を画定する四辺のうちの一辺の端部(四つの端部のうちの何れか一つの端部)に正極活物質層の非形成領域(導電性基材のみ)からなる正極リード部L1が形成され、該正極リード部L1を除いた領域内に該領域の形状に則した四角形状の領域を画定するエッジE4(E4a〜E4d)で包囲された正極活物質層(正極層形成領域A1)が形成される。また、負極板20bは、外形を画定する四辺のうちの一辺の端部(四つの端部のうちの何れか一つの端部)に負極活物質層の非形成領域(導電性基材のみ)からなる負極リード部L2が形成され、該負極リード部L2を除いた領域内に、該領域の形状に則した四角形状の領域を画定するエッジE5(E5a〜E5d)で包囲され、且つ正極活物質層の形成領域(正極層形成領域A1)よりも広い面積の負極活物質層(負極層形成領域B)が形成される。
【0082】
そして、正極板20a及び負極板20bは、正極リード部L1と負極リード部L2とが重ならないように、負極層形成領域B内に正極層形成領域A1を位置させて重ね合わされる。すなわち、正極板20a及び負極板20bは、図5(a)に示す如く、正極リード部L1と負極リード部L2とが相反した配置になるように、負極層形成領域B内に正極層形成領域A1を位置させて重ね合わされたり、図5(b)に示す如く、正極リード部L1と負極リード部L2とが90°回転変位した配置になるように、負極層形成領域B内に正極層形成領域A1を位置させて重ね合わされたりされる。なお、この場合においても、正極リード部L1及び前記負極リード部L2のそれぞれが外部端子40,50に対して電気的に接続されることは言うまでもない。
【0083】
従って、積層型の発電要素2は、正極板20aの正極層形成領域A1の周囲が正極層形成領域A1を画定するエッジE4(E4a〜E4d)の少なくとも一部E4aと隣接し、且つ負極層形成領域Bを画定するエッジE5(E5a〜E5d)の少なくとも一部E5c,E5dと対向する領域となるため、当該領域の少なくとも一部に上記実施形態と同様の正極補助活物質層(正極補助層形成領域A2)が形成される。なお、図5(a)及び図5(b)に示す発電要素2は、一方向の一端側となる正極リード部L1と正極層形成領域A1との間のみに正極補助層形成領域A2を形成しているが、その反対側(一方向の他端側)や、一方向と直交する他方向の何れか一方の端部等に正極補助層形成領域A2を形成してもよい。
【0084】
このようにすることで、上記構成の二次電池1においても、上記実施形態と同様に、正極活物質層と負極活物質層との間の電荷の移動に加え、正極補助活物質層と負極活物質層との間でも電荷が移動できるため、全体的な電気容量を高めることができる。なお、この場合においても、上記実施形態と同様に、前記正極補助活物質層は、該正極補助活物質層の形成領域における面積あたりの満充電時の電荷放出量が前記正極活物質層よりも低く設定されていることが好ましいことは言うまでもない。また、前記正極補助活物質層の形成領域の満充電時の電荷放出量の合計が、該正極補助活物質層と対向する負極板の負極活物質層の形成領域の電荷吸蔵可能量よりも低く設定されることが好ましいことも言うまでもない。
【0085】
上記実施形態において、正極板20aの正極層形成領域A1の両側に正極補助層形成領域A2,A2を設けたが、これに限定されるものではなく、前記正極板20aにおいて、前記正極層形成領域A1における一方向の少なくとも何れか一方のエッジE1,E1と隣接し、且つ負極板20b上の負極層形成領域Bの一方向の少なくとも何れか一方のエッジE2,E2と対向する領域に正極活物質層と異なる正極補助活物質層(好ましくは、層形成領域における面積あたりの満充電時の電荷放出量が前記正極活物質層よりも低く設定された正極補助活物質層))が形成された正極補助層形成領域A2を形成してもよい。
【0086】
但し、正極補助層形成領域A2を一方向の一端側に形成する場合には、正極補助層形成領域A2は正極リード部L1と正極層形成領域A1との間に設けられ、正極補助層形成領域A2を一方向の他端側に形成する場合には、正極補助層形成領域A2は正極板20aの一方向の他端部に沿って形成されるとともに、負極板20b上の負極層形成領域Bの一方向の一端側にある一方のエッジE2が正極リード部L1と重なるように形成される。
【0087】
上記実施形態において、リチウムイオン二次電池を一例に説明したが、例えば、ナトリウムイオン二次電池や、マグネシウムイオン二次電池、カルシウムイオン二次電池等のロッキングチェア型の二次電池であってもよい。すなわち、本発明は、正極板20aと負極板20bとの間で電荷(金属系イオン)が移動することで充放電できる二次電池であればよい。
【0088】
このようにリチウムイオン二次電池以外の二次電池に採用した場合においても、正極板20aは、正極層形成領域A1における一方向の少なくとも何れか一方のエッジE1と隣接し、且つ負極層形成領域Bにおける一方向の少なくとも何れか一方のエッジE2と対向する領域に前記正極活物質層と異なる正極補助活物質層が形成されることは言うまでもない。
【0089】
また、前記正極補助層形成領域A2は、部分的に正極補助活物質層の非形成領域があったり、正極補助層形成領域A2の一方向における外側のエッジE3の一部が負極層形成領域BのエッジE2よりも正極層形成領域A1側に位置したり、正極層形成領域A1に対して部分的に隙間をあけた状態であったりしてもよい。このようにしても、負極層形成領域BのエッジE2と対向する領域の大部分に正極補助活物質層が形成されているため、正極活物質層と対向していない負極活物質層を有効活用して電気容量を向上させることができる。
【符号の説明】
【0090】
1…二次電池、2…発電要素、3…電池ケース、4…正極外部端子構造体(外部端子構造体)、5…負極外部端子構造体(外部端子構造体)、6…正極集電部材(集電部材)、7…負極集電部材(集電部材)、8…リベット(接続手段)、20a…正極板、20b…負極板、20c…セパレータ、21a…正極積層部、21b…負極積層部、21b,21b…負極積層部、30…ケース本体、31…蓋板、40,50…外部端子、41,51…接続杆、60,70…集電部材本体、61,71…クリップ部材、600,700…ベース、601,701…発電要素添設部、610a,610b,710a,710b…対向片、A1…正極層形成領域、A2…正極補助層形成領域、B…負極層形成領域、L1…正極リード部、L2…負極リード部、P…絶縁パッキン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性基材上に正極活物質層が形成された正極板と導電性基材上に負極活物質層が形成された負極板とがセパレータを介して積層された状態で巻回された発電要素を備え、正極板は、巻回方向と直交する一方向の一端部に正極活物質層の非形成領域からなる正極リード部が形成され、且つ、正極活物質層の形成領域の前記一方向の両エッジが負極活物質層の形成領域と重なるように正極活物質層が形成され、負極板は、前記一方向の他端部に負極活物質層の非形成領域からなる負極リード部が形成され、前記正極リード部及び負極リード部のそれぞれが外部端子に対して電気的に接続された二次電池において、前記正極板は、前記正極活物質層の形成領域における前記一方向の少なくとも何れか一方のエッジと隣接し、且つ負極活物質層の形成領域における前記一方向の少なくとも何れか一方のエッジと対向する領域に前記正極活物質層と異なる正極補助活物質層が形成されていることを特徴とする二次電池。
【請求項2】
導電性基材上に正極活物質層が形成された正極板と導電性基材上に負極活物質層が形成された負極板とがセパレータを介して積層された発電要素を備え、正極板は、少なくとも一部の端部に正極活物質層の非形成領域からなる正極リード部が形成され、且つ、正極活物質層の形成領域を画定するエッジが負極活物質層の形成領域と重なるように正極活物質層が形成され、負極板は、少なくとも一部の端部に負極活物質層の非形成領域からなる負極リード部が形成され、前記正極リード部及び前記負極リード部は、互いに重ならないように配置されてそれぞれが外部端子に対して電気的に接続された二次電池において、前記正極板は、前記正極活物質層の形成領域を画定するエッジの少なくとも一部と隣接し、且つ負極活物質層の形成領域を画定するエッジの少なくとも一部と対向する領域に前記正極活物質層と異なる正極補助活物質層が形成されていることを特徴とする二次電池。
【請求項3】
前記正極補助活物質層は、該正極補助活物質層の形成領域における面積あたりの満充電時の電荷放出量が前記正極活物質層よりも低く設定されている請求項1又は2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記正極補助活物質層の形成領域の満充電時の電荷放出量の合計が、該正極補助活物質層と対向する負極板の負極活物質層の形成領域の電荷吸蔵可能量よりも低く設定されている請求項1乃至3の何れか1項に記載の二次電池。
【請求項5】
前記正極補助活物質層の形成領域は、負極板上の負極活物質層の形成領域の一方向の両エッジと重なるように、前記正極活物質層の形成領域に対して一方向の両側に形成されている請求項1乃至4の何れか1項に記載の二次電池。
【請求項6】
前記正極補助活物質層は、導電性炭素材料がコーティングされている請求項1乃至5の何れか1項に記載の二次電池。
【請求項7】
前記正極補助活物質層は、オリビン構造を有する活物質である請求項1乃至6の何れか1項に記載の二次電池。
【請求項8】
前記正極補助活物質層の満充電時の開路電位は、前記正極活物質層の満充電時の開路電位よりも低く設定されている請求項1乃至7の何れか1項に記載の二次電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−54122(P2012−54122A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196336(P2010−196336)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(507151526)株式会社GSユアサ (375)
【Fターム(参考)】