説明

二次電池

【課題】容易な構造によって形成することができる高電圧の二次電池または大容量の二次電池を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る二次電池は、正極、負極、前記正極および前記負極の間に介在するセパレータ、および両側に突出して形成された一対の電極タップをそれぞれ含む複数の電極組立体と、前記複数の電極組立体を収容するケースと、それぞれの前記ケースの両側に形成された開口を覆う第1集電板および第2集電板と、それぞれの前記複数の電極組立体と前記第1集電板の間および前記複数の電極組立体と前記第2集電板の間に配置される第1絶縁板および第2絶縁板を含む。それぞれの前記一対の電極タップは、前記第1絶縁板および前記第2絶縁板にそれぞれ形成された第1貫通ホールおよび第2貫通ホールを貫通して折り曲げられ、前記複数の電極組立体が前記第1絶縁板および前記第2絶縁板に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二次電池に関し、より詳細には、高電圧および大容量の二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池(rechargeable battery)は、一次電池とは異なり、充電および放電が可能な電池であって、外部の電気エネルギーを化学エネルギーの形態に変えて貯蔵する充電過程と、化学エネルギーを電気エネルギーの形態に変えて用いる放電過程とを繰り返す。
【0003】
このような二次電池の代表的な例としては、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池などがあり、低容量の二次電池は携帯電話機やノートパソコン、およびビデオカメラのように携帯が可能な小型電子機器に幅広く用いられ、大容量の二次電池はハイブリッド自動車などのモータ駆動用電源および電力貯蔵用電池などに用いられている。
【0004】
特に、最近はハイブリッド自動車および電気自動車の開発が活発化するに伴い、高電圧二次電池および大容量二次電池の要求が増大している。
【0005】
このような高電圧二次電池または大容量の二次電池を製作するためには、電極組立体自体を大型で製造しなければならないが、このような高電圧および大容量二次電池は、製造工程が複雑であり、低容量の二次電池に比べて生産性が低下するという問題がある。これにより、容易な構造によって形成することができる高電圧二次電池および大容量の二次電池の開発が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述したような背景技術の問題点を解決するために案出されたものであって、容易な構造によって形成することができる高電圧の二次電池または大容量の二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る二次電池は、正極、負極、前記正極および前記負極の間に介在するセパレータ、および両側に突出して形成された一対の電極タップをそれぞれ含む複数の電極組立体と、前記複数の電極組立体を収容するケースと、それぞれの前記ケースの両側に形成された開口を覆う第1集電板および第2集電板と、それぞれの前記複数の電極組立体と前記第1集電板の間および前記複数の電極組立体と前記第2集電板の間に配置される第1絶縁板および第2絶縁板とを含む。それぞれの前記一対の電極タップは、前記第1絶縁板および前記第2絶縁板にそれぞれ形成された第1貫通ホールおよび第2貫通ホールを貫通して折り曲げられ、前記複数の電極組立体が前記第1絶縁板および前記第2絶縁板に固定される。
【0008】
前記電極タップは、前記正極と連結する正極タップと、前記負極と連結する負極タップとを含んでもよく、前記正極タップのうちの少なくとも1つは前記第1集電板と電気的に連結し、前記負極タップのうちの少なくとも1つは前記第2集電板と電気的に連結してもよい。
【0009】
前記複数の電極組立体は、互いに異なる極性の電極タップが互いに隣接するように収納され、互いに隣接する前記正極タップと前記負極タップが電気的に連結し、前記複数の電極組立体が電気的に直列連結するように構成されてもよい。
【0010】
前記複数の電極組立体は、同じ極性の電極タップが互いに隣接するように収納され、前記正極タップは隣接する前記正極タップと電気的に連結し、前記負極タップは隣接する前記負極タップと電気的に連結し、前記複数の電極組立体が電気的に並列連結するように構成されてもよい。
【0011】
前記複数の電極組立体のうちの隣接する一対の電極組立体の前記電極タップは、互いに反対方向に折り曲げられてもよい。
【0012】
互いに反対方向に折り曲げられる隣接する前記電極タップは、互いに重なって連結する重畳部を形成してもよい。
【0013】
前記電極タップのうちで重畳部が形成されない電極タップは、前記第1集電板または前記第2集電板と電気的に連結してもよい。
【0014】
前記第1集電板および前記第2集電板は、それぞれの前記ケースの内側に突出した第1絶縁部および第2絶縁部を含んでもよく、前記重畳部は、前記第1集電板の第1絶縁部または前記第2集電板の第2絶縁部と接触してもよい。
【0015】
前記電極タップは、前記正極と連結する正極タップおよび前記負極と連結する負極タップを含んでもよく、前記第1集電板および前記第2集電板は、それぞれの前記ケースの内側に突出した第1導電部および第2導電部をさらに含んでもよく、前記正極タップのうちの少なくとも1つは前記第1導電部と接触してもよく、前記負極タップのうちの少なくとも1つは前記第2導電部と接触してもよい。
【0016】
前記複数の電極組立体の前記電極タップは、同じ方向に折り曲げられてもよい。
【0017】
前記ケースには、前記複数の電極組立体が挿入する複数の挿入ホールが形成されてもよい。
【0018】
それぞれの前記複数の挿入ホールは、前記複数の電極組立体と同じ断面形状を有してもよい。
【0019】
前記第2絶縁板は、前記ケースと一体に形成されてもよい。
【0020】
前記ケースは、絶縁材質で形成されてもよい。
【0021】
それぞれの前記複数の電極組立体は、前記正極、前記負極、および前記セパレータが巻取られたゼリーロール形態で形成されてもよい。
【0022】
前記第1絶縁板または前記第2絶縁板はそれぞれ、前記第1集電板または前記第2集電板に固定して一体に形成されてもよい。
【0023】
前記第1絶縁板の両側周縁に溝が形成され、前記第1集電板の両側周縁において、前記第1絶縁板と対向する方向に突出した突起が形成され、前記突起が前記溝に結合して前記第1絶縁板と前記第1集電板が一体に固定されてもよい。
【0024】
前記第1絶縁板はポリマー層からなり、前記第1集電板は金属層からなり、前記金属層とポリマー層は互いに接着してラミネート積層体を構成し、前記金属層に前記第1絶縁板の前記第1貫通ホールに対応する溝部が形成されてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一実施形態によれば、高電圧二次電池または大容量の二次電池を容易な構造によって形成することで、二次電池の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態に係る二次電池の概略的な断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る二次電池の分解斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る二次電池の電極組立体の斜視図である。
【図4A】本発明の第1実施形態に係る二次電池の電極タップが連結した形状を示す図である。
【図4B】本発明の第1実施形態に係る二次電池の電極タップが連結した形状を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る二次電池の電極タップと集電板が連結する状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る二次電池の概略的な断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る二次電池の部分分解斜視図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る二次電池の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。
【0028】
本発明を明確に説明するために、本発明と関係のない部分についてはその説明を省略し、本明細書および図面において同じ構成要素には同じ参照符号を付与する。また、図面に示す各構成の大きさなどは、説明の便宜のために任意に示したものであり、本発明が必ずしも示されたものに限定されることはない。
【0029】
一方、本明細書において、ある部分が他の部分と「連結」しているとするとき、これは「直接的に連結」する場合だけではなく、その中間に他の素子をおいて「電気的に連結」する場合も含む。
【0030】
図1は、本発明の第1実施形態に係る二次電池の概略的な断面図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る二次電池の分解斜視図である。
【0031】
図1および図2を参照すれば、本実施形態に係る二次電池100は、複数の電極組立体10と、複数の電極組立体10を収容するケース20とを含む。また、電極組立体10と電気的に連結する集電板50、60と、集電板50、60と電極組立体10の間に配置される絶縁板30、40とを含む。
【0032】
本実施形態では、電極組立体10としてゼリーロール(jellyroll)形態の電極組立体を用いる。
【0033】
図3は、本発明の第1実施形態に係る二次電池の電極組立体の斜視図であって、先ずこれを参照しながら本実施形態に係る電極組立体について説明する。
【0034】
図3を参照すれば、本実施形態に係る電極組立体10は、正極11、負極12、およびその間に介在するセパレータ13を含み、これらを巻き取った円形のゼリーロール形態で形成される。
【0035】
電極組立体10の両側には、一対の電極タップ14、15が突出して形成される。電極タップ14、15は、正極11と電気的に連結する正極タップ14と、負極12と電気的に連結する負極タップ15とを含む。具体的に、正極タップ14および負極タップ15はそれぞれ、正極11および負極12に形成された正極無地部(図示せず)および負極無地部(図示せず)に連結する。
【0036】
セパレータ13は、正極11と負極12の間に短絡が発生することを抑制し、電極組立体10を外部と絶縁させる役割を行う。電極組立体10の外部には、外部との短絡を防ぐために、正極11および負極12が露出した部分に絶縁テープ(図示せず)を付着してもよい。
【0037】
一方、本発明がこれに限定されるものではなく、電極組立体が円形ではない多様な形状のゼリーロールで形成されてもよい。
【0038】
再び図1および図2を参照すれば、ケース20の内部には、電極組立体10が挿入する複数の挿入ホール21が形成される。挿入ホール21は、電極組立体10を固定的に収納することができるように、電極組立体10と同じ断面形状を有してもよい。本実施形態では、円形のゼリーロール形態の電極組立体10を用いているため、挿入ホール21は円筒形の中空で形成されてもよい。
【0039】
ケース20は、電気的に絶縁性物質で形成されてもよい。一例として、ケース20は、ポリエチレン(polyethylene:PE)、ポリプロピレン(polypropylene:PP)、ポリエチレンテレフタレート(polyethyleneterephthalate:PET)などの絶縁性樹脂で形成されてもよい。
【0040】
本実施形態では、複数の電極組立体10を直列に連結するために、隣接する電極組立体10の電極タップ14、15の極性が互いに異なるように配置される。すなわち、いずれか1つの電極組立体10の上部および下部に正極タップ14および負極タップ15が形成されるとき、それに隣接する電極組立体10の上部および下部には負極タップ15および正極タップ14が形成され、電極組立体10が配置された方向に沿って正極タップ14および負極タップ15が交差するように配置される。したがって、互いに隣接する前記正極タップ14と前記負極タップ15が電気的に連結し、前記複数の電極組立体10が電気的に直列連結するようになる。
【0041】
ケース20に複数の電極組立体10を収容するために、ケース20の両側に開口が形成され、第1集電板50および第2集電板60がそれぞれ、電極組立体10が収納されたケース20の両側の開口を覆う。
【0042】
第1集電板50および第2集電板60は、ケース20内部を密閉すると同時に、それぞれ電極組立体10の正極11および負極12と電気的に連結し、電極組立体10で発生した電流を外部に連結する正極端子および負極端子の役割を行う。このために、第1集電板50および第2集電板60は、アルミニウムや銅などの金属で形成されてもよい。
【0043】
本実施形態によれば、第1集電板50には、ケース20の内側に突出した第1導電部51および第1絶縁部52が形成され、第2集電板60には、ケース20の内側に突出した第2導電部61および第2絶縁部62が形成される。これにより、第1導電部51と正極タップ14の接触によって正極11と第1集電板50が電気的に連結し、第2導電部61と負極タップ15の接触によって負極12と第2集電板60が電気的に連結する。このような電極タップ14、15と集電板50、60の間の具体的な連結関係については、後述して説明する。
【0044】
一方、本実施形態では、第1集電板50が正極11と連結して第2集電板60が負極12と連結するものと例示しているが、これとは反対に、第1集電板が負極と連結して第2集電板が正極と連結する構成も可能である。
【0045】
本実施形態によれば、第1集電板50と複数の電極組立体10の間には第1絶縁板30が配置され、第2集電板60と複数の電極組立体10の間には第2絶縁板40が配置される。
【0046】
第1絶縁板30および第2絶縁板40にはそれぞれ、ケース20内部に収納された電極組立体10の電極タップ14、15が外部に連結されるように、第1貫通ホール31および第2貫通ホール41が形成される。また、電極組立体10の電極タップ14、15は、絶縁板30、40の貫通ホール31、41を貫通して折り曲げられる。
【0047】
このような構成によって電極組立体10が絶縁板30、40に固定されるようになり、後述するように、電極タップ14、15の間の別途の接合工程がなくても、隣接する電極組立体10を連結できるようになる。
【0048】
絶縁板30、40の貫通ホール31、41は、電極タップ14、15が貫通して電極組立体10を固定させる役割の他にも、その形状および大きさを調節することにより、電極組立体10が収納されたケース20の内部に電解液を注入する電解液注入口の役割を行ってもよい。これにより、本実施形態に係る二次電池100には、別途の電解液注入口を形成する必要がなくなる。
【0049】
第1絶縁板30および第2絶縁板40は、ケース20と同じ絶縁性物質で形成されてもよい。
【0050】
一方、本実施形態では、第1絶縁板30はケース20とは別途に形成され、電極組立体10がケース20内部に収納された後にケース20の内側と接合してもよい。具体的に、第1絶縁板30を配置した後、ケース20と接触する部分に接着剤を塗布して接合してもよい。また、ケース20の内側に溝を形成し、これに対応するように第1絶縁板30に突出部を形成し、第1絶縁板30の突出部がケース20内側の溝に嵌合する方式によって結合してもよい。
【0051】
この反面、第2絶縁板40は、ケース20と一体に形成されてもよい。電極組立体10は、第1絶縁板30が配置されるケース20の一側に収納されるため、ケース20を形成する過程において第2絶縁板40を一体に形成してもよい。これによれば、第2絶縁板40を別途に形成して接合する工程を省略することにより、製造工程を簡単にすることができる。しかし、工程によっては、第2絶縁板40を別途に形成し、第1絶縁板30の場合と同じ方式によってケース20に接合することも可能である。
【0052】
第1集電板50および第2集電板60は、電極組立体10が収納されて第1絶縁板30がケース20に接合した後、ケース20の開口を覆うようにケース20と結合してもよい。このとき、これらの間の結合も、第1絶縁板30の場合と同じように、接着剤を用いたり機械的な結合によって行われてもよい。
【0053】
一方、集電板50、60をケース20に接合する過程において、電解液がケース20内部に注入されなければならない。これにより、第2集電板60を先にケース20に接合して電解液をケース20内部に注入した後、残りの第1集電板50をケース20に接合する方式によって順に工程を進めてもよい。
【0054】
以下、図4A〜図5を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る二次電池の電極タップと集電板の連結構造を具体的に説明する。
【0055】
図4Aおよび図4Bはそれぞれ、本発明の第1実施形態に係る二次電池の電極タップが連結した形状を、第1絶縁板の上部および第2絶縁板の下部から見た図である。図5は、本発明の第1実施形態に係る二次電池の電極タップと集電板が連結する状態を示す斜視図である。
【0056】
図4Aおよび図4Bを参照すれば、電極組立体の電極タップ14、15は、第1貫通ホール31および第2貫通ホール41を経て、第1絶縁板30および第2絶縁板40の外部に突出して折り曲げられる。
【0057】
ケースの上部から見るとき、右側の6つの電極タップ14、15は折り曲げられ、正極タップ14および負極タップ15が一対をなして重なって重畳部を形成する。また、ケースの下部から見るとき、左側の6つの電極タップ14、15は折り曲げられ、正極タップ14および負極タップ15が一対をなして重なって重畳部を形成する。
【0058】
このために、本実施形態では、隣接する電極タップ14、15が折り曲げられる方向を互いに反対方向に設定する。また、1つの電極組立体において、正極タップ14と負極タップ15が折り曲げられる方向も互いに反対方向に設定する。
【0059】
図5は、ケースの上段から電極タップと集電板が連結する状態を見た図であって、ケースの下段における連結状態はこれと同じであるため、これについては簡略に説明する。
【0060】
図5を参照すれば、電極タップ14、15は、第1絶縁板30の第1貫通ホール31に挿入して折り曲げられ、隣接する電極タップ14、15は互いに反対方向に折り曲げられることにより、正極タップ14と負極タップ15が一対をなして重なって重畳部16を形成する。本実施形態では、負極タップ15が正極タップ14上に重なる構成を例示したが、隣接する電極タップ14、15が重なって接触できれば十分であって、正極タップ14が負極タップ15上に重なる構成も可能である。
【0061】
このように、正極タップ14と負極タップ15が一対をなして重畳部16が形成されれば、第1集電板50がケースの開口に結合して第1絶縁板30の上部に配置される。
【0062】
第1集電板50には、ケースの内側に向かって突出した第1導電部51および第1絶縁部52が形成されるが、第1導電部51は一対をなさない正極タップ14の位置に対応して形成され、第1絶縁部52は正極タップ14と負極タップ15が一対をなして重畳部16が形成される位置に対応して形成される。
【0063】
これにより、第1集電板50がケースの開口に結合しながら第1導電部51が正極タップ14と接触し、第1集電板50を電極組立体10の正極と電気的に連結させる。第1絶縁部52は、隣接する正極タップ14と負極タップ15が連結する重畳部16と接触して短絡が起こることを防ぐ。また、第1絶縁部52は、第1集電板50がケースの開口に結合された状態で重畳部16を加圧するため、隣接する正極タップ14と負極タップ15の連結が解除することを抑制する。
【0064】
一方、電極タップ14、15と第2集電板の結合も、このような方式によって行われる。すなわち、第2集電板は、ケースの内側に形成された第2導電部および第2絶縁部を含み、第2集電板がケースの開口に結合しながら第2導電部が負極タップ15と接触し、第2絶縁部は隣接する正極タップと負極タップが連結する重畳部と接触して短絡が起こることを防ぐ。第2絶縁部も、第2集電板がケースの開口に結合された状態で重畳部を加圧するため、隣接する正極タップ14と負極タップ15の連結が解除することを抑制する。
【0065】
このように、隣接する電極組立体10を連結することによって複数の電極組立体10を直列に連結することができ、これによって高電圧の二次電池100を形成できるようになる。
【0066】
また、電極組立体10を直列に連結する過程において、溶接などの電極タップ接合工程の必要がなくなるため、高電圧二次電池100の製造工程を簡単に行うことができ、これによって二次電池100の生産性を向上できるようになる。
【0067】
一方、本実施形態では、二次電池が7つの電極組立体を含むことを例示しているが、二次電池に含まれる電極組立体の数は、二次電池の用途や使用目的などに適した出力電圧を得るために、多様に変更してもよい。
【0068】
図6は、本発明の第2実施形態に係る二次電池の概略的な断面図であって、以下ではこれを参照しながら、本発明の他の実施形態に係る二次電池の構成について説明する。第2実施形態を説明するにあたり、第1実施形態と同一または類似する構成については、それを簡略に説明したり、その説明を省略したりする。
【0069】
本実施形態に係る二次電池101は、複数の電極組立体10と、これらを収容するケース20とを含む。また、電極組立体10と電気的に連結する集電板150、160と、集電板150、160と電極組立体10の間に配置される絶縁板30、40とを含む。
【0070】
それぞれの電極組立体10はゼリーロール形態で形成され、これらはケース20の内部に形成された挿入ホールに収納される。
【0071】
本実施形態では、複数の電極組立体10を並列に連結するために、同じ極性の電極タップ14、15が隣接するように電極組立体10が収納配置される。すなわち、図6を基準としてケース20の上側には正極タップ14が配置され、ケース20の下側には負極タップ15が配置される。したがって、前記正極タップ14は隣接する正極タップ14と電気的に連結し、前記負極タップ15は隣接する負極タップ15と電気的に連結し、前記複数の電極組立体が電気的に並列連結することができる。
【0072】
絶縁板30、40は電極組立体10の両側を覆うように配置され、電極組立体10の正極タップ14は第1絶縁板30の第1貫通ホールを経てケース20の上側に突出して折り曲げられ、負極タップ15は第2絶縁板40の第2貫通ホールを経てケース20の下側に突出して折り曲げられる。
【0073】
本実施形態では、電極タップ14、15が折り曲げられる方向は互いに同じように設定し、隣接する電極タップ14、15が重ならない。しかし、第1実施形態のように、隣接する電極タップ14、15を重ねて重畳部を形成することも可能である。
【0074】
第1集電板150および第2集電板160はそれぞれ、ケース20の上側および下側に形成された開口を覆うようにケース20と結合し、それぞれ第1絶縁板30および第2絶縁板40を貫通して折り曲げられた正極タップ14および負極タップ15と接触する。
【0075】
これにより、第1集電板150は電極組立体10の正極と電気的に連結し、第2集電板160は電極組立体10の負極と電気的に連結し、それぞれ正極端子および負極端子の役割を行うことができる。
【0076】
また、第1集電板150および第2集電板160は、ケース20の開口に結合した状態でそれぞれ正極タップ14および負極タップ15を加圧するため、電極組立体10と集電板150、160の連結が解除することを抑制する。
【0077】
このように、本実施形態では、電極組立体10を並列連結することにより、大容量の二次電池101を形成できるようになる。
【0078】
また、電極組立体10を並列に連結する過程において、溶接などの別途の接合工程の必要がなくなり、大容量の二次電池101の製造工程を簡単に行うことができ、これによって二次電池101の生産性が向上されるようになる。
【0079】
一方、前記実施形態では、第1絶縁板または第2絶縁板が前記第1集電板または前記第2集電板と分離して形成される構造を説明したが、前記第1絶縁板または前記第2絶縁板はそれぞれ、前記第1集電板または前記第2集電板に固定して一体に形成される構造も可能であり、これも本発明の範囲に属する。
【0080】
以下、図7および図8を参照しながら、集電板および絶縁板が一体に形成された実施形態について説明する。
【0081】
図7は、本発明の第3実施形態に係る二次電池の部分分解斜視図である。本発明の第3実施形態を説明するにあたり、第1実施形態と同一または類似する構成については、それを簡略に説明したり、その説明を省略したりする。
【0082】
本実施形態に係る二次電池102は、複数の電極組立体210と、これらを収容するケース(図示せず)とを含む。また、電極組立体210と電気的に連結する第1集電板250と、前記第1集電板250と電極組立体210の間に配置される第1絶縁板230とを含む。前記第1集電板250には、ケースの内側に突出した第1導電部251と第1絶縁部252が形成されてもよい。
【0083】
本実施形態では、複数の電極組立体210を直列に連結するために、隣接する電極組立体210の電極タップ214、215の極性が互いに異なるように配置される。すなわち、いずれか1つの電極組立体210の上部および下部に正極タップ214および負極タップ215が形成されるとき、それに隣接する電極組立体210の上部および下部には負極タップ215および正極タップ214が形成され、電極組立体210が配置された方向に沿って正極タップ214および負極タップ215が交差するように配置される。したがって、互いに隣接する正極タップ214と負極タップ215が電気的に連結し、複数の電極組立体210が電気的に直列連結するようになる。このとき、正極タップと負極タップが重なって重畳部216を形成してもよい。
【0084】
前記第1集電板250の両側周縁には、前記第1絶縁板230と対向する方向に突起253が形成され、前記第1絶縁板230の両側周縁には溝232が形成され、前記突起253が前記溝232に結合固定することにより、前記第1集電板250と第1絶縁板230は一体に形成されてもよい。
【0085】
図8は、本発明の第4実施形態に係る二次電池103の部分断面図である。本実施形態を説明するにあたり、前記第1実施形態と同一または類似する構成については、それを簡略に説明したり、その説明を省略したりする。
【0086】
本実施形態に係る二次電池103は、複数の電極組立体310と、これらを収容するケース320とを含む。本実施形態において、集電板と絶縁板はラミネート積層体380であって、互いに固定して一体に形成されてもよい。
【0087】
ラミネート積層体380は、金属層350(集電板)と、前記金属層350の両面に接合された第1ポリマー層370および第2ポリマー層330(絶縁板)とで構成される。前記金属層350は、アルミニウム、ステンレススチール、またはアルミニウムと銅が接合したクラッドメタル(clad−metal)で形成されてもよい。すなわち、前記金属層350は集電板として機能し、前記第2ポリマー層330は絶縁板として機能してもよい。
【0088】
前記金属層350の下部には複数の溝部が形成され、第1絶縁部352が前記溝部の内部に結合する。第1絶縁部352は前記溝形状で形成され、その内部には正極タップ314および負極タップ315が収容されるようになる。第2ポリマー層330には貫通ホールが形成され、正極タップ314および負極タップ315が前記貫通ホールを通るように形成されてもよい。
【0089】
このようなラミネート積層体380は、射出成形などの工法を活用して製造されてもよく、電極組立体310の上部と下部にそれぞれ形成されてもよい。
【0090】
以上、本発明を好ましい実施形態を参照しながら説明したが、本発明がこれらの実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲の記載によって決定されるものであって、特許請求の範囲の概念と範囲を逸脱しない限り多様な修正および変形が可能であるということは、本発明が属する技術分野に従事する者であれば容易に理解できるであろう。
【符号の説明】
【0091】
100、101:二次電池
10:電極組立体
11:正極
12:負極
13:セパレータ
14:正極タップ
15:負極タップ
16:重畳部
20:ケース
21:挿入ホール
30:上部絶縁板
31:第1貫通ホール
40:下部絶縁板
41:第2貫通ホール
50、150:第1集電板
51:第1導電部
52:第1絶縁部
60、160:第2集電板
61:第2導電部
62:第2絶縁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極、負極、前記正極および前記負極の間に介在するセパレータ、および両側に突出して形成された一対の電極タップをそれぞれ含む複数の電極組立体、
前記複数の電極組立体を収容するケース、
それぞれの前記ケースの両側に形成された開口を覆う第1集電板および第2集電板、および
それぞれの前記複数の電極組立体と前記第1集電板の間および前記複数の電極組立体と前記第2集電板の間に配置される第1絶縁板および第2絶縁板、
を含み、
それぞれの前記一対の電極タップは、前記第1絶縁板および前記第2絶縁板にそれぞれ形成された第1貫通ホールおよび第2貫通ホールを貫通して折り曲げられ、前記複数の電極組立体が前記第1絶縁板および前記第2絶縁板に固定される、二次電池。
【請求項2】
前記電極タップは、前記正極と連結する正極タップおよび前記負極と連結する負極タップを含み、
前記正極タップのうちの少なくとも1つは前記第1集電板と電気的に連結し、前記負極タップのうちの少なくとも1つは前記第2集電板と電気的に連結する、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記複数の電極組立体は、互いに異なる極性の電極タップが互いに隣接するように収納され、
互いに隣接する前記正極タップと前記負極タップが電気的に連結し、前記複数の電極組立体が電気的に直列連結する、請求項2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記複数の電極組立体は、同じ極性の電極タップが互いに隣接するように収納され、
前記正極タップは隣接する前記正極タップと電気的に連結し、前記負極タップは隣接する前記負極タップと電気的に連結し、前記複数の電極組立体が電気的に並列連結する、請求項2に記載の二次電池。
【請求項5】
前記複数の電極組立体のうちの隣接する一対の電極組立体の前記電極タップは、互いに反対方向に折り曲げられる、請求項1に記載の二次電池。
【請求項6】
互いに反対方向に折り曲げられる隣接する前記電極タップは、互いに重なって連結する重畳部を形成する、請求項5に記載の二次電池。
【請求項7】
前記電極タップのうちで重畳部が形成されない電極タップは、前記第1集電板または前記第2集電板と電気的に連結する、請求項6に記載の二次電池。
【請求項8】
前記第1集電板および前記第2集電板はそれぞれ、前記ケースの内側に突出した第1絶縁部および第2絶縁部を含み、
前記重畳部は、前記第1集電板の第1絶縁部または前記第2集電板の第2絶縁部と接触する、請求項6に記載の二次電池。
【請求項9】
前記電極タップは、前記正極と連結する正極タップおよび前記負極と連結する負極タップを含み、
前記第1集電板および前記第2集電板はそれぞれ、前記ケースの内側に突出した第1導電部および第2導電部をさらに含み、
前記正極タップのうちの少なくとも1つは前記第1導電部と接触し、
前記負極タップのうちの少なくとも1つは前記第2導電部と接触する、請求項8に記載の二次電池。
【請求項10】
前記複数の電極組立体の前記電極タップは、同じ方向に折り曲げられる、請求項1に記載の二次電池。
【請求項11】
前記ケースには、前記複数の電極組立体が挿入する複数の挿入ホールが形成される、請求項1に記載の二次電池。
【請求項12】
それぞれの前記複数の挿入ホールは、前記複数の電極組立体と同じ断面形状を有する、請求項11に記載の二次電池。
【請求項13】
前記第2絶縁板は、前記ケースと一体に形成される、請求項1に記載の二次電池。
【請求項14】
前記ケースは、絶縁材質で形成される、請求項1に記載の二次電池。
【請求項15】
それぞれの前記複数の電極組立体は、前記正極、前記負極、および前記セパレータが巻取られたゼリーロール形態で形成される、請求項1に記載の二次電池。
【請求項16】
前記第1絶縁板または前記第2絶縁板はそれぞれ、前記第1集電板または前記第2集電板に固定して一体に形成される、請求項1に記載の二次電池。
【請求項17】
前記第1絶縁板の両側周縁に溝が形成され、
前記第1集電板の両側周縁において、前記第1絶縁板と対向する方向に突出した突起が形成され、
前記突起が前記溝に結合して前記第1絶縁板と前記第1集電板が一体に固定される、請求項16に記載の二次電池。
【請求項18】
前記第1絶縁板はポリマー層からなり、
前記第1集電板は金属層からなり、
前記金属層とポリマー層は互いに接着されてラミネート積層体を構成し、
前記金属層に前記第1絶縁板の前記第1貫通ホールに対応する溝部が形成される、請求項16に記載の二次電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−38055(P2013−38055A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239148(P2011−239148)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】