説明

二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。

【課題】ポリアミド溶融樹脂フィルムを冷却固化する回転式冷却ロールの汚れをコンパクトな装置で除去でき、かつ、安定した静電密着を実施できるため、傷が少なく、厚みの均一性に優れる二軸延伸ポリアミドフィルムを製造する方法を提供する。
【解決手段】ポリアミド溶融樹脂フィルムを回転式冷却ロール3上にキャストして、次いで表面が水分保持性材料からなるクリーニングロール6の表面に水分を補給しつつクリーニングロール6の表面を回転式冷却ロール3上にキャストされた冷却固化過程にあるポリアミドフィルムの少なくとも両端部に接触させ、次いでポリアミドフィルムを冷却固化した後、前記クリーニングロールが接触した部分にエアーを吹き付けることで付着した水分を除去して未延伸ポリアミドフィルムを得て、得た未延伸ポリアミドフィルムを二軸延伸する二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法に関するものである。更に詳細には溶融樹脂フィルムを冷却固化する回転式冷却ロール(特に、溶融樹脂フィルム端部が接触する周辺)の有機物汚れが少なく、溶融樹脂フィルムの両端部が効率的に冷却されるため、未延伸ポリアミドフィルムの両端部の高結晶化が抑制され、その結果、延伸性(特に、縦延伸工程後の横延伸工程での延伸性)が優れるため、厚みの均一性に優れた二軸延伸ポリアミドフィルムを安定的に製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、熱可塑性溶融樹脂フィルムを冷却固化する冷却ロールの汚れを回避する方法として、溶媒を含願させたフェルトを冷却ロールに接触させながら、ロールに付着した溶剤を吸引する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特公昭48−4465号公報
【0003】
しかしながら、この方法は、ポリアミド溶融樹脂フィルムを冷却固化する回転式冷却ロールの汚れを除去する効果が十分ではなく、さらに、汚れ除去効果が低下した際に汚れ除去装置を交換する場合、製膜を中断しなければならないという問題があった。
【0004】
かかる問題を回避するため(汚れ除去効果の大きい方法として)、熱可塑性溶融樹脂フィルムを冷却固化する冷却用無端ベルトに洗剤溶液を連続供給したスポンジクリーナーを押圧し、押圧部分より下流側でノズルより水を噴射して洗い流す方法が開示されている。(例えば、特許文献2参照)
【特許文献2】特開平8−66954号公報
【0005】
しかしながら、この方法は、装置が大がかりであり、さらに、静電密着法で溶融樹脂フィルムを回転式冷却ロールに押圧する方法では静電密着部分でスパークが起こりやすく、このスパークにより未延伸フィルムが破断し、製膜を中断しなければならないという問題があった。
【0006】
かかる問題を回避するため(コンパクトな装置で汚れを除去でき、かつ、安定した静電密着を実施できる方法)として、スポンジパッドを押圧する方法(例えば、特許文献3参照)や粘着ロールを押圧する方法(例えば、特許文献4参照)が開示されている。
【特許文献3】実開昭63−180218号公報
【特許文献4】特開2000−2470号公報
【0007】
しかしながら、これらの方法では、一旦除去した汚れが、再度、回転式冷却ロールに転写し、溶融樹脂フィルムの冷却斑を発生させ、この冷却斑に起因した結晶化度のバラツキにより延伸性が低下し、二軸延伸フィルムの厚みの均一性が低下しやすいという問題があった。さらに、回転式冷却ロールに転写した汚れが未延伸フィルムに再転写され、次工程の縦延伸工程のロールに堆積し、この堆積物によりロールとフィルムとの密着力が低下し、フィルムがロール上で滑り、その滑りにより擦り傷が発生することが多いという問題もあった。従って、これらの方法は回転式冷却ロールの汚れを除去する方法として満足されるものではなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来技術の課題を背景になされたものであって、ポリアミド溶融樹脂フィルム膜を冷却固化する回転式冷却ロールの汚れをコンパクトな装置で除去でき、かつ、安定した静電密着を実施できるため、傷が少なく、厚みの均一性に優れる二軸延伸ポリアミドフィルムを安定的に製造する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記課題を解決のため鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の構成よりなる。
(1) ポリアミド溶融樹脂フィルムを回転式冷却ロール上にキャストして冷却固化させて得た未延伸ポリアミドフィルムを二軸延伸する二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法において、表面が水分保持性材料からなるクリーニングロールの表面に水分を補給しつつクリーニングロールの表面を回転式冷却ロール上にキャストされた冷却固化過程にあるポリアミドフィルムの少なくとも両端部に接触させ、次いでポリアミドフィルムを冷却固化した後、前記クリーニングロールが接触した部分にエアーを吹き付けることで付着した水分を除去して未延伸ポリアミドフィルムを得ることを特徴とする二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
(2) クリーニングロール、水槽及び水切りロールより構成されるクリーニングユニットを用いてクリーニングロールの表面に水分を補給することを特徴とする(1)に記載の二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
(3) クリーニングロールの一方の端部が回転式冷却ロール上にあり、かつ、他方の端部が冷却固化過程にある樹脂フィルムの端部から0.1〜1.5cmの位置にある(1)又は(2)に記載の二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
(4) クリーニングユニットの水槽の供給水の給排水速度が0.5L/分以上であり、供給水の温度が10〜80℃である(1)〜(3)いずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
(5) 冷却固化後の未延伸ポリアミドフィルムのクリーニングロールが接触した部分に吹き付けるエアーの風速が100〜500m/秒である(1)〜(4)いずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
(6) 回転式冷却ロールの円周方向からみて、クリーニングロールが回転式冷却ロールに接触した位置から0.1〜1.0cm押込まれた位置にある(1)〜(5)いずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
(7) クリーニングロールがステンレス製ロールの表面に長繊維よりなる不織布又はスポンジを巻きつけた構造である(1)〜(6)いずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
(8) クリーニングユニットの水切りロールがステンレス製のフリーロールである(2)〜(7)いずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
(9) クリーニングロールの下部面1/6〜1/3を連続的に水が給排水される水槽に浸漬した状態で回転させる(2)〜(8)いずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の製造方法では、回転式冷却ロールへ付着する有機物の汚れ(ポリアミド樹脂の低分子量物、例えば、ポリアミド樹脂製造時の未反応物、副生成物、押出機内からダイス間で加熱により発生した分解物、各種添加剤等)をコンパクトな装置で効率的に除去でき、かつ、製膜中でもクリーニングユニットを交換できるため、生産性を向上させることができる。さらに、未延伸ポリアミドフィルムの両端部の高結晶化が抑制され、その結果、延伸性(特に、縦延伸工程後の横延伸工程での延伸性)が優れるため、厚みの均一性に優れた二軸延伸ポリアミドフィルムを安定的に製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明について、実施の形態とともに詳細に説明する。
本発明の製造方法では、ポリアミド溶融樹脂フィルムを回転式冷却ロール上にキャストして冷却固化させる際、回転式冷却ロール上にキャストされた冷却固化過程にあるポリアミドフィルムの少なくとも両端部に表面が水分保持性材料からなるクリーニングロールの表面に水分を補給しつつ接触させることが必要である。冷却固化過程にあるポリアミドフィルムとは、前記ポリアミド溶融樹脂フィルムが回転式冷却ロールに接触した位置より下流側でかつ両端部から白煙が発生しない位置との間である。
表面が水分保持性材料からなるクリーニングロールを接触した部分は、ポリアミドフィルムを冷却固化した後、エアーを吹き付けることで付着した水分を除去する必要がある。
【0012】
ポリアミド溶融樹脂フィルムが回転式冷却ロールに接触する前にクリーニングロールを接触させた場合、スパークが発生し、未延伸ポリアミドフィルムが破断するため好ましくない。また、ポリアミド溶融樹脂フィルムの両端部から白煙が発生しなくなった後の冷却固化過程後のポリアミドフィルムにクリーニングロールを接触させた場合、ポリアミド溶融樹脂フィルムから発生する有機物の汚れ(ポリアミド溶融樹脂からの揮発物:残存モノマー、オリゴマー、各種添加剤など)を十分に水に溶解させることができないため、汚れが回転式冷却ロールに残るため好ましくない。
【0013】
また、本発明の製造方法においては、冷却固化過程後のポリアミドフィルムにクリーニングロールを接触させ、冷却固化後の未延伸ポリアミドフィルムの前記クリーニングロールが接触した部分にエアーを100〜500m/秒の風速で吹き付けて水分を除去することが、必要である。水分を除去することで結露に起因する斑やスパークが抑制できる点とポリアミド溶融樹脂フィルムの揺れを低減できる点から好ましい。
【0014】
吹き付けるエアーの風速が100m/秒未満の場合、結露に起因するスパークがおこりやすく、その結果、未延伸ポリアミドフィルムが破断しやすくなるため好ましくない。逆に、500m/秒を超える場合、ポリアミド溶融樹脂フィルムの揺れが起こりやすく、溶融樹脂フィルムと電極との接触に起因するスパークが起こることがあり、その結果、未延伸ポリアミドフィルムが破断することがあるため好ましくない。また、ポリアミド溶融樹脂フィルムの揺れが起こった場合、スパークしなくても未延伸ポリアミド樹脂の厚みの均一性が低下するため好ましくない。
【0015】
エアーを噴出させる装置の噴出口の形状は特に限定しないが、巾が1〜5mm、かつ、長さ3〜10cmのスリット状噴出口が風速を安定化させ、クリーニングロールが接触した部分の水分を効率的に除去できる点から好ましい。
【0016】
本発明の製造方法では、回転式冷却ロールの巾方向からみて、クリーニングロールの一方の端部が回転式冷却ロール上にあり、かつ、他方の端部が冷却固化過程にある溶融樹脂フィルムの端部から0.1〜1.5cmの位置にすることがポリアミド溶融樹脂フィルムの端部から発生した有機物の汚れを十分に溶解させ、均一延伸性を維持できる点から好ましい。
【0017】
クリーニングロールの端部が冷却固化過程の樹脂フィルムの端部から0.1cm未満の場合、樹脂フィルム端部と回転式冷却ロールとの間に有機物の汚れが堆積しやすいため好ましくない。また、1.5cmを超える場合、横延伸工程でフィルムの端部厚みが薄くなりやすいため好ましくない。
【0018】
本発明の製造方法では、回転式冷却ロールの円周方向からみて、水切りロールをクリーニングロールに押し付けてクリーニングロールを回転式冷却ロールに接触した位置から0.1〜1.0cm押込むことが回転式冷却ロールへの過剰な水付着を回避し、クリーニングロールに有機物汚れを十分に溶解させる水量を保持できる点から好ましい。
【0019】
押込み量が0.1cm未満の場合、回転式冷却ロールへの水付着が過剰になるため好ましくない。逆に、1.0cmを超える場合、クリーニングロールに有機物汚れを十分に溶解させる水量を保持させることがむずかしいため好ましくない。
【0020】
本発明の製造方法では、クリーニングロールの下部面1/6〜1/3を10〜80℃の水を連続的に0.5L/分以上の速さで給排水される水槽に浸漬した状態で回転させることがポリアミド溶融樹脂フィルムから発生した有機物の汚れを溶解した水溶液を水槽へ十分に移行させ、常時クリーニングロール表面を清浄に保ち、安定製膜を継続できる点から好ましい。
【0021】
クリーニングロールの下部面の水槽への浸漬量が1/6未満の場合、又は、クリーニングロールが回転しない場合、有機物の汚れを溶解した水溶液がクリーニングロールから水槽へ移行しにくくなるため好ましくない。また、水槽へ供給する水の温度が10℃未満の場合、有機物の汚れが溶解しにくくなるため好ましくない。また、給排水の速さが0.5L/分未満の場合、水槽内にクリーニングロールから移行した有機物の汚れを溶解した水溶液が残りやすくなり、この水を継続して使用すると、新たに発生する有機物の汚れが溶解しにくくなるため好ましくない。また、クリーニングロールの下部面の水槽への浸漬量が1/3を超える場合、クリーニングロールの押込み位置調整がむずかしくなるため好ましくない。また、供給する水の温度が80℃を超える場合、水槽から湯気が発生し、これが回転式冷却ロールに結露しやすくあるため好ましくない。
本発明の製造方法では、クリーニングロールの大きさは限定しないが、取扱い性の点から直径:5〜15cm、面長:10〜25cmにすることが好ましい。
【0022】
本発明の製造方法では、クリーニングロール表面の水分保持性材料として長繊維よりなる不織布又はスポンジを使用することが縦延伸工程での傷を低減できる点から好ましい。
【0023】
短繊維からなる不織布(例えば、フェルト)を使用した場合、クリーニングロールの使用時間が長くなると毛羽が発生しやすくなり、発生した毛羽が未延伸ポリアミドフィルムに転写し、縦延伸工程のロールに付着し、この付着物によりロールとフィルムとの密着力が低下し、フィルムがロール上で滑り、その滑りにより擦り傷が発生しやすくなるため好ましくない。
【0024】
本発明の製造方法において使用するポリアミド樹脂は単一であっても、複数を混合したものであってもかまわない。
【0025】
かかるポリアミド樹脂の具体例として、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、ラウリルラクタム等のラクタム類からの開環重合により得られるポリアミド、ω−アミノヘプタン酸、ω−アミノウンデカン酸等のアミノカルボン酸類の重縮合により得られるポリアミド、ジアミンとジカルボン酸とのナイロン塩の重縮合により得られるポリアミド、更には、上記記載の各種ラクタム、アミノカルボン酸、ジアミンとジカルボン酸とのナイロン塩とを適宜混合したものを共重縮合して得られるポリアミド共重合体等が挙げられる。
【0026】
ジアミンの具体例として、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、シクロヘキサンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等の脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン等が挙げられる。
【0027】
ジカルボン酸の具体例として、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等の脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
【0028】
本発明の製造方法で使用されるポリアミド樹脂は公知の方法で製造される。例えば、ラクタムを水溶媒の存在下に加圧下で昇温し、加えた水及び縮合水を除きながら重合させる方法により製造される。また、ジアミンとジカルボン酸からなるナイロン塩を水溶媒の存在下に加圧下で昇温し、加えた水及び縮合水を除きながら重合させる方法により製造される。更に、ジアミンを溶融状態のジカルボン酸に直接加えて常圧下で重縮合する方法によっても製造される。いずれも溶融重合後、更に固相重合により高分子量化した重合体も使用可能である。
【0029】
本発明の製造方法で使用される上記ポリアミド樹脂の好ましい具体例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミドアミド(ナイロン66)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリヘキサメチレンテレフタラミド(ナイロン6T)、及びこれらの混合物等が挙げられる。
ナイロン6は特に好適であるが、ナイロン6にナイロンMXD6を1〜15質量%配合した原料を用いると延伸性が良好となり、製造における破断回数が減るので特に好ましい。
【0030】
本発明の製造方法では、ポリアミド溶融樹脂フィルムを回転式冷却ロール上にキャストする際、ストリーマコロナ放電でポリアミド溶融樹脂フィルムを冷却固化ロール上に安定的に静電気密着させるため、溶融樹脂フィルムの比抵抗は1×10Ω・cm以下が好ましい。
【0031】
本発明の製造方法では、ポリアミド樹脂の相対粘度は1.5〜3.5が好ましく、2.0〜3.0が更に好ましい。ポリアミド樹脂の相対粘度が1.5未満の場合、ポリアミド樹脂の分子量が低く、縦延伸後に実施する横延伸に置いて破断することがあり好ましくない。逆に、3.5を越える場合は、ポリアミド樹脂の溶融粘度が高く、押出機で溶融混合する際、負荷が高くなりすぎるため好ましくない。
【0032】
本発明の製造方法で使用されるポリアミド樹脂では、その溶融粘度を大幅には変えない範囲で、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、安定剤、染料、顔料、無機質微粒子等の各種添加剤や、他の熱可塑性樹脂等を添加することができる。また、ポリアミド樹脂の溶融粘度を大幅には変えない範囲で、耐屈曲性等を改良するために変性ポリオレフィン、アイオノマー樹脂、エラストマー等を添加することもできる。
【0033】
本発明の製造方法では、必要に応じて、ポリアミド樹脂にリン化合物(例えば、燐酸、次亜燐酸、亜燐酸、又はそれらの金属塩や部分中和塩等)配合してもかまわない。この場合の金属塩の金属として、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。
【0034】
本発明の製造方法では、ストリーマコロナ放電でポリアミド溶融樹脂フィルムを冷却固化ロール上に安定的に静電気密着させるために使用される電極として、例えば、針状、鋸刃状のように、多数のコロナ放電可能な突起を有するものが挙げられる。また、突起先端の曲率半径は0.005〜0.09mmが好ましく、0.01〜0.07mmが更に好ましい。
【0035】
突起先端の曲率半径が0.005mmを未満の場合、電極を取り扱う際に先端部が損傷しやすく、その結果、損傷に起因した異常放電が発生しやすいため好ましくない。逆に、0.09mmを超える場合、ポリアミド溶融樹脂フィルムに十分、かつ、均一な電荷を付与し難い。即ち、鈍い先端形状の突起では、ストリーマコロナ放電を行なうのに電圧を高くする必要があり、火花放電が発生しやすくなるため(ストリーマコロナ放電を安定的に発生させることが困難になるため)好ましくない。
【0036】
また、突起の無いタングステン線等を電極として用いた場合は、均一な放電が得られず、ポリアミド溶融樹脂フィルムと冷却ロールの密着力が不十分となり冷却固化フィルムの結晶化度がばらつき、その結果、二軸延伸後の厚みの均一性が低下するため好ましくない。
【0037】
また、使用される突起の材質として、真鍮、ステンレス鋼、チタン、タングステン、金、銀、銅、銀−タングステン、銀−ニッケル、銀−酸化カドニウム、銀−タングステンカーバイド、銀−グラファイト、銅−タングステン、銅−クロム、銅−ベリリウム等の高導電性素材(比抵抗が5μΩ・cm以下)が挙げられる。比抵抗が5μΩ・cmを越える場合、一時的に特定の突起に高電流が流れてその突起での発熱が大きく高温となり、その突起が溶融摩耗、又は、酸化摩耗しやすいため好ましくない。
【0038】
本発明の製造方法では、電極に直流高圧電源発生装置から正又は負で2〜30KVの直流高電圧を印加することが好ましい。
印加電圧が2KV未満の場合、ストリーマコロナ放電が発生しにくいため好ましくない。逆に、30KVの場合、火花放電が発生しやすくなるため好ましくない。
【0039】
本発明の製造方法では、ポリアミド溶融樹脂フィルムを冷却固化させる際の冷却ロールの温度は、溶融樹脂フィルムを冷却できれば、特に限定しないが、冷却効率を高めることと冷却ロールへの水滴の結露を抑制することを両立させるため10〜40℃が好ましい。
【0040】
本発明の製造方法では、上記方法で未延伸ポリアミドフィルムを得た後、次いで、この未延伸ポリアミドフィルムを55〜100℃に加熱した後、ロールの周速差を利用して2.5〜3.8倍縦延伸して一軸延伸ポリアミドフィルムを得る。
この際、延伸温度が55℃未満の場合、ネッキングが生じ、厚みの均一性が低下するため好ましくない。逆に、100℃を超える場合、熱結晶化が進みすぎて次工程の横延伸で破断しやすくなるため好ましくない。また、2.5倍未満の場合、縦方向の配向が不十分となり、厚みの均一性が低下するため好ましくない。逆に、3.8倍を超える場合、配向結晶化が進みすぎて次工程の横延伸で破断しやすくなるため好ましくない。
【0041】
本発明の製造方法では、縦延伸を一段で行っても多段で行ってもかまわない。多段で行う場合、各段階の延伸を60〜110℃で1.1〜2.4倍で実施して合計倍率を2.5〜3.8倍にすることが次工程の横延伸での破断を低減し、得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの厚みを均一化できるため好ましい。
【0042】
次いで、必要に応じて一軸延伸ポリアミドフィルムの片面、若しくは両面に、樹脂塗布層を設ける。この樹脂塗布層の機能として、帯電防止性、易滑性、易接着性等を付与することが挙げられる。
【0043】
上記樹脂塗布層を設ける方法の具体例として、リバースロール・コート法、グラビア・コート法、キス・コート法、ロールフラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、マイヤーバーコート法、パイプドクター法、含浸・コート法及びカーテン・コート法等が挙げられ、これらの方法を単独、又は、組み合わせて行ってもよい。
【0044】
次いで、一軸延伸ポリアミドフィルムをテンターに導き、50℃〜220℃、好ましくは、60〜190℃で3.0倍以上、好ましくは3.5倍以上横延伸した後、150〜220℃、好ましくは、180〜225℃で熱固定して二軸延伸ポリアミドフィルムを得る。この際、熱固定処理工程において、1〜10%緩和処理を行ってもかまわない。
【0045】
延伸温度が低すぎる場合、破断しやすいため好ましくない。逆に、温度が高すぎると得られたフィルムの厚みの均一性が低下するため好ましくない。また、延伸倍率が3.0倍未満の場合、得られたフィルムの厚みの均一性が低下するため好ましくない。
【0046】
本発明の製造方法では、二軸延伸ポリアミドフィルムの厚み又は層構成(単層又は多層)は限定されない。
【実施例】
【0047】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら制限されるものではない。
【0048】
〔評価方法〕
(1)回転式冷却ロールの汚れ状態
製膜開始前に回転式冷却ロールを十分に掃除し、製膜開始後、約72間後の汚れ状態をそれぞれ目視で観察し、製膜前と変わらずきれいなものを「◎」、一見してほとんど汚れが見られないものを「○」、有機物が体積し、掃除が必要なものを「×」と評価し、「◎」と「○」を実用性ありと判断した。実施例と比較例のロールの汚れ状態を表1に示す。
(2)二軸延伸ポリアミドフィルムの厚みの均一性(TV(%))
約48時間連続製膜した後に得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの中央部から縦方向に巾4cm×長さ3mのフィルム片を切り出し、これを1mの長さに3分割したものを測定サンプルとする。該測定サンプルをアンリツ電気社製の連続厚み計(マイクロメーター:K306C、レコーダー:K310C)を用いて下記の条件で測定する。測定サンプル1m内の(最大値−最小値)を求め,3個の平均値(ΔT平均)を算出する。次いで、平均厚み(T平均:連続厚み測定後のフィルム片を3枚重ねて一方の端部から5cmのところを基準とし、5cmピッチでダイアルゲージを用いて18点測定し、18点の厚みの合計値を54で除した値)を算出する。次いで、TV=(ΔT平均/T平均)×100(%)を算出し、TVが20%以下を実用性ありと評価する。
[連続厚みの測定条件]
フィルムの送り速度:1.5m/分
マイクロメーターのスケール:±5μm
レコーダーのハイカット:5Hz
レコーダーのスケール:±2μm
レコーダーのチャート速度:2.5mm/秒
レコーダーの測定レンジ:×1
(3)末端基量
アミノ末端基量[AEG]はポリアミド樹脂をフェノール/エタノール溶媒(容積比:4/1)に溶解させ、0.02N塩酸を所定量加えた後、0.02N水酸化ナトリウム水溶液で逆滴定して求める。カルボキシル末端基量[CEG]はポリアミド樹脂を180℃のベンジルアルコールに溶解させ、フェノールフタレイン指示薬を加えて0.02Nの水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定して求める。
(4)相対粘度(RV)
96質量%硫酸がオストワルド粘度計の一定区間を通過する時間(T1)と96質量%硫酸にポリアミド樹脂を1質量%になるように溶解調整した硫酸がオストワルド粘度計の一定区間を通過する時間(T2)を測定し、T2/T1より相対粘度を求める。
【0049】
〔調整・測定方法〕
・ クリーニングロール端部の位置とクリーニングロールの押込み量
クリーニングユニットに取り付けたJIS 1級金尺の目盛りに合せて調整ネジで合せた。
〔吹付けエアーの風速〕
エアー噴出装置に至る配管に設置した流量計で測定した風量(m/分)とスリット面積(m)より風速(m/秒)を算出した。
【0050】
[実施例1]
ナイロン6(東洋紡績株式会社製ナイロン6、AEG:45当量/トン、CEG:81当量/トン、RV:2.8、平均粒径2.5μmの微粉末合成非晶質シリカを4000ppm含有)/ポリメタキシリレンアジパミド(東洋紡績株式会社製ナイロンMXD6、AEG:50当量/トン、CEG:47当量/トン、RV:2.1)=97/3(質量比)を100℃で10時間減圧乾燥(133.3Pa)した後、押出機に供給し、フィード部250℃、コンプレッション部270℃、メータリング部290℃で溶融させ、275℃のTダイスからフィルム状に溶融押出した。これを表面温度20℃の冷却ロール(直径1.2m)で30m/分で引き取る際に、先端曲率半径が0.04mm、太さ2mmφ、長さ30mmのタングステン製の針(突起)を1mmピッチで真鍮製の板に埋め込み、ホルダーに固定した静電密着用電極を用い、−6KVの直流高電圧を印加し、図1に示すクリーニングユニット(直径4cm、面長10cmのSUS304製フリーロールの表面にポリビニルアルコール製スポンジロール(外径10cm、面長10cm)を装着したクリーニングロールと直径3cm、面長10cmのSUS304製水切りロールと水槽より構成されるクリーニングユニット、クリーニングロールの下部面約1/4が水槽に浸漬)を白煙が発生しなくなる位置から溶融樹脂フィルムが回転式冷却ロールに接触する側(上流側)へ80cmの位置に設置し(クリーニングロール端部を樹脂フィルム端部から0.5cmの位置に合せ、水切りロールによるクリーニングロールの押込み量:0.3cmに設定)、25℃の水を水槽に1L/分で供給し、同量を排水しながら、エアー噴出装置(スリット巾:2mm、スリット長さ:5cmの噴出口を有する噴出装置)より400m/秒でエアーを吹き付けて未延伸ポリアミドフィルムを得た。
【0051】
次いで、この未延伸ポリアミドフィルムをロール群よりなる縦延伸機に導き、予熱温度45℃、延伸温度60℃に加熱した後、周速差のあるロール群で長手方向に3.3倍延伸して一軸延伸ポリアミドフィルムを得た。
【0052】
次いで、一軸延伸フィルムを横延伸機に導き、端部をクリップで把持して予熱温度110℃、延伸温度110/120/190℃と下流のゾーンほど高温にして4.0倍延伸した。次にその延伸された巾を保ったまま、温度220℃の熱風ゾーンにて熱固定処理を行い、さらに温度150℃の熱風ゾーンにて巾方向に3%の緩和処理後、フィルム両端部をトリミングし、さらにワインダーで巻き取り、厚み15μmの二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。
表1からわかるように、本実施例の方法は、厚みの均一性に優れた二軸延伸ポリアミドフィルムを安定して効率良く製造方法であるといえる。
【0053】
[実施例2]
白煙が発生しなくなる位置から溶融樹脂フィルムが回転式冷却ロールに接触する側(上流側)へ50cmの位置に設置した以外は実施例1と同様にして厚み15μmの二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。
表1からわかるように、本実施例の方法は、厚みの均一性に優れた二軸延伸ポリアミドフィルムを安定して効率良く製造方法であるといえる。
【0054】
[実施例3]
クリーニングロール端部を樹脂フィルム端部から1.1cmの位置に合せ、水切りロールによるクリーニングロールの押込み量:0.7cmとした以外は実施例1と同様にして厚み15μmの二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。
表1からわかるように、本実施例の方法は、厚みの均一性に優れた二軸延伸ポリアミドフィルムを安定して効率良く製造方法であるといえる。
【0055】
[実施例4]
水槽に供給する水の温度を70℃とし、エアー噴出装置より200m/秒でエアーを吹き付けた以外は実施例1と同様にして厚み15μmの二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。
表1からわかるように、本実施例の方法は、厚みの均一性に優れた二軸延伸ポリアミドフィルムを安定して効率良く製造方法であるといえる。
【0056】
[実施例5]
クリーニングロール表面にポリエチレンテレフタレート長繊維よりなる不織布(東洋紡績社製6301A[目付:30g/m])を巻き付けた以外は実施例1と同様にして厚み15μmの二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。
表1からわかるように、本実施例の方法は、厚みの均一性に優れた二軸延伸ポリアミドフィルムを安定して効率良く製造方法であるといえる。
【0057】
[比較例1]
クリーニングユニットを使用しない以外は実施例1と同様にして厚み15μmの二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。製膜開始後約6時間経過した時点で回転式冷却ロールに有機物の汚れが目立ち、ロールの掃除が必要になった。
この方法は、製膜開始後、短時間経過した時点で回転式冷却ロールの汚れ掃除を実施する必要があり、さらに、掃除実施直前の二軸延伸ポリアミドフィルムの厚みの均一性も悪いため、二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法として好ましくない。
【0058】
[比較例2]
クリーニングロール端部を樹脂フィルム端部の外側1cmの位置に合せた以外は実施例1と同様にして厚み15μmの二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。製膜開始後約12時間経過した時点で回転式冷却ロールに有機物の汚れが目立ち、ロールの掃除が必要になった。
この方法は、製膜開始後、短時間経過した時点で回転式冷却ロールの汚れ掃除を実施する必要があり、さらに、掃除実施直前の二軸延伸ポリアミドフィルムの厚みの均一性が悪いため、二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法として好ましくない。
【0059】
[参考例1]
水槽に供給する水の温度を90℃とし、エアー噴出装置より80m/秒でエアーを吹き付けた以外は実施例1と同様にして厚み15μmの二軸延伸ポリアミドフィルムを得ようとしたが、製膜開始直後よりスパークが発生しやすく、約1時間経過した時点でスパークに起因した未延伸ポリアミドフィルムの破断が発生した。
この方法は、製膜が不安定なため、二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法として好ましくない。
【0060】
[参考例2]
エアー噴出装置より700m/秒でエアーを吹き付けた以外は実施例1と同様にして厚み15μmの二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。
この方法は、回転式冷却ロールに有機物の汚れは少なかったが、製膜直後からダイス直下でポリアミド溶融樹脂フィルムの揺れが大きく、二軸延伸ポリアミドフィルムの厚みの均一性が悪かった。
【0061】
[比較例3]
クリーニングロールへの水分の補給を行わず(水槽への給水と水槽からの排水を行わず)、クリーニングロールが水槽の水面に接する状態とした以外は実施例1と同様にして厚み15μmの二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。製膜開始後約8時間経過した時点で回転式冷却ロールに有機物の汚れが目立ち、ロールの掃除が必要になった。
この方法は、製膜開始後、短時間経過した時点で回転式冷却ロールの汚れ掃除を実施する必要があり、さらに、掃除実施直前の二軸延伸ポリアミドフィルムの厚みの均一性が悪いため、二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法として好ましくない。
【0062】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法は、連続製膜しても、冷却固化工程の静電密着装置での異常放電が起こりにくいため、均一密着性の低下に起因した冷却固化フィルムの結晶化斑を低減でき、その結果、厚みの均一性に優れた二軸延伸ポリアミドフィルムを効率的に製造できるため、二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法として極めて有用であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本願発明の実施態様例の模式図である。
【符号の説明】
【0065】
1:ダイス
2:電極
3:回転式冷却ロール
4:クリーニングユニット後退用シリンダー
5:水切りロール
6:クリーニングロール
7:水槽
8:洗浄水
9:エアーノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアミド溶融樹脂フィルムを回転式冷却ロール上にキャストして冷却固化させて得た未延伸ポリアミドフィルムを二軸延伸する二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法において、表面が水分保持性材料からなるクリーニングロールの表面に水分を補給しつつクリーニングロールの表面を回転式冷却ロール上にキャストされた冷却固化過程にあるポリアミドフィルムの少なくとも両端部に接触させ、次いでポリアミドフィルムを冷却固化した後、前記クリーニングロールが接触した部分にエアーを吹き付けることで付着した水分を除去して未延伸ポリアミドフィルムを得ることを特徴とする二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
【請求項2】
クリーニングロール、水槽及び水切りロールより構成されるクリーニングユニットを用いてクリーニングロールの表面に水分を補給することを特徴とする請求項1に記載の二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
【請求項3】
クリーニングロールの一方の端部が回転式冷却ロール上にあり、かつ、他方の端部が冷却固化過程にある樹脂フィルムの端部から0.1〜1.5cmの位置にある請求項1又は2に記載の二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
【請求項4】
クリーニングユニットの水槽の供給水の給排水速度が0.5L/分以上であり、供給水の温度が10〜80℃である請求項1〜3いずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
【請求項5】
冷却固化後の未延伸ポリアミドフィルムのクリーニングロールが接触した部分に吹き付けるエアーの風速が100〜500m/秒である請求項1〜4いずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
【請求項6】
回転式冷却ロールの円周方向からみて、クリーニングロールが回転式冷却ロールに接触した位置から0.1〜1.0cm押込まれた位置にある請求項1〜5いずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
【請求項7】
クリーニングロールがステンレス製ロールの表面に長繊維よりなる不織布又はスポンジを巻きつけた構造である請求項1〜6いずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
【請求項8】
クリーニングユニットの水切りロールがステンレス製のフリーロールである請求項2〜7いずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
【請求項9】
クリーニングロールの下部面1/6〜1/3を連続的に水が給排水される水槽に浸漬した状態で回転させる請求項2〜8いずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−148997(P2009−148997A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−329596(P2007−329596)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】