説明

二酸化炭素外用ゲル調製用組成物と二酸化炭素外用ゲル

本発明の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物は、ゲルに二酸化炭素が実質的に非気泡状態で溶解してなる二酸化炭素外用ゲルの調製に用いられ、粒状物と、この粒状物と混合する粘性物とからなる。第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物としては、前記粒状物が弱酸とカルシウムイオン捕捉剤とを必須成分とし、前記粘性物が炭酸カルシウムとカルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤と水とを必須成分とする。また、第2の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物として、前記粒状物が弱酸と分散剤とを必須成分とし、前記粘性物が炭酸カルシウムとカルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤とカルシウムイオン捕捉剤と水とを必須成分とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素の外用による美容若しくは医療効果を簡便に得ることができる二酸化炭素外用ゲルを調製するための二酸化炭素外用ゲル調製用組成物及びそれにより得られた二酸化炭素外用ゲルに関する。
【背景技術】
【0002】
経皮経粘膜吸収された二酸化炭素が、皮膚や皮下組織、筋肉の血行を促進し、新陳代謝を活発化することによって美容若しくは医療効果が得られることは、これらの効果を得る目的で従来より世界各地で炭酸泉が利用されていることや、様々な研究により明らかである。例えば医療効果では床ずれの治療への応用として、日吉らは人工炭酸泉が難治性褥創に対し有効であることを報告している(日吉俊紀;人工炭酸泉浴剤による褥創治療について.総合リハ17(8):605−609,1989)。
【0003】
二酸化炭素の外用による美容若しくは医療効果を簡便に得るために、二酸化炭素を配合した二酸化炭素外用剤や、用時調製により二酸化炭素を発生させる外用剤が提案されている。前記二酸化炭素外用剤は、その製造技術が確立されていないこと、二酸化炭素の損失がないかあるいは損失が少ない保存容器の価格が高いことなどの問題点があるのに対し、用時調製により二酸化炭素を発生させる外用剤にはこれらの問題点が少なく、より実用的である。そのような外用剤を調製できる組成物として、例えば二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物製造キット(特開2000−319187号公報参照)や二酸化炭素外用剤調製用組成物(WO02/80941参照)が提案されている。
【0004】
そして、特開2000−319187号公報やWO02/80941には、二酸化炭素の経皮・経粘膜吸収が、水虫、虫さされ、アトピー性皮膚炎、貨幣状湿疹、乾皮症、脂漏性湿疹、蕁麻疹、痒疹、主婦湿疹、尋常性ざ瘡、膿痂疹、毛包炎、癰、せつ、蜂窩織炎、膿皮症、乾癬、魚鱗癬、掌蹠角化症、苔癬、粃糠疹、創傷、熱傷、き裂、びらん、凍瘡などの皮膚粘膜疾患もしくは皮膚粘膜障害に伴う痒み、褥創、創傷、熱傷、口角炎、口内炎、皮膚潰瘍、き裂、びらん、凍瘡、壊疽などの皮膚粘膜損傷;移植皮膚片、皮弁などの生着不全;歯肉炎、歯槽膿漏、義歯性潰瘍、黒色化歯肉、口内炎などの歯科疾患;閉塞性血栓血管炎、閉塞性動脈硬化症、糖尿病性末梢循環障害、下肢静脈瘤などの末梢循環障害に基づく皮膚潰瘍や冷感、しびれ感;慢性関節リウマチ、頸肩腕症候群、筋肉痛、関節痛、腰痛症などの筋骨格系疾患;神経痛、多発性神経炎、スモン病などの神経系疾患;乾癬、鶏眼、たこ、魚鱗癬、掌蹠角化症、苔癬、粃糠疹などの角化異常症;尋常性ざ瘡、膿痂疹、毛包炎、癰、せつ、蜂窩織炎、膿皮症、化膿性湿疹などの化膿性皮膚疾患;除毛後の再発毛抑制(むだ毛処理);そばかす、肌荒れ、肌のくすみ、肌の張りや肌の艶の衰え、髪の艶の衰えなどの皮膚や毛髪などの美容上の問題及び部分肥満に有効であることが開示されている。
【0005】
ところで、通常、二酸化炭素は、気体状では殆ど経皮経粘膜吸収されないことが知られている。例えば、炭酸泉が血圧降下や褥瘡治癒促進、肌荒れ改善などの医療及び美容効果を示すのは、炭酸泉の水に溶解した二酸化炭素が経皮経粘膜吸収されることによる(長倉功;炭酸ガス 命を支える不思議な物質、朝日新聞社刊参照)。したがって、前記美容若しくは医療効果を奏するためには、二酸化炭素が水などの溶媒に溶解していることが求められる。
【0006】
特開2000−319187号公報のキットは、気泡状の二酸化炭素を用いるものであることから、得られる組成物を皮膚粘膜に塗布しても、経皮経粘膜吸収の効率が高くない。このため、前記美容若しくは医療効果を充分に得るためには、長期間の継続的な使用が必要になる。具体的には、顔やせには、毎日使用して2週間から2ヶ月を必要とする。また、気泡状の二酸化炭素は、前記キットにより得られる組成物に無駄な空洞を形成することになるので、当該二酸化炭素は経皮経粘膜吸収に利用されない。また、同時に、全体の流動性が高くなってしまい、塗布面から垂れて衣服などを汚すという欠点もある。さらに、前記キットにより得られる組成物は、粘性物であることから、使用後除去する際に洗顔などが必要となり、使い勝手が良いとはいえない。
【0007】
一方、WO02/80941の組成物は、特開2000−319187号公報のキットの欠点を殆ど解消しているものの、やはり使用後除去する際に洗顔などが必要となり、必ずしも使い勝手が良いとはいえない。また、前記キットよりも強い美容若しくは医療効果がより短時間で得られるものの、効果面においてもさらなる改良が要望されている。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、より強い美容若しくは医療効果が、より短時間で得られ、しかも塗布したときに垂れず、使用後の除去が容易な二酸化炭素外用ゲルを調製するための二酸化炭素外用ゲル調製用組成物及びそれにより得られた二酸化炭素外用ゲルの提供を目的とする。
【発明の開示】
【0009】
本発明者らは、より強い美容若しくは医療効果が得られる二酸化炭素外用剤について鋭意研究を重ねていた。その過程で、二酸化炭素の発生原料である炭酸塩から放出される陽イオンを利用してゲル化し、また非気泡状態の二酸化炭素を経皮経粘膜吸収させてより強い美容若しくは医療効果を得ようと考えた。ところが、実験研究を重ねていると、炭酸塩と酸とが急激に反応して二酸化炭素が急激に発生し、また炭酸塩から放出される陽イオンとゲル化剤との反応も急激であるので、発生した二酸化炭素がゲル中で気泡化したり、あるいは大気中に散逸したり、さらには原料の種類、配合割合などによってはゲル化が完了する前に二酸化炭素の発生が完了してしまうなどの問題があるとの知見を得た。そこで、本発明者らは、二酸化炭素の発生・溶解速度やゲル化剤の反応速度を遅くし、双方の速度を同調させて上記問題を解決することを中心に実験研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明の第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物は、ゲルに二酸化炭素が実質的に非気泡状態で溶解してなる二酸化炭素外用ゲルの調製に用いられ、下記の粒状物(A)と、この粒状物(A)と混合する粘性物(B)と、からなることを特徴としている。
(A)弱酸と、カルシウムイオン捕捉剤とを必須成分とする粒状物。
(B)炭酸カルシウムと、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤と、水とを必須成分とする粘性物。
【0011】
ここで、本発明でいうゲルとは、水などの溶媒により膨潤した高分子などが三次元網目構造を形成し、該網目構造中に多数の溶媒分子を取り込んで離しにくいものをいう。
また、本発明でいう実質的に非気泡状態とは、気泡状の二酸化炭素が肉眼的に確認困難な状態をいう。
さらに、本発明でいう粒状物とは、粉末、細粒、顆粒、マイクロカプセルなどの固形物、もしくはこれら固形物の混合物のいずれかを意味する。
また、本発明でいうカルシウムイオン捕捉剤とは、カルシウムイオンと結合し、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤のゲル化速度とゲルの硬化速度を制御できるものを意味する。
【0012】
上記第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物によれば、前記粒状物(A)と前記粘性物(B)とを混合すると、粒状物(A)中の弱酸と粘性物(B)中の炭酸カルシウムとが反応して二酸化炭素を発生するとともに、前記炭酸カルシウムから放出されるカルシウムイオンにより前記粘性物(B)中のカルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤(以下単に「ゲル化剤」ともいう)がゲル化し、ゲルが硬化する。この際、カルシウムイオン捕捉剤がカルシウムイオンを捕捉するので、急激にゲル化が進行するのが抑制される。また、粒状物(A)中のカルシウムイオン捕捉剤が、粒状物(A)と粘性物(B)との混合時に弱酸と炭酸カルシウムとの接触を遅らせるように作用するので、急激に二酸化炭素が発生するといったことも抑制される。このため、二酸化炭素が非気泡状態で溶解する前にゲルが硬化してしまったり、二酸化炭素が急激に発生することで気泡状の二酸化炭素がゲル内に残留してしまったり、発生した二酸化炭素が大気中に散逸してしまったりするのが有効に抑制される。したがって、実質的に非気泡状態の二酸化炭素がゲルに多く溶解した二酸化炭素外用ゲルを得ることができる。そして、このような二酸化炭素外用ゲルによれば、二酸化炭素の経皮経粘膜吸収量が多いので、より強い美容若しくは医療効果を効果的に得ることができる。また、ゲルであるため皮膚粘膜から垂れにくい。さらに、原料の配合比等を調整すれば、調製後一定時間が経過した後にゲルが硬化して、皮膚粘膜から容易に剥離除去することができる。
【0013】
上記第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物において、前記粒状物(A)のカルシウムイオン捕捉剤が、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムおよびグリシンのうちの少なくとも一方であるのが好ましい。この場合、カルシウムイオンをより効果的に捕捉するため、急激にゲル化が進行してしまうのがより効果的に抑制される。よって、このような二酸化炭素外用ゲル調製用組成物により得られた二酸化炭素外用ゲルによれば、より強い美容若しくは医療効果をより効果的に得ることができる。
【0014】
また、上記第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物において、前記粒状物(A)の弱酸が、リン酸二水素ナトリウムおよびリン酸二水素カリウムのうちの少なくとも一方であり、前記粒状物(A)のカルシウムイオン捕捉剤が、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムおよびグリシンのうちの少なくとも一方であり、かつ、前記粘性物(B)のカルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤が、アルギン酸ナトリウムであるのが好ましい。この場合、実質的に非気泡状態の二酸化炭素が溶解した二酸化炭素外用ゲルの調製が容易であるという利点を有する。また、二酸化炭素の発生・溶解の終了時間とゲル化剤の反応の終了時間とが略同じとなり、より強い美容若しくは医療効果がより効果的に得られる二酸化炭素外用ゲルが得られるという利点を有する。さらに、皮膚粘膜から垂れにくい二酸化炭素外用ゲルが容易に得られるとともに、原料の配合比等を調整すれば、調製後一定時間で硬化し、剥離除去が容易な二酸化炭素外用ゲルを簡単に得ることができるという利点を有する。
【0015】
また、上記第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物において、前記粒状物(A)が、さらに分散剤を含有しているのが好ましい。この場合、前記粒状物(A)を粘性物(B)に溶解させたときに、弱酸と炭酸カルシウムとの接触が抑制されるので、二酸化炭素の発生速度をより一層抑制することができる。このため、発生した二酸化炭素はゲル中で気泡化したり大気中に散逸したりせず、直ちにゲル中に実質的に非気泡状態で溶解する。また、それと同時に、炭酸カルシウムから遊離するカルシウムイオンの遊離速度も抑制されるため、ゲル化剤が適度な速さでゲル化し、硬化する。このようなことから、粒状物(A)と粘性物(B)とを用いて二酸化炭素外用ゲルの調製を行うと、徐々に硬化するゲルが生成するとともに、そのゲルに必要量の二酸化炭素が実質的に非気泡状態で溶解することとなる。したがって、前記粒状物(A)を粘性物(B)に混合させて皮膚粘膜に塗布すると、実質的に非気泡状態の二酸化炭素が経皮経粘膜吸収されて強い美容若しくは医療効果が得られる。また、得られる二酸化炭素外用ゲルは、ゲルであるため皮膚粘膜から垂れにくい。さらに、原料の配合比等を調整すれば、調製後一定時間が経過した後に硬化して、皮膚粘膜から容易に剥離除去することができる。
【0016】
また、上記第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物において、前記粒状物(A)が、さらに分散剤と結合剤とを含有することが好ましい。この場合、前記粒状物(A)と前記粘性物(B)とを混合すると、前記粒状物(A)の崩壊制御がより良好に行われて前記粒状物(A)の溶解速度が適度となる。よって、このような二酸化炭素外用ゲル調製用組成物により得られた二酸化炭素外用ゲルによれば、より強い美容若しくは医療効果をより効果的に得ることができる。
【0017】
また、上記第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物において、前記粘性物(B)が、さらに皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤を含有することが好ましい。この場合、前記粒状物(A)と前記粘性物(B)とを混合したものは、一層、皮膚粘膜に密着して垂れにくくなり、二酸化炭素の経皮経粘膜吸収がより効率よく行われるという利点を有する。
【0018】
また、上記第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物において、前記粘性物(B)が、さらにアルコール類を含有することが好ましい。この場合、前記粘性物(B)の延びが良くなるとともに、使用感も良くなるという利点を有する。
また、上記第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物において、前記粒状物(A)の平均粒径が、0.05〜1.0mmの範囲に設定されていることが好ましい。この場合、前記粒状物(A)と前記粘性物(B)とを混合させたときに、前記粒状物(A)の溶解速度が適度となり、二酸化炭素の発生・溶解の終了時間とゲル化剤の反応の終了時間とがより一層同程度になる。
【0019】
本発明の第2の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物は、ゲルに二酸化炭素が実質的に非気泡状態で溶解してなる二酸化炭素外用ゲルの調製に用いられ、下記の粒状物(X)と、この粒状物(X)と混合する粘性物(Y)と、からなることを特徴としている。
(X)弱酸と、分散剤とを必須成分とする粒状物。
(Y)炭酸カルシウムと、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤と、カルシウムイオン捕捉剤と、水とを必須成分とする粘性物。
【0020】
ここで、本発明でいう分散剤とは、粒状物中で弱酸などの原料を分散させて粒状物からの弱酸の放出を適当に遅れさせ、それ自身は適当な速さで水に溶解若しくは膨潤するものを意味する。
【0021】
上記第2の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物によれば、第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物と同様、前記粒状物(X)と前記粘性物(Y)とを混合すると、粒状物(X)中の弱酸と粘性物(Y)中の炭酸カルシウムとが反応して二酸化炭素を発生するとともに、前記炭酸カルシウムから放出されるカルシウムイオンにより前記粘性物(Y)中のゲル化剤がゲル化し、ゲルが硬化する。この際、粘性物(Y)により溶解される粒状物(X)中の弱酸が分散剤によって炭酸カルシウムとの接触が遅くなるために二酸化炭素の発生が遅くなるとともに、カルシウムイオン捕捉剤がカルシウムイオンを捕捉するので、急激にゲル化が進行するのが抑制される。したがって、実質的に非気泡状態の二酸化炭素が多く溶解した二酸化炭素外用ゲルを得ることができる。そして、このような二酸化炭素外用ゲルによれば、二酸化炭素の経皮経粘膜吸収量が多いので、より強い美容若しくは医療効果をより短時間で得ることができる。また、ゲルであるため皮膚粘膜から垂れにくい。さらに、原料の配合比等を調整すれば、調製後一定時間が経過した後にゲルが硬化して、皮膚粘膜から容易に剥離除去することができる。
【0022】
上記第2の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物において、前記粒状物(X)のカルシウムイオン捕捉剤が、リン酸水素二ナトリウムであるのが好ましい。この場合、カルシウムイオンをより効果的に捕捉するため、急激にゲル化が進行してしまうのがより効果的に抑制される。よって、このような二酸化炭素外用ゲル調製用組成物により得られた二酸化炭素外用ゲルによれば、より強い美容若しくは医療効果をより効果的に得ることができる。
【0023】
また、上記第2の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物において、前記粒状物(X)の弱酸が、リン酸二水素ナトリウムおよびリン酸二水素カリウムのうちの少なくとも一方であり、かつ、前記粘性物(Y)のカルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤が、アルギン酸ナトリウムであり、前記粘性物(Y)のカルシウムイオン捕捉剤が、リン酸水素二ナトリウムであることが好ましい。この場合、実質的に非気泡状態の二酸化炭素が溶解した二酸化炭素外用ゲルの調製が容易である。また、二酸化炭素の発生・溶解の終了時間とゲル化剤の反応の終了時間とが略同じとなり、より強い美容若しくは医療効果がより短時間で得られる二酸化炭素外用ゲルが確実に得られるという利点を有する。さらに、皮膚粘膜から垂れにくい二酸化炭素外用ゲルが容易に得られるとともに、原料の配合比等を調整すれば、調製後一定時間で硬化し、剥離除去が容易な二酸化炭素外用ゲルを簡単に得ることができるという利点を有する。
【0024】
また、上記第2の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物において、前記粒状物(X)が、さらに結合剤を含有することが好ましい。この場合、前記粒状物(X)と前記粘性物(Y)とを混合すると、前記粒状物(X)中の分散剤とともに用いられることによって粒状物(X)の崩壊制御がより良好に行われ、前記粒状物(X)の溶解速度が適度となる。よって、このような二酸化炭素外用ゲル調製用組成物により得られた二酸化炭素外用ゲルによれば、より強い美容若しくは医療効果をより効果的に得ることができる。
【0025】
また、上記第2の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物において、前記粘性物(Y)が、さらに皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤を含有することが好ましい。この場合、前記粒状物(X)と粘性物(Y)とを混合したものは、一層、皮膚粘膜に密着して垂れにくくなり、実質的に非気泡状態の二酸化炭素の経皮経粘膜吸収がより効率良く行われるという利点を有する。
また、上記第2の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物において、前記粘性物(Y)が、さらにアルコール類を含有することが好ましい。この場合、前記粘性物(Y)の延びが良くなるとともに、使用感も良くなるという利点を有する。
【0026】
また、上記第2の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物において、前記粒状物(X)の平均粒径が、0.05〜1.0mmの範囲に設定されていることが好ましい。この場合、前記粒状物(X)と前記粘性物(Y)とを混合したときに、粒状物(X)の溶解速度が適度となり、二酸化炭素の発生・溶解の終了時間とゲル化剤の反応の終了時間とがより一層同程度になる。
【0027】
本発明の二酸化炭素外用ゲルは、上記第1、第2の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物を用いてなり、ゲルに二酸化炭素が実質的に非気泡状態で溶解していることを特徴としている。上記の構成によれば、二酸化炭素の発生・溶解速度とゲル化剤の反応速度とを制御することができる第1、第2の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物を用いているので、実質的に非気泡状態の二酸化炭素を多く含んだゲルとなる。このため、経皮経粘膜吸収される二酸化炭素量が多くなって、より強い美容若しくは医療効果を得ることができる。また、本発明の二酸化炭素外用ゲルは、二酸化炭素の重量含有率が同じ場合、気泡状二酸化炭素を必須成分とする同じ重さの二酸化炭素外用剤と比較して、嵩が低く、物理的強度が高い。そのため、皮膚粘膜に薄く均一な厚みに塗布でき、少ない量で強い美容若しくは医療効果を得ることができるという利点を有する。また、本発明の二酸化炭素外用ゲルは、適度な粘度と粘着性を有し、塗布面から垂れにくいので、衣服等を汚すことなく強力な美容若しくは医療効果を得ることができる。さらに、原料の配合比等を調整すれば、調製後一定時間が経過した後にゲルが硬化して、皮膚粘膜から容易に剥離除去することができる。
【0028】
本発明の創傷被覆材は、上記第1、第2の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物を用いてなり、ゲルに二酸化炭素が実質的に非気泡状態で溶解していることを特徴としている。上記の構成によれば、二酸化炭素の発生・溶解速度とゲル化剤の反応速度とを制御することができる第1、第2の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物を用いているので、実質的に非気泡状態の二酸化炭素を多く含んだゲルとなる。このため、経皮経粘膜吸収される二酸化炭素量が多くなって、二酸化炭素の経皮経粘膜吸収による創傷等の治癒効果をより強く得ることができる。また、第1、第2の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物により得られた二酸化炭素外用ゲルを創傷等に適用してハイドロゲルシート化したのち直ちに剥離除去せず、そのまま皮膚粘膜に付着させておけば、創傷等の保護シートとして機能させることができるという利点を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
つぎに、本発明について、第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物、第2の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物の2つに分けて説明する。
〔第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物について〕
本実施形態に係る第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物は、弱酸とカルシウムイオン捕捉剤とを必須成分とする粒状物(A)と、炭酸カルシウムとカルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤と水とを必須成分とする粘性物(B)とからなる。
【0030】
粒状物(A)を構成する弱酸は、通常、1重量%水溶液のpHが3.0以上7.0未満の範囲内のものをいい、無機酸、有機酸のいずれもが単独であるいは2種以上併せて使用することができる。弱酸を用いるのは、強酸を用いた場合、たとえ強酸の配合量を少なくしたとしても、炭酸カルシウムとの反応が早すぎて局所的に二酸化炭素が急激に発生してしまい、発生した二酸化炭素がゲル中で気泡化してしまったり、大気中に散逸してしまったりするからである。また、カルシウムイオンの放出も早いので、カルシウムイオン捕捉剤によってもゲル化剤の反応速度を充分に遅くすることができず、短時間でゲル化し、硬化してしまうためである。すなわち、弱酸を用いるのは、実質的に非気泡状態の二酸化炭素を多くゲル中に溶解させるためである。なかでも、緩衝作用があり、濃度が高くても酸性度が一定以上に強くならない弱酸が好ましい。より好ましくは、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムである。
【0031】
そして、弱酸の配合量としては、弱酸の種類などにもよるが、概ね粒状物(A)全量に対して5〜75重量%が好ましく、より好ましくは30〜50重量%である。5重量%未満では、粒状物(A)に対する粘性物(B)の使用量や粘性物(B)の配合成分、配合比などにもよるが、概ね二酸化炭素の発生量とカルシウムイオンの放出量が少ないために、ゲルに溶解した非気泡状態の二酸化炭素の量が少なすぎたり、ゲル化が不充分になってしまったりするおそれがあるからである。逆に、75重量%を超えると、粒状物(A)に対する粘性物(B)の使用量や粘性物(B)の配合成分、配合比などにもよるが、概ね二酸化炭素の発生量とカルシウムイオンの放出量が多すぎるため、二酸化炭素がゲル中で気泡化してしまったり、ゲルが早く硬化して二酸化炭素の発生が止まってしまったりするおそれがあるからである。すなわち、弱酸の配合量を上記の範囲内にするのが好ましいのは、非気泡状態の二酸化炭素をゲルに多く溶解させることができるからである。
【0032】
粒状物(A)を構成するカルシウムイオン捕捉剤としては、カルシウムイオンをゲル化剤と競合的に結合するものであれば特に制限なく用いることができる。具体的には、リン酸水素二ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ヒドロキシエタンジホスホン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸四ナトリウム、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、ホスホノブタントリカルボン酸等のリン酸又はホスホン酸系カルシウムイオン捕捉剤や、クエン酸三ナトリウム、グルコン酸ナトリウム等のカルボン酸系カルシウムイオン捕捉剤や、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二カリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸三ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸カルシウム二ナトリウム、ニトリロ三酢酸、メチルグリシン二酢酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、プロパンジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ジカルボキシエチルグルタミン酸四ナトリウム、ジヒドロキシエチルグリシン、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸等のアミノカルボン酸系カルシウムイオン捕捉剤、グリシン等のアミノ酸系カルシウムイオン捕捉剤などがあげられる。これらは単独であるいは2種以上併せて用いることができる。なかでも、カルシウムイオンの捕捉と再放出の制御や、ゲル化速度と硬化速度の制御等に優れることから、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、グリシンが好ましい。
【0033】
そして、カルシウムイオン捕捉剤の配合量としては、カルシウムイオン捕捉剤の種類などにもよるが、概ね粒状物(A)全量に対して0.5〜50重量%が好ましく、4.0〜40重量%がより好ましい。0.5重量%未満であると、粒状物(A)に対する粘性物(B)の使用量や粘性物(B)の配合成分、配合比などにもよるが、カルシウムイオンの捕捉が不充分となってゲル化とゲルの硬化が急速に進み、二酸化炭素の発生が止まってしまうおそれがあるからである。逆に、50重量%を超えると、粒状物(A)に対する粘性物(B)の使用量や粘性物(B)の配合成分や配合比などにもよるが、カルシウムイオンを捕捉しすぎてゲル化とゲルの硬化が充分に行われず、発生した二酸化炭素がゲル中で気泡化したり、大気中に散逸したりするおそれがあるからである。
【0034】
弱酸とカルシウムイオン捕捉剤とを必須成分とする粒状物(A)は、例えば細粒、顆粒状であり、概ね平均粒径(1個における最大長さと最小長さの和の半分)が0.05〜1.0mmの範囲に設定されていることが好ましく、特に好ましくは0.1〜0.3mmの範囲である。すなわち、従来の二酸化炭素外用剤調製用組成物の粒状物(WO02/80941参照)よりも小さい方が好ましい。粒状物(A)が大きすぎると、粘性物(B)と混合したとき、溶解するまでに時間がかかってしまって弱酸と炭酸カルシウムとの反応が進みにくくなる傾向があり、その結果として、二酸化炭素の発生が遅くなりすぎたり、ゲル化とゲルの硬化が充分に行われないおそれがあるからである。逆に、粒状物(A)が小さすぎると、粘性物(B)と混合したとき、粒状物(A)がすぐに溶解してしまって弱酸と炭酸カルシウムとの反応が早く進みすぎる傾向があり、その結果として、二酸化炭素が急激に発生して二酸化炭素がゲル中で気泡化してしまったり大気中に散逸してしまったり、カルシウムイオンの放出が早すぎてゲル化とゲルの硬化が急激に行われてしまったりするおそれがあるからである。なお、粒状物(A)の表面は、鏡面よりも凹凸が多くある方が、粘性物(B)との接触により、より均一な崩壊と溶解が起こるため好ましい。
【0035】
粒状物(A)は、前記必須成分に、必要に応じて、弱酸と炭酸カルシウムの反応を早すぎないようにする等のために用いられる分散剤、粒子の形状を維持する等のために用いられる結合剤などを添加したものを用いて、湿式造粒法や乾式造粒法などの公知の製造方法を採用することにより製造することができる。
【0036】
分散剤としては、微粒子であり、粘性物(B)と混合したときに比較的溶解若しくは膨潤しやすく、他の原料を分散させることができるものであれば特に制限なく用いることができる。例えば、アルファー化デンプン、α−シクロデキストリンなどのデンプン誘導体、白糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、乳糖、キシリトール、D−ソルビトール、D−マンニトールなどの糖類、プルラン、キサンタンガムなどの多糖類、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウムなどのセルロース誘導体とその塩類、ポリビニルピロリドンなどの合成高分子、尿素などを用いることができる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
【0037】
また、結合剤としては、微粒子であって適宜の溶媒に溶解若しくは膨潤させて用いられるものであり、2以上の物質を結合できるものであれば特に制限なく用いることができる。例えば、アラビアゴム、結晶セルロース、カルメロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルローステレフタレート、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストリン、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、アルファー化デンプン、プルラン、ポリビニルピロリドン、メタアクリル酸コポリマー、ポリビニルアルコール、寒天、ゼラチン、トラガントガム、馬鈴薯澱粉などを用いることができる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
【0038】
このようにして得られる粒状物(A)において、弱酸とカルシウムイオン捕捉剤は可能なかぎり均一に分散していることが好ましい。これにより、粒状物(A)と粘性物(B)とを均一に混合すると、カルシウムイオン濃度が局所的に高くなったり低くなったりすることが抑制され、また二酸化炭素の発生量も局所的に多すぎたり少なすぎたりすることが抑制されるからである。すなわち、ゲル全体に充分な量の二酸化炭素が非気泡状態で溶解した二酸化炭素外用ゲルを得ることができるからである。
【0039】
なお、粒状物(A)は、弱酸と炭酸カルシウムとの反応が早すぎる場合には、例えば、粒状物(A)の表面を遅延性原料(粘性物(B)に対して溶解速度を遅らせる原料)で被覆して弱酸等の放出を制御する放出制御型粒状物としてもよいし、粒状物(A)の製造に際し結合剤を用いて粒状物(A)の崩壊速度を遅らせるようにした崩壊速度制御型粒状物としてもよい。
【0040】
一方、上述したような粒状物(A)とともに用いられる粘性物(B)は、炭酸カルシウムを必須成分とする。炭酸塩として炭酸カルシウムを用いるのは以下の理由による。すなわち、炭酸カルシウムと同じ二価金属イオンを含む炭酸塩である炭酸マグネシウムを用いる場合、酸との反応により二酸化炭素をもちろん発生するが、炭酸マグネシウムを用いてゲル化剤をゲル化させた場合、ゲルの硬度が低くなる傾向がある。その結果、ゲル中で発生した二酸化炭素は容易に気泡化し、あるいは大気中に散逸してしまうため、実質的に非気泡状態の二酸化炭素が充分に溶解した二酸化炭素外用ゲルを得るのは難しい。このようなことから、二酸化炭素の発生と二価金属イオンの放出とを担う原料として、炭酸カルシウムを必須成分として用いる。
【0041】
そして、炭酸カルシウムの配合量としては、弱酸やゲル化剤の種類、配合量などにもよるが、概ね粘性物(B)全量に対して0.1〜6.0重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜2.0重量%、さらに好ましくは0.3〜1.0重量%である。0.1重量%未満であると、粘性物(B)に対する粒状物(A)の使用量や粒状物(A)の配合成分、配合比などにもよるが、二酸化炭素の発生量が少なすぎたり、ゲル化が不充分となったりするおそれがあるからである。逆に、6.0重量%を超えると、粘性物(B)に対する粒状物(A)の使用量や粒状物(A)の配合成分、配合比などにもよるが、粒状物(A)を混合したときに二酸化炭素の発生・溶解速度が速すぎて、発生した二酸化炭素がゲル中で気泡化したり、大気中に散逸したりするおそれがあるからである。
【0042】
粘性物(B)を構成するゲル化剤としては、炭酸カルシウムから放出されるカルシウムイオンによりゲル化するものであれば特に制限なく用いることができる。例えば、カラギーナン、低メトキシル化ペクチン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウムなどを用いることができる。これらは単独であるいは2種以上併せて用いられる。なかでも、皮膚粘膜との親和性に優れ、使用感もよいなどの理由から、アルギン酸ナトリウムが好適である。
【0043】
そして、ゲル化剤の配合量としては、ゲル化剤の種類などにもよるが、概ね粘性物(B)全量に対して0.3〜15.0重量%が好ましく、より好ましくは0.3〜8.0重量%、さらに好ましくは1.5〜5.0重量%である。0.3重量%未満では、粘性物(B)に対する粒状物(A)の使用量や粒状物(A)の配合成分、配合比などにもよるが、粒状物(A)を混合したときに粘性物(B)のゲル化が不充分になり、発生した二酸化炭素が気泡化したり大気中に散逸したりするおそれがあるからである。逆に、15.0重量%を超えると、粘性物(B)に対する粒状物(A)の使用量や粒状物(A)の配合成分、配合比などにもよるが、粒状物(A)を混合したときに粘性物(B)の粘度が高くなりすぎて粒状物(A)のそれ以上の溶解が困難になり、弱酸と炭酸カルシウムの反応が起こりにくくなるおそれがあるからである。
【0044】
粘性物(B)を構成する水としては、天然水、水道水、蒸留水、精製水などが特に制限なく用いられる。二酸化炭素は、水に限らず、有機溶媒、脂質を含め多くの溶媒に溶解するが、なかでも、水は、有機溶媒や脂質などと比較して弱酸と炭酸カルシウムとの反応が起こりやすく、また二酸化炭素の発生と溶解、カルシウムイオンの放出、ゲル化剤のゲル化も容易に起こりやすい。また、水は、一般に取り扱いも容易であり、安価で安全である。このようなことから、水を必須成分として用いる。
【0045】
そして、水の配合量としては、その他の原料の種類や配合量などにもよるが、概ね粘性物(B)全量に対し70〜95重量%が好ましい。70重量%未満であると、粒状物(A)が溶けにくく、弱酸と炭酸カルシウムの反応が起こりにくくなるおそれがあるからである。逆に、95重量%を超えると、その他の必須成分の配合量が少なすぎ、粒状物(A)を混合したとき、ゲル化やゲルの硬化が不充分となったり、二酸化炭素の発生量が不充分となるおそれがあるからである。
【0046】
炭酸カルシウムとゲル化剤と水とを必須成分とする粘性物(B)は、粒状物(A)と混合したときに当該粒状物(A)が行き渡り、容易に均一分散させることができる程度の粘度を有していることが好ましい。また、粒状物(A)と粘性物(B)とを混合したのち、直ちに皮膚粘膜に直接塗布して使用する場合には、混合直後において皮膚粘膜から垂れたりしない程度の粘度を有していることが好ましい。
【0047】
粘性物(B)は、前記必須成分に、必要に応じて、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤(以下単に「粘着剤」ともいう)などを添加して混合することにより製造することができる。
粘着剤としては、例えばアラビアゴム、結晶セルロース、カルメロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルローステレフタレート、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストリン、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、アルファー化デンプン、プルラン、ポリビニルピロリドン、メタアクリル酸コポリマー、ポリビニルアルコール、ゼラチン、トラガントガム、馬鈴薯澱粉、寒天などを用いることができる。これらは単独であるいは2種以上併せて用いられる。
【0048】
そして、粘着剤の配合量としては、粘着剤の種類などにもよるが、概ね粘性物(B)全量に対して0.1〜5.0重量%が好ましい。0.1重量%未満では、粘着力が不充分で配合する意味があまりないからである。逆に、5.0重量%を超えると、粘着力が強すぎて使用後の皮膚粘膜からの除去が困難になるおそれがあるからである。
【0049】
上記粒状物(A)と粘性物(B)とからなる第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物は、例えばつぎのようにして使用することができる。すなわち、まず、粒状物(A)と粘性物(B)とを各種の容器内で所定の比率で混合する。両者の比率は、炭酸カルシウムが弱酸とすべて反応するように設定するのが好ましい。ただし、炭酸カルシウムと弱酸との反応が速すぎてゲル化とゲルの硬化が急速に進行したり、二酸化炭素の発生が速すぎたりして二酸化炭素がゲル中で気泡化したり大気中に散逸したりするほど粒状物(A)を粘性物(B)に対して多く使用するのは好ましくない。より具体的には、前記粒状物(A)の弱酸と前記粘性物(B)の炭酸カルシウムとのモル比が、炭酸カルシウム0.1重量%配合の場合は、0.4〜40程度が好ましく、炭酸カルシウム0.3重量%配合の場合は、0.04〜3.6程度が好ましく、炭酸カルシウム6.0重量%配合の場合は、0.02〜0.54程度が好ましい。つづいて、直ちに、得られた混合物を皮膚粘膜の所定部位に塗布する。この際、弱酸と炭酸カルシウムとの反応で発生した二酸化炭素がゲルに実質的に非気泡状態で溶解した二酸化炭素外用ゲルが得られ、その二酸化炭素が皮膚粘膜に経皮経粘膜吸収されて、強い美容若しくは医療効果を得ることができる。また、原料の配合比等を調整した場合、調製後一定時間が経過するとゲルは硬化するので、簡単に皮膚粘膜から剥離除去することができる。
【0050】
なお、粒状物(A)および粘性物(B)のうちの少なくとも一方に、本発明の効果を損なわない範囲で、通常外用剤や化粧料に用いられる原料、例えば香料、色素、界面活性剤、油分、保湿剤、増粘剤、アルコール類、防腐剤、酸化防止剤、着色防止剤、紫外線吸収・散乱剤、薬剤などを必要に応じて配合してもよい。これにより、得られる二酸化炭素外用ゲルを化粧料や外用医薬品として一層好適に使用できる。なかでも、ゲルの延びが向上する、使用感が良好になるとの理由から、粘性物(B)に対してアルコール類を用いるのが好ましい。また、ゲルの粘度と粘着性を向上させるとの理由から、粒状物(A)と粘性物(B)のうちの少なくとも一方に対して増粘剤を用いるのが好ましい。
【0051】
アルコール類としては、例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどの1価アルコール、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、グリセロール、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコールを用いることができる。これらは単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。なかでも、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、グリセロール、ポリエチレングリコールが好ましい。
【0052】
増粘剤としては、以下に示すような、天然高分子、半合成高分子、合成高分子、無機物を用いることができる。これらは単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
天然高分子:アラビアゴム、ガラクタン、寒天、クインスシードガム、グアガム、トラガントガム、ペクチン、マンナン、ローカストビーンガム、米澱粉、小麦粉澱粉、トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉などの植物系高分子、カードラン、キサンタンガム、サクシノグルカン、デキストラン、ヒアルロン酸、プルランなどの微生物系高分子、アルブミン、カゼイン、コラーゲン、ゼラチン、フィブロインなどの蛋白系高分子等。
【0053】
半合成高分子:エチルセルロース、加工澱粉、カルボキシメチルセルロース及びその塩類、カルボキシメチルエチルセルロース及びその塩類、カルボキシメチルスターチ及びその塩類、クロスカルメロース及びその塩類、結晶セルロース、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、粉末セルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系高分子、アルファー化澱粉、部分アルファー化澱粉、カルボキシメチル澱粉、デキストリン、メチル澱粉などの澱粉系高分子、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムなどのその他の多糖類系高分子等。
【0054】
合成高分子:カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メタアクリル酸−アクリル酸エチルコポリマー、メタアクリル酸−メタアクリル酸エチルコポリマー、メタアクリル酸エチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチルコポリマー、メタアクリル酸ジメチルアミノエチル・メタアクリル酸メチルコポリマー等。
無機物:含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、コロイダルアルミナ、ベントナイト、ラポナイト等。
【0055】
なお、本実施形態に係る二酸化炭素外用ゲル調製用組成物において、粒状物(A)と粘性物(B)は使用時まで実質的に接触しない状態で保存されていれば良く、密閉状態で保存されることが好ましい。保存容器としては、材質や形状、構造など特に制限なく使用でき、例えば材質としてはプラスチック、ガラス、アルミニウム、紙、各種ポリマーやこれらの材料の複合体などが挙げられ、また、形状や構造としてはカップ、チューブ、袋、びん、スティック、ポンプなどが挙げられ、これらのいずれかが特に制限なく使用できる。
【0056】
〔第2の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物について〕
本実施形態に係る第2の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物は、弱酸と分散剤とを必須成分とする粒状物(X)と、炭酸カルシウムとカルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤とカルシウムイオン捕捉剤と水とを必須成分とする粘性物(Y)とからなる。すなわち、第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物と比較して、粒状物(X)ではなく粘性物(Y)にカルシウムイオン捕捉剤を必須成分として用い、粒状物(X)には分散剤を必須成分として用いる点が異なる。このような構成にしたのは、粘性物(Y)の方にカルシウムイオン捕捉剤を含ませた場合、弱酸からなる粒状物(X)と粘性物(Y)とを混合すると、弱酸が粘性物(Y)全体に行き渡る前に弱酸と炭酸カルシウムとの反応が局所的に急激に進み、局所的にゲル化とゲルの硬化が行われてしまったり、発生した二酸化炭素が局所的に分布してしまったりするなどの理由による。
【0057】
粒状物(X)を構成する弱酸は、第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物と同様、通常、1重量%水溶液のpHが3.0以上7.0未満の範囲内のものをいい、無機酸、有機酸のいずれもが単独であるいは2種以上併せて用いることができる。弱酸を用いるのは、第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物と同様の理由である。弱酸のなかでも、緩衝作用があり、濃度が高くても酸性度が一定以上に強くならないものが好ましい。より好ましくは、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムである。
【0058】
そして、弱酸の配合量としては、弱酸の種類などにもよるが、概ね粒状物(X)全量に対して10〜75重量%が好ましく、より好ましくは10〜60重量%、さらに好ましくは20〜50重量%である。すなわち、第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物よりも若干少ない方が好ましい。ここで、上記範囲が好ましいのは、10重量%未満では、粒状物(X)に対する粘性物(Y)の使用量や粘性物(Y)の配合成分、配合比などにもよるが、概ね二酸化炭素の発生量とカルシウムイオンの放出量が少ないために、ゲルに溶解した非気泡状態の二酸化炭素の量が少なすぎたり、ゲル化が不充分になってしまったりするおそれがあるからである。逆に、75重量%を超えると、粒状物(X)に対する粘性物(Y)の使用量や粘性物(Y)の配合成分、配合比などにもよるが、概ね二酸化炭素の発生量とカルシウムイオンの放出量が多すぎるため、二酸化炭素がゲル中で気泡化してしまったり、ゲルが早く硬化して二酸化炭素の発生が止まってしまったりするおそれがあるからである。すなわち、弱酸の配合量を上記の範囲内にするのが好ましいのは、非気泡状態の二酸化炭素をゲルに多く溶解させることができるからである。
【0059】
粒状物(X)を構成する分散剤としては、微粒子であり、粘性物(Y)と混合したときに比較的溶解若しくは膨潤しやすく、他の原料を分散させることができるものであれば特に制限なく用いることができる。ここで、粒状物(X)において分散剤を必須成分としたのは、粒状物(X)を粘性物(Y)に溶解させたとき、カルシウムイオン捕捉剤を含まない粒状物(X)中の弱酸と粘性物(Y)中の炭酸カルシウムとが早期に接触してしまうのを抑制するためである。このような分散剤としては、例えば、アルファー化デンプン、α−シクロデキストリンなどのデンプン誘導体、白糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、乳糖、キシリトール、D−ソルビトール、D−マンニトールなどの糖類、プルラン、キサンタンガムなどの多糖類、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウムなどのセルロース誘導体とその塩類、ポリビニルピロリドンなどの合成高分子、尿素などを用いることができる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
【0060】
そして、分散剤の配合量としては、弱酸の種類や配合量などにもよるが、概ね粒状物(X)全量に対して10〜90重量%が好ましく、20〜40重量%がより好ましい。10重量%未満では、粒状物(X)に対する粘性物(Y)の使用量や粘性物(Y)の配合成分、配合比などにもよるが、粘性物(Y)と混合したとき、弱酸の局所濃度が高すぎて炭酸カルシウムとの反応が粘性物(Y)の一部分で急激に起こって終了してしまい、全体がゲル化しないおそれがあるからである。逆に、90重量%を超えると、粒状物(X)に対する粘性物(Y)の使用量や粘性物(Y)の配合成分、配合比などにもよるが、粘性物(Y)と混合したとき、弱酸の局所濃度が低すぎて、炭酸カルシウムとの反応で発生する二酸化炭素の量とカルシウムイオンの放出量が不充分であるために、充分な量の二酸化炭素が非気泡状態で溶解しなかったり、ゲル化が充分進まないために発生した二酸化炭素が気泡化したり、大気中に散逸したりするおそれがあるからである。
【0061】
弱酸と分散剤とを必須成分とする粒状物(X)は、例えば細粒、顆粒状であり、概ね平均粒径(1個における最大長さと最小長さの和の半分)が0.05〜1.0mmの範囲に設定されていることが好ましく、特に好ましくは0.1〜0.3mmの範囲である。すなわち、従来の二酸化炭素外用剤調製用組成物の粒状物(WO02/80941参照)よりも小さい方が好ましい。粒状物(X)が大きすぎると、粘性物(Y)と混合したとき、溶解するまでに時間がかかってしまって弱酸と炭酸カルシウムとの反応が進みにくくなる傾向があり、その結果として、二酸化炭素の発生が遅くなりすぎたり、ゲル化とゲルの硬化が充分に行われないおそれがあるからである。逆に、粒状物(X)が小さすぎると、粘性物(Y)と混合したとき、粒状物(X)がすぐに溶解してしまって弱酸と炭酸カルシウムの反応が早く進みすぎる傾向があり、その結果として、二酸化炭素が急激に発生して二酸化炭素がゲル中で気泡化してしまったり大気中に散逸してしまったり、カルシウムイオンの放出が早すぎてゲル化とゲルの硬化が急激に行われてしまったりするおそれがあるからである。なお、粒状物(X)の表面は、鏡面よりも凹凸が多くある方が、粘性物(Y)との接触により、より均一な崩壊と溶解が起こるため好ましい。
【0062】
粒状物(X)は、前記必須成分に、必要に応じて、粒子の形状を維持する等のために用いられる結合剤などを添加したものを用いて、湿式造粒法や乾式造粒法などの公知の製造方法を採用することにより製造することができる。結合剤としては、前記第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物と同様のものを用いることができる。
【0063】
このようにして得られる粒状物(X)において、弱酸と分散剤は可能なかぎり均一に分散していることが好ましい。これにより、粒状物(X)と粘性物(Y)とを均一に混合すると、カルシウムイオン濃度が局所的に高くなったり低くなったりすることが抑制され、また二酸化炭素の発生量も局所的に多すぎたり少なすぎたりすることが抑制されるからである。すなわち、ゲル全体に充分な量の二酸化炭素が非気泡状態で溶解した二酸化炭素外用ゲルを得ることができるからである。
【0064】
なお、粒状物(X)は、弱酸と炭酸カルシウムとの反応が早すぎる場合には、例えば、粒状物(X)の表面を遅延性原料(粘性物(Y)に対して溶解速度を遅らせる原料)で被覆して弱酸等の放出を制御する放出制御型粒状物としてもよいし、粒状物(X)の製造に際し結合剤を用いて粒状物(X)の崩壊速度を遅らせるようにした崩壊速度制御型粒状物としてもよい。
【0065】
一方、上述した粒状物(X)とともに用いられる粘性物(Y)は、炭酸カルシウムを必須成分とする。炭酸塩として炭酸カルシウムを用いるのは、第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物と同様の理由である。そして、炭酸カルシウムの配合量としては、弱酸やゲル化剤の種類、配合量などにもよるが、概ね粘性物(Y)全量に対して0.1〜6.0重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜2.0重量%、さらに好ましくは0.3〜1.0重量%である。0.1重量%未満であると、粘性物(Y)に対する粒状物(X)の使用量や粒状物(X)の配合成分、配合比などにもよるが、二酸化炭素の発生量が少なすぎたり、ゲル化が不充分となったりするおそれがあるからである。逆に、6.0重量%を超えると、粘性物(Y)に対する粒状物(X)の使用量や粒状物(X)の配合成分、配合比などにもよるが、粒状物(X)を混合したときに二酸化炭素の発生・溶解速度が速すぎて、発生した二酸化炭素がゲル中で気泡化したり大気中に散逸したりするおそれがあるからである。
【0066】
粘性物(Y)を構成するゲル化剤としては、第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物と同様、炭酸カルシウムから放出されるカルシウムイオンによりゲル化するものであれば特に制限なく用いることができる。例えば、カラギーナン、低メトキシル化ペクチン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウムなどを用いることができる。これらは単独であるいは2種以上併せて用いられる。なかでも、皮膚粘膜との親和性に優れ、使用感もよいなどの理由から、アルギン酸ナトリウムが好適である。
【0067】
そして、ゲル化剤の配合量としては、ゲル化剤の種類などにもよるが、概ね粘性物(Y)全量に対して0.3〜15.0重量%が好ましく、より好ましくは0.3〜8.0重量%、さらに好ましくは1.5〜5.0重量%である。0.3重量%未満では、粘性物(Y)に対する粒状物(X)の使用量や、粒状物(X)の配合成分、配合比などにもよるが、粒状物(X)を混合したときに粘性物(Y)のゲル化が不充分になり、発生した二酸化炭素が気泡化したり大気中に散逸したりするおそれがあるからである。逆に、15.0重量%を超えると、粘性物(Y)に対する粒状物(X)の使用量や粒状物(X)の配合成分、配合比などにもよるが、粒状物(X)を混合したときに粘性物(Y)の粘度が高くなりすぎて粒状物(X)のそれ以上の溶解が困難になり、弱酸と炭酸カルシウムの反応が起こりにくくなるおそれがあるからである。
【0068】
粘性物(Y)を構成するカルシウムイオン捕捉剤としては、カルシウムイオンをゲル化剤と競合的に結合するものであり、かつアルカリ性または中性のものが用いられる。第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物では粒状物(A)にカルシウムイオン捕捉剤を含ませているので、酸性のものであっても保存中に炭酸カルシウムと反応して二酸化炭素が発生することはない。ところが、本実施形態では、粘性物(Y)中にカルシウムイオン捕捉剤を含ませるので、酸性のものであると粘性物(Y)の調製中に炭酸カルシウムと反応して二酸化炭素が発生してしまう。このため、本実施形態では、カルシウムイオン捕捉剤は、カルシウムイオンをゲル化剤と競合的に結合するだけでなく、アルカリ性または中性であるものを用いる。例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、ポリカルボン酸ナトリウム、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸四ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸カルシウム二ナトリウムなどがあげられる。これらは、単独であるいは2種以上併せて用いてもよい。好適なものとしては、リン酸水素二ナトリウムがあげられる。
【0069】
そして、カルシウムイオン捕捉剤の配合量としては、カルシウムイオン捕捉剤の種類などにもよるが、概ね粘性物(Y)全量に対して0.1〜1.0重量%が好ましい。0.1重量%未満であると、粘性物(Y)に対する粒状物(X)の使用量や粒状物(X)の配合成分、配合比などにもよるが、カルシウムイオンの捕捉が不充分となってゲル化とゲルの硬化が急速に進み、二酸化炭素の発生が止まってしまうおそれがあるからである。逆に、1.0重量%を超えると、粘性物(Y)に対する粒状物(X)の配合成分や配合比、粒状物(X)の使用量などにもよるが、カルシウムイオンを捕捉しすぎてゲル化とゲルの硬化が充分に行われず、発生した二酸化炭素がゲル中で気泡化したり、大気中に散逸したりするおそれがあるからである。
【0070】
粘性物(Y)を構成する水としては、天然水、水道水、蒸留水、精製水などが特に制限なく用いられる。水を必須成分とするのは、第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物と同様の理由からである。
そして、水の配合量としては、その他の原料の種類や配合量などにもよるが、概ね粘性物(Y)全量に対し70〜95重量%が好ましい。70重量%未満であると、粒状物(X)が溶けにくく、弱酸と炭酸カルシウムの反応が起こりにくくなるおそれがあるからである。逆に、95重量%を超えると、その他の必須成分の配合量が少なすぎ、粒状物(X)を混合したとき、ゲル化やゲルの硬化が不充分となったり、二酸化炭素の発生量が不充分となるおそれがあるからである。
【0071】
炭酸カルシウムとゲル化剤とカルシウムイオン捕捉剤と水とを必須成分とする粘性物(Y)は、粒状物(X)と混合させたときに当該粒状物(X)が行き渡り、容易に均一分散させることができる程度の粘度を有していることが好ましい。また、粒状物(X)と粘性物(Y)とを混合したのち、直ちに皮膚粘膜に直接塗布して使用する場合には、混合直後において皮膚粘膜から垂れたりしない程度の粘度を有していることが好ましい。
【0072】
粘性物(Y)は、前記必須成分に、必要に応じて、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤などを添加して混合することにより製造することができる。粘着剤の種類、配合量などは、第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物と同様である。
【0073】
上記粒状物(X)と粘性物(Y)とからなる第2の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物は、例えばつぎのようにして使用することができる。すなわち、まず、粒状物(X)と粘性物(Y)とを各種の容器内で所定の比率で混合する。両者の比率は、炭酸カルシウムが弱酸とすべて反応するように設定するのが好ましい。ただし、炭酸カルシウムと弱酸との反応が速すぎてゲル化とゲルの硬化が急速に進行したり、二酸化炭素の発生が速すぎたりして二酸化炭素がゲル中で気泡化したり大気中に散逸したりするほど粒状物(X)を粘性物(Y)に対して多く使用するのは好ましくない。より具体的には、前記粒状物(X)の弱酸と前記粘性物(Y)の炭酸カルシウムとのモル比が、炭酸カルシウム0.1重量%配合の場合は、0.4〜40程度が好ましく、炭酸カルシウム0.3重量%配合の場合は、0.04〜3.6程度が好ましく、炭酸カルシウム6.0重量%配合の場合は、0.02〜0.54程度が好ましい。つづいて、直ちに、得られた混合物を皮膚粘膜の所定部位に塗布する。この際、弱酸と炭酸カルシウムとの反応で発生した二酸化炭素がゲルに実質的に非気泡状態で溶解した二酸化炭素外用ゲルが得られ、その二酸化炭素が皮膚粘膜に経皮経粘膜吸収されて、強い美容若しくは医療効果を得ることができる。また、原料の配合比等を調整した場合、調製後一定時間が経過するとゲルは硬化するので、簡単に皮膚粘膜から剥離除去することができる。
【0074】
なお、粒状物(X)および粘性物(Y)のうちの少なくとも一方に、本発明の効果を損なわない範囲で、通常外用剤や化粧料に用いられる原料、例えば香料、色素、界面活性剤、油分、保湿剤、増粘剤、アルコール類、防腐剤、酸化防止剤、着色防止剤、紫外線吸収・散乱剤、薬剤などを必要に応じて配合してもよい。これにより、得られる二酸化炭素外用ゲルを外用医薬品や化粧料として一層好適に使用できる。なかでも、ゲルの延びが向上する、使用感が良好になるとの理由から、粘性物(Y)に対してアルコール類を用いるのが好ましい。また、ゲルの粘度と粘着性を向上させるとの理由から、粒状物(X)と粘性物(Y)のうちの少なくとも一方に対して増粘剤を用いるのが好ましい。なお、アルコール類や増粘剤としては、第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物と同様のものが用いられる。
【0075】
また、本実施形態に係る二酸化炭素外用ゲル調製用組成物において、粒状物(X)と粘性物(Y)は使用時まで実質的に接触しない状態で保存されていれば良く、密閉状態で保存されることが好ましい。保存容器としては、材質や形状、構造など特に制限なく使用でき、例えば材質としてはプラスチック、ガラス、アルミニウム、紙、各種ポリマーやこれらの材料の複合体などが挙げられ、また、形状や構造としてはカップ、チューブ、袋、びん、スティック、ポンプなどが挙げられ、これらのいずれかが特に制限なく使用できる。
【0076】
つぎに、実施例を挙げて本発明の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明では、「重量部」を「部」と略す。
【0077】
まず、以下の実施例1〜5は、前記第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物の例である。
【実施例1】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム57部、カルシウム捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム43部を用い、適量の水で顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム1部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水87.9部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール3.5部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例2】
【0078】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム53部、カルシウム捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6部、分散剤として乳糖36部、結合剤としてデキストリン5部を用い、適量の水で顆粒状の粒状物(平均粒径0.2mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.4部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水86部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール6部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例3】
【0079】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム56部、カルシウム捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6部、分散剤として乳糖33部、結合剤としてデキストリン5部を用い、適量の水で顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.3部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水85.1部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール7部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例4】
【0080】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム65部、カルシウム捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム35部を用い、適量の水で顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム1.0部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水87.9部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール3.5部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例5】
【0081】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム60部とリン酸二水素カリウム5部、カルシウム捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム35部を用い、適量の水で顆粒状の粒状物(平均粒径0.2mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム1.0部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水87.9部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール3.5部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【0082】
以下の実施例6〜25は、前記第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物の例であり、粒状物(A)の弱酸としてリン酸二水素ナトリウムを用い、粒状物(A)のカルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを用い、両者の配合比を主に変更した例である。
【実施例6】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム23.1部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム3.0部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖68.9部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.3部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水85.1部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール7.0部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例7】
【0083】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム30.8部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム5.0部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖59.2部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例6と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例8】
【0084】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム43.1部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖45.9部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例6と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例9】
【0085】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム53.8部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム10.0部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖31.2部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例6と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例10】
【0086】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム5.4部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.5部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖89.1部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.4部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水85.0部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール7.0部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例11】
【0087】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム5.4部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.84部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖88.76部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例10と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例12】
【0088】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム9.6部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム1.5部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖83.9部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例10と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例13】
【0089】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム4.2部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖52.3部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例10と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例14】
【0090】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム23.1部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム5.0部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例10と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例15】
【0091】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖50.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例10と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例16】
【0092】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム10.0部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖46.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例10と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例17】
【0093】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム40.8部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖48.2部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例10と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例18】
【0094】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム65.4部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム10.0部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖19.6部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例10と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例19】
【0095】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム30.8部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム8.0部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖56.2部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.5部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水84.9部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール7.0部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例20】
【0096】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム12部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖44.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例19と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例21】
【0097】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム53.8部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム10.0部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖31.2部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例19と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例22】
【0098】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム43.8部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム43.0部、分散剤として乳糖13.2部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム1.0部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水87.9部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール3.5部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例23】
【0099】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム46.2部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム8.0部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖40.8部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例22と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例24】
【0100】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム48.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム37.0部、分散剤として乳糖14.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例22と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例25】
【0101】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム50.0部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム35.0部、分散剤として乳糖15.0部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例22と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【0102】
以下の実施例26〜36は、前記第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物の例であり、粒状物(A)の弱酸としてリン酸二水素ナトリウム又はリン酸二水素カリウムを用い、粒状物(A)のカルシウムイオン捕捉剤としてグリシンを用い、両者の配合比を主に変更した例である。
【実施例26】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム5.4部、カルシウムイオン捕捉剤としてグリシン3.0部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖86.6部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.4部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水85.0部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール7.0部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例27】
【0103】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム5.4部、カルシウムイオン捕捉剤としてグリシン5.6部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖84.0部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例26と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例28】
【0104】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素カリウム9.6部、カルシウムイオン捕捉剤としてグリシン10.0部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖75.4部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例26と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例29】
【0105】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素カリウム28.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてグリシン21.2部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖45.3部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例26と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例30】
【0106】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム28.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてグリシン30.0部、結合剤としてデキストリン10.0部、分散剤として乳糖31.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例26と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例31】
【0107】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム28.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてグリシン49.4部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖82.9部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例26と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例32】
【0108】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム37.7部、カルシウムイオン捕捉剤としてグリシン49.0部、結合剤としてデキストリン2.0部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例26と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例33】
【0109】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてグリシン12.0部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖44.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例26と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例34】
【0110】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム40.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてグリシン42.3部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例26と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例35】
【0111】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム65.4部、カルシウムイオン捕捉剤としてグリシン15.0部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例26と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例36】
【0112】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム74.6部、カルシウムイオン捕捉剤としてグリシン3.0部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例26と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【0113】
以下の実施例37〜40は、前記第2の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物の例であり、粘性物(Y)のカルシウムイオン捕捉剤としてリン酸水素二ナトリウムを用い、粒状物(X)の弱酸としてリン酸二水素ナトリウムを用い、このリン酸二水素ナトリウムの配合割合を種々変更した例である。
【実施例37】
(粒状物(X)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム26.9部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖68.1部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(Y)の調製)
炭酸カルシウム0.4部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてリン酸水素二ナトリウム二水和物0.7部、水として精製水84.3部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール7.0部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(Y)を調製した。
そして、得られた粒状物(X)と粘性物(Y)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例38】
【0114】
(粒状物(X)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム34.6部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖60.4部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(Y)の調製)
実施例37と同様にして粘性物(Y)を調製した。
そして、得られた粒状物(X)と粘性物(Y)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例39】
【0115】
(粒状物(X)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム42.3部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖52.7部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(Y)の調製)
実施例37と同様にして粘性物(Y)を調製した。
そして、得られた粒状物(X)と粘性物(Y)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例40】
【0116】
(粒状物(X)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム50.0部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖45.0部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(Y)の調製)
実施例37と同様にして粘性物(Y)を調製した。
そして、得られた粒状物(X)と粘性物(Y)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【0117】
以下の実施例41〜59は、前記第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物の例であり、粒状物(A)に結合剤を含有させ、この結合剤の種類と配合割合とを種々変更した例である。
【実施例41】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム40.8部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてデキストリン5.0部、結合剤として馬鈴薯澱粉10.0部、分散剤として乳糖38.2部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.4部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水85.0部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール7.0部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及びペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例42】
【0118】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてデキストリン5.0部、結合剤として馬鈴薯澱粉10.0部、分散剤として乳糖40.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例41と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例43】
【0119】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム5.0部、分散剤として乳糖50.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例41と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例44】
【0120】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてメチルセルロース5.0部、分散剤として乳糖50.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例41と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例45】
【0121】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてヒドロキシプロピルスターチ5.0部、分散剤として乳糖50.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例41と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例46】
【0122】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてデキストリン5.0部とヒドロキシプロピルスターチ5.0部、分散剤として乳糖45.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例41と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例47】
【0123】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤として馬鈴薯澱粉5.0部、分散剤として乳糖50.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例41と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例48】
【0124】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロース5.0部、分散剤として乳糖50.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例41と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例49】
【0125】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロース5.0部と馬鈴薯澱粉10.0部、分散剤として乳糖40.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例41と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例50】
【0126】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム50.0部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロース5.0部、分散剤として乳糖39.0部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例41と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例51】
【0127】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム50.0部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロース5.0部、分散剤として乳糖39.0部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例41と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例52】
【0128】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム50.0部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロース5.0部と馬鈴薯澱粉10.0部、分散剤として乳糖29.0部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例41と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例53】
【0129】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム50.0部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース5.0部、分散剤として乳糖39.0部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例41と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例54】
【0130】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム50.0部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース5.0部、分散剤として乳糖39.0部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例41と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例55】
【0131】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム50.0部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース5.0部、分散剤として乳糖39.0部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例41と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例56】
【0132】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム50.0部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてデキストリン10.0部、分散剤として乳糖34.0部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例41と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例57】
【0133】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム50.0部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてデキストリン10.0部と低置換度ヒドロキシプロピルセルロース5.0部、分散剤として乳糖29.0部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例41と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例58】
【0134】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム50.0部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてデキストリン10.0部と低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを2.0部、分散剤として乳糖32.0部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例41と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例59】
【0135】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム50.0部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてデキストリン10.0部と結晶セルロース5.0部、分散剤として乳糖29.0部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例41と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【0136】
以下の実施例60〜69は、前記第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物の例であり、粒状物(A)に分散剤を含有させ、この分散剤の種類を種々変更した例である。
【実施例60】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてデキストリン10.0部、分散剤として乳糖45.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.4部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水85.0部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール7.0部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例61】
【0137】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてデキストリン10.0部、分散剤としてグルコース45.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例60と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例62】
【0138】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてデキストリン10.0部、分散剤としてサッカロース45.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例60と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例63】
【0139】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてデキストリン10.0部、分散剤としてキシリトール45.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例60と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例64】
【0140】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてデキストリン10.0部、分散剤としてソルビトール45.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例60と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例65】
【0141】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてデキストリン10.0部、分散剤としてマンチトール45.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例60と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例66】
【0142】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてデキストリン10.0部、分散剤としてマンニトール45.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例60と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例67】
【0143】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてデキストリン10.0部、分散剤として尿素45.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例60と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例68】
【0144】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてデキストリン10.0部、分散剤としてキサンタンガム45.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例60と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例69】
【0145】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてデキストリン10.0部、分散剤としてプルラン45.5部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
実施例60と同様にして粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【0146】
以下の実施例70〜86は、前記第1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物の例であり、粘性物(B)に皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤等を含有させ、この粘性物(B)の配合を種々変更した例である。
【実施例70】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム53.0部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム6.0部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖34.0部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.4部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水79.0部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール10.0部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール5.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例71】
【0147】
(粒状物(A)の調製)
実施例70と同様にして粒状物(A)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.4部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水82.0部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール10.0部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例72】
【0148】
(粒状物(A)の調製)
実施例70と同様にして粒状物(A)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.4部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水84.7部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール10.0部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例73】
【0149】
(粒状物(A)の調製)
実施例70と同様にして粒状物(A)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.4部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水82.0部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール7.0部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール5.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例74】
【0150】
(粒状物(A)の調製)
実施例70と同様にして粒状物(A)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.4部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水84.4部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール7.0部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例75】
【0151】
(粒状物(A)の調製)
実施例70と同様にして粒状物(A)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.4部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム4.0部、水として精製水84.9部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.5部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール7.0部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例76】
【0152】
(粒状物(A)の調製)
実施例70と同様にして粒状物(A)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.4部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水84.4部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム1.5部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール7.0部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例77】
【0153】
(粒状物(A)の調製)
実施例70と同様にして粒状物(A)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.4部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水86.0部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール6.0部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例78】
【0154】
(粒状物(A)の調製)
実施例70と同様にして粒状物(A)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.4部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム2.9部、水として精製水85.0部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム1.5部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール7.0部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例79】
【0155】
(粒状物(A)の調製)
実施例70と同様にして粒状物(A)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.4部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム1.9部、水として精製水85.0部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム2.5部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール7.0部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例80】
【0156】
(粒状物(A)の調製)
実施例70と同様にして粒状物(A)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.4部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム0.5部、水として精製水85.0部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム3.9部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール7.0部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例81】
【0157】
(粒状物(A)の調製)
実施例70と同様にして粒状物(A)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.4部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水88.7部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール6.0部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例82】
【0158】
(粒状物(A)の調製)
実施例70と同様にして粒状物(A)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.4部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水88.0部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール4.0部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例83】
【0159】
(粒状物(A)の調製)
実施例70と同様にして粒状物(A)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.4部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水89.0部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール5.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例84】
【0160】
(粒状物(A)の調製)
実施例70と同様にして粒状物(A)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.4部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水92.0部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例85】
【0161】
(粒状物(A)の調製)
実施例70と同様にして粒状物(A)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.4部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水94.7部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例86】
【0162】
(粒状物(A)の調製)
実施例70と同様にして粒状物(A)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム0.3部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水85.1部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール7.0部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例87】
【0163】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム5.4部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.5部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖89.1部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム6.0部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム3.5部、水として精製水79.4部、皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.9部、アルコール類として1,3−ブチレングリコール7.0部、防腐剤としてフェノキシエタノール0.5部、アルコール類及び防腐剤としてペンチレングリコール2.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【実施例88】
【0164】
(粒状物(A)の調製)
弱酸としてリン酸二水素ナトリウム38.5部、カルシウムイオン捕捉剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム4.2部、結合剤としてデキストリン5.0部、分散剤として乳糖52.3部を用い、適量の50%エタノールで顆粒状の粒状物(平均粒径0.3mm)を調製した。
(粘性物(B)の調製)
炭酸カルシウム2.7部、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム14.6部、水として精製水82.7部を使用し、粘性物(B)を調製した。
そして、得られた粒状物(A)と粘性物(B)とを組み合わせて二酸化炭素外用ゲル調製用組成物とした。
【0165】
〔比較例1〕
特開2000−319187号公報の実施例109に従い以下のように製造した。
(粒状物の製造)
クエン酸25部、エチルセルロース25部、クロスカルメロースナトリウム50部を用い、水を溶媒とする湿式押し出し造粒法により長さ約4mm、直径約1mmの多孔性柱状顆粒を製造した。
(粘性組成物の製造)
精製水89.6部に炭酸水素ナトリウム2.4部を溶かし、60℃まで徐々に加温しながらアルギン酸ナトリウム4.0部、エチルセルロース2.0部、カルボキシメチルセルロースナトリウム2.0部を徐々に加えて攪拌しながら溶かし、溶解後一夜放置し、室温まで冷まして粘性組成物を製造した。
そして、得られた粒状物と粘性組成物とを組み合わせて二酸化炭素外用剤調製用組成物とした。
【0166】
〔比較例2〕
WO02/080941の実施例1に従い以下のように製造した。
(粒状物の製造)
水溶性分散剤として乳糖50部、水溶性酸としてクエン酸30部、増粘剤として加工澱粉7部、デキストリン3部、馬鈴薯澱粉10部を用い、水を溶媒とする湿式押し出し造粒法により長さ約4mm、直径約1mmの多孔性柱状顆粒を製造した。
(粘性組成物の製造)
精製水91.5部に炭酸塩として炭酸水素ナトリウム4.0部を溶かし、60℃まで徐々に加温しながら増粘剤としてアルギン酸ナトリウム1.5部、カルボキシメチルセルロースナトリウム3.0部を徐々に加えて攪拌しながら溶かし、溶解後一夜放置し、室温まで冷まして粘性組成物を製造した。
そして、前記粒状物と粘性組成物とを組み合わせて比較例2の二酸化炭素外用剤調製用組成物とした。
【0167】
このようにして得た実施例の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物及び比較例の二酸化炭素外用剤調製用組成物をつぎのようにして評価した。
評価1:顔の部分痩せ、美白、美肌効果
実施例1〜5の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物については、粒状物1.2gと粘性物20gをプラスチック製スパチュラを用いて30回混合し、二酸化炭素外用ゲルを調製した。
比較例1の二酸化炭素外用剤調製用組成物については、粒状物2gと粘性物30gをプラスチック製スパチュラを用いて30回混合し、二酸化炭素外用剤を調製した。
比較例2の二酸化炭素外用剤調製用組成物については、粒状物1.4gと粘性組成物30gをプラスチック容器中で、ヘラを用いて30回混合して、二酸化炭素外用剤を調製した。
【0168】
実施例1〜5のいずれの二酸化炭素外用ゲル調製用組成物も、粒状物と粘性物の混合は容易であった。いずれの実施例においても粒状物は粘性物中にまんべんなく行き渡って溶けるとともに、ゲル内に気泡状二酸化炭素が実質的に認められず、適度な粘度と粘着性、柔軟性のある流動性ゲルが得られた。
得られた流動性ゲルを27〜42才の女性被験者の顔に厚さ約0.5mmに塗布したところ、いずれも流動性が充分であり、延びが良く、均一な厚みに顔全体に塗布でき、全く垂れることはなかった。塗布直後からすべてのゲルは非常に冷感が強く、塗布中持続した。尚、酸と炭酸塩の反応による二酸化炭素発生反応は吸熱反応であるため、ゲルの冷感の持続は該反応が持続していることを示す。すべてのゲルにおいて、被験者は顔が引き締まり、あるいは縮む感覚を感じた。15分後にゲルを除去したが、実施例1〜5の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物から得られたゲルはすべて適度に硬化してハイドロゲルシート状になり、顔から容易に剥がすことができた。また、すべてのゲルにおいて、被験者はゲルの塗布前と比較して肌が白く、なめらかになり、透明感が出てくすみが取れた。また、頬が小さくなる部分痩せ効果、および頬と口角があがるリフトアップ効果がすべてのゲルに認められた。特に実施例2の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物から得られたゲルが、塗布しやすさや剥がしやすさなどの使用性、及び効果の両面に優れていた。また、いずれのゲルも、30分以上塗布したときも冷感が持続し、前記の美容効果が得られた。
【0169】
一方、比較例1の二酸化炭素外用剤調製用組成物は、粒状物と粘性組成物の混合は容易であったが、得られた二酸化炭素外用剤中に多数の気泡が含まれ、へらで押さえると気泡が壊れた。当該二酸化炭素外用剤を被験者の頬に塗布したところ、塗布直後から垂れてきて落ち、衣服を汚した。また、塗布直後は冷感が感じられたが、約3分後には冷感がなくなり、二酸化炭素発生反応に持続性がないことが示された。塗布15分後に当該二酸化炭素外用剤を除去したが、非常に粘着性が強く、水で洗うだけでは除去できず、石鹸で洗わなければならなかった。除去後に肌が多少白くなってはいたものの、頬が小さくなる部分痩せ効果、および頬と口角があがるリフトアップ効果は認められなかった。
【0170】
なお、本発明の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物から得られる二酸化炭素外用ゲルは、約20gでも顔全体に塗布して余るほどであったが、比較例1の二酸化炭素外用剤調製用組成物から得られる二酸化炭素外用剤は、約30gでも当該二酸化炭素外用剤中の気泡を壊さないように顔全体に塗布するには多少不足気味であった。
また、比較例2の二酸化炭素外用剤調製用組成物は、粒状物と粘性組成物の混合は容易であり、粒状物は粘性組成物中にまんべんなく行きわたって溶けるとともに、二酸化炭素の発生は充分であった。また、得られた二酸化炭素外用剤は、被験者の頬に塗布しても垂れることはなかった。ところが、15分後に取り去った後、被験者の頬を観察したところ、前記実施例1〜5に比べて美白効果などの効果が弱かった。また、頬に塗布された二酸化炭素外用剤を完全に除去するには水での洗顔を必要としたことから、被験者によっては多少面倒であったとの感想を漏らしていた。
【0171】
評価2:腕の部分痩せ、美白、美肌効果
実施例2の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物の粒状物(A)4gと粘性物(B)60gをヘラを用いて30回混合して二酸化炭素外用ゲルを調製した。粒状物は粘性物中にまんべんなく行き渡って溶けるとともに、ゲル中に気泡状二酸化炭素は実質的に認められず、適度な粘度と粘着性、柔軟性のある流動性ゲルが得られた。この流動性ゲルを35歳の女性の右上腕に塗布したところ、流動性が充分であり、延びが良く、均一な厚みに塗布でき、全く垂れることはなかった。塗布直後から流動性ゲルは非常に冷感が強く、塗布中持続した。25分後にゲルを除去したが、ゲルは適度に硬化してハイドロゲルシート状になり、上腕から容易に剥がすことができた。上腕中央部の周囲長を計測すると、ゲル塗布前の27.5cmから26.5cmへと1cm減少し、部分痩せ効果が認められた。また、塗布部分は周囲の皮膚と比較して明らかに白く、なめらかになった。
【0172】
評価3:傷の治療(1)
9歳女児の左肘の1cm×3cmの擦過傷に対し、実施例1の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物の粒状物(A)0.5gと粘性物(B)7gを用いて二酸化炭素外用ゲルを調製し、30分間塗布した。該ゲルは調製直後は柔らかく、延びが良く、塗布しやすかった。塗布部位の冷感が塗布中持続し、傷の痛みと痒みがなくなった。30分後に該ゲルを除去したが、適度に硬化してハイドロゲルシート状になり、簡単に除去することができた。これを1日1回、5日間繰り返したところ、傷口が完全にふさがり、色素沈着もなく治癒した。
【0173】
評価4:かぶれの治療
27才女性の額左側にできた4cm×7cmの赤みを伴うにかぶれに対し、実施例4の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物の粒状物(A)0.5gと粘性物(B)15gを用いて二酸化炭素外用ゲルを調製し、20分間塗布した。該ゲルは調製直後は柔らかく、延びが良く、塗布しやすかった。塗布部位の冷感が塗布中持続し、痒みがなくなった。20分後に該ゲルを除去したが、適度に硬化してハイドロゲルシート状になり、簡単に除去することができた。該ゲル除去後、かぶれの赤みとざらつきが消え、治癒した。
【0174】
評価5:二酸化炭素の発生と吸収による反応
以下の評価は全て、27才の女性モニターを対象に行われた。
実施例6〜9の各二酸化炭素外用ゲル調製用組成物の粒状物(A)0.2gと粘性物(B)3.0gとを用いてそれぞれ二酸化炭素外用ゲルを調製し、前腕部又は下腿部に塗布した。その結果、いずれも、発生した二酸化炭素の吸収による反応(皮膚の発赤、冷感など)が起こった。また、塗布した各二酸化炭素外用ゲルは、調製後5分以内に固まらずに皮膚粘膜上に延ばすことができ、15〜20分程度で表面が固まり、30分後にはハイドロゲルシート状のゲルが形成され、その後、皮膚から綺麗に剥がすことができ、非常に良好な結果が得られた。
【0175】
実施例10〜13、15〜18の各二酸化炭素外用ゲル調製用組成物の粒状物(A)0.3gと粘性物(B)3.0gとを用いてそれぞれ二酸化炭素外用ゲルを調製し、前腕部又は下腿部に塗布した。その結果、いずれも、発生した二酸化炭素の吸収による反応(皮膚の発赤、冷感など)が起こった。また、実施例10、11により得られた各二酸化炭素外用ゲルは、いずれも、30分以内に固まり、ハイドロゲルシート化していた。一方、実施例12、13、15〜18により得られた各二酸化炭素外用ゲルは、いずれも、調製後5分以内に固まらずに皮膚粘膜上に延ばすことができ、15〜20分程度で表面が固まり、30分後にはハイドロゲルシート状のゲルが形成され、その後、皮膚から綺麗に剥がすことができ、非常に良好な結果が得られた。
【0176】
実施例14の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物の粒状物(A)0.15gと粘性物(B)3.0gとを用いて二酸化炭素外用ゲルを調製し、前腕部又は下腿部に塗布した。その結果、発生した二酸化炭素の吸収による反応(皮膚の発赤、冷感など)が起こった。また、塗布した二酸化炭素外用ゲルは、30分以内に固まり、ハイドロゲルシート化していた。
【0177】
実施例19〜25の各二酸化炭素外用ゲル調製用組成物の粒状物(A)0.2gと粘性物(B)3.0gとを用いてそれぞれ二酸化炭素外用ゲルを調製し、前腕部又は下腿部に塗布した。その結果、いずれも、発生した二酸化炭素の吸収による反応(皮膚の発赤、冷感など)が起こった。また、実施例21〜25により得られた各二酸化炭素外用ゲルは、それぞれ、30分以内に固まり、ハイドロゲルシート化していた。一方、実施例19、20により得られた各二酸化炭素外用ゲルは、いずれも、調製後5分以内に固まらずに皮膚粘膜上に延ばすことができ、15〜20分程度で表面が固まり、30分後にはハイドロゲルシート状のゲルが形成され、その後、皮膚から綺麗に剥がすことができ、非常に良好な結果が得られた。
【0178】
実施例26〜36の各二酸化炭素外用ゲル調製用組成物の粒状物(A)0.3gと粘性物(B)3.0gとを用いてそれぞれ二酸化炭素外用ゲルを調製し、前腕部又は下腿部に塗布した。その結果、いずれも、発生した二酸化炭素の吸収による反応(皮膚の発赤、冷感など)が起こった。また、塗布した各二酸化炭素外用ゲルは、それぞれ、調製後5分以内に固まらずに皮膚粘膜上に延ばすことができ、15〜20分程度で表面が固まり、30分後にはハイドロゲルシート状のゲルが形成され、その後、皮膚から綺麗に剥がすことができ、非常に良好な結果が得られた。
【0179】
実施例37〜40の各二酸化炭素外用ゲル調製用組成物の粒状物(X)0.3gと粘性物(Y)3.0gとを用いてそれぞれ二酸化炭素外用ゲルを調製し、前腕部又は下腿部に塗布した。その結果、いずれも、発生した二酸化炭素の吸収による反応(皮膚の発赤、冷感など)が起こった。また、塗布した各二酸化炭素外用ゲルは、いずれも、30分以内に固まり、ハイドロゲルシート化していた。
【0180】
実施例41〜59の各二酸化炭素外用ゲル調製用組成物の粒状物(A)0.3gと粘性物(B)3.0gとを用いてそれぞれ二酸化炭素外用ゲルを調製し、前腕部又は下腿部に塗布した。その結果、いずれも、発生した二酸化炭素の吸収による反応(皮膚の発赤、冷感など)が起こった。また、塗布した各二酸化炭素外用ゲルは、いずれも、調製後5分以内に固まらずに皮膚粘膜上に延ばすことができ、15〜20分程度で表面が固まり、30分後にはハイドロゲルシート状のゲルが形成され、その後、皮膚から綺麗に剥がすことができ、非常に良好な結果が得られた。
【0181】
実施例60〜69の各二酸化炭素外用ゲル調製用組成物の粒状物(A)0.3gと粘性物(B)3.0gとを用いてそれぞれ二酸化炭素外用ゲルを調製し、前腕部又は下腿部に塗布した。その結果、いずれも、発生した二酸化炭素の吸収による反応(皮膚の発赤、冷感など)が起こった。また、実施例61、62、66〜69により得られた各二酸化炭素外用ゲルは、いずれも、30分以内に固まり、ハイドロゲルシート化していた。一方、実施例60、63〜65により得られた各二酸化炭素外用ゲルは、いずれも、調製後5分以内に固まらずに皮膚粘膜上に延ばすことができ、15〜20分程度で表面が固まり、30分後にはハイドロゲルシート状のゲルが形成され、その後、皮膚から綺麗に剥がすことができ、非常に良好な結果が得られた。
【0182】
実施例70〜86の各二酸化炭素外用ゲル調製用組成物の粒状物(A)0.2gと粘性物(B)3.0gとを用いてそれぞれ二酸化炭素外用ゲルを調製し、前腕部又は下腿部に塗布した。その結果、いずれも、発生した二酸化炭素の吸収による反応(皮膚の発赤、冷感など)が起こった。また、実施例84、85により得られた各二酸化炭素外用ゲルは、いずれも、30分以内に固まり、ハイドロゲルシート化していた。一方、実施例70〜83、86により得られた各二酸化炭素外用ゲルは、いずれも、調製後5分以内に固まらずに皮膚粘膜上に延ばすことができ、15〜20分程度で表面が固まり、30分後にはハイドロゲルシート状のゲルが形成され、その後、皮膚から綺麗に剥がすことができ、非常に良好な結果が得られた。
【0183】
実施例87の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物の粒状物(A)0.005gと粘性物(B)3.0gとを用いて二酸化炭素外用ゲルを調製し、前腕部又は下腿部に塗布した。その結果、発生した二酸化炭素の吸収による反応(皮膚の発赤、冷感など)が起こった。また、実施例87により得られた二酸化炭素外用ゲルは、30分以内に固まり、ハイドロゲルシート化していた。
【0184】
実施例88の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物の粒状物(A)0.05gと粘性物(B)1.0gとを用いて二酸化炭素外用ゲルを調製し、前腕部又は下腿部に塗布した。その結果、発生した二酸化炭素の吸収による反応(皮膚の発赤、冷感など)が起こった。また、実施例88により得られた二酸化炭素外用ゲルは、30分以内に固まり、ハイドロゲルシート化していた。
【0185】
評価6:傷の治療(2)
41才女性の手指のあかぎれに対し、実施例19の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物の粒状物(A)0.2gと粘性物(B)3.0gを用いて二酸化炭素外用ゲルを調製し、塗布した。該ゲルは調製直後は柔らかく、延びが良く、塗布しやすかった。塗布部位の冷感が30分以上持続し、あかぎれの痛みが消えた。該ゲルは30分後には適度に硬化してハイドロゲルシート状になり、その後該シートを剥がす迄6時間以上あかぎれを保護した。
【0186】
前記評価結果から、本発明の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物により得られた二酸化炭素外用ゲルは、特開2000−319187号公報のキットやWO02/80941の組成物と比較して、より強い美容若しくは医療効果がより短時間で得られ、薄く均一に塗布でき、塗布したときに垂れず、使用後の除去が容易であることが明らかとなった。
【産業上の利用可能性】
【0187】
以上のように、本発明の第1、第2の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物によれば、ゲルに実質的に非気泡状態の二酸化炭素が多く溶解した二酸化炭素外用ゲルを得ることができる。そして、この二酸化炭素外用ゲルを皮膚粘膜に用いれば、より強い美容若しくは医療効果をより短時間に得ることができる。このため、より少ない使用量、より少ない使用回数で所望の美容若しくは医療効果を得ることができる。また、ゲルであるため塗布したときに垂れず、使用後の除去が容易である。したがって、化粧料や、創傷被覆材などの外用医薬品等として好適に利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲルに二酸化炭素が実質的に非気泡状態で溶解してなる二酸化炭素外用ゲルの調製に用いられ、
下記の粒状物(A)と、この粒状物(A)と混合する粘性物(B)と、からなることを特徴とする二酸化炭素外用ゲル調製用組成物。
(A)弱酸と、カルシウムイオン捕捉剤とを必須成分とする粒状物。
(B)炭酸カルシウムと、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤と、水とを必須成分とする粘性物。
【請求項2】
前記粒状物(A)のカルシウムイオン捕捉剤が、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムおよびグリシンのうちの少なくとも一方であることを特徴とする請求項1記載の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物。
【請求項3】
前記粒状物(A)の弱酸が、リン酸二水素ナトリウムおよびリン酸二水素カリウムのうちの少なくとも一方であり、
前記粒状物(A)のカルシウムイオン捕捉剤が、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムおよびグリシンのうちの少なくとも一方であり、
かつ、前記粘性物(B)のカルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤が、アルギン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1記載の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物。
【請求項4】
前記粒状物(A)が、さらに分散剤を含有することを特徴とする請求項1記載の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物。
【請求項5】
前記粒状物(A)が、さらに分散剤と結合剤とを含有することを特徴とする請求項1記載の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物。
【請求項6】
前記粘性物(B)が、さらに皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤を含有することを特徴とする請求項1記載の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物。
【請求項7】
前記粘性物(B)が、さらにアルコール類を含有することを特徴とする請求項1記載の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物。
【請求項8】
前記粒状物(A)の平均粒径が、0.05〜1.0mmの範囲に設定されていることを特徴とする請求項1記載の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物。
【請求項9】
ゲルに二酸化炭素が実質的に非気泡状態で溶解してなる二酸化炭素外用ゲルの調製に用いられ、
下記の粒状物(X)と、この粒状物(X)と混合する粘性物(Y)と、からなることを特徴とする二酸化炭素外用ゲル調製用組成物。
(X)弱酸と、分散剤とを必須成分とする粒状物。
(Y)炭酸カルシウムと、カルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤と、カルシウムイオン捕捉剤と、水とを必須成分とする粘性物。
【請求項10】
前記粘性物(Y)のカルシウムイオン捕捉剤が、リン酸水素二ナトリウムであることを特徴とする請求項9記載の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物。
【請求項11】
前記粒状物(X)の弱酸が、リン酸二水素ナトリウムおよびリン酸二水素カリウムのうちの少なくとも一方であり、
かつ、前記粘性物(Y)のカルシウムイオンによりゲル化するゲル化剤が、アルギン酸ナトリウムであり、
前記粘性物(Y)のカルシウムイオン捕捉剤が、リン酸水素二ナトリウムであることを特徴とする請求項9記載の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物。
【請求項12】
前記粒状物(X)が、さらに結合剤を含有することを特徴とする請求項9記載の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物。
【請求項13】
前記粘性物(Y)が、さらに皮膚粘膜表面との親和性を高めるための粘着剤を含有することを特徴とする請求項9記載の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物。
【請求項14】
前記粘性物(Y)が、さらにアルコール類を含有することを特徴とする請求項9記載の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物。
【請求項15】
前記粒状物(X)の平均粒径が、0.05〜1.0mmの範囲に設定されていることを特徴とする請求項9記載の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物を用いてなり、ゲルに二酸化炭素が実質的に非気泡状態で溶解してなることを特徴とする二酸化炭素外用ゲル。
【請求項17】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の二酸化炭素外用ゲル調製用組成物を用いてなり、ゲルに二酸化炭素が実質的に非気泡状態で溶解してなることを特徴とする創傷被覆材。

【国際公開番号】WO2005/016290
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【発行日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−513210(P2005−513210)
【国際出願番号】PCT/JP2004/011882
【国際出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(301039505)ネオケミア株式会社 (15)
【Fターム(参考)】