説明

交差した流路方向を有する内部発熱式の熱交換構造体

【課題】 種々の流体を一時的に加熱するのに適する高熱効率でコンパクトな熱交換構造体を提供する。
【解決手段】 隔壁11によって仕切られた並行に一方向に伸長する多数の縦流路12を備えて一体に形成されたハニカム構造と、流体を加熱するための発熱手段とを備えた熱交換構造体であって、前記ハニカム構造の縦流路方向の一方の端面13において一部の縦流路が目封じされ、他方の端面において、該目封じされた縦流路と目封じされていない縦流路12とを連絡して流体の流れ方向を反転させる回り込み部15が形成され、該目封じされた各縦流路に、熱交換構造体の外壁の少なくとも1面に形成された穴まで、該縦流路に交差し前記隔壁を貫いて該縦流路を連結する横断流路が形成された熱交換構造体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部発熱を回収する方式の熱交換構造体に関し、より詳しくは、熱交換体の内部で熱を発生させ、その発熱を利用して流体を効率的に一時的に加熱することができる熱交換構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
流体を一時的に加熱することは種々の産業分野において様々な要請に応じて行われている。例えば、化学工業分野では、目的とする化学反応に適する温度まで原料を加熱することが、数多くの化学装置において行われている。また、食品工業分野では、殺菌等を目的とした原料又は製品の加熱が、様々な種類の食品に対して行われている。こうした加熱は、高い熱効率の下でコンパクトな装置によって行われることが望ましい。
【0003】
また、いわゆる悪臭ガス又は揮発性有機溶剤(VOC)は、一般に、燃焼によって無臭の無害ガスに転化させることができるが、この燃焼は、有機物質を低濃度で含む大量の比較的温度の低いガスに対して行う必要がある。
また、自動車エンジン等の内燃機関の排ガスに関し、一般に、ガソリンエンジンの排ガスには、有害物質の一酸化炭素、炭化水素類、及び窒素酸化物が含まれ、ディーゼルエンジンの排ガスには、さらにパティキュレートが含まれる。これらの有害物質は、酸化触媒、三元触媒、選択還元触媒等の触媒作用により浄化され得るが、地球温暖化防止等の観点から、二酸化炭素(CO)の排出量の低減、即ち、燃費の向上もまた要請されている。この燃費が向上されるにつれてエンジン排ガスの温度は必然的に低下するため、かかる触媒作用による浄化は、より低温でも行われることが要請されつつある。
【0004】
一方、エンジンの空燃比制御や燃料後噴射の技術の向上により、燃費をそれ程低下させることなく、Oの存在下で排ガス中に、例えば数1000ppm程度のCOを含ませることが、可能となっている。
先行技術において、こうした発熱成分を利用して熱交換作用により有利に排ガス浄化を行う装置又はデバイスが提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。これらの装置では、コンパクトながら高い熱交換性能を発揮する構造として、一体型波形伝熱面を基本とする熱交換構造体が用いられている。この場合、高い熱交換性能を発揮させるためには、処理する流体が通過する波形構造体のすき間間隔を全領域で一定に保つ必要があり、そのため波形伝熱面にさらに細かいピッチの凹凸をつけたり、あるいは流体が通過できる空隙を有する板状の金網などの構造体をスペーサーとしてすき間にはさむ必要がある。波形伝熱面にさらに細かいピッチの凹凸をつけることは技術的にたいへんむずかしく、従って経済的でない。また、スペーサーをすき間にはさむと流通抵抗を増したり、装置としての熱容量が大きくなって、熱交換構造体としての性能を大幅に損ねることになる。
また、ハニカム構造体に熱交換機能を与えて有利に反応を進めることが提案されている(特許文献4)。しかし、この提案で、熱交換されるのは、伝熱面をはさんで互いに独立した2つの流路を流れる流体間であり、1系統の流体を一時的に効率的に加熱させるという目的に使用することはできない。
【特許文献1】特開2000−189757号公報
【特許文献2】特表2003−524728号公報
【特許文献3】WO2004/099577A1
【特許文献4】特開平8−283002号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、熱交換構造体のより一層の改良であり、種々の流体を一時的に加熱するのに適する高熱効率でコンパクトな熱交換構造体を提供することである。
【0006】
本発明は、隔壁によって仕切られた並行に一方向に伸長する多数の縦流路を備えて一体に形成されたハニカム構造と、流体を加熱するための発熱手段とを備えた熱交換構造体であって、
前記ハニカム構造の縦流路方向の一方の端面において一部の縦流路が目封じされ、他方の端面において、該目封じされた縦流路と目封じされていない縦流路とを連絡して流体の流れ方向を反転させる回り込み部が形成され、
該目封じされた各縦流路に、熱交換構造体の外壁の少なくとも1面に形成された穴まで、該縦流路に交差し前記隔壁を貫いて該縦流路を連結する横断流路が形成されており、
前記回り込み部の上流側の縦流路を流れる流体と前記回り込み部の下流側の縦流路を流れる流体とが向流を形成し、かつ前記発熱手段によって生じた熱が、該下流側の縦流路を流れる流体から該上流側の縦流路を流れる流体に隔壁を介して伝達されることを特徴とする熱交換構造体である。
【0007】
本発明の熱交換構造体は、ハニカム構造を利用して、交差した流路方向を有する流体流路を形成しており、これにより、コンパクトで高耐久性の熱交換機能を有する構造体とすることができる。即ち、ハニカム構造に、発熱手段、回り込み部、複数の横断流路等を適切に設けることにより、流体が構造体の中を流れる際に熱交換が生じる熱交換構造体を構成する。この構造体は、ハニカム構造に基づくため、コンパクトかつ高強度に構成することができ、また、使用実績のある高耐久性の材料からハニカム構造を構成できるため、高耐久性の熱交換構造体とすることができる。
【0008】
本発明の熱交換構造体においては、発熱手段によって生じた熱が、下流側の縦流路を流れる流体から上流側の縦流路を流れる流体に隔壁を介して伝達される。即ち、発熱手段によって生じた熱が、下流側から上流側に戻され、この伝熱により発熱手段の上流側の温度がさらに高められ、それにより発熱手段の直下の温度がさらに高められる。
【0009】
このようにして発熱手段によって生じた熱を、上流側の流体に戻すことにより、本発明の熱交換構造体は、いわゆる自己熱交換加熱器として機能することができ、効率的に流体の温度を、流れの中で一時的に著しく高めることができる。例えば、発熱手段により、流体にその20℃の温度上昇に相当する熱量を与え、上記の隔壁を介する熱交換率が80%とすると、流体の最高温度を100℃上昇させることができる。ここで、この熱交換率80%は、本発明のハニカム構造の熱交換構造体においては、十分に達成可能なレベルである。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、流体を一時的に加熱するのに適する高熱効率でコンパクトな熱交換構造体が提供される。本発明の熱交換構造体は、様々な数多くの用途に適用することができ、具体的な例としては、種々の化学装置に含まれる加熱装置、食品工業分野における殺菌等を目的とした加熱装置、悪臭ガス又は揮発性有機溶剤(VOC)の燃焼浄化装置、自動車エンジン等の内燃機関の排ガス浄化装置等が挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の熱交換構造体は、いくつかの態様が実施可能である。
図1,2は、本発明の熱交換構造体の好ましい態様の1つ模式的に示すものであり、該熱交換構造体は、ハニカム構造の縦流路方向の一方の端面において一部の縦流路が目封じされ、他方の端面において目封じされた縦流路と目封じされていない縦流路とを連絡し、それにより流体の流れ方向を反転させる回り込み部が形成される。図1は該熱交換構造体の斜視図であり、図2はその平面図である。
【0012】
この態様の熱交換構造体10は、隔壁11によって形成された縦流路12の配列として、ハニカム構造の一方の端面において、交互の列で目封じ材料13が配置され、その目封じ材料13により目封じされた縦流路12が位置する箇所の、対向する2つの外壁に穴14,14´が形成されており、前記目封じされた1連の縦流路12間の隔壁11を貫いてそれぞれ穴14,14´に達する横断流路16が形成されている。
【0013】
流体は、熱交換構造体10の目封じされていない縦流路12から流入し、上流側の縦流路12を通り、回り込み部15に到達する。そして流体は、その回り込み部15で流れの方向を変え、上流側の縦流路12と反対向きに下流側の縦流路12を流通して横断流路16に到達し、各横断流路で二方向に分かれて、横断流路16を流下して外壁に形成された穴14,14´から、熱交換構造体10の系外に二手に分かれて流出する。
【0014】
あるいは、流体は、かかる流路を逆に流れて、外壁に形成された穴14より二方向から熱交換構造体10に流入し、各横断流路16でまとまって封じされた縦流路12に流入し、該上流側の縦流路12、回り込み部15、目封じされていない下流側の縦流路12を順に流通して、目封じされていない縦流路12から、熱交換構造体10の系外に流出することもできる。
【0015】
図3は、本発明の熱交換構造体の別の態様を模式的に示す斜視図であり、該図に示すように、横断流路16を、一方の外壁だけに貫通させ、他方の外壁には貫通させずにその手前の隔壁まで貫通するにとどめてある。
この態様においても、流体は、先の態様と同様に、熱交換構造体10の目封じされていない縦流路12から流入する。そして、流体は、上流側の縦流路12を通り、回り込み部で流れの方向を変え、上流側の縦流路12と反対向きに下流側の縦流路12を流通して横断流路16に到達するが、1つの外壁に形成された穴14から熱交換構造体10の系外に流出する。
【0016】
あるいは、流体は、かかる流路を逆に流れて、外壁に形成された穴14より一方向から熱交換構造体10に流入し、各横断流路16でまとまって目封じされた縦流路12に流入し、該上流側の縦流路12、回り込み部15、目封じされていない下流側の縦流路12を順に流通して、目封じされていない縦流路12から、熱交換構造体10の系外に一方向に流出することもできる。
【0017】
こうした流れの中で、上流側の縦流路を流れる流体と下流側の縦流路を流れる流体は向流を形成し、かつ発熱手段によって昇温された下流側の縦流路の流体から、上流側の縦流路の流体に、熱交換構造体10の隔壁11を介して伝熱が生じる。
【0018】
これらの態様において、好ましくは、縦流路端部の目封じ材料13の近傍に横断流路が形成される。これにより、縦流路が全体的に有効な流路として使用され、伝熱が生じる隔壁の面積を最大限にすることができる。
横断流路16は、縦流路12の目封じ材料13と隔壁11の端部との間隙によって形成することができる。即ち、目封じされる箇所の隔壁を外壁よりも短く終端させ、その隔壁端部と目封じ材料との間に空隙を連通させることにより、その空隙を横断流路として利用することができる。あるいは、横断流路は、ハニカム構造の隔壁に穴を連通させることにより形成することもできる。
【0019】
目封じされた縦流路は、種々の態様が実施可能である。
図4は、目封じされた縦流路の1つの態様を例示する平面図である。この態様においては、目封じされた縦流路が、ハニカム構造の縦流路の一方の端面において、縞状のパターンを形成している。
【0020】
図5は、もう1つの態様を示す平面図であって、この態様においては、目封じされた縦流路が、ハニカム構造の縦流路の一方の端面において、格子状のパターンを形成している。
【0021】
図6は、またもう1つの態様を示す平面図であって、この態様においては、目封じされた縦流路が、ハニカム構造の縦流路の一方の端面において、分枝した線状のパターンを形成している。
【0022】
図7は、さらにもう1つの態様を示す平面図であって、この態様においては、目封じされた縦流路が、ハニカム構造の縦流路の一方の端面において、屈曲した線状のパターンを形成している。
これらの縦流路のパターンは、所望とする流れの均一性、圧力損失、伝熱面積等を考慮して適宜選択することができる。
【0023】
目封じされた縦流路は、横断流路によって連結され、さらに外壁に形成された穴に連結する。この穴が形成される外壁面は1つの外壁面でよく、即ち、熱交換構造体への入口又は出口を1つの外壁面にまとめることができ、あるいは、この穴が形成される外壁面は2つ以上の外壁面でもよく、即ち、熱交換構造体への入口又は出口を複数の外壁面に分配することもできる。かかる穴の配置は、同様に、所望とする流れの均一性、圧力損失、伝熱面積等を考慮して適宜選択することができる。
【0024】
また、一連の縦流路を連結する横断流路及び外壁面に形成される穴の数は、1つに限らず、複数を形成することもでき、所望とする流れの均一性、圧力損失等を考慮して適宜選択することができる。
【0025】
本発明の熱交換構造体においては、縦流路の形状は、ハニカム構造体においてあり得る形状を適用することができ、具体的には、縦流路は、三角形、四角形、六角形、及びこれらの組み合わせから選択された断面形状を有することができる。
また、本発明の熱交換構造体においては、縦流路の数やサイズ、隔壁の厚さを特に限定する必要はなく、ハニカム構造体においてあり得る範囲の中で、流体の種類や流量、熱交換構造体のサイズ、必要とされる熱交換率、許容される圧力損失等を考慮して適切に決めることができる。同様に、横断流路の数やサイズも、流体の種類や流量、熱交換構造体のサイズ、必要とされる熱交換率、許容される圧力損失等を考慮して適切に決めることができる。
【0026】
また、本発明の熱交換構造体においては、隔壁や外壁等の材料を特に限定する必要はなく、ハニカム構造体においてあり得る範囲の中で、暴露される雰囲気や温度、流体の種類等を考慮して適切に決めることができる。一般的な材料としてのコージェライトや炭化ケイ素等のセラミック材料、SUS304やSUS310等の金属材料は、本発明の熱交換構造体においても適切な材料の例である。
【0027】
本発明の熱交換構造体を上記のセラミック材料から構成する場合、工業的に通常行われているような、セラミック原料粉末、バインダー、分散剤、焼結助剤等を含んで、易成形性で焼成により硬化するセラミック材料配合物を調製し、押出成形等によりハニカム構造を作成した後、焼成して目的とする形状の構造体を製造する方法が好適に採用できる。
【0028】
こうした方法において、セラミック材料配合物を用いて、ハニカム構造を一体に形成した後、縦流路の隔壁を穿孔して、縦流路を連結する複数の横断流路を設け、あるいは隔壁の端部と間隙を設けて目封じ材料の配合物を充填することにより横断流路を設け、次いでセラミック材料配合物を焼成すれば、横断流路を形成するにおいて、損傷の発生や強度低下が抑えられた熱交換構造体を製造することができる。
【0029】
好ましい態様として、回り込み部の側壁を、縦流路を超えて伸長する熱交換構造体の外壁が形成する。即ち、熱交換構造体の外壁を延長し、その外壁の端部を封止して縦流路の端部の先に空洞を形成し、その空洞を回り込み部として使用する。これにより、回り込み部がコンパクトに一体になった熱交換構造体を構成することができる。
【0030】
図8、9は、本発明のまた別の好ましい態様である熱交換構造体を示すものであって、ハニカム構造の縦流路方向の一方の端面において一部の縦流路が目封じされ、他方の端面において全ての縦流路が目封じされている。回り込み部は、該他方の目封じされた縦流路の端部の隔壁を、該横断流路の伸長方向と交差して貫く横断穴によって形成される。図8は、かかる態様の横断穴17を備えた熱交換構造体の模式的な斜視図であり、図9はその平面図である。この態様も、縦流路の端部を回り込み部とするため、同様に、回り込み部がコンパクトに一体になった熱交換構造体を構成することができる。
【0031】
本発明の熱交換構造体は、流体を加熱するための発熱手段を備える。この発熱手段は、流体をその流れの中で加熱することができる任意のものから選択可能である。
【0032】
好ましい態様において、この発熱手段は、流体に含まれる発熱成分を化学反応により発熱させる触媒であり、この触媒が、回り込み部の近傍の隔壁に担持される。限定されるものではないが、この発熱成分は、CO、H、又はCH等の炭化水素のような可燃成分と酸素の組み合わせが適切であり、触媒としては、Pt、Pdのような酸化触媒が適切に例示される。この態様においては、例えば、回り込み部の近傍の隔壁に、ウォッシュコートによって活性アルミナのような担体材料をコートし、その担体材料にPt、Pd等を担持することにより発熱手段が構成される。
【0033】
あるいは、この触媒は、ペレットや網のような通気性材料に、上記のPt、Pdのような酸化触媒を担持し、これを回り込み部の近傍の流路内に充填して配置することもできる。
かかる触媒を用いることにより、例えば、1%程度、あるいはそれ以下の1000ppm程度の可燃成分と数%の酸素からなる発熱成分を含む流体であっても、酸化反応等により熱を発生させることができる。
【0034】
別な好ましい態様において、この発熱手段が、回り込み部又はその近傍に配置された電気ヒーター又は燃焼バーナーである。即ち、一般的な加熱装置である電気ヒーターや燃焼バーナーを本発明における発熱手段として用いることもできる。
これらの発熱手段は、好ましくは、回り込み部又はその近傍に配置される。これにより、発熱手段が、熱交換構造体の中の流通経路におけるほぼ中央部分に位置することができ、縦流路を全体的に伝熱が生じる流路として最大限に利用することができる。
【0035】
この発熱手段から供給される熱量は、限定されるものではないが、一応の目安として、流体の平均温度を1〜500℃、より好ましくは5〜100℃、さらに好ましくは10〜50℃昇温させる熱量である。この発生した熱量は、下流側の縦流路を流れる流体から上流側の縦流路を流れる流体に隔壁を介して伝達され、この伝熱により発熱手段の上流側の温度がさらに高められ、それにより発熱手段の直下の温度がさらに高められる。
【0036】
こうした熱の循環により、本発明の熱交換構造体は、いわゆる自己熱交換加熱器として機能することができ、効率的に流体の温度を、流れの中で一時的に著しく高めることができる。上述のように、発熱手段により、流体に20℃の温度上昇に相当する熱量を与え、上記の隔壁を介する熱交換率が80%とすると、流体の最高温度を100℃上昇させることができ、熱効率の極めて優れた加熱手段として利用することができる。
【0037】
本発明の熱交換構造体により加熱される流体は、一時的に高温に曝されることが必要な任意の流体であることができ、気体又は液体のいずれでもよく、あるいはサスペンジョンやエマルジョンのような二相以上を含む流体であることもでき、即ち、流動性のある任意の流体であることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の熱交換構造体の構成を例示する斜視図である。
【図2】図1の熱交換構造体の平面図である。
【図3】本発明の別な態様の熱交換構造体を例示する斜視図である。
【図4】目封じされた縦流路のパターンの1つの態様を示す平面図である。
【図5】目封じされた縦流路のパターンの別の態様の1つを示す平面図である。
【図6】目封じされた縦流路のパターンの別の態様の1つを示す平面図である。
【図7】目封じされた縦流路のパターンの別の態様の1つを示す平面図である。
【図8】本発明のさらに別な態様の熱交換構造体を例示する斜視図である。
【図9】図8の熱交換構造体の平面図である。
【符号の説明】
【0039】
10 熱交換構造体
11 隔壁
12 縦流路
13 目封じ材料
14、14´ 外壁面の穴
15 回り込み部
16 横断流路
17 横断穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隔壁によって仕切られた並行に一方向に伸長する多数の縦流路を備えて一体に形成されたハニカム構造と、流体を加熱するための発熱手段とを備えた熱交換構造体であって、
前記ハニカム構造の縦流路方向の一方の端面において一部の縦流路が目封じされ、他方の端面において、該目封じされた縦流路と目封じされていない縦流路とを連絡して流体の流れ方向を反転させる回り込み部が形成され、
該目封じされた各縦流路に、熱交換構造体の外壁の少なくとも1面に形成された穴まで、該縦流路に交差し前記隔壁を貫いて該縦流路を連結する横断流路が形成されており、
前記回り込み部の上流側の縦流路を流れる流体と前記回り込み5部の下流側の縦流路を流れる流体とが向流を形成し、かつ前記発熱手段によって生じた熱が、該下流側の縦流路を流れる流体から該上流側の縦流路を流れる流体に隔壁を介して伝達されることを特徴とする熱交換構造体。
【請求項2】
前記流体は、前記ハニカム構造の目封じされていない縦流路から流入し、前記上流側の縦流路、前記回り込み部、前記下流側の縦流路、及び前記横断流路を順に流通して外壁に形成された穴から流出する請求項1に記載の熱交換構造体。
【請求項3】
前記流体は、外壁に形成された穴から流入し、前記横断流路、前記上流側の縦流路、前記回り込み部、前記下流側の縦流路を順に流通して、前記ハニカム構造の目封じされていない縦流路から流出する請求項1に記載の熱交換構造体。
【請求項4】
前記横断流路が、前記縦流路の目封じされた部分材料と前記隔壁の端部との間隙によって形成された請求項1ないし3のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
【請求項5】
前記横断流路が、前記隔壁を連通する穴によって形成された請求項1ないし3のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
【請求項6】
前記横断流路が、該ハニカム構造を一体に形成した後に、前記隔壁を穿孔して形成されたものである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
【請求項7】
前記ハニカム構造の縦流路の一方の端面において、目封じされた縦流路が、縞状のパターンを形成した請求項1ないし6のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
【請求項8】
前記ハニカム構造の縦流路の一方の端面において、目封じされた縦流路が、格子状のパターンを形成している請求項1ないし6のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
【請求項9】
前記ハニカム構造の縦流路の一方の端面において、目封じされた縦流路が、屈曲した線状のパターンを形成している請求項1ないし5のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
【請求項10】
前記ハニカム構造の縦流路の一方の端面において、目封じされた縦流路が、分枝した線状のパターンを形成している請求項1ないし5のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
【請求項11】
前記外壁に形成された穴が、1つの外壁面に形成された請求項1ないし10のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
【請求項12】
前記外壁に形成された穴が、2つ以上の外壁面に形成された請求項1ないし10のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
【請求項13】
前記縦流路が、三角形、四角形、六角形、及びこれらの組み合わせから選択された断面形状を有する請求項1ないし12のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
【請求項14】
前記熱交換構造体の外壁が延長され、記回り込み部が、その外壁端部を封止することにより形成された縦流路の端部の先の空洞からなる請求項1ないし13のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
【請求項15】
前記ハニカム構造の縦流路方向の一方の端面において一部の縦流路が目封じされ、他方の端面において全ての縦流路が目封じされており、前記回り込み部が、該他方の目封じされた縦流路の端部近傍の隔壁を該横断流路の伸長方向と交差して貫く横断穴によって形成されている請求項1ないし13のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
【請求項16】
前記発熱手段が、前記流体に含まれる発熱成分を化学反応により発熱させる触媒であり、該触媒が、前記回り込み部の近傍の隔壁に担持された請求項1ないし15のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
【請求項17】
前記発熱手段が、前記流体に含まれる発熱成分を化学反応により発熱させる触媒であり、該触媒が、前記回り込み部の近傍の流路内に充填された請求項1ないし15のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
【請求項18】
前記発熱手段が、前記回り込み部又はその近傍に配置された電気ヒーターである請求項1ないし15のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
【請求項19】
前記発熱手段が、前記回り込み部又はその近傍に配置された燃焼バーナーである請求項1ないし15のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
【請求項20】
焼成により硬化するセラミック材料配合物を用いて、前記ハニカム構造を一体に形成した後、該縦流路を連結する複数の横断流路を設け、次いで該セラミック材料配合物を焼成することを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載の熱交換構造体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−198706(P2007−198706A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−20305(P2006−20305)
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「革新的次世代低公害車総合技術開発 新燃料方式の研究開発及び燃料の適正化/革新的後処理システムの研究開発:次世代低公害車開発プログラム/革新的次世代低公害車総合技術開発」委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】