交流交流電力変換器
【課題】専用の検出回路を用いずに電力変換器の入出力端子が逆接続されていることを正確に検出して異常時の原因究明を容易にし、スイッチング素子等の保護を図る。逆接続状態のままで支障なく運転可能とする。
【解決手段】マトリクスコンバータ3等の電力変換器の正規の入力端子に印加されている交流電圧を検出する入力端電圧検出手段11と、正規の出力端子に印加されている交流電圧を検出する出力端電圧検出手段12と、両検出手段11,12により検出した電圧情報を用いて、マトリクスコンバータ3の逆接続状態を検知する逆接続検知手段13と、逆接続状態を検知した際に、正常接続時におけるスイッチング素子の駆動信号を逆接続時の駆動信号に入れ替えてなるスイッチングパターンを生成する制御手段14とを備える。
【解決手段】マトリクスコンバータ3等の電力変換器の正規の入力端子に印加されている交流電圧を検出する入力端電圧検出手段11と、正規の出力端子に印加されている交流電圧を検出する出力端電圧検出手段12と、両検出手段11,12により検出した電圧情報を用いて、マトリクスコンバータ3の逆接続状態を検知する逆接続検知手段13と、逆接続状態を検知した際に、正常接続時におけるスイッチング素子の駆動信号を逆接続時の駆動信号に入れ替えてなるスイッチングパターンを生成する制御手段14とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流電源から任意の大きさ及び周波数の交流電圧を出力する交流交流電力変換器において、変換器の入出力端子を誤って逆に接続した場合にこの逆接続状態を速やかに検知すると共に、逆接続状態のままで正常接続時と同様の運転を可能とした電力変換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
交流交流電力変換器の一例として、図12に示すようなマトリクスコンバータ3が知られている。
マトリクスコンバータは、交流電源電圧から大型のエネルギーバッファを介さずに、任意の大きさ及び周波数の交流電圧を直接得ることができる電力変換器であり、長寿命、省スペースであって入力電流が制御できるために電力回生可能であり、電源高調波を抑制できる等の特徴がある。なお、図12において、1は三相交流電源、Smnはマトリクスコンバータ3を構成するスイッチとして、IGBT等の半導体スイッチング素子を備えた双方向スイッチ、R,S,Tは電源1側の入力端子、U,V,Wは負荷側の出力端子である。
【0003】
一方、エネルギーバッファを有する電力変換器として、整流器とインバータとを有する交流交流電力変換器(以下、インバータ装置という)がある。この場合、整流器としては、ダイオードブリッジやPWM整流器が使用されている。
図13は、エネルギーバッファとしての大型の電解コンデンサ22、ダイオードブリッジからなる整流器24及びインバータ23を備えたインバータ装置を示している。このインバータ装置は、交流入力端子R,S,Tに加えられた交流電源電圧を整流器24により整流して電解コンデンサ22に蓄積し、電解コンデンサ22の直流電圧をインバータ23により任意の大きさ、周波数の交流電圧に変換している。
【0004】
ところで、マトリクスコンバータもインバータ装置も、入力端子R,S,Tと出力端子U,V,Wとを誤って逆に接続して運転すると、半導体素子が破壊され、装置の故障を引き起こす。以下、故障する原理について説明する。
【0005】
図13はインバータ装置における誤接続時の電流経路、図14はマトリクスコンバータにおける誤接続時の電流経路を説明するための図である。
図13において、交流電源を入力端子R,S,Tではなく誤って出力端子U,V,Wに接続すると、インバータ装置では還流ダイオードを介して直流電圧が上昇する。通常、インバータ装置では直流電圧から制御装置の電源を供給することが多いため、この場合、制御装置は異常なく運転準備状態となり得る。
一方、マトリクスコンバータの場合には、別系統から制御装置の電源が供給されていれば、同様に運転準備状態となり得る。
【0006】
このような状態で運転を開始すると、インバータ装置の場合、例えば図13に矢印で示すようにU相及びV相の上アーム間に短絡経路が発生するようなスイッチングパターンが存在し、半導体スイッチング素子に大電流が流れて破壊を招く。これは、例えばU相の上下アームを同時にオンするようなスイッチングパターンは存在しないが、異なるアームのスイッチング素子相互間では任意のスイッチングパターンがあり得るため、短絡経路が形成される可能性があるからである。また、図13に示す短絡経路以外にも、U相及びW相の上アーム間、V相及びW相の上アーム間、各相の下アーム間で短絡経路が形成されるスイッチングパターンが存在する。
マトリクスコンバータの場合もインバータ装置と同様に、入力端子R,S,T同士を短絡するスイッチングパターンは存在しないが、出力端子U,V,W同士を短絡するスイッチングパターンが存在するので、例えば図14に矢印で示すような短絡経路が形成される。
この場合、電力変換器が過電流保護回路を有していたとしても、過電流保護回路は短絡が発生した後に動作するため、スイッチング素子の破壊を防ぐことはできない。
【0007】
なお、特許文献1には、インバータ装置における入出力端子逆接続時の保護回路が開示されている。
この先行技術文献の請求項1に記載された従来技術は、交流電源が正常に印加されていることを検出する電源電圧検出回路を設け、その出力信号によりオンするインターロックスイッチと運転信号スイッチとのアンド条件によってインバータ部のスイッチング素子を駆動する駆動回路を動作させるものであり、インバータ装置の入出力端子逆接続時には、前記インターロックスイッチをオフさせることで駆動回路の動作を不能にし、インバータ部のスイッチング素子の遮断状態を維持して相間の短絡を防止するものである。
また、先行技術文献の請求項3〜6に記載された従来技術は、インバータ装置の直流電圧(平滑コンデンサの電圧)を所定値と比較する電圧比較回路を備え、入出力端子が逆接続されたことによって前記直流電圧が確立していない状態では制御装置の電源電圧が不足するため、この動作不能な制御装置によってスイッチング素子の遮断状態を維持することにより、相間の短絡を防止するものである。
【0008】
【特許文献1】特開平5−268722号公報([0021],[0022],[0025]〜[0028]、図1,図3〜図6等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1における請求項1の従来技術では、インバータ装置の入出力端子を逆接続した場合と電源電圧低下等による電源異常時との何れの場合にも、インターロックスイッチがオフして駆動回路の動作を不能にすることができるが、これによると逆接続状態を電源電圧異常と判別することができない。また、特許文献1における請求項3〜6の従来技術でも、制御装置の電源が別系統から供給されている場合には、同様に逆接続と電源電圧異常との判別が不可能である。
従って、人為的な誤接続か電源電圧異常かを判別するための原因究明に多くの時間や労力を要するという問題があり、逆接続を検出する専用の検出回路を別に設けるとすれば、装置のコスト上昇や大形化を招く原因となる。
【0010】
一方、マトリクスコンバータ等の直接変換器やインバータ装置の主回路構成を考えれば、入出力端子が逆接続されていても、制御を正しく行えば装置の運転は可能である。しかるに上記従来技術では、そもそも逆接続と電源電圧異常との判別が不可能であるためインバータ装置の運転を停止せざるを得ないばかりか、装置の正常接続時における入力端電圧のみを検出し、出力端電圧(逆接続時の入力端電圧に相当する)を検出する構成を備えていないため、逆接続状態のままで電力変換器を運転することができない。
【0011】
そこで本発明の解決課題は、専用の検出回路を要することなく電力変換器の入出力端子が逆接続されていることを正確に検出して異常時の原因究明を容易にし、スイッチング素子等の保護を可能にすると共に、逆接続状態のままで支障なく運転できるようにした交流交流電力変換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、半導体スイッチング素子のオンオフにより交流電源電圧を任意の大きさ及び周波数の交流電圧に変換して出力する交流交流電力変換器において、
前記変換器の正規の入力端子に印加されている交流電圧を検出する入力端電圧検出手段と、
前記変換器の正規の出力端子に印加されている交流電圧を検出する出力端電圧検出手段と、
前記入力端電圧検出手段及び出力端電圧検出手段により検出した電圧情報を用いて、前記変換器の正規の出力端子が交流電源側に接続され、かつ、正規の入力端子が負荷側に接続された逆接続状態を検知する逆接続検知手段と、
この検知手段により逆接続状態を検知した際に、正常接続時における前記半導体スイッチング素子の駆動信号を逆接続時の駆動信号に入れ替えてなるスイッチングパターンを生成する制御手段と、を備えたものである。
【0013】
請求項2に記載した発明は、半導体スイッチング素子のオンオフにより交流電源電圧を任意の大きさ及び周波数の交流電圧に変換して出力する交流交流電力変換器において、
前記変換器の正規の入力端子を流れる交流電流を検出する入力端電流検出手段と、
前記変換器の正規の出力端子を流れる交流電流を検出する出力端電流検出手段と、
前記入力端電流検出手段及び出力端電流検出手段により検出した電流情報を用いて、前記変換器の正規の出力端子が交流電源側に接続され、かつ、正規の入力端子が負荷側に接続された逆接続状態を検知する逆接続検知手段と、
この検知手段により逆接続状態を検知した際に、正常接続時における前記半導体スイッチング素子の駆動信号を逆接続時の駆動信号に入れ替えてなるスイッチングパターンを生成する制御手段と、を備えたものである。
【0014】
なお、請求項3〜8に記載するように、前記電圧情報、電流情報としては、交流電圧または交流電流の大きさ、周波数、位相を用いることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、入力端及び出力端の電圧、または入力端及び出力端の電流を検出するという容易に実現可能な手段により、電力変換器の入出力端子の接続状態を正確に検知することができ、入出力端子を誤って逆接続した場合でも、半導体スイッチング素子の駆動信号を適宜入れ替えることで正常接続時と同様の運転を行うことができる。
特に、電圧転流方式の交流交流直接変換器では、変換器を制御するために電圧情報を検出しているが、請求項1記載の発明によれば、接続状態の検知に用いる電圧検出手段と制御に用いる電圧検出手段とを兼用することが可能である。また、接続状態検知用の電圧情報は電圧の大きさ、周波数、位相の何れか一つを検出できればよいので、ほとんどの電力変換器に対して、最小限の回路を追加するだけでよい。すなわち、請求項1に記載した発明は、電圧転流方式の交流交流直接変換器に対して非常に有効であると言える。
同様の理由により、請求項2に記載した発明は、変換器の制御に電流検出を行っている電流転流方式の交流交流直接変換器に対して特に有効である。
【0016】
また、交流交流電力変換器としてのインバータ装置に対しては、請求項1または2の発明のどちらを適用しても逆接続状態の検知及び運転が可能であるから、システム構成に応じて実現が容易な方法を選択すればよい。
いずれにしても、請求項1または2に記載した発明によれば、入出力端子を誤って逆に接続した場合でも、装置を破壊せずに正常に運転できるという高い信頼性を有するばかりでなく、最小限の回路を追加するだけで利便性に優れた安価な電力変換器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。図1は第1の発明に係る第1実施形態を示す構成図であり、本発明をマトリクスコンバータ3に適用した場合のものである。
図1において、双方向スイッチSmn群からなるマトリクスコンバータ3と三相交流電源1との間には、リアクトル及びコンデンサ等からなる入力フィルタ2が接続され、マトリクスコンバータ3の出力端子U,V,Wには負荷4が接続されている。
【0018】
マトリクスコンバータ3の双方向スイッチSmnをオンオフ制御するための制御装置10Aは、正規の入力端子R,S,Tの電圧を検出する入力端電圧検出手段11と、正規の出力端子U,V,Wの電圧を検出する出力端電圧検出手段12と、両検出手段12,13の出力に基づいて入出力端子の逆接続を検知する逆接続検知手段13と、制御指令と共に検知手段13の出力が加えられてマトリクスコンバータ3のスイッチングパターンを生成するマトリクスコンバータ制御手段14とから構成されている。
【0019】
マトリクスコンバータ3の入力端子R,S,T及び出力端子U,V,Wが正常に接続されている場合、制御装置10Aでは、入力端電圧検出手段11による電圧検出値と制御指令とを用いてマトリクスコンバータ制御手段14がスイッチングパターンを作成し、ゲートドライブ回路を介して双方向スイッチSmnのオンオフを切り替えることにより所望の出力電圧を発生させている。
【0020】
次に、マトリクスコンバータ3の入力端子R,S,Tが負荷4側に接続され、出力端子U,V,Wが三相交流電源1側に接続される逆接続状態において、正常接続時と同様の運転を行うためには、まず逆接続状態であることを正確に検知する必要がある。
逆接続状態は、入出力電圧の大きさ、周波数、位相の何れか一つに着目すれば検出可能であるが、ここでは入出力電圧の大きさ(振幅)を用いた逆接続状態の検知方法について説明する。
【0021】
電力変換器の制御に入力電圧を使用する場合は、入力端電圧検出手段11により制御用の電圧検出と逆接続検知用の電圧検出という二つの機能を兼ね備えることが可能であり、新たに電圧検出手段を追加する必要はない。一方、この実施形態では逆接続状態を検出するために新たに出力端電圧検出手段12が必要になるが、これは比較的簡単な構成によって容易に実現可能である。
【0022】
以下、本実施形態における逆接続状態の検知方法について説明する。
入力端子R,S,T側の電圧vr,vs,vtを交流2軸成分vα,vβにより表すと、数式1となる。
【0023】
【数1】
【0024】
数式1から、入力電圧ベクトルの大きさ|Vi|を求めると数式2となる。
【0025】
【数2】
【0026】
ここで、図2に示すように、マトリクスコンバータ3の入力端子R,S,Tが負荷4に接続され、出力端子U,V,Wが入力フィルタ2を介して三相交流電源1に接続される逆接続状態を考える。この場合、入力端子R,S,T側の電圧情報はゼロとなり、逆接続検知手段13に設定された所定のしきい値(第1の異常検知規定値)を下回るため、入力電圧の低下が検出される。
しかしながら、このような入力端電圧の低下だけでは、図2のような逆接続によるものか、あるいは正常接続時における系統電圧の異常であるのかを判別することができない。そこで、本実施形態では、出力端電圧検出手段12による検出電圧から入力端電圧の低下原因を判別し、逆接続を正確に検知するようにした。
【0027】
すなわち、入力端電圧検出手段11により検出された入力端電圧が第1の異常検知規定値を下回った場合、出力端電圧検出手段12による検出電圧と第2の異常検知規定値との大小関係によって正常接続時における系統電圧の異常と逆接続とを判別することができる。つまり、正常接続時には出力端電圧検出手段12による電圧情報がゼロとなり、第2の異常検知規定値を下回るが、逆接続時には出力端子U,V,Wに電源1が接続されているため、出力端電圧検出手段12による検出電圧が第2の異常検知規定値を下回ることはない。
【0028】
従って、逆接続検知手段13は、両検出手段11,12の出力に基づいて、入力端子R,S,T側の電圧が第1の異常検知規定値以下であり、かつ出力端子U,V,W側の電圧が第2の異常検知規定値以上である場合に、入力端子R,S,Tと出力端子U,V,Wとが誤って逆に接続されていることを検知可能であり、入力電圧が低下した原因を特定することができる。
なお、出力端電圧検出手段12としては厳密な精度は必要ではなく、計器用変圧器及びコンパレータ等により構成できるため、複雑な追加回路は不要である。
【0029】
図3は、逆接続検知手段13の動作を示すフローチャートであり、入出力電圧の振幅から逆接続状態を検知する場合のものである。
各検出手段11,12により入力端及び出力端電圧を検出し(ステップS1,S2)、入力端電圧に関する数式2の電圧ベクトルの大きさが第1の異常検知規定値以上である場合(S3 NO)には、入出力端子が正常に接続されていると判断してマトリクスコンバータ3に運転許可を与え(S6)、運転待機状態へと移行する。
なお、ステップS1,S2における入力端及び出力端電流の検出処理は、後述する第3,第4実施形態に関するものである。
【0030】
また、入力端電圧が第1の異常検知規定値未満であり(S3 YES)、かつ出力端電圧が第2の異常検知規定値未満である場合(S4 NO)は、系統電圧の低下による電源系統の異常と判断し(S7)、運転を停止させる。このように系統電圧の低下による電源異常の場合は、電圧が復帰すれば自動的に再起動を行うなどの処理が可能である。
【0031】
一方、数式2の電圧ベクトルの大きさが第1の異常検知規定値未満であって出力端電圧が第2の異常検知規定値以上である場合(S4 YES)には、前述の如く逆接続と判断して逆接続フラグをオンし(S5)、図2のマトリクスコンバータ制御手段14へ逆接続状態であることを示す信号を出力した上で、運転を許可する。なお、この逆接続時における運転方法については後述する。
【0032】
次に、本実施形態において、入出力電圧の周波数または位相を検出することにより、逆接続状態を検知することも可能である。図4は、入出力電圧の周波数から逆接続状態を検知する場合の逆接続検知手段13の動作を示すフローチャートである。
入力端子R,S,Tに電源1が正しく接続されている場合、入力端電圧検出手段11により電源周波数が検出されるが、電圧低下などの電源異常が発生すると電源周波数と異なる周波数が検出される。
一方、出力端子U,V,Wに電源1を接続すると、入力端電圧検出手段11により検出される電圧の周波数はゼロとなる。
【0033】
そこで、図4のステップS11において検出した入力端電圧の周波数が規定範囲内(例えば、電源周波数±10%の範囲)であれば(S13 NO)、正常に接続されていると判断し、運転許可を与える(S16)。
また、入力端電圧周波数が規定値範囲外の場合(S13 YES)には、正常接続時であって電源異常、または、逆接続状態の何れかであることが推定されるため、ステップS12において検出した出力端電圧の周波数を参照する。この出力端周波数が規定範囲外であれば(S14 NO)、出力端子U,V,Wは電源1に接続されておらず、接続状態は正常であると考えられるので、電源系統の異常と判断し(S17)、運転を停止させる。
更に、出力端電圧の周波数が規定範囲内であれば(S14 YES)、出力端子U,V,Wは電源1に接続されていると見なせるので、逆接続フラグをオンし(S15)、後述する逆接続時の運転に移行する。
【0034】
次に、図5は、入出力電圧の位相から逆接続状態を検知する場合の逆接続検知手段13の動作を示すフローチャートである。
すなわち、電源1が接続されていない端子では電圧の位相変化がないことを利用し、入力端電圧の位相に変化がある場合は正常接続時と判断して運転を許可する(S23 NO,S26)。入力端電圧の位相変化がない場合であって出力端電圧の位相変化がない場合には(S23 YES,S24 NO)、正常接続時における電源系統の異常と判断して運転を停止させ(S27)、出力端電圧の位相変化がある場合には(S24 YES)、出力端子U,V,Wに電源1が接続されていると判断して逆接続フラグをオンし(S25)、下記の逆接続時の運転に移行する。
【0035】
次いで、マトリクスコンバータ3の逆接続状態における運転方法について説明する。
図6は、マトリクスコンバータ3の正常接続時の双方向スイッチの接続構成を示し、図7は逆接続時の双方向スイッチの接続構成を示している。これらの図において、入力端子Rと出力端子Uとを接続する双方向スイッチをSruと表記し、以下、同様に各スイッチを定義することとする。
【0036】
図2におけるマトリクスコンバータ制御手段14は、逆接続検知手段13からの逆接続フラグによって逆接続を検出すると、マトリクスコンバータ3の出力端子U,V,Wを電源側端子としてPWMパターン信号を演算し、得られたPWMパターン信号を表1に従って入れ替える。例えば、正常接続時の双方向スイッチSruに与えるPWMパターン信号1はそのまま逆接続時の双方向スイッチSruのPWMパターン信号とし、正常接続時のSrvに与えるPWMパターン信号2は逆接続時のSsuのPWMパターン信号とし、以下同様に正常接続時のSrwに与えるPWMパターン信号3を逆接続時のStuに、正常接続時のSsuに与えるPWMパターン信号4を逆接続時のSrvに、……というように入れ替える。
【0037】
【表1】
【0038】
これにより、図7の如く逆接続された状態でも、逆接続時の双方向スイッチSruには正常接続時の同SruのPWMパターン信号1がそのまま与えられ、逆接続時の双方向スイッチSsuには正常接続時の同SrvのPWMパターン信号2がそのまま与えられ、逆接続時の双方向スイッチStuには正常接続時の同SrwのPWMパターン信号3がそのまま与えられ、……というように、実質的に図6の正常接続時と同様の接続状態を得ることができる。
従って、マトリクスコンバータ3が逆接続されているにもかかわらず、相間の短絡を防止しながら運転を行うことが可能になる。なお、この実施形態では、逆接続により電源1に接続される側の出力端電圧検出手段12により電圧位相を検出して入力電流指令を作成することも可能である。
また、双方向スイッチの接続構成は種々存在するが、同様にPWMパターン信号を入れ替えれば逆接続状態での運転を実現できることはいうまでもない。
【0039】
次に、図8は第1の発明に係る第2実施形態を示す構成図であり、交流交流電力変換器として、PWM整流器21とインバータ23とエネルギーバッファとしての電解コンデンサ22とからなるインバータ装置20を用いた場合のものである。
また、図9はPWM整流器21及びインバータ23の構成図であり、S1r〜S6r,S1〜S6は還流ダイオードが逆並列接続されたIGBT等の半導体スイッチング素子を示す。
【0040】
この実施形態においても、第1実施形態と同様に逆接続状態を検知可能であり、PWMパターン信号を入れ替えることで逆接続時にインバータ装置20を運転することができる。
すなわち、第1実施形態と同様に、図8の制御装置10Bは、入力端電圧検出手段11、出力端電圧検出手段12及び逆接続検知手段13によりインバータ装置20の逆接続状態を検知する。逆接続状態の検出には、前記同様に入出力端電圧の大きさ、周波数、位相の何れを用いてもよい。
【0041】
インバータ装置制御手段15では、逆接続検知手段13からの逆接続フラグを検知すると、インバータ23の出力端子U,V,Wを電源側端子としてPWMパターン信号を演算し、得られたPWMパターン信号を表2に従って入れ替えることにより、逆接続状態においても正常接続時と同様の運転が可能になる。
【0042】
【表2】
【0043】
また、図9から明らかなように、PWM整流器21はすべての半導体スイッチング素子S1r〜S6rをオフすると、ダイオードブリッジとして動作する。よって、表3に示すように、逆接続時にはインバータ23側の6個の半導体スイッチング素子S1〜S6をすべてオフすることにより、運転を行うことも可能である。
【0044】
【表3】
【0045】
次いで、第2の発明に係る第3実施形態を説明する。
この第3実施形態は、入力端電流及び出力端電流に基づいて電力変換器の逆接続状態を検出し、逆接続状態のままで変換器の運転を可能としたものである。
【0046】
エネルギーバッファを持たないマトリクスコンバータ等の交流交流直接変換器は、入力電圧を検出して制御を行う電圧転流方式のものと、出力電流を検出して制御を行う電流転流方式のものがある。電流転流方式の直接変換器は電圧検出手段を持たないため、前述した第1実施形態を適用すると、逆接続状態を検出するために新たに電圧検出手段を入出力端双方に追加する必要が生じる。また、逆接続状態において運転を行うには、直接変換器の入力端(正常接続時の出力端)に電流検出手段を設ける必要がある。これらの検出手段を追加して逆接続時における運転が可能になったとしても、入出力端に電圧検出手段と電流検出手段とを設けることにより装置のコストが上昇するという問題がある。
【0047】
そこで第3実施形態では、電流転流方式の交流交流電力変換器、特にマトリクスコンバータ等の直接変換器において、逆接続状態を検知するために入出力端の電流を利用することとした。電流転流方式の直接変換器では、制御に用いる電流検出手段と逆接続検知に用いる電流検出手段とを兼用できるため、入力端(正常接続時の出力端)に電流検出手段を追加するだけでよく、追加する回路を必要最小限に抑えることができる。
よって、第1の発明に係る第1実施形態は電圧転流方式の電力変換器に、第2の発明に係る第3実施形態は電流転流方式の電力変換器に対してより有効であると言える。
【0048】
なお、前述した第2実施形態や後述する第4実施形態のインバータ装置20では、直流電圧を検出すれば運転が可能である。よって、入出力電圧、入出力電流は逆接続状態を検知するために必要なだけであり、どちらを検出しても機能に差異は生じないため、適用するシステムに応じてより適した検出手段を選択することが可能である。
ここで、表4は、マトリクスコンバータ等の直接変換器及びインバータ装置に対する第1、第2の発明の適性をまとめたものである。
【0049】
【表4】
【0050】
なお、第1の発明と第2の発明とを併用すれば、電圧・電流いずれの転流方式の変換器においても逆接続状態での運転が可能となるが、入出力端子に電圧検出手段及び電流検出手段を設ける必要があるため、コストを考えると必ずしも適切とは言えない。
【0051】
図10は第2の発明に係る第3実施形態の構成図であり、電流転流方式のマトリクスコンバータ3を対象としている。
制御装置10C内の入力端電流検出手段16は入力端の電流情報を、出力端電流検出手段17は出力端の電流情報を検出する。逆接続検知手段13は、検出した入出力電流により逆接続状態、電源系統異常を検知するが、この検知手段13は、入出力端電圧情報を用いる第1,第2実施形態と全く同一の構成によって実現可能であり、入出力端電流の大きさ、周波数、位相の何れか一つを用いて逆接続状態、電源系統異常を検出すればよい。
マトリクスコンバータ制御手段14ではPWMパターンを演算し、検知したマトリクスコンバータ3の接続状態を示す信号に応じて、演算したPWMパターンを前述の表1のように双方向スイッチへ割り当てることにより、逆接続状態での運転を可能とする。
【0052】
図11は第2の発明に係る第4実施形態の構成図であり、インバータ装置20を対象としている。
図11における制御装置10Dの構成は、インバータ装置制御手段15以外は実質的に図10の制御装置10Cと同一である。
インバータ装置20の接続状態はマトリクスコンバータ3の場合と同一の方法で検知することができ、インバータ装置制御手段15により演算したPWMパターンを、接続状態に応じて前述の表2または表3のように各スイッチング素子に割り当てるだけで逆接続状態での運転を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1実施形態を示す構成図である。
【図2】第1実施形態における逆接続時の構成図である。
【図3】本発明の各実施形態における逆接続検知動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の各実施形態における逆接続検知動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の各実施形態における逆接続検知動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態における正常接続時の構成図である。
【図7】本発明の第1実施形態における逆接続時の構成図である。
【図8】本発明の第2実施形態を示す構成図である。
【図9】第2実施形態におけるインバータ装置の構成図である。
【図10】本発明の第3実施形態を示す構成図である。
【図11】本発明の第4実施形態を示す構成図である。
【図12】マトリクスコンバータの構成図である。
【図13】インバータ装置の構成図である。
【図14】マトリクスコンバータにおける短絡電流経路の説明図である。
【符号の説明】
【0054】
1:三相交流電源
2:入力フィルタ
3:マトリクスコンバータ
4:負荷
10A,10B,10C,10D:制御装置
11:入力端電圧検出手段
12:出力端電圧検出手段
13:逆接続検知手段
14:マトリクスコンバータ制御手段
15:インバータ装置制御手段
16:入力端電流検出手段
17:出力端電圧検出手段
20:インバータ装置
21:PWM整流器
22:電解コンデンサ
23:インバータ
Smn:双方向スイッチ
R,S,T:入力端子
U,V,W:出力端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流電源から任意の大きさ及び周波数の交流電圧を出力する交流交流電力変換器において、変換器の入出力端子を誤って逆に接続した場合にこの逆接続状態を速やかに検知すると共に、逆接続状態のままで正常接続時と同様の運転を可能とした電力変換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
交流交流電力変換器の一例として、図12に示すようなマトリクスコンバータ3が知られている。
マトリクスコンバータは、交流電源電圧から大型のエネルギーバッファを介さずに、任意の大きさ及び周波数の交流電圧を直接得ることができる電力変換器であり、長寿命、省スペースであって入力電流が制御できるために電力回生可能であり、電源高調波を抑制できる等の特徴がある。なお、図12において、1は三相交流電源、Smnはマトリクスコンバータ3を構成するスイッチとして、IGBT等の半導体スイッチング素子を備えた双方向スイッチ、R,S,Tは電源1側の入力端子、U,V,Wは負荷側の出力端子である。
【0003】
一方、エネルギーバッファを有する電力変換器として、整流器とインバータとを有する交流交流電力変換器(以下、インバータ装置という)がある。この場合、整流器としては、ダイオードブリッジやPWM整流器が使用されている。
図13は、エネルギーバッファとしての大型の電解コンデンサ22、ダイオードブリッジからなる整流器24及びインバータ23を備えたインバータ装置を示している。このインバータ装置は、交流入力端子R,S,Tに加えられた交流電源電圧を整流器24により整流して電解コンデンサ22に蓄積し、電解コンデンサ22の直流電圧をインバータ23により任意の大きさ、周波数の交流電圧に変換している。
【0004】
ところで、マトリクスコンバータもインバータ装置も、入力端子R,S,Tと出力端子U,V,Wとを誤って逆に接続して運転すると、半導体素子が破壊され、装置の故障を引き起こす。以下、故障する原理について説明する。
【0005】
図13はインバータ装置における誤接続時の電流経路、図14はマトリクスコンバータにおける誤接続時の電流経路を説明するための図である。
図13において、交流電源を入力端子R,S,Tではなく誤って出力端子U,V,Wに接続すると、インバータ装置では還流ダイオードを介して直流電圧が上昇する。通常、インバータ装置では直流電圧から制御装置の電源を供給することが多いため、この場合、制御装置は異常なく運転準備状態となり得る。
一方、マトリクスコンバータの場合には、別系統から制御装置の電源が供給されていれば、同様に運転準備状態となり得る。
【0006】
このような状態で運転を開始すると、インバータ装置の場合、例えば図13に矢印で示すようにU相及びV相の上アーム間に短絡経路が発生するようなスイッチングパターンが存在し、半導体スイッチング素子に大電流が流れて破壊を招く。これは、例えばU相の上下アームを同時にオンするようなスイッチングパターンは存在しないが、異なるアームのスイッチング素子相互間では任意のスイッチングパターンがあり得るため、短絡経路が形成される可能性があるからである。また、図13に示す短絡経路以外にも、U相及びW相の上アーム間、V相及びW相の上アーム間、各相の下アーム間で短絡経路が形成されるスイッチングパターンが存在する。
マトリクスコンバータの場合もインバータ装置と同様に、入力端子R,S,T同士を短絡するスイッチングパターンは存在しないが、出力端子U,V,W同士を短絡するスイッチングパターンが存在するので、例えば図14に矢印で示すような短絡経路が形成される。
この場合、電力変換器が過電流保護回路を有していたとしても、過電流保護回路は短絡が発生した後に動作するため、スイッチング素子の破壊を防ぐことはできない。
【0007】
なお、特許文献1には、インバータ装置における入出力端子逆接続時の保護回路が開示されている。
この先行技術文献の請求項1に記載された従来技術は、交流電源が正常に印加されていることを検出する電源電圧検出回路を設け、その出力信号によりオンするインターロックスイッチと運転信号スイッチとのアンド条件によってインバータ部のスイッチング素子を駆動する駆動回路を動作させるものであり、インバータ装置の入出力端子逆接続時には、前記インターロックスイッチをオフさせることで駆動回路の動作を不能にし、インバータ部のスイッチング素子の遮断状態を維持して相間の短絡を防止するものである。
また、先行技術文献の請求項3〜6に記載された従来技術は、インバータ装置の直流電圧(平滑コンデンサの電圧)を所定値と比較する電圧比較回路を備え、入出力端子が逆接続されたことによって前記直流電圧が確立していない状態では制御装置の電源電圧が不足するため、この動作不能な制御装置によってスイッチング素子の遮断状態を維持することにより、相間の短絡を防止するものである。
【0008】
【特許文献1】特開平5−268722号公報([0021],[0022],[0025]〜[0028]、図1,図3〜図6等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1における請求項1の従来技術では、インバータ装置の入出力端子を逆接続した場合と電源電圧低下等による電源異常時との何れの場合にも、インターロックスイッチがオフして駆動回路の動作を不能にすることができるが、これによると逆接続状態を電源電圧異常と判別することができない。また、特許文献1における請求項3〜6の従来技術でも、制御装置の電源が別系統から供給されている場合には、同様に逆接続と電源電圧異常との判別が不可能である。
従って、人為的な誤接続か電源電圧異常かを判別するための原因究明に多くの時間や労力を要するという問題があり、逆接続を検出する専用の検出回路を別に設けるとすれば、装置のコスト上昇や大形化を招く原因となる。
【0010】
一方、マトリクスコンバータ等の直接変換器やインバータ装置の主回路構成を考えれば、入出力端子が逆接続されていても、制御を正しく行えば装置の運転は可能である。しかるに上記従来技術では、そもそも逆接続と電源電圧異常との判別が不可能であるためインバータ装置の運転を停止せざるを得ないばかりか、装置の正常接続時における入力端電圧のみを検出し、出力端電圧(逆接続時の入力端電圧に相当する)を検出する構成を備えていないため、逆接続状態のままで電力変換器を運転することができない。
【0011】
そこで本発明の解決課題は、専用の検出回路を要することなく電力変換器の入出力端子が逆接続されていることを正確に検出して異常時の原因究明を容易にし、スイッチング素子等の保護を可能にすると共に、逆接続状態のままで支障なく運転できるようにした交流交流電力変換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、半導体スイッチング素子のオンオフにより交流電源電圧を任意の大きさ及び周波数の交流電圧に変換して出力する交流交流電力変換器において、
前記変換器の正規の入力端子に印加されている交流電圧を検出する入力端電圧検出手段と、
前記変換器の正規の出力端子に印加されている交流電圧を検出する出力端電圧検出手段と、
前記入力端電圧検出手段及び出力端電圧検出手段により検出した電圧情報を用いて、前記変換器の正規の出力端子が交流電源側に接続され、かつ、正規の入力端子が負荷側に接続された逆接続状態を検知する逆接続検知手段と、
この検知手段により逆接続状態を検知した際に、正常接続時における前記半導体スイッチング素子の駆動信号を逆接続時の駆動信号に入れ替えてなるスイッチングパターンを生成する制御手段と、を備えたものである。
【0013】
請求項2に記載した発明は、半導体スイッチング素子のオンオフにより交流電源電圧を任意の大きさ及び周波数の交流電圧に変換して出力する交流交流電力変換器において、
前記変換器の正規の入力端子を流れる交流電流を検出する入力端電流検出手段と、
前記変換器の正規の出力端子を流れる交流電流を検出する出力端電流検出手段と、
前記入力端電流検出手段及び出力端電流検出手段により検出した電流情報を用いて、前記変換器の正規の出力端子が交流電源側に接続され、かつ、正規の入力端子が負荷側に接続された逆接続状態を検知する逆接続検知手段と、
この検知手段により逆接続状態を検知した際に、正常接続時における前記半導体スイッチング素子の駆動信号を逆接続時の駆動信号に入れ替えてなるスイッチングパターンを生成する制御手段と、を備えたものである。
【0014】
なお、請求項3〜8に記載するように、前記電圧情報、電流情報としては、交流電圧または交流電流の大きさ、周波数、位相を用いることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、入力端及び出力端の電圧、または入力端及び出力端の電流を検出するという容易に実現可能な手段により、電力変換器の入出力端子の接続状態を正確に検知することができ、入出力端子を誤って逆接続した場合でも、半導体スイッチング素子の駆動信号を適宜入れ替えることで正常接続時と同様の運転を行うことができる。
特に、電圧転流方式の交流交流直接変換器では、変換器を制御するために電圧情報を検出しているが、請求項1記載の発明によれば、接続状態の検知に用いる電圧検出手段と制御に用いる電圧検出手段とを兼用することが可能である。また、接続状態検知用の電圧情報は電圧の大きさ、周波数、位相の何れか一つを検出できればよいので、ほとんどの電力変換器に対して、最小限の回路を追加するだけでよい。すなわち、請求項1に記載した発明は、電圧転流方式の交流交流直接変換器に対して非常に有効であると言える。
同様の理由により、請求項2に記載した発明は、変換器の制御に電流検出を行っている電流転流方式の交流交流直接変換器に対して特に有効である。
【0016】
また、交流交流電力変換器としてのインバータ装置に対しては、請求項1または2の発明のどちらを適用しても逆接続状態の検知及び運転が可能であるから、システム構成に応じて実現が容易な方法を選択すればよい。
いずれにしても、請求項1または2に記載した発明によれば、入出力端子を誤って逆に接続した場合でも、装置を破壊せずに正常に運転できるという高い信頼性を有するばかりでなく、最小限の回路を追加するだけで利便性に優れた安価な電力変換器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。図1は第1の発明に係る第1実施形態を示す構成図であり、本発明をマトリクスコンバータ3に適用した場合のものである。
図1において、双方向スイッチSmn群からなるマトリクスコンバータ3と三相交流電源1との間には、リアクトル及びコンデンサ等からなる入力フィルタ2が接続され、マトリクスコンバータ3の出力端子U,V,Wには負荷4が接続されている。
【0018】
マトリクスコンバータ3の双方向スイッチSmnをオンオフ制御するための制御装置10Aは、正規の入力端子R,S,Tの電圧を検出する入力端電圧検出手段11と、正規の出力端子U,V,Wの電圧を検出する出力端電圧検出手段12と、両検出手段12,13の出力に基づいて入出力端子の逆接続を検知する逆接続検知手段13と、制御指令と共に検知手段13の出力が加えられてマトリクスコンバータ3のスイッチングパターンを生成するマトリクスコンバータ制御手段14とから構成されている。
【0019】
マトリクスコンバータ3の入力端子R,S,T及び出力端子U,V,Wが正常に接続されている場合、制御装置10Aでは、入力端電圧検出手段11による電圧検出値と制御指令とを用いてマトリクスコンバータ制御手段14がスイッチングパターンを作成し、ゲートドライブ回路を介して双方向スイッチSmnのオンオフを切り替えることにより所望の出力電圧を発生させている。
【0020】
次に、マトリクスコンバータ3の入力端子R,S,Tが負荷4側に接続され、出力端子U,V,Wが三相交流電源1側に接続される逆接続状態において、正常接続時と同様の運転を行うためには、まず逆接続状態であることを正確に検知する必要がある。
逆接続状態は、入出力電圧の大きさ、周波数、位相の何れか一つに着目すれば検出可能であるが、ここでは入出力電圧の大きさ(振幅)を用いた逆接続状態の検知方法について説明する。
【0021】
電力変換器の制御に入力電圧を使用する場合は、入力端電圧検出手段11により制御用の電圧検出と逆接続検知用の電圧検出という二つの機能を兼ね備えることが可能であり、新たに電圧検出手段を追加する必要はない。一方、この実施形態では逆接続状態を検出するために新たに出力端電圧検出手段12が必要になるが、これは比較的簡単な構成によって容易に実現可能である。
【0022】
以下、本実施形態における逆接続状態の検知方法について説明する。
入力端子R,S,T側の電圧vr,vs,vtを交流2軸成分vα,vβにより表すと、数式1となる。
【0023】
【数1】
【0024】
数式1から、入力電圧ベクトルの大きさ|Vi|を求めると数式2となる。
【0025】
【数2】
【0026】
ここで、図2に示すように、マトリクスコンバータ3の入力端子R,S,Tが負荷4に接続され、出力端子U,V,Wが入力フィルタ2を介して三相交流電源1に接続される逆接続状態を考える。この場合、入力端子R,S,T側の電圧情報はゼロとなり、逆接続検知手段13に設定された所定のしきい値(第1の異常検知規定値)を下回るため、入力電圧の低下が検出される。
しかしながら、このような入力端電圧の低下だけでは、図2のような逆接続によるものか、あるいは正常接続時における系統電圧の異常であるのかを判別することができない。そこで、本実施形態では、出力端電圧検出手段12による検出電圧から入力端電圧の低下原因を判別し、逆接続を正確に検知するようにした。
【0027】
すなわち、入力端電圧検出手段11により検出された入力端電圧が第1の異常検知規定値を下回った場合、出力端電圧検出手段12による検出電圧と第2の異常検知規定値との大小関係によって正常接続時における系統電圧の異常と逆接続とを判別することができる。つまり、正常接続時には出力端電圧検出手段12による電圧情報がゼロとなり、第2の異常検知規定値を下回るが、逆接続時には出力端子U,V,Wに電源1が接続されているため、出力端電圧検出手段12による検出電圧が第2の異常検知規定値を下回ることはない。
【0028】
従って、逆接続検知手段13は、両検出手段11,12の出力に基づいて、入力端子R,S,T側の電圧が第1の異常検知規定値以下であり、かつ出力端子U,V,W側の電圧が第2の異常検知規定値以上である場合に、入力端子R,S,Tと出力端子U,V,Wとが誤って逆に接続されていることを検知可能であり、入力電圧が低下した原因を特定することができる。
なお、出力端電圧検出手段12としては厳密な精度は必要ではなく、計器用変圧器及びコンパレータ等により構成できるため、複雑な追加回路は不要である。
【0029】
図3は、逆接続検知手段13の動作を示すフローチャートであり、入出力電圧の振幅から逆接続状態を検知する場合のものである。
各検出手段11,12により入力端及び出力端電圧を検出し(ステップS1,S2)、入力端電圧に関する数式2の電圧ベクトルの大きさが第1の異常検知規定値以上である場合(S3 NO)には、入出力端子が正常に接続されていると判断してマトリクスコンバータ3に運転許可を与え(S6)、運転待機状態へと移行する。
なお、ステップS1,S2における入力端及び出力端電流の検出処理は、後述する第3,第4実施形態に関するものである。
【0030】
また、入力端電圧が第1の異常検知規定値未満であり(S3 YES)、かつ出力端電圧が第2の異常検知規定値未満である場合(S4 NO)は、系統電圧の低下による電源系統の異常と判断し(S7)、運転を停止させる。このように系統電圧の低下による電源異常の場合は、電圧が復帰すれば自動的に再起動を行うなどの処理が可能である。
【0031】
一方、数式2の電圧ベクトルの大きさが第1の異常検知規定値未満であって出力端電圧が第2の異常検知規定値以上である場合(S4 YES)には、前述の如く逆接続と判断して逆接続フラグをオンし(S5)、図2のマトリクスコンバータ制御手段14へ逆接続状態であることを示す信号を出力した上で、運転を許可する。なお、この逆接続時における運転方法については後述する。
【0032】
次に、本実施形態において、入出力電圧の周波数または位相を検出することにより、逆接続状態を検知することも可能である。図4は、入出力電圧の周波数から逆接続状態を検知する場合の逆接続検知手段13の動作を示すフローチャートである。
入力端子R,S,Tに電源1が正しく接続されている場合、入力端電圧検出手段11により電源周波数が検出されるが、電圧低下などの電源異常が発生すると電源周波数と異なる周波数が検出される。
一方、出力端子U,V,Wに電源1を接続すると、入力端電圧検出手段11により検出される電圧の周波数はゼロとなる。
【0033】
そこで、図4のステップS11において検出した入力端電圧の周波数が規定範囲内(例えば、電源周波数±10%の範囲)であれば(S13 NO)、正常に接続されていると判断し、運転許可を与える(S16)。
また、入力端電圧周波数が規定値範囲外の場合(S13 YES)には、正常接続時であって電源異常、または、逆接続状態の何れかであることが推定されるため、ステップS12において検出した出力端電圧の周波数を参照する。この出力端周波数が規定範囲外であれば(S14 NO)、出力端子U,V,Wは電源1に接続されておらず、接続状態は正常であると考えられるので、電源系統の異常と判断し(S17)、運転を停止させる。
更に、出力端電圧の周波数が規定範囲内であれば(S14 YES)、出力端子U,V,Wは電源1に接続されていると見なせるので、逆接続フラグをオンし(S15)、後述する逆接続時の運転に移行する。
【0034】
次に、図5は、入出力電圧の位相から逆接続状態を検知する場合の逆接続検知手段13の動作を示すフローチャートである。
すなわち、電源1が接続されていない端子では電圧の位相変化がないことを利用し、入力端電圧の位相に変化がある場合は正常接続時と判断して運転を許可する(S23 NO,S26)。入力端電圧の位相変化がない場合であって出力端電圧の位相変化がない場合には(S23 YES,S24 NO)、正常接続時における電源系統の異常と判断して運転を停止させ(S27)、出力端電圧の位相変化がある場合には(S24 YES)、出力端子U,V,Wに電源1が接続されていると判断して逆接続フラグをオンし(S25)、下記の逆接続時の運転に移行する。
【0035】
次いで、マトリクスコンバータ3の逆接続状態における運転方法について説明する。
図6は、マトリクスコンバータ3の正常接続時の双方向スイッチの接続構成を示し、図7は逆接続時の双方向スイッチの接続構成を示している。これらの図において、入力端子Rと出力端子Uとを接続する双方向スイッチをSruと表記し、以下、同様に各スイッチを定義することとする。
【0036】
図2におけるマトリクスコンバータ制御手段14は、逆接続検知手段13からの逆接続フラグによって逆接続を検出すると、マトリクスコンバータ3の出力端子U,V,Wを電源側端子としてPWMパターン信号を演算し、得られたPWMパターン信号を表1に従って入れ替える。例えば、正常接続時の双方向スイッチSruに与えるPWMパターン信号1はそのまま逆接続時の双方向スイッチSruのPWMパターン信号とし、正常接続時のSrvに与えるPWMパターン信号2は逆接続時のSsuのPWMパターン信号とし、以下同様に正常接続時のSrwに与えるPWMパターン信号3を逆接続時のStuに、正常接続時のSsuに与えるPWMパターン信号4を逆接続時のSrvに、……というように入れ替える。
【0037】
【表1】
【0038】
これにより、図7の如く逆接続された状態でも、逆接続時の双方向スイッチSruには正常接続時の同SruのPWMパターン信号1がそのまま与えられ、逆接続時の双方向スイッチSsuには正常接続時の同SrvのPWMパターン信号2がそのまま与えられ、逆接続時の双方向スイッチStuには正常接続時の同SrwのPWMパターン信号3がそのまま与えられ、……というように、実質的に図6の正常接続時と同様の接続状態を得ることができる。
従って、マトリクスコンバータ3が逆接続されているにもかかわらず、相間の短絡を防止しながら運転を行うことが可能になる。なお、この実施形態では、逆接続により電源1に接続される側の出力端電圧検出手段12により電圧位相を検出して入力電流指令を作成することも可能である。
また、双方向スイッチの接続構成は種々存在するが、同様にPWMパターン信号を入れ替えれば逆接続状態での運転を実現できることはいうまでもない。
【0039】
次に、図8は第1の発明に係る第2実施形態を示す構成図であり、交流交流電力変換器として、PWM整流器21とインバータ23とエネルギーバッファとしての電解コンデンサ22とからなるインバータ装置20を用いた場合のものである。
また、図9はPWM整流器21及びインバータ23の構成図であり、S1r〜S6r,S1〜S6は還流ダイオードが逆並列接続されたIGBT等の半導体スイッチング素子を示す。
【0040】
この実施形態においても、第1実施形態と同様に逆接続状態を検知可能であり、PWMパターン信号を入れ替えることで逆接続時にインバータ装置20を運転することができる。
すなわち、第1実施形態と同様に、図8の制御装置10Bは、入力端電圧検出手段11、出力端電圧検出手段12及び逆接続検知手段13によりインバータ装置20の逆接続状態を検知する。逆接続状態の検出には、前記同様に入出力端電圧の大きさ、周波数、位相の何れを用いてもよい。
【0041】
インバータ装置制御手段15では、逆接続検知手段13からの逆接続フラグを検知すると、インバータ23の出力端子U,V,Wを電源側端子としてPWMパターン信号を演算し、得られたPWMパターン信号を表2に従って入れ替えることにより、逆接続状態においても正常接続時と同様の運転が可能になる。
【0042】
【表2】
【0043】
また、図9から明らかなように、PWM整流器21はすべての半導体スイッチング素子S1r〜S6rをオフすると、ダイオードブリッジとして動作する。よって、表3に示すように、逆接続時にはインバータ23側の6個の半導体スイッチング素子S1〜S6をすべてオフすることにより、運転を行うことも可能である。
【0044】
【表3】
【0045】
次いで、第2の発明に係る第3実施形態を説明する。
この第3実施形態は、入力端電流及び出力端電流に基づいて電力変換器の逆接続状態を検出し、逆接続状態のままで変換器の運転を可能としたものである。
【0046】
エネルギーバッファを持たないマトリクスコンバータ等の交流交流直接変換器は、入力電圧を検出して制御を行う電圧転流方式のものと、出力電流を検出して制御を行う電流転流方式のものがある。電流転流方式の直接変換器は電圧検出手段を持たないため、前述した第1実施形態を適用すると、逆接続状態を検出するために新たに電圧検出手段を入出力端双方に追加する必要が生じる。また、逆接続状態において運転を行うには、直接変換器の入力端(正常接続時の出力端)に電流検出手段を設ける必要がある。これらの検出手段を追加して逆接続時における運転が可能になったとしても、入出力端に電圧検出手段と電流検出手段とを設けることにより装置のコストが上昇するという問題がある。
【0047】
そこで第3実施形態では、電流転流方式の交流交流電力変換器、特にマトリクスコンバータ等の直接変換器において、逆接続状態を検知するために入出力端の電流を利用することとした。電流転流方式の直接変換器では、制御に用いる電流検出手段と逆接続検知に用いる電流検出手段とを兼用できるため、入力端(正常接続時の出力端)に電流検出手段を追加するだけでよく、追加する回路を必要最小限に抑えることができる。
よって、第1の発明に係る第1実施形態は電圧転流方式の電力変換器に、第2の発明に係る第3実施形態は電流転流方式の電力変換器に対してより有効であると言える。
【0048】
なお、前述した第2実施形態や後述する第4実施形態のインバータ装置20では、直流電圧を検出すれば運転が可能である。よって、入出力電圧、入出力電流は逆接続状態を検知するために必要なだけであり、どちらを検出しても機能に差異は生じないため、適用するシステムに応じてより適した検出手段を選択することが可能である。
ここで、表4は、マトリクスコンバータ等の直接変換器及びインバータ装置に対する第1、第2の発明の適性をまとめたものである。
【0049】
【表4】
【0050】
なお、第1の発明と第2の発明とを併用すれば、電圧・電流いずれの転流方式の変換器においても逆接続状態での運転が可能となるが、入出力端子に電圧検出手段及び電流検出手段を設ける必要があるため、コストを考えると必ずしも適切とは言えない。
【0051】
図10は第2の発明に係る第3実施形態の構成図であり、電流転流方式のマトリクスコンバータ3を対象としている。
制御装置10C内の入力端電流検出手段16は入力端の電流情報を、出力端電流検出手段17は出力端の電流情報を検出する。逆接続検知手段13は、検出した入出力電流により逆接続状態、電源系統異常を検知するが、この検知手段13は、入出力端電圧情報を用いる第1,第2実施形態と全く同一の構成によって実現可能であり、入出力端電流の大きさ、周波数、位相の何れか一つを用いて逆接続状態、電源系統異常を検出すればよい。
マトリクスコンバータ制御手段14ではPWMパターンを演算し、検知したマトリクスコンバータ3の接続状態を示す信号に応じて、演算したPWMパターンを前述の表1のように双方向スイッチへ割り当てることにより、逆接続状態での運転を可能とする。
【0052】
図11は第2の発明に係る第4実施形態の構成図であり、インバータ装置20を対象としている。
図11における制御装置10Dの構成は、インバータ装置制御手段15以外は実質的に図10の制御装置10Cと同一である。
インバータ装置20の接続状態はマトリクスコンバータ3の場合と同一の方法で検知することができ、インバータ装置制御手段15により演算したPWMパターンを、接続状態に応じて前述の表2または表3のように各スイッチング素子に割り当てるだけで逆接続状態での運転を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1実施形態を示す構成図である。
【図2】第1実施形態における逆接続時の構成図である。
【図3】本発明の各実施形態における逆接続検知動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の各実施形態における逆接続検知動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の各実施形態における逆接続検知動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態における正常接続時の構成図である。
【図7】本発明の第1実施形態における逆接続時の構成図である。
【図8】本発明の第2実施形態を示す構成図である。
【図9】第2実施形態におけるインバータ装置の構成図である。
【図10】本発明の第3実施形態を示す構成図である。
【図11】本発明の第4実施形態を示す構成図である。
【図12】マトリクスコンバータの構成図である。
【図13】インバータ装置の構成図である。
【図14】マトリクスコンバータにおける短絡電流経路の説明図である。
【符号の説明】
【0054】
1:三相交流電源
2:入力フィルタ
3:マトリクスコンバータ
4:負荷
10A,10B,10C,10D:制御装置
11:入力端電圧検出手段
12:出力端電圧検出手段
13:逆接続検知手段
14:マトリクスコンバータ制御手段
15:インバータ装置制御手段
16:入力端電流検出手段
17:出力端電圧検出手段
20:インバータ装置
21:PWM整流器
22:電解コンデンサ
23:インバータ
Smn:双方向スイッチ
R,S,T:入力端子
U,V,W:出力端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体スイッチング素子のオンオフにより交流電源電圧を任意の大きさ及び周波数の交流電圧に変換して出力する交流交流電力変換器において、
前記変換器の正規の入力端子に印加されている交流電圧を検出する入力端電圧検出手段と、
前記変換器の正規の出力端子に印加されている交流電圧を検出する出力端電圧検出手段と、
前記入力端電圧検出手段及び出力端電圧検出手段により検出した電圧情報を用いて、前記変換器の正規の出力端子が交流電源側に接続され、かつ、正規の入力端子が負荷側に接続された逆接続状態を検知する逆接続検知手段と、
この検知手段により逆接続状態を検知した際に、正常接続時における前記半導体スイッチング素子の駆動信号を逆接続時の駆動信号に入れ替えてなるスイッチングパターンを生成する制御手段と、
を備えたことを特徴とする交流交流電力変換器。
【請求項2】
半導体スイッチング素子のオンオフにより交流電源電圧を任意の大きさ及び周波数の交流電圧に変換して出力する交流交流電力変換器において、
前記変換器の正規の入力端子を流れる交流電流を検出する入力端電流検出手段と、
前記変換器の正規の出力端子を流れる交流電流を検出する出力端電流検出手段と、
前記入力端電流検出手段及び出力端電流検出手段により検出した電流情報を用いて、前記変換器の正規の出力端子が交流電源側に接続され、かつ、正規の入力端子が負荷側に接続された逆接続状態を検知する逆接続検知手段と、
この検知手段により逆接続状態を検知した際に、正常接続時における前記半導体スイッチング素子の駆動信号を逆接続時の駆動信号に入れ替えてなるスイッチングパターンを生成する制御手段と、
を備えたことを特徴とする交流交流電力変換器。
【請求項3】
請求項1に記載した交流交流電力変換器において、
前記電圧情報が交流電圧の大きさであることを特徴とする交流交流電力変換器。
【請求項4】
請求項1に記載した交流交流電力変換器において、
前記電圧情報が交流電圧の周波数であることを特徴とする交流交流電力変換器。
【請求項5】
請求項1に記載した交流交流電力変換器において、
前記電圧情報が交流電圧の位相であることを特徴とする交流交流電力変換器。
【請求項6】
請求項2に記載した交流交流電力変換器において、
前記電流情報が交流電流の大きさであることを特徴とする交流交流電力変換器。
【請求項7】
請求項2に記載した交流交流電力変換器において、
前記電流情報が交流電流の周波数であることを特徴とする交流交流電力変換器。
【請求項8】
請求項2に記載した交流交流電力変換器において、
前記電流情報が交流電流の位相であることを特徴とする交流交流電力変換器。
【請求項1】
半導体スイッチング素子のオンオフにより交流電源電圧を任意の大きさ及び周波数の交流電圧に変換して出力する交流交流電力変換器において、
前記変換器の正規の入力端子に印加されている交流電圧を検出する入力端電圧検出手段と、
前記変換器の正規の出力端子に印加されている交流電圧を検出する出力端電圧検出手段と、
前記入力端電圧検出手段及び出力端電圧検出手段により検出した電圧情報を用いて、前記変換器の正規の出力端子が交流電源側に接続され、かつ、正規の入力端子が負荷側に接続された逆接続状態を検知する逆接続検知手段と、
この検知手段により逆接続状態を検知した際に、正常接続時における前記半導体スイッチング素子の駆動信号を逆接続時の駆動信号に入れ替えてなるスイッチングパターンを生成する制御手段と、
を備えたことを特徴とする交流交流電力変換器。
【請求項2】
半導体スイッチング素子のオンオフにより交流電源電圧を任意の大きさ及び周波数の交流電圧に変換して出力する交流交流電力変換器において、
前記変換器の正規の入力端子を流れる交流電流を検出する入力端電流検出手段と、
前記変換器の正規の出力端子を流れる交流電流を検出する出力端電流検出手段と、
前記入力端電流検出手段及び出力端電流検出手段により検出した電流情報を用いて、前記変換器の正規の出力端子が交流電源側に接続され、かつ、正規の入力端子が負荷側に接続された逆接続状態を検知する逆接続検知手段と、
この検知手段により逆接続状態を検知した際に、正常接続時における前記半導体スイッチング素子の駆動信号を逆接続時の駆動信号に入れ替えてなるスイッチングパターンを生成する制御手段と、
を備えたことを特徴とする交流交流電力変換器。
【請求項3】
請求項1に記載した交流交流電力変換器において、
前記電圧情報が交流電圧の大きさであることを特徴とする交流交流電力変換器。
【請求項4】
請求項1に記載した交流交流電力変換器において、
前記電圧情報が交流電圧の周波数であることを特徴とする交流交流電力変換器。
【請求項5】
請求項1に記載した交流交流電力変換器において、
前記電圧情報が交流電圧の位相であることを特徴とする交流交流電力変換器。
【請求項6】
請求項2に記載した交流交流電力変換器において、
前記電流情報が交流電流の大きさであることを特徴とする交流交流電力変換器。
【請求項7】
請求項2に記載した交流交流電力変換器において、
前記電流情報が交流電流の周波数であることを特徴とする交流交流電力変換器。
【請求項8】
請求項2に記載した交流交流電力変換器において、
前記電流情報が交流電流の位相であることを特徴とする交流交流電力変換器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−20275(P2007−20275A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−197683(P2005−197683)
【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【出願人】(000005234)富士電機ホールディングス株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【出願人】(000005234)富士電機ホールディングス株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】
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