人型ロボットおよび着脱可能型臀部
【課題】 稼働環境や用途に適した臀部を備えた実用性の高い人型ロボットを提供することを目的とする。
【解決手段】 人型ロボット101の下部胴体104の背面に稼働環境や用途に応じて、着脱可能型臀部301を適宜装着する。例えば、椅子に座るのに適した構造を有する着脱可能型臀部301を用意し、これを人型ロボット101の下部胴体104の背面に装着する。こうすることで、重機等の運転席500において、人型ロボット101を椅子501に座らせ、手足を使った運転操作を行わせることができる。また、人型ロボット101に通常の椅子504に安定して座ることができる機能を与えることができる。この発明によれば、着座する機能に優れた実用性の高い人型ロボットを得ることができる。
【解決手段】 人型ロボット101の下部胴体104の背面に稼働環境や用途に応じて、着脱可能型臀部301を適宜装着する。例えば、椅子に座るのに適した構造を有する着脱可能型臀部301を用意し、これを人型ロボット101の下部胴体104の背面に装着する。こうすることで、重機等の運転席500において、人型ロボット101を椅子501に座らせ、手足を使った運転操作を行わせることができる。また、人型ロボット101に通常の椅子504に安定して座ることができる機能を与えることができる。この発明によれば、着座する機能に優れた実用性の高い人型ロボットを得ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人型ロボットの臀部の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
2足で歩行し、人間と同様の身体的な機能を発揮する人型ロボットが開発されている。このような人型ロボットには、多種多様な使用目的が考えられている。例えば、建築現場や土木工事現場での補助、老人介護や医療介護の補助、その他人間の代わりに何かの作業を行わせることが考えられている。また、人体への悪影響が懸念される有害物質で汚染された場所(または汚染の危険性がある場所)での作業を人型ロボットに行わせることも考えられている。
【0003】
さらに人型ロボットは、人間の手足を使った作業と同様な作業を行わせることが可能であるので、例えば重機の操作や人間が操作する目的で作られた機器の操作を人間の代わりに行わせることも考えられている。
【0004】
人型ロボットの場合、2足歩行を可能とする関係から、転倒の問題に対応することが重要となる。この技術に関しては、例えば特許文献1に記載された技術がある。特許文献1には、転倒しても起き上がり易いような背中の構造が記載されている。
【特許文献1】特開2001−157972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者らの研究によれば、このような人間の代わりに人型ロボットに作業を行わせようとする場合、転倒の問題だけではなく、行わせようとする作業や稼働させる環境に応じた身体的な機能が重要であることが判明している。
【0006】
特にこの身体的な機能において重要なのは、座るという動作に関係する機能である。例えば、人間の臀部には、着座状態(座った状態)において安定な姿勢を維持する機能、転倒した際に衝撃を緩和するクッション機能、座るという動作を行う際に、着座する場所(例えば床や椅子)に対するクッション機能やそこに身体をなじませる機能、あるいは座った状態において身体を微妙にずらす機能、といった各種の機能がある。
【0007】
従来の人型ロボットにおいては、特にこの点に関して配慮はされていなかった。例えば、人間と同じように着座できるように、人型ロボットの臀部が設計されている訳ではなかった。また人型ロボットの実用性を考えた場合、人型ロボットには、着座した状態で各種の作業を行える機能も必要とされるが、この点を考慮して臀部の構造が設計されている訳ではなかった。
【0008】
このように、人型ロボットの実用性、つまり人型ロボットに人間の作業を代行させることを考えた場合、臀部の機能が重要となる。しかしながら、上述したように臀部の機能には複数あり、一つのものでそれらの機能を追求することは困難であった。このような背景において、本発明は、稼働環境や用途に適した臀部を備えた実用性の高い人型ロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の人型ロボットは、人型ロボットの下部胴体と、この下部胴体に取り付けられた着脱可能な着脱可能型臀部とを備え、前記着脱可能型臀部は、保護機能、着座機能、着座状態での移動機能、転倒対応機能、および収納機能の少なくとも一つの機能を備えていることを特徴とする。
【0010】
下部胴体というのは、人型ロボットの胴体の下半身部分に相当する部位のことである。通常、下部胴体には、2本の脚が連結されている。
【0011】
本発明によれば、人型ロボットの作業環境や作業目的に応じて、人型ロボットの臀部を交換することができる。それにより、人間が行う作業を手伝ったり、人間に代わって各種の作業を行ったりする人型ロボットの実用性をより高くすることができる。また、作業環境や用途に適した臀部を装着すればよいので、コスト増を招かず要求される臀部機能を適宜選択することができる。このため、臀部を取り替えることで、1台の人型ロボットを色々な環境や用途に応じて使い分けることができる。
【0012】
着脱可能型臀部は、(1)下部胴体の背面に取り付けられる取り付け部と、(2)前記取り付け部から延在する延在部と、(3)着座時に前記延在部が着座する対象面に接触する部位とを備えている構成を採用することは好ましい。
【0013】
この態様によれば、着座時に安定した着座姿勢を保つことができる着座機能を得ることができる。例えば、着座した状態において腕を動かして各種の作業を行う場合、色々な動作を行っても着座姿勢を保つことが重要になるが、この態様によれば、この要求に応えることができる。
【0014】
また、この態様によれば、着座状態において、着脱可能型臀部を着座する対象面に接触させることで、人型ロボットの股関節部分を着座する対象面に接触させずに済む姿勢をとることができる。このため、着座姿勢において脚部の動作が拘束されることがない構成を実現でき、支持脚ではない脚を遊脚状態として自由に動かすことができる。例えば、着座した状態において、一方の片足を床等に接触させて着座姿勢を支持し、他方の片足をフリーな状態として、ペダルを踏むなどの作業を行うことができる。
【0015】
本発明において、着脱可能型臀部は、(1)下部胴体の背面に取り付けられる取り付け部と、(2)前記取り付け部から延在する延在部とを備え、(3)前記延在部に車輪を備えていることは好ましい。
【0016】
この態様によれば、着座した姿勢において、歩行動作によらない移動を人型ロボットに行わせることができる。例えば、床や地面に着脱可能型臀部の車輪を接触させることで、姿勢を低くしての荷物の牽引作業といった従来の人型ロボットでは困難であった作業を行わせることができる。また例えば人型ロボットに座った姿勢で作業を行わせるような場合に、煩雑な動作を行わせることなく簡単に移動することが可能となる。
【0017】
また、この態様によれば、床や地面に着脱可能型臀部の車輪を接触させた低姿勢状態での作業中においても、人型ロボットの頭部の向きを起立状態とほぼ同等の状態に保つことができる。このため、頭部にカメラを備え、その撮像画像を利用して動作を制御する人型ロボットにおいて、起立時と同様な首軸の可動を行わせることができる。このことは、上述した低姿勢での作業時における人型ロボットの視認性(視覚情報取得能力)を確保する上で有用となる。
【0018】
この態様において、衝撃吸収機構を介して着脱可能型臀部に車輪を保持することは好ましい。こうすることで、車輪が受ける衝撃がそのままロボット本体に伝わることが防止される。またこの構成は、転倒時におけるショック吸収機能としても作用する。この衝撃吸収機構としては、自動車等のサスペンション(懸架装置あるいは緩衝装置)の機構を利用することができる。
【0019】
本発明において、着脱可能型臀部は、(1)下部胴体の背面に取り付けられる取り付け部と、(2)前記取り付け部から延在する延在部と、(3)前記延在部に湾曲形状部とを備えていることは好ましい。
【0020】
この態様によれば、着座機能および/または転倒対応機能を効果的に発現させることができる。例えば、丁度人型ロボットが地面に腰を下ろした状態において、下部胴体から延在する延在部に構成された湾曲形状部の外側面が、地面に接触し、図11に例示するような安定した着座姿勢が確保される。また、この延在部に構成された湾曲形状部は、後方への転倒時に丁度尻餅をつくような格好で姿勢を維持し、また転倒時の衝撃を緩和する機能を有する。また、この態様においても、着座姿勢において人型ロボットの頭部の向きを起立状態とほぼ同等の状態に保つことができる。
【0021】
この態様において、着脱可能型臀部の一部または全部、特に取り付け部から例えば下方に延在する延在部に構成された湾曲形状部を弾性材料で構成し、着脱可能型臀部自体に衝撃吸収機能を備えさせてもよい。この湾曲形状部は、後方への転倒時に衝撃を受けて効果的に変形するので、高い衝撃吸収機能を得ることができる。
【0022】
着脱可能型臀部は、内部に収納スペースを備えていることは好ましい。この態様によれば、臀部に荷物等の収納機能を有した人型ロボットを得ることができる。
【0023】
この態様によれば、例えば工事作業の補助を人型ロボットに行わせる場合に作業者が必要とする工具や部品等をそこに収納することができる。この場合、人型ロボットに可動型工具箱や可動型部品箱としての機能を与えることができる。収納する物は、特に限定されないが、例えば通信機器等の電子機器、発電装置やバッテリーであってもよい。また収納する物は、燃料、液体、またはガス等を入れた容器やボンベのような物であってもよい。
【0024】
本発明において、着座機能は、下部胴体および/または下部胴体に連結された脚部と協同することにより、着座する対象面に対する接触面を確保し、着座姿勢を安定化する機能であることは好ましい。
【0025】
この態様によれば、着座時において、着脱可能型臀部の一部と、下部胴体および/または下部胴体に連結された脚部の一部が着座する対象面(腰掛ける対象:例えば椅子)に接触する。これにより、着座する対象面への接触部分が複数になり、また接触面積が確保され、着座した姿勢の安定性をより高くすることができる。
【0026】
以上説明した態様によれば、着脱可能型臀部の人型ロボットへの着脱機構を共通にすることで、必要に応じて複数種類用意した着脱可能型臀部の中から目的に応じたものを選択し、適宜人型ロボットに装着することが可能となる。こうすることで、稼動環境や使用目的に応じた最適な臀部を備えた人型ロボットを得ることができる。この着脱可能型臀部の着脱は、作業現場において簡単に行うことができるので、コスト増を招かずに必要とする機能を適宜選択し、稼働環境や作業内容に合わせた臀部の機能を人型ロボットに与えることができる。
【0027】
本発明は、人型ロボットの下部胴体に着脱可能な着脱可能型臀部として把握することもできる。すなわち、本発明の着脱可能型臀部は、人型ロボットの下部胴体に着脱可能な着脱可能型臀部であって、保護機能、着座機能、着座状態での移動機能、転倒対応機能、および荷物収納機能の少なくとも一つの機能を備えていることを特徴とする。この発明によれば、ロボットに着脱可能な臀部として上述したような優位性を備えた着脱可能型臀部が提供される。
【0028】
上記の着脱可能型臀部が、(1)前記下部胴体の背面に着脱可能に取り付けられる取り付け部と、(2)前記取り付け部から延在する延在部と、人型ロボットの着座時に前記延在部が着座する対象面に接触する部位とを備えていることは好ましい。この態様によれば、着座に適した着脱可能型臀部が提供される。
【0029】
上記着脱可能型臀部が、(1)前記下部胴体の背面に着脱可能に取り付けられる取り付け部と、(2)前記取り付け部から延在する延在部と、(3)前記延在部に取り付けられる車輪とを備えていることは好ましい。この態様によれば、着座状態において車輪を使った移動を行うことができる機能を備えた着脱可能型臀部が提供される。
【0030】
上記着脱可能型臀部が、(1)前記下部胴体の背面に着脱可能に取り付けられる取り付け部と、(2)前記取り付け部から延在する延在部と、(3)前記延在部に構成される湾曲形状部とを備えていることは好ましい。この態様によれば、転倒時の衝撃が緩和される転倒対応機能を備えた着脱可能型臀部が提供される。
【0031】
上記着脱可能型臀部が、内部に収納スペースを備えていることは好ましい。この態様によれば、工具等を収納する機能を備えた着脱可能型臀部が提供される。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、稼働環境や用途に適した臀部を人型ロボットに装着することで、人型ロボットの実用性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
1.第1の実施形態
図1は、本発明を利用した人型ロボットの概要を示す斜視図である。図1(A)は、ロボット自身から見て右後方斜め上の方向から見た斜視図であり、図1(B)は、同様に左前方斜め上の方向から見た斜視図である。図1に示す人型ロボット101は、頭部102、上部胴体103、下部胴体104、右腕105、左腕106、右脚107および左脚108を備えている。
【0034】
上部胴体103は、人体でいうと腹部から上の胸郭に相当する。上部胴体103には、各種の動作を制御する制御系の装置が主に格納され、その上部には頭部102が備えられ、その左右には、右腕105および左腕106が連結されている。また、頭部102には、カメラが配置されている。歩行や手足を用いた各種の動作においては、このカメラが撮像した画像に基づく視覚情報が利用される。
【0035】
下部胴体104は、人体でいうと腰回り部分に相当する。下部胴体104には、動力源となるバッテリーが格納され、その下部には右脚107および左脚108が連結されている。この構成において、図1における下部胴体104の背面部分が本体側臀部となる。
【0036】
上部胴体103と下部胴体104とは、上部胴体103を下部胴体104に対してヨー軸回転(上下軸線周り)させることが可能で、さらに上部胴体103を前後に傾けるピッチ軸回転(左右軸線周り)を行うことが可能な可動軸112(図2参照)によって連結されている。なお、この可動軸112について後述する。
【0037】
図1には、本体側臀部に機動性を重視した着脱可能型臀部201を装着した状態が示されている。ここで例示する着脱可能型臀部201は、歩行機能を最優先した機動性重視のタイプである。機動性を重視するために、着脱可能型臀部201は薄く軽量な構造となっている。
【0038】
以下、着脱可能型臀部201の人型ロボット101への装着構造の一例を説明する。図2は、着脱可能型臀部201の取り付け構造を示す斜視図である。図2には、図1における人型ロボット101の上部胴体103を下部胴体104から取り外した状態が示されている。ここで図2(A)は、上部胴体103が取り外された人型ロボットを、図1(B)と同じ左斜め上前方から見た斜視図である。図2(B)は、上部胴体103が取り外された人型ロボットを、図1(A)と同じ右斜め上後方から見た斜視図である。
【0039】
図2には、下部胴体104、下部胴体104に連結された右脚107および左脚108、下部胴体104と上部胴体103(図1参照)とを連結する可動軸112、後述する取り付け方法により下部胴体104の本体側臀部208(下部胴体104の背面)に固定される着脱可能型臀部201が示されている。
【0040】
可動軸112は、下部胴体104に対して上部胴体103(図1参照)をヨー軸回転(上部胴体を下部胴体に対して左右に捻る動作)を行わせる機能と、下部胴体104に対して上部胴体103をピッチ軸回転(上部胴体を下部胴体に対して前後に傾ける動作)を行わせる機能を与える連結可動軸である。
【0041】
本体側臀部208には、開口209が形成されており、この開口209から下部胴体104内に格納されている機器にアクセスすることができる。図2(B)には、開口209からバッテリーへの充電を行う際などに利用される受け側コネクタ210が示されている。
【0042】
着脱可能型臀部201には、2カ所の貫通孔202と3個の突出ピン205が設けられている。また、本体側臀部208には、突出ピン205に対応した3カ所の位置決め孔206と、固定部材203がそれぞれ挿入される固定用孔204が形成されている。
【0043】
固定部材203は、クイックリリースファスナと呼ばれるもので、ピン状の構造を有し、先端部分に相手部材が引っ掛かる凸部を備えている。固定部材203を所定構造の固定用孔204に挿入し回転させると、先端が孔の内部構造に掛合し、孔から引き抜けなくなる。同様の機能は、螺子によって実現することもできる。
【0044】
固定用孔204は、固定部材203の受け構造であり、上述した固定部材203を差し込み、固定部材203を回転させると、固定部材が引き抜けなくなる構造を有している。なお、固定部材203を固定用孔204から引き抜くには、固定時と逆方向に固定部材203を回転させ、掛合状態を解除すればよい。
【0045】
本体側臀部208への着脱可能型臀部201の装着は、まず突出ピン205を位置決め孔206に位置あわせし、さらに突出ピン205が位置決め孔206にそれぞれ挿入されるように、着脱可能型臀部201を本体側臀部208に押し付ける。その後、貫通孔202を介して固定用孔204に固定部材203を挿入し、さらに固定部材203を回転することで、固定用孔204から固定部材203を引き抜けないようにする。こうして、本体側臀部208への着脱可能型臀部201の装着が行われる。なお、本体側臀部208からの着脱可能型臀部201の取り外しは、これと逆の作業を行えばよい。
【0046】
着脱可能型臀部の人型ロボットへの固定方法としては、上記の例に限定されず、面ファスナによる方法、マグネットによる方法、嵌め込み式構造による方法、これら方法の複数を組み合わせた方法を挙げることができる。
【0047】
2.第2の実施形態
本実施形態は、人型ロボットに着座機能を優先した着脱可能型臀部を装着した例である。図3は、本実施形態における人型ロボットの概要を示す側面図(A)および背面図(B)である。図4は、本実施形態における着脱可能型臀部を右後方斜め上方向から見た斜視図(A)、左前方斜め上方向から見た斜視図(B)、背面図(C)、上面図(D)、および側面図(E)である。ここで、後方や背面というのは、人型ロボットの後方や背面を基準として考えている。
【0048】
図3には、下部胴体104の背面(本体側臀部)に着座機能を優先した着脱可能型臀部301を装着した状態が示されている。この着脱可能型臀部301は、下部胴体104の背面に取り付けられ、さらにその取り付け部から下方に延在する延在部302、そしてこの延在部302の先端(下端)に平坦部303を備えている。
【0049】
この着脱可能型臀部301を人型ロボット101に装着した場合、着座した状態において、平坦部303が着座する対象面(例えば椅子の座面)に接触する。平坦部303は、平坦な構造を備えており、着座した状態において、着座する対象面との接触面積を大きく確保できるようになっている。こうすることで、着座状態における安定性を確保することができる。
【0050】
着脱可能型臀部301の背面には、固定部材305を挿入するための開口306が形成されている。着脱可能型臀部301の下部胴体104への装着は、装着面304を下部胴体104の背面に押し当て、固定部材305を開口306から図示しない下部胴体側の固定用孔に挿入することで行われる。なお、装着機構の詳細は、図2に示す例と同じである。
【0051】
以下、着座した状態の一例を説明する。図5(A)は、人型ロボット101が重機の運転席500の椅子501に座り、重機を運転している様子を示す側面図である。図5(B)は、人型ロボット101が普通の椅子504に腰掛けた状態を示す側面図である。
【0052】
図5(A)に示す状態では、人型ロボット101が着脱可能型臀部301の平坦部303を椅子501の被着座面510aに乗せることで着座した状態が示されている。また、人型ロボット101が椅子501に着座した状態において、左脚108を運転席の床に接触させ、右脚107を用いてペダル503を操作し、さらに左手106を用いてハンドル502を操作している状態が示されている。
【0053】
図5(A)に示すように、着脱可能型臀部301を利用することで、椅子に座り易い構造を備えた人型ロボットを得ることができる。こうすることで、人型ロボットに重機等の運転を人間に代わって行わせる場合の実用性を高めることができる。
【0054】
特にこの態様においては、着座状態において、着脱可能型臀部301が椅子501に接触し、人型ロボット101の股関節部分104a(下部胴体104と脚部107および108とを連結する関節部分)が椅子501に接触しない状態にすることができる。このため、片方の脚を床面等に接触させ、バランスをとったとしても、残りの一方の脚の動きが束縛されず、この脚を自由に使うことができる。例えば、図5に例示するように、自由に使える右脚107を用いてペダル503を操作することができる。
【0055】
図5(B)には、人型ロボット101を普通の椅子504に座らせた状態が示されている。着脱可能型臀部301を利用することで、こうした人間用の椅子への着座を安定した状態で行うことができる。これにより、人型ロボットに人間用の椅子に座っての軽作業等を行わせる場合の実用性を高めることができる。また、日常生活の中での人型ロボットの利用を考えた場合における人間生活への親和性を高めることができる。
【0056】
図5に示す着座状態においては、椅子に着脱可能型臀部301の平坦部303のみを接触させ、さらに手足を用いてバランスを維持するが、下部胴体104の一部や脚の太股裏側の部分を椅子に接触させ、着座姿勢を保つようにしてもよい。
【0057】
また、同じ着座機能を優先するのであっても、寸法や材質を異ならせた着脱可能型臀部301を複数用意してもよい。こうすることで、着座する相手部材や椅子の種類に合わせた最適な寸法、構造あるいは材質を選択した着脱可能型臀部301を適宜選択することができる。
【0058】
ここでは、椅子に腰掛ける例を説明したが、この構成によれば、人間と同様に適当な場所に軽く腰掛けるといった動作が可能である。このことは、人間への親和性を重視した人型ロボットの実用性を高める上で有意なこととなる。
【0059】
3.第3の実施形態
本実施形態においては、人型ロボット101に着座姿勢において移動可能な機能を有する着脱可能型臀部を装着した例を説明する。図6は、本実施形態における人型ロボットの概要を示す側面図(A)および背面図(B)である。図7は、本実施形態における着脱可能型臀部を右後方斜め上方向から見た斜視図(A)、左前方斜め上方向から見た斜視図(B)、背面図(C)、上面図(D)、および側面図(E)である。ここで、後方や背面というのは、人型ロボットの後方や背面を基準として考えている。
【0060】
図7に示す着脱可能型臀部601は、ロボット本体への装着面604から下方に延在した延在部601aを備え、その下端部分に車輪602を備えている。この車輪602は、人型ロボット101が着座した姿勢において、着座する対象に接触する。
【0061】
着脱可能型臀部601の背面(人型ロボット101から見た場合の背面)には、固定部材605を挿入するための開口603が形成されている。着脱可能型臀部601の下部胴体104への装着は、装着面604を下部胴体104の背面に押し当て、固定部材605を開口603から図示しない下部胴体側の固定用孔に挿入することで行われる。なお、装着機構の詳細は、図2に示す例と同じである。
【0062】
以下、着脱可能型臀部601の機能の一例を説明する。図8は、人型ロボットが荷物を積んだ台車を引っ張る作業を行っている様子を示す側面図である。図8には、高さの低い坑道のような通路801において、人型ロボット101が姿勢を低くして、台車802を引っ張る作業を行っている様子が示されている。
【0063】
この場合、人型ロボット101は、両足を前方に出し、同時に腰を落とすように下部胴体104の位置を下げ、着脱可能型臀部601の車輪602を通路801の床面801aに接触させる。そして、右腕105先端の手先部105aおよび左腕106先端の手先部106aによって台車802に固定された台車操作用アーム803先端のハンドル804を握る。この状態で右脚107および左脚108を用いて、床面801aを蹴ることで、台車802を矢印805の方向に移動させることができる。
【0064】
この移動の際、車輪602が床面801aを転がり、人型ロボット101は中腰姿勢のバランスを取りつつスムーズに移動を行うことができる。
【0065】
従来の人型ロボットでは、図8に示すような姿勢で台車を引くといった作業を安定して行うことは困難であったが、車輪602の付いた着脱可能型臀部601を利用することで、この困難な作業を安定して簡単に行うことができる。
【0066】
またこの態様は、図8に例示するような腰を落とした状態での着座姿勢を安定に保つことができる機能も有している。人間が各種の作業を行う場合において、天井が低い、障害物がある、といった理由のために姿勢を低くしければならない場合がある。このような制限がある場合に、図8に示すような姿勢を容易にとることができる本実施形態の態様は有用となる。
【0067】
また、この態様によれば、図8に示すように、人型ロボット101の頭部102の向きを起立状態とほぼ同等の状態に保つことができる。このため、図8に示すような低姿勢における頭部102を支える首軸の可動を起立時と同様に行わせることができる。これにより、図8に示すような低姿勢をとった状態での作業時における人型ロボット101の視認性(視覚情報取得能力)を起立時と同様に確保することができる。このことは、人型ロボット101に、図8に示すような低姿勢をとらせて各種の作業を行わせる場合に有用となる。
【0068】
本実施形態において、車輪602を適当なサスペンション機構を介して着脱可能型臀部601に装着することが好ましい。こうすることで、車輪602が衝撃吸収能力を備えた構成を実現でき、不要な振動や衝撃がロボット本体に伝わることを抑制することができる。
【0069】
また、車輪602をモータ等によって駆動できる駆動手段を備えた駆動輪としてもよい。この場合、図8に示すような姿勢における移動に際して、車輪602をモータ等によって駆動し回転させることで、移動を補助することができる。図8に示すような姿勢での移動においては、脚部に加えて車輪602の駆動力を利用することで、より確実な安定した移動を行うことができる。特に台車802を牽引するような力仕事を行う場合には、この構成が有効となる。
【0070】
また、車輪602の回転に制動を加える制動手段(ブレーキ)、あるいは車輪602が回転しないようにロックするロック機構を備えてもよい。例えば人型ロボット101が、図8に示すような姿勢を斜面において維持したい場合、車輪602が抵抗無く回転してしまうことは好ましくない。このような場合は、車輪602を回転し難くしたり、ロックしたりすることで姿勢を維持する機能を強化することができる。また、図8に示すような姿勢で脚部を先にして斜面を滑り降りるような場合、車輪602に制動を加えることで、滑り降りるスピードや姿勢を制御する作用を得ることができる。
【0071】
4.第4の実施形態
本実施形態は、着座機能と転倒対応機能を備えた着脱可能型臀部を人型ロボットに装着した例である。図9は、本実施形態における人型ロボットの概要を示す側面図(A)および正面図(B)である。図10は、本実施形態における着脱可能型臀部を右後方斜め上方向から見た斜視図(A)、左前方斜め上方向から見た斜視図(B)、背面図(C)、上面図(D)、および側面図(E)である。ここで、後方や背面というのは、人型ロボットの後方や背面を基準として考えている。
【0072】
図9に示す着脱可能型臀部901は、ロボット本体への取り付け面905(図10参照)から下方に延在しつつロボット正面方向に湾曲した略J型の断面形状を有する着座姿勢支え部902を備えている。着座姿勢支え部902の背面側は、湾曲し、そして傾斜した湾曲傾斜部分902aを備えており、人間が腰を下ろすように下部胴体104を床や地面に下ろした際に、この部分が床や地面に接触し、支えとなる。
【0073】
湾曲傾斜部分902aは、湾曲しそして傾斜しているので、例えば図11に示すように下部胴体104を床や地面に下ろした際に、床や地面に対するがたつきのない接触状態を得ることができ、そのために姿勢のバランスを保つことが極めて容易になる。また、着座姿勢支え部902は、地面や床面への着座姿勢を安定にする機能に加えて、転倒時に起き上がりを容易にする機能、さらには転倒時の衝撃を緩和する機能も有する。
【0074】
着脱可能型臀部901の背面には、固定部材904を取り付けるための窪み903および開口906が形成されている。着脱可能型臀部901の下部胴体104への装着は、装着面905を下部胴体104の背面に押し当て、固定部材904を窪み903から開口906へ通して図示しない下部胴体104の固定用孔に挿入することで行われる。なお装着構造の詳細は、図2に示す例と同じである。
【0075】
以下、着脱可能型臀部901の着座機能について説明する。ここでは、地面に着座した状態の一例を説明する。図11は、人型ロボット101が不整地911に尻餅をついたような状態で着座している例を示す側面図である。
【0076】
この例では、人間が地面に腰を下ろすように、下部胴体104を不整地911に下ろした状態において、着座姿勢支え部902背面の湾曲傾斜部分902aが不整地911に接触し、姿勢のバランスが確保されている。
【0077】
野外や室内での軽作業において、このような姿勢を取ることはしばしばある。したがって、着脱可能型臀部901を人型ロボット101に装着し、図11に示すような姿勢を容易に安定してとることができるようにすることは、人間に代わって各種の作業を行うことを目的とする人型ロボットの実用性を高める上で極めて有意なこととなる。
【0078】
また、この態様によれば、図11に示すように、人型ロボット101の頭部102の向きを起立状態とほぼ同等の状態に保つことができる。このため、図11に示すような低姿勢において、頭部102を支える首軸の可動を起立時と同様に行わせることができる。これにより、図11に示すような低姿勢をとった状態での作業時における人型ロボット101の視認性(視覚情報取得能力)を起立時と同様に確保することができる。このことは、人型ロボット101に、図11に示すような低姿勢をとらせて各種の作業を行わせる場合に有用となる。
【0079】
また、着脱可能型臀部901を装着した場合、仮に人型ロボット101がバランスを崩して後ろに倒れた場合に、着座姿勢支え部902が支えになって尻餅をつく状態以上に姿勢が崩れるのを抑制することができる。完全に後ろに倒れてしまい、上部胴体103が完全に床や地面についた状態(仰向けの状態)になると、起き上がり直立するのに多少複雑な動作と多少の時間が必要とされる。これに対して、尻餅をついた状態から直立する場合は、動作はよりシンプルであり、要する時間も短くて済む。したがって、着脱可能型臀部901を装着することにより、後ろへ転倒した場合に、より素早く姿勢を回復することができる優位性を得ることができる。
【0080】
また、着座姿勢支え部902が略J型に湾曲しているので、後ろに転倒した際に、その勢いが転がり運動に転化され、衝撃が緩和される効果が得られる。これにより、後方への転倒時に発生する好ましくない事態の発生を防止あるいは抑制することができる。
【0081】
また着座姿勢支え部902をゴム材料等の弾性材料により構成し、転倒時に着座姿勢支え部902において衝撃が吸収されるようにしてもよい。着座姿勢支え部902は湾曲しているので、それ自体が弾性を備えていると、後方への転倒時に衝撃を効果的に吸収することができる。なお、この弾性の程度は、図11に示すような着座時には、姿勢が不安定になるような変形を生じないようなある程度の固い弾性材料を選択する必要がある。
【0082】
また着座姿勢支え部902を弾性的に変形可能な構造としてもよい。例えば、着座姿勢支え部902を1または複数の関節構造により、弾性的に変形可能な構造とし、後方への転倒時にこの関節部分が屈曲し、衝撃が吸収されるようにしてもよい。
【0083】
5.第5の実施形態
本実施形態は、着脱可能型臀部に収納機能を備えた場合の例である。図12は、本実施形態における人型ロボットの概要を示す側面図(A)および背面図(B)である。図13は、本実施形態における着脱可能型臀部を右後方斜め上方向から見た斜視図(A)、左前方斜め上方向から見た斜視図(B)、背面図(C)、上面図(D)、および側面図(E)である。ここで、後方や背面というのは、人型ロボットの後方や背面を基準として考えている。
【0084】
着脱可能型臀部921は、その内部に収納空間925(図13参照)を備えた上方が開放された箱型の構造を有している。この収納空間925に道具や小物等を収納することができる。また、着脱可能型臀部921は、下方に延在した位置に平坦部922を備え、そこを利用して着座を行うこともできる。
【0085】
図示する構成においては、収納空間925の上方が開放されているが、ここに開閉可能な蓋を配置することもできる。人型ロボット101は、人間と同様に、中腰になったり屈み込んだりする姿勢をとることができるので、姿勢によっては、収納空間925から収納物がこぼれ落ちる場合も想定される。開閉可能な蓋を配置することで、この問題に対応することができる。
【0086】
着脱可能型臀部921の背面には、固定部材924を取り付けるための窪み923および開口927が形成されている。着脱可能型臀部921の下部胴体104への装着は、装着面926を下部胴体104の背面に押し当て、固定部材924を窪み923から開口927へ通して図示しない下部胴体104の固定用孔に挿入することで行われる。なお装着構造の詳細は、図2に示す例と同じである。
【0087】
また、この構成において、着脱可能型臀部921をゴムのような弾性部材で構成すると、中空箱形の構造と相まって、それ自体に衝撃吸収能力を発現させることができる。すなわち、人型ロボット101が後方に転倒した際に、収納空間925を有する箱形構造の着脱可能型臀部921が適度に変形し、その変形により転倒時の衝撃を効果的に吸収することができる。
【0088】
以上例示した実施形態を複数組み合わせることも可能である。例えば、着脱可能型臀部301に収納機能を備えさせる組合せや、着脱可能型臀部601の延在部601aの側面形状に着座姿勢支え部902の構造を取り入れ、着脱可能型臀部601に着座姿勢支え部902の機能を与える組合せ等を挙げることができる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、人型ロボットに利用することができる。特に本発明は、座る機能を重視した人型ロボットに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明を利用した人型ロボットの概要を示す斜視図である。
【図2】着脱可能型臀部の取り付け構造の一例を示す斜視図である。
【図3】着脱可能型臀部を装着した人型ロボットの一例を示す側面図(A)および背面図(B)である。
【図4】着脱可能型臀部の一例を示す斜視図(A)、斜視図(B)、背面図(C)、上面図(D)、および側面図(E)である。
【図5】着脱可能型臀部を装着した人型ロボットが着座した状態を示す側面図である。
【図6】着脱可能型臀部を装着した人型ロボットを示す側面図(A)および背面図(B)である。
【図7】着脱可能型臀部の一例を示す斜視図(A)、斜視図(B)、背面図(C)、上面図(D)、および側面図(E)である。
【図8】着脱可能型臀部を装着した人型ロボットの作業の様子を示す側面図である。
【図9】着脱可能型臀部を装着した人型ロボットを示す側面図(A)および背面図(B)である。
【図10】着脱可能型臀部の一例を示す斜視図(A)、斜視図(B)、背面図(C)、上面図(D)、および側面図(E)である。
【図11】着脱可能型臀部を装着した人型ロボットが着座した様子を示す側面図である。
【図12】着脱可能型臀部を装着した人型ロボットを示す側面図(A)および背面図(B)である。
【図13】着脱可能型臀部の一例を示す斜視図(A)、斜視図(B)、背面図(C)、上面図(D)、および側面図(E)である。
【符号の説明】
【0091】
101…人型ロボット、102…頭部、103…上部胴体、104…下部胴体、104a…股関節部分、105…右腕、105a…手先部、106…左腕、106a…手先部、107…右脚、108…左脚、112…可動軸、201…着脱可能型臀部、202…貫通孔、203…固定部材、204…固定用孔、205…突出ピン、206…位置決め孔、207…着脱可能型臀部の背面側の表面(露出側の表面)、208…本体側臀部、209…開口、210…バッテリーの受け側コネクタ、301…着脱可能型臀部、302…延在部、303…平坦部、304…装着面、305…固定部材、306…開口、500…運転席、501…運転席の椅子、501a…椅子の被着座面、502…ハンドル、503…ペダル、504…椅子、601…着脱可能型臀部、601a…延在部、602…車輪、603…開口、604…装着面、605…固定部材、801…通路、801a…床面、802…台車、803…アーム、804…ハンドル、805…台車802の移動方向、901…着脱可能型臀部、902…着座姿勢支え部、902a…湾曲傾斜部分、903…窪み、904…固定部材、905…装着面、906…開口、911…不整地、921…着脱可能型臀部、922…平坦部、923…窪み、924…固定部材、925…収納空間、926…装着面、927…開口。
【技術分野】
【0001】
本発明は、人型ロボットの臀部の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
2足で歩行し、人間と同様の身体的な機能を発揮する人型ロボットが開発されている。このような人型ロボットには、多種多様な使用目的が考えられている。例えば、建築現場や土木工事現場での補助、老人介護や医療介護の補助、その他人間の代わりに何かの作業を行わせることが考えられている。また、人体への悪影響が懸念される有害物質で汚染された場所(または汚染の危険性がある場所)での作業を人型ロボットに行わせることも考えられている。
【0003】
さらに人型ロボットは、人間の手足を使った作業と同様な作業を行わせることが可能であるので、例えば重機の操作や人間が操作する目的で作られた機器の操作を人間の代わりに行わせることも考えられている。
【0004】
人型ロボットの場合、2足歩行を可能とする関係から、転倒の問題に対応することが重要となる。この技術に関しては、例えば特許文献1に記載された技術がある。特許文献1には、転倒しても起き上がり易いような背中の構造が記載されている。
【特許文献1】特開2001−157972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者らの研究によれば、このような人間の代わりに人型ロボットに作業を行わせようとする場合、転倒の問題だけではなく、行わせようとする作業や稼働させる環境に応じた身体的な機能が重要であることが判明している。
【0006】
特にこの身体的な機能において重要なのは、座るという動作に関係する機能である。例えば、人間の臀部には、着座状態(座った状態)において安定な姿勢を維持する機能、転倒した際に衝撃を緩和するクッション機能、座るという動作を行う際に、着座する場所(例えば床や椅子)に対するクッション機能やそこに身体をなじませる機能、あるいは座った状態において身体を微妙にずらす機能、といった各種の機能がある。
【0007】
従来の人型ロボットにおいては、特にこの点に関して配慮はされていなかった。例えば、人間と同じように着座できるように、人型ロボットの臀部が設計されている訳ではなかった。また人型ロボットの実用性を考えた場合、人型ロボットには、着座した状態で各種の作業を行える機能も必要とされるが、この点を考慮して臀部の構造が設計されている訳ではなかった。
【0008】
このように、人型ロボットの実用性、つまり人型ロボットに人間の作業を代行させることを考えた場合、臀部の機能が重要となる。しかしながら、上述したように臀部の機能には複数あり、一つのものでそれらの機能を追求することは困難であった。このような背景において、本発明は、稼働環境や用途に適した臀部を備えた実用性の高い人型ロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の人型ロボットは、人型ロボットの下部胴体と、この下部胴体に取り付けられた着脱可能な着脱可能型臀部とを備え、前記着脱可能型臀部は、保護機能、着座機能、着座状態での移動機能、転倒対応機能、および収納機能の少なくとも一つの機能を備えていることを特徴とする。
【0010】
下部胴体というのは、人型ロボットの胴体の下半身部分に相当する部位のことである。通常、下部胴体には、2本の脚が連結されている。
【0011】
本発明によれば、人型ロボットの作業環境や作業目的に応じて、人型ロボットの臀部を交換することができる。それにより、人間が行う作業を手伝ったり、人間に代わって各種の作業を行ったりする人型ロボットの実用性をより高くすることができる。また、作業環境や用途に適した臀部を装着すればよいので、コスト増を招かず要求される臀部機能を適宜選択することができる。このため、臀部を取り替えることで、1台の人型ロボットを色々な環境や用途に応じて使い分けることができる。
【0012】
着脱可能型臀部は、(1)下部胴体の背面に取り付けられる取り付け部と、(2)前記取り付け部から延在する延在部と、(3)着座時に前記延在部が着座する対象面に接触する部位とを備えている構成を採用することは好ましい。
【0013】
この態様によれば、着座時に安定した着座姿勢を保つことができる着座機能を得ることができる。例えば、着座した状態において腕を動かして各種の作業を行う場合、色々な動作を行っても着座姿勢を保つことが重要になるが、この態様によれば、この要求に応えることができる。
【0014】
また、この態様によれば、着座状態において、着脱可能型臀部を着座する対象面に接触させることで、人型ロボットの股関節部分を着座する対象面に接触させずに済む姿勢をとることができる。このため、着座姿勢において脚部の動作が拘束されることがない構成を実現でき、支持脚ではない脚を遊脚状態として自由に動かすことができる。例えば、着座した状態において、一方の片足を床等に接触させて着座姿勢を支持し、他方の片足をフリーな状態として、ペダルを踏むなどの作業を行うことができる。
【0015】
本発明において、着脱可能型臀部は、(1)下部胴体の背面に取り付けられる取り付け部と、(2)前記取り付け部から延在する延在部とを備え、(3)前記延在部に車輪を備えていることは好ましい。
【0016】
この態様によれば、着座した姿勢において、歩行動作によらない移動を人型ロボットに行わせることができる。例えば、床や地面に着脱可能型臀部の車輪を接触させることで、姿勢を低くしての荷物の牽引作業といった従来の人型ロボットでは困難であった作業を行わせることができる。また例えば人型ロボットに座った姿勢で作業を行わせるような場合に、煩雑な動作を行わせることなく簡単に移動することが可能となる。
【0017】
また、この態様によれば、床や地面に着脱可能型臀部の車輪を接触させた低姿勢状態での作業中においても、人型ロボットの頭部の向きを起立状態とほぼ同等の状態に保つことができる。このため、頭部にカメラを備え、その撮像画像を利用して動作を制御する人型ロボットにおいて、起立時と同様な首軸の可動を行わせることができる。このことは、上述した低姿勢での作業時における人型ロボットの視認性(視覚情報取得能力)を確保する上で有用となる。
【0018】
この態様において、衝撃吸収機構を介して着脱可能型臀部に車輪を保持することは好ましい。こうすることで、車輪が受ける衝撃がそのままロボット本体に伝わることが防止される。またこの構成は、転倒時におけるショック吸収機能としても作用する。この衝撃吸収機構としては、自動車等のサスペンション(懸架装置あるいは緩衝装置)の機構を利用することができる。
【0019】
本発明において、着脱可能型臀部は、(1)下部胴体の背面に取り付けられる取り付け部と、(2)前記取り付け部から延在する延在部と、(3)前記延在部に湾曲形状部とを備えていることは好ましい。
【0020】
この態様によれば、着座機能および/または転倒対応機能を効果的に発現させることができる。例えば、丁度人型ロボットが地面に腰を下ろした状態において、下部胴体から延在する延在部に構成された湾曲形状部の外側面が、地面に接触し、図11に例示するような安定した着座姿勢が確保される。また、この延在部に構成された湾曲形状部は、後方への転倒時に丁度尻餅をつくような格好で姿勢を維持し、また転倒時の衝撃を緩和する機能を有する。また、この態様においても、着座姿勢において人型ロボットの頭部の向きを起立状態とほぼ同等の状態に保つことができる。
【0021】
この態様において、着脱可能型臀部の一部または全部、特に取り付け部から例えば下方に延在する延在部に構成された湾曲形状部を弾性材料で構成し、着脱可能型臀部自体に衝撃吸収機能を備えさせてもよい。この湾曲形状部は、後方への転倒時に衝撃を受けて効果的に変形するので、高い衝撃吸収機能を得ることができる。
【0022】
着脱可能型臀部は、内部に収納スペースを備えていることは好ましい。この態様によれば、臀部に荷物等の収納機能を有した人型ロボットを得ることができる。
【0023】
この態様によれば、例えば工事作業の補助を人型ロボットに行わせる場合に作業者が必要とする工具や部品等をそこに収納することができる。この場合、人型ロボットに可動型工具箱や可動型部品箱としての機能を与えることができる。収納する物は、特に限定されないが、例えば通信機器等の電子機器、発電装置やバッテリーであってもよい。また収納する物は、燃料、液体、またはガス等を入れた容器やボンベのような物であってもよい。
【0024】
本発明において、着座機能は、下部胴体および/または下部胴体に連結された脚部と協同することにより、着座する対象面に対する接触面を確保し、着座姿勢を安定化する機能であることは好ましい。
【0025】
この態様によれば、着座時において、着脱可能型臀部の一部と、下部胴体および/または下部胴体に連結された脚部の一部が着座する対象面(腰掛ける対象:例えば椅子)に接触する。これにより、着座する対象面への接触部分が複数になり、また接触面積が確保され、着座した姿勢の安定性をより高くすることができる。
【0026】
以上説明した態様によれば、着脱可能型臀部の人型ロボットへの着脱機構を共通にすることで、必要に応じて複数種類用意した着脱可能型臀部の中から目的に応じたものを選択し、適宜人型ロボットに装着することが可能となる。こうすることで、稼動環境や使用目的に応じた最適な臀部を備えた人型ロボットを得ることができる。この着脱可能型臀部の着脱は、作業現場において簡単に行うことができるので、コスト増を招かずに必要とする機能を適宜選択し、稼働環境や作業内容に合わせた臀部の機能を人型ロボットに与えることができる。
【0027】
本発明は、人型ロボットの下部胴体に着脱可能な着脱可能型臀部として把握することもできる。すなわち、本発明の着脱可能型臀部は、人型ロボットの下部胴体に着脱可能な着脱可能型臀部であって、保護機能、着座機能、着座状態での移動機能、転倒対応機能、および荷物収納機能の少なくとも一つの機能を備えていることを特徴とする。この発明によれば、ロボットに着脱可能な臀部として上述したような優位性を備えた着脱可能型臀部が提供される。
【0028】
上記の着脱可能型臀部が、(1)前記下部胴体の背面に着脱可能に取り付けられる取り付け部と、(2)前記取り付け部から延在する延在部と、人型ロボットの着座時に前記延在部が着座する対象面に接触する部位とを備えていることは好ましい。この態様によれば、着座に適した着脱可能型臀部が提供される。
【0029】
上記着脱可能型臀部が、(1)前記下部胴体の背面に着脱可能に取り付けられる取り付け部と、(2)前記取り付け部から延在する延在部と、(3)前記延在部に取り付けられる車輪とを備えていることは好ましい。この態様によれば、着座状態において車輪を使った移動を行うことができる機能を備えた着脱可能型臀部が提供される。
【0030】
上記着脱可能型臀部が、(1)前記下部胴体の背面に着脱可能に取り付けられる取り付け部と、(2)前記取り付け部から延在する延在部と、(3)前記延在部に構成される湾曲形状部とを備えていることは好ましい。この態様によれば、転倒時の衝撃が緩和される転倒対応機能を備えた着脱可能型臀部が提供される。
【0031】
上記着脱可能型臀部が、内部に収納スペースを備えていることは好ましい。この態様によれば、工具等を収納する機能を備えた着脱可能型臀部が提供される。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、稼働環境や用途に適した臀部を人型ロボットに装着することで、人型ロボットの実用性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
1.第1の実施形態
図1は、本発明を利用した人型ロボットの概要を示す斜視図である。図1(A)は、ロボット自身から見て右後方斜め上の方向から見た斜視図であり、図1(B)は、同様に左前方斜め上の方向から見た斜視図である。図1に示す人型ロボット101は、頭部102、上部胴体103、下部胴体104、右腕105、左腕106、右脚107および左脚108を備えている。
【0034】
上部胴体103は、人体でいうと腹部から上の胸郭に相当する。上部胴体103には、各種の動作を制御する制御系の装置が主に格納され、その上部には頭部102が備えられ、その左右には、右腕105および左腕106が連結されている。また、頭部102には、カメラが配置されている。歩行や手足を用いた各種の動作においては、このカメラが撮像した画像に基づく視覚情報が利用される。
【0035】
下部胴体104は、人体でいうと腰回り部分に相当する。下部胴体104には、動力源となるバッテリーが格納され、その下部には右脚107および左脚108が連結されている。この構成において、図1における下部胴体104の背面部分が本体側臀部となる。
【0036】
上部胴体103と下部胴体104とは、上部胴体103を下部胴体104に対してヨー軸回転(上下軸線周り)させることが可能で、さらに上部胴体103を前後に傾けるピッチ軸回転(左右軸線周り)を行うことが可能な可動軸112(図2参照)によって連結されている。なお、この可動軸112について後述する。
【0037】
図1には、本体側臀部に機動性を重視した着脱可能型臀部201を装着した状態が示されている。ここで例示する着脱可能型臀部201は、歩行機能を最優先した機動性重視のタイプである。機動性を重視するために、着脱可能型臀部201は薄く軽量な構造となっている。
【0038】
以下、着脱可能型臀部201の人型ロボット101への装着構造の一例を説明する。図2は、着脱可能型臀部201の取り付け構造を示す斜視図である。図2には、図1における人型ロボット101の上部胴体103を下部胴体104から取り外した状態が示されている。ここで図2(A)は、上部胴体103が取り外された人型ロボットを、図1(B)と同じ左斜め上前方から見た斜視図である。図2(B)は、上部胴体103が取り外された人型ロボットを、図1(A)と同じ右斜め上後方から見た斜視図である。
【0039】
図2には、下部胴体104、下部胴体104に連結された右脚107および左脚108、下部胴体104と上部胴体103(図1参照)とを連結する可動軸112、後述する取り付け方法により下部胴体104の本体側臀部208(下部胴体104の背面)に固定される着脱可能型臀部201が示されている。
【0040】
可動軸112は、下部胴体104に対して上部胴体103(図1参照)をヨー軸回転(上部胴体を下部胴体に対して左右に捻る動作)を行わせる機能と、下部胴体104に対して上部胴体103をピッチ軸回転(上部胴体を下部胴体に対して前後に傾ける動作)を行わせる機能を与える連結可動軸である。
【0041】
本体側臀部208には、開口209が形成されており、この開口209から下部胴体104内に格納されている機器にアクセスすることができる。図2(B)には、開口209からバッテリーへの充電を行う際などに利用される受け側コネクタ210が示されている。
【0042】
着脱可能型臀部201には、2カ所の貫通孔202と3個の突出ピン205が設けられている。また、本体側臀部208には、突出ピン205に対応した3カ所の位置決め孔206と、固定部材203がそれぞれ挿入される固定用孔204が形成されている。
【0043】
固定部材203は、クイックリリースファスナと呼ばれるもので、ピン状の構造を有し、先端部分に相手部材が引っ掛かる凸部を備えている。固定部材203を所定構造の固定用孔204に挿入し回転させると、先端が孔の内部構造に掛合し、孔から引き抜けなくなる。同様の機能は、螺子によって実現することもできる。
【0044】
固定用孔204は、固定部材203の受け構造であり、上述した固定部材203を差し込み、固定部材203を回転させると、固定部材が引き抜けなくなる構造を有している。なお、固定部材203を固定用孔204から引き抜くには、固定時と逆方向に固定部材203を回転させ、掛合状態を解除すればよい。
【0045】
本体側臀部208への着脱可能型臀部201の装着は、まず突出ピン205を位置決め孔206に位置あわせし、さらに突出ピン205が位置決め孔206にそれぞれ挿入されるように、着脱可能型臀部201を本体側臀部208に押し付ける。その後、貫通孔202を介して固定用孔204に固定部材203を挿入し、さらに固定部材203を回転することで、固定用孔204から固定部材203を引き抜けないようにする。こうして、本体側臀部208への着脱可能型臀部201の装着が行われる。なお、本体側臀部208からの着脱可能型臀部201の取り外しは、これと逆の作業を行えばよい。
【0046】
着脱可能型臀部の人型ロボットへの固定方法としては、上記の例に限定されず、面ファスナによる方法、マグネットによる方法、嵌め込み式構造による方法、これら方法の複数を組み合わせた方法を挙げることができる。
【0047】
2.第2の実施形態
本実施形態は、人型ロボットに着座機能を優先した着脱可能型臀部を装着した例である。図3は、本実施形態における人型ロボットの概要を示す側面図(A)および背面図(B)である。図4は、本実施形態における着脱可能型臀部を右後方斜め上方向から見た斜視図(A)、左前方斜め上方向から見た斜視図(B)、背面図(C)、上面図(D)、および側面図(E)である。ここで、後方や背面というのは、人型ロボットの後方や背面を基準として考えている。
【0048】
図3には、下部胴体104の背面(本体側臀部)に着座機能を優先した着脱可能型臀部301を装着した状態が示されている。この着脱可能型臀部301は、下部胴体104の背面に取り付けられ、さらにその取り付け部から下方に延在する延在部302、そしてこの延在部302の先端(下端)に平坦部303を備えている。
【0049】
この着脱可能型臀部301を人型ロボット101に装着した場合、着座した状態において、平坦部303が着座する対象面(例えば椅子の座面)に接触する。平坦部303は、平坦な構造を備えており、着座した状態において、着座する対象面との接触面積を大きく確保できるようになっている。こうすることで、着座状態における安定性を確保することができる。
【0050】
着脱可能型臀部301の背面には、固定部材305を挿入するための開口306が形成されている。着脱可能型臀部301の下部胴体104への装着は、装着面304を下部胴体104の背面に押し当て、固定部材305を開口306から図示しない下部胴体側の固定用孔に挿入することで行われる。なお、装着機構の詳細は、図2に示す例と同じである。
【0051】
以下、着座した状態の一例を説明する。図5(A)は、人型ロボット101が重機の運転席500の椅子501に座り、重機を運転している様子を示す側面図である。図5(B)は、人型ロボット101が普通の椅子504に腰掛けた状態を示す側面図である。
【0052】
図5(A)に示す状態では、人型ロボット101が着脱可能型臀部301の平坦部303を椅子501の被着座面510aに乗せることで着座した状態が示されている。また、人型ロボット101が椅子501に着座した状態において、左脚108を運転席の床に接触させ、右脚107を用いてペダル503を操作し、さらに左手106を用いてハンドル502を操作している状態が示されている。
【0053】
図5(A)に示すように、着脱可能型臀部301を利用することで、椅子に座り易い構造を備えた人型ロボットを得ることができる。こうすることで、人型ロボットに重機等の運転を人間に代わって行わせる場合の実用性を高めることができる。
【0054】
特にこの態様においては、着座状態において、着脱可能型臀部301が椅子501に接触し、人型ロボット101の股関節部分104a(下部胴体104と脚部107および108とを連結する関節部分)が椅子501に接触しない状態にすることができる。このため、片方の脚を床面等に接触させ、バランスをとったとしても、残りの一方の脚の動きが束縛されず、この脚を自由に使うことができる。例えば、図5に例示するように、自由に使える右脚107を用いてペダル503を操作することができる。
【0055】
図5(B)には、人型ロボット101を普通の椅子504に座らせた状態が示されている。着脱可能型臀部301を利用することで、こうした人間用の椅子への着座を安定した状態で行うことができる。これにより、人型ロボットに人間用の椅子に座っての軽作業等を行わせる場合の実用性を高めることができる。また、日常生活の中での人型ロボットの利用を考えた場合における人間生活への親和性を高めることができる。
【0056】
図5に示す着座状態においては、椅子に着脱可能型臀部301の平坦部303のみを接触させ、さらに手足を用いてバランスを維持するが、下部胴体104の一部や脚の太股裏側の部分を椅子に接触させ、着座姿勢を保つようにしてもよい。
【0057】
また、同じ着座機能を優先するのであっても、寸法や材質を異ならせた着脱可能型臀部301を複数用意してもよい。こうすることで、着座する相手部材や椅子の種類に合わせた最適な寸法、構造あるいは材質を選択した着脱可能型臀部301を適宜選択することができる。
【0058】
ここでは、椅子に腰掛ける例を説明したが、この構成によれば、人間と同様に適当な場所に軽く腰掛けるといった動作が可能である。このことは、人間への親和性を重視した人型ロボットの実用性を高める上で有意なこととなる。
【0059】
3.第3の実施形態
本実施形態においては、人型ロボット101に着座姿勢において移動可能な機能を有する着脱可能型臀部を装着した例を説明する。図6は、本実施形態における人型ロボットの概要を示す側面図(A)および背面図(B)である。図7は、本実施形態における着脱可能型臀部を右後方斜め上方向から見た斜視図(A)、左前方斜め上方向から見た斜視図(B)、背面図(C)、上面図(D)、および側面図(E)である。ここで、後方や背面というのは、人型ロボットの後方や背面を基準として考えている。
【0060】
図7に示す着脱可能型臀部601は、ロボット本体への装着面604から下方に延在した延在部601aを備え、その下端部分に車輪602を備えている。この車輪602は、人型ロボット101が着座した姿勢において、着座する対象に接触する。
【0061】
着脱可能型臀部601の背面(人型ロボット101から見た場合の背面)には、固定部材605を挿入するための開口603が形成されている。着脱可能型臀部601の下部胴体104への装着は、装着面604を下部胴体104の背面に押し当て、固定部材605を開口603から図示しない下部胴体側の固定用孔に挿入することで行われる。なお、装着機構の詳細は、図2に示す例と同じである。
【0062】
以下、着脱可能型臀部601の機能の一例を説明する。図8は、人型ロボットが荷物を積んだ台車を引っ張る作業を行っている様子を示す側面図である。図8には、高さの低い坑道のような通路801において、人型ロボット101が姿勢を低くして、台車802を引っ張る作業を行っている様子が示されている。
【0063】
この場合、人型ロボット101は、両足を前方に出し、同時に腰を落とすように下部胴体104の位置を下げ、着脱可能型臀部601の車輪602を通路801の床面801aに接触させる。そして、右腕105先端の手先部105aおよび左腕106先端の手先部106aによって台車802に固定された台車操作用アーム803先端のハンドル804を握る。この状態で右脚107および左脚108を用いて、床面801aを蹴ることで、台車802を矢印805の方向に移動させることができる。
【0064】
この移動の際、車輪602が床面801aを転がり、人型ロボット101は中腰姿勢のバランスを取りつつスムーズに移動を行うことができる。
【0065】
従来の人型ロボットでは、図8に示すような姿勢で台車を引くといった作業を安定して行うことは困難であったが、車輪602の付いた着脱可能型臀部601を利用することで、この困難な作業を安定して簡単に行うことができる。
【0066】
またこの態様は、図8に例示するような腰を落とした状態での着座姿勢を安定に保つことができる機能も有している。人間が各種の作業を行う場合において、天井が低い、障害物がある、といった理由のために姿勢を低くしければならない場合がある。このような制限がある場合に、図8に示すような姿勢を容易にとることができる本実施形態の態様は有用となる。
【0067】
また、この態様によれば、図8に示すように、人型ロボット101の頭部102の向きを起立状態とほぼ同等の状態に保つことができる。このため、図8に示すような低姿勢における頭部102を支える首軸の可動を起立時と同様に行わせることができる。これにより、図8に示すような低姿勢をとった状態での作業時における人型ロボット101の視認性(視覚情報取得能力)を起立時と同様に確保することができる。このことは、人型ロボット101に、図8に示すような低姿勢をとらせて各種の作業を行わせる場合に有用となる。
【0068】
本実施形態において、車輪602を適当なサスペンション機構を介して着脱可能型臀部601に装着することが好ましい。こうすることで、車輪602が衝撃吸収能力を備えた構成を実現でき、不要な振動や衝撃がロボット本体に伝わることを抑制することができる。
【0069】
また、車輪602をモータ等によって駆動できる駆動手段を備えた駆動輪としてもよい。この場合、図8に示すような姿勢における移動に際して、車輪602をモータ等によって駆動し回転させることで、移動を補助することができる。図8に示すような姿勢での移動においては、脚部に加えて車輪602の駆動力を利用することで、より確実な安定した移動を行うことができる。特に台車802を牽引するような力仕事を行う場合には、この構成が有効となる。
【0070】
また、車輪602の回転に制動を加える制動手段(ブレーキ)、あるいは車輪602が回転しないようにロックするロック機構を備えてもよい。例えば人型ロボット101が、図8に示すような姿勢を斜面において維持したい場合、車輪602が抵抗無く回転してしまうことは好ましくない。このような場合は、車輪602を回転し難くしたり、ロックしたりすることで姿勢を維持する機能を強化することができる。また、図8に示すような姿勢で脚部を先にして斜面を滑り降りるような場合、車輪602に制動を加えることで、滑り降りるスピードや姿勢を制御する作用を得ることができる。
【0071】
4.第4の実施形態
本実施形態は、着座機能と転倒対応機能を備えた着脱可能型臀部を人型ロボットに装着した例である。図9は、本実施形態における人型ロボットの概要を示す側面図(A)および正面図(B)である。図10は、本実施形態における着脱可能型臀部を右後方斜め上方向から見た斜視図(A)、左前方斜め上方向から見た斜視図(B)、背面図(C)、上面図(D)、および側面図(E)である。ここで、後方や背面というのは、人型ロボットの後方や背面を基準として考えている。
【0072】
図9に示す着脱可能型臀部901は、ロボット本体への取り付け面905(図10参照)から下方に延在しつつロボット正面方向に湾曲した略J型の断面形状を有する着座姿勢支え部902を備えている。着座姿勢支え部902の背面側は、湾曲し、そして傾斜した湾曲傾斜部分902aを備えており、人間が腰を下ろすように下部胴体104を床や地面に下ろした際に、この部分が床や地面に接触し、支えとなる。
【0073】
湾曲傾斜部分902aは、湾曲しそして傾斜しているので、例えば図11に示すように下部胴体104を床や地面に下ろした際に、床や地面に対するがたつきのない接触状態を得ることができ、そのために姿勢のバランスを保つことが極めて容易になる。また、着座姿勢支え部902は、地面や床面への着座姿勢を安定にする機能に加えて、転倒時に起き上がりを容易にする機能、さらには転倒時の衝撃を緩和する機能も有する。
【0074】
着脱可能型臀部901の背面には、固定部材904を取り付けるための窪み903および開口906が形成されている。着脱可能型臀部901の下部胴体104への装着は、装着面905を下部胴体104の背面に押し当て、固定部材904を窪み903から開口906へ通して図示しない下部胴体104の固定用孔に挿入することで行われる。なお装着構造の詳細は、図2に示す例と同じである。
【0075】
以下、着脱可能型臀部901の着座機能について説明する。ここでは、地面に着座した状態の一例を説明する。図11は、人型ロボット101が不整地911に尻餅をついたような状態で着座している例を示す側面図である。
【0076】
この例では、人間が地面に腰を下ろすように、下部胴体104を不整地911に下ろした状態において、着座姿勢支え部902背面の湾曲傾斜部分902aが不整地911に接触し、姿勢のバランスが確保されている。
【0077】
野外や室内での軽作業において、このような姿勢を取ることはしばしばある。したがって、着脱可能型臀部901を人型ロボット101に装着し、図11に示すような姿勢を容易に安定してとることができるようにすることは、人間に代わって各種の作業を行うことを目的とする人型ロボットの実用性を高める上で極めて有意なこととなる。
【0078】
また、この態様によれば、図11に示すように、人型ロボット101の頭部102の向きを起立状態とほぼ同等の状態に保つことができる。このため、図11に示すような低姿勢において、頭部102を支える首軸の可動を起立時と同様に行わせることができる。これにより、図11に示すような低姿勢をとった状態での作業時における人型ロボット101の視認性(視覚情報取得能力)を起立時と同様に確保することができる。このことは、人型ロボット101に、図11に示すような低姿勢をとらせて各種の作業を行わせる場合に有用となる。
【0079】
また、着脱可能型臀部901を装着した場合、仮に人型ロボット101がバランスを崩して後ろに倒れた場合に、着座姿勢支え部902が支えになって尻餅をつく状態以上に姿勢が崩れるのを抑制することができる。完全に後ろに倒れてしまい、上部胴体103が完全に床や地面についた状態(仰向けの状態)になると、起き上がり直立するのに多少複雑な動作と多少の時間が必要とされる。これに対して、尻餅をついた状態から直立する場合は、動作はよりシンプルであり、要する時間も短くて済む。したがって、着脱可能型臀部901を装着することにより、後ろへ転倒した場合に、より素早く姿勢を回復することができる優位性を得ることができる。
【0080】
また、着座姿勢支え部902が略J型に湾曲しているので、後ろに転倒した際に、その勢いが転がり運動に転化され、衝撃が緩和される効果が得られる。これにより、後方への転倒時に発生する好ましくない事態の発生を防止あるいは抑制することができる。
【0081】
また着座姿勢支え部902をゴム材料等の弾性材料により構成し、転倒時に着座姿勢支え部902において衝撃が吸収されるようにしてもよい。着座姿勢支え部902は湾曲しているので、それ自体が弾性を備えていると、後方への転倒時に衝撃を効果的に吸収することができる。なお、この弾性の程度は、図11に示すような着座時には、姿勢が不安定になるような変形を生じないようなある程度の固い弾性材料を選択する必要がある。
【0082】
また着座姿勢支え部902を弾性的に変形可能な構造としてもよい。例えば、着座姿勢支え部902を1または複数の関節構造により、弾性的に変形可能な構造とし、後方への転倒時にこの関節部分が屈曲し、衝撃が吸収されるようにしてもよい。
【0083】
5.第5の実施形態
本実施形態は、着脱可能型臀部に収納機能を備えた場合の例である。図12は、本実施形態における人型ロボットの概要を示す側面図(A)および背面図(B)である。図13は、本実施形態における着脱可能型臀部を右後方斜め上方向から見た斜視図(A)、左前方斜め上方向から見た斜視図(B)、背面図(C)、上面図(D)、および側面図(E)である。ここで、後方や背面というのは、人型ロボットの後方や背面を基準として考えている。
【0084】
着脱可能型臀部921は、その内部に収納空間925(図13参照)を備えた上方が開放された箱型の構造を有している。この収納空間925に道具や小物等を収納することができる。また、着脱可能型臀部921は、下方に延在した位置に平坦部922を備え、そこを利用して着座を行うこともできる。
【0085】
図示する構成においては、収納空間925の上方が開放されているが、ここに開閉可能な蓋を配置することもできる。人型ロボット101は、人間と同様に、中腰になったり屈み込んだりする姿勢をとることができるので、姿勢によっては、収納空間925から収納物がこぼれ落ちる場合も想定される。開閉可能な蓋を配置することで、この問題に対応することができる。
【0086】
着脱可能型臀部921の背面には、固定部材924を取り付けるための窪み923および開口927が形成されている。着脱可能型臀部921の下部胴体104への装着は、装着面926を下部胴体104の背面に押し当て、固定部材924を窪み923から開口927へ通して図示しない下部胴体104の固定用孔に挿入することで行われる。なお装着構造の詳細は、図2に示す例と同じである。
【0087】
また、この構成において、着脱可能型臀部921をゴムのような弾性部材で構成すると、中空箱形の構造と相まって、それ自体に衝撃吸収能力を発現させることができる。すなわち、人型ロボット101が後方に転倒した際に、収納空間925を有する箱形構造の着脱可能型臀部921が適度に変形し、その変形により転倒時の衝撃を効果的に吸収することができる。
【0088】
以上例示した実施形態を複数組み合わせることも可能である。例えば、着脱可能型臀部301に収納機能を備えさせる組合せや、着脱可能型臀部601の延在部601aの側面形状に着座姿勢支え部902の構造を取り入れ、着脱可能型臀部601に着座姿勢支え部902の機能を与える組合せ等を挙げることができる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、人型ロボットに利用することができる。特に本発明は、座る機能を重視した人型ロボットに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明を利用した人型ロボットの概要を示す斜視図である。
【図2】着脱可能型臀部の取り付け構造の一例を示す斜視図である。
【図3】着脱可能型臀部を装着した人型ロボットの一例を示す側面図(A)および背面図(B)である。
【図4】着脱可能型臀部の一例を示す斜視図(A)、斜視図(B)、背面図(C)、上面図(D)、および側面図(E)である。
【図5】着脱可能型臀部を装着した人型ロボットが着座した状態を示す側面図である。
【図6】着脱可能型臀部を装着した人型ロボットを示す側面図(A)および背面図(B)である。
【図7】着脱可能型臀部の一例を示す斜視図(A)、斜視図(B)、背面図(C)、上面図(D)、および側面図(E)である。
【図8】着脱可能型臀部を装着した人型ロボットの作業の様子を示す側面図である。
【図9】着脱可能型臀部を装着した人型ロボットを示す側面図(A)および背面図(B)である。
【図10】着脱可能型臀部の一例を示す斜視図(A)、斜視図(B)、背面図(C)、上面図(D)、および側面図(E)である。
【図11】着脱可能型臀部を装着した人型ロボットが着座した様子を示す側面図である。
【図12】着脱可能型臀部を装着した人型ロボットを示す側面図(A)および背面図(B)である。
【図13】着脱可能型臀部の一例を示す斜視図(A)、斜視図(B)、背面図(C)、上面図(D)、および側面図(E)である。
【符号の説明】
【0091】
101…人型ロボット、102…頭部、103…上部胴体、104…下部胴体、104a…股関節部分、105…右腕、105a…手先部、106…左腕、106a…手先部、107…右脚、108…左脚、112…可動軸、201…着脱可能型臀部、202…貫通孔、203…固定部材、204…固定用孔、205…突出ピン、206…位置決め孔、207…着脱可能型臀部の背面側の表面(露出側の表面)、208…本体側臀部、209…開口、210…バッテリーの受け側コネクタ、301…着脱可能型臀部、302…延在部、303…平坦部、304…装着面、305…固定部材、306…開口、500…運転席、501…運転席の椅子、501a…椅子の被着座面、502…ハンドル、503…ペダル、504…椅子、601…着脱可能型臀部、601a…延在部、602…車輪、603…開口、604…装着面、605…固定部材、801…通路、801a…床面、802…台車、803…アーム、804…ハンドル、805…台車802の移動方向、901…着脱可能型臀部、902…着座姿勢支え部、902a…湾曲傾斜部分、903…窪み、904…固定部材、905…装着面、906…開口、911…不整地、921…着脱可能型臀部、922…平坦部、923…窪み、924…固定部材、925…収納空間、926…装着面、927…開口。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人型ロボットの下部胴体と、
この下部胴体に取り付けられた着脱可能な着脱可能型臀部と
を備え、
前記着脱可能型臀部は、保護機能、着座機能、着座状態での移動機能、転倒対応機能、および収納機能の少なくとも一つの機能を備えていることを特徴とする人型ロボット。
【請求項2】
前記着脱可能型臀部は、
(1)前記下部胴体の背面に取り付けられる取り付け部と、
(2)前記取り付け部から延在する延在部と、
(3)着座時に前記延在部が着座する対象面に接触する部位と
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の人型ロボット。
【請求項3】
前記着脱可能型臀部は、
(1)前記下部胴体の背面に取り付けられる取り付け部と、
(2)前記取り付け部から延在する延在部と、
(3)前記延在部に取り付けられる車輪と
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の人型ロボット。
【請求項4】
前記着脱可能型臀部は、
(1)前記下部胴体の背面に取り付けられる取り付け部と、
(2)前記取り付け部から延在する延在部と、
(3)前記延在部に構成される湾曲形状部と
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の人型ロボット。
【請求項5】
前記着脱可能型臀部は、内部に収納スペースを備えていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の人型ロボット。
【請求項6】
人型ロボットの下部胴体に着脱可能な着脱可能型臀部であって、保護機能、着座機能、着座状態での移動機能、転倒対応機能、および収納機能の少なくとも一つの機能を備えていることを特徴とする着脱可能型臀部。
【請求項7】
前記着脱可能型臀部は、
(1)前記下部胴体の背面に着脱可能に取り付けられる取り付け部と、
(2)前記取り付け部から延在する延在部と、
(3)人型ロボットの着座時に前記延在部が着座する対象面に接触する部位と
を備えていることを特徴とする請求項6に記載の着脱可能型臀部。
【請求項8】
前記着脱可能型臀部は、
(1)前記下部胴体の背面に着脱可能に取り付けられる取り付け部と、
(2)前記取り付け部から延在する延在部と、
(3)前記延在部に取り付けられる車輪と
を備えていることを特徴とする請求項6に記載の着脱可能型臀部。
【請求項9】
前記着脱可能型臀部は、
(1)前記下部胴体の背面に着脱可能に取り付けられる取り付け部と、
(2)前記取り付け部から延在する延在部と、
(3)前記延在部に構成される湾曲形状部と
を備えていることを特徴とする請求項6に記載の着脱可能型臀部。
【請求項10】
前記着脱可能型臀部は、内部に収納スペースを備えていることを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載の着脱可能型臀部。
【請求項1】
人型ロボットの下部胴体と、
この下部胴体に取り付けられた着脱可能な着脱可能型臀部と
を備え、
前記着脱可能型臀部は、保護機能、着座機能、着座状態での移動機能、転倒対応機能、および収納機能の少なくとも一つの機能を備えていることを特徴とする人型ロボット。
【請求項2】
前記着脱可能型臀部は、
(1)前記下部胴体の背面に取り付けられる取り付け部と、
(2)前記取り付け部から延在する延在部と、
(3)着座時に前記延在部が着座する対象面に接触する部位と
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の人型ロボット。
【請求項3】
前記着脱可能型臀部は、
(1)前記下部胴体の背面に取り付けられる取り付け部と、
(2)前記取り付け部から延在する延在部と、
(3)前記延在部に取り付けられる車輪と
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の人型ロボット。
【請求項4】
前記着脱可能型臀部は、
(1)前記下部胴体の背面に取り付けられる取り付け部と、
(2)前記取り付け部から延在する延在部と、
(3)前記延在部に構成される湾曲形状部と
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の人型ロボット。
【請求項5】
前記着脱可能型臀部は、内部に収納スペースを備えていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の人型ロボット。
【請求項6】
人型ロボットの下部胴体に着脱可能な着脱可能型臀部であって、保護機能、着座機能、着座状態での移動機能、転倒対応機能、および収納機能の少なくとも一つの機能を備えていることを特徴とする着脱可能型臀部。
【請求項7】
前記着脱可能型臀部は、
(1)前記下部胴体の背面に着脱可能に取り付けられる取り付け部と、
(2)前記取り付け部から延在する延在部と、
(3)人型ロボットの着座時に前記延在部が着座する対象面に接触する部位と
を備えていることを特徴とする請求項6に記載の着脱可能型臀部。
【請求項8】
前記着脱可能型臀部は、
(1)前記下部胴体の背面に着脱可能に取り付けられる取り付け部と、
(2)前記取り付け部から延在する延在部と、
(3)前記延在部に取り付けられる車輪と
を備えていることを特徴とする請求項6に記載の着脱可能型臀部。
【請求項9】
前記着脱可能型臀部は、
(1)前記下部胴体の背面に着脱可能に取り付けられる取り付け部と、
(2)前記取り付け部から延在する延在部と、
(3)前記延在部に構成される湾曲形状部と
を備えていることを特徴とする請求項6に記載の着脱可能型臀部。
【請求項10】
前記着脱可能型臀部は、内部に収納スペースを備えていることを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載の着脱可能型臀部。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−305642(P2006−305642A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−127819(P2005−127819)
【出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【出願人】(591210600)川田工業株式会社 (57)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【出願人】(591210600)川田工業株式会社 (57)
【Fターム(参考)】
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