位置情報収集装置
【課題】広い範囲をカバーでき、多数の無線端末を管理可能であると共に、故障に対する耐性が高く、信頼性の高い位置情報収集装置を提供すること。
【解決手段】位置情報収集装置は、ID情報をを繰り返し送信する無線端末装置20、予め下流および上流のAP(アクセスポイント)装置を記憶しており、端末装置あるいは下流のAP装置からのデータを受信し、自IDを付加して上流APに転送するAP装置16〜19、最上流のAP装置15から信号を受信し、時刻情報を付加して記録するサーバ装置10とを備える。予め定められた1本道のルート25〜28に沿ってデータが転送され、各APは上流または下流の故障APを検出し、スキップする機能を備えている。収集データの転送によるトラフィックの爆発的増加を抑制し、多数の端末を収容可能であり、かつ故障に対する耐性が高い。
【解決手段】位置情報収集装置は、ID情報をを繰り返し送信する無線端末装置20、予め下流および上流のAP(アクセスポイント)装置を記憶しており、端末装置あるいは下流のAP装置からのデータを受信し、自IDを付加して上流APに転送するAP装置16〜19、最上流のAP装置15から信号を受信し、時刻情報を付加して記録するサーバ装置10とを備える。予め定められた1本道のルート25〜28に沿ってデータが転送され、各APは上流または下流の故障APを検出し、スキップする機能を備えている。収集データの転送によるトラフィックの爆発的増加を抑制し、多数の端末を収容可能であり、かつ故障に対する耐性が高い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は無線通信を利用した位置情報収集装置に関し、特に、多数の無線端末を管理可能であると共に故障に対する耐性が高く、信頼性の高い位置情報収集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線通信を利用した位置情報収集装置として、例えば下記の特許文献1、2に示すようなシステムが提案されている。特許文献1に示すシステムは、位置測定の対象物である無線タグと、無線タグの位置測定のための複数のアクセスポイントと、アクセスポイントと直接または間接に接続されたサーバとを含む。
【0003】
アクセスポイントは、無線タグおよび他のアクセスポイントから受信した電波から、電波の強度に関する情報を取得して、取得した情報をサーバに送り、サーバは、無線タグの位置を三角測量方式および三角形の内部に無線タグがあるかどうかにより測定する。
【特許文献1】特開2006−266859号公報
【特許文献2】特開2006−311275号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の位置情報収集装置においては、各アクセスポイント装置からゲートウェイ装置にどのようにしてデータを転送するのかについては詳細な説明がなく、特に他のアクセスポイント装置を経由して転送するための方法は不明である。なお、例えば転送回数を制限して、各アクセスポイント装置において受信データを全て再送信する方法を用いれば、遠い位置にあるアクセスポイント装置からゲートウェイ装置への転送は可能である。
【0005】
しかし、上記の方法では転送のためのトラフィックが爆発的に増加し、アクセス方式としてCSMA方式を採用している場合にはトラフィックが増加すると伝送効率が急激に悪化して、多数の端末を収容して短い時間間隔で位置情報を収集するこができないという問題点があった。
【0006】
この発明の目的は、上記したような従来技術の問題点を解決し、広い範囲をカバーでき、多数の無線端末を管理可能であると共に、故障に対する耐性が高く、信頼性の高い位置情報収集装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の位置情報収集装置は、無線通信機能を備え、ID情報を含む信号を繰り返し送信する端末装置と、無線通信機能を備え、予め少なくともデータを転送すべき上流のアクセスポイント装置のID情報を複数個記憶しており、前記端末装置あるいは下流のアクセスポイント装置からの信号を受信し、データに自IDを付加して上流のアクセスポイントに転送するアクセスポイント装置と、最上流のアクセスポイント装置から有線通信によりデータを受信し、時刻情報を付加して記録するサーバ装置とを備え、前記アクセスポイント装置は、自装置と論理的に隣接する上流および下流の少なくとも一方の前記アクセスポイント装置の故障を検出する隣接AP故障検出手段と、前記隣接AP故障検出手段によって上流の前記アクセスポイント装置の故障を検出した場合には上流に転送すべきパケットを2つ以上上流のアクセスポイント装置宛に送信するスキップ手段とを備えている点を主要な特徴とする。
【0008】
また、前記した位置情報収集装置において、前記隣接AP故障検出手段は、自ID情報を含む放送パケットであるアクティブパケットを周期的に送信するアクティブパケット送信手段と、上流および下流の少なくとも一方の前記アクセスポイント装置から送信されるアクティブパケットを監視し、特定の前記アクセスポイント装置からのアクティブパケットがアクティブパケットの送信周期より長い所定の時間受信されない場合に、当該アクセスポイント装置を故障と見なす故障検出手段とを含む点にも特徴がある。
【0009】
また、前記した位置情報収集装置において、前記端末装置は更に利用者の操作に基づいて緊急通報信号を送信する緊急通報手段を備え、前記アクセスポイント装置は、前記端末装置からの緊急通報信号に自IDと共に受信信号強度データを付加して上流の前記アクセスポイント装置に転送する転送手段を備え、前記サーバ装置は、所定の時差内に受信された同一端末IDの緊急通報信号の内で受信強度データが最強のもののみを残し、他を削除する点にも特徴がある。
【0010】
また、前記した位置情報収集装置において、前記サーバ装置は、受信した前記緊急通報信号の内の受信強度データが最強のものの信号転送ルートを逆に指定した緊急通報応答信号を前記端末装置宛に返送する応答返送手段を備え、前記端末装置は、前記緊急通報応答信号を受信した場合に応答の受信を光学的あるいは音響的に表示する表示手段を備えた点にも特徴がある。
【発明の効果】
【0011】
本発明の位置情報収集装置によれば、以下のような効果がある。
(1)予め定められた1本道のルートに沿ってデータが転送されるので、収集データの転送によるトラフィックの爆発的増加を抑制し、多数の端末を収容して位置情報を短い周期で収集可能である。
【0012】
(2)コーディネータと直接通信できない位置でも、近傍のアクセスポイント装置経由でデータを転送可能であり、アクセスポイント装置を遠方まで配置可能となり、カバー範囲の制限が無くなる。
【0013】
(3)アクセスポイント装置の故障をチェックし、故障検出時には迂回ルートで通信を行うので、故障に対する耐性が高く、信頼性が高い。
(4)端末装置の消費電力を最小にすることが可能であり、電池による長時間運用が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。実施例においては、例えば工場内の複数の位置にアクセスポイント装置を設置し、作業者が端末を携帯して各人の位置情報を収集する場合について説明するが、本発明は工場をはじめ、職場、家庭、倉庫、介護施設などにおける人や物の位置情報収集に適用可能である。以下に開示する実施例1においては、端末からの信号を収集したサーバ装置において位置情報(最も近いアクセスポイント装置)を特定する例を開示する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の位置情報収集装置の構成を示すブロック図である。位置情報収集装置は、PCサーバ10、コーディネータ装置15、アクセスポイント装置A16、、B17、C18、D19、複数の端末20〜22からなる。コーディネータ装置15、アクセスポイント装置A16、、B17、C18、D19、複数の端末20〜22には、予め固有のID(識別情報)が割り振られている。
【0016】
PCサーバ装置10は周知の構成のパソコンあるいはサーバ装置に後述する機能を実現するプログラムをインストールしたものである。PCサーバ10には周知のディスプレイ装置11およびキーボード12が接続されており、更に、コーディネータ装置15と例えばRS-232C等のシリアルインターフェイス回路で接続されている。
【0017】
コーディネータ装置15は最上流にあるアクセスポイント装置であり、例えば周知のIEEE802.15.4規格の2.4GHz無線通信機能を備えると共に、PCサーバ10と有線のシリアルインターフェイス回路で接続されている。
【0018】
コーディネータ装置15を含むアクセスポイント16〜19は、例えばIEEE802.15.4規格の2.4GHz無線通信機能を備えており、端末からの信号の受信強度データも測定可能に構成されている。
【0019】
各アクセスポイント装置は自装置の上流及び下流のアクセスポイント装置IDを予め記憶しており、各アクセスポイント装置は無線リンク25、26、27、28によって1本の論理的なルートとして直列に接続されている。各アクセスポイント装置は例えば工場30内の作業員の位置検出が必要な位置であり、かつ各アクセスポイント装置が論理的に隣接する他のアクセスポイント装置と通信可能な位置に配置する。
【0020】
電池で駆動する端末20〜23は、例えば作業者それぞれに1個づつ携帯してもらう。端末はアクセスポイント装置との通信機能を備え、後述するように周期的に自ID情報を送信する。
【0021】
図2は、本発明の位置情報収集装置において使用する端末装置の構成を示すブロック図である。端末20には、電池を含む電源回路、1チップCPU40、トランシーバ用の高周波回路を集積したRF−LSI等が実装されている。1チップCPU40は、CPU、プログラムが格納されたROM、RAM、IDやルート情報等の設定データを記憶するフラッシュメモリ、入出力インターフェイス回路等を1チップに集積したLSIである。
【0022】
1チップCPU40には緊急通報用のボタンスイッチ41、応答表示用のLED表示器42が接続されている。なお、応答表示のための音声合成回路およびスピーカあるいは電子ブザー等の音響的表示装置を備えてもよい。リセット端子にはパワーオンリセットを行うリセットIC43が接続されている。なお、このような1チップCPUとしては各種のチップが市販されており、一例として、例えばモトローラ社のMC9S08GT60−CFDを使用可能である。
【0023】
RF−LSI44はトランシーバ用の高周波回路を集積したLSIであり、例えば、無線標準規格ZigBee/IEEE 802.15.4用に設計されたフリースケール社の2.4GHz低電力RFトランシーバLSI、MC13193を使用可能である。このLSIにおいては、1チップCPU40とのインタフェースは4本のSPI(serial peripheral interface)信号を用いる。アンテナ46はプリント配線基板上にパターンとして形成されたアンテナあるいは市販のアンテナ用チップ素子である。
【0024】
充電池52の4.2Vの出力電圧は、定電圧回路53によって3Vに降圧されて電源として各回路に供給される。また、利用者の就寝時や外出時に充電用端子を介して外部から供給された5Vの電源は、定電圧回路50、充電回路51を介して充電池52を充電する。端末装置は携帯に便利なカード形状あるいは腕時計形状である。
【0025】
図3は、本発明の位置情報収集装置において使用するアクセスポイント装置の構成を示すブロック図である。アクセスポイント装置のハードウェア構成は、前記した端末装置から充電池、ボタンスイッチ、LED表示器を取り除いた構成であり、商用電源に接続された図示しない電源アダプタ装置から常時供給される5Vの電源により稼働する。
【0026】
図4は、本発明の位置情報収集装置において使用するコーディネータ装置の構成を示すブロック図である。最上流のアクセスポイント装置であるコーディネータ装置15のハードウェア構成は、前記したアクセスポイント装置に、サーバ装置10と通信するための例えばRS-232Cシリアルインターフェイス回路55、およびコネクタ56を付加したものである。やはり、商用電源に接続された図示しない電源アダプタ装置から常時供給される5Vの電源により稼働する。
【0027】
図5は、本発明の位置情報収集装置において使用される無線パケットのフォーマット例を示す説明図である。パケットはパケット種別データ、ルート情報、伝送内容であるデータ、エラーチェックコードからなる。パケット種別データとしては特定の宛先に送信される通常のパケット(上流のアクセスポイント宛の位置情報転送パケット、故障通知/復旧報告パケット、応答パケット)の他、宛先を指定しない放送パケット(端末から送信される位置情報パケット、緊急通報パケット、アクティブパケット)がある。
【0028】
ルート情報には伝送すべきデータの送信元ID、中継したAP(アクセスポイント)ID、宛先IDが含まれており、転送する度に中継したAP(アクセスポイント)IDが追加されていく。位置情報パケットの場合、伝送内容であるデータには端末電池電圧情報、アクセスポイント装置における受信強度情報等が含まれる。端末電池電圧情報は例えばサーバ装置10によって監視され、端末装置の電池残量が少なくなった場合に、サーバ装置のオペレータに当該端末の充電指示を出力(表示)するために利用される。
【0029】
図6は、本発明の位置情報収集装置の実施例1における各装置間の信号のやり取りを示すタイムチャートである。なお、各AP(アクセスポイント)には、下流からAP−D、AP−C、AP−B、AP−A、CO(コーディネータ)の順に1本の論理的ルートが形成されるように、各APに上流及び下流のAPがそれぞれ設定されているものとする。
【0030】
即ち、例えばAP−Dには下流AP:無し、上流AP:AP−C、AP−Cには下流AP:AP−D、上流AP:AP−Bのように予め設定されている。なお、各APは上流AP障害時に当該APをとばして2つ以上先のAPに接続するために例えば2つ上流のAPのIDあるいは全てのAPリンクのIDリストを予め記憶している。
【0031】
端末は時間間隔Taで時刻t1において周期的に自ID情報を含む放送パケットである位置情報パケット60を送信する。この位置情報パケット60が例えばAP−D、AP−C、AP−B、AP−A、CO(コーディネータ)において受信されたものとする。なおこの位置情報パケット60は少なくとも1つのAPにおいて受信されれば足りる。
【0032】
例えばAP−Dにおいては、端末から位置情報パケット60を受信すると、信号強度を測定して当該パケットにデータとして付加すると共に、時刻t2において当該パケット61を上流のAP−C宛に送信する。このパケット61は、AP−C、AP−B、AP−A、COに順次無線で転送され、COからPC(サーバ10)に有線で伝送される。PCには他のAPからのパケット62も転送されてくる。従って、PCは周期Taより短い所定の時間Tbだけ同じ端末から送信されたパケットが到着するのを待つ。
【0033】
その後、同一端末からのパケットの中でAPにおける受信強度データが最強のものを残し、その他のパケットを削除する。そして、残したパケットデータを受信時刻と共にDB(データベースあるいは記録ファイル)に記録する。記録情報としては、端末ID、受信APID(位置情報として使用)、中継APID、受信強度、時刻を含んでいる。
【0034】
緊急通報の場合には端末に応答信号63を返送する。この場合には受信強度データが最強のパケットのルート情報を参照して、このルートを逆にたどるルートを応答パケットに設定する。例えばAP−Bからのパケットの受信強度データが最強であった場合にはCO、AP−A、AP−B、端末のルートで応答パケット63が転送される。
【0035】
以上のような方式によって、端末の位置情報(APID)を周期的に収集可能である。端末は自IDを周期的に送信するだけで信号受信待ち状態が無いので、電池寿命を延ばすことができ、装置を小型化できる。またパケットは1本道のルートに沿って転送されるので、トラフィックが少なくて済み、多数の端末を収容して短い時間間隔で位置データを収集することが可能となる。
【0036】
なお、ルートの途中のAPにおいて、位置情報パケット60を受信した場合に、下流APからのパケットの受信を待ち、自APから送信するパケットと下流からの転送パケットを1つのパケットにまとめて送信するようにしてもよい。このようにすれば、トラフィックを更に減少させることができる。
【0037】
図7は、実施例1における端末装置の処理内容を示すフローチャートである。この処理は端末装置の1チップCPU40において実行される。端末の電源がオンされると、S10においては初期化を行い、S11においては、電池電圧を測定する。S12においては、電池電圧情報および自IDを含む位置情報パケット60を送信する。S13においては、図6の周期Taを計測するタイマーをセット(起動)する。S14においては、タイマがタイムアップしたか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS15に移行するが、肯定の場合にはS11に戻る。
【0038】
S15においては、緊急通報スイッチ41がオンか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS14に移行するが、肯定の場合にはS16に移行する。S16においては、自IDを含む緊急通報パケットを送出する。S17においては、緊急通報に対する応答パケットが受信されるまで待ち、S18においては、LED表示器42を点灯あるいは点滅させることにより応答を表示する。なお、LEDによる光学的表示と共に、あるいは替えて音声合成回路およびスピーカあるいは電子ブザー等の音響的表示装置を用いて音響的表示を行ってもよい。以上の処理によって端末から周期的にIDを含むパケットが送信されると共に、緊急通報も可能となる。
【0039】
図8は、実施例1におけるアクセスポイント装置の処理内容を示すフローチャートである。この処理はアクセスポイント装置の1チップCPU40において実行される。APの電源がオンされると、S20においては初期化を行う。S21においては、端末からの位置情報パケットあるいは緊急通報パケットを受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS25に移行するが、肯定の場合にはS22に移行する。
【0040】
S22においては、受信強度を測定して、自APID、受信強度、端末ID等を含むパケットを予め定められた上流AP宛あるいは上流CO宛に送信する。なお、この際に後述する上流AP故障フラグがオンであった場合にはS24に移行するようにしてもよい。
【0041】
S23においては、送信が成功したか否かが判定される。即ち、相手AP(CO)からACK(受信応答)が返送されてきたか否かがチェックされ、ACKが返送されてこない場合には所定回数送信を繰り返し、所定回数送信してもACKが返送されてこない場合には不成功と判定する。そして判定結果が否定の場合にはS24に移行するが、肯定の場合には上流AP故障フラグをオフに設定してS21に移行する。
【0042】
S24においては、上流AP故障フラグをオンに設定し、送信するAPを一つ跳ばして、送信すべきAPをAPリンクリストの2つ上流のAPに設定し、上流AP故障通知パケットを送出してからS22に戻る。なお、2つ上流のAPも不応答の場合にはCOに達するまで順に3つ以上上流のAPに対しても転送を試みるようにしてもよい。
【0043】
S25においては、受信したパケットが自APと論理的に隣接する上流あるいは下流のAPから送信されたアクティブパケットであるか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS30に移行するが、肯定の場合にはS26に移行する。S26においては、送信元APと対応する上流AP故障フラグあるいは下流AP故障フラグがオンであるか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS29に移行するが、肯定の場合にはS27に移行する。
【0044】
S27においては、対応するAPの故障フラグをオフに設定する。S28においては、対応するAPの復旧報告パケットをPC宛に送出する。S29においては、対応するAP監視タイマをリセットし、再起動してS21に戻る。
【0045】
S30においては、下流APから位置情報転送パケット、故障通知パケット等の転送すべきパケットを受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS34に移行するが、肯定の場合にはS31に移行する。
【0046】
S31においては、受信パケットのルート情報に自APIDを付加して予め定められた上流APあるいは上流COに送信する。S32においては、S23と同様に送信が成功したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS33に移行するが、肯定の場合にはS21に移行する。S33においては、S24と同様に送信するAPを一つ跳ばして、送信すべきAPを順にAPリンクリストの2つ以上上流のAPに設定してS31に戻る。
【0047】
S34においては、上流APから信号を受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS36に移行するが、肯定の場合にはS35に移行する。S35においては、設定されているルート情報に従って受信したデータを下流APまたは端末に送信する。
【0048】
S36においては上流AP監視タイマあるいは下流AP監視タイマのいずれかがタイムアップしたか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS40に移行するが、肯定の場合にはS37に移行する。S37においては、対応APの故障フラグをオンに設定し、S38においては、故障が上流APの場合には送信すべきAPを順にAPリンクリストの2つ以上上流のAPに設定し、対応AP故障通知パケットを送出する。S39においては対応するAP監視タイマを再起動してS21に戻る。
【0049】
S40においては、前回のアクティブパケット送出処理から所定の時間が経過したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS21に移行するが、肯定の場合にはS41に移行する。S41においては、自IDを含む放送パケットであるアクティブパケットを送出してS21に戻る。
【0050】
図9は、本発明の位置情報収集装置の実施例1におけるAPチェック方式の内容を示すタイムチャートである。図9(a)は、各APが正常に動作している場合のタイムチャートである。例えばAP−Cは、所定の周期Tcで自律的に自IDを含む放送パケットであるアクティブパケット70を送出している。また、上流APからのアクティブパケット72および下流APからのアクティブパケット71を監視しており、所定の時間内にアクティブパケットが受信された場合には対応APは正常であるものと判定し、監視タイマを再起動する。
【0051】
図9(b)は、例えばAP−Bが故障した場合のAP−Cの処理を示すタイムチャートである。AP−Bが故障して上流APからのアクティブパケット72が受信されなくなると、上流AP監視タイマがTw(Tw>Tc、図9ではTw>2Tc)秒後にタイムアップし、上流AP故障通知パケットを2つ上流のAP−A宛に送出する。なお、AP−Aからも応答がなかった場合には更に上流のCO宛に送信する。また、上流AP監視タイマは再起動され、AP−Bが故障中はTw秒毎にタイムアップして、上流AP故障通知パケットが送出される。なお、AP−Bの故障はAP−Aにおいても検出され、同様にPCに対して下流AP故障通知パケットが送出される。
【0052】
図9(c)はPCからの指示に従って自APより下流のAPをチェックする方式を示すタイムチャートである。PCは例えば所定の周期でCOに対してチェック指示を出す。COは指示に基づいて下流のAP−A宛にアクセスポイントチェックパケット80を送出する。AP−Aはチェックパケット80を受け取ると応答パケット81をCO宛に返送すると共に、下流のAP−B宛にアクセスポイントチェックパケット82を送出する。
【0053】
所定の時間内に下流AP(AP−B)から応答パケット83が返送されてこない場合には、AP−Aは上流のAPであるCO宛に下流AP故障通知パケット84を送出すると共に、2つ下流のAPであるAP−C宛にアクセスポイントチェックパケット85を送出する。(c)の方式はPCの指示によってチェック処理が起動されるので、例えばアクセスポイントチェック処理を通信量が少ない時にのみ実施することができる。
【0054】
図10は、実施例1におけるコーディネータ装置の処理内容を示すフローチャートである。この処理はコーディネータ装置の1チップCPU40において実行される。COの電源がオンされると、S50においては、初期化を行う。S51においては、端末からの信号を受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS53に移行するが、肯定の場合にはS52に移行する。S52においては、COID、受信強度と共に、端末ID等の受信データをPCに送信する。
【0055】
S53においては、受信したパケットが自APの下流のAPから送信されたアクティブパケットであるか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS58に移行するが、肯定の場合にはS54に移行する。S54においては、下流AP故障フラグがオンであるか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS57に移行するが、肯定の場合にはS55に移行する。S55においては、下流AP故障フラグをオフに設定する。S56においては、PCに下流APの復旧を報告する。S57においては、下流AP監視タイマをリセットして再起動してS51に戻る。
【0056】
S58においては、下流APから転送すべきパケットを受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS60に移行するが、肯定の場合にはS59に移行する。S59においては、受信パケットのルート情報にCOIDを付加してPCに送信し、S51に戻る。
【0057】
S60においては、PCから信号を受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS62に移行するが、肯定の場合にはS61に移行する。S61においては、設定されているルート情報に従って受信したデータを下流APまたは端末に送信する。
【0058】
S62においては下流AP監視タイマがタイムアップしたか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS66に移行するが、肯定の場合にはS63に移行する。S63においては、下流APの故障フラグをオンに設定し、S64においては、PCに下流APの故障を通知する。S65においては下流AP監視タイマを再起動してS51に戻る。
【0059】
S66においては、前回のアクティブパケット送出処理から所定の時間が経過したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS51に移行するが、肯定の場合にはS67に移行する。S67においては、アクティブパケットを送出してS21に戻る。
【0060】
図11は、実施例1におけるサーバ装置(PC)の処理内容を示すフローチャートである。この処理はサーバ装置のCPUにおいて実行される。PCの電源がオンされると、S70においては初期化を行う。S71においては、シリアルインターフェイス回路を介してCOからデータを受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS80に移行するが、肯定の場合にはS72に移行する。
【0061】
S72においては、PCに標準装備されている時計回路から日時情報を取得する。S73においては、受信したパケットが故障通知パケットあるいは復旧報告パケットであるか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS75に移行するが、肯定の場合にはS74に移行する。S74においては、ディスプレイ装置11に故障/復旧したAPの情報を表示すると共に故障情報を記録し、S71に移行する。管理者は故障表示に基づき、APの修理、交換等を行う。
【0062】
S75においては、受信データに記載されている端末IDを抽出し、一時記憶エリア内で同一IDを検索する。S76においては、同一IDが有ったか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS77に移行するが、肯定の場合にはS79に移行する。
【0063】
S77においては、端末IDと対応するソフトウェアのタイマをオンにする。このタイマは図6の時間Tbを計測するためのタイマである。S78においては、一時記憶エリアに端末ID、受信日時、APID、受信強度データ等を記録し、S71に戻る。S79においては、同一IDのデータの中で受信強度が最強のデータを一時記憶エリアに残し、それ以外を削除してS71に戻る。
【0064】
S80においては、ID対応タイマがタイムアップしたか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS85に移行するが、肯定の場合にはS81に移行する。S81においては、タイマと対応するIDのパケットが緊急通報パケットか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS83に移行するが、肯定の場合にはS82に移行する。
【0065】
S82においては、ディスプレイ装置11に緊急通報の情報を表示すると共に、緊急通報パケットのルート情報を参照して転送ルートを逆に指定した緊急通報応答パケットを端末宛に返送する。管理者は緊急通報表示に基づき、携帯電話による確認や人を派遣する等の対応を行う。
【0066】
S83においては、端末IDをキーとして、受信日時、APID(位置情報)、端末電池電圧情報あるいは緊急通報情報等をDBに記録する。なお、ディスプレイ装置11に工場内の平面図を表示し、現在各端末が近傍にいるAPの位置をそれぞれ表示することも可能である。S84においては、一時記憶エリアから対応IDのデータを削除し、S71に戻る。
【0067】
S85においては、集計指示がなされたか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS87に移行するが、肯定の場合にはS86に移行する。S86においては、人別の各位置での滞在時間等の算出を行う集計処理が実行される。S87においては、終了指示がなされたか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS71に移行するが、肯定の場合には処理を終了する。
【0068】
以上のような構成および処理によって、多数の無線端末を管理可能であると共に故障に対する耐性が高く、信頼性の高い位置情報収集装置を実現することができる。
【実施例2】
【0069】
図12は、本発明の位置情報収集装置の実施例2における各装置間の信号のやり取りを示すタイムチャートである。実施例1においては、端末は単にIDを放送パケットである位置情報パケットで送信するのみであり、PCにおいて受信強度が最強のAPを特定する例を開示したが、この方式ではAP間で転送するパケット数が多くなる。実施例2は、転送パケット数が実施例1より少ない方式である。
【0070】
なお、各APには、実施例1と同様に下流からAP−D、AP−C、AP−B、AP−A、COの順に1本の論理的ルートが形成されるように、上流及び下流のAPがそれぞれ設定されているものとする。また、緊急通報パケットについては実施例1と同じ転送方式を採用している。
【0071】
端末は時間間隔Taで時刻t5において周期的に自ID情報を含むAP検索パケット90を送信する。この放送パケットが例えばAP−D、AP−C、AP−B、AP−A、COにおいて受信されたものとする。各APにおいては、端末からAP検索パケット90を受信すると、受信信号強度を測定して当該パケットにAPIDおよび受信信号強度をデータとして付加し、時刻t6において応答パケット91として当該端末宛に送信する。
【0072】
端末においては、所定時間だけ応答パケットを受信し、記憶する。そして応答パケットの内で受信信号強度の最も大きなAP(図12では例えばAP−Bとする)を選択し、時刻t7において自IDを含む位置情報パケットを当該AP宛に送信する。AP−Bにおいては、端末からの信号を受信すると、当該パケットに自APIDを付加して上流のAP−A宛に送信する。この位置情報パケットは、COに転送され、COからPC(サーバ10)に有線で伝送される。
【0073】
PCにおいては、パケットデータを受信時刻と共にDB(データベースあるいは記録ファイル)に記録する。記録情報としては、端末ID、受信APID(位置情報として使用)、中継APID、受信強度、時刻を含んでいる。応答が必要な場合には受信したパケットのルート情報を参照して応答パケット94に逆のルートを設定して送出する。
【0074】
以上のような方式によって、端末の位置情報(APID)を周期的に収集可能である。端末の処理負荷は実施例1より大きくなるが、AP間を転送されるパケット数は実施例1より減少する。
【0075】
図13は、実施例2における端末装置の処理内容を示すフローチャートである。この処理は端末装置の1チップCPU40において実行される。端末の電源がオンされると、S90においては初期化が行われる。S91においては、電池電圧を測定する。S92においては、自IDを含むAP検索パケットを送信する。S93においては、一定時間APからの応答パケットを受信する。
【0076】
S94においては、受信した応答パケットの中から、受信信号強度データの最も大きなAPを選択する。S95においては、選択したAPに自ID、電池電圧情報を含む位置情報パケットを送信する。S96においては、Taを計測するタイマーをセットし、S97においては、タイマーがタイムアップしたか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS98に移行するが、肯定の場合にはS91に移行する。
【0077】
S98においては、緊急通報用のスイッチがオンされたか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS97に移行するが、肯定の場合にはS99に移行する。S99においては、実施例1の図7のS16〜S19と同一の緊急通報パケット送出処理を行い、S97に戻る。
【0078】
図14は、実施例2におけるアクセスポイント装置の処理内容を示すフローチャートである。この処理はアクセスポイント装置の1チップCPU40において実行される。APの電源がオンされると、S100においては初期化を行う。S101においては、端末からのAP検索のための放送パケットを受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS103に移行するが、肯定の場合にはS102に移行する。
【0079】
S102においては、受信強度を測定して、自APID、受信強度を含むパケットを応答パケットとして当該端末宛に送信する。S103においては、実施例1の図8のS25〜S41と同一の処理が行われ、S101に戻る。
【0080】
図15は、実施例2におけるコーディネータ装置の処理内容を示すフローチャートである。この処理はコーディネータ装置の1チップCPU40において実行される。COの電源がオンされると、S120においては、初期化を行う。S121においては、端末からのAP検索のための放送パケットを受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS123に移行するが、肯定の場合にはS122に移行する。
【0081】
S122においては、受信強度を測定して、自COID、受信強度を含むパケットを応答パケットとして当該端末宛に送信する。S123においては、実施例1の図8のS53〜S67と同一の処理が行われ、S121に戻る。
【0082】
図16は、実施例2におけるサーバ装置の処理内容を示すフローチャートである。この処理はサーバ装置のCPUにおいて実行される。PCの電源がオンされると、S130においては初期化を行う。S131においては、シリアルインターフェイス回路を介してCOから送信すべきデータを受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS142に移行するが、肯定の場合にはS132に移行する。
【0083】
S132においては、PCに標準装備されている時計回路から日時情報を取得する。S133においては、受信したパケットが位置情報パケットであるか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS135に移行するが、肯定の場合にはS134に移行する。S134においては、端末IDをキーとして、受信日時、APID(位置情報)、端末電池電圧情報等をDBに記録し、S131に移行する。
【0084】
S135においては、受信したパケットが故障通知/復旧報告パケットであるか否かが判定され、判定結果が否定(=緊急通報)の場合にはS137に移行するが、肯定の場合にはS136に移行する。S136においては、ディスプレイ装置11に故障/復旧したAPの情報を表示すると共に故障情報を記録し、S131に移行する。管理者は故障表示に基づき、APの修理、交換等を行う。
【0085】
S137においては、受信データに記載されている端末IDを抽出し、一時記憶エリア内で同一IDを検索する。S138においては、同一IDが有ったか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS140に移行するが、肯定の場合にはS139に移行する。
【0086】
S140においては、端末IDと対応するソフトウェアのタイマをオンにする。このタイマは図6の時間Tbを計測するためのタイマである。S141においては、一時記憶エリアに端末ID、受信日時、APID、受信強度データ等を記録し、S131に戻る。S139においては、同一IDのデータの中で受信強度が最強のデータを一時記憶エリアに残し、それ以外を削除してS131に戻る。
【0087】
S142においては、ID対応タイマがタイムアップしたか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS146に移行するが、肯定の場合にはS143に移行する。S143においては、ディスプレイ装置11に緊急通報の情報を表示すると共に、緊急通報パケットのルート情報を参照して転送ルートを逆に指定した緊急通報応答パケットを端末宛に返送する。なお、ディスプレイ装置11に工場内の平面図を表示し、現在端末が近傍にいるAPの位置を表示することも可能である。管理者は緊急通報表示に基づき、携帯電話による確認や人を派遣する等の対応を行う。
【0088】
S144においては、端末IDをキーとして、受信日時、APID(位置情報)、緊急通報情報をDBに記録する。S145においては、一時記憶エリアから対応IDのデータを削除し、S131に戻る。S146においては、管理者から集計指示がなされたか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS148に移行するが、肯定の場合にはS147に移行する。
【0089】
S147においては、人別の各位置での滞在時間等の算出を行う集計処理が実行される。S148においては、終了指示がなされたか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS131に移行するが、肯定の場合には処理を終了する。
【0090】
以上のような構成および処理によって、多数の無線端末を管理可能であると共に故障に対する耐性が高く、信頼性の高い位置情報収集装置を実現することができる。
【0091】
以上、実施例を開示したが、本発明には以下のような変形例も考えられる。実施例においては論理的ルートが1本である例を開示したが、論理的ルートの形状として、複数のルートを備えたスター状あるいは途中のアクセスポイント装置において分岐するツリー状の論理的ルートを設定してもよい。この場合には各アクセスポイント装置あるいはコーディネータ装置において、下流のアクセスポイント装置の数を複数設定できるようにすればよい。このような論理的ルートを使用すれば、平面的あるいは立体的に均等に分布したアクセスポイント装置を効率よく接続可能となる。
【0092】
実施例においては周期的にAPチェックを行う例を開示したが、通信量が多い場合にはチェック処理によって更に通信量が増加して伝送効率が低下してしまうという課題がある。また、通信量が多い場合には応答パケットやパケットのルート情報の監視によって故障APを検出することが可能である。従って、APチェックに図9(c)の方式を採用し、PCにおいて通信量およびルート情報を監視し、故障APを検出すると共に通信量が一定量以下になった場合には所定の周期でAPチェック処理を行うようにしてもよい。
【0093】
実施例においては、放送パケットにより周囲のAPにアクティブであることを通知する例を開示したが、例えば上流APにのみ、下流APにのみあるいは上流および下流の両方宛に周期的にAPチェックパケットを送出し、応答が無かった場合に故障と判定し、PCに故障通知を行うようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明の位置情報収集装置は例えば工場内の作業者の位置情報を収集する場合に適用可能であるが、本発明は工場をはじめ、職場、家庭、倉庫、介護施設など任意の場所における人や物など任意の対象物の位置情報収集に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の位置情報収集装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の位置情報収集装置において使用する端末装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の位置情報収集装置において使用するアクセスポイント装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の位置情報収集装置において使用するコーディネータ装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の位置情報収集装置において使用される無線パケットのフォーマット例を示す説明図である。
【図6】本発明の位置情報収集装置の実施例1における各装置間の信号のやり取りを示すタイムチャートである。
【図7】実施例1における端末装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図8】実施例1におけるアクセスポイント装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】本発明の位置情報収集装置の実施例1におけるAPチェック方式の内容を示すタイムチャートである。
【図10】実施例1におけるコーディネータ装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図11】実施例1におけるサーバ装置(PC)の処理内容を示すフローチャートである。
【図12】実施例2における各装置間の信号のやり取りを示すタイムチャートである。
【図13】実施例2における端末装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図14】実施例2におけるアクセスポイント装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図15】実施例2におけるコーディネータ装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図16】実施例2におけるサーバ装置の処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0096】
10…PCサーバ装置
11…ディスプレイ装置
12…キーボード
15…コーディネータ装置
16〜19…アクセスポイント装置
20〜23…端末
25〜28…論理的リンク(ルート)
30…工場
【技術分野】
【0001】
この発明は無線通信を利用した位置情報収集装置に関し、特に、多数の無線端末を管理可能であると共に故障に対する耐性が高く、信頼性の高い位置情報収集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線通信を利用した位置情報収集装置として、例えば下記の特許文献1、2に示すようなシステムが提案されている。特許文献1に示すシステムは、位置測定の対象物である無線タグと、無線タグの位置測定のための複数のアクセスポイントと、アクセスポイントと直接または間接に接続されたサーバとを含む。
【0003】
アクセスポイントは、無線タグおよび他のアクセスポイントから受信した電波から、電波の強度に関する情報を取得して、取得した情報をサーバに送り、サーバは、無線タグの位置を三角測量方式および三角形の内部に無線タグがあるかどうかにより測定する。
【特許文献1】特開2006−266859号公報
【特許文献2】特開2006−311275号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の位置情報収集装置においては、各アクセスポイント装置からゲートウェイ装置にどのようにしてデータを転送するのかについては詳細な説明がなく、特に他のアクセスポイント装置を経由して転送するための方法は不明である。なお、例えば転送回数を制限して、各アクセスポイント装置において受信データを全て再送信する方法を用いれば、遠い位置にあるアクセスポイント装置からゲートウェイ装置への転送は可能である。
【0005】
しかし、上記の方法では転送のためのトラフィックが爆発的に増加し、アクセス方式としてCSMA方式を採用している場合にはトラフィックが増加すると伝送効率が急激に悪化して、多数の端末を収容して短い時間間隔で位置情報を収集するこができないという問題点があった。
【0006】
この発明の目的は、上記したような従来技術の問題点を解決し、広い範囲をカバーでき、多数の無線端末を管理可能であると共に、故障に対する耐性が高く、信頼性の高い位置情報収集装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の位置情報収集装置は、無線通信機能を備え、ID情報を含む信号を繰り返し送信する端末装置と、無線通信機能を備え、予め少なくともデータを転送すべき上流のアクセスポイント装置のID情報を複数個記憶しており、前記端末装置あるいは下流のアクセスポイント装置からの信号を受信し、データに自IDを付加して上流のアクセスポイントに転送するアクセスポイント装置と、最上流のアクセスポイント装置から有線通信によりデータを受信し、時刻情報を付加して記録するサーバ装置とを備え、前記アクセスポイント装置は、自装置と論理的に隣接する上流および下流の少なくとも一方の前記アクセスポイント装置の故障を検出する隣接AP故障検出手段と、前記隣接AP故障検出手段によって上流の前記アクセスポイント装置の故障を検出した場合には上流に転送すべきパケットを2つ以上上流のアクセスポイント装置宛に送信するスキップ手段とを備えている点を主要な特徴とする。
【0008】
また、前記した位置情報収集装置において、前記隣接AP故障検出手段は、自ID情報を含む放送パケットであるアクティブパケットを周期的に送信するアクティブパケット送信手段と、上流および下流の少なくとも一方の前記アクセスポイント装置から送信されるアクティブパケットを監視し、特定の前記アクセスポイント装置からのアクティブパケットがアクティブパケットの送信周期より長い所定の時間受信されない場合に、当該アクセスポイント装置を故障と見なす故障検出手段とを含む点にも特徴がある。
【0009】
また、前記した位置情報収集装置において、前記端末装置は更に利用者の操作に基づいて緊急通報信号を送信する緊急通報手段を備え、前記アクセスポイント装置は、前記端末装置からの緊急通報信号に自IDと共に受信信号強度データを付加して上流の前記アクセスポイント装置に転送する転送手段を備え、前記サーバ装置は、所定の時差内に受信された同一端末IDの緊急通報信号の内で受信強度データが最強のもののみを残し、他を削除する点にも特徴がある。
【0010】
また、前記した位置情報収集装置において、前記サーバ装置は、受信した前記緊急通報信号の内の受信強度データが最強のものの信号転送ルートを逆に指定した緊急通報応答信号を前記端末装置宛に返送する応答返送手段を備え、前記端末装置は、前記緊急通報応答信号を受信した場合に応答の受信を光学的あるいは音響的に表示する表示手段を備えた点にも特徴がある。
【発明の効果】
【0011】
本発明の位置情報収集装置によれば、以下のような効果がある。
(1)予め定められた1本道のルートに沿ってデータが転送されるので、収集データの転送によるトラフィックの爆発的増加を抑制し、多数の端末を収容して位置情報を短い周期で収集可能である。
【0012】
(2)コーディネータと直接通信できない位置でも、近傍のアクセスポイント装置経由でデータを転送可能であり、アクセスポイント装置を遠方まで配置可能となり、カバー範囲の制限が無くなる。
【0013】
(3)アクセスポイント装置の故障をチェックし、故障検出時には迂回ルートで通信を行うので、故障に対する耐性が高く、信頼性が高い。
(4)端末装置の消費電力を最小にすることが可能であり、電池による長時間運用が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。実施例においては、例えば工場内の複数の位置にアクセスポイント装置を設置し、作業者が端末を携帯して各人の位置情報を収集する場合について説明するが、本発明は工場をはじめ、職場、家庭、倉庫、介護施設などにおける人や物の位置情報収集に適用可能である。以下に開示する実施例1においては、端末からの信号を収集したサーバ装置において位置情報(最も近いアクセスポイント装置)を特定する例を開示する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の位置情報収集装置の構成を示すブロック図である。位置情報収集装置は、PCサーバ10、コーディネータ装置15、アクセスポイント装置A16、、B17、C18、D19、複数の端末20〜22からなる。コーディネータ装置15、アクセスポイント装置A16、、B17、C18、D19、複数の端末20〜22には、予め固有のID(識別情報)が割り振られている。
【0016】
PCサーバ装置10は周知の構成のパソコンあるいはサーバ装置に後述する機能を実現するプログラムをインストールしたものである。PCサーバ10には周知のディスプレイ装置11およびキーボード12が接続されており、更に、コーディネータ装置15と例えばRS-232C等のシリアルインターフェイス回路で接続されている。
【0017】
コーディネータ装置15は最上流にあるアクセスポイント装置であり、例えば周知のIEEE802.15.4規格の2.4GHz無線通信機能を備えると共に、PCサーバ10と有線のシリアルインターフェイス回路で接続されている。
【0018】
コーディネータ装置15を含むアクセスポイント16〜19は、例えばIEEE802.15.4規格の2.4GHz無線通信機能を備えており、端末からの信号の受信強度データも測定可能に構成されている。
【0019】
各アクセスポイント装置は自装置の上流及び下流のアクセスポイント装置IDを予め記憶しており、各アクセスポイント装置は無線リンク25、26、27、28によって1本の論理的なルートとして直列に接続されている。各アクセスポイント装置は例えば工場30内の作業員の位置検出が必要な位置であり、かつ各アクセスポイント装置が論理的に隣接する他のアクセスポイント装置と通信可能な位置に配置する。
【0020】
電池で駆動する端末20〜23は、例えば作業者それぞれに1個づつ携帯してもらう。端末はアクセスポイント装置との通信機能を備え、後述するように周期的に自ID情報を送信する。
【0021】
図2は、本発明の位置情報収集装置において使用する端末装置の構成を示すブロック図である。端末20には、電池を含む電源回路、1チップCPU40、トランシーバ用の高周波回路を集積したRF−LSI等が実装されている。1チップCPU40は、CPU、プログラムが格納されたROM、RAM、IDやルート情報等の設定データを記憶するフラッシュメモリ、入出力インターフェイス回路等を1チップに集積したLSIである。
【0022】
1チップCPU40には緊急通報用のボタンスイッチ41、応答表示用のLED表示器42が接続されている。なお、応答表示のための音声合成回路およびスピーカあるいは電子ブザー等の音響的表示装置を備えてもよい。リセット端子にはパワーオンリセットを行うリセットIC43が接続されている。なお、このような1チップCPUとしては各種のチップが市販されており、一例として、例えばモトローラ社のMC9S08GT60−CFDを使用可能である。
【0023】
RF−LSI44はトランシーバ用の高周波回路を集積したLSIであり、例えば、無線標準規格ZigBee/IEEE 802.15.4用に設計されたフリースケール社の2.4GHz低電力RFトランシーバLSI、MC13193を使用可能である。このLSIにおいては、1チップCPU40とのインタフェースは4本のSPI(serial peripheral interface)信号を用いる。アンテナ46はプリント配線基板上にパターンとして形成されたアンテナあるいは市販のアンテナ用チップ素子である。
【0024】
充電池52の4.2Vの出力電圧は、定電圧回路53によって3Vに降圧されて電源として各回路に供給される。また、利用者の就寝時や外出時に充電用端子を介して外部から供給された5Vの電源は、定電圧回路50、充電回路51を介して充電池52を充電する。端末装置は携帯に便利なカード形状あるいは腕時計形状である。
【0025】
図3は、本発明の位置情報収集装置において使用するアクセスポイント装置の構成を示すブロック図である。アクセスポイント装置のハードウェア構成は、前記した端末装置から充電池、ボタンスイッチ、LED表示器を取り除いた構成であり、商用電源に接続された図示しない電源アダプタ装置から常時供給される5Vの電源により稼働する。
【0026】
図4は、本発明の位置情報収集装置において使用するコーディネータ装置の構成を示すブロック図である。最上流のアクセスポイント装置であるコーディネータ装置15のハードウェア構成は、前記したアクセスポイント装置に、サーバ装置10と通信するための例えばRS-232Cシリアルインターフェイス回路55、およびコネクタ56を付加したものである。やはり、商用電源に接続された図示しない電源アダプタ装置から常時供給される5Vの電源により稼働する。
【0027】
図5は、本発明の位置情報収集装置において使用される無線パケットのフォーマット例を示す説明図である。パケットはパケット種別データ、ルート情報、伝送内容であるデータ、エラーチェックコードからなる。パケット種別データとしては特定の宛先に送信される通常のパケット(上流のアクセスポイント宛の位置情報転送パケット、故障通知/復旧報告パケット、応答パケット)の他、宛先を指定しない放送パケット(端末から送信される位置情報パケット、緊急通報パケット、アクティブパケット)がある。
【0028】
ルート情報には伝送すべきデータの送信元ID、中継したAP(アクセスポイント)ID、宛先IDが含まれており、転送する度に中継したAP(アクセスポイント)IDが追加されていく。位置情報パケットの場合、伝送内容であるデータには端末電池電圧情報、アクセスポイント装置における受信強度情報等が含まれる。端末電池電圧情報は例えばサーバ装置10によって監視され、端末装置の電池残量が少なくなった場合に、サーバ装置のオペレータに当該端末の充電指示を出力(表示)するために利用される。
【0029】
図6は、本発明の位置情報収集装置の実施例1における各装置間の信号のやり取りを示すタイムチャートである。なお、各AP(アクセスポイント)には、下流からAP−D、AP−C、AP−B、AP−A、CO(コーディネータ)の順に1本の論理的ルートが形成されるように、各APに上流及び下流のAPがそれぞれ設定されているものとする。
【0030】
即ち、例えばAP−Dには下流AP:無し、上流AP:AP−C、AP−Cには下流AP:AP−D、上流AP:AP−Bのように予め設定されている。なお、各APは上流AP障害時に当該APをとばして2つ以上先のAPに接続するために例えば2つ上流のAPのIDあるいは全てのAPリンクのIDリストを予め記憶している。
【0031】
端末は時間間隔Taで時刻t1において周期的に自ID情報を含む放送パケットである位置情報パケット60を送信する。この位置情報パケット60が例えばAP−D、AP−C、AP−B、AP−A、CO(コーディネータ)において受信されたものとする。なおこの位置情報パケット60は少なくとも1つのAPにおいて受信されれば足りる。
【0032】
例えばAP−Dにおいては、端末から位置情報パケット60を受信すると、信号強度を測定して当該パケットにデータとして付加すると共に、時刻t2において当該パケット61を上流のAP−C宛に送信する。このパケット61は、AP−C、AP−B、AP−A、COに順次無線で転送され、COからPC(サーバ10)に有線で伝送される。PCには他のAPからのパケット62も転送されてくる。従って、PCは周期Taより短い所定の時間Tbだけ同じ端末から送信されたパケットが到着するのを待つ。
【0033】
その後、同一端末からのパケットの中でAPにおける受信強度データが最強のものを残し、その他のパケットを削除する。そして、残したパケットデータを受信時刻と共にDB(データベースあるいは記録ファイル)に記録する。記録情報としては、端末ID、受信APID(位置情報として使用)、中継APID、受信強度、時刻を含んでいる。
【0034】
緊急通報の場合には端末に応答信号63を返送する。この場合には受信強度データが最強のパケットのルート情報を参照して、このルートを逆にたどるルートを応答パケットに設定する。例えばAP−Bからのパケットの受信強度データが最強であった場合にはCO、AP−A、AP−B、端末のルートで応答パケット63が転送される。
【0035】
以上のような方式によって、端末の位置情報(APID)を周期的に収集可能である。端末は自IDを周期的に送信するだけで信号受信待ち状態が無いので、電池寿命を延ばすことができ、装置を小型化できる。またパケットは1本道のルートに沿って転送されるので、トラフィックが少なくて済み、多数の端末を収容して短い時間間隔で位置データを収集することが可能となる。
【0036】
なお、ルートの途中のAPにおいて、位置情報パケット60を受信した場合に、下流APからのパケットの受信を待ち、自APから送信するパケットと下流からの転送パケットを1つのパケットにまとめて送信するようにしてもよい。このようにすれば、トラフィックを更に減少させることができる。
【0037】
図7は、実施例1における端末装置の処理内容を示すフローチャートである。この処理は端末装置の1チップCPU40において実行される。端末の電源がオンされると、S10においては初期化を行い、S11においては、電池電圧を測定する。S12においては、電池電圧情報および自IDを含む位置情報パケット60を送信する。S13においては、図6の周期Taを計測するタイマーをセット(起動)する。S14においては、タイマがタイムアップしたか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS15に移行するが、肯定の場合にはS11に戻る。
【0038】
S15においては、緊急通報スイッチ41がオンか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS14に移行するが、肯定の場合にはS16に移行する。S16においては、自IDを含む緊急通報パケットを送出する。S17においては、緊急通報に対する応答パケットが受信されるまで待ち、S18においては、LED表示器42を点灯あるいは点滅させることにより応答を表示する。なお、LEDによる光学的表示と共に、あるいは替えて音声合成回路およびスピーカあるいは電子ブザー等の音響的表示装置を用いて音響的表示を行ってもよい。以上の処理によって端末から周期的にIDを含むパケットが送信されると共に、緊急通報も可能となる。
【0039】
図8は、実施例1におけるアクセスポイント装置の処理内容を示すフローチャートである。この処理はアクセスポイント装置の1チップCPU40において実行される。APの電源がオンされると、S20においては初期化を行う。S21においては、端末からの位置情報パケットあるいは緊急通報パケットを受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS25に移行するが、肯定の場合にはS22に移行する。
【0040】
S22においては、受信強度を測定して、自APID、受信強度、端末ID等を含むパケットを予め定められた上流AP宛あるいは上流CO宛に送信する。なお、この際に後述する上流AP故障フラグがオンであった場合にはS24に移行するようにしてもよい。
【0041】
S23においては、送信が成功したか否かが判定される。即ち、相手AP(CO)からACK(受信応答)が返送されてきたか否かがチェックされ、ACKが返送されてこない場合には所定回数送信を繰り返し、所定回数送信してもACKが返送されてこない場合には不成功と判定する。そして判定結果が否定の場合にはS24に移行するが、肯定の場合には上流AP故障フラグをオフに設定してS21に移行する。
【0042】
S24においては、上流AP故障フラグをオンに設定し、送信するAPを一つ跳ばして、送信すべきAPをAPリンクリストの2つ上流のAPに設定し、上流AP故障通知パケットを送出してからS22に戻る。なお、2つ上流のAPも不応答の場合にはCOに達するまで順に3つ以上上流のAPに対しても転送を試みるようにしてもよい。
【0043】
S25においては、受信したパケットが自APと論理的に隣接する上流あるいは下流のAPから送信されたアクティブパケットであるか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS30に移行するが、肯定の場合にはS26に移行する。S26においては、送信元APと対応する上流AP故障フラグあるいは下流AP故障フラグがオンであるか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS29に移行するが、肯定の場合にはS27に移行する。
【0044】
S27においては、対応するAPの故障フラグをオフに設定する。S28においては、対応するAPの復旧報告パケットをPC宛に送出する。S29においては、対応するAP監視タイマをリセットし、再起動してS21に戻る。
【0045】
S30においては、下流APから位置情報転送パケット、故障通知パケット等の転送すべきパケットを受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS34に移行するが、肯定の場合にはS31に移行する。
【0046】
S31においては、受信パケットのルート情報に自APIDを付加して予め定められた上流APあるいは上流COに送信する。S32においては、S23と同様に送信が成功したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS33に移行するが、肯定の場合にはS21に移行する。S33においては、S24と同様に送信するAPを一つ跳ばして、送信すべきAPを順にAPリンクリストの2つ以上上流のAPに設定してS31に戻る。
【0047】
S34においては、上流APから信号を受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS36に移行するが、肯定の場合にはS35に移行する。S35においては、設定されているルート情報に従って受信したデータを下流APまたは端末に送信する。
【0048】
S36においては上流AP監視タイマあるいは下流AP監視タイマのいずれかがタイムアップしたか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS40に移行するが、肯定の場合にはS37に移行する。S37においては、対応APの故障フラグをオンに設定し、S38においては、故障が上流APの場合には送信すべきAPを順にAPリンクリストの2つ以上上流のAPに設定し、対応AP故障通知パケットを送出する。S39においては対応するAP監視タイマを再起動してS21に戻る。
【0049】
S40においては、前回のアクティブパケット送出処理から所定の時間が経過したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS21に移行するが、肯定の場合にはS41に移行する。S41においては、自IDを含む放送パケットであるアクティブパケットを送出してS21に戻る。
【0050】
図9は、本発明の位置情報収集装置の実施例1におけるAPチェック方式の内容を示すタイムチャートである。図9(a)は、各APが正常に動作している場合のタイムチャートである。例えばAP−Cは、所定の周期Tcで自律的に自IDを含む放送パケットであるアクティブパケット70を送出している。また、上流APからのアクティブパケット72および下流APからのアクティブパケット71を監視しており、所定の時間内にアクティブパケットが受信された場合には対応APは正常であるものと判定し、監視タイマを再起動する。
【0051】
図9(b)は、例えばAP−Bが故障した場合のAP−Cの処理を示すタイムチャートである。AP−Bが故障して上流APからのアクティブパケット72が受信されなくなると、上流AP監視タイマがTw(Tw>Tc、図9ではTw>2Tc)秒後にタイムアップし、上流AP故障通知パケットを2つ上流のAP−A宛に送出する。なお、AP−Aからも応答がなかった場合には更に上流のCO宛に送信する。また、上流AP監視タイマは再起動され、AP−Bが故障中はTw秒毎にタイムアップして、上流AP故障通知パケットが送出される。なお、AP−Bの故障はAP−Aにおいても検出され、同様にPCに対して下流AP故障通知パケットが送出される。
【0052】
図9(c)はPCからの指示に従って自APより下流のAPをチェックする方式を示すタイムチャートである。PCは例えば所定の周期でCOに対してチェック指示を出す。COは指示に基づいて下流のAP−A宛にアクセスポイントチェックパケット80を送出する。AP−Aはチェックパケット80を受け取ると応答パケット81をCO宛に返送すると共に、下流のAP−B宛にアクセスポイントチェックパケット82を送出する。
【0053】
所定の時間内に下流AP(AP−B)から応答パケット83が返送されてこない場合には、AP−Aは上流のAPであるCO宛に下流AP故障通知パケット84を送出すると共に、2つ下流のAPであるAP−C宛にアクセスポイントチェックパケット85を送出する。(c)の方式はPCの指示によってチェック処理が起動されるので、例えばアクセスポイントチェック処理を通信量が少ない時にのみ実施することができる。
【0054】
図10は、実施例1におけるコーディネータ装置の処理内容を示すフローチャートである。この処理はコーディネータ装置の1チップCPU40において実行される。COの電源がオンされると、S50においては、初期化を行う。S51においては、端末からの信号を受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS53に移行するが、肯定の場合にはS52に移行する。S52においては、COID、受信強度と共に、端末ID等の受信データをPCに送信する。
【0055】
S53においては、受信したパケットが自APの下流のAPから送信されたアクティブパケットであるか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS58に移行するが、肯定の場合にはS54に移行する。S54においては、下流AP故障フラグがオンであるか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS57に移行するが、肯定の場合にはS55に移行する。S55においては、下流AP故障フラグをオフに設定する。S56においては、PCに下流APの復旧を報告する。S57においては、下流AP監視タイマをリセットして再起動してS51に戻る。
【0056】
S58においては、下流APから転送すべきパケットを受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS60に移行するが、肯定の場合にはS59に移行する。S59においては、受信パケットのルート情報にCOIDを付加してPCに送信し、S51に戻る。
【0057】
S60においては、PCから信号を受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS62に移行するが、肯定の場合にはS61に移行する。S61においては、設定されているルート情報に従って受信したデータを下流APまたは端末に送信する。
【0058】
S62においては下流AP監視タイマがタイムアップしたか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS66に移行するが、肯定の場合にはS63に移行する。S63においては、下流APの故障フラグをオンに設定し、S64においては、PCに下流APの故障を通知する。S65においては下流AP監視タイマを再起動してS51に戻る。
【0059】
S66においては、前回のアクティブパケット送出処理から所定の時間が経過したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS51に移行するが、肯定の場合にはS67に移行する。S67においては、アクティブパケットを送出してS21に戻る。
【0060】
図11は、実施例1におけるサーバ装置(PC)の処理内容を示すフローチャートである。この処理はサーバ装置のCPUにおいて実行される。PCの電源がオンされると、S70においては初期化を行う。S71においては、シリアルインターフェイス回路を介してCOからデータを受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS80に移行するが、肯定の場合にはS72に移行する。
【0061】
S72においては、PCに標準装備されている時計回路から日時情報を取得する。S73においては、受信したパケットが故障通知パケットあるいは復旧報告パケットであるか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS75に移行するが、肯定の場合にはS74に移行する。S74においては、ディスプレイ装置11に故障/復旧したAPの情報を表示すると共に故障情報を記録し、S71に移行する。管理者は故障表示に基づき、APの修理、交換等を行う。
【0062】
S75においては、受信データに記載されている端末IDを抽出し、一時記憶エリア内で同一IDを検索する。S76においては、同一IDが有ったか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS77に移行するが、肯定の場合にはS79に移行する。
【0063】
S77においては、端末IDと対応するソフトウェアのタイマをオンにする。このタイマは図6の時間Tbを計測するためのタイマである。S78においては、一時記憶エリアに端末ID、受信日時、APID、受信強度データ等を記録し、S71に戻る。S79においては、同一IDのデータの中で受信強度が最強のデータを一時記憶エリアに残し、それ以外を削除してS71に戻る。
【0064】
S80においては、ID対応タイマがタイムアップしたか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS85に移行するが、肯定の場合にはS81に移行する。S81においては、タイマと対応するIDのパケットが緊急通報パケットか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS83に移行するが、肯定の場合にはS82に移行する。
【0065】
S82においては、ディスプレイ装置11に緊急通報の情報を表示すると共に、緊急通報パケットのルート情報を参照して転送ルートを逆に指定した緊急通報応答パケットを端末宛に返送する。管理者は緊急通報表示に基づき、携帯電話による確認や人を派遣する等の対応を行う。
【0066】
S83においては、端末IDをキーとして、受信日時、APID(位置情報)、端末電池電圧情報あるいは緊急通報情報等をDBに記録する。なお、ディスプレイ装置11に工場内の平面図を表示し、現在各端末が近傍にいるAPの位置をそれぞれ表示することも可能である。S84においては、一時記憶エリアから対応IDのデータを削除し、S71に戻る。
【0067】
S85においては、集計指示がなされたか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS87に移行するが、肯定の場合にはS86に移行する。S86においては、人別の各位置での滞在時間等の算出を行う集計処理が実行される。S87においては、終了指示がなされたか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS71に移行するが、肯定の場合には処理を終了する。
【0068】
以上のような構成および処理によって、多数の無線端末を管理可能であると共に故障に対する耐性が高く、信頼性の高い位置情報収集装置を実現することができる。
【実施例2】
【0069】
図12は、本発明の位置情報収集装置の実施例2における各装置間の信号のやり取りを示すタイムチャートである。実施例1においては、端末は単にIDを放送パケットである位置情報パケットで送信するのみであり、PCにおいて受信強度が最強のAPを特定する例を開示したが、この方式ではAP間で転送するパケット数が多くなる。実施例2は、転送パケット数が実施例1より少ない方式である。
【0070】
なお、各APには、実施例1と同様に下流からAP−D、AP−C、AP−B、AP−A、COの順に1本の論理的ルートが形成されるように、上流及び下流のAPがそれぞれ設定されているものとする。また、緊急通報パケットについては実施例1と同じ転送方式を採用している。
【0071】
端末は時間間隔Taで時刻t5において周期的に自ID情報を含むAP検索パケット90を送信する。この放送パケットが例えばAP−D、AP−C、AP−B、AP−A、COにおいて受信されたものとする。各APにおいては、端末からAP検索パケット90を受信すると、受信信号強度を測定して当該パケットにAPIDおよび受信信号強度をデータとして付加し、時刻t6において応答パケット91として当該端末宛に送信する。
【0072】
端末においては、所定時間だけ応答パケットを受信し、記憶する。そして応答パケットの内で受信信号強度の最も大きなAP(図12では例えばAP−Bとする)を選択し、時刻t7において自IDを含む位置情報パケットを当該AP宛に送信する。AP−Bにおいては、端末からの信号を受信すると、当該パケットに自APIDを付加して上流のAP−A宛に送信する。この位置情報パケットは、COに転送され、COからPC(サーバ10)に有線で伝送される。
【0073】
PCにおいては、パケットデータを受信時刻と共にDB(データベースあるいは記録ファイル)に記録する。記録情報としては、端末ID、受信APID(位置情報として使用)、中継APID、受信強度、時刻を含んでいる。応答が必要な場合には受信したパケットのルート情報を参照して応答パケット94に逆のルートを設定して送出する。
【0074】
以上のような方式によって、端末の位置情報(APID)を周期的に収集可能である。端末の処理負荷は実施例1より大きくなるが、AP間を転送されるパケット数は実施例1より減少する。
【0075】
図13は、実施例2における端末装置の処理内容を示すフローチャートである。この処理は端末装置の1チップCPU40において実行される。端末の電源がオンされると、S90においては初期化が行われる。S91においては、電池電圧を測定する。S92においては、自IDを含むAP検索パケットを送信する。S93においては、一定時間APからの応答パケットを受信する。
【0076】
S94においては、受信した応答パケットの中から、受信信号強度データの最も大きなAPを選択する。S95においては、選択したAPに自ID、電池電圧情報を含む位置情報パケットを送信する。S96においては、Taを計測するタイマーをセットし、S97においては、タイマーがタイムアップしたか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS98に移行するが、肯定の場合にはS91に移行する。
【0077】
S98においては、緊急通報用のスイッチがオンされたか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS97に移行するが、肯定の場合にはS99に移行する。S99においては、実施例1の図7のS16〜S19と同一の緊急通報パケット送出処理を行い、S97に戻る。
【0078】
図14は、実施例2におけるアクセスポイント装置の処理内容を示すフローチャートである。この処理はアクセスポイント装置の1チップCPU40において実行される。APの電源がオンされると、S100においては初期化を行う。S101においては、端末からのAP検索のための放送パケットを受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS103に移行するが、肯定の場合にはS102に移行する。
【0079】
S102においては、受信強度を測定して、自APID、受信強度を含むパケットを応答パケットとして当該端末宛に送信する。S103においては、実施例1の図8のS25〜S41と同一の処理が行われ、S101に戻る。
【0080】
図15は、実施例2におけるコーディネータ装置の処理内容を示すフローチャートである。この処理はコーディネータ装置の1チップCPU40において実行される。COの電源がオンされると、S120においては、初期化を行う。S121においては、端末からのAP検索のための放送パケットを受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS123に移行するが、肯定の場合にはS122に移行する。
【0081】
S122においては、受信強度を測定して、自COID、受信強度を含むパケットを応答パケットとして当該端末宛に送信する。S123においては、実施例1の図8のS53〜S67と同一の処理が行われ、S121に戻る。
【0082】
図16は、実施例2におけるサーバ装置の処理内容を示すフローチャートである。この処理はサーバ装置のCPUにおいて実行される。PCの電源がオンされると、S130においては初期化を行う。S131においては、シリアルインターフェイス回路を介してCOから送信すべきデータを受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS142に移行するが、肯定の場合にはS132に移行する。
【0083】
S132においては、PCに標準装備されている時計回路から日時情報を取得する。S133においては、受信したパケットが位置情報パケットであるか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS135に移行するが、肯定の場合にはS134に移行する。S134においては、端末IDをキーとして、受信日時、APID(位置情報)、端末電池電圧情報等をDBに記録し、S131に移行する。
【0084】
S135においては、受信したパケットが故障通知/復旧報告パケットであるか否かが判定され、判定結果が否定(=緊急通報)の場合にはS137に移行するが、肯定の場合にはS136に移行する。S136においては、ディスプレイ装置11に故障/復旧したAPの情報を表示すると共に故障情報を記録し、S131に移行する。管理者は故障表示に基づき、APの修理、交換等を行う。
【0085】
S137においては、受信データに記載されている端末IDを抽出し、一時記憶エリア内で同一IDを検索する。S138においては、同一IDが有ったか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS140に移行するが、肯定の場合にはS139に移行する。
【0086】
S140においては、端末IDと対応するソフトウェアのタイマをオンにする。このタイマは図6の時間Tbを計測するためのタイマである。S141においては、一時記憶エリアに端末ID、受信日時、APID、受信強度データ等を記録し、S131に戻る。S139においては、同一IDのデータの中で受信強度が最強のデータを一時記憶エリアに残し、それ以外を削除してS131に戻る。
【0087】
S142においては、ID対応タイマがタイムアップしたか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS146に移行するが、肯定の場合にはS143に移行する。S143においては、ディスプレイ装置11に緊急通報の情報を表示すると共に、緊急通報パケットのルート情報を参照して転送ルートを逆に指定した緊急通報応答パケットを端末宛に返送する。なお、ディスプレイ装置11に工場内の平面図を表示し、現在端末が近傍にいるAPの位置を表示することも可能である。管理者は緊急通報表示に基づき、携帯電話による確認や人を派遣する等の対応を行う。
【0088】
S144においては、端末IDをキーとして、受信日時、APID(位置情報)、緊急通報情報をDBに記録する。S145においては、一時記憶エリアから対応IDのデータを削除し、S131に戻る。S146においては、管理者から集計指示がなされたか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS148に移行するが、肯定の場合にはS147に移行する。
【0089】
S147においては、人別の各位置での滞在時間等の算出を行う集計処理が実行される。S148においては、終了指示がなされたか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS131に移行するが、肯定の場合には処理を終了する。
【0090】
以上のような構成および処理によって、多数の無線端末を管理可能であると共に故障に対する耐性が高く、信頼性の高い位置情報収集装置を実現することができる。
【0091】
以上、実施例を開示したが、本発明には以下のような変形例も考えられる。実施例においては論理的ルートが1本である例を開示したが、論理的ルートの形状として、複数のルートを備えたスター状あるいは途中のアクセスポイント装置において分岐するツリー状の論理的ルートを設定してもよい。この場合には各アクセスポイント装置あるいはコーディネータ装置において、下流のアクセスポイント装置の数を複数設定できるようにすればよい。このような論理的ルートを使用すれば、平面的あるいは立体的に均等に分布したアクセスポイント装置を効率よく接続可能となる。
【0092】
実施例においては周期的にAPチェックを行う例を開示したが、通信量が多い場合にはチェック処理によって更に通信量が増加して伝送効率が低下してしまうという課題がある。また、通信量が多い場合には応答パケットやパケットのルート情報の監視によって故障APを検出することが可能である。従って、APチェックに図9(c)の方式を採用し、PCにおいて通信量およびルート情報を監視し、故障APを検出すると共に通信量が一定量以下になった場合には所定の周期でAPチェック処理を行うようにしてもよい。
【0093】
実施例においては、放送パケットにより周囲のAPにアクティブであることを通知する例を開示したが、例えば上流APにのみ、下流APにのみあるいは上流および下流の両方宛に周期的にAPチェックパケットを送出し、応答が無かった場合に故障と判定し、PCに故障通知を行うようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明の位置情報収集装置は例えば工場内の作業者の位置情報を収集する場合に適用可能であるが、本発明は工場をはじめ、職場、家庭、倉庫、介護施設など任意の場所における人や物など任意の対象物の位置情報収集に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の位置情報収集装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の位置情報収集装置において使用する端末装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の位置情報収集装置において使用するアクセスポイント装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の位置情報収集装置において使用するコーディネータ装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の位置情報収集装置において使用される無線パケットのフォーマット例を示す説明図である。
【図6】本発明の位置情報収集装置の実施例1における各装置間の信号のやり取りを示すタイムチャートである。
【図7】実施例1における端末装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図8】実施例1におけるアクセスポイント装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】本発明の位置情報収集装置の実施例1におけるAPチェック方式の内容を示すタイムチャートである。
【図10】実施例1におけるコーディネータ装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図11】実施例1におけるサーバ装置(PC)の処理内容を示すフローチャートである。
【図12】実施例2における各装置間の信号のやり取りを示すタイムチャートである。
【図13】実施例2における端末装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図14】実施例2におけるアクセスポイント装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図15】実施例2におけるコーディネータ装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図16】実施例2におけるサーバ装置の処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0096】
10…PCサーバ装置
11…ディスプレイ装置
12…キーボード
15…コーディネータ装置
16〜19…アクセスポイント装置
20〜23…端末
25〜28…論理的リンク(ルート)
30…工場
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信機能を備え、ID情報を含む信号を繰り返し送信する端末装置と、
無線通信機能を備え、予め少なくともデータを転送すべき上流のアクセスポイント装置のID情報を複数個記憶しており、前記端末装置あるいは下流のアクセスポイント装置からの信号を受信し、データに自IDを付加して上流のアクセスポイントに転送するアクセスポイント装置と、
最上流のアクセスポイント装置から有線通信によりデータを受信し、時刻情報を付加して記録するサーバ装置とを備え、
前記アクセスポイント装置は、
自装置と論理的に隣接する上流および下流の少なくとも一方の前記アクセスポイント装置の故障を検出する隣接AP故障検出手段と、
前記隣接AP故障検出手段によって上流の前記アクセスポイント装置の故障を検出した場合には上流に転送すべきパケットを2つ以上上流のアクセスポイント装置宛に送信するスキップ手段と
を備えている
ことを特徴とする位置情報収集装置。
【請求項2】
前記隣接AP故障検出手段は、
自ID情報を含む放送パケットであるアクティブパケットを周期的に送信するアクティブパケット送信手段と、
上流および下流の少なくとも一方の前記アクセスポイント装置から送信されるアクティブパケットを監視し、特定の前記アクセスポイント装置からのアクティブパケットがアクティブパケットの送信周期より長い所定の時間受信されない場合に、当該アクセスポイント装置を故障と見なす故障検出手段と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の位置情報収集装置。
【請求項3】
前記端末装置は更に利用者の操作に基づいて緊急通報信号を送信する緊急通報手段を備え、
前記アクセスポイント装置は、前記端末装置からの緊急通報信号に自IDと共に受信信号強度データを付加して上流の前記アクセスポイント装置に転送する転送手段を備え、
前記サーバ装置は、所定の時差内に受信された同一端末IDの緊急通報信号の内で受信強度データが最強のもののみを残し、他を削除する
ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の位置情報収集装置。
【請求項4】
前記サーバ装置は、受信した前記緊急通報信号の内の受信強度データが最強のものの信号転送ルートを逆に指定した緊急通報応答信号を前記端末装置宛に返送する応答返送手段を備え、
前記端末装置は、前記緊急通報応答信号を受信した場合に応答の受信を光学的あるいは音響的に表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の位置情報収集装置。
【請求項1】
無線通信機能を備え、ID情報を含む信号を繰り返し送信する端末装置と、
無線通信機能を備え、予め少なくともデータを転送すべき上流のアクセスポイント装置のID情報を複数個記憶しており、前記端末装置あるいは下流のアクセスポイント装置からの信号を受信し、データに自IDを付加して上流のアクセスポイントに転送するアクセスポイント装置と、
最上流のアクセスポイント装置から有線通信によりデータを受信し、時刻情報を付加して記録するサーバ装置とを備え、
前記アクセスポイント装置は、
自装置と論理的に隣接する上流および下流の少なくとも一方の前記アクセスポイント装置の故障を検出する隣接AP故障検出手段と、
前記隣接AP故障検出手段によって上流の前記アクセスポイント装置の故障を検出した場合には上流に転送すべきパケットを2つ以上上流のアクセスポイント装置宛に送信するスキップ手段と
を備えている
ことを特徴とする位置情報収集装置。
【請求項2】
前記隣接AP故障検出手段は、
自ID情報を含む放送パケットであるアクティブパケットを周期的に送信するアクティブパケット送信手段と、
上流および下流の少なくとも一方の前記アクセスポイント装置から送信されるアクティブパケットを監視し、特定の前記アクセスポイント装置からのアクティブパケットがアクティブパケットの送信周期より長い所定の時間受信されない場合に、当該アクセスポイント装置を故障と見なす故障検出手段と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の位置情報収集装置。
【請求項3】
前記端末装置は更に利用者の操作に基づいて緊急通報信号を送信する緊急通報手段を備え、
前記アクセスポイント装置は、前記端末装置からの緊急通報信号に自IDと共に受信信号強度データを付加して上流の前記アクセスポイント装置に転送する転送手段を備え、
前記サーバ装置は、所定の時差内に受信された同一端末IDの緊急通報信号の内で受信強度データが最強のもののみを残し、他を削除する
ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の位置情報収集装置。
【請求項4】
前記サーバ装置は、受信した前記緊急通報信号の内の受信強度データが最強のものの信号転送ルートを逆に指定した緊急通報応答信号を前記端末装置宛に返送する応答返送手段を備え、
前記端末装置は、前記緊急通報応答信号を受信した場合に応答の受信を光学的あるいは音響的に表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の位置情報収集装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−212752(P2009−212752A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−52941(P2008−52941)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(507099066)株式会社オーエステクノロジー (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(507099066)株式会社オーエステクノロジー (5)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]