説明

位置特定装置および動作指示装置並びに自走式ロボット

【課題】被搬送物等の指示対象物または搬送先等の指示対象位置の位置を特定する際の精度を向上させることができる位置特定装置および動作指示装置並びに自走式ロボットを提供することを目的とする。
【解決手段】ユーザの操作によって、作業空間における指示対象物に投影されたパターンを取得する画像取得部51と、該画像取得部51により取得された前記パターンから前記指示対象物の位置情報である座標を抽出する位置情報抽出部124とを備え、特定された前記指示対象物の位置情報に基づいた前記指示対象物に対する動作指示に基づいて、前記指示対象物に対する動作を実行する、前記作業空間を自律的に移動する自走式ロボットに用いられる位置特定装置101を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指示対象物または指示対象位置の位置特定装置および動作指示装置並びに自走式ロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
日常生活で利用される自走式ロボットに対し、ユーザからの指示によって物体の搬送作業等を行わせる場合、搬送する対象物や、対象物の位置・姿勢や、搬送先を人が指示する必要がある。
【0003】
これらの指示を、レーザポインタを用いて行う技術が特許文献1に開示されている。この技術は、ユーザが被搬送物や搬送位置にレーザポインタを照射し、自走式ロボットがその位置を検出することにより指示された動作を実行するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−231447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記技術では、レーザポインタの輝点の認識が困難な場合があり、特に、直射日光の環境下では輝点の認識精度が著しく低下するため、指示された位置を特定することができず、自走式ロボットに対して動作を正確に指示することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、被搬送物等の指示対象物または搬送先等の指示対象位置の位置を特定する際の精度を向上させることができる位置特定装置および動作指示装置並びに自走式ロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
【0008】
本発明は、位置に応じて異なるパターンを有する映像パターンを、作業空間における指示対象物を含む所定の領域に投影し、該映像パターンに基づいて該指示対象物の位置を特定する位置特定装置であって、ユーザの操作によって、前記作業空間における前記指示対象物に投影された前記パターンを取得する画像取得部と、該画像取得部により取得された前記パターンから前記指示対象物の位置情報である座標を抽出する位置情報抽出部とを備え、特定された前記指示対象物の位置情報に基づいた前記指示対象物に対する動作指示に基づいて、前記指示対象物に対する動作を実行する、前記作業空間を自律的に移動する自走式ロボットに用いられる位置特定装置を採用する。
【0009】
本発明によれば、指示対象物に投影されたパターンに基づいて、指示対象物の位置情報を位置情報抽出部により抽出することができる。これにより、指示対象物の位置情報を予め登録しておく必要がなく、任意の位置に置かれた指示対象物の位置情報を抽出できるので、指示対象物の位置を容易に特定することが可能となる。
【0010】
また、上記発明において、前記映像パターンは、複数のドットを有しており、該ドットの配置が位置に応じて異なることとしてもよい。
映像パターンとして、例えば、アノトパターン(登録商標)を用いることにより、指示対象物の位置情報を抽出することが可能となる。
【0011】
また、上記発明において、前記映像パターンは、複数の色分けされた領域を有しており、位置に応じて色が異なることとしてもよい。
映像パターンとして、例えば、位置に応じて色分けされたパターンを用いることにより、指示対象物の位置情報を抽出することが可能となる。
【0012】
本発明は、所定の位置に配置された複数の撮像装置により撮影された作業空間の複数の画像に基づいて、前記作業空間における指示対象物の位置を特定する位置特定装置であって、ユーザの操作によって、作業空間における前記指示対象物の画像を取得する画像取得部と、該画像取得部により取得された前記指示対象物の画像から算出した特徴量と前記撮像装置により撮影された前記作業空間の複数の画像から算出した特徴量との比較を行う比較部と、該比較部による比較結果に基づいて前記指示対象物を特定する指示対象物特定部と、複数の前記撮像装置の位置関係と各前記撮像装置により撮影された前記作業空間の画像内における前記指示対象物の位置とに基づいて、前記指示対象物の位置情報である座標を抽出する位置情報抽出部とを備え、特定された前記指示対象物の位置情報に基づいた前記指示対象物に対する動作指示に基づいて、前記指示対象物に対する動作を実行する、前記作業空間を自律的に移動する自走式ロボットに用いられる位置特定装置を採用する。
【0013】
本発明によれば、撮像装置の位置関係と撮像装置により撮影された作業空間の複数の画像とに基づいて、画像取得部により取得された作業空間における指示対象物の位置情報が位置情報抽出部により抽出される。これにより、指示対象物の名称が明確でない場合や、指示対象物を言語で表現することが困難な場合においても、ユーザの操作によって画像取得部により取得された、作業空間における指示対象物の画像を用いてその位置情報を得ることができるので、指示対象物の位置を容易に特定することが可能となる。また、複数の撮像装置により指示対象物の位置情報を抽出することで、指示対象物の位置情報を予め登録しておく必要がなく、任意の位置に置かれた指示対象物の位置を特定することが可能となる。なお、3次元空間において2つの視点から、同一の点を見ているときの位置関係は、公知のエピポーラ幾何を用いた算出方法により推定することが可能である。
【0014】
また、上記発明において、前記比較部が、前記画像取得部により取得された前記指示対象物の画像から算出した特徴量と前記撮像装置により撮影された前記空間の画像から算出した特徴量との直接比較を行い、前記指示対象物特定部が、前記比較部による直接比較結果に基づいて前記指示対象物を特定することとしてもよい。
このようにすることで、指示対象物を特定する際の制御を容易に行うことができる。
【0015】
また、上記発明において、前記比較部が、前記画像取得部により取得された前記指示対象物の画像から算出した特徴量と前記撮像装置により撮影された前記空間の画像から算出した特徴量とを、予め登録された前記指示対象物の登録画像から算出した特徴量を介して間接比較を行い、前記指示対象物特定部が、前記比較部による間接比較結果に基づいて前記指示対象物を特定することとしてもよい。
各撮像装置と画像取得部とでは指示対象物を撮影する角度や位置が異なるため、各画像における指示対象物の歪み等が異なり、各画像から指示対象物を特定することが困難な場合がある。これに対し、予め登録された指示対象物の登録画像を介して間接比較を行うことで、指示対象物を特定する際の精度を向上させることができる。
【0016】
また、上記発明において、前記指示対象物の登録画像が、複数の角度から撮影した前記指示対象物の画像であることとしてもよい。
指示対象物が立体形状を有する場合には、撮影する角度や位置によって指示対象物の見え方が異なる。これに対し、指示対象物の登録画像として、複数の角度から撮影した指示対象物の画像を予め登録しておくことで、指示対象物を特定する際の精度を向上させることができる。
【0017】
また、上記発明において、前記画像取得部の撮影方向にレーザを照射するレーザ照射部を備えることとしてもよい。
このようにすることで、画像取得部の撮影方向に照射されたレーザの輝点をユーザが目視することができ、ユーザが意図する指示対象物または指示対象位置を確実に撮影することができる。
【0018】
また、上記発明において、前記画像取得部が取得した画像を表示する表示部を備えることとしてもよい。
このようにすることで、画像取得部が取得した画像を、表示部にてユーザが目視することができ、ユーザが意図する指示対象物または指示対象位置を確実に撮影することができる。
【0019】
また、上記発明において、前記表示部が、前記指示対象物の候補が複数ある場合に、各前記候補を表示し、表示された各前記候補の中から前記指示対象物の選択をユーザに促すこととしてもよい。
このようにすることで、ユーザが意図する指示対象物を確実に選択することが可能となる。
【0020】
また、上記発明において、前記指示対象物までの距離を測定する距離測定部を備え、前記指示対象物特定部が、前記距離測定部により測定された距離をも用いて前記指示対象物を特定することとしてもよい。
画像取得部により取得した画像だけでなく、距離測定部により測定した距離をも用いて指示対象物の特定を行うことにより、大きさの異なる指示対象物または指示対象位置を識別することが可能となる。
【0021】
本発明は、上記の位置特定装置により特定された前記指示対象物の位置情報に基づいて、前記指示対象物に対する動作指示を行う動作指示部を備える動作指示装置を採用する。
【0022】
本発明によれば、指示対象物の名称が明確でない場合や、指示対象物を言語で表現することが困難な場合においても、指示対象物に対する動作指示を容易に行うことが可能となる。
【0023】
本発明は、上記の動作指示装置による指示に基づいて前記指示対象物に対する動作を実行する自走式ロボットを採用する。
【0024】
本発明によれば、指示対象物の名称が明確でない場合や、指示対象物を言語で表現することが困難な場合においても、指示対象物に対する動作を実行することが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、被搬送物等の指示対象物または搬送先等の指示対象位置の位置を特定する際の精度を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の参考例1に係るロボットシステムのハードウェア構成図である。
【図2】図1に示すロボット本体の正面図である。
【図3】図1に示すロボット本体の左側面図である。
【図4】図1に示すロボットシステムの機能ブロック図である。
【図5】図1に示すロボットシステムの作用を説明する図である。
【図6】図1に示すロボットシステムの第1の変形例の機能ブロック図である。
【図7】図1に示すロボットシステムの第2の変形例の作用を説明する図である。
【図8】図1に示すロボットシステムの第3の変形例の作用を説明する図である。
【図9】図1に示すロボットシステムの第4の変形例の作用を説明する図である。
【図10】図1に示すロボットシステムの第5の変形例の作用を説明する図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係るロボットシステムのハードウェア構成図である。
【図12】アノトパターン(登録商標)を説明する図である。
【図13】図11に示すロボットシステムの機能ブロック図である。
【図14】図11に示すロボットシステムの作用を説明する図である。
【図15】図11に示すロボットシステムの変形例の作用を説明する図である。
【図16】本発明の参考例2に係るロボットシステムの機能ブロック図である。
【図17】図16に示すロボットシステムの作用を説明する図である。
【図18】本発明の第2の実施形態に係るロボットシステムのハードウェア構成図である。
【図19】図18に示すロボットシステムの機能ブロック図である。
【図20】図18に示すロボットシステムの作用を説明する図である。
【図21】図18に示すロボットシステムの第1の変形例の作用を説明する図である。
【図22】図18に示すロボットシステムの第2の変形例の作用を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[参考例1]
以下に、本発明に係る位置特定装置、動作指示装置、および自走式ロボット(以下「ロボット」という。)を具備するロボットシステムの参考例1について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本参考例1に係るロボットシステム100は、ロボット1と、ロボット1に対して動作を指示する動作指示装置50とを備えている。
【0028】
動作指示装置50は、指示対象物の画像を取得する画像取得部51と、ロボット1に対して動作指示を行う動作指示部52とを備えている。画像取得部51は、例えば、レンズおよびCCDを備えるカメラである。
ロボット1は、動作指示装置50からの指示に基づいてロボット1を制御する制御装置40を備えている。制御装置40は、動作指示装置50に備えられた画像取得部51により取得された指示対象物の画像に基づいて、指示対象物の位置を特定するようになっている。
【0029】
以下に、ロボット1の構成について図2および図3を用いて説明する。
図2は、本参考例1に係るロボットの正面図、図3は、図2に示したロボットの左側面図である。
図2および図3に示すように、ロボット本体1には、頭部2と、この頭部2を下方から支持する胸部3と、この胸部3の右側に設けられた右腕部4a、胸部3の左側に設けられた左腕部4bと、胸部3の下方に接続された腰部5と、この腰部5の下方に接続されたスカート部6と、このスカート部6の下方に接続された脚部7とが設けられている。
【0030】
頭部2には、頭頂部近傍に全方位カメラ11が一つ設けられている。この全方位カメラ11の外周に沿って複数の赤外線LED12が所定の間隔で円環上に配置されている。
頭部2の前面の中央近傍には、図1に示すように、前方を撮像するための前方カメラ13が正面視して右側に一つ、マイクロフォン14が正面視して左側に一つ、それぞれ設けられている。
【0031】
胸部3の前面の中央近傍には、モニタ15が一つ設けられている。このモニタ15の上方には、人を検知するための超音波距離センサ16が一つ設けられている。モニタ15の下方には、電源スイッチ17が一つ設けられている。超音波距離センサ16の上方には、2つのスピーカ18が左右に一つずつ設けられている。また、図3に示すように、胸部3の背面には、荷物を収納することができるランドセル部33が設けられている。ランドセル部33には、上部に設けたヒンジ周りに回動可能な開閉扉33aが設けられている。図1に示すように、胸部3の左右の肩部には、マンマシンインターフェースとして機能する肩スイッチ19がそれぞれ一つずつ設けられている。肩スイッチ19には、例えば、タッチセンサが採用されている。
【0032】
右腕部4aおよび左腕部4bには、多関節構造が採用されている。右腕部4a、左腕部4bにおいて、胸部3との接続部近傍には、体や物の挟み込みを検知して腕の動作を止めるための脇スイッチ20がそれぞれ設けられている。図2に示すように、右腕部4aの手のひら部分には、マンマシンインターフェースとして機能する握手スイッチ21が内蔵されている。これら脇スイッチ20や握手スイッチ21には、例えば、押圧センサが採用される。
【0033】
腰部5の前面の中央近傍には、人を検知するための超音波距離センサ22が左右に一つずつ設けられている。これら超音波距離センサ22の下方には、複数の赤外センサ23が配列されたセンサ領域24が設けられている。これら赤外線センサ22は、ロボット本体1の下方前方にある障害物等を検出するためのものである。図2および図3に示すように、腰部5の下方には、前面および背面において、音源方向を検出するためのマイクロフォン25が左右に一つずつ、計4つ設けられている。図3に示すように、腰部5の側面の左右には、本体を持ち上げるときに使用する取手部26がそれぞれ一つずつ設けられている。取手部26は、凹所とされており、操作者の手が挿入できるようになっている。
【0034】
スカート部6の前面下方には、段差を検出するための赤外線センサ27が、中央および左右に計3つ設けられている。図3に示すように、スカート部6の背面には、充電コネクタ28が設けられている。
【0035】
図2に示すように、脚部7の前面には、側方の距離を検出するための赤外線センサ29が左右に一つずつ設けられている。これら赤外線センサ29は、主に段差検出に用いられるものである。
図3に示すように、脚部7の背面には、充電ステーションにロボット本体1を位置固定するためのフック30が設けられている。脚部7は、走行用車輪31および4つのボールキャスタ32を備えた台車とされている。
上述したロボットにおいて、胸部3の超音波距離センサ16、腰部5の超音波距離センサ22およびマイクロフォン25は、ロボット周辺にいる人物を検知する人検知センサ34として機能する。
【0036】
このようなロボットは、ロボット本体1に内蔵されたバッテリからの電源供給により、作業空間を自立的に移動することが可能な構成を備えており、一般家庭等の屋内を作業空間として人間と共存し、例えば、一般家庭内でロボットの所有者や操作者などのユーザの生活を補助・支援・介護するための各種サービスを提供するために用いられる。そのため、ロボットは、ユーザとの会話を実現させる会話機能のほか、ユーザの行動を見守ったり、ユーザの行動を補助したり、ユーザと一緒に行動したりする機能を備えている。
【0037】
このような機能は、例えば、ロボット本体1の内部に内蔵されたマイクロコンピュータ等からなる制御装置40により実現されるものである。制御装置40には、図2および図3に示した各種カメラや各種センサ等が接続されており、カメラからの画像情報やセンサからのセンサ検出情報を取得し、これらの情報に基づいて各種プログラムを実行することにより、上述した各種機能を実現させる。また、制御装置40は、動作指示装置50からの信号を取得し、該信号に基づいて指示対象物の位置特定を行う。以下では、この指示対象物の位置特定が、位置特定装置101により行われるとして説明する。
【0038】
図4に、位置特定装置101が備える機能を展開して表した機能ブロック図を示す。
図4に示すように、位置特定装置101は、画像および位置情報を記憶する記憶部121と、指示対象物の画像を取得する画像取得部51と、複数の画像の比較を行う比較部122と、指示対象物を特定する指示対象物特定部123と、指示対象物の位置情報を抽出する位置情報抽出部124とを備えている。
【0039】
記憶部121は、予め撮影した複数の対象物の画像から算出した特徴量と、該対象物の位置情報とを関連付けて記憶するようになっている。ここで、画像から算出した特徴量とは、比較処理をより正確・ロバスト・高速・小メモリでおこなうために、画像から抽出した画像の特徴を示す情報のことであり、例えば、輪郭形状や色等をいう。
画像取得部51は、ユーザの操作によって指示対象物の画像を取得し、取得した指示対象物の画像から算出した特徴量を比較部122に出力するようになっている。
【0040】
比較部122は、記憶部121に記憶された複数の対象物の画像から算出した特徴量を読み出し、読み出した複数の対象物の画像から算出した特徴量と画像取得部51により取得された指示対象物の画像から算出した特徴量との比較を行い、比較結果を指示対象物特定部123に出力するようになっている。なお、比較に際しては、比較対象の画像の大きさや角度や歪みが異なっていても、例えば、US Patent 6,711,293, David G. Lowe,“Object recognition from local scale-invariant features,” International Conference on Computer Vision, Corfu, Greece (September 1999), pp.1150-1157.に示される公知の方法により、画像同士の類似度を算出することが可能である。
【0041】
指示対象物特定部123は、比較部122による比較結果に基づいて指示対象物に最も一致する対象物を指示対象物として特定し、特定した結果を位置情報抽出部に出力するようになっている。
【0042】
位置情報抽出部124は、指示対象物特定部123により特定された指示対象物に対応する対象物の位置情報を記憶部121より読み出し、読み出した対象物の位置情報を指示対象物の位置情報として動作指示部52に出力するようになっている。
動作指示部52は、位置情報抽出部124により抽出された指示対象物の位置情報および該位置情報に対する動作をロボット本体1に出力するようになっている。
【0043】
このように構成された位置特定装置101の作用について、主に図5を用いて以下に説明する。
記憶部121には予め対象物Aの画像Pから算出した特徴量および対象物Bの画像Pから算出した特徴量が、それぞれの位置情報と関連付けられて記憶されている。
【0044】
ここで、ユーザが指示対象物として対象物Bを選択した場合、ユーザの操作によって画像取得部51により指示対象物の画像Qが取得される。
次に、比較部122により、画像取得部51により取得された指示対象物の画像Qから算出した特徴量と記憶部121から読み出した対象物Aの画像Pから算出した特徴量および対象物Bの画像Pから算出した特徴量との比較が行われる。
【0045】
次に、比較部122による比較結果に基づいて、指示対象物特定部123により画像Qに最も一致する画像として画像Pが選択され、画像Pに対応する対象物Bが指示対象物として特定される。
【0046】
次に、位置情報抽出部により、指示対象物として特定された対象物Bの画像Pから算出した特徴量に関連付けられた位置情報、すなわち、図5においてテーブルの中央部の座標が、記憶部121より読み出される。
【0047】
このように記憶部121より読み出された対象物Bの位置情報が、指示対象物の位置情報として抽出され、動作指示部52によりロボット本体1に対して搬送指示等の動作指示が行われる。
【0048】
以上説明したように、本参考例1に係る位置特定装置101によれば、記憶部121に記憶された複数の対象物の画像から算出した特徴量および位置情報に基づいて、画像取得部51により取得された指示対象物が指示対象物特定部123により特定され、特定された指示対象物の位置情報が位置情報抽出部124により抽出される。これにより、指示対象物の名称が明確でない場合や、指示対象物を言語で表現することが困難な場合においても、画像取得部51により取得された指示対象物の画像を用いて、その位置情報を得ることができ、指示対象物の位置を容易に特定することが可能となる。
【0049】
なお、本参考例1の第1の変形例として、図6に示すように、画像取得部51に代えてバーコードやQRコード等の画像コードの情報を取得する画像コード取得部54を設け、記憶部121には対象物の画像に代えて画像コードの情報を記憶させることとしてもよい。
【0050】
このようにすることで、例えば、外観が類似している複数の対象物を識別することができ、指示対象物を特定する際の精度を向上させることが可能となる。また、例えば、バーコードは既に多くの製品に付されており、バーコードと指示対象物を関連付けたデータベースを用いることで、指示対象物の名称等の情報を取得することも可能となる。
また、画像取得部51と画像コード取得部54とを併用することで、指示対象物の特定を容易に、かつ、高い精度で行うことが可能となる。
【0051】
また、本参考例1の第2の変形例として、図7に示すように、画像取得部51の撮影方向にレーザを照射するレーザ照射部55を備えてもよい。ここで、レーザ照射部55は、例えば、レーザポインタである。
このようにすることで、画像取得部51の撮影方向に照射されたレーザの輝点をユーザが目視することができ、ユーザが意図する指示対象物を確実に撮影することができる。
【0052】
また、本参考例1の第3の変形例として、図8に示すように、指示対象物までの距離を測定する距離測定部56を備え、指示対象位置特定部123が、距離測定部56により測定された距離をも用いて指示対象物を特定することとしてもよい。ここで、距離測定部56は、例えば、レーザ測距機である。
画像取得部51により取得した画像だけでなく、距離測定部56により測定した距離をも用いて指示対象物の特定を行うことにより、大きさの異なる指示対象物を識別することが可能となる。
【0053】
また、本参考例1の第4の変形例として、図9に示すように、画像取得部51が取得した画像を表示する表示部57を備えてもよい。ここで、表示部57は、例えば、CRT(cathode-ray tube)やLCD(liquid Crystal Display)等のモニタである。
このようにすることで、画像取得部51が取得した画像を、表示部57にてユーザが目視することができ、ユーザが意図する指示対象物を確実に撮影することができる。
【0054】
また、本参考例1の第5の変形例として、図10に示すように、指示対象物の候補が複数ある場合に、各候補を表示部57に表示し、表示された各候補の中から指示対象物の選択をユーザに促すこととしてもよい。
このようにすることで、ユーザが意図する指示対象物を確実に選択することが可能となる。なお、各候補の表示を表示部57ではなく、動作指示装置60とは別に設けられたタッチパネル58に行うこととしてもよい。
【0055】
〔第1の実施形態〕
次に、本発明の第1の実施形態について、図11から図15を用いて説明する。
本実施形態のロボットシステムが参考例1と異なる点は、映写装置により位置に応じて異なるパターンを有する映像パターンを投影し、該映像パターンに基づいて指示対象物の位置情報を抽出する点である。以下、本実施形態のロボットシステムについて、参考例1と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
【0056】
図11に示すように、本実施形態に係るロボットシステム200は、ロボット1と、ロボット1に対して動作を指示する動作指示装置60と、位置に応じて異なるパターンを有する映像パターンを投影する映写装置63とを備えている。
ここでは、位置に応じて異なるパターンを有する映像パターンとして、例えば、図12に示すアノトパターン(登録商標)を用いることとして説明する。アノトパターン(登録商標)は、格子状の線分上に複数のドットが配置され、該ドットの配置が位置に応じて異なるパターンである。
【0057】
映写装置63は、例えば、人には不可視な近赤外線を映写する映写装置であり、画像取得部61は、例えば、近赤外線の光を取得可能な近赤外線カメラである。これにより、映写装置63により投影される画像パターンを人に認識させることなく、画像取得部61により取得させることが可能となる。
【0058】
上記構成を有するロボットシステム200において、映写装置63により指示対象物に投影された映像パターンを画像取得部61により取得し、取得した映像パターンに基づいて制御装置40により指示対象物の位置特定が行われる。以下では、この指示対象物の位置特定が、位置特定装置103により行われるとして説明する。
【0059】
図13に、位置特定装置103が備える機能を展開して表した機能ブロック図を示す。
図13に示すように、位置特定装置103は、指示対象物に投影されたパターンを取得する画像取得部61と、指示対象物の位置情報を抽出する位置情報抽出部134とを備えている。
【0060】
画像取得部61は、ユーザの操作によって、映写部63により指示対象物に投影された映像パターンを取得し、取得した映像パターンを位置情報抽出部134に出力するようになっている。
【0061】
位置情報抽出部134は、画像取得部61により取得された映像パターンから指示対象物の位置情報を抽出し、抽出した指示対象物の位置情報を動作指示部62に出力するようになっている。
動作指示部62は、位置情報抽出部134により抽出された指示対象物の位置情報および該位置情報に対する動作をロボット本体1に出力するようになっている。
【0062】
このように構成された位置特定装置102の作用について、主に図14を用いて以下に説明する。
映写装置63より、例えば、アノトパターン(登録商標)の映像パターンが、指示対象物を含む所定の領域に投影されている。
ここで、ユーザが指示対象物として対象物Bを選択した場合、ユーザの操作によって画像取得部61により対象物Bに投影された映像パターンの画像Rが取得される。
【0063】
次に、位置情報抽出部134により、対象物Bに投影された映像パターンの画像Rの位置情報、すなわち、図14においてテーブルの中央部の座標が抽出される。
【0064】
このように指示対象物の位置情報が抽出され、動作指示部62によりロボット本体1に対して搬送指示等の動作指示が行われる。
なお、参考例1と同様に、複数の対象物の画像から算出した特徴量を画像DBに記憶させ、画像取得部61が映像パターンだけでなく対象物の画像をも取得することにより、指示対象物自体を特定することも可能となる。
【0065】
以上説明したように、本実施形態に係る位置特定装置103によれば、画像取得部61により指示対象物に投影されたパターンを取得し、該パターンに基づいて指示対象物の位置情報を位置情報抽出部134により抽出することができる。これにより、指示対象物の位置情報を予め登録しておく必要がなく、任意の位置に置かれた指示対象物の位置情報を抽出することが可能となる。
【0066】
なお、本実施形態の変形例として、図15に示すように、映写装置63が位置に応じて色が異なる映像パターンを投影し、画像取得部61が該パターンを取得することとしてもよい。
このようにすることで、指示対象物に投影された色パターンに基づいて、指示対象物の位置情報を抽出することができる。
【0067】
〔参考例2〕
次に、本発明の参考例2について、図16および図17を用いて説明する。
本参考例2のロボットシステムが前述の実施形態又は参考例と異なる点は、作業が行われる空間の画像に基づいて指示対象位置の位置情報を抽出する点である。以下、本参考例2のロボットシステムについて、前述の実施形態又は参考例と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
【0068】
図16に、指示対象位置の位置特定装置104が備える機能を展開して表した機能ブロック図を示す。
図16に示すように、位置特定装置104は、画像から算出した特徴量および位置情報を記憶する記憶部121と、指示対象位置の画像を取得する画像取得部51と、複数の画像から算出した特徴量の比較を行う比較部122と、指示対象位置を特定する指示対象位置特定部133と、指示対象位置の位置情報を抽出する位置情報抽出部124とを備えている。
【0069】
記憶部121は、壁、天井、床面等の作業が行われる空間の画像から算出した特徴量と、該空間の位置情報とを関連付けて記憶するようになっている。
画像取得部51は、ユーザの操作によって指示対象位置の画像を取得し、取得した指示対象位置の画像から算出した特徴量を比較部122に出力するようになっている。
【0070】
比較部122は、記憶部121に記憶された作業が行われる空間の画像から算出した特徴量を読み出し、読み出した空間の画像から算出した特徴量と画像取得部51により取得された指示対象位置の画像から算出した特徴量との比較を行い、比較結果を指示対象位置特定部133に出力するようになっている。
指示対象位置特定部133は、比較部122による比較結果に基づいて指示対象位置に最も一致する空間を指示対象位置として特定し、特定した結果を位置情報抽出部に出力するようになっている。
【0071】
位置情報抽出部124は、指示対象位置特定部133により特定された指示対象位置に対応する空間の位置情報を記憶部121より読み出し、読み出した空間の位置情報を指示対象位置の位置情報として動作指示部52に出力するようになっている。
動作指示部52は、位置情報抽出部124により抽出された指示対象位置の位置情報および該位置情報に対する動作をロボット本体1に出力するようになっている。
【0072】
このように構成された位置特定装置104の作用について、主に図17を用いて以下に説明する。
図17(a)に示すように、記憶部121には作業が行われる空間の壁面Aの画像Sから算出した特徴量、壁面Bの画像Sから算出した特徴量、および壁面Cの画像Sから算出した特徴量が、それぞれの位置情報と関連付けられて記憶されている。
【0073】
ここで、図17(b)に示すように、ユーザが指示対象位置として、壁面Cの領域Xを選択した場合、ユーザの操作によって画像取得部51により指示対象位置の画像Tが取得される。
次に、比較部122により、画像取得部51により取得された指示対象位置の画像Tから算出した特徴量と記憶部121から読み出した壁面Aの画像Sから算出した特徴量、壁面Bの画像Sから算出した特徴量、および壁面Cの画像Sから算出した特徴量との比較が行われる。
【0074】
次に、比較部122による比較結果に基づいて、指示対象位置特定部133により画像Tに最も一致する画像として画像Sの中の領域Xが選択され、領域Xの位置が指示対象位置として特定される。
次に、位置情報抽出部124により、指示対象位置として特定された領域Xに関連付けられた位置情報、すなわち、図17(b)において壁面Cに配置された棚の最上段左側部の座標が、記憶部121より読み出される。
【0075】
このように記憶部121より読み出された領域Xの位置情報が、指示対象位置の位置情報として抽出され、動作指示部52によりロボット本体1に対して搬送指示等の動作指示が行われる。
【0076】
以上説明したように、本参考例2に係る位置特定装置104によれば、壁面、または床面、あるいは天井面等の作業が行われる空間の画像から算出した特徴量および位置情報に基づいて、画像取得部51により取得された指示対象位置の位置情報を抽出することができる。
また、図17(c)に示すように、作業が行われる空間の画像内における窓等の大きさや歪みから、デバイスである動作指示装置70の位置や向いている方向を推定することが可能となる。
【0077】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について、図18から図22を用いて説明する。
本実施形態のロボットシステムが前述の実施形態又は参考例と異なる点は、所定の位置に配置された複数の撮像装置により撮影された作業が行われる空間の画像に基づいて、指示対象物の位置を特定する点である。以下、本実施形態のロボットシステムについて、前述の実施形態又は参考例と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
【0078】
図18に示すように、本実施形態に係るロボットシステム300は、ロボット1と、ロボット1に対して動作を指示する動作指示装置70と、作業が行われる空間を撮影する複数の撮像装置73とを備えている。
撮像装置73は、例えば、作業が行われる空間の隅部の天井面に配置され、レンズおよびCCDを備えるカメラである。
【0079】
上記構成を有するロボットシステム300において、指示対象物の画像を画像取得部71により取得し、画像取得部71により取得された指示対象物の画像および撮像装置73により撮影された作業が行われる空間の画像に基づいて制御装置40により指示対象物の位置特定が行われる。以下では、この指示対象物の位置特定が、位置特定装置105により行われるとして説明する。
【0080】
図19に、指示対象物の位置特定装置105が備える機能を展開して表した機能ブロック図を示す。
図19に示すように、位置特定装置105は、指示対象物の画像を取得する画像取得部71と、複数の画像から算出した特徴量の比較を行う比較部122と、指示対象物を特定する指示対象物特定部123と、指示対象物の位置情報を抽出する位置情報抽出部144とを備えている。
【0081】
画像取得部71は、ユーザの操作によって指示対象物の画像を取得し、取得した指示対象物の画像から算出した特徴量を比較部122に出力するようになっている。
比較部122は、撮像装置73により撮影された作業が行われる空間の画像から算出した特徴量と画像取得部71により取得された指示対象物の画像から算出した特徴量との比較を行い、比較結果を指示対象物特定部123に出力するようになっている。
【0082】
指示対象物特定部123は、比較部122による比較結果に基づいて指示対象物に最も一致する対象物を指示対象物として特定し、特定した結果を位置情報抽出部144に出力するようになっている。
【0083】
位置情報抽出部144は、撮像装置73の位置関係と撮像装置73により撮影された作業が行われる空間の画像内における指示対象物の位置とに基づいて、指示対象物の位置情報を抽出し、抽出した指示対象物の位置情報を動作指示部72に出力するようになっている。
動作指示部72は、位置情報抽出部144により抽出された指示対象物の位置情報および該位置情報に対する動作をロボット本体1に出力するようになっている。
【0084】
このように構成された位置特定装置105の作用について、主に図20を用いて以下に説明する。
撮像装置73(a)および撮像装置73(b)により、作業が行われる空間が撮影されている。撮像装置73(a)により撮影された画像が画像U、撮像装置73(b)により撮影された画像が画像Uである。
【0085】
ここで、ユーザが指示対象物として対象物Dを選択した場合、ユーザの操作によって画像取得部71により指示対象物の画像Vが取得される。
次に、比較部122により、画像取得部71により取得された指示対象物の画像Vから算出した特徴量と、撮像装置73(a)により撮影された画像Uから算出した特徴量および撮像装置73(b)により撮影された画像Uから算出した特徴量との比較が行われる。
【0086】
次に、比較部122による比較結果に基づいて、指示対象物特定部123により画像Vに一致する画像として、画像Uの中の領域Yおよび画像Uの中の領域Zが選択され、領域Yおよび領域Zに対応する対象物が指示対象物として特定される。
【0087】
次に、位置情報抽出部144により、撮像装置73(a)と撮像装置73(b)との位置関係と、画像Uおよび画像Uにおける指示対象物の位置とに基づいて、指示対象物の位置情報が抽出される。この際、指示対象物の位置情報は、例えば、Richard Hartley and Andrew Zisserman(2003).Multiple View Geometry in computer vision.Cambridge University Press.ISBN 0-521-54051-8.に示される公知のエピポーラ幾何を用いた算出方法により推定することができる。
【0088】
以上説明したように、本実施形態に係る位置特定装置105によれば、撮像装置73(a)と73(b)との位置関係と、撮像装置73(a)および撮像装置73(b)により撮影された作業が行われる空間の画像とに基づいて、画像取得部71により取得された指示対象物の位置情報が位置情報抽出部144により抽出される。このように、複数の撮像装置により指示対象物の位置情報を抽出することで、指示対象物の位置情報を予め登録しておく必要がなく、任意の位置に置かれた指示対象物の位置を特定することが可能となる。
【0089】
なお、本実施形態の第1の変形例として、図21に示すように、画像DBに指示対象物の画像から算出した特徴量を予め登録しておき、比較部122が、画像取得部71により取得された指示対象物の画像から算出した特徴量と撮像装置73(a)および撮像装置73(b)により撮影された作業が行われる空間の画像から算出した特徴量とを、画像DBの登録画像から算出した特徴量を介して間接比較を行い、指示対象物特定部123が、比較部122による間接比較結果に基づいて指示対象物を特定することとしてもよい。
【0090】
撮像装置73(a)と撮像装置73(b)と画像取得部71とでは指示対象物を撮影する角度や位置が異なるため、各画像における指示対象物の歪み等が異なり、各画像から指示対象物を特定することが困難な場合がある。これに対し、予め画像DBに登録された指示対象物の画像を介して間接比較を行うことで、指示対象物を特定する際の精度を向上させることができる。
【0091】
また、本実施形態の第2の変形例として、図22に示すように、画像DBに予め登録する指示対象物の画像から算出した特徴量を、複数の角度から撮影した指示対象物の画像から算出した特徴量としてもよい。
指示対象物が立体形状を有する場合には、撮影する角度や位置によって指示対象物の見え方が異なる。これに対し、指示対象物の登録画像として、複数の角度から撮影した指示対象物の画像とすることで、指示対象物を特定する際の精度を向上させることができる。
【0092】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0093】
1 ロボット本体
40 制御装置
50,60,70 動作指示装置
51,61,71 画像取得部
52,62,72 動作指示部
54 画像コード取得部
55 レーザ照射部
56 距離測定部
57 表示部
58 タッチパネル
63 映写装置
73,73(a),72(b) 撮像装置
100,200,300 ロボットシステム
101,103,104,105 位置特定装置
121 記憶部
122 比較部
123 指示対象物特定部
124,134,144 位置情報抽出部
133 指示対象位置特定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置に応じて異なるパターンを有する映像パターンを、作業空間における指示対象物を含む所定の領域に投影し、該映像パターンに基づいて該指示対象物の位置を特定する位置特定装置であって、
ユーザの操作によって、前記作業空間における前記指示対象物に投影された前記パターンを取得する画像取得部と、
該画像取得部により取得された前記パターンから前記指示対象物の位置情報である座標を抽出する位置情報抽出部と
を備え、
特定された前記指示対象物の位置情報に基づいた前記指示対象物に対する動作指示に基づいて、前記指示対象物に対する動作を実行する、前記作業空間を自律的に移動する自走式ロボットに用いられる位置特定装置。
【請求項2】
前記映像パターンは、複数のドットを有しており、該ドットの配置が位置に応じて異なる請求項1に記載の位置特定装置。
【請求項3】
前記映像パターンは、複数の色分けされた領域を有しており、位置に応じて色が異なる請求項1に記載の位置特定装置。
【請求項4】
所定の位置に配置された複数の撮像装置により撮影された作業空間の複数の画像に基づいて、前記作業空間における指示対象物の位置を特定する位置特定装置であって、
ユーザの操作によって、作業空間における前記指示対象物の画像を取得する画像取得部と、
該画像取得部により取得された前記指示対象物の画像から算出した特徴量と前記撮像装置により撮影された前記作業空間の複数の画像から算出した特徴量との比較を行う比較部と、
該比較部による比較結果に基づいて前記指示対象物を特定する指示対象物特定部と、
複数の前記撮像装置の位置関係と各前記撮像装置により撮影された前記作業空間の画像内における前記指示対象物の位置とに基づいて、前記指示対象物の位置情報である座標を抽出する位置情報抽出部と
を備え、
特定された前記指示対象物の位置情報に基づいた前記指示対象物に対する動作指示に基づいて、前記指示対象物に対する動作を実行する、前記作業空間を自律的に移動する自走式ロボットに用いられる位置特定装置。
【請求項5】
前記比較部が、前記画像取得部により取得された前記指示対象物の画像から算出した特徴量と前記撮像装置により撮影された前記空間の画像から算出した特徴量との直接比較を行い、
前記指示対象物特定部が、前記比較部による直接比較結果に基づいて前記指示対象物を特定する請求項4に記載の位置特定装置。
【請求項6】
前記比較部が、前記画像取得部により取得された前記指示対象物の画像から算出した特徴量と前記撮像装置により撮影された前記空間の画像から算出した特徴量とを、予め登録された前記指示対象物の登録画像から算出した特徴量を介して間接比較を行い、
前記指示対象物特定部が、前記比較部による間接比較結果に基づいて前記指示対象物を特定する請求項5に記載の位置特定装置。
【請求項7】
前記指示対象物の登録画像が、複数の角度から撮影した前記指示対象物の画像である請求項6に記載の位置特定装置。
【請求項8】
前記画像取得部の撮影方向にレーザを照射するレーザ照射部を備える請求項1から請求項7のいずれかに記載の位置特定装置。
【請求項9】
前記画像取得部が取得した画像を表示する表示部を備える請求項1から請求項8のいずれかに記載の位置特定装置。
【請求項10】
前記表示部が、前記指示対象物の候補が複数ある場合に、各前記候補を表示し、表示された各前記候補の中から前記指示対象物の選択をユーザに促す請求項9に記載の位置特定装置。
【請求項11】
前記指示対象物までの距離を測定する距離測定部を備え、
前記指示対象物特定部が、前記距離測定部により測定された距離をも用いて前記指示対象物を特定する請求項1から請求項10のいずれかに記載の位置特定装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれかに記載の位置特定装置により特定された前記指示対象物の位置情報に基づいて、前記指示対象物に対する動作指示を行う動作指示部を備える動作指示装置。
【請求項13】
請求項12に記載の動作指示装置による指示に基づいて前記指示対象物に対する動作を実行する自走式ロボット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2012−198898(P2012−198898A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−83987(P2012−83987)
【出願日】平成24年4月2日(2012.4.2)
【分割の表示】特願2007−301424(P2007−301424)の分割
【原出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成19年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 戦略的先端ロボット要素技術開発プロジェクト、高齢者対応コミュニケーションRTシステム(サービスロボット分野)、行動会話統合コミュニケーションの実現委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】