説明

低温硬化性感光性樹脂組成物およびこれを用いて製造されたドライフィルム

本発明は、特定構造の繰り返し単位を含むポリアミック酸;ヘテロ環アミン化合物;炭素間二重結合を含む(メタ)アクリレート系化合物;光重合開始剤;および有機溶媒を含む感光性樹脂組成物およびこれより製造されたドライフィルムに関し、前記感光性樹脂組成物は、低い温度で硬化が可能で、工程の安定性および工程作業上の利便性を提供することができ、優れた耐熱性および機械的物性を示すだけでなく、優れた耐屈曲性、半田耐熱性およびパターン詰め込み性などの特性を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性樹脂組成物およびこれより製造されたドライフィルムに関し、より詳細には、低い温度で硬化が可能で、工程の安定性および工程作業上の利便性を提供することができ、優れた耐熱性および機械的物性を示すだけでなく、優れた耐屈曲性、半田耐熱性およびパターン詰め込み性などの特性を実現することができる感光性樹脂組成物およびこれより製造されたドライフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリイミドおよびその前駆体は、優れた耐久性や耐熱性、難燃性、機械的および電気的特性などに基づき、印刷回路基板のベースフィルム、高集積半導体装置、または高集積多層配線基板用カバーフイルムとして盛んに使用されている。
【0003】
最近は、フォトリソグラフィ工程により回路パターンの微細化および位置精度を向上させる目的で、回路基板用感光性保護フィルム(Photoimeageable coverlay)が使用されており、このような回路基板用感光性保護フイルムとして使用されるためには、優れた耐久性や耐熱性、難燃性、機械的および電気的特性などの特性が要求される。
【0004】
一般的に、前記回路基板用感光性保護フィルムは、液状またはフィルム状の感光性樹脂組成物をCCL(Copper Clad Laminate)の回路上に熱圧着し、パターンに従ってUV露光した後、現像液で現像し、水洗乾燥した後、熱硬化する過程によって製造され、所望の位置に回路を接続するのに必要な微細孔を精度よく穿孔することができる。
【0005】
このような回路基板用感光性保護フイルムとしては、既存のドライフィルム(dry film)などで使用しているエポキシ樹脂に、アクリレートなどを添加して製造された感光性樹脂組成物が使用されているが、この場合、難燃特性と硬化後の半田耐熱性の不足により、半田付け時に樹脂が変色したり、回路から分離されるという問題を生じ、可撓性と耐屈曲性の不足により、繰り返し接地が要求される部分には適用できないなど、回路基板用感光性保護フイルムとして適用するには限界があった。
【0006】
したがって、このような問題を解決するために、高耐熱性、耐屈曲性および誘電特性を有し、既存の回路パターン用保護膜に適用されているポリイミド感光性樹脂に対する要求が高い。しかし、ポリイミド感光性樹脂を回路基板用感光性保護フィルムの素材として使用する場合の最大の問題は、高温工程が要求されるという点である。ポリイミド感光性樹脂の場合、成形性を向上させ、感光特性を容易に実現することができるように、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸の形態で使用するが、このようなポリアミック酸をポリイミド化させるのに通常300〜350℃以上、低くても250℃以上の高温硬化工程が要求される。
【0007】
PCB(Printed Circuit Board)工程上、保護フィルムは、パターンの形成された同回路上に塗布あるいは接合された状態で作業が行われ、同回路の酸化および劣化問題を考慮して、200℃以下の工程温度を維持している。これにより、250℃以上の高温硬化工程が要求されるポリアミック酸の素材は、PCB工程の適用に一定の限界を有するため、前記ポリアミック酸硬化工程の温度を下げるための方法が必要なのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−146244号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、低い温度で硬化が可能で、工程の安定性および工程作業上の利便性を提供することができ、優れた耐熱性および機械的物性を示すだけでなく、優れた耐屈曲性、半田耐熱性およびパターン詰め込み性などの特性を実現することができる感光性樹脂組成物を提供するためのものである。
【0010】
また、本発明は、前記感光性樹脂組成物から製造されたドライフィルムを提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、特定構造の繰り返し単位を含むポリアミック酸;ヘテロ環アミン化合物;炭素間二重結合を含む(メタ)アクリレート系化合物;光重合開始剤;および有機溶媒を含む感光性樹脂組成物を提供する。
【0012】
また、本発明は、前記感光性樹脂組成物の硬化物を含むドライフィルムを提供する。
【0013】
本発明はさらに、前記ドライフィルムを含む多層プリント配線板、可撓性回路基板、軟性回路基板および半導体用積層体を提供する。
【0014】
以下、発明の具体的な実現例による感光性樹脂組成物、前記感光性樹脂組成物の硬化物を含むドライフィルムおよび多層プリント配線板などについて詳細に説明する。
【0015】
発明の一実現例によれば、下記の化学式1の繰り返し単位を含むポリアミック酸;アルキル、水酸化基およびオキシム(oxime)誘導体の官能基からなる群より選択された1種以上の官能基で置換されるか、または非置換のピリジン、トリアゾール、イミダゾール、キノリンまたはトリアジンを含むヘテロ環アミン化合物(heterocyclic amine compound);炭素間二重結合を含む(メタ)アクリレート系化合物;光重合開始剤;および有機溶媒を含む感光性樹脂組成物が提供できる。
【0016】
【化1】

【0017】
上記化学式1において、Xは4価の有機基であり、Xは芳香環を含む2価の有機基であり得る。
【0018】
本発明者らは、前記特定構造の繰り返し単位を含むポリアミック酸と前記特定のヘテロ環アミン化合物および(メタ)アクリレート系化合物を混合して使用すると、硬化温度を200℃以下に下げることができるため、工程の安定性および工程作業上の利便性を提供することができ、優れた現像性、耐屈曲性および感光性などの物性を実現することができ、流動性が与えられ、凹凸があるパターンの詰め込み性を向上させることができることを実験から確認し、本発明にいたった。
【0019】
特に、前記ヘテロ環アミン化合物は、好ましくは、炭素数1〜10のアルキル、水酸化基およびアルドキシム(aldoxime)誘導体の官能基からなる群より選択された1種以上の官能基で置換されるか、または非置換のピリジン、トリアゾール、イミダゾール、キノリンまたはトリアジンを含むことができるが、このようなヘテロ環アミン化合物が感光性樹脂組成物に適用されることにより、硬化が促進できるだけでなく、200℃以下の低い温度で硬化が可能になる。また、好ましくは、前記ヘテロ環アミン化合物は、前記官能基で置換されるか、または非置換のピリジン、トリアゾール、イミダゾール、キノリンまたはトリアジンなどの芳香族ヘテロ環アミン化合物(heterocyclic aromatic amine compound)であり得る。
【0020】
前記ヘテロ環アミン化合物は、かつて用いられていたメルカプト(mercapto)官能基が置換された化合物とは区別される。前記メルカプト官能基が置換された化合物は、前記メルカプト(mercapto−)官能基の特性上、相対的に高い硬化温度が適用されなければならないだけでなく、前記メルカプト官能基の主な作用がドライフィルムなどに用いられる高分子樹脂の接着特性の強化という点から、前記ヘテロ環化合物とは相違する。また、かつて用いられていたメルカプト官能基が置換された化合物は、ポリアミック酸のポリイミド化反応に大きい影響を与えることができず、硬化温度を下げる作用ができなかったのに対し、前記ヘテロ環アミン化合物は、ポリアミック酸のポリイミド化反応を促進することにより、感光性樹脂組成物が容易に硬化できるようにする。
【0021】
一方、上記化学式1において、Xは、任意の4価の有機基であり得るが、好ましくは、下記の化学式3〜15の4価の有機基のうちのいずれか1つであり得る。
【0022】
【化3】

【0023】
【化4】

【0024】
【化5】

【0025】
【化6】

【0026】
【化7】

【0027】
【化8】

【0028】
【化9】

【0029】
【化10】

【0030】
【化11】

【0031】
【化12】

【0032】
【化13】

【0033】
【化14】

【0034】
【化15】

【0035】
上記化学式15において、Yは、単一結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−C(CH−、−C(CF−、−CONH、−(CH)n−、−O(CH)nO−または−COO(CH)nOCO−であり得、前記n1、n2およびn3は、それぞれ独立に1〜5の整数であり得る。
【0036】
また、上記化学式1において、Xは、芳香環を含む2価の有機基であり得るが、好ましくは、下記の化学式16〜19の2価の有機基のうちのいずれか1つであり得る。
【0037】
【化16】

【0038】
【化17】

【0039】
【化18】

【0040】
【化19】

【0041】
上記化学式17〜19において、Y、YおよびYは、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に単一結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−C(CH−、−C(CF−、−CONH、−(CH)n−、−O(CH)nO−または−COO(CH)nOCO−であり得、前記n1、n2およびn3は、それぞれ独立に1〜5の整数であり得る。
【0042】
上記化学式1の繰り返し単位を含むポリアミック酸は、芳香環を含む2種以上のジアミン化合物と、芳香環を含む1種以上の酸二無水物化合物とを反応させて製造できる。例えば、上記化学式1の繰り返し単位を含むポリアミック酸は、下記の化学式30のジアミン化合物のうちの2種以上と、下記の化学式31〜32の酸無水物化合物1種以上とを反応させて製造できる。
【0043】
【化30】

【0044】
上記化学式30において、Xは、上記化学式1で定義したとおりである。
【0045】
前記ジアミンの具体例として、p−PDA(p−フェニレンジアミン)、m−PDA(m−フェニレンジアミン)、4,4’−ODA(4,4’−オキシジアニリン)、3,4’−ODA(3,4’−オキシジアニリン)、BAPP(2,2−ビス(4−[4−アミノフェノキシ]−フェニル)プロパン)、TPE−R(1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン)、TPE−Q(1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン)およびm−BAPS(2,2−ビス(4−[3−アミノフェノキシ]フェニル)スルホン)などからなる群より選択された2種以上を使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
【化31】

【0047】
【化32】

【0048】
上記化学式32において、Yは、単一結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−C(CH−、−C(CF−、−CONH、−(CH)n−、−O(CH)nO−または−COO(CH)nOCO−であり得、前記n1、n2およびn3は、それぞれ独立に1〜5の整数であり得る。
【0049】
前記酸二無水物化合物の具体例として、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オクシジフタル酸二無水物、4,4’−(4,4’−イソプロピルビフェノキシ)ビフタル酸二無水物、2,2’−ビス−(3,4−ジカルボキシルフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物およびTMEG(エチレングリコールビス(アンヒドロ−トリメリテート)からなる群より選択された1種以上を使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
前記ポリアミック酸は、当技術分野に知られている通常の有機合成方法を適用して製造することができる。例えば、前記ポリアミック酸は、上記化学式30のジアミン化合物1種以上を順に溶媒に溶解させ、この溶液に、上記化学式31および化学式32の酸二無水物化合物のうちの1種以上を添加した後、反応させて製造することができる。前記ジアミン化合物と酸二無水物化合物との反応は、0〜5℃で反応し始め、10〜40℃の温度範囲で反応が完了するまで通常24時間前後に行うことが好ましい。この時、前記ジアミン化合物と酸二無水物化合物とを1:0.9〜1:1.1のモル比で混合することが好ましいが、ジアミン化合物のモル比が0.9未満であれば、分子量が低すぎて機械的物性に優れたポリアミック酸またはポリイミドの製造が困難になり、逆に、ジアミン化合物のモル比が1.1を超えると、粘度が高すぎてコーティングおよび作業に必要な様々なプロセスが困難になる。
【0051】
前記ポリアミック酸の製造段階で用いられる溶媒としては、N−メチルピロリジノン(N−methylpyrrolidinone;NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(N,N−dimethylacetamide;DMAc)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran;THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(N,N−dimethylformamide;DMF)、ジメチルスルホキシド(dimethylsulfoxide;DMSO)、シクロヘキサン(cyclohexane)、アセトニトリル(acetonitrile)およびこれらの混合物からなる群より選択された1種以上を使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0052】
一方、前記ポリアミック酸の数平均分子量(Mn)は、2,000〜300,000であることが好ましく、8,000〜20,000であることがさらに好ましい。前記数平均分子量が2,000未満の場合には、前記ポリアミック酸を含む感光性樹脂組成物の粘度が低く、コーティング特性または固有物性が不良になり、300,000を超えると、感光性樹脂組成物の粘度が高すぎて取り扱いが困難になるという問題がある。
【0053】
一方、上記化学式1の繰り返し単位を含むポリアミック酸から、下記の化学式2の繰り返し単位を含むポリイミドを製造することができる。前記ポリアミック酸をイミド化する方法の一例として、ポリアミック酸溶液に、酢酸無水物とピリジン塩基を添加した後、50〜100℃の温度で加熱して化学的反応によってイミド化するか、またはポリアミック酸溶液を基板に塗布し、100〜250℃条件のオーブンやホットプレートの上で熱的にイミド化する方法が挙げられる。
【0054】
【化2】

【0055】
上記化学式2において、XおよびXに関する内容は、上記化学式1で述べたとおりである。
【0056】
上述したように、前記ヘテロ環アミン化合物は、アルキル、水酸化基およびオキシム誘導体の官能基からなる群より選択された1種以上の官能基で置換されるか、または非置換のピリジン、トリアゾール、イミダゾール、キノリンまたはトリアジンを含むことができ、好ましくは、炭素数1〜10のアルキル、水酸化基およびアルドキシム誘導体の官能基からなる群より選択された1種以上の官能基で置換されるか、または非置換のピリジン、トリアゾール、イミダゾール、キノリンまたはトリアジンを含む芳香族ヘテロ環アミン化合物であり得る。脂肪族第1次または第2次アミン化合物は、十分な硬化促進効果を実現することができないか、ポリアミック酸の主鎖と反応してゲル化が進行するという問題を有するのに対し、前記芳香族ヘテロ環アミン化合物は、優れた硬化促進効果を示すだけでなく、200℃以下の低い温度でも硬化可能にする。
【0057】
前記オキシム(oxime)またはアルドキシム誘導体の官能基は、それぞれオキシムまたはアルドキシムに由来する官能基を意味する。前記アルドキシム誘導体の官能基は、下記の化学式33の官能基を含むことができる。
【0058】
【化33】

【0059】
上記化学式33において、Rは、水素、炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数7〜15のフェニルアルキルであり得る。
【0060】
前記ヘテロ環アミン化合物は、前記ポリアミック酸100重量部に対して0.5〜30重量部、好ましくは5〜15重量部を含むことができる。前記ヘテロ環アミン化合物の含有量が0.5重量部未満の場合、所望の硬化程度を十分に達城できないことがあり、30重量部を超える場合、硬化後形成された膜強度の低下の要因となり得る。
【0061】
前記感光性樹脂組成物は、炭素間二重結合を含む(メタ)アクリレート系化合物を含む。前記炭素間二重結合を含む(メタ)アクリレート系化合物は、ポリアミック酸との相溶性に優れ、UV照射によりネガティブ型パターンを設けるために用いられる。
【0062】
一方、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「メタクリレート」および「アクリレート」をすべて含む意味として使われた。
【0063】
前記炭素間二重結合を含む(メタ)アクリレート系化合物は、前記ポリアミック酸100重量部に対して5〜200重量部を含むことができる。前記炭素間二重結合を含む(メタ)アクリレート系化合物の含有量が5重量部未満の場合には、現像特性が低下し、200重量部を超える場合には、耐熱性の低下および耐折性を含むフィルムの機械的特性が低下することがある。
【0064】
前記炭素間二重結合を含む(メタ)アクリレート系化合物の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレン(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタルレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エタンジオールジ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、イソプロピルジオールジ(メタ)アクリレート、イソプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート(HEMA)、フェニルグリシジルエステルアクリレート(商標名:Kayarad R−128H)、1,6−ヘキサンジオールエポキシアクリレート(商標名:Kayarad R−167)、エベクリル9695(Ebecryl 9695)またはグリシジル(メタ)アクリレート(glycidyl (meth)acrylate)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記(メタ)アクリレートは、単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0065】
前記感光性樹脂組成物は、光重合開始剤を含むことができる。前記光重合開始剤の具体例として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−(4−メチルチオ)フェニル−2−モルホリノ−1−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、または2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オンなどのアセトフェノン系化合物;2,2−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル非イミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,2’−非イミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル非イミダゾール、または2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4,5,5’−テトラフェニル−1,2’−非イミダゾールなどの非イミダゾール系化合物;3−{4−[2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン−6−イル]フェニルチオ}プロピオン酸、1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロイソプロピル−3−{4−[2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン−6−イル]フェニルチオ}プロピオネート、エチル−2−{4−[2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン−6−イル]フェニルチオ}アセテート、2−エポキシエチル−2−{4−[2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン−6−イル]フェニルチオ}アセテート、シクロヘキシル−2−{4−[2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン−6−イル]フェニルチオ}アセテート、ベンジル−2−{4−[2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン−6−イル]フェニルチオ}アセテート、3−{クロロ−4−[2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン−6−イル]フェニルチオ}プロピオン酸、3−{4−[2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン−6−イル]フェニルチオ}プロピオンアミド、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル−s−トリアジン、または2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジンなどのトリアジン系化合物;およびチバスペシャリティケミカル社製のCGI−242、CGI−124などのオキシム系化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0066】
前記光重合開始剤は、前記ポリアミック酸100重量部に対して0.3〜10重量部を含むことができる。前記光重合開始剤の含有量が0.3重量部未満の場合には、炭素間二重結合を含む(メタ)アクリレート系化合物の光硬化参加度が低下し、50重量部を超える場合には、硬化に参加できなかったラジカルが製造されたフィルムの物性を低下させることがある。
【0067】
また、前記感光性樹脂組成物は、有機溶媒を含むことができる。前記有機溶媒は、前記ポリアミック酸、ヘテロ環アミン化合物、炭素間二重結合を含む(メタ)アクリレート系化合物および光重合開始剤を容易に溶解することができ、コーティング工程時に乾燥されやすいことが好ましい。前記有機溶媒は、前記ポリアミック酸100重量部に対して300〜700重量部を含むことができる。
【0068】
前記有機溶媒は、溶解性の観点から非プロトン性極性有機溶媒が好ましく、具体例として、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N−ベンジル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−アセチル−ε−カプロラクタム、ジメチルイミダゾリジノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、γ−ブチロラクトン、ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、クロロホルムおよび塩化メチレンからなる群より選択された単独または2種以上の混合物を使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0069】
また、前記感光性樹脂組成物は、必要に応じて、光架橋増減剤、硬化促進剤、リン系難燃剤、消泡剤、レベリング剤またはゲル防止剤などのような添加剤を追加で含むことができる。
【0070】
一方、発明の他の実現例によれば、前記感光性樹脂組成物の硬化物を含むドライフィルムが提供できる。
【0071】
前記ドライフィルムは、支持体上に前記感光性樹脂組成物を公知の方法で塗布し乾燥することによって製造することができる。前記支持体は、感光性樹脂組成物層を剥離することができ、また、光の透過性が良好であることが好ましい。さらに、表面の平滑性が良好であることが好ましい。
【0072】
前記支持体の具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリトリフルオロエチレンなどの各種のプラスチックフィルムが挙げられる。また、これらの2種以上からなる複合材料も使用することができ、光透過性に優れたポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。前記支持体の厚さは、5〜150μmが好ましく、10〜50μmがさらに好ましい。
【0073】
前記感光性樹脂組成物の塗布方法は特に限定されず、例えば、スプレー法、ロールコーティング法、回転塗布法、スリットコーティング法、押出コーティング法、カーテンコーティング法、ダイコーティング法、ワイヤバーコーティング法、またはナイフコーティング法などの方法を用いることができる。前記感光性樹脂組成物の乾燥は、各構成成分や有機溶媒の種類および含量比によって異なるが、60〜100℃で30秒〜15分間行うことが好ましい。
【0074】
前記感光性樹脂組成物を支持体上に塗布し乾燥および硬化して製造されたドライフィルムの膜厚は、5〜95μmが好ましく、10〜50μmがさらに好ましい。前記ドライフィルムの膜厚が5μm以下であれば、絶縁性がよくなく、95μmを超えると、解像度が低下することがある。
【0075】
一方、前記ドライフィルムは、半導体装置または多層配線基板に用いられるカバーフィルムまたはポリイミドカバーフィルム(PICL)として使用可能である。
【0076】
一方、発明のさらに他の実現例によれば、前記ドライフィルムを含む多層プリント配線板または可撓性回路基板が提供できる。
【0077】
前記多層プリント配線板または可撓性回路基板の一例として、前記ドライフィルムは、回路形成面上に、平面圧着あるいはロール圧着などの方法により25〜50℃の温度でプレラミネートした後、60〜90℃で真空ラミネーション(vacuum lamination)方法により感光性被膜を形成することができる。前記ドライフィルムは、微細孔や微細幅ラインを形成するためにフォトマスクを用いて露光することにより、パターンの形成が可能である。露光量は、UV露光に用いられる光源の種類と膜厚によって異なるが、一般的に100〜1200mJ/cmが好ましく、100〜400 mJ/cmがさらに好ましい。活性光線としては、電子線、紫外線、X−rayなどが可能であるが、好ましくは紫外線であり、高圧水銀灯、低圧水銀灯またはハロゲンランプなどを光源として用いることができる。
【0078】
露光後の現像時には、一般的に浸漬法を用いて現像液に浸漬するが、現像液としては、水酸化ナトリウム水溶液あるいは炭酸ナトリウム水溶液などのアルカリ水溶液を使用し、アルカリ水溶液で現像した後、水で洗浄する。その後、加熱処理過程により、現像によって得られたパターンに従ってポリアミック酸がポリイミドに変化するようになり、加熱処理温度は、イミド化に必要な150〜230℃が好ましい。この時、加熱温度は、適切な温度プロファイルを有し、2〜4段階にわたって連続的に昇温することがさらに効果的であるが、場合によっては、一定の温度で硬化してもよい。このように実行することにより、多層プリント配線板および可撓性回路基板などを得ることができる。
【0079】
一方、発明のさらに他の実現例によれば、前記ドライフィルムを含む軟性回路基板または半導体用積層体が提供できる。このような軟性回路基板または半導体用積層体は、前記ドライフィルムを保護膜や層間絶縁膜として使用したものを含むことができる。
【0080】
前記印刷回路基板または半導体用積層体の構成および製造方法として、前記ドライフィルムを保護膜や層間絶縁膜として使用したことを除けば、当技術分野における通常の知られた方法または装置を格別の制限なく用いることができる。
【発明の効果】
【0081】
本発明によれば、低い温度で硬化が可能で、工程の安定性および工程作業上の利便性を提供することができ、優れた耐熱性および機械的物性を示すだけでなく、優れた耐屈曲性、半田耐熱性およびパターン詰め込み性などの特性を実現することができる感光性樹脂組成物;これより製造されたドライフィルム;並びに前記ドライフィルムを含む多層プリント配線板、可撓性回路基板、軟性回路基板および半導体用積層体が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0082】
発明を下記の実施例でより詳細に説明する。ただし、下記の実施例は、本発明を例示するにすぎず、本発明の内容は下記の実施例によって限定されるものではない。
【0083】
<製造例:ポリアミック酸の製造(PAA1)>
温度計、撹拌機、および窒素吸入口と粉末投入口(powder dispensing funnel)を設けた4口丸底フラスコに窒素を流しながら、23.24gの4,4’−オキシジアニリン(4,4’−ODA)と106.84gの1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)に、780gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)を加え、攪拌して完全に溶解させた。前記溶液を15℃以下に冷却させながら、106.15gの3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)を徐々に加えながら、攪拌して、ポリアミック酸ワニスを得た。
【0084】
<実施例:感光性樹脂組成物の製造>
実施例1
製造例1の方法で得られたポリアミック酸ワニス100重量部に、ヘテロ環アミン化合物として1,3,4−1H−トリアゾール10重量部、炭素間二重結合を含む(メタ)アクリレート化合物としてA−BPE−20(第一化学社製)15重量部、Kayarad R−128H(日本化薬社製)15重量部、そして、光重合開始剤としてIgacure651 0.3重量部とIgacure369 0.2重量部を入れて混合し、感光性樹脂組成物を製造した。
【0085】
前記感光性樹脂組成物をPETフィルム上にドクターブレードを用いて80μmでコーティングした後、80℃のオーブンで10分間乾燥し、25μm厚のドライフィルムを製造した。
【0086】
実施例2
製造例1の方法で得られたポリアミック酸ワニス100重量部に対して、ヘテロ環アミン化合物として3−ヒドロキシピリジン10重量部を添加し、感光性樹脂組成物を製造した以外は、実施例1と同様の方法でドライフィルムを製造した。
【0087】
実施例3
製造例1の方法で得られたポリアミック酸ワニス100重量部に対して、ヘテロ環アミン化合物として4−ヒドロキシピリジン10重量部を添加し、感光性樹脂組成物を製造した以外は、実施例1と同様の方法でドライフィルムを製造した。
【0088】
実施例4
製造例1の方法で得られたポリアミック酸ワニス100重量部に対して、ヘテロ環アミン化合物としてイソニコチンアルデヒドO−ベンジルオキシム(Isonicotinaldehyde O−benzyloxime)10重量部を添加し、感光性樹脂組成物を製造した以外は、実施例1と同様の方法でドライフィルムを製造した。
【0089】
実施例5
製造例1の方法で得られたポリアミック酸ワニス100重量部に対して、ヘテロ環アミン化合物としてイミダゾール10重量部を添加し、感光性樹脂組成物を製造した以外は、実施例1と同様の方法でドライフィルムを製造した。
【0090】
実施例6
製造例1の方法で得られたポリアミック酸ワニス100重量部に対して、ヘテロ環アミン化合物として1−メチルイミダゾール10重量部を添加し、感光性樹脂組成物を製造した以外は、実施例1と同様の方法でドライフィルムを製造した。
【0091】
比較例1
前記1,3,4−1H−トリアゾール10重量部を適用しない点を除けば、実施例1と同様の方法で感光性樹脂組成物およびドライフィルムを製造した。
【0092】
比較例2
前記1,3,4−1H−トリアゾール10重量部の代わりに、トリエチルアミン10重量部を用いた点を除けば、実施例1と同様の方法で感光性樹脂組成物およびドライフィルムを製造した。
【0093】
比較例2
前記1,3,4−1H−トリアゾール10重量部の代わりに、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]オンデ−7−イン(1,8−diazobicyclo[5,4,0]onde−7−in、DBU)10重量部を用いた点を除けば、実施例1と同様の方法で感光性樹脂組成物およびドライフィルムを製造した。
【0094】
比較例3
前記1,3,4−1H−トリアゾール10重量部の代わりに、シクロヘキシルアミン(CHA)10重量部を用いた点を除けば、実施例1と同様の方法で感光性樹脂組成物およびドライフィルムを製造した。
【0095】
比較例4
前記1,3,4−1H−トリアゾール10重量部の代わりに、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]オンデ−7−イン(1,8−diazobicyclo[5,4,0]onde−7−in、DBU)10重量部を用いた点を除けば、実施例1と同様の方法で感光性樹脂組成物およびドライフィルムを製造した。
【0096】
比較例5
前記1,3,4−1H−トリアゾール10重量部の代わりに、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)10重量部を用いた点を除けば、実施例1と同様の方法で感光性樹脂組成物およびドライフィルムを製造した。
【0097】
<実験例:感光性ドライフィルムの物性の測定>
前記実施例1〜5および比較例1〜5で製造されたドライフィルムを、パターンの形成された2CCL製品の銅薄面上に置き、70℃で30秒間真空ラミネートした後、180℃の窒素雰囲気下のオーブンで1時間硬化した後、下記のような方法で物性評価を行い、その結果を下記の表1に記載した。
【0098】
実験例1.フィルムの変色の有無
ドライフィルムの変色の有無を目視評価した。
【0099】
実験例2.ポリイミドの硬化度の測定
Diamond ATR FT−IR測定法を用いてポリイミド化率を測定した。ポリアミック酸のN−Hバンドの減少率を標準硬化(standard−cure)条件で硬化した試験片のそれと比較して数値化した。
【0100】
実験例3.現像性
製造した感光性フィルムを銅薄上に真空ラミネートし、350mJ/cmで露光し、35℃の1wt%の炭酸ナトリウム水溶液で噴霧現像した後に、L/S=50μm/50μmのピッチで現像可能かどうかを確認した。
【0101】
実験例4.接着力
JIS K5404に基づき、前記硬化したドライフィルムのクロスカットピールを測定した。具体的には、前記硬化したドライフィルムに10×10の格子状の切り込みを入れた後(それぞれの格子の大きさは100μm)、ニチバン(NICHIBANG)テープを接着させた。そして、前記接着されたテープを剥離させた後、テープとともに剥離された感光性樹脂膜の格子数を数えることで接着性を評価した。
【0102】
実験例5.半田耐熱性
288±5℃の半田槽に、ドライフィルム面が上方に向かうようにして1分間フローティングした後、ドライフィルムの異常の有無を目視検査した。
【0103】
実験例6.屈曲性
L/S=100μm/100μmのFCCLパターン上に前記ドライフィルムを真空ラミネートした後に、露光、現像および硬化した。そして、MIT方法(0.38R、500g load)により屈曲性を測定した。(JIS C6471)
【0104】
実験例7.誘電定数
前記実施例および比較例によるドライフィルムの誘電定数を、ASTM D150測定方法に基づき、HP 4194A IMPEDENCE/GAIN−PHASE ANALYZERで測定した。
【0105】
【表1】

【0106】
前記表1に示されているように、実施例によるドライフィルムの場合、硬化度が100%であるのに対し、比較例のドライフィルムの場合、硬化度が95%以下となり、180℃の温度では硬化があまり進行しないことが確認された。
【0107】
また、実施例のフィルムの場合、熱硬化段階の後にも変色が発生しないのに対し、比較例3の場合、フィルムが褐色に変化し、比較例5の場合、不良な現像性を示していることが確認された。
【0108】
さらに、実施例のドライフィルムは、優れた接着力を有し、テーピングテストでほとんど剥離が起きないのに対し、比較例のドライフィルムは、低い硬化程度によって接着力も相対的に劣化していることが明らかになった。
【0109】
そして、実施例のドライフィルムは、優れた半田耐熱性を有し、288±5℃の半田槽で1分間フローティングした後も、格別の異常現象が観察されなかったが、一部の比較例のドライフィルムの場合、フィルムの剥離現象が観察され、低い半田耐熱性を有することが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式1の繰り返し単位を含むポリアミック酸;
アルキル、水酸化基およびオキシム(oxime)誘導体の官能基からなる群より選択された1種以上の官能基で置換されるか、または非置換のピリジン、トリアゾール、イミダゾール、キノリンまたはトリアジンを含むヘテロ環アミン化合物;
炭素間二重結合を含む(メタ)アクリレート系化合物;
光重合開始剤;および
有機溶媒を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
【化1】

(上記化学式1において、Xは4価の有機基であり、Xは芳香環を含む2価の有機基である。)
【請求項2】
記Xは、下記の化学式3〜15からなる群より選択された1つの4価の有機基を含むことを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

(上記化学式15において、Yは、単一結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−C(CH−、−C(CF−、−CONH、−(CH)n−、−O(CH)nO−または−COO(CH)nOCO−であり、前記n1、n2およびn3は、それぞれ独立に1〜5の整数である。)
【請求項3】
前記Xは、下記の化学式16〜19からなる群より選択された1つの2価の有機基を含むことを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

(上記化学式17〜19において、Y,YおよびYは、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に単一結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−C(CH−、−C(CF−、−CONH、−(CH)n−、−O(CH)nO−または−COO(CH)nOCO−であり、前記n1、n2およびn3は、それぞれ独立に1〜5の整数である。)
【請求項4】
前記ポリアミック酸は、2,000〜300,000の数平均分子量を有することを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項5】
前記炭素間二重結合を含む(メタ)アクリレート系化合物は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレン(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタルレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エタンジオールジ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロパンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、イソプロピルジオールジ(メタ)アクリレート、イソプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、フェニルグリシジルエステルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールエポキシアクリレート、エベクリル9695およびグリシジル(メタ)アクリレートからなる群より選択された1種以上の化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項6】
前記光重合開始剤は、アセトフェノン系化合物、非イミダゾール系化合物、トリアジン系化合物およびオキシム系化合物からなる群より選択された1種以上の化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項7】
前記有機溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N−ベンジル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−アセチル−ε−カプロラクタム、ジメチルイミダゾリジノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、γ−ブチロラクトン、ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、クロロホルムおよび塩化メチレンからなる群より選択された1種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項8】
前記ポリアミック酸100重量部に対して、
前記ヘテロ環アミン化合物0.5〜30重量部;
前記炭素間二重結合を含む(メタ)アクリレート系化合物5〜200重量部;
前記光重合開始剤0.3〜10重量部;および
前記有機溶媒300〜700重量部を含むことを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項9】
光架橋増減剤、硬化促進剤、リン系難燃剤、消泡剤、レベリング剤およびゲル防止剤からなる群より選択された1種以上の添加剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項10】
ドライフィルム製造用であることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物を含むことを特徴とするドライフィルム。
【請求項12】
半導体装置または多層配線基板用カバーフイルムとして使用されることを特徴とする請求項11に記載のドライフィルム。
【請求項13】
請求項11に記載のドライフィルムを含むことを特徴とする多層プリント配線板。
【請求項14】
請求項11に記載のドライフィルムを含むことを特徴とする可撓性回路基板。
【請求項15】
請求項11に記載のドライフィルムを含むことを特徴とする軟性回路基板。
【請求項16】
請求項11に記載のドライフィルムを含むことを特徴とする半導体用積層体。

【公表番号】特表2012−527009(P2012−527009A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510762(P2012−510762)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【国際出願番号】PCT/KR2010/005795
【国際公開番号】WO2011/025307
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】