説明

低電力センサを使用するGPS省電力

位置ロケーションシステム、装置及び方法が開示される。無線装置は、衛星測位システム(SPS)受信機及び位置ロケーションプロセッサを含む。SPS受信機は、測位信号の有効性を検出し、位置ロケーションプロセッサは、測位信号に基づいて無線装置の初期位置を決定する。測位信号が利用可能なものとして検出される場合、コントローラは省電力イベントを生成する。コントローラは、省電力イベントのタイミングおよび期間を決定する。省電力イベント中、無線装置の消費電力を低減するために、SPS受信機は非アクティブにされ、及び/または測位信号の処理はサスペンドされる。初期位置は、省電力イベント中に1以上のセンサからの相対的な測位情報に基づいて更新される。コントローラは、SPS受信機をアクティブにし、省電力イベントに続く測位信号の処理を再開する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に電気通信に関連し、より具体的には無線位置ロケーションシステムに関連する。
【背景技術】
【0002】
多くのアプリケーションにおいて、無線装置の位置を決定する能力を持つことは有利である。位置ロケーション能力(position location)は、ナビゲーション、トラッキングに関して、または、非常時の場合において有用であり得る。
【0003】
小型電子機器の性能の進歩、特にプロセッサの性能の進歩は、様々な無線装置で位置ロケーションを使用するための需要を増加させた。
【0004】
しかしながら、位置ロケーション機能は、相当量の電力を消費し得る。ある場合には、無線デバイスが電池の電力で操作され得る時間を著しく減らし得る。これは、一般的に、同じ電池が音声とデータ通信のような他の機能と同様に測位機能のために、決まって給電するからである。
【0005】
無線デバイスの位置は時間とともに変わり得るので、それは、正確なままであるために更新されなければならない。例えば、自動車で移動する、またはオートバイに乗る場合、位置は急速に変わり得る。頻繁でない更新は、大きな測位誤差を引き起こし得る。これは、非常時の場合における位置ロケーションまたはナビゲーションに関して特に不利益になり得る。
【0006】
したがって、測位精度のレベルを維持する間、位置ロケーション機能のために消費される電力を低減し得る位置ロケーションシステム、方法及び装置を有することが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
位置ロケーションシステム、装置及び方法の様々な実施形態が開示される。1つの実施形態では、衛星測位システム(SPS)受信機を有するモバイル機器中の電力消費を低減する方法が開示される。方法は、SPS受信機で測位信号の有効性を検出し、測位信号に基づくモバイルデバイスの位置を決定することを含む。この方法は、さらに測位信号が利用可能(available)なものとして検出される場合、省電力イベントに応じて測位信号の処理をサスペンド(suspending)することを含む。
【0008】
1つの実施形態では、この方法は、品質が所定の閾値を超えない場合に測位信号が利用不可能(unavailable)なものとして扱われるように、測位信号の品質を決定することを含む。この方法はさらに、測位信号を使用して決定される位置の精度を推定することと、これらの推定のうちの1つまたは両方に基づいて省電力イベントの期間及び頻度を調整することを含み得る。いくつかの実施形態では、省電力イベントの期間は、1以上のセンサの精度に従って確立され、測位信号の有効性を検出するためのSPS受信機に関して必要な時間を反映し得る。省電力イベントの期間は、さらに、更新された位置の測位誤差が所定値を超えないように決定され得る。
【0009】
1つの実施形態では、この方法は、1以上のセンサからデータを集めることと、センサデータに基づいて位置オフセットを決定することを含む。この方法は、さらに位置オフセットを使用してモバイル機器の最後(last)の位置を調節することを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、1以上のセンサからのデータを使用してモバイル機器の速度を決定することと、速度に基づいてモバイル機器の最後の位置を調節することを含む。センサは、加速度計、ジャイロスコープ及び高度計を含み得る。いくつかの実施形態では、センサは、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)デバイスである。
【0010】
1つの実施形態では、無線装置が開示される。この無線装置は、1以上の測位信号の有効性を検出する衛星測位システム(SPS)受信機を含む。この無線装置は、さらに無線装置の位置の相対変化を決定するために使用されるデータを生成する1以上のセンサを含む。位置ロケーションプロセッサは、SPS受信機及び1以上のセンサにつながれ、測位信号を使用して無線装置の現在位置を決定する。測位信号が利用可能なものとして検出される場合、コントローラは、SPS受信機を非アクティブにし、SPS受信機が非アクティブにされる間、位置ロケーションプロセッサに1以上のセンサからのデータに基づいて無線装置の位置を更新させる。コントローラは、SPS受信機を復活させ、位置ロケーションプロセッサにスリープ期間に続く無線装置の現在位置を決定させる。
【0011】
1つの実施形態では、衛星測位システム(SPS)受信機を有する無線装置中の消費電力を低減する方法が開示される。この方法は、SPS受信機で測位信号の有効性を検出することと、測位信号に基づいてモバイル機器の現在位置の決定することを含む。この方法は、現在位置の誤差(error)を推定することと、現在位置の誤差が所定値を超えない場合、SPS受信機を非アクティブにすることを含む。SPS受信機が非アクティブにされている間、現在位置は、更新された位置を得るために少なくとも1つのアナログセンサからのデータに基づいて時々調節される。SPS受信機は、更新された位置の累積誤差に基づいてアクティブにされる。
【0012】
1つの実施形態では、無線装置が開示される。この無線装置は、SPS受信機で測位信号の有効性を検出するための手段と、モバイル機器の位置を決定するために測位信号を処理するための手段とを含む。この無線装置は、測位信号が利用可能なものとして検出される場合、省電力イベントに応じて測位信号を処理することをサスペンドするための手段を含む。この無線装置は、測位信号を処理することがサスペンドされている間、1以上のセンサからのデータに基づいてモバイル機器の位置を更新するための手段と、省電力イベントに続く測位信号の処理を再開するための手段とをさらに含む。
【0013】
1つの実施形態では、無線装置の位置を決定するための1以上の命令の1以上のシーケンスを伝えるコンピュータ可読媒体が開示される。この1以上の命令のシーケンスは、1以上のプロセッサによって実行される場合、1以上の測位信号の有効性を検出することと、測位信号に基づいて無線装置の現在位置を決定することのステップを1以上のプロセッサに実行させる命令を含む。この命令は、さらに省電力イベントのタイミング及び期間を決定することと、SPS受信機を非アクティブにすることと、測位信号が利用可能なものとして検出され、現在位置が得られる場合、省電力イベントに応じて測位信号の処理をサスペンドすることのステップを1以上のプロセッサに実行させる。この命令は、さらに無線装置の位置の相対変化を代表するセンサデータを得ることと、省電力イベントの間にセンサデータに基づいて時々無線装置の位置を更新することと、SPS受信機をアクティブにすることと、省電力イベントの後、測位信号の処理を再開することのステップを1以上のプロセッサに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】位置ロケーションシステムの1つの実施形態を示す単純化されたブロック図である。
【図2】位置ロケーションシステムの中で使用され得るような無線装置の1つの実施形態を示すブロック図である。
【図3】位置ロケーションプロセッサの1つの実施形態の様々な機能的ブロックを描く。
【図4】位置ロケーションプロセッサに入力を供給するために使用され得るような測位センサの実施形態を示す。
【図5】位置ロケーション方法の1つの実施形態に従って実行される処理動作のフローチャートである。
【図6】位置ロケーション方法の補足的な実施形態にしたがって処理ステップのフローチャートである。
【図7】典型的な位置ロケーション方法にしたがって位置ロケーション処理の捕捉的な態様を示すフローチャートである。
【詳細な説明】
【0015】
開示の実施形態の特徴、対象及び利点は、類似の要素が類似の参照番号を記す図面を伴う時、以下に述べられる詳細な説明からより明白になるだろう。
【0016】
位置ロケーションシステム、装置及び方法が開示される。無線装置は、衛星測位システム(SPS)受信機及び位置ロケーションプロセッサを含む。SPS受信機は、測位信号の有効性を検出し、位置ロケーションプロセッサは、測位信号に基づいて無線装置の初期位置を決定する。測位信号が利用可能なものとして検出される場合、コントローラは省電力イベント(power saving events)を生成する。コントローラは、省電力イベントのタイミングおよび期間を決定する。省電力イベント中、SPS受信機は非アクティブにされ、及び/または、測位信号の処理は、無線装置の消費電力を低減するためにサスペンドされる。初期位置は、省電力イベント中に1以上のセンサからの相対的な位置決め情報に基づいて更新される。コントローラは、SPS受信機をアクティブにし、省電力イベントに続く測位信号の処理を再開する。
【0017】
図1は、位置ロケーションシステム100の1つの典型的な実施形態を示す単純化されたブロック図である。測位またはジオロケーション(geo-location)は、地球の表面上または近くの対象(object)の座標を決定するプロセスを指す。位置ロケーションシステム100では、移動局(mobile station)110は、衛星120または基地局130の1以上からの支援で位置フィックス(position fix)を得て、1以上のセンサからの相対的な測位データを使用してその位置を更新する。
【0018】
移動局(MS)110は、位置ロケーション能力を有する無線装置である。例えば、MS110は、携帯電話、ナビゲーションシステム、パーソナルコンピューティング装置、携帯情報端末、アセットトラッカー(asset tracker)または無線通信装置を含み得る。MS110は、さらに、通信標準(例えばGSM(登録商標)、CDMA、TDMA、WCDMA、OFDM、GPRS、EV−DO、WiFi、WiMAX、802.xx、UWB、衛星など)の任意の数または組み合わせを使用した他の装置で音声及びデータ信号を交換できる。移動局110のための電力は、一般的に電池によって供給される。
【0019】
移動局110は、1以上の異なる方法でその位置を決定する。例えば、図示されるように、移動局110は、衛星120から測位信号を受け取ることができ、衛星測位信号に含まれる情報を処理することにより位置を得る。衛星120は、全地球測位システム(GPS)、ガリレオ(Galileo)、GLOSNASS、EGNOSなどのような衛星測位システム(SPS)の一部であり得る。SPS衛星の既知の位置及びそれぞれの信号のタイミングを使用して、MS110は、それ自身の位置を決定できる。
【0020】
衛星ベースの測位(satellite-based positioning)に加えて、MS110は、さらに地上システムを使用して、または、地球ベースの(earth-based)及び衛星ベースの測位の組み合わせを使用することによりその位置を決定できる。図示されるように、移動局110は、1以上の基地局130と通信する。基地局130は、例えば、到着時刻(time of arrival)(TOA)、到来角(angle of arrival)(AOA)、到着時間差(time difference of arrival)(TDOA)、MS110から受け取る信号に関する関連技術を使用する範囲推定を形成できる。これらの範囲推定とそれらの既知のロケーションを組み合わせることによって、基地局130は、移動局110に関する位置を固定(fix)できる。基地局130は、移動局110によって得られるデータを使用して、位置ロケーション処理を行なうまたは衛星を見つけることにより、移動局110を支援できる。
【0021】
移動局110は、それが相対的な測位データを得る1以上のセンサを含む。速度と加速度のようなセンサデータは、位置オフセット(position offset)を決定するために使用できる。位置オフセットは、更新された位置に到着するために最後の既知の位置と結合され得る。いくつかの実施形態では、移動局110は、最初に位置フィックスを得て、次に電力を節約するために衛星測位信号の処理をサスペンドする。測位信号の処理がサスペンドされている間、移動局110は、センサデータに基づいて局地的に(locally)その位置を更新する。
【0022】
移動局110は、一般的な条件(prevailing conditions)に基づいて、SPS信号の処理がどれくらい長くサスペンドされたままであるべきか、または、それがサスペンドされるべきかどうかのインテリジェントな(intelligent)決定をなすためのハードウェア及びソフトウェア要素を含む。同様に、移動局110は、更新された位置がその衛星または他の外部の測位システムからの新しい情報でどれくらい頻繁に置換されるべきか決定し得る。例えば、自動連続モード(autonomous-continuous mode)中で動作する場合、従来のGPS対応装置は、その位置を毎秒1回更新できる。電池寿命を延ばすために、移動局110は、省電力イベント(power saving events)を生成でき、そのSPS更新の頻度を5秒に1回に減らすことができる。各省電力イベントの間、移動局は、そのSPS受信機及び/または位置ロケーション処理モジュールを非アクティブ(deactivate)にでき、センサデータに基づくその現在位置を調節できる。いくつかの実施形態では、センサデータに基づく位置更新は、サスペンドされたSPS更新と同じレートで実行され得る。他の実施形態では、センサデータの更新は、改善された測位精度のためにより頻繁に実行され得る。このように、移動局110は、測位に対する制御を維持する間、有効にその電力消費を低減できる。
【0023】
図2は、位置ロケーションシステム100中で使用され得るような無線装置200の1つの実施形態を示すブロック図である。いくつかの実施形態では、無線装置200は、移動局110に関して記述されるものと同様の方法で機能する。図示されるように、無線装置200は、RFトランシーバ210を含む。無線装置200は、通信ネットワークでRFトランシーバ210が音声及びデータ信号を交換することを可能にする。受信パスで、それは、入力信号を復調し、プロセッサ230にデータを供給し、送信パスで、それは、プロセッサ230から受信されたデータを変調し、アウトバウンド(outbound)信号を生成する。加えて、RFトランシーバ210は、さらにアシステッドGPS(assisted GPS)(A−GPS)または他のネットワークベースの測位の場合での測位データを送信及び受信できる。
【0024】
位置ロケーション受信機220は、測位信号を受信し、プロセッサ230に測位データを供給する。例えば、GPSの実施形態では、位置ロケーション受信機220は、1以上のGPS衛星からナビゲーションフレーム(navigation frames)を受信できる。ナビゲーションフレームは、例えば、衛星暦(satellite almanac)の部分、エフェメリスデータ(ephemeris data)、日時情報を含み得る。位置ロケーション受信機220は、測位信号からプロセッサ230にデータを伝える。その動作モードによって、位置ロケーション受信機220は、連続的に測位信号を追跡でき、それは、プロセッサ230及び/またはコントローラ250の制御の下で時々(time to time)測位データを捕捉できる。
【0025】
プロセッサ230は、位置ロケーション受信機220及び場合によってはRFトランシーバ210から測位データを受信する。測位データを使用して、プロセッサ230は、無線装置200の位置を固定し、メモリ240に現在位置を保存する。位置フィックスを得ることに関して、プロセッサ230は、さらに測位信号の品質及び/または位置測定での不確定性の量を決定でき、メモリ240に同様にこの情報を保存できる。例えば、他の要因の中で、品質及び不確定性は、測位信号の信号対雑音比、特定の時点で可視の衛星の数、及び測位信号に基づくクロックオフセット推定の精度に基づき得る。
【0026】
測位信号が検出され、無線装置200が初期の位置フィックスを捕捉したとき、プロセッサ230は、新しいデータで現在位置をいつ、どのように更新するかに関する決定をなすことができる。いくつかの実施形態では、無線装置200は、この決定を管理する様々な動作を支援する。例えば、無線装置200が自動車電池(car battery)のような外部ソースによって電力供給される場合、プロセッサ230は、将来の更新が位置ロケーション受信機220からの測位データに基づくだろうことを決定でき、比較的短い更新間隔を設定できる。あるいは、無線装置200が外部ソースによって電力供給され、その位置が(ウォールチャージャ(wall charger)に接続された時かもしれないような)所定間隔でほとんど変わらない場合、プロセッサ230は、頻繁でないが、位置ロケーション受信機220からのデータに基づく無線装置200の位置を更新できる。
【0027】
無線装置200は電池(battery)270をさらに含む。接続は明瞭さのために省略されるが、電池270は、無線装置200の構成要素のうちのいくつかまたは全てに電力を供給する。特に、電池270は、RFトランシーバ210、位置ロケーション受信機220、プロセッサ230及びコントローラ250へ電力供給できる。その結果、電池270を使用する場合、無線装置200の動作時間(operating time)は制限される。例えば、一般的な携帯電話の電池は、およそ800mA/Hの定格であり得る。これは電池が完全に放電される前に、電池が1時間に800mAの負荷を印加できることを意味する。位置ロケーション処理は、電力を消費し、電池270における負荷を増加し、したがって無線装置200の動作時間を低減する。
【0028】
いくつかの実施形態では、プロセッサ230は、位置ロケーション処理のいくつかの要素が電力を節約するためにサスペンドされ得るようにコントローラ250に信号を送る省電力イベントを生成する。省電力イベントに応じて、コントローラ250は、位置ロケーション受信機220を非アクティブにできる、または、著しくその電力消費を削減できる。加えて、コントローラ250は、さらに、位置ロケーション受信機220からの測位データを処理するためにプロセッサ230によって使用される1以上のモジュールをサスペンドできる。例えば、コントローラ250は、省電力イベントの間にプロセッサ230のGPSエンジンをサスペンドできる。省電力イベントに続いて、コントローラ250は、位置ロケーション受信機220をアクティブにすること(activating)、プロセッサ230の1以上のモジュールを必要なものとして許可にすることにより、位置ロケーション処理を再開する。プロセッサ230及びコントローラ250が示されるような個別の要素であり得る、または、コントローラ250(またはその論理の部分)がプロセッサ230に統合され得ることは認識されるだろう。
【0029】
省電力イベント中、プロセッサ230は、センサ260からのデータに基づいて無線装置200の位置を更新する。センサ260は、相対的な測位データを供給し、アナログまたはデジタル装置であり得る。いくつかの実施形態では、センサ260は、無線装置200の位置を更新するための基準(basis)を形成できる速度または加速度のような情報を供給するために個々のセンシング要素のアレイ(array)を含む。プロセッサ230は、センサデータを受信し、位置オフセットを生成するために必要とされ得るようにそれを処理する。その後、無線装置200の新しい位置は、メモリ240に保存されたその最後の位置を位置オフセットで更新することにより決定され得る。あるいは、プロセッサ230がほとんどないまたは全くない追加の処理でオフセット情報を使用できるように、センサ260は位置オフセットを直接決定できる。いくつかの実施形態では、コントローラ250は、センサデータを受信し、位置更新を実行する。
【0030】
省電力イベントはプロセッサ230で任意であり、測位機能に対しての制御を維持する間、それらの頻度と期間は電池270の要求を低減するためにインテリジェントに決定される。プロセッサ230は、このように位置ロケーション受信機220に利用可能な(available)測位信号と位置ロケーション処理を実行するためのセンサ260からのデータとの間で交換する。省電力イベント中、無線装置の現在位置は、SPS信号に基づく更新と同じレートでセンサデータを使用して更新されることができ、それは、より頻繁に更新され得る。いくつかの実施形態では、更新のレートは、測定誤差が最小化されるようにセンサハードウェアと調和する。例えば、センサデータ中の測定誤差が非線形のように時間につれて増加する場合、各省電力イベント中の更新の数および頻度は、全ての測定誤差を最小化するために選択され得る。これは、電力を大事に使うと同時に、それにより無線装置200の動作時間を拡張する間、プロセッサ230に測位精度のレベルを維持させることを可能にする。
【0031】
図3は、無線装置200で使用され得るような位置ロケーションプロセッサの1の実施形態の様々な機能的ブロックを描く。したがって、次の記述は、図2の参照を継続して提供される。SPSエンジン300は、位置ロケーション受信機の動作及び位置フィックスを捕捉するための過程を制御する。これは、例えば、A−GPS情報を処理することと、ナビゲーションメッセージを復号することと、クロックを同期することと、位置フィックスを計算することを含み得る。いくつかの実施形態では、SPSエンジン300によって実行される処理は、プロセッサ230の他の要素から別々にアクティブ及び非アクティブにされ得る。例えば、SPSエンジン300は、コントローラ250のような制御装置の指示で有効(enabled)/無効(disabled)にされ得る。
【0032】
品質/不確実性モジュール310は、SPSエンジン300によって得られる測位データに関する情報を決定する。この情報は、SPS信号の品質を含むことができ、その信号に基づく測位中の不確実性を反映できる。例えば、品質は、測位信号の信号対雑音比によって1のレベルで測定され得る。別のレベルでは、品質は、可視の衛星の数及びそれに従うクロック及び位置オフセットを確立するために利用可能なデータ量に基づき得る。いくつかの実施形態では、品質は、特定のSPS内の測定精度に影響すると知られた多くの要因を量る推定アルゴリズムに基づき得る。
【0033】
イベント生成器320は、省電力イベントのタイミング及び期間を決定するための要因のモジュールである。ある場合では、省電力イベントのタイミングは、SPSエンジン300及び品質/不確実性モジュール310からの情報に基づく。例えば、SPSエンジン300が測位信号が利用可能ではないことを示す場合、SPSとの通信が可能であるまで、イベント生成器320は、省電力イベントを出さなくてもよい。この方法で、プロセッサ320は、省電力イベントを生成する前に、測位データの両方のソース、SPS測位信号及び内蔵センサからのデータが利用可能であることを判断する。
【0034】
1つの実施形態では、イベント生成器320は、一定間隔で省電力イベントを出す。省電力イベントは、同じまたは異なる期間を有し得る。例えば、プロセッサ230は、電池270の電力レベルが、省電力イベントが無線装置200の動作時間の拡張に望まれるポイントに達したこと、を検出できる。信頼できる位置フィックスが得られた後、イベント生成器320は、省電力イベントを出し始めることができる。省電力イベント中、(コントローラ250のような)制御要素は、位置ロケーション受信機を非アクティブにでき、SPSエンジン300及び品質/不確実性モジュール310の動作をサスペンドできる。
【0035】
これらの要素がサスペンドされる、または非アクティブにされる間、位置更新モジュール330は、センサ260からの入力に基づいて無線装置200の位置を更新する。図4を参照して、位置更新モジュール330にデータを供給できる典型的なセンサ260がここでは述べられる。現在の実施形態では、センサ260は、相対的な位置を決定するためのマイクロエレクトロメカニカル(MEMS)デバイスのアレイを含む。MEMSセンサ400−420は、位置更新モジュール330によって処理するためのデータを供給する。センサデータに基づいて、無線装置200の位置の相対変化は決定され得る。個々のセンサデバイスのアレイとして示されるが、センサの1以上を組み合わせることができる、または追加のセンサが開示の範囲から逸脱することなく加えることができることは理解され得る。さらに、以前に言及されたこととして、センサ260は、異なるタイプのセンサデータを示す個別の信号をプロセッサ230に供給でき、または、センサデータは、センサ260が生データの代わりに位置オフセット情報をプロセッサ230に供給するように、事前処理され得る。
【0036】
加速度計400は、動作期間における無線装置200の加速度を決定する。これは、ピエゾ抵抗の(piezoresistive)特性を使用してキャパシタンスの変化を測定することにより、または他の方法により遂行され得る。ある場合には、加速度計の出力が、加速度の大きさだけを表わし、その方向を含まない。ジャイロスコープ410は、移動の方向を供給する。同様に、高度計420は、高度の変化を示す信号を供給する。例えば、センサ260は、固定測定間隔(fixed measurement intervals)でそれらの値を更新できる。各測定間隔の後、加速度計400は測定間隔の間に経験される加速度の大きさを示すことができ、これに反して、ジャイロスコープ410及び高度計420は指向性の要素を供給できる。したがって、位置更新モジュール330は、置換ベクトル(displacement vector)を形成するために指向性の要素を使用し、速度を決定するために加速度を積分できる。その後、無線装置200の最後の位置は、新しい位置を決定するために置換ベクトルで更新され得る。したがって、センサ400−420の組合せは、三次元中の位置の相対変化を決定することを可能にする。
【0037】
位置更新モジュール330は、センサ260からのデータを受信し、位置オフセットを決定する。示された実施形態では、例えば、位置更新モジュール330は、ジャイロスコープ410及び高度計420からの追加情報を使用して、加速度計400からのデータを速度ベクトルに変換するための積分関数を含み得る。一旦センサデータが変換されると、位置更新モジュール330は、位置オフセットを、更新された位置を決定するために無線装置の最後の位置と組み合わせる。位置更新モジュール330は、繰り返しセンサデータを受信し、位置オフセットを決定し、省電力イベント中に無線装置200の最後の位置を調節できる。いくつかの実施形態では、他の実施形態で更新のレートがセンサ260の特性と調和している間、位置更新モジュール330は、SPS位置更新と同じレートでその更新を実行する。さらに別の実施形態では、更新のレートは、暫定的な(interim)測位の希望精度にしたがって決定される。センサ260は、一般的に、位置ロケーション受信機220、SPSエンジン300及び品質/不確実性モジュール310の組合せより少ない電力を何度も消費するので、電池寿命は、測位能力を維持する間に延ばされる。
【0038】
いくつかの実施形態では、各省電力イベントは、所定期間を有する。この期間は、測位精度の希望レベルを含むいくつかの要因に基づき得る。例えば、イベント生成器320は、一旦位置ロケーション受信機220が復活されれば、センサ260の精度及び位置フィックスを捕捉するために必要な時間に基づいて省電力イベントの期間(または「スリープ期間(sleep interval)」と呼ばれる)を決定できる。例えば、70メートル以内の測位精度が望まれることを仮定する。さらに、品質/不確実性モジュール310が最後のSPS位置フィックスが30メートル以内で正確であることを推定することを仮定する。最悪のシナリオの下では、センサ260が毎秒およそ5メートルの測位誤差を導入すれば、その場合、理論上、スリープ期間は、8秒までの間続くことができる。しかしながら、一般的な条件下では、新しい位置を捕捉するのに3秒かかるならば、その場合、最大のスリープ期間は、5秒に減らされる。したがって、イベント生成器320は、新しいフィックスを捕捉するため、及びその品質/不確実性を決定するための十分な間隔によって分離される各々5秒続く省電力イベントを出すことができる。
【0039】
イベント生成器320は、さらに、いくつかの要因に基づいて省電力イベントのタイミング及び期間を変えることができる。いくつかの実施形態では、イベント生成器320は、品質/不確実性モジュール310によって確立された閾値の一部に基づいてスリープ期間を決定する。品質/不確実性モジュール310は、測位信号を使用して決定される位置精度を示す誤差推定アルゴリズムを実施できる。イベント生成器320は、外部の測位データが捕捉される頻度、スリープ期間の存続期間または両方のうちのいずれかを確立するために、このアルゴリズムの結果を使用できる。
【0040】
例えば、誤差推定が精度が悪いことを示す場合、イベントジェネレータ320は、時々、測位データが衛星または他の測位システムから捕捉される頻度を増加できる。他方では、誤差推定が精度がよいことを示す場合、測位データが捕捉される頻度は電池寿命を延ばすために低減され得る。同様のやり方で、イベント生成器320は、精度が悪いという推定に基づいてスリープ期間の長さを低減でき、精度が良いと予想される場合、それを増加できる。1つの実施形態では、イベント生成器320は、所定間隔における誤差推定を平均し、平均誤差推定に基づくスリープ期間の長さまたは省電力イベントの頻度を調節する。
【0041】
図5は、位置ロケーション方法の1つの実施形態したがって実行される処理動作500のフローチャートである。方法は、移動局110または無線装置200のような無線装置によって実行され得る。
【0042】
ブロック510では、1以上の測位信号の有効性(availability)が決定される。例えば、GPS対応の装置では、これは1以上の衛星からのナビゲーションメッセージ及び/またはセルラ基地局、擬似ライト(pseudo-lites)または他の地上ソースからの測位信号を受信すること含み得る。十分な測位信号が利用可能であることが決定されれば、処理はブロック520に続く。
【0043】
次に、ブロック520では、位置フィックスは、測位信号に基づいて得られる。これは、2次元または3次元空間のいずれかの中で、無線装置に関する座標(coordinates)を決定するための測位信号からのデータを使用することを含み得る。1つの実施形態では、SPSエンジンは、無線装置の現在位置を決定するための非衛星ソース(non-satellite sources)からの利用可能であり得る情報とSPS受信機からの測位データとを組み合わせる。GPSの例を継続して、ブロック520は、自律(autonomous)またはスタンドアローン(standalone)モード中で動作する無線装置によって実行され得る。
【0044】
ブロック530では、位置フィックスが得られた場合、SPS受信機は非アクティブにされ、SPSエンジンはスリープ期間の長さの間、無効にされる。これは、例えば、省電力イベントに対する応答で生じることができ、または、それは、プログラム可能なタイマーによって制御され得る。いくつかの実施形態では、消費電力をさらに低減するために位置フィックスが得られた後、他の要素も電力を低減できる。例えば、一般的な条件によって、RF送信機も非アクティブにされ得る。
【0045】
ブロック540では、相対的な測位データは1以上のセンサから得られる。センサデータは、ジャイロスコープ及び加速度計のような1以上の低電力MEMSデバイスからの信号を含み得る。いくつかの実施形態では、センサデータは、位置ロケーションプロセッサがその意味(meaning)を解釈することを可能にするプロトコルに一致する(conforms)。そのような場合、センサの数およびタイプは、利用可能なデータを位置オフセットに変換するために責任のある位置ロケーションプロセッサに応じて変わり得る。あるいは、無線装置は、位置オフセットが位置ロケーションプロセッサに供給されるようなインターフェースを含み得る。他の実施形態では、センサの数およびタイプは固定される。
【0046】
次に、ブロック550では、相対的な測位データは、無線装置の現在位置を更新するために使用される。これは、メモリからの最後の位置を検索することと、センサデータに基づいてそれを調節することを含み得る。いくつかの実施形態では、位置更新が測定雑音(measurement noise)を低減するために実行される前に、センサデータはフィルタされる(filtered)。判定ブロック560は、スリープ期間が終了したかどうかを判断する。例えば、スリープ期間は固定期間を有することができ、その終わり(end)は、プログラム可能なタイマーの終了によって、または、コントローラまたは他の処理要素からの信号によって示され得る。スリープ期間が終了した場合、処理はブロック570に続く。そうでなければ、新しいセンサデータが得られ、ブロック540−560が繰り返される。
【0047】
ブロック570では、SPS受信機及びSPSエンジンはアクティブにされ、無線装置の新しい位置を捕捉する準備がなされる。全てのSPSサブシステムが動作し、測位信号が検出されるまで、位置更新がセンサデータに基づいて続くように、ブロック570の処理はブロック540−560と重複することができる。ブロック580では、位置ロケーション方法は終了する。
【0048】
図6は、典型的な位置ロケーション方法にしたがって実行される処理600のフローチャートである。方法は、移動局110または無線装置200のような無線装置によって実行され得る。
【0049】
ここで記載される方法では、最初の決定は、無線装置の電源ソースに関してブロック610でなされる。いくつかの状況では、無線装置は、自動車電池から電力を受信でき、または、それは、電力を大事に使うことが重要な事柄でないような電気的なグリッド(electrical grid)に接続され得る。例えば、無線装置は、電流センサ、または、それが外部電源から動作しているかどうかを示すようなハードウェアを含むことができる。無線装置が外部ソースによって電力供給されれば、処理は、判定ブロック620から最後のブロック670に移り、省電力イベントは生成されない。
【0050】
判定ブロック620では、無線装置がその電池によって電力供給されることが判断されれば、処理はブロック630に続く。この点では、1以上の測位信号の有効性が判断される。測位信号は位置フィックスを得るために使用される。十分な測位信号が利用可能でなければ、その場合、処理は、判定ブロック640から最後のブロック670に移り、省電力イベントは生成されない。
【0051】
十分な測位信号が利用可能なものとして検知されれば、その場合、ブロック650では、さらなる決定は、信号品質が所定の閾値を超えるかどうかについてなされる。低い信号品質は、例えば、信頼できる測位に関する十分な測位データ、または環境条件による測位データ、を捕捉する際の困難さを示し得る。そのような場合、電力を大事に使うことを試みることなく信頼できる測位データが利用可能であるまで待つことは望ましいかもしれない。したがって、低い信号品質の条件下では、処理は判定ブロック650から最後のブロック670に移り、省電力イベントは生成されない。ブロック655では、位置フィックスは得られ、ブロック660では、全ての先の条件が満たされる場合、省電力イベントは生成される。以前に示されたように、省電力イベントは、SPS受信機を非アクティブにすることを含むことができ、1以上のモジュールはSPS信号を処理した。いくつかの実施形態では、ネットワークベースの測位に関係のある機能も省電力イベントの間サスペンドされる。
【0052】
図7は、位置ロケーション方法の1つの実施形態にしたがう位置処理700のフローチャートである。位置処理700は、省電力イベント中にその位置を更新するため、及び省電力イベントがいつ終了されるべきかを決定するために移動局110または無線装置200のような無線装置によって実行され得る。
【0053】
ブロック710では、センサデータは処理するために受信される。センサデータは、ここで議論されるように、特定の時間間隔の間に無線装置の位置の相対変化に関する情報を供給する。データは、1以上の所定のセンサから受信されることができ、または、それは、例えば、位置ロケーションプロセッサでセンサデータを交換するためのプロトコルによって伝えられ得るような異なる能力を備える任意数のセンサのから受信され得る。
【0054】
次に、ブロック720では、位置オフセットは、受信されたセンサデータに基づいて計算される。1つの実施形態では、置換ベクトルは、測定間隔中に得られる加速度データから決定される。例えば、加速度データは、速度に変換されることができ、速度は、無線装置に関して決定される最後の位置をオフセットするために使用され得る。そのような場合、もし必要ならば、ジャイロスコープ及び高度計は速度の方向要素を供給できる。したがって、センサデータは、測定間隔中に無線の位置の相対変化を反映するオフセットを生成するために使用される。ブロック730では、無線装置の最後の位置は、更新される位置を生成するためにブロック720で計算されたオフセットを使用して調節される。
【0055】
累積的な測位誤差は、省電力イベントの間追跡される(tracked)。いくつかの実施形態では、センサデータに基づいて無線装置の位置が調節されるごとに、誤差推定は更新される。例えば、最初に、誤差推定は、位置更新の基準(basis)として与える位置フィックスを得るために使用される測位信号における不確実性に基づき得る。その後、それは、誤差推定が時間に応じて増加し、各位置更新が累積的な測位誤差を反映するように、センサの測位精度に基づいて修正され得る。
【0056】
ブロック750では、決定は誤差推定が所定の閾値を超えたかどうかに関してなされる。とりわけ、閾値は、ナビゲーションのような特定のアプリケーションに基づいて、または非常時のサービス必要条件(emergency services requirements)に適合するように設定され得る。異なるアプリケーションは、それらの対応する誤差閾値に順番に(in turn)反映され得る測位精度の異なる程度を要求できる。例えば、わずか30メートルの測位誤差はナビゲーションの目的に必要とされ得るが、75メートル以内の精度は、非常時のロケーション目的(emergency location purposes)に十分であり得る。あるいは、ユーザは、延長された電池寿命に関して、頻繁を抑えた更新(less frequent updates)(より長いスリープ期間)の形で精度をトレードオフすること(trading off)により、所望の測位精度のレベルを設定できる。
【0057】
誤差閾値を超えたことが判断されれば、処理は、判定ブロック750から最終ブロック760に移る。ブロック760では、省電力イベントは終了し、新たな外部の測位データが得られ得る。誤差閾値を超えなければ、更新処理はブロック770に続く。示されるように、新たなセンサデータが得られ、ブロック710からこの方法は繰り返す。
【0058】
ここに開示される実施形態に関して記述された様々な実例となる論理ブロック、モジュール及び回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、縮小化命令コンピュータ(Reduced Instruction Set Computer)(RISC)プロセッサ、特定用途向けIC(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブルロジックデバイス、個別ゲートまたはトランジスタロジック、個別ハードウェア構成要素、またはここに記述された機能を実行するために設計された任意の組合せで実施または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであり得、しかし代わりとして、プロセッサは、任意のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラまたはス状態機械(state machine)であり得る。プロセッサも、コンピューティング装置の組み合わせ、例えばDSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数個のマイクロプロセッサ、DSPコアと協働する1以上のマイクロプロセッサ、またはそのような構成の任意の他の組合せとして実施され得る。
【0059】
ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、不揮発性メモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROMまたは既知の技術の記憶媒体の他の形式に存在し得る。典型的な記憶媒体は、プロセッサが情報を記憶媒体から読み出し、情報を記憶媒体に書き込むようにプロセッサにつながれる。別の方法では、記憶媒体はプロセッサに集積され得る。
【0060】
ここに開示される実施形態に関して記述された方法、プロセスまたはアルゴリズムのステップは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールまたはこの2つの組合せで直接的に具体化され得る。方法またはプロセス中の様々なステップまたは動作は、示された順番で実行されることができ、または、別の順番で実行されることもできる。加えて、1以上のプロセスまたは方法のステップは省略されることができ、または、1以上のプロセスまたは方法のステップは方法及びプロセスに加えることもできる。付加的なステップ、ブロックまたは動作は、方法及びプロセスの既存の部分の始め、終わり、間に加えられ得る。
【0061】
開示される実施形態の上記の記述は、いかなる当業者も開示内容を作り出せる、または使用できるように、提供される。これらの実施形態に対する様々な変形は、当業者にとって容易に明白であろう。ここに定義された一般法則は、開示の意図または範囲を逸脱することなく、他の実施形態に適用され得る。したがって、この開示は、ここに示された実施形態に限定されるようには意図されないが、ここに開示された法則及び新規な特徴と一致する最も広い範囲が与えられるだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星測位システム(SPS)受信機で測位信号の有効性を検出することと、
モバイル機器の位置を決定するために前記測位信号を処理することと、
前記測位信号が利用可能なものとして検出される場合、省電力イベントに応じて前記測位信号の処理をサスペンドすることと、
前記測位信号の処理がサスペンドされている間、少なくとも1つのセンサからのデータに基づいて、前記モバイル機器の前記位置を更新することと、
前記省電力イベントに続いて前記測位信号の処理を再開すること、
を備える前記SPS受信機を有する前記モバイル機器における電力消費を低減する方法。
【請求項2】
前記測位信号の前記有効性を検出することは、前記測位信号の品質を決定することをさらに含む請求項1の方法。
【請求項3】
前記測位信号の前記品質が所定閾値を超えない場合、前記測位信号は利用不可能なものとして検出される請求項2の方法。
【請求項4】
前記測位信号を使用して決定される前記位置の精度を推定することをさらに含む請求項1の方法。
【請求項5】
前記推定された前記位置の精度に基づいて前記省電力イベントの頻度を調整することをさらに含む請求項4の方法。
【請求項6】
前記推定された前記位置の精度に基づいて省電力イベントの期間を調整することをさらに含む請求項4の方法。
【請求項7】
前記測位信号の処理をサスペンドすることは、前記モバイル機器のSPS処理エンジンを不能にすることと、前記省電力イベントの期間に前記SPS受信機を非アクティブにすることを含むことを請求項1の方法。
【請求項8】
前記省電力イベントは、一定間隔で生じる請求項1の方法。
【請求項9】
前記省電力イベントの期間は、前記少なくとも1つのセンサの精度に従って確立される請求項1の方法。
【請求項10】
前記省電力イベントの期間は、前記更新された位置の測位誤差が所定値を超えないように決定される請求項1の方法。
【請求項11】
前記モバイル機器の電源を検出することと、
前記電源が前記モバイル機器の一部として含まれる電池として検出される時、省電力イベントを生成すること、
をさらに含む請求項1の方法。
【請求項12】
前記省電力イベントの期間は、前記少なくとも1つのセンサの精度及び前記測位信号の有効性を検出するための前記SPS受信機に関して必要な時間に基づく請求項1の方法。
【請求項13】
前記モバイル機器の前記位置を更新することは、
前記少なくとも1つのセンサからデータを収集することと、
前記センサデータに基づいて位置オフセットを決定することと、
前記位置オフセットを使用して前記モバイル機器の最後の位置を調整すること、
をさらに含む請求項1の方法。
【請求項14】
前記モバイル機器の前記位置を更新することは、
前記少なくとも1つのセンサからの前記データを使用して移動の大きさ及び方向を含む前記モバイル機器の速度を決定することと、
前記速度に基づいて前記モバイル機器の最後の位置を調整すること、
をさらに含む請求項1の方法。
【請求項15】
前記SPS受信機が前記省電力イベントに続く前記測位信号の有効性を検出するまで、前記少なくとも1つのセンサからのデータに基づいて前記モバイル機器の前記位置を更新することを続けることをさらに含む請求項1の方法。
【請求項16】
前記1以上のセンサは、加速度計、ジャイロスコープ及び高度計を含むグループから選択される請求項1の方法。
【請求項17】
前記1以上のセンサは、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)デバイスを含む請求項1の方法。
【請求項18】
1以上の測位信号の有効性を検出するように構成された衛星測位システム(SPS)受信機と、
無線装置の位置の相対変化を決定するためのデータを生成するように構成された1以上のセンサと、
前記SPS受信機及び前記1以上のセンサにつながれ、前記測位信号を使用して前記無線装置の現在位置を決定するように構成された位置ロケーションプロセッサと、
前記測位信号が利用可能なものとして検出される場合、前記SPS受信機を非アクティブにするように、前記SPS受信機が非アクティブにさている間、位置ロケーションプロセッサに前記1以上のセンサからの前記データに基づいて前記無線装置の前記位置を更新させるように構成されたコントローラと、前記SPS受信機を復活させるように、前記位置ロケーションプロセッサにスリープ期間に続く前記無線装置の現在位置を決定させるように構成された前記コントローラと、
を備える無線装置。
【請求項19】
前記コントローラは、前記位置ロケーションプロセッサに前記スリープ期間の期間に前記測位信号の処理をサスペンドさせる請求項18の無線装置。
.
【請求項20】
前記測位信号が利用可能なものとして検出される場合、前記コントローラは周期的に前記SPS受信機を非アクティブにする請求項18の無線装置。
【請求項21】
前記位置ロケーションプロセッサは、前記測位信号の品質を決定する請求項18の無線装置。
【請求項22】
前記品質が所定の閾値を超えない場合、前記測位信号は、利用不可能なものとして検出される請求項21の無線装置。
【請求項23】
前記コントローラは、前記測位信号の前記品質に基づいて前記スリープ期間の長さを調整する請求項21の無線装置。
【請求項24】
前記位置ロケーションプロセッサは、前記測位信号を使用して決定された前記位置の精度を推定する請求項18の無線装置。
【請求項25】
前記コントローラは、前記測位信号を使用して決定された前記位置の前記推定された精度に基づいて前記スリープ期間の長さを調整する請求項24の無線装置。
【請求項26】
前記スリープ期間の期間は、前記1以上のセンサからの前記データの精度に基づく請求項18の無線装置。
【請求項27】
前記スリープ期間の長さは、前記更新された位置の測位誤差が所定値を超えないように決定される請求項18の無線装置。
【請求項28】
電池をさらに備え、前記コントローラは、前記電池の電力レベルに基づいて前記SPS受信機を非アクティブにする請求項18の無線装置。
【請求項29】
前記スリープ期間の長さは、前記1以上のセンサの精度及び前記測位信号の前記有効性を検出するための前記SPS受信機に関して必要な時間に従って決定される請求項18の無線装置。
【請求項30】
前記コントローラは、前記位置ロケーションプロセッサに前記スリープ期間の間に前記少なくとも1つのセンサからの前記データに基づいて前記無線装置の前記位置を繰り返し更新させる請求項18の無線装置。
【請求項31】
前記少なくとも1つのセンサからの前記データは、前記無線装置の加速度を含み、前記位置ロケーションプロセッサは、前記加速度を前記無線装置の速度に変換し、前記無線装置の前記位置を更新するために前記速度を使用する請求項18の無線装置。
【請求項32】
前記少なくとも1つのセンサは、加速度計、ジャイロスコープ及び高度計を含むグループから選択される請求項18の無線装置。
【請求項33】
前記少なくとも1つのセンサは、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)デバイスを含む請求項18の無線装置。
【請求項34】
送信機をさらに含み、前記無線装置は通信サービスプロバイダに前記更新された位置を送信する請求項18の無線装置。
【請求項35】
衛星測位システム(SPS)受信機で測位信号の有効性を検出すること、
前記測位信号に基づいてモバイル機器の現在位置を決定することと、
前記現在位置の誤差を推定することと、
前記現在位置の前記誤差が所定の閾値を超えない場合、前記SPS受信機を非アクティブにすることと、
前記SPS受信機が非アクティブにされている間、更新された位置を得るために少なくとも1つのアナログセンサからのデータに基づいて時々前記現在位置を調節することと、
前記更新された位置の累積誤差に基づいて前記SPS受信機をアクティブにすること、
を備える前記SPS受信機を有する無線装置中の電力消費を低減する方法。
【請求項36】
前記累積誤差は、前記少なくとも1つのアナログセンサからの前記データの精度及び前記SPS受信機が非アクティブにされる時間に基づく請求項35の方法。
【請求項37】
前記無線装置の電源を検出することと、
前記電源が前記無線装置の電池として検出される場合のみ、前記SPS受信機を非アクティブにすること、
をさらに含む請求項35の方法。
【請求項38】
前記少なくとも1つのアナログセンサからの前記データを位置オフセットに変換することをさらに含み、前記更新された位置は、前記無線装置の最後の位置と前記位置オフセットとを組み合わせることにより得られる請求項35の方法。
【請求項39】
前記測位信号が利用可能なものとして検出され、前記誤差推定が前記所定の値を超えない限り、一定間隔で前記SPS受信機をアクティブ及び非アクティブにすることをさらに含む請求項35の方法。
【請求項40】
前記SRS受信機で測位信号の有効性を検出するための手段と、
前記モバイル機器の位置を決定するために前記測位信号を処理するための手段と、
前記測位信号が利用可能なものとして検出される場合、省電力イベントに応じて前記測位信号を処理することをサスペンドするだめの手段と、
前記測位信号を処理することがサスペンドされている間、少なくとも1つのセンサからのデータに基づいて前記モバイル機器の前記位置を更新するための手段と、
前記省電力イベントに続く前記測位信号の処理を再開するための手段と、
を備える無線装置。
【請求項41】
前記測位信号の品質を決定するための手段をさらに含み、前記測位信号の前記品質が所定の閾値を超えない場合、前記測位信号は利用不可能なものとして検出される請求項40の無線装置。
【請求項42】
前記更新された位置の測位誤差が所定の値を超えないように、前記省電力イベントを決定するための手段をさらに含む請求項40の無線装置。
【請求項43】
前記少なくとも1つのセンサからのデータを収集するための手段と、
前記センサデータに基づいて位置オフセットを決定するための手段と、
前記位置オフセットを使用して前記モバイル機器の前記最後の位置を調整するための手段と、
をさらに含む請求項40の無線装置。
【請求項44】
1以上の測位信号の有効性の検出することと、
前記測位信号に基づいて無線装置の現在位置を決定することと、
省電力イベントのタイミングおよび期間を決定することと、
SPS受信機を非アクティブにすることと、前記測位信号が利用可能なものとして検出され、前記現在位置が得られる場合、前記省電力イベントに応じて前記測位信号の処理をサスペンドすることと、
前記無線装置の前記位置の相対変化を代表するセンサデータを得ることと、
前記省電力イベントの間に前記センサデータに基づいて時々前記無線装置の前記位置を更新することと、
前記SPS受信機をアクティブにすることと、前記省電力イベントの後、前記測位信号の処理を再開すること、
のステップを1以上のプロセッサによって実行される場合、前記1以上のプロセッサに実行させるための命令を含む1以上の命令の1以上のシーケンスであって、無線装置の前記位置を決定するための前記1以上の命令の前記1以上のシーケンスを伝えるコンピュータ可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−520131(P2011−520131A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509576(P2011−509576)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/043328
【国際公開番号】WO2009/140168
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】