説明

低pH構造化界面活性剤組成物

水性の、低pH構造化(structured)界面活性剤の組成物であって、該組成物の100質量部を基準として、アニオン性リン酸エステル界面活性剤、アニオン性スルホン酸界面活性剤及びアニオン性カルボン酸界面活性剤から選択した一又は二以上のアニオン性界面活性剤を約3質量部〜約40質量部含み、ここで該組成物は、約5より低いpHを示し、せん断減粘性(shear-thinning viscosity)を示し、かつ水に不溶の又は部分的に水に可溶の成分を懸濁させることが可能である、組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は界面活性剤組成物、特に低pH構造化液体界面活性剤組成物に関係する。
【背景技術】
【0002】
構造化界面活性剤組成物は、せん断減粘性(shear-thinning viscosity)を示しそして物理的に水に不溶の又は部分的に水に可溶の成分を懸濁させる能力を有する、ポンプのように流れ出すことができる(pumpable)流動性の組成物である。概して、この界面活性剤相は球晶、すなわち、水性溶液から形成した層状の液滴である。
【0003】
構造化界面活性剤組成物はシャンプー、ボディウォッシュ、ハンドソープ、ローション、クリーム、コンディショナー、シェービング製品、フェーシャルウォッシュ(洗顔料)、中和シャンプー(neutralizing shampoo)及びスキントリートメントのようなパーソナルケア用途において有用であり、液体洗剤、洗濯洗剤、塗装面クレンザー、食器用液体洗剤、トイレ洗剤のようなホームケア用途において有用であり、そして油田のような他の用途及び農薬用途において有用である。
【0004】
パーソナルケア市場向けの構造化界面活性剤組成物は概して約5〜7の範囲のpHを示す。既知の構造化界面活性剤組成物で使用される界面活性剤は、多くの場合、低pHの系において使用するには不安定であり、これは約5より低いpHではこのような組成物の標準的な成分が不安定になりそして効果がなくなるからである。
【0005】
いくつかの用途において、低pHの水性組成物に水に不溶の又は部分的に水に可溶の成分を懸濁させることは望ましいであろう。例えば、米国特許第6,416,768号は低pH組成物に活性成分を組み入れるために油中水型エマルジョンを使用することを開示する。しかしながら、油中水型エマルジョンは親油性薬剤だけを懸濁することが可能であり、そして概して時間がたつと安定性が制限されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
要求されるものは標準的な構造化界面活性剤特性、すなわちせん断減粘性及び低pHで水に不溶の又は部分的に水に可溶の成分を懸濁させる能力、を提供する構造化界面活性剤組成物である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一の態様では、本発明は、水性の、低pH構造化界面活性剤の組成物であって、組成物の100質量部(「pbw」)を基準として、アニオン性リン酸エステル界面活性剤、アニオン性スルホン酸界面活性剤及びアニオン性カルボン酸界面活性剤から選択した一又は二以上のアニオン性界面活性剤を約3pbw〜約40pbw含み、ここで組成物は約5より低いpHを示し、せん断減粘性(shear-thinning viscosity)を示し、そして水に不溶の又は部分的に水に可溶の成分を懸濁させることが可能である、組成物を対象にする。
【0008】
第二の態様では、本発明は、水性の、低pH組成物であって:
アニオン性リン酸エステル界面活性剤、アニオン性スルホン酸界面活性剤及びアニオン性カルボン酸界面活性剤から選択した一又は二以上のアニオン性界面活性剤及び水を含み、そしてせん断減粘性(shear-thinning viscosity)を示す、連続的な構造化界面活性剤相並びに、
構造化界面活性剤相中に懸濁した、水に不溶の又は部分的に水に可溶の一又は二以上の成分を含み、
約5より低いpHを示す組成物を対象にする。
【0009】
第三の態様では、本発明は、水性の、低pH組成物であって、少なくとも実質的に識別できる少なくとも二つの相を含み、少なくとも一つのこの相が、アニオン性リン酸エステル界面活性剤、アニオン性スルホン酸界面活性剤及びアニオン性カルボン酸界面活性剤から選択した一又は二以上のアニオン性界面活性剤及び水を含み、かつせん断減粘性を示す構造化界面活性剤相であり、ここで約5より低いpHを示す組成物を対象にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
粘性に関連してここで使用されるとおり、専門用語「せん断減」はせん断速度の増加に伴ってこのような粘性が減少することを意味する。せん断減は、例えば水(これは粘性がせん断速度によって決まらない)のような古典的なニュートン流体と異なるという点で、「非ニュートン」挙動として特徴づけられることがある。
【0011】
水性の組成物に関連してここで使用されるとおり、専門用語「水に不溶の又は部分的に水に可溶の成分」はこの成分が水性の組成物中にこの成分の溶解限度を超えた濃度で存在し、水に不溶の成分の場合は、この成分が水性の組成物中で実質的に非溶解(non-dissolved)のままでありそして、部分的に水に可溶の成分の場合は、このような成分の少なくとも一部が水性の組成物中で溶解されていない(undissolved)ままであることを意味する。
【0012】
ここで使用されるとおり、水に不溶の又は部分的に水に可溶の成分を「懸濁させることが可能な(capable of suspending)」又は「懸濁することが出来る(able to suspend)」という水性の組成物の特徴付けは、この組成物がこのような成分が組成物中で浮揚すること又はこのような成分がこのような組成物中で沈むことに実質的に抵抗し、このような組成物中でこのような成分が中立的な浮揚性であるように見えそしてこのような低pHの水性の組成物に関して予期されるプロセス、貯蔵、及び使用条件下で少なくとも実質的にこのような組成物中で懸濁したままであることを意味する。
【0013】
低pHの水性の組成物の成分に関連してここで使用されるとおり、専門用語「化学的に安定」はこのような低pHの水性の組成物に関して予期されるプロセス、貯蔵、及び使用条件下でこの成分が少なくとも実質的に分解しないままであることを意味する。
【0014】
ここで使用されるとおり、専門用語「層状の相」は平行に並べられかつ液体媒体によって分離された界面活性剤の複数の二重層を含む相を意味する。層状の相は、例えば、小角X線測定によって又は交差分極顕微鏡下での複屈折の形跡によって探知できる。層状の相は球状の相と液晶G相の典型的な形態の両方、さらにそれらの混合物を含む。時折文献においてLα相として言及される「G相」は概してポンプのように流れ出すことができる、非ニュートン性の、異方性の製品であり、これは浮かない様子でありそして流れる際に特徴のある「汚れた(smeary)」外観を示す。層状の相はいくつかの異なる形態で存在することが可能であり、これには上述した典型的なG相のバルクを構成する平行シートの領域(domain)及び多数の集中した球面殻から形成した球晶が含まれ、各々は界面活性剤の二重層である。この明細書において「G相」という用語は少なくとも部分的に前者のタイプである組成物のためのものである。球晶は概して直径0.1〜50μmでありそしてそのため根本的にミセルとは異なる。ミセル溶液と違って、球状の組成物は概して異方性でありそして非ニュートン性である。密集している場合に、球晶は良好な固体懸濁特性を有し、そして水に不溶の又は部分的に水に可溶の固体、液体及び/又は気体を界面活性剤組成物の連続的な母体中で懸濁させ分離した非連続的な相として混和(incorporation)することを可能にする。
【0015】
ある実施態様において、本発明の組成物は約1.5から約5未満のpHを示し、より一般的には、約2から約4.5、さらには約3から約4を示す。
【0016】
ある実施態様において、本発明の構造化界面活性剤の組成物は、組成物の100pbwを基準として、約3pbwから約40pbw、より一般的には約5から約30pbw、そしてさらには約8から約20pbwの一又は二以上のアニオン性界面活性剤を含む。
【0017】
本発明のアニオン性界面活性剤成分として好適な化合物はアニオン性リン酸界面活性剤、例えばモノアルキルリン酸界面活性剤及びジアルキルリン酸界面活性剤、アニオン性スルホン酸界面活性剤、例えば線状アルキルベンゼンスルホン酸界面活性剤、アルファオレフィンスルホン酸界面活性剤及びパラフィンスルホン酸界面活性剤、並びにアニオン性カルボン酸界面活性剤、例えばアルキルエーテルカルボン酸界面活性剤、さらにそれらの混合物である。ある実施態様において、このようなモノアルキルリン酸界面活性剤、ジアルキルリン酸界面活性剤、線状アルキルベンゼンスルホン酸界面活性剤及びアルキルエーテルカルボン酸界面活性剤のアルキル置換基は(C〜C24)アルキル基であり、これらは分枝状又は直鎖状であってもよい。そしてこれらのアルファオレフィンスルホン酸界面活性剤のアルファオレフィン置換基はエチレン型(ethylenically)不飽和(C〜C24)アルキル基であり、これらは分枝状又は直鎖状であってもよい。本発明のアニオン性界面活性剤成分として好適なアニオン性界面活性剤は、例えば、ラウリルリン酸、セチルリン酸、トリデシルリン酸、ベヘニルリン酸、ラウレス−2リン酸、セテス−3リン酸、トリデセス−4リン酸、トリデセス−6リン酸、ベヘネス−4リン酸、ジラウリルリン酸、ジセチルリン酸、ジトリデシルリン酸、ジベヘニルリン酸、ジラウレス−2リン酸、ジパレス−3リン酸、ジセテス−4リン酸、ジトリデセス−4リン酸、ジトリデセス−6リン酸、ジベヘネス−6リン酸、トリデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ラウレス−3カルボン酸、トリデセス−7カルボン酸、セテス−4カルボン酸、ベヘネス−5カルボン酸又はそれらの混合物であり、このアニオン性界面活性剤は酸(中和されていない形態)の中の配合として又は中和された塩として含まれてもよい。
【0018】
中和したときに、任意のアニオン性界面活性剤のカチオンは概してナトリウムであるが代わりにカリウム、リチウム、マグネシウム、アンモニウム、(C〜C)アルキルアンモニウム又は(C〜C)アルカノールアンモニウム、例えばイソプロピルアンモニウム、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム及びトリエタノールアンモニウムであってもよい。アンモニウム及びエタノールアンモニウム塩は概してナトリウム塩よりも溶けやすい。上記のカチオンの混合物が使用されてもよい。
【0019】
ある実施態様において、アニオン性界面活性剤は一又は二以上のリン酸エステル、例えば、Dermalcare MAP L−210(ラウレス−2リン酸)及びRhodifac RS−410(トリデセス−4リン酸)の中和されていない酸を含む。このような界面活性剤は、水に分散したときに、構造化物(structurant)を必要とせずに、すぐに低pHで層状の相を形成する。この層状の相を形成する性向は低pH構造化液体配合物を配合する際にこのような界面活性剤を特に有用なものとする。
【0020】
ある実施態様において、本発明の構造化界面活性剤組成物は随意的に少なくとも有効な量の一又は二以上の構造化剤(structuring agent)を含む。低pHで化学的安定性を有することができる好適な構造化剤はカチオン性界面活性剤、例えばアミン塩、第四級アンモニウム化合物及びアミン酸化物、非イオン性界面活性剤、例えば脂肪アルコール、エトキシル化アルコール及び脂肪酸、並びに電解質を含む。このような構造化剤の有効な量は、水に不溶の又は部分的に水に可溶の成分を懸濁させることが可能であるせん断減の相の形成に役立つことができる量である。
【0021】
好適なカチオン性界面活性剤は既知の化合物である。予期される最終使用用途で使用できそして求められる配合pHで化学的に安定な任意のカチオン性界面活性剤は本発明の組成物の構造化成分(structurant component)として好適であり、例えば、以下の式(1)によるカチオン性界面活性剤を含む:
【0022】
【化1】

【0023】
ここで:R、R、R及びRは独立して水素、有機基であり、ただし少なくとも一つのR、R、R及びRは水素ではなく、そしてXはアニオンである。
【0024】
一つから三つのR基が水素である場合、この化合物はアミン塩として言及されてもよい。カチオン性アミンのいくつかの例はポリエトキシル(2)オレイル/ステアリルアミン、エトキシル牛脂アミン、ココアルキルアミン、オレイルアミン及び牛脂アルキルアミンを含む。
【0025】
第四級アンモニウム化合物(概してクアット(quat)として言及される)の場合、R、R、R及びRは同じ又は異なる有機基であってもよいが、水素であってはならない。ある実施態様においてR、R、R及びRはそれぞれ(C〜C24)分枝状又は直鎖状であり、これらは付加的な官能基、例えば、脂肪酸又はそれらの誘導体を含んでもよく、これらはアルコキシル基、アルキルアミド基、芳香環、リン酸基、エポキシ基及びヒドロキシル基を伴う脂肪酸並びに脂肪酸のエステルを含んでいる。窒素原子もまたヘテロ環のまたは芳香環の系、例えばセテチルモルホリニウムエトサルフェート又はステアピリウム塩化物の部分であってもよい。
【0026】
好適なアニオンは、例えば、塩化物、臭化物、メトサルフェート、エトサルフェート、乳酸塩、サッカリネート、アセテート又はリン酸塩を含む。
【0027】
モノアルキルアミン誘導体型の第四級アンモニウム化合物の例は以下を含む:セチルトリメチル臭化アンモニウム(CETAB又は臭化セトリモニウムとしても知られる)、セチルトリメチル塩化アンモニウム(塩化セトリモニウムとしても知られる)、ミリスチルトリメチル臭化アンモニウム(臭化ミルトリモニウム又はクオタニウム−13としても知られる)、ステアリルジメチルベンジル塩化アンモニウム(塩化ステアラルコニウムとしても知られる)、オレイルジメチルベンジル塩化アンモニウム(塩化オレアルコニウムとしても知られる)、ラウリル/ミリストリルトリメチルアンモニウムメトサルフェート(ココトリモニウムメトサルフェートとしても知られる)、セチル−ジメチル−(2)ヒドロキシエチルアンモニウム二水素リン酸(ヒドロキシエチルセチルジモニウムリン酸としても知られる)、バスアミドプロピルコニウム塩化物、ココトリモニウム塩化物、ジステアリルジモニウム塩化物、麦芽−アミドプロパルコニウム塩化物、ステアリルオクチルジモニウムメトサルフェート、イソステアルアミノプロパル−コニウム塩化物、ジヒドロキシプロピルPEG−5リノールアミニウム塩化物、PEG−2ステアルモニウム塩化物、クオタニウム18、クオタニウム80、クオタニウム82、クオタニウム84、ベヘントリウモニウム塩化物、ジセチルジモニウム塩化物、ベヘントリモニウムメトサルフェート、牛脂トリモニウム塩化物及びベヘンアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート。
【0028】
ジアルキルアミン誘導体型の第四級アンモニウム化合物の例は以下を含む:
ジステアリルジモニウム塩化物、ジセチルジモニウム塩化物、ステアリルオクチルジモニウムメトサルフェート、二水素化パルモイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、ジオレオイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、ヒドロキシプロピルビステアリルジモニウム塩化物及びそれらの混合物。
【0029】
イミダゾリン誘導体型の第四級アンモニウム化合物は、例えば、イソステアリルベンジルイミドニウム塩化物、ココイルベンジルヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩化物、ココイルヒドロキシエチルイミダゾリニウムPG−塩化リン酸、クオタニウム32、及びステアリルヒドロキシエチルイミドニウム塩化物及びそれらの混合物を含む。
【0030】
好適なカチオン性界面活性剤は、例えば、アミン塩例えばポリエトキシル化(2)オレイル/ステアリルアミン、エトキシル化牛脂アミン、ココアルキルアミン、オレイルアミン、及び牛脂アルキルアミン又は第四級アンモニウム化合物例えばセチルトリメチル臭化アンモニウム(CETAB又は臭化セトリモニウムとしても知られる)、セチルトリメチル塩化アンモニウム(塩化セトリモニウムとしても知られる)、ミリスチルトリメチル臭化アンモニウム(臭化ミルトリモニウム又はクオタニウム−13としても知られる)、ステアリルジメチルベンジル塩化アンモニウム(塩化ステアラルコニウムとしても知られる)、オレイルジメチルベンジル塩化アンモニウム(塩化オレアルコニウムとしても知られる)、ラウリル/ミリストリルトリメチルアンモニウムメトサルフェート(ココトリモニウムメトサルフェートとしても知られる)、セチル−ジメチル−(2)ヒドロキシエチルアンモニウム二水素リン酸(ヒドロキシエチルセチルジモニウムリン酸としても知られる)、バスアミドプロピルコニウム塩化物、ココトリモニウム塩化物、ジステアリルジモニウム塩化物、麦芽−アミドプロパルコニウム塩化物、ステアリルオクチルジモニウムメトサルフェート、イソステアルアミノプロパル−コニウム塩化物、ジヒドロキシプロピルPEG−5リノールアミニウム塩化物、PEG−2ステアルモニウム塩化物、クオタニウム18、クオタニウム80、クオタニウム82、クオタニウム84、ベヘントリウモニウム塩化物、ジセチルジモニウム塩化物、ベヘントリモニウムメトサルフェート、牛脂トリモニウム塩化物及びベヘンアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート、ジステアリルジモニウム塩化物、ジセチルジモニウム塩化物、ステアリルオクチルジモニウムメトサルフェート、二水素化パルモイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、ジオレオイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、ヒドロキシプロピルビステアリルジモニウム塩化物、イソステアリルベンジルイミドニウム塩化物、ココイルベンジルヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩化物、ココイルヒドロキシエチルイミダゾリニウムPG−塩化リン酸、クオタニウム32、及びステアリルヒドロキシエチルイミドニウム塩化物、及びそれらの混合物を含む。
【0031】
加えて、アミン酸化物は低pHでのカチオンの性質に起因して構造化剤として使用されてもよい。好適なアルキルアミン酸化物の具体例は、例えば、ラウラミン酸化物、コカミン酸化物、コカミドプロピルアミン酸化物、及びラウラミドプロピルアミン酸化物を含んでもよい。
【0032】
非イオン性界面活性剤は既知である。予期される最終使用用途で使用できそして求められる配合pHで化学的に安定な任意のカ非イオン性界面活性剤は本発明の組成物の構造化成分として好適である。
【0033】
好適な脂肪アルコールは、例えば、(C10〜C22)飽和又は不飽和の分枝状又は直鎖状アルコール、例えば、デシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール及びリノレニルアルコールを含む。
【0034】
好適なエトキシル化アルコールはアルコキシル化した、概してエトキシル化した、(C10〜C22)飽和又は不飽和の分枝状又は直鎖状アルコールの誘導体を含み、これらは、平均して、エトキシル化アルコール例えば、ラウレス−1、ラウレス−2、ラウレス−4、ラウレス−5、ラウレス−7、ラウレス−9、トリデセス−1、トリデセス−2、トリデセス−3、(C11〜C15)パレス−3、(C12〜C13)パレス−5、(C14〜C15)パレス−9の分子あたり1から22のアルコキシル単位を含んでもよい。
【0035】
好適な脂肪酸は(C10〜C22)飽和又は不飽和酸、例えば、ラウリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ミリスチン酸、セテアリン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、エライジン酸、アリキドン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、又はそれらを中和化したものを含む。
【0036】
本発明の組成物の構造化成分として好適な電解質は多価アニオンの塩、例えばピロリン酸カリウム、トリポリリン酸カリウム、及びクエン酸ナトリウム又はカリウム、アルカリ土類金属例えば塩化カルシウム、臭化カルシウム、さらにハロゲン化亜鉛、塩化バリウム及び硝酸カルシウムを含んでいる多価カチオンの塩、アルカリ金属又はハロゲン化アンモニウム、例えば塩化カリウム、塩化ナトリウム、ヨウ化カリウム、臭化ナトリウム及び臭化アンモニウムを含んでいる一価のアニオンを伴う一価のカチオンの塩、アルカリ金属又はアンモニア硝酸塩、並びにポリ電解質、例えばキャップされていないポリアクリル酸、ポリマレイン酸、又はポリカルボン酸、スルホン酸リグニン又はナフタレンスルホネートとホルムアルデヒドのコポリマーを含む。
【0037】
概して、溶解性に関して存在するアニオン性界面活性剤の量が多いほど、固体材料を懸濁させることができる構造を形成するために及び/又は構造化した界面活性剤の軟凝集を引き起こすために必要な構造化物の量は少なくなる。せん断減粘性を示し、そして水に不溶の又は部分的に水に可溶の成分を懸濁させることが可能である構造化した界面活性剤組成物の形成を促進するために十分な量のこの構造化物が、一又は二以上のアニオン性界面活性剤と組み合わせて、組み込まれ、そして別々に加えられてもよく又はこの配合物に加えられる他の原材料の一つに含まれてもよい。
【0038】
ある実施態様において、本発明の構造化界面活性剤組成物は、この構造化界面活性剤組成物の100pbwを基準として、約40pbwまでの、特に約0.5〜約25pbwの、そしてさらに約1〜約10pbwの一又は二以上の構造化剤を含む。
【0039】
別の実施態様において、本発明の構造化界面活性剤組成物は、層状の相を形成するための構造化物を必要としない。
【0040】
ある実施態様において、本発明の構造化界面活性剤組成物は、有効量未満の構造化剤を含む。別の実施態様において、本発明の構造化界面活性剤組成物は、構造化物を含まない。
【0041】
本発明の組成物は、アニオン性界面活性剤及び構造化剤として使用される任意のカチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び/又は電解質に加えて、随意的に一又は二以上のカチオン性界面活性剤、一又は二以上の非イオン性界面活性剤、一又は二以上の電解質、一又は二以上の両性界面活性剤、一又は二以上の両性イオン界面活性剤、又はそれらの混合物をさらに含む。このような随意的なカチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び/又は電解質はそれぞれ独立に構造化物として作用する最小の有効量を超えた量で存在してもよい。
【0042】
上述したカチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び電解質はまたそれぞれ随意的に付加するカチオン性界面活性剤、非イオン性、及び電解質としても好適である。
【0043】
好適な両性イオン界面活性剤は既知の化合物である。予期される最終使用用途で使用できそして求められる配合pHで化学的に安定な任意の両性イオン界面活性剤は本発明の組成物の随意的な両性イオン界面活性剤の成分として好適であり、例えば、脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム及びスルホニウム化合物の誘導体として広く説明され得るものを含み、ここで脂肪族ラジカルが直鎖状または分枝状でありそして脂肪族置換基の一つは約8から約24の炭素原子を含みそして一つはアニオン性の水に可溶な基例えばカルボキシル基、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩又はホスホン酸を含む。好適な両性イオン界面活性剤の具体例はアルキルベタイン、例えば、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルアルファ−カルボキシ−エチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマ−カルボキシプロピルベタイン、及びラウリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)アルファ−カルボキシエチルベタイン、アミドプロピルベタイン、及びアルキルスルタイン、例えばココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン及びアルキルアミドプロピルヒドロキシスルタインを含む。
【0044】
好適な両性界面活性剤は既知の化合物である。予期される最終使用用途で使用できそして求められる配合pHで化学的に安定な任意の両性界面活性剤は本発明の組成物の随意的な両性界面活性剤の成分として好適であり、例えば、化合物として広く説明され得るものを含み、ここで脂肪族ラジカルが直鎖状または分枝状でありそして脂肪族置換基の一つは約8から約24の炭素原子を含みそして一つはアニオン性の水に可溶な基例えばカルボキシル基、スルホン酸塩、リン酸塩又はホスホン酸を含む。好適な両性界面活性剤の具体例はアルキルプロピオネート、例えばココアムホプロピオネート、ラウロアムホプロピオネート、トリデシルアムホプロピオネート、オレイルアムホプロピオネート、カプリルアムホプロピオネート、ベヘニルアムホプロピオネート、ジプロピオネート例えばココアムホジプロピオネート、ラウロアムホジプロピオネート、トリデシルアムホジプロピオネート、オレイルアムホジプロピオネート、カプリルアムホジプロピオネート、ベヘニルアムホジプロピオネート、及び両性スルホネート例えばココアムホヒドロキシプロピルスルホネート、ラウロアムホヒドロキシプロピルスルホネート、トリデシルアムホヒドロキシプロピルスルホネート、オレイルアムホヒドロキシプロピルスルホネート、カプリルアムホヒドロキシプロピルスルホネート、ベヘニルアムホヒドロキシプロピルスルホネートを含む。
【0045】
ある実施態様において、本発明の組成物は、組成物及び構造化剤として使用される任意の界面活性剤を含めた100pbwの基準として、総量が約0.1〜約20pbwの、特に約0.5〜約15pbwの、さらに約1〜約10pbwの一又は二以上のカチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び/又は両性イオン界面活性剤を含む。
【0046】
ある実施態様において、構造化した界面活性剤組成物は、界面活性剤と水とを結合しそして混合することによって、そして随意的にpHを調節しその後任意の随意的な構造化物を添加することによって作製される。混合は、均一な溶液を形成する必要性に応じて適用されてもよい。
【0047】
ある実施態様において、構造化界面活性剤は高せん断ミキサー又はホモジナイザーのような既知の混合装置での高せん断混合に曝される。
【0048】
せん断減粘性は既知の粘度測定法例えば回転粘度計(例えばブルックフィールド粘度計)を使用して測定される。ある実施態様において、本発明の組成物は、適当なスピンドルを備えたブルックフィールド回転粘度計を約0.1〜60rpm(分あたりの回転数)の回転速度で使用して測定する際に、せん断減挙動を示す。
【0049】
本発明の組成物は水に不溶の粒子又は部分的に水に可溶の成分、例えば植物油、鉱物油、シリコーン油、固体粒子、砥材、及び類似の品を懸濁させることが可能である。この組成物は界面活性剤混合物中に成分を組み込む手段を提供し(これ以外のやり方では界面活性剤混合物中に成分を組み込むことが困難である)、洗浄、保湿、皮膚感触の改善、剥離作用/表皮剥離、いままでにない外観、又はこれらのメリットの組合せを場合により含んでいる多くの機能性メリットを伴う化粧品調製を結果的にもたらす。
【0050】
組成物の水に不溶の又は部分的に水に可溶の成分を懸濁させる能力は概して組成物を組成物中に気泡が閉じこめられるように十分な勢いで攪拌し、その後定められた時間例えば12〜24時間、定められた環境条件下例えば室温で、気泡が組成物中に閉じこめられたままであるかを視覚的に観察することによって評価する。ある実施態様において、本発明の組成物は、少なくとも1週間、そして特には少なくとも3ヶ月、気泡を懸濁させることが可能である。少なくとも12時間室温で気泡を懸濁させることが可能である組成物は概してこのような組成物に期待されるプロセス、貯蔵及び使用条件下で水に不溶の又は部分的に水に可溶の成分を組成物中に懸濁させることが概してできるとみなされる。空気以外の成分に対して、その興味のある成分を使用する類似の懸濁試験を実施することによって、空気懸濁試験の結果を確認すべきである。通常の厳しいプロセス、貯蔵及び使用条件に対して、さらに厳しいテストが適当な場合もある。
【0051】
ある実施態様において、水に不溶の又は部分的に水に可溶の成分を懸濁させる能力はさらに厳しい条件下で評価される。すなわち、混合した試料は、この試料を一又は二以上の凍結/融解サイクル(ここで各凍結/融解サイクルは10℃で12時間と25℃で12時間からなる)に曝した後で視覚的に評価される。ある実施態様において、本発明の組成物は一回の凍結/融解サイクルの後で、特には三回の凍結/融解サイクルの後で、気泡を懸濁させることができるままである。
【0052】
ある実施態様において、本発明の組成物は一又は二以上の水に不溶の又は部分的に水に可溶の成分をさらに含む。このような成分は固体、液体又は気体の形態であってもよく、そして水に不溶の又は部分的に水に可溶の化学的に安定な有効成分(benefit agent)、例えばパーソナルケア用途の場合では、柔軟化粧水(emollient)、コンディショナー(conditioner)、保湿剤(moisturizer)、ビタミン(vitamin)、 ビタミン派生物(vitamin derivative) 、抗紫外線剤(anti-UV agent)、抗生物質(antibacterial agent)、抗真菌剤(antifungal agent)、日焼け促進剤(tanning accelerator)、老化防止剤(anti- aging agents)、シワ取り剤(anti-wrinkle agents)、制汗剤(antiperspirants)、脱臭剤(deodorants)、エッセンシャルオイル(essential oils)、香料(fragrance)、空気、又は砥材から選択した一又は二以上の材料、及び水に不溶の又は部分的に水に可溶の化学的に安定な外観修正添加剤、例えば着色された又は反射する粒子又はビーズを含んでもよい。
【0053】
別の実施態様において、本発明の組成物は、第一の相(それ自身が多数の相を含み、この相は上述したような水性の相、層状の界面活性剤相及び球状の相を含む)を形成する本発明による構造化界面活性剤成分(すなわち、水及びアニオン性リン酸エステル界面活性剤、アニオン性スルホン酸界面活性剤、及びアニオン性カルボン酸界面活性剤から選択した一又は二以上のアニオン性界面活性剤を含む成分)並びに少なくとも実質的にこのような第一の相と識別できる一又は二以上の付加的な相をさらに含む組成物を含む。本発明の多相の実施態様の相に関連してここで使用されるように、「実質的に識別できる」という術語は、相がそれぞれ実質的に与えられた相内で均質な特性を示すことそしてこの相は少なくとも一の特徴又は性質、例えば、視覚的な特徴、例えば色、透明度、真珠光沢性、又は物理的/化学的性質、例えば粘度、潤滑性、及び/又は有効成分の含有量に関して異なることを意味する。
【0054】
ある実施態様において、この構造化界面活性剤成分は、せん断減粘度を示しかつ水に不溶の又は部分的に水に可溶の成分を懸濁させることができる第一の相を形成する。
【0055】
ある実施態様において、この構造化界面活性剤成分は、せん断減粘度を示しかつ水に不溶の又は部分的に水に可溶の成分を懸濁させることができる第一の相を形成し、そしてこの組成物は少なくとも実質的にこのような第一の相と識別ができかつせん断減粘度を示さず及び/又は水に不溶の又は部分的に水に可溶の成分を懸濁させることができない少なくとも一の付加的な相を含む。
【0056】
ある実施態様において、この構造化界面活性剤成分は、せん断減粘度を示しかつ水に不溶の又は部分的に水に可溶の成分を懸濁させることができる第一の相を形成し、そしてこの組成物は少なくとも実質的にこのような第一の相と識別ができかつせん断減粘度を示しかつ水に不溶の又は部分的に水に可溶の成分を懸濁させることができる少なくとも一の付加的な相、例えば本発明による付加的な構造化界面活性剤成分を含む。
【0057】
ある実施態様において、この構造化界面活性剤成分は第一の相を形成しそしてこの組成物は少なくとも実質的にこのような第一の相と識別できる少なくとも一つの付加的な相を含み、ここで各相は連続的な相でありそしてこれらの相は互いに隣接して配置されている。
【0058】
ある実施態様において、この構造化界面活性剤成分は第一の相を形成しそしてこの組成物は少なくとも実質的にこのような第一の相と識別できる少なくとも一つの付加的な相を含み、ここでこのような相の一つは連続的な相であり、他方の相は非連続的な相であり、そしてこの非連続的な相は連続的な相内に分散されているか又は隣接して配置されている。
【0059】
ある実施態様において、この構造化界面活性剤成分は第一の相を形成しそしてこの組成物は少なくとも実質的にこのような第一の相と視覚的に識別できる少なくとも一つの付加的な相を含み、例えば、ここで少なくとも一の付加的な相は第一の相に懸濁した水に不溶の不透明な成分である。
【0060】
ある実施態様において、本発明の組成物は二つの識別可能な相を含み、ここで各相は連続的な相でありかつ各相は互いに隣接して配置されている。
【0061】
ある実施態様において、本発明の組成物は二つの識別可能な相を含み、ここで一の相は連続的な相であり他方の相は非連続的な相でありかつ非連続的な相は連続的な相に対して隣接して配置されているか又は連続的な相内に分散されている。
【0062】
ある実施態様において、本発明の組成物は二つの識別可能な相を含み、ここで各相は連続的な相でありかつこの二つの相は互いに相互貫入ネットワーク状に配置されている。
【0063】
ある実施態様において、本発明の組成物は二つまたは三以上の視覚的に識別可能な相、例えば、交互に視覚的に識別可能な縞状の外観を示す二つまたは三以上の視覚的に識別可能な相を含む。
【0064】
本発明の組成物は、例えば、シャンプー、ボディウォッシュ、ハンドソープ、ローション、クリーム、コンディショナー、シェービング製品、フェーシャルウォッシュ(洗顔料)、中和シャンプー(neutralizing shampoo)及びスキントリートメントのようなパーソナルケア用途において有用であり、液体洗剤、洗濯洗剤、塗装面クレンザー、食器用液体洗剤、トイレ洗剤のようなホームケア用途において有用であり、そして油田のような他の用途及び農薬用途において有用である。
【0065】
ある実施態様において、本発明の組成物はパーソナルケア組成物である。
【0066】
ある実施態様において、本発明の構造化界面活性剤組成物はパーソナルケア組成物として有用である。
【0067】
ある実施態様において、本発明のパーソナルケア組成物は本発明による構造化界面活性剤組成物及び水性のキャリアー(carrier)を含む。
【0068】
ある実施態様において、本発明のパーソナルケア組成物は一又は二以上の化学的に安定な有効成分、例えば柔軟化粧水(emollient)、保湿剤(moisturizer)、コンディショナー(conditioner)、スキンコンディショナー(skin conditioner)、ヘアコンディショナー(hair conditioner)、ビタミン(vitamin)又はそれらの派生物(derivative)、抗酸化物質(antioxidant)、フリーラジカル補足剤(free radical scavenger)、砥材(abrasive)、染料(dye)、ヘアカラー剤(hair coloring agent)、ブリーチ剤(bleaching agent)、ヘアブリーチ剤(hair bleaching agent)、抗紫外線剤(anti-UV agent)、紫外線吸収剤(UV absorber)、抗菌剤(antimicrobial agent)、抗生物質(antibacterial agent)、抗真菌剤(antifungal agent)、メラニン調節剤(melanin regulator)、日焼け促進剤(tanning accelerator)、色素除去剤(depigment agent)、スキンカラー剤(skin-coloring agent)、 脂肪調節剤(liporegulators)、減量剤 (weight-reduction agents)、抗原剤 (anti-acne agents)、抗脂漏剤(antiseborrhoeic agents)、老化防止剤(anti- ageing agents)、シワ取り剤(anti-wrinkle agents)、角質溶解剤(keratolytic agents)、抗炎症剤(anti-inflammatory agents)、リフレッシュ剤(refreshing agents)、瘢痕形成剤(cicatrizing agents)、小脈管保護剤(vascular-protection agents)、制汗剤(antiperspirants)、脱臭剤(deodorants)、免疫賦活剤(immunomodulators)、栄養剤(nourishing agents)、脱毛対策剤(agents for combating hair loss)、パーマウェーブ用還元剤(reducing agents for permanent-waving)、エッセンシャルオイル(essential oils)、香料(fragrance)をさらに含む。
【0069】
ある実施態様において、本発明のパーソナルケア組成物は、酸、例えば、アスコルビン酸、サリチル酸、アルファ−ヒドロキシ酸、ベータ−ヒドロキシ酸、随意的にラクトン形態であるアルファ−ケト酸、コジック酸、コーヒー酸、フィジック酸(physic acid)、キナ酸、ベンゼン−1、4−ビス(3−メチリデンカンファースルホン酸)、グリコール酸、乳酸、マンデル酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、アスコルビン酸、サリチル酸、ゲンチシン酸、ホモゲンチジン酸、及びピルビン酸、亜鉛ピリチオン、ビタミンB、ビタミンAアセテート、シリコーン溶液、有機ケイ素材料、例えばシリコーン・ゴム、ポリオルガノシロキサン溶液、及び架橋ポリオルガノシロキサン樹脂、炭化水素品質改良剤、例えばペトロラタム、鉱物油、及びゲル状鉱物油、濃化及び/又はメリットのあるポリマー、例えばサクシノグリカン(Rhodia社Rheozan)、メチルセルロース製品、例えばカルボキシメチルセルロースゴム(Aualon社Aqualon CMC−7HOF)、加工デンプン例えばナトリウムヒドロキシプロピルスターチリン酸(Grain Processing社 Pure−Gel 980 及びPure−Gel 998)、加工ポテトスターチ(National Starch社 Structure−Solanace)、アクリレートコポリマー例えばアクリレート/アミノアクリレート/C10−30アルキルPEG−20 イタコネートコポリマー(National Starch社 Structure−Plus)、カチオン性ポリマー(Ciba社 Rheovis CSP、Rheovis CDE、Rheovis CDP)、ポリアクリルイミドメチルプロパンスルホネート/ポリクオタニウム−4(ISP社 Plexagel ASC)、疎水性の修飾した非イオン性ポリマー(Rohm&Haas社 Acusol 880、Acusol 882)から選択した一又は二以上の化学的に安定な有効成分をさらに含む。
【0070】
ある実施態様において、本発明のパーソナルケア組成物は、約40pbwまでの、特には約0.1〜約40pbwの、さらには約0.3〜約20pbwの、さらに約0.5〜10pbwの一又は二以上の化学的に安定な有効成分をさらに含む。
【0071】
本発明のパーソナルケア組成物は、随意的に、他の内容物、例えば、保存料、例えばベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン及びイミダゾーリジニル尿素、粘度調整剤、電解質、例えば塩化ナトリウム、及び硫酸ナトリウム、pH調整剤例えばクエン酸、コハク酸、リン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び炭酸ナトリウム、香料、着色剤、及び封鎖剤、例えばエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムをさらに含む。
【0072】
概して、本発明のパーソナルケア組成物は、パーソナルケア組成物の100pbwを基準としそしてこのような内容物それぞれに対して独立に、約10pbwまでの、好ましくは0.5pbwから約5.0pbwのこのような他の内容物を、このパーソナルケア組成物の望ましい特性に応じて、随意的に含んでもよい。
【実施例】
【0073】
例1〜3
例1〜3の組成物を表Iに記載した成分の相対量を混合することによって作製し、そしてそれらを実験室の環境温度で一晩置いた。概して、リン酸モノアルキル(「MAP」)成分を最初に水に溶解し、続いて適用可能なpH調整剤を溶解した。すべての量は組成物100pbwあたりのpbwとして示す。混合した組成物は閉じこめられた気泡を含んでいることを視覚的に観察した。
【0074】
【表1】

【0075】
一晩置いた後で試料が閉じこめられた気泡を含んでいたという視覚的観察に基づいて、例1〜3の組成物はそれぞれ空気を懸濁させることができると評価した。例1〜3の組成物はそれぞれ1回の凍結/融解サイクル(−10℃で12時間そして25℃で12時間)に曝し、そして凍結融解サイクルに曝した後で試料が閉じこめられた気泡を含んでいたという視覚的観察に基づいて、凍結融解サイクルの後に空気を懸濁させる能力を維持していると評価した。
【0076】
例4〜7
例4〜7の組成物を表IIに記載した成分の相対量を混合することによって作製し、そしてそれらを実験室の環境温度で一晩置いた。概して、MAPエステルを水に溶解し、続いて適用可能なpH調整剤を溶解した。すべての量は組成物100pbwあたりのpbwとして示す。
【0077】
【表2】

【0078】
例1〜3の組成物に関連して上述した手順を使用して、例4〜7の組成物を空気を懸濁させる能力について評価し、そしてそれぞれが空気を懸濁させることができること及び凍結/融解サイクルの後に空気を懸濁させる能力を維持していることが分かった。
【0079】
例8〜10
例8〜10の組成物を表IIIに記載した成分の相対量を混合することによって作製し、そしてそれらを実験室の環境温度で一晩置いた。概して、MAPエステルを水に溶解し、続いて適用可能なpH調整剤、他の界面活性添加剤及び塩添加剤を溶解した。すべての量は組成物100pbwあたりのpbwとして示す。
【0080】
【表3】

【0081】
例1〜3の組成物に関連して上述した手順を使用して、例8〜10の組成物を空気を懸濁させる能力について評価し、そしてそれぞれが空気を懸濁させることができること及び凍結/融解サイクルの後に空気を懸濁させる能力を維持していることが分かった。
【0082】
例11〜12
例11〜12の組成物を表IVに記載した成分の相対量を混合することによって作製し、そしてそれらを実験室の環境温度で一晩置いた。概して、MAPエステルを水に溶解し、続いて適用可能なpH調整剤を溶解した。すべての量は組成物100pbwあたりのpbwとして示す。
【0083】
【表4】

【0084】
例1〜3の組成物に関連して上述した手順を使用して、例11〜12の組成物を空気を懸濁させる能力について評価し、そしてそれぞれが空気を懸濁させることができること及び凍結/融解サイクルの後に空気を懸濁させる能力を維持していることが分かった。
【0085】
例13〜15
例13〜15の組成物を表Vに記載した成分の相対量を混合することによって作製し、そしてそれらを実験室の環境温度で一晩置いた。概して、MAPエステルを水に溶解し、続いて適用可能なpH調整剤、非イオン性界面活性剤及び塩化ナトリウムを溶解した。すべての量は組成物100pbwあたりのpbwとして示す。
【0086】
【表5】

【0087】
例1〜3の組成物に関連して上述した手順を使用して、例13〜15の組成物を空気を懸濁させる能力について評価し、そしてそれぞれが空気を懸濁させることができること及び凍結/融解サイクルの後に空気を懸濁させる能力を維持していることが分かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性の、低pH構造化(structured)界面活性剤の組成物であって、該組成物の100質量部を基準として、アニオン性リン酸エステル界面活性剤、アニオン性スルホン酸界面活性剤及びアニオン性カルボン酸界面活性剤から選択した一又は二以上のアニオン性界面活性剤を約3質量部〜約40質量部含み、ここで該組成物は、約5より低いpHを示し、せん断減粘性(shear-thinning viscosity)を示し、かつ水に不溶の又は部分的に水に可溶の成分を懸濁させることが可能である、組成物。
【請求項2】
前記アニオン性界面活性剤がモノアルキルリン酸界面活性剤、ジアルキルリン酸界面活性剤、線状アルキルベンゼンスルホン酸界面活性剤、アルファ−オレフィンスルホン酸界面活性剤、パラフィンスルホン酸界面活性剤、アルキルエーテルカルボン酸界面活性剤及びそれらの混合物から選択される、請求項1に記載された組成物。
【請求項3】
前記組成物の少なくとも一部が層状形態にある、請求項1に記載された組成物。
【請求項4】
カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、電解質及びそれらの混合物から選択した構造化剤をさらに含んでなる、請求項1に記載された組成物。
【請求項5】
アミン塩、第四級アンモニウム化合物、アミン酸化物、脂肪アルコール、エトキシル化アルコール、脂肪酸、電解質及びそれらの混合物から選択した構造化剤をさらに含んでなる、請求項1に記載された組成物。
【請求項6】
前記組成物の100質量部を基準として、約0.5〜約25質量部の構造化剤を含んでなる、請求項1に記載された組成物。
【請求項7】
非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、カチオン性界面活性剤及びそれらの混合物から選択した界面活性剤をさらに含んでなる、請求項1に記載された組成物。
【請求項8】
請求項1に記載された構造化界面活性剤組成物を含んでなる、パーソナルケア組成物。
【請求項9】
シャンプー、ボディウォッシュ、ハンドソープ、ローション、クリーム、コンディショナー、シェービング製品、フェーシャルウォッシュ(洗顔料)及びスキントリートメントから選択される、請求項8に記載されたパーソナルケア組成物。
【請求項10】
組成物中に懸濁した、水に不溶の又は部分的に水に可溶の一又は二以上の成分をさらに含んでなる、請求項8に記載されたパーソナルケア組成物。
【請求項11】
一又は二以上の有効成分(benefit agent)をさらに含んでなる、請求項8に記載されたパーソナルケア組成物。
【請求項12】
一又は二以上の有効成分(benefit agent)が、柔軟化粧水、保湿剤、コンディショナー、スキンコンディショナー、ヘアコンディショナー、ビタミン又はそれらの誘導体、抗酸化物質、フリーラジカル捕捉剤(free radical scavenger)、スクラブ材(abrasive)、染料、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、ヘアブリーチ剤、抗紫外線剤、紫外線吸収剤、抗菌剤(antimicrobial agent)、抗生物質(antibacterial agent)、抗真菌剤(antifungal agent)、メラニン調節剤(melanin regulator)、日焼け促進剤、色素除去剤(depigment agent)、スキンカラー剤、 脂肪調節剤(liporegulators)、減量剤 、抗原剤 (anti-acne agents)、抗脂漏剤(antiseborrhoeic agents)、老化防止剤、シワ取り剤、角質溶解剤(keratolytic agents)、抗炎症剤(anti-inflammatory agents)、リフレッシュ剤、瘢痕形成剤(cicatrizing agents)、小脈管保護剤(vascular-protection agents)、制汗剤、脱臭剤、免疫賦活剤(immunomodulators)、栄養剤(nourishing agents)、脱毛対策剤(agents for combating hair loss)、パーマウェーブ用還元剤(reducing agents for permanent-waving)、エッセンシャルオイル、香料及びそれらの混合物から選択される、請求項11に記載されたパーソナルケア組成物。
【請求項13】
パーソナルケア組成物の100質量部を基準として、約0.1〜約40質量部の有効成分(benefit agent)を含んでなる、請求項8に記載されたパーソナルケア組成物。
【請求項14】
二又は三以上の視覚的に識別できる相を含んでなる、請求項8に記載された組成物。
【請求項15】
二又は三以上の相が縞のように見える、請求項8に記載された組成物。
【請求項16】
水性の、低pH組成物であって:
アニオン性リン酸エステル界面活性剤、アニオン性スルホン酸界面活性剤及びアニオン性カルボン酸界面活性剤から選択した一又は二以上のアニオン性界面活性剤及び水を含み、そしてせん断減粘性(shear-thinning viscosity)を示す、連続的な構造化界面活性剤相並びに、
構造化界面活性剤相中に懸濁した、水に不溶の又は部分的に水に可溶の一又は二以上の成分を含み、
約5より低いpHを示す組成物。
【請求項17】
水性の、低pH組成物であって、少なくとも実質的に識別できる少なくとも二つの相を含み、ここで少なくとも一つのこのような相が、アニオン性リン酸エステル界面活性剤、アニオン性スルホン酸界面活性剤及びアニオン性カルボン酸界面活性剤から選択した一又は二以上のアニオン性界面活性剤及び水を含み、かつせん断減粘性(shear-thinning viscosity)を示す構造化界面活性剤相であり、かつここで約5より低いpHを示す組成物。

【公表番号】特表2008−510847(P2008−510847A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527971(P2007−527971)
【出願日】平成17年8月17日(2005.8.17)
【国際出願番号】PCT/US2005/029240
【国際公開番号】WO2006/023548
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(598109291)ローディア インコーポレイティド (41)
【Fターム(参考)】