作業機のキャビン窓構造
【課題】 窓枠フレームの構成に簡単な改造を施すことによって、開口面積を十分に確保しながら、開閉ハンドル等を取付けるに安定した姿勢の窓透明部を得ることのできる作業機のキャビン窓構造を提供する。
【解決手段】 窓枠フレーム10に平行な状態で固定窓ガラス12と可動窓ガラス11とを装着し、窓枠フレーム10を、窓枠フレーム10が取付固定されるドアフレーム8に取り付けられる板状の取付部10Bと、可動窓ガラス11を移動自在に支持するレール部10Aとで構成する。レール部10Aにおける可動窓ガラス11を支持する内部空間を形成する壁10Cに固定窓ガラス12を取り付け固定してある。
【解決手段】 窓枠フレーム10に平行な状態で固定窓ガラス12と可動窓ガラス11とを装着し、窓枠フレーム10を、窓枠フレーム10が取付固定されるドアフレーム8に取り付けられる板状の取付部10Bと、可動窓ガラス11を移動自在に支持するレール部10Aとで構成する。レール部10Aにおける可動窓ガラス11を支持する内部空間を形成する壁10Cに固定窓ガラス12を取り付け固定してある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓枠フレームに平行な状態で固定窓透明部と可動窓透明部とを装着して、前記窓枠フレームが囲む開口面を、前記可動窓透明部と前記固定窓透明部とで閉塞する状態と、前記可動窓透明部を前記固定窓透明部の存在側に移動させて前記開口面を開放する状態とに切換可能に構成してある作業機のキャビン窓構造に関する。
【背景技術】
【0002】
窓枠フレームを取付フレームに取り付け固定するに、例えば図13に示すように、取付フレームとしての角筒状のドアフレーム8が囲む開口面側に板金製の窓枠フレーム10を配置し、この窓枠フレーム10の開口面側に向く内側面に、凹入形状のレール部10Aを形成し、このレール部10Aの一対のガイド溝a内にトリム15を取付けた固定窓透明部としての固定窓ガラス12と可動窓透明部としての可動窓ガラス12とを支持していた。
一方、窓枠フレーム10をドアフレーム8に取付固定するに、窓枠フレーム10におけるレール部10Aとは反対側に位置する側面10Dをドアフレーム8に密着する状態で配置し、ドアフレーム8と窓枠フレーム10との前記側面10Dとは異なる面で、ドア内側を向く面と、ドア外側を向く面とに亘って、接着剤兼用のゴム製コーキング剤Bを塗布して、窓枠フレーム10をドアフレーム8に接着固定していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記構成においては、ゴム製コーキング剤を介して固定窓透明部がドアフレームに支持されるので、固定窓透明部を安定して支持すると言う面で改善の余地がある。又、ドアフレームが囲む開口面側に窓枠フレームの全体が位置しているので、窓透明部としての窓ガラスの開口面積が狭くなり、窓枠フレームによって視界が遮られるといった虞もあった。
窓枠フレームがドアフレームに対してゴム製の接着剤で固定されているので、動き易く、固定窓ガラスに取付けた開閉ドアハンドルが安定しないという不具合が生ずる虞もあった。
【0004】
本発明の目的は、窓枠フレームの構成に簡単な改造を施すことによって、開口面積を十分に確保しながら、開閉ハンドル等を取付ける際に安定した姿勢の窓透明部を得ることのできる作業機のキャビン窓構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、前記窓枠フレームを、取付フレームに取り付けられる取付部と、前記可動窓透明部を移動自在に支持するレール部とで構成し、前記レール部における前記可動窓透明部を支持する内部空間を形成する壁に前記固定窓透明部を取り付け固定してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0006】
〔作用〕
固定窓透明部をレール部のガイド溝内にトリムを介して挿入するのではなく、取付フレームに取り付け固定した取付部から開口面側に延出されたレール部に、直接固定窓透明部を取り付け固定しているので、窓枠フレームを介して固定窓透明部を安定して取付フレームに直接に支持させることができる。
【0007】
〔効果〕
窓枠フレーム介して固定窓透明部を安定して取付フレームに直接に支持させることができ、長期使用に亘って安定した固定窓透明部の支持構造を得ることができる。
【0008】
〔構成〕
請求項2に係る発明の特徴構成は、前記レール部を前記窓枠フレームが囲む開口面側に突出する状態に配置し、前記取付部を前記取付フレームの側面に重なる状態に配置してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0009】
〔作用効果〕
窓枠フレームの構成として、可動窓透明部を支持するレール部のみではなく、取付フレームに対する取付部を形成してあるので、取付部を取付フレームの側面に対して重なる位置に配置することができる。
これによって、窓枠フレームの全てを取付フレームと重ならない位置に配置する必要がなく、取付部によって、視界が遮られることは少ない。
しかも、レール部を取付フレームと重ならない位置に配置しても、レール部自体には、取付フレームに対する取付部の機能を付与する必要はないので、レール部自体を小型化でき、この面でも視界を遮るものを少なくできる。
【0010】
〔構成〕
請求項3に係る発明の特徴構成は、前記取付フレームがキャビン乗降用のドアフレームであり、前記固定窓透明部に前記ドアを開閉する開閉ドアハンドルを取り付け固定し、前記可動窓透明部を前記固定窓透明部に重ねる状態に移動させて前記開口面を開放する状態に切り換えた状態で、前記可動窓透明部と前記開閉ハンドルとの干渉を回避すべく、前記可動窓透明部の一部に切り欠き部を形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0011】
〔作用効果〕
固定窓透明部に開閉ドアハンドルを取付けてあるが、可動窓透明部に切り欠き部を設けてあるので、開閉ドアハンドルとの干渉を回避して可動窓透明部を大きく移動させて固定窓透明部に対する重なり代を大きく取ることができた。
これによって、可動窓透明部を大きく移動させて開口面積を大きくすることができ、キャビン内への空気の導入を効率よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
コンバインの構成について説明する。図1に示すように、コンバインは、左右のクローラ装置1を備えた走行機体2の前端に、分草杆32、引起装置33、刈取装置34、及び、刈取穀稈を後方に搬送する縦搬送装置31を備えた刈取前処理装置3を横向き軸芯X周りで昇降自在に取り付け、刈取前処理装置3の後方走行機体上に脱穀装置5、脱穀装置5の横側方に穀粒貯留タンク6、穀粒貯留タンク6から機外に穀粒を搬出する穀粒搬出装置7、穀粒貯留タンク6の前方側で刈取前処理装置3の横側方に運転操縦部4を配置し、運転操縦部4にキャビン40を設けて、構成してある。
【0013】
キャビン40の構成について説明する。図1に示すように、キャビン40は、天井部42内にエアコン部46を備えて空調可能に構成し、前面に天井部42に近接するほど前方に突出する前面ウインド41を設け、右側面に乗降用ドアAを設けて、構成してある。
【0014】
乗降用ドアAについて説明する。図2に示すように、乗降用ドアAは、取付フレームとしてのドアフレーム8を配置し、このドアフレーム8の後端側の後ドアーフレーム部8Bに取付けた上下一対のヒンジ9を介してキャビン40の側壁に揺動開閉自在に取付けてある。ドアフレーム8のキャビン40の内部空間に向かう内面側には、前後両ドアーフレーム部8A、8Bに亘って架設された棒状のハンドル16が設けられている。
【0015】
図2及び図3に示すように、ドアフレーム8の四辺に沿った状態で、窓枠フレーム10が配置してあり、この窓枠フレーム10の四辺が夫々ドアフレーム8の四辺に取付固定される。つまり、窓枠フレーム10は、ドアフレーム8のキャビン外側に向かう面に接着固定される板状の取付部10Bと、その取付部10Bから内向きに延出されたレール部10Aとからなる。
【0016】
図2〜図5に示すように、レール部10Aは、チャンネル状に配置された壁面で囲まれた凹入部を形成し、凹入部を可動窓透明部としての可動窓ガラス11をスライド移動可能に支持するガイド溝aとして機能させている。
前記ガイド溝aを囲む状態に平行に形成されている壁におけるキャビン40の内部空間に向かう内側壁10Cを設け、その内側壁10Cのキャビン40の内部空間に向かう内向き側面に、固定窓透明部としての固定窓ガラス12を、接着剤17を介して固定してある。
【0017】
図2に示すように、ドアフレーム8は、後ドアーフレーム部8Bの下半部8bが下端側ほど前方側に向けて直線的に傾斜する姿勢になっており、前ドアーフレーム部8Aの下半部8aが、下端側ほど前方側に向けて円弧状を呈する姿勢になっている。運転操縦座席の下方に配置されているエンジン(図示せず)との干渉を回避すべく、ドアフレーム8を前方に偏位させながら開口面積を大きく採れる構成を採っている。
【0018】
図2に示すように、窓枠フレーム10もドアフレーム8と同様に形状を取っており、後ドアーフレーム部8Bの直線的に傾斜する部分と前ドアーフレーム部8Aの円弧状部分とに沿った形状に構成されている。
ドアーフレーム8において、前記した直線的に傾斜する部分と円弧状部分との上端より上方側では、前ドアーフレーム部8Aと後ドアーフレーム部8Bとが平行に上方に延出されている。
窓枠フレーム10も同様に、平行に上方に延出されている。
【0019】
図2〜図5に示すように、窓枠フレーム10の後窓枠フレーム部10Eと前窓枠フレーム部10Fとにおける下端から平行に立ち上げ形成された部分の中間高さに至るまでの上下高さに、固定窓ガラス12が取り付け固定されている。
図2及び図3に示すように、固定窓ガラス12の上端12Aは、可動窓ガラス11の下端に沿う形状にすべく、前後方向での中間部分12aを下方に位置させ、上端12Aの前端12bと後端12cとを中間部分12aより上方に位置するように、前端12bと中間部分12aとを前傾斜辺12dで連結し、後端12cと中間部分12aとを後傾斜辺12eで連結して、下向きに凹入する形状に形成してある。
【0020】
図2〜図4に示すように、固定窓ガラス12の前傾斜辺12dの下方に、開閉ドアハンドル13を装着してあり、この開閉ドアハンドル13に乗降用ドアAの閉塞状態で係合して乗降用ドアAをロックするキャッチャ(図示してはいない)に係合するように構成してある。
【0021】
可動窓ガラス11の構成について説明する。図2〜図4に示すように、可動窓ガラス11の下端11Aは、固定窓ガラス12の上端12Aに沿う形状にすべく、前後方向での中間部分11aを下方に位置させ、下端11Aの前端11bと後端11cとを中間部分11aより上方に位置するように、前端11bと中間部分11aとを前傾斜辺11dで連結し、後端11cと中間部分11aとを後傾斜辺11eで連結して、下向きに突出する形状に形成してある。
このように、下端11Aにおける中間部分11aを下向きに突出させた状態でかつ前傾斜辺11dのように切り欠き部を形成することによって、後記するように、開閉ドアハンドル13との干渉が回避される。
【0022】
図2〜図4に示すように、可動窓ガラス11の上端11Bは一定高さを維持する直線状端部に構成されており、この上端11Bにロックハンドル14Aが取り付けられ、窓枠フレーム10の上端部にロックハンドル14Aに係合するロックキャッチャ14Bが取り付けられている。
【0023】
図3に示すように、可動窓ガラス11を上端まで引き上げて、開口面を閉塞した状態から、ロックハンドル14Aを解除し、図7に示すように、可動窓ガラス11を下方に移動させることができる。可動窓ガラス11を下方に移動させた状態で、可動窓ガラス11の下端11Aにおける前傾斜辺11dが開閉ドアハンドル13との干渉を回避する位置で、停止されるように構成してある。これによって、可動窓ガラス11を大きく開放することができる。
【0024】
図7に示すように、可動窓ガラス11を引き下げて最下端に位置させた状態で、可動窓ガラス11の上端11Bは、固定窓ガラス12の上端12Aにおける前後端12b、12cと同一高さ位置に位置して、開口面積を最大に開口できるように構成してある。
【0025】
図2〜図4に示すように、可動窓ガラス11の下端11Aには、前傾斜辺11d、中間部分11a、後傾斜辺11eとに亘ってトリム15が被着してあり、固定窓ガラス12との間隔を維持しながら、可動窓ガラス11の移動によっても、トリム15が接触して、塵埃等の侵入を阻止している。
【0026】
次ぎに、キャビン40において乗降用ドアAの存在側とは運転席44を挟んで反対側に位置する側面に形成された開閉用窓20について説明する。図8〜図11に示すように、開閉用窓20を形成すべく、キャビン40の左側壁に略四角形の開口を形成し、この開口に窓枠21を形成してある。
【0027】
窓枠21には、前後一対の窓透明部としての窓ガラス22、23をスライド可能に支持するレール部を設け、レール部に内向きに開口する左右一対のガイド溝21Aを設けて、前後一対の窓ガラス22、23をそれぞれ左右のガイド溝21Aに前後移動可能に支持させてある。
【0028】
前窓ガラス22について説明する。図8〜図10に示すように、前窓ガラス22は略矩形を呈しており、前端面22aを直線状の端面に形成し、後端面22bを上下中間位置において屈折する部分22cを有する折れ線状の端面に形成してある。つまり、後端面22bは、屈折する部分22cを境にして上半部22dを下半部22eより後端側に突出する状態に形成してある。
【0029】
前端面22aの近傍でかつ屈折する部分22cより上方に位置する部分に、閉塞ロック具24を取り付けてあり、窓枠21の前端部におけるガイド溝21Aを形成する一方の壁面にロック係止部21aを形成してある。これによって、前窓ガラス22を閉塞位置に移動させると、閉塞ロック具24がロック係止部21aに係合して閉塞状態が固定される。
前窓ガラス22の前端面22aには、ガイド溝21Aに内嵌する保持シール材47が装着してあり、シール性の向上と閉塞固定状態の安定化を図っている。
【0030】
後窓ガラス23も略矩形を呈しており、後端面23bを上半部23fが直線状の端面に形成し、下半部23gを傾斜面に形成してあり、前端面23aを上下中間位置において屈折する部分23cを有する折れ線状の端面に形成してある。つまり、前端面23aは、屈折する部分23cを境にして下半部23eを上半部23dより前端側に突出する状態に形成してある。
前端面23aには、前窓ガラス22と同様にトリム15が装着されている。前端面23aのトリム15には植毛15Aが取り付けてあり、この植毛15Aが前窓ガラス22の内面に接触してシール機能を発揮する。
【0031】
図9に示すように、後端面23bの近傍でかつ屈折する部分23cより上方に位置する部分に、閉塞ロック具25を取り付けてあり、窓枠21の前端部におけるガイド溝21Aを形成する一方の壁面にロック係止部21bを形成してある。これによって、前窓ガラス23を閉塞位置に移動させると、閉塞ロック具25がロック係止部21bに係合して閉塞状態が固定される。
【0032】
次ぎに、前窓ガラス22に設けてある閉塞ロック具24と後窓ガラス23に設けてある閉塞ロック具25とは、所定位置に取り付けた状態で、図10に示すように、前側に位置する閉塞ロック具24が後側に位置する閉塞ロック具25より高位に位置するように、両閉塞ロック具24、25は、高さ方向で位置ズレする状態に取り付けてある。
この両閉塞ロック具24、25を高さ方向に位置ズレさせる点と相俟って、前記したように、前後窓ガラス22、23とは、高さ方向の中間位置に屈折する部分22c、23cを形成してある。
【0033】
以上のように構成することによって、後窓ガラス23を前窓ガラス22に重ね合わせるように前端一杯に開き操作しても、図11(a)に示すように、後窓ガラス23の中間位置の屈折する部分23cが、前窓ガラス22の閉塞ロック具24の下方に入り込み、後窓ガラス23の前端面23bが閉塞ロック具24と干渉することはない。
したがって、閉塞ロック具24が窓ガラス面より突出する状態にあっても、干渉を回避して、後窓ガラス23を大きく開放することができる。
【0034】
上記において、後窓ガラス23の開放状態について説明したが、前窓ガラス22を後方に開放する場合も同様であり、図11(b)に示すように、前窓ガラス22の屈折する部分22cが後窓ガラス23の閉塞ロック具25の上方に入り込むので、前窓ガラス22の後端面22bが干渉することが回避される。そして、この場合には、前窓ガラス22の後端面22bは、後窓ガラス23の後端面23bにおける下半分23fが前方に向けて傾斜されているので、レール部には到達しない。
【0035】
上記した場合に後窓ガラス23に設けた閉塞ロック具25を、前窓ガラス22に設けた閉塞ロック具24より下方に設けてある。この理由は、運転者が後向きに手を伸ばして閉塞ロック具25を握って操作する際に、手は必然的に下向きに成る傾向にあるとする、人間工学的な観点より定めたものである。
以上のように、大きく前後窓ガラス22、23を開放できるので、運転席より脱穀装置5の扱室入口付近に滞留するワラ等を除去する作業を容易に行い得る。
【0036】
上記した閉塞ロック具24等をかわして、前後窓ガラス22、23を大きく開放できる構成としては、次ぎのような構成でもよい。図12に示すように、閉塞ロック具24、25を上下に位置ズレした状態で設ける点は前記した構成と同一である。
上記した構成と異なる点は、前窓ガラス22の後端面22bと後窓ガラス23の前端面22aとに形成する構成が屈折する部分22c、23cではなく、単なる凹入部22h、23hである点である。
【0037】
このような構成によって、前窓ガラス22の後端面22bの凹入部22hが後窓ガラス23の閉塞ロック具25と干渉することはなく、前窓ガラス22及び後窓ガラス23を大きく開き操作することができる。
【0038】
〔他の実施例〕
(1)上記構成においては、ガラスを採用したが、透明の樹脂板で構成してもよく、このガラスと樹脂板とを合わせて、窓透明部と称する。
(2)窓枠フレーム10を取り付ける対象として、ドアフレーム8を採用したが、キャビン4の窓を形成すべき側壁や後壁であってもよい。ここに、ドアフレーム8やキャビン4の側壁等を取付フレームと称する。
【0039】
(3)固定窓ガラス12の別の取付構造について説明する。可動窓ガラス11の取付構造は、図5に示す構成と同様の構成を採っているので、ここでは、省略する。ドアフレーム8の断面形状としては、図5の場合には、四角筒状のものを採用したが、ここでは、その四角筒状のものに更に変形を加えてL字型断面のドアフレーム8に構成してある。
つまり、図6に示すように、固定窓ガラス12は、前記したL字型断面のドアフレーム8におけるキャビン内部に向かう内向き面8Cに接着剤17を介して取付固定される。固定窓ガラス12の前後端12Bは、ドアフレーム8における内向き面8Cと直交する状態にある横向き面8Dに当接する状態で設けてある。このような構成によって、固定窓ガラス12の取り付け固定状態が安定する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】乗降用のドアの分解斜視図
【図3】乗降用のドアの側面図
【図4】乗降用のドアの縦断正面図
【図5】乗降用のドアにおける可動窓ガラスと固定窓ガラスの取付状態を示す横断平面図
【図6】図5の別実施形態を示す横断平面図
【図7】可動窓ガラスを下端位置まで引き下げた状態を示す側面図
【図8】キャビンの窓を示めす分解斜視図
【図9】キャビンの窓を示めす横断平面図
【図10】キャビンの窓を閉塞した状態を示す側面図
【図11】(a)後窓ガラスを前窓ガラスに重ねるように開き操作した状態を示す側面図、(b)前窓ガラスを後窓ガラスに重ねるように開き操作した状態を示す側面図
【図12】図8〜図11で示した窓ガラスの別実施形態を示す側面図
【図13】従来の乗降用のドアにおける可動窓ガラスと固定窓ガラスの取付状態を示す横断平面図
【符号の説明】
【0041】
8 ドアフレーム(取付フレーム)
10 窓枠フレーム
10A 取付部
10B 伝動ケース
10C 壁
11 可動窓透明部
11d 前後傾斜辺(切り欠き部)
12 固定窓透明部
13 開閉ドアハンドル
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓枠フレームに平行な状態で固定窓透明部と可動窓透明部とを装着して、前記窓枠フレームが囲む開口面を、前記可動窓透明部と前記固定窓透明部とで閉塞する状態と、前記可動窓透明部を前記固定窓透明部の存在側に移動させて前記開口面を開放する状態とに切換可能に構成してある作業機のキャビン窓構造に関する。
【背景技術】
【0002】
窓枠フレームを取付フレームに取り付け固定するに、例えば図13に示すように、取付フレームとしての角筒状のドアフレーム8が囲む開口面側に板金製の窓枠フレーム10を配置し、この窓枠フレーム10の開口面側に向く内側面に、凹入形状のレール部10Aを形成し、このレール部10Aの一対のガイド溝a内にトリム15を取付けた固定窓透明部としての固定窓ガラス12と可動窓透明部としての可動窓ガラス12とを支持していた。
一方、窓枠フレーム10をドアフレーム8に取付固定するに、窓枠フレーム10におけるレール部10Aとは反対側に位置する側面10Dをドアフレーム8に密着する状態で配置し、ドアフレーム8と窓枠フレーム10との前記側面10Dとは異なる面で、ドア内側を向く面と、ドア外側を向く面とに亘って、接着剤兼用のゴム製コーキング剤Bを塗布して、窓枠フレーム10をドアフレーム8に接着固定していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記構成においては、ゴム製コーキング剤を介して固定窓透明部がドアフレームに支持されるので、固定窓透明部を安定して支持すると言う面で改善の余地がある。又、ドアフレームが囲む開口面側に窓枠フレームの全体が位置しているので、窓透明部としての窓ガラスの開口面積が狭くなり、窓枠フレームによって視界が遮られるといった虞もあった。
窓枠フレームがドアフレームに対してゴム製の接着剤で固定されているので、動き易く、固定窓ガラスに取付けた開閉ドアハンドルが安定しないという不具合が生ずる虞もあった。
【0004】
本発明の目的は、窓枠フレームの構成に簡単な改造を施すことによって、開口面積を十分に確保しながら、開閉ハンドル等を取付ける際に安定した姿勢の窓透明部を得ることのできる作業機のキャビン窓構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、前記窓枠フレームを、取付フレームに取り付けられる取付部と、前記可動窓透明部を移動自在に支持するレール部とで構成し、前記レール部における前記可動窓透明部を支持する内部空間を形成する壁に前記固定窓透明部を取り付け固定してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0006】
〔作用〕
固定窓透明部をレール部のガイド溝内にトリムを介して挿入するのではなく、取付フレームに取り付け固定した取付部から開口面側に延出されたレール部に、直接固定窓透明部を取り付け固定しているので、窓枠フレームを介して固定窓透明部を安定して取付フレームに直接に支持させることができる。
【0007】
〔効果〕
窓枠フレーム介して固定窓透明部を安定して取付フレームに直接に支持させることができ、長期使用に亘って安定した固定窓透明部の支持構造を得ることができる。
【0008】
〔構成〕
請求項2に係る発明の特徴構成は、前記レール部を前記窓枠フレームが囲む開口面側に突出する状態に配置し、前記取付部を前記取付フレームの側面に重なる状態に配置してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0009】
〔作用効果〕
窓枠フレームの構成として、可動窓透明部を支持するレール部のみではなく、取付フレームに対する取付部を形成してあるので、取付部を取付フレームの側面に対して重なる位置に配置することができる。
これによって、窓枠フレームの全てを取付フレームと重ならない位置に配置する必要がなく、取付部によって、視界が遮られることは少ない。
しかも、レール部を取付フレームと重ならない位置に配置しても、レール部自体には、取付フレームに対する取付部の機能を付与する必要はないので、レール部自体を小型化でき、この面でも視界を遮るものを少なくできる。
【0010】
〔構成〕
請求項3に係る発明の特徴構成は、前記取付フレームがキャビン乗降用のドアフレームであり、前記固定窓透明部に前記ドアを開閉する開閉ドアハンドルを取り付け固定し、前記可動窓透明部を前記固定窓透明部に重ねる状態に移動させて前記開口面を開放する状態に切り換えた状態で、前記可動窓透明部と前記開閉ハンドルとの干渉を回避すべく、前記可動窓透明部の一部に切り欠き部を形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0011】
〔作用効果〕
固定窓透明部に開閉ドアハンドルを取付けてあるが、可動窓透明部に切り欠き部を設けてあるので、開閉ドアハンドルとの干渉を回避して可動窓透明部を大きく移動させて固定窓透明部に対する重なり代を大きく取ることができた。
これによって、可動窓透明部を大きく移動させて開口面積を大きくすることができ、キャビン内への空気の導入を効率よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
コンバインの構成について説明する。図1に示すように、コンバインは、左右のクローラ装置1を備えた走行機体2の前端に、分草杆32、引起装置33、刈取装置34、及び、刈取穀稈を後方に搬送する縦搬送装置31を備えた刈取前処理装置3を横向き軸芯X周りで昇降自在に取り付け、刈取前処理装置3の後方走行機体上に脱穀装置5、脱穀装置5の横側方に穀粒貯留タンク6、穀粒貯留タンク6から機外に穀粒を搬出する穀粒搬出装置7、穀粒貯留タンク6の前方側で刈取前処理装置3の横側方に運転操縦部4を配置し、運転操縦部4にキャビン40を設けて、構成してある。
【0013】
キャビン40の構成について説明する。図1に示すように、キャビン40は、天井部42内にエアコン部46を備えて空調可能に構成し、前面に天井部42に近接するほど前方に突出する前面ウインド41を設け、右側面に乗降用ドアAを設けて、構成してある。
【0014】
乗降用ドアAについて説明する。図2に示すように、乗降用ドアAは、取付フレームとしてのドアフレーム8を配置し、このドアフレーム8の後端側の後ドアーフレーム部8Bに取付けた上下一対のヒンジ9を介してキャビン40の側壁に揺動開閉自在に取付けてある。ドアフレーム8のキャビン40の内部空間に向かう内面側には、前後両ドアーフレーム部8A、8Bに亘って架設された棒状のハンドル16が設けられている。
【0015】
図2及び図3に示すように、ドアフレーム8の四辺に沿った状態で、窓枠フレーム10が配置してあり、この窓枠フレーム10の四辺が夫々ドアフレーム8の四辺に取付固定される。つまり、窓枠フレーム10は、ドアフレーム8のキャビン外側に向かう面に接着固定される板状の取付部10Bと、その取付部10Bから内向きに延出されたレール部10Aとからなる。
【0016】
図2〜図5に示すように、レール部10Aは、チャンネル状に配置された壁面で囲まれた凹入部を形成し、凹入部を可動窓透明部としての可動窓ガラス11をスライド移動可能に支持するガイド溝aとして機能させている。
前記ガイド溝aを囲む状態に平行に形成されている壁におけるキャビン40の内部空間に向かう内側壁10Cを設け、その内側壁10Cのキャビン40の内部空間に向かう内向き側面に、固定窓透明部としての固定窓ガラス12を、接着剤17を介して固定してある。
【0017】
図2に示すように、ドアフレーム8は、後ドアーフレーム部8Bの下半部8bが下端側ほど前方側に向けて直線的に傾斜する姿勢になっており、前ドアーフレーム部8Aの下半部8aが、下端側ほど前方側に向けて円弧状を呈する姿勢になっている。運転操縦座席の下方に配置されているエンジン(図示せず)との干渉を回避すべく、ドアフレーム8を前方に偏位させながら開口面積を大きく採れる構成を採っている。
【0018】
図2に示すように、窓枠フレーム10もドアフレーム8と同様に形状を取っており、後ドアーフレーム部8Bの直線的に傾斜する部分と前ドアーフレーム部8Aの円弧状部分とに沿った形状に構成されている。
ドアーフレーム8において、前記した直線的に傾斜する部分と円弧状部分との上端より上方側では、前ドアーフレーム部8Aと後ドアーフレーム部8Bとが平行に上方に延出されている。
窓枠フレーム10も同様に、平行に上方に延出されている。
【0019】
図2〜図5に示すように、窓枠フレーム10の後窓枠フレーム部10Eと前窓枠フレーム部10Fとにおける下端から平行に立ち上げ形成された部分の中間高さに至るまでの上下高さに、固定窓ガラス12が取り付け固定されている。
図2及び図3に示すように、固定窓ガラス12の上端12Aは、可動窓ガラス11の下端に沿う形状にすべく、前後方向での中間部分12aを下方に位置させ、上端12Aの前端12bと後端12cとを中間部分12aより上方に位置するように、前端12bと中間部分12aとを前傾斜辺12dで連結し、後端12cと中間部分12aとを後傾斜辺12eで連結して、下向きに凹入する形状に形成してある。
【0020】
図2〜図4に示すように、固定窓ガラス12の前傾斜辺12dの下方に、開閉ドアハンドル13を装着してあり、この開閉ドアハンドル13に乗降用ドアAの閉塞状態で係合して乗降用ドアAをロックするキャッチャ(図示してはいない)に係合するように構成してある。
【0021】
可動窓ガラス11の構成について説明する。図2〜図4に示すように、可動窓ガラス11の下端11Aは、固定窓ガラス12の上端12Aに沿う形状にすべく、前後方向での中間部分11aを下方に位置させ、下端11Aの前端11bと後端11cとを中間部分11aより上方に位置するように、前端11bと中間部分11aとを前傾斜辺11dで連結し、後端11cと中間部分11aとを後傾斜辺11eで連結して、下向きに突出する形状に形成してある。
このように、下端11Aにおける中間部分11aを下向きに突出させた状態でかつ前傾斜辺11dのように切り欠き部を形成することによって、後記するように、開閉ドアハンドル13との干渉が回避される。
【0022】
図2〜図4に示すように、可動窓ガラス11の上端11Bは一定高さを維持する直線状端部に構成されており、この上端11Bにロックハンドル14Aが取り付けられ、窓枠フレーム10の上端部にロックハンドル14Aに係合するロックキャッチャ14Bが取り付けられている。
【0023】
図3に示すように、可動窓ガラス11を上端まで引き上げて、開口面を閉塞した状態から、ロックハンドル14Aを解除し、図7に示すように、可動窓ガラス11を下方に移動させることができる。可動窓ガラス11を下方に移動させた状態で、可動窓ガラス11の下端11Aにおける前傾斜辺11dが開閉ドアハンドル13との干渉を回避する位置で、停止されるように構成してある。これによって、可動窓ガラス11を大きく開放することができる。
【0024】
図7に示すように、可動窓ガラス11を引き下げて最下端に位置させた状態で、可動窓ガラス11の上端11Bは、固定窓ガラス12の上端12Aにおける前後端12b、12cと同一高さ位置に位置して、開口面積を最大に開口できるように構成してある。
【0025】
図2〜図4に示すように、可動窓ガラス11の下端11Aには、前傾斜辺11d、中間部分11a、後傾斜辺11eとに亘ってトリム15が被着してあり、固定窓ガラス12との間隔を維持しながら、可動窓ガラス11の移動によっても、トリム15が接触して、塵埃等の侵入を阻止している。
【0026】
次ぎに、キャビン40において乗降用ドアAの存在側とは運転席44を挟んで反対側に位置する側面に形成された開閉用窓20について説明する。図8〜図11に示すように、開閉用窓20を形成すべく、キャビン40の左側壁に略四角形の開口を形成し、この開口に窓枠21を形成してある。
【0027】
窓枠21には、前後一対の窓透明部としての窓ガラス22、23をスライド可能に支持するレール部を設け、レール部に内向きに開口する左右一対のガイド溝21Aを設けて、前後一対の窓ガラス22、23をそれぞれ左右のガイド溝21Aに前後移動可能に支持させてある。
【0028】
前窓ガラス22について説明する。図8〜図10に示すように、前窓ガラス22は略矩形を呈しており、前端面22aを直線状の端面に形成し、後端面22bを上下中間位置において屈折する部分22cを有する折れ線状の端面に形成してある。つまり、後端面22bは、屈折する部分22cを境にして上半部22dを下半部22eより後端側に突出する状態に形成してある。
【0029】
前端面22aの近傍でかつ屈折する部分22cより上方に位置する部分に、閉塞ロック具24を取り付けてあり、窓枠21の前端部におけるガイド溝21Aを形成する一方の壁面にロック係止部21aを形成してある。これによって、前窓ガラス22を閉塞位置に移動させると、閉塞ロック具24がロック係止部21aに係合して閉塞状態が固定される。
前窓ガラス22の前端面22aには、ガイド溝21Aに内嵌する保持シール材47が装着してあり、シール性の向上と閉塞固定状態の安定化を図っている。
【0030】
後窓ガラス23も略矩形を呈しており、後端面23bを上半部23fが直線状の端面に形成し、下半部23gを傾斜面に形成してあり、前端面23aを上下中間位置において屈折する部分23cを有する折れ線状の端面に形成してある。つまり、前端面23aは、屈折する部分23cを境にして下半部23eを上半部23dより前端側に突出する状態に形成してある。
前端面23aには、前窓ガラス22と同様にトリム15が装着されている。前端面23aのトリム15には植毛15Aが取り付けてあり、この植毛15Aが前窓ガラス22の内面に接触してシール機能を発揮する。
【0031】
図9に示すように、後端面23bの近傍でかつ屈折する部分23cより上方に位置する部分に、閉塞ロック具25を取り付けてあり、窓枠21の前端部におけるガイド溝21Aを形成する一方の壁面にロック係止部21bを形成してある。これによって、前窓ガラス23を閉塞位置に移動させると、閉塞ロック具25がロック係止部21bに係合して閉塞状態が固定される。
【0032】
次ぎに、前窓ガラス22に設けてある閉塞ロック具24と後窓ガラス23に設けてある閉塞ロック具25とは、所定位置に取り付けた状態で、図10に示すように、前側に位置する閉塞ロック具24が後側に位置する閉塞ロック具25より高位に位置するように、両閉塞ロック具24、25は、高さ方向で位置ズレする状態に取り付けてある。
この両閉塞ロック具24、25を高さ方向に位置ズレさせる点と相俟って、前記したように、前後窓ガラス22、23とは、高さ方向の中間位置に屈折する部分22c、23cを形成してある。
【0033】
以上のように構成することによって、後窓ガラス23を前窓ガラス22に重ね合わせるように前端一杯に開き操作しても、図11(a)に示すように、後窓ガラス23の中間位置の屈折する部分23cが、前窓ガラス22の閉塞ロック具24の下方に入り込み、後窓ガラス23の前端面23bが閉塞ロック具24と干渉することはない。
したがって、閉塞ロック具24が窓ガラス面より突出する状態にあっても、干渉を回避して、後窓ガラス23を大きく開放することができる。
【0034】
上記において、後窓ガラス23の開放状態について説明したが、前窓ガラス22を後方に開放する場合も同様であり、図11(b)に示すように、前窓ガラス22の屈折する部分22cが後窓ガラス23の閉塞ロック具25の上方に入り込むので、前窓ガラス22の後端面22bが干渉することが回避される。そして、この場合には、前窓ガラス22の後端面22bは、後窓ガラス23の後端面23bにおける下半分23fが前方に向けて傾斜されているので、レール部には到達しない。
【0035】
上記した場合に後窓ガラス23に設けた閉塞ロック具25を、前窓ガラス22に設けた閉塞ロック具24より下方に設けてある。この理由は、運転者が後向きに手を伸ばして閉塞ロック具25を握って操作する際に、手は必然的に下向きに成る傾向にあるとする、人間工学的な観点より定めたものである。
以上のように、大きく前後窓ガラス22、23を開放できるので、運転席より脱穀装置5の扱室入口付近に滞留するワラ等を除去する作業を容易に行い得る。
【0036】
上記した閉塞ロック具24等をかわして、前後窓ガラス22、23を大きく開放できる構成としては、次ぎのような構成でもよい。図12に示すように、閉塞ロック具24、25を上下に位置ズレした状態で設ける点は前記した構成と同一である。
上記した構成と異なる点は、前窓ガラス22の後端面22bと後窓ガラス23の前端面22aとに形成する構成が屈折する部分22c、23cではなく、単なる凹入部22h、23hである点である。
【0037】
このような構成によって、前窓ガラス22の後端面22bの凹入部22hが後窓ガラス23の閉塞ロック具25と干渉することはなく、前窓ガラス22及び後窓ガラス23を大きく開き操作することができる。
【0038】
〔他の実施例〕
(1)上記構成においては、ガラスを採用したが、透明の樹脂板で構成してもよく、このガラスと樹脂板とを合わせて、窓透明部と称する。
(2)窓枠フレーム10を取り付ける対象として、ドアフレーム8を採用したが、キャビン4の窓を形成すべき側壁や後壁であってもよい。ここに、ドアフレーム8やキャビン4の側壁等を取付フレームと称する。
【0039】
(3)固定窓ガラス12の別の取付構造について説明する。可動窓ガラス11の取付構造は、図5に示す構成と同様の構成を採っているので、ここでは、省略する。ドアフレーム8の断面形状としては、図5の場合には、四角筒状のものを採用したが、ここでは、その四角筒状のものに更に変形を加えてL字型断面のドアフレーム8に構成してある。
つまり、図6に示すように、固定窓ガラス12は、前記したL字型断面のドアフレーム8におけるキャビン内部に向かう内向き面8Cに接着剤17を介して取付固定される。固定窓ガラス12の前後端12Bは、ドアフレーム8における内向き面8Cと直交する状態にある横向き面8Dに当接する状態で設けてある。このような構成によって、固定窓ガラス12の取り付け固定状態が安定する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】乗降用のドアの分解斜視図
【図3】乗降用のドアの側面図
【図4】乗降用のドアの縦断正面図
【図5】乗降用のドアにおける可動窓ガラスと固定窓ガラスの取付状態を示す横断平面図
【図6】図5の別実施形態を示す横断平面図
【図7】可動窓ガラスを下端位置まで引き下げた状態を示す側面図
【図8】キャビンの窓を示めす分解斜視図
【図9】キャビンの窓を示めす横断平面図
【図10】キャビンの窓を閉塞した状態を示す側面図
【図11】(a)後窓ガラスを前窓ガラスに重ねるように開き操作した状態を示す側面図、(b)前窓ガラスを後窓ガラスに重ねるように開き操作した状態を示す側面図
【図12】図8〜図11で示した窓ガラスの別実施形態を示す側面図
【図13】従来の乗降用のドアにおける可動窓ガラスと固定窓ガラスの取付状態を示す横断平面図
【符号の説明】
【0041】
8 ドアフレーム(取付フレーム)
10 窓枠フレーム
10A 取付部
10B 伝動ケース
10C 壁
11 可動窓透明部
11d 前後傾斜辺(切り欠き部)
12 固定窓透明部
13 開閉ドアハンドル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓枠フレームに平行な状態で固定窓透明部と可動窓透明部とを装着して、前記窓枠フレームが囲む開口面を、前記可動窓透明部と前記固定窓透明部とで閉塞する状態と、前記可動窓透明部を前記固定窓透明部の存在側に移動させて前記開口面を開放する状態とに切換可能に構成してある作業機のキャビン窓構造であって、
前記窓枠フレームを、取付フレームに取り付けられる取付部と、前記可動窓透明部を移動自在に支持するレール部とで構成し、前記レール部における前記可動窓透明部を支持する内部空間を形成する壁に前記固定窓透明部を取り付け固定してある作業機のキャビン窓構造。
【請求項2】
前記レール部を前記窓枠フレームが囲む開口面側に突出する状態に配置し、前記取付部を前記取付フレームの側面に重なる状態に配置してある請求項1記載の作業機のキャビン窓構造。
【請求項3】
前記取付フレームがキャビン乗降用のドアフレームであり、前記固定窓透明部に前記ドアを開閉する開閉ドアハンドルを取り付け固定し、前記可動窓透明部を前記固定窓透明部に重ねる状態に移動させて前記開口面を開放する状態に切り換えた状態で、前記可動窓透明部と前記開閉ドアハンドルとの干渉を回避すべく、前記可動窓透明部の一部に切り欠き部を形成してある請求項1または2記載の作業機のキャビン窓構造。
【請求項1】
窓枠フレームに平行な状態で固定窓透明部と可動窓透明部とを装着して、前記窓枠フレームが囲む開口面を、前記可動窓透明部と前記固定窓透明部とで閉塞する状態と、前記可動窓透明部を前記固定窓透明部の存在側に移動させて前記開口面を開放する状態とに切換可能に構成してある作業機のキャビン窓構造であって、
前記窓枠フレームを、取付フレームに取り付けられる取付部と、前記可動窓透明部を移動自在に支持するレール部とで構成し、前記レール部における前記可動窓透明部を支持する内部空間を形成する壁に前記固定窓透明部を取り付け固定してある作業機のキャビン窓構造。
【請求項2】
前記レール部を前記窓枠フレームが囲む開口面側に突出する状態に配置し、前記取付部を前記取付フレームの側面に重なる状態に配置してある請求項1記載の作業機のキャビン窓構造。
【請求項3】
前記取付フレームがキャビン乗降用のドアフレームであり、前記固定窓透明部に前記ドアを開閉する開閉ドアハンドルを取り付け固定し、前記可動窓透明部を前記固定窓透明部に重ねる状態に移動させて前記開口面を開放する状態に切り換えた状態で、前記可動窓透明部と前記開閉ドアハンドルとの干渉を回避すべく、前記可動窓透明部の一部に切り欠き部を形成してある請求項1または2記載の作業機のキャビン窓構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−73345(P2009−73345A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−244278(P2007−244278)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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