説明

作業機械

【課題】高さのある大きなボンネットであっても簡単にメンテナンスできるようにする。
【解決手段】上部旋回体2に機械室カバー15とボンネット50とを備える作業機械である。ボンネット50は、枠状の嵩上げ部材51と、この嵩上げ部材51の上部の開口を塞ぐドーム状のフード部材52とを有している。嵩上げ部材51の下部は機械室カバー15の上面に形成された開口部35の周りを取り囲むように取り付けられていて、フード部材52が、嵩上げ部材51に揺動開閉可能に取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の作業機械に関し、その中でも主にそのボンネットの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、機械室に収容する冷却器等が大きくて、その上端が機械室を覆っている機械室カバーの外側に突き出してしまうような場合に、ドーム状のボンネット(エンジンフード)を機械室カバーの上面に取り付け、機械室を部分的に嵩上げして冷却器等を収容することが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1では、標準仕様の標準フードと、この標準フードと積み重ね可能な枠状のバルクフードとでエンジンフードを構成し、標準フードを直接機械室カバーに接合する場合と、標準フードをバルクフードに積み重ねて接合したものを機械室カバーに接合する場合とが選択できるようにし、エンジンフードの高さ調整ができるようにしている。
【特許文献1】実開平5−64244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のボンネットは、製造コストが安く、軽量で剛性も確保できることから、一枚の鋼板をプレス加工して作られている場合が多い。ところが、ボンネットのサイズがあまりに大きくなると、例えば、成形に用いる鋼板自体の入手が困難になるし、また、仮に鋼板が入手できたとしても成形が難しくなり、成形金型も大型化して製造コストが格段に高くなるという問題があった。
【0005】
そのため、そのような大型のボンネットの場合には、例えば複数の鋼材を繋ぎ合わせ、溶接することによって作っていたが、溶接部位の強度の問題や、工程数や部材点数が増加する問題、重量が重くなって扱い難くなるという問題などがあった。
【0006】
その点、先の特許文献1のエンジンフードであれば、バルクフードを用いたことで、標準フードをそのまま用いて高さ調整ができるようになっており、このような問題に対し効果的なものとなっている。
【0007】
しかし、そこでのエンジンフードは、機械室カバーに接合して機械室カバーと一体化してあるため、エンジンフードに収容された冷却器等のメンテナンスは、例えば機械室の側面に設けられたドアを開けて行うか、エンジンフード全体を取り外して行うなど、構造的に作業し辛いという難点がある。特に、機械室から高く突出しているフード内の部分については、余計に確認が難しいし、手も届き難く、メンテナンス作業に時間や手間を要するものとなっている。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高さのある大きなボンネットであっても、手軽にメンテナンスができる作業機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明では、ボンネットを枠状の嵩上げ部材で嵩上げするとともに、ボンネットを揺動開閉できるようにした。
【0010】
具体的には、本発明は、下部走行体の上に作業機械本体が搭載され、この作業機械本体に機械室カバーとボンネットとを備える作業機械であって、上記機械室カバーの上面には開口部が形成されており、上記ボンネットが、枠状の嵩上げ部材と、この嵩上げ部材の上部の開口を塞ぐドーム状のフード部材とを有し、上記嵩上げ部材の下部が、上記開口部の周りを取り囲むように上記機械室カバーに取り付けられ、上記フード部材が、上記嵩上げ部材に揺動開閉可能に取り付けられている構成となっている。
【0011】
かかる構成によれば、ボンネットを枠状の嵩上げ部材と、ドーム状のフード部材とで構成してあるので、高くて大きなボンネットであっても、比較的簡単且つ低コストで製造することができる。すなわち、フード部材は特に高さを気にせずに成形することができるため、従来のボンネットと同じか、あるいは従来のボンネットと同様に一枚の鋼板を用いてプレス加工することにより形成できる。そして、ボンネットの高さは嵩上げ部材によって適宜調整することができるので、汎用性にも優れる。
【0012】
しかも、フード部材が、嵩上げ部材に揺動開閉可能に取り付けられているので、フード部材を開ければ開口部が大きく開放されるため、簡単にメンテナンスができ、作業性に優れる。
【0013】
更に、上記嵩上げ部材は上記機械室カバーに揺動開閉可能に取り付けるのが好ましい。
【0014】
そうすれば、ボンネットは、嵩上げ部材ごと揺動して開けることができるようになり、例えば、ボンネットの奥方の点検など、嵩上げ部材が邪魔になって作業し辛い場合に、よりいっそう作業性を向上させることができる。
【0015】
また、上記嵩上げ部材が、複数の要素部材で構成されていて、上記複数の要素部材に、上記フード部材を支持するとともに上記機械カバーに取り付けられる取付部材と、上記機械カバーから取り外し可能な着脱部材とが含まれているように構成してあってもよい。
【0016】
かかる構成によれば、嵩上げ部材の一部である着脱部材が取り外し可能になっているので、フード部材を開けて着脱部材を取り外せば、着脱部材が無くなる分、よりいっそう作業性が向上する。
【0017】
また更に、上記嵩上げ部材には開閉可能な窓部を設けるのが好ましい。そうすれば、窓部を介して点検等が可能になるため、更にいっそう作業性が向上する。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、高さのある大きなボンネットであっても、ボンネットが邪魔にならずに簡単にメンテナンスできる作業機械を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0020】
(第1実施形態)
図1は、本発明を適用した油圧ショベル(作業機械)を示している。この油圧ショベルでは、クローラ式の下部走行体1の上に旋回可能な上部旋回体2(作業機械本体)が搭載されている。上部旋回体2には、フレーム3や、このフレーム3にそれぞれ取り付けれる、アタッチメント4(作業装置)、キャブ5、機械室6、カウンターウエイト7などが備えられている。図1において、図面左側のアタッチメント4のある方を車両前側、紙面手前側のキャブ5のある方を車両左側とし、以下の説明では前後左右等の方向は特に言及しない限り、これに従うものとする。
【0021】
アタッチメント4は、上部旋回体2の前部中央に起伏可能に支持されており、フレーム3に設けられた一対の縦板3a,3a(図2にのみ示す)に回動可能に支持された略く字形状のブーム11と、このブーム11の長手方向に延びてブーム11に回動可能に支持されたアーム12と、このアーム12に回動可能に支持されたバケット13とを有している。
【0022】
キャブ5は、その内部に運転シートや各種制御機器、操作機器等が装備された矩形箱型の運転室であり、本実施形態ではアタッチメント4の左側に隣接して位置するように上部旋回体2の前部左側に配設されている。
【0023】
機械室6は、図2にも示すように、上部旋回体2の後部に左右両側間にわたって配設される後部機械室6aと、後部機械室6aの右前方から連続して前方に延びて、アタッチメント4の右側に位置するように配設される側部機械室6bとを有している。後部機械室6aの後側の左右両側間にわたる部分にはカウンターウエイト7が配設されている。
【0024】
そして、機械室6の周りは一群の機械室カバー15で覆われており、詳しくは、後部機械室6aの周りは一群の後部カバー15aで覆われ、側部機械室6bの周りは一群の側部カバー15bで覆われている。
【0025】
機械室6の内部には、作業機械を駆動制御する駆動装置等が配設されている。すなわち、後部機械室6a内の後方には冷却器19とエンジン20とポンプ21とがこの順に左側から左右横並びに配設されており、後部機械室6a内の前方中央には、コントロールバルブ22が配設されている。
【0026】
後部機械室6aの右前方部分から側部機械室6bにわたって、コントロールバルブ22の右側とポンプ21の前側とに隣接するように、作動油を貯留する作動油タンク23が配設され、この作動油タンク23の前側に隣接するように、燃料を貯留する燃料タンク24が配設され、この燃料タンク24の前側に隣接するように、備品等の収納が可能なトランクルーム25が配設されている。尚、符号24aは燃料供給口である。
【0027】
側部機械室6bのうち、トランクルーム25の部分は一段低くなっており、このトランクルーム25を利用して作業者が後方の機械室カバー15の上面に昇降するための昇降ステップが設けられている。すなわち、トランクルーム25の前方下部に位置するフレーム3の部分には踏み台27が前方に突出するように設けられ、そして、その作業者の昇降を補助するために、金属パイプをプレス加工してアーチ状に屈曲形成したハンドレール30が昇降ステップに沿って略前後方向に延びるように設けられている。側部カバー15bの上面には、このハンドレール30に連続するように、ハンドレール30と同様の安全柵32が設けられている。
【0028】
トランクルーム25の部分を除く機械室カバー15の上面及びカウンターウエイト7の上面は、ほぼ面一に連なる平坦面となっていて、その後部カバー15aの上面の左右方向中央の右寄りの部分には、排気管20aを導出する排気開口33が開口しており、後部カバー15aの上面の左隅寄りの部分には、略矩形状に大きく開口するメンテナンス用の開口部35が形成されている(図6参照)。そして、この開口部35を覆うようにボンネット50が設けられている。
【0029】
ボンネット50は、図1や図3、図4に示すように、従来のボンネットと比べて、後部カバー15aの上面から高く上方に突出した矩形ドーム形状をしており、嵩上げ部材51と、この嵩上げ部材51の上に取り付けられるフード部材52とを有している。
【0030】
嵩上げ部材51は、上下の各縁部が内側に折り曲げられた略コ字状の断面を有する矩形枠形状をしており、前後左右の側壁を有している。かかる形状の嵩上げ部材51は、鋼板をプレス加工して形成した同じ4つのL型部材51aを接合することによって一体に形成されている。
【0031】
フード部材52は、一枚の鋼板をプレス加工することにより、上方に膨出する矩形ドーム形状に形成されていて、嵩上げ部材51の上部の開口を塞ぐように、外形寸法が嵩上げ部材51と略同一に形成されている。このフード部材52は従来のボンネットとほぼ同じような形態となっていが、このフード部材52は左側が右側に比べてやや高くなっていて、その上面には左側から右側に向かって下り傾斜する傾斜面52aが形成されている点に特徴がある。そしてその上面には、開閉を不能にするロック部材53が取り付けてある。
【0032】
このフード部材52は、図5、図6に示すように、嵩上げ部材51の上に重ね合わした状態で、その左側の下端縁部が一対のヒンジH1,H1によって嵩上げ部材51に取り付けられており、その下端縁部を基点に揺動し、開閉可能となっている。フード部材52の前側の縁部には、機械室6の側に設けられた図示しない引掛部に引っ掛けてフード部材52を開き位置に保持するためのアーム部材55が回動自在に取り付けられている。フード部材52と嵩上げ部材51とが当接する部分には、図示はしないが密封性を確保するために、防水性のシール部材が配設されている。
【0033】
嵩上げ部材51は、その下部が開口部35の周りを取り囲むように後部カバー15aに取り付けられていて、後部カバー15aの開口部35からは機械室6に収容された冷却器19の上端部が突出し、その上端部がボンネット50内に収容されるように構成されている。
【0034】
また、ボンネット50の下方には、図示はしないが、例えば、ラジエータの水漏れを点検する部位やエンジンのベルトの張り具合を点検する部位、エンジンオイルのレベルゲージを点検する部位など、定期点検が必要な点検部位が集約的に配設されている。
【0035】
本実施形態では、冷却器19が開口部35の左側寄りの部位に位置しているため、上述したように、ボンネット50の左側部分を相対的に高く設定し、冷却器19の上端をその高くしたフード部材52の上面近くに位置させることで、ボンネット50の高さが極力低くなるように設定してある。
【0036】
そして、重心の寄ったその左側を揺動基端にすることで、比較的弱い力でフード部材52を揺動開閉できるようにしている。
【0037】
このように、フード部材52を嵩上げ部材51に揺動開閉可能に取り付けることで、フード部材52を開ければ冷却器19等の上部が開放されるため、簡単にメンテナンスを行うことができ、作業性が向上する。
【0038】
更に、本実施形態のボンネット50は、図7に示すように、嵩上げ部材51も後部カバー15aに揺動開閉可能に取り付けられている。
【0039】
詳しくは、嵩上げ部材51の左側(フード部材52と同じ側)の側壁51bの下端縁部が一対のヒンジH2,H2によって後部カバー15aに取り付けられており、その下端縁部を基点に揺動開閉可能となっている。
【0040】
そして、嵩上げ部材51の右側の側壁の下端縁部の両隅には、それぞれ締結ボルト56aを回転可能に支持した締結支持部56が設けられていて、これら締結ボルト56aに対応するように、後部カバー15aの上面に締結ボルト56aと螺合するボルト締結孔57が2ヶ所形成されている。嵩上げ部材51と後部カバー15aとが当接する部分には、図示しないが防水性のシール部材が配設されている。
【0041】
通常の状態では、これら締結ボルト56aはボルト締結孔57に捩じ込まれており、嵩上げ部材51は後部カバー15aに固定されている。そして、定期点検の場合には、点検部位がボンネット50の下方に集約的に配置されているため、ボンネット50が高くても比較的簡単に実施できる。したがってそのような場合には、フード部材52を開閉して作業を行えばよい。一方、定期点検以外の部品交換やボンネット50の下方から離れた部位の整備等の重整備の場合には、嵩上げ部材51が邪魔になって作業がし難いため、締結ボルト56aをボルト締結孔57から取り外して嵩上げ部材51ごと揺動させればよい。そうすれば、開口部35をよりいっそう開放させることができ、作業性が向上する。
【0042】
(第2実施形態)
図8に本発明の第2実施形態を示す。本実施形態では、嵩上げ部材51が複数の要素部材60で構成されていて、その一部が取り外しできるようになっている。尚、以下の説明では、第1実施形態と異なる構成について詳細に説明することとし、同様の構成については同一の符号を付してその説明は省略する。
【0043】
本実施形態での嵩上げ部材51は、着脱可能に突き合わせる半割り状の2つの要素部材60a、60bで構成されている。すなわち、上述した4つのL型部材51aのうち、2つのL型部材51aを接合することによってコ字形状をした同じ要素部材60,60を2つ形成し、これら2つの要素部材60,60を利用して形成されている。
【0044】
一方の要素部材(取付部材)60aは、フード部材52が取り付けられて開口部35の左側部分を囲むように後部カバー15aに溶接され、固定されている。他方の要素部材(着脱部材)60bは、その下側の縁部の複数ヶ所に回転可能に支持された締結ボルト(固定部)61が設けられていて、これら締結ボルト61に対応するように、後部カバー15aの上面の複数ヶ所に締結ボルト61と螺合する締結孔(被固定部)62が設けられている。
【0045】
後部カバー15aに固定される取付部材60aがコ字形状をしていて剛性が強化される構造となっていることから、嵩上げ部材51の一部であってもフード部材52は確りと支持されている。そして、通常の状態では、各締結ボルト61はそれぞれ各締結孔62に捩じ込まれていて、着脱部材60bは取付部材60aに接合されるとともに、後部カバー15aに固定されている。
【0046】
そして、定期点検の場合には、第1実施形態と同様にフード部材52を開閉して作業を行い、重整備の場合には、フード部材52を開けるとともに着脱部材60bを取り外して開口部35の右側部分を大きく開放させてから作業を行えば、着脱部材60bがなくなる分、嵩上げ部材51が邪魔にならずに作業することができ、作業性が向上する。尚、取付部材60aは、後部カバー15aに締結等によって着脱可能に取り付けたり、揺動可能に取り付けたりしてあってもよい。
【0047】
(第3実施形態)
図9に本発明の第3実施形態を示す。本実施形態では、嵩上げ部材51に開閉可能な窓部70が設けられている点で、第1実施形態や第2実施形態と異なっている。本実施形態においても上記実施形態と異なる構成について詳細に説明することとし、同様の構成については同一の符号を付してその説明は省略する。
【0048】
例えば、上記実施形態であれば、嵩上げ部材51の左側の側壁51bの周辺については嵩上げ部材51やフード部材52が邪魔になって作業し辛い場合がある。そこで、その嵩上げ部材51におけるフード部材52が支持されている側の側壁(支持側側壁51bともいう)に窓部70が設けられ、必要に応じて開閉できるようになっている。
【0049】
具体的には、支持側側壁51bに横長な帯状開口72が形成され、この帯状開口72を塞ぐ蓋体73が一対のヒンジH3,H3を介して支持側側壁51bに揺動開閉可能に取り付けられている。
【0050】
したがって、支持側側壁51bの近くで作業を行う場合に、蓋体73を開けて帯状開口72を開放すれば、支持側側壁51bの近くに位置する冷却器19等を間近に見て作業することができ、より作業性が向上する。窓部70は支持側側壁51bに限らずそれ以外の側壁に設けてあってもよい。
【0051】
以上説明したように、本発明によれば、高さのある大きなボンネットであっても、ボンネットが邪魔にならずに簡単にメンテナンスできるようになるため、作業性に優れた作業機械を提供することができるようになる。
【0052】
なお、本発明にかかる作業機械は、前記の実施形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。
【0053】
例えば、上記第1実施形態では、嵩上げ部材51を後部カバー15aに揺動開閉可能に取り付けてあるが、嵩上げ部材51を後部カバー15aに溶接して固定してあってもよい。また、嵩上げ部材51を後部カバー15aに締結して取り外し可能に固定してあってもよい。
【0054】
第2実施形態では、要素部材60を同じ形状の2つの部材で構成したが、必ずしも同じ形状である必要はない。また、要素部材60は3つ以上であってもよく、必要に応じて適宜選択することができる。
【0055】
第1実施形態や第2実施形態では、締結により嵩上げ部材51を後部カバー15aに固定したが、取り外し可能に固定できるものであればよく、それに限るものではない。
【0056】
第1実施形態では、フード部材52と嵩上げ部材51とが同じ左側を基点に揺動開閉可能に取り付けられているが、それぞれ異なる側を基点に揺動開閉可能に取り付けてあってもよい。
【0057】
例えば、嵩上げ部材51を後側や右側を基点に揺動開閉可能に取り付ければ、フード部材52を開いて作業するときには、支持側側壁71の周辺が作業がし難い場合があるが、そのような場合に嵩上げ部材51を開ければ、支持側側壁71の周辺が開放されるため、簡単に作業できるようになる。
【0058】
また、第1実施形態では、嵩上げ部材51が後部カバー15aに対し、その側壁を基点に対辺方向に揺動開閉可能に取り付けられているが、その隅部を基点に対角方向に揺動開閉可能に取り付けてあってもよい。そうすれば、よりいっそうボンネット50が邪魔にならずに作業でき、作業性が向上する。
【0059】
ボンネット50の後部カバー15aへの取付方向は、冷却器19等の位置に応じて適宜選択することができ、必ずしも左側を高くしたり、左側で支持する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】第1実施形態の油圧ショベルの全体を示す側面図である。
【図2】油圧ショベルの概略平面図である。下部走行体やキャブ、アタッチメントは省略してある。
【図3】図2における矢印X方向から見たボンネットの部分を示す概略斜視図である。
【図4】図3の矢印Y方向から見たボンネットの後側面図である。
【図5】図3の矢印Y方向から見た、フード部材が開いている状態を示すボンネットの後側面図である。
【図6】図2における矢印X方向から見た、フード部材が開いている状態を示すボンネットの概略斜視図である。
【図7】図2における矢印X方向から見た、嵩上げ部材ごと開いている状態を示すボンネットの概略斜視図である。
【図8】図2における矢印X方向から見た、第2実施形態を説明するための概略斜視図である。
【図9】第3実施形態を説明するための概略側面図である。
【符号の説明】
【0061】
1 下部走行体
2 上部旋回体(作業機械本体)
4 アタッチメント(作業機械)
5 キャブ
6 機械室
7 カウンターウエイト
15 機械室カバー
15a 後部カバー
15b 側部カバー
19 冷却器
20 エンジン
21 ポンプ
22 コントロールバルブ
23 作動油タンク
24 燃料タンク
35 開口部
50 ボンネット
51 嵩上げ部材
51a L型部材
52 フード部材
52a 傾斜面
53 ロック部材
55 アーム部材
56 締結支持部
57 ボルト締結孔
60 要素部材
60a 固定部材
60b 着脱部材
61 締結ボルト
62 締結孔
70 窓部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体の上に作業機械本体が搭載され、この作業機械本体に機械室カバーとボンネットとを備える作業機械であって、
上記機械室カバーの上面には開口部が形成されており、
上記ボンネットが、枠状の嵩上げ部材と、この嵩上げ部材の上部の開口を塞ぐドーム状のフード部材とを有し、
上記嵩上げ部材の下部が、上記開口部の周りを取り囲むように上記機械室カバーに取り付けられ、
上記フード部材が、上記嵩上げ部材に揺動開閉可能に取り付けられていることを特徴とする作業機械。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械であって、
上記嵩上げ部材が上記機械室カバーに揺動開閉可能に取り付けられていることを特徴とする作業機械。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の作業機械であって、
上記嵩上げ部材が、複数の要素部材で構成されていて、
上記複数の要素部材に、上記フード部材を支持するとともに上記機械カバーに取り付けられる取付部材と、上記機械カバーから取り外し可能な着脱部材とが含まれていることを特徴とする作業機械。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の作業機械であって、
上記嵩上げ部材に、開閉可能な窓部が設けられていることを特徴とする作業機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−144378(P2010−144378A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−321455(P2008−321455)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【出願人】(000246273)コベルコ建機株式会社 (644)
【Fターム(参考)】