作業車の作業部操作装置
【課題】作業部を操作する制御弁と、制御弁の摺動スプールに連動機構を介して連結された操作レバーとを備えた作業車の作業部操作装置において、ロック操作を軽く行えるようにし、制御弁の中立ロックを精度よく行なえるようにする。
【解決手段】連動機構(M1)に、中継揺動リンク(44)と、中継揺動リンク(44)の遊端側に連結されたレバー側連動部材(50)と、中継揺動リンク(44)の遊端側に連結された制御弁側連動部材(51)とを設けてある。中継揺動リンク(44)の制御弁側連動部材(51)が連結している箇所よりも揺動軸芯(a)からの距離が大である箇所に設けた係止部(62)にロック体(61)が係脱する。
【解決手段】連動機構(M1)に、中継揺動リンク(44)と、中継揺動リンク(44)の遊端側に連結されたレバー側連動部材(50)と、中継揺動リンク(44)の遊端側に連結された制御弁側連動部材(51)とを設けてある。中継揺動リンク(44)の制御弁側連動部材(51)が連結している箇所よりも揺動軸芯(a)からの距離が大である箇所に設けた係止部(62)にロック体(61)が係脱する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業部を操作する制御弁と、前記制御弁の摺動スプールに連動機構を介して連結された操作レバーとを備えた作業車の作業部操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記した作業車の作業部操作装置として、従来、たとえば特許文献1に記載された操作装置があった。
特許文献1に記載された操作装置では、ブームシリンダ33を制御する第1制御バルブB1、バケットシリンダ34を制御する第2制御バルブB2、フロントローダ3に設けられる第3のアクチュエータを制御する第3制御バルブB3、第1制御バルブB1と第2制御バルブB2とを操作する第1操作レバー38、第3制御バルブB3を操作する第2操作レバー39を備えている。
【0003】
第1操作レバー38は、第1操作レバー38を上面側に取り付け固定された取付体55と、この取付体55が第2軸41を介して揺動自在に連結した揺動フレーム54とを介して支持体37の第1支持部材51と第2支持部材52とに支持されている。揺動フレーム54は、第1支持部材51と第2支持部材52とに第1支軸40を介して揺動自在に支持されている。
揺動フレーム54は、一体揺動自在に延びた取付片57dを備えている。この取付片57dと、第1制御バルブB1の摺動自在なスプールS1とが第1連動部材43を介して連結されている。第1連動部材43は、メインリンク59と、このメインリンク59の上部に固定された上取付片60と、メインリンク59の下部に固定された下取付片61とを有する。上取付片60は、ピン62を介して揺動フレーム54の取付片57dに枢支連結され、下取付片61は、ピン63を介してスプールS1に枢支連結されている。
取付体55は、一体揺動自在に取り付けられた支軸69を備えている。この支軸69と、第2制御バルブB2の摺動自在なスプールS2とが第2連動部材44を介して連結されている。第2連動部材44は、メインプレート66と、このメインプレート66の上部に固定された取付軸67と、メインプレート66の下部に固定された下取付片68とを有する。取付軸67は、球継手73を介して取付体55の支軸69に連結され、下取付片68は、スプールS2に枢支連結されている。
【0004】
つまり、第1操作レバー38は、第1支軸40の軸芯Xまわりと、第2支軸41の軸芯Y(図8では軸芯Y1)まわりとに揺動操作できる。第1操作レバー38を軸芯Xまわりに揺動操作すると、揺動フレーム54が揺動して第1連動部材43を介してスプールS1を押し、引き操作し、第1制御バルブB1を操作できる。第1操作レバー38を軸芯Yまわりに揺動操作すると、取付体55が揺動して第2連動部材44を介してスプールB2を押し、引き操作し、第2制御バルブB2を操作できる。
【0005】
第2操作レバー39は、支持体37の取付壁49に揺動操作自在に取り付けられている。第2操作レバー39は、これのボス部39aに設けた連結アーム78を一体揺動自在に備えている。この連結アーム78と、第3制御バルブB3の摺動自在なスプールS3とが第3連動部材45を介して連結されている。第3連動部材45は、メインリンク80と、このメインリンク80の上部に設けられた上取付片81と、メインリンク80の下部に設けられた下取付片82とを有する。上取付片81は、第2操作レバー39の連結アーム78にピン83を介して枢支連結され、下取付片82は、ピン84を介してスプールS3に枢支連結されている。
つまり、第2操作レバー39を揺動操作すると、第3連動部材45が移動操作されてスプールS3を摺動操作し、第3制御バルブB3を操作できる。
【0006】
特許文献1に記載された操作装置では、第1制御バルブB1、第2制御バルブB2、第3制御バルブB3をロックピン93によって中立状態にロックするロック機構46を備えている。
このロック機構46では、ロックピン93に支持腕91を介して連結されたロックレバー90によってロックピン93をホルダー88の内孔88aに沿わせて移動操作すると、ロックピン93がロック位置とロック解除位置とに切り換わる。
ロックピン93をロック位置に切り換え操作すると、ロックピン93の先端側が、第1連動部材43の挿通孔65と、第2連動部材44の挿通孔72とを挿通して第1連動部材43と第2連動部材44の移動を規制して、第1制御バルブB1と第2制御バルブB2とを中立状態にロックする。ロックピン93の後端側に設けてある第2ロック部94が、第3連動部材45の挿通孔85の嵌合部85cに嵌合して第3連動部材45の移動を規制して、第3制御バルブB3を中立状態にロックする。
ロックピン93をロック解除位置に切り換え操作すると、ロックピン93が、第1連動部材43と第2連動部材44の挿通孔65,72から抜脱して第1制御バルブB1と第2制御バルブB2との中立状態でのロックを解除する。ロックピン93の第2ロック部94が、第3連動部材45の嵌合部85cから離脱して第3制御バルブB3の中立状態でのロックを解除する。(各符号は、公報に記載された符号である。)
【0007】
【特許文献1】特開2004−360331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
作業車では、作業中断や移動走行などの際、作業部を操作状態に維持や固定することが可能なように、制御弁を中立状態にロックできるよう構成される。
上記した従来の技術を採用した場合、ロック操作が重くなりがちであるか、ロック精度が低下しがちであった。
つまり、上記した従来の技術を適用した場合、係合し合ったロック体と係止部との間に発生するガタ付きが制御弁に大きく影響する。ロック操作を軽く行えるようにするには、ロック体を係止部に係合しやすくする必要があることから、たとえばロック体のロック孔を大きめに設定する。すると、係合し合ったロック体と係止部との間に発生するガタ付きが大きくなり、制御弁をロックした状態において、ロック体と係止部との間のガタ付きに起因して制御弁に発生するスプールの遊びが大きくなる。
一方、制御弁のロックを精度よく行なえるようにするには、ロック状態に操作した制御弁に発生するスプールの遊びが小さくなるように、係合し合ったロック体と係止部との間のガタ付きを発生しにくくする必要があることから、たとえばロック体のロック孔を係止部に係合するだけの小孔に設定する。すると、ロック体と係止部とが係合しにくくなり、ロック操作が重くなる。
【0009】
本発明の目的は、ロック操作を軽く行うことも、制御弁の中立ロックを精度よく行なわせることも可能な作業車の作業部操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本第1発明は、作業部を操作する制御弁と、前記制御弁の摺動スプールに連動機構を介して連結された操作レバーとを備えた作業車の作業部操作装置において、
前記連動機構に、固定部に揺動自在に支持された中継揺動リンクと、前記中継揺動リンクに前記操作レバーを連動させるよう前記中継揺動リンクの遊端側に連結されたレバー側連動部材と、前記中継揺動リンクを前記摺動スプールに連動させるよう前記中継揺動リンクの遊端側に連結された制御弁側連動部材とを設け、
前記中継揺動リンクの前記制御弁側連動部材が連結している箇所よりも揺動軸芯からの距離が大である箇所に設けた係止部を備え、
前記中継揺動リンクを固定して前記制御弁を中立状態にロックするよう前記係止部に係合したロック状態と、前記中継揺動リンクの固定を解除して前記制御弁のロックを解除するよう前記係止部から離脱した解除状態とに切り換え操作自在なロック体を備えてある。
【0011】
本第1発明の構成によると、ロック体をロック状態に切り換え操作すると、ロック体が中継揺動リンクの係止部に係合し、中継揺動リンクを固定して制御弁を中立状態にロックする。
中継揺動リンクの係止部での揺動軸芯からの距離が、中継揺動リンクの制御弁側連動部材に連結している箇所での揺動軸芯からの距離よりも大であるから、中継揺動リンクの係止部での揺動軸芯からの距離と、中継揺動リンクの制御弁側連動部材に連結している箇所での揺動軸芯からの距離との比により、係合し合ったロック体と中継揺動リンクとの間に発生するガタ付きが、縮小されて制御弁に掛かることになる。これにより、係合し合ったロック体と中継揺動リンクとの間に発生するガタ付きが制御弁に及ぼす影響を、従来技術の場合のその影響よりも小にでき、ロック体と中継揺動リンクとが比較的大きなガタ付きを発生する状態で係合し合うように構成しても、ロック状態に操作した制御弁のスプールに発生する遊びを、ロック体と中継揺動リンクとの間のガタ付きの大きさよりも小にできる。
【0012】
したがって、制御弁をスプールの遊びが少ないロック精度の良い状態にロックして、作業部を所望の操作状態に精度よく維持やロックすることができるよう、かつロック操作を軽く行うことができるよう信頼性および操作性の面で優れた作業部操作装置を得ることができる。
【0013】
本第2発明では、前記制御弁側連動部材が、前記中継揺動リンクと前記摺動スプールとにわたって取り付けられた連結ピンである。
【0014】
本第2発明の構成によると、本第1発明の構成による作用、効果を奏するに加え、つぎの作用、効果を奏する。
中継揺動リンクとスプールとの連動手段に起因して中継揺動リンクとスプールとの間に遊びが発生するとしても、この遊びを連結ピンに起因するだけのわずかな遊びに済ませ、制御弁を中立状態にロックした状態でのスプールの遊びをこの面からも少なく済ませることができ、スプールの遊びがより少ない高いロック精度で制御弁をロックすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る作業部操作装置Sを備えた作業車の全体側面図である。図2は、本発明の実施例に係る作業部操作装置Sを備えた作業車の全体平面図である。これらの図に示すように、この作業車は、左右一対の操向操作および駆動自在な前車輪1,1と左右一対の駆動自在な後車輪2,2とによって自走するように構成され、かつ車体前部に設けたエンジン7が装備された原動部、車体後部に設けた運転座席4が装備された運転部を備えた自走車を備え、この自走車の車体フレーム14の後端部に上下揺動自在に設けた左右一対のロワーリンク21a,21aを有したリンク機構21と、前記車体フレーム14の後端部に設けた動力取り出し軸15とを備えている。
【0016】
この作業車は、車体後部に前記リンク機構21を介してロータリ耕耘装置(図示せず)を昇降操作自在に連結するとともに、前記エンジン7の駆動力を前記動力取り出し軸15からロータリ耕耘装置の伝達するように構成して、乗用型耕耘機を構成する。
【0017】
すなわち、前記自走車の前記車体フレーム14は、前記エンジン7と、このエンジン7の後部に連設されたクラッチハウジング8と、このクラッチハウジング8の後部に連結された伝動ケース10と、この伝動ケース10の後部に連結されたミッションケース9と、前記エンジン7の下部に連結された前輪支持フレーム12とを備えて構成してある。
【0018】
前記ミッションケース9は、これの両横側部で前記後車輪2を駆動自在に支持し、ミッションケース9の後端部で前記動力取り出し軸15を駆動自在に支持している。前記前輪支持フレーム12は、前輪駆動ケース13を介して前記左右一対の前車輪1,1を操向および駆動自在に支持している。
【0019】
前記リンク機構21は、前記左右一対のロワーリンク21a,21aを備える他、前記ミッションケース9の上部に上下揺動自在に支持された左右一対のリフトアーム22,22と、左側のリフトアーム22と左側のロワーリンク21aとを連結するリフトロッド22aと、右側のリフトアーム22と右側のロワーリンク21aとを連結するリフトロッド22aとを備えている。
このリンク機構21は、前記左右一対のリフトアーム22,22をミッションケース9の内部に位置する油圧シリンダ(図示せず)によって上下に揺動操作することにより、左右一対のロワーリンク21a,21aをミッションケース9に対して上下に揺動操作して連結状態のロータリ耕耘装置などを昇降操作する。
【0020】
図3は、前記作業車のフロントローダ状態での側面図である。この図に示すように、前記作業車は、車体フレーム14の前部に脱着自在な左右一対のローダ支持フレーム38,38を備えており、装着した前記左右一対のローダ支持フレーム38,38にフロントローダ装置Rの左右一対の支柱フレーム31,31の対応する側の支柱フレーム31を連結することにより、フロントローダを構成する。
【0021】
図3に示すように、前記フロントローダ装置Rは、前記左右一対の支柱フレーム31,31を備える他、前記左右一対の支柱フレーム31,31の上端部から上下揺動自在に延出されたブーム32、このブーム32の先端部に上下揺動自在に支持されたバケット33、前記左右一対の支柱フレーム31,31のそれぞれと前記ブーム32とにわたって連結された油圧シリンダで成るブームシリンダ34、前記ブーム32と前記バケット33とにわたって連結された左右一対の油圧シリンダで成るバケットシリンダ35を備えている。
【0022】
前記左右一対のブームシリンダ34,34は、前記ブーム32を支柱フレーム31に対して上下に揺動操作することによってバケット33を昇降操作する。前記左右一対のバケットシリンダ35,35は、バケット33を枢支軸33aの軸芯まわりに揺動操作して下降排土姿勢と上昇すくい姿勢とに切り換える。
【0023】
図4,5に示すように、前記作業車は、前記運転座席4の横一側方に位置する1本の操作レバー26を有した前記作業部操作装置Sを備えており、連結されたフロントローダ装置Rを前記作業部操作装置Sによって操作するよう構成している。
【0024】
次に、前記作業部操作装置Sについて詳述する。
図6は、前記作業部操作装置Sの側面図である。図7は、前記作業部操作装置Sの平面図である。図8は、図7のVIII−VIII断面矢視図である。これらの図に示すように、前記作業部操作装置Sは、前記操作レバー26を備える他、摺動スプール25aを有したブーム用の制御弁25(以下、ブーム制御弁25と呼称する。)と、摺動スプール24aを有したバケット用の制御弁24(以下、バケット制御弁24と呼称する。)と、前記操作レバー26の基部に付設した連結板26aが上面側にボルト連結されたブロック形のレバー支持体42などによって前記操作レバー26を前記ブーム制御弁25の摺動スプール25aに連動させているブーム側の連動機構M1(以下、ブーム側連動機構M1と呼称する。)と、前記操作レバー26を前記レバー支持体42などによって前記バケット制御弁24の摺動スプール24aに連動させているバケット側の連動機構M2(以下、バケット側連動機構M2と呼称する。)とを備えている。
【0025】
前記ブーム制御弁25のバルブボディと前記バケット制御弁24のバルブボディとは、一体成形されて、単一のバルブボディ25cになっている。このバルブボディ25cは、前記ミッションケース9に支持されている。
【0026】
図3,4,5に示すように、前記ブーム制御弁25は、バルブボディ25cから原動部の横一側方まで延出された一対の弁側油圧ホース29a,29aと、フロントローダ装置Rの一方のブームシリンダ34から延出された一対のシリンダ側油圧ホース36a,36aとを接続具28によって接続することにより、左右一対のブームシリンダ34,34に制御可能に接続される。すなわち、左右一対のブームシリンダ34,34は、フロントローダ装置Rに設けた油圧ホースによって互いに接続されている。
前記バケット制御弁24は、バルブボディ25cから原動部の横一側方まで延出された一対の弁側油圧ホース29b、29bと、フロントローダ装置Rの一方のバケットシリンダ35から延出された一対のシリンダ側油圧ホース36b、36bとを接続具28によって接続されることにより、左右一対のバケットシリンダ35,35に制御可能に接続される。すなわち、左右一対のバケットシリンダ35,35は、フロントローダ装置Rに設けた油圧ホースによって互いに接続されている。
【0027】
図12は、作業部操作装置Sの分解状態での斜視図である。この図と図1−11に示すように、前記ブーム側連動機構M1は、前記レバー支持体42を備える他、このレバー支持体42を二又部41bで挟んでいる連動体41と、この連動体41の前記二又部41bの外面側に突出しているアーム部41aに上端側が連結された連動ロッド45と、この連動ロッド45の下端側がレバー側連動部材としての連結ピン50によって遊端側に連結された中継揺動リンク44と、この中継揺動リンク44の遊端側と前記ブーム制御弁25の前記摺動スプール25aの端部とにわたって取り付けられた連結ピン51とを備えて構成してある。
【0028】
前記レバー支持体42は、これの一端側と前記連動体41の前記二又部41bの先端部とにわたって装着された枢支軸52を介して連動体41に支持されており、前記枢支軸52の軸芯Yまわりに前記連動体41に対して前記操作レバー26と共に揺動する。
【0029】
前記連動体41は、前記二又部41bと前記アーム部41aとを備える他、前記二又部41bの基部から延出した連結軸部41cを備えている。前記連結軸部41cは、前記バルブボィ25cの上部に下支持体39を介して固定された上支持体40が備える車体前後向きの第1筒支持部40aに回転自在に支持されており、前記連動体41は、前記連結軸部41cの車体前後向き軸芯Xのまわりに前記レバー支持体42および前記操作レバー26と共に揺動する。
【0030】
前記中継揺動リンク44は、前記連動ロッド45および前記摺動スプール25aが連結されたアーム部44aと、このアーム部44aの基端側に位置する連結ボス部44bとを備えている。前記連結ボス部44bは、前記下支持体39が備えるブラケットで成る固定部43aに枢支軸53を介して回転自在に支持されており、前記中継揺動リンク44は、前記枢支軸53の軸芯aまわりに固定部43aに対して車体上下方向に揺動する。
【0031】
図1−12に示すように、前記バケット側連動機構M2は、前記レバー支持体42を備える他、このレバー支持体42の前記枢支軸52が位置する側とは反対側の端部に突出した連結軸部42aに上端側が連結された連動ロッド46と、この連動ロッド46の下端側がレバー側連動部材としての連結ピン54によって遊端側に連結された中継揺動リンク47と、この中継揺動リンク47の遊端側と前記バケット制御弁24の前記摺動スプール24aの端部とにわたって取り付けられた連結ピン55とを備えて構成してある。
【0032】
前記中継揺動リンク47は、前記連動ロッド46および前記摺動スプール24aが連結されたアーム部47aと、このアーム部47aの基端側に位置する連結ボス部47bとを備えている。前記連結ボス部47bは、前記下支持体39が備えるブラケットで成る固定部43bに枢支軸56を介して回転自在に支持されており、前記中継揺動リンク47は、前記枢支軸56の軸芯bまわりに固定部43bに対して車体上下方向に揺動する。
【0033】
前記連動ロッド45および前記連動ロッド46の上端側は、球面を利用した自在継ぎ手部45aまたは46aを介して前記アーム部41aあるいは前記連結軸部42aに連結している。前記下支持体39は、前記バルブボディ25cにボルト連結されている。前記下支持体39と前記上支持体40とはボルト連結されている。
【0034】
つまり、作業部操作装置Sは、操作レバー26を軸芯Xまわりに車体前後方向に揺動操作することによって左右一対のブームシリンダ34,34を伸縮および停止操作し、操作レバー26を軸芯Yまわりに車体横方向に揺動操作することによって左右一対のバケットシリンダ35,35を伸縮および停止操作する。
【0035】
すなわち、操作レバー26を軸芯Xまわりに揺動操作すると、連動体41が軸芯Xまわりに操作レバー26と共に揺動してアーム部41aが連動ロッド45を介して中継揺動リンク44を軸芯aまわりに揺動操作し、この中継揺動リンク44が連結ピン51を介して摺動スプール25aを押し引き操作してブーム制御弁25を中立状態と上昇操作状態と下降操作状態とに切り換え操作する。
【0036】
一方、操作レバー26を軸芯Yまわりに揺動操作すると、レバー支持体42が軸芯Yまわりに操作レバー26と共に揺動して連結軸部42aが連動ロッド46を介して中継揺動リンク47を軸芯bまわりに揺動操作し、この中継揺動リンク47が連結ピン55を介して摺動スプール24aを押し引き操作してバケット制御弁24を中立状態と上昇状態と下降状態とに切り換え操作する。
【0037】
図9に示すように、前記作業部操作装置Sは、前記レバー支持体42の下方に位置するロック体61を有したロック機構60を備えている。
【0038】
図6−12に示すように、前記ロック機構60は、前記ロック体61を備える他、前記ブーム側連動機構M1の前記中継揺動リンク44の遊端部に設けた係止部62(以下、ブーム側係止部62と呼称する。)と、前記バケット側連動機構M2の前記中継揺動リンク47の遊端部に設けた係止部63(以下、バケット側係止部63と呼称する。)と、前記ロック体61の連結軸部61aのロック体本体61bが連結している側とは反対側の端部に連結板部64aで連結されたロックレバー64と、前記上支持体40に支持されたレバーホルダー65と、前記連結軸部61aに外嵌されたロック解除バネ66と、前記ロックレバー64の前記連結板部64aに連結された位置決めバネ67とを備えている。
【0039】
図12に示す如く、前記ロック体61は、前記ロック体本体61bと前記連結軸部61aを備える他、前記ロック体本体61bの上端部に沿わせて連結された支軸部61cを備えている。前記連結軸部61aは、前記上支持体40が備える第2筒支持部40bに摺動自在に支持されている。前記支軸部61cの両端部は、前記上支持体40に設けたガイド溝40cに摺動自在に支持されている。
【0040】
つまり、前記ロック体61は、前記一対のガイド溝40c、40cに案内されて前記連結軸部61aの軸芯方向に上支持体40に対して摺動する。このロック体61の摺動に伴い、前記ロック体本体61bが一対のロック孔61d,61dの一方によって前記ブーム側係止部62に係脱し、他方のロック孔61dによって前記バケット側係止部63に係脱する。
【0041】
前記ロックレバー64の前記連結板部64aは、前記連結軸部61aに回転自在に外嵌している。前記連結軸部61aは、これの端部に設けたストッパーリング68によってロックレバー64の抜け止めを行なっている。
【0042】
図9は、前記ロック機構60のロック状態での側面図である。図11(a)は、前記ロック機構60のロック状態での平面図である。これらの図に示すように、前記ロックレバー64をレバーホルダー65の先端側に移動操作し、ロックレバー64がロック位置ONに位置すると、ロックレバー64を連結軸部61aの軸芯まわりに揺動操作して連結板部64aをレバーホルダー65の先端側に位置する位置決め凹部65aに係入させ、ロックレバー64をレバーホルダー65に係合した状態に位置決めバネ67によって維持させてリターンバネ66によるロックレバー64の戻しを防止させる。
【0043】
すると、ロック体61は、リターンバネ66に抗して中継揺動リンク44および中継揺動リンク47が位置する側に摺動操作され、ロック体本体61bが一対のロック孔61d、61dによってブーム側係止部62とバケット側係止部63とに係合したロック状態になる。つまり、ロック体61は、中継揺動リンク44および中継揺動リンク47がブーム側係止部62あるいはバケット側係止部63のロック孔61dでのガタ付きに起因した範囲で揺動しても、中継揺動リンク44および中継揺動リンク47のそれ以上の揺動を規制するように、中継揺動リンク44および中継揺動リンク47をロック体本体61bによって固定する。
【0044】
これにより、ロック機構60は、ロック体61による中継揺動リンク44の固定によってブーム制御弁25を中立状態にロックするように、かつロック体61による中継揺動リンク47の固定によってバケット制御弁24を中立状態にロックするようにロック状態となり、操作レバー26を中立状態にロックするとともにバケット33を所望の取り付け高さおよび揺動姿勢にロックする。
【0045】
図10は、前記ロック機構60のロック解除状態での側面図である。図11(b)は、前記ロック機構60のロック解除状態での平面図である。これらの図に示すように、ロックレバー64を連結軸部61aの軸芯まわりに揺動操作して連結板部64aをレバーホルダー65の位置決め凹部65aから離脱させ、ロックレバー64をリターンバネ66によってレバーホルダー65の基端側に移動させて解除位置OFFに操作する。
【0046】
すると、ロック体61は、リターンバネ66によって中継揺動リンク44および中継揺動リンク47から離れる側に摺動操作されてロック体本体61bがブーム側係止部62およびバケット側係止部63から離脱した解除状態になり、ロック体本体61bによる中継揺動リンク44および中継揺動リンク47の固定を解除する。
【0047】
これにより、ロック機構60は、ロック体61による中継揺動リンク44の固定の解除によってブーム制御弁25の中立状態でのロックを解除するように、かつロック体61による中継揺動リンク47の固定の解除によってバケット制御弁24の中立状態でのロックを解除するようにロック解除状態となり、操作レバー26およびバケット33のロックを解除する。
【0048】
図11(a)に示すように、前記中継揺動リンク44および前記中継揺動リンク47において、中継揺動リンク44あるいは中継揺動リンク47の揺動軸芯aあるいは揺動軸芯bからブーム側係止部62あるいはバケット側係止部63が位置する箇所までの距離L1を、中継揺動リンク44あるいは中継揺動リンク47の揺動軸芯aあるいは揺動軸芯bから前記連結ピン51あるいは前記連結ピン55が連結している箇所までの距離L2よりも大に設定してある。
つまり、ロック体61の一対のロック孔61dにブーム側係止部62およびアーム側係止部63に係合しやすい大きさを備えてあることから、ブーム制御弁25およびバケット制御弁24のロック体61によるロック状態において、ブーム側係止部62のロック孔61dでのガタ付きに起因して中継揺動リンク44に軸芯aまわりのガタ付きが発生し、バケット側係止部63のロック孔61dでのガタ付きに起因して中継揺動リンク47に軸芯bまわりのガタ付きが発生する。しかし、ブーム制御弁25のロック状態において中継揺動リンク44のガタ付きに起因してブーム制御弁25に発生する摺動スプール25aの遊びを、ブーム側係止部62のガタ付きの大きさよりも小に抑制し、バケット制御弁24のロック状態において中継揺動リンク47のガタ付きに起因してバケット制御弁24に発生する摺動スプール24aの遊びの大きさを、バケット側係止部63のガタ付きの大きさよりも小に抑制している。
【0049】
〔別実施例〕
上記した実施構成を備えたブーム側連結機構M1およびアーム側連結機構M2に替え、中継揺動リンク44あるいは中継揺動リンク47と摺動スプール25aあるいは摺動スプール24aとを、連結ピン51あるいは連結ピン55の他に連動ロッドなどを有した連動手段を介して連結する構成を採用してもよく。この場合も、本発明の目的を達成することができる。
したがって、前記連結ピン51および前記連結ピン55を、制御弁側連動部材51,55と呼称する。
【0050】
上記した実施構成を備えたブーム側連結機構M1に替え、中継揺動リンク44の摺動スプール25a(連結ピン51)が連結する箇所とブーム側係止部62との間に連結ピン50(レバー側連動部材)を連結する構成を採用して実施してもよい。上記した実施構成を備えたバケット側連結機構M2に替え、中継揺動リンク47の摺動スプール24a(連結ピン55)が連結する箇所とバケット側係止部63との間に連結ピン54(レバー側連動部材)を連結する構成を採用して実施してもよい。いずれにおいても、本発明の目的を達成することができる。
【0051】
上記した実施構造を備えた作業部操作装置に替え、フロントドーザ装置R以外の各種の作業装置を操作する構成を備えた作業部操作装置の場合にも、本発明を適用することができる。したがって、フロントドーザ装置Rなどを総称して作業部Rと呼称する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】作業車の全体側面図
【図2】作業車の全体平面図
【図3】作業車のフロントローダ状態での側面図
【図4】作業車の作業部操作装置配設部の側面図
【図5】作業車の作業部操作装置配設部の平面図
【図6】作業部操作装置の側面図
【図7】作業部操作装置の平面図
【図8】図7のVIII−VIII断面矢視図
【図9】ロック機構のロック状態での側面図
【図10】ロック機構のロック解除状態での側面図
【図11】(a)は、ロック機構のロック状態での平面図、(b)は、ロック機構のロック解除状態での平面図
【図12】作業部操作装置の分解状態での斜視図
【符号の説明】
【0053】
24,25 制御弁
24a,25a 摺動スプール
26 操作レバー
43a,43b 固定部
44,47 中継揺動リンク
50,54 レバー側連動部材
51,55 制御弁側連動部材
62,63 係止部
M1,M2 連動機構
a,b 中継揺動リンクの揺動軸芯
R 作業部
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業部を操作する制御弁と、前記制御弁の摺動スプールに連動機構を介して連結された操作レバーとを備えた作業車の作業部操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記した作業車の作業部操作装置として、従来、たとえば特許文献1に記載された操作装置があった。
特許文献1に記載された操作装置では、ブームシリンダ33を制御する第1制御バルブB1、バケットシリンダ34を制御する第2制御バルブB2、フロントローダ3に設けられる第3のアクチュエータを制御する第3制御バルブB3、第1制御バルブB1と第2制御バルブB2とを操作する第1操作レバー38、第3制御バルブB3を操作する第2操作レバー39を備えている。
【0003】
第1操作レバー38は、第1操作レバー38を上面側に取り付け固定された取付体55と、この取付体55が第2軸41を介して揺動自在に連結した揺動フレーム54とを介して支持体37の第1支持部材51と第2支持部材52とに支持されている。揺動フレーム54は、第1支持部材51と第2支持部材52とに第1支軸40を介して揺動自在に支持されている。
揺動フレーム54は、一体揺動自在に延びた取付片57dを備えている。この取付片57dと、第1制御バルブB1の摺動自在なスプールS1とが第1連動部材43を介して連結されている。第1連動部材43は、メインリンク59と、このメインリンク59の上部に固定された上取付片60と、メインリンク59の下部に固定された下取付片61とを有する。上取付片60は、ピン62を介して揺動フレーム54の取付片57dに枢支連結され、下取付片61は、ピン63を介してスプールS1に枢支連結されている。
取付体55は、一体揺動自在に取り付けられた支軸69を備えている。この支軸69と、第2制御バルブB2の摺動自在なスプールS2とが第2連動部材44を介して連結されている。第2連動部材44は、メインプレート66と、このメインプレート66の上部に固定された取付軸67と、メインプレート66の下部に固定された下取付片68とを有する。取付軸67は、球継手73を介して取付体55の支軸69に連結され、下取付片68は、スプールS2に枢支連結されている。
【0004】
つまり、第1操作レバー38は、第1支軸40の軸芯Xまわりと、第2支軸41の軸芯Y(図8では軸芯Y1)まわりとに揺動操作できる。第1操作レバー38を軸芯Xまわりに揺動操作すると、揺動フレーム54が揺動して第1連動部材43を介してスプールS1を押し、引き操作し、第1制御バルブB1を操作できる。第1操作レバー38を軸芯Yまわりに揺動操作すると、取付体55が揺動して第2連動部材44を介してスプールB2を押し、引き操作し、第2制御バルブB2を操作できる。
【0005】
第2操作レバー39は、支持体37の取付壁49に揺動操作自在に取り付けられている。第2操作レバー39は、これのボス部39aに設けた連結アーム78を一体揺動自在に備えている。この連結アーム78と、第3制御バルブB3の摺動自在なスプールS3とが第3連動部材45を介して連結されている。第3連動部材45は、メインリンク80と、このメインリンク80の上部に設けられた上取付片81と、メインリンク80の下部に設けられた下取付片82とを有する。上取付片81は、第2操作レバー39の連結アーム78にピン83を介して枢支連結され、下取付片82は、ピン84を介してスプールS3に枢支連結されている。
つまり、第2操作レバー39を揺動操作すると、第3連動部材45が移動操作されてスプールS3を摺動操作し、第3制御バルブB3を操作できる。
【0006】
特許文献1に記載された操作装置では、第1制御バルブB1、第2制御バルブB2、第3制御バルブB3をロックピン93によって中立状態にロックするロック機構46を備えている。
このロック機構46では、ロックピン93に支持腕91を介して連結されたロックレバー90によってロックピン93をホルダー88の内孔88aに沿わせて移動操作すると、ロックピン93がロック位置とロック解除位置とに切り換わる。
ロックピン93をロック位置に切り換え操作すると、ロックピン93の先端側が、第1連動部材43の挿通孔65と、第2連動部材44の挿通孔72とを挿通して第1連動部材43と第2連動部材44の移動を規制して、第1制御バルブB1と第2制御バルブB2とを中立状態にロックする。ロックピン93の後端側に設けてある第2ロック部94が、第3連動部材45の挿通孔85の嵌合部85cに嵌合して第3連動部材45の移動を規制して、第3制御バルブB3を中立状態にロックする。
ロックピン93をロック解除位置に切り換え操作すると、ロックピン93が、第1連動部材43と第2連動部材44の挿通孔65,72から抜脱して第1制御バルブB1と第2制御バルブB2との中立状態でのロックを解除する。ロックピン93の第2ロック部94が、第3連動部材45の嵌合部85cから離脱して第3制御バルブB3の中立状態でのロックを解除する。(各符号は、公報に記載された符号である。)
【0007】
【特許文献1】特開2004−360331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
作業車では、作業中断や移動走行などの際、作業部を操作状態に維持や固定することが可能なように、制御弁を中立状態にロックできるよう構成される。
上記した従来の技術を採用した場合、ロック操作が重くなりがちであるか、ロック精度が低下しがちであった。
つまり、上記した従来の技術を適用した場合、係合し合ったロック体と係止部との間に発生するガタ付きが制御弁に大きく影響する。ロック操作を軽く行えるようにするには、ロック体を係止部に係合しやすくする必要があることから、たとえばロック体のロック孔を大きめに設定する。すると、係合し合ったロック体と係止部との間に発生するガタ付きが大きくなり、制御弁をロックした状態において、ロック体と係止部との間のガタ付きに起因して制御弁に発生するスプールの遊びが大きくなる。
一方、制御弁のロックを精度よく行なえるようにするには、ロック状態に操作した制御弁に発生するスプールの遊びが小さくなるように、係合し合ったロック体と係止部との間のガタ付きを発生しにくくする必要があることから、たとえばロック体のロック孔を係止部に係合するだけの小孔に設定する。すると、ロック体と係止部とが係合しにくくなり、ロック操作が重くなる。
【0009】
本発明の目的は、ロック操作を軽く行うことも、制御弁の中立ロックを精度よく行なわせることも可能な作業車の作業部操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本第1発明は、作業部を操作する制御弁と、前記制御弁の摺動スプールに連動機構を介して連結された操作レバーとを備えた作業車の作業部操作装置において、
前記連動機構に、固定部に揺動自在に支持された中継揺動リンクと、前記中継揺動リンクに前記操作レバーを連動させるよう前記中継揺動リンクの遊端側に連結されたレバー側連動部材と、前記中継揺動リンクを前記摺動スプールに連動させるよう前記中継揺動リンクの遊端側に連結された制御弁側連動部材とを設け、
前記中継揺動リンクの前記制御弁側連動部材が連結している箇所よりも揺動軸芯からの距離が大である箇所に設けた係止部を備え、
前記中継揺動リンクを固定して前記制御弁を中立状態にロックするよう前記係止部に係合したロック状態と、前記中継揺動リンクの固定を解除して前記制御弁のロックを解除するよう前記係止部から離脱した解除状態とに切り換え操作自在なロック体を備えてある。
【0011】
本第1発明の構成によると、ロック体をロック状態に切り換え操作すると、ロック体が中継揺動リンクの係止部に係合し、中継揺動リンクを固定して制御弁を中立状態にロックする。
中継揺動リンクの係止部での揺動軸芯からの距離が、中継揺動リンクの制御弁側連動部材に連結している箇所での揺動軸芯からの距離よりも大であるから、中継揺動リンクの係止部での揺動軸芯からの距離と、中継揺動リンクの制御弁側連動部材に連結している箇所での揺動軸芯からの距離との比により、係合し合ったロック体と中継揺動リンクとの間に発生するガタ付きが、縮小されて制御弁に掛かることになる。これにより、係合し合ったロック体と中継揺動リンクとの間に発生するガタ付きが制御弁に及ぼす影響を、従来技術の場合のその影響よりも小にでき、ロック体と中継揺動リンクとが比較的大きなガタ付きを発生する状態で係合し合うように構成しても、ロック状態に操作した制御弁のスプールに発生する遊びを、ロック体と中継揺動リンクとの間のガタ付きの大きさよりも小にできる。
【0012】
したがって、制御弁をスプールの遊びが少ないロック精度の良い状態にロックして、作業部を所望の操作状態に精度よく維持やロックすることができるよう、かつロック操作を軽く行うことができるよう信頼性および操作性の面で優れた作業部操作装置を得ることができる。
【0013】
本第2発明では、前記制御弁側連動部材が、前記中継揺動リンクと前記摺動スプールとにわたって取り付けられた連結ピンである。
【0014】
本第2発明の構成によると、本第1発明の構成による作用、効果を奏するに加え、つぎの作用、効果を奏する。
中継揺動リンクとスプールとの連動手段に起因して中継揺動リンクとスプールとの間に遊びが発生するとしても、この遊びを連結ピンに起因するだけのわずかな遊びに済ませ、制御弁を中立状態にロックした状態でのスプールの遊びをこの面からも少なく済ませることができ、スプールの遊びがより少ない高いロック精度で制御弁をロックすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る作業部操作装置Sを備えた作業車の全体側面図である。図2は、本発明の実施例に係る作業部操作装置Sを備えた作業車の全体平面図である。これらの図に示すように、この作業車は、左右一対の操向操作および駆動自在な前車輪1,1と左右一対の駆動自在な後車輪2,2とによって自走するように構成され、かつ車体前部に設けたエンジン7が装備された原動部、車体後部に設けた運転座席4が装備された運転部を備えた自走車を備え、この自走車の車体フレーム14の後端部に上下揺動自在に設けた左右一対のロワーリンク21a,21aを有したリンク機構21と、前記車体フレーム14の後端部に設けた動力取り出し軸15とを備えている。
【0016】
この作業車は、車体後部に前記リンク機構21を介してロータリ耕耘装置(図示せず)を昇降操作自在に連結するとともに、前記エンジン7の駆動力を前記動力取り出し軸15からロータリ耕耘装置の伝達するように構成して、乗用型耕耘機を構成する。
【0017】
すなわち、前記自走車の前記車体フレーム14は、前記エンジン7と、このエンジン7の後部に連設されたクラッチハウジング8と、このクラッチハウジング8の後部に連結された伝動ケース10と、この伝動ケース10の後部に連結されたミッションケース9と、前記エンジン7の下部に連結された前輪支持フレーム12とを備えて構成してある。
【0018】
前記ミッションケース9は、これの両横側部で前記後車輪2を駆動自在に支持し、ミッションケース9の後端部で前記動力取り出し軸15を駆動自在に支持している。前記前輪支持フレーム12は、前輪駆動ケース13を介して前記左右一対の前車輪1,1を操向および駆動自在に支持している。
【0019】
前記リンク機構21は、前記左右一対のロワーリンク21a,21aを備える他、前記ミッションケース9の上部に上下揺動自在に支持された左右一対のリフトアーム22,22と、左側のリフトアーム22と左側のロワーリンク21aとを連結するリフトロッド22aと、右側のリフトアーム22と右側のロワーリンク21aとを連結するリフトロッド22aとを備えている。
このリンク機構21は、前記左右一対のリフトアーム22,22をミッションケース9の内部に位置する油圧シリンダ(図示せず)によって上下に揺動操作することにより、左右一対のロワーリンク21a,21aをミッションケース9に対して上下に揺動操作して連結状態のロータリ耕耘装置などを昇降操作する。
【0020】
図3は、前記作業車のフロントローダ状態での側面図である。この図に示すように、前記作業車は、車体フレーム14の前部に脱着自在な左右一対のローダ支持フレーム38,38を備えており、装着した前記左右一対のローダ支持フレーム38,38にフロントローダ装置Rの左右一対の支柱フレーム31,31の対応する側の支柱フレーム31を連結することにより、フロントローダを構成する。
【0021】
図3に示すように、前記フロントローダ装置Rは、前記左右一対の支柱フレーム31,31を備える他、前記左右一対の支柱フレーム31,31の上端部から上下揺動自在に延出されたブーム32、このブーム32の先端部に上下揺動自在に支持されたバケット33、前記左右一対の支柱フレーム31,31のそれぞれと前記ブーム32とにわたって連結された油圧シリンダで成るブームシリンダ34、前記ブーム32と前記バケット33とにわたって連結された左右一対の油圧シリンダで成るバケットシリンダ35を備えている。
【0022】
前記左右一対のブームシリンダ34,34は、前記ブーム32を支柱フレーム31に対して上下に揺動操作することによってバケット33を昇降操作する。前記左右一対のバケットシリンダ35,35は、バケット33を枢支軸33aの軸芯まわりに揺動操作して下降排土姿勢と上昇すくい姿勢とに切り換える。
【0023】
図4,5に示すように、前記作業車は、前記運転座席4の横一側方に位置する1本の操作レバー26を有した前記作業部操作装置Sを備えており、連結されたフロントローダ装置Rを前記作業部操作装置Sによって操作するよう構成している。
【0024】
次に、前記作業部操作装置Sについて詳述する。
図6は、前記作業部操作装置Sの側面図である。図7は、前記作業部操作装置Sの平面図である。図8は、図7のVIII−VIII断面矢視図である。これらの図に示すように、前記作業部操作装置Sは、前記操作レバー26を備える他、摺動スプール25aを有したブーム用の制御弁25(以下、ブーム制御弁25と呼称する。)と、摺動スプール24aを有したバケット用の制御弁24(以下、バケット制御弁24と呼称する。)と、前記操作レバー26の基部に付設した連結板26aが上面側にボルト連結されたブロック形のレバー支持体42などによって前記操作レバー26を前記ブーム制御弁25の摺動スプール25aに連動させているブーム側の連動機構M1(以下、ブーム側連動機構M1と呼称する。)と、前記操作レバー26を前記レバー支持体42などによって前記バケット制御弁24の摺動スプール24aに連動させているバケット側の連動機構M2(以下、バケット側連動機構M2と呼称する。)とを備えている。
【0025】
前記ブーム制御弁25のバルブボディと前記バケット制御弁24のバルブボディとは、一体成形されて、単一のバルブボディ25cになっている。このバルブボディ25cは、前記ミッションケース9に支持されている。
【0026】
図3,4,5に示すように、前記ブーム制御弁25は、バルブボディ25cから原動部の横一側方まで延出された一対の弁側油圧ホース29a,29aと、フロントローダ装置Rの一方のブームシリンダ34から延出された一対のシリンダ側油圧ホース36a,36aとを接続具28によって接続することにより、左右一対のブームシリンダ34,34に制御可能に接続される。すなわち、左右一対のブームシリンダ34,34は、フロントローダ装置Rに設けた油圧ホースによって互いに接続されている。
前記バケット制御弁24は、バルブボディ25cから原動部の横一側方まで延出された一対の弁側油圧ホース29b、29bと、フロントローダ装置Rの一方のバケットシリンダ35から延出された一対のシリンダ側油圧ホース36b、36bとを接続具28によって接続されることにより、左右一対のバケットシリンダ35,35に制御可能に接続される。すなわち、左右一対のバケットシリンダ35,35は、フロントローダ装置Rに設けた油圧ホースによって互いに接続されている。
【0027】
図12は、作業部操作装置Sの分解状態での斜視図である。この図と図1−11に示すように、前記ブーム側連動機構M1は、前記レバー支持体42を備える他、このレバー支持体42を二又部41bで挟んでいる連動体41と、この連動体41の前記二又部41bの外面側に突出しているアーム部41aに上端側が連結された連動ロッド45と、この連動ロッド45の下端側がレバー側連動部材としての連結ピン50によって遊端側に連結された中継揺動リンク44と、この中継揺動リンク44の遊端側と前記ブーム制御弁25の前記摺動スプール25aの端部とにわたって取り付けられた連結ピン51とを備えて構成してある。
【0028】
前記レバー支持体42は、これの一端側と前記連動体41の前記二又部41bの先端部とにわたって装着された枢支軸52を介して連動体41に支持されており、前記枢支軸52の軸芯Yまわりに前記連動体41に対して前記操作レバー26と共に揺動する。
【0029】
前記連動体41は、前記二又部41bと前記アーム部41aとを備える他、前記二又部41bの基部から延出した連結軸部41cを備えている。前記連結軸部41cは、前記バルブボィ25cの上部に下支持体39を介して固定された上支持体40が備える車体前後向きの第1筒支持部40aに回転自在に支持されており、前記連動体41は、前記連結軸部41cの車体前後向き軸芯Xのまわりに前記レバー支持体42および前記操作レバー26と共に揺動する。
【0030】
前記中継揺動リンク44は、前記連動ロッド45および前記摺動スプール25aが連結されたアーム部44aと、このアーム部44aの基端側に位置する連結ボス部44bとを備えている。前記連結ボス部44bは、前記下支持体39が備えるブラケットで成る固定部43aに枢支軸53を介して回転自在に支持されており、前記中継揺動リンク44は、前記枢支軸53の軸芯aまわりに固定部43aに対して車体上下方向に揺動する。
【0031】
図1−12に示すように、前記バケット側連動機構M2は、前記レバー支持体42を備える他、このレバー支持体42の前記枢支軸52が位置する側とは反対側の端部に突出した連結軸部42aに上端側が連結された連動ロッド46と、この連動ロッド46の下端側がレバー側連動部材としての連結ピン54によって遊端側に連結された中継揺動リンク47と、この中継揺動リンク47の遊端側と前記バケット制御弁24の前記摺動スプール24aの端部とにわたって取り付けられた連結ピン55とを備えて構成してある。
【0032】
前記中継揺動リンク47は、前記連動ロッド46および前記摺動スプール24aが連結されたアーム部47aと、このアーム部47aの基端側に位置する連結ボス部47bとを備えている。前記連結ボス部47bは、前記下支持体39が備えるブラケットで成る固定部43bに枢支軸56を介して回転自在に支持されており、前記中継揺動リンク47は、前記枢支軸56の軸芯bまわりに固定部43bに対して車体上下方向に揺動する。
【0033】
前記連動ロッド45および前記連動ロッド46の上端側は、球面を利用した自在継ぎ手部45aまたは46aを介して前記アーム部41aあるいは前記連結軸部42aに連結している。前記下支持体39は、前記バルブボディ25cにボルト連結されている。前記下支持体39と前記上支持体40とはボルト連結されている。
【0034】
つまり、作業部操作装置Sは、操作レバー26を軸芯Xまわりに車体前後方向に揺動操作することによって左右一対のブームシリンダ34,34を伸縮および停止操作し、操作レバー26を軸芯Yまわりに車体横方向に揺動操作することによって左右一対のバケットシリンダ35,35を伸縮および停止操作する。
【0035】
すなわち、操作レバー26を軸芯Xまわりに揺動操作すると、連動体41が軸芯Xまわりに操作レバー26と共に揺動してアーム部41aが連動ロッド45を介して中継揺動リンク44を軸芯aまわりに揺動操作し、この中継揺動リンク44が連結ピン51を介して摺動スプール25aを押し引き操作してブーム制御弁25を中立状態と上昇操作状態と下降操作状態とに切り換え操作する。
【0036】
一方、操作レバー26を軸芯Yまわりに揺動操作すると、レバー支持体42が軸芯Yまわりに操作レバー26と共に揺動して連結軸部42aが連動ロッド46を介して中継揺動リンク47を軸芯bまわりに揺動操作し、この中継揺動リンク47が連結ピン55を介して摺動スプール24aを押し引き操作してバケット制御弁24を中立状態と上昇状態と下降状態とに切り換え操作する。
【0037】
図9に示すように、前記作業部操作装置Sは、前記レバー支持体42の下方に位置するロック体61を有したロック機構60を備えている。
【0038】
図6−12に示すように、前記ロック機構60は、前記ロック体61を備える他、前記ブーム側連動機構M1の前記中継揺動リンク44の遊端部に設けた係止部62(以下、ブーム側係止部62と呼称する。)と、前記バケット側連動機構M2の前記中継揺動リンク47の遊端部に設けた係止部63(以下、バケット側係止部63と呼称する。)と、前記ロック体61の連結軸部61aのロック体本体61bが連結している側とは反対側の端部に連結板部64aで連結されたロックレバー64と、前記上支持体40に支持されたレバーホルダー65と、前記連結軸部61aに外嵌されたロック解除バネ66と、前記ロックレバー64の前記連結板部64aに連結された位置決めバネ67とを備えている。
【0039】
図12に示す如く、前記ロック体61は、前記ロック体本体61bと前記連結軸部61aを備える他、前記ロック体本体61bの上端部に沿わせて連結された支軸部61cを備えている。前記連結軸部61aは、前記上支持体40が備える第2筒支持部40bに摺動自在に支持されている。前記支軸部61cの両端部は、前記上支持体40に設けたガイド溝40cに摺動自在に支持されている。
【0040】
つまり、前記ロック体61は、前記一対のガイド溝40c、40cに案内されて前記連結軸部61aの軸芯方向に上支持体40に対して摺動する。このロック体61の摺動に伴い、前記ロック体本体61bが一対のロック孔61d,61dの一方によって前記ブーム側係止部62に係脱し、他方のロック孔61dによって前記バケット側係止部63に係脱する。
【0041】
前記ロックレバー64の前記連結板部64aは、前記連結軸部61aに回転自在に外嵌している。前記連結軸部61aは、これの端部に設けたストッパーリング68によってロックレバー64の抜け止めを行なっている。
【0042】
図9は、前記ロック機構60のロック状態での側面図である。図11(a)は、前記ロック機構60のロック状態での平面図である。これらの図に示すように、前記ロックレバー64をレバーホルダー65の先端側に移動操作し、ロックレバー64がロック位置ONに位置すると、ロックレバー64を連結軸部61aの軸芯まわりに揺動操作して連結板部64aをレバーホルダー65の先端側に位置する位置決め凹部65aに係入させ、ロックレバー64をレバーホルダー65に係合した状態に位置決めバネ67によって維持させてリターンバネ66によるロックレバー64の戻しを防止させる。
【0043】
すると、ロック体61は、リターンバネ66に抗して中継揺動リンク44および中継揺動リンク47が位置する側に摺動操作され、ロック体本体61bが一対のロック孔61d、61dによってブーム側係止部62とバケット側係止部63とに係合したロック状態になる。つまり、ロック体61は、中継揺動リンク44および中継揺動リンク47がブーム側係止部62あるいはバケット側係止部63のロック孔61dでのガタ付きに起因した範囲で揺動しても、中継揺動リンク44および中継揺動リンク47のそれ以上の揺動を規制するように、中継揺動リンク44および中継揺動リンク47をロック体本体61bによって固定する。
【0044】
これにより、ロック機構60は、ロック体61による中継揺動リンク44の固定によってブーム制御弁25を中立状態にロックするように、かつロック体61による中継揺動リンク47の固定によってバケット制御弁24を中立状態にロックするようにロック状態となり、操作レバー26を中立状態にロックするとともにバケット33を所望の取り付け高さおよび揺動姿勢にロックする。
【0045】
図10は、前記ロック機構60のロック解除状態での側面図である。図11(b)は、前記ロック機構60のロック解除状態での平面図である。これらの図に示すように、ロックレバー64を連結軸部61aの軸芯まわりに揺動操作して連結板部64aをレバーホルダー65の位置決め凹部65aから離脱させ、ロックレバー64をリターンバネ66によってレバーホルダー65の基端側に移動させて解除位置OFFに操作する。
【0046】
すると、ロック体61は、リターンバネ66によって中継揺動リンク44および中継揺動リンク47から離れる側に摺動操作されてロック体本体61bがブーム側係止部62およびバケット側係止部63から離脱した解除状態になり、ロック体本体61bによる中継揺動リンク44および中継揺動リンク47の固定を解除する。
【0047】
これにより、ロック機構60は、ロック体61による中継揺動リンク44の固定の解除によってブーム制御弁25の中立状態でのロックを解除するように、かつロック体61による中継揺動リンク47の固定の解除によってバケット制御弁24の中立状態でのロックを解除するようにロック解除状態となり、操作レバー26およびバケット33のロックを解除する。
【0048】
図11(a)に示すように、前記中継揺動リンク44および前記中継揺動リンク47において、中継揺動リンク44あるいは中継揺動リンク47の揺動軸芯aあるいは揺動軸芯bからブーム側係止部62あるいはバケット側係止部63が位置する箇所までの距離L1を、中継揺動リンク44あるいは中継揺動リンク47の揺動軸芯aあるいは揺動軸芯bから前記連結ピン51あるいは前記連結ピン55が連結している箇所までの距離L2よりも大に設定してある。
つまり、ロック体61の一対のロック孔61dにブーム側係止部62およびアーム側係止部63に係合しやすい大きさを備えてあることから、ブーム制御弁25およびバケット制御弁24のロック体61によるロック状態において、ブーム側係止部62のロック孔61dでのガタ付きに起因して中継揺動リンク44に軸芯aまわりのガタ付きが発生し、バケット側係止部63のロック孔61dでのガタ付きに起因して中継揺動リンク47に軸芯bまわりのガタ付きが発生する。しかし、ブーム制御弁25のロック状態において中継揺動リンク44のガタ付きに起因してブーム制御弁25に発生する摺動スプール25aの遊びを、ブーム側係止部62のガタ付きの大きさよりも小に抑制し、バケット制御弁24のロック状態において中継揺動リンク47のガタ付きに起因してバケット制御弁24に発生する摺動スプール24aの遊びの大きさを、バケット側係止部63のガタ付きの大きさよりも小に抑制している。
【0049】
〔別実施例〕
上記した実施構成を備えたブーム側連結機構M1およびアーム側連結機構M2に替え、中継揺動リンク44あるいは中継揺動リンク47と摺動スプール25aあるいは摺動スプール24aとを、連結ピン51あるいは連結ピン55の他に連動ロッドなどを有した連動手段を介して連結する構成を採用してもよく。この場合も、本発明の目的を達成することができる。
したがって、前記連結ピン51および前記連結ピン55を、制御弁側連動部材51,55と呼称する。
【0050】
上記した実施構成を備えたブーム側連結機構M1に替え、中継揺動リンク44の摺動スプール25a(連結ピン51)が連結する箇所とブーム側係止部62との間に連結ピン50(レバー側連動部材)を連結する構成を採用して実施してもよい。上記した実施構成を備えたバケット側連結機構M2に替え、中継揺動リンク47の摺動スプール24a(連結ピン55)が連結する箇所とバケット側係止部63との間に連結ピン54(レバー側連動部材)を連結する構成を採用して実施してもよい。いずれにおいても、本発明の目的を達成することができる。
【0051】
上記した実施構造を備えた作業部操作装置に替え、フロントドーザ装置R以外の各種の作業装置を操作する構成を備えた作業部操作装置の場合にも、本発明を適用することができる。したがって、フロントドーザ装置Rなどを総称して作業部Rと呼称する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】作業車の全体側面図
【図2】作業車の全体平面図
【図3】作業車のフロントローダ状態での側面図
【図4】作業車の作業部操作装置配設部の側面図
【図5】作業車の作業部操作装置配設部の平面図
【図6】作業部操作装置の側面図
【図7】作業部操作装置の平面図
【図8】図7のVIII−VIII断面矢視図
【図9】ロック機構のロック状態での側面図
【図10】ロック機構のロック解除状態での側面図
【図11】(a)は、ロック機構のロック状態での平面図、(b)は、ロック機構のロック解除状態での平面図
【図12】作業部操作装置の分解状態での斜視図
【符号の説明】
【0053】
24,25 制御弁
24a,25a 摺動スプール
26 操作レバー
43a,43b 固定部
44,47 中継揺動リンク
50,54 レバー側連動部材
51,55 制御弁側連動部材
62,63 係止部
M1,M2 連動機構
a,b 中継揺動リンクの揺動軸芯
R 作業部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業部を操作する制御弁と、前記制御弁の摺動スプールに連動機構を介して連結された操作レバーとを備えた作業車の作業部操作装置であって、
前記連動機構に、固定部に揺動自在に支持された中継揺動リンクと、前記中継揺動リンクに前記操作レバーを連動させるよう前記中継揺動リンクの遊端側に連結されたレバー側連動部材と、前記中継揺動リンクを前記摺動スプールに連動させるよう前記中継揺動リンクの遊端側に連結された制御弁側連動部材とを設け、
前記中継揺動リンクの前記制御弁側連動部材が連結している箇所よりも揺動軸芯からの距離が大である箇所に設けた係止部を備え、
前記中継揺動リンクを固定して前記制御弁を中立状態にロックするよう前記係止部に係合したロック状態と、前記中継揺動リンクの固定を解除して前記制御弁のロックを解除するよう前記係止部から離脱した解除状態とに切り換え操作自在なロック体を備えてある作業車の作業部操作装置。
【請求項2】
前記制御弁側連動部材が、前記中継揺動リンクと前記摺動スプールとにわたって取り付けられた連結ピンである請求項1記載の作業車の作業部操作装置。
【請求項1】
作業部を操作する制御弁と、前記制御弁の摺動スプールに連動機構を介して連結された操作レバーとを備えた作業車の作業部操作装置であって、
前記連動機構に、固定部に揺動自在に支持された中継揺動リンクと、前記中継揺動リンクに前記操作レバーを連動させるよう前記中継揺動リンクの遊端側に連結されたレバー側連動部材と、前記中継揺動リンクを前記摺動スプールに連動させるよう前記中継揺動リンクの遊端側に連結された制御弁側連動部材とを設け、
前記中継揺動リンクの前記制御弁側連動部材が連結している箇所よりも揺動軸芯からの距離が大である箇所に設けた係止部を備え、
前記中継揺動リンクを固定して前記制御弁を中立状態にロックするよう前記係止部に係合したロック状態と、前記中継揺動リンクの固定を解除して前記制御弁のロックを解除するよう前記係止部から離脱した解除状態とに切り換え操作自在なロック体を備えてある作業車の作業部操作装置。
【請求項2】
前記制御弁側連動部材が、前記中継揺動リンクと前記摺動スプールとにわたって取り付けられた連結ピンである請求項1記載の作業車の作業部操作装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−20700(P2010−20700A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−182873(P2008−182873)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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