作業車の走行変速装置
【課題】本発明では、一定速走行を解除する際に、操縦席の近くに設けるクルーズコントロールレバーの回動で定速走行を的確に解除することを課題とする。
【解決手段】車体の前部に設けるハンドルポスト137の左右片側に前進ペダル115と後進ペダル116及びブレーキペダル125を配置し他側にクルーズコントロールレバー180を配置し、走行を停止するブレーキの操作軸127をミッションケース下方において左右に貫通して設け、この操作軸127の片側端部に前記ブレーキペダル125を連結し、他側端部にクルーズコントロールレバー180に連結するインナーワイヤ184,186を連結し、このインナーワイヤ184,186を通すアウタワイヤ189,192を受けるアウタワイヤ支持ブラケット191を操作軸127近くの機枠に取り付けてなる作業車の走行変速装置とする。
【解決手段】車体の前部に設けるハンドルポスト137の左右片側に前進ペダル115と後進ペダル116及びブレーキペダル125を配置し他側にクルーズコントロールレバー180を配置し、走行を停止するブレーキの操作軸127をミッションケース下方において左右に貫通して設け、この操作軸127の片側端部に前記ブレーキペダル125を連結し、他側端部にクルーズコントロールレバー180に連結するインナーワイヤ184,186を連結し、このインナーワイヤ184,186を通すアウタワイヤ189,192を受けるアウタワイヤ支持ブラケット191を操作軸127近くの機枠に取り付けてなる作業車の走行変速装置とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタや芝刈り機等の作業車における走行速度を変速する走行変速装置に関する。
【背景技術】
【0002】
作業車では、耕耘作業や芝刈り作業を一定速度で走行しながら行うために、変速装置を一定変速位置に固定するクルーズコントロールレバーを設けている。
このクルーズコントロールレバーを設けたトラクタが特開2006−327258号公報に記載されている。この公報に記載のクルーズコントロールレバーは、油圧変速装置(HST)のトラニオン軸を変速位置に保持するもので、ブレーキペダルとクルーズコントロールレバーをワイヤで連結し、クルーズコントロールレバーを減速側へ回動するとブレーキペダルを踏みこみ状態にして走行を停止できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−327258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の走行変速装置は、クルーズコントロールレバーとブレーキペダルを単にワイヤで連結しているために、長年使用しているとワイヤが伸びてクルーズコントロールレバーを走行停止側へ回動しても完全には停止し難くなって、危険な場合が有る。
【0005】
このために、本発明では、定速走行を解除する際に、ブレーキペダルの操作で確実にオーロクルーズを解除することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、車体の前部に設けるハンドルポスト(137)の左右片側に前進ペダル(115)と後進ペダル(116)及びブレーキペダル(125)を配置し他側にクルーズコントロールレバー(180)を配置し、走行を停止するブレーキの操作軸(127)をミッションケース下方において左右に貫通して設け、この操作軸(127)の片側端部に前記ブレーキペダル(125)を連結し、他側端部にクルーズコントロールレバー(180)に連結するインナーワイヤ(184),(186)を連結し、このインナーワイヤ(184),(186)を通すアウタワイヤ(189),(192)を受けるアウタワイヤ支持ブラケット(191)を操作軸(127)近くの機枠に取り付けてなる作業車の走行変速装置の構成とする。
【0007】
この構成で、増減速しながら走行する一般的な走行は、ハンドルポスト(137)の左右片側に設けた前進ペダル(115)と後進ペダル(116)及びブレーキペダル(125)を踏込みながら走行速度を調節して走行する。クルーズコントロールレバー(180)を操作して一定速度に設定して走行中において、ブレーキペダル(125)を踏むと、インナーワイヤ(186)によりクルーズコントロールレバー(180)が元の位置に戻って一定速度走行が解除される。アウタワイヤ支持ブラケット(191)を剛性の高い機枠に取り付けているので、撓みなどの影響がない。
【0008】
請求項2に記載の発明は、アウタワイヤ支持ブラケット(191)を操作軸(127)近くのミッションケースに取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の作業車の走行変速装置の構成とする。
【0009】
この構成で、請求項1の作用に加えて、アウタワイヤ支持ブラケット(191)を剛性の高いミッションケースに取り付けているので、撓みなどの影響がない。
請求項3に記載の発明は、クルーズコントロールレバー(180)を操縦席(10)の側部に位置するフェンダ(181)上に設けたことを特徴とする請求項1に記載の作業車の走行変速装置の構成とする。
【0010】
この構成で、請求項2の作用に加えて、操作時に頻繁に片手を置くフェンダ(181)上にクルーズコントロールレバー(180)があるので、定速走行の解除操作を素早く行える。
【発明の効果】
【0011】
請求項1においては、アウタワイヤ支持ブラケット(191)を剛性の高い機枠に取り付けているので、撓みなどの影響がなく、一定速走行の解除が的確にできるようになる。
請求項2においては、アウタワイヤ支持ブラケット(191)を剛性の高いミッションケースに取り付けているので、撓みなどの影響がなく、一定速走行の解除が的確にできるようになる。また、取付位置がミッションケースであるので、場所を選ばない。
【0012】
請求項3においては、クルーズコントロールレバー(180)の操作を素早く行える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例作業車(トラクタ)の全体側面図である。
【図2】実施例作業車の全体平面図である。
【図3】実施例作業車のミッションケースの側断面図である。
【図4】ミッションケース内の一部拡大側断面図である。
【図5】PTOクラッチの切状態を示す拡大側断面図である。
【図6】ミッドPTO軸の駆動状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図7】リアPTO軸の駆動状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図8】ミッドPTO軸とリアPTO軸を共に駆動する状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図9】別実施例のミッドPTO軸の駆動状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図10】別実施例のリアPTO軸の駆動状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図11】別実施例のミッドPTO軸とリアPTO軸を共に駆動する状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図12】PTOクラッチの切状態を示す別実施例のPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図13】油圧無段変速装置を装着したミッションケースの全体側断面図である。
【図14】油圧無段変速装置付きミッションケースを用いた作業車の部分拡大側面図である。
【図15】油圧無段変速装置の部分拡大側面図である。
【図16】前記ミッションケースのカムプレートの側面図である。
【図17】油圧無段変速装置付きミッションケースを用いた作業車の部分拡大側面図である。
【図18】油圧無段変速装置付きミッションケースを用いた作業車の部分拡大平面図である。
【図19】作業車の部分正面図である。
【図20】ミッドPTO軸ケースの側断面図である。
【図21】別実施例のミッドPTO軸ケースの側断面図である。
【図22】ミッションケースの部分拡大平断面図である。
【図23】別実施例の油圧無段変速装置の部分拡大平面図である。
【図24】ボンネット内部の斜視図である。
【図25】ボンネット内部の分解斜視図である。
【図26】ボンネット内部の拡大平面図である。
【図27】ボンネット内部の拡大側面図である。
【図28】トラクタの一部右側面図である。
【図29】オートクルーズ入切レバーの側断面図である。
【図30】オートクルーズ入切レバーの側断面図である。
【図31】ガバナに接続するワイヤ支持部の断面図である。
【図32】ガバナに連結するワイヤ中途部の構成図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に示す実施例に基づいて、本発明の実施例を説明する。
図1と図2は、本発明でいう作業車の一例として示すトラクタの全体図で、機体の前部のボンネット1内に搭載したエンジン2の動力をミッションケース3内で適宜に変速して前輪軸4と後輪軸5に伝動して前輪6と後輪7の両方或は後輪7のみを駆動し、機体上に設ける座席10に座った作業者が中央に立設するステアリングハンドル8で前輪6を操向しながら走行する。機体の後方へ突出するヒッチ9には、ロータリ耕運機などの作業機を装着し、ミッションケース3から後方へ向かって突出するリアPTO軸11でヒッチ9に装着する作業機を駆動し、ミッションケース3の後部から前方へ向かって突出するミッドPTO軸12で前輪6と後輪7の間に装着する芝刈り機などの作業機を駆動する。
【0015】
図3は、動力伝動機構の断面図で、エンジン側ケース13から後方へ突出するメイン出力軸18とミッションケース3から前方へ突出する入力軸20をジョイント19で連結し、繋ぎカバー21で上側を覆っている。
【0016】
エンジン側ケース13の内部では、エンジン2の動力をメインクラッチ14で断続可能に第一出力軸15へ伝動し、第一ギヤ16と第二ギヤ17でやや減速してメイン出力軸18に伝動している。
【0017】
ミッションケース3は、前からフロントケース36とミッドケース37とリアケース45の三つの中空ケースを一体に連結して構成している。
フロントケース36内では、入力軸20の回転が第三ギヤ22と第四ギヤ23で第一伝動軸25に伝動する。
【0018】
ミッドケース37内では、第一伝動軸25の回転がそのまま第二ジョイント40でPTO伝動軸41に伝動され、さらに、第一伝動軸25に固着の第一変速ギヤ27と第二変速ギヤ29と第三変速ギヤ31が噛み合う走行軸24に嵌合した第四変速ギヤ26と第五変速ギヤ28と第六変速ギヤ30と逆転ギヤ138(この逆転ギヤ138が図示省略のギヤで第一変速ギヤ27と噛み合っている)がキーシフトクラッチ46で適宜に軸に固定されて一速から三速及び逆回転まで変速して走行軸24に伝動される。
【0019】
走行軸24の回転は、第十四ギヤ57で第一伝動軸25に遊嵌したギヤ筒69の大ギヤ部59へ伝動され、ベベルギヤ軸121にスプライン嵌合した高低クラッチギヤ32が第十四ギヤ57に噛み合ったりギヤ筒69の小ギヤ部68と噛み合ったりすることでベベルギヤ軸121が高低に変速して伝動され、ベベルギヤ軸121の回転がベベルギヤ38と車軸ベベルギヤ39で後輪軸5に伝動され、さらに、ベベルギヤ軸121にスプライン嵌合する第十五ギヤ122と第五ギヤ33とクラッチギヤ34で前輪駆動軸35に伝動され、この前輪駆動軸35で前輪軸4が駆動される。
【0020】
前記のPTO伝動軸41の回転は、後輪軸5よりも後側に設けるリアPTO軸11とミッドPTO軸12の伝動部に伝動される。
PTO伝動軸41には第十ギヤ55がスプライン嵌合し第一カウンタギヤ42が遊嵌し、リアPTO軸11には第十一ギヤ48がスプライン嵌合し第一クラッチギヤ56が遊嵌し、この第一クラッチギヤ56にPTOクラッチギヤ43が遊嵌し第十二ギヤ58がスプライン嵌合している。そして、第十一ギヤ48に常時に噛み合い第一クラッチギヤ56とPTOクラッチギヤ43に適宜噛み合うコンスタントメッシュ方式のクラッチ切換ギヤ47が外嵌している。第二クラッチギヤ43と第十一ギヤ48とクラッチ切換ギヤ47でPTOクラッチ150を構成し、このPTOクラッチ150のシフト操作は、座席10の近傍に設ける一本のPTO切換レバー(図示省略)で行う。
【0021】
なお、ギヤチェンジ方法にコンスタントメッシュとシンクロメッシュが有るが、これらのチェンジストロークを同一にすると、このギヤチェンジ方法の部分を適宜に交換してチェンジレバー周りの変速構成がそのままで使用できる。
【0022】
第十ギヤ55が第十二ギヤ58と噛み合って第一クラッチギヤ56を常時回転していて、図5の状態が第一クラッチギヤ56にクラッチ切換ギヤ47が噛み合わずリアPTO軸11とミッドPTO軸12が共に駆動されない状態で、PTOクラッチ150のクラッチの切り替えは、次のように行われる。
【0023】
クラッチ切換ギヤ47を第十一ギヤ48と第一クラッチギヤ56に噛み合わせるようスライドすると、リアPTO軸11が駆動される。(図7)
クラッチ切換ギヤ47を第十一ギヤ48から離して、第一クラッチギヤ56とPTOクラッチギヤ43に噛み合わせるようスライドすると、第一クラッチギヤ56の回転がPTOクラッチギヤ43から第一カウンタギヤ42に伝わり、後述する伝動でミッドPTO軸12が駆動される。(図6)
クラッチ切換ギヤ47を第十一ギヤ48と第一クラッチギヤ56とPTOクラッチギヤ43の三つのギヤに噛み合わせるようスライドすると、リアPTO軸11とミッドPTO軸12が共に駆動される。(図8)
第一カウンタギヤ42の回転は、第一カウンタ軸50の第二カウンタギヤ49と第二カウンタ軸51の第三カウンタギヤ44と第三カウンタ軸53の第四カウンタギヤ52を介してミッドPTO軸12に形成した第十三ギヤ54に伝動されてミッドPTO軸12を駆動する。
【0024】
第一カウンタ軸50と第二カウンタ軸51と第三カウンタ軸53とミッドPTO軸12を軸支するミッドPTO軸ケース151は、上部を円筒状に形成し、リアケース45に設ける挿入穴に挿入して取り付けるようにして、内部のギヤ位置基準面50a,51a,53aを上部差し込み側から加工可能に段差を設けているので、各軸位置を精度良く加工して第二カウンタギヤ49と第三カウンタギヤ44と第四カウンタギヤ52を精度よく組み付けている。(図20参照)
なお、図21に示す如く、第一カウンタ軸50と第二カウンタ軸51と第三カウンタ軸53にギヤ位置を規制する段付き軸にすることで、ケースの加工を少なくすることも可能となる。
【0025】
また、ミッドPTO軸ケース151下後側部にドレン栓152を設けてオイル抜きを行えるようにするが、このドレン栓152のネジ孔から棒状の工具を差し込んでミッドPTO軸12の軸受176を押し出すことが出来る。
【0026】
図22は、車軸ベベルギヤ39の回転を後輪軸5に伝動するデフケース153の内部を示し、後輪軸5にスプライン嵌合するデフギヤ154のデフケース153挿入孔に硬化処理した鍔付きブッシュ155を差し込み、ピン156で回り止めしている。この構成で、デフケース153挿入孔がデフギヤ154の背圧で摩耗するのを防ぐ。
【0027】
図9乃至図11に示す実施例では、クラッチ切換ギヤ47の内歯にブランクを設けず、図9がミッドPTO軸12のみの駆動状態で、図10がリアPTO軸11とミッドPTO軸12の両方を駆動する状態で、図11がリアPTO軸11のみの駆動状態で、クラッチ切換ギヤ47をさらに右へ移動して第一クラッチギヤ56との噛合いを外すとリアPTO軸11とミッドPTO軸12の両方を駆動しない状態になる。
【0028】
図12は、リアPTO軸11とミッドPTO軸12の駆動切換の別構成で、PTO伝動軸41に第一ギヤ部60と第二ギヤ部61を形成し、ミッドPTO軸12への第六カウンタギヤ67を噛み合わせた第五カウンタギヤ66を遊嵌し、リアPTO軸11に大ギヤ部62と小ギヤ部63を形成したクラッチギヤ64をシフタ65でシフト可能にスプライン嵌合する。
【0029】
この構成で、小ギヤ部63を第一ギヤ部60に噛み合わせるとリアPTO軸11のみの駆動となり、クラッチギヤ64を第一ギヤ部60と第二ギヤ部61の両方から外すとリアPTO軸11とミッドPTO軸12の両方が駆動されず、第六カウンタギヤ67を第二ギヤ部61と第五カウンタギヤ66に噛み合わせるとリアPTO軸11とミッドPTO軸12の両方が駆動される状態になる。
【0030】
図13は、油圧無段変速装置(以下、HSTという)80を装着した作業車のミッションケースの実施例である。
エンジン側ケース70から後方へ突出する出力軸77とミッションケース75に装着したHST80から前方へ突出する入力軸79をファン付きジョイント78で連結し、繋ぎカバー76で上側を覆っている。
【0031】
ミッションケース75は、前からフロントケース71とミッドケース72とリアケース73の三つの中空ケースを一体に連結して構成している。
フロントケース71に装着したHST80の第一出力軸81は、PTO駆動系に出力し、第二出力軸74は、走行駆動系に出力する。
【0032】
第一出力軸81の回転は、第一クラッチ82を介して第一PTO軸83に伝動し、第一ギヤ84から第二カウンタギヤ85と第三カウンタギヤ86と第四カウンタギヤ87とクラッチギヤ88を介してミッドPTO軸90を駆動する伝動と、第三カウンタギヤ86から第二クラッチ89で第二PTO軸91を駆動する伝動に分岐する。第二PTO軸91は、第一PTOギヤ92と第二PTOギヤ93を介してリアPTO軸94を駆動する。
【0033】
第二出力軸74の回転は、第一走行ギヤ95から第一走行軸97の第二走行ギヤ96へ伝動し、この第二走行ギヤ96と第三走行軸99との間に設ける三段ギヤ変速機構98で第三走行軸99を駆動し、さらに第一ベベルギヤ105と第二ベベルギヤ100で後輪駆動軸101を駆動する。また、第三走行軸99の回転は、第三走行ギヤ102から第四カウンタギヤ103と第三クラッチギヤ104を介して前輪駆動軸106を駆動する。
【0034】
図14は、作業車の操縦席足元部の側面図で、前進ペダル115と後進ペダル116を繋ぎカバー76に設ける枢支軸119に枢支し、前進ペダル115と後進ペダル116の踏み込み動作をアーム117とリンク118でHST80の変速軸であるトラニオン軸107に固着のカムプレート108に伝動して、前進ペダル115を踏み込むとトラニオン軸107を前進側に回動し、後進ペダル116を踏み込むとトラニオン軸107を後進側に回動するようにしている。
【0035】
カムプレート108には、トラニオン軸107に対してリンク118の取付部と略反対側にカム凹部114を形成し、L字状アーム109の一方片109aの一端に枢支したローラ110をカム凹部114に落とし込むように他方片109bに引っ掛けた中立ばね120で付勢してトラニオン軸107が中立に戻るようにしている。
【0036】
そして、L字状アーム109の他方片109bの先端側には、エンジン2のガバナに連結するワイヤ111が引張ばね112を介して連結されている。他方片109bと引張ばね112を引っ掛けて連結する穴113は複数有って適宜に穴113にすることでワイヤ111の引き調整を可能にしている。
【0037】
前進ペダル115と後進ペダル116を踏み込むとカムプレート108がそれぞれ逆方向に回動してトラニオン軸107を回して機体を前方或は後方へ走行させるのであるが、カム凹部114がローラ110を押し出してワイヤ111を引き、エンジン2の回転を上昇するようになる。
【0038】
エンジン2のガバナに連結するワイヤ111は、図31に示す如く、インナーワイヤ111を通すアウタワイヤ180を受けるアウタワイヤ支持部177を支持部ガイド178にスライド可能にすると共に、ピン179の出し入れでアウタワイヤ支持部177と支持部ガイド178固定・解除可能にして、ピン179を抜いてアウタワイヤ支持部177をスライドするようにすると、ワイヤ111の引きがガバナに作用せずにエンジン回転を上昇出来ないように出来る。
【0039】
また、図32に示す如く、ワイヤ111の中途にパンタグラフ連結187を設けて、パンタグラフ連結187に挿入具188を挿入するとワイヤ111が緊張状態になるようにすれば、挿入具188を外せばワイヤ111の引きがガバナに作用せずにエンジン回転を上昇出来ないように出来る。
【0040】
このようにトラニオン軸107の回動とエンジン2回転増減を連動しない使い方も出来るようにしている。
図16は、カムプレート108の拡大図で、ローラ110が落ち込んでカム凹部114が安定する位置はトラニオン軸107を僅かに後進側にした位置としてHST80の中立用オリフィスが後進側に在る特性に対応させて中立調整を容易にしている。また、前後発進時にカム凹部114がローラ110を押し出して機体が移動を始める発進接点Sを滑らかな凸曲面にすることで、発進時の前進ペダル115と後進ペダル116の踏み込み力を軽くしている。また、中立から中速時にローラ110が接触する中速接触域Aの傾きを急にして中速から高速時にローラ110が接触する高速接触域Bの傾きを緩くすることで、前進ペダル115と後進ペダル116の中速から中立への戻りが易くなり、中速から高速での前進ペダル115と後進ペダル116の踏み込み抵抗を柔らかくする。なお、前進時のローラ110の接触域長さと後進時のローラ110の接触域長さを適宜に変更して、連動機構の違いに合わせて前後進の最高速時にエンジン2が最高回転数になるようにしても良い。
【0041】
図23に示す図面は、トラニオン軸107を中立位置に戻る機構の別実施例で、トラニオン軸107に固着の円盤状カムプレート108の対称位置にU溝とV溝を形成し、V溝に対してローラ171を押圧するようにローラ171を枢支した第一押圧アーム158を機枠に軸159で枢支しスプリング160で引っ張っている。同様にU溝に対してローラ175を押圧するようにローラ175を枢支した第二押圧アーム172を機枠に軸173で枢支しスプリング174で引っ張っている。このように円盤状カムプレート108のU溝とV溝に押圧するローラ171,175を設けることでトラニオン軸107が確実に中立位置に戻る。
【0042】
図17と図18は、ブレーキペダル125の取り付けを示している。
機体のフロアフレームに横架する操作軸127にブレーキペダル125のブレーキアーム126を固着したアーム支持筒123を枢支し、アーム支持筒123には上方へ作用アーム128を突設し、後下方にストップアーム129を突設する。
【0043】
作用アーム128の先端部には連結ピン124でブレーキロッド133の取付け金具135と取付ピン132との間に設ける引張ばね131の二部材を連結する。
ストップアーム129は、フロアフレームに取り付けるストップボルト130に当接してブレーキペダル125の踏込み限界を決める。
【0044】
ブレーキペダル125のブレーキアーム126を固着したアーム支持筒123を取り付ける操作軸127は、図19の如く、機体の左右中央のミッションケース75下方を貫通して設け、この操作軸127の回動で機体後部に設けるブレーキを作動するようにリンク機構で連動する。136はブレーキを作動状態に保持する駐車ブレーキアームである。
【0045】
また、操作軸127の左側突出端にアーム190を固着し、このアーム190の先端に後述するオートクルーズレバー180に連結するインナーワイヤ184,186を連結する。インナーワイヤ186のアウタワイヤ189,192は、ミッションケース75に取り付けたアウタワイヤ支持ブラケット191に固定する。このアウタワイヤ支持ブラケット191は、操作軸127近くの機枠(フレーム等)やミッションケース75に取り付ける構成としている。
【0046】
次に、オートクルーズレバー180について説明する。
入切操作具であるオートクルーズレバー180は、レバー形態に構成し、操縦席10側方のフェンダ181上に突設している。このオートクルーズレバー180の基部を左右方向のレバー支持軸182により回動自在に支持し、操作軸127とインナーワイヤ184,186を介して接続している。
【0047】
レバー支持軸182には、図29に示すように、レバー180の支持部の外側に、短辺アーム183aと長辺アーム183bとをV字状に突設した筒軸183を回動自在に支持している。
【0048】
そして、前記短辺アーム183aには、ブレーキペダル125の回動基部とインナーワイヤ184を介して接続すると共に、前記長辺アーム183bには、オートクルーズレバー180の基部に向かって係止ピン183pを突設している。また、前記短辺アーム183aには、フェンダ181に固定したブラケットBRとの間にスプリング185を介装している。
【0049】
前記のように構成したオートクルーズレバー180は、図28乃至図30に示すように、操作軸127を回動操作し、オートクルーズ装置を入切操作する。前進ペダル115を踏み込んだ状態でオートクルーズレバー180を入り操作すると、オートクルーズレバー180に連結しているインナーワイヤ184により走行系を固定して一定速度を維持する。具体的には、インナーワイヤ184はトラニオン軸107を回動するリンク機構の一部を動作した状態で保持(図示せず)する構成である。このため、前進ペダル115は踏み込んだ状態保持される。
【0050】
また、一定速度で走行中においてブレーキペダル125を踏むと、操作軸127が回動し、操作軸127に連結しているインナーワイヤ186により、オートクルーズレバー180が元の位置に戻る構成である。前記インナーワイヤ184はミッションケース75の上側を迂回して、ミッションケース75の右側に設けているトラニオン軸107を回動するリンク機構の一部に連結している。
【0051】
図29に示す状態は、オートクルーズレバー180を切りの状態、即ち、前進ペダル115の操作位置を固定していない状態を示し、この状態から前進ペダル115を踏み込んで車両を走行させ目的の車速となったところで、オートクルーズレバー180を図の矢印の方向(機体後側)へ回動操作する。
【0052】
すると、図30に示すように、オートクルーズレバー180は、その基部のワイヤ18が支点となる軸182を超えて後側に回動した状態で保持される。これにより、オートクルーズ入り状態となり、前進ペダル115の位置が固定され、車速が一定に保持される。また、この車速の保持を解除するには、オートクルーズレバー180を後側へ回動操作することで、オートクルーズが切りとなる。
【0053】
また、図30の状態から、ブレーキペダル125が踏み込まれると操作軸127が回動し、インナーワイヤ186を介して短辺アーム183aに伝達され、短辺アーム183aと一体の長辺アーム183bをレバー支持軸182を中心に時計方向に回転させる。すると、長辺アーム183bの係止ピン183pがオートクルーズレバー180のアーム基部に当接し、レバー180を強制的に機体前側へ回動させる。これにより、前記クルーズコントロールは解除される。
【0054】
なお、短辺アーム183aは、スプリング185により一方に付勢されているので、ブレーキペダル125の踏み込み解除後は、長辺アーム183bは機体後側へ退避する。
図24は、ボンネット1内の燃料タンク195の取付を示している。
【0055】
エンジン2のシリンダヘッド後部に受け金具202を後方へ突設し、この受け金具202に燃料タンク195の支持ステー201を載せ、下部は、エンジン2のリアプレート196の左右に設ける取付金具197の前後長穴198に燃料タンク195の取付ネジ孔200を合わせてボルト199で締め付ける。この構成で、燃料タンク195を上からエンジン2の後部に差し込み、前後の位置を調整しながら組み付けられる。
【0056】
図25は、ボンネット1の後部で燃料タンク195を覆うタンクカバー210の取付を示し、リアプレート196の取付金具197にピン受け208とボルト孔209を設け、タンクカバー210のピン203をピン受け208に載せ、タンクカバー210の横長孔204を取付金具197のボルト孔209に合わせてボルト205で締め付けて組み付ける。この構成で、タンクカバー210の前後傾きを調整出来て、外観的にボンネット1とタンクカバー210を一体的にすることが出来る。
【符号の説明】
【0057】
3 ミッションケース
10 操縦席
115 前進ペダル
116 後進ペダル
125 ブレーキペダル
127 操作軸
137 ハンドルポスト
180 クルーズコントロールレバー
181 フェンダ
184,186 インナーワイヤ
191 ワイヤ支持ブラケット
189,192 アウタワイヤ
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタや芝刈り機等の作業車における走行速度を変速する走行変速装置に関する。
【背景技術】
【0002】
作業車では、耕耘作業や芝刈り作業を一定速度で走行しながら行うために、変速装置を一定変速位置に固定するクルーズコントロールレバーを設けている。
このクルーズコントロールレバーを設けたトラクタが特開2006−327258号公報に記載されている。この公報に記載のクルーズコントロールレバーは、油圧変速装置(HST)のトラニオン軸を変速位置に保持するもので、ブレーキペダルとクルーズコントロールレバーをワイヤで連結し、クルーズコントロールレバーを減速側へ回動するとブレーキペダルを踏みこみ状態にして走行を停止できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−327258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の走行変速装置は、クルーズコントロールレバーとブレーキペダルを単にワイヤで連結しているために、長年使用しているとワイヤが伸びてクルーズコントロールレバーを走行停止側へ回動しても完全には停止し難くなって、危険な場合が有る。
【0005】
このために、本発明では、定速走行を解除する際に、ブレーキペダルの操作で確実にオーロクルーズを解除することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、車体の前部に設けるハンドルポスト(137)の左右片側に前進ペダル(115)と後進ペダル(116)及びブレーキペダル(125)を配置し他側にクルーズコントロールレバー(180)を配置し、走行を停止するブレーキの操作軸(127)をミッションケース下方において左右に貫通して設け、この操作軸(127)の片側端部に前記ブレーキペダル(125)を連結し、他側端部にクルーズコントロールレバー(180)に連結するインナーワイヤ(184),(186)を連結し、このインナーワイヤ(184),(186)を通すアウタワイヤ(189),(192)を受けるアウタワイヤ支持ブラケット(191)を操作軸(127)近くの機枠に取り付けてなる作業車の走行変速装置の構成とする。
【0007】
この構成で、増減速しながら走行する一般的な走行は、ハンドルポスト(137)の左右片側に設けた前進ペダル(115)と後進ペダル(116)及びブレーキペダル(125)を踏込みながら走行速度を調節して走行する。クルーズコントロールレバー(180)を操作して一定速度に設定して走行中において、ブレーキペダル(125)を踏むと、インナーワイヤ(186)によりクルーズコントロールレバー(180)が元の位置に戻って一定速度走行が解除される。アウタワイヤ支持ブラケット(191)を剛性の高い機枠に取り付けているので、撓みなどの影響がない。
【0008】
請求項2に記載の発明は、アウタワイヤ支持ブラケット(191)を操作軸(127)近くのミッションケースに取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の作業車の走行変速装置の構成とする。
【0009】
この構成で、請求項1の作用に加えて、アウタワイヤ支持ブラケット(191)を剛性の高いミッションケースに取り付けているので、撓みなどの影響がない。
請求項3に記載の発明は、クルーズコントロールレバー(180)を操縦席(10)の側部に位置するフェンダ(181)上に設けたことを特徴とする請求項1に記載の作業車の走行変速装置の構成とする。
【0010】
この構成で、請求項2の作用に加えて、操作時に頻繁に片手を置くフェンダ(181)上にクルーズコントロールレバー(180)があるので、定速走行の解除操作を素早く行える。
【発明の効果】
【0011】
請求項1においては、アウタワイヤ支持ブラケット(191)を剛性の高い機枠に取り付けているので、撓みなどの影響がなく、一定速走行の解除が的確にできるようになる。
請求項2においては、アウタワイヤ支持ブラケット(191)を剛性の高いミッションケースに取り付けているので、撓みなどの影響がなく、一定速走行の解除が的確にできるようになる。また、取付位置がミッションケースであるので、場所を選ばない。
【0012】
請求項3においては、クルーズコントロールレバー(180)の操作を素早く行える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例作業車(トラクタ)の全体側面図である。
【図2】実施例作業車の全体平面図である。
【図3】実施例作業車のミッションケースの側断面図である。
【図4】ミッションケース内の一部拡大側断面図である。
【図5】PTOクラッチの切状態を示す拡大側断面図である。
【図6】ミッドPTO軸の駆動状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図7】リアPTO軸の駆動状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図8】ミッドPTO軸とリアPTO軸を共に駆動する状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図9】別実施例のミッドPTO軸の駆動状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図10】別実施例のリアPTO軸の駆動状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図11】別実施例のミッドPTO軸とリアPTO軸を共に駆動する状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図12】PTOクラッチの切状態を示す別実施例のPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図13】油圧無段変速装置を装着したミッションケースの全体側断面図である。
【図14】油圧無段変速装置付きミッションケースを用いた作業車の部分拡大側面図である。
【図15】油圧無段変速装置の部分拡大側面図である。
【図16】前記ミッションケースのカムプレートの側面図である。
【図17】油圧無段変速装置付きミッションケースを用いた作業車の部分拡大側面図である。
【図18】油圧無段変速装置付きミッションケースを用いた作業車の部分拡大平面図である。
【図19】作業車の部分正面図である。
【図20】ミッドPTO軸ケースの側断面図である。
【図21】別実施例のミッドPTO軸ケースの側断面図である。
【図22】ミッションケースの部分拡大平断面図である。
【図23】別実施例の油圧無段変速装置の部分拡大平面図である。
【図24】ボンネット内部の斜視図である。
【図25】ボンネット内部の分解斜視図である。
【図26】ボンネット内部の拡大平面図である。
【図27】ボンネット内部の拡大側面図である。
【図28】トラクタの一部右側面図である。
【図29】オートクルーズ入切レバーの側断面図である。
【図30】オートクルーズ入切レバーの側断面図である。
【図31】ガバナに接続するワイヤ支持部の断面図である。
【図32】ガバナに連結するワイヤ中途部の構成図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に示す実施例に基づいて、本発明の実施例を説明する。
図1と図2は、本発明でいう作業車の一例として示すトラクタの全体図で、機体の前部のボンネット1内に搭載したエンジン2の動力をミッションケース3内で適宜に変速して前輪軸4と後輪軸5に伝動して前輪6と後輪7の両方或は後輪7のみを駆動し、機体上に設ける座席10に座った作業者が中央に立設するステアリングハンドル8で前輪6を操向しながら走行する。機体の後方へ突出するヒッチ9には、ロータリ耕運機などの作業機を装着し、ミッションケース3から後方へ向かって突出するリアPTO軸11でヒッチ9に装着する作業機を駆動し、ミッションケース3の後部から前方へ向かって突出するミッドPTO軸12で前輪6と後輪7の間に装着する芝刈り機などの作業機を駆動する。
【0015】
図3は、動力伝動機構の断面図で、エンジン側ケース13から後方へ突出するメイン出力軸18とミッションケース3から前方へ突出する入力軸20をジョイント19で連結し、繋ぎカバー21で上側を覆っている。
【0016】
エンジン側ケース13の内部では、エンジン2の動力をメインクラッチ14で断続可能に第一出力軸15へ伝動し、第一ギヤ16と第二ギヤ17でやや減速してメイン出力軸18に伝動している。
【0017】
ミッションケース3は、前からフロントケース36とミッドケース37とリアケース45の三つの中空ケースを一体に連結して構成している。
フロントケース36内では、入力軸20の回転が第三ギヤ22と第四ギヤ23で第一伝動軸25に伝動する。
【0018】
ミッドケース37内では、第一伝動軸25の回転がそのまま第二ジョイント40でPTO伝動軸41に伝動され、さらに、第一伝動軸25に固着の第一変速ギヤ27と第二変速ギヤ29と第三変速ギヤ31が噛み合う走行軸24に嵌合した第四変速ギヤ26と第五変速ギヤ28と第六変速ギヤ30と逆転ギヤ138(この逆転ギヤ138が図示省略のギヤで第一変速ギヤ27と噛み合っている)がキーシフトクラッチ46で適宜に軸に固定されて一速から三速及び逆回転まで変速して走行軸24に伝動される。
【0019】
走行軸24の回転は、第十四ギヤ57で第一伝動軸25に遊嵌したギヤ筒69の大ギヤ部59へ伝動され、ベベルギヤ軸121にスプライン嵌合した高低クラッチギヤ32が第十四ギヤ57に噛み合ったりギヤ筒69の小ギヤ部68と噛み合ったりすることでベベルギヤ軸121が高低に変速して伝動され、ベベルギヤ軸121の回転がベベルギヤ38と車軸ベベルギヤ39で後輪軸5に伝動され、さらに、ベベルギヤ軸121にスプライン嵌合する第十五ギヤ122と第五ギヤ33とクラッチギヤ34で前輪駆動軸35に伝動され、この前輪駆動軸35で前輪軸4が駆動される。
【0020】
前記のPTO伝動軸41の回転は、後輪軸5よりも後側に設けるリアPTO軸11とミッドPTO軸12の伝動部に伝動される。
PTO伝動軸41には第十ギヤ55がスプライン嵌合し第一カウンタギヤ42が遊嵌し、リアPTO軸11には第十一ギヤ48がスプライン嵌合し第一クラッチギヤ56が遊嵌し、この第一クラッチギヤ56にPTOクラッチギヤ43が遊嵌し第十二ギヤ58がスプライン嵌合している。そして、第十一ギヤ48に常時に噛み合い第一クラッチギヤ56とPTOクラッチギヤ43に適宜噛み合うコンスタントメッシュ方式のクラッチ切換ギヤ47が外嵌している。第二クラッチギヤ43と第十一ギヤ48とクラッチ切換ギヤ47でPTOクラッチ150を構成し、このPTOクラッチ150のシフト操作は、座席10の近傍に設ける一本のPTO切換レバー(図示省略)で行う。
【0021】
なお、ギヤチェンジ方法にコンスタントメッシュとシンクロメッシュが有るが、これらのチェンジストロークを同一にすると、このギヤチェンジ方法の部分を適宜に交換してチェンジレバー周りの変速構成がそのままで使用できる。
【0022】
第十ギヤ55が第十二ギヤ58と噛み合って第一クラッチギヤ56を常時回転していて、図5の状態が第一クラッチギヤ56にクラッチ切換ギヤ47が噛み合わずリアPTO軸11とミッドPTO軸12が共に駆動されない状態で、PTOクラッチ150のクラッチの切り替えは、次のように行われる。
【0023】
クラッチ切換ギヤ47を第十一ギヤ48と第一クラッチギヤ56に噛み合わせるようスライドすると、リアPTO軸11が駆動される。(図7)
クラッチ切換ギヤ47を第十一ギヤ48から離して、第一クラッチギヤ56とPTOクラッチギヤ43に噛み合わせるようスライドすると、第一クラッチギヤ56の回転がPTOクラッチギヤ43から第一カウンタギヤ42に伝わり、後述する伝動でミッドPTO軸12が駆動される。(図6)
クラッチ切換ギヤ47を第十一ギヤ48と第一クラッチギヤ56とPTOクラッチギヤ43の三つのギヤに噛み合わせるようスライドすると、リアPTO軸11とミッドPTO軸12が共に駆動される。(図8)
第一カウンタギヤ42の回転は、第一カウンタ軸50の第二カウンタギヤ49と第二カウンタ軸51の第三カウンタギヤ44と第三カウンタ軸53の第四カウンタギヤ52を介してミッドPTO軸12に形成した第十三ギヤ54に伝動されてミッドPTO軸12を駆動する。
【0024】
第一カウンタ軸50と第二カウンタ軸51と第三カウンタ軸53とミッドPTO軸12を軸支するミッドPTO軸ケース151は、上部を円筒状に形成し、リアケース45に設ける挿入穴に挿入して取り付けるようにして、内部のギヤ位置基準面50a,51a,53aを上部差し込み側から加工可能に段差を設けているので、各軸位置を精度良く加工して第二カウンタギヤ49と第三カウンタギヤ44と第四カウンタギヤ52を精度よく組み付けている。(図20参照)
なお、図21に示す如く、第一カウンタ軸50と第二カウンタ軸51と第三カウンタ軸53にギヤ位置を規制する段付き軸にすることで、ケースの加工を少なくすることも可能となる。
【0025】
また、ミッドPTO軸ケース151下後側部にドレン栓152を設けてオイル抜きを行えるようにするが、このドレン栓152のネジ孔から棒状の工具を差し込んでミッドPTO軸12の軸受176を押し出すことが出来る。
【0026】
図22は、車軸ベベルギヤ39の回転を後輪軸5に伝動するデフケース153の内部を示し、後輪軸5にスプライン嵌合するデフギヤ154のデフケース153挿入孔に硬化処理した鍔付きブッシュ155を差し込み、ピン156で回り止めしている。この構成で、デフケース153挿入孔がデフギヤ154の背圧で摩耗するのを防ぐ。
【0027】
図9乃至図11に示す実施例では、クラッチ切換ギヤ47の内歯にブランクを設けず、図9がミッドPTO軸12のみの駆動状態で、図10がリアPTO軸11とミッドPTO軸12の両方を駆動する状態で、図11がリアPTO軸11のみの駆動状態で、クラッチ切換ギヤ47をさらに右へ移動して第一クラッチギヤ56との噛合いを外すとリアPTO軸11とミッドPTO軸12の両方を駆動しない状態になる。
【0028】
図12は、リアPTO軸11とミッドPTO軸12の駆動切換の別構成で、PTO伝動軸41に第一ギヤ部60と第二ギヤ部61を形成し、ミッドPTO軸12への第六カウンタギヤ67を噛み合わせた第五カウンタギヤ66を遊嵌し、リアPTO軸11に大ギヤ部62と小ギヤ部63を形成したクラッチギヤ64をシフタ65でシフト可能にスプライン嵌合する。
【0029】
この構成で、小ギヤ部63を第一ギヤ部60に噛み合わせるとリアPTO軸11のみの駆動となり、クラッチギヤ64を第一ギヤ部60と第二ギヤ部61の両方から外すとリアPTO軸11とミッドPTO軸12の両方が駆動されず、第六カウンタギヤ67を第二ギヤ部61と第五カウンタギヤ66に噛み合わせるとリアPTO軸11とミッドPTO軸12の両方が駆動される状態になる。
【0030】
図13は、油圧無段変速装置(以下、HSTという)80を装着した作業車のミッションケースの実施例である。
エンジン側ケース70から後方へ突出する出力軸77とミッションケース75に装着したHST80から前方へ突出する入力軸79をファン付きジョイント78で連結し、繋ぎカバー76で上側を覆っている。
【0031】
ミッションケース75は、前からフロントケース71とミッドケース72とリアケース73の三つの中空ケースを一体に連結して構成している。
フロントケース71に装着したHST80の第一出力軸81は、PTO駆動系に出力し、第二出力軸74は、走行駆動系に出力する。
【0032】
第一出力軸81の回転は、第一クラッチ82を介して第一PTO軸83に伝動し、第一ギヤ84から第二カウンタギヤ85と第三カウンタギヤ86と第四カウンタギヤ87とクラッチギヤ88を介してミッドPTO軸90を駆動する伝動と、第三カウンタギヤ86から第二クラッチ89で第二PTO軸91を駆動する伝動に分岐する。第二PTO軸91は、第一PTOギヤ92と第二PTOギヤ93を介してリアPTO軸94を駆動する。
【0033】
第二出力軸74の回転は、第一走行ギヤ95から第一走行軸97の第二走行ギヤ96へ伝動し、この第二走行ギヤ96と第三走行軸99との間に設ける三段ギヤ変速機構98で第三走行軸99を駆動し、さらに第一ベベルギヤ105と第二ベベルギヤ100で後輪駆動軸101を駆動する。また、第三走行軸99の回転は、第三走行ギヤ102から第四カウンタギヤ103と第三クラッチギヤ104を介して前輪駆動軸106を駆動する。
【0034】
図14は、作業車の操縦席足元部の側面図で、前進ペダル115と後進ペダル116を繋ぎカバー76に設ける枢支軸119に枢支し、前進ペダル115と後進ペダル116の踏み込み動作をアーム117とリンク118でHST80の変速軸であるトラニオン軸107に固着のカムプレート108に伝動して、前進ペダル115を踏み込むとトラニオン軸107を前進側に回動し、後進ペダル116を踏み込むとトラニオン軸107を後進側に回動するようにしている。
【0035】
カムプレート108には、トラニオン軸107に対してリンク118の取付部と略反対側にカム凹部114を形成し、L字状アーム109の一方片109aの一端に枢支したローラ110をカム凹部114に落とし込むように他方片109bに引っ掛けた中立ばね120で付勢してトラニオン軸107が中立に戻るようにしている。
【0036】
そして、L字状アーム109の他方片109bの先端側には、エンジン2のガバナに連結するワイヤ111が引張ばね112を介して連結されている。他方片109bと引張ばね112を引っ掛けて連結する穴113は複数有って適宜に穴113にすることでワイヤ111の引き調整を可能にしている。
【0037】
前進ペダル115と後進ペダル116を踏み込むとカムプレート108がそれぞれ逆方向に回動してトラニオン軸107を回して機体を前方或は後方へ走行させるのであるが、カム凹部114がローラ110を押し出してワイヤ111を引き、エンジン2の回転を上昇するようになる。
【0038】
エンジン2のガバナに連結するワイヤ111は、図31に示す如く、インナーワイヤ111を通すアウタワイヤ180を受けるアウタワイヤ支持部177を支持部ガイド178にスライド可能にすると共に、ピン179の出し入れでアウタワイヤ支持部177と支持部ガイド178固定・解除可能にして、ピン179を抜いてアウタワイヤ支持部177をスライドするようにすると、ワイヤ111の引きがガバナに作用せずにエンジン回転を上昇出来ないように出来る。
【0039】
また、図32に示す如く、ワイヤ111の中途にパンタグラフ連結187を設けて、パンタグラフ連結187に挿入具188を挿入するとワイヤ111が緊張状態になるようにすれば、挿入具188を外せばワイヤ111の引きがガバナに作用せずにエンジン回転を上昇出来ないように出来る。
【0040】
このようにトラニオン軸107の回動とエンジン2回転増減を連動しない使い方も出来るようにしている。
図16は、カムプレート108の拡大図で、ローラ110が落ち込んでカム凹部114が安定する位置はトラニオン軸107を僅かに後進側にした位置としてHST80の中立用オリフィスが後進側に在る特性に対応させて中立調整を容易にしている。また、前後発進時にカム凹部114がローラ110を押し出して機体が移動を始める発進接点Sを滑らかな凸曲面にすることで、発進時の前進ペダル115と後進ペダル116の踏み込み力を軽くしている。また、中立から中速時にローラ110が接触する中速接触域Aの傾きを急にして中速から高速時にローラ110が接触する高速接触域Bの傾きを緩くすることで、前進ペダル115と後進ペダル116の中速から中立への戻りが易くなり、中速から高速での前進ペダル115と後進ペダル116の踏み込み抵抗を柔らかくする。なお、前進時のローラ110の接触域長さと後進時のローラ110の接触域長さを適宜に変更して、連動機構の違いに合わせて前後進の最高速時にエンジン2が最高回転数になるようにしても良い。
【0041】
図23に示す図面は、トラニオン軸107を中立位置に戻る機構の別実施例で、トラニオン軸107に固着の円盤状カムプレート108の対称位置にU溝とV溝を形成し、V溝に対してローラ171を押圧するようにローラ171を枢支した第一押圧アーム158を機枠に軸159で枢支しスプリング160で引っ張っている。同様にU溝に対してローラ175を押圧するようにローラ175を枢支した第二押圧アーム172を機枠に軸173で枢支しスプリング174で引っ張っている。このように円盤状カムプレート108のU溝とV溝に押圧するローラ171,175を設けることでトラニオン軸107が確実に中立位置に戻る。
【0042】
図17と図18は、ブレーキペダル125の取り付けを示している。
機体のフロアフレームに横架する操作軸127にブレーキペダル125のブレーキアーム126を固着したアーム支持筒123を枢支し、アーム支持筒123には上方へ作用アーム128を突設し、後下方にストップアーム129を突設する。
【0043】
作用アーム128の先端部には連結ピン124でブレーキロッド133の取付け金具135と取付ピン132との間に設ける引張ばね131の二部材を連結する。
ストップアーム129は、フロアフレームに取り付けるストップボルト130に当接してブレーキペダル125の踏込み限界を決める。
【0044】
ブレーキペダル125のブレーキアーム126を固着したアーム支持筒123を取り付ける操作軸127は、図19の如く、機体の左右中央のミッションケース75下方を貫通して設け、この操作軸127の回動で機体後部に設けるブレーキを作動するようにリンク機構で連動する。136はブレーキを作動状態に保持する駐車ブレーキアームである。
【0045】
また、操作軸127の左側突出端にアーム190を固着し、このアーム190の先端に後述するオートクルーズレバー180に連結するインナーワイヤ184,186を連結する。インナーワイヤ186のアウタワイヤ189,192は、ミッションケース75に取り付けたアウタワイヤ支持ブラケット191に固定する。このアウタワイヤ支持ブラケット191は、操作軸127近くの機枠(フレーム等)やミッションケース75に取り付ける構成としている。
【0046】
次に、オートクルーズレバー180について説明する。
入切操作具であるオートクルーズレバー180は、レバー形態に構成し、操縦席10側方のフェンダ181上に突設している。このオートクルーズレバー180の基部を左右方向のレバー支持軸182により回動自在に支持し、操作軸127とインナーワイヤ184,186を介して接続している。
【0047】
レバー支持軸182には、図29に示すように、レバー180の支持部の外側に、短辺アーム183aと長辺アーム183bとをV字状に突設した筒軸183を回動自在に支持している。
【0048】
そして、前記短辺アーム183aには、ブレーキペダル125の回動基部とインナーワイヤ184を介して接続すると共に、前記長辺アーム183bには、オートクルーズレバー180の基部に向かって係止ピン183pを突設している。また、前記短辺アーム183aには、フェンダ181に固定したブラケットBRとの間にスプリング185を介装している。
【0049】
前記のように構成したオートクルーズレバー180は、図28乃至図30に示すように、操作軸127を回動操作し、オートクルーズ装置を入切操作する。前進ペダル115を踏み込んだ状態でオートクルーズレバー180を入り操作すると、オートクルーズレバー180に連結しているインナーワイヤ184により走行系を固定して一定速度を維持する。具体的には、インナーワイヤ184はトラニオン軸107を回動するリンク機構の一部を動作した状態で保持(図示せず)する構成である。このため、前進ペダル115は踏み込んだ状態保持される。
【0050】
また、一定速度で走行中においてブレーキペダル125を踏むと、操作軸127が回動し、操作軸127に連結しているインナーワイヤ186により、オートクルーズレバー180が元の位置に戻る構成である。前記インナーワイヤ184はミッションケース75の上側を迂回して、ミッションケース75の右側に設けているトラニオン軸107を回動するリンク機構の一部に連結している。
【0051】
図29に示す状態は、オートクルーズレバー180を切りの状態、即ち、前進ペダル115の操作位置を固定していない状態を示し、この状態から前進ペダル115を踏み込んで車両を走行させ目的の車速となったところで、オートクルーズレバー180を図の矢印の方向(機体後側)へ回動操作する。
【0052】
すると、図30に示すように、オートクルーズレバー180は、その基部のワイヤ18が支点となる軸182を超えて後側に回動した状態で保持される。これにより、オートクルーズ入り状態となり、前進ペダル115の位置が固定され、車速が一定に保持される。また、この車速の保持を解除するには、オートクルーズレバー180を後側へ回動操作することで、オートクルーズが切りとなる。
【0053】
また、図30の状態から、ブレーキペダル125が踏み込まれると操作軸127が回動し、インナーワイヤ186を介して短辺アーム183aに伝達され、短辺アーム183aと一体の長辺アーム183bをレバー支持軸182を中心に時計方向に回転させる。すると、長辺アーム183bの係止ピン183pがオートクルーズレバー180のアーム基部に当接し、レバー180を強制的に機体前側へ回動させる。これにより、前記クルーズコントロールは解除される。
【0054】
なお、短辺アーム183aは、スプリング185により一方に付勢されているので、ブレーキペダル125の踏み込み解除後は、長辺アーム183bは機体後側へ退避する。
図24は、ボンネット1内の燃料タンク195の取付を示している。
【0055】
エンジン2のシリンダヘッド後部に受け金具202を後方へ突設し、この受け金具202に燃料タンク195の支持ステー201を載せ、下部は、エンジン2のリアプレート196の左右に設ける取付金具197の前後長穴198に燃料タンク195の取付ネジ孔200を合わせてボルト199で締め付ける。この構成で、燃料タンク195を上からエンジン2の後部に差し込み、前後の位置を調整しながら組み付けられる。
【0056】
図25は、ボンネット1の後部で燃料タンク195を覆うタンクカバー210の取付を示し、リアプレート196の取付金具197にピン受け208とボルト孔209を設け、タンクカバー210のピン203をピン受け208に載せ、タンクカバー210の横長孔204を取付金具197のボルト孔209に合わせてボルト205で締め付けて組み付ける。この構成で、タンクカバー210の前後傾きを調整出来て、外観的にボンネット1とタンクカバー210を一体的にすることが出来る。
【符号の説明】
【0057】
3 ミッションケース
10 操縦席
115 前進ペダル
116 後進ペダル
125 ブレーキペダル
127 操作軸
137 ハンドルポスト
180 クルーズコントロールレバー
181 フェンダ
184,186 インナーワイヤ
191 ワイヤ支持ブラケット
189,192 アウタワイヤ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の前部に設けるハンドルポスト(137)の左右片側に前進ペダル(115)と後進ペダル(116)及びブレーキペダル(125)を配置し他側にクルーズコントロールレバー(180)を配置し、走行を停止するブレーキの操作軸(127)をミッションケース下方において左右に貫通して設け、この操作軸(127)の片側端部に前記ブレーキペダル(125)を連結し、他側端部にクルーズコントロールレバー(180)に連結するインナーワイヤ(184),(186)を連結し、このインナーワイヤ(184),(186)を通すアウタワイヤ(189),(192)を受けるアウタワイヤ支持ブラケット(191)を操作軸(127)近くの機枠に取り付けてなる作業車の走行変速装置。
【請求項2】
アウタワイヤ支持ブラケット(191)を操作軸(127)近くのミッションケースに取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の作業車の走行変速装置。
【請求項3】
クルーズコントロールレバー(180)を操縦席(10)の側部に位置するフェンダ(181)上に設けたことを特徴とする請求項2に記載の作業車の走行変速装置。
【請求項1】
車体の前部に設けるハンドルポスト(137)の左右片側に前進ペダル(115)と後進ペダル(116)及びブレーキペダル(125)を配置し他側にクルーズコントロールレバー(180)を配置し、走行を停止するブレーキの操作軸(127)をミッションケース下方において左右に貫通して設け、この操作軸(127)の片側端部に前記ブレーキペダル(125)を連結し、他側端部にクルーズコントロールレバー(180)に連結するインナーワイヤ(184),(186)を連結し、このインナーワイヤ(184),(186)を通すアウタワイヤ(189),(192)を受けるアウタワイヤ支持ブラケット(191)を操作軸(127)近くの機枠に取り付けてなる作業車の走行変速装置。
【請求項2】
アウタワイヤ支持ブラケット(191)を操作軸(127)近くのミッションケースに取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の作業車の走行変速装置。
【請求項3】
クルーズコントロールレバー(180)を操縦席(10)の側部に位置するフェンダ(181)上に設けたことを特徴とする請求項2に記載の作業車の走行変速装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
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【図10】
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【図15】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2012−72820(P2012−72820A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217146(P2010−217146)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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