説明

作業車両の原動機制御装置

【課題】作業車両の燃費を改善する。
【解決手段】エンジン1により駆動される油圧ポンプ11と、油圧ポンプ11からの圧油により駆動する走行用油圧アクチュエータ12と、駐車ブレーキが作動する駐車モード、作業ブレーキが作動する作業モード、および駐車ブレーキと作業ブレーキがともに非作動の走行モードを選択するモード選択手段31と、走行モード時のエンジン目標回転数および前記作業モード時のエンジン目標回転数をそれぞれ設定する回転数設定手段22a、33と、モード選択手段31により走行モードまたは作業モードが選択されると、回転数設定手段22a,33により設定されたエンジン目標回転数にエンジン回転数を制御し、駐車モードが選択されると、回転数設定手段22a,33による設定に拘わらず、エンジン回転数を少なくとも走行モード時のアイドル回転数である走行アイドル回転数NL2よりも低い駐車アイドル回転数NL3に制御する回転数制御手段30とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイール式油圧ショベル等の作業車両の原動機制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、走行モード時に乗員が運転室から離れた際にアイドル回転数を低減するようにした装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1記載の装置では、車両が走行停止状態でゲートロックレバーがロック位置へ操作された際に、アイドル回転数を低減するとともに駐車ブレーキを作動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−71135号公報(図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の装置は、乗員の降車を条件としてアイドル回転数を低減するため、走行停止状態であっても乗員が降車するまではアイドル回転数は高いままであり、燃費の改善が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による作業車両の原動機制御装置は、エンジンにより駆動される油圧ポンプと、油圧ポンプからの圧油により駆動する走行用油圧アクチュエータと、駐車ブレーキが作動する駐車モード、作業ブレーキが作動する作業モード、および駐車ブレーキと作業ブレーキがともに非作動の走行モードを選択するモード選択手段と、走行モード時のエンジン目標回転数および作業モード時のエンジン目標回転数をそれぞれ設定する回転数設定手段と、モード選択手段により走行モードまたは作業モードが選択されると、回転数設定手段により設定されたエンジン目標回転数になるようにエンジン回転数を制御し、駐車モードが選択されると、回転数設定手段による設定に拘わらず、少なくとも走行モード時のアイドル回転数である走行アイドル回転数よりも低い駐車アイドル回転数となるようにエンジン回転数を制御する回転数制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、モード選択手段により駐車モードが選択されるとエンジン回転数を走行アイドル回転数よりも低い駐車アイドル回転数に制御するようにしたので、駐車モード時のエンジン回転数を低減することができ、燃費を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明が適用されるホイール式ホイールショベルの側面図。
【図2】図1のホイールショベルに搭載された作業用アクチュエータの駆動油圧回路図。
【図3】本実施の形態に係る作業車両の走行用油圧回路図。
【図4】本実施の形態に係る原動機制御装置の構成を示すブロック図。
【図5】本実施の形態による目標回転数特性を示す図。
【図6】図4のコントローラにおける処理の一例を示すフローチャート。
【図7】図4の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図1〜図7を参照して本発明による作業車両の原動機制御装置の実施の形態について説明する。
図1は、本発明が適用されるホイール式油圧ショベル(ホイールショベル)の側面図(一部断面図)である。図1に示すホイールショベルは、下部走行体81と、旋回装置82を介して下部走行体81の上部に旋回可能に連結された上部旋回体83とを有する。上部旋回体83にはブーム84A、アーム84B、バケット84Cからなる作業用フロント84と運転室85とが設けられている。運転室85の入口には、乗降経路に突出した解除位置(A位置)と、乗降経路から後退したロック位置(B位置)との間で操作可能なゲートロックレバー6が設けられている。下部走行体81には走行用の油圧モータ12が設けられ、油圧モータ12の駆動によりタイヤ86が回転する。
【0009】
図2はホイールショベルに搭載される作業用アクチュエータの駆動油圧回路図である。エンジン1によって駆動される油圧ポンプ2からの圧油はロックバルブ3、制御弁4を介して作業用アクチュエータ5に供給される。作業用アクチュエータ5は、例えば作業用フロント84を駆動する油圧シリンダや旋回体83を旋回する油圧モータなどである。
【0010】
ロックバルブ3は油圧ポンプ2からの圧油を制御弁4に導く連通位置と制御弁4への圧油の供給を阻止する遮断位置とに切り換え可能な2位置切換弁であり、ゲートロックレバー6の操作によって切り換えられる。すなわち、ゲートロックレバー6が解除位置に操作されるとロックバルブ3が連通位置に切り換えられ、ゲートロックレバー6がロック位置に操作されるとロックバルブ3が遮断位置に切り換えられる。
【0011】
制御弁4は操作レバー7の操作によって切り換えられ、ロックバルブ3から油圧アクチュエータ5への圧油の流れを制御する。なお、油圧回路の構成は図2のものに限らない。例えば制御弁4を油圧パイロット式切換弁として構成し、操作レバー7の操作量に応じたパイロット圧を発生するパイロット回路を設け、操作レバー7の操作量に応じたパイロット圧により制御弁4を切り換えるようにしてもよい。この場合、ロックバルブ3をパイロット回路に配置し、操作レバー7の操作を禁止するようにしてもよい。
【0012】
図3は、本実施の形態に係るホイールショベルの走行用油圧回路図である。この油圧回路は、エンジン1により駆動される油圧ポンプ11と、油圧ポンプ11からの圧油により駆動する油圧モータ12と、油圧ポンプ11から油圧モータ12への圧油の流れを制御する走行用制御弁13と、制御弁13を操作するパイロット油圧回路20とを備える。パイロット油圧回路20は、パイロット油圧源21と、アクセルペダル22aの操作量に応じたパイロット圧を発生させるパイロット弁22と、図示しない前後進切換スイッチの操作により前進位置、後進位置、中立位置に切り換えられる前後進切換弁23とを備える。
【0013】
図3において、前後進切換弁23のソレノイド23aが励磁されると前後進切換弁23は前進位置(F位置)に切り換わり、ソレノイド23bが励磁されると後進位置(R位置)に切り換わる。前後進切換弁23が前進位置または後進位置に切り換わった状態でアクセルペダル22aを操作すると、その操作量に応じたパイロット圧が制御弁13に作用し、制御弁13が図示の中立位置から走行位置に切り換わる。これにより油圧ポンプ11から油圧モータ12に圧油が供給されて油圧モータ12が駆動し、車両が走行する。前後進切換弁23が中立位置に切り換わった状態では制御弁13は中立位置に切り換わり、油圧モータ12の駆動が阻止される。
【0014】
図4は、本実施の形態に係る原動機制御装置の構成を示すブロック図である。コントローラ30は、CPU、ROM、RAM、その他の周辺回路などを有する演算処理装置を含んで構成される。エンジンコントロールユニット(ECU)もコントローラ30に含まれる。コントローラ30には、ブレーキスイッチ31と、ペダル操作量検出器32と、ECダイアル33と、切換スイッチ34からの信号が入力される。
【0015】
エンジン回転数は例えば図示しないガバナの駆動により調節される。ガバナは不図示のパルスモータの回転により駆動される。ガバナレバー角度は不図示のポテンショメータにより検出され、このガバナレバー角度に基づき、エンジン回転数が後述の目標回転数となるようにコントローラ30からの信号によってパルスモータがサーボ制御される。
【0016】
ブレーキスイッチ31は、作業ブレーキの作動/非作動および駐車ブレーキの作動/非作動を指令するスイッチであり、作業ブレーキ位置、駐車ブレーキ位置、およびオフ位置の3位置に切換可能である。ブレーキスイッチ31が作業ブレーキ位置に切り換えられると、図示しないブレーキシリンダにブレーキ圧が作用し、作業ブレーキ(サービスブレーキ)が作動する。ブレーキスイッチ31がオフ位置に切り換えられると、ブレーキシリンダへのブレーキ圧の作用が停止し、作業ブレーキが解除される。なお、ブレーキスイッチ31がオフであっても、ブレーキシリンダにはブレーキペダル(不図示)の操作量に応じたブレーキ圧を作用することができ、これによりサービスブレーキを作動できる。
【0017】
駐車ブレーキはいわゆるネガティブブレーキであり、ブレーキ解除シリンダにブレーキ解除圧が作用すると駐車ブレーキが解除される。ブレーキスイッチ31が駐車ブレーキ位置に切り換えられると、ブレーキ解除圧の作用が停止し、ブレーキ解除シリンダがバネ力によって押動されて、駐車ブレーキが作動する。ブレーキスイッチ31がオフ位置に切り換えられると、駐車ブレーキは解除される。
【0018】
ブレーキスイッチ31は、運転室内のステアリングハンドルの近傍に設けられ、作業時に作業ブレーキ位置に、駐車時に駐車ブレーキ位置に、走行時にオフ位置にそれぞれ切り換えられる。これにより作業時に作業モードに、駐車時に駐車モードに、走行時に走行モードに、それぞれモード設定される。
【0019】
ペダル操作量検出器32は、例えばアクセルペダル22aの操作量に応じたパイロット圧pを検出する圧力センサにより構成され、圧力検出値pによりアクセルペダル22aの操作量が検出される。アクセルペダル22aの操作によりエンジン1の目標回転数が設定される。図5(a),(b)は圧力検出値pと目標回転数N1,N2との関係を示す図である。なお、図5(a)は作業に適した目標回転数特性L1を、図5(b)は走行に適した目標回転数特性L2をそれぞれ示している。
【0020】
いずれの特性L1,L2も圧力検出値pの増加に伴い目標回転数N1,N2が増加している。特性L2のアイドル回転数NL2(走行アイドル回転数)は特性L1のアイドル回転数NL1(作業アイドル回転数)よりも高く設定されている。また、特性L2の最高回転数Nbは特性L1の最高回転数Naよりも高く設定され、特性L2の傾きは特性L1の傾きよりも急峻となっている。
【0021】
ECダイアル33は運転室内に設けられ、ダイアル操作量sに応じてエンジン1の目標回転数Nsが設定される。図5(c)はダイアル操作量sと目標回転数Nsとの関係を示す図である。図5(c)の特性L3によれば、アイドル回転数が作業アイドル回転数NL1と等しく設定され、最高回転数も特性L2の最高回転数Nbと等しく設定されている。
【0022】
切換スイッチ34は、目標回転数の入力モードを切り換えるスイッチである。すなわち切換スイッチ34がペダルモード位置に切り換えられると、アクセルペダル22aの操作による目標回転数NL1,NL2が入力され、ダイアルモード位置に切り換えられると、ECダイアル33の操作による目標回転数Nsが入力される。
【0023】
図6は、コントローラ30で実行される処理の一例を示すフローチャートであり、例えばエンジンキースイッチのオンにより処理が開始される。ステップS1では、ブレーキスイッチ31、ペダル操作量検出器32、ECダイアル33、切換スイッチ34からの信号をそれぞれ読み込む。ステップS2では、ブレーキスイッチ31の操作を判定する。ブレーキスイッチ31が作業ブレーキ位置にあると判定されるとステップS3に進む。
【0024】
ステップS3では、切換スイッチ34の操作を判定する。切換スイッチ34がペダルモード位置にあると判定されるとステップS5に進み、図5(a)の特性L1に基づき、アクセルペダル22aの操作量(圧力検出値p)に応じた目標回転数N1を設定する。切換スイッチ34がダイアルモード位置にあると判定されるとステップS6に進み、図5(c)の特性L3に基づき、ECダイアル33の操作量sに応じた目標回転数Nsを設定する。
【0025】
ステップS2でブレーキスイッチ31がオフ位置にあると判定されるとステップS4に進む。ステップS4では、切換スイッチ34の操作を判定する。切換スイッチ34がペダルモード位置にあると判定されるとステップS7に進み、図5(b)の特性L2に基づき、アクセルペダル22aの操作量(圧力検出値p)に応じた目標回転数N2を設定する。切換スイッチ34がダイアルモード位置にあると判定されるとステップS6に進み、図5(c)の特性L3に基づき、ECダイアル33の操作量sに応じた目標回転数N3を設定する。ステップS8では、エンジン1のガバナ駆動用のパルスモータに制御信号を出力し、エンジン回転数をステップS5〜ステップS7で定めた目標回転数に制御する。
【0026】
一方、ステップS2でブレーキスイッチ31が駐車ブレーキ位置にあると判定されるとステップS9に進む。ステップS9では、ガバナ駆動用のパルスモータに制御信号を出力し、予め定めたアイドル回転数NL3(駐車アイドル回転数)にエンジン回転数を制御する。ここで、駐車アイドル回転数NL3とはエンストしない最小の回転数であり、作業アイドル回転数NL1よりも低く設定されている。
【0027】
本実施の形態の動作をまとめると次のようになる。ブレーキスイッチ31をオフ位置に操作すると、作業ブレーキと駐車ブレーキがそれぞれ解除され、走行モードとなる。この状態で、切換スイッチ34をペダルモード位置に操作すると、図5(b)の特性L2に基づきアクセルペダル22aの操作量に応じてエンジン回転数が制御される(ステップS7→ステップS8)。アクセルペダル22aの操作をやめるとエンジン回転数は走行アイドル回転数NL2となる。このとき、走行アイドル回転数NL2は作業アイドル回転数NL1よりも高めに設定されており、特性L2の傾きは急峻であるため、走行時の良好な加速性が得られる。切換スイッチ34をダイアルモード位置に操作すると、ダイアル操作量に応じてエンジン回転数が制御される(ステップS6→ステップS8)。これによりアクセルペダル22aを操作をすることなく、走行時のエンジン回転数を一定に保つことができる。
【0028】
ブレーキスイッチ31を作業ブレーキ位置に操作すると、作業ブレーキが作動し、作業モードとなる。この状態で、切換スイッチ34をペダルモード位置に操作すると、図5(a)の特性L1に基づきアクセルペダル22aの操作量に応じてエンジン回転数が制御される(ステップS5→ステップS8)。アクセルペダル22aの操作をやめるとエンジン回転数は走行アイドル回転数NL2よりも低めの作業アイドル回転数NL1となる。このため、作業時の燃費を向上できる。切換スイッチ34をダイアルモード位置に操作すると、ダイアル操作量に応じてエンジン回転数が制御される(ステップS6→ステップS8)。これによりアクセルペダル22aを操作をすることなく、作業時のエンジン回転数を一定に保つことができる。
【0029】
ブレーキスイッチ31を駐車ブレーキ位置に操作すると、駐車ブレーキが作動し、駐車モードとなる。この状態では、アクセルペダル22aの操作やECダイアル33の操作に拘わらず、エンジン回転数が作業アイドル回転数NL1よりも低い駐車アイドル回転数NL3に制御される(ステップS9)。このため走行も作業も行わないときにはエンジン回転数が最低限に抑えられ、燃費を向上できる。ブレーキスイッチ31の切換のみでエンジン回転数が低減するため、ペダル操作やダイアル操作等の回転数設定のための煩わしい操作が不要であり、使い勝手がよい。ブレーキスイッチ31を駐車ブレーキ位置からオフ位置または作業ブレーキ位置に操作すると、エンジン回転数が上昇し、ペダル操作またはダイアル操作による目標回転数にエンジン回転数が制御される。
【0030】
本実施の形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)ブレーキスイッチ31が駐車ブレーキ位置に切り換えられると、駐車ブレーキを作動するとともに、アクセルペダル22aの操作やECダイアル33の操作に拘わらず、エンジン回転数を走行アイドル回転数NL2よりも低く、かつ、作業アイドル回転数NL1よりも低い駐車アイドル回転数NL3に制御するようにした。これにより駐車モード時のエンジン回転数を最低限に抑えることができ、燃費を向上できる。
(2)ゲートロックレバー6の操作を条件とすることなく、エンジン回転数を駐車アイドル回転数NL3に制御するため、乗員が降車する前であってもエンジン回転数を最低限に抑えることができる。また、エンジン回転数を低減するために、降車前にあえてゲートロックレバー6を操作するといった必要がなく、ゲートロックレバー6により乗員の降車状態を良好に検出できる。
(3)アクセルペダル22aの操作とECダイアル33の操作によりそれぞれ目標回転数を設定可能とし、切換スイッチ34によりいずれかの目標回転数を選択するようにしたので、走行性および作業性を向上できる。
【0031】
なお、上記実施の形態では、ブレーキスイッチ31が駐車ブレーキ位置に切り換えられると、エンジン回転数を駐車アイドル回転数NL3に制御するようにしたが、暖機運転時にはこの回転数制御を禁止するようにしてもよい。この場合、例えば図7に示すようにエンジン冷却水温を検出する温度検出器35を新たに設け、コントローラ30で温度検出値により暖機運転の要否を判定すればよい。そして、ブレーキスイッチ31が駐車ブレーキ位置に切り換えられた場合であっても、暖機運転が必要と判定されると、例えば図6のステップS4の処理に進み、暖機運転が必要でないと判定されると、ステップS9の処理に進むようにすればよい。これにより速やかに暖機を行うことができる。
【0032】
上記実施の形態では、第1の設定手段としてのアクセルペダル22aの操作によりエンジン目標回転数(第1のエンジン回転数)を設定するとともに、第2の設定手段としてのECダイアル33の操作によりエンジン目標回転数(第2のエンジン回転数)を設定するようにしたが、回転数設定手段の構成はこれに限らない。切換スイッチ35によりペダルモードとダイアルモードを切り換えるようにしたが、ペダル操作による目標回転数とダイアル操作による目標回転数のうち最大値を選択するようにしてもよく、回転数選択手段は上述したものに限らない。
【0033】
上記実施の形態では、駐車アイドル回転数NL3を作業アイドル回転数NL1よりも低く設定したが、少なくとも走行アイドル回転数NL2よりも低く設定すればよく、例えば駐車アイドル回転数NL3を作業アイドル回転数NL1と等しくてもよい。すなわち駐車モードが選択されたときに、ペダル操作やダイアル操作による回転数設定に拘わらず、走行アイドル回転数NL2よりも低い駐車アイドル回転数NL3となるようにエンジン回転数を制御するのであれば、回転数制御手段の構成はいかなるものでもよい。ブレーキスイッチ31により駐車モード、作業モード、走行モードを選択するようにしたが、モード選択手段はこれに限らない。
【0034】
上記実施の形態は、ホイール式油圧ショベルに適用したが、ホイールローダやフォークリフト等の他のホイール式作業車両にも適用できる。すなわち、本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態の作業車両の原動機制御装置に限定されない。
【符号の説明】
【0035】
1 エンジン
11 油圧ポンプ
12 走行用油圧モータ
22a アクセルペダル
31 ブレーキスイッチ
32 ペダル操作量検出器
33 ECダイアル
34 切換スイッチ
35 温度検出器
NL1 作業アイドル回転数
NL2 走行アイドル回転数
NL3 駐車アイドル回転数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンにより駆動される油圧ポンプと、
前記油圧ポンプからの圧油により駆動する走行用油圧アクチュエータと、
駐車ブレーキが作動する駐車モード、作業ブレーキが作動する作業モード、および駐車ブレーキと作業ブレーキがともに非作動の走行モードを選択するモード選択手段と、
前記走行モード時のエンジン目標回転数および前記作業モード時のエンジン目標回転数をそれぞれ設定する回転数設定手段と、
前記モード選択手段により前記走行モードまたは前記作業モードが選択されると、前記回転数設定手段により設定されたエンジン目標回転数になるようにエンジン回転数を制御し、前記駐車モードが選択されると、前記回転数設定手段による設定に拘わらず、少なくとも前記走行モード時のアイドル回転数である走行アイドル回転数よりも低い駐車アイドル回転数となるようにエンジン回転数を制御する回転数制御手段とを備えることを特徴とする作業車両の原動機制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作業車両の原動機制御装置において、
前記回転数設定手段は、前記作業モード時のアイドル回転数である作業アイドル回転数を、前記走行アイドル回転数よりも低く、かつ、前記駐車アイドル回転数よりも高く設定することを特徴とする作業車両の原動機制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の作業車両の原動機制御装置において、
前記回転数設定手段は、
第1の操作部材の操作により第1のエンジン回転数を設定する第1の設定手段と、
第2の操作部材の操作により第2のエンジン回転数を設定する第2の設定手段と、
前記第1のエンジン回転数または前記第2のエンジン回転数のいずれかに前記エンジン目標回転数を設定する回転数選択手段とを有することを特徴とする作業車両の原動機制御装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業車両の原動機制御装置において、
暖機運転の要否を判定する暖機判定手段をさらに備え、
前記回転数制御手段は、前記暖機判定手段により暖機運転が必要と判定されると、前記モード選択手段により駐車モードが選択されても、前記回転数設定手段により設定されたエンジン目標回転数にエンジン回転数を制御することを特徴とする作業車両の原動機制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−163946(P2010−163946A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6261(P2009−6261)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】