説明

作業車両の操縦装置

【課題】操向レバーの旋回操作を制御装置に入力するポジションセンサの故障をいち早く検出して警報を出したり旋回を中止することで安全性を高める。
【解決手段】操向レバー(1)の左右傾倒角度を検出するポジションセンサ(2)と、該ポジションセンサ(2)とは別に操向レバー(1)の左右傾倒状態を検出する左右の旋回スイッチ(3a,3b)を設け、前記ポジションセンサ(2)と旋回スイッチ(3a,3b)の検出値が一致しない場合を故障と判断し、警報或いは走行停止を実行する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、単一の操縦レバー(以下、「操向レバー」という)を左右に傾倒することで旋回走行を行うコンバイン等作業車両の操縦装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンバインでは、操縦席の前側に立設する単一の操向レバーを左右に傾倒することで傾けた方向へ旋回し前後に傾倒することで刈取装置を昇降するようにして、収穫作業時の操縦操作を容易に行えるようにしている。近年では、操向レバーの傾倒操作量をポジションセンサにより検出して旋回内側の走行駆動輪に対し、走行クラッチを切ると同時に、デファレンシャルギア機構や遊星ギア機構等による差動装置により可変の制動力を出力させて、マイルド旋回、ブレーキ旋回、スピン旋回等の各種の旋回モードによる無段の連続旋回作用を行わせるもの等がある。
【0003】
また、特開2003−146236号公報には、操向レバーの適宜位置に傾倒操作量を検出して旋回内側の走行駆動輪に対して可変の制動力を出力させるポジションセンサと、所定角度以上の傾倒操作によりオンしたとき旋回内側の走行駆動輪に対して一定した制動力を出力させる旋回スイッチとを設けて、ポジションセンサによるマイルド旋回、スピン旋回を行い、旋回スイッチのオンによるブレーキ旋回モードで旋回を行うようにした技術が記載されている。
【0004】
そして、特開2004−243941号公報には、ポジションセンサが断線故障や短絡故障によって異常値を出力した場合には、所定の安全で緩やかな旋回を行うことでオペレータに故障を知らせるようにした技術が記載されている。
【特許文献1】特開2003−146236号公報
【特許文献2】特開2004−243941号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のポジションセンサが断線故障や短絡故障したかの判断は、センサ出力値が正常範囲を超えていた場合に故障と判断し、所定の旋回を行うようにしている。このため、オペレータは例えばスピン旋回をしたにもかかわらずマイルド旋回になって期待に反した旋回が行われることで故障に気が付くことになるが、期待に反した動きのために危険な場合がある。
【0006】
そこで、本発明では、操向レバーの旋回操作を制御装置に入力するポジションセンサの故障をいち早く検出して警報を出したり旋回を中止することで安全を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上述の如き課題を解決するために、以下のような技術的手段を講じる。
即ち、操向レバー(1)の左右傾倒角度を検出するポジションセンサ(2)と、該ポジションセンサ(2)とは別に操向レバー(1)の左右傾倒状態を検出する左右の旋回スイッチ(3a,3b)を設け、前記ポジションセンサ(2)と旋回スイッチ(3a,3b)の検出値が一致しない場合を故障と判断し、警報或いは走行停止を実行する構成としたことを特徴とする作業車両の操縦装置とした。
【0008】
この構成で、操向レバー1の傾倒を制御装置に入力するポジションセンサ2の故障をいち早くオペレータに知らせる。
【発明の効果】
【0009】
この発明によると、操向レバー1を傾倒して旋回する場合に、ポジションセンサ2の故障を予期せぬ旋回が始まる前にオペレータに知らせられるので、操作と違う旋回が始まることを事前に知らされて、旋回を中止することが出来て危険を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
本明細書では、左側及び右側とはコンバインが前進する方向に向いたときの方向を言う。
【0011】
図1は、操向レバー1の取付部構成を示している。この操向レバー1は、枢支部1aで起立中立位置に戻るように付勢されて左右に傾倒する。そして、枢支部1aの回動角度を検出するポジションセンサ2が設けられ、枢支部1aと共に回動する作動板1bに接触する左右旋回スイッチ3a,3bが設けられている。従って、操向レバー1の握り部1cを持って左右に傾けると、ポジションセンサ2がその傾倒方向と回動角度を検出し、傾倒側の左右旋回スイッチ3a,3bがオンされる。
【0012】
図2は、旋回制御の制御信号の入出力を表す制御ブロック図である。
ポジションセンサ2の出力は、第一コントローラ10のアナログ信号入力処理12から左右旋回制御手段15と通信手段13へ送られる。左右旋回制御手段15ではタイマーカウント手段14とシステム異常検出手段16との間でデータの入出力が行われ、油圧制御電流設定手段17への出力と左サイドクラッチ出力18と右サイドクラッチ出力19及び油圧バルブ電流出力20が行われる。なお、システム異常検出手段16は、ポジションセンサ2の信号と通信手段13で受けた左右旋回スイッチ3a,3bの信号で矛盾が生じると異常と判断するのである。
【0013】
右旋回スイッチ3aと左旋回スイッチ3bの出力は、第二コントローラ11のデジタル信号入力処理23から左右旋回手段25と通信手段22へ送られる。左右旋回手段25ではシステム異常検出手段24との間でデータの入出力が行われ、油圧制御電流設定手段27への出力と左サイドクラッチ出力18と右サイドクラッチ出力19及び油圧バルブ電流出力20が行われる。
【0014】
第一コントローラ10と第二コントローラ11は、それぞれの通信手段13,22でデータの入出力が行われ、それぞれのシステム異常検出手段16,24からモニタ表示出力21が行われ、システム異常検出手段24から異常ランプ点灯26が行われる。なお、システム異常検出手段24は、スイッチ3a,bの信号と通信手段13で受けたポジションセンサ2の信号で矛盾が生じると異常と判断するのである。
【0015】
図3は、旋回制御のフローチャートである。
ポジションセンサ2と左右旋回スイッチ3a,bから信号を読込み、ステップS1で、左旋回スイッチ3bのオンを判定する。オンであれば(YESであれば)、ステップS2へ移行し、オンでなければ(NOであれば)ステップS7に移行する。
【0016】
ステップS2で、右旋回スイッチ3aのオンを判定し、YESであれば、左旋回スイッチ3bと右旋回スイッチ3aが共にオンであることになって、実際にこのようなことが起こることは無いので、ステップS3でスイッチ異常報知出力を開始し、ステップS7に移行する。
【0017】
ステップS2の判定がNOであれば、ステップS4でポジションセンサ2の出力値が中立値より小さい(左旋回操作)かを判定する。この判定がYESであれば、ステップS6で緊急時一定ブレーキ電流出力を行ってステップS10に移行する。ステップS4の判定がNOであれば、ステップS1とステップS2での左右旋回スイッチ3a,3bの旋回方向判定と違うので、ステップS5でコントローラ通信異常を判定し、YESであれば、ステップS6で緊急時一定ブレーキ電流出力を行ってステップS10に移行する。NOであれば、正常状態としてステップS9に移行し、ステップS9でポジションセンサ2に応じた電流の出力を行い、ステップS10で左サイドクラッチの切出力を行い、リターンする。
【0018】
ステップS7でポジションセンサ2の出力が中立値より大(右旋回操作)かを判定し、NOであれば、ステップS11に移行し、YESであれば、ステップS1での左旋回スイッチ3bの旋回方向判定と違うので、ステップS8でスイッチ異常報知出力を開始し、ステップS9でポジションセンサ2に応じた電流の出力を行い、ステップS10で左サイドクラッチの切出力を行い、リターンする。
【0019】
ステップS11で、右旋回スイッチ3aのオンを判定する。オンであれば(YESであれば)、ステップS12の左旋回スイッチ3bのオンを判定し、オンでなければ(NOであれば)、正常状態としてステップS14に移行する。
【0020】
ステップS12で、左旋回スイッチ3bのオンを判定し、YESであれば、右旋回スイッチ3aと左旋回スイッチ3bが共にオンであることになって、実際にこのようなことが起こることは無いので、ステップS13でスイッチ異常報知出力を開始し、ステップS17に移行する。
【0021】
ステップS14ではポジションセンサ2の出力値が中立値より大きい(右旋回操作)かを判定する。この判定がYESであれば、ステップS16で緊急時一定ブレーキ電流出力を行ってステップS20に移行する。ステップS14の判定がNOであれば、ステップS15でコントローラ通信異常を判定し、YESであれば、ステップS16で緊急時一定ブレーキ電流出力を行って走行速度を低下させてステップS20に移行し、ステップS20で左サイドクラッチの切出力を行い、リターンする。ステップ15がNOであれば、ステップS19に移行し、ステップS19でポジションセンサ2に応じた電流の出力を行い、ステップS20で左サイドクラッチの切出力を行い、リターンする。
【0022】
ステップS17でポジションセンサ2の出力が中立値より小(左旋回操作)かを判定し、NOであれば、そのままでリターンし、YESであれば、ステップS11での右旋回スイッチ3aの旋回方向判定と違うので、ステップS18でスイッチ異常報知出力を開始し、ステップS19でポジションセンサ2に応じた電流の出力を行い、ステップS20で左サイドクラッチの切出力を行い、リターンする。
【0023】
図4は、左右旋回スイッチ3a,3bで動作するリレー回路28とマイコンによるメインコントローラ29を設け、通常はメインコントローラ29で旋回制御を行い、メインコントローラ29の故障時にリレー回路28で旋回制御を行うようにした制御ブロック図である。
【0024】
ポジションセンサ2の出力は、メインコントローラ29のアナログ信号入力処理30から左右旋回制御手段33とシステム異常検出手段34へ送られる。左右旋回制御手段33ではタイマーカウント手段32との間でデータの入出力が行われ、システム異常検出手段34と油圧制御電流設定手段36への出力と左サイドクラッチ出力18と右サイドクラッチ出力19が行われる。システム異常検出手段34から緊急回路遮断手段35へ制御信号が送られ、油圧制御電流設定手段36から油圧バルブ電流出力20が行われる。
【0025】
右旋回スイッチ3aと左旋回スイッチ3bの出力は、メインコントローラ29のデジタル信号入力処理31からシステム異常検出手段34へ検出データが送られる。
リレー回路28は、電源回路37に左旋回リレー39と右旋回リレー40が繋がり、警報出力リレー42が繋がり、さらにホーン/ランプ出力43を行う。左旋回リレー39と右旋回リレー40は、それぞれ左サイドクラッチ出力18と右サイドクラッチ出力19を行う。
【0026】
電源回路37には定電流発信回路38が繋がり、油圧電流リレー41を介して油圧バルブ電流出力20を行う。
前記緊急回路遮断手段35は、左旋回リレー39と右旋回リレー40及び油圧電流リレー41を制御する。
【0027】
図5は、前記の制御ブロック図での制御フローチャートである。
ポジションセンサ2と左右旋回スイッチ3a,3bから信号を読込み、ステップS31でポジションセンサ2の断線を判定する。断線であれば(YESであれば)、そのままで終了し、断線でなければ(NOであれば)ステップS32に移る。
【0028】
ステップS32で左旋回スイッチ3bのオンを判定し、YESであればステップS33に移り、NOであればステップS36に移る。ステップS33では右旋回スイッチ3aのオンを判定し、YESであればステップS34でスイッチ異常報知出力を開始し、ステップS36に移り、NOであればステップS35に移る。スイッチ異常報知出力は、メインコントローラ29からの制御出力を遮断し、ブザーを鳴らしたりランプを点灯したりする。
【0029】
ステップS35でポジションセンサ2の出力値が中立値より小さい(右旋回操作)かを判定し、YESであればリターンし、NOであればステップS38に移る。
ステップS36では、ポジションセンサ2の出力が中立値より大かを判定し、NOであれば、ステップS40に移行し、YESであれば、ステップS37でスイッチ異常報知出力を開始し、ステップS38でポジションセンサ2の出力に応じた電流を出力し、ステップS39で左サイドクラッチの切出力を行ってリターンする。
【0030】
ステップS40で右旋回スイッチ3aのオンを判定し、YESであればステップS41に移り、NOであればステップS44に移る。ステップS41では左旋回スイッチ3bのオンを判定し、YESであればステップS42でスイッチ異常報知出力を開始し、ステップS44に移り、NOであればステップS43に移る。
【0031】
ステップS43でポジションセンサ2の出力値が中立値より大きい(左旋回操作)かを判定し、YESであればリターンし、NOであればステップS46に移る。
ステップS44では、ポジションセンサ2の出力が中立値より小さいかを判定し、NOであれば、リターンし、YESであれば、ステップS45でスイッチ異常報知出力を開始し、ステップS46でポジションセンサ2の出力に応じた電流を出力し、ステップS47で右サイドクラッチの切出力を行ってリターンする。
【0032】
図6は、操向レバー1とは別に右旋回スイッチ59と左旋回スイッチ60を設けた実施例の旋回制御ブロック図である。
右旋回スイッチ59と左旋回スイッチ60の出力と刈脱クラッチレバースイッチ45のオン・オフ信号と副変速高側位置スイッチ46のオン・オフ信号は、コントローラ58のデジタル信号入力処理49から左右旋回制御手段53とタイマーカウント手段52へ検出データが送られる。
【0033】
ポジションセンサ2の出力は、コントローラ58のアナログ信号入力処理50からタイマーカウント手段52へ送られる。
車速検出用回転検出センサ47とエンジン回転検出用回転検出センサ48の検出データがパルス信号入力処理51を介して左右旋回制御手段53に入力する。
【0034】
左右旋回制御手段53ではタイマーカウント手段52との間でデータの入出力が行われ、油圧制御電流設定手段54への出力と左サイドクラッチ出力55と右サイドクラッチ出力56が行われる。油圧制御電流設定手段54から油圧バルブ電流出力57が行われる。
【0035】
図7は、前記別実施例の旋回制御ブロック図を用いた制御のフローチャート図である。
ポジションセンサ2と右旋回スイッチ59と左旋回スイッチ60等の各センサやスイッチのデータ信号を読込み、ステップS50でポジションセンサ2の左側への操作を判定し、YESであればステップS51へ移り、NOであればステップS54に移る。ステップS51では左旋回スイッチ60が所定時間以上オン持続されたかを判定し、YESであればステップS52に移り、NOであればステップS53でパワステ指示油圧電流値をセットし、ステップS66に移る。ステップS52ではパワステ指示電流値が左旋回スイッチ60による油圧制御出力値より大きいかを判定し、YESであればステップS53に移り、NOであればステップS58に移る。
【0036】
ステップS54ではポジションセンサ2の右側への操作を判定し、YESであればステップS55に移り、NOであればステップS58に移る。ステップS55では右旋回スイッチ59が所定時間以上オン持続されたかを判定し、YESであればステップS56に移り、NOであればステップS57でパワステ指示油圧電流値をセットし、ステップS75に移る。ステップS56ではパワステ指示電流値が右旋回スイッチ59による油圧制御出力値より大きいかを判定し、YESであればステップS57に移り、NOであればステップS67に移る。
【0037】
ステップS58では左旋回スイッチ60のオンタイマアップを判定し、NOであればステップS59で1ショット時油圧電流値セットを行って、ステップS66に移り、YESであればステップS60に移る。
【0038】
ステップS60では左旋回スイッチ60のオンを判定し、YESであればステップS61で左旋回スイッチオン監視タイマを初期化し、ステップS62に移り、NOであればステップS63に移る。
【0039】
ステップS63では左旋回スイッチオン監視タイマアップを判定し、YESであればステップS67に移り、NOであればステップS64で左旋回オンタイマセットを行ってリターンする。
【0040】
ステップS62では左旋回停止時間経過を判定し、NOであればステップS65で一定油圧電流値セットを行ってステップS66で左サイドクラッチ切セットと油圧回路出力起動を行ってリターンする。YESであればステップS67に移る。
【0041】
ステップS67では、右旋回オンタイマアップを判定し、NOであればステップS68で1ショット時油圧電流値セットを行って、ステップS75で右サイドクラッチ切セットと油圧回路出力起動を行ってリターンする。YESであればステップS69に移る。
【0042】
ステップS69では右旋回スイッチオンを判定し、YESであればステップS70で右旋回スイッチオン監視タイマを初期化し、ステップS71に移る。NOであればステップS72に移る。
【0043】
ステップS72では右旋回スイッチオン監視タイマアップを判定し、YESであればリターンする。NOであればステップS73で右旋回オンタイマセットを行ってリターンする。
【0044】
ステップS71では右旋回停止時杆経過を判定し、NOであればステップS74で一定油圧電流値セットを行ってステップS75で右サイドクラッチ切セットと油圧回路出力起動を行ってリターンする。
【0045】
前記の制御は、右旋回スイッチ59と左旋回スイッチ60のオン時間によって旋回力を調整でき、操向レバーのように左右へ倒し続けることなく旋回を持続出来る。また、左右旋回用スイッチ59,60を所定時間以上オンし続けると走行を停止する。さらに、左右旋回用スイッチ59,60で旋回中に操向レバーを操作すると、操向レバーの旋回出力要求等の操作指示が優先される。
【0046】
図8は、旋回制御の別実施例を示すフローチャートである。
ポジションセンサ2と旋回用スイッチ59,60等の各センサやスイッチのデータ信号を読込み、ステップS80でポジションセンサ2の左側への操作を判定し、YESであればステップS81で左サイドクラッチ切セットし、ステップS84に移り、NOであればステップS82に移る。
【0047】
ステップS82ではポジションセンサ2の右側への操作を判定し、YESであればステップS83で右サイドクラッチ切セットし、ステップS84に移り、NOであればリターンする。
【0048】
ステップS84では刈脱クラッチの入を判定し、YESであればステップS85の副変速が高側位置かの判定を行い、NOであればステップS86の左旋回スイッチオンを判定し、NOであればステップS87の右旋回スイッチオンを判定し、YESであればステップS89で一定油圧電流値セットを行いリターンする。
【0049】
ステップS84がNOであってもステップS85がYESであってもステップS87がNOであっても、ステップS88でパワステ指示電圧電流値セットを行いリターンする。ステップS86でYESであればステップS89に移り一定油圧電流値セットを行いリターンする。
【0050】
上記の制御は、操向レバーの操作に加えて左右旋回用スイッチ59,60のどちらかををオンすると、刈脱クラッチが入でないか副変速が高側位置かの条件でパワステ指示電圧電流値セットすなわち旋回力を強くし、刈脱クラッチの入で副変速が高側位置でない条件で一定油圧電流値セットすなわち旋回出力が一定になるように制御され湿田での旋回に適する。
【0051】
その他の旋回制御として、刈取穀稈の搬送を検出する穀稈センサがオフすると一定距離(例えば、30cm)走行すると刈取部を上昇させたり、旋回終了して一定距離(例えば、3m)走行すると刈取部を降下させたり、旋回終了して一定距離走行はスピン旋回やマイルド旋回になるように制御することも出来る。なお、旋回終了して一定距離走行すると刈取部を降下させる制御はこの制御をオン・オフするスイッチを設けて、オペレータが制御実施を選択できるようにする。また、この制御をオン・オフするスイッチは、湿田スイッチと関連させても良い。さらに、穀稈センサがオフすると一定距離走行すると刈取部を上昇させたると同時に走行速度を2割低下させ唐箕の風を弱め選別シーブを開にしてコンバインの出力を低下させるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】操向レバーの正面図である。
【図2】旋回制御の制御ブロック図である。
【図3】旋回制御の制御フローチャート図である。
【図4】別実施例の旋回制御ブロック図である。
【図5】別実施例の旋回制御フローチャート図である。
【図6】さらに別実施例の旋回制御ブロック図である。
【図7】上記実施例の旋回制御フローチャート図である。
【図8】別実施例の旋回制御フローチャート図である。
【符号の説明】
【0053】
1 操向レバー
2 ポジションセンサ
3a 右旋回スイッチ
3b 左旋回スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操向レバー(1)の左右傾倒角度を検出するポジションセンサ(2)と、該ポジションセンサ(2)とは別に操向レバー(1)の左右傾倒状態を検出する左右の旋回スイッチ(3a,3b)を設け、前記ポジションセンサ(2)と旋回スイッチ(3a,3b)の検出値が一致しない場合を故障と判断し、警報或いは走行停止を実行する構成としたことを特徴とする作業車両の操縦装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−6229(P2010−6229A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−167462(P2008−167462)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】