説明

偏光製品および偏光製品を得る方法

ポリビニルアルコールフィルムを用いて偏光製品を作成するために適したプロセスおよびこれらのプロセスによって製造される製品を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.発明の背景
本発明は一般に、偏光製品を得るプロセス(方法)に関する。更に詳細には、これらの製品のいくつかは、光学レンズであることもあり、偏光ポリビニルアルコールフィルムが使用されることもある。
【0002】
2.先行技術の説明
今日販売されている眼科用レンズの大半はプラスチックである。プラスチックレンズの製造の際に、グレアを除去する偏光フィルムを組み込むことが望ましい。いくつかの種類の偏光フィルムが用いられる。その1つの種類として、1つの方向に分子を整列させて、延伸し、ヨウ素に浸漬したポリビニルアルコール(PVOH)(米国特許第2,237,567号参照、引用し本明細書の内容とする)がある。これらのフィルムおよび他のフィルム(米国特許第6,113,811号参照、引用し本明細書の内容とする)は当業者にとって公知である。またポリエチレンテレフタレート(PET)(米国特許第6,432,327号参照、引用し本明細書の内容とする)などのフィルム材料や、二色性染料も用いられる。
【0003】
一般に、偏光フィルムは接着材料を用いて処理(米国特許第6,220,703号参照、引用し本明細書の内容とする)され、鋳造セルに配置される。つまり、液体モノマーを鋳造セルに導入し、モノマーを硬化させ、フィルムを封入する。また、レンズの前面(米国特許第6,177,032号参照、引用し本明細書の内容とする)、または2つのレンズの間に直接フィルムを積層することができる他の方法もある。
【0004】
偏光子を支持上に積層する、または2つの支持体の間に積層することもできる。支持体は通常、セルロースアセテートブチレート(CAB)または、セルローストリアセテート(CTA)である。偏光子の接着性は、性能上、機能上、および品質上、重要である。(米国特許第6,235,396号(引用し本明細書の内容とする)は、接着組成物を記載している。PVOH偏光子は、通常、CR39を用いて内部鋳造する前に、接着剤を用いて処理する。そうでないと接着性が存在しない。
【0005】
PVOH偏光フィルムの1つの問題点は、水を吸収し、ポリ(チオ)ウレタンレンズの鋳造中にその水分とイソシアネートとの相互作用から気泡が発生することである。その際下記の反応が起こる。
【0006】
【化1】

【発明の開示】
【0007】
本発明のプロセスのいくつかにより、偏光ポリビニルアルコール(PVH)フィルムを用いて、アイウエア(眼装着用)製品として適した光学レンズなどのポリチオウレタン製品を製造することが可能である。そのレンズは良好な光学特性を有する。また、そのレンズは、肉眼で検出できるような気泡がない。また、フィルムの層間剥離もない。本発明の製品のいくつかはこのようなレンズを含む。
〔具体的な実施態様の説明〕
【0008】
本明細書中、「備える」(「備えて」「備えた」などの他の任意の形を含む)、「有する」(「有して」、「有し」などの他の任意の形を含む)、および「含む」(「含んで」「含まれた」などの他の任意の形を含む)はオープンエンド型の連結動詞である。その結果、1つ、またはそれ以上の工程、または要素を「備える」、「有する」、または「含む」プロセス、またはプロセス中の工程は、それらの1つ、またはそれ以上の工程、または要素を所有するが、それらの1つ、またはそれ以上の工程、または要素だけを所有することに限定されない。
【0009】
いくつかの実施態様において、本発明のプロセスは、ポリチオウレタン偏光製品を得るプロセスを含む。このプロセスは、2部分金型装置の型穴に偏光ポリビニルアルコールフィルムを配置する工程を含む。このプロセスは、また、重合可能な組成物を型穴に注入する工程を含む。このプロセスは、また、重合可能な組成物を硬化させる工程と、ポリチオウレタン偏光製品を型穴から取り出す工程とを含んでも良い。回収された製品は、ポリチオウレタンに接着するポリビニルアルコールフィルムを有しても良い。
【0010】
この重合可能な組成物は、好ましくは、2つのモノマーの混合物であり、好ましくは、オリゴマー種、またはポリマー種を含まない。この重合可能な組成物は、特に、ポリチオウレタン プレポリマーを含まない。
【0011】
この重合可能な組成物は、1つ以上のポリ(イソ)チオシアネートモノマーと、1つ以上のポリチオールとを含んでも良い。そのような実施態様では、ポリ(イソ)チオシアネートモノマーは、2つ以上の、好ましくは2つの、イソシアネート基を持つイソシアネートモノマーであって良い。ポリチオールは、2つ以上の、好ましくは3つの、チオール基を有するモノマーであって良い。
【0012】
特に注目すべきことは、湿度に非常に敏感なポリイソシアネートモノマーと、ポリチオールモノマーとを含む重合可能な組成物を出発ポリチオウレタン組成物として用いる場合に、肉眼で検出可能な気泡がない、ポリビニルアルコールフィルムを備える偏光製品、特に偏光レンズを得ることが可能であることである。
【0013】
1つ以上のポリ(イソ)チオシアネートモノマーと、1つ以上のポリチオールとの代替として、この重合可能な組成物は、NCOまたはNCSを末端に持つ1つ以上の液体ポリ(チオ)ウレタンプレポリマーと、SHを末端に持つ1つ以上の液体ポリ(チオ)ウレタンプレポリマーとの混合物を含んでも良い。
【0014】
有用な、好ましいポリイソシアネートモノマーおよびポリチオールモノマーは、米国特許第4,689,387号、米国特許第4,775,733号、米国特許第5,191,055号、米国特許第5,087,758号、米国特許第5,837,797および米国特許第5,608,115号(いずれも、引用して本明細書の内容とする)に記載されているものから選択しても良い。
【0015】
本発明のプロセスにおいて有用であるイソ(チオ)シアネートモノマーは、1つ以上のNCX基を有する任意のイソ(チオ)シアネート化合物であって良く、ここでXは、OまたはSであり、好ましくは、Oとおよび、OHまたはSH基と反応可能な1つ以上の別の反応基である。
【0016】
好ましくは、イソ(チオ)シアネートモノマーは2つ以上のNCX基を備え、最も好ましくは2つのNCX基を備える。最も好ましいイソ(チオ)シアネートはジイソチオシアネートである。
【0017】
好ましいポリイソシアネートまたはイソチオシアネートモノマーは下記の式を有するものである。
【0018】
【化2】

【化3】

【0019】
式中、
は、独立してHまたはC〜Cアルキル基であり、好ましくはCHまたはCであり、
は、H、ハロゲン、好ましくはClまたはBr、またはC〜Cアルキル基、好ましくは、CHまたはCであり、
Zは、−N=C=Xであり、ここでXはOまたはS、好ましくは、Oであり、
aは1〜4の範囲の整数であり、bは2〜4の範囲の整数であり、かつa+b£6であり、そして
xは1〜10、好ましくは1〜6の整数である。
【0020】
好ましいポリイソシアネートまたはイソチオシアネートモノマーには、例えば、トリレン ジイソシアネートまたはジイソチオシアネート、フェニレン ジイソシアネートまたはジイソチオシアネート、エチルフェニレン ジイソオシアネート、イソプロピル フェニレン ジイソシアネートまたはジイソチオシアネート、ジメチルフェニレン ジイソシアネートまたはジイソチオシアネート、ジエチルフェニレン ジイソシアネートまたはジイソチオシアネート、ジイソプロピルフェニレン ジイソシアネートまたはジイソチオシアネート、トリメチルベンジル トリイソシアネートまたはトリイソチオシアネート、キシリレン ジイソシアネートまたはジイソチオシアネート、ベンジル トリイソ(チオ)シアネート、 4,4’−ジフェニル メタン ジイソシアネートまたはジイソチオシアネート、ナフタレン ジイソシアネートまたはジイソチオシアネート、イソホロン ジイソシアネートまたはジイソチオシアネート、ビス(イソシアネートまたはジイソチオシアネート メチル)シクロヘキサン、ヘキサメチレン ジイソシアネートまたはジイソチオシアネート、およびジシクロヘキシルメタン ジイソシアネートまたはジイソチオシアネートがある。
【0021】
単独のポリイソシアネートまたはイソチオシアネートモノマー、またはそれらの混合物を用いることができる。
ポリチオールモノマーは、2つ以上、好ましくは2つまたは3つのチオール官能基を有する任意の適切なポリチオールであれば良い。
【0022】
これらのポリチオールモノマーは式
R’(SH)n’
で表される。
式中、n’は2〜6の整数、好ましくは、2〜3の整数であり、R’は価数がn’である有機基である。
有用なポリチオールモノマーは、欧州特許第394,495号および米国特許第4,775,733号に記載されているものであり、また下記式に相当するポリチオールである。
【0023】
【化4】

【0024】
好ましいポリチオールモノマーには、例えば、ペンタエリトリトール テトラキス メルカプトプロプリオネート、1−(1’メルカプトエチルチオ)−2,3−ジメルカプトプロパン、1−(2’−メルカプトプロピルチオ)−2,3−ジメルカプトプロパン、1−(−3’メルカプトプロピルチオ)−2,3−ジメルカプトプロパン、1−(−4’メルカプトブチルチオ)−2,3−ジメルカプトプロパン、1−(5’メルカプトペンチルチオ)−2,3−ジメルカプトプロパン、1−(6’−メルカプトヘキシルチオ)−2,3−ジメルカプトプロパン、1,2−ビス(−4’−メルカプトブチルチオ)−3−メルカプトプロパン、1,2−ビス(−5’メルカプトペンチルチオ)−3−メルカプトプロパン、1,2−ビス(−6’―メルカプトヘキシル)−3−メルカプトプロパン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(−3’―メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(−2’―メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(−4’―メルカプトブチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(−6’―メルカプトヘキシルチオ)プロパン、メタンジチオール)、1,2−エタンジチオール、1,1−プロパンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、2,2−プロパンジチオール、1,6−ヘキサンチオール−1,2,3−プロパントリチオール、および1,2−ビス(−2’―メルカプトエチルチオ)−3―メルカプトプロパンなどの脂肪族ポリチオールがある。
【0025】
最も好ましいポリチオールモノマーは下記を含む群から選択される。
【0026】
【化5】

【0027】
最も好ましいポリチオールは、3−(2−スルファニルエチルチオ)−2−(2−スルファニルエチルチオ)プロパン−l−チオール(または4−メルカプトメチル−3,6−ジチア−1,8−オクタンジチオール)(ポリチオールA)である。
【0028】
【化6】

【0029】
好ましいポリチオールウレタンは、ジイソシアネートモノマーおよびポリチオールモノマーから得られるものであり、特に、キシリレン ジイソシアネート C(CHNCO)(XDI) およびポリチオールAから得られるものである。
【0030】
本発明の方法のいくつかの実施態様では、重合可能な組成物100重量部に対して、0.001〜0.500重量部、好ましくは、重合可能な組成物100重量部に対して、0.010〜0.050重量部の塩化ジブチル錫などの触媒を用いても良い。紫外線(UV)吸収体や内部用離型剤などの他の添加物を重合可能な組成物に添加しても良い。
【0031】
好ましくは、重合可能な組成物は、NH官能性を持たない。
重合可能な組成物を注入する2部分金型装置は、好ましくは、周辺ガスケットによって離間された2つの金型部分を備える。ガスケットは偏光フィルムを所定の位置に配置し、維持する手段を備えても良い。好ましくは、その手段は、ガスケット内に溝などの環状の窪みを備え、その窪みにポリビニルアルコールフィルムの周辺が挿入される。
【0032】
一般に、フロント凸レンズ面を有する光学製品を成型する場合、そのフロントレンズ面を成型する金型部から0.5〜1ミリメートル(mm)の距離に偏光ポリビニルアルコールフィルムを、配置する。
【0033】
本発明のプロセスのいくつかに一貫して用いることができる硬化工程は熱硬化工程であり、好ましくは10時間より長い間、より好ましくは20時間より長い間にわたって実施される。「熱硬化工程」は外部の加熱源を用いて成型装置を加熱して硬化することと定義される。
【0034】
いくつかの実施態様では、重合可能な組成物のゲル化が起こるのは、1時間より長い硬化工程の後、好ましくは2時間の硬化工程の後、より好ましくは3時間の硬化工程の後、更に好ましくは4時間の硬化工程の後である。硬化工程中は、90℃より上、好ましくは100℃より上の温度が達成される。好ましい最大温度はおよそ120℃である。
【0035】
いくつかの実施態様ではポリビニルアルコールフィルムは裸のポリビニルアルコールフィルムである。つまり、このポリビニルアルコールフィルムはコーティングやフィルムによって上張りされていない非複合フィルムか、または、その面の1つだけにコーティングまたはフィルムが上張りされているポリビニルアルコールフィルムのいずれかである。上張りフィルムはポリビニルアルコールフィルムの支持フィルムとなりうるフィルムである。
【0036】
本発明のプロセスおよび製品の実施態様では、ポリビニルアルコールの1つ以上の裸の面が重合可能な(例えば、ポリチオウレタン)組成物に直接接触する。
【0037】
好ましいポリビニルアルコールフィルムは、裸で、フリースタンディングのポリビニルアルコールフィルムである。これらのフィルムは例えば、Opto−alpha社、S−Tek社、およびTanaka社などから市販されており、通常0.01〜0.05mmの範囲の厚さを有する。なお、あるポリビニルアルコールフィルムは、空気中で、好ましくは45℃〜60℃の温度で、好ましくは45℃〜55℃の温度で2〜48時間、その光学特性、特に偏光特性を低下させることなく乾燥させることが可能であることが発見されている。このような乾燥フィルムを本発明のプロセスの実施形態と共に用いることが好ましい。
【0038】
ポリビニルアルコールフィルムは、好ましくは、金型装置内に配置される前に、得られる最終製品(例えば、光学レンズ)の曲率に近い曲率において予備成型される。
【0039】
本発明のプロセスのいくつかを用いて、裸のポリビニルアルコールフィルムとポリチオウレタンポリマー(例えば、本発明の重合可能な組成物の1つ)との間に、プライマーコーティングや接着コーティングを用いることなく、非常に良好な接着を得ることができることは驚くべきことである。
【0040】
下記の実施例は、本発明のプロセスおよび製品の特定の、非限定的な実施例を示すために記載されるものである。下記の技術を用いて本発明のプロセスを実行し、本発明の製品のいくつかを生成したことは当業者に理解されるであろう。
しかし、当業者は、本明細書を鑑み、下記の実施例の技術および材料に変更を加えて、同等または同様の結果を得ることが可能であることを理解すべきであろう。
【0041】
[実施例]
実施例で用いた重合可能な組成物は、下記のモノマー配合物1である。表中の比率は、重量比率である。
【0042】
【表1】

【0043】
(1)合計モノマー(phm)量(ポリイソシアネート + ポリチオール)を100重量部とした時に、3つの配合物(触媒、UV吸収体、および内部用離型剤)の合計重量を重量部で表したもの。ニ塩化ジ−n−ブチル錫はおよそ0.01phmである。
【0044】
(一般手順)
偏光フィルムを配置するための内部環状溝を有するガスケットで離間された2つのレンズ金型部分を含んだレンズ金型装置を準備し、Opto−alpha(OA)PVOHフィルム、または、Tanaka(Tan)フィルムを、その型穴の内部に配置した。次にモノマー組成物(上記の配合物1)を、金型に添加し、10℃、好ましくは20℃〜100℃または120℃で硬化反応することにより(およそ38時間の間に規則的に温度を上昇させた)レンズが硬化した。
【0045】
次にレンズを室温まで冷却し、金型から取り出した。次に目視検査によってレンズを検査した。フィルム乾燥の状態、硬化工程中に到達した最大温度、および各プロセスの結果を下記の表に示した。
【0046】
【表2】

【0047】
【表3】

【0048】
【表4】

【0049】
65℃で乾燥させることは、TanakaフィルムまたはOpto−alphaフィルムのいずれを用いた場合も、気泡を除去するのに適切であることがわかった。コントロールとしては、フィルムを用いずに、ポリマー自体が気泡がないことを保証する為に使用した。
【0050】
55℃の低い乾燥温度は、Tg(ガラス転移温度)のちょうど下であり、ポリビニルアルコールフィルムのTgの開始に近いと信じられているが、この温度によって、フィルムの保形性を完全に保証することができる。若干の気泡が残っていることから、これが乾燥温度範囲の下限であるように見える。
【0051】
【表5】

【0052】
(接着性)
上記の鋳造されたレンズを、1/8”のストリップ試料にカットし、スナップして(素早くつかんで)、フィルムの基板に対する接着性をチェックした。テストしたすべての試料について優良な接着性が得られた。
【0053】
(PVOHフィルムに対する乾燥の効果)
フィルムの色および偏光特性は、整列されたヨウ素分子または他の二色性種の結果である。これらの種の揮発、または移行により偏光子の効果が低減することがある。
【0054】
偏光子に対する乾燥を更に評価するために、フィルムを測定し、乾燥させ、もう一度測定した。驚くことに、色の変化はまったく見られなかった。
【0055】
更に、Lamda900分光計(PerkinElmer社)を用いて行った測定によって、55℃で24時間乾燥させた後も、偏光が維持され、Q―比率がまったく損失していないことが確認された。Q―比率とは、平行な交差偏光子を介した光透過T//(大きい値)を、直交する交差偏光子を介した光透過T(小さい値)で除した比率のことである。
Q−比率=%T//
%T
【0056】
値が大きくなると、より偏光度が高くなる。
下記の表から、Opto−alphaのグレーのPVOHフィルムを24時間55℃で乾燥させると、偏光特性の減少がないことがわかる。比色特性は、CIE Laシステムを用いて測定した。
【0057】
【表6】

【0058】
なお、本発明のプロセスおよび製品は、ここに記載する特定の形式に限定されるものではなく、むしろ、請求の範囲内であるすべての改良物、同等物、および代替物を網羅するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリチオウレタン偏光製品を得る方法であって、
2部分金型装置の型穴に偏光ポリビニルアルコールフィルムを配置する工程と、
(a)1つ以上のポリ(イソ)チオシアネートモノマーおよび1つ以上のポリチオール、または、
(b)NCOまたはNCSを末端に持つ1つ以上の液体ポリ(チオ)ウレタンプレポリマーと、SHを末端に持つ1つ以上の液体ポリ(チオ)ウレタンプレポリマーとの混合物を含有する重合可能な組成物を前記型穴に注入する工程と、
前記重合可能な組成物を硬化させる工程と、
前記ポリチオウレタン偏光製品を、前記型穴から取り外す工程とを備える方法。
【請求項2】
前記重合可能な組成物は、NH官能性を持たない、請求項1の方法。
【請求項3】
前記2部分金型装置は、周辺ガスケットによって離間された2つの金型部分を有し、前記ガスケットは前記偏光ポリビニルアルコールフィルムを所定の位置に配置し、維持する手段を有する、請求項1の方法。
【請求項4】
前記手段は、前記ポリビニルアルコールフィルムの周辺を挿入する環状の窪みを有する、請求項3の方法。
【請求項5】
前記偏光ポリビニルアルコールフィルムは、単一層のポリビニルアルコールである、請求項1の方法。
【請求項6】
前記偏光ポリビニルアルコールフィルムは、前記重合可能な組成物を前記型穴に注入する前に、25℃〜100℃の範囲の温度で乾燥されている、請求項1の方法。
【請求項7】
前記偏光ポリビニルアルコールフィルムは、前記重合可能な組成物を前記型穴に注入する前に、45℃〜60℃の範囲の温度で乾燥されている、請求項6の方法。
【請求項8】
前記重合可能な組成物は10℃〜120℃で硬化する、請求項1の方法。
【請求項9】
偏光製品を得る方法であって、
2部分金型装置の型穴に偏光ポリビニルアルコールフィルムを配置する工程と、
(a)1つ以上のポリ(イソ)チオシアネートモノマーおよび1つ以上のポリチオール、または、
(b)NCOまたはNCSを末端に持つ1つ以上の液体ポリ(チオ)ウレタンプレポリマーと、SHを末端に持つ1つ以上の液体のポリ(チオ)ウレタンプレポリマーとの混合物を含有する重合可能な組成物を前記型穴に注入する工程と、
前記重合可能な組成物を硬化させ、前記偏光製品を生成する工程とを備え、前記偏光ポリビニルアルコールフィルムは前記硬化した重合可能な組成物に接着する、方法。
【請求項10】
前記重合可能な組成物は、NH官能性を持たない、請求項9の方法。
【請求項11】
前記2部分金型装置は、周辺ガスケットによって離間された2つの金型部分を有する、請求項9の方法。
【請求項12】
前記周辺ガスケットは、前記ポリビニルアルコールフィルムの周辺を挿入する環状の窪みを有する、請求項11の方法。
【請求項13】
前記偏光ポリビニルアルコールフィルムは、単一層のポリビニルアルコールである、請求項9の方法。
【請求項14】
前記偏光ポリビニルアルコールフィルムは、前記重合可能な組成物を前記型穴に注入する前に、25℃〜100℃の範囲の温度で乾燥されている、請求項9の方法。
【請求項15】
前記偏光ポリビニルアルコールフィルムは、前記重合可能な組成物を前記型穴に注入する前に、45℃〜60℃の範囲の温度で乾燥されている、請求項14の方法。
【請求項16】
前記重合可能な組成物は10℃〜120℃で硬化する、請求項9の方法。
【請求項17】
ポリチオウレタンと、該ポリチオウレタンに直接接着する裸のポリビニルアルコールフィルムとを備える製品。
【請求項18】
前記裸のポリビニルアルコールフィルムは、ポリチオウレタンの2つの層の間に埋込まれる、請求項17の製品。
【請求項19】
更に、光学レンズとして定義される請求項17の製品。

【公表番号】特表2007−523768(P2007−523768A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−550147(P2006−550147)
【出願日】平成17年1月28日(2005.1.28)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001053
【国際公開番号】WO2005/075533
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(594116183)エシロール アテルナジオナール カンパニー ジェネラーレ デ オプティック (69)
【氏名又は名称原語表記】ESSILOR INTERNATIONAL COMPAGNIE GENERALE D’ OPTIQUE
【Fターム(参考)】