説明

催吐剤封入カプセル

本発明は、催吐剤を含むカプセルであって、該カプセルは薬物を封入することができ、また、ヒトが該催吐剤封入薬物の過剰服用量を服用しても、該薬物が身体に吸収される前にもどすように、服用すると嘔吐を起こすのに要するカプセルの数が、服用すると過剰服用を起こすのに要するカプセルの数より少なくなるように、催吐剤の量および薬物の量を定めているカプセルを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国仮特許出願第60/690,023号(2005年6月13日出願)に基づく優先権を主張しており、その内容はこれを引用することによって本明細書中に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
薬物が医師によって合法的に処方されるか、または店頭販売で購入できるかにかかわらず、全ての薬物は誤用される可能性を有する。過剰量が服用されたとき、通常安全と考えられる薬物が、死または重度の身体的損傷を引き起こすこともあり得る。
【0003】
薬物の過剰摂取による偶発的および意図的な過剰服用または死は、重大な問題である。ヒトは、自殺を企てて薬物を摂取し、しばしばそれに成功する。鬱病に罹患している、および自殺企図を有するヒトはまた、薬物の過剰服用のリスクが高い。薬物中毒者は、心や気分を変化させる効果を得るために、多量の薬物を摂取し、消費して、自己の身体に重篤な損傷を起こす可能性がある。子供は、如何なる薬物容器でも、不正開封防止容器のものでさえも開けて、その結果に対する知識がないまま薬物を誤って摂取し、消費する。
【0004】
偶発的な薬物の過剰服用は、処方薬または市販薬(疼痛緩和剤および風邪治療薬など)の誤用の結果であり得る。1970から2000年の間に、約131,000人が偶発的な薬物の過剰服用によって亡くなった。正しい薬物を正しい用量で服用した副作用による死亡率は低かった(3%)が、97%の死が薬物の誤った服用または偶発的な過剰服用の摂取を含む医薬の誤用に起因していた。国立薬物乱用研究所によると、1992年には、ほぼ6,000件の死が、向精神薬および他の薬物の偶発的な過剰服用の結果であった。抗鬱剤、すなわちGSK社のWELLBUTRIN(登録商標)およびPAXIL(登録商標)(パロキセチン)、Eli Lilly社のPROZAC(登録商標)(フルオキセチン)、Pfizer社のZOLOFT(登録商標)(セルトラリン)、Solvay社のLUVOX(登録商標)(フルボキサミン)、Forest Laboratories社のCELEXA(登録商標)(シタロプラム)およびLEXAPRO(登録商標)(エシタロプラム)、Wyeth社のEFFEXOR(登録商標)(ベンラファキシン)、Bristol-Myers Squibb社のSERZONE(登録商標)(ネファゾドン)およびOrganon社のREMERON(登録商標)(ミルタザピン)で処置された患者は、自殺企図および自殺のリスクが高い。
【0005】
従って、偶発的または意図的な薬物の過剰服用を妨げる投与形の要請が大きい。
【0006】
催吐剤が薬物組成物に組み込まれ得ること、または薬物と混合され得ることは、当技術分野で既知である。摂取後、該薬物および催吐剤は、同時に胃中に放出される。しかし、これには、薬物および催吐剤の双方と相容性であるかまたはそうでなくとも使用に適切である製剤および組成物の開発が必要とされ、またさらに、薬物および催吐剤が互いに相容性であることが必要とされる。さらに、組成物中の催吐剤と薬物の組み合わせは、摂取されると同時に催吐剤と薬物が放出され、従って、薬物が嘔吐される前に、危険なまたは毒性量の薬物が身体に吸収され得るという危険がある。
【0007】
米国特許第4,175,119号および第4,529,583号(言及することによって本明細書中に組み込まれる)は、錠剤またはカプセルが催吐剤でコートされることにより、偶発的または意図的な薬物の過剰服用を防ぐ医学的組成物を開示している。しかし、これには、健康管理専門家が使用しないコーティング装置の使用を必要とする。
【0008】
従って、広範囲な薬物の送達に用いられ得る、そして薬物および催吐剤の投与を柔軟に行うことを可能とする催吐性投与形に対する要請が存在する。
【0009】
さらに、広範囲な薬物の送達に用いられ得る、そして個々の患者に薬物および催吐剤のカスタマイズされた投与を可能とする催吐性投与形に対する要請が存在する。
【0010】
さらに、健康管理専門家が、薬物の過剰量を摂取するかもしれない個人に、種々の薬物を種々の量で調節することを可能とする、催吐性投与形の製造方法および投与方法に対する要請が存在する。
【0011】
さらに、薬物がヒトに吸収される前に、過剰服用を起し得る前に、嘔吐を誘発する催吐性投与形をカスタマイズする方法に対する要請が存在する。
【発明の開示】
【0012】
本発明の概要
本発明は、催吐剤を含むカプセルであって、該カプセルには薬物を封入することができ、ここで、ヒトが該催吐剤封入薬物(emetic encapsulated drug)を過剰服用したならば、そのヒトは、過剰服用を起こし得る量の薬物を身体に吸収する前にもどすように、服用すると嘔吐を起こすのに要するカプセルの数が、服用すると該薬物の過剰服用を起こすのに要するカプセルの数より少なくなるように、催吐剤の量と薬物の量を定めているカプセルを提供する。
【0013】
本発明は、従って、催吐剤を含むカプセルを対象としている。
【0014】
本発明の一つの態様において、催吐剤封入ピース(emetic embedded piece)が、マトリックス、可塑剤および催吐剤を含む混合物から形成される。
【0015】
本発明の別の態様において、催吐剤封入ピースは、マトリックス、可塑剤および催吐剤を含む混合物から形成され、該ピースはまた、単一のまたは異なる催吐剤の混合物を保持するサブ・コンパートメントを有する。
【0016】
本発明の別の態様において、催吐剤封入カプセルは、少なくとも第1の催吐剤封入ピースおよび第2のカプセル・ピースで形成される。催吐剤封入カプセルはまた、薬物を催吐剤封入ピースのサブ・チャンバーに封入することによって形成することができ、催吐剤は該カプセルのメイン・チャンバー内に封入される。
【0017】
本発明のさらに別の態様において、催吐剤封入カプセルは、通常、適切に摂取すれば(すなわち処方または指示書によって)安全であるが、過剰量摂取すれば、潜在的に毒性であるか、潜在的に致死性であるか、毒性であるか、または致死性であるタイプの薬物の、偶発的または意図的な過剰服用による傷害または死を防止しようとする個体において、嘔吐を誘発する方法に使用するのに適切である。
【0018】
本発明のさらに別の態様において、薬物を催吐剤封入カプセルに封入し、催吐剤封入薬物を形成する。
【0019】
さらに別の態様において、中枢性および/または胃腸性催吐剤が催吐剤として用いられる。
【0020】
さらに別の態様において、催吐剤封入カプセルまたは催吐剤封入ピースにおいて、中枢および胃腸の効果の両方を有する催吐剤が用いられる。
【0021】
本発明のさらに別の態様において、催吐剤封入カプセルまたはピースは、特定の催吐用量を有する異なる量の催吐剤を含ませることが可能であり、その結果、適切な催吐剤封入カプセルまたはピースが、特定の薬物について、特定の薬物服用量について、および/または特定の患者について選択されることが可能である。
【0022】
さらに別の態様において、異なる色の催吐剤封入カプセルまたはピースは、催吐剤封入カプセルまたはピース中に含まれる異なる量の催吐剤を表示し得る。
【0023】
本発明のさらに別の態様において、催吐剤封入カプセルまたはピースは、異なるタイプの催吐剤または催吐剤の混合物を含んでもよく、その結果、適切な催吐剤封入カプセルまたはピースは、特定の薬物について、特定の薬物服用量について、または特定の患者について選択されることが可能である。
【0024】
さらに別の態様において、異なる色の催吐剤封入カプセルまたはピースは、催吐剤封入カプセルまたはピース中に存在する、異なるタイプの催吐剤を表示し得る。
【0025】
本発明のさらに別の態様において、下剤を該催吐剤に置き換えてもよい。
【0026】
本発明のさらに別の態様において、該カプセルが香料および風味剤を含んでもよい。
【0027】
本発明のさらに別の態様において、該カプセルが不活性物質を含んでおり、これを通常量摂取したときは、該催吐剤は、該不活性物質の助けにより消化器を通過することができ、該催吐剤は、実質的に身体に吸収されない。しかし、該カプセルが嘔吐を誘発する量で摂取されたときは、該不活性物質は嘔吐を妨げない。
【0028】
本発明の別の目的は、本明細書の概説より明らかであろう。
【0029】
図面の説明
図1は、本発明による催吐剤封入カプセルである。
【0030】
本発明の詳細な説明
図1に示されるような、薬物を服用するためのカプセル2は、当技術分野で周知である。カプセル、すなわち硬質ゼラチンまたは硬質ゲルカプセルは、一般的に、2つのピース、すなわち雄ピース4および雌ピース6からなり、ここで、両方のピースは、協同的に互いに噛み合うよう作用し、一般的には、雄ピース4を雌ピース6中にはめ込む。一般的に、2個のピースはそれぞれ、外周、厚み、および内周を有する。雌ピース6の内周6Aは、雄ピース4の外周4Aより僅かに小さく、その結果、雄ピースは雌ピースと噛み合って、カプセルの内容物が漏れるのを防ぐよう密封状態を形成する。所望により、2つのピースは、互いに噛み合う手段を有する同一または同様のサイズでもよく、該手段は、当技術分野で既知である。
【0031】
一般的に、2個のピースが互いに噛み合わされたとき、1個のコンパートメント10が該カプセル内に形成される。図1に記載されているように、それぞれのカプセル・ピースはまた、別個のより小さなコンパートメント12(雄ピース4中にサブ・コンパートメントとして示される)を含み得ることが当技術分野で既知であり、この場合、2個のピースの一方がサブ・コンパートメントを有するならば、カプセルは、メイン・コンパートメント10およびサブ・コンパートメント12を有し、そして、該ピースがそれぞれサブ・コンパートメントを有するならば、1個のメイン・コンパートメントおよび2個のサブ・コンパートメントを有する。例えば、該サブ・コンパートメントは、望ましい物質、例えば催吐剤または薬物のための内部分離用シェルの挿入によって形成され得る。サブ・コンパートメント12は、メイン・コンパートメント10と同一の物質を充填しても異なる物質を充填してもよい。
【0032】
カプセルおよびカプセル・ピースの組成物は、当技術分野で周知である。カプセルおよびカプセル・ピースは、典型的に、マトリックスおよび可塑剤を含む。
【0033】
マトリックスは、シートまたはフィルムを形成し得る物質である。該マトリックスは、ゼラチン、セルロースおよびセルロース誘導体、炭水化物ポリマー、ポリビニル・ポリマー、および当技術分野で既知の他の物質を含み、例えば米国特許第5,756,123号で開示されているヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むカプセル・シェル、米国特許第6,214,376号で開示されているマトリックスとしてハイドロコロイドを有するカプセル、および米国特許第4,001,211号に開示されている熱ゲル化セルロースエーテル類を参照のこと。本発明に望ましいマトリックスは、ゼラチンをベースとしている。
【0034】
可塑剤は、該マトリックスの柔軟性または強靱性を増大させるまたは減少させる物質である。当技術分野で既知のグリセリン、ソルビトールおよび他の物質が可塑剤として用いられている。例えば、米国特許第5,264,226号に開示されている、マトリックス、可塑剤および共可塑剤(co-plasticizer)として水溶性セルロース誘導体を有するカプセルを参照のこと。
【0035】
本発明において、1種以上のマトリックス物質および1種以上の可塑剤物質をカプセルを形成するために用いてもよい。
【0036】
当技術分野で既知の他の所望の成分、例えば染料、風味剤、芳香剤、界面活性剤、崩壊剤、pH修飾剤および他の添加剤はまた、この中に混合され得る。該物質は当技術分野で既知である。
【0037】
カプセルを製造する方法は当技術分野で周知である。例えば、ピンをカプセル組成物に浸してもよく、またカプセルの厚さをピンの温度を変えることによって変えることができる。例えば米国特許第2,526,683号および米国特許第4,817,367号を参照のこと。製造方法に依存して、当技術分野で既知の滑沢剤を含む、さらなる物質もまたカプセル組成物に組み込まれ得る。
【0038】
不正開封防止カプセルおよび不正開封防止カプセルを製造する方法は、当技術分野で周知である。ロック付きゼラチンカプセル(gelatin locking capsule)が、当技術分野で既知である。例えば、米国特許第4,040,536号は、ロック付きゼラチンカプセルを開示している。
【0039】
本発明におけるカプセルはまた、軟ゲルカプセル、すなわち液体薬物を服用するためのカプセルであってもよく、そして注入または当技術分野で既知の他の手段によって充填され得る。軟ゲルカプセルの組成物、その製造方法、および充填方法は、当業者に既知である。
【0040】
当技術分野で知られているように、適切な量の薬物は、処方あるいは店頭販売の別にかかわりなく、処方情報および指示に従って摂取される薬物の適切な量または形態である。過剰な薬物の摂取は、薬物が処方情報および指示を越えて摂取された時に起こるものであり、これは、過剰服用(overdose)とも言う。過剰服用は、薬物または他の化学物質が摂取されたときに起こり、これは、身体の損傷、傷害、疾患または死を引き起こす。薬物の過剰服用は、違うヒトでは違う量の薬物を摂取後に起こり得る。例えば、ヒトAは、10gの薬物を摂取したら過剰服用を起こすが、ヒトBは10gの同一の薬物を摂取しても過剰服用を起こさない。
【0041】
本発明におけるカプセルは、当技術分野で、誤用時、または偶発的または意図的な過剰服用時に危険が存在すると知られている種々の薬物、例えば推奨される用量の50倍未満、例えば推奨される用量の20倍未満または10倍未満の用量で、ヒトに死または重篤な傷害を引き起こし得る薬物をカプセル化するのに用いられる。該薬物は、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、ビタミン類、ならびに向精神薬、抗高血圧剤、抗痙攣剤、アンフェタミン、抗微生物剤、抗生物質、抗ウイルス剤、抗レトロウイルス剤、抗真菌剤、抗鬱剤、覚醒剤、抗ヒスタミン剤、抗不安剤、三環性化合物、精神安定剤、ベンゾジアゼピン類、催眠薬、気分安定剤、コデイン、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、抗アレルギー薬、フェノチアジン、化学療法薬、アミン類、モノアミン酸化酵素阻害剤、抗発癌剤、鎮痛剤、筋弛緩剤、麦角調製物、抗コリン作用薬、抗炎症剤、抗痛風製剤、睡眠剤(soporfic)、ホルモン調製物、食欲抑制剤、鎮痛剤、筋弛緩剤、およびオピオイド類を含むが、これらに限定されない。
【0042】
薬物の液体製剤もまた、当技術分野で既知である。本発明において、液体製剤中の薬物は、当技術分野で既知の方法によって、カプセル中に封入され得る。本発明において、液体製剤中の薬物はまた、当技術分野で既知の方法によって、軟ゲルカプセルに封入され得る。
【0043】
催吐剤、およびこのような催吐剤によって引き起こされる嘔吐応答は、当技術分野で周知である。例えば、催吐剤は、米国特許第4,269,820号に開示されている。催吐剤は、おおまかに二つのクラスに分類され得る:骨髄中の“嘔吐中枢”に作用することによって催吐作用を生じる化学物質、およびそれ自身が胃に直接作用する化学物質。ある種の催吐剤はまた、骨髄および胃に作用し得る(例えばエメチンおよびセファエリン)。当技術分野で既知の催吐剤の代表例は、メチルセファエリン、セファエリン、エメチン塩酸塩、サイコトリン(psychotrine)、O−メチルサイコトリン、エメタミン、イペカミン(ipecamine)、ヒドロ−イペカミン、イペカク酸(ipecacunhun acid)、アポモルヒネ、炭酸アンモニウム、硫酸銅(II)、酒石催吐剤、硫酸亜鉛、ブラックマスタード、アカネグサ(sanguinaria)、硫酸銅、オイカリプトール、ユーカリ油、甘草(glycynhiza)、グアヤコール、ロベリア、ヨウ化カリウム、セネガ、テレベン、テルピン水和物、タイム、カフェイン、重炭酸ナトリウム塩ならびにその混合物を含み、これらに限定されない。
【0044】
本発明において、催吐剤は、胃の内容物を口へと押し出す(propel)、すなわち嘔吐する(emesis)、もどす(vomit)作用があるすべての物質である。催吐用量は、服用すると嘔吐を誘発し、または嘔吐を起こすのに要する催吐剤の量である。催吐用量は、幾らかの胃の内容物の嘔吐、好ましくは大部分の胃の内容物嘔吐、より好ましくは実質的に全ての胃の内容物嘔吐を起こす。
【0045】
望ましい催吐剤は、経口で服用した時に嘔吐応答を起こし、かつ胃に作用する催吐剤を含む。望ましい催吐剤は、催吐用量より少ない用量で摂取した時は吐き気を生じないが、催吐用量を摂取した時はすぐに嘔吐を起こす。望ましい催吐剤は、催吐用量を摂取した時にすぐに、すなわち催吐用量を摂取して1時間以内に、好ましくは45分以内に、より好ましくは30分以内に、さらにより好ましくは催吐用量を摂取して20分以内に、または催吐用量を使って15分以内に、嘔吐を起こす。薬物の過剰服用が意識喪失を起こすならば、肺への吸入を避けるために、好ましいのはヒトが意識を喪失する前に嘔吐を起こすことである。嘔吐応答をブロックする第2の物質、すなわちアルコールを、催吐用量の摂取前に、またはそれと共に、またはその後に摂取したならば、吐出が損なわれる前に嘔吐を起こすのが好ましい。
【0046】
本発明において、催吐剤封入ピースは、マトリックス、可塑剤および少なくとも1種の催吐剤を有するカプセルのピースである。催吐剤封入ピースは、当業者に既知の種々の方法によって形成され得る。該ピースが予め定められた量の催吐剤(ピースの重量または質量当たりのパーセンテージで表す)を含み得るように、催吐剤封入ピースを製造するとき、予め定められた量の催吐剤をマトリックスおよび可塑剤組成物に加える。次いで、催吐剤、マトリックスおよび可塑剤の混合物は、雄型または雌型カプセル・ピース中に形成される。
【0047】
あるいは、カプセル・ピースは、サブ・コンパートメントを有していてもよく、催吐剤封入ピースは、1種以上の催吐剤をサブ・コンパートメントに添加することによって形成され得る。サブ・コンパートメントは、次に、密封され、催吐剤封入ピースを形成する。該催吐剤封入ピースはまた、サブ・コンパートメント中の催吐剤に加えて、マトリックス、可塑剤および催吐剤の混合物から形成され得る。該混合物中の催吐剤およびサブ・コンパートメント中の催吐剤は、同一の催吐剤であっても異なる催吐剤であってもよい。
【0048】
本発明において、催吐剤封入カプセルは、マトリックス、可塑剤および少なくとも1種の催吐剤を有するカプセルである。
【0049】
あるいは、催吐剤封入カプセルは、第1の催吐剤封入ピースおよび第2のカプセル・ピースで形成され得る。該ピースが消化器内で異なる時間または異なる速度で溶解または破裂するように、催吐剤封入ピースおよび催吐剤非封入ピースは、異なるマトリックスおよび可塑剤組成物からなっていてもよい。
【0050】
あるいは、催吐剤封入カプセルは、2個の催吐剤封入ピースで形成される。該ピースが消化器内で異なる速度または異なる時間で溶解または破裂するように、該催吐剤封入ピースは、互いに異なるマトリックスおよび可塑剤組成物からなっていてもよい。
【0051】
あるいは、薬物がカプセル・ピースのサブ・コンパートメント内に含まれるときは、催吐剤をカプセルのメイン・コンパートメント内に含ませて、催吐剤封入カプセルが形成され得る。
【0052】
あるいは、薬物が、マトリックス、可塑剤および催吐剤の混合物から形成されるカプセル・ピースのサブ・コンパートメント内に含まれるときは、さらなる催吐剤をカプセルのメイン・コンパートメント内に含ませて、催吐剤封入カプセルが形成され得る。該混合物中の催吐剤は、メイン・コンパートメント内に含まれる催吐剤と同一または異なる催吐剤であり得る。
【0053】
本発明において、1種のマトリックスおよび可塑剤組成物を含む催吐剤封入ピースは、異なるマトリックスおよび可塑剤組成物を有する催吐剤封入ピースと共に用いられ得る。組成物の違いは、消化器内で、異なる速度または異なる時間で、該カプセルが溶解するまたは破裂することを可能とするであろう。
【0054】
本発明において、1個の催吐剤封入ピースを形成するために、1種以上の催吐剤が用いられ得る。本発明の別の態様において、1個の催吐剤封入カプセルは、異なる催吐剤を含む複数の催吐剤封入ピースで形成され得る。
【0055】
本発明において、催吐剤が存在する量に従って異なる色を有する催吐剤封入カプセルを製造することが可能である。例えば、100mgの催吐剤を含む催吐剤封入カプセルは黒とし;200mgの催吐剤を含む催吐剤封入カプセルは青とし;300mgの催吐剤を含む催吐剤封入カプセルは赤とし;400mgの催吐剤を含む催吐剤封入カプセルは黄とし;500mgの催吐剤を含む催吐剤封入カプセルは白とすることができる。
【0056】
本発明の別の態様において、催吐剤封入ピースは、催吐剤が存在する量に従って異なる色であり得る。例えば、50mgの催吐剤を含む催吐剤封入ピースは黒とし;100mgの催吐剤を含む催吐剤封入ピースは青とし;150mgの催吐剤を含む催吐剤封入ピースは赤とし;200mgの催吐剤を含む催吐剤封入ピースは黄とし;250mgの催吐剤を含む催吐剤封入ピースは白とすることができる。従って、150mgの催吐剤を含む催吐剤封入カプセルは、黒および青の催吐剤封入ピース(黒の催吐剤封入ピース中に50mgおよび青の催吐剤封入ピース中に100mg)となり;300mgの催吐剤を含む催吐剤封入カプセルは、黒と白の催吐剤封入ピース(黒の催吐剤封入ピース中に50mgおよび白の催吐剤封入ピース中に250mg)、または2個の赤の催吐剤封入ピース(2個の赤の催吐剤封入ピース中に150mg)となる。
【0057】
本発明の別の態様において、催吐剤封入ピースおよびカプセルは、ピースまたはカプセルに封入された催吐剤または催吐剤の組み合わせによって、異なる色であってもよい。例えば、硫酸亜鉛を含む催吐剤封入ピースは緑とし;アポモルヒネを含む催吐剤封入ピースは黄とし;硫酸亜鉛およびアポモルヒネを含む催吐剤封入ピースは赤とし;アポモルヒネ封入ピースおよび硫酸亜鉛封入ピースで形成される催吐剤封入カプセルは黄および緑の催吐剤封入ピースとなる。
【0058】
本発明の1つの態様において、所望により賦形剤、例えば充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色料、または他の慣用のアジュバントと共に、薬物を催吐剤封入カプセルに充填する。
【0059】
当業者に既知の多くの薬物は、幾つかの成分の粒子形態を含む錠剤投与形中で提供される。錠剤はまた、賦形剤、例えば充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色料、または他の慣用のアジュバントを含むことが、当技術分野で既知である。
【0060】
本発明の一つの態様において、錠剤中の何れかの賦形剤、例えば充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色料、または他の慣用のアジュバントと共に、錠剤を“粉砕”し、該催吐剤封入カプセルに封入する。
【0061】
本発明はまた、1種以上の薬物および賦形剤を含む錠剤、カプセル、または軟ゲルカプセルを封入するために用いられ得る。その結果、該薬物は始めに催吐剤非封入カプセルまたは錠剤内に含まれ、次いでその催吐剤非封入カプセルまたは錠剤を催吐剤封入カプセル内に封入する。該催吐剤封入カプセルを形成するために選択されたマトリックスおよび可塑剤は、実質的に薬物および賦形剤を含む錠剤またはカプセルを封入したマトリックスおよび可塑剤と異なる組成物であり得る。ここで、組成物の違いが、消化器内で、異なる速度または異なる時間で溶解または破裂することを可能とする。
【0062】
本発明において、患者に服用される薬物の量は、カプセル内に封入された催吐剤の量と無関係であり得る。当業者は、特定の処置に必要な薬物の量を容易に決定し得る。また、当業者は、患者が過剰服用とならずに摂取し得る薬物の量を容易に決定し得る。また、当業者は、ヒトが摂取することによって嘔吐を誘発するのに必要とする特定の催吐剤の種類および量または催吐剤の組み合わせを決定し得る。従って、当業者は、患者に提供すると、患者が過剰服用を起こすのに充分な量の薬物を摂取する前に、または摂取すると同時に、嘔吐を誘発するのに充分な量の催吐剤を患者が摂取するように、催吐剤封入ピースまたはカプセルを選択し得る。
【0063】
患者に経口で服用されたとき、該催吐剤封入カプセルが胃に到達すると、該催吐剤封入カプセルが溶解または破裂して、該催吐剤が胃に放出される。催吐用量が摂取されたならば、嘔吐によって身体から薬物が吐き出されるように、何れかの有意な量の薬物が放出され、または吸収される前に、嘔吐が起こることになる。
【0064】
個々の催吐剤封入カプセル中の催吐剤の量は、放出される催吐剤の量が嘔吐を誘発しない量である。適切な量の薬物が摂取されたときは、嘔吐応答は誘発されない。しかし、過剰の薬物が摂取されたときは、嘔吐が起こる。
【0065】
本発明は、健康管理専門家(例えば医師および薬剤師)に対して、個々の患者に広範囲の薬物を処方し、投薬するうえの柔軟性を提供することを意図している。
【0066】
本発明において、一定の催吐剤封入カプセルの服用は、吐き気またはむかつきを生じない。しかし、それより多い催吐剤封入カプセルの服用は、吐き気、むかつきおよび嘔吐を起こし得る。望ましい催吐剤は、催吐用量を摂取する前は、吐き気またはむかつきを起こさない。
【0067】
催吐剤封入カプセル中に封入された有効量の催吐剤は、種々の方法によって計算され得る。
【0068】
1つの方法において、薬物は、特定の投与形および量を有する(すなわち、同一の薬物が、錠剤またはカプセル中で異なる服用量を有する)。薬物はまた、あるレベルの過剰服用または毒性量を有する。ヒトに過剰服用または毒性効果を起こす前に、どの程度多くの量の薬物を含む錠剤またはカプセルが、摂取されることが必要であるかは、容易に決定され得る。また、どの程度多くの催吐剤が同じヒトに嘔吐を誘発するのに必要であるかは、容易に決定され得る。次いで、ヒトが過剰服用を起こすのに充分な量の薬物を摂取するより前に摂取された催吐剤の量が嘔吐を起こすように、あるいは、ヒトが過剰服用を起こすのに充分な量の薬物を摂取した直後に嘔吐を起こすように、特定の量の催吐剤を含むカプセルが催吐剤封入カプセルの群から選択される。
【0069】
例えば、薬物が、1個の錠剤またはカプセル中に50mg含まれる投与形で処方され、10mg/kgで過剰服用を起こすとする。そうすると、70kgのヒトは、過剰服用を起こす前に、700mg、または14錠を摂取する必要がある。催吐剤は、5g摂取されたときにヒトに応答を誘発するとする。そうすると、少なくとも5gの催吐剤が14カプセル中に含まれる必要がある。薬剤師は、処方を受け取り、そのヒトが自殺するリスクがあると認識し、催吐剤封入カプセルに薬物を詰めることを選択する。薬剤師は、カプセル当たり100mg、200mg、300mg、400mgまたは500mgの催吐剤を含む催吐剤封入カプセルの選択肢を有する。薬剤師は、400mgの催吐剤封入カプセルを選択し、薬物を400mgの催吐剤封入カプセルに詰め、それにより、14個の薬が摂取されたならば、5.6gの催吐剤が摂取され、70kgのヒトに嘔吐が誘発されるようにする。あるいは、薬剤師は、10個の薬の摂取により嘔吐が誘発されるように500mgの催吐剤封入カプセルを選択し得る。
【0070】
別の方法において、薬物は、特定の投与形および量を有する(すなわち、同一の薬物が錠剤またはカプセル中で異なる服用量を有する)。薬物はまた、特定のレベルの過剰服用または毒性量を有する。ヒトに過剰服用または毒性効果を起こす前に、どの程度多くの特定量の薬物を含む錠剤またはカプセルを摂取することが必要であるかは、容易に決定され得る。また、同じヒトで、どの程度多くの催吐剤が嘔吐を誘発するのに必要であるかは、容易に決定され得る。次いで、ヒトが過剰服用を起こすのに充分な量の薬物を摂取し得るより前に摂取された催吐剤のタイプまたは混合物が嘔吐を起こすように、あるいは、ヒトが過剰服用を起こすのに充分な量の薬物を摂取した直後に嘔吐を起こすように、1つのタイプの催吐剤または催吐剤の混合物を含むカプセルは、催吐剤封入カプセルの群から選択される。
【0071】
例えば、薬物が錠剤またはカプセル中に50mg投与形で処方され、10mg/kgで過剰服用を起こすとする。70kgのヒトは、過剰服用を起こす前に、700mg、または14錠を摂取する必要がある。そうすると、催吐剤は、少なくとも14カプセル摂取されたときに有効である必要がある。薬剤師は、処方箋を受け取り、そのヒトが自殺するリスクがあるか、または小さい子供がいるか、または自分の服用量について混乱することを認識し、そして該薬物を催吐剤封入カプセルに詰めることを選択する。薬剤師は、異なる催吐剤を含む催吐剤封入カプセルの選択肢を有する。同量の催吐剤を含む3種の異なる催吐剤封入カプセルが薬物を封入するのに利用可能である:3g摂取されたときにヒトに応答を誘発する第1催吐剤を含む第1の催吐剤封入カプセル;5g摂取されたときにヒトに応答を誘発する第2催吐剤を含む第2の催吐剤封入カプセル;9g摂取されたときにヒトに応答を誘発する第3催吐剤を含む第3の催吐剤封入カプセル。それぞれの催吐剤封入カプセルは、400mgの該催吐剤のみを含む。該薬剤師は、14錠を摂取されたならば、5.6gの第1催吐剤が摂取され70kgのヒトで嘔吐を誘発するか、または5.6gの第2催吐剤が摂取され70kgのヒトで嘔吐を誘発するように、第1または第2の催吐剤封入カプセルを選択するであろう。
【0072】
別の方法において、薬物は、一定時間に亘る単一投与形、例えば1日1回1個のカプセルまたは錠剤で、またはある時間に亘るX個のカプセルまたは錠剤で処方される。同一の時間でY個の錠剤またはカプセルの服用が、患者に死または重篤な害のリスクがある薬物の過剰服用を起こすとする。従って、催吐剤封入カプセルは、該催吐剤封入カプセルは、過剰服用数(Y)個のカプセルに近い数のカプセルが服用されたならば嘔吐を誘発するのに充分な催吐剤を含むように選択される。従って、適切な催吐剤封入カプセルは、嘔吐応答に必要な催吐用量の少なくとも1/Yであって1/X未満の、または1/Xから1/Yの範囲内で含む。
【0073】
例えば、ある薬物が、ある時間で1個の錠剤として処方されるとする。薬剤師は、2個の錠剤が摂取されたならば過剰服用が起こることを認識するとする。それゆえに、薬剤師は、催吐用量の少なくとも1/2であるが催吐用量の1未満の催吐剤封入カプセルを選択する。
【0074】
例えば、ある薬物がある時間で3個の錠剤として処方されるとする。薬剤師は、4個の錠剤が摂取されたならば過剰服用が起こると認識するとする。それゆえに、薬剤師は、催吐用量の少なくとも1/4であって催吐用量の1/3未満の催吐剤封入カプセルを選択する。
【0075】
例えば、ある薬物が、ある時間で3個の錠剤として処方されるとする。薬剤師は、6個の錠剤が摂取されたならば過剰服用が起こると認識するとする。それゆえに、薬剤師は、3個の封入カプセルが摂取されたならば嘔吐は起こらず、しかし、催吐用量の1/4を有する催吐剤封入カプセルが選択され、かつ4個以上の封入カプセルが摂取されたならば、嘔吐が起こり、そして催吐用量の1/5を有する催吐剤封入カプセルが選択され、かつ5個以上の封入カプセルが摂取されたならば、嘔吐が起こり、そして催吐用量の1/6を有する催吐剤封入カプセルが選択され、かつ6個以上の封入カプセルが摂取されたならば、嘔吐が起こるように、催吐用量の少なくとも1/6から1/3未満までの催吐剤封入カプセルを選択する。
【0076】
別の方法において、薬物は、過剰服用を起こし得る1種以上の成分を含み得る。最も毒性があるかまたは過剰服用を起こす可能性が高い成分は、特定の催吐剤封入カプセルを選択して使用されるべきである。
【0077】
本発明において、薬剤師または他の健康管理専門家にとって、薬物を封入するための特定の催吐剤封入カプセルを選択するときに、容易に使用できる一つまたは一連の表を有することは、便宜的であり得る。該表は、ヒトの体重または催吐用量に影響を与える他の特徴に従う、催吐剤または催吐剤の組み合わせ、および催吐用量を識別する。さらなる表は、また、ヒトの体重または催吐用量に影響を与える他の特徴、および特定の薬物に従う、特定の催吐剤または催吐剤の組み合わせを含み得る。
【0078】
本発明の別の態様において、催吐性組成物は、当技術分野で既知のスプレー・コーティング法の何れかによって、混合された1種以上の薬物、あるいは1種以上の薬物を含む錠剤、カプセルまたは軟ゲルにスプレー・コートされ得る。該催吐性組成物は、該組成物が、薬物、錠剤、カプセルまたは軟ゲルにスプレー・コートされるように、催吐剤およびマトリックスを含む。適切な催吐性組成物またはスプレー液は、1種以上の催吐剤、マトリックスおよび、該催吐剤またはマトリックスが、溶解されているまたは懸濁されている溶媒を有する。該催吐性組成物がカプセルにスプレーされた後、該溶媒を蒸発させると、マトリックスと催吐剤が該カプセルにコートされる。溶媒は当技術分野で周知であり、可塑剤および/または有機溶媒を含んでもよい。
【0079】
ある種の催吐剤は、それ自身毒性があると認識され得る。本発明の1つの目的は、偶発的または意図的な薬物の過剰服用を防ぐことであるが、本明細書中で提供される組成物はまた、規定量で、すなわち1時間毎、1日4回、1日毎、週毎に、医師の処方に従って、または適切な服用量に従って摂取するのに安全でなければならない。それゆえに、全ての前述の組成物および催吐剤はまた、催吐剤および不活性物質の組み合わせが摂取されたとき、消化器を通過し、該催吐剤封入カプセルが充分量摂取されたとき、嘔吐が誘発され得るように、胃腸環境で実質的に不活性である当技術分野で既知の1種以上の不活性物質と組み合わせてもよい。しかし、該催吐剤封入カプセルが適切な量で摂取されたとき、該催吐剤は体内に吸収されず、消化器を通過し身体から排出される。本発明で加えられるのに適切な不活性物質は、当技術分野で既知である。例えば、米国特許第4,529,583号(言及することによって本明細書に組み込まれる)を参照のこと。
【実施例】
【0080】
実施例1
カラゲナンは、海藻から抽出される多糖類ハイドロコロイドである。κ、ηおよびλ形態を含む、幾つかの形態のカラゲナンが存在する。κ−カラゲナンは、カリウム・カチオンの存在下で、ゲルを形成することが知られている。η−カラゲナンは、カルシウム・カチオンの存在下でゲルを形成することが知られている。カラゲナン・カプセルは、下記の段階によって製造され得る。
【0081】
1. κ−カラゲナンあるいはκ−カラゲナンおよびη−カラゲナン混合物/ゲル化塩/マンナン・ガム/キサン・ガム(これらの物質が存在するならば)を、環境温度または少なくとも僅かに高い温度(より高い温度で、当然に、通常大部分の物質の物理的溶解に有利である)で、可塑剤(または可塑剤の混合物)中に分散させる;
【0082】
2. 水溶液が、他の添加剤(例えばマルトデキストリン、アラビアゴムおよびタンパク質)を、水に溶解すること(好ましくは、ほぼ環境温度で、しかし僅かに高いまたは低い温度も用い得る)によって調製される;
【0083】
3. 該水溶液を、該κ−カラゲナン/可塑剤混合物に加え、作業組成物を形成する;
【0084】
4. 該作業組成物を、好ましくは撹拌しながら、130°Fより高い温度から作業混合物の沸点未満まで、好ましくは135から210°Fの間の温度まで、より好ましくは約160から180°Fの間の温度まで加熱する;
【0085】
5. 催吐剤を該作業組成物に加える;および
【0086】
6. 催吐剤を含む加熱した作業組成物を、次いで、慣用のゼラチンカプセル化装置に移して処理を行う(フィルムは該溶液を冷却回転ドラム(例えば金属、例えば鋼)上で型取りすることによって形成し、該フィルムを一連のローラー−逆回転ダイスに送り、切断し、種々のサイズのカプセルに充填する)。
【0087】
下記の作業組成物を製造し得る。該組成物の成分は、重量%で表される。
【表1】

【表2】

【0088】
催吐剤の量は、ピース1個当たり.1mgから500mgの催吐剤を含むカプセル・ピースが形成され得るように、該作業組成物に加えられ得る。
【0089】
実施例2
アセトアミノフェンは、しばしば誤用され、肝臓毒性および死をもたらす過剰服用を引き起こす、普通の処方薬でかつ店頭販売の薬物である。肝臓毒性は7.5gのアセトアミノフェン摂取後に、死亡は15gのアセトアミノフェン摂取後に起こり得る。アセトアミノフェンは、種々の投与形で、例えば、錠剤もしくはカプセル当たり、80、325、500および650mgで購入され得る。服用量に依存して、アセトアミノフェンを封入するために、異なる催吐剤封入カプセルが選択され得る。例えば、過剰服用を起こす前に、94個の80mgアセトアミノフェン錠剤を摂取する必要がある;過剰服用を起こす前に、15個の500mgアセトアミノフェン錠剤を摂取する必要がある;過剰服用を起こす前に、12個の650mgアセトアミノフェン錠剤を摂取する必要がある。従って、650mgのアセトアミノフェンを催吐剤封入カプセルに封入するときは、該催吐剤封入カプセルは、12個のカプセルを摂取する前に嘔吐を誘発する群から選択されるべきである。500mgのアセトアミノフェンを催吐剤封入カプセルに封入するときは、該催吐剤封入カプセルは、15個のカプセルを摂取する前に嘔吐を誘発する群から選択されるべきである。80mgのアセトアミノフェンを催吐剤封入カプセルに封入するときは、該催吐剤封入カプセルは、94個のカプセルを摂取する前に嘔吐を誘発する群から選択されるべきである。
【0090】
例えば、アセトアミノフェンが325mg服用量で処方されるならば、該アセトアミノフェンの服用による過剰服用は、従って、少なくとも12〜3個の325mg錠剤またはカプセルを摂取したときに起こるだろう。5gの催吐剤が摂取されたときに嘔吐を起こす催吐剤が封入された催吐剤封入カプセルが、該アセトアミノフェンを封入するために選択される。従って、7.5gのアセトアミノフェンを摂取したとき(23錠を摂取)、5gの催吐剤もまた摂取され、嘔吐を誘発するように、該催吐剤封入カプセルは少なくとも217mgの催吐剤を含む必要がある。嘔吐は、実質的な量のアセトアミノフェンが胃中に放出され、身体に吸収される前に起こるだろう。
【0091】
実施例2A
薬剤師は、図1に示された態様、すなわち予め決められた量の催吐剤を含むカプセル・ピースを購入し、広い範囲の在庫を持ち得る。薬剤師は、100mg、150mg、200mg、250mgおよび300mgの催吐剤を含む催吐剤封入ピースの選択肢を有する。325mgのアセトアミノフェンの服用のための処方が存在するとき、薬剤師は、該アセトアミノフェンを封入するために、250mgまたは300mgの催吐剤を有する催吐剤封入ピースの選択肢を有する。薬剤師は、該アセトアミノフェンを該催吐剤封入ピースに加え、該カプセルを第2のカプセル・ピースで封じる。あるいは、薬剤師は、325mgのアセトアミノフェンを封入するために、100mgおよび150mgの催吐剤封入ピースを選択し、該催吐剤封入カプセルを形成し得る。
【0092】
実施例2B
アセトアミノフェン製造者は、325mgアセトアミノフェン服用量を催吐剤封入カプセル内に封入し、“催吐剤含有”のラベルを付けて市販し得る。
【0093】
実施例3
アルプラゾラム(XANAX(登録商標)としてPfizerにより市販)は、しばしば、誤用される処方薬であり、2mgの錠剤で調剤される。薬剤師は、該錠剤を粉砕して催吐剤封入カプセル(emetic encapsulated capsule)中に該粉末を封入するか、または錠剤全体を催吐剤封入カプセルの中に封入するという選択肢を有する。
【0094】
実施例4
フルオキセチン塩酸塩(PROZAC(登録商標)およびSARAFEM(登録商標)としてEli Lily and Companyにより市販)は、しばしば誤用される処方薬であり、10mg錠剤で処方される。520mgのフルオキセチン塩酸塩の摂取が死を起こすと報告されているが、他の副作用がもっとすぐに起こる。致死量より実質的に少ない低用量のフルオキセチン塩酸塩の毒性により、該選択された催吐剤封入カプセルが、数個のカプセルのみを、すなわち4、10、20、25、30または40個のカプセルを摂取したら嘔吐を誘発する。フルオキセチン塩酸塩は、広く処方される薬物であり、カプセル・ピースは、該ピースのサブ・コンパートメント内に含まれるフルオキセチン塩酸塩と共に製造される。次いで、薬剤師は、催吐剤を、フルオキセチン塩酸塩を含むサブ・コンパートメントを有するカプセル・ピースに加えて、次いで該催吐剤封入カプセルを催吐剤非封入ピースで、催吐剤封入ピースで、またはサブ・コンパートメント内に含まれるフルオキセチン塩酸塩を有する別のピースで封じることによって、催吐剤封入カプセルを作る。
【0095】
実施例5
ジアゼパム(VALIUMとしてRoche Pharmaceuticalsにより市販)は、しばしば誤用されるベンゾジアゼピン誘導体である。ジアゼパムの経口LD50は、マウスにおいて720mg/kgであり、そしてラットにおいて1240mg/kgである。該状態の重症度に依存して、VALIUMは、10mgを1日4回処方され得る。VALIUMは、2mg、5mgおよび10mg錠剤で処方される。薬剤師は、該患者が薬物誤用歴を有することを認識し、催吐剤封入カプセル中にジアゼパムを封入することを選択する。薬剤師はまた、該患者がカプセルを許可なくいじる傾向があると認識し、そして不正開封防止ロックを有する催吐剤封入カプセルを選択する。
【0096】
実施例6
重酒石酸ヒドロコドン(VICODIN(登録商標)、VICODIN ES (登録商標)およびVICODIN HP(登録商標)としてAbbott Laboratoriesにより販売)は、しばしば誤用されるオピオイド類鎮痛剤および鎮咳剤である。重酒石酸ヒドロコドンは、しばしばアセトアミノフェンと共に服用される(すなわち1錠当たり5mgの重酒石酸ヒドロコドンおよび500mgのアセトアミノフェンを含むVICODIN(登録商標);1錠当たり7.5mgの重酒石酸ヒドロコドンおよび750mgのアセトアミノフェンを含むVICODIN ES(登録商標);および1錠当たり10mgの重酒石酸ヒドロコドンおよび660mgのアセトアミノフェンを含むVICODIN HP(登録商標))。重酒石酸ヒドロコドンおよびアセトアミノフェンは、毒性または死を起こし得る。患者は、しばしば、重酒石酸ヒドロコドンの毒性のため、2倍量のVICODINを飲まないよう助言される。従って、アセトアミノフェンよりむしろ毒性または死を起こすために、健康管理専門家は、重酒石酸ヒドロコドンにより関心がある。
【0097】
硫酸亜鉛七水和物は、.6g摂取したときに嘔吐を起こす。2倍用量のVICODINが摂取されたときに嘔吐を起こすために、催吐剤封入カプセルは、.3および.6gの間の硫酸亜鉛を含むべきである。
【0098】
実施例7
トリアゾラム(Triazolm)(HALCION(登録商標)としてPharmacia & Upjohnにより販売)は、誤用される弛緩剤である。2mg摂取後に過剰服用が起こり得る。HALCION(登録商標)は、.125mgおよび.25mg錠剤として提供される。トリアゾラムの効力および個人が一度に4錠より多く摂取することができる(4個の.25mgの錠剤は、過剰服用を生じ得る2mgのトリアゾラムである)ことから、催吐剤封入カプセルは、2個より多い催吐剤封入カプセルを摂取するとすぐに嘔吐を誘発するのに充分な催吐剤を含むべきである。従って、1個カプセルの服用では嘔吐を起こさないが、2個のカプセルの服用が嘔吐を起こすように、.3から.6gの硫酸亜鉛を含む催吐剤封入カプセルを用いてトリアゾラムを封入する。
【0099】
実施例8
メチルフェニデート塩酸塩(CONCERTA(登録商標)としてMcNiel Consumer Healthcareより市販)は、しばしば誤用される中枢神経系覚醒剤である。CONCERTA(登録商標)錠剤は、メチルフェニデート塩酸塩を制御された速度で送達するために浸透圧を用いている。CONCERTA(登録商標)錠剤は、即時放出薬物保護膜で外層を覆われ、半透膜によって被覆された浸透活性(osmotically active)な3層コアを含む伝統的な錠剤と類似している。該3層は、薬物および賦形剤を含む2個の薬物層、および浸透活性成分を含む押出層(push layer)からなる。錠剤の薬物層末端で精密レーザーで空けた穴がある。摂取後、薬物保護膜が溶解し、メチルフェニデートの最初の服用を提供する。錠剤コアに膜を介して水が浸透し、浸透活性なポリマーとして賦形剤が膨張し、メチルフェニデートがその穴から放出される。CONCERTA錠剤は、そのままで消化器を通過する生物学的に不活性な成分を含み、便中に不溶性コア成分と共に排出される。従って、CONCERTA(登録商標)錠剤を、粉砕して、催吐剤封入カプセル内に封入することはできない。しかし、薬剤師は、催吐剤を含むサブ・コンパートメントを有する催吐剤封入カプセル(図1に示す)であって、適切な量の催吐剤を含む催吐剤封入カプセルを作るためにCONCERTA(登録商標)錠剤を封入カプセルを選択することができる。
【0100】
あるいは、薬剤師が適切な量の催吐剤をカプセルのメイン・コンパートメント中に封入することができるように、CONCERTA(登録商標)の製造者はCONCERTA(登録商標)をカプセル・ピースのサブ・コンパートメント内に封入することを選択することができる。これにより、薬剤師が、個人について催吐用量を適合させる自由が生じる。適切な量の催吐剤は、薬物が適量で摂取されたときは嘔吐を起こさず、嘔吐を誘発するために摂取される催吐剤封入カプセルの数が薬物の過剰服用を起こすために摂取される催吐剤封入カプセルの数より少ない、特定の量である。
【0101】
実施例9
塩酸ブプロピオン(WELLBUTRIN(登録商標)およびZYBAN(登録商標)としてGlaxoSmithKlineにより市販)は、しばしば誤用される抗鬱剤である。WELLBUTRIN(登録商標)は、75mgまたは100mgの錠剤として調剤され、ZYBAN(登録商標)は、150mgの錠剤として調剤される。薬物の誤用経験のある個人の集団においては、400mgのWELLBUTRINの1回服用が穏やかなアンフェタミン様活性を生じる。ブプロピオンは、450mg/日までの服用量で処置された患者の約.4%で発作に関係し、これは他の市販の抗鬱剤の4倍を超えている。WELLBUTRINの推定発作発症率は、450mg/日から600mg/日の間で、約10倍に増大する。発作のリスクを軽減するために、WELLBUTRINまたはZYBANの1回服用は、150mgを越えないことが推奨されている。従って、薬剤師は、ZYBANを催吐剤封入カプセルまたは催吐剤封入ピースに詰め、それにより150mg分を2回分服用したとき、アンフェタミン様活性を避けて発作のリスクを軽減するために嘔吐を起こす。薬剤師はまた、100mgのWELLBUTRIN錠剤を催吐剤封入カプセルに詰め、それにより、4錠が服用されたときに、発作を起こすリスクを軽減するために嘔吐を起こさせるが、2錠が服用されたときは、嘔吐を起こさず、アンフェタミン様活性を生じさせ得る。
【0102】
ここで示した事項は、例示のためにのみであり、限定となるものではない。特定の態様が示され記載されているが、より広い本発明の態様から逸れない限り、変更および修飾を行い得ることは、当業者に明らかであろう。先行技術に基づいて適切な展望があるとき、求められる保護の実際の範囲は、請求項に定義することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】図1は、本発明による催吐剤封入カプセルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
催吐剤;
マトリックス;および
可塑剤;
を含むカプセル・ピース。
【請求項2】
不活性物質をさらに含む、請求項1に記載のカプセル・ピース。
【請求項3】
該マトリックスおよび該可塑剤が、別個のコンパートメントを有する殻を形成し、該催吐剤が該コンパートメント内に含まれ、該殻が第2のカプセル・ピースと噛み合い得る、請求項1〜2の何れか1項に記載のカプセル・ピース。
【請求項4】
該マトリックス、該可塑剤および該催吐剤の混合物から形成される、請求項1〜2の何れか1項に記載のカプセル・ピース。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載の第1のカプセル・ピースおよび第2のカプセル・ピースを含むカプセル。
【請求項6】
請求項1〜4の何れか1項に記載の2個のカプセル・ピースを含むカプセル。
【請求項7】
薬物の単位投与形を含むまたはそれを含むのに適切な請求項5〜6の何れか1項に記載のカプセルであって、該催吐剤の重量が、嘔吐を誘発する催吐用量の1/Xから1/Yの範囲であり、ここで、Xは、特定の時間内に服用するために処方される薬物の単位投与形の数であり、そしてYは、同じ時間内に服用すれば過剰服用となる薬物の単位投与形の数である、カプセル。
【請求項8】
該催吐剤が、70kgのヒトにおいて嘔吐を誘発する用量の1/2から1/20の量である、請求項5〜7の何れか1項に記載のカプセル。
【請求項9】
該催吐剤が、中枢性催吐剤および胃腸性催吐剤からなる群から選択される、請求項5〜8の何れか1項に記載のカプセル。
【請求項10】
該催吐剤が中枢性催吐剤である、請求項5〜9の何れか1項に記載のカプセル。
【請求項11】
該催吐剤が胃腸性催吐剤である、請求項5〜9の何れか1項に記載のカプセル。
【請求項12】
該催吐剤が、エメチン、メチルセファエリン、セファエリン、エメチン塩酸塩、サイコトリン(psychotrine)、O−メチルサイコトリン、エメタミン、イペカミン(ipecamine)、ヒドロ−イペカミン、イペカク酸(ipecacunhun acid)、アポモルヒネ、炭酸アンモニウム、硫酸銅(II)、酒石催吐剤、硫酸亜鉛、ブラックマスタード、アカネグサ(sanguinaria)、硫酸銅、オイカリプトール、ユーカリ油、甘草(glycynhiza)、グアヤコール、ロベリア、ヨウ化カリウム、セネガ、テレベン、テルピン水和物、タイム、カフェイン、ロベリア(lobelia inflata)、および重炭酸ナトリウム塩、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項5〜11の何れか1項に記載のカプセル。
【請求項13】
(i) 薬物および(ii) 請求項5〜12の何れか1項に記載のカプセルを含む、催吐剤封入薬物であって、服用すると嘔吐を起こすのに要するカプセルの数が、服用すると該薬物の過剰服用を起こすのに要するカプセルの数より少なくなるように、催吐剤の量および薬物の量を定めている薬物。
【請求項14】
請求項5〜12の何れか1項に記載のカプセル中に封入された薬物を含む、催吐剤封入薬物。
【請求項15】
該薬物が、推奨される服用量の50倍未満で、ヒトに、死または重度の傷害を引き起こす薬物である、請求項13または14の何れか1項に記載の催吐剤封入薬物。
【請求項16】
該薬物が、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、ビタミン類、向精神薬、抗高血圧剤、抗痙攣剤、アンフェタミン、抗微生物剤、抗生物質、抗ウイルス剤、抗レトロウイルス剤、抗真菌剤、抗鬱剤、覚醒剤、抗ヒスタミン剤、抗不安剤、精神安定剤、ベンゾジアゼピン類、催眠薬、気分安定剤、コデイン、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、抗アレルギー薬、フェノチアジン、化学療法薬、アミン類、モノアミン酸化酵素阻害剤、抗発癌剤、鎮痛剤、筋弛緩剤、麦角調製物、抗コリン作用薬、抗炎症剤、抗痛風調製物、睡眠剤(soporfic)、ホルモン調製物、食欲抑制剤、鎮痛剤、筋弛緩剤、およびオピオイド類、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項13、14または15に記載の催吐剤封入薬物。
【請求項17】
該薬物がアセトアミノフェンである、請求項16に記載の催吐剤封入薬物。
【請求項18】
該薬物がコデインである、請求項16に記載の催吐剤封入薬物。
【請求項19】
該薬物がアセチルサリチル酸である、請求項16に記載の催吐剤封入薬物。
【請求項20】
該薬物が三環性化合物である、請求項16に記載の催吐剤封入薬物。
【請求項21】
該薬物が抗鬱剤である、請求項16に記載の催吐剤封入薬物。
【請求項22】
該薬物が選択的セロトニン再取り込み阻害剤である、請求項16に記載の催吐剤封入薬物。
【請求項23】
該薬物がモノアミン酸化酵素阻害剤である、請求項16に記載の催吐剤封入薬物。
【請求項24】
該薬物がベンゾジアゼピン類である、請求項16に記載の催吐剤封入薬物。
【請求項25】
該薬物が催眠薬である、請求項16に記載の催吐剤封入薬物。
【請求項26】
該薬物がオピオイド類である、請求項16に記載の催吐剤封入薬物。
【請求項27】
該薬物が鎮痛剤である、請求項16に記載の催吐剤封入薬物。
【請求項28】
該薬物が抗精神病薬である、請求項16に記載の催吐剤封入薬物。
【請求項29】
該催吐剤が嘔吐を誘発し得る物質である、請求項13〜28の何れか1項に記載の催吐剤封入薬物。
【請求項30】
該催吐剤が、エメチン、メチルセファエリン、セファエリン、エメチン塩酸塩、サイコトリン、O−メチルサイコトリン、エメタミン、イペカミン、ヒドロ−イペカミン、イペカク酸、アポモルヒネ、炭酸アンモニウム、硫酸銅(II)、酒石催吐剤、硫酸亜鉛、ブラックマスタード、アカネグサ、硫酸銅、オイカリプトール、ユーカリ油、甘草、グアヤコール、ロベリア、ヨウ化カリウム、セネガ、テレベン、テルピン水和物、タイム、カフェイン、および重炭酸ナトリウム塩、ならびにその組み合わせからなる群から選択される、請求項29に記載の催吐剤封入薬物。
【請求項31】
該催吐剤が、エメチン、セファエリン、エメタミン、イペカミン、ヒドロ−イペカミン、イペカク酸、アポモルヒネ、炭酸アンモニウム、硫酸銅(II)、酒石催吐剤、硫酸亜鉛、ブラックマスタード、アカネグサ、硫酸銅、オイカリプトール、ユーカリ油、甘草、グアヤコール、ロベリア、ヨウ化カリウム、セネガ、テレベン、テルピン水和物、タイム、カフェイン、および重炭酸ナトリウム塩からなる群から選択される、請求項30に記載の催吐剤封入薬物。
【請求項32】
適切な量の薬物を服用したときは嘔吐を誘発せず、過剰の薬物を服用したときには嘔吐を誘発するように、請求項5〜12の何れか1項に記載のカプセルに薬物を封入することを含む、薬物の過剰服用を防ぎまたはそのリスクを減少させる方法。
【請求項33】
適切な量の薬物を服用したときは嘔吐を誘発せず、過剰の薬物を服用したときには嘔吐を誘発するように、請求項5〜12の何れか1項に記載のカプセルに薬物を封入することを含む、偶発的または故意に薬物の過剰服用を起こすリスクがあると考えられる患者に投与される薬物の過剰服用を防ぎまたはそのリスクを減少させる方法。
【請求項34】
請求項13〜31の何れか1項に記載の催吐剤封入薬物中に含まれる催吐剤の催吐用量を服用することを含む、嘔吐を誘発する方法。
【請求項35】
適切な量の薬物を服用したときは嘔吐を誘発せず、過剰の薬物を服用したときには嘔吐を誘発するように、請求項13〜31の何れか1項に記載の催吐剤封入薬物剤形の薬物を投与することを含む、偶発的にまたは故意に薬物の過剰服用を起こすリスクがあると考えられる患者に投与される薬物の過剰服用を防ぎまたはそのリスクを減少させる方法。

【図1】
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【公表番号】特表2008−543851(P2008−543851A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517007(P2008−517007)
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/022939
【国際公開番号】WO2006/138278
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(507408280)
【Fターム(参考)】