説明

像形成剤収容容器、画像形成装置、及び像形成剤の充填方法

【課題】本発明は、組立作業の効率を向上させることができる像形成剤収容容器、画像形成装置、及び像形成剤の充填方法を提供することを目的とする。
【解決手段】収容容器300は、トナーの排出に用いられる排出孔312が形成された容器本体306と、排出孔312を開閉する開閉部350と、開閉部350を容器本体306に対して移動させる操作に用いられる操作部382とを有し、操作部382は、排出孔312を開放された状態とする開放位置と、排出孔312を封止された状態とする封止位置と、操作部382を容器本体306に取り付ける取付位置との間で移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像形成剤収容容器、画像形成装置、及び像形成剤の充填方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1区画壁を有する第1機器本体の第1取付け部に、第2区画壁を有する第2取付け部に装着物が装着される第2機器本体を装着してロックするロック機構であって、前記第2区画壁には、前記装着物の一側壁と対向した回転式のロックプレートが配設され、前記ロックプレートには、第1係合部が設けられている一方、前記装着物の一側面には前記第1係合部と係合する第2係合部が設けられ、前記第2係合部が前記第1係合部と係合することで前記装着物が前記第2機器本体の第2取付け部に装着され、前記第1区画壁には第3係合部が設けられている一方、前記ロックプレートには前記第3係合部に対応する第4係合部が設けられ、前記第4係合部は、前記ロックプレートの回動操作による前記第3係合部との干渉で前記第2機器本体が前記第1機器本体の第1取付け部から抜け止めされる一方、前記ロックプレートの回動操作による前記第3係合部との干渉回避で前記抜止めが解除されるように形状設定されているロック機構が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−250002号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、組立作業の効率を向上させることができる像形成剤収容容器、画像形成装置、及び像形成剤の充填方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る本発明は、画像形成装置本体内に着脱され、像形成剤の排出に用いられる排出孔が形成された容器本体と、前記排出孔を開閉するように、前記容器本体に移動することができるように装着された開閉部と、前記容器本体に回転することができるように支持され、前記開閉部を前記容器本体に対して移動させる操作に用いられる操作部と、を有し、前記操作部は、前記排出孔を開放された状態とする開放位置と、前記排出孔を封止された状態とする封止位置と、前記操作部を前記容器本体に取り付ける取付位置と、
の間で移動する像形成剤収容容器である。
【0006】
請求項2に係る本発明は、前記容器本体に取り付けられ、前記容器本体に収容された像形成剤を撹拌若しくは搬送する撹拌装置をさらに有し、前記操作部は、前記取付位置に移動した際に、前記容器本体に前記攪拌装置が取り付けられる方向において前記容器本体と重ならない位置に配置された状態となり、前記封止位置及び前記開放位置のいずれかに移動した際に、前記容器本体に前記撹拌装置が取り付けられる方向において前記容器本体と重なる位置に配置された状態となる請求項1記載の像形成剤収容容器である。
【0007】
請求項3に係る本発明は、前記操作部が前記取付位置から前記開放位置及び前記封止位置のいずれかに移動することを許容しつつ、前記操作部が前記開放位置及び前記封止位置のいずれかから前記取付位置に移動することを禁止する移動禁止部をさらに有する請求項1又は2記載の像形成剤収容容器である。
【0008】
請求項4に係る本発明は、前記操作部は、前記取付位置から前記封止位置の方向に移動することに連動して、前記開閉部と連結する請求項1乃至3いずれか記載の像形成剤収容容器である。
【0009】
請求項5に係る本発明は、前記操作部は、前記排出孔を封止された状態とし、前記容器本体内に像形成剤を充填する際に配置される位置である充填位置にさらに移動し、
前記操作部を前記充填位置に固定する固定部をさらに有する請求項1乃至4いずれか記載の像形成剤収容容器である。
【0010】
請求項6に係る本発明は、前記操作部が前記充填位置に配置された状態で、当該像形成剤収容容器が前記画像形成装置本体内に装着される際に、前記画像形成装置本体と干渉する干渉部をさらに有する請求項5記載の像形成剤収容容器である。
【0011】
請求項7に係る本発明は、前記容器本体は、前記容器本体が前記画像形成装置本体内に装着されていない状態において前記開閉部と干渉し、前記開閉部が前記排出孔を開放するように移動することを禁止する開放禁止部を有する請求項1乃至6いずれか記載の像形成剤収容容器である。
【0012】
請求項8に係る本発明は、前記画像形成装置本体内に装着されていない状態において、前記操作部が前記開放位置へ移動することを禁止する移動禁止手段をさらに有する請求項1乃至6いずれか記載の像形成剤収容容器である。
【0013】
請求項9に係る本発明は、溶着装置を用いて前記容器本体に溶着される取付部材をさらに有し、前記操作部は、前記取付位置において、前記溶着装置と干渉しない位置に配置される請求項1乃至8いずれか記載の像形成剤収容容器である。
【0014】
請求項10に係る本発明は、像形成剤を収容する像形成剤収容容器と、前記像形成剤収容容器に収容された像形成剤を用いて像を形成する像形成部と、を有し、前記像形成剤収容容器は、画像形成装置本体内に着脱され、像形成剤の排出に用いられる排出孔が形成された容器本体と、前記排出孔を開閉するように、前記容器本体に移動することができるように装着された開閉部と、前記容器本体に回転することができるように支持され、前記開閉部を前記容器本体に対して移動させる操作に用いられる操作部と、を有し、前記操作部は、前記排出孔を開放された状態とする開放位置と、前記排出孔を封止された状態とする封止位置と、前記操作部を前記容器本体に取り付ける取付位置と、の間で移動する画像形成装置である。
【0015】
請求項11に係る本発明は、前記操作部が前記開放位置に配置された状態において、前記像形成剤収容容器を前記画像形成装置本体内から取り外すことを禁止する取り外し禁止手段をさらに有する請求項10記載の画像形成装置である。
【0016】
請求項12に係る本発明は、画像形成装置本体内に着脱され、像形成剤の排出に用いられる排出孔が形成された容器本体と、前記排出孔を開閉するように、前記容器本体に移動することができるように装着された開閉部と、前記容器本体に回転することができるように支持され、前記開閉部を前記容器本体に対して移動させる操作に用いられる操作部と、を有し、前記操作部は、前記排出孔を開放された状態とする開放位置と、前記排出孔を封止された状態とする封止位置と、前記操作部を前記容器本体に取り付ける取付位置と、の間で移動する像形成剤収容容器の前記収容容器本体内に、前記操作部が前記取付位置に配置された状態で、前記取付部を前記容器本体に取り付ける工程と、前記取付部が前記容器本体内に取り付けられた後に、前記容器本体内に像形成剤を充填する工程と、前記収容容器本体内に像形成剤が充填された後に、前記操作部を前記封止位置に移動させる工程と、を有する像形成剤の充填方法である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る本発明によれば、本構成を有しない場合と比較して組立作業の効率を向上させることができる像形成剤収容容器を提供することができる。
【0018】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明の効果を奏することに加えて、本構成を有しない場合と比較して、組立作業の効率を向上させることができる像形成剤収納容器を提供することができる。
【0019】
請求項3に係る本発明によれば、請求項1又は2係る本発明の効果を奏することに加えて、本構成を有しない場合と比較して、誤操作による操作部の外れを生じにくくすることができる像形成剤収納容器を提供することができる。
【0020】
請求項4に係る本発明によれば、請求項1乃至3に係る本発明の効果を奏することに加えて、本構成を有しない場合と比較して組立作業の効率を向上させることができる像形成剤収納容器を提供することができる。
【0021】
請求項5に係る本発明によれば、請求項1乃至4いずれかに係る本発明の奏する効果を奏することに加えて、本構成を有しない場合と比較して、像形成剤の充填を行いやすくすることができる像形成剤収容容器を提供することができる。
【0022】
請求項6に係る本発明によれば、請求項1乃至5いずれかに係る本発明の奏する効果を奏することに加えて、排出孔を開くことができない状態で画像形成装置本体内に像形成剤収容容器が装着されることを防止することができる像形成剤収容容器を提供することができる。
【0023】
請求項7に係る本発明によれば、請求項1乃至6いずれかに係る本発明の奏する効果を奏することに加えて、本構成を有しない場合と比較して、画像形成装置本体に装着されていない状態で像形成剤をこぼれにくくすることができる像形成剤収容容器を提供することができる。
【0024】
請求項8に係る本発明によれば、請求項1乃至6いずれかに係る本発明の奏する効果を奏することに加えて、本構成を有しない場合と比較して、画像形成装置本体に装着されていない状態で像形成剤をこぼれにくくすることができる像形成剤収容容器を提供することができる。
【0025】
請求項9に係る本発明によれば、請求項1乃至8いずれかに係る本発明の奏する効果を奏することに加えて、本構成を有しない場合と比較して、溶着による組立を行いやすくすることができる像形成剤収容容器を提供することができる。
【0026】
請求項10に係る本発明によれば、本構成を有しない場合と比較して組立作業の効率を向上させることができる画像形成装置を提供することができる。
【0027】
請求項11に係る本発明によれば、請求項10に係る本発明の奏する効果を奏することに加えて、像形成剤がこぼれやすい状態で、像形成剤収容容器が画像形成装置本体内から取り外すことを禁止することができる画像形成装置を提供することができる。
【0028】
請求項12に係る本発明によれば、本構成を有しない場合と比較して組立作業の効率を向上させることができる像形成剤の充填方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置を側面から示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る収容容器を、一部分を分解して示す第1の斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る収容容器を示す第2の斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る収容容器を示す側面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る収容容器の縦方向の断面を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る収容容器の横方向の断面を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係る収容容器の一部を拡大して示す斜視図である。
【図9】本発明の実施形態に係る収容容器が有する操作レバーの一部を拡大して示す斜視図である。
【図10】本発明の実施形態に係る収容容器が有する開閉部材の一部を拡大して示す斜視図である。
【図11】本発明の実施形態に係る収容容器が有する操作レバーの移動を説明し、図11(a)は操作レバーが第1の位置にある状態を示す側面図であり、図11(b)は操作レバーが第2の位置にある状態を示す側面図であり、図11(c)は操作レバーが第3の位置にある状態を示す側面図であり、図11(d)は操作レバーが第4の位置にある状態を示す側面図である。
【図12】本発明の実施形態に係る収容容器が有する操作レバーの移動を説明し、図12(a)は操作レバーが第1の位置にある状態を示す断面図であり、図12(b)は操作レバーが第2の位置にある状態を示す断面図であり、図12(c)は操作レバーが第3の位置にある状態を示す断面図である。
【図13】本発明の実施形態に係る収容容器が有する操作レバーと開閉部との動作を説明し、図13(a)は、操作レバーが第4の位置から第3の位置へ移動する途中の時点での操作レバーと開閉部との状態を示す斜視図であり、図13(b)は、操作レバーが第3の位置に配置された時点での操作レバーと開閉部との状態を示す斜視図である。
【図14】本発明の実施形態に係る収容容器が有する操作レバーの動作を説明し、図14(a)は、第4の位置から第3の位置へ移動する途中の時点での操作レバーを示す第1の斜視図であり、図14(b)は、第4の位置から第3の位置へ移動する途中の時点での操作レバーを示す第2の斜視図である。
【図15】本発明の実施形態に係る収容容器の本体に形成され、操作レバーを回転可能に支持するために形成された突起を示す斜視図である。
【図16】本発明の実施形態に係る収容容器が有する操作レバーに形成された貫通孔の形状を示す側面図である。
【図17】本発明の実施形態に係る画像形成装置の操作レバーが第4の位置に配置された状態を示す背面図である。
【図18】図18(a)は、本発明の実施形態に係る収容容器であって、イエローのトナー、マゼンタのトナー、シアンのトナーの収容にそれぞれに用いられる収容容器を模式的に示す断面図であり、図18(b)は、本発明の実施形態に係る収容容器であって、黒のトナーの収容に用いられる収容容器を模式的に示す断面図である。
【図19】本発明の実施形態に係る画像形成装置に用いられる装着用開閉部の形状を示す断面図である。
【図20】本発明の実施形態に係る画像形成装置が有する装置本体に形成され、収容容器が装着される装着部を示す第1の斜視図である。
【図21】本発明の実施形態に係る画像形成装置が有する装置本体に形成され、収容容器が装着される装着部を示す第2の斜視図である。
【図22】収容容器が装着装置に装着される様子が説明し、図22(a)は、操作部材が第2の位置に配置された状態の収容容器を示す右側面であり、図22(b)は、収容容器の右側面及び装着装置の断面を示す図である。
【図23】本発明の実施形態に係る収容容器に設けられた記憶部材と、画像形成装置本体に形成された接続部との接続動作を説明する断面図である。
【図24】本発明の実施形態に係る収容容器にトナーが充填される工程を説明する図である。
【図25】本発明の実施形態に係る収容容器が有する容器本体に上部容器を固定する工程を説明する図である。
【図26】本発明の実施形態に係る収容容器を画像形成装置本体に装着する工程を説明する図である。
【図27】本発明の実施形態に係る収容容器を画像形成装置本体から取り外す工程を説明する図である。
【図28】本発明の実施形態に係る収容容器が有する支持用突起の変形例を示す斜視図である。
【図29】本発明の実施形態に係る収容容器が有する操作レバーに形成された貫通孔の変形例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。
図1には、本発明の実施形態に係る画像形成装置10が示されている。図1に示されるように、画像形成装置10は、画像形成装置本体20を有し、画像形成装置本体20の上部が、画像が形成された用紙が排出される排出部22として用いられている。また、画像形成装置本体20には、前側に操作手段として用いられる操作パネル12が装着されている。
【0031】
また、画像形成装置本体20には、装着用開閉部24と、給紙用開閉部26とが、それぞれ開閉することができるように装着されている。装着用開閉部24は、画像形成装置本体20内に、像形成剤収容容器として用いられる収容容器300Y、300M、300C、300Kを装着する場合と、画像形成装置本体20内から収容容器300Y、300M、300C、300Kを取り外す場合とに開かれ、画像形成を行う場合に閉じられる。給紙用開閉部26は、画像形成装置本体20の前側から、画像形成をする用紙を供給する場合に開かれる。尚、装着用開閉部24の開閉は、図1では画像形成装置本体20の後方を支点として回転させる形態(装着用開閉部24の短辺側に支点を形成させる形態)であるが、図1の形態に限らず、画像形成装置本体20の側方を支点として回転させる形態(装着用開閉部24の長辺側に支点を形成させる形態)であっても良い。
【0032】
また、画像形成装置本体20内には、収容容器300Y、300M、300C、300Kが装着される装着装置30が設けられている。
【0033】
収容容器300Y、300M、300C、300Kには、像形成剤として用いられるイエローのトナー、マゼンタのトナー、シアンのトナー、黒のトナーが、それぞれ収容されている。収容容器300Y、300M、300Cは、形状及び大きさがそれぞれ同じであり、同じ容積のトナーを収容することができるようになっている。収容容器300Kは、収容容器300Y、300M、300Cよりも縦長に構成され、収容容器300Y、300M、300Cよりも体積が大きく、収容容器300Y、300M、300Cよりも収容することができるトナーの容積が大きい。
【0034】
収容容器300Y、300M、300Cと収容容器300Kとは、収容できるトナーの容積が異なるものの有する部材と機能とが同じである。以下、特定の収容容器を示す場合を除き、収容容器300Y、300M、300C、400Kを、収容容器300と総称する。
【0035】
図2には、画像形成装置10の断面が示されている。
図2に示されるように、画像形成装置本体20内には、像形成部100と、像形成部100に用紙を供給する給紙装置200とが装着されている。また、画像形成装置本体20内には、用紙の搬送に用いられる搬送路250が形成されている。
【0036】
像形成部100は、像保持体として用いられる感光体ドラム102Y、102M、102C、102Kと、感光体ドラム102Y、102M、102C、102Kをそれぞれ帯電する帯電装置104Y、104M、104C、104Kと、帯電装置104Y、104M、104C、104Kによって帯電された感光体ドラム102Y、102M、102C、102Kに光を照射して静電潜像を形成する潜像形成装置106と、潜像形成装置106によって感光体ドラム102Y、102M、102C、102Kの表面に形成された静電潜像を、トナーを用いて現像して、イエローのトナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、黒のトナー像をそれぞれが形成する現像装置110Y、110M、110C、110Kを有する。
【0037】
現像装置110Y、110M、110C、110Kには、収容容器300Y、300M、300C、300Kから、イエローのトナー、マゼンタのトナー、シアンのトナー、黒のトナーが、それぞれに供給される。
【0038】
また、像形成部100は、現像装置110Y、110M、110C、110Kによってそれぞれ形成されたイエローのトナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、黒のトナー像を用紙に転写する転写装置140と、感光体ドラム102Y、102M、102C、102Kの表面をクリーニングするクリーニング装置114Y、114M、114C、114Kと、転写装置140によって転写されたトナー像を用紙に定着する定着装置116とを有する。
【0039】
転写装置140は、感光体ドラム102Y、102M、102C、102Kに形成されたイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、黒トナー像が重ねられるように転写され、転写媒体として用いられるベルト状の中間転写体142を有する。中間転写体142は、支持部材として用いられる支持ロール146、148、150、152によって、回転することができるように支持されている。
【0040】
また、転写装置140は、感光体ドラム102Y、102M、102C、102Kにそれぞれが形成されたイエローのトナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、黒のトナー像を、中間転写体に転写する1次転写装置として用いられる1次転写ロール156Y、156M、156C、156Kと、中間転写体142に転写されたイエローのトナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、黒のトナー像を、用紙に転写する2次転写装置として用いられる2次転写ロール158を有する。また、転写装置150は、中間転写体142の表面をクリーニングするクリーニング装置160を有する。
【0041】
給紙装置200は、例えばカセットが用いられる用紙収納部202と、用紙収納部202に収納された最上位に位置する用紙を抽出する抽出ロール204と、抽出ロール204で抽出された用紙を像形成部100に向けて搬送する搬送ロール206と、搬送ロール206に接触し、搬送ロール206との間で用紙を分離する分離ロール208とを有する。用紙収納部202は、例えば画像形成装置本体20の前側(図2における左側)に引き出すことができるようになっていて、画像形成装置本体20から引き出された状態で、用紙収納部202内に用紙が補充される。
【0042】
搬送路250は、主搬送路252と、反転搬送路254と、補助搬送路256とを有する。
主搬送路252は、給紙装置200から供給された用紙を排出部22に向けて搬送する搬送路であって、主搬送路252に沿って用紙の搬送方向上流側から順に、レジストロール260と、先述の2次転写ロール158と、先述の定着装置116と、排出ロール262とが装着されている。レジストロール260は、停止した状態から所定のタイミングで回転を開始し、中間転写体142にトナー像が転写されるタイミングに合致するように、中間転写体142と2次転写ロール158との接触部に用紙を供給する。
【0043】
排出ロール126は、定着装置116によって、トナー像が定着された用紙を排出部22に排出する。また、排出ロール126は、用紙の両面に画像を形成する場合に、排出部22に用紙を排出する場合と反対方向に回転して、一方の面に用紙に画像が形成された用紙を、後端側から反転搬送路254へと供給する。
【0044】
反転搬送路254は、一方の面に画像が形成された用紙を、反転させつつ、レジストロール260の上流側に再び供給する場合に用いられる。反転搬送路254に沿って、例えば2つの反転搬送ロール264、264が装着されている。
【0045】
補助搬送路256は、給紙用開閉部26が画像形成装置本体20に対して開いた状態で、画像形成装置本体20の前側から用紙を供給する場合に用いられる搬送路である。補助搬送路256に沿って、レジストロール260に向けて用紙を搬送する補助搬送ロール266と、補助搬送ロール266に接触し、用紙を分離するために用いられる分離ロール268とが装着されている。
【0046】
図3乃至図7には、収容容器300が示されている。
先述のように、収容容器300Y、300M、300Cは形状及び大きさがそれぞれ同じであり、収容容器300Kは、収容容器300Y、300M、300Cよりも容積が大きい。図3乃至図7には、収容容器300Y、300M、300Cとして用いられる収容容器300が示されている。
【0047】
図3乃至図7に示されるように、収容容器300は、容器本体306と、開閉部350と、操作部382を有する操作レバー380と、駆動伝達部として用いられるギア370とを有する。収容容器300には、画像形成装置本体20(図1参照)に装着された状態において重力方向下側となる位置に、排出孔312が形成されている。排出孔312から排出されたトナーは、現像装置110に供給され、像形成に用いられる。
【0048】
また、容器本体306の、画像形成装置本体20に装着された状態において重力方向上向きの位置には、トナーを容器本体306内に充填するために用いられる充填孔314が形成されている。充填孔314は、容器本体306の上向きの面に形成されていて、充填孔314を介して、重力方向上方から落下させるようにして、容器本体306内にトナーが充填される。充填孔314の重力方向上方から視た形状は略円形となっている。
【0049】
また、容器本体306の前側の面には、前側に向けて突出するように固定用突起316が形成されている。固定用突起316は、操作レバー380の操作部382を後述する第3の位置に固定する固定部として用いられている。また、固定用突起316は、操作部382が後述する第4の位置から後述する第1の位置及び第2の位置のいずれかに移動することを許容しつつ、操作部382が第1の位置及び第2の位置のいずれかから第4の位置へ移動することを禁止する移動禁止部として用いられている。固定用突起316の形状等、固定用突起316の詳細は後述する。
【0050】
また、容器本体306の前側の側面には、前側に向けて突出するように禁止用突起318が形成されている(図5参照)。禁止用突起318は、操作レバー380の操作部382が、後述する第2の位置から後述する第1の位置へと移動することを禁止する移動禁止部して用いられている。また、禁止用突起318は、容器本体306が画像形成装置本体20に横着されていない状態において、排出孔312が開放されることを禁止する開放禁止手段の一部を構成している。開放禁止手段の詳細は後述する。
【0051】
また、容器本体306の前側であって、ギア370に近接する位置には、前側に向けて突出するように保護用突起320が形成されている。保護用突起320は、ギア370の歯の形成された面が他の物に衝突しにくくすることで、ギア370を保護している。
【0052】
また、容器本体306の後ろ側の面には、操作レバー380を回転可能に支持するために用いられる円柱形状の支持用突起324が形成されている。また、容器本体306の前側の面には、支持用突起324と同様に、操作レバー380を回転可能に支持するために用いられる支持用突起325が形成されている。
【0053】
また、容器本体306前側の内壁面には、後述する攪拌装置330を容器本体306に対して取り付けるために用いられる取付部307aが形成されている。また、容器本体306の後側の内壁面には、攪拌装置330を容器本体306に対して取り付けるために用いられる取付部307bが形成されている。
【0054】
容器本体306の内部には、容器本体306内に収容されたトナーを攪拌するための攪拌部として用いられている攪拌装置330が取り付けられている。攪拌装置330は、容器本体306に収容されたトナーを攪拌するのみならず、容器本体306内に収容されたトナーを搬送する機能を有する。攪拌装置330は、容器本体306に回転軸332を中心に回転することができるように取り付けられた軸322と、軸322に取り付けられ、軸322に略平行な平行部334と、軸322に取り付けられた搬送板336とを有する。搬送板336は、弾性を有するフィルム状のシートからなり、先端部が容器本体306の内側の面に接触するようになっている。軸332には、前側の端部332aに嵌合用凹部332cが形成されている。また、軸332の後側の端部332b側が、他の部分よりも径が小さくなっている。尚、攪拌装置330は、適用される容器本体の形態に応じて、適宜、攪拌若しくは搬送の一方の機能だけを目的に形成させたものであっても良い。但し、トナーという粉体を撹拌させる装置であるため、攪拌及び搬送の双方の機能をおのずと備えた装置となりやすい。
【0055】
また、攪拌装置330は、図6に示されるように、長手方向が、容器本体306内に充填孔314を介してトナーが収容される方向である上下方向に一致するように配置することができるようになっている。このような位置に攪拌装置330を配置した状態で、容器本体306内にトナーを充填すれば、上方から下方へのトナーの移動が攪拌装置330によって妨げられにくく、上下方向に縦長の容器本体306内へのトナーの収容が良好になされる。
【0056】
攪拌装置300は、図7に示すように、軸322の前側の端部332aが容器本体306の取付部307aに載せられ、軸322の後側の端部332bが容器本体306の取付部307bに載せられ、嵌合用凹部322cにギア370の軸部372が圧入されるようにして嵌め込まれることで装置本体306に取り付けられている。
【0057】
また、容器本体306の左側面側には、識別部として用いられる識別部材420が装着されている。識別部材420は、例えば3個等の複数の凸部422を有し、互いに隣り合う凸部422の間に、凹部424が形成されている。凹部424は、個数、位置、及び幅の少なくともいずれか1つが、容器本体306内に収容されるトナーの種類に応じて異なるように形成されている。例えば、容器本体306内に収容されているトナーの色が、イエローであるのか、マゼンタであるのか、シアンであるのかによって、凹部424の個数、位置、及び幅の少なくとも1つが異なるようになっている。また、同じ色である例えば黒のトナーが収容された場合であっても、異なる種類の機種に用いるトナーが収容されている場合や異なる特性のトナーが収容されている場合、その機種や特性に応じて、凹部424の個数、位置、及び幅の少なくとも1つが異なるようになっている。
【0058】
また、識別部材420には、充填されるトナー、又は充填されたトナーの種類を操作者等が識別することができる印字等がなされていて、この印字等は、操作レバー380が、少なくとも後述する第2の位置に配置された状態において、目視することができる位置に配置されている。また、この印字等は、操作レバー380や後述する蓋部材340の上面にも配置されている。
【0059】
また、容器本体306の後側の面には記憶手段として用いられる記憶媒体450が、容器本体306に対して着脱することができるように装着されている。記憶媒体450は、画像形成装置本体20側に設けられたデータ書き込み装置(不図示)と接続することができ、データ書き込み装置から、例えば、その収容容器300に収容されたトナーを用いて形成された画像の枚数等のデータが書き込まれる。記憶媒体450の接続端子451は、上下方向に縦長に延びており、上下方向の下端を含む下側が露出して設けられ、左右の水平方向に4本並んで設けられている。図4に示されるように、操作レバー380が後述する第2の位置にある状態(操作レバー380と連結された開閉部350が排出孔312を閉じた状態、図4に示す状態)においては、操作レバー380は、その後側腕部386が記憶媒体450の接続端子の下方から退避するようになっている。
【0060】
開閉部350は、容器本体306の下側の位置に移動することができるように取り付けられている。開閉部350が容器本体306に対して移動することで、排出孔312が開いた状態とされ、閉じた状態とされる。開閉部350は、容器本体306に対して移動することができるように装着された開閉部材352と、開閉部材352と容器本体306との間に設けられ、排出孔312をシーリングするために用いられるシーリング部材354とを有する。
【0061】
操作レバー380は、先述のように操作部382を有する。操作部382は、操作レバー380の充填孔314に対向する位置に配置された部分であり、容器本体306に対して回転することができるように支持され、開閉部350を容器本体306に対して移動させるために用いられている。また、操作レバー380は、操作部382の前側の端部から延びる前側腕部384と、操作部382の後側の端部から延びる後側腕部386とを有する。前側腕部384には、容器本体306の前側に形成された支持用突起325が嵌り込むように形成された貫通孔407が形成されている。また、後側腕部386には、容器本体306の後側の面に形成された支持用突起324が嵌り込むように形成された貫通孔408が形成されている。
【0062】
そして、貫通孔407に支持用突起325を挿入し、貫通孔408に支持用突起324を挿入するようにして、操作レバー380及び操作部382は、軸322を中心に回転することができるように支持され、後述する第1の位置、第2の位置、第3の位置、及び第4の位置の間で移動することができるようになっている。
【0063】
前側腕部384には、貫通孔390が形成されている。貫通孔390は、操作レバー380が後述する第3の位置に配置された状態において固定用突起316が嵌り込む位置に形成されている。このため、操作レバー380は、貫通孔390及び固定用突起316によって、容器本体306に対して第3の位置に固定される。
【0064】
また、前側腕部384には、ギア370の上側に位置するように保護用突起392が形成されている。保護用突起392は、ギア370の歯が形成された面を保護するとともに、収容容器300が画像形成装置本体20内に装着された状態において、操作者がギア370に触れることができなくなるようにしている。
【0065】
また、前側腕部384の下端部側であって、収容容器300が画像形成装置本体20内に挿入される方向における先端側には案内用突起394が形成されている。案内用突起394は、画像形成装置本体20側に形成された案内溝46(図21参照)に嵌り込み、収容容器300の画像形成装置本体20内への着脱を案内する。
【0066】
また、前側腕部384の下端部側であって、収容容器300が画像形成装置本体20内に挿入される方向における先端側には、例えば案内用突起394と連続した状態で、衝突抑制用突起396が形成されている。衝突抑制用突起396は、画像形成装置本体20内に収容容器300を挿入する際に、ギア370の歯の形成された面が、画像形成装置本体20に衝突しにくくしている。尚、衝突抑制用突起396と同様に、案内用突起394にも、ギア370に歯が形成された面が画像形成装置本体20側に衝突しにくくする機能がある。
【0067】
後側腕部386の下端部側には、前側腕部384に案内用突起394が形成されていることと同様に、案内用突起402が形成されている。案内用突起402は、画像形成装置本体20に側に形成された案内溝44(図21参照)に嵌り込み、収容容器300の画像形成装置本体20内への着脱を案内する。
【0068】
操作レバー380及び操作部382と開閉部材352とは連結されている。すなわち、前側腕部384の下端部側の部分が、開閉部材352の前側の部分に連結されているとともに、後側腕部386の下端側の部分が、開閉部材352の後側の部分に連結されている。このため、操作レバー380の操作部382の移動に連動して、開閉部材352は移動する。操作レバー380及び操作部382と開閉部材352とがどのようなタイミングで、どのように連結するか等、操作レバー380及び操作部382と開閉部材352と連結の詳細は後述する。
【0069】
ギア370は、容器本体306の前側の面に装着されていて、収容容器300が画像形成装置本体20内に装着された際に、画像形成装置本体20側に設けられたギア(不図示)と連結して、このギアから駆動伝達を受けるようになっている。また、先述のように、ギア370の軸部372が攪拌装置330の回転軸332に形成された嵌合用凹部332cに嵌めこまれることによって、ギア370と攪拌装置330とが連結されている。このため、駆動が伝達されてギア370が回転をすると、容器本体306内で攪拌装置330が回転し、容器本体306内に収容されたトナーが攪拌され、搬送される。
【0070】
収容容器300は、容器本体306と、開閉部350と、操作レバー380と、ギア370とを有することにあわせて、充填孔314を封止する封止部として用いられる蓋部材340を有する。蓋部材340は、充填孔314を介して容器本体306内にトナーを充填した後、充填孔314に嵌め込まれるようにして容器本体306に装着される。蓋部材340が装着されると、充填孔314が封止され、容器本体306の向きにかかわらず、充填孔314からトナーがこぼれることが防止される。
【0071】
また、収容容器300は、覆い部材342を有する。覆い部材342は、容器本体306に装着された蓋部材340を外側から覆うように、容器本体306に取り付けられている。覆い部材342が取り付けられているため、例え蓋部材340が充填孔314から外れそうになったとしても、蓋部材340が充填孔314から完全に脱落してしまうことを防いで、充填孔314を介して容器本体306からこぼれたトナーが周囲に拡散することが抑制される。
【0072】
図8には、容器本体306の固定用突起316が形成された部分が拡大して示されている。図8に示すように、固定用突起316は、右側が低く左側が高くなるように形成された傾斜面316aと、傾斜面316aの左側に位置し、容器本体306の前側の面に略垂直になるように形成された垂直面316bとを有している。
【0073】
図9には、開閉部350との連結が解除された状態にある操作レバー380の一部分が拡大して示されている。先述のように、操作レバー380の前側腕部384には、前側に向けて突出するように案内用突起394と衝突抑制用突起396とが形成されている。また、操作レバー380の、例えば案内用突起394に隣接する位置には、連結用貫通孔385が形成されている。連結用貫通孔385は、操作レバー380と開閉部350とを連結するために用いられる。
【0074】
また、前側腕部384の後側の面(開閉部350に対向する面)の下端部における右端側には、傾斜面397が形成されている。傾斜面397は、前側腕部384の右端部と開閉部350とが離間し、前側腕部384と開閉部350の間の長さが、前側腕部384の中央部に向かって短くなるように形成されている。
【0075】
図10には、開閉部350の開閉部材352の一部が拡大して示されている。
開閉部材352の前側の面には、前側に突出するように連結用突起353が形成されている。連結用突起353は、右側が高く左側が低くなるように形成された傾斜面353aと、傾斜面353aの右側に位置し、開閉部材352の前側の面に略垂直になるように形成された垂直面353bとを有している。
【0076】
図11及び図12には、操作レバー380の動作が説明されている。
操作レバー380及び操作部382は、図11(a)及び図12(a)に示す第1の位置と、図11(b)及び図12(b)に示す第2の位置と、図11(c)及び図12(c)に示す第3の位置と、図11(d)に示す第4の位置との間で移動することができるようになっている。
【0077】
図11(a)及び図12(a)に示される第1の位置は、容器本体306に形成された排出孔312を開いた状態とする位置であり、開放位置と称される位置である。すなわち、操作レバー380及び操作部382が第1の位置にあると、操作レバー380に連結された開閉部350は、排出孔312から離れた位置に配置された状態となる。画像形成装置本体20内に装着されて、現像装置110にトナーを供給する際には、操作レバー380及び操作部382は、第1の位置に配置された状態となるように操作される。また、第1の位置に配置された状態においては、容器本体306に攪拌装置330が取り付けられる方法である上下方向において、操作部382は容器本体306と重なる位置に配置された状態となる。
【0078】
図11(b)及び図12(b)に示される第2の位置は、排出孔312を閉じた状態とする位置であり、封止位置と称される位置である。また、第2の位置は、蓋部材340が容器本体306に取り付けられる方向(この実施形態においては上下方向)において、操作レバー380の操作部382が容器本体306と重なる位置に配置された状態となる位置である。操作レバー380が第2の位置にあると、操作レバー380に連結された開閉部350は排出孔312を覆う位置に配置された状態となり、排出孔312が塞がれた状態となる。また、第2の位置に配置された状態においては、容器本体306に攪拌装置330が取り付けられる方法である上下方向において、操作部382は容器本体と重なる位置に配置された状態となる。
【0079】
図11(c)及び図12(c)に示される第3の位置は、排出孔312を閉じた状態とし、容器本体306にトナーを充填する際に操作レバー380及び操作部382が配置される位置であって、充填位置と称される位置である。また、第3の位置は、蓋部材340が容器本体306に取り付けられる方向(この実施形態においては上下方向)において、操作レバー380の操作部382が容器本体306と重ならない位置に配置された状態とする位置である。操作レバー380及び操作部382が第3の位置にあると、操作レバー380に連結された開閉部350は排出孔312を覆う位置に配置された状態となり、排出孔312が塞がれた状態となる。操作レバー380と開閉部350とは連結されているので、操作レバー380を第2の位置から第3の位置へ移動させると、開閉部350も操作レバー380の移動に伴って移動するが、排出孔312の大きさに対して開閉部350の大きさを大きく形成させているので、排出孔312が塞がれた状態のまま、すなわち開閉部350のシーリング部材354が排出孔312をシーリングした状態のまま開閉部350が移動する。また、操作レバー380が第3の位置にあると、操作部382は、蓋部材340が容器本体306に取り付けられる方向である上下方向において、容器本体306と重ならない状態となる。
【0080】
操作レバー380及び操作部382が第3の位置にある状態で収容容器300を画像形成装置本体20内に装着しようとすると、操作レバー380と画像形成装置本体20とは干渉する。すなわち、操作レバー380は、操作レバー380が第3の位置にある状態で収容容器300を画像形成装置本体20内に装着しようとした際に、画像形成装置本体20と干渉する干渉部として用いられている。
【0081】
また、操作レバー380が第3の位置にあると、容器本体306内にトナーを充填する際に、操作部382が、トナーの移動(落下)の障害となりにくい。また、操作レバー380が第3の位置にあると、蓋部材340を、位置合わせ、打栓等により押し込むなどして容器本体306に取り付ける際の障害になりにくく、蓋部材340の容器本体306への取り付けが行いやすい。また、操作レバー380が第3の位置にあると、蓋部材340が容器本体306に取り付けられる方向(この実施形態においては上下方向)に、覆い部材342を位置合わせなどして容器本体306に取り付ける際の障害になりにくく、覆い部材342の容器本体306への取り付けが行いやすい。操作レバー380が第3の位置に配置された状態で、トナーを容器本体306に充填した後、容器本体306の充填孔314が蓋部材340によって閉じられ、蓋部材340を覆うように容器本体306に覆い部材342が取り付けられる。
【0082】
図11(d)に示される第4の位置は、操作レバー380が容器本体306に対して取り付けられた時点の位置である。また、第4の位置は、容器本体306に攪拌装置330(図6参照)を取り付ける際の位置と対応した位置としても良い。また、第4の位置に配置された状態においては、容器本体306に攪拌装置330が取り付けられる方法である上下方向において、操作部382は容器本体306と重ならない位置に配置された状態となる。このため、上下方向において、操作部382が容器本体306と重なる位置に配置された場合と比較して、操作部382が、攪拌装置330を容器本体306に取り付ける際の障害となりにくい。すなわち、操作レバー380及び操作部382が第4の位置にあると、操作レバー380及び操作部382が第1の位置、第2の位置、及び第3の位置にいずれかに位置している場合よりも、容器本体306内に攪拌装置330を取り付ける際に、操作部382が攪拌装置330を取り付ける操作の障害になりにくい。
【0083】
また、操作レバー380は、操作レバー380が容器本体306に取り付けられ後に、操作レバー380が第4の位置から他の位置へ移動していなければ、開閉部350とは連結されていない状態にある。収容容器300を組立て、収容容器300にトナーを充填する際には、操作レバー380及び操作部382が第4の位置に配置された状態で容器本体306に攪拌装置330を取り付けた後、操作レバー380及び操作部382を第3の位置へと移動させ、トナーを容器本体306に充填する。
【0084】
尚、図11の示すように、容器本体306には、容器本体306に対する開閉部350の移動を案内するために用いられる開閉部案内溝351が形成されている。開閉部案内溝351は、開閉部350が第2の位置にあるときに開閉部350の開閉方向の双方、すなわち、開閉部350の開方向にも開閉部350の閉方向にも延びるように設けられている。開閉部350が第2の位置と第3の位置とを移動する際には、開閉部350のシーリング部材354が排出孔312をシーリングした状態のまま開閉部350が開閉部案内溝351に案内される。
【0085】
図13には、操作レバー380及び操作部382が第4の位置から第3に位置へ移動する際の、操作レバー380と開閉部350との動作が説明されている。先述のように、操作レバー380及び操作部382が第4の位置に配置された状態においては、操作レバー380と開閉部350とは連結されていない。そして、操作レバー380と開閉部350とは、操作レバー380及び操作部382が第4の位置から第3に位置へ移動することに連動して、互いに連結するようになっている。
【0086】
すなわち、図13(a)に示されるように、操作レバー380が第4の位置から第3の位置へ移動する途中で、前側腕部384の傾斜面397が形成された部分が、開閉部材352に形成された連結用突起353に接触する。そして、操作レバー380が、さらに第3の位置の方向へと回転するようにして移動すると前側腕部384の傾斜面397が、連結用突起353の傾斜面353aに乗り上げるように弾性変形する。そして、操作レバー380がさらに第3の位置の方向へと移動することにより、図13(b)に示すように連結用貫通孔385に連結用突起353が嵌り込み、操作レバー380と開閉部350とが連結する。
【0087】
上述のように、操作レバー380が第4の位置から第3の位置へ移動することに連動して、操作レバー380と開閉部350とは連結するものの、操作レバー380を第3の位置から第4の位置へ移動させたとしても、操作レバー380と開閉部350との連結は解除されない。これは、図13(b)に示すように、操作レバー380を第4の位置の方向へ移動させようとした際に、連結用突起353の垂直面353bに連結用貫通孔385の端部が当接するものの、連結用突起353と連結用貫通孔385との係合を解除するように前側腕部384が弾性変形することがないためである。
【0088】
図14には、操作レバー380及び操作部382が第4の位置から第3に位置へ移動する際の、操作レバー380の動作が説明されている。
図14(a)に示されるように、操作レバー380が第4の位置から第3の位置へ移動する途中で、前側腕部384が、容器本体306に形成された固定用突起316に接触する。そして、操作レバー380が、さらに第3の位置の方向へと回転するようにして移動すると、図14(b)に示されるように、前側腕部384が、固定用突起316の傾斜面316aに乗り上げるように弾性変形する。そして、操作レバー380が第3の位置に到達すると、固定用突起316に、前側腕部384に形成された貫通孔390(図3参照)が嵌り込み、操作レバー380が容器本体306に対して第3の位置に固定される。
【0089】
上述のように、操作レバー380が第4の位置から第3の位置へ移動することは許容されるものの、操作レバー380が第3の位置から第4の位置へ移動することは禁止される。これは、操作レバー380を第4の位置の方向へ移動させようとしても、前側腕部384が弾性変形することがなく、固定用突起316に貫通孔390が嵌り込んだ状態が保たれるためである。
【0090】
図15には、支持用突起324(図4参照)が示されている。
支持用突起324は、先述のように、容器本体306の後側の面に形成されていて、略円柱形上であり、操作レバー380の後側腕部386に形成された貫通孔408に挿入され、操作レバー380を容器本体306に対して回転することができるように支持するものである。
【0091】
支持用突起324の円周方向における一部であって、容器本体306の前側の面から離れた位置には、円周方向に突出する突出部326が設けられている。
【0092】
図16には、操作レバー380の後側腕部386の貫通孔408が形成された部分が拡大して示され、図17には、操作レバー380が第4の位置に配置された状態にある収容容器300が示されている。
図16に示されるように、貫通孔408の円周方向における一部分には、他の部分よりも孔の径が大きくなるように大径部410が形成されている。大径部410は、貫通孔408に支持用突起324を挿入する場合に、支持用突起324の突出部326が嵌り込むように形成されている。このため、操作レバー380は、大径部410が、突出部326に入り込むような位置関係にある場合にだけ、容器本体306に装着できる。そして、容器本体306に対して装着できる操作レバー380及び操作部382の位置は、図17に示される第4の位置(図11(d)参照)となっている。すなわち、操作レバー380は、容器本体306に対して装着された時点において、第4の位置に配置された状態となる。
【0093】
図18(a)には、収容容器300Y、300M、300Cの断面図が、図18(b)には、収容容器300Kの断面図が示されている。先述のように、収容容器300Kの容積は、収容容器300Y、300M、300Cの容積よりも大きい。
【0094】
図18(a)及び図18(b)に示すように、容器本体306Y、306M、306C、306Kには、容積を調節する機能を有する上部容器310Y、310M、310C、310Kが取り付けられている。上部容器310Y、310M、310C、310Kは、容器本体306Y、306M、306C、306Kに取り付けられた取付部材として用いられていて、例えは、超音波溶着によって、容器本体306Y、306M、306C、306Kに取り付けられる。そして、容器本体306Y、306M、306C、306Kの大きさは、イエロートナー用、マゼンタトナー用、シアントナー用と、黒トナー用とで同じであり、同じ形状となっている。このため、イエロートナー用、マゼンタトナー用、シアントナー用、黒トナー用で共通の部品が用いられる。
【0095】
上部容器310の大きさは、イエロートナー用、マゼンタトナー用、シアントナー用の上部容器310Y、310M、310Cよりも、黒トナー用の上部容器310Kが大きく、黒トナー用の上部容器310Kの内部には、容器本体306Kに装着された状態において、トナーを収容することができるようになっている。
【0096】
また、識別部材420Y、420M、420Cの大きさは、識別部材420Kの大きさよりも大きい。これにより、収容容器300Y、300M、300Cの上端部の高さと、収容容器300Kの上端部の高さとが同じになるように収容容器300Y、300M、300C、300Kを画像形成装置本体20内に装着した場合、識別部材420Y、420M、420Cの下端部の高さと、識別部材420Kの下端部の高さとが同じとなるようになっている。
【0097】
図19には、画像形成装置本体20に対して閉じた状態における装着用開閉部24の断面が示されている。
装着用開閉部24には、画像形成装置本体20内に装着される収容容器300の数に相当する4個の凹部25が形成されている(図19では3個を図示している)。4個の凹部25は、それぞれが、画像形成装置本体20内に装着された収容容器300の第1の位置に配置された操作レバー380の上端部分が入り込むように形成されている。一方、図19に二点鎖線で示すように、操作レバー380が第2の位置に配置されていると、操作レバー380の上端側と、装着用開閉部24とが干渉する。すなわち、画像形成装置本体内に装着された全ての収容容器300の操作レバー380が第1の位置に配置された状態でなければ、装着用開閉部24を画像形成装置本体20に対して閉じることができない。
【0098】
このため、収容容器300を画像形成装置本体20内に装着した時点で、操作レバー380を第1の位置へ移動させる動作が確実になされ、収容容器300に形成された排出孔312が確実に開放され、収容容器300から現像装置110に、確実にトナーが補給される状態となる。尚、装着用開閉部24の開閉を検出する開閉センサを設け、装着用開閉部24が開いていることを開閉センサが検出した場合に、例えば、操作パネル12に警告の表示をしたり、像形成動作を禁止したりするようにしても良い。
【0099】
図20は、装着装置30の斜視図である。
図20に示すように、装着装置30は、右側板40と、左側板42と、右側板40及び左側板42を連結する連結板36Y、36M、36C、36Kとを有し、これらの部材によって、上側が開放された装着室32Y、32M、32C、32Kが、それぞれ形成されている。装着室32Y、32M、32C、32Kには、収容容器300Y、300M、300C、300Kが、それぞれ上方から装着される。
【0100】
装着室32Y、32M、32C、32Kの下方には、トナー搬送路34Y、34M、34C、34Kが取り付けられている。トナー搬送路34Y、34M、34C、34Kは、収容容器300Y、300M、300C、300K内のトナーを、現像装置110Y、110M、110C、110Kにそれぞれ搬送するために用いられる。
【0101】
連結板36Y、36M、36C、36Kは、それぞれが本体側識別手段として用いられていて、それぞれに、数、位置、及び幅の少なくともいずれか1つが互いに異なるように、単数又は複数の凸部38が形成されている。
【0102】
凸部38は、それぞれの装着室32に装着されるべき収容容器300に設けられた凹部424(図4参照)に嵌り込む位置に、嵌り込む大きさで形成されている。例えば、装着室32Yには、装着室32Yに装着されるべきイエローの収容容器300Yに形成された凹部424に嵌り込むように凸部38が形成されている。ここで、先述のように、収容容器300に形成された凹部424の位置は、例えばトナーの色等、収容容器300に収容されているトナーの種類によって異なる。このため、特定の装着室32に、その装着室32に装着されるべき正しい収容容器300の装着はできるものの、その装着室32に収容されるべきものではない種類の異なるトナーが収容された収容容器300を装着しようとしても、収容容器300の凸部422と、識別部材420の凸部38とが干渉して、収容容器300を、その装着室32に装着することができない。
【0103】
図21は、装着装置30の断面図である。
図21に示されるように、装着装置30の右側板40には、4個の案内溝44Y、44M、44C、44Kが形成されている。案内溝44Y、44M、44C、44Kには、収容容器300Y、300M、300C、330Kを装着室32Y、32M、32C、32Kに装着する際に、案内用突起402(図4参照)が嵌り込んだ状態となり、収容容器300Y、330M、300C、300Kの装着を案内する。
【0104】
左側板42には、4個の案内溝46Y、46M、46C、46Kが形成されている。案内溝46Y、46M、46C、46Kには、収容容器300Y、300M、300C、330Kを装着室32Y、32M、32C、32Kに装着する際に、案内用突起394(図3参照)が嵌り込んだ状態となり、収容容器300Y、330M、300C、300Kの各装着室32への装着を案内する。それぞれの案内溝44は、入り口側の幅が広く、収容容器300の装着方向に向けて次第に狭くなり、その後、同じ幅となる装着方向案内部48と、装着方向案内部48の奥側の端部から略円弧形状に延びる円弧部50とを有する。装着室32に収容容器300を装着した後に、第1の位置へと移動するように操作レバー380を操作した際に、円弧部50に案内用突起402が入り込む。
【0105】
円弧部50は、それぞれが、操作レバー380が第1の位置に配置された状態において、収容容器300を画像形成装置本体20の外に取り外すことを禁止する取り外し禁止手段として用いられている。すなわち、操作レバー380が第1の位置に配置された状態では、案内用突起394が円弧部50内に入り込み、収容容器300を取り出そうとして収容容器300を上方に持ち上げようとしても、案内用突起394が左側板42の円弧部50を形成する部分に干渉し、収容容器300を画像形成装置本体20から取り外すことができない。
【0106】
図22には、収容容器300が装着装置30に装着される様子が説明されていて、図22(a)には、操作レバー380が第2の位置に配置された状態の収容容器300の右側面が、図22(b)には、収容容器300の右側面及び装着装置30の断面図が示されている。
【0107】
図22(a)に示されるように、収容容器300が画像形成装置本体20に装着されていない場合は、操作レバー380が第2の位置に配置された状態において、禁止用突起318(図5も参照)が、操作レバー380の前側腕部384の移動の軌跡に干渉する位置にあり、操作レバー380を第2の位置から第1の位置へ移動させることができない。
【0108】
これに対して、収容容器300を画像形成装置本体20内に挿入すると、図22(b)に示されるように、装着装置30の底面から上方に向けて突出するように設けられた挿入部材56が、容器本体306と、前側腕部384との間に挿入され、前側腕部384が、容器本体306から遠ざかる方向に変形して、禁止用突起318と干渉しない位置へ移動する。このため、画像形成装置本体20内に収容容器300を装着すれば、操作レバー380を、第2の位置から第1の位置へ移動させることができるようになる。
【0109】
図23には、装着装置30に装着された状態において、収容容器300に装着された記憶媒体450と、画像形成装置本体20側とを接続する構成が示されている。図23に示されるように、装着装置30の右側板40には、変形可能な電極58が装着されていて、電極58が記憶媒体450の電極452に押し付けられるようにして、画像形成装置本体20側と記憶媒体450とが接続される。
【0110】
図24には、例えば製造の過程で、収容容器300内にトナーが充填される工程が説明されている。図24に示すように、収容容器300にトナーを充填するには、最初の工程S10において、容器本体306に操作レバー380と開閉部350とが取り付けられる。この際、容器本体306の支持用突起324から突出する突出部326が、操作レバー380の貫通孔408に形成された大径部410に嵌り込むことを要し、操作レバー380は、容器本体306に対して第4の位置となるように組み付けられる。また、この際、操作レバー380を弾性変形させることにより前側腕部384と後側腕部386との間を広げ、前側腕部384と後側腕部386との間に容器本体306を挟み込むようにして操作レバー380が容器本体306に取り付けられる。このように、操作レバー380は、操作レバー380が容器本体306に取り付けられた状態で回転する方向とは異なる方向から取り付けられる。
【0111】
また、開閉部350は、開閉部案内溝351に開閉部350を嵌め込むようにして容器本体306に組み付けられる。工程S10が完了した時点においては、操作レバー380と開閉部350とは連結されていない。
【0112】
次の工程S20では、容器本体306に攪拌装置330が取り付けられる。この際、操作部382が第4の位置にあり、容器本体306に攪拌装置330が取り付けられる方向において操作レバー380が容器本体306と重ならない位置にあるため、容器本体306に攪拌装置330が取り付けられる方向において操作部382が容器本体306と重なる位置にある場合と比較して、操作レバー380を取り付ける作業をしやすく、操作レバー380を取り付ける組立作業の効率が良くなる。
尚、工程S10と工程S20とは逆でも良い。
【0113】
次の工程S30では、容器本体306が、充填孔314が上向きになるように治具(不図示)にセットされる。この際、攪拌装置330は、長手方向が上下方向となるように調整される。
【0114】
次の工程S40では、容器本体306に、上部容器310が取り付けられ、容器本体306に上部容器310が、例えば超音波溶着によって固定される。この際、操作部382が第4の位置にあり、容器本体306に上部容器310が取り付けられる方向において操作部382が容器本体306と重ならない位置にあるため、容器本体306に上部容器310が取り付けられる方向において操作部382が容器本体306と重なる位置にある場合と比較して、上部容器310を取り付ける作業をしやすく、上部容器310を取り付ける組立作業の効率が良くなる。
【0115】
工程S40で容器本体306に上部容器310を取り付けることに替え、工程S10に先立ち、容器本体306に上部容器310を取り付けておいても良い。工程S40の詳細は後述する。
【0116】
次の工程S50では、操作レバー380を第4の位置から第3の位置へ移動させる。操作レバー380を第3の位置へ移動させることで、操作レバー380は、固定用突起316の傾斜面316aに乗り上げるように弾性変形し、固定用突起316が貫通孔390に入り込むようにして第3の位置に固定される。このため、後述する工程S60でトナーを容器本体306内に挿入する際に操作レバー380が動くことが防止され、操作レバー380が動くことによるトナーの挿入不良が生じにくくなる。
【0117】
また、工程S50で操作レバー380が第4の位置から第3の位置へ移動することにより、操作レバー380の前側腕部384に形成された連結用貫通孔385に開閉部350の開閉部材352に形成された連結用突起353が嵌り込み、操作レバー380と開閉部350とが連結される。
【0118】
次の工程S60では、充填孔314を介して、上方向から落下させるように、容器本体306内にトナーが挿入される。この際、操作レバー380は第3の位置にあり、操作レバー380の操作部382は、トナーが充填される方向(上下方向)において充填孔314と重ならない位置にあるため、操作レバー380がトナーの充填の妨げとなることがない。
【0119】
また、攪拌装置330の長手方向が上下方向となるように調整すれば、容器本体306内でのトナーの落下を妨げにくく、容器本体306の底部までトナーが到達しやすく、容器本体306内のスペースを無駄にすることなくトナーが充填される。
【0120】
次の工程S70では、充填孔314に蓋部材340が上方から下方に押し込まれるように装着され、充填孔314が封止される。この際、操作レバー380は第3の位置にあり、操作レバー380の操作部382は、蓋部材340が容器本体306に取り付けられる方向(この実施形態においては上下方向)において、操作レバー380の対向部が容器本体306と重ならない位置にあるため、操作レバー380は、容器本体306に蓋部材340を装着する妨げとならない。
【0121】
次の工程S80では、蓋部材340を覆うように、容器本体306に対して上方から覆い部材342が装着される。この際、操作部382は第3の位置にあり、操作部382は、蓋部材340が容器本体306に取り付けられる方向(この実施形態においては上下方向)において容器本体306と重ならない位置にある。このため、操作部382は、容器本体306に覆い部材342を装着する妨げとならない。
【0122】
次の工程S90では、操作レバー380を第3の位置から第2の位置へ移動させる。操作レバー380を第2の位置へ移動させるためには、例えば、操作レバー380の前側腕部384を変形させる等して、固定用突起316を貫通孔390から取り外す。操作レバー380を第2の位置へ移動させることにより、操作レバー380の操作部382は、蓋部材340が容器本体306に取り付けられる方向において、容器本体306と重なる位置に移動する。このため、蓋部材340が容器本体306に取り付けられる方向と交わる方向において、収容容器300の幅が小さくなり、収容容器300の搬送が容易となる。また、第2の位置へ移動した操作レバー380を再び第3の位置へ移動させようとしても、操作レバー380の前側腕部384と固定用突起316とが当接して干渉するので、必要のないときに操作レバー380が第3の位置に移動することが防止される。
【0123】
また、操作レバー380を第3の位置から第2の位置へ移動させる際に、誤って第2の位置から第1の位置へと操作レバー380が移動してしまい、排出孔312が開いた状態となり、排出孔312からトナーが排出される虞があるものの、画像形成装置本体20内に装着されない限り、禁止用突起318によって、操作レバー380は、第2に位置から第1の位置へ移動することができないようになっている。
【0124】
図25には、工程S40において、容器本体306に上部容器310を固定する方法が示されている。図25に示すように、容器本体306と上部容器310との間が溶着押さえ部材502によって押さえられ、例えば上部容器310の上方から、溶着ホーン504が上部容器310に押し当てられ、容器本体306と上部容器310とが溶着される。この際、操作レバー380の操作部382は、溶着押さえ部剤502及び溶着ホーン504と干渉しない位置に配置されている。このため、押さえ部材502と溶着ホーン504とを収容容器300に取り付けやすく、上部容器310を容器本体306に固定する組立の効率が良くなる。
【0125】
図26には、画像形成装置本体20内に収容容器300を装着する工程が説明されている。図26に示されるように、最初の工程S110で、画像形成装置本体20に取り付けられた装着用開閉部24が開かれ、装着装置30の上方が開放される。
【0126】
次の工程S120で、画像形成装置本体20内の装着装置30に上方から収容容器300が挿入される。この際、装着装置30の底面から上方に向けて突出するように設けられた挿入部材56が、容器本体306と、前側腕部384との間に挿入され、前側腕部384が、容器本体306から遠ざかる方向に変形して、禁止用突起318と干渉しない位置へ移動する。このため、操作レバー380を、第2の位置から第1の位置へ移動させることができるようになる。
【0127】
次の工程S130で、操作レバー380が第2の位置から第1の位置へと移動され、排出孔312が開いた状態となり、収容容器300から現像装置110へトナーを補給することができる状態となる。
【0128】
次の工程S140で、装着用開閉部24が閉じられる。この際、操作レバー380が第2の位置から第1の位置へ移動していない収容容器が1つでもあると、第2の位置に配置された操作レバー380と装着用開閉部24とが干渉し、装着用開閉部24を閉じることができない。
【0129】
図27には、画像形成装置本体20内から容器本体306を取り外す工程が説明されている。図26に示すように、最初の工程S210で、装着用開閉部24が開かれ、装着装置30の上方が開放される。
【0130】
次の工程S220で、操作レバー380を、第1の位置から第2の位置へと移動させ、排出孔312を閉じた状態とする。このため、収容容器300を画像形成装置本体20から取り外す際に、排出孔312から残留したトナーが排出されることがない
【0131】
次の工程S230では、収容容器300が画像形成装置本体20から引き出される。操作レバー380を第1の位置から第2の位置へと移動させることなしに収容容器300を画像形成装置本体20から引き出そうとした場合、案内用突起394が左側板42の円弧部50を形成する部分に干渉し、収容容器300を画像形成装置本体20から取り外すことができない。
【0132】
図28には、支持用突起324の変形例が、図29には、操作レバー380の後側腕部386に形成された貫通孔408の変形例が示されている。
以上で説明をした実施形態においては、支持用突起324は略円柱形状であり、容器本体306の前側の面から離れた位置に円周方向に突出する突出部326が設けられていた(図14参照)。これに対して、この変形例に係る支持用突起324は、略円柱形上を有する小径部324aと、小径部324aの容器本体306の前側の面と逆側に設けられ、小径部324aよりも径が大きい大径部324bとを有する。
【0133】
また、以上で説明をした実施形態においては、貫通孔408は略円形であり、貫通孔408の円周方向における一部分には、他の部分よりも孔の径が大きくなるように大径部410が形成されていた(図16参照)。これに対して、この変形例に係る貫通孔408は、支持用突起324の小径部324aの径よりも若干大きな径を有する半円部408aと、半円部408aから後側腕部386の縁部まで略直線状に伸びる直線部408bとを有する。直線部408bの幅は、小径部324aの径よりも若干大きく定められている。
【0134】
この変形例では、容器本体306に操作レバー380を取り付ける工程において、直線部408bの半円部408aと逆側の端部側を支持用突起324の大径部324bの下方に形成される溝部に差し込むようにして、容器本体306に操作レバー380が取り付けられる。また、図示を省略する案内部により、容器本体306に操作レバー380が取りけられた時点で第4の位置に配置された状態となるように、操作レバー380は案内される。
【0135】
以上で説明をした実施形態では、開閉部350の一例として、開閉部材352とシーリング部材354との2個の部材を組み合わせたもの示したが、開閉部350は単一の部品としても良いし、3個以上の部品を組み合わせて構成するようにしても良い。
【0136】
また、以上で説明をした実施形態では、操作レバー380の動作の一例として、第1の位置、第2の位置、第3の位置、及び、第4の位置に移動するものを説明したが、操作レバー380を、第1の位置、第2の位置、及び第3の位置、及び第4の位置とあわせて、他の単数又は複数の位置に移動することができるようにしても良い。
【0137】
また、以上で説明をした実施形態では、充填孔314を封止するように容器本体306に取り付けられた封止部として蓋部材340を用い、蓋部材340を充填孔314に嵌め込むようにして充填孔314を封止し、さらに蓋部材340を覆うように覆い部材342を容器本体306に装着する例について説明したが、覆い部材342を設けなくても良い。また、蓋部材340を充填孔314に嵌め込むことに換えて、例えば接着部を有するテープを封止部として用い、該テープを充填孔314を覆うように貼り付けることで充填孔314を封止するようにしても良い。このようにテープを用いて充填孔314を封止する場合、テープを覆うように容器本体306に対して覆い部材342を装着しても良いし、覆い部材342を容器本体306に装着しなくても良い。
【0138】
また、例えば充填孔314を封止するように容器本体306に取り付けられた蓋部材340や上述のテープ、又は蓋部材340やテープを覆うように取り付けられた覆い部材342に、収容容器300を識別する識別部材を取り付けても良い。該識別部材の一例としては、例えば蓋部材340等に貼り付けられる識別用ラベルを挙げることができる。識別部材には、例えば、収容容器300の型番、収容容器300を装着することができる画像形成装置10に型番、収容容器300の商品名、収容容器300を装着することができる画像形成装置10の商品名、容器本体306に充填されているトナーの色(充填されているトナーがイエローであるか、マゼンタであるか、シアンであるか、黒であるか)等が表示される。
【0139】
また、例えば充填孔314を封止するように容器本体306に取り付けられた蓋部材340や上述のテープ、又は蓋部材340やテープを覆うように取り付けられた覆い部材342に、収容容器300の使用方法を説明した説明用部材を取り付けても良い。該外説明用部材の一例としては、例えば蓋部材340等に貼り付けられる説明用ラベルを挙げることができる。説明部材には、例えば、画像形成装置本体20内に収容容器300を装着し、画像形成装置本体20内から収容容器300を取り出す方法が表示される。より、具体的には、例えば、画像形成装置本体20内に収容容器300を装着する際の操作レバー380の操作方法や、画像形成装置本体20内から収容容器300を取り出す際の操作レバー380の操作方法が表示される。このような説明用部材は、先述の識別部材を兼用するように1つの部材としても良いし、説明用部材と識別用部材とを別部材としても良い。
さらに、識別部材や説明用部材を別途取り付けることに変えて、識別用ラベルや説明用ラベル自体を上述のテープとして用いても良い。
【0140】
また、以上で説明をした実施形態では、像形成剤の一例として粉体からなるトナーを容器に充填する形態を説明したが、例えば液体からなるインク等を容器に充填する場合にも本発明を適用することができる。
【0141】
また、以上で説明をした実施形態では、画像形成装置の一例としてプリンタを用いる場合を説明したが、複写機、ファクシミリ装置等の像形成剤を用いる工程を含む他の単機能の装置や、プリンタ、スキャナ等の複数の機能を有し、像形成剤を用いる工程を含む他の装置も本発明の画像形成装置に含まれるものであり、これらの画像形成装置にも本発明を適用することができる。また、テレビ、DVDプレーヤー、HDD等の映像機器などの装置であって、像形成剤を用いて画像を形成する構成が組み込まれた装置も本発明の画像形成装置に含まれるものであり、これらの画像形成装置に本発明を適用することができる。また、例えは、机、棚、壁等に組み込まれ、像形成剤を用いて画像を形成する装置も本発明の画像形成装置に含まれるものであり、これらの画像形成装置に本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0142】
以上で説明をしたように、本発明は、像形成剤収容容器、画像形成装置、及び像形成剤の充填方法に適用することができる。
【符号の説明】
【0143】
10・・・画像形成装置
20・・・画像形成装置本体
100・・・像形成部
300・・・収容容器
306・・・収容容器本体
312・・・排出孔
316・・・固定用突起
318・・・禁止用突起
330・・・攪拌装置
350・・・開閉部
380・・・操作レバー
382・・・操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体内に着脱され、像形成剤の排出に用いられる排出孔が形成された容器本体と、
前記排出孔を開閉するように、前記容器本体に移動することができるように装着された開閉部と、
前記容器本体に回転することができるように支持され、前記開閉部を前記容器本体に対して移動させる操作に用いられる操作部と、
を有し、
前記操作部は、
前記排出孔を開放された状態とする開放位置と、
前記排出孔を封止された状態とする封止位置と、
前記操作部を前記容器本体に取り付ける取付位置と、
の間で移動する像形成剤収容容器。
【請求項2】
前記容器本体に取り付けられ、前記容器本体に収容された像形成剤を撹拌若しくは搬送する撹拌装置をさらに有し、
前記操作部は、
前記取付位置に移動した際に、前記容器本体に前記攪拌装置が取り付けられる方向において前記容器本体と重ならない位置に配置された状態となり、
前記封止位置及び前記開放位置のいずれかに移動した際に、前記容器本体に前記撹拌装置が取り付けられる方向において前記容器本体と重なる位置に配置された状態となる
請求項1記載の像形成剤収容容器。
【請求項3】
前記操作部が前記取付位置から前記開放位置及び前記封止位置のいずれかに移動することを許容しつつ、前記操作部が前記開放位置及び前記封止位置のいずれかから前記取付位置に移動することを禁止する移動禁止部をさらに有する請求項1又は2記載の像形成剤収容容器。
【請求項4】
前記操作部は、前記取付位置から前記封止位置の方向に移動することに連動して、前記開閉部と連結する請求項1乃至3いずれか記載の像形成剤収容容器。
【請求項5】
前記操作部は、前記排出孔を封止された状態とし、前記容器本体内に像形成剤を充填する際に配置される位置である充填位置にさらに移動し、
前記操作部を前記充填位置に固定する固定部をさらに有する請求項1乃至4いずれか記載の像形成剤収容容器。
【請求項6】
前記操作部が前記充填位置に配置された状態で、当該像形成剤収容容器が前記画像形成装置本体内に装着される際に、前記画像形成装置本体と干渉する干渉部をさらに有する請求項5記載の像形成剤収容容器。
【請求項7】
前記容器本体は、前記容器本体が前記画像形成装置本体内に装着されていない状態において前記開閉部と干渉し、前記開閉部が前記排出孔を開放するように移動することを禁止する開放禁止部を有する請求項1乃至6いずれか記載の像形成剤収容容器。
【請求項8】
前記画像形成装置本体内に装着されていない状態において、前記操作部が前記開放位置へ移動することを禁止する移動禁止手段をさらに有する請求項1乃至6いずれか記載の像形成剤収容容器。
【請求項9】
溶着装置を用いて前記容器本体に溶着される取付部材をさらに有し、
前記操作部は、前記取付位置において、前記溶着装置と干渉しない位置に配置される請求項1乃至8いずれか記載の像形成剤収容容器。
【請求項10】
像形成剤を収容する像形成剤収容容器と、
前記像形成剤収容容器に収容された像形成剤を用いて像を形成する像形成部と、
を有し、
前記像形成剤収容容器は、
画像形成装置本体内に着脱され、像形成剤の排出に用いられる排出孔が形成された容器本体と、
前記排出孔を開閉するように、前記容器本体に移動することができるように装着された開閉部と、
前記容器本体に回転することができるように支持され、前記開閉部を前記容器本体に対して移動させる操作に用いられる操作部と、
を有し、
前記操作部は、
前記排出孔を開放された状態とする開放位置と、
前記排出孔を封止された状態とする封止位置と、
前記操作部を前記容器本体に取り付ける取付位置と、
の間で移動する画像形成装置。
【請求項11】
前記操作部が前記開放位置に配置された状態において、前記像形成剤収容容器を前記画像形成装置本体内から取り外すことを禁止する取り外し禁止手段をさらに有する請求項10記載の画像形成装置。
【請求項12】
画像形成装置本体内に着脱され、像形成剤の排出に用いられる排出孔が形成された容器本体と、前記排出孔を開閉するように、前記容器本体に移動することができるように装着された開閉部と、前記容器本体に回転することができるように支持され、前記開閉部を前記容器本体に対して移動させる操作に用いられる操作部と、を有し、前記操作部は、前記排出孔を開放された状態とする開放位置と、前記排出孔を封止された状態とする封止位置と、前記操作部を前記容器本体に取り付ける取付位置と、の間で移動する像形成剤収容容器の前記収容容器本体内に、前記操作部が前記取付位置に配置された状態で、前記取付部を前記容器本体に取り付ける工程と、
前記取付部が前記容器本体内に取り付けられた後に、前記容器本体内に像形成剤を充填する工程と、
前記収容容器本体内に像形成剤が充填された後に、前記操作部を前記封止位置に移動させる工程と、
を有する像形成剤の充填方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate


【公開番号】特開2011−186296(P2011−186296A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52967(P2010−52967)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【特許番号】特許第4556248号(P4556248)
【特許公報発行日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】