説明

充電システム

【課題】省エネルギー化を実現させるとともに、構成を簡略化してコストダウンを図り、メンテナンス性を向上させることが可能な充電システムを提供する。
【解決手段】直流電力を出力するメインバッテリ41及びサブバッテリ42と、メインバッテリ41からの直流電力を交流電力に変換するインバータ43と、インバータ43から出力される交流電力により駆動される電動モータ33,45と、サブバッテリ42及び電動モータ33,45に電気的に接続され、回生発電させた電力を蓄電する第1〜第3コンデンサ61,62,63と、第1〜第3コンデンサ61,62,63とサブバッテリ42との電気的接続をオン/オフするスイッチ49と、電動モータ33,45が駆動状態か停止状態であるかを判断し、判断結果に応じてスイッチのオン/オフの切り替えを行うコントローラ44とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として電動モータを備えた建設機械に用いられる充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パワーショベル等の建設機械は、油圧ポンプから供給される作動油により作動する油圧モータや油圧シリンダ等の油圧アクチュエータを備え、これらの油圧アクチュエータを作動させて、走行、旋回、そしてブーム、アーム、バケットによる掘削作業等を行うことができるようになっている。また、走行、旋回、掘削のほかにも、油圧アクチュエータの一種であるブレードシリンダを用いて、土砂を移動させるような作業を行うことができる建設機械も周知となっている。
【0003】
ところで、上記のような建設機械においては、油圧ポンプを駆動させる電動モータ等を備えた電源システムが設けられているものもある。この電源システムは、一般的に、インバータ、コントローラ等とともに、バッテリを主体とする充電システムを備えている。この充電システムに用いられるバッテリとしては、リチウムイオンバッテリが用いられることが多いが、このバッテリには、例えば夜間等作業をしないときに充電できるようになっている。また、充電システムを備えた建設機械としては、省エネルギー化を目的として、車両の旋回駆動等により生じる回生エネルギーを取得するものも周知となっているが、このように、回生エネルギーを用いる場合には、ある程度の放電時間を確保できるコンデンサ等の蓄電デバイスが必要となる(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−325378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような回生エネルギーを利用する建設機械においては、一般的に、蓄電した電力を熱エネルギーに変換させることが多く、また蓄電した電力をメインバッテリに充電させる構成を用いていることが多い。このように、熱エネルギーに変換させたりメインバッテリに充電させたりする構成を採用する場合、省エネルギー化を実現させることはできるものの、蓄電デバイスとメインバッテリとの電圧差を補正するため、昇降圧回路を備えた制御回路の組み込み等が必須となりその結果構成が複雑化しているという課題があった。また、この複雑化により制御回路に掛かるコストが高くなりメンテナンス性も低く、コストメリットが出ないという課題があった。
【0006】
本発明は上記のような課題に鑑みてなされたものであり、省エネルギー化を実現させるとともに、構成を簡略化してコストダウンを図り、メンテナンス性を向上させることが可能な充電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る充電システムは、直流電力を出力する第1バッテリ(例えば、実施形態におけるメインバッテリ41)と、第1バッテリからの電力供給を受けて充電可能な第2バッテリ(例えば、実施形態におけるサブバッテリ42)と、第1バッテリからの直流電力を交流電力に変換して出力するインバータと、インバータから出力される交流電力により駆動される交流電動モータ(例えば、実施形態におけるポンプ用電動モータ33及び旋回モータ45)と、第2バッテリ及び交流電動モータに電気的に接続され、交流電動モータの駆動エネルギーを回生発電させ、回生発電させた電力を蓄電する回生電力蓄電手段(例えば、実施形態における第1〜第3コンデンサ61,62,63)と、回生電力蓄電手段と第2バッテリとの電気的接続をオン/オフするスイッチ(例えば、実施形態における第2スイッチ49)と、交流電動モータが駆動状態か停止状態であるかを判断し、判断結果に応じてスイッチのオン/オフの切り替えを行うスイッチ切り替え部(例えば、実施形態におけるコントローラ44)とを備え、スイッチ切り替え部がスイッチをオンにしたとき、回生電力蓄電手段に蓄電された電力が第2バッテリに充電されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る充電システムにおいては、スイッチ切り替え部が、交流電動モータが駆動状態であると判断したときはスイッチをオフにし、交流電動モータが停止状態であると判断したときはスイッチをオンにする切り替えを行うことが好ましい。
【0009】
そして、本発明に係る充電システムにおいては、第1バッテリ及び回生電力蓄電手段から出力される電力の変圧を行うDC/DCコンバータを備え、DC/DCコンバータにより変圧された電力が第2バッテリに充電されるように構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
以上、本発明に係る充電システムにおいては、交流電動モータの回生電力を蓄電する回生電力蓄電手段が第2バッテリ及び交流電動モータに接続して設けられ、蓄電した電力を、インバータへの電力供給を行う第1バッテリではなく第2バッテリに充電させる構成を採用し、交流電動モータの駆動状態に応じて第2バッテリへの充電を行うか否かが決定される。このように構成されることにより、省エネルギー化を可能にするとともに、電気回路における昇降圧手段の組み込み等が不要となり、構成を簡略化させメンテナンス性を向上させることができる。
【0011】
また、スイッチ切り替え部が、交流電動モータの駆動時にスイッチをオンにし、交流電動モータの停止にスイッチをオフするように作動する場合、交流電動モータの駆動時にはその駆動エネルギーから回生電力を蓄電させることができ、交流電動モータの停止時には蓄電した回生電力を第2バッテリへ充電させることができる。このため、モータ駆動時及び停止時に、回生電力を効率的に取得及び蓄電することが可能となり、更なる省エネルギー化を図ることができる。
【0012】
そして、第1バッテリ及び回生電力蓄電手段から出力される電力の変圧を行うDC/DCコンバータを設けることにより、少なくとも、回生電力蓄電手段と第2バッテリはスイッチ切り替え部がスイッチをオンにしたときにのみ電気的接続されるように構成されるため、DC/DCコンバータに効率良く電圧変換させて第2バッテリへの充電を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る充電システムを適用させた建設機械の一例として示すパワーショベルの斜視図である。
【図2】上記充電システムを示す油圧回路及び電気回路を示すブロック図である。
【図3】上記充電システムの電気回路を示した回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る充電システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1には、本発明に係る充電システムを適用させた建設機械の一例としてクローラ型のパワーショベル1を示している。このパワーショベル1は、平面視略H字状の走行台車4(車体)の左右に走行機構3,3が設けられて構成される走行装置2と、走行台車4の後部に上下に揺動自在に設けられたブレード9と、走行台車4の上部に旋回可能に設けられた旋回台11と、旋回台11の前部に設けられたショベル機構12と、旋回台11の上部に立設された運転者搭乗用のオペレータキャビン15(車体)とから構成されている。
【0015】
走行装置2を構成する左右一対の走行機構3,3は、走行台車4の左右前部に設けられた駆動用スプロケットホイール5と、走行台車4の左右後部に設けられたアイドラホイール6との間に履帯7が巻き掛けられて構成される。駆動用スプロケットホイール5は、電動モータあるいは油圧モータからなる走行モータにより回転駆動される。ブレード9は、油圧駆動式のブレードシリンダ(不図示)の作動により揺動される。旋回台11は、電動モータからなる旋回モータ45(図2及び図3参照)により旋回動される。
【0016】
ショベル機構12は、旋回台11の前部に起伏動自在に枢結されたブーム21と、ブーム21の先端部にブーム21の起伏面内で上下に揺動自在に枢結されたアーム22と、アーム22の先端に上下で揺動自在に枢結されたバケット23と、油圧駆動式のブームシリンダ24、アームシリンダ25、及びバケットシリンダ26とから構成されている。ブーム21はブームシリンダ24により起伏動され、アーム22はアームシリンダ25により揺動され、バケット23はバケットシリンダ26により揺動される。以降の説明ではこれらのシリンダ24〜26やブレード9のブレードシリンダを纏めて油圧アクチュエータ35と呼ぶ(図2参照)。また、オペレータキャビン15は、上下前後左右が囲まれた矩形箱状に形成されており、内部に運転者が着座するためのオペレータシート16と、走行装置2やショベル機構12の作動操作を行うための操作装置17とが設けられている。
【0017】
ところで、図2に示すように、パワーショベル1には、油圧アクチュエータ35に作動油を供給し作動させる油圧ユニット30が設けられている。油圧ユニット30は、作動油を貯留するタンク31、所定油圧、所定流量の作動油を吐出する油圧ポンプ32、油圧ポンプ32を駆動させるポンプ用電動モータ33、及び、油圧ポンプ32から吐出される作動油を操作装置17の操作に応じた供給方向及び供給量で油圧アクチュエータ35に供給させる制御を行うコントロールバルブ34から構成されている。
【0018】
上記ポンプ用電動モータ33には、電源システム40から電力が供給されるようになっており、ポンプ用電動モータ33はこの電力により駆動するようになっている。この電源システム40について以下で図2を参照しながら説明する。図2では、電気的または光学的信号回路を実線の矢印で示し、油圧回路を点線の矢印で示している。電源システム40は、メインバッテリ41と、サブバッテリ42と、インバータ43と、コントローラ44と、DC/DCコンバータ46とを備えて構成されている。メインバッテリ41及びサブバッテリ42は、例えば一日の作業が終わった時点で、充電器29を介して外部の商用電源28から電力を受けて充電できるようになっている。本実施形態では、メインバッテリ41とサブバッテリ42が設けられ、コントローラ44にはメインバッテリ41ではなくサブバッテリ42から電力が供給される構成となっているため、メインバッテリ41を有効に使用し、パワーショベル1の稼動時間を延ばすことが可能となっている。
【0019】
メインバッテリ41は、インバータ43を介してポンプ用電動モータ33及び旋回モータ45に電力を供給させるために設けられる。メインバッテリ41としては、例えばリチウムイオン電池や有機ラジカル電池等の二次電池を用いることができる。サブバッテリ42は、コントローラ44及び後述するオプション52に電力を供給させるために設けられる。サブバッテリ42としては、例えばリチウムイオン電池や鉛シール電池等を用いることができる。なお、メインバッテリ41からは、サブバッテリ42と比較して高電圧の直流電流が供給される(例えば、メインバッテリ41の電圧を300V、サブバッテリ42の電圧を24Vとすることができる)。インバータ43は、メインバッテリ41からの直流電力を任意の周波数の交流電力に変換してこの交流電力をポンプ用電動モータ33及び旋回モータ45に供給する。
【0020】
コントローラ44は、電源システム40を統括的に制御し、サブバッテリ42からの電力を受けて機能する。コントローラ44は、モータ回転数検出センサ(不図示)、油圧・油温センサ(不図示)により、ポンプ用電動モータ33の回転数、作動油の油圧・油温を検出することが可能となっており、検出した回転数、油圧・油温に基づいて、油圧ポンプ32から供給される油圧等が最適状態になるように制御信号を生成し、当該制御信号をインバータ43に送信する。また、DC/DCコンバータ46は、降圧型のものを使用しており、メインバッテリ41から供給される高電圧の直流電流(例えば、DC300V)を低電圧の直流電流(例えば、DC24V)に変換して安定化させる。
【0021】
オプション52は、前照灯等のライトや砕石機構を作動させるための油圧モータ等のサブアクチュエータから構成され、サブバッテリ42からの電力をそれぞれ受けて作動する。このように構成されることにより、DC/DCコンバータ46の仕様を、オプション52の消費電力から求められたサブバッテリ42の仕様のみに基づいて決めることができ、最適なDC/DCコンバータ46を選定することができる。なお、サブバッテリ42の容量は、一日の稼動における電気回路・保護回路・リレーの消費電力等に基づいて決定される。運転状況に応じて使用されるライトやホーン等オプション52の消費電力はサブバッテリ42の容量計算には含めず、必要に応じてメインバッテリ41からサブバッテリ42経由で、供給するものとしている。
【0022】
ところで、本実施形態における旋回モータ45は、ポンプ用電動モータ33と同様、電動モータからなり、インバータ43から電力を受けて作動するようになっているが、ポンプ用電動モータ33及び旋回モータ45の駆動エネルギーは回生され、その電気エネルギーが後述する第1乃至第3コンデンサ61,62,63に蓄電されるようになっている。すなわち、電源システム40を成す電気回路には、図3に示すように、第1コンデンサ61、第2コンデンサ62、及び第3コンデンサ63と、第1スイッチ48と、第2スイッチ49とが配設されている。第1乃至第3コンデンサ61,62,63はそれぞれ電気二重層61a,62a,63aを備えて構成された電気二重層コンデンサである。第1スイッチ48及び第2スイッチ49は、それぞれコントローラ44の制御信号に基づいてオン/オフされるようになっており、第1スイッチ48は、メインバッテリ41と第1〜第3コンデンサ61,62,63との電気的接続オン/オフするように作動し、第2スイッチ49は、DC/DCコンバータ46と第1〜第3コンデンサ61,62,63との電気的接続をオン/オフするように作動する。
【0023】
また、図2及び図3に示すように、メインバッテリ41から出力された電力は、コントローラ44により第1スイッチ48及び第2スイッチ49をオン作動させたときに、DC/DCコンバータ46を介してサブバッテリ42に充電されるようになっている。このように構成されることにより、サブバッテリ42のバッテリ残量が少なくなったときでも、コントローラ44への電力供給を止めることなく、DC/DCコンバータ46を介してサブバッテリ42をメインバッテリ41により充電させることができ、パワーショベル1の稼動時間を長くすることが可能になっている。
【0024】
ところで、ポンプ用電動モータ33から得られたエネルギーは電力に変換され第1コンデンサ61に、旋回モータ45から得られたエネルギーは電力に変換され第2コンデンサ62に、それぞれ蓄電されるようになっている。また、連続して車両を旋回させるため旋回モータ45を駆動させ続けているときはコントローラ44により第2スイッチ49がオフ作動された状態となり、第2コンデンサ62に蓄電された電力が旋回モータ45に供給されるようになっている。また、旋回モータ45の停止時など蓄電された電力が不要なときはコントローラ44により第2スイッチ49がオン作動されることにより、第2コンデンサ62に蓄電された電力がDC/DCコンバータ46に放電され、当該放電された電力がDC/DCコンバータ46により変圧されてサブバッテリ42に充電されるようになっている。なお、第1コンデンサ61に蓄電された電力についても同様に、ポンプ用電動モータ33に供給、または、DC/DCコンバータ46に変圧させてサブバッテリ42への充電、ができるようになっている。
【0025】
また、上記蓄電または放電(サブバッテリ42への充電)のタイミングについては、コントローラ44により制御される第2スイッチ49のオン/オフ作動により任意にすることもできる。しかし、上記のように、旋回モータ45の駆動時に第2コンデンサ62が蓄電を行うとともに旋回モータ45に電力を供給し、旋回モータ45の停止時に第2コンデンサ62に蓄電された電力をDC/DCコンバータ46を介してサブバッテリ42に充電させることにより、機械停止後も自己放電させることなくサブバッテリ42への充電が可能となり、回生エネルギーを効率良く充電及び利用することができる。
【0026】
なお、メインバッテリ41の電圧は通常非常に高いため、第1〜第3コンデンサ61,62,63からメインバッテリ41への充電は行われないようになっている。但し、昇圧回路をメインバッテリ41と第1〜第3コンデンサ61,62,63との間に設ければ、メインバッテリ41への充電も理論上は可能となるが、本実施形態では、メインバッテリ41の充電を行わずに、第1〜第3コンデンサ61,62,63に蓄電された電力を、DC/DCコンバータ46により変圧させ、サブバッテリ42に充電させることにより、電源システム40の回路構成を簡易にすることが可能となっている。
【0027】
また、第3コンデンサ63は、第2コンデンサ63に並列接続されて配設される。この第3コンデンサ63においても、第2コンデンサ62と同様に、旋回モータ45の回生電力を蓄電することができるようになっており、第3コンデンサ63を設けることにより、より多くの回生電力が得られ、サブバッテリ42へ充電させることができるようになっている。第3コンデンサ63は、旋回モータ45が稼動している状態において回生エネルギーを得て蓄電し旋回モータ45の停止時にサブバッテリ42への充電を開始するが、蓄電または放電(サブバッテリ42への充電)のタイミングはこれに限定されない。
【0028】
以上、本実施形態における電源システム40では、電気二重層61a,62a,63aをそれぞれ有する第1〜第3コンデンサ61,62,63を備え、ポンプ用電動モータ33及び旋回モータ45の駆動状態に応じて、コントローラ44が第2スイッチ49をオン/オフさせることにより、ポンプ用電動モータ33及び旋回モータ45の使用時にはポンプ用電動モータ33及び旋回モータ45への電力の再供給及び第1〜第3コンデンサ61,62,63への蓄電が可能となる。また、ポンプ用電動モータ33及び旋回モータ45の停止時には第1〜第3コンデンサ61,62,63に蓄電された電力がDC/DCコンバータ46により変圧されてサブバッテリ42に充電されるようになっている。このように構成されることにより、電気二重層61a,62a,63aに初期充電に利用されていた電力も有効活用できる等、旋回モータ45の駆動または停止に拘わらず得られた回生エネルギーを有効活用でき、省エネルギー化を図ることができる。
【0029】
また、上記電源システム40の電気回路は、メインバッテリ41への充電を行わない場合は昇圧回路等が不要となるため、第1〜第3コンデンサ61,62,63、並びに第1及び第2スイッチ48,49のみを備える簡易な構成とすることが可能となっている。これにより、電源システム40にかかるコストを抑え、メンテナンス性を高めることも可能となり、コストメリットがある電気回路を提供することができる。
【0030】
なお、上述した電源システム40において、第3コンデンサ63を複数並列接続させたり、上記第3コンデンサ63と同様に第1コンデンサ61に並列接続させるコンデンサを1つ又は複数さらに設けても上記同様の効果が得られる。すなわち、電気回路におけるコンデンサの構成は、図3に示す構成に限定されない。また、コンデンサの種類についても上記電気二重層61a,62a,63aを備えた電気二重層コンデンサに限定されることなく、単板型、旋回型等、他種のコンデンサを用いても同様の効果が得られる。
【0031】
また、上述した本実施形態では、ポンプ用電動モータ33及び旋回モータ45から回生エネルギーを取得する例について説明したが、走行モータが電動モータの場合は、走行モータから回生エネルギーを取得するようにしてもよい。
【0032】
なお、上述した本実施形態においては、コントローラ44がインバータ43の制御、並びに第1スイッチ48及び第2スイッチ49のオン/オフの制御の両方を行う例について説明したが、インバータ43の制御を行うインバータ制御手段と、第1スイッチ48及び第2スイッチ49のオン/オフの切り替えを行うスイッチ切り替え部とを別体で設けてもよい。また、DC/DCコンバータ46は、理論的には省略することも可能ではあるが、電気回路における電圧を安定化させるため上記実施形態のように配設した方が好ましい。
【0033】
そして、本実施形態においては、メインバッテリ41及びサブバッテリ42を充電する手段として商用電源28及び充電器29を用いる例について説明したが、上記充電の手段としてはこれに限定されることはない。例えば、太陽光エネルギを電気エネルギに変換するソーラーパネルを車体に配置してソーラーパネルに充電させるようにしてもよいし、専用の発電機を使用してもよい。
【0034】
さらに、本実施形態においては、油圧ユニットを備えた機械の一例としてパワーショベル1を示したが、油圧ユニット30の構成が上記に限定されないとともに、適用対象の機械についてもパワーショベル1に限定されず、高所作業車、移動式クレーン、フォークリフト、ローダ等に対しても本発明を適用することは可能である。そして、建設機械以外の機械の油圧ユニット、更には、油圧ユニット以外の機器にも本発明に係る充電システムを適用させることができる。
【符号の説明】
【0035】
33 ポンプ用電動モータ(交流電動モータ)
40 電源システム(充電システム)
41 メインバッテリ(第1バッテリ)
42 サブバッテリ(第2バッテリ)
43 インバータ
44 コントローラ(スイッチ切り替え部)
45 旋回モータ(交流電動モータ)
46 DC/DCコンバータ
49 第2スイッチ(スイッチ)
61 第1コンデンサ(回生電力蓄電手段)
62 第2コンデンサ(回生電力蓄電手段)
63 第3コンデンサ(回生電力蓄電手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電力を出力する第1バッテリと、
前記第1バッテリからの電力供給を受けて充電可能な第2バッテリと、
前記第1バッテリからの直流電力を交流電力に変換して出力するインバータと、
前記インバータから出力される交流電力により駆動される交流電動モータと、
前記第2バッテリ及び前記交流電動モータに電気的に接続され、前記交流電動モータの駆動エネルギーを回生発電させ、前記回生発電させた電力を蓄電する回生電力蓄電手段と、
前記回生電力蓄電手段と前記第2バッテリとの電気的接続をオン/オフするスイッチと、
前記交流電動モータが駆動状態か停止状態であるかを判断し、前記判断結果に応じて前記スイッチのオン/オフの切り替えを行うスイッチ切り替え部とを備え、
前記スイッチ切り替え部が前記スイッチをオンにしたとき、前記回生電力蓄電手段に蓄電された電力が前記第2バッテリに充電されることを特徴とする充電システム。
【請求項2】
前記スイッチ切り替え部は、前記交流電動モータが駆動状態であると判断したときは前記スイッチをオフにし、前記交流電動モータが停止状態であると判断したときは前記スイッチをオンにする切り替えを行うことを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記第1バッテリ及び前記回生電力蓄電手段から出力される電力の変圧を行うDC/DCコンバータを備え、
前記DC/DCコンバータにより変圧された電力が前記第2バッテリに充電されることを特徴とする請求項1または2に記載の充電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−188553(P2011−188553A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−48221(P2010−48221)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(000150154)株式会社竹内製作所 (50)
【Fターム(参考)】