説明

光エネルギーのパターンを用いて皮膚を治療する方法と装置

皮膚病用装置は、多数の光源及び光路の結線を含む。各光源が、その接続された光路を介して光ビームを人間の皮膚の目標部分に送出することができる。皮膚病用装置は、又、多数の光ビームを不連続パターンで送出するように、光源を選択及び制御する制御装置と、目標部分の外面より下方に1.5mmまでに配置された多数の離散治療区域に、送出された光ビームのパワーを集中させる焦点調整部材とを含む。離散治療区域は、10μmから1000μmまでの範囲の寸法を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、光エネルギーを用いた生体組織の治療に関する。より詳しくは、本発明は、光エネルギーのパターンを用いて皮膚を治療する方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光エネルギーは、皮膚や他の生体組織の治療のための多くの有用な用途を有する。例えば、レーザーは、血管腫、ポートワイン母斑、しゅさ、表在性色素性発疹と小じわ等の皮膚状態を治療するのに使用される。
【0003】
現在の皮膚病用のレーザー方法及び装置は、典型的に、治療中に皮膚の相対的に大きく且つ連続的な領域を照射する。しかしながら、このような大領域の治療は、皮膚に過度の外傷を引起こすと共に、低色素沈着や白点等の合併症の発症につながる。更に、大領域の治療の現在の典型は、皮膚の正常な回復過程と治療領域への栄養分の流れを邪魔する結果、治療が遅くなると共に、壊死と瘢痕につながる。現在の方法と装置のいくつかは、皮膚の表面における過度の発熱と皮膚の表皮層へのその結果としての外傷を低減する試みとして、皮膚を冷却する複雑な冷却システムを設けることによって、これらの否定的な効果を解消するように試みてきた。
【0004】
しかしながら、このような冷却システムは、実行に複雑さを加えると共に、しばしばレーザーパワーを増大させる必要を生じ、又、望ましい又は均一なレベルの皮膚の冷却及び外傷低減をもたらさない場合がある。冷却の不均一性と増大するレーザーパワーの組合せは、皮膚の損傷のより大きな危険を招く。又、現在の手順で指定されているようにレーザーによって供給される流束量を調整することが、一般に、不適当なレベルの制御を提供すると共に、しばしば、過剰治療又は過少治療をもたらす。過剰治療は瘢痕を生じ、過少治療は、治療される皮膚状態の目につく改善が無いことに帰着する。変化は治療後の数週間又は数ヶ月間見えないので、過剰治療又は過少治療に関する重大な医療問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような背景に対して、ここに記載の方法と装置を開発する必要が生じた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの特に革新的な態様において、本発明は皮膚病用装置に向けられている。一実施の形態において、皮膚病用装置は、複数の光源及び光路の結線を備える。光源及び光路の結線の各光源が、その接続された光路を介して光ビームを人間の皮膚の目標部分に送出することができる。皮膚病用装置は、又、複数の光ビームを不連続パターンで送出するように、光源を選択及び制御する制御装置と、目標部分の外面より下方に1.5mmまでに配置された複数の離散治療区域に、送出された光ビームのパワーを集中させる焦点調整部材とを備える。離散治療区域は、10μmから1000μmまでの範囲の寸法を有する。
【0007】
別の実施の形態において、皮膚病用装置は、複数の光源及び光路の結線を備える。光源及び光路の結線の各光源が、その接続された光路を介して光ビームを人間の皮膚の外部に送出することができる。皮膚病用装置は、又、複数の光ビームを不連続パターンで送出するように、光源を選択及び制御する制御装置と、外部に分布された複数の離散穴を形成するように、送出された光ビームのパワーを外部に集中させる焦点調整部材とを備える。離散穴は、10μmから1000μmまでの範囲の寸法を有する。
【0008】
更に別の実施の形態において、皮膚病用装置は光送出システムを備える。光送出システムは、光源と、光源に光学的に連結された焦点調整部材とを含む。光源は、400nmから20,000nmまでの範囲の波長を有する光エネルギーを供給するように構成され、又、焦点調整部材は、不連続パターンの光エネルギーを皮膚の目標部分に指向させるように構成されている。
【0009】
他の実施の形態において、皮膚病用装置は光送出システムを備える。光送出システムは、光源と、光源に光学的に連結された焦点調整部材とを含む。焦点調整部材は、光源からの光エネルギーを皮膚の目標部分に指向させるように構成されている。焦点調整部材は、0.15から1.5までの範囲の開口数を有する光学レンズを含み、又、光学レンズが、光エネルギーを目標部分の皮膚層に集中させるように構成されている。
【0010】
更に他の実施の形態において、皮膚病用装置は、人間の手で操作されるように寸法設定されたハウジングと、ハウジング内に配置された光源と、ハウジングに連結された焦点調整部材とを備える。光源は、光エネルギーを供給するように構成される一方、焦点調整部材は、光エネルギーを皮膚の目標部分に指向させるように構成されて、目標部分内の複数の治療区域が光エネルギーにさらされる。治療区域が、目標部分内で互いに分離されている。
【0011】
もっと他の実施の形態において、皮膚病用装置は光送出システムを備える。光送出システムは、パターン状の光エネルギーを皮膚の目標部分に指向させて、目標部分内の複数の離散治療区域が光エネルギーにさらされるように構成されている。離散治療区域は、10μmから1000μmまでの範囲の寸法を有する。
【0012】
別の特に革新的な態様において、本発明は、人間の皮膚を治療する方法に向けられている。一実施の形態において、方法は、光エネルギーを供給するステップを備える。光エネルギーは、人間の皮膚の目標部分に対する皮膚病用効果を生じる光学的パラメータを有する。方法は、又、目標部分内の複数の離散治療区域が大略同時に光エネルギーにさらされるように、光エネルギーを目標部分に指向させるステップを備える。
【0013】
別の実施の形態において、方法は、光エネルギーを供給するステップと、目標部分の全体に分布された離散穴を形成するように、光エネルギーを人間の皮膚の外部に指向させるステップとを備える。離散穴は、10μmから1000μmまでの範囲の寸法を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施の形態は、合併症と治療時間を低減しつつより大きな効能で皮膚を治療するのに使用できる改良された皮膚病用の装置と方法を提供する。特に、本発明の実施の形態は、以下に限定されるものではないが、ざ瘡、母斑、過剰体毛、血管腫、肝斑、色素性発疹、しゅさ、瘢痕、入れ墨、血管状態、しわ等の広範な皮膚状態を治療するのに使用できる。皮膚状態の特定の例を上に挙げたが、本発明の実施の形態は、実際上いかなるタイプの皮膚状態を治療するのにも使用できる。
【0015】
図1は、本発明の一実施の形態にかかる皮膚病用装置100を示す。皮膚病用装置100は、光源104を含む光送出システム102を備える。光源104は、人間の皮膚等の皮膚の目標部分108に指向できる光エネルギーを供給するように機能する。本実施の形態では、光源104は、パルス波又は連続波であって干渉性又は非干渉性である1個以上の光ビームからなる光エネルギーを供給する。
【0016】
本実施の形態では、光源104は、少なくとも部分的に、1個以上のレーザー光源等の光源を使用して実施される。ある用途では、光源104は、1次元アレイ又は2次元アレイ等のアレイ状に配置され得る多数のレーザー光源を含むことが望ましい。レーザー光源は、目標部分108に対する望ましい皮膚病用効果を生じるように、光学流束量、パワー、タイミング、パルス持続時間、インターパルス持続時間、波長等の特定の光学パラメータを有する1個以上の光ビームを供給し得る。例えば、レーザー光源は、約600nmと4000nmの間のように約400nmと20,000nmの間の波長又は波長範囲を有する光ビームを供給し得る。目標部分108の皮膚層112の非切除の凝固のために、レーザー光源は、約1500nmの波長と、約0.1ジュール/cmと100ジュール/cmの間等の約0.001ジュール/cmと10,000ジュール/cmの間で皮膚の外面に入射する光学流束量を有する光ビームを供給する。ある用途では、光ビームのパルス持続時間は、目標部分108の焦点スポットの寸法の2乗に近似的に比例する、目標部分108に関連する熱拡散時定数以下に近似的になり得る。熱拡散時定数より長いパルス持続時間は、より非効率的であると共に、焦点スポットを熱拡散によって望ましくない程増大させる。
【0017】
レーザー光源の例は、以下に限定されるものではないが、ダイオードレーザー、ダイオードポンプ型ソリッドステートレーザー、Er:YAGレーザー、Nd:YAGレーザー、アルゴンーイオンレーザー、HeーNeレーザー、炭酸ガスレーザー、エキシマレーザー、ルビーレーザー等を含む。ある用途では、レーザー光源は、赤外線ダイオードレーザー等のダイオードレーザーであることが望ましい。しかしながら、光送出システム102における特定の型式のレーザー光源の選択は、皮膚病用装置100を使用して治療すべき皮膚状態の型式に依存することを理解すべきである。光源104は、1個以上の波長を供給できる特定の型式のレーザー光源を含む。別のやり方として、光源104は、種々の異なる波長又は波長範囲を供給するように、2個以上の異なる形式のレーザー光源を含む。異なるレーザー光源からの光ビームを、1個ずつ又は同時に目標部分108に指向させることができる。
【0018】
図1において、光送出システム102は、又、光源104に光学的に連結された焦点調整部材106を含む。焦点調整部材106は、光源104からの光エネルギーを目標部分108に指向させるように機能する。本実施の形態では、焦点調整部材106は、光エネルギーのパワーを目標部分108内の1個以上の治療区域に光エネルギーのパワーを集中させることによって、光エネルギーを目標部分108に指向させる。多数の治療区域が、同時に又は順に光エネルギーにさらされることが望ましい。多数の治療区域は、離散治療区域を形成するように互いに分離され得る。別の又は追加のやり方として、多数の治療区域は互いに交差又は重なり合うことができる。
【0019】
本実施の形態では、焦点調整部材106は、不連続又は極微のパターン等のパターンで光エネルギーを指向させるので、1個以上の治療区域が光エネルギーにさらされる。光エネルギーのパターンの使用は、光エネルギーにさらされる目標部分108の割合の制御を可能とすることにより、治療のより大きな効能を供給する。異なるパターンは、露光の各種の異なる割合を供給することができ、特定のパターンを、治療すべき皮膚状態の型式に基づいて選択することができる。例えば、肝斑又は深在性色素性発疹等の傷つきやすい皮膚状態の場合、光エネルギーのパターンの使用は、多数の治療区域における効果的な治療レベルを許容する。同時に、光エネルギーにさらされる目標部分108の割合を制御することによって、痛み、免疫系反応、外傷及び他の合併症を低減することができる。健康で大略損傷を受けていない細胞の近くに治療区域を持ってくることによって、回復過程の輻輳又は減損の可能性が低減されるので、目標部分108の治療がより早くなる。光エネルギーのパターンの使用は、又、個々の治療をより軽く且つ患者に対する危険をより低くすることにより、十分な望ましい効果を奏するのに必要である多数の治療を容易にすることができる。更に、個々の治療区域が、皮膚自身の通常の可視組織又は構成要素以下の程度である治療パターンを使用することにより、治療の視覚印象を低減することができる。
【0020】
図2、図3と図4は、皮膚を治療するの使用される光エネルギーのパターンの各種の例を示す。特に、図2、図3と図4は、夫々、光エネルギーの異なるパターンが指向される目標部分200、300と400の平面図を示す。
【0021】
図2において、目標部分200内の治療区域202、204と206等の多数の治療区域が光エネルギーにさらされるように、光エネルギーが「ドットパターン」で目標部分200に指向される。図2の平面図から理解されるように、治療区域は、一般に円形であると共に、約50μmと500μmの間等の約10μmと1000μmの間の寸法を有する。図2に示すように、治療区域は、互いに分離されていると共に、仮想格子の交点におけるように大略規則的に目標部分200の全体に分布されている。本例では、治療区域202と204のような2個の隣合う治療区域が、約100μmと1000μmの間等の約30μmと2000μmの間の距離だけ離隔されている。光エネルギーにさらされる目標部分200の割合は、充填率、即ち、図2の平面図から理解されるように治療区域によって占められる目標部分200の面積の割合を使用することによって測定することができる。一般に、充填率は、0から1までの範囲の任意の数である。ある用途では、充填率は、典型的に、約0.1と0.5の間のように約0.05と0.95の間の範囲にわたる。
【0022】
治療すべき特定の皮膚状態に依存して、治療区域に関する形状、寸法、分布又は充填率は、光エネルギーのパターンを調整することによって、図2に示すものから変更することができる。治療区域は、限定されるものではないが例として、円形、半円形、ひし形、6角形、マルチローバル、8角形、卵形、5角形、長方形、正方形、星形、3角形、台形、くさび形等の各種の規則的又は不規則な形状で形成し得る。一般に、治療区域は、同じ又は異なる形状又は寸法を有する。治療区域は、均一又は不均一に、且つ、規則的に又は不規則に離隔した間隔で目標部分200の全体に分布されてもよい。例えば、図2に示す治療区域の大略規則的な分布の代りに、治療区域を目標部分200の全体に不規則に分布することが考えられる。又、縁部が目に付くことを低減すると共に、治療の隣接領域を重ね合わせる時により均一な結果を得る「接ぎ目ぼかし効果」を生じるために、目標部分200の縁部において又は目標部分200の縁部の近傍で、治療区域をよりまばらに分布することが考えられる。これは、背景と隣接ブラシストロークとの混合外観を生じるエアブラシに類似している。更に、治療区域を目標部分200の全体に円弧状、円形状、直線状、らせん状またはこれらの組合せで分布することが考えられる。
【0023】
次に、図3において、目標部分300内の治療区域302、304と306等の多数の治療区域が光エネルギーにさらされるように、光エネルギーが「ラインパターン」で目標部分300に指向される。図3の平面図から理解されるように、治療区域は、大体細長いと共に、約10μmと1000μmの幅と約1mmと30mmの間の長さを有する。治療区域は大略規則的に互いに離隔しており、治療区域302と304等の隣合う治療区域は、約100μmと1000μmの間等の約30μmと2000μmの間の距離だけ離隔している。上記したのと同様に、光エネルギーにさらされる目標部分300の割合は充填率を使用して測定することができる。治療すべき特定の皮膚状態に応じて、治療区域に関する形状、幅、長さ、分布又は充填率は、光エネルギーのパターンを調整することにより図3に示すものから変更できる。例えば、図3に示す大体直線状の治療区域の代りに、1個以上の治療区域を円弧状、円形状又はらせん状に形成することが考えられる。一般に、治療区域は、同じ又は異なる形状、幅又は長さを有してもよいと共に、均一又は不均一に、且つ、規則的に又は不規則に離隔した間隔で目標部分300の全体に分布されてもよい。
【0024】
図4に示すように、目標部分400内の治療区域402、404、406と408等の多数の交差治療区域が光エネルギーにさらされるように、光エネルギーが「チェックパターン」で目標部分400に指向される。図4の平面図から理解されるように、治療区域は、大体細長いと共に、ある角度で第2組の治療区域と交差する第1組の治療区域を含む。本例では、治療区域は、図3に示す治療区域に類似した幅、長さと間隔を有する。治療すべき特定の皮膚状態に応じて、治療区域に関する形状、幅、長さ、分布又は充填率は、光エネルギーのパターンを調整することにより図4に示すものから変更できる。例えば、治療区域の分布を図4に示すものから変更するために、十字形パターンや蜂の巣状パターンを目標部分400に指向させることができる。
【0025】
図1に戻って、1個以上の光ビームのパワーを目標部分108内の1個以上の治療区域に集中させるように、焦点調整部材106を、少なくとも部分的に、ミラー、光学レンズ、光学ウインドウ等の1個以上の光学部材を使用して実施することができる。皮膚病用装置100を広範な皮膚状態を治療するのに使用することが考えられるので、焦点調整部材106を、目標部分108の表皮層110又は皮膚層112等の目標部分108内の実際上任意の領域や組織に1個以上の光ビームを集中させるのに使用できることを理解すべきである。
【0026】
図1に示すように、皮膚病用装置100は、又、制御装置114を含む。制御装置114は、有線又は無線通信チャネルを介して光送出システム102に電子的に連結されると共に、光源104、焦点調整部材106又は両方を含む光送出システム102の運転を制御するように機能する。一例として、制御装置114は、光源104の1個以上のレーザー光源を作動し得ると共に、作動されたレーザー光源に関連する各種の光学パラメータを制御し得る。別の例として、制御装置114は、目標部分108に指向される光エネルギーのパターンを制御又は調整するように、焦点調整部材106を制御し得る。焦点調整部材106は、例えば、電気モータ又は光学部材を位置決めし得る他のどんな装置を介して、制御装置114によって制御される。1台の光送出システム102が制御装置114に連結するように図示されているが、多数の光送出システムを、制御装置114に連結して制御装置114によって制御することが考えられる。
【0027】
本実施の形態では、制御装置114は、少なくとも部分的に、(1)例えば、プログラマブルゲートアレイとして構成される専用ハードウエア又はロジック素子、(2)例えば、インテル社から得られる典型的なマイクロプロセッサや中央処理装置又は(3)任意の典型的なパソコン、ウェブ機器や携帯情報端末装置を使用して実施される。ある用途では、制御装置114は、光源104につながれて光源104を駆動するレーザー駆動装置と、ユーザーが制御装置114をプログラムできるようにするためのユーザーインターフェースを含んでもよい。
【0028】
次に、図5において、本発明の別の実施の形態にかかる皮膚病用装置500が示される。皮膚病用装置500は、光源504を含む光送出システム502を備える。光源504は、皮膚の目標部分508に指向される光エネルギーを供給するように機能すると共に、光源104の説明と同様に実施される。
【0029】
図5に示すように、光送出システム502は、又、光源504に連結された走査部材516を含む。走査部材516は、光源504からの光エネルギーを目標部分508の全体で走査するように機能する。本実施の形態では、走査部材516は、光源504に光学的に連結されていると共に、光エネルギーが不連続パターン等のパターンで目標部分508内の1個以上の治療区域に指向されるように、光エネルギーを目標部分508の全体で走査する。特に、多数の治療区域が順に光エネルギーにさらされるように、走査部材516は、1個以上の光ビームを目標部分508の全体で走査し得る。本実施の形態では、走査部材516は、少なくとも部分的に、1次元スキャナーや2次元スキャナー等のスキャナーを使用して実施される。
【0030】
図5において、光送出システム502は、更に、走査部材516に光学的に連結された焦点調整部材506を含む。焦点調整部材506は、光エネルギーのパワーを目標部分508内の1個以上の治療区域に集中させることにより、光エネルギーを目標部分508に指向させるように機能する。焦点調整部材506は、焦点調整部材106について説明したのと同様に実施される。焦点調整部材506を、目標部分508の表皮層510又は皮膚層512等の目標部分508内の実際上任意の領域や組織に1個以上の光ビームを集中させるのに使用できることを理解すべきである。走査部材516と焦点調整部材506は、図5で別個に示されているが、走査部材516と焦点調整部材506を走査/焦点調整部材として組合せて実施することが考えられる。
【0031】
本実施の形態では、光送出システム502は、目標部分508を変形させるように機能する皮膚変形部材518を更に含む。一例として、皮膚変形部材518は、目標部分508を大略平坦に、大略凹状に又は大略凸状に変形させ得る。このように目標部分508を変形させることによって、皮膚変形部材518は、より滑らかな治療表面を提供すると共に、光エネルギーの目標部分508への送出についてより優れた精度と制御をもたらす。皮膚変形部材518は、目標部分508に圧力を印加するように機能することが望ましい。圧力の印加は、目標部分508を圧縮すると共に光学的吸収性間質性流体を目標部分508から取り除くように働くことにより、光エネルギーの目標部分508への透過度をより大きくする。
【0032】
本実施の形態では、皮膚変形部材518は、目標部分508を変形させるように、皮膚接触部材、真空系又は皮膚伸長部材等の1個以上の構造物を使用して少なくとも部分的に実施される。焦点調整部材506と皮膚変形部材518は図5で別個に示されているが、焦点調整部材506と皮膚変形部材518を焦点調整/皮膚変形部材として組合せて実施することが考えられる。例えば、焦点調整部材506は皮膚病用装置500の一部を形成するので、焦点調整部材506を焦点調整と皮膚変形の両方に使用することは、皮膚病用装置500の部品の個数を減少させる。
【0033】
図5において、皮膚病用装置500は、又、制御装置514を含む。制御装置514は、有線又は無線通信チャネルを介して光送出システム502に電子的に連結されると共に、光源504、走査部材516、焦点調整部材506、皮膚変形部材518又はこれらの組合せを含む光送出システム502の運転を制御するように機能する。一例として、制御装置514は、目標部分508に指向される光エネルギーのパターンを制御又は調整するために、走査部材516を制御し得る。本実施の形態で、制御装置514は、制御装置114について説明したのと同様に実施される。
【0034】
図5に示すように、本実施形態の光送出システム502は、目標部分508に対する光送出システム502の運動と位置のいずれか又は両方を検出するように機能する検知素子520を含む。特に、検知素子520は、目標部分508に指向される光エネルギーのパターンの大略リアルタイムの制御を可能とするように、運動データと位置データのいずれか又は両方を制御装置514に供給することができる。特に、検知素子520によって供給される運動データは、目標部分508に対する光送出システム502の運動を償うか又は補償するように、制御装置514が光送出システム502の運転を適当に制御することを可能にする。例えば、このような運動データに基づいて、制御装置514は、目標部分508に指向される光エネルギーのパターンの無欠性と大体の均一性を確保するように、光源504又は走査部材516を制御することができる。本実施の形態で、検知素子520は、少なくとも部分的に、機械的マウス又は光学マウス等の運動又は位置の検出器を使用して実施される。
【0035】
次に、本発明の一実施の形態にかかる光送出システム600を示す図6を注目する。光送出システム600は、人間の手で操作されるように寸法設定されたハウジング602を含む。特に、ハウジング602は、光送出システム600が人間の皮膚の目標部分612を、例えば、矢印Aの方向に沿って手動で走査するのを可能にする寸法である。図6において、目標部分612は、表示の容易さのために拡大して図示されていることを理解すべきである。
【0036】
光源604と焦点調整部材606が、ハウジング602内に配置されていると共にハウジング602に連結されている。光源604は、ケーブル616を介して制御装置(不図示)に接続され得る。本実施の形態において、光源604は、望ましくはアナモルフィック光源であると共に、赤外線ダイオードレーザー等のダイオードレーザーを使用して実施される。更に詳しくは、ダイオードレーザーは、図6の平面に垂直な方向等の矢印Aに大略垂直な方向に沿って拡大される大略均一な光ビームを提供し得るリニア・アレイ・ダイオードレーザーであることが望ましい。光エネルギーのパルス状又は断続的な印加と共に光送出システム600を手動で走査することにより、光エネルギーの「ラインパターン」を目標部分612に指向させることができる。又、矢印Aに対しある角度をなす方向に沿って光送出システム600を手動で再走査することにより、光エネルギーの「チェックパターン」を目標部分612に指向させることができる。
【0037】
1個のダイオードレーザーが図6に示されているが、光送出システム600は、1次元アレイや2次元アレイ等のアレイ状に配置された多数のダイオードアレイを含むことが考えられる。例えば、1次元アレイの場合、光送出システム600は、「ドットパターン」の光エネルギーが目標部分612に指向されるように、光エネルギーのパルス状又は断続的な印加と共に手動で走査され得る。光送出システム600が、光源604からの1個以上の光ビームを目標部分612の全体で走査する走査部材を含むことも考えられる。例えば、1次元スキャナーの場合、光送出システム600は、「ドットパターン」又は「ラインパターン」の光エネルギーが目標部分612に指向されるように、スキャナーの操作と共に手動で走査され得る。光源604はハウジング602内に配置されるように図示されているが、光源604は、ほかの場所に配置されたり、例えば、光学導波管や1本以上の光ファイバーを包含する光ファイバーケーブルを介して焦点調整部材606に光学的に連結されることが考えられる。
【0038】
図6において、焦点調整部材606は、光源604からの光エネルギーを光学ウインドウ622を介して目標部分612に指向させるように機能する。光学的接触、屈折率整合と気楽さのために、材料層を目標部分612に貼付することが望ましい。本実施の形態において、焦点調整部材606は、第1光学レンズ608と第2光学レンズ610を含む。しかしながら、当業者は、焦点調整部材606が、光エネルギーを目標部分612に指向させる他の光学部材(不図示)を含み得ることを認識するだろう。第1光学レンズ608は、光源604からの光ビームを調整及びコリメートするように機能する。第1光学レンズ608は、例えば、大略平凸な円筒形の非球面光学レンズを使用して実施される。
【0039】
第2光学レンズ610は、コリメート光ビームのパワーを治療区域614等の治療区域に集中させるように機能する。本実施の形態では、第2光学レンズ610は、約0.5と1の間等の約0.15と1.5の間の開口数を有すると共に、例えば、大略平凸な円筒形の光学レンズを使用して実施される。本実施の形態では、第2光学レンズ610が、適当なパワーを有する光ビームを、目標部分612の表皮層618を損傷することを大略避けつつ、目標部分612の皮膚層620内の治療区域に集中させる。特に、特に、表皮層618における光学流束量と誘起温度上昇は、皮膚層620内等の目標部分612内のより深い焦点面における光学流束量と誘起温度上昇よりかなり低くなり得る。図6に示すように、第2光学レンズ610は、互いに分離されていると共に少なくとも1次元に沿う尺度が相対的に小さい又は極微の治療区域に、光ビームのパワーを集中させる。このような実施は、治療区域を囲む組織及び治療区域に到達する前に光ビームが透過する組織に対する外傷を低減しつつ、より大きな治療の効能をもたらす。更に、個々の治療区域は皮膚自身の通常の可視組織又は構成要素以下の程度であるので、このような実施は治療の可視印象を低減する。
【0040】
本実施の形態において、治療区域は、皮膚の外面より下約0.15mmと1mmの間等、外面より下約1.5mmまで配置し得る。治療区域は目標部分612の皮膚層620内に示されているが、光ビームを目標部分612内の実際上どの領域や組織にも集中させるように焦点調整部材606を使用することが考えられる。例えば、焦点調整部材606は、外面切除処置等の皮膚の表面再建治療用に、目標部分612の外面に又は該外面の近くに光ビームを集中させるのに使用してもよい。約1400nmと14,000nmの間、典型的に、約1400nmと3400nmの間等の高い組織吸収と低い透過深さを有する波長又は波長範囲を使用することが望ましい。組織吸収は波長と共に変動して、ある用途では、波長又は波長範囲は、1450nmにおいて又はその近く及び2500nmより上等の組織吸収が最高であるように選択されることが望ましい。皮膚は約70%が水分であり、水分吸収曲線は、治療用に望ましい波長又は波長範囲を決めるのに有用な基準となり得る。例えば、低い組織吸収と高い透過深さを有する第1の波長又は波長範囲と、高い組織吸収と低い透過深さを有する第2の波長又は波長範囲等の2個以上の異なる波長又は波長範囲を使用することが考えられる。一例として、第1の波長又は波長範囲を有する光ビームを、予備加熱効果を生じると共に目標部分612の皮膚層620まで下方に組織の凝固をもたらすように、目標部分612に指向させることができ、第2の波長又は波長範囲を有する光ビームを、表皮層618の外面切除をするように、目標部分612に指向させることができる。
【0041】
皮膚の表面再建治療のために、1個以上の穴を、光ビームにさらされる位置において目標部分612の外面に形成してもよい。多数の穴が、約10μmと300μmの間等の約10μmと1000μmの間の深さで形成される。ある用途では、穴は、約50μmと500μmの間等の約10μmと1000μmの間の寸法で形成されることが望ましい。多数の穴は、離散穴を形成するように、互いに分離され得る。別のやり方として又は共に、多数の穴は互いに交差又は重なり合うことができる。特定の治療レベルと使用される波長に応じて、熱的に変性させた組織の1個以上の区域を1個以上の穴の代りに又はその穴と共に形成し、その変性させた組織は、上記したのと類似の皮膚の表面再建効果を得るように、後で分離又は人体によって吸収される。特に、望ましい結果は、変性させた組織を新鮮な組織で置換することと、皮膚の質、外観と若々しい特性を改良する新しいコラーゲンと他の有益な蛋白質の関連する刺激とである。
【0042】
図6に示されていないが、光送出システム600が、目標部分612に対する光送出システム600の運動と位置のいずれか又は両方を検出するように機能する検知素子を含むことが考えられる。例えば、検知素子は、光エネルギーが制御状態で目標部分612に指向されるように、光送出システム600が目標部分612の全体で手動で走査される時に、光送出システム600の運動を検出する。特に、検知素子が供給する運動データにより、適当にプログラムされた制御装置が、目標部分612に指向される光エネルギーのパターンの無欠性と大体の均一性を確保するように、タイミング等の1個以上の光学パラメータを変更できる。
【0043】
図7において、本発明の別の実施の形態にかかる光送出システム700が図示されている。光送出システム700は、光源704と、光源704に光学的に連結された焦点調整部材706とを含む。本実施の形態では、光源704は、アレイ状に配置された多数の光源702A、702B、702C、702Dと702Eを含む。光源702A〜702Eは、1個の特定の型式のレーザー光源又は2個以上の異なる型式のレーザー光源を含む。図7には5個の光源702A〜702Eが示されているが、より多くの又はより少ない光源を特定の用途に応じて使用することが考えられる。
【0044】
本実施の形態では、図7に示すように、光源702A〜702Eが、光路708A、708B、708C、708Dと708Eに1対1で接続される。この実施のために、光源702A〜702Eの各々は、光ビームを自身の光路を介して人間の皮膚の目標部分710に送出することができる。光源702A〜702Eは、1対1で光路708A〜708Eに接続されるので、光エネルギーのパターンを目標部分710に供給及び送出することができる。このようなパターンを得るために、制御装置(不図示)が、1個以上の光源702A〜702Eを選択及び作動すると共に、作動された光源と関連する各種の光学パラメータを制御するように、光源702A〜702Eに電子的に接続され得る。本実施の形態において、光路708A〜708Eは、シングルモードファイバー直径から約1mmまでの範囲の直径を有する光ファイバーであることが望ましい。しかしながら、光路708A〜708Eは、光ファイバーに制限されるものではなく、例えば、どんな型式の導波管でもよいことが考えられる。ミラーや光学レンズ等の光学素子を本実施の形態の状況内で用いて、光路708A〜708Eの機能性を供給することも考えられる。
【0045】
図7において、焦点調整部材706は、光路708A〜708Eを介して送出される光ビームのパワーを目標部分710内の多数の治療区域712A、712B、712C、712Dと712Eに集中させるように機能する。本実施の形態において、治療区域712A〜712Eは、約50μmと500μmの間等の約10μmと1000μmの間の寸法を有すると共に、離散治療区域を形成するように互いに分離されていることが好ましい。治療区域712A〜712Eは、皮膚の外面より約0.15mmと1mmの間で下方等の外面より約1.5mmまで下方に配置させることができる。ある用途では、例えば、光路708A〜708Eを焦点調整部材706に対して異なる位置に配置することにより、異なる治療区域を皮膚の外面より下方に異なる深さに配置することができる。治療区域712A〜712Eは目標部分710の皮膚層716内に図示されているが、焦点調整部材706は、目標部分710の表皮層714等の目標部分710内の実際上任意の領域や組織に1個以上の光ビームを集中させるのに使用されることが考えられる。焦点調整部材706を、図6に関して説明したのと同様に、外面切除処置等の皮膚の表面再建治療用に、目標部分710の外面に又は該外面の近くに光ビームを集中させるのに使用することが考えられる。
【0046】
図7は、焦点調整部材706が1個の光学レンズを含むように示すが、当業者は、焦点調整部材706が、光エネルギーを目標部分710に指向させる他の光学部材(不図示)を含むことを認識するだろう。例えば、焦点調整部材706が2個以上の光学レンズを含むことが考えられる。例えば、2mm直径光学レンズから2インチ直径光学レンズまでの範囲の異なる光学レンズ寸法が使用される。ある用途では、焦点調整部材706は、光路708A〜708Eの各々のための個々の光学部材(不図示)で伸長させ得る。
【0047】
上述した本発明の特定の実施の形態は一例として挙げたものであって、本発明は、各種の他の実施の形態を含むことを理解すべきである。
例えば、皮膚病用装置のいくつかの実施の形態は、観察装置、記録装置、表示装置又はこれらの組合せを含む。観察装置は、ユーザーが皮膚の目標部分を観察することを可能にすると共に、例えば、光送出システムに連結又は光送出システム内に含まれる観察ウインドウを使用して実施される。記録装置は、目標部分からの反射光を記録するように機能すると共に、赤外線又は可視スペクトル内の反射を記録するように、例えば、カメラ又は電荷結合素子(CCD)イメージャを使用して実施される。一旦赤外線又は可視反射が記録されると、記録された反射は、制御装置によって処理されると共に、表示装置を使用して赤外線又は可視データとして表示され得る。表示装置は、例えば、コンピュータスクリーン、フラットパネル表示装置、携帯情報端末又はデータを表示できる無線通信装置を使用して実施される。
【0048】
皮膚病用装置のいくつかの実施の形態は、皮膚を治療するために光エネルギーのパターンを大略リアルタイムで目標設定するように、適当にプログラムされた制御装置にデータを供給するように機能する検知素子を含む。特に、このような実施の形態は、正常な皮膚と治療を必要とする皮膚とを識別することにより、治療を必要とする極微の近傍の組織を治療しつつ、正常な皮膚に不必要な外傷を負わせないように、色や他の検出可能な光学的性質を使用して皮膚を自動的に治療することができることが考えられる。検知素子は、例えば、その開示内容の全体が本明細書に参考として組込まれた「レーザーによる皮膚状態の自動的な色作動式走査治療」と題するブラック(Black)による米国特許第5,531,740号明細書に記載された色識別検出器を使用して実施される。
【0049】
別の例として、皮膚病用装置のいくつかの実施の形態は冷却装置を含む。冷却装置は、治療の前、間又は後に皮膚の目標部分の温度を動的又は静的に制御するように機能し得ると共に、例えば、流体送出装置又は低温皮膚接触要素を使用して実施される。
【0050】
更に別の例として、本発明のいくつかの実施の形態は、光エネルギーのパターンを使用した広範な生体組織の治療に関する。特に、皮膚の表皮層に対応する上皮保護層を有する生体組織を、本明細書で記載したのと同様に治療してもよい。例えば、光エネルギーのパターンを、いびき及び睡眠時呼吸停止の治療のために軟口蓋に印加してもよい。
【0051】
以下の例は、当業者に本発明の記載を説明及び提供するように、本発明の特定の態様を記載する。その例は、本発明を限定するものと解釈されるべきでなく、本発明を理解及び実施するのに有用な特定の方法を単に挙げる例として解釈されるべきである。
【0052】
(例)
インビトロ皮膚(サンプル寸法=4mm×6mm)が、反射防止コーティングをしたガラス板の隣に配置され、小さな錘で軽く押圧された。レーザー光源からの光エネルギー(波長=1500nm、パルス持続時間=10ms、パルスパワー=100mW)が、光ファイバーを使用して送出され、次に、ビームコリメータとフォーカシング対物レンズ(開口数=0.53)を使用して、ガラス板を介して皮膚内に集中された。光エネルギーにさらされる治療区域の深さは、フォーカシング対物レンズとガラス板の間の距離を調整することにより、皮膚の外面より下方約500μmと700μmの間で変動させることができた。透明ローションが、ガラス板と皮膚の間の屈折率整合材料として使用された。このローションは、又、皮膚の湿り気を保つのを助けると共に、治療区域から散逸する過度の熱エネルギーの伝導を改良した。単一のレーザーパルスが各治療区域に指向され、このようにして、皮膚内の各種の治療区域が光エネルギーにさらされた。治療区域は、矩形の格子の交点に配置されると共に、約500μmの距離だけ離隔された。治療区域は、大体細長いと共に、約200μmの幅を有した。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる皮膚病用装置のブロック図である。
【図2】人間の皮膚の目標部分に指向される光エネルギーのパターンの一例を示す。
【図3】人間の皮膚の目標部分に指向される光エネルギーのパターンの別の例を示す。
【図4】人間の皮膚の目標部分に指向される光エネルギーのパターンの更に別の例を示す。
【図5】本発明の別の実施の形態にかかる皮膚病用装置のブロック図である。
【図6】本発明の一実施の形態にかかる光送出システムを示す。
【図7】本発明の別の実施の形態にかかる光送出システムを示す。
【符号の説明】
【0054】
100 皮膚病用装置
102 光送出システム
104 光源
106 焦点調整部材
108 目標部分
110 表皮層
112 皮膚層
114 制御装置
500 皮膚病用装置
502 光送出システム
504 光源
506 焦点調整部材
514 制御装置
516 走査部材
518 皮膚変形部材
520 検知素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源及び光路の結線と、複数の光ビームを不連続パターンで送出するように、前記光源を選択及び制御する制御装置と、送出された光ビームのパワーを複数の離散治療区域に集中させる焦点調整部材とを備える皮膚病用装置において、
前記光源及び光路の結線の各光源が、その接続された光路を介して光ビームを人間の皮膚の目標部分に送出することができ、又、離散治療区域が、目標部分の外面より下方に1.5mmまでに配置されると共に、10μmから1000μmまでの範囲の寸法を有する皮膚病用装置。
【請求項2】
離散治療区域が50μmから500μmまでの範囲の寸法を有する請求項1に記載の皮膚病用装置。
【請求項3】
離散治療区域が目標部分の皮膚層内に配置された請求項1に記載の皮膚病用装置。
【請求項4】
焦点調整部材が、目標部分の表皮層の損傷を大略防止しながら、送出された光ビームのパワーを離散治療区域に集中させる請求項3に記載の皮膚病用装置。
【請求項5】
複数の光源及び光路の結線と、複数の光ビームを不連続パターンで送出するように、前記光源を選択及び制御する制御装置と、焦点調整部材とを備える皮膚病用装置において、
前記光源及び光路の結線の各光源が、その接続された光路を介して光ビームを人間の皮膚の外部に送出することができ、又、焦点調整部材が、前記外部に分布された複数の離散穴を形成するように、送出された光ビームのパワーを前記外部に集中させ、更に、離散穴が10μmから1000μmまでの範囲の寸法を有する皮膚病用装置。
【請求項6】
離散穴が50μmから500μmまでの範囲の寸法を有する請求項5に記載の皮膚病用装置。
【請求項7】
離散穴が10μmから1000μmまでの範囲の深さを有する請求項5に記載の皮膚病用装置。
【請求項8】
離散穴が、0.1から0.5までの範囲の充填率で前記外部に分布される請求項5に記載の皮膚病用装置。
【請求項9】
光送出システムを備える皮膚病用装置において、
光送出システムが、400nmから20,000nmまでの範囲の波長を有する光エネルギーを供給するように構成された光源と、光源に光学的に連結されていると共に、不連続パターンの光エネルギーを皮膚の目標部分に指向させるように構成された焦点調整部材とを含む皮膚病用装置。
【請求項10】
光送出システムが、更に、人間の手で操作されるように寸法設定されたハウジングを備え、又、光源と焦点調整部材がハウジング内に配置された請求項9に記載の皮膚病用装置。
【請求項11】
光源が、複数のレーザー光源を含む請求項9に記載の皮膚病用装置。
【請求項12】
目標部分内の複数の離散治療区域が光エネルギーにさらされるように、焦点調整部材が、不連続パターンの光エネルギーを目標部分に指向させるように構成された請求項9に記載の皮膚病用装置。
【請求項13】
離散治療区域が10μmから1000μmまでの範囲の寸法を有する請求項12に記載の皮膚病用装置。
【請求項14】
離散治療区域が、目標部分の表皮層と皮膚層の少なくとも一方内に配置された請求項12に記載の皮膚病用装置。
【請求項15】
焦点調整部材が、ドットパターンとラインパターンの一方で光エネルギーを目標部分に指向させるように構成された請求項9に記載の皮膚病用装置。
【請求項16】
焦点調整部材が、複数の光ビームの形で光エネルギーを目標部分に指向させるように構成された請求項9に記載の皮膚病用装置。
【請求項17】
光送出システムが、更に、光源及び焦点調整部材に光学的に連結された走査部材を含み、又、走査部材が、目標部分の全体で光エネルギーを走査するように構成された請求項9に記載の皮膚病用装置。
【請求項18】
光送出システムを備える皮膚病用装置において、
光送出システムが、光源と、光源に光学的に連結されていると共に、光源からの光エネルギーを皮膚の目標部分に指向させるように構成された焦点調整部材とを含み、又、焦点調整部材が、0.15から1.5までの範囲の開口数を有する光学レンズを含み、更に、光学レンズが、光エネルギーを目標部分の皮膚層に集中させるように構成された皮膚病用装置。
【請求項19】
光送出システムを制御するように、光送出システムに電子的に連結された制御装置を更に備える請求項18に記載の皮膚病用装置。
【請求項20】
光源が、少なくとも1個のレーザー光源を含む請求項18に記載の皮膚病用装置。
【請求項21】
光源が、400nmから20,000nmまでの範囲の波長を有する光エネルギーを供給するように構成された請求項18に記載の皮膚病用装置。
【請求項22】
光学レンズが、目標部分の表皮層の損傷を大略防止しながら、光エネルギーを目標部分の皮膚層内の治療区域に集中させるように構成された請求項18に記載の皮膚病用装置。
【請求項23】
治療区域が10μmから1000μmまでの範囲の寸法を有する請求項22に記載の皮膚病用装置。
【請求項24】
治療区域が、目標部分の外面より下方へ0.15mmから1mmまでの範囲に配置された請求項22に記載の皮膚病用装置。
【請求項25】
治療区域が大略円形である請求項22に記載の皮膚病用装置。
【請求項26】
治療区域が細長い請求項22に記載の皮膚病用装置。
【請求項27】
人間の手で操作されるように寸法設定されたハウジングと、ハウジング内に配置されていると共に、光エネルギーを供給するように構成された光源と、ハウジングに連結された焦点調整部材とを備える皮膚病用装置において、
焦点調整部材は、光エネルギーを皮膚の目標部分に指向させるように構成されて、目標部分内の複数の治療区域が光エネルギーにさらされ、又、治療区域が、目標部分内で互いに分離されている皮膚病用装置。
【請求項28】
光源に電子的に連結されていると共に、光エネルギーを供給するように光源を制御するように構成された制御装置を更に備える請求項27に記載の皮膚病用装置。
【請求項29】
ハウジングに連結されていると共に、目標部分を変形させるように構成された皮膚変形部材を更に備える請求項27に記載の皮膚病用装置。
【請求項30】
光源が、600nmから4000nmまでの範囲の波長を有する光エネルギーを供給するように構成された請求項27に記載の皮膚病用装置。
【請求項31】
光源が少なくとも1個のダイオードレーザーを含む請求項27に記載の皮膚病用装置。
【請求項32】
治療区域が大略同時に光エネルギーにさらされるように、焦点調整部材が、光エネルギーを目標部分に指向させるように構成された請求項27に記載の皮膚病用装置。
【請求項33】
治療区域が順に光エネルギーにさらされるように、焦点調整部材が、光エネルギーを目標部分に指向させるように構成された請求項27に記載の皮膚病用装置。
【請求項34】
焦点調整部材が少なくとも1個の光学レンズを含み、又、光学レンズが、目標部分の外面より下方に1.5mmまでに光エネルギーを集中させるように構成された請求項27に記載の皮膚病用装置。
【請求項35】
焦点調整部材が、0.15から1.5までの範囲の開口数を有する少なくとも1個の円柱レンズを含む請求項27に記載の皮膚病用装置。
【請求項36】
治療区域が目標部分の全体に大略均一に分布された請求項27に記載の皮膚病用装置。
【請求項37】
治療区域が50μmから500μmまでの範囲の寸法を有する請求項27に記載の皮膚病用装置。
【請求項38】
光送出システムを備える皮膚病用装置において、
光送出システムが、パターン状の光エネルギーを皮膚の目標部分に指向させて、目標部分内の複数の離散治療区域が光エネルギーにさらされるように構成され、又、離散治療区域が、10μmから1000μmまでの範囲の寸法を有する皮膚病用装置。
【請求項39】
光送出システムが、光エネルギーを目標部分の外面より下方に1.5mmまでに指向させるように構成された焦点調整部材を含む請求項38に記載の皮膚病用装置。
【請求項40】
光送出システムが、焦点調整部材に光学的に連結された光源を更に備え、又、光源が、400nmから20,000nmまでの範囲の波長を有する光エネルギーを供給するように構成された請求項39に記載の皮膚病用装置。
【請求項41】
人間の皮膚を治療する方法において、
人間の皮膚の目標部分に対する皮膚病用効果を生じる光学的パラメータを有する光エネルギーを供給するステップと、目標部分内の複数の離散治療区域が大略同時に光エネルギーにさらされるように、光エネルギーを目標部分に指向させるステップとを備える方法。
【請求項42】
複数の離散治療区域の中の2個の隣合う離散治療区域が、100μmから1000μmまでの範囲の距離だけ分離されている請求項41に記載の方法。
【請求項43】
光エネルギーを目標部分に指向させるステップが、目標部分の表皮層を損傷することを大略防止しながら、光エネルギーを目標部分の皮膚層に集中させることを含む請求項41に記載の方法。
【請求項44】
人間の皮膚を治療する方法において、
光エネルギーを供給するステップと、目標部分の全体に分布されて10μmから1000μmまでの範囲の寸法を有する複数の離散穴を形成するように、光エネルギーを人間の皮膚の外部に指向させるステップとを備える方法。
【請求項45】
光エネルギーが、1400nmから14,000nmまでの範囲の波長を有する請求項44に記載の方法。
【請求項46】
離散穴が、10μmから1000μmまでの範囲の深さを有する請求項44に記載の方法。
【請求項47】
離散穴が、0.05から0.95までの範囲の充填率で、前記外部の全体に分布される請求項44に記載の方法。
【請求項48】
離散穴が、0.1から0.5までの範囲の充填率で、前記外部の全体に分布される請求項44に記載の方法。
【請求項49】
光エネルギーを前記外部に指向させるステップが、光エネルギーを前記外部の全体で走査することを含む請求項44に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−503681(P2006−503681A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−501664(P2005−501664)
【出願日】平成15年10月22日(2003.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2003/033597
【国際公開番号】WO2004/037068
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(505151265)リライアント・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】RELIANT TECHNOLOGIES, INC.
【Fターム(参考)】