説明

光スイッチ

【課題】 光スイッチにおいて、すべての光ファイバを同一方向から引き出せるようにする。
【解決手段】 光ファイバ30a〜30dは、平行に配列される。可動ミラー26が空間37の外にある場合には、入力用光ファイバ30a(又は30d)から出射した光は、レンズ33a(又はレンズ33b)で方向を曲げられた後、固定ミラー25で反射され、レンズ33b(又は33a)で集光されて出力用光ファイバ33c(又は33b)に結合される。可動ミラー26が空間37内にある場合には、入力用光ファイバ30a(又は30d)から出射した光は、レンズ33a(又はレンズ33b)で方向を曲げられた後、固定ミラー25で反射され、さらに固定ミラー25で反射され、再度固定ミラー25で反射され、レンズ33a(又は33b)で集光されて出力用光ファイバ33b(又は33c)に結合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光入力部(例えば、入力用光ファイバ)と光出力部(例えば、出力用光ファイバ)との結合関係を切り換えるための光スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
図1(a)は従来例の光スイッチの構造を示す断面図、図1(b)、(c)は従来例の光スイッチにおいて光路を切り換える様子を示す一部破断した平面図である(特許文献1)。図1(a)に示すように、この光スイッチ11は、フェルール12により位置決めされた2組の光ファイバ13a、13b及び13c、13dと2組のレンズ14によって構成されている。フェルール12は2芯フェルールとなっていて、一方のフェルール12は入力用の光ファイバ13aと出力用の光ファイバ13bを互いに平行となるように一定間隔をあけて位置決めし、他方のフェルール12は入力用の光ファイバ13cと出力用の光ファイバ13dを互いに平行となるように一定間隔をあけて位置決めしている。光ファイバ13a〜13dの端面に対向する位置には、それぞれ屈折率分布型のレンズ14が配置されている。両レンズ14は互いに間隙を隔てて対向しており、両レンズ14間の間隙には両面反射ミラー15が出し入れ自在に設けられている。
【0003】
しかして、図1(a)に示すように、一方の入力用光ファイバ13aから出射された光は、レンズ14の光軸から外れた位置に入射し、光束の中心方向をレンズ14の光軸方向へ曲げられると共に、ほぼ平行光となって一方のレンズ14から出射される。レンズ14間の間隙に障害物がない場合には、一方のレンズ14から出射した光は、直ちに他方のレンズ14に入射し、そのレンズ14で集光されて他方の出力用光ファイバ13dに入射する。同様にして、他方の入力用光ファイバ13cから出射された光も、2つのレンズ14を通過して一方の出力用光ファイバ13bに入射する。
【0004】
従って、図1(b)に示すように、両面反射ミラー15がレンズ14間の間隙から外に出ている場合には、入力用の光ファイバ13aと出力用の光ファイバ13dとが結合し、入力用の光ファイバ13cと出力用の光ファイバ13bとが結合する。よって、この場合には、対角方向どうしの光ファイバ13a〜13dが結合する。
【0005】
これに対し、図1(c)に示すように、レンズ14間の間隙に、レンズ14の端面と平行となるようにして両面反射ミラー15が挿入されると、一方の入力用光ファイバ13aから出射されてレンズ14から出た光は、両面反射ミラー15で反射されることによって元のレンズ14内に戻り、出力用の光ファイバ13bに結合する。同様に、他方の入力用光ファイバ13cから出射された光は、レンズ14から出て両面反射ミラー15で反射され、再び元のレンズ14内に戻って出力用の光ファイバ13dに結合する。よって、この場合には同じフェルール12内の光ファイバ13a〜13dどうしが結合する。
【0006】
図1に示した従来の光スイッチでは、上記のようにしてレンズ14間に両面反射ミラー15を出し入れすることにより、4本の光ファイバ13a〜13dの光路を切り換えることができるようになっており、2×2光スイッチとなっている。
【0007】
しかしながら、従来例のような構造の光スイッチでは、フェルール12に保持された2組の光ファイバが、2つのレンズ14と両面反射ミラー15を挟んで対向するので、光スイッチの両端から光ファイバが出ることになる。そのため、装置に光スイッチを組み込む際の実装面積が増大したり、光ファイバの取り扱いが複雑になるという問題があった。
【0008】
【特許文献1】特開平11−223779号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、すべての光ファイバを同一方向から引き出せるようにした光スイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明にかかる光スイッチは、同一平面上において互いに平行に配置された、合計で3本以上の光入力部及び光出力部を備え、互いに光を伝送する光入力部と光出力部の光結合の組み合わせを変更することによって光路切換えを行なう光スイッチであって、前記平面に垂直な方向から見て互いに直交するように配置された2つの反射面を有し、前記光入力部及び光出力部に対向する位置に配置された固定ミラーと、前記光入力部から出射され前記固定ミラーで反射して前記光出力部へ入射する光の、光出力部への戻り先を切り換えるための光路切換手段とを備えたことを特徴としている。ここで、光入力部及び光出力部とは、光ファイバや光導波路等のように光を伝送するものであればよい。
【0011】
本発明にかかる光スイッチにあっては、直交するように配置された2つの反射面を有する固定ミラーを光入力部及び光出力部に対向する位置に配置しているので、光入力部から出射された光を固定ミラーで回帰反射させることができる。よって、すべての光入力部と光出力部を光スイッチの一方の側に設けることができる。また、光入力部から出射され固定ミラーで反射して光出力部へ入射する光の、光出力部への戻り先を切り換えるための光路切換手段を備えているので、光路切換手段によって各光入力部と結合される光出力部を切り替えることができる。
【0012】
本発明の光スイッチにあっては、一方の側に光入力部と光出力部を平行にまとめられるので、光入力部と光出力部をアレイ化することができて光入力部及び光出力部の取り扱いが容易になる。また、光入力部と光出力部を光スイッチの一方にまとめることにより、光スイッチの実装面積も小さくすることができる。
【0013】
本発明にかかる光スイッチの一実施態様における前記光路切換手段は、光を反射させることによって光出力部への戻り先を切り替えるものである。かかる実施態様によれば、光入力部から出射された光を光路切換手段により反射させることによって光路を切り替えることができるので、簡単な構造の光スイッチが得られる。
【0014】
本発明にかかる光スイッチの別な実施態様においては、前記光路切換手段が機能していないとき、前記光入力部から出射され前記固定ミラーで反射し前記光出力部に入射する主軸光線の光路が交差していることを特徴としている。ここで、主軸光線とは、光入力部の端面から光入力部の光軸方向(軸心方向)と平行に出射される光線や、光出力部の端面に向けて光出力部の光軸方向(軸心方向)と平行に入射する光線をいう。かかる実施態様によれば、主軸光線の光路が交差しているので、この交差箇所で光路切換手段により光を反射させることにより容易に光路を入れ替えることができる。
【0015】
上記交差箇所で光を反射させて光路を切り替える方法としては、前記光路切換手段を、両面が光反射面となった可動ミラーと、前記可動ミラーを前記主軸光線の光路の交差位置に出し入れするためのアクチュエータとで構成すればよい。可動ミラーを光路に挿入すれば、可動ミラーが光路から外れている場合と光路を入れ替えることができるからである。
【0016】
あるいは、前記光路切換手段を、前記主軸光線の光路の交差位置に配置された、光の透過と反射を切り換えることができる光学機能素子で構成してもよい。この場合には、光学機能素子を光の反射する状態に切り替えることにより、光学素子が光を透過させる状態となっているときと光路を入れ替えることができる。なお、このような光学機能素子としては、電気光学効果や磁気光学効果、熱光学効果などを利用したものがある。
【0017】
本発明にかかる光スイッチのさらに別な実施態様においては、前記光入力部及び前記光出力部の端面に対向させてレンズを設け、当該レンズの光軸と前記光入力部及び前記光出力部の端部の光軸とが一致しないようにしている。かかる実施態様によれば、レンズの光軸と光入力部及び光出力部の端部の光軸とが一致していないので、光入力部から真っ直ぐに出射された光はレンズによって斜めに曲げられる。また、光出力部に向けて斜めに進んでくる光をレンズで曲げて光出力部と平行に戻すことができる。よって、レンズで光を曲げることにより、主軸光線の光路を交差させることが可能になる。しかも、レンズを利用することで、光入力部から出射された光を集光又は平行光化するためのレンズを兼ねることができ、部品点数を増加させることなく主軸光線の光路を曲げることができる。
【0018】
なお、本発明の以上説明した構成要素は、可能な限り任意に組み合わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施例を図面に従って詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものでなく、適宜設計変更可能であることはいうまでもない。
【実施例1】
【0020】
図2は本発明の実施例1による光スイッチ21の外観斜視図、図3及び図4はその平面図及び側面図である。この光スイッチ21においては、長方形平板状をした基台22の上面に、光ファイバアレイ23、光ファイバアレイ固定部24、固定ミラー25、可動ミラー26、可動ミラー駆動用のアクチュエータ27を設けている。図5及び図6は基台22の上面から光ファイバアレイ23と固定ミラー25とを除いた状態を示す斜視図及び側面図である。図7及び図8は光ファイバアレイ23及び固定ミラー25の斜視図及び平面図である。
【0021】
基台22は絶縁材料によって形成されており、図5に示すように、その上面の片側にはアクチュエータ27が固定されており、基台22の下面からはアクチュエータ27の端子28が突出している。このアクチュエータ27は、電磁リレーなどにも用いられているものであり、電磁石(図示せず)が内部に内蔵され、中央部を揺動自在に指示された可動片27aの下面に永久磁石(図示せず)が固着され、可動片27aの上面に駆動桿29が設けられている。オン側の端子28に通電して電磁石を励磁すると、可動片27aの先端部が電磁石に吸着され、駆動桿29が水平に倒され、電磁石の電流遮断後もそのままの状態で自己保持される。また、オフ側の端子28に通電すると、可動片27aの基部が電磁石に吸着され、駆動桿29の先端側が上に上がり、電流遮断後もそのままの状態で自己保持される。
【0022】
可動ミラー26は、両面が鏡面となった両面ミラーである。図6に示すように、可動ミラー26は、アクチュエータ27の駆動桿29の先端に固定されており、駆動桿29の先端部下面よりも下方に飛び出ている。また、可動ミラー26は、駆動桿29の長さ方向と平行な向きで、垂直に取り付けられている。従って、可動ミラー26は、アクチュエータ27を駆動することによって上下に昇降する。
【0023】
光ファイバアレイ23においては、図7及び図8に示すように、複数本の光ファイバ8a〜8eの先端部を一定ピッチで平行に揃えてガラス製又は樹脂製の保持ブロック31で一体化したものである。この実施例では、8本の光ファイバを250μmのピッチで平行に保持した市販品の光ファイバアレイ23を示しているが、2×2光スイッチでは、使用するのは4本の光ファイバであるので、8本の光ファイバのうち両端の各2本ずつの光ファイバ30a、30b、30c、30dのみを使用している。残り4本の光ファイバ30eはカットしてもよく、そのまま残しておいてもよい。あるいは、2本の光ファイバ30a、30bと2本の光ファイバ30c、30dを所定の距離をおいて保持ブロック31に保持させたものを特別に製作してもよい。この実施例では、光ファイバ30a、30dが入力用光ファイバ(光入力部)となっており、光ファイバ30b、30cが出力用光ファイバ(光出力部)となっている。
【0024】
保持ブロック31の前面には、レンズアレイ基板32が取り付けられている。レンズアレイ基板32には、一方の端の2本の光ファイバ30a、30bに対向する位置に球面レンズ又は非球面レンズ等の円形のレンズ33aが設けられており、他方の端の光ファイバ30c、30dに対向する位置にも球面レンズ又は非球面レンズ等の円形のレンズ33bが設けられている。
【0025】
固定ミラー25は、図7及び図8に示すように、斜面の傾斜角が45度の角度をなす略直角二等辺三角形柱状をした三角ブロック34を2つ、ベース35の背面に固着させ、三角ブロック34の斜面どうしが対向して互いに90度の角度をなすようにしたものである。また、三角ブロック34の斜面には、金属薄膜を蒸着させるなどしてそれぞれ鏡面の反射面36a、36bが形成されている。
【0026】
固定ミラー25は、接着剤等により光ファイバアレイ23の前面すなわちレンズアレイ基板32の前面に一体に取り付けられており、光ファイバアレイ23と固定ミラー25との間には三角形状の空間37が形成されている。固定ミラー25を光ファイバアレイ23の前面に取り付けた状態では、光ファイバ30a、30b及びレンズ33aの前方に反射面36aが対向しており、反射面36aは光ファイバ30a、30bの光軸方向に対して45度の角度で傾いている。同様に、光ファイバ30c、30d及びレンズ33bの前方に反射面36bが対向しており、反射面36bは光ファイバ30c、30dの光軸方向に対して45度の角度で傾いている。
【0027】
図4及び図5に示すように、基台22の上面の、アクチュエータ27に隣接する位置には、矩形板状をした光ファイバアレイ固定部24が突設されている。光ファイバアレイ23は、光ファイバアレイ固定部24の上に載置され、可動ミラー26と所定の位置関係となるように位置合わせした後、図1〜3に示すように、紫外線硬化型樹脂のような即乾性の接着剤で下面を光ファイバアレイ固定部24に固定される。
【0028】
図9は光スイッチ21における光学的な配置を示す説明図である。図9においては、光ファイバ30a〜30dから入出射される光のうち各光ファイバ30a〜30dの端部の光軸方向(軸心方向)と平行に入出射される主軸光線の光路を矢印で表わしている。また、不要な光ファイバ30eは図示を省略している(以下同様)。符号38は、光ファイバ30a〜30dの端部の光軸方向を含む平面に垂直で、光ファイバ30a〜30dの端部の光軸方向と平行で、光ファイバ30a〜30dの中央を通る仮想的な平面を表わしている。固定ミラー25は、その反射面36a、36bが平面38に関して互いに面対称となるように配置されており、各反射面36a、36bは平面38と45度の角度をなしている。
【0029】
レンズ33aは、その光軸(図9において1点鎖線で示す。)が光ファイバ30a、30bの中央を平行に通過する直線と一致するように配置されている。また、レンズ33aは、レンズ33aに平行光束が入射したと考えた場合、反射面36aに関する平面38の鏡像38aの上に焦点を結ぶように配置されている。言い換えると、レンズ33aの主面と鏡像38aとの距離が、レンズ33aの焦点距離に等しくなっている。同様に、レンズ33bは、その光軸が光ファイバ30a、30bの中央を平行に通過する直線と一致するように配置されている。また、レンズ33bは、レンズ33bに平行光束が入射した場合、反射面36bに関する平面38の鏡像38bの上に焦点を結ぶように配置されている。言い換えると、レンズ33bの主面と鏡像38bとの距離が、レンズ33bの焦点距離に等しくなっている。また、可動ミラー26は、光ファイバアレイ23と固定ミラー25の間の空間37に挿入されたときには、平面38と一致する。
【0030】
従って、光ファイバ30aから出射され、固定ミラー25の反射面36a、36bで反射されて光ファイバ30cに入射する主軸光線の光路と、光ファイバ30dから出射され、固定ミラー25の反射面36b、36aで反射されて光ファイバ30bに入射する主軸光線の光路とは、平面38の位置で交差する。
【0031】
図10及び図11は光スイッチ21の動作を説明する図であって、図10は可動ミラー26が上昇していて空間37の外に出ている場合の光の挙動を表わし、図11は可動ミラー26が下降して空間37内に挿入されている場合の光の挙動を表わしている。ここで、各光ファイバ30a〜30dと各レンズ33a、33bとの、光ファイバ30a〜30dの端部の光軸方向に沿った距離は、レンズ33a、33bの焦点距離に等しくなっている。
【0032】
図10に示すように可動ミラー26が空間37の外にある場合には、入力用の光ファイバ30aのコアから出射された光束(この光束の主軸光線の光路を図10において実線矢印で示す。)は、レンズ33aの光軸から外れた位置に入射し、光束の進む方向を斜めに曲げられると共に平行光束に変換される。レンズ33aを通過した平行光束は、反射面36a及び36bで2回反射した後、元の方向に戻る。元の方向に回帰反射した平行光束は、レンズ33bの光軸から外れた位置に入射し、光束の進む方向を出力用の光ファイバ30cの光軸と平行な方向へ曲げられ、光ファイバ30cのコア端面に集光され、光ファイバ30cに入射する。
【0033】
一方、入力用の光ファイバ30dから出射された光束(この光束の主軸光線の光路を図10において破線矢印で示す。)は、レンズ33bの光軸から外れた位置に入射し、光束の進む方向を曲げられると共に平行光束に変換される。レンズ33bを通過した平行光束は、反射面36b及び36aで2回反射した後、元の方向に戻る。元の方向に回帰反射した平行光束は、レンズ33aの光軸から外れた位置に入射し、光束の進む方向を出力用の光ファイバ30bに平行な方向へ曲げられ、光ファイバ30bのコア端面に集光されて光ファイバ30bに入射する。
【0034】
図11に示すように可動ミラー26が空間37内にある場合には、入力用の光ファイバ30aから出射された光束(この光束の主軸光線の光路を図11において実線矢印で示す。)は、レンズ33aで光の進む方向を斜めに曲げられると共に平行光束に変換される。レンズ33aを通過した平行光束は、反射面36aで反射された後、可動ミラー26で反射されることによって元の方向へ戻る。元の方向へ戻った平行光束は、再び反射面36aで反射されてレンズ33aに入射する。レンズ33aを通過した光は、出力用の光ファイバ30bの光軸と平行な方向へ光束の進む方向を曲げられ、光ファイバ30bのコアに集光されて光ファイバ30bに入射する。
【0035】
一方、入力用の光ファイバ30dから出射された光束(この光束の主軸光線の光路を図11において破線矢印で示す。)は、レンズ33bで光束の進む方向を曲げられると共に平行光束に変換される。レンズ33bを通過した平行光束は、反射面36bで反射された後、可動ミラー26で反射されることによって元の方向へ戻る。元の方向へ戻った平行光束は、再び反射面36bで反射されてレンズ33bに入射する。レンズ33bを通過した光は、出力用の光ファイバ30cの光軸と平行な方向へ光束の進む方向を曲げられ、光ファイバ30cのコア端面に集光され、光ファイバ30cに入射する。
【0036】
よって、この実施例にあっては、アクチュエータ27で可動ミラー26を上昇させて空間37外に出している場合には、入力用の光ファイバ30aと出力用の光ファイバ30cとが結合され、かつ、入力用の光ファイバ30dと出力用の光ファイバ30bとが結合される。また、アクチュエータ27で可動ミラー26を下降させて空間37内に挿入している場合には、入力用の光ファイバ30aと出力用の光ファイバ30bとが結合され、かつ、入力用の光ファイバ30dと出力用の光ファイバ30cとが結合される。
【0037】
しかも、このような光スイッチ21にあっては、すべての光ファイバ30a〜30eが同じ方向に位置しているので、多数の光スイッチ21が交換機のような装置に組み込まれている場合、装置の一方の側のみからそれぞれの光スイッチ21や光ファイバ30a〜30eの点検を行なうことができ、取り扱いが容易になる。また、光ファイバ30a〜30eの配線スペースが片側にだけあればよいので、装置内における光スイッチ21の実装面積も小さくなる。
【0038】
この光スイッチ21の組み立て時における調芯作業も2回の作業に分けて行なうことができるので、調芯作業が容易になる。すなわち、まず固定ミラー25を光ファイバアレイ23の前面に取り付ける際には、入力用の光ファイバ30a、30dから光を出射させ、出力用の光ファイバ30c、30bに入射した光を光ファイバ30c、30bの他端でモニターし、その受光量が最大となるように固定ミラー25を動かして受光量最大となった位置で固定ミラー25を光ファイバアレイ23に接着固定する。この結果、図10の状態となるように光ファイバ30a〜30eと反射面36a、36bとが位置調整される。
【0039】
ついで、固定ミラー25を取り付けられた光ファイバアレイ23を、接着剤を塗布された光ファイバアレイ固定部24の上に置き、可動ミラー26を空間37内に下降させる。そして、入力用の光ファイバ30a、30dから光を出射させ、出力用の光ファイバ30b、30cに入射した光を光ファイバ30b、30cの他端でモニターし、その受光量が最大となるように光ファイバアレイ23を動かして受光量最大となった位置で光ファイバアレイ23を光ファイバアレイ固定部24に接着固定する。この結果、図11の状態となるように光ファイバ30a〜30e及び反射面36a、36bと、可動ミラー26とが位置調整される。
【0040】
前者の調整作業は可動ミラー26の位置を考慮することなく調整でき、後者の調整は光ファイバアレイ23と固定ミラー25の位置関係が固定された後の調整であるから、調芯作業を2回に分けて行なうことにより、光スイッチ21の組み立て時の調芯作業を容易にすることができる。
【0041】
さらに、光ファイバを光ファイバアレイ23としてアレイ化することで、光ファイバと固定ミラーや可動ミラー等との調芯作業を一括して行なうことができる。
【0042】
なお、上記実施例では、入力用の光ファイバ30a、30dのコア端面から出射された光束をレンズ33a、33bで平行光束に変換させるようにしたが、入力用の光ファイバ30a、30dのコアから出射された平行光束をレンズ33a、33bにより平面38において収束させるようにしてもよい。
【実施例2】
【0043】
図12は本発明の実施例2による光スイッチ41の外観斜視図、図13及び図14その平面図及び側面図である。この光スイッチ41においては、固定ミラー25は、光ファイバアレイ23に取り付けられておらず、そのベース35を基台22の上面又はアクチュエータ27の前面に固定されている。固定ミラー25と光ファイバアレイ23とは離間しており、可動ミラー26は固定ミラー25の前方で昇降させられるようになっている。これ以外の点については実施例1と同様である。特に、光スイッチ41の切り替え動作は、図10及び図11により説明した実施例1の切り替え動作と同じである。
【実施例3】
【0044】
図15及び図16は本発明の実施例3における光スイッチ42の要部を示す平面図である。実施例3においては、可動ミラーに代えて、光を透過させる状態と光を反射させる状態とに切り換えることができる光学機能素子51を用いている。このような光学機能素子51としては、電気光学効果を利用したもの、磁気光学効果を利用したもの、熱光学効果を利用したものなどがある。電気光学効果を利用した光学機能素子51としては、例えばKTN(KTaNb1−X(x=0.1〜0.9))、BaTiO、LiNbOなどの電気光学効果により屈折率が変化する電気光学薄膜を用いたものがある。
【0045】
この光学機能素子51は、光を反射させる状態のときの反射面が前記平面38の位置に一致するようにして設置される。光学機能素子51は、光を透過させる状態と光を反射させる状態とに切り替わるようになっており、例えば直流電源57をオン、オフすることによって状態を変化させることができる。
【0046】
しかして、図15に示すように、光学機能素子51が光を透過させる状態となっている場合には、入力用の光ファイバ30aのコアから出射された光束(この光束の主軸光線の光路を図15において実線矢印で示す。)は、レンズ33aの光軸から外れた位置に入射し、光束の進む方向を斜めに曲げられると共に平行光束に変換される。レンズ33aを通過した平行光束は、反射面36aで反射された後、光学機能素子51を透過し、さらに反射面36bで反射され、元の方向に戻る。元の方向に回帰反射した平行光束は、レンズ33bの光軸から外れた位置に入射し、光束の進む方向を出力用の光ファイバ30cの光軸と平行な方向へ曲げられ、光ファイバ30cのコア端面に集光され、光ファイバ30cに入射する。
【0047】
一方、入力用の光ファイバ30dから出射された光束(この光束の主軸光線の光路を図15において破線矢印で示す。)は、レンズ33bの光軸から外れた位置に入射し、光束の進む方向を曲げられると共に平行光束に変換される。レンズ33bを通過した平行光束は、反射面36bで反射された後、光学機能素子51を透過し、さらに反射面36aで反射され、元の方向に戻る。元の方向へ回帰反射した平行光束は、レンズ33aの光軸から外れた位置に入射し、光束の進む方向を出力用の光ファイバ30bに平行な方向へ曲げられ、光ファイバ30bのコア端面に集光されて光ファイバ30bに入射する。
【0048】
また、図16に示すように光学機能素子51が光を反射する状態となっている場合には、入力用の光ファイバ30aから出射された光束(この光束の主軸光線の光路を図16において実線矢印で示す。)は、レンズ33aで光の進む方向を斜めに曲げられると共に平行光束に変換される。レンズ33aを通過した平行光束は、反射面36aで反射された後、光学機能素子51で反射されることによって元の方向へ戻る。元の方向へ戻った平行光束は、再び反射面36aで反射されてレンズ33aに入射する。レンズ33aを通過した光は、出力用の光ファイバ30bの光軸と平行な方向へ光束の進む方向を曲げられ、光ファイバ30bのコアに集光されて光ファイバ30bに入射する。
【0049】
一方、入力用の光ファイバ30dから出射された光束(この光束の主軸光線の光路を図16において破線矢印で示す。)は、レンズ33bで光束の進む方向を曲げられると共に平行光束に変換される。レンズ33bを通過した平行光束は、反射面36bで反射された後、光学機能素子51で反射されることによって元の方向へ戻る。元の方向へ戻った平行光束は、再び反射面36bで反射されてレンズ33bに入射する。レンズ33bを通過した光は、出力用の光ファイバ30cの光軸と平行な方向へ光束の進む方向を曲げられ、光ファイバ30cのコア端面に集光され、光ファイバ30cに入射する。
【0050】
よって、この実施例にあっては、光学機能素子51が透過状態となっている場合には、入力用の光ファイバ30aと出力用の光ファイバ30cとが結合され、かつ、入力用の光ファイバ30dと出力用の光ファイバ30bとが結合される。また、光学機能素子51が反射状態となっている場合には、入力用の光ファイバ30aと出力用の光ファイバ30bとが結合され、かつ、入力用の光ファイバ30dと出力用の光ファイバ30cとが結合される。
【実施例4】
【0051】
図17及び図18は本発明の実施例4における光スイッチ43の要部を示す平面図である。実施例4においては、固定ミラー25としてプリズムを用い、プリズムの界面(反射面36a、36b)で光を全反射させるようにしたものである。
【0052】
図19は実施例4で用いられる固定ミラー25の構造を示す斜視図である。固定ミラー25は直角二等辺三角形柱状をした三角プリズム61によって形成されており、90度の角部を挟む平面がそれぞれ反射面36a、36bとなっている。固定ミラー25である三角プリズム61内には、光学機能素子51が内蔵されている。光学機能素子51は、反射面36a、36bと45度の角度をなすようにして、90度の角部と当該角部に対向する斜面との間に延びている。そして、一体化された固定ミラー25及び光学機能素子51は、図17及び図18に示すように、光学機能素子51が前記平面38の位置に一致するようにして設置される。
【0053】
図20(a)(b)は上記固定ミラー25の製造方法の一例を説明する図である。まず図20(a)に示すように、上記三角プリズム61の1/2の大きさを有する直角二等辺三角形柱状をした小さな三角プリズム62を2つ用意する。そして、一方の三角プリズム62の90度の角部に隣接する面に、透明な接着用樹脂を用いて光学機能素子51の一方の面を接着する。ついで、図20(a)(b)に示すように、光学機能素子51の他方の面に、透明な接着用樹脂を用いて、他方の三角プリズム62の90度の角部に隣接する面を接着する。この結果、2つの小さな三角プリズム62によって大きな三角プリズム61が形成されると共に、三角プリズム61内に光学機能素子51が内蔵される。
【0054】
しかして、実施例4にあっては、図17に示すように光学機能素子51が光を透過させる状態となっている場合には、入力用の光ファイバ30aのコアから出射された光束(この光束の主軸光線の光路を図17において実線矢印で示す。)は、レンズ33aの光軸から外れた位置に入射し、光束の進む方向を斜めに曲げられると共に平行光束に変換される。レンズ33aを通過した平行光束は、三角プリズム61内に入射し、反射面36aで全反射された後、光学機能素子51を透過し、さらに反射面36bで全反射され、元の方向に戻る。元の方向へ回帰反射した平行光束は、レンズ33bの光軸から外れた位置に入射し、光束の進む方向を出力用の光ファイバ30cの光軸と平行な方向へ曲げられ、光ファイバ30cのコア端面に集光され、光ファイバ30cに入射する。
【0055】
一方、入力用の光ファイバ30dから出射された光束(この光束の主軸光線の光路を図17において破線矢印で示す。)は、レンズ33bの光軸から外れた位置に入射し、光束の進む方向を曲げられると共に平行光束に変換される。レンズ33bを通過した平行光束は、三角プリズム61内に入射して反射面36bで全反射された後、光学機能素子51を透過し、さらに反射面36aで全反射され、元の方向に戻る。元の方向に回帰反射した平行光束は、レンズ33aの光軸から外れた位置に入射し、光束の進む方向を出力用の光ファイバ30bに平行な方向へ曲げられ、光ファイバ30bのコア端面に集光されて光ファイバ30bに入射する。
【0056】
また、図18に示すように光学機能素子51が光を反射させる状態となっている場合には、入力用の光ファイバ30aから出射された光束(この光束の主軸光線の光路を図18において実線矢印で示す。)は、レンズ33aで光の進む方向を斜めに曲げられると共に平行光束に変換される。レンズ33aを通過した平行光束は、三角プリズム61内に入射して反射面36aで全反射された後、光学機能素子51で反射されることによって元の方向へ戻る。元の方向に戻った平行光束は、再び反射面36aで全反射されてレンズ33aに入射する。レンズ33aを通過した光は、出力用の光ファイバ30bの光軸と平行な方向へ光束の進む方向を曲げられ、光ファイバ30bのコアに集光されて光ファイバ30bに入射する。
【0057】
一方、入力用の光ファイバ30dから出射された光束(この光束の主軸光線の光路を図18において破線矢印で示す。)は、レンズ33bで光束の進む方向を曲げられると共に平行光束に変換される。レンズ33bを通過した平行光束は、三角プリズム61内に入射し、反射面36bで反射された後、光学機能素子51で反射されることによって元の方向へ戻る。元の方向に戻った光束は、再び反射面36bで全反射されてレンズ33bに入射する。レンズ33bを通過した光は、出力用の光ファイバ30cの光軸と平行な方向へ光束の進む方向を曲げられ、光ファイバ30cのコア端面に集光され、光ファイバ30cに入射する。
【0058】
よって、この実施例にあっては、光学機能素子51が透過状態となっている場合には、入力用の光ファイバ30aと出力用の光ファイバ30cとが結合され、かつ、入力用の光ファイバ30dと出力用の光ファイバ30bとが結合される。また、光学機能素子51が反射状態となっている場合には、入力用の光ファイバ30aと出力用の光ファイバ30bとが結合され、かつ、入力用の光ファイバ30dと出力用の光ファイバ30cとが結合される。
【0059】
なお、図示しないが、三角プリズム62の間に光学機能素子51を挟み込む代わりに、2つの三角プリズム62の間に隙間を設けておき、この隙間に両面が鏡面となった可動ミラー26を出し入れするようにしてもよい。
【0060】
なお、上記各実施例では、4本の光ファイバの結合関係を切り替えるようにしたが、光ファイバの本数は3本であってもよい。例えば、上記いずれかの実施例において入力用光ファイバ又は出力用光ファイバを1本だけ省略して光ファイバを3本にすれば、出力先又は入力元を切り替え可能な1×2光スイッチとして用いることができる。また、本発明の光スイッチの構成から明らかなように、光ファイバを5本以上にしてもよい。
【0061】
また、上記各実施例では、固定ミラー25は、反射面36a、36bが平面38と45度の角度をなすように配置されていたが、固定ミラー51は光ファイバ30a〜30dの配置されている平面に垂直な軸の回りに傾いていてもよい。固定ミラー51が傾いていても、出力用の光ファイバに戻る主軸光線の方向は入力用光ファイバから出射される主軸光線の方向と平行となり、実施例1〜4では、主軸光線の光路が交差していれば、そこで光を反射させることにより光路を入れ替えることができるからである。また、実施例5では、主軸光線の光路が逆向きで平行となっていれば、そこで光を回帰反射させることにより光路を入れ替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】(a)は従来例の光スイッチの構造を示す断面図、(b)及び(c)は従来例の光スイッチにおいて光路を切り換える様子を示す一部破断した平面図である。
【図2】本発明の実施例1による光スイッチの外観斜視図である。
【図3】実施例1による光スイッチの平面図である。
【図4】実施例1による光スイッチの側面図である。
【図5】実施例1の光スイッチにおいて、基台の上面から光ファイバアレイと固定ミラーを除いた状態を示す斜視図である。
【図6】同上の側面図である。
【図7】実施例1における光ファイバアレイ及び固定ミラーの斜視図である。
【図8】同上の平面図である。
【図9】実施例1の光スイッチにおける光学的な配置を示す説明図である。
【図10】可動ミラーが上昇していて空間の外に出ている場合の光の挙動を表わした説明図である。
【図11】可動ミラーが下降して空間に挿入されている場合の光の挙動を表わした説明図である。
【図12】本発明の実施例2による光スイッチの外観斜視図である。
【図13】実施例2による光スイッチの平面図である。
【図14】実施例2による光スイッチの側面図である。
【図15】本発明の実施例3による光スイッチにおいて、光学機能素子が透明な状態にある場合の光の挙動を示す平面図である。
【図16】本発明の実施例3による光スイッチにおいて、光学機能素子が光を反射する状態にある場合の光の挙動を示す平面図である。
【図17】本発明の実施例4による光スイッチにおいて、光学機能素子が透明な状態にある場合の光の挙動を示す平面図である。
【図18】本発明の実施例4による光スイッチにおいて、光学機能素子が光を反射する状態にある場合の光の挙動を示す平面図である。
【図19】実施例4で用いられる固定ミラーの構造を示す斜視図である。
【図20】(a)(b)は上記固定ミラーの製造方法の一例を説明する図である。
【符号の説明】
【0063】
21 光スイッチ
23 光ファイバアレイ
25 固定ミラー
26 可動ミラー
27 アクチュエータ
29 駆動桿
30a、30b、30c、30d 光ファイバ
32 レンズアレイ基板
33a、33b レンズ
34 三角ブロック
36a、36b 反射面
37 空間
41 光スイッチ
42 光スイッチ
43 光スイッチ
44 光スイッチ
51 光学機能素子
61 三角プリズム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一平面上において互いに平行に配置された、合計で3本以上の光入力部及び光出力部を備え、互いに光を伝送する光入力部と光出力部の光結合の組み合わせを変更することによって光路切換えを行なう光スイッチであって、
前記平面に垂直な方向から見て互いに直交するように配置された2つの反射面を有し、前記光入力部及び光出力部に対向する位置に配置された固定ミラーと、
前記光入力部から出射され前記固定ミラーで反射して前記光出力部へ入射する光の、光出力部への戻り先を切り換えるための光路切換手段と、
を備えた光スイッチ。
【請求項2】
前記光路切換手段は、光を反射させることによって光出力部への戻り先を切り替えるものであることを特徴とする、請求項1に記載の光スイッチ。
【請求項3】
前記光路切換手段が機能していないとき、前記光入力部から出射され前記固定ミラーで反射し前記光出力部に入射する主軸光線の光路が交差していることを特徴とする、請求項1に記載の光スイッチ。
【請求項4】
前記光路切換手段は、両面が光反射面となった可動ミラーと、前記可動ミラーを前記主軸光線の光路の交差位置に出し入れするためのアクチュエータとからなることを特徴とする、請求項3に記載の光スイッチ。
【請求項5】
前記光路切換手段は、前記主軸光線の光路の交差位置に配置された、光の透過と反射を切り換えることができる光学機能素子であることを特徴とする、請求項3に記載の光スイッチ。
【請求項6】
前記光入力部及び前記光出力部の端面に対向させてレンズを設け、当該レンズの光軸と前記光入力部及び前記光出力部の端部の光軸とが一致しないようにしたことを特徴とする、請求項3に記載の光スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−78837(P2006−78837A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−263669(P2004−263669)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】