光ピックアップ装置および光ディスク装置
【課題】 複数の情報記録面を有する光ディスクの記録再生において、フォーカス誤差信号同士の相互干渉を防ぎ、デフォーカスに対して感度が高く、安定したフォーカス誤差信号を検出することが可能な光ピックアップ装置およびそれを搭載した光ディスク装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 光ピックアップ装置は、レーザ光源と、光束を光ディスクの情報記録面に集光する対物レンズと、情報記録面で反射した光束を複数に分割する回折格子と、複数に分割された光束を受光する複数の受光素子を有する光検出器とを備え、
回折格子上の中央領域を含まないオフセット成分のみの光束を用いて、
受光素子は光束がデフォーカスする方向に略平行な方向の辺を短辺となるような2分割受光素子にして、ダブルナイフエッジ法にてフォーカス誤差信号を検出する。
【解決手段】 光ピックアップ装置は、レーザ光源と、光束を光ディスクの情報記録面に集光する対物レンズと、情報記録面で反射した光束を複数に分割する回折格子と、複数に分割された光束を受光する複数の受光素子を有する光検出器とを備え、
回折格子上の中央領域を含まないオフセット成分のみの光束を用いて、
受光素子は光束がデフォーカスする方向に略平行な方向の辺を短辺となるような2分割受光素子にして、ダブルナイフエッジ法にてフォーカス誤差信号を検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ピックアップ装置およびそれを搭載した光ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術に関する背景技術として、例えば特開2009−87402号公報(特許文献1)がある。本公報には、「ダブルナイフエッジ法によりフォーカス誤差信号を算出することによって、光検出器112の位置ずれが生じた際も、フォーカス誤差信号にオフセットが生じにくくなり、安定したフォーカス制御を行うことができる」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−87402号公報(第15頁、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光学的記録情報媒体(以下、光ディスクと略す。)を記録再生するのに必要となるサーボ技術に関して、光ディスクの情報記録面上に光束を集光させるために、フォーカス誤差信号と呼ばれるサーボ制御信号が必要である。フォーカス誤差信号検出方式の1つに、ダブルナイフエッジ法がある。ダブルナイフエッジ法とは、対物レンズを光束進行方向に沿って前後に動かしたとき(以下、デフォーカスと呼ぶ。)、ディスクで反射した光束の光受光面での光点像の移動量を検出することによって、フォーカス誤差信号を検出する方式である。ダブルナイフエッジ法は、光受光面は反射した光束が集光される位置に配置されるため、例えば他のフォーカス誤差信号検出方式である非点収差方式などと比較して、回折光外乱の影響が少ないという長所を持つ。
【0005】
さて、特許文献1では光ディスクで反射した光束を回折格子によって複数に分岐し、そのうち回折格子の中央を含んだ領域の回折光を用いて、ダブルナイフエッジ法によりフォーカス誤差信号を検出している。そのため、集光した位置から対物レンズがデフォーカスするとき、デフォーカスに対する光量変位量が小さくなり、フォーカス誤差信号はなだらかな波形を形成する。このとき、複数の情報記録面を有する光ディスクの場合に、各記録面から検出されるフォーカス誤差信号が相互に干渉し、その相互干渉が主原因となって不要なオフセット成分や波形歪みが発生して、フォーカス誤差信号の品質が著しく劣化するという問題が生じる。
【0006】
本発明は、複数の情報記録面を有する光ディスクの場合においても、フォーカス誤差信号同士の相互干渉を防ぎ、安定したフォーカス誤差信号を検出することが可能な光ピックアップ装置およびそれを搭載した光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、その一例として特許請求の範囲に記載する構成により達成できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の情報記録面を有する情報記録媒体を記録再生する場合に、安定したフォーカス誤差信号を得ることが可能な光ピックアップ装置およびそれを搭載した光ディスク装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1において、本発明の光学系を示した図である。
【図2】実施例1において、本発明の回折格子を示した図である。
【図3】実施例1において、本発明の光検出器の受光面構成を示した図である。
【図4】3層光ディスクに入射した信号光と迷光の光路を示した図である。
【図5】実施例1において、対象となる記録層の前後の層からの迷光の形状を示した図である。
【図6】回折格子の各領域からの回折した信号光と迷光の関係を示した図である。
【図7】光検出器に入射した信号光のデフォーカスによる変化を示した図である。
【図8】信号光のデフォーカス方向と、フォーカス誤差信号を検出する受光面の関係を示した図である。
【図9】実施例1において、本発明の他の光学系を示した図である。
【図10】実施例1において、本発明の他の回折格子を示した図である。
【図11】実施例1において、本発明の他の回折格子を示した図である。
【図12】光検出器に入射した信号光のデフォーカスによる変化を示した図である。
【図13】光検出器に入射した信号光のデフォーカスによる変化を示した図である。
【図14】実施例2において、本発明の光検出器の受光面構成を示した図である。
【図15】実施例2において、対象となる記録層の前後の層からの迷光の形状を示した図である。
【図16】実施例3において、光ピックアップ装置を搭載した光情報再生装置また光情報記録再生装置の概略ブロック図を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を適用した光ピックアップ装置および光ディスク装置の実施形態の一例について、以下図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明の実施例1に係る光ピックアップ装置の光学系を示している。ここでは記録方式について特に記さないが、BDやDVDや他の記録方式であってもなんら構わない。
【0012】
レーザ光源11から光束が発散光として出射される。半導体レーザは直線偏光の光束を出射するのが一般的であり、レーザ光源11からも直線偏光の光束を出射することを想定する。なお、レーザ光源11から出射された光束の中心光路(以下、光軸と略す。)を鎖線で図示した。
【0013】
レーザ光源11から出射された光束は、偏光ビームスプリッタ(以下、PBSと略す。)12を反射する。ただし、一部の光束はPBS12を透過し、フロントモニタ13に入射する。一般的に光ディスクの記録再生動作の精度を良くするためには、光ディスクに照射される光束の光量を所望の値に制御することが必須となる。フロントモニタ13はレーザ光源からの光量変化を制御回路にフィードバックすることにより、光束の光量を制御することを可能とする。
【0014】
PBS12を反射した光束は、コリメートレンズ14によって略平行な光束に変換される。コリメートレンズ14を透過した光束は、偏光性回折格子15を透過し、ビームエキスパンダ16に入射する。ビームエキスパンダ16は、光軸と平行な方向にシフトすることで、光束の収束・発散状態を変え、光ディスクのカバー層厚み誤差による球面収差を補正することを可能とする。
【0015】
ビームエキスパンダ16を透過した光束は、1/4波長板17を透過、立ち上げミラー18を反射後、アクチュエータ19に搭載された対物レンズ20を透過して、光ディスクの記録層上(図示せず)に集光される。
【0016】
光ディスクの記録層上より反射した光束は、対物レンズ20、立ち上げミラー18、1/4波長板17、ビームエキスパンダ16を透過し、偏光性回折格子15に入射する。偏光性回折格子とは、所定の方向の直線偏光の光束を回折し、その方向と直交する方向の直線偏光の光束を透過する機能を持つ回折格子である。本実施例における偏光性回折格子15は光束を複数の領域に分割し、分割された光束は、コリメータレンズ14、PBS12を透過して、光検出器21上に集光する。
【0017】
光検出器21上は、回折によって複数に分割された各光束がそれぞれ集光できるような複数の受光面で構成されており、受光面に照射された光量に従って再生信号であるRF信号やフォーカス誤差信号やトラッキング誤差信号などが生成される。
【0018】
なお、1/4波長板17は、光ディスクで反射した光束が偏光性回折格子15に再び入射する前に透過すればよいため、図1の位置には限定されない。
【0019】
図2は、図1における偏光性回折格子15の構成の一例となっている。偏光性回折格子15は、実線によって15A、15B、15C、15D、15E、15F、15G、15H、15Iの9個の領域に分かれており、それぞれ所定の方向へ光束を回折する。領域15Aから15Hは、一点鎖線で示したトラック方向に相当する方向、つまり光ディスク接線方向(以下、Tan方向と略す。)の線で回折格子中心を通る線X1、およびトラック方向に略垂直な方向、つまり光ディスク半径方向(以下、Rad方向と略す。)の線で回折格子中心を通る線X2に対して、それぞれ線対称に位置する。破線の円は、光ディスクの記録層を反射して偏光性回折格子15に入射する光束の外形を示す。斜線部22および23は、光ディスクのトラック回折0次光とトラック回折±1次光の重なる干渉領域、すなわち光ディスクのトラックによる回折で生じるプッシュプル成分のパターンを表している。斜線部22および23を除いた光束24は、光ディスクのトラック回折0次光のみ、つまり干渉の起きていないオフセット成分のみを表している。従って、領域15A〜15Dからはプッシュプル成分を含んだ回折光が出射し、領域15E〜15Hおよび15Iはオフセット成分のみの回折光が出射する。
【0020】
図3は、図1における光検出器21の構成の一例となっている。図2で示した偏光性回折格子15の領域15A、15B、15C、15D、15E、15F、15G、15H、15Iを回折した光束の+1次回折光は、それぞれ受光面A1、B1、C1、D1、P1、Q1、R1、S1、I1に入射し、−1次回折光は、それぞれ受光面A2、B2、C2、D2、E1とE2間の暗線部、F1とF2間の暗線部、G1とG2間の暗線部、H1とH2間の暗線部に入射する。+1次回折光と−1次回折光は光軸中心25に対して対称に回折するため、受光面の配置も図3のように対称に配置される。
【0021】
各受光面に入射した信号光より、フォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号、再生信号であるRF信号を生成する。受光面A1、B1、C1、D1、P1、Q1、R1、S1、I1、A2、B2、C2、D2、E1、E2、F1、F2、G1、G2、H1、H2、で検出して得られる信号を、順にa1、b1、c1、d1、p1、q1、r1、s1、i1、a2、b2、c2、d2、e1、e2、f1、f2、g1、g2、h1、h2とする。
【0022】
フォーカス誤差信号の検出には、ダブルナイフエッジ法を使用する。ダブルナイフエッジ法でフォーカス誤差信号を生成するために、集光状態において2分割した受光面間の暗線部に信号光は入射する構成になっている。暗線部は受光面から離れた光でも、受光面からの距離に応じて所定の感度を持って光を検出するため、この暗線部を用いることで、デフォーカスに対して感度を持ったフォーカス誤差信号を生成することができる。ダブルナイフエッジ法によって得られた信号e1からh1およびe2からh2を用いて、数1に示す演算式より生成する。
【数1】
【0023】
一方、トラッキング誤差信号の検出には、プッシュプル法(PP:Push Pull)および位相差検出法(DPD:Differential Phase Detection)の2方式を使用することができる。これは、例えば光ディスクが追記型や書換型で、特に未記録時の場合にはDPD法でのトラッキング誤差信号の検出が困難であるためである。
【0024】
PP法を使用するとき、プッシュプル成分を含んだ信号a1からd1のみで生成した場合、対物レンズがRad方向に対物レンズ変位(以下、レンズシフトと記す。)したときに、図2中の左右の光量アンバランスによって直流成分のオフセットが発生してしまう。そこで、オフセット成分のみの信号p1からs1を用いて、オフセットをキャンセルする演算を行う。プッシュプル成分を含んだ信号をメインプッシュプル信号(以下MPP信号と略す。)、オフセット成分のみの信号をオフセット信号とすると、PP信号は数2に示す演算式となる。
【数2】
【0025】
ここで、数2のktは、対物レンズがレンズシフトした際に、式中第1項の信号に含まれるオフセット成分と、式中第2項の信号に含まれるオフセット成分とを補正するための係数である。このような演算を行うことによって、対物レンズがレンズシフトした際であってもオフセットのない安定したトラッキング誤差信号を生成することが可能である。
【0026】
一方、DPD法を使用するとき、図2における領域15A+15E、領域15B+15F、領域15C+1GE、領域15D+15Hから生成された信号の位相差よりDPD信号を生成する。そこで、例えば信号a2からd2と信号p1からs1を用いて、数3に示す4つの信号の位相差によりDPD信号を生成する。
【数3】
【0027】
また、偏光性回折格子15の各領域の分光比は、例えば領域15I以外の領域は、0次光:+1次光:−1次光=0:7:3とする。また、領域15Iは、0次光:+1次光:−1次光=0:1:0とする。このように、+1次光と−1次光の分光比が異なるように、回折格子の格子溝形状を形成することをブレーズ化という。ブレーズ化する理由は、再生信号を+1次光の総和で生成するので、再生信号の光量を多くとりノイズを低減するためである。再生信号であるRF信号は、数4に示す演算式より生成する。
【数4】
【0028】
さて、多層化された光ディスクを用いて各記録層に光束を集光するとき、光量の一部は対象となる記録層で反射せず、対象ではない記録層で反射される。そのため、対象となる記録層で反射された所望の信号光束だけでなく、対象外の記録層で反射された不要光束まで光検出器の各受光面に入射してしまうという問題がある。不要光束、つまり迷光が受光面に入射すると、結果的に信号に不要なノイズが漏れ込んでしまうことになるため、他層からの迷光が受光面に入らないようにすることが必要である。
【0029】
図2、図3で示した偏光性回折格子15および光検出器21は、多層光ディスクで課題となる迷光問題を解決する構成となっている。図4に示すような3層光ディスク30を例にとって説明する。
【0030】
図4(a)は、真ん中の記録層31に光束が集光したときの、手前(図中の下側)の記録層32の反射光を示す。このとき、3層光ディスク30に入射した光束は、真ん中の記録層31に集光され、信号光束34として反射されるが、一部の光束は手前の記録層32で反射され、不要光束34となる。
【0031】
同様に図4(b)は、真ん中の記録層31に光束が集光したときの、奥(図中の上側)の記録層33の反射光を示す。3層光ディスク30に入射する光束のうち、一部の光束は真ん中の記録層31を透過し、奥の記録層33で反射され、不要光束35となる。
【0032】
図5(a)は、図4(a)のように対象となる記録層(今回は記録層31を指す)に集光したとき、手前の記録層(今回は記録層32を指す)からの迷光(不要光束)が、図3に示した光検出器上に入射したときの様子を示したものである。黒点は偏光性回折格子15で回折した信号光を、斜線部は手前の記録層からの迷光を示している。この場合、信号光34は光検出器21上に集光するために各受光面に絞られて入射するが、不要光束35は非収束光となるため、偏光性回折格子15で回折された迷光は集光することなくデフォーカスして光検出器21上に入射し、図5(a)のような迷光パターンとなる。
【0033】
同様に図5(b)は、図4(b)のように対象となる記録層(今回は記録層31を指す)に集光したとき、奥の記録層(今回は記録層33を指す)からの迷光(不要光束)が、図3に示した光検出器上に入射したときの様子を示したものである。黒点は偏光性回折格子15で回折した信号光を、点線部は奥の記録層からの迷光を示している。この場合、信号光は光検出器21上に集光するために各受光面に絞られて入射するが、不要光束36は非収束光となるため、偏光性回折格子15で回折された迷光は光検出器21の手前で集光した後にデフォーカスして光検出器21上に入射し、図5(b)のような迷光パターンとなる。
【0034】
図5(a)および図5(b)のように、光検出器21に入射する迷光が受光面を回避できる理由について説明する。
【0035】
図6(a)は、受光面A1に対象となる記録層31からの信号光41が入射するときの、手前の記録層32からの迷光41aと奥の記録層33からの迷光41bの入射の様子を示す。図のように、迷光41aおよび41bは信号光に対してRad方向、つまり図中の左右方向に入射する。これは、図2の領域15Aから15Dからの回折光を受光する受光面全てに当てはまる。従って、左右に迷光が発生する受光面はTan方向、つまり図3中の上下方向に配置することが最も効果的な迷光回避となる。
【0036】
一方図6(b)は、受光面P1に対象となる記録層31からの信号光42が入射するときの、手前の記録層32からの迷光42aと奥の記録層33からの迷光42bの入射の様子を示す。図のように、迷光42aおよび42bは信号光に対してTan方向、つまり図中の上下方向に入射する。これは、図2の領域15Eから15Hからの回折光を受光する受光面全てに当てはまる。従って、上下に迷光が発生する受光面はRad方向、つまり図3中の左右方向に配置することが最も効果的な迷光回避となる。
【0037】
図3の光検出器21はこれらを満たしたパターンとなっているため、図5(a)および図5(b)のように各受光面上に他層迷光を入らないようにすることができ、ノイズ漏れ込みなどの問題は解決できる。
【0038】
格子領域15Iからの迷光は受光面I1上にあるが、I1で得られる信号i1は再生信号のみに用いて、フォーカス誤差信号やトラッキング誤差信号等のサーボ制御信号には用いないため、迷光が入射していても問題とならない。
【0039】
また、サーボ制御信号や再生信号は+1次光と−1次光で生成しており0次光を使用していないので、0次光の他層迷光がないために受光面は光軸中心22に近いところに配置できる。従って、光検出器21のサイズを小型にすることが可能である。
【0040】
なお、2層光ディスクもしくは4層以上の多層光ディスクであっても、対象外の記録層からの迷光は図5(a)および図5(b)と同じ形状で、さらにI1を除く各受光面から離れるように光検出器21上に入射するため、迷光を回避することができる。
【0041】
さて、多層化された光ディスクはそのディスク厚みの制限上、記録層数が多くなると層間隔は狭小化される。
【0042】
このとき、各記録層から検出されるフォーカス誤差信号は相互に干渉し、その相互干渉が主要因となって不要なオフセット成分や波形歪みが発生して、フォーカス誤差信号の品質が劣化するという問題が生じる。
【0043】
従って、多層化された光ディスクにおいて安定したフォーカス誤差信号を得るために、フォーカス誤差信号同士の相互干渉を防ぐことが必要であり、そのために各記録層のフォーカス誤差信号をデフォーカスに対して感度を高くすることが必要である。
【0044】
本発明は、図2の15E、15F、15G、15Hの4つの格子領域構成と、図3のE1からH1およびE2からH2の受光面構成によって、ダブルナイフエッジ法によりデフォーカスに対して感度の高いフォーカス誤差信号を実現している。これについての詳細を、図7および図8を用いて後述する。
【0045】
図7は図2の偏光性回折格子領域15Hを回折し、光検出器上に入射した信号光のデフォーカスによる変化を示す。
【0046】
図7(a)は、回折した信号光が光検出器上に集光した状態を表しており、黒点は信号光を示す。集光状態ではTan方向を示すX1と、Rad方向を示すX2の中心に回折光が集光されることを仮定する。また、斜線部は(b)から(g)は、集光状態からデフォーカスしたときの信号光を示す。信号光は対物レンズが一方方向にデフォーカスすると、順に図7(b)、(c)、(d)のように信号光がぼける。また対物レンズが反対方向にデフォーカスすると、順に図7(e)、(f)、(g)のように信号光がぼける。破線50は領域15Hによる信号光のデフォーカス方向を示す。
【0047】
このとき、重要となるのはデフォーカス量が大きくなるほど、信号光はX1とX2の中心から離れながら入射するという点である。これは、図2の偏光性回折格子15の中央領域15Iを含まないために起こる。中央領域を含まないため、例えばX1とX2の中心に受光面があったと仮定すると、中央領域を含む信号光よりも、図7のように中央領域を含まない信号光の方が、デフォーカスしたときの受光面に対する光量変位が大きい。つまり、一般に回折格子の中央領域を含まない信号光を用いた方が、デフォーカスに対して感度の高いフォーカス誤差信号を生成することが可能である。
【0048】
図8は、フォーカス誤差信号を検出する2分割受光面の配置例を示す。図8(a)のように、フォーカス誤差信号を検出する受光面51および受光面52は、デフォーカス方向50に沿った方向に配置することが望ましい。また、同時に受光面51の短辺51aおよび受光面52の短辺52aは、デフォーカス方向50に平行になるように、受光面51の長辺51bおよび受光面52の長辺52bは、デフォーカス方向50に垂直になるように、配置することが望ましい。これは、受光面の短辺をデフォーカス方向に沿って配置する状態が、最もデフォーカスに対する光量変位を急峻にし、感度の高いフォーカス誤差信号を実現できるためである。
【0049】
ただし、図8(a)のように、受光面がX1に対して傾いて配置すると、レンズシフトによって迷光が入射しやすくなる問題がある。
【0050】
そこで、図8(b)のように、受光面51の短辺51aおよび受光面52の短辺52aは、X1に平行になるように、受光面51の長辺51bおよび受光面52の長辺52bは、X2に平行になるように、配置することが望ましい。これは、領域15HはX1に隣接した領域のため、デフォーカスしたときの信号光はX1に隣接してぼけるからである。
【0051】
反対に、図8(c)のように、受光面51の短辺51aおよび受光面52の短辺52aを、X2に平行になるように配置すると、デフォーカスに対して光量変位の小さい、なだらかなフォーカス誤差信号を生成することになる。
【0052】
また、格子領域15E、15F、15G、15Hには、光ディスクでの回折によって生じるプッシュプル成分を含まず、オフセット成分のみの光が入射する構成となっている。従って、プッシュプル成分の漏れ込みの小さいフォーカス誤差信号を生成することが可能である。
【0053】
以上説明したように、本実施例の光ピックアップ装置は、レーザ光源11と、レーザ光源から出射した光束を光ディスクの情報記録面に集光する対物レンズ20と、情報記録面で反射した光束を複数に分割する回折格子15と、回折格子によって複数に分割された光束を受光する複数の受光面を有する光検出器21とを備えた光ピックアップ装置であって、情報記録面で反射した光束は、光ディスクのトラック回折0次光と、トラック回折±1次光から成り、回折格子は図2のように、回折格子の中心を含み、トラック回折0次光が入射する領域A(図2の15Iに相当する)と、回折格子の中心を含まず、前記トラック回折0次光と前記トラック回折±1次光の重なる領域、すなわち斜線部22および23で示したプッシュプル成分が入射する領域B(図2の15Aから15Dに相当する)と、回折格子の中心を含まず、前記トラック回折0次光、すなわちプッシュプル成分を含まないオフセット成分24が入射する領域C(図2の15Eから15Hに相当する)の3個の領域に分かれており、領域Cつまり15Eから15Hの領域を用いてフォーカス誤差信号を検出する。
【0054】
また、本実施例の光ピックアップ装置は、回折格子の領域Cを少なくとも4個の異なる方向へ光を分割する領域C1、領域C2、領域C3、領域C4、すなわち領域15E、領域15F、領域15G、領域15H、を有しており、これらを用いてフォーカス誤差信号を検出する。
【0055】
また、本実施例の光ピックアップ装置は、フォーカス誤差信号を検出する手段はダブルナイフエッジ法である。
【0056】
また、本実施例の光ピックアップ装置は、受光面のうちフォーカス誤差信号検出用の受光面は、図3の受光面E1からH1およびE2からH2のように少なくとも2つの領域に分割されており、回折光は受光面の分割位置、すなわち図3に示した暗線部に集光する。
【0057】
また、本実施例の光ピックアップ装置は、受光面のうちフォーカス誤差信号検出用の2つの領域に分割した受光面は、図8(a)のように回折光がデフォーカスによって受光面上で変位する方向50と略平行な方向を短辺とし、回折光がデフォーカスによって受光面上で変位する方向50と略垂直な方向を長辺としている。
【0058】
また、本実施例の光ピックアップ装置は、受光面のうちフォーカス誤差信号検出用の2つの領域に分割した受光面は、図8(b)のように光ディスクのトラック方向X1に略相当する方向を短辺とし、光ディスクのトラック方向X1に略垂直な方向を長辺としている。
【0059】
また、本実施例の光ピックアップ装置は、受光面のうちフォーカス誤差信号検出用の2つの領域に分割した受光面は、フォーカス誤差信号検出用の受光面は、図3のように光ディスクのトラック方向すなわちTan方向に対して略垂直な方向に互いに配置されている。
【0060】
また、本実施例の光ピックアップ装置は、光検出器21の受光面は図5のように、ディスクの集光された情報記録面以外の情報記録面から反射された不要光束が入射しない位置に配置されている。
【0061】
以上のような構成にすることで、デフォーカスに対して感度の高いフォーカス誤差信号を実現することができ、かつ多層迷光を効果的に回避することができる。
【0062】
なお、偏光性回折格子15の位置は、図1に限定されるものではない。例えば図9のようにPBS12と光検出器21の間に配置してもなんら問題はない。図9の光学系のとき、回折格子は復路光学系にしか含まれないので偏光性回折格子15を用いる必要はなく、通常回折格子60を用いてよい。通常回折格子60を用いることでより安価な光ピックアップ装置を提供することが可能となる。
【0063】
また、偏光性回折格子15もしくは回折格子22の構成は、図2に限定されるものではない。例えば、図10や図11のような構成であっても、デフォーカスに対して感度の高いフォーカス誤差信号を生成することが可能である。
【0064】
図10のような回折格子構成のとき、光検出器上に入射した信号光のデフォーカスによる変化は図12のようになる。偏光性回折格子15の中央領域15Iの面積がTan方向に広くなったため、デフォーカスに対する光量変位量は図7よりも大きくなり、図2の格子パターンよりも感度の高いフォーカス誤差信号を生成できる。
【0065】
図11のような回折格子構成のとき、光検出器上に入射した信号光のデフォーカスによる変化は図13のようになる。図11における領域15Hは図2における領域15HよりもTan方向に近い領域となっているため、信号光のデフォーカス方向もよりTan方向X1に近接する。そのため、図3や図8(b)に示したフォーカス誤差信号受光面配置のとき、デフォーカスに対する光量変位量は図7よりも大きくなり、図2の格子パターンよりも感度の高いフォーカス誤差信号を生成できる。
【0066】
さらに、実施例1ではフォーカス誤差信号の受光面を図3に示したような単純な長方形の形状となっているが、本発明はこのような形状の受光面に限定されるものではない。受光面のうちデフォーカス方向に平行な方向の長さを短くして、フォーカスに対して感度の高いフォーカス誤差信号を生成できれば、どのような形状の検出面であっても構わない。
【実施例2】
【0067】
図14は、本発明の実施例2に係る光ピックアップ装置の光学系の光検出器を示している。実施例1との違いは、図3の光検出器21の構成と偏光性回折格子15の領域の回折方向が異なることであるが、それ以外は実施例1と同様の構成である。
【0068】
偏光性回折格子15は、実施例1と同様で図2のようになっている。入射光束は15A、15B、15C、15D、15E、15F、15G、15H、15Iの9個の領域によってそれぞれ回折され、図13に示した光検出器21に入射する。
【0069】
偏光性回折格子15の領域15A、15B、15C、15D、15E、15F、15G、15H、15Iを回折した光束の+1次回折光は、それぞれ受光面A1、B1、C1、D1、P1、Q1、R1、S1、I1に入射し、−1次回折光は、それぞれA2、B2、C2、D2、E1とE2間の暗線部、F1とF2間の暗線部、G1とG2間の暗線部、H1とH2間の暗線部に入射する。
【0070】
各受光面に入射した信号光より、フォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号、再生信号であるRF信号を生成する。図14の光検出器の受光面と、図3の光検出器の受光面はそれぞれ対応しているため、これらの信号は数1から数4の演算式で生成する。
【0071】
図15(a)は、図4(a)のように対象となる記録層31に集光したとき、手前の記録層32からの不要光束35が、図14に示した光検出器上に入射したときの様子を示したものである。黒点は偏光性回折格子15で回折した信号光を、斜線部は手前の記録層からの迷光を示している。この場合、信号光34は光検出器21上に集光するために各受光面に絞られて入射するが、不要光束35は非収束光となるため、偏光性回折格子15で回折された迷光は集光することなくデフォーカスして光検出器21上に入射し、図15(a)のような迷光パターンとなる。
【0072】
図15(b)は、図4(b)のように対象となる記録層31に集光したとき、奥の記録層33からの不要光束36が、図14に示した光検出器上に入射したときの様子を示したものである。黒点は偏光性回折格子15で回折した信号光を、点線部は奥の記録層からの迷光を示している。この場合、信号光34は光検出器21上に集光するために各受光面に絞られて入射するが、不要光束36は非収束光となるため、偏光性回折格子15で回折された迷光は光検出器21の手前で集光した後にデフォーカスして光検出器21上に入射し、図15(b)のような迷光パターンとなる。
【0073】
図14の光検出器21は、図6および図7で説明した効果的な迷光を回避することのできるパターンとなっているため、図15(a)および図15(b)のように各受光面上に他層迷光を入らないようにすることができ、ノイズ漏れ込みなどの問題は解決できる。
【0074】
格子領域15Iからの迷光は受光面I1上にあるが、I1で得られる信号i1は再生信号のみに用いて、トラッキング誤差信号等のサーボ制御信号には用いないため、迷光が入射していても問題とならない。
【0075】
また、サーボ制御信号や再生信号は+1次光と−1次光で生成しており0次光を使用していないので、0次光の他層迷光がないために受光面は光軸中心22に近いところに配置できる。図14は領域15Eから15Hの回折光の受光面が光軸中心22に近いところに配置している点が図3とは異なるが、図3と同様に効果的に信号光と迷光を分離することができている。従って、光検出器21のサイズを小型にすることが可能である。
【0076】
なお、2層光ディスクもしくは4層以上の多層光ディスクであっても、対象外の記録層からの迷光は図14(a)および図14(b)と同じ形状で光検出器21上に入射するため、迷光を回避することができる。
【0077】
フォーカス誤差信号を検出するために用いる格子領域および受光面構成は実施例1と全く同じであるため、デフォーカスに対して感度が高く、プッシュプル成分の漏れ込みの小さいフォーカス信号を実現することができる。
【0078】
なお、偏光性回折格子15の位置は図1に限定されるものではなく、例えば図9の位置に配置し、通常回折格子60を用いても良い。また、偏光性回折格子15の構成は図2に限定されるものではなく、例えば図10や図11のような構成であっても良い。
【実施例3】
【0079】
実施例3では、実施例1および実施例2で説明した光ピックアップ装置を搭載した光ディスク装置(光情報再生装置または光情報記録再生装置)について、図16を用いて説明する。
【0080】
図16は、情報の記録および再生を行う光情報記録再生装置の概略ブロック図を示している。200は本発明の光ピックアップ装置を示しており、この光ピックアップ装置200内の光検出器21から検出された信号は、サーボ信号生成回路201および情報信号再生回路202に送られる。
【0081】
サーボ信号生成回路201では、光ピックアップ装置200より検出された信号に基づいて光ディスク203に適したフォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号、球面収差検出信号、チルト制御信号等が生成され、これらの信号を基にアクチュエータ駆動回路204を経て光ピックアップ装置200内の対物レンズアクチュエータを駆動して、対物レンズ205の位置制御が行われる。
【0082】
情報信号再生回路202では、光ピックアップ装置200より検出された信号から光ディスク203に記録された情報信号が再生される。
【0083】
また、サーボ信号生成回路201および情報信号再生回路202にて得られた信号の一部は、コントロール回路206に送られる。コントロール回路206からはレーザ駆動用信号が送られ、レーザ点灯回路207を駆動させて光ピックアップ装置200内のレーザ光源11にレーザ駆動電流を供給する。また、光ピックアップ装置200内のフロントモニタを用いてレーザ光源11からのレーザの出射光量を制御できる。なお、レーザ点灯回路207は光ピックアップ装置200内に組み込むことも可能である。
【0084】
コントロール回路206には、サーボ信号制御回路201、レーザ点灯回路207の他にスピンドルモータ駆動回路208、アクセス制御回路209、球面収差補正素子駆動回路210等が接続されており、それぞれ光ディスク203を回転させるスピンドルモータ211の回転制御、光ピックアップ装置200のアクセス方向位置制御、光ピックアップ装置200内の球面収差補正光学系の補正レンズの駆動制御が行われる。
【0085】
なお、記録時はコントロール回路206とレーザ点灯回路207の間に設けられている情報信号記録回路212からの記録制御信号に基づいて、レーザ点灯回路207を駆動させて光ディスク203に情報を記録する。
【0086】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
【符号の説明】
【0087】
11…レーザ光源、
12…偏光ビームスプリッタ(PBS)、
13…フロントモニタ、
14…コリメートレンズ、
15…偏光性回折格子、
16…ビームエキスパンダ、
17…1/4波長板、
18…立ち上げミラー、
19…アクチュエータ、
20…対物レンズ、
21…光検出器、
30…3層光ディスク、
200…光ピックアップ装置、
201…サーボ信号生成回路、
202…情報信号再生回路、
203…光ディスク、
206…コントロール回路、
207…レーザ点灯回路、
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ピックアップ装置およびそれを搭載した光ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術に関する背景技術として、例えば特開2009−87402号公報(特許文献1)がある。本公報には、「ダブルナイフエッジ法によりフォーカス誤差信号を算出することによって、光検出器112の位置ずれが生じた際も、フォーカス誤差信号にオフセットが生じにくくなり、安定したフォーカス制御を行うことができる」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−87402号公報(第15頁、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光学的記録情報媒体(以下、光ディスクと略す。)を記録再生するのに必要となるサーボ技術に関して、光ディスクの情報記録面上に光束を集光させるために、フォーカス誤差信号と呼ばれるサーボ制御信号が必要である。フォーカス誤差信号検出方式の1つに、ダブルナイフエッジ法がある。ダブルナイフエッジ法とは、対物レンズを光束進行方向に沿って前後に動かしたとき(以下、デフォーカスと呼ぶ。)、ディスクで反射した光束の光受光面での光点像の移動量を検出することによって、フォーカス誤差信号を検出する方式である。ダブルナイフエッジ法は、光受光面は反射した光束が集光される位置に配置されるため、例えば他のフォーカス誤差信号検出方式である非点収差方式などと比較して、回折光外乱の影響が少ないという長所を持つ。
【0005】
さて、特許文献1では光ディスクで反射した光束を回折格子によって複数に分岐し、そのうち回折格子の中央を含んだ領域の回折光を用いて、ダブルナイフエッジ法によりフォーカス誤差信号を検出している。そのため、集光した位置から対物レンズがデフォーカスするとき、デフォーカスに対する光量変位量が小さくなり、フォーカス誤差信号はなだらかな波形を形成する。このとき、複数の情報記録面を有する光ディスクの場合に、各記録面から検出されるフォーカス誤差信号が相互に干渉し、その相互干渉が主原因となって不要なオフセット成分や波形歪みが発生して、フォーカス誤差信号の品質が著しく劣化するという問題が生じる。
【0006】
本発明は、複数の情報記録面を有する光ディスクの場合においても、フォーカス誤差信号同士の相互干渉を防ぎ、安定したフォーカス誤差信号を検出することが可能な光ピックアップ装置およびそれを搭載した光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、その一例として特許請求の範囲に記載する構成により達成できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の情報記録面を有する情報記録媒体を記録再生する場合に、安定したフォーカス誤差信号を得ることが可能な光ピックアップ装置およびそれを搭載した光ディスク装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1において、本発明の光学系を示した図である。
【図2】実施例1において、本発明の回折格子を示した図である。
【図3】実施例1において、本発明の光検出器の受光面構成を示した図である。
【図4】3層光ディスクに入射した信号光と迷光の光路を示した図である。
【図5】実施例1において、対象となる記録層の前後の層からの迷光の形状を示した図である。
【図6】回折格子の各領域からの回折した信号光と迷光の関係を示した図である。
【図7】光検出器に入射した信号光のデフォーカスによる変化を示した図である。
【図8】信号光のデフォーカス方向と、フォーカス誤差信号を検出する受光面の関係を示した図である。
【図9】実施例1において、本発明の他の光学系を示した図である。
【図10】実施例1において、本発明の他の回折格子を示した図である。
【図11】実施例1において、本発明の他の回折格子を示した図である。
【図12】光検出器に入射した信号光のデフォーカスによる変化を示した図である。
【図13】光検出器に入射した信号光のデフォーカスによる変化を示した図である。
【図14】実施例2において、本発明の光検出器の受光面構成を示した図である。
【図15】実施例2において、対象となる記録層の前後の層からの迷光の形状を示した図である。
【図16】実施例3において、光ピックアップ装置を搭載した光情報再生装置また光情報記録再生装置の概略ブロック図を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を適用した光ピックアップ装置および光ディスク装置の実施形態の一例について、以下図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明の実施例1に係る光ピックアップ装置の光学系を示している。ここでは記録方式について特に記さないが、BDやDVDや他の記録方式であってもなんら構わない。
【0012】
レーザ光源11から光束が発散光として出射される。半導体レーザは直線偏光の光束を出射するのが一般的であり、レーザ光源11からも直線偏光の光束を出射することを想定する。なお、レーザ光源11から出射された光束の中心光路(以下、光軸と略す。)を鎖線で図示した。
【0013】
レーザ光源11から出射された光束は、偏光ビームスプリッタ(以下、PBSと略す。)12を反射する。ただし、一部の光束はPBS12を透過し、フロントモニタ13に入射する。一般的に光ディスクの記録再生動作の精度を良くするためには、光ディスクに照射される光束の光量を所望の値に制御することが必須となる。フロントモニタ13はレーザ光源からの光量変化を制御回路にフィードバックすることにより、光束の光量を制御することを可能とする。
【0014】
PBS12を反射した光束は、コリメートレンズ14によって略平行な光束に変換される。コリメートレンズ14を透過した光束は、偏光性回折格子15を透過し、ビームエキスパンダ16に入射する。ビームエキスパンダ16は、光軸と平行な方向にシフトすることで、光束の収束・発散状態を変え、光ディスクのカバー層厚み誤差による球面収差を補正することを可能とする。
【0015】
ビームエキスパンダ16を透過した光束は、1/4波長板17を透過、立ち上げミラー18を反射後、アクチュエータ19に搭載された対物レンズ20を透過して、光ディスクの記録層上(図示せず)に集光される。
【0016】
光ディスクの記録層上より反射した光束は、対物レンズ20、立ち上げミラー18、1/4波長板17、ビームエキスパンダ16を透過し、偏光性回折格子15に入射する。偏光性回折格子とは、所定の方向の直線偏光の光束を回折し、その方向と直交する方向の直線偏光の光束を透過する機能を持つ回折格子である。本実施例における偏光性回折格子15は光束を複数の領域に分割し、分割された光束は、コリメータレンズ14、PBS12を透過して、光検出器21上に集光する。
【0017】
光検出器21上は、回折によって複数に分割された各光束がそれぞれ集光できるような複数の受光面で構成されており、受光面に照射された光量に従って再生信号であるRF信号やフォーカス誤差信号やトラッキング誤差信号などが生成される。
【0018】
なお、1/4波長板17は、光ディスクで反射した光束が偏光性回折格子15に再び入射する前に透過すればよいため、図1の位置には限定されない。
【0019】
図2は、図1における偏光性回折格子15の構成の一例となっている。偏光性回折格子15は、実線によって15A、15B、15C、15D、15E、15F、15G、15H、15Iの9個の領域に分かれており、それぞれ所定の方向へ光束を回折する。領域15Aから15Hは、一点鎖線で示したトラック方向に相当する方向、つまり光ディスク接線方向(以下、Tan方向と略す。)の線で回折格子中心を通る線X1、およびトラック方向に略垂直な方向、つまり光ディスク半径方向(以下、Rad方向と略す。)の線で回折格子中心を通る線X2に対して、それぞれ線対称に位置する。破線の円は、光ディスクの記録層を反射して偏光性回折格子15に入射する光束の外形を示す。斜線部22および23は、光ディスクのトラック回折0次光とトラック回折±1次光の重なる干渉領域、すなわち光ディスクのトラックによる回折で生じるプッシュプル成分のパターンを表している。斜線部22および23を除いた光束24は、光ディスクのトラック回折0次光のみ、つまり干渉の起きていないオフセット成分のみを表している。従って、領域15A〜15Dからはプッシュプル成分を含んだ回折光が出射し、領域15E〜15Hおよび15Iはオフセット成分のみの回折光が出射する。
【0020】
図3は、図1における光検出器21の構成の一例となっている。図2で示した偏光性回折格子15の領域15A、15B、15C、15D、15E、15F、15G、15H、15Iを回折した光束の+1次回折光は、それぞれ受光面A1、B1、C1、D1、P1、Q1、R1、S1、I1に入射し、−1次回折光は、それぞれ受光面A2、B2、C2、D2、E1とE2間の暗線部、F1とF2間の暗線部、G1とG2間の暗線部、H1とH2間の暗線部に入射する。+1次回折光と−1次回折光は光軸中心25に対して対称に回折するため、受光面の配置も図3のように対称に配置される。
【0021】
各受光面に入射した信号光より、フォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号、再生信号であるRF信号を生成する。受光面A1、B1、C1、D1、P1、Q1、R1、S1、I1、A2、B2、C2、D2、E1、E2、F1、F2、G1、G2、H1、H2、で検出して得られる信号を、順にa1、b1、c1、d1、p1、q1、r1、s1、i1、a2、b2、c2、d2、e1、e2、f1、f2、g1、g2、h1、h2とする。
【0022】
フォーカス誤差信号の検出には、ダブルナイフエッジ法を使用する。ダブルナイフエッジ法でフォーカス誤差信号を生成するために、集光状態において2分割した受光面間の暗線部に信号光は入射する構成になっている。暗線部は受光面から離れた光でも、受光面からの距離に応じて所定の感度を持って光を検出するため、この暗線部を用いることで、デフォーカスに対して感度を持ったフォーカス誤差信号を生成することができる。ダブルナイフエッジ法によって得られた信号e1からh1およびe2からh2を用いて、数1に示す演算式より生成する。
【数1】
【0023】
一方、トラッキング誤差信号の検出には、プッシュプル法(PP:Push Pull)および位相差検出法(DPD:Differential Phase Detection)の2方式を使用することができる。これは、例えば光ディスクが追記型や書換型で、特に未記録時の場合にはDPD法でのトラッキング誤差信号の検出が困難であるためである。
【0024】
PP法を使用するとき、プッシュプル成分を含んだ信号a1からd1のみで生成した場合、対物レンズがRad方向に対物レンズ変位(以下、レンズシフトと記す。)したときに、図2中の左右の光量アンバランスによって直流成分のオフセットが発生してしまう。そこで、オフセット成分のみの信号p1からs1を用いて、オフセットをキャンセルする演算を行う。プッシュプル成分を含んだ信号をメインプッシュプル信号(以下MPP信号と略す。)、オフセット成分のみの信号をオフセット信号とすると、PP信号は数2に示す演算式となる。
【数2】
【0025】
ここで、数2のktは、対物レンズがレンズシフトした際に、式中第1項の信号に含まれるオフセット成分と、式中第2項の信号に含まれるオフセット成分とを補正するための係数である。このような演算を行うことによって、対物レンズがレンズシフトした際であってもオフセットのない安定したトラッキング誤差信号を生成することが可能である。
【0026】
一方、DPD法を使用するとき、図2における領域15A+15E、領域15B+15F、領域15C+1GE、領域15D+15Hから生成された信号の位相差よりDPD信号を生成する。そこで、例えば信号a2からd2と信号p1からs1を用いて、数3に示す4つの信号の位相差によりDPD信号を生成する。
【数3】
【0027】
また、偏光性回折格子15の各領域の分光比は、例えば領域15I以外の領域は、0次光:+1次光:−1次光=0:7:3とする。また、領域15Iは、0次光:+1次光:−1次光=0:1:0とする。このように、+1次光と−1次光の分光比が異なるように、回折格子の格子溝形状を形成することをブレーズ化という。ブレーズ化する理由は、再生信号を+1次光の総和で生成するので、再生信号の光量を多くとりノイズを低減するためである。再生信号であるRF信号は、数4に示す演算式より生成する。
【数4】
【0028】
さて、多層化された光ディスクを用いて各記録層に光束を集光するとき、光量の一部は対象となる記録層で反射せず、対象ではない記録層で反射される。そのため、対象となる記録層で反射された所望の信号光束だけでなく、対象外の記録層で反射された不要光束まで光検出器の各受光面に入射してしまうという問題がある。不要光束、つまり迷光が受光面に入射すると、結果的に信号に不要なノイズが漏れ込んでしまうことになるため、他層からの迷光が受光面に入らないようにすることが必要である。
【0029】
図2、図3で示した偏光性回折格子15および光検出器21は、多層光ディスクで課題となる迷光問題を解決する構成となっている。図4に示すような3層光ディスク30を例にとって説明する。
【0030】
図4(a)は、真ん中の記録層31に光束が集光したときの、手前(図中の下側)の記録層32の反射光を示す。このとき、3層光ディスク30に入射した光束は、真ん中の記録層31に集光され、信号光束34として反射されるが、一部の光束は手前の記録層32で反射され、不要光束34となる。
【0031】
同様に図4(b)は、真ん中の記録層31に光束が集光したときの、奥(図中の上側)の記録層33の反射光を示す。3層光ディスク30に入射する光束のうち、一部の光束は真ん中の記録層31を透過し、奥の記録層33で反射され、不要光束35となる。
【0032】
図5(a)は、図4(a)のように対象となる記録層(今回は記録層31を指す)に集光したとき、手前の記録層(今回は記録層32を指す)からの迷光(不要光束)が、図3に示した光検出器上に入射したときの様子を示したものである。黒点は偏光性回折格子15で回折した信号光を、斜線部は手前の記録層からの迷光を示している。この場合、信号光34は光検出器21上に集光するために各受光面に絞られて入射するが、不要光束35は非収束光となるため、偏光性回折格子15で回折された迷光は集光することなくデフォーカスして光検出器21上に入射し、図5(a)のような迷光パターンとなる。
【0033】
同様に図5(b)は、図4(b)のように対象となる記録層(今回は記録層31を指す)に集光したとき、奥の記録層(今回は記録層33を指す)からの迷光(不要光束)が、図3に示した光検出器上に入射したときの様子を示したものである。黒点は偏光性回折格子15で回折した信号光を、点線部は奥の記録層からの迷光を示している。この場合、信号光は光検出器21上に集光するために各受光面に絞られて入射するが、不要光束36は非収束光となるため、偏光性回折格子15で回折された迷光は光検出器21の手前で集光した後にデフォーカスして光検出器21上に入射し、図5(b)のような迷光パターンとなる。
【0034】
図5(a)および図5(b)のように、光検出器21に入射する迷光が受光面を回避できる理由について説明する。
【0035】
図6(a)は、受光面A1に対象となる記録層31からの信号光41が入射するときの、手前の記録層32からの迷光41aと奥の記録層33からの迷光41bの入射の様子を示す。図のように、迷光41aおよび41bは信号光に対してRad方向、つまり図中の左右方向に入射する。これは、図2の領域15Aから15Dからの回折光を受光する受光面全てに当てはまる。従って、左右に迷光が発生する受光面はTan方向、つまり図3中の上下方向に配置することが最も効果的な迷光回避となる。
【0036】
一方図6(b)は、受光面P1に対象となる記録層31からの信号光42が入射するときの、手前の記録層32からの迷光42aと奥の記録層33からの迷光42bの入射の様子を示す。図のように、迷光42aおよび42bは信号光に対してTan方向、つまり図中の上下方向に入射する。これは、図2の領域15Eから15Hからの回折光を受光する受光面全てに当てはまる。従って、上下に迷光が発生する受光面はRad方向、つまり図3中の左右方向に配置することが最も効果的な迷光回避となる。
【0037】
図3の光検出器21はこれらを満たしたパターンとなっているため、図5(a)および図5(b)のように各受光面上に他層迷光を入らないようにすることができ、ノイズ漏れ込みなどの問題は解決できる。
【0038】
格子領域15Iからの迷光は受光面I1上にあるが、I1で得られる信号i1は再生信号のみに用いて、フォーカス誤差信号やトラッキング誤差信号等のサーボ制御信号には用いないため、迷光が入射していても問題とならない。
【0039】
また、サーボ制御信号や再生信号は+1次光と−1次光で生成しており0次光を使用していないので、0次光の他層迷光がないために受光面は光軸中心22に近いところに配置できる。従って、光検出器21のサイズを小型にすることが可能である。
【0040】
なお、2層光ディスクもしくは4層以上の多層光ディスクであっても、対象外の記録層からの迷光は図5(a)および図5(b)と同じ形状で、さらにI1を除く各受光面から離れるように光検出器21上に入射するため、迷光を回避することができる。
【0041】
さて、多層化された光ディスクはそのディスク厚みの制限上、記録層数が多くなると層間隔は狭小化される。
【0042】
このとき、各記録層から検出されるフォーカス誤差信号は相互に干渉し、その相互干渉が主要因となって不要なオフセット成分や波形歪みが発生して、フォーカス誤差信号の品質が劣化するという問題が生じる。
【0043】
従って、多層化された光ディスクにおいて安定したフォーカス誤差信号を得るために、フォーカス誤差信号同士の相互干渉を防ぐことが必要であり、そのために各記録層のフォーカス誤差信号をデフォーカスに対して感度を高くすることが必要である。
【0044】
本発明は、図2の15E、15F、15G、15Hの4つの格子領域構成と、図3のE1からH1およびE2からH2の受光面構成によって、ダブルナイフエッジ法によりデフォーカスに対して感度の高いフォーカス誤差信号を実現している。これについての詳細を、図7および図8を用いて後述する。
【0045】
図7は図2の偏光性回折格子領域15Hを回折し、光検出器上に入射した信号光のデフォーカスによる変化を示す。
【0046】
図7(a)は、回折した信号光が光検出器上に集光した状態を表しており、黒点は信号光を示す。集光状態ではTan方向を示すX1と、Rad方向を示すX2の中心に回折光が集光されることを仮定する。また、斜線部は(b)から(g)は、集光状態からデフォーカスしたときの信号光を示す。信号光は対物レンズが一方方向にデフォーカスすると、順に図7(b)、(c)、(d)のように信号光がぼける。また対物レンズが反対方向にデフォーカスすると、順に図7(e)、(f)、(g)のように信号光がぼける。破線50は領域15Hによる信号光のデフォーカス方向を示す。
【0047】
このとき、重要となるのはデフォーカス量が大きくなるほど、信号光はX1とX2の中心から離れながら入射するという点である。これは、図2の偏光性回折格子15の中央領域15Iを含まないために起こる。中央領域を含まないため、例えばX1とX2の中心に受光面があったと仮定すると、中央領域を含む信号光よりも、図7のように中央領域を含まない信号光の方が、デフォーカスしたときの受光面に対する光量変位が大きい。つまり、一般に回折格子の中央領域を含まない信号光を用いた方が、デフォーカスに対して感度の高いフォーカス誤差信号を生成することが可能である。
【0048】
図8は、フォーカス誤差信号を検出する2分割受光面の配置例を示す。図8(a)のように、フォーカス誤差信号を検出する受光面51および受光面52は、デフォーカス方向50に沿った方向に配置することが望ましい。また、同時に受光面51の短辺51aおよび受光面52の短辺52aは、デフォーカス方向50に平行になるように、受光面51の長辺51bおよび受光面52の長辺52bは、デフォーカス方向50に垂直になるように、配置することが望ましい。これは、受光面の短辺をデフォーカス方向に沿って配置する状態が、最もデフォーカスに対する光量変位を急峻にし、感度の高いフォーカス誤差信号を実現できるためである。
【0049】
ただし、図8(a)のように、受光面がX1に対して傾いて配置すると、レンズシフトによって迷光が入射しやすくなる問題がある。
【0050】
そこで、図8(b)のように、受光面51の短辺51aおよび受光面52の短辺52aは、X1に平行になるように、受光面51の長辺51bおよび受光面52の長辺52bは、X2に平行になるように、配置することが望ましい。これは、領域15HはX1に隣接した領域のため、デフォーカスしたときの信号光はX1に隣接してぼけるからである。
【0051】
反対に、図8(c)のように、受光面51の短辺51aおよび受光面52の短辺52aを、X2に平行になるように配置すると、デフォーカスに対して光量変位の小さい、なだらかなフォーカス誤差信号を生成することになる。
【0052】
また、格子領域15E、15F、15G、15Hには、光ディスクでの回折によって生じるプッシュプル成分を含まず、オフセット成分のみの光が入射する構成となっている。従って、プッシュプル成分の漏れ込みの小さいフォーカス誤差信号を生成することが可能である。
【0053】
以上説明したように、本実施例の光ピックアップ装置は、レーザ光源11と、レーザ光源から出射した光束を光ディスクの情報記録面に集光する対物レンズ20と、情報記録面で反射した光束を複数に分割する回折格子15と、回折格子によって複数に分割された光束を受光する複数の受光面を有する光検出器21とを備えた光ピックアップ装置であって、情報記録面で反射した光束は、光ディスクのトラック回折0次光と、トラック回折±1次光から成り、回折格子は図2のように、回折格子の中心を含み、トラック回折0次光が入射する領域A(図2の15Iに相当する)と、回折格子の中心を含まず、前記トラック回折0次光と前記トラック回折±1次光の重なる領域、すなわち斜線部22および23で示したプッシュプル成分が入射する領域B(図2の15Aから15Dに相当する)と、回折格子の中心を含まず、前記トラック回折0次光、すなわちプッシュプル成分を含まないオフセット成分24が入射する領域C(図2の15Eから15Hに相当する)の3個の領域に分かれており、領域Cつまり15Eから15Hの領域を用いてフォーカス誤差信号を検出する。
【0054】
また、本実施例の光ピックアップ装置は、回折格子の領域Cを少なくとも4個の異なる方向へ光を分割する領域C1、領域C2、領域C3、領域C4、すなわち領域15E、領域15F、領域15G、領域15H、を有しており、これらを用いてフォーカス誤差信号を検出する。
【0055】
また、本実施例の光ピックアップ装置は、フォーカス誤差信号を検出する手段はダブルナイフエッジ法である。
【0056】
また、本実施例の光ピックアップ装置は、受光面のうちフォーカス誤差信号検出用の受光面は、図3の受光面E1からH1およびE2からH2のように少なくとも2つの領域に分割されており、回折光は受光面の分割位置、すなわち図3に示した暗線部に集光する。
【0057】
また、本実施例の光ピックアップ装置は、受光面のうちフォーカス誤差信号検出用の2つの領域に分割した受光面は、図8(a)のように回折光がデフォーカスによって受光面上で変位する方向50と略平行な方向を短辺とし、回折光がデフォーカスによって受光面上で変位する方向50と略垂直な方向を長辺としている。
【0058】
また、本実施例の光ピックアップ装置は、受光面のうちフォーカス誤差信号検出用の2つの領域に分割した受光面は、図8(b)のように光ディスクのトラック方向X1に略相当する方向を短辺とし、光ディスクのトラック方向X1に略垂直な方向を長辺としている。
【0059】
また、本実施例の光ピックアップ装置は、受光面のうちフォーカス誤差信号検出用の2つの領域に分割した受光面は、フォーカス誤差信号検出用の受光面は、図3のように光ディスクのトラック方向すなわちTan方向に対して略垂直な方向に互いに配置されている。
【0060】
また、本実施例の光ピックアップ装置は、光検出器21の受光面は図5のように、ディスクの集光された情報記録面以外の情報記録面から反射された不要光束が入射しない位置に配置されている。
【0061】
以上のような構成にすることで、デフォーカスに対して感度の高いフォーカス誤差信号を実現することができ、かつ多層迷光を効果的に回避することができる。
【0062】
なお、偏光性回折格子15の位置は、図1に限定されるものではない。例えば図9のようにPBS12と光検出器21の間に配置してもなんら問題はない。図9の光学系のとき、回折格子は復路光学系にしか含まれないので偏光性回折格子15を用いる必要はなく、通常回折格子60を用いてよい。通常回折格子60を用いることでより安価な光ピックアップ装置を提供することが可能となる。
【0063】
また、偏光性回折格子15もしくは回折格子22の構成は、図2に限定されるものではない。例えば、図10や図11のような構成であっても、デフォーカスに対して感度の高いフォーカス誤差信号を生成することが可能である。
【0064】
図10のような回折格子構成のとき、光検出器上に入射した信号光のデフォーカスによる変化は図12のようになる。偏光性回折格子15の中央領域15Iの面積がTan方向に広くなったため、デフォーカスに対する光量変位量は図7よりも大きくなり、図2の格子パターンよりも感度の高いフォーカス誤差信号を生成できる。
【0065】
図11のような回折格子構成のとき、光検出器上に入射した信号光のデフォーカスによる変化は図13のようになる。図11における領域15Hは図2における領域15HよりもTan方向に近い領域となっているため、信号光のデフォーカス方向もよりTan方向X1に近接する。そのため、図3や図8(b)に示したフォーカス誤差信号受光面配置のとき、デフォーカスに対する光量変位量は図7よりも大きくなり、図2の格子パターンよりも感度の高いフォーカス誤差信号を生成できる。
【0066】
さらに、実施例1ではフォーカス誤差信号の受光面を図3に示したような単純な長方形の形状となっているが、本発明はこのような形状の受光面に限定されるものではない。受光面のうちデフォーカス方向に平行な方向の長さを短くして、フォーカスに対して感度の高いフォーカス誤差信号を生成できれば、どのような形状の検出面であっても構わない。
【実施例2】
【0067】
図14は、本発明の実施例2に係る光ピックアップ装置の光学系の光検出器を示している。実施例1との違いは、図3の光検出器21の構成と偏光性回折格子15の領域の回折方向が異なることであるが、それ以外は実施例1と同様の構成である。
【0068】
偏光性回折格子15は、実施例1と同様で図2のようになっている。入射光束は15A、15B、15C、15D、15E、15F、15G、15H、15Iの9個の領域によってそれぞれ回折され、図13に示した光検出器21に入射する。
【0069】
偏光性回折格子15の領域15A、15B、15C、15D、15E、15F、15G、15H、15Iを回折した光束の+1次回折光は、それぞれ受光面A1、B1、C1、D1、P1、Q1、R1、S1、I1に入射し、−1次回折光は、それぞれA2、B2、C2、D2、E1とE2間の暗線部、F1とF2間の暗線部、G1とG2間の暗線部、H1とH2間の暗線部に入射する。
【0070】
各受光面に入射した信号光より、フォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号、再生信号であるRF信号を生成する。図14の光検出器の受光面と、図3の光検出器の受光面はそれぞれ対応しているため、これらの信号は数1から数4の演算式で生成する。
【0071】
図15(a)は、図4(a)のように対象となる記録層31に集光したとき、手前の記録層32からの不要光束35が、図14に示した光検出器上に入射したときの様子を示したものである。黒点は偏光性回折格子15で回折した信号光を、斜線部は手前の記録層からの迷光を示している。この場合、信号光34は光検出器21上に集光するために各受光面に絞られて入射するが、不要光束35は非収束光となるため、偏光性回折格子15で回折された迷光は集光することなくデフォーカスして光検出器21上に入射し、図15(a)のような迷光パターンとなる。
【0072】
図15(b)は、図4(b)のように対象となる記録層31に集光したとき、奥の記録層33からの不要光束36が、図14に示した光検出器上に入射したときの様子を示したものである。黒点は偏光性回折格子15で回折した信号光を、点線部は奥の記録層からの迷光を示している。この場合、信号光34は光検出器21上に集光するために各受光面に絞られて入射するが、不要光束36は非収束光となるため、偏光性回折格子15で回折された迷光は光検出器21の手前で集光した後にデフォーカスして光検出器21上に入射し、図15(b)のような迷光パターンとなる。
【0073】
図14の光検出器21は、図6および図7で説明した効果的な迷光を回避することのできるパターンとなっているため、図15(a)および図15(b)のように各受光面上に他層迷光を入らないようにすることができ、ノイズ漏れ込みなどの問題は解決できる。
【0074】
格子領域15Iからの迷光は受光面I1上にあるが、I1で得られる信号i1は再生信号のみに用いて、トラッキング誤差信号等のサーボ制御信号には用いないため、迷光が入射していても問題とならない。
【0075】
また、サーボ制御信号や再生信号は+1次光と−1次光で生成しており0次光を使用していないので、0次光の他層迷光がないために受光面は光軸中心22に近いところに配置できる。図14は領域15Eから15Hの回折光の受光面が光軸中心22に近いところに配置している点が図3とは異なるが、図3と同様に効果的に信号光と迷光を分離することができている。従って、光検出器21のサイズを小型にすることが可能である。
【0076】
なお、2層光ディスクもしくは4層以上の多層光ディスクであっても、対象外の記録層からの迷光は図14(a)および図14(b)と同じ形状で光検出器21上に入射するため、迷光を回避することができる。
【0077】
フォーカス誤差信号を検出するために用いる格子領域および受光面構成は実施例1と全く同じであるため、デフォーカスに対して感度が高く、プッシュプル成分の漏れ込みの小さいフォーカス信号を実現することができる。
【0078】
なお、偏光性回折格子15の位置は図1に限定されるものではなく、例えば図9の位置に配置し、通常回折格子60を用いても良い。また、偏光性回折格子15の構成は図2に限定されるものではなく、例えば図10や図11のような構成であっても良い。
【実施例3】
【0079】
実施例3では、実施例1および実施例2で説明した光ピックアップ装置を搭載した光ディスク装置(光情報再生装置または光情報記録再生装置)について、図16を用いて説明する。
【0080】
図16は、情報の記録および再生を行う光情報記録再生装置の概略ブロック図を示している。200は本発明の光ピックアップ装置を示しており、この光ピックアップ装置200内の光検出器21から検出された信号は、サーボ信号生成回路201および情報信号再生回路202に送られる。
【0081】
サーボ信号生成回路201では、光ピックアップ装置200より検出された信号に基づいて光ディスク203に適したフォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号、球面収差検出信号、チルト制御信号等が生成され、これらの信号を基にアクチュエータ駆動回路204を経て光ピックアップ装置200内の対物レンズアクチュエータを駆動して、対物レンズ205の位置制御が行われる。
【0082】
情報信号再生回路202では、光ピックアップ装置200より検出された信号から光ディスク203に記録された情報信号が再生される。
【0083】
また、サーボ信号生成回路201および情報信号再生回路202にて得られた信号の一部は、コントロール回路206に送られる。コントロール回路206からはレーザ駆動用信号が送られ、レーザ点灯回路207を駆動させて光ピックアップ装置200内のレーザ光源11にレーザ駆動電流を供給する。また、光ピックアップ装置200内のフロントモニタを用いてレーザ光源11からのレーザの出射光量を制御できる。なお、レーザ点灯回路207は光ピックアップ装置200内に組み込むことも可能である。
【0084】
コントロール回路206には、サーボ信号制御回路201、レーザ点灯回路207の他にスピンドルモータ駆動回路208、アクセス制御回路209、球面収差補正素子駆動回路210等が接続されており、それぞれ光ディスク203を回転させるスピンドルモータ211の回転制御、光ピックアップ装置200のアクセス方向位置制御、光ピックアップ装置200内の球面収差補正光学系の補正レンズの駆動制御が行われる。
【0085】
なお、記録時はコントロール回路206とレーザ点灯回路207の間に設けられている情報信号記録回路212からの記録制御信号に基づいて、レーザ点灯回路207を駆動させて光ディスク203に情報を記録する。
【0086】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
【符号の説明】
【0087】
11…レーザ光源、
12…偏光ビームスプリッタ(PBS)、
13…フロントモニタ、
14…コリメートレンズ、
15…偏光性回折格子、
16…ビームエキスパンダ、
17…1/4波長板、
18…立ち上げミラー、
19…アクチュエータ、
20…対物レンズ、
21…光検出器、
30…3層光ディスク、
200…光ピックアップ装置、
201…サーボ信号生成回路、
202…情報信号再生回路、
203…光ディスク、
206…コントロール回路、
207…レーザ点灯回路、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光源と、
前記レーザ光源から出射した光束を光ディスクの情報記録面に集光する対物レンズと、
前記情報記録面で反射した光束を複数に分割する回折格子と、
前記回折格子によって複数に分割された光束を受光する複数の受光素子を有する光検出器とを備え、
前記回折格子は複数の領域に分割されており、
前記回折格子の中心を含む中央位置にある領域を除く領域を用いてフォーカス誤差信号を検出することを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光ピックアップ装置であって、
前記情報記録面で反射した光束は、前記光ディスクのトラック回折0次光と、トラック回折±1次光から成り、
前記回折格子は、
前記回折格子の中心を含み、前記トラック回折0次光が入射する領域Aと、
前記回折格子の中心を含まず、前記トラック回折0次光と前記トラック回折±1次光の重なる領域が入射する領域Bと、
前記回折格子の中心を含まず、前記トラック回折0次光が入射する領域Cの3個の領域に分かれており、
前記領域Cを用いてフォーカス誤差信号を検出することを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項3】
請求項1に記載の光ピックアップ装置であって、
前記情報記録面で反射した光束は、前記光ディスクのトラック回折0次光と、トラック回折±1次光から成り、
前記回折格子は、
前記回折格子の中心を含み、前記トラック回折0次光が入射する領域Aと、
前記回折格子の中心を含まず、前記トラック回折0次光と前記トラック回折±1次光の重なる領域が入射する領域Bと、
前記回折格子の中心を含まず、前記トラック回折0次光のみが入射する領域Cの3個の領域に分かれており、
前記領域Cは少なくとも4個の異なる方向へ光を分割する領域C1、領域C2、領域C3、領域C4を有し、
前記領域C1、前記領域C2、前記領域C3、前記領域C4を用いて、フォーカス誤差信号を検出することを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置であって、
フォーカス誤差信号を検出する手段はダブルナイフエッジ法であることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項5】
請求項3に記載の光ピックアップ装置であって、
フォーカス誤差信号検出用の受光素子は、少なくとも2つの領域に分割されており、
前記領域C1、前記領域C2、前記領域C3、前記領域C4からの回折光は、前記2分割受光素子の分割位置に集光することを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項6】
請求項5に記載の光ピックアップ装置であって、
フォーカス誤差信号検出用の前記2分割受光素子は、前記回折光がデフォーカスによって受光素子上で変位する方向と略平行な方向を短辺とし、前記回折光がデフォーカスによって受光素子上で変位する方向と略垂直な方向を長辺とすることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項7】
請求項5に記載の光ピックアップ装置であって、
フォーカス誤差信号検出用の前記2分割受光素子は、前記光ディスクのトラック方向に略相当する方向を短辺とし、前記光ディスクのトラック方向に略垂直な方向を長辺とすることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項8】
請求項5に記載の光ピックアップ装置であって、
フォーカス誤差信号検出用の前記2分割受光素子は、
別の前記2分割受光素子と互いに前記光ディスクのトラック方向に対して略垂直な方向に配置されることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8に記載の光ピックアップ装置であって、
前記光検出器の受光素子は、前記光ディスクの集光された前記情報記録面から反射した信号光を受光し、前記情報記録面以外の情報記録面から反射した迷光を回避するように配置されたことを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置と、
前記レーザ光源を駆動するためのレーザ点灯回路と、
前記光ピックアップの光検出器で得られた検出信号より、多層化された前記光ディスクで安定したサーボ信号を生成するためのサーボ信号生成回路と、
前記光ピックアップの光検出器で得られた検出信号より前記光ディスクに記録されている情報を再生するための情報信号再生回路と、
前記レーザ点灯回路、前記サーボ信号生成回路ないし前記情報信号再生回路を制御するコントロール回路とを備えた光ディスク装置。
【請求項1】
レーザ光源と、
前記レーザ光源から出射した光束を光ディスクの情報記録面に集光する対物レンズと、
前記情報記録面で反射した光束を複数に分割する回折格子と、
前記回折格子によって複数に分割された光束を受光する複数の受光素子を有する光検出器とを備え、
前記回折格子は複数の領域に分割されており、
前記回折格子の中心を含む中央位置にある領域を除く領域を用いてフォーカス誤差信号を検出することを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光ピックアップ装置であって、
前記情報記録面で反射した光束は、前記光ディスクのトラック回折0次光と、トラック回折±1次光から成り、
前記回折格子は、
前記回折格子の中心を含み、前記トラック回折0次光が入射する領域Aと、
前記回折格子の中心を含まず、前記トラック回折0次光と前記トラック回折±1次光の重なる領域が入射する領域Bと、
前記回折格子の中心を含まず、前記トラック回折0次光が入射する領域Cの3個の領域に分かれており、
前記領域Cを用いてフォーカス誤差信号を検出することを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項3】
請求項1に記載の光ピックアップ装置であって、
前記情報記録面で反射した光束は、前記光ディスクのトラック回折0次光と、トラック回折±1次光から成り、
前記回折格子は、
前記回折格子の中心を含み、前記トラック回折0次光が入射する領域Aと、
前記回折格子の中心を含まず、前記トラック回折0次光と前記トラック回折±1次光の重なる領域が入射する領域Bと、
前記回折格子の中心を含まず、前記トラック回折0次光のみが入射する領域Cの3個の領域に分かれており、
前記領域Cは少なくとも4個の異なる方向へ光を分割する領域C1、領域C2、領域C3、領域C4を有し、
前記領域C1、前記領域C2、前記領域C3、前記領域C4を用いて、フォーカス誤差信号を検出することを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置であって、
フォーカス誤差信号を検出する手段はダブルナイフエッジ法であることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項5】
請求項3に記載の光ピックアップ装置であって、
フォーカス誤差信号検出用の受光素子は、少なくとも2つの領域に分割されており、
前記領域C1、前記領域C2、前記領域C3、前記領域C4からの回折光は、前記2分割受光素子の分割位置に集光することを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項6】
請求項5に記載の光ピックアップ装置であって、
フォーカス誤差信号検出用の前記2分割受光素子は、前記回折光がデフォーカスによって受光素子上で変位する方向と略平行な方向を短辺とし、前記回折光がデフォーカスによって受光素子上で変位する方向と略垂直な方向を長辺とすることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項7】
請求項5に記載の光ピックアップ装置であって、
フォーカス誤差信号検出用の前記2分割受光素子は、前記光ディスクのトラック方向に略相当する方向を短辺とし、前記光ディスクのトラック方向に略垂直な方向を長辺とすることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項8】
請求項5に記載の光ピックアップ装置であって、
フォーカス誤差信号検出用の前記2分割受光素子は、
別の前記2分割受光素子と互いに前記光ディスクのトラック方向に対して略垂直な方向に配置されることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8に記載の光ピックアップ装置であって、
前記光検出器の受光素子は、前記光ディスクの集光された前記情報記録面から反射した信号光を受光し、前記情報記録面以外の情報記録面から反射した迷光を回避するように配置されたことを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置と、
前記レーザ光源を駆動するためのレーザ点灯回路と、
前記光ピックアップの光検出器で得られた検出信号より、多層化された前記光ディスクで安定したサーボ信号を生成するためのサーボ信号生成回路と、
前記光ピックアップの光検出器で得られた検出信号より前記光ディスクに記録されている情報を再生するための情報信号再生回路と、
前記レーザ点灯回路、前記サーボ信号生成回路ないし前記情報信号再生回路を制御するコントロール回路とを備えた光ディスク装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−187116(P2011−187116A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50033(P2010−50033)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
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